運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-06-01 第10回国会 参議院 農林委員会 第43号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年六月一日(金曜日)    午後一時三十八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○食糧政府買数量指示に関する  法律案に関する件 ○農林物資規格法の一部を改正する法  律案衆議院提出) ○農林政策に関する調査の件  (食糧統制に関する件)  (米麦価等に関する件)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。  本日は農林物資規格法の一部を改正する法律案議題にするわけでありましたが、まだ提案者か参りませんので、他の問題に入りたいと思います。  先般御相談申上げましたように食糧政府買数量指示に関する法律案参議院における修正衆議院において否決された結果、この法律案廃案になつたので、その善後措置の問題があるわけでありまして、この問題を一つと、それから、なお米価麦価並びに食管特別会計現状見通し等を前日に引続いて再検討する予定でありましたが、関係大臣はそれぞれ都合があつて出席されませんので、幸い食糧庁長官及び企画課長が出ておられますので、これからこの問題についての御質疑を先にお願いいたしたいと思います。
  3. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 買入手続法が成立いたさなかつたので、その善後措置といたしまして、私ども只今差当り麦について供出をやつてもらわなければなりませんので、麦の供出に関しまする單行政令を臨時的に出しまして、当面の措置を講じて行きたいと思つております。麦についてのみ臨時的に措置をすると申しますことは、結局米、或いは麦につきましての立法をもう一度次の機会に御審議をお願いしたい、こういう意味でさような措置を講じております。この措置によりまして本年産の麦の供出については大きな変化がなく、大体従来のような形におきまして供出割当ができるのではないかと存じております。
  4. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 御質問がありましたら……。
  5. 江田三郎

    江田三郎君 従来と変化なくということになると、その政令内容は基本的なところはこの前衆議院で握り潰しになつたあの内容なんですか。
  6. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 一番問題になりますのは、農業調整委員会議決という問題だと思います。これは政令では実はできないのでありまして、あの改正法律案の中に、買上手続法案の中に農業委員会法改正がありまして、それで農業調整委員会の権能を附與した形になつております。それも成立をいたさなかつたものでありますから、結局法的に議決機関というわけには参りかねると思います。併し農業調整委員のかたがたの意見を十分尊重してやる、こういう趣旨において今度の制度ができたと思つております。
  7. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 この前に修正案衆議院否決なつたことは私は趣旨からして甚だ遺憾に思うわけでありますが、そこで一つ長官に御質問いたしますのは、あの法案の中には例のスキヤピンで必要なる場合には超過供出を認めるという規定は、政府が自主的にこれを入れておるのではなくしてまだ有効である、言わばスキヤピンに基くところの規定ではないかというふうに解釈をしております。そういう点から見て行つて今準備をせられておる政令中にやはりあの規定は入るわけですか。
  8. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 明文としては入つておりません。
  9. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうするとスキヤピンとの関係はどういうふうに理解したらよろしうございますか。
  10. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) それが明文にないとできるかできないかという問題になると思います。これは我々の解釈といたしましては、明文がなくともできるというような解釈をしております。と申しますのは食管法三条に基く買入数量などの指示にもありますが、これは終戰直後等においても追加割当というようなこと、或いは一割追加供出をしなければならんというような形においての二回判当を実付いたしておりますので、そんな関係からいたしますと、解釈はできるというふうに考えております。そういう運用によつてスキヤピンの実行が必要だというような場合にはそうした措置を構じております。まあ大体併しそういう状況にならないだろうとかように存じております。
  11. 江田三郎

    江田三郎君 大体この内容というものは議決のところがいかんということになると、最初衆議院を通過いたしました政府の原案、あれに近いものということですか。
  12. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 大体あれに近いものであります。
  13. 江田三郎

