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1951-02-08 第10回国会 参議院 農林委員会食糧統制に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月八日(木曜日)   ————————————— 昭和二十五年十二月十日農林委員長に おいて小委員を左の通り指名した。           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            西山 龜七君            小林 孝平君            三輪 貞治君            飯島連次郎君            片柳 眞吉君            三好  始君            岡村文四郎君 同日農林委員長は左の者を委員長に指 名した。            片柳 眞吉君   委員の異動 一月三十一日委員池田宇右衞門君、白 波瀬米吉君及び三好始君辞任につき、 その補欠として平沼彌太郎君、宮本邦 彦君及び鈴木強平君を委員長において 指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (主食統制方式に関する件)   —————————————    午前十時五十一分開会
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは食糧統制の小委員会をこれから開会いたします。  食糧統制に関する小委員会調査につきましては、かねて各位の格別の御配慮を頂いておりまして、厚くお礼を申上げます。本日は右の調査のうち、食糧確保臨時措置法が来る三月三十一日を以て失効することになつておるのでありますが、これが存廃の可否、存続せしめるとせば、これが改正の要否及び改正点、廃止するとしますれば、その後の措置等中心といたしまして、主食供出の問題について、なお排せて主食配給統制の問題についても御意見を拜聴いたしたいと、かように存じております。開会が遅れまして、甚だ恐縮でありまするが、時間の都合上、先ず各団体代表のおかたから大体十分程度で御陳述を頂きまして、一通りの御陳述終つたあとで補足的な陳述を頂き、最後に懇談に移りたいと存します。本日御出席をお願いいたしました団体は、農業復興会議全国指導連購連、全販連、日本農民組合全国農民組合農業調整委員会全国協議会全国農民連盟、この団体であります。  先ず最初に全購連及び農業調整委員会全国協議会代表といたしまして、黒田さんから御意見を承わりたいと思います。
  3. 黒田新一郎

    参考人黒田新一郎君) 十分というお指図でありますが、今全購連会長会議をいたしておりまして、中座をしてすぐあちらに参りたいと思いますので、あと質疑応答の時間までおられませんので、御都合によつては時間まで、それまで申上げたたいと思いますので、お願いいたします。  お手許に農業調整委員会全国協議会のこの問題に対する考え方を簡単に文書で回答申上げてあると思いますが、大要こうした考え方を持つておるわけであります。即ち前提といたしましては、我が国の食糧国内生産の絶対量の不足及び現下の国際情勢の下にあつては、食糧管理は継続すべきであるという前提を先ず持つのであります。そこで継続すべきではあるが、現在行なつております食管制度に対する今までの運用に対する経過に徴しまして、このままでは適当でないという批判をいたしたいのであります。即ち現在基本法であります食管法及び緊急措置令、これはその立法当時の環境から考えまして、多分に戦時的な色彩を帯びておりまして、現在すべてが民主的に行わるべき段階においては甚だフアッシヨ的なものでありまして、これによつて農民が如何にこの法律性格のために犠牲を負わせられたかということは説明するまでもない事実であります。  次に食確法でありますが、これはこの法の内容は、これは一応適正に運用することができ得るならば相当の長所を持つのでありますが、これ又立法精神食管法手続法としての性格を強く持つております。従つて今日までこの運用食管法精神によつて運用されたと言うても過言でないのでありまして、非常にこれ又農民に対する圧力となつて今日まで運用されて参つたのであります。こうした点から考えまして、私どもはこの前提に立ち、現行諸制度批判をいたしまして、今後如何なる管理制度を持つかという問題について、第三に掲げてあります構想を持つのであります。先ず第一に、この対象農産物でありますが、これは第一の前提が、これが情勢変化して、この必要がないということならばいざ知らず、こうした情勢下においては、少くこも米麦完全統制をすべきであるという考え方であります。第二には、政府はその作付前に大体の最低価格保証を発表すべきであつて、その価格との連関において、その年度における食糧確保数量生産期待というものが、価格との連関において打出されるべきであつて、それに対して農民農業計画を立てるという建前をとりたいのであります。この価格決定については、確定価格買入と同時に決定するということを希望するのでありますが、この事前における保証価格決定価格とは共に民主的な生産者意見を十分織込んでの価格決定が当然要求せらるべきでありまして、その点で米価審議会構想等は、これは又問題が別にありましようけれども、とにかく法的に農民価格決定に参画するということを今後の食管制度には明確に入れるべきであると思うのであります。今の米価審議会がただ政府一つ方針として運営されておるというふうなことのために、この権限は誠に名のみでありまして、これは私どもの非常に従来米価審議会を運営する場合に不満を感じておる点であります。これは法的に是非とも価格決定の問題は入れるようにして欲しいということであります。それから生産量決定でありますが、これは多分に問題があるところでありまして、事前割当をすべきか、或いは事後割当にすべきかという問題は相当これは大きな問題でありますが、この第一前提に立ちまして、国内の絶対量不足をできるだけ計画的に調整を付けて参ろうというのには、集荷配給のみでなく、生産に対し、又その生産基礎にしての輸入計画等が、これが一応一連の計画性を持つべきだと思うのであります。