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1951-03-26 第10回国会 参議院 文部委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十六日(月曜日)    午後二時三十分開会   —————————————   本日の会議に付した事件市町村立学校職員給與負担法の一部  を改正する法律案内閣提出・衆議  院送付) ○教育職員免許法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○教育職員免許施行法の一部を改正す  る法律案内閣提出)   —————————————
  2. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それではこれから本日の委員会を開会いたします。  先ず市町村立学校職員給與負担法の一部を改正する法律案について提案理由を承わることにいたします。
  3. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 今回政府より提出いたしました市町村立学校職員給與負担法の一部を改正する法律案について御説明いたします。  市町村立学校職員給與負担法は、市町村立小学校及び中学校並びに盲学校及びろう学校、即ち義務教育を行う学校教職員及び市町村立高等学校定時制課程授業を担当いたしております教員給與都道府県負担とした重要な法律でございますが、昭和二十三年に制定されてから今日まで、教育委員会法の制定、学校教育法改正給與関係諸法令改廃等がございましたので、従来も給與名称等について若干改正を要する点がございましたが、最近に至つて退隠料及び公務災害補負担区分、小、中学校教員定数等につきまして、解決を要する問題を生じましたので、この法律案提出することにいたした次第でございます。  次に、この法律案骨子について御説明いたしますと、先ず第一に、従来都道府県負担して参りました年末手当寒冷地手当及び石炭手当都道府県負担であることを明らかにし、又、新たに都道府県負担するのを適当といたします退職年金及び退職一時金並びに公務災害補償を加えました。  第二に一高等学校定時制課程のうちに従来の夜間課程が含まれることを明らかにいたしました。これは昨年、学校教育法の一部を改正いたしました際に、同様の改正が行われ、又地方財政平衡交付金制度におきましても、これに伴つて必要な措置がとられているからであります。  第三に、都道府県給與負担いたします職員定数都道府県條例で定めることとし、その範囲内におきまして、教育委員会が、設置されている市町村については、その教育委員会都道府県教育委員会に協議して定めることにいたしました。これは、都道府県市町村立学校職員給與負担いたします場合に、その財政上の見通しがつかなくなるようなことのないようにしたわけであります。  第四に、都道府県負担いたします給與につきましては、都道府県條例で定めることとし、その議案の作成及び提出につきましては教育委員会法第六十一條規定する事件の例によることにいたしました。  最後に、義務教育費国庫負担法は、地方財政平衡交付金制度が創設されましたので、廃止することにいたしました。  以上、この法律案提案理由及びその骨子について概略を御説明いたしました。何とぞ、この法律案の必要を認められ、十分御審議の上、速かに御賛成下さるようお願いいたします。
  4. 辻田力

    政府委員辻田力君) 市町村立学校職員給與負担法の一部を改正する法律案の詳細につきまして逐條御説明申上げます。  市町村立学校職員給與負担法は、市町村立小学校及び中学校並びに盲学校及びろう学校教職員並びに市町村立高等学校定時制課程授業を担任する教員給與都道府県負担としたものでありまして、この法律規定によりまして、本来ならば設置者である市町村負担すべき約六百億円の経費を都道府県負担としている重要な法律でありますが、最近にいたりまして、これから御説明いたしますような問題を生じましたので、ここにその一部を改正する法律案提出した次第であります。  先ず、第一條改正につきましては、給與名称等で、旧法令の規定によるものを整備いたしましたほか、年末手当寒冷地手当石炭手当退職年金及び退職一時金並びに公務災害補償を新たに加えることにいたしました。このうち、年末手当寒冷地手当及び石炭手当は、実際上、従来も都道府県負担しておりましたものでありますし、又地方財政平衡交付金法に基く地方財政委員会規則におきましても、これを都道府県財政需要としておりますので、ここにこれを明文化したものであります。退職年金及び退職一時金は、従来の恩給でありまして、これも都道府県負担していたわけでありますが、教育公務員特例法施行以後に採用いたしました教育につきましては、恩給法規定の準用がなく、市町村の退隠料條例適用を受けることになつているのであります。併し、これでは教員の身分の保障も完全ではなく、而も教員の異動を妨げることにもなりますので、これを都道府県負担としたわけであります。なお、退職年金及び退職一時金の制度は、地方公務員法におきましても未だどういうものになるか明らかでなく、又、少くとも今年一ぱいは、採用後三年になるものはいないわけでありますから、教員でこの制度適用を受けるものは予想されないのであります。  公務災害補償は、この法律規定がなく、都道府県はこれを負担する義務がなかつたわけでありますので、多くの市町村はその不測負担に耐えられないために、公務により災害を受けた者の保護が十分でなく、いろいろ問題を生じておりました。一昨年富山県にあつた事例として、三十人以上の校長及び教員公務災害を受けたことがありましたが、その公務災害補償の額は、約一千万円にのぼつておりますので、若しも一市町村内でそのようなことが起りました場合には、市町村財政は破綻してしまうわけであります。従つて政府といたしましては、都道府県でこれを負担するように指導し、これを負担した場合には特別平衡交付金で考慮することにいたしておりましたが、今回制度的にこの点を明らかにし、これを都道府県負担とすることにいたしたのであります。第二條改正は、高等学校定時制課程のうちに、夜間課程を含めたものであります。従来、定時制課程のうちには、夜間課程が除かれていたのでありますが、昨年四月学校教育法の一部改正の際に、夜間授業を行うことも一定の時間に授業を行うことにほかならず、又勤労青少年を対象とすることに変りはないわけでありますので、これを定時制課程のうちに含めることにしたわけであります。これに伴つて地方財政平衡交付金法に基く地方財政委員会規則におきましても、その財政需要都道府県財政需要としてみておりますので、この法律におきましても、同様の改正を行なつた次第でございます。  次に、二條ほど新らしい規定を設けましたが、第三條は、市町村立学校職員定数都道府県條例で定めることにいたしました。教育委員会法第四十九條によりますと、市町村教育委員会教職員採用等の人事を自由に行うことができることになつておりますが、その給與を自働的に都道府県負担するということになりますと、都道府県といたしましては、財政不測の事態が生じ、財政計画が立たないわけであります。そこで、その定数の大枠を都道府県條例で定め、その範囲内において教育委員会の設置されている市町村定数につきましては、その教育委員会都道府県教育委員会と協議して定めることとし、その他の市町村定数につきましては、都道府県教育委員会が定めることにいたしたわけであります。  第四條は、さきに提出いたしました教育公務員特例法の一部を改正する法律案におきまして、大部分の給與都道府県條例で定めることにいたしたわけでありますが、退職年金及び退職一時金並びに公務災害補償は、地方公務員法にいう給與のうちに入つておりませんので、これらの給與につきましても同様の措置とつた次第であります。なお、議案の原案は、教育委員会法第六十一條の例により教育委員会がこれを作成し、知事を通じて議案を議会に提出することにいたしました。  最後に、義務教育費国庫負担法は、地方財政平衡交付金一部概算交付暫定措置法附則第二項において、その効力が停止されていたわけでありますが、地方財政平衡交付金制度の創設に伴い廃止すべきものでありますので、廃止することにいたしました。  以上がこの法律案の要旨でございます。
  5. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  6. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは速記を始めて下さい。  教育職員免許法の一部を改正する法律案教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案、両案を一括して上程いたします。  御質疑のあるかたは御質疑を願います。
  7. 木村守江