    江田三郎君 それでそうなつた場合に議決ができないということを、政令だからできないということになるのは仕方がないのですが、参議院のほうで修正した中に、特定の地区からの代表が出ていない場合の代表者発言を求めたわけですが、これはやはりそれが政令であろうと何であろうと、そのことはやはり問題になると思います。特に今までの農業調整委員のかたがこの前の地方選挙のときに兼職ができないというのでとりやめた所があるわけであります。で空になつておる所が大分あるので、あれを入れたということは、要するに一つ地区から代表が出ていないというと、割当供出がスムースに行かんということで参議院のほうで問題にしたわけですが、そういう点はどう考えておられますか。
  14. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 新らしくあの修正案に基いてそうした地区から出すというようなことも政令の上では書かないことになろうかと思います。結局議決機関でもありますし、まあ従来のように尊重はいたしまするけれども、今の農業委員会法に基くものをそのまま十分尊重して今回の麦の割当をやつて行くというような大体の筋合の政令になろうかと思います。従つてお話の点のこちらの修正案についての条項というものは入らない見込みであります。
  15. 江田三郎

    江田三郎君 だからそれは入らない場合に、実際的の措置はどういうふうにして行かれますか、随分今度の地方選挙でやめて欠員になつておるはずなんです。そういう所はどういう工合に処置されますか、具体的な問題として……。
  16. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) できるだけ埋めるというような方向をとらなければならんかと思いますから、麦の割当は非常に目前に迫つておりますので、現状の形において尤も十分お打合せのできる範囲内においての審議を盡してそうして割当てられて行くということになるかと思います。
  17. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それから農業委員会予算ですね、農業委員会の中の供出関係仕事が実際上なくなつたわけですが、そうなつて来ると、今年の予算農業委員会一本の予算を取つておるわけですね。これを大体三等分して農地関係或いは供出関係、それから農業改良普及関係、こういう三つに分けて使うというのが従来の説明でありましたが、ところがこの供出関係機能農業委員会機能に入つて来ない。実際上の任意の委員会等をお作りになるということになると、それに予算が出るというのですか。
  18. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) これは事実上出したいと思つております。
  19. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それから今言つた政令は今年の麦だけの暫定的な政令ということになりますと、来るべき臨時国会等に再び法律案を当然出すと思うのですが、その方針でありますかどうか。
  20. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) その通りです。
  21. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この問題について他に御発言はございませんか。
  22. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 これは或いは農政局長のほうが答弁がいいと思いますが、農業委員会機能から供出関係仕事ははずれてしまつたということになると、例の懸案の書記を二名殖やすという問題ですが、これに多少の、多少というか、相当影響が出て来るのではないだろうか。その意味で先ほど正式に政府として法律臨時国会に出してもらいたいという希望を持つておるのですが、その辺はどんなふうにお考えになつておりますか。書記二名の確保という問題に相当影響が当然ここに出て来るのじやないかと思います。
  23. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 予算の執行上から言うと、非常にぎりぎりの論をすればその問題はあると思います。併し次の議会に法律案を提出するというような態勢で参りますれば、今年の予算使用上の問題につきましては、それを見越しましてこれを全部削減するということはなしに、余裕ができて来るのじやないか、勿論これは財政のほうともよく打合せしなければなりませんが、大体そういう数字で行くのじやないかと思います。
  24. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) まだ米のときに考えて頂ければいいと思います。米麦を通じて使わないとなりますと、問題だと想います。
  25. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 あれは農業委員会予算としては八月からですか。
  26. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 八月であります。
  27. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうすれば、今度の国会がいつかわかりませんが、早く開かれれば、それに供出関係法律を出して頂いて、正式に農業委員会にその機能が付與されれば、これは予算的の心配は大分なくなると思いますが、その辺はできるだけ合して頂きたいという希望を私としては申上げて終ります。
  28. 加賀操

