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1951-08-13 第10回国会 参議院 文部委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年八月十三日(月曜日)    午前十一時五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育及び文化に関する一般調査の件  (教育予算に関する件) ○小委員長報告   —————————————
  2. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 来年度予算要求につきましては、本年度は事務的な関係では少し行き方が変りまして、先に重要問題について提出をする、そうして全体の説明をいたしまして、それから直ちに大蔵省としていわゆる査定をして、重要問題に関する或る程度の枠をきめるといいますか、一応の目安をつけるということをやることになつておるわけでありまして、そういう意味で本日お手許にお配りいたしました二枚綴りの要求書が重要問題の事項別表でございます。ただ金額の書き方はわかりやすいようにまるい数字にしておきましたが、大体こういうふうな内容重要事項大蔵省に目下提出いたしまして説明をしておるところでございます。この内容につきましてはこの前の委員会で大体の御説明をいたしましたので、余り細かいことは御説明の必要がないかと思うのでありますが、極くあらましのところを項を追つて申上げてみたいと存じます。  第一に、その前に要求方法といたしまして四つの重大な項目を取上げました。義務教育充実学術振興産業教育振興育英事業の発展、その四つ項目につきまして重要事項を整理したわけでありますが、第一の就学奨励費、これは厚生省教育扶助目的を以て生活保護法による保護として千六億八千万円の経費が本年ございまして、それによつて貧乏な子供就学奨励経費を出しておるのでありますが、とかく厚生省の形で参りますとその金がいわゆる生活扶助のほうに使われて、本当の就学奨励にならないというようなことが従前から問題になつておつたところでありまして、この点につきまして厚生省といろいろ話合いを進めておるのでございますが、来年度予算要求といたしまして、これを文部省経費にして、文部省の筋を以て就学奨励の徹底を期したい。それには単に生活保護という観点からいたしまする保護が或る程度限度を引かれますので、大体現在四%乃至五%のものに扶助をしているのでありますが、それを更に拡大して保護法の適用以上に、例えば公私の救助を受けて学校に通つているとか、或いは学校で諸費用を免除しているとか、或いは家庭において負担能力が欠けているという条件で調査をしましたところに従いまして、小学校については二%ぐらい、中学校については三・六%ぐらいの範囲を拡げたわけであります。そういたしますと、実際上貧乏のために学校に行けないで休んでいるという子供が百二十万ぐらいになるのであります。たしか前回の御報告のときには百万ぐらいと申上げましたが、その後の調査によりまして二十万ぐらい殖やす必要があるというので金額が少し上つたのでありまして、四十三億四千万円ということになつております。それから教科書無償配付の問題は今年から始まつた事業でありますが、これを二年まで延ばして範囲国語算数教科書を配る。その負担範囲金額国庫負担にしたいという希望を以て要求書を出しているわけでありますが、それが九億一千万円でございます。(3)と(4)は給食関係でありまして、現在見返資金を以て学童に対するパン及び粉乳給食をいたしているのでありますが、来年度見返資金がなくなりまして、これを如何なる形で負担するかということが問題になつて来るわけでありますが、現在の給食をそのまま続けるということになりますと百億近くの金を国で負担しなければならない、それは到底不可能でありまして、まあ小麦等につきましては国内生産で或る程度間に合うのではないか、又粉乳も或る程度国内生産を今後見れるのじやないかというようなことで、現在ミルクにつきましては八百万人分ぐらいのものを提供しているのでありますが、国内生産が月に五十万人分ずつぐらい進むという見込を以て来年度においては五百五十万人分の粉乳だけを給食するということで、その食料買上げ経費が三十六億一千万円。それから運転資金といたしまして、例えば砂糖を一括購入する、又国内生産粉乳を購入するということのための運転資金を、これは年に三回ぐらい回転するものと見て二億七千万円を要求しているわけであります。(5)(6)は六三制に関係があるものでありまして、(5)の小中学校設備費補助と言いますのは、六三制の建物はできたけれども内部の設備状況が悪い、殆んど空家に近いというような事情にある所もあります。又六三制による補助なしに、いわゆる認定外工事としてすでに進んで来た工事、それに対して補助が出せなかつた、今後追つて補助を出すということが不可能な事情につきましては設備費補助の形においてそれに対する救済をいたしたいという意味で十億五千万円を計上いたしている次第であります。六三制建築補助関係はこれは前前からいろいろ議論なつているところでありまして、ここに挙げました七十八億二千万円と言いますのは本年度補正予算による要求が若し容れられなかつた場合には これを全体として含めて要求するという意味数字であります。大体そのうちの二十億が単価増に伴うところの工事量が減じました関係建築費用補助するということであります。それからその残り五十八億というものが、これが〇・七坪完成するために従来やつて来ましたものでなお不足がありますが、その不足分を補充するという意味経費、合せて七十八億でございます。教科書公社の問題は、これは教科書が約八十社の会社において製作されているのでありますが、教科書製作特殊性からいたしまして金融関係が非常に困難で、そのために正規の数量だけの教科書ができない、何らかの形で金融の援助をしなければならない。その方法といたしまして教科書公社というものを設立いたしまして、その公社中心政府預金部資金を借出す。これを年六分で借出して、一般銀行金融利率である九分五厘というものでこれを教科書会社に貸してやる。要するに公社といたしましては安い金利で借りてまあ或る程度の普通の金利で貸すということにいたしまして、その鞘を以て公社運営費に充てる。それで運営が不可能でありますので、四億円のうち三億六千万円というものは当初の公社資金であります。この三億六千万円があれば、それと今の利鞘とで教科書公社運営ができるという見込の下にこの金を計上したわけであります。その月として、一番たくさん金が廻る時期が大体二十六億ぐらいの金が必要なんでありまして、平均といたしまして月十五億ぐらいの金を廻す必要があるのであります。そういうふうな計算をいたしました結果四億という数字が出たわけであります。  学術振興関係では科学研究費は今年よりも相当増額をいたしまして十二億七十万円であります。科学基礎研究、或いは応用研究その他研究助成のために必要な金でございます。国立学校施設整備というのは、これは七十の国立学校新制大学として完全に整備させるために、これは全体として、最近全体計画が漸く立つたのでありますが、五百八十億ぐらいの金が要る。併しこれは到底不可能でありまして、それを三期に分けて百五十億を最初の目標にいたしまして、そのうちそれを又五カ年計画にして三十二億という要求なつている次第であります。現在戦災復旧関係で漸く五五%の戦災復旧を見たというような状況でありまして、これは他の省の関係復旧関係よりもよほど遅れている状況なのでありますし、一方新制大学の制度としての完成を期するというような関係から非常に大きな金が必要なのであります。三十二億で以ても決して十分なる整備ができるということは考えておらないのであります。民間研究機関助成はこれは一億三千万円でありまして、民間機関が四十ぐらいありますが、それに助成金を出して、科学研究の向上を期したいということであります。  (4)、(5)、(6)の関係はこれは私立学校関係でありまして、(4)は例の私立学校職員共済組合を、これを恩給財団というものと職員互助会というものと両方の形でやろうということにいたしております。私立学校振興会補助といいますのはこれは新しい団体を設定いたしまして、その基金を三十億と見込みまして、来年度は一応それを二十五億といたしまして、現在十八億ばかりすでに私立学校に貸出している金がありますが、それが戻つて来る、それがすでに投資された資金と見ますと、二十五億のうち十八億を差引いた七億七千万円というものを出資金に取れば二十五億の振興会基礎ができるということになるわけであります。これによりまして私立学校学係短期金融の貸付をする機関といたしたいというのでございます。私立学校設備費補助は、これは一般設備費関係でありまして、大学から小学校に至る関係設備が非常に不足している学校が多いのであつて、それを一定の単位によつて補助をいたしているという金でございます。それからその次の在外研究員の派遣は、これは外国にいわゆる留学生を派遣する金でありまして、長期は一年、短期は三カ月ぐらいにして全体で六十八人ぐらいの研究者を海外に派遣したいということであります。  その次の産業教育振興関係産業教育振興法実施十七億ということにいたしております。主として高等学校職業科課程設備補助するということが目的なつております。その他中学関係或いは短期大学関係現職教育関係にも或る程度補助をこのうちからいたしたいというふうに考えているわけであります。勤労青年学級といいますのは、中学校を卒業して勤労をしながら勉強をしたいという青年相当たくさんありますので、これに対する補助金を出すということでありますが、一応二万円を二千五百学級補助するという関係であります。  それから次は育英会であります。育英会に四十億であります。これはベース・アツプを僅かに考えますと同時に、大学関係におきましては大学が四年に延びた関係で従来卒業する者に対してなされておつた奨学金を一年生に、新採用の一年生に廻しておつたということができなくなりました。大学が一年延びた関係で卒業生が出ないのであります。そのために相当採用のもののために奨学金見込まなければならないという事情で出ているのであります。  その他という項目については、公立学校共済組合国庫補助、これは従来平衡交付金に八億五千万円くらい計上してありましたものを、引抜いて国の補助金にしようと、その算定の基礎は従来通りであります。ユネスコ国内委員会と言いますのは、これは最近加入を許されましたユネスコに関しまして、国内委員会を設置して活溌な活動を開始するということのために必要な経費でありまして、大体委員の数は百人くらいを予定いたしているのであります。重要文化財防災対策と言いますのは、従来国宝重要文化財に対しまして、単に壊れたものを修理するということだけをやつておりましたが、それでは真の文化財保護を期し得ない。それで防災対策を主にいたしまして、その他環境整備等方法で以て従来の文化財を事前に保存するということに今後力を入れて行くということにしているのであります。一億四千万円のうちの一億は、建物関係防災対策費なつているわけであります。  それが文部本省関係経費でありますが、そのうちに地方教育財政確立ということで四百三十億という数字を出しているのでありますが、これに対しましては、実は文部省のほうで一意研究いたしておりますけれども、まだ国策として取上げるとか、或いは関係方面了解を得るというような点に立至つておりませんけれども研究の結果、この程度の国の負担をすることによつて地方財政確立を期し得るという方法研究いたしているのであります。大体のことを申上げますと、地方教育費のために全体で九百七十六億くらいの、約千億くらいの経費が必要でありまして、それは教員の給与並びに学校維持費施設費というものを合せた経費でありまして、そのうちそれを地方経費負担し得る限度において地方負担して、負担し得ない不足分を国が補助して負担する。その限度というものをどうして計るかと言いますと、府県関係では大体所得税法人税の一〇%くらいというところが地方において府県において負担し得る限度、又市町村の関係では国定資産税の千分の八くらいを、これを地方において負担し得る限度と見るわけであります。そういたしますと、地方負担し得る限度が約五百四十五億くらいになる。それを差引いた四百三十一億というものを国で負担すれば、全体計画として地方財政の一応の最低限度義務教育費の確保が期し得られるのであろうという構想の下に、現存研究を開始しているのでありますが、最初に申上げましたように、まだ案として同まつておりませんし、全体的に了解がついているというところにございませんので、この点をお含み置きの上御了承を願いたいと存じます。  それから国立学校関係は、これは非常に複雑でありますが、極く大体のことを申上げますと、そこにありますように、国立学校附置研究所附属病院の三つの項目なつておりまして、要求の要点として、先ず教官——ここに研官とありますが、教官の間違いであります。教官研究費を七億くらい殖やすという要求をいたしております。それは全体的に二割くらい上げまして、そのほかに多少の操作を、実態に副うような操作をいたして二十七億という数字を出したわけであります。それから学術調査研究旅費関係、これが非常に不足いたしておりますので、約三倍くらいの要求をいたしております。学生経費関係も、これも約三倍くらいの要求をいたしているのであります。それから建物管理費と申しますのは、従来公立学校に関しましては電気ガス水道経費というふうなものが研究費の中から払われまして、研究費をそのために削られて、実際の研究費に廻るものが少いという事情が非常に強かつたのでありまして、別に建物管理という観点から電気ガス水道費項目として打立てたい。これは言い換えれば予算上の技術的な問題でもあるわけであります。特別教科教員養成と言いますのは、特別教科であります体育であるとか、図画であるとか、工作であるとか、或いは書道であるとかいうふうな中学校の教師が非常に不足をしておりまして、これに対する手当をするために八ブロツクの中心大学において計画養成をしようという経費であります。それからその他そこに挙げました学生厚生補導、或いは産業教育振興設備充実管理に必要な経費、そういうふうなものが特に重要な項目として取上げられた次第であります。  研究所付属病院につきましても、従来の実績に見まして最も重要と思われる、又新らしい方法実施するために是非必要と思われる、例えば完全看護完全給食だとかいうようなものの実施経費であります。こういうような関係で今要求をいたしているのでありまして、これは重要事項だけでありますから、その他の事項でなお相当金額がこの背後に隠されているということを御了承願いたいのであります。  なお六三制に関する議論がありまするが、六三制をどうするということに関しましては、この予算書の中に一切入つておりませんで、予算的に六三制を廃止するというようなことは全然考えていないのであります。
  3. 加納金助