    木村守江君 教育職員免許法の一部を改正する法律案のうちの別表第七の、盲、ろう学校教職員の問題ですが、盲、ろう学校教職員特殊性を考えまして、盲、ろう学校教職員は同一資格者で赴任と同時にほかの一般小中学校教職員より一号俸高くなつておるのであります。ところが盲、ろう学校教職員が仮免から普通の二級免をとるためには三年のいわゆる経験年数と八単位単位をとらなければ、普通の二級免許状をとることができないというのが実際の問題でありますが、この八単位資格をとつて而も三年の経験年数をとつても、いわゆる号俸には何ら変りはないというのが実際の状態なんですが、これに何か矛盾を感じませんか。
  8. 玖村敏雄

    政府委員玖村敏雄君) お答えいたします。現段階では、新らしい免許法免許状の種類と、それからその給與との関係というものは、まだでき上つておりません。近き将来において俸給給與表ができない限り、おつしやつたようなことが、はつきりしたことが、そうすれば何号上る何号上るというふうには申上げられないと思います。
  9. 木村守江

    木村守江君 私この前の臨時国会においてこの点を質問したのでありますが、普通の人よりもいわゆる時間的にも肉体的にも経済的にも大きな犠牲を拂つて単位修得して、そして単位修得しない人と同じ給與であるというのでは誰もみずから進んで単位をとる人はなくなつてしまうのじやないかと思うのですが、この点についてこの前局長は、その点は号俸が上るごとになつておるというような言明をされたのですが、その点私の聞き違いであるか、局長の考え方であるか、明確にしてもらいたいと思います。
  10. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 只今玖村政府委員からお答え申上げましたように、まだ給與の点につきましては成案ができてないのでございます。従いまして、只今質問の点につきましては、まだ具体的なことを申上げられないのを大変遺憾といたします。
  11. 木村守江

    木村守江君 只今成案ができていないと言いまするが、成案ができていなくて矛盾を感じませんか。
  12. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 問題はこの盲、ろう関係ばかりでなく、一般に共通する問題だと考えております。目下人事院においてそうした点について考えておりまするが、前回教育公務員特例法の場合にもいろいろお話がありましたように、教員に対する職階職級をきめますごと、非常に困難な問題でありますので、今研究中でございますが、ただこれは修得単位ばかりに比例すべきものではないと考えております。経験年数或いは勤務成績或いは修得単位、それらを総合いたしまして、この免許法規定によりまして一級二級或いは仮というような階段があるわけでありますから、それらの点と又現実の勤務成績或いは経歴年数というようなものを考えまして、そうして職階職級が照応して参ると思います。單に認定講習を受けたとか受けないというようなことが直接響きますようなことは事実困難じやないかと思います。
  13. 木村守江