従つてこの計画性を持つためには、当然作付前に一応の方針が立てられるべきだと思うのであります。ただ従来の食確法における割当は国の需給計画というふうなもののみに重点がおかれまして、農民経済、自主的な農業計画というものが全然無視されておつた点が従来の事前割当弊害であつたのでありまして、この弊害が除去されて、農民経済を保護する立場での自主性基礎として事前における生産計画が立てられるならば、これは望ましいことであります。望ましいというより、むしろ必要のことであると思うのであります。次にその計画でありますが、計画については、当然現在行なつておりまする農業調整委員会、これが或いは農業委員会というふうなものになるのかも知れませんが、いずれにしても農民代表委員会の議決を経て行うというこの建前は飽くまで貫きたいのであります。  それから政府に対する売渡数量の算定でありますが、食管法においては全然農家保有というふうな問題に触れておりません。一方的に農林大臣の指示する数量ということになるのでありまするし、従つて食確法においても保有優先建前は明記いたしておらぬのであります。しばしばこれが問題なりまして、一定の保有量はきめて置きながら、その保有量を必ず確保せしむるという措置が今までとられておらないのでありまして、非常にこれは不合理な点であつたのであります。この点は家畜飼料をも含めて農家保有量はどれだけは確保させるということを明らかに法文化すべきであると考えるのであります。次に政府売渡数量は、事前割当のような形で自主的な数字を盛り上げていたすのでありますが、作況の変化によつては当然その変化に即応した変更をすべきである。なお最後に記してありますのは、生産資材及び資金確保措置でありますが、これは食確法においても、資材についてはその裏付をいたすことに相成つておりまして、最近の情勢では相当に物資の出廻りも円滑になりましたために、殆んどこの問題は食確法の中でも最近では取上げておらないのであります。併し最近になりまして、再び肥料その他の需給状態が非常に変化をいたして参りまして、場合によれば生産資料等に対しても、裏付としての措置がとられなければならないじやないかという情勢に相成つております。資金の点についても、今後において一段と資材と共に生産裏付を要求いたしたい場合が起るであろうことを想像いたしまして、こうしたことを構想の中に入れてあるわけであります。  以上が大体考えます概要でありますが、若干これに附言をいたしまして、こうした構想の生れます理由を申上げたいと思うのでありますが、政府は現在麦は自由にするという方針を持ち、米麦共事前割当というふうな必要を認めずに、一応生産目標を指示するという形にいたしておるのであります。併し私どもは麦の統制をはずすという現政府方針が、果してその時期になつてそのまま貫けるかどうかという情勢判断に、非常な政府見解と異なる観察をいたしておるのであります。政府は自由にはするけれども、大体八百八十万石程度の従来通りの麦の買付が可能だという基礎に立つて需給計画を立てておるのであります。併し自由にはするが、買入価格は一方補給金を付けまして、対米価比率小麦において六十四というような非常な低い価格買入れの計画をいたしておるわけであります。然るに一方現在食糧飼料におきまする自由価格、又国際価格は非常に高騰をいたしておりまして、政府考えるような価格買入れる見通しは私は絶対に付かないと思うのであります。今予算に組んであります政府買入価格は、小麦において六十キロ当り千五百三十五円、ドルに直しますと、一トン七十三ドルであります。併し御承知のように世界的な食糧飼料の値上りから、今自由にいたしております飼料の「とうもろこし」のごときは非常に国内価格も暴騰し、又国外価格も上つております。数日前に私ども購連でもアメリカから「とうもろこし」を一万トンばかり契約いたしましたが、CIF九十七ドルであります。麦を国内で七十三ドルで買上げ計画を今政府が立てておるのでありますが、それより飼料としては価値の少い「とうもろこし」が、国際価格によりましても約百ドルという価格でなければ今入手できません。従つて国内の「とうもろこし」も大体その価格にさや寄せしております。そうした中にあつて七十三ドルで八百八十万トンの麦類政府買上げようというような馬鹿げきつた考えかたで今年の需給計画を立てておるということは、これは誰が考えても実現の不可能な問題であり、政府のそうした無責任措置に対する不安というより、責任を追及いたしたいというふうにまで思うのであります。これはどうしても麦の場合においては、私は早期に方針政府が確立をいたさなければ、非常に農民に対しても迷惑をかけると思うのであります。現在農家はこんな安い麦の価格では到底政府に売れないということで、自家の農業経営合理化のために、家畜飼料として有畜農業をやることのほうが有利だということで、今年の鶏の初生雛の注文などは今までにない大量のものであります。でこうした安い麦ならば、自分で消費するという計画を立てておるのでありますが、若しも政府がその六・七月頃の候になつて、急遽麦の全面統制をするというふうなことをいたすならば、農家はその家畜を殆んど放棄しなければならないというふうな羽目に陥る。昨年の麦の供出の場合にもそうした事態が一部起つたのでありますけれども政府は何でも法律をどういうふうにでも自由に適用できるようにしておいて、そのときどきの需給状態によつて一方的に政府都合で以てそれを適用すればいいという認識をいつも持つておるのであります。今回提案される予定になつております米麦等買手続法においても、これ又その思想でありまして、買入れたいと思えばいつでも買入れる、買入れる必要がなければ買入れないという得手勝手のことである。而もそれが流用面のみの統制考えないで、基本的な生産とか、農業計画というものを無視していつもこれを運用する。