    加賀操君 ちよつとその問題よりはずれるのですが、関連しておれば……。
  29. 江田三郎

    江田三郎君 今の問題、もう少しはつきりしておきたいと思うのですが、二人にするということは一つ公約になつておる。そこで手続法というものが廃案なつたけれども、実際的には政令によつてこの旧来の調整委員会というものを活用して行かれるということは、その仕事というものは決議機関であるか、諮問機関であるか、仕事分量には大して関係はない。仕事分量としては同じことをやつて行くのであるが、それならば、やはり二人に殖やすという公約はつきり実行してもらわなければならんことになる。この点はこの間大蔵大臣農林大臣安本長官三人がこの委員会へ来られたときに質問した際にも、これは飽くまで実現に努力するということを言つておられるわけなんだから、当然臨時国会においてそういうような措置をとられるだけでなしに、私は国会までは繋ぎとして適当な二人にするための実際的の何らかの措置がとられなければならん、そういう点一体どうなるのでありますか。
  30. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 農業委員会は八月から切替えになるわけであります。現在のところは農業調整委員会、従いまして麦の問題のときに問題になるのではなく、次の米のときに農業調整委員会を使つて行くかということだ、一・二人を二人に殖やす、或いはそれが落ちるかということが問題になると想います。だから米の対策の問題のときに問題になつて来るのじやないかと思います。只今のところは麦の問題等で直接には関係はないと思います。従いまして大蔵大臣農林大臣等が休会前の国会お話しなさいました線に沿いまして、事務当局としては大蔵省と折衝しておる、今後の措置影響というものはない。まだ新らしい問題として次に起る問題だ、こういうふうに考えて実はしておるのであります。
  31. 江田三郎

    江田三郎君 臨時国会はいつ開かれるかわかりませんけれども、今度の農業委員会に、八月からだとすれば、それまでには臨時国会が開かれんかも知れませんが、いずれにしろ臨時国会にはそういうような補正予算を出されるということは、その方向へ進めるということははつきり申上げて頂けますか。
  32. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 臨時国会がいつ開かれるかわかりませんが、その前に大体食糧管理局方向なりがわかりますれば、予算等の折衝もいたして補正予算等を組みたい、こういうふうに思つております。
  33. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 只今の問題は、先日の当委員会大蔵農林安本大臣が来られたときの御質疑の際、今江田さんの御発言のように、それは書記の定数については、予定通り努力すると言われたのは、この食糧政府買数量指示に関する法律案参議院修正衆議院否決が決定した後で、それを御承知で三大臣発言なつたと思いますので、農政局長も一層の御奮発を願います。
  34. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 次に農林物資規格法の一部を改正する法律案提案理由を承ることにいたしますが、先ほど申上げましたように、発議者が本日御列席がありませんので、便宜衆議院農林委員長かその説明をなさることになつておりますので、御了承願います。なおお手許にお配りした提案理由説明書の中の提案者の名前の書いてあるところは、これは削除して頂きます。ずつと後の方の登録を受けた法人というところは公益法人というように御訂正を願いたいと思います。
  35. 千賀康治

