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1951-05-26 第10回国会 参議院 農林委員会 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十六日(土曜日)    午前十一時開会   —————————————   委員の異動 五月二十五日委員岩男仁藏君辞任につ き、その補欠として鈴木強平君を議長 において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農漁業協同組合再建整備法の一部を  改正する法律案衆議院提出) ○森林法案衆議院提出) ○森林法施行法案衆議院提出)   —————————————
  2. 羽生三七

    ○鼻翼畳(羽生三七君) これより委員会を開会いたします。  速記をとめて下さい。    午前十一時一分速記中止    ——————————    午前十一時四十一分速記開始
  3. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは速記を始めて下さい。  先般提案理由説明を聴取しました農漁業協同組合再建整備法の一部を改正する法律案質疑を続行したいと思います。問題が簡単でありますので、格別御発言もなければ討論を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは御異議もございませんようですから、これより本案につきまして討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。
  5. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私はこの一部改正に賛成するものでありますが、森林振興院農林委については今国会は他に四つの法案がまさに通ろうとしておる際であり、文森林が非常に荒れているのが非常に世の関心を持つことになつているほどの大問題である。そこでこの森林所有者等によつて作られておる組合というものが健全に強く発達をいたしませんと、どうしてもその事業乃至森林の復興というものが思うように行かないのはいうまでもない。私はこの組合再建整備に当つてこの資金をよく活用し、更に必要があれば適当の機会にもつと増すというよう方法で、至急この弱体と言われている森林組合の強化ということを政府においては更に一層図られまするよう希望いたしまして、私はこの法律案に賛成いたします。
  6. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 他に御発言はございませんか……。他に発御言もないようでありますので、討論は終局と認めて本案の採決を行いたいと思います。  農漁業協同組合再建整備法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案を原案通り可決することに賛成のかたの御起立を願います。    〔総員起立
  7. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 全会一致でございます。従つて本案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。  なお諸般の手続は前例によつて委員長に御一任を願います。なお多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     三浦 辰雄  赤澤 與仁     池田宇右衞門 飯島連次郎     溝口 三郎  江田 三郎     平沼彌太郎  宮本 邦彦     瀧井治三郎  三橋八次郎     西山 龜七  門田 定藏     加賀  操  三好  始     岡村文四郎  白波瀬米吉   —————————————
  8. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 前日に引続きまして森林法案並びに同施行法案につきまして質疑を続行いたします。なお念のため申上げますが、昨日第一章の質疑終つて、今第二章に入つたところでありますので、その点をお含みを願います。
  9. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 この適正伐期齢という問題が先般来非常に重要な問題で、このきめ方如何によつてはこの法案が非常に大きな問題を投げると思うのであります。従つてこれについては政府として中央審議会にかけて十分慎重な態度でその適正伐期齢をそれぞれの地区においてきめたいというお答えがあつたので私は安心したのでありますが、それにつきまして一遍お伺いしたいことは、勿論パルプ業者かたがた或いは坑木業者かたがた自家用の山を持たなければ自分たちの経営を安定してやつて行くのに困るということを強く気付かれて、盛んに植林可能な土地を求めているというようにも聞いております。誠にその点はいい傾向であると存じます。これを政府のほうではどういうふうにお考えになるか、私はこのいい傾向を更に助長するためにパルプ或いは坑木、殊に坑木業人たちが、或いは鉱山自家用坑木給源地を作ろうという場合には特定にその伐期を坑木に合うように認めてやる、そういうような用途を指定して特定に認めてやるというようなこともその傾向を助長する上において大変大事であり、金棒の日本の山林というものをよくして行く上に一つの力強い方法だと思うのでありますが、それについての御意見を承わりたい。
  10. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) お話通りでございまして、私どもといたしましては、只今パルプ備林或い鉱山備林というものを各事業体でそれぞれ相当な割合に持つて行くことを勧奨いたしておるのでありまして、そのためにはやはり適期に伐採のできますように方途を講じて行くことが必要だと思うのでありまして、適正伐期齢につきましては、相当その業体に適したものをきめて行くことが肝要であろうと考えておるわけであります。
  11. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 もう一つ承わりたいのでありますが、この第十二条の二でありますが、「森林施業計画変更ようとする場合においで必要があると認めるときは、あらかじめ都道府県森林審議会意見を聞くことができる。」というこの十条の五項を十二条の一項に準用するというのであります。私はこのことは法案整理の途上におきます何か思い違いであると存じますが、ただここで確めたいのは、特にこういつた十二条の第一項のようなときにだけこの森林審議会を開くというよう意味にとられたんじやいけない。広く重要な問題については、府県森林審議会を開くという態度でなければ私はいけない。どうしても広く理解を求め、広く協力を求めることにおいてのみこの森林計画的な施業がその目的を達するのであつて、止むを得ずこれだけをこの府県森林審議会に求める、その諮問を求めるというよう態度に誤解されることを私は防ぎたいのであります。この辺についての行政を担当される政府側の御意向はどうでありますか。