    木村守江君 只今職階制の問題は人事院のほうにおいて研究しておるというようなことを申されましたが、実際問題において、教職員は別にして、ほかの職場においても実際経験と、それから研究修得を得た場合に号俸が上つておりません。
  14. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 一般行政職員につきましては、お話のように、その職務における勤務成績と、かたわら研修というものを考え併せまして、そして職階職級の昇進ということにいたしております。
  15. 木村守江

    木村守江君 只今一般職においては経験年数とその職場研修ということについて職階が変つておると申されましたが、この盲、ろう学校先生が三年の経験を持つ、而うして八單位をとるというようなことは、単なる單位とつたということではないと思う。これは立派に三年間のいわゆる盲、ろう学校教職員として立派な経験を持つたということになるだろうと思うのであります。そういう点から考えると普通の小中学校つた卒業と同時に二級の免許状をもらえるのに、盲、ろう学校限つて三年と、それから八単位資格をとらなければ二級教職員になれないという状態にあるのでありまして、そのときには私は普通の人よりも一歩進んだ号俸をしなければいけないのじやないかと思うのですが、その点どうですか。
  16. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 先ほど申上げましたように、免許状グレードそのもの職階職級に直ちに照応するとすれば、盲、ろうについてはお話のような点があろうかと思いますが、併し盲、ろう教員のように二枚免状を持たなければならんものにつきましては、恐らく職階職級をきめます場合に相当な考慮があるべきものだと考えます。
  17. 木村守江

    木村守江君 私は盲ろう学校教職員のように二枚の免許状を持たなければいけないような、普通の人より余計な経験と余計な研修をしなければならないというところに私はその号俸に差がなければならないと思うのですが、如何ですか。
  18. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) その点につきましては、これは免許状と別に、直接関係あるわけじやございませんけれども、御承知のように従来盲、ろう学校教員のほうが一号俸高くなつております。
  19. 木村守江

    木村守江君 これはただ一号俸高いということは、これは卒業と同時に、一般小中学校と同じ資格があつて、盲、ろう学校先生であるということによつてそのときすでに一号高いのです。決して三年間の経験と八単位單位とつたから高いのじやないのでありまして、そこに私は差があると思う。盲、ろう学校先生が普通の小中学校先生よりももつとむずかしさがあるという職場特殊性によつて号俸高いのだと思うのです。その上に三年間の経験と八單位をとらなければ二級普通免許状をもらえないといつて単位とつた場合には、又そこに何らかの裏付がなければいけないのじやないかと思う。
  20. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 御質問に対しまして別に反対する意見を申上げる意味で申上げるのじやないのでございますけれども、私どもの気持といたしましてはその点ならばほかの教員でも同じじやないか、こう思うだけでございます。
  21. 木村守江

    木村守江君 私はこれは盲、ろう学校のことだけを申しておるのじやないのでありまして、この前私の質問したのは盲、ろう学校だけじやなくて、一般高等学校先生中学校先生の問題から質問をした次第でありまして、単位を余計とらなければいけない人は、それから経験年数を余計持たなければ資格をやれないというような人に対してはそれ相応の裏付がなければ誰もその上の資格をとりて行く人がなくなると思うのですが、如何ですか。
  22. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 又前の繰返しになりまするけれども、この免許状における階級と直ちにそれが照応いたしまして職階職級をきめますこと、これは相当研究問題じやないかと思います。それから更に又認定講習等におきまして修得いたしました單位それ自身が直ちに職階職級に影響いたして来ること、これ又研究問題じやないかと思います。要するにこの職務経歴勤務成績研究研修それらのものを総合いたしまして、それぞれの職務性質と睨み合せて職階職級というものを作つて行く。従つて職階職級のでき方につきまして今お話になりましたような研修が影響しないとは勿論考えませんけれども、それらの研修だけによつて職階職級が左右されるということになりますると、又実際問題において早く認定講習を受けたいとか、無理してでも単位をとるとかいうようなことを招来するというような弊害もございまするし、その辺は愼重に考えなければならん問題じやないかと私ども考えております。
  23. 木村守江

    木村守江君 先ほどのお話では一般職においては経験年数とそれからその職場研修とによつて職階が変つて来るのがあるというようなお話をされましたが、教職員の場合に、或るきまつた経験年数とそれから認定講習を受けて単位を得るということは、その單位をとるということによつていわゆる職階をきめるべきじやないということになりますると、認定講習研修というものは、そんなに権威のないものでありますか。あなたがた認定講習をやつてつて、今話を聞いておりますと、どうもその認定講習における単位の獲得ということは研修権威のないというようなふうに聞えるのですが、これは非常な矛盾じやないかと思うのです。
  24. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 一般職について、先ほど申上げましたのは一般職については試験もございます。又研修の方法もございます。又勤務成績もございます。これらを総合勘案いたしまして昇級昇等の資料にする、こういう意味で申上げたのです。すべての職員が一階上ります場合に研修を受けるわけじやない。これは御了承を願いたいと思います。それから大体認定講習の本質、今更申上げるまでもないのでありますが、教職員の資質を向上して実力をつける、こういう意味に実施する実価があるわけだと考えております。従つてその単位俸給幾ら幾らと換算しなければ価値がないというような性質のものではないと考えております。
  25. 木村守江