その結果農民のうむる迷惑というものは実に夥だしいものであります。で、今回もそうした過ちを繰返す可能性多分にあるのでありまして、この点は私どもは強い警告を政府に発して反省を求めたいと思うのであります。  麦類問題はさよう考えるのでありますし、次にこの制度の問題でありますが、食確法存続すべきかどうかということが、只今具体的な御諮問に相成つてつたのでありますが、私どもは今までの運用の体験から考えまして、法文に盛られてある内容というものは、これを運用する基本的の考え方が時代に即した民主的な正しい運営さえされるならば、必ずしも今までのような農民にのみ犠牲を負わせるという結果は起らなかつたと思うのであります。で、この食確法をさような事情でありますから残すことも……むしろこの食管法を廃止しまして、そうしてもつと民主的に運営できるような基本的な精神中心として食管法食確法というようなものを総合して新らしい立法をここにされることが一番望ましいのであります。併し若しもそうしたような手続きが困難だといたしますれば、食管法の悪い部分を修正をいたしまして、この精神を現在の情勢に即応するようなものにいたし、そうしてその手続法として食確法が、これは勿論一部改正を要する点がありますけれども、そうした点を改めるならば、食確法存続も必ずしも反対ではないという見解を持つのであります。併しこれは飽くまで食確法存続するといたしましても、基本的な考え方の是正が前提となるのでありまして、それなくしては食確法存続というものは、私どもは是認し得ないというふうに考えておるわけであります。  以上考え大要を申上げましたわけでありますが、なお後刻御質問なり、御懇談等ありますならば、事務局長などが参つておりますので、それらの者に又詳細は意見の具申をいたさせることにいたしたいと思います。私の説明概要を終ります。
  4. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それではその次に農業復興会議松村さんから……。
  5. 松村正次

    参考人松村正次君) 時間が限られておりますので、殆んど結論的なところだけを申上げます。  先ず食糧確保臨時措置法が三月三十一日で期限満了になつておるわけでありますが、一応そういうことなら、それでも差支えないという見解をとつております。次に、併しながら食確法を廃止するということが、直ちに統制は国の食糧管理上必要だということにはならないということでありまして、現在の食確法が現実の運用の過程を通じまして、先ほどの説明がありましたように、食糧管理法手続法的な性格で一応低米価裏付けとしての権力的な収奪機構役割を果しておるということを我々は認めるわけであります。従つてできるならば食確法というものを改正して存続するというよりも、やはり食管法と同時にこれを一応廃止して、そうして新らしい国家による管理方式というものを設定したほうがよいという意見を持つております。もう少し食確法の欠点についての御意見を、あとの新らしい食糧管理方式に関連しますので、申上げますと、一応食確法農民の側として非常に期待しておつたのは、生産確保と申しますか、生産機関の拡充と申しますか、そういうような要素が若干法文の中に入つておる。その一つ資材確保の問題、一つは当時の事情における超過供出の問題でありまして、ところが資材の問題については、一方状況が緩和したこともございますが、緩和しない当時においても(公)によつて必需量確保できないということであります。而もこういうような制度になつておる関係上、これを農産物価格において、例えば米価において交渉するような場合でも、殆んど全部(公)によつて採用されて、何ら顧みられなかつた。こういうことについては実に一方的であつたわけであります。そうして生産計画の齟齬、義務履行の遅滞ということに対しては強権発動があつたわけでありますが、資材確保については政府は何ら責任を負わないというようなことがあつたわけであります。こういう点で非常に難点があつたわけであります。超過供出についてもこれは当時としては(公)による資材確保が不十分である場合の増産一つ措置であつたと思いますが、ただこのものにつきましても、税金の面におきまして大分その意義を減殺されたということは否定できないというふうに考えられます。それからもう一つは、農業計画自体が非常に天下り的であつた。法文においては或いは一応各種民主的な機関意見を聞いてくれるというふうになつておりますが、実際は下からの賃上げとか、農業計画における自主性とか、補正の問題ということは、それぞれ殆んど効果がなくて、結局食確法自体の非常によいところの狙いを殺してしまつた、こういう状況であつたと思います。農業委員会の問題についても、例えば被選手権の問題について、辰業技術者をオミツトしたというようなことがあつたかと思いますが、こういうようなことで、やはり現在来しておる機能というものは大掴みに申しますれば、先ほど申したように低米価で取上げる一つの権力的な収奪機構としての一つ役割を果しておるというふうに我々は考えるわけでございます。従つて新らし管理方式といたしましては、我々といたしましては、先ず何といつても権力的な収奪機構というものを改め、一つ経済性を與えるように、経済合理性というようなもので裏付けるようなものでなければならない。それから又もう一つは、その意味におきましても、農業経営の合理的な組合せ、合理的な経営というものを確立せしめるようなものでなければならん。それから最低価格を保障するようなものでなければならない。それからこういうものの一つ影響としての外国食糧につきましては、やはりこれを国内食糧生産との関連において強力に管理するようなものでなければならない。この四つを柱にいたしまして、大体新らしい食糧管理機構というものを作り上げる必要があるというふうに考えます。