    理事加納金助君) なお大蔵、地財関係のかたは暫らくすると見えることになつております。……何か只今説明に対しまして御質問がありましたらお願いいたします。
  4. 大野幸一

    大野幸一君 この教科書公社設置というようなものを含めて八十社に対する金融機関ですが……。
  5. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 教科書製作のための経費に対する金融をするということが第一の目的でございますが、その他に教科書需要数を取りまとめるための調査というようなこともやることになつております。
  6. 大野幸一

    大野幸一君 そこで運用部資金から六分で借りて九分五厘で貸すというのは、少し高過ぎるのじやないかと思うのですが、どうですか。借りるほうが迷惑する……。
  7. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 九分五厘と言いますのは、大体普通の金融のスタンダード的な利率でありまして、決して高過ぎるということはなふと思つておりますが……。
  8. 大野幸一

    大野幸一君 普通の商売ならそうですが、教科書のことだから安くしたらどうか。これが安くなれば教科書が安くなりはせんか……。
  9. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 現実におきましては、九分五厘以上のもつと高値の……悪い言葉で言えば、高利貸的な金融によつてつているというような事情も現にあるのでありまして、若し九分五厘で相当金が借りられるということであれば、教科書会社としては非常に喜んでそれを活用して教科書製作をするという見込でおるわけであります。
  10. 大野幸一

    大野幸一君 そうすると教科書公社相当利益があることが……。
  11. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 教科書製作は非常に冊教がたくさんでありますから、利益があるように見えますけれども、併しその定価の内容即ち製作費であるとか、紙代であるとか、印刷費であるとかいうものを非常に細かく文部省のほうでいわば監督をいたしておりまして、不法な利益というものは絶対に取れないような形になつておりますから、それほど利益があるものとは考えていないのであります。
  12. 大野幸一

    大野幸一君 私は教科書公社というものが少し儲け過ぎやしないかというんですよ。
  13. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) ああそうですか。教科書公社をやりますためには事務員も必要でありますし、又運営費相当かかるのでありまして、実はその六分と九分五厘の利鞘で以てそれが大体四千五百万円くらいになります。それだけの金で教科書公社運営できれば、教科書公社維持ができれば、全然政府から補助金がなくてもやつて行けるということに一応なるわけでありますが、併しそれでは教科書公社の経営ができないので、その意味最初に三億六千万円の資金を、政府から補助金を受けまして、それを資金の一部として公社を経営し、又貸出しの作業をするということに計画しておるわけであります。
  14. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 今議事進行についてですが、内容についていろいろ質疑応答をやりますか。今の委員会でこの内容について質疑応答をやつて行きますか。
  15. 岩間正男