    木村守江君 只今のこれは教職員実力をつけるのだ、いわゆる立派な教職員なつたのだというところに私は裏付がなくてはいけないのじやないかと思うのですが、立派な教員になる実力をつけるのだ、それでもう知らない、元と同じだというのじや誰もその研修を受けるに志すものがなくなるのじやないか。その教職員の質の向上ということも望めなくなるのじやないかと思うのです。
  26. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 先ほどから申上げたのでありますが、そういう認定講習の結果であるとか、或いは単位修得が全然効果がない、効果を及ぼさないとはさらさら申上げていないのでありまして、それから又それだけによつて職階職級がきまるのじやない。職階職級の立て方につきましてはこれは非常に愼重人事院等と交渉して目下研究中でございますので、その細分なり、成案ができますれば、或いはお話の点も具体的に照応いたしまして、又いろいろお教えを得たり、又御説明を申上げることができるだろうと考えるわけでございます。
  27. 木村守江

    木村守江君 それでは局長は私の言うことのようにせなくちやいけないというふうに考えておるというように了承いたしていいのですか。
  28. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 単位修得職階職級向上に影響があるべきものだとは考えております。ただそれが一単位とつたから何グレードに換算するといつたようなそれ自身が機械的に相照応すべき性質のものじやない。こういうふうに考えております。
  29. 木村守江

    木村守江君 それじやその問題はそのくらいにいたしまして、今度のこの盲、ろう学校の、又は養護学校教員一級普通免許状交付ですね。今までは普通二級免許状のある者が三年間の経験年数があれば一級免許状を得たのですが、ところが今度は六単位資格を得なければ一級免許状をもらえないということになるのですが、六單位というのは普通の小中学校教職員つたならば二級の普通免許状を持つた者は三単位資格を得れば普通一級免許状をもらえるわけです。ところが盲、ろう学校においては二十三単位になお六単位とらなければ免許状をもらえないということになるわけです。こういう非常に重い負担をかけて、而もこれに対して何ら裏付をしないということで、これでもういいとお考えですか。
  30. 玖村敏雄

    政府委員玖村敏雄君) 新らしいこの修正案の六単位を要求いたしましたのは、元の免許状一級になる、二十三單位とつた上に更に六單位を要求するのではなくて、二級のままで結構だ、これはそう書いてありますので、二級でいいのです。ですから非常に軽いのでありまして、決して重くしていないわけなんです。
  31. 木村守江

    木村守江君 ちよつともう一遍、二級でいいというのは……。
  32. 玖村敏雄

    政府委員玖村敏雄君) 二級の免許状基礎免許状を持つておれば、盲、ろうと養護教員については一級教員になれるわけです。
  33. 木村守江

    木村守江君 三年間……。
  34. 玖村敏雄

    政府委員玖村敏雄君) 三年間六單位
  35. 木村守江

    木村守江君 二十三單位とらなくていいのですか。
  36. 玖村敏雄

    政府委員玖村敏雄君) とらないのです。
  37. 木村守江

    木村守江君 そうすると、この盲ろう学校のほうはどうして一体二十三単位單位をとらなくていいのですか。
  38. 玖村敏雄

    政府委員玖村敏雄君) 盲、ろう学校教員の従来の二級教員というものは、大学の二年程度の卒業生が大体とる免許状でありますから、盲、ろうの特殊な専門家としての技術方面をやればよろしいと見たのであります。
  39. 木村守江

    木村守江君 この盲、ろう学校一級免許状をとるのは、三年の経験と六単位をとるということは、盲、ろう学校のいわゆるあん摩とか、それからマッサージ、それからいろいろなそういう技術のものの以外の六単位じやないのですか。
  40. 玖村敏雄

    政府委員玖村敏雄君) おつしやる通りでありまして、はり、きゆう、あん摩のごときはありません。
  41. 木村守江

    木村守江君 そうしたらそのいわゆる技術的な單位というものとこの六單位と加えると相当の過重の負担となると思うのですが……。
  42. 玖村敏雄

    政府委員玖村敏雄君) 盲、ろうの普通の教員はやはり国語とか社会科とかいうふうな学科を教えるのでありまして、今御質問のはり、きゆう、あん摩特殊教員という別個な免許状があるのです。これは適用されないわけです。
  43. 木村守江

    木村守江君 ちよつと問題が違いますが、それはこの盲、ろう学校一級免許状を取得するに必要な認定講習を開催しておる場所と、それから收容する教員の数はどのくらいですか。
  44. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 養成とまあ再教育でございまするが、養成といたしましては、先般御審議頂きました国立学校設置法改正の場合に申上げましたように、新たに東京教育大学四年コースの課程を設けております。そのほか東京教育大学ほか全国四カ所の国立大学特殊教育の二年の臨時養成課程が設けられておりまして、これにおいて養成せられるものといたしましては四年課程が二十名、二年課程が二百十名、そのほか高等部特殊教科教員養成課程等合せまして合計三百三十名……。
  45. 木村守江