もう少し詳しく申しますと、国が一応管理の主体とすれば、管理対象は米乃至麦及び輸入食糧、それから集荷面における管理は一応国家による買入制ということを我々主張するわけでありますが、一応国が事前に、後ほど申上げますが、価格事前発表とか、或いは買入期待量というようなものを最大目標量とし下しまして、これに応じて自主的に農業計画を樹立せしめる、それに順応して下からこの申告によつて一応積上げて来る、現在の農業調整委員会のごときは、機能はやはりこういうふうな情勢でございますので、成るたけ中天期待に添うように努力しながら積み上げて行く、そうしてやはり最後には中火の決定機関として行政審議会、これは今諮問機関になつて何にもなりませんが、一応決議機関という格好で強力に自主性を盛り上げて行つて権力収奪機構についての徹底的な改善をするということが必要だと思いますが、勿論自主申告につきましては、保有限度というものは認めて、あとは全部出すという建前をとる。それから農業調整審議会については若干触れましたが、これを更に被選挙権の問題、決議権の問題その他で民主化する。それから買上価格事前に発表する。それから輸入食糧については全面的に国家管理をする。そうして考え方としては最小限度を輸入するという建前をとる。それから我々がそのほかに食糧自給計画の策定、保有基準量配給基準量買上価格消費者価格輸入食糧売渡価格輸入食糧管理、こういうふうな食糧管理に関連する基本的な問題につきましては、新たに名前は何でもいいのですが、食糧管理委員会とでも申しましようか、そういうものを作り上げて、こういうものを策定して行く、こういうふうな構想で一応新らしい管理方式というものを作つて行つたらいいのじやないかというふうに考えるのであります。以上大体要点だけ申上げました。
  6. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に日本農民組合大森さんにお願いします。
  7. 大森真一郎

    参考人大森真一郎君) それでは簡単に要点だけ申上げたいと思います。順序といたしまして、第一には質問要点につきまして、総合的な御回答を申上げて、それから第二点は食糧問題に対します日本農民組合としてその基本的態度について若干申添えて置きたいと思います。第三には、新らしい管理制度についての構想の若干の点を申述べて、私のお答えを終りたいと思うのであります。  第一点は、第一の点につきましては、現在の食確法なり、食管法なり、これは共に廃止して、そうして新らしい構想の下に、食糧管理制度についての立法が望ましいということを総括的に申上げて見たいと思うのであります。これは現在の食確法にいたしましても、これは食管法基礎としての手続法でありまして、その間に我々実際上の今までの食糧統制経過から見まして、改正すべき多くの点もありまするが、基本的には食確法にいたしましても、食管法にいたしましても、これは戦時経済的な色彩を非常に強く持つておるのでありまするから、今後作られるものは民主的な、即ち農民自主申告基礎とした、更に農業経営についての自主性確保するという基本的な観点に立つた新らしい立法が望ましい。即ち戦時経済的な色彩を一掃した法律を我々は望むということで、第一の質問についての総括的なお答えにいたしたいと思うのであります。  第二の点の我々の基本態度につきましては、先ず第一には、政策一貫性を主張いたしたいと思うのであります。殊にこれは農業特殊性から見まして、現在のように常に食糧統制撤廃ということが次々と叫ばれますこ、農民自体経営に対する困難が非常に強められて、而も実際上におきましては、昨年の麦の供出の当時を振返りますれば明らかなように、これは本当に強権発動的な収奪が行われるというような結果になるのであります。この点は強く主張いたしたいのであります。即ち日農といたしましては、食糧のような国民経済に非常に大きな影響を与えるものにつきましては、単純に農民としての目前の利害ということを基礎にいたして、やはり漸進的な見通しを以て一貫した政策を樹立するということを基本的な態度といたしたいと思うのであります。この点につきましては、若干申上げて置きたいのでありますが、前の麦の供出の際にとられました措置につきましては、非常に遺憾の点が多いのでありまして、我々は朝鮮事変の勃発と同時に、この事変に対しての見通しにつきましては、楽観的な見通しをとる政府と我々とは見解を異にしておつたのでありまして、我々は事変が長期化するという要素を強く捉えておつたのであります。従いまして食糧管理制度はやはり存続すべきであるという当時の考え方であつたのであります。政府におきましては、麦の統制を絶えず撤廃するような新聞発表等がありました関係上、各地を廻りまして視察した結果によりまして、やはり農民事前に或いはこれを他に流したり、食つてしまつたりするというような結果で、非常に供出の成績が悪かつた而も政府におきましては、関係方面からの強い要請に基きまして、これは強権発動を伴う供出の強化をやつたのであります。実際上日農の東京都連合会調査によりましても、西多摩郡におきましては、西多摩村で四十万、霞村で三十万、調布村で二十万、多西村ですか、これに二十万、福生村で二十万、これは調査済のものでありますが、こういう巨額な村費を以て麦を買入れて供出完了という姿だけをとつたという事態が発生しております。その他正確な調査でありますが、東村山村においては八十万程度、平井村におきましては、約百万円程度村費の支出があつたやに推測されるような事態が発生しておるのであります。こういうことはやはり根本的に改正しなければなりませんので、我々は飽くまで漸進主義をとつて食糧管理に対しては基本的な解決をしなければならんというふうに考えておる点であります。  第二点は現在のような食糧不足、これは私どもの観測が変りまするが、今後輸入食糧に依存することは非常に危険性も多いし、国内食糧増産は叫んでおりまするが、予算措置等を見れば、決して一割増産が可能であるという予測をとれないのでありまするから、こういう食糧不足時において、若し統制が撤廃されたと仮定いたしますれば、これは当然に米麦に対する投機性が非常に強まるということを考えざるを得ないのであります。