    衆議院議員千賀康治君) 只今議題に供せられました農林物資規格法の一部を改正する法律案につきまして、御承知のごとく、農林物資規格法は、昨年四月第七国会を通過し、制定せられたものでありまして、その目的としまするところは、農林物資について全国的に統一された日本農林規格を制定し、これを普及させることによりまして、農林物資の品質の改善生産合理化、取引の單純公正化及び使用消費合理化に寄與するにあります。併しながら、現行法によりますると、日本農林規格によつて格付を行い、規格証票をつけることができますのは、都道府県と農林省機関に限定せられておるのでありますが、乳製品やびん、かん詰等につきましては、民間団体にもこれを認めることが適当であると考えられますので、農林大臣登録を受けた公益法人にも規格証票を附することができるようにした次第であります。  次に、日本農林規格審議機関として設置されておりまする農林物資規格調査会につきまして、これを諮問機関にする等の改正行つた次第であります。  何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いいたします。   —————————————
  36. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 御苦労様でございました。それではこの問題は後に讓りまして、先ほどの質疑を続行して頂きます。
  37. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 各委員から重要な部面を御質疑されておりましたが、どうも聞いておりますと、買入法が廃止になつあと考え方は前と変らんようにしたいというだけの御意見なんですが、そうでなくて委員に対する書記人数とか、或いは予算は必ず前の方針通りやると、こう言明しないと、今日もたくさん押しかけて来て、それを聞きたくて来ておるのですが、買入法が否決になつたのだから一切やめるのだと、こうなら話はわかる。そうでないのですから、農林省のほうでは書記人数のことも予算のことも必ず補正予算には提出するし、もとの方針通り必ずやりますと、こういう一つ事務当局の言明がないと、大臣はおおよそのことを言つてつてちよつとわからんことだから、事務当局がもう少しはつきりと言明してもらわないとちよつと困る。だから我々の質問に対しては方針通りつてもらいます、必ずそう実現するように我々は責任がありますからやりますと、こう答えて頂きたい。今のお話ではそうやりたいと思つているという程度ではちよつと困るのです。しつかりした御答弁を願いたいと思います。
  38. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 農政局長からああいうお話があつたのですが、私どものほうの大体米をどうするか、麦をどうするかという問題と絡んで来ておつて、そこはよく相談して善処したいと、こういうことであります。勿論昨今の情勢からいたしまして、次の国会には手続法案を出すつもりでおります。従つてお話の点についてはそういうことで、それを前提にいたしまして御希望に副うように事務当局としては努力をする、こういうことで農政局長は申上げておると思つております。その点御了承を願いたいと思います。
  39. 加賀操

    加賀操君 少しはずれるんですが、食糧輸送でございますが、あれは従来は独占事業であつたから止むを得ませんが、大体複数制にもなりましたし、それから一つ協同組合なんかでいろいろ輸送機関を持つておるわけであります。そういう場合に今まで止むを得ず下請をしていたのです、それがかなり弊害がいろいろこの点で認められるわけです。この際複数制にもなつたんだし、それから政府仕事は原則として入札にする、こういうことになつておりますのですが、全国的なものと地方的なものと分けて何かこの際方法を変えるようなお考えがありますかどうか。
  40. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 全国的な問題はもう少し検討しなければならんかと思います。全国的に網を張つておりますものはそうございません。おのずから制限がされて来る。地方県間輸送の問題につきましては大体複数でよかろうと私ども考えておりまして、地方の事務所に対しましてはそういう方向でやれということを言つております。従つてあとは現地におきまする状況によりまして、御希望がありまするならば処理をしてもらうということでよかろうかと思つております。
  41. 江田三郎