    木村守江君 私の質問と違うのです。認定講習、六単位をとるための認定講習講習会を開く個所が全国に幾つあるか。
  46. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) それは御承知のように全国府県で行われておりまする認定講習の中にこれを組入れて実施いたしております。全国府県でいたしております。或いは各ブロックにおいて特別の教育をいたしております。
  47. 木村守江

    木村守江君 この盲、ろう学校の六単位をとる単位は各府県の普通の認定講習講習会ですか。
  48. 玖村敏雄

    政府委員玖村敏雄君) 大体この一般教育単位をとつてもいいのでありますし、それから特殊教育特殊講義を聽かなくちやならないものもあるわけです。特殊教育の特殊の講義を聴く場合には、例えば九州で申しますと九州大学がある、昨年は……。それから中国は広島大学、近畿は京都大学というふうにブロック別にお願いをしたわけなんです。それからもう一つ御注意願いたいと思いますのは、二十六年度から新たに特殊教育に関する専門通信教育講座を開設いたしますので、これが非常に役に立つだろうと思つております。
  49. 木村守江

    木村守江君 そうするとあれですか。この盲、ろう学校一級免許状をとる者、六単位というのは普通教員のいわゆる教養課程認定講習ですか。
  50. 玖村敏雄

    政府委員玖村敏雄君) ちよつと今考え違いしておりました。この六單位は全部特殊教育関係するものなんであります。それで昨年度の全国盲教育ろう教育のほうの先生がたは四単位つておるのです。昨年度の夏の休みの間に……。ですから大單位はそんなに窮屈なものじやないのです。
  51. 木村守江

    木村守江君 只今この六單位は余り窮屈なものでないというのですが、この六単位特殊教育なんです。従つて私の知るところではこの六單位認定講習資格を與える講習会というのは、私は今玖村課長が各ブロツクごとにやつておると言いますが、私はやつていないと思うのです。恐らくはこれは大体本年は東京ですか、極く全国で二、三カ所よりやつていないと思うのです。そうするとそれに出て来て資格をとるためには莫大な経費が必要とするのです。そういうような大きな私は予算をかけるようなことを盲、ろう学校教員にのみ強いることはちよつと無理じやないかと思うのですが一……。
  52. 玖村敏雄

    政府委員玖村敏雄君) 昨年度やりましたものは、盲が百、それからろうが二百です。国がやりましたのは三百なんです。それから各都道府県でその方面の専門家を招いて、そうして専門講義を聽くという講習会都道府県教育委員会で主催する、そういうふうになつておるわけです。
  53. 木村守江

    木村守江君 実際問題としてこの特殊教育をする盲、ろう学校認定講習というのはこれは都道府県教育委員会ではでき得ないのです。実際問題としてはやはり東京都とか限られたところでやる以外にはないということになつておるのでありまして、この点で私は一躍今まで三年で、よかつたのを六單位をとらなければならないというような大きな負担を一遍にやるというところに非常に困る点が生じて来るのじやないかと思うのです。
  54. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 現在の教員の各級別の免許状所有者の。パーセンテージを考えて見ましても、例えば盲学校におきましては六五%が二級免許状所有者になつております。小学校の平均五一%と比べればすでに盲は二級免許状所有者というものは相当あるわけであります。それから先ほど来玖村政府委員からも御説明申上げましたように、通信教育であるとか、或いは又認定講習なり、或いは又例のワーク・シヨツプあたりにおきましても単位をとられるように考えております。こういうように再教育の施設を充実しましたり、それから先ほど申上げましたように養成といたしましても一割以上の人数が養成せられる現状であります。二年間と一年……。そういうような現状から考えまして、この盲、ろう教育の重要性という点から考えますれば、すでに養成及び再教育がそこまでできる今日これに対しましてほかと権衡を失してまで専門教育修得単位を欠く必要はないのじやないか。むしろこの教育を重んずる意味においてこうした單位を掲げまして国及び府県といたしましては特に力をこの面の再教育及び養成に注いで参るというほうがむしろ適当じやないかと、こういうふうに考えましたので、この六単位を加えたわけでございます。
  55. 木村守江

    木村守江君 この盲、ろう学校特殊教育認定講習は非常に経費がかかるのです。普通よりも経費がかかるのです。これに対しては特別に何か裏付を考えておられますか。
  56. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) まあそういうような点から言いまして特に通信教育等については優先的に取扱つておるわけでございます。それから旅費の補助はこれはならしに各府県に差上げるわけでありますけれども、各府県の方針といたしましてその辺特に按配することはでき得る問題だと考えております。
  57. 木村守江