    岩間正男君 これはさつきの予定もありますし、一応聞いて明日やつたらどうですか。明日は文相も出て来るし……。それに補正予算説明はどうなつているんですか。これは二十七年度説明です。補正予算説明で今非常に当面している問題があるわけですが、これはどういう予定ですか。あなたのほうで説明される予定ですか。
  16. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 補正予算数字は揃つておりますけれども、実は本日は持つて来なかつたのでありますが、御必要あればいつでも御説明申上げます。
  17. 岩間正男

    岩間正男君 この問題、二十七年度のを聞いて無論これとの関連も非常にあることですが、当面した問題で補正予算のほうが非常に重要ではないか、こういうふうに思うわけです。殊に今問題になつている学制改革の問題とからまつたところの、六三建築費の問題が重要だと思うので、明日是非文相が出て来られたとき一緒要求したいと思います。
  18. 加納金助

    理事加納金助君) 今日はどうですか、今の説明を聞く程度にしまして、内容質問は明日只今補正予算と併せてお聞きしたい、そのような……(「異議なし」と呼ぶ者あり)それじやそうしておきます。
  19. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 ただ尋ねておきたいことが一点あるのですが、今これは説明されたことですが、これは文部省省議として決定されているものですか、どうなんです、これは……。
  20. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 省議には何遍もかけております問題です。
  21. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 決定されておりますか。これだけを要求するということこ……。
  22. 水谷昇

    説明員水谷昇君) それは大体そうですが、成るたけそれを始末したいということに考えております。
  23. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 まだ、すると文部省案として決定されたものではないんですか。
  24. 水谷昇

    説明員水谷昇君) まあ、決定されておるものです。成るたけ余計欲しいものですからね。それから皆さんの御意見伺つて、御意見によつてはここで整理したい、幸いに御承認頂ければ強く要求したい、こう考えております。
  25. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 実は大蔵省とか地財委関係のかたも見えるというのですから、質問する場合に、これは文部省要求としてきまつておるかおらんかわからん場合には非常に質問しにくいからね。私は尋ねておるのです。
  26. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 大蔵省のほうには、その通り要求して折衝中なんでして、それによつて質問つて差支えありません。
  27. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私はこれで結構です。
  28. 加納金助

    理事加納金助君) なお大臣のおいでは明日閣議があるが故に、閣議終了後にお伺いしたいというのですが、別に御異議ありませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 水谷昇

    説明員水谷昇君) ここに相当皆揃つて来ておりますから、今御質問頂くのだつたら、して頂いても差支えありません。
  30. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 今から来るというのに……、呼んでおつておかしいじやないですか。
  31. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 私のほうは明日来てもかまいませんが……どうぞ御都合のいいように……。
  32. 加納金助

    理事加納金助君) 文部省のかたが非常に多忙のようですから、成るべくお揃いのとき聞いたほうが相互に便利だとは存じます。
  33. 若木勝藏

    若木勝藏君 今聞いただけでは、計数の整理もできないし、明日あたりに延ばしたほうがいいと思います。
  34. 加納金助

    理事加納金助君) それじや予定通り行きましよう。
  35. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 補正予算折衝経過まで行くようにならなかつたのですね。明日もう一遍やつてもらつて、併せていろいろ質問したいと思います。
  36. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 資料も整えて……。
  37. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それじやそうして頂きましよう。
  38. 加納金助

    理事加納金助君) それじや文部省のかたがたに対する質問はこれでよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 岩間正男

    岩間正男君 補正予算の問題を……。
  40. 加納金助

    理事加納金助君) 如何ですか。補正予算に関して、殊に六三の補正予算に関して、折角監理局長がいらつしやるから、説明して頂いたら如何ですか。
  41. 久保田藤麿

    説明員久保田藤麿君) 補正予算のうち六三の関係のもの、六三の関係として要求いたしましたのは、二十六年度の四十三億の補助金に対する単価増要求いたしましたもの十九億ばかりのものと、それから〇・七坪の完成のための、これから殊に充足を要するという種類の五十億のもの、この二つのものが六三関係としまして補正予算要求なつておつた種類のものでありますが、大蔵省から一応の内示は、表面の理由として大蔵省の今度の態度が、補正予算に対する大蔵省態度は緊縮の政策をとりたいということ、又この六三の補助金性質資金的な性質の金であるからという理由で、単価増を認めることはこの際差控えたいということで、単価増を一応切つて来て内示を受けております。そのとき同時に伺つたのですが、大蔵省内示線として単価増を認めないということは、二十六年度工事量がその分だけ当然に圧縮されるという前提に立つて、十八カ月予算というような意味合いで二十七年度予算一緒にこの単価増の問題も考えに含めた予算として二十七年度概算要求にまとめて欲しいという話になつておりまして、すでにいろいろお聞き及びと思いますが、一方六二論といつたようなこととのからみも言葉の上では、はつきり大蔵省は出して来ておりませんが、そうした含みも中にあるのかと私ども十分推測いたしておりますが、それらのために承認は足を止められておるといつたような状態にございまして、ほかの補正予算には一応手を触れないで、取りあえず予算単価増の問題だけ先に取出して、一方解決ではありませんが、私どものほうからいう意味解決ではありませんが、大蔵省側の言う意味では二十七年度予算と十八カ月予算といつたような含みにして同時に解決したいというような提案が来ておりまして、私どものほうとしては補正予算であり、同時に二十七年度予算一緒なつた十八カ月予算というような意味目下折衝をいたしておる段階でございます。
  42. 加納金助

    理事加納金助君) 何か御質問ありますか。
  43. 高田なほ子

    高田なほ子君 六三の建築の補助はさつきの御説明では単価増二十一億を含んで十八カ月予算で二十一億とおつしやつて、今あなたは十九億とおつしやつたのですね。二十一億ですか、
  44. 久保田藤麿

    説明員久保田藤麿君) 正確な数字を申上げますが、六三の単価値上りの分は十九億二千百九十二万四千円、〇・七坪までの充足分が五十億一千九十三万二千円、寒冷地の屋体の分が、屋内体操場の分です、それが八億七千八百八十二万六千円。
  45. 木村守江

    ○木村守江君 七十八億の説明ですか。
  46. 久保田藤麿

    説明員久保田藤麿君) そうです。その内訳です。
  47. 岩間正男

    岩間正男君 地財委の人が見えたですか。
  48. 加納金助

    理事加納金助君) 地財委の菊山さんが見えましたです。
  49. 岩間正男

    岩間正男君 それじや簡単に先ほどからのやつを一つ説明して頂きたい。百七十億赤字が文部省の何で出ておる、教員給並びに年末手当、そこへ以て来て最近の情勢ではどうなんですか。それをちよつと簡単にやつて下さい。
  50. 菊山嘉男

    説明員(菊山嘉男君) 私地方財政委員会委員の菊山でございます。只今別の委員会に呼出されておりまして、こちらからの御要求によつて取りあえず参上いたしましたので、御意見の要旨をまだよく承わつておりません。
  51. 岩間正男