    江田三郎君 もう一つ今年の麦ですね、大体買入れの割当ての予想というようなものはどのくらいでありますか。
  42. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  43. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。
  44. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 先般長官から麦に対する申入れ……、大体こういう数字が出たということを表で伺つたのでありますが、そのときに、先方のほうからこれを抑えという許可がないから拂えないが、数字だけは出ておりますというお話であつたのであります。そこで最近洩れ聞きますと、あの出された数量は実は我々地方にいた時分に、こういう事情で金を拂われんそうだが、食糧庁のほうでこういう数字が出ておる、大麦が幾ら、小麦、裸麦が何ぼ、これは数字だけじやまだもらわんからあてにはなりませんが、難色があるという話は聞いておりますが、大体食糧庁のほうはこういう数字を出して支拂をしたいような希望を持つておるというお話をしておりましたが、ところが最近聞くと、割引を大分しなければそのままでは拂われないというようなことを……。らしいという話を聞きますが、その点どうですか。
  45. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  46. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。
  47. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 これは主として大臣にむしろ御質問したい事項でありますが、政務次官もおいでになりますのでお聞きしたいと思うのですが、この前私から三大臣にも御質問した意見は、米価が非常に今度パリテイ計算上つて参る。これは或る意味では現在の内閣が肥料なり飼料の撤廃を、これをやや早き時期に統制を外して、自分で統制を外して、その結果肥料飼料価格上つて結局自縄自縛という感じが実は私どもするわけでありまして、ですからまあ過去のことは私はもうこの前もあえて追求いたしません、こういうことを申上げておつたわけですが、ところが昨今の情勢から見て参りますと、ここにも今電力対策委員会から要請書も出ておりますからして、新聞等でも言われておるように、電力料金が非常に上つて参りますと、これではやがて肥料価格にも相当影響があると思うのであります。そうなつて来ると、今年の米価でもまあ相当の問題になつて来て、ややもすると生産者米価が抑えられるような気配が相当出て来ると思うのですが、そこで今後の肥料なり飼料について、現在のように手ぶらな全く放任をしておるという状況ですね、肥料についてはもう公団手持もなくなつておる現在では、政府としては何らその価格を調整する手段を持つておらない。飼料のほうも一時何か指示統制でやつてつたものも現在ではやめてしまつておる。飼料のほうは多少価格はまだ安定しておるようですが、最近の電力問題だけから見て来ても相当肥料が上るということが私は予想されると思うのですが、そうなつて来ると再び又来年ですね、米価問題が再燃をして、又バツク・ベイだとか、或いはパリテイ計算を持出さざるを得ないというような事態が悪循環するのじやないかということを非常に心配しておるのですが、で従来の農林省の戦争前の政策においてもやはり肥料配給改善とかいう点には非常な努力をしておるのであつて、全く自由に放任をするということはこれはなかつたのでありますが、そこで主としてその肥料等について何らかの準備なり、これを当然私はされるべきだと思うのですが、で、勿論従来同様の配給統制をしろということは私あえて申しませんけれども、何か肥料価格を調整する方策を講ぜぬと、再び米価問題がいつまでもこれはもう困難な途を歩むということに考えられるわけですが、その辺を率直に何かそういうことをする必要があると私は思うのですが、お考えになつておりますか、どうですか。
  48. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) お答え申上げます。肥料の問題につきましては、お話通り統制を外す際に何らかの需給調整方法考えるべき筋合いであつたと私も考えておるのでありまして、ただその際にまあ差当りの問題としては、御承知通り公団手持のものを成るべくストックを多くして、それによつて或る程度の需給なり、或いは価格調整を行うということがとられて、数量的にもそのために成る程度需給調整が行われて参つたのでありますが、併しもう手持も殆んどなくなりますし、これはかねてからの研究討議事項でありまして、一つ価格に関する問題、一つ数量に関する問題だと思うのであります。硫安につきましては御承知通り只今お話なつたような電力の問題は相当大きな影響を持つて参るのでありますが、数量は漸次好転して参りまして、現在の段階では必すしも本年の肥料需給に支障のあるようなことにはならないのじやないかと私は考えておりますし、又農林省内におきましても硫安の問題、殊にそれに加うるに石灰窒素等の問題は同様に併せて考えますと、要するに数量が比較的十分であれば価格の点もさように余り心配したものでないのじやないか。そこで現在ではまあ頭打ち程度になつておるのであります。併しそれを将来の問題について考えますと、これは来年度の米価の問題にも関係を持ちますので、農林省内部におきましては早くから需給調整方法をいろいろ考えておるのでありまして、むしろ私はそれに関する熱心な主張をいたしておるのでありますが、なかなか他の関係等もありまして、まだはつきりした案はここに発表する、或いはお示しするような段階に至つておりませんが、やはり相当これをやるのには国家で或いは備蓄方法をとるか、或いは又需給調整に関する国家資金を、財政的な支出をするということが必ず伴つて参りますので、それには相当の金額を要するのでありまして、一番手つ取り早い方法としては備蓄を或る団体にやらしめるということが金額的にはいいと思うのでありますが、かれこれすつきりした案がまだでき上つておりませんが、熱心にその問題を取上げて目下農政局でいろいろ検討を加えておりますので、さように御承知を願います。
  49. 江田三郎