単に統制が撤廃されたから投機性が強まるというだけでなく、これは農地改革後における農民の構成の変つたという点を私は指摘しなければならんと思うのであります。と申しまするのは、農地改革後においては、御承知のように地主というものが殆んどなくなつております。農家に自力によつて米麦を保有するだけの経済余力がないのであります。従つてこれは戦前におきまする地主が大半の米を保有しておつた際においてすら、一般の米穀統制法においての統制も不可能なのでありまして、そうして米の価格というものは常に引下げられる、いわゆる買叩かれるという結果を持つてつたのであります。これは計数的にも申上けられる点でありますが、これは戦後におきましては、零細農民米麦を自力によつて保有することのできない零細農民になつておるのでありまするから、この点投機性はより強まるということを考えざるを得ないのであります。従つて自由経済的な米穀統制によりましては、その効率が非常に低下して来ておるということを御指摘申上けなければならんと思うのであります。最近における肥料の騰貴等の点を更に考えますれば、これは製粉工場等の買付、又闇流しというような可能性も強まつて来るのでありまするが、こういう点で統制撤廃については私は十分警戒しなければならんというふうに考えておる次第であります。  第三の点は、これは我々が統制撤廃を反対して食糧管理を今後主張する場合、現在の日本の経済状態から見まして、一番恐れる点は価格の面で、いわゆる低価格を茶碗とした統制、いわゆる低米価政策中心とした統制というものが実現し易い可能性のあること、こういう点が我々非常に虞れられるのであります。本年度の日本経済見通しといたしましては、どうしても低価格基礎として、いわゆる食糧統制というものが直ちに低価格、低農産物価格制度と維持するような形に発展し易い危険があるのであります。この点が我我は新らしい食糧管理制度を主張する場合においても、常に価格政策裏付けとならなければならない。即ち保護政策基礎とした、農民経済を維持する価格政策裏付けとした統制方式がとられなければならん、こういう点を我々は考えざるを得ないのであります。  第四の点といたしましては、これは政府が現在考えておりまするように、麦だけの統制の撤廃をやつた際、どういう状態になるかと申しますると、これは統制撤廃直後におきましては、麦作地帯においては有利な条件が出て来るかと思うのであります。これは麦の生産費が非常に増嵩するということが、例えば肥料において最も多く麦作において重要性を持ちまする過燐酸の輸入価格の値上り、こういう面からいつて生産費が上りまする関係、輸入麦が漸次制約されまする関係から、麦の自由価格というものはこれは高まるのは当然でありまするが、麦作地帯はそれで若干有利になると思うのでありまするが、併しこのしわ寄せは全部米の単作地帯に被せられるという結果になると考えるのであります。従つて麦作地帯と米作地帯とのアンバランスが出て参りまして、農民経済のうちに各農民地帯別の農民経済が非常にアンバランスになるという結果が出て来ると思うのであります。こういう点で我々は単純に麦の統制撤廃を主張できないという一つの根拠を持つわけであります。以上簡単に四点だけ基本的態度として申し上げて見たいと思うのであります。  然らば第三の我々の主張いたしたいところの新らしい食糧管理制度というものは、どういう構想を基本的に持つべきであるかという点になるのでありますが、これは飽くまで自由申告を基礎とした食糧管理制度、一言にしてはそう申上げられるのでありますが、これを従来の用語で申しまして、事前割当制度事後割当制度という点から申しますると、我々は事前割当の観念を基礎として行きたいと思うのであります。と申しまするのは、今までの事前割当におきましても、これは制度そのものの欠陥というよりも、この運用におきまして、結局政府側で一定の数量を抑え、作の如何にかかわらず、或いは作付の如何にかかわらず、これを国家の必要を基礎として農民に押付けたという結果が、今日まで食糧問題で紛糾せしめた原因であろうかと存ずるのであります。併しながら事前に一定の割当をするということは、これは生産計画性を維持するという上において私は絶対に必要である、現在の食確法において、いろいろこれは欠陥がありまするが、我々はこの食確法に反対せずして、基本的には是認して参つたというのも、要するに生産計画性という一点だけでありまして将来においてもやはりこの計画的な生産をなすということは、日本のように食糧の絶対量の不足しておる国においては当然であろうかと存ずるのであります。そうしてただ事前割当という従来のやり方では私はいかんと思うのでありまして、この点につきましては、私どもは先ず農民自主申告したものを、これを部落なり或いは村の農地委員会なりが、その妥当性を検討しまして、更に県がこれを吸上げる、そうして県が吸上げたものを国が吸上げる、そこで国においてはそれによつて自主申告によつての大体の数量が把握できまするから、これに従来の日本の生産量の計数等もありまするので、これと打合せて外国食糧の輸入計画を樹立し、そうしてこの輸入計画に基きまして、更に若干の訂正を要求する場合には、これは増産要求として下へ流す、それを農民が受入れられる範囲においてこれを決定するという方法をとりますれば、事前割当をいたしても、これは農民農家経営自主性を崩すということはあり得ないと思うのであります。ただ関係当局のほうでは、これを単に手続がうるさいというような観念をとるかも知れませんが、やはり農民自主性を重んずる限りにおいては、これだけの手続はとる必要があろうかと思うのであります。これを現在農林省で考えられているような事後割当一本で行くとしたならば、どういう結果になるかと申しますれば、結局事後割当におきましては、事前における農民生産計画性というものが失われ、作付転換が無制限に行われる結果となりまして、生産量の多いほうが困難になるという点、又政府としても予 措置をやるだけの余裕がない、結局必要であれば、農民があつてもなくても、徹底的にこれを収奪するという結果が生じて来ると思うのであります。