    岩間正男君 すでにこの前の委員会におきまして、先月開かれた委員会で今年度平衡交付金が百九億切られておる、そうしてそのために当然教員給並びに年末手当の予算が七十億か、六十五億ぐらい切られたわけです。併しこれによつて実態が果してその程度で赤字が済んでおるかという点で調査を願つたわけです。文部省側の発表によりますと、実態調査によつて百七十億の赤字が出ておる、こういうことが明らかにされておる。これは地方財政委員会でも大体そういうような調査ができておるのだろうと思うのです。そこへ持つて来まして、最近のこれは国家予算との関連でありますが、平衡交付金の増額の問題がこれは地財委のほうで検討されて出されておる、然るにもかかわらず逆に平衡交付金については相当百五十億以上のものは削減されておる。こういう情勢になつておる。更に又地方財政においては五百億のこれは縮減をしなくもやならん。そのうちに教育費の関係においては約二百億の大縮減をしなくちやならん。こういうような意見が我々の耳に入つておるのでありまして、若しそういう事態が果してあるのであるかどうか。そういう事態が起つたとすればこれは教育上実に重大な問題であります。これは地方財政全般とも関連して、とても見逃すことのできないところの重大問題でありますが、こういう情勢についてその経過を簡単に説明願いたい、こういうふうに思います。
  52. 菊山嘉男

    説明員(菊山嘉男君) 地方財政が窮迫いたしておりまして、それがために相当の財源に不足を来たしておりますことは事実であります。この不足を補います方法といたしましては結局平衡交付金の増額或いは起債の増額とこの二つの方法を取入れるほかないということに相成りまして、その趣旨で目下大蔵省と交渉中なのであります。ところがこの交渉が頗る難航を極めまして、平衡交付金の増額も相当に困難なる事情に逢着をいたしております。又起債の増加につきましても相当困難を極めて、今委員会といたしましては各方面の御協力を得てこの希望を達成したいということで大蔵省と交渉中なのであります。
  53. 岩間正男

    岩間正男君 それは増額が困難ということが一つと、逆に増額でなくてもつと地方財政の削減並びにそれに伴うところの平衝交付金を一千六百億円ですか、今年度それが相当大幅に削減されている。こういう情報を我々は聞いておるのでありますが、こういう事態はあるのでありますか。
  54. 菊山嘉男

    説明員(菊山嘉男君) 我々の今要求をいたしておりますのは増額方を要求をいたしておるのでありまして、これに対して削減をするということはその増加要求額を減らすということはあるかも知れませんし、又甚だしきに至りましては、それを全然認めないという大蔵省関係はございますけれども、現在計上しておりまするこの平衡交付金の増額を減らすということはこれはない。そういうことの起るということは私ども予想をいたしておりませんのです。
  55. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私少し問題を限定して質問したいと思いますが、前に国家公務員並びに地方公務員の千円のベース・アツプとその際に地方財源の補助として千円ベース・アツプに必要な金が平衡交付金にすでに組まれた、そういうように承知しております。ところが実際上は平衡交付金に組まれた金額は実際の金額に比べて非常に少なかつた。このことについては地財委のほうでもいろいろ調査をなさつておると思いますが、先ずどれくらい金が足りなかつたかという、そういう調査の結果に基いて一つ御説明を願いたいと思うのです。そして足りない金を今度の補正予算の際に、地財委としては平衡交付金の増額の中に必要な金額を織り込んで要求しておられるのかどうか。先ずこの点を明らかにしたいと思います。
  56. 荻田保

    説明員(荻田保君) 去年べース・アツプがあつたわけでありますが、そのときに我々必要と認めます額は、その当時国会に勧告書として出してございますので、御承知と思います。ところが不幸にして政府で容れられませんので、たつた三十五億円より平衡交付金の増額がありませんから、要するに千円べース・アツプの金というものは確保できなかつた。その後更に調査いたしますると、政府の千円ベース・アツプということは国会できまりました公務員の給与に関する法律を適用しますと、事実は千円ではない。殊に教員のごときは資格が高いのでありますので、大体二千円近くなつております。それに千円の財源措置しか対象にしなかつた。而も、その千円も、先ほど申しましたように、認められなかつたということで、そういうことで非常に大きな穴があいているわけであります。今回補正予算として要求しておりますものは、これらを埋めたいという趣旨で要求しております。
  57. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 その金はどれくらいになりますか。給与関係だけの分ですね、概数でいいですから……。
  58. 荻田保

    説明員(荻田保君) 先般の給与改訂によりますのが年間にいたしまして三百四十億であります。
  59. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると三百四十億新たに増額をしなければ千円ベース・アツプを完全に裏付けすることはできない、こういうふうになるわけですね。
  60. 荻田保

    説明員(荻田保君) さようでございます。三百四十億を対象にしてものを考えないとつまり欠陥が起るわけであります。
  61. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると、この三百四十億というのは、前のときに多少これが実現しているわけですから、今度要求されるのは、その差額ということになるわけですか。
  62. 荻田保

    説明員(荻田保君) そういうふうに言われますとそうなりますが、実はこれは歳出と歳入とはどれがどれに当るという問題ではありませんから、歳出としてどれだけ、歳入としてどれだけ、然らば歳入はどれに当つているがということは、これは言えませんので、歳出としては三百四十億を対象としている。その他になおいろいろ増加する必要がありますから、そういうものを全部足しまして、そうして現在あります歳入を見まして、その残りを要求しているわけです。
  63. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうしますと、今度の補正予算平衡交付金の増額要求は大体どのくらいの金額に上つているわけなんですか、総計して。
  64. 荻田保

    説明員(荻田保君) 地方財政で二百五十億程度、交付金で四百億程度です。
  65. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それからこれは将来の問題になるわけですが、政府では近くベース改訂をしたい、こういうことを新聞を通じて発表されておるわけですが、この場合に、やはり地方公務員のベース・アツプに伴う平衡交付金の増額については地財委としても要求する、こういう立場をとつておられるのかどうか、その点を聞きたい。
  66. 荻田保

    説明員(荻田保君) 今申上げました数字は、その計数も一応入れております。つまり八月以降千五百円一人当り上るというようにして入れております。
  67. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それも入つて三百四十億ですか。
  68. 荻田保

    説明員(荻田保君) 歳出のほうは、三百四十億は去年の分であります。新らしく要りますのは、そういう計算で行きますと百七十億であります。
  69. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 これはかなり詳しく尋ねないとよくわからないから、今日はこれで私は打切つておきます。
  70. 岩間正男

    岩間正男君 私お尋ねしたいのだが、三百四十億というのは、これは地方財政として全部なんですか。それとも交付金の分だけで百七十億ですか。これは文部省のこの前の説明では、百七十億の教員給与については財政欠陥がある、こういう報告をされたのは、その関連がちよつとわからない。これはどうなんです。
  71. 辻田力

    説明員(辻田力君) この前の委員会のときに申上げましたように、文部省といたしまして、実情を調査いたしました結果、千円のベース・アツプのために、給料といたしまして百十二億、年末手当として二十七億、給与改訂に伴う共済組合として五億、恩給費に八億、合計百五十二億、更に地方財政委員会の裁定によつて生じました不足十八億を加えますと、総額百七十億程度の財源が不足なつておるのであります。この点におきまして、地方財政委員会のほうに文部省から申入れをしておるわけであります。只今の三百四十億については、地方財政委員会のほうの計算がございますので、どういうように計算されたか、その点でその百七十億と三百四十億との関連については、地方財政委員会のほうに御質問願うよりしようがないと思います。
  72. 荻田保

    説明員(荻田保君) 文部省で言われましたのは、教員だけ、私の申しましたのは地方職員の全体の問題であります。
  73. 岩間正男

    岩間正男君 これは全部ですね。それは合つておりますか。教員だけに要するものは百七十億というので、大体地財委とのあれが合つておりますか。ちよつとおかしい。
  74. 荻田保

    説明員(荻田保君) 大体同じだと思います。
  75. 岩間正男

    岩間正男君 大体合う。そうですか。教員の数は地方公務員の中で何%を占めておりますか。もつと多いと思う。五〇%以上じやないですか。
  76. 荻田保

    説明員(荻田保君) 小学校教員二十九万三千、中学校十六万八千、聾唖学校二千四百人、高等学校六万三千、その他の学校八万二千人ぐらいの数字が出ております。
  77. 岩間正男