    江田三郎君 先ほど長官のほうからバツク・ペイのことだけ御説明があつたのですが、その他の基本的な米価の問題についての一つ経過というようなものを、これは速記を抜きにしてでも一遍お話を願いたいと思います。
  50. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) それほど具体的に進んでおらんのでありますが、できるだけ早くどちらかの結論を出さざるを得ない状況に環境はなつております。それで三省会議で以ていろいろ御検討になつております。一昨日でしたか、三大臣お会いになつて今日もおやりになるはずでありますが、明日に延びております。ここ一、二回やりますれば結論が出ると思つております。今のところそういうことしか聞いておりません。
  51. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  52. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。
  53. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 砂糖のことで今私はこういう疑問といいますか、意見を持つておりますが、砂糖をいわゆる諸外国から買つているわけですね、買つてますと、例のインベントリー・フアイナンスの適用を受けて、砂糖の買付けで発行した食糧証券もやはりその主食の点と同じに見ているわけですね、そうすると砂糖主食とは勿論別であるわけですが、相当私は根本的にインベントリー・フアイナンス主食については一応の疑問を持つているわけですが、少くとも砂糖買付分だけはこれはインベントリー・フアイナンスから外して、少くとも主食だけのインベントリー・フアイナンスということにすれば、これは或る程度消費者転嫁なり、或いは一般の財政の負担も軽減されると思うのですが、どうも主食砂糖とを同じ会計で買つているから、それを一緒にインベントリー・フアイナンスをするということが私は理論的にもおかしいと思うのですが、その辺のお考えはどう思つておりますか、私は理窟としては立ち得ると思います。
  54. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 私も理窟としてはそういうことが考えられると思うのです。議論はそこまで内部では進んでおりませんけれども、大綱がきまりまして、中でいろいろ事務的に今後操作をするというところに参りますれば、そういう方面に十分に……。
  55. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 今年の会計年度で砂糖の買付金額はどのくらいになつておりますか。
  56. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 六十億でございます。
  57. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 私補足して申上げますが、その砂糖インベントリー・フアイナンスの分だけは消費者価格に被せない計算をしております。別個に立てまして……。
  58. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 これは委員長からも話があり、片柳さんからもお話がありましたが、米麦の価格の決定については政府は黒星だ、今までパリテイ指数を相手にして価格をきめて来たが、いつも我々は非常にパリテイ指数のとりように疑義があつて、安くなるからいろいろなことに努力して来たが、今度はパリテイ指数を満足にとると非常に高くなつて、その代金の支拂いに非常に困る。これがインフレヘの一つの動機になりやせんかという一つの心配をされる。主として財政支出によつてのみ考えなければならんという立場になつたのですが、そこで委員長お話のようにこれを皺寄せをして、生産者たる農民は今のインフレを抑える政策の下にこれを抑えられたのでは立つて行きませんから、そこでこれこそ本当に一念発起してやらなければならんのだが、政務次官は長官と違つて別の考えを持つておるというのは、どういうことをお考えになつておるか、それを聞きたいと思います。
  59. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  60. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。
  61. 江田三郎

    江田三郎君 これはこの前ちよつと質問したわけですが、将来の米価の決定の方式については、今米価審議会のほうで小委員会なり専門委員会なりを持つていろいろ検討をしておられる。その答えが出ればそれを尊重して行かれるのかどうかということで、具体的に言えば恐らくその答えというものは今年の米価には間に合いませんが、その前後には出て来るのじやないかと思うのです。そうなるというと二十七年度米価からはその小委員会のほうで出た答申案というものを尊重して行かれるのかどうかということ。それを今はつきりしておいてもらいたい。
  62. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 尊重して参りたいと思います。
  63. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 他に御発言ございませんか……では本日はこの程度で散会をいたします。    午後二時四十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岡村文四郎君    委員            白波瀬米吉君            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            飯島連次郎君            加賀  操君            三浦 辰雄君   衆議院議員    農林委員長   千賀 康治君   政府委員    農林政務次官  島村 軍次君    農林省農政局長 東畑 四郎君    食糧庁長官   安孫子藤吉君   事務局側    常任委員会專門    員       安樂城敏男君    常任委員会專門    員       中田 吉雄君   説明員    食糧庁企画課長 立川 宗保君