こういう点で事後割当一本で進むという方針につきましては、反対せざるを得ないのであります。  又輸入食糧管理につきましては、これはコンマーシャル・フアンドのものでありましても、この買付等につきましては、これは貿易業者を使つて差支えないと思うのでありまするが、買入価格の点、又買入は全部政府の手によつて買入れる、国家によつて管理するという方法をとりたいというふうに考えておるのであります。こうなりますると、関税問題はすでに問題にならなくなるのでありますが、関税自主権の考え方は基本として飽くまで持つておるというふうな態度をとりたいと思うのであります。そのほか機構については、やはり現在のような官僚的な統制基礎とするところの機構でなしに、民意を十分に反映できるような、現在の機構を民主化して運営するという方法をとりたいと思うのであります。  時間が大部進みましたので、以上非常に大雑把でありまするが、それらの点を若干申述べて我々の意見といたしたいと思うのであります。
  8. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に全敗連の土岐さんにお願いいたします。
  9. 土岐定一

    参考人(土岐定一君) 全販連から申上げたいことは大部分殆んど他の団体から申されましたので、余り附加えて申上げることはありませんのですが、極く簡単に全販連の考え方を申上げます。  先ず第一に、お尋ねの食確法の問題でございます。食確法を存置したほうがいいか、或いは廃止したほうがいいかという問題であります、或いは改正する必要があるかどうかという問題でありまするが、全販連といたしましては、現在ありまするこの食確法食確法としてだけ抜出しまして、これを論議するのはおかしいのではないかと思うのであります。食確法では、御存じのように生産統制或いは事前割当というふうな、事前農民に対して大きな義務を質わせまするので、農民として最も関心を持ちまする米麦等の価格の問題が同時に保障されるというような制度でなくして、生産農民にとりまして最も関心の深い米麦価格というものが別になりまして、ただほかの生産統制であるとか、供出というものだけが強く規定されておる現在の食確法におきましては、非常に無意味なのではないか、こう考えるのであります。然らばこの米価の問題が農民の納得の行くような仕組によつて決定され、価格そのものも生産費を賄い得るというような恰好であるならば、食確法そのものは置いていいじやないかということになるのでありますけれども、我々はいろいろ国内情勢その他いろいろの情勢考えましても、そういうことはなかなか不可能なような状況考えられまするので、一応全販連といたしましては、食確法はいつそのことあつさりと廃止したほうがよろしいというふうな意見を持つておるのであります。そこで食確法を廃止いたしましてその後におきます供出制度についてはどういうふうにするかという問題でありまするが、この供出制度の問題につきましては、お手許に供出制度改正の骨子というものがお配りしてありまするので、これで大体骨組だけは尽してあるのでありまするが、ただこの供出制度改正の骨子の第一のところに、ミス・プリントがありますので、「対象は米のみ」とありますが、米麦と、「麦」を入れますので、この点御訂正を願いたいと思うのであります。この供出制度改正の骨子は単に全販連だけの意見ではありませんで、全販連といたしましては、全国の販連の全国会議を開催いたしまして、全国の販売に携わりまする農協としての販売系統組織全体の意見として全国会議にかけまして、正式な意見として認めたものでありますので、そういう意味においてお汲取りを願いいたしたい思うのであります。対象といたしましては、米麦だけを対象といたしまして、現在の食糧管理法食確法と同時に廃止をしてもろう。そうして新らしく生産者自主申告基礎を置きました自主的な売渡申込制によるところの新らしい供出制度というものによつて必要があらば現在の食糧管理法に代るものを作つて頂くということになつておるのであります。  そこで勿論現在の国内食糧の需給等から考えまして、生産者の売渡し先というものは政府一本にするということは、勿論そういうことに考えておるわけであります。そうしてそれでは自主的な政府に対する売渡申込に対する基本的な考え方といたしましては、やはり事前割当的な思想の下にこの供出制度は組立てられておるのでありまして、現在の食糧の需給等から考えましても、政府としても、国家といたしましても、事前国内・我が国におきまする食糧需給計画を早期に立てる必要があるでありましようし、それに基いての外国食糧の輸入ということも早期の手当も必要でありましようから、どうしても事前に国の需給計画を立てるには、どうしても事前割当というようなことが必要なのではないかという考え方からいたしまして、一応の自主申告に基いての売渡しの申込でありますけれども、そういう事前割当思想に基いて書かれてあるのであります。従いまして、この作付の前に政府から生産並びに買入れの期待量というものを指示する、併しその場合におきまして、同時に買入予定価格というものも生産作付前に一応の生産の最低保障どいたしまして発表する必要があるということになるのであります。勿論この価格なり或いは政府生産或いは買入期待量を指示いたしまするに当りましても、民主的な調整機関というようなものを別に持ちまして、この調整機関の議決を経まして、政府がこれを指示するということが必要なんであります。勿論この調整機関がどういうふうな仕組で、どういうような機構でできるかということは、今私が申上げます新らしい供出制度においては、方向を如何ようにも変えることができますので、この調整機関或いは価格決定いたしまするところの機関というもののできる仕組につきましては、今までありますような現在の農業調整委員会のような性格であるとか、或いは現在の米価審議会というようなものでは勿論あきたらないのでありまして、どこまでも生産者の意思が十分に反映し得るような民主的な機関を設置する必要があります。