    岩間正男君 いや、公務員全体の中で占めるパーセンテイジはどういう……。わかりませんか。文部省はわかりませんか。
  78. 荻田保

    説明員(荻田保君) 半分ぐらいと思います。
  79. 岩間正男

    岩間正男君 さつきの説明だと、教員の場合は非常にべース・アツプに対して実際は二千円で、教員のほうは非常に多く出ると思いますが、大体合いますか、数字が。一般地方公務員でもつと教員のベース・アツプによつてアツプしなければならない金額が多い。さつき話がありましたね。普通の公務員なら千円平均で行つておる。ところが教員の場合は大体実情は二千円、三百四十億の百七十億、半額ですが、合つておりますか。
  80. 荻田保

    説明員(荻田保君) 大体それで計算しておりますから合つておるはずであります。
  81. 岩間正男

    岩間正男君 それでは今のところ少し細かな数字の資料は後刻もらいたい。いいですね。どうも不明瞭だな。
  82. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 今の問題に関連してどうも私はわからないですが、文部省の百七十億というのは、この前のベース・アツプの財源不足分要求したものが将来べース・アツプされるであろう千五百円になるか、幾らになるか知りませんが、それを含めた金額ですか。
  83. 辻田力

    説明員(辻田力君) 千五百円べース・アツプするということは入つておりません。前の千円のベース・アツプを前提として計算しております。
  84. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 先の地財委のほうの説明は、この三百四十億の中には千五百円のべース・アツプも含まれておるという説明、今あつたばかりです。その点どうですか。明らかにして頂きたい。
  85. 荻田保

    説明員(荻田保君) 私が千五百円のベース・アツプが含まれているというのは、最後の平衡交付金、起債の額の増額要求を決定して……、それに含まれているという……。
  86. 岩間正男

    岩間正男君 三百四十億という数字の中には含まれていない……。
  87. 荻田保

    説明員(荻田保君) おりません。
  88. 大野幸一

    大野幸一君 最初の話に戻りますが、あなたのほうで平衡交付金の増額、或いは起債の認可ということに対して、大蔵省関係方面が困難だといいますが、大蔵省の困難の理由はどこにある。恒例のごとく、ただ金がないというだけで……。
  89. 菊山嘉男

    説明員(菊山嘉男君) 平衡交付金の増額を困難ならしめておりまする一番主なる原因は、それによつて事業の分量を殖やし、従つてインフレの傾向を助長する虞れがあるということが一番困難なる理由として挙げられていることであります。
  90. 大野幸一

    大野幸一君 大蔵省及び関係方面とあなたはおつしやつたけれども、どちらがそういうことを主張しているらしいですか、あなたの勘では……。
  91. 菊山嘉男

    説明員(菊山嘉男君) これは私ども折衝をいたしております範囲では、両方とも相当困難な状況であります。
  92. 岩間正男

    岩間正男君 もう一つ聞いておきたいのですが、さつきこの地方財政の削減ということは全然交渉の経過では出て来ないというのですが、これは補正の交渉だけですか、それとも十八カ月予算の全部の交渉の中でその問題は出て来ていないのですか。あなたのさつきの御説明では、補正の、当面した問題では、そういう問題が出て来ていないというような御説明つたのですが……。
  93. 菊山嘉男

    説明員(菊山嘉男君) 只今差当つての問題としては、補正の数字として折衝を開始いたしているのであります。それがすでに非常な難関に逢著いたしております。殊に又来年度につきましても、それと同じ傾向にあるということを申上げた次第であります。
  94. 岩間正男

    岩間正男君 十八カ月予算として折衝しているわけじやないのですか。来年度平衡交付金要求額というようなもの、これは出ていないのですか。まあそこはどうなんですか。そこが不明瞭でどうもわからない。
  95. 菊山嘉男

    説明員(菊山嘉男君) まだ十八カ月予算というような具体的の問題にまでまだ入るに至つていないのであります。
  96. 岩間正男

    岩間正男君 まだ行つていないのですか、地方財政……。
  97. 菊山嘉男

    説明員(菊山嘉男君) まだ行つていないのであります。大蔵省側といたしましては、平衡交付金を増額するということ自体に対して非常に強硬な反対論があるのであります。そういう、現在は段階にありまするので、御了承願いたいと思うのであります。
  98. 岩間正男

    岩間正男君 そうするとこれは一方ではほかの官庁なんかは十八カ月予算で、先ほども文部省に聞いて見ますと、文部省のほうでは二十七年度の大体の案を決定して、大蔵省との折衝に入つている、こういうことを言つている。地財委はこれに並行しなければこれはどういうことになるのですか。まだそこまで手を着けないのですか。当面した問題に追われているから、そればかりやつて、十八カ月予算の見通しは持たない、こういうわけですか。
  99. 菊山嘉男

    説明員(菊山嘉男君) 平衡交付金の増額ということに対しては、非常に強硬なる反対論が大蔵省並びにその筋にありまして、この困難なる障壁を突破することが地方財政委員会として当面の非常な問題なのであります。そのことに目下力を集中いたしておりまして、まだ具体的に二十七年度予算をどうするというところまでの段階に入つていない状態であります。
  100. 岩間正男

    岩間正男君 当面した問題はいいのですが、一方では各官庁は十八カ月予算というような形ですでに折衝段階に入つておる。地財委はそういう問題も、来年度の見通しも立ててないでいるとしたらこれはどうなんですか。補正だけの問題でやはりこの問題はきまらんと思う。その点十八カ月予算の中で補正もきまつて来る、こういうことがあるのですが、そういう案がまだ出て来ていないとすると、これは今後の折衝の中で非常に支障が出て来る。文部省平衡交付金要求項目が出ておる。そうして十八カ月予算要求はすでに大蔵省に提出されておる。そういうことになつておるときに、地方財政委員会だけがその問題を一緒に並行してやつていないとすれば、今後予算折衝の上に私は欠陥が出て来ると思うのですが、文部省はどういうふうな見解なんですか、伺います。
  101. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 文部省といたしましては、只今説明した通りでありまして、勿論地財委のほうとも連絡をとつております。
  102. 岩間正男

    岩間正男君 連絡はとつていても地財委のほうから十八カ月の何が出なくてもこれは困ると思う。文部省がやつても地財委が並行してやらなければ今後の折衝面で困ると思う。それからお伺いいたしますが、いつ頃までに地財委としては十八カ月予算の一つの案を出す考えですか。
  103. 菊山嘉男

    説明員(菊山嘉男君) 地財委といたしましては、各方面の要求を勘案いたしまして、一応の案を作つてこれを大蔵省に提出はいたしております。併しながら実際の具体的数字について大蔵省折衝をいたすまでにまだ至つていないのであります。これは平衡交付金の増額ということについては先ほど来申上げまする通り大蔵省において頗る難色がございますので、この平衡交付金に関する対策をきめて頂かなければ、到底具体的の折衝に入れないという状況にあることを御了承願いたいのであります。
  104. 岩間正男

    岩間正男君 さつきは原案も何も出していないというが、併し今のお話ではすでに出しておる、これが最後案かどうか別問題といたしまして、出していた、こういうわけです。それじや、私主計官にお伺いしますが、これはどうなんです。そういう地財委からそういう要求が出ないとすれば、こういう案が最後的なものが出て来ないとすると、これは非常にそういう面を決定して行くのに困難が出て来ると思うのです。そういう点はどういうふうに考えておるのですか
  105. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 私は文部の予算関係をやつておりますが、只今地方財政関係のことは又別の主計官がやつております。そういうお話であれば、又担当の主計官でも参れば十分な御説明ができると思います。私としては直接関知いたしておりませんので、出ておるか、出ていないかも只今のところ承知いたしておりません。
  106. 加納金助