    木村守江君 私の考えは、これは計算が間違つておるかも知れませんが、大体去年は二百名くらいの先生認定講習を開いたと言いますが、全国の盲、ろう学校教職員は相当の数になつておると思うのです。それを三年間に恐らくは全部一級免許状をとるような教育はでき得ないと思うのです。ところが今までは三年で一級免許状を得られたんですね、ところが今度は、ぐるつと今年から念に変つたために、三年が来ても、これはもう三年の間に認定講習を受けて資格をとつて一級になりたいと思う人も、実際この認定講習の収容能力がないために、いわゆる認定講習を受けることができない。そうして一級免許状もとれないという実状が、私はそれじやないかと思うのです。そういうふうなときにですね、政府の、まあ文部省の計画の足りないために、文部省のそれは予算か何か知りませんが、1計画の不備のために教職員一級免許状をとりたくても実際できないという実状に遭遇しておると思うのです。そういうことについてこの法律案に何か疑義がありませんか。
  58. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 盲、ろう唖の在職教員二千九百名に対しまして、先ほどお答えいたしましたように昨年においてすでに三百名受講いたしたということは、ほかの教員に比べて非常な高率であるわけでございます。それから三年間に六單位とらせるというお話でございますけれども、これは何も三年間に六單位ということをすべての教員について考えておるわけではない。先日も申上げましたように、昨年の夏の改正によりまして延長いたしました年齢を基準にいたしまして、我々といたしましてはまあ五カ年間に受講すると全体二二・四単位でございますか、平均のうち、あと十四単位くらいをこの間にとらせるというくらいな計画で進んでおります。その計画につきましては特に盲、ろう教員ばかりを非常に早いスピードで一級上げなければならんとは私ども考えていないんでございます。
  59. 木村守江

    木村守江君 私の質問ちよつと今の答弁と違うのです。今までの盲、ろう学校教職員は三年で単位を習得しなくても一級免許状をもらえたんです。そういう点からですね、これは三年で一級免許状をもらえたんですから、今までと同じように、若しも單位をとらなければいけないなら三年間にとつて一級免許状をもらいたいというのは人情だと思うのです。それで三年で今までもらえたんだ、今年からは三年の上に六單位とらなければならないということは、やはり三年のうちにやりたいという気持が起つて来ると思うのです。ところが三年のうちにやりたくても、設備か何かでできないということになれば、文部省でこういう法律を作つて、できないことを盲、ろう学校教職員に強いておるというわけでないですか。
  60. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 今までに三年で一級免許状を習得したと言われますけれども、免許法を施行いたしましてから三年はたつておらない。そういうわけで当時は我々といたしましては養成及び再教育施設の充実を希望したのでございますけれども、その当時においてはまだそれが十分完成していなかつたので、その後において極力この方面に力を入れまして、今日他の教員とのバランスをとるようにいたしたいと思い、本條はここで六単位を掲げることにいたし、本則に返えつたわけでございます。
  61. 木村守江

    木村守江君 大体において私の質問を終りたいと思うのですがね。結局これは教職員の質の向上を図つて本当の教育の充実を期するために、まあいろいろの方法を講じて、いろいろ資格向上を図つておると思うのです。そういう意味でそういう点を、いわゆる文部省の趣旨に副つて努力しておる。まあ全国教職員の諸君が非常に大きな肉体的な物質的な精神的な犠牲を拂つて勉強をして資格を取得する場合はですね、それに対する私は何らかの裏付の行を考えて、そうしてますますこれは向上を図つて行きしむるというのが教育効果を一〇〇%にする原因だと私は思うのです。そういう点からですね、私は決しで盲、ろう学校教職員のことについてのみ言うのではないが、全国一般教職員のためにそういうような方法をとつてもらいたい。そうして又認定講習資格とつたようなことによつて、それが本当に職階制を改変するような研修であるようには思えないというような言葉を聞きますと、誠に心外に堪えない。私はやはりそうでなくて、本当に、少くともそういう研修を経た者に対しては、一応認めてやるべきが妥当だと考えております。
  62. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 誠に御尤もでございまして、私どもといたしまして、先ほど来、或いは言葉が足りなかつたかも知れませんけれども、まあお考えのようなつもりでおるわけでございます。
  63. 木村守江

    木村守江君 では次に教職員免許法施行法の一部を改正する法律案でありますが、この別表第七の国民学校の専科教職員免許状を有する者で、五年以上中学校教員として良好な成績で勤務した旨の所轄庁の証明を有するものは二級普通免許状がもらえるとありますが、これは、私は現在の六・三制の布かれたその後の状況において、実際は中学校先生をやりたかつたのだが、いろいろな定員等の関係、或いは職場等の関係で、或いは家庭上の関係、いろいろな関係で小学に籍を置かなければならなかつたというような人があつたと思うのです。そういうときに、これは何年中学校先生をやつたからといつて中学校先生をやつたからというようなことで、この二級普通免許状をくれるというのは、これはちよつと変じやないかと思いますか……。
  64. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 若しそういうかたが小学校におられるといたしますれば、無論これは中学校に移つて頂いたほうがよいのであつて、人物配置の点から見まして、都道府県教育委員会においても、恐らくそういう点を御考慮頂けることだと考えるのでありますが、それはまあそういうかたがた小学校の二級を與うべきかという問題になりますると、やはり専科教員というものは、非常に、申すまでもなく狭い領域の受持でございまするので専科単位、或いは各教科の非常な総合連関を必要とします小学校先生としては非常に不適当だという考えに出ているわけであります。
  65. 木村守江