そういたしまして、政府としての生産並びに買入期待量或いはその予定価格というものが事前に、作付前に発表されまして、それに対しまして、生産者としては生産者の自家保有等を差引きましたところの、必要量を差引きましたその残りの全量というものについて、売渡申込を政府にするわけでありましてそうしてその売渡申込をいたします場合にいろいろ政府期待量に満たない場合におきまする調整措置といたしましては、先ほど申上げました政府期待量を発表いたします際に諮ります調整機関というようなものを活用いたしまして、この調整機関がその間の政府と自主申込どの食違いを調整して行く、こういうようなことを考えておるのであります。そういたしまして収穫期におきまして、その最終の買入価格というものを政府としては発表して行くと、この最終買入価格は、事前に発表しました予定価格よりも下らないという条件におきまして最終の買入価格を発表して最後生産者に対しましてその最終買入価格で以て払つて行くということに考えておるのであります。そうしてこの最終買入価格は、勿論適正な生産方式によつてこの価格決定されるというようなことが必要になつて来るのでありまして、全販連のこの供出制度改正の骨子も、価格の算定方式も現在の算定方式でなく、適正なる生産方式によつて決定されることが必要であるということになつているのでありまして、この供出制度改正の骨子の中には、今大要申上げましたことのほかに、その他詳細にいろいろ書いてありまするが、これはお読み願いまして御参考にして頂きたいと思いまして説明からは省略させて頂きます。  極く簡単でありまするが、大要今申上げました通りでございます。
  10. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に全国農民組合の佐野さんにお願いいたします。
  11. 佐野正友

    参考人(佐野正友君) 食確法の廃止の問題でありまするが、これは只今までの各位のお説と私どもも大体同じでありまして、私ども無論この食確法が戦時法規であり、極めて農家にとつては悪質な法規であると思われる食管法を、手続の上において若干カバーせしめて来たというところの、進歩的な或る程度の意義は認めて参つたのでありまするが、併しながらその基本法であるところの食管法が、農家に対する非常に強圧的な色彩を持つた法律である関係上、ときによつてそれに非常に制約されて、食確法の進歩的な部面も現実の運用面においては抹殺されて来たという点が、私どもの過去のいろいろな運動の実績において非常に明確になつているのであります。いろいろな実例もありまするけれども時間の関係上省略いたしまして、要するに以上のような意味におきまして、食確法及び食管法は廃止さるべきであるというふうに私どもは結論的に考えておるのであります。ただ私どもは、勿論今日のいろいろな国際経済上の理由とか、或いは国内食糧確保に対する見通しというものにつきまして食糧はやはり不足すると、而も食糧確保の要請はますます強まつて来る、こういう状況にあるという建前に立つておりまするので、食糧管理制度というものは継続すべきであるという見解を持つているのであります。  従いましてこの食管法食確法廃止後の食糧管理制度をどうするかという点につきましては、私どももやはり飽くまで農家の自主的な申告に基くところの一つ割当的な制度考えておるのであります。私はその要点を申述べたいと思うのでありまするが、只今まで各団体かたがたが申述べられた点と殆んど類似しておりまして、そう大差はないと思うのでありまするが、一応申上げますると、やはり主要食糧米麦は飽くまで管理対象として行く。そうしてこれは政府が一手買取る。この自主申告の方法といたしましては、やはり農家作付前に作付計画を立てて、そうして売渡の希望予定量というものを政府に申告し、政府はその申告に基いて収穫状況等を参酌して、やはり民主的な調整機関というものを設けて、その議を経て生産者に対して買入期待量割当てる。政府は、生産者政府割当数量を超えて売渡を希望した場合には、無制限に買入を行うようにしてもらいたい。又買入価格は、毎年収穫期において物価の状況等を勘案して、米価審議会等の民主的な機関の議を経て、適正な生産費計算によつて決定するようにすべきである。併しながら作付前に予想米価を算定してこれを報告して、決定された米価はそれを下廻るようなことがないようにすべきである。なお輸入食糧についてはこれは国家として当然管理しなければならないということでありまして、それには或いは公法上の法人であるところの食糧公社というようなものを設けて、その権能等はその食糧公社が持つべきである。大体以上のような骨子の管理制度が将来でき上ることが最も望ましいと、かように考えておるのであります。  非常に簡単でありまするが、私の意見を申上げました。
  12. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 本日全国開拓生産農業協同組合連合会からも見えておりますので、総務部長の百瀬さんの御発言を求めます。
  13. 百瀬猛

    参考人(百瀬猛君) 大体今まで各団体連合会のほうからお話しになつた御意見で、殆んど私のほうとしては尽きておりまして、ただ開拓関係のものは殆んど畑作が主でございますので麦が結局中心になつております。従つて麦について統制撤廃という形がとられれば、それが一番目前の利益としては開拓者としてよいのでありますが、全般の関係から見ましてただそういう目前の利益だけで麦の統制撤廃ということを要望すべきではないということを考えておるわけでありまして、あとは大体今まで皆さんのお話しになられた点に尽きると思うのであります。  以上であります。
  14. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 以上で各団体代表かたから御発言を頂きましたが、先ほど御紹介いたしました中で、全国農民連盟と全指連は御都合で御出席がありませんのでこれは別途適当な方法で御意見を聞きたいと、かように考えます。そこでなお団体の各位から加えまして何か御意見がありますれば御発表願いたいと思います。それでは御発言がないようでありますから、各委員かたから一つ質問なり或いは御意見の御開陳を願いたいと思います。なお小委員外のかたも随時御先一言を願います。