    理事加納金助君) ちよつとお諮りをいたしますが、委員外議員の相馬助治君より発言を許可せられたいということでありますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  107. 加納金助

    理事加納金助君) それじや、相馬君。
  108. 相馬助治

    委員外議員(相馬助治君) 地方行政委員会の相馬ですが、発言をお許し下さいました委員長並びに委員各位に敬意を表するものであります。文部省に一点伺つておきたいと存じまするのは、今地方行政委員会といたしましては、この地方財政につきまして、小委員会を持つて特に平衡交付金及び地方起債の枠等についての数字的検討に当つておるのでございまして、その際私どもが明らかに地財委よりされました資料によりまするというと、昭和二十六年度の修正地方財政計画というものが五千八百二十二億に余る計画を地財委が作りまして、それを大蔵省との折衝の過程において見ますると、国庫補助金の増額として五十五億、地方債の増加として二百四十八億、交付金の増額として二百九十二億という非常に多くの数字が挙げられて、これが地財委より大蔵省に交渉になつておりますることは文部省自身よく御了解通りと思うのです。ところが我々の知つている範囲内におきましては、この地方債の枠の増加も見込なし、交付金の増額も池田大蔵大臣の説を以ていたしまするならば、増加する意思がない、こういうはつきり我々の委員会で言い切つておるのです。本日私どもが地財委の委員長をお呼びして話を聞いて見ますると、そういうことになつている。但しこれは望みなきではないので、文部省であるとか、その他関係各省並びに地方の知事会議等が一致団結して政治的に折衝をし、政治的闘争の結果この問題は解決せしめられるのであろうという至極御尤もな御意見でございまするが、私はこの際文部省に承わりたいと思いますることは、文部省自身が地財委に資料を出すだけでなくて、本日は次官もお見えのようでありますから、大蔵省とどういう予算上の折衝を現在までされて来たか、現段階はどこまで行つているか、そうして又大蔵省の考え方はどういうのであるか。何故私は文部省にこれを尋ねるかと申しますると、この平衡交付金が増額されない、或いは地方債の枠が増加されないということによつて一番手きびしい影響を受けるのは教職員でございます。そういう角度を以て大蔵省自身が地財委に資料をお出しになり、地財委を通じての折衝は十分了解いたしまするが、大蔵省自身と文部省はどういう交渉をしておられるかという一点を承わりたいと思うのであります。
  109. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 補正予算関係平衡交付金に含まれております教育費が相当額足らない、その数字を示しまして地方財政委員会を通じ大蔵省に交渉しておるということは事実でございますが、そのほかに文部省といたしましては平衡交付金制度そのものに教育費を確保する上にいろいろの点でどうも間に合わない点が相当ありますので、その点を根本的に検討いたしまして、何か新らしい方向で地方教育財政の確立を期したいという意味の案を、これは極く公式でなくして或る程度まだ下相談の意味大蔵省と話をいたしております。その内容は、今私がちよつと簡単に御説明をいたしました通りでありますが、これにつきましては関係方面並びに関係各省との話合いはまだついておるという状況にありませんので、まだまだ研究の余地がたくさんありまするし、その意味で今詳しいことを御報告する段階ではないという状況にある次第であります。
  110. 相馬助治

    委員外議員(相馬助治君) 重ねて只今のかたに承わりたいと存じますが、御承知のように、池田蔵相が全権としてアメリカに出発する前に、補正予算の大体の計数的な問題にしても、その他にいたしましても作り上げて出掛けたい、こういうことを新聞で報ぜられております。又大蔵省としてはそうであろうと思います。そういう際に、今のお話のようなことで年末手当支給に関する財源の措置及び地方公務員、特に教職員のベース・アツプに対しての財政的措置、それらが完全に行える見通しでございまするか、それとも自信がないのですか、その点について一点承わつて、重ねて質問したいと思います。
  111. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 補正予算関係只今要求をいたしております関係では、非常に困難なる事情にありまして、只今お話がありましたように、大蔵大臣の気持といたしましても平衡交付金の形でこれを増額するということは、これは相当無理だという考えを持つておられるようでありまして、非常に困難な状況にあるという事情でございます。
  112. 相馬助治

    委員外議員(相馬助治君) 困難な事情にあることは私も承知しておるのでありまするが、そこでその困難な状況をどうして救済するかということが当文部委員会においても討議されておる至大の私は命題だと思うのです。そこでお尋ねしたいのは、平衡交付金の増額が見込めない場合、何らかの措置によつてそれらを救うという途があるはずですが、何らかの措置と申しましても、これは起債の枠を拡げるというようなことを考える以外は何ものもないと思うのです。差当りやはり筋から申しますると、平衡交付金を増額するということが必要だと思うのです。その平衡交付金の増額がすでに見込がないと、大蔵省の主計官のかたもいらつしやつておるようでありますが、主計局の意見としても増さないと、こう申しておる。大臣自身も又一つの政治的信念を持つて出さないと明言しておるこの段階において、さようなることでは私は本年年末に至つてさなきだに欠乏を告げております地方財政において、各知事は年末手当の支給というような財源措置は全然できないところにまで追い込まれるとこう思うのです。それらの点についてですね、地方財政委員会は早くから着目されて相当根強く交渉されているようであつて、私ども委員会ではよく承知しております。それで私がお聞きしたいのは、文部省として数字を上げて、そうしてどうしても今の段階で平衡交付金を増してもらわないことには、現在の地方財政は立ち行かないのだという強力な交渉があつて然るべきだと、こういう考えを持つのでお尋ねしておるのであつて平衡交付金増額に関して文部省側が折衝過程においてどういう見通しを持つているのか、見込があるのかないのか、見込がないとしたならば何らかの方法で、と申しますが、何らかの方法とはどういう方法だか、こういう点を一つ明確にお示し願つておきたいと存じます。
  113. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 補正予算関係におきまして非常に困難な状況にあるということを只今申上げましたが、そのほかの方法で以て何らかの救済の途を見出したいといいますことは、要するに地方教育費の確保に関しましては平衡交付金の増額一点張りで行きましては、これはどうも将来自信がないという事情文部省としては考えておる次第であります。それで全然観点と変えまして平衡交付金制度といたしましては教育費以外の面においてこれを存置して頂いて、むしろ教育費の関係平衡交付金といいますか、新らしい方法を考えたいということを実は胸に持つておる次第であります。その点について今下相談を開始しておるということを只今申上げた次第でありますが、補正予算関係におきましては、即ち現在の平衡交付金制度を維持するという関係におきましては非常に困難な状況にありまして、これについては大蔵省の立場から申上げますと、大蔵省の言分を申上げますと、地方財政においてなお相当教育費以外に緊縮の余地があるのではないか、それを緊縮することによつて教育費を浮かす途があるのではないかというような立場をとつておられるようでありますが、併し私どもは他の経費をどうするということに関しては何らの権限はないのでありますから、飽くまで教育関係で足らない分を是非とも確保するということで財政委員会を通じ、又或る程度直接に交渉を強力にいたしておるという現段階にある次第であります。
  114. 相馬助治