    木村守江君 どうもそれは、地方の都道府県教育委員会で適正配置をすべきだというのは御尤もですが、実際問題としてそういうふうなのができ得ないことがあるのです。それから新制中学校ができるとすぐにこれは新制中学校に来られなくて、そうして二年過ぎ、三年過ぎて、今年あたりは受けるという人もあると思うのです。そうした場合に、單に中学校に五年以上いたということでくれるのはちよつと矛盾であるのではないかと思うのであります。
  66. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 過去において国民学校高等科或いは青年学校で教えておりましたものは、中学校教育経験年数に換算いたすわけでございます。恐らくそういうようなかたがたにつきましては、配置として中学校のほうに配置せらるべきものだと思つております。
  67. 木村守江

    木村守江君 そこで青年学校と、高等小学校の筒等科ですか。
  68. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) はい、さようでございます。
  69. 木村守江

    木村守江君 それでは私の質問はこれで終ります。
  70. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 本改正案は、提案理由にもありますように、現状に即するように整備改正したとありますが、所管課長の努力を多とするものでありまして、さぞ御苦労だつたと思います。そうしまして、その点は確かに盡されておるようであります。私予算委員会に参つていまして、この審議が、前にどういうことがあつたか知りませんので、重複することを恐れますから、私は只今木村委員が質問したことにつきましてもう少しお聞きしたいと思います。  全般的にこの法の実状に即するようにとか、或いは均等を図るというような立場から整備できておると思いますが、やはり一つの問題は、特殊学校教職員の免許のところにあると思います。この問題に関する限りは私自由党の木村氏とも完全に一致するわけでありまして、自由党のほうから修正案提出されることを期待し、又強く要望するものでありますが、まあこの点だけでありまして、さつき第一の質問についての習得単位給與との関係を結び付けることを質問された。これに対して、局長は御尤もであるというような答弁をされましたけれども、これにつきましては認定講習の発足当時の文部省当局の説明その他から考えますときには、これは給與制度の根本に関することであつて、そう簡単に私は賛意を表しかねるのであります。それはそれとしまして、特殊学校の面について、お伺いいたしますが、私まあお伺いいたしますのは、特殊学校教職員の確保という立場からお伺いするわけであります。これにつきましては国立学校の一部改正のときにも私は局長にお尋ねしたわけであります。確かに法を整備するような場合には、均等というような立場から今度のような改正が出て来るのは無理ないと思うのでありますが、私は特殊学校の校長も若干知つておるのでありますが、実際なかなか確保できない。本人はそういう方面の教育に非常に趣味と熱意を持つて行きたいと言つても、周囲の人が許さなくてなかなか学校長として確保ができない、こういうわけです。この提案の底意には確保できるということを前提にして、こういうことをされているわけです。  それともう一つ問題になるのは、先ほどから特殊学校教職員単位を要求しても、そう過重にならんと言いますけれども、やはりこれは私は特殊学校と普通学校の人事交流というものは或る程度予想せにやならんと思います。そうなりますと、やはり教員としては基礎免ということは一応考えるでしよう。基礎免というものを考えた場合に、単位というものが出て来るとすれば、私はどうしても過重になるのじやないか。過重になるところに教員の確保ができないのじやないか。こう考えるのですが、その点についてもう一度突込んで答弁して頂きたい。
  71. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 先ほど単位の習得が職階は直ちに換算される点について尤もと私が申上げたようにおとり下さいますれば、そう申上げたつもりはないのでございます。いろいろ先ほどから申上げておりますけれども、職階職級は今愼重に考究いたさなければならんものにつきましては、非常に優秀な成績の、勤務成績も必要である、又経験年数も必要である、又研習ということも見合わなければならん。従つて単位習得が全然職階職級効果を及ぼさないという問題じやないのだ、そういうような点につきましては、十分先ほど木村委員のお気持も体しましても考えたい、こういう意味でお答え申上げたわけでございます。  次に盲、ろう教員の需要供給関係において、果してこういうふうに要求して供給ができるかということにつきまして、前回も他のかたの御質問にお答え申上げましたように、東京教育大学の四年課程及び同大学ほか四大学において二年課程で、全体において三百三十名程度の養成数が上つております。これは現在の盲、ろう教員の二千九百名に対しましては、供給といたしましては相当満足すべき一割以上の数字であるわけであります。そのほか再教育の問題でございますが、これも先ほどお答え申上げましたように、盲学校等につきましてもすでに二級免許状を持つております者が全体の六〇%以上になつておりますことは、小学校あたりよりもパーセンテージが高いのでございます。この二級を持つている者に一級特殊教育免許状を與えますためには六単位の習得でいい、普通の二級の者が一級をとりますためには二十二単位要るのに、この二級を持つている者は六単位でいいわけであります。而も今日の二級普通免許状の所有者の状況を見ますと、今までの盲ろう教員の大部分は二級に切換えてしまいました。従つて二級にあります者は、盲、ろう教育についての、新教育についての研習を受けていないかたがたなんでございます。従つてこの教育の重要性と特殊性から考えますれば、やはりこれを一級に上げますためには、どうしても新教育についての研修を必要とする、そういう意味において単位均衡を考慮いたしまして、ここは六単位の履修といたしたわけであつて、而もその六単位の履修につきましては、前回繰返し申上げているように、通信教育なり、或いは特別の現職教育なり、或いは又ワークシヨツプなり、いろいろな方法によつて単位習得を便ならしめるように又我々地方庁と協力いたしまして十分いたしたい。そういうような点から考えますれば、今日この一級普通免許状の問題について、単位の履修を大單位といたしたという理由は申すまでもないことじやないかと考えましたのが改正の理由でございます。
  72. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 長くやりませんから……、私は盲学校ろう学校をよく視察するのですが、視察して非常に感ずる点は、普通学校教員を途中で一辺盲、ろう学校教員に任命して経験さしたら、普通学校教育はさぞうまく行くだろう、教師が成長するだろう、こういうことは常に感ずるのであります。普通学校の教え方がいろいろ不平不満を述べられておりますけれども、特殊学校の実情を眺めれば、随分とその点悟る点があるのじやないかということを痛切に感ずるのでございますが、私はやはり人事交流ということを考えるのでございますが、或る程度……今局長は、二級から一級になるについては、普通のかたは二十三単位であるが、特殊は六単位だから非常に軽いと、こう言われますけれども、特殊学校教員として一生を過ごすという人はそれでいいわけであります。普通教育の基礎免ということを考えた場合には二十三単位というものがありますし、又六単位というものが、やはり春秋に富む青年にとつてはあるわけであります、そういう点について私は問題があるのじやないか。  もう一つ申上げたい点は、私は既得権という立場から、やはり問題があるのじやないかと思うのであります。発足の当時、教員養成、需給がうまく行かないから、だから三年の経験だけで単位はよろしい。これで発足したのですね。今度は教員養成のほうが充実して来たから、六単位加えるということになりますと、あの免許は二十四年九月に発足したわけですが、その当時学校に行つておれば、三年たてば一級になるという考えで進んで来られたかたが、途中において改正されて、それが御破算になる、そういうところに既得権を侵害することになりはしないか。従つてここで六単位というものを加えるならば、この法を施行したこれから後の者に適用する、こういうことにすべきものでないか。こういうふうに私は考えるのですが、如何でございましよう。
  73. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 人事交流の点も、お話御尤もでございますけれども、先ほど申上げましたように、要するにこの盲、ろう教員についての二級普通免許状の基礎資格が、非常に低いと御了承願いたいと思います。あとの既得権の問題でございますが、既得権という問題につきましては、まだ三年たつておりません。すでに経過いたしました二年なら、二年は勘定するという点は、既得権は十分尊重している。まだ三年たつていないのであります。免許状をもらつた者がないのでございますから、もらつた者があつて、それを剥奪して、而も又六単位とらせるというのは既得権の侵害になると思いますけれども、私どもといたしましてはこういうつもりで、当初から置くべきものが、その後我々非常に努力いたしまして、再教育施設を充実いたしまして、もう自信がつきましたのでここへ六単位を計上したことを御了承願いたいと思うのであります。
  74. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 これはどうしても私は了承できん。この点に関する限り、先ほどの木村委員と全く意見が一致し、木村委員の熱ある発言に敬意を表したわけであります。自由党からは恐らく、修正案が出るだろうと思いますが、それを期待して全面的に支持して、これだけは修正して頂きたい。ほかの部分については、私冒頭に申上げましたように、所管課長の努力を多としてよろしいと思うのでありますが、これだけの点については了承できない。
  75. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 他に御意見ございませんか。
  76. 木村守江