  15. 池田宇右衞門

    委員委員池田宇右衞門君) 私から全販連のかたでも又どなたでもいいからお答えを頂きたいと思います。皆さんの誠に御熱意ある、又非常に蘊蓄をお傾け下さいました御発言に対しては深く敬意を表するものであります。食確法内容、民主的改正についても非常に傾聴に値いたしましたが、米価に対しまして事前割当の必要さを強調いたし下さいましたと同時に、事前割当につきましては大よそ米価に対する予想価を定めて、それが実際に供出に当りましてその予想価を下廻りをしないようにというお言葉がどなたかからありましたがこれは当然のことでありまして、日本農家農民の悩みは恐らくここにあつたであろうと思うのであります。つきましては御承知のごとく所得税たる国税においては我々国会において政府を鞭撻し相当減額をいたしたのでありますが、地方税においては今日お知りの通りのような過程を経ておりまして、納税その他物価高によりまして農民の支出の多い際に、この雪あけの麦の追肥及び米価に対する種苗、農薬、その他私財を投じまして、相当農家のふところに対しまして困難を来しておるような状態は各位お知りの通りであります。米価に対する予想価を発表と同時に事前割当の数字を、それぞれ各自主的数字によつて制定をすると同時に、私はこれが裏付といたしまして、今日各農協がその運営資金すら困難を来しておるような実情から申しまして、どなたも政府からの相当量の低利資金の融通をこれと同時に望むというようなお言葉がなかつたのでありますが、この点は如何。  それから次に肥料につきましては、到るところ有害虫の起るその大きな原因に対しまして加里、燐酸肥料の不足はお知りのところでありますが、これが輸入に当りまして政府において相当確実な裏付が必要だと思いますが、この点についての論点もありましたが、これらの融資の道及び農民の働く途上において資材、肥料の不足のないように確保できるという、この二つの点の裏付が必要であろうと思います。これについての御意見を拝聴いたしたいと思います。
  16. 土岐定一

    参考人(土岐定一君) 全敗連と言われましたので、全販連では適当でないかも知れませんが、今お話のようなことは当然のことと考えまして、殊更ここで申上げませんでしたが、勿論今まで申しましたような要望のほかに当然のこととして、生産資金として而も低利なものが出されるということは必要なのでありまして、勿論強くこの点を言わなかつたから必要でないというふうにおとり願わないで、強く皆様がたのお力添えによりまして、今までより一層より以上低いところの利息の生産資金をより多く出して頂くようにお願いいたしたいと思います。  それから勿論肥料の問題につきましても燐酸肥料、加里肥料が不足しておりまして、これが今後燐酸肥料等で補給金が撤廃されて高騰するということになりますると、勿論支出の面におきまする生産者としての打撃は大きいのでありますから、これに対する手当等も十分に適正な価格農家に行くようなお骨折を願う必要があるということは論を待たないところであると思います。  更にこれは特に税金の問題等につきましても、あらゆる会合のたびに問題になつておりまして、そのたびに陳情等で皆様がたにお願い申上げておりまするので、殊更ここで又申上げませんでしたのでありますが、これも特に税金が生産農民に大きな負担とならないように一つお骨折りをお願いしたいと思つております。
  17. 小林孝平

    ○小林孝平君 皆さんの話を承りまして食確法改正をすれば大体事前割当方式はよいというお話でございますけれども、そういたしますと、今の食確法運用の仕方を或る程度変えれば、根本的には食確法のやりかたでよいというふうに解釈してよいのでござましようか。
  18. 大森真一郎

    参考人大森真一郎君) それは自主申告をする際に今の規定だけではごく不十分であると思います。それは例えば割当てられたものの異議申請も僅かに十日間の期間では異議申請なんかできるものではない。やはり基本的な観念を欠いておる。そのものを僕らはむしろさつき申上げましたように、これは立法技術或いは政治技術の面から見ますと、時間の点その他でできるかできんかという問題はあるかと思いますが、農民の立場からすれば、先ほど申しましたように戦時経済的な強圧制度基礎としたような考えかたの骨子になつている両法律ともに廃止して、新らしい法律作つて頂きたいという線です。
  19. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは本日の小委員会はこれで終りたいと思います。御出席の団体の各位には御多用中を御出席頂きまして、非常に造詣の深い御意見の開陳を頂きまして厚く御礼いたします。    午後零時九分散会  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    委員            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            小林 孝平君            飯島連次郎君   委員委員           池田宇右衞門君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   参考人    全国購買農業協    同組合連合会副    会長      黒田新一郎君    農業復興会議企    画部員     松村 正次君    日本農民組合事    務局長     大森真一郎君    全国販売農業協    同組合連合会食    糧部長     土岐 定一君    全国農民組合事    務局長     佐野 正友君    全国開拓生産農    業協同組合連合    会総務部長   百瀬  猛君