    委員外議員(相馬助治君) 甚だしつこいようでありますが、あと一点だけ承わつておきたいと思います。只今の御説明教育財政を確保する段階から、現在の平衡交付金制度が問題であるということはお説の通りでございます。これは平衡交付金制度自身が国家財政から見て過渡的なものであつて、こういうように順次減らされて行くことは健全な国家財政の建前から当然でありますから、お説の通りであつて教育独立税というようなものをとるということ等いろいろな積極的な方策もあるでしようが、私のお尋ねしておるのはそういう原理論とか高遠なる理想ではなくて、差当りたくさんの教員を含めた地方公務員が仕事をして給料を頂いて家族を養つております。国家公務員については年末手当の財源をすでに大蔵省見込んでおる。ところが地方公務員のほうはこれは裸で投げ出されておる。そこでこれに対して文部省としてどういうふうにお考えになるのであるかということが私の先ほどからお尋ねしておる点であります。それに平衡交付金の増額を見込まない何らかの他の方法と言えば、教職員を含めた地方公務員の首をたくさん切つて、そうしてべース・アツプするというようなこともありましよう。併しそういうことが事実上可能であるか、不可能であるかといえば、問題は別なんであつて、私は差当り今度の補正予算において平衡交付金の増額が不成功に終つた場合には、地方財政、特に教育財政の面において重大な破綻が予想されるが故に、この際文部省としてはどういう腰で大蔵省要求しておるか、こういうことを尋ねておる。大蔵省の言い分というものを私は知つております。地財委が出した数字もその通りである、併し地方財政上、手数料ももつと見込め、それから又節約のできる面もある、そうして財政規模を縮小せしめて、それを教職員を含む地方公務員のべース・アツプ等に使えばよろしいのだという建前を大蔵省はとつておりますけれども、そういうことは現に当面せる年末手当の問題としてこれは不可能である。そこで私はさつきからお尋ねしておるのであつて、それ以上ここで具体的に聞くとしても無理でしようから、明日地方行政委員会では文部大臣以下皆様にお出掛け願いたいと思つておりますから、それらの点について重ねてお尋ねしますから十分の資料を用意されんことを希望するのであります。ながながと発言を許して下さいまして委員の各位に敬意を表します。
  115. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 折角大蔵省側からも見えておりますので伺いますが、新聞報道によると、各省の予算が大体二兆億に上つておるというこういう新聞記事なんですが、いずれ各省から予算要求があつて大蔵省折衝のものと思いますが、今私どもには文部省関係の大体の要求内容というものが示された。当然これらについてもいろいろ折衝が始まると思うのですが、そこでお聞きしたいことは二兆億円の要求を認めることはできない、どうしても……その場合にはいろいろな削減があると思いますが、教育関係においては大蔵省はどういう態度であるか、非常に抽象的な尋ね方でありますが、前回の総理大臣の施政演説においても教育優先とか教育尊重ということがあつて、前の国会においても大蔵大臣も特に義務教育尊重というような点についても今までなかつたような内容を含めておつた。そういう点から考えて教育予算については大蔵省としてどういうふうな考えで只今折衝に当つておられるのか、そういうことを聞きたいのであります。
  116. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 来年の予算要求書が私どものところに届いたばかりで説明を聞き始まつたところであります。従つてまだ方針といつたことはでき上つておりません。併し只今お話がありましたように義務教育中心としてできるだけ文教関係経費を殖やして、そうして教育の向上を図るという基本的な考え方は大蔵大臣或いは文部大臣が言われたことと変らない方針で進むつもりであります。
  117. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 特に私は具体的に質問したり大蔵省に意向を質したりするまで段階でないと思いますが、この前の文部委員会では教育予算経費について、この委員会の全員一致の結論として政府機関に対して申入れをいたしております。我々として非常に教育予算の確保については非常に必要な問題であるという結論に達しておりますので、この点はよく御了承願つて文部省との折衝に当つてもらいたい、かように考えておるわけであります。それからもう一つは我々の見解では、やはり教育費を平衡交付金の中に含める。こういうことはいろいろの支障を来たしておる。現に千円ベース・アップの問題にしましても、その後の級別推定表の実施にしましても、これが実施ができなかつた地方がかなりあるわけです。これは一例を挙げたに過ぎないのですが、教育費を平衡交付金の中に含める。他の費目と同様な工合に含めるということは非常に支障を来たしておるのが実情である。そういう意味において教育費を何らかの形において平衡交付金の枠から外すという措置が必要であるというふうに考えておるのですが、こういう問題について大蔵省としての見解をこの際承わつておきたい。
  118. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 只今お話のありましたような新らしい、いわば義務教育平衡交付金といつた制度についてやつて見たいという意向を文部省からは私ども承わつております。併しこれは非常に大きな問題でありまして、殊に平衡交付金制度を基本的に揺がすような大問題になつて来るので、従つて義務教育中心として、それだけを取上げた制度として考えるというわけには参りかねます。更に全般的な一般地方財政問題として考慮しなければならん。かように考えておりますので、今いろいろと慎重に検討をいたしておるところであります。
  119. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると大蔵省と  しての見解は、教育費だけを取上げてこの問題を検討することができないと、こういう見解に立つているわけなんですか。
  120. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 大蔵省の立場といたしましては義務教育、勿論大事であります。お説の通りそれを大いに確立するという意味においてはやぶさかでないわけであります。併し地方財政の問題、或いは国家財政との関連ということを考えます場合には、義務教  育だけの問題を取上げて、それだけで問題が全部解決するというわけには参らないと考えておりますので、全般との関連においてこれを取扱う、かように考えておるわけであります。
  121. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 ちよつとその点わからないのですが、全般的な関連において教育費の問題を今の平衡交付金制度については検討する必要があるというふうに考えておられるのか、その点所見ですね、大蔵省の考え方ですね、それを承わりたいと思います。
  122. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 先ほども申しましたように、私どもとしてはこの問題を取上げて検討いたしております。
  123. 木村守江

    ○木村守江君 ちよつと大蔵省の主計官にお伺いしますが、この六三制の単価増予算ですね、これはどう考えましてもこれは補正予算に計上すべき性質のものじやないかと思うのです。ところが補正予算には見込みがたいが来年度予算一緒に出すようにというようなことで来年度予算一緒に出すように予算を組んだという説明がありましたが、本年度補正予算として当然計上せらるべき性質のものを計上しないで……、来年度にこれを認められるという自信がありますかどうか。どういう意味でそういうことを申されますのですか、ちよいと御説明願いたいと思います。
  124. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 六三の増額問題でありますが、これは結局単価の値上りによる建築費不足ということになるわけでありますが、これは六三だけに限つた問題ではなくして、更に一般の公共事業費からすべての国家財政全般の経費について起り得る問題であります。従つてこの問題をどう取扱うかということは六三だけを切離して考えるわけにも行かない、更に補正予算の財源全体を考えてどう取扱うかというふうに考えておりますので、只今のところ六三だけを取上げて単価の値上りを補正するという考えは今のところ持つていないわけであります。
  125. 木村守江

    ○木村守江君 それではこの六三制の単価増の問題は二十七年度の本予算としては認められんとおつしやるのですか、そう考えてもよろしうございますか。
  126. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) それは単価増の問題として取上げるというよりもむしろ六三制の教室の下足が現状どうなつておるか、それをどう埋めるかという問題として解決されるべきものだと考えております。
  127. 木村守江

    ○木村守江君 実際問題としてはそれは繰越しの事業なつておれば別ですが、実際問題としては市町村ではこれは当然その単価増もあるべきはずだし、それから実際問題として一万六千円ではできないというのを無理して町村の独自の起債とか、或いは地方の銀行からの融資とは、或いは農業協同組合からの融資とか、或いはその市町村民の血の出るような負担において作られておるところがあるのです。そういうことに対してはお認めにならないのですか。
  128. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 只今のお話のように、確かに単価の値上りによつて非常に地方においては困つておる、而も起債の枠も六五%くらいに切られて非常に困つているという実情は私どももよく承知しております。ただこれを先ほども申上げましたように、これだけを取上げて問題にするということは非常に大きな影響を与えますので、来年度においては又文部省要求もよく聞きましてその上で不足坪数をよく検討した上で、この問題を解決するという方向に進みたいと考えております。
  129. 木村守江

    ○木村守江君 それでは、只今までの段階においては文部省説明がよくわからないが、文部省説明をよく聞いて、然る後にこれを決定したい……。十分これを織込んで予算化するお考えはおありになるでございましようね。
  130. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) できるだけそういうふうにいたしたいと考えております。
  131. 木村守江