    木村守江君 今既得権の侵害はないと言いますが、これは盲、ろう学校先生になれば三年を過ぎれば一級免許状をもらうという法律を作つて入れて、あとで途中で駄目だということでは、これはペテンだ、そういうふうに思いませんか。
  77. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) そういう点を申上げますれば、制度が変つて免許法を作つたこと自体が既得権云々の問題かも知れませんが、我々といたしましては免許法制定以来いろいろ御意見によりまして修正すべき点は修正いたして参りましたし、又免許法の本旨に副いまして、その本旨に実情が合わないために止むを得ずそこに欠陷のありましたものは極力実情をそれに副わせる。又今の再教育或いは養成その他を充実いたして参りまして、できる限り免許法を御制定になりました本旨に副うて権衡を維持したい、こういう考えの修正でございます。
  78. 木村守江

    木村守江君 話が間違つてつたということですね……。
  79. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 他に御意見ございませんか……。  それではこの両法案に対する質疑は終了したものと認めて、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それではさよう取計らいます。  それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後三時三十二分散会  出席者は左の通り    委員長     堀越 儀郎君    理事            加納 金助君            成瀬 幡治君            木内キヤウ君    委員            木村 守江君            大谷 瑩潤君            工藤 鐵男君            荒木正三郎君            高田なほ子君            梅原 眞隆君            高良 とみ君            山本 勇造君            大隈 信幸君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   国務大臣    文 部 大 臣 天野 貞祐君   政府委員    文部省初等中等    教育局長    辻田  力君    文部省初等中等   教育局庶務課長  内藤誉三郎君    文部省大学学術    局長      稻田 清助君    文部省大学学術    局教職員養成課    長       玖村 敏雄君   事務局側    常任委員会專門    員       石丸 敬次君    常任委員会專門    員       竹内 敏夫君