    ○木村守江君 ちよつと済みませんが、さつきのその文部省の試案として出した平衡交付金の中の教育費の算定の問題ですが、これはこの問題によつて平衡交付金制度が瓦解されるという問題になるかも知れないというお話でありましたが、平衡交付金制度に欠陥がある場合はこれは瓦解になつても差支えないじやないか、決してあの問題が教育財政のみを考えた案ではないということを再検討されまして、あの法案の通過の事情のことを考えてもらいたいと思います。
  132. 加納金助

    理事加納金助君) どうでしようか、もう時間も相当経過しましたから……。
  133. 岩間正男

    岩間正男君 今の大蔵省への質問は主計官の意見ですか、大蔵省を代表した意見になるかどうか。それはそれでもいいですけれども、もう少し少くとも明日の会議は大蔵大臣の出席を求め、出なければ河野主計局長に出席してもらいたい。大蔵省の意向としてもつと広汎な意見を聞きたい。私は今の主計官の考え方は非常にあいまいだと思うのです。今の六三の単価増に対する問題でもどうも答弁があいまいです。来年十八カ月の一環として考えるといい、或いは又今度はそういう要求があるのならそういう問題について十分に研究して又折衝するなどということはこれは不徹底です。これはあなた自身の立場というか、大蔵省内で大蔵省予算については教育予算、国家予算との関連においてものを見るということは必要だと思うのですが、教育予算の担当者として、例えば今の単価増で非常に苦しんでおる。折角やるようになつ工事が打切りになつて立腐れになつている。こういう事態が起つておるのですが、これいう事態を認めておるですか。これは一主計官、あなた自身の認識の問題として聞いておきたい。私は政治上の問題を聞いてもしようがないと思うのですが、大蔵省内の教育財政の担当者としてその点をどう考えておられるか、その点を聞いておきたい。
  134. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) お話のような話は私も聞いて知つております。
  135. 岩間正男

    岩間正男君 あなたはそういう話を認めておられれば、それならこれを補充してそうしてここで継続してやるべきだと考えておりますか、それとも国家財政の立場から止むを得ない、これは切らなければならない、こう考えておられるか。この点を一つ伺つておきます。
  136. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) まだ補正予算が最後的に決定を見ておりませんので、仮定について申上げるほかありませんが、若し単価増による補正予算が認められないという事態になつた場合にどうなるかと申しますと、只今おつしやつたように中には立ちかかつてそのままになつて来るという慮れが多分にあります。併し中にはまだ着手していない部面もあるわけであります。従つてその辺を行政的に適当に立腐れのないような方法解決するということも十分に考慮してやるべきだとこう考えております。
  137. 岩間正男

    岩間正男君 これはどうもあいまいだと思う。実際問題として柱だけは立つているが、屋根はやりかけて瓦がないので、一方では柱が腐れておる。これは国家的な大損失です。今やりかけたものは補充されないで中途な形で放つてある。今までもこういう問題について聞くというと、大蔵省は今あなたが言つたような答弁をしておるが、現状は国家的な大損失です。この点はもう少し腹を据えて教育財政の担当者であるならば、これは大蔵省内で主張されるべきではないかと思う。これはどうですか。大蔵省の立場というものを守るか、それともそういう現状について、本当に認識をもう少し持つていたならば、これは大蔵省自体にとつても、日本の財政上の損失になると私は思う。そういう損失になる問題を放棄しておくのですか。この点をあなたの信念において聞きたい。
  138. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 大変むずかしいことになりましたが……。
  139. 岩間正男

    岩間正男君 むずかしいことはない。
  140. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 勿論私どもとしてはできるだけお話のような方向へ進みたいと考えております。
  141. 岩間正男

    岩間正男君 主張するというのですね。
  142. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 勿論私の立場としてはできるだけそういう方向で考えてもらうようなことを申すのは職務であります。
  143. 加納金助

    理事加納金助君) それじや大体質問も済みましたので、今日の会議はこれだけにしたいと思いますが、併し先ほど残された小委員会、あれは今日のうちにやるということだつたのですね。どうでしようか、これも余り時間をとらないように一つ……。
  144. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 小委員会報告を了承して何か承認をやるという問題があつたのですから、あれはきめておかないと……、簡単に大してむずかしい話でもなさそうだから速記は要らんでしよう。
  145. 加納金助

    理事加納金助君) 改めてお諮りしますが、文書で出して頂いてどうですか。
  146. 大野幸一

    大野幸一君 速記に書いてもらわなければいかん。
  147. 加納金助

    理事加納金助君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  148. 加納金助

    理事加納金助君) 速記を始めて下さい。それでは教育財政確立及び教育環境整備に関する小委員長報告を求めます。
  149. 高橋道男

    ○高橋道男君 去る八月十日の文部委員会委員会におきまして、不肖私が小委員長に推されまして、教育財政確立及び教育環境整備に関する議題により、議事を取りまとめましたので、只今から、その結果について御報告申上げます。出席委員は、木村、木内、君間、高田の四委員と私と五人でありましたが、木村委員は、中途から他の委員会が開かれましたため退席されました。議題は、教育財政と環境整備の二つでありましたが、教育財政のほうは、本日の委員会に譲り、それぞれ関係政府委員に出席して頂いて審議することと定め、第二の教育環境の整備に関してどう取扱うかということを、審議いたしました。  第一に、先に七月二十三日の委員会での意見に基き、中央線沿線の立川市、国立町及び武蔵野市の教育環境整備と、久里浜の水産大学校舎の問題については、それぞれ水産、地方行政、厚生、法務通産等の委員会と合同審議をすることとし、その時期は、来るべき臨時国会開会中又はその直後において三日間に分けて開催することと決定いたしました。  合同委員会の際は、証人を喚問することとし、あらかじめ、その人選について検討した結果を申上げますと、水産大学については水産大学事務局長、現場教授、予備隊本部増原長官、水産界から一人、大蔵省管財局長、計五人。立川市競輪場の件については市長、通産省機械局長、都の責任者、建築関係、都教育庁次長、曙小学校長、教育委員会委員長、山崎某反対派婦人代表、計八人。国立町文教地区指定の件については賛成派代表(赤松教授)、町長、町会議長、文教地区設定対策委員長地方自治庁次長、都教育庁次長、松岡キク、計七人。武蔵野市特飲街の件については市長、公安委員長、警察署長、反対期成同盟会長、都民政局長、都財務局長、都教育庁次長、業者代表、計八人を呼ぶことに一応決定いたしました。以上御報告申上げ、本日の委員会において、御審議の上御決定頂くように希望いたします。なお六三制の問題に関し、文部省と政令諮問委員会との間に意見の相違があることについて、問題が提出されましたが、これは教育環境整備の問題の一環として取上げ、双方から問題の経過並びに意見について本日よりの委員会で聴取いたしたいと申合せました。
  150. 加納金助

    理事加納金助君) それでは本日の委員会はこれで散会いたします。    午後零時五十一分散会  出席者は左の通り。    理事            加納 金助君            高田なほ子君    委員            木村 守江君            平岡 市三君            大野 幸一君            荒木正三郎君            若木 勝藏君            高橋 道男君            櫻内 辰郎君            岩間 正男君   委員外議員            相馬 助治君   事務局側    常任委員会専門    員       石丸 敬次君    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君   説明員    地方財政委員会    委員      菊山 嘉男君    地方財政委員会    事務局長    荻田  保君    大蔵省主計局主    計官      岩動 道行君    文部政務次官  水谷  昇君    文部省大臣官房    会計課長    寺中 作雄君    文部省初等中等    教育局長    辻田  力君    文部省監理局長 久保田藤麿