  12. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) お話通りでありまして、林政の重要問題につきましては、広く森林審議会意見を聞くつもりであります。特にこの場合に限つて聞くという意味ではございません。その点は今後会議或いは講習会等を開催するつもりでありますが、その際に特に徹底するよう指導をいたしまして、特別の御理解お願いするように努力いたしたいと考えております。
  13. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 森林実施計回は森林計画ごとに立てられるのだと私は思うのでございますが、この間のお話しによりますというと、必要伐採数量の大体二割ぐらいな余裕を持たせると、こういうようお話があつたのでございます。私そのことは大体行くだろうとは思つておりますけれども一つ心配になることがここにあるのでございますが、今日これは量は大きい問題ではありません。国の予算が今日継続年期予算というものを今あらゆる事業に組んでおりません。建設省の事業にしろ農林省の事業にしろ、皆単年度予算なんでございます。従いましてこの需要材料は大蔵省が建設工事には多いのでございますが、そういつた需要はです、大体二月頃にならなければ翌年の予算がきまらない、見通しもつかないよう状態じやないかと思うのです。そういつた場合に、この第八条のこれを見ますというと、大体前年の十一月に実施計画がきまつてしまうのじやないかと思うのです。而もお話ように一月に許可を出す、するというと、六十日前に届出をしなければならんというようなふうになつておりますと、大体四月から使用したいと思えば一月に届出をしなければならん。それであらゆる事業予算がきまらない前に必要な資材について伐採届出でをして許可をとつて置かなければ間に合わないという形になるのじやないかと思うのです。そういつたときに、森林ごと実施計画で二割ぐらいな余裕で以てお間に合わせになるかどうか、間に合わないということになりますというと、この間のお話ように、諸方から集めて来なければならんということになるわけなんです。これは隧道工事ようなものは、大体乾燥材と生の材料とでは木のねばりといいますか、そういうもので以て耐久力が非常に違うのでございます。従つて乾燥材を使わなければならないような無理が起るのではないか、又もう一つ事業が普遍的にあるものでなくて、予算がきまつたとき上集中的にあるところに必要量が出て来るわけなんです。そういつたこれが、継続予算が取れておりますといいのですが、今日単年度予算でございますから、そういうところが非常に暫定的な問題だと思うのでございますが、この期間の問題で矛盾が起るのではないか、そういうところを何か事務的な便法政令か何かで以てお考えになられるかどうかということを承わりたいと思います。
  14. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) お話ように、実施計西というものは森林ごとに実はいたすことにいたしております。全国で大体二千七十一という計画でございます。国の予算等によつて事業実施確実性が不確かのために、この伐採計画がそれにマッチしないのじやないかという意味の御質問であります。私どものほうの自体のにもそれがございます。例えば先般来お話申上げておりますように、十年間で一応林道計画を完成いたしたいという計画でおりますけれども、その林道予算も毎年私どもの要求に対して半分も認められておらないというよう状態でありますが、伐採を予定いたしましても林道がつかないために延び延びになるというよう事態があるのでございまして、自体の問題とそれから他産業との関係等木材使用の面で、木材伐採の面でいろいろのトラブルが起きて参ることを今から予想されるのでありますが、各省には何とか計画案変更いたしまして、需要にマッチする伐採をして行きたい、さよう考えております。
  15. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 計画にマッチされるというようお話があつたのでございますが、計画は前年度にきまつてしまう、そうして必要とするものは短期間にぱつと出て来るのだから、計画を変えるということじや二割の余裕じやちよつとむずかしいのではないか、それをですね、こういつだこれは国の方針であつて予算が単年度であるというところに特別な理由があるのでございますから、そういうものを特別な取扱ができるかできないか、そういうことを考えても私はいいのじやないかというふうに考えられるのですが、そういう点を政令か何かで……六十日という期間がこれが非常に困るのです。だからそういうものを短かくして、特別な扱い政令か何かでできるかどうかということを承わつておるのです。この十五条に伐採の日の六十日前までにというやつがあるのですが……。
  16. 武田誠三

    説明員武田誠三君) 今の御質問の六十日と申しますのは、これは適正伐期齢級以上のものについての伐採でございます。それから二割の許可のほうの関係は、適正伐期齢中の伐採でございますので、これにつきましては、いわゆる六十日というものと全然別の扱いになるわけです。で、只今長官からお答え申上げましたように、実施計画変更いたしますれば、その時すぐ伐採許可を受けて、直ちに伐採をして行く、こういう段取りになつておると思います。
  17. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 只今お答えで以て実施計画はいつでも変更できるというふうに承知してよろしいのでございますか。
  18. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 第十条の経済事情等に著しい変化のある場合というときにはいつでも変更のできる途が開いてございます。ただ経済事情に著しい変化があるかどうかという判定の問題になつで参りますが、只今お話ような点は国の予算関係もございますので、そう考えても差支えないのではないかというふうに只今のところ考えております。
  19. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 今のお答えで了承いたしました。第十八条でもう一つ、私これは実際に扱つて来たものでございますから、疑問があるのでございますが、これは「非常災害に際し緊急の用に供する必要があるため、」というときには、その制限なしに市町村長許可だけで以て伐れるというのでございますが、私従来非常災害というものはどういうものか、ここで調つておる非常災害は私わからないのですが、大体水防等の場合が非常災害の一等代表的なものじやないかと思うのですが、そういつた場合には市町村長許可を受けるというそんな余裕は事実上ないのじやないかと思うのです。現に私も若い頃阿武隈あたり提防の破堤に瀕しているときにその附近の山を大いに伐採したのでございますが、とてもこれは瞬時といえども時間的な余裕なんかない、従つて非常災害というようなときに許可を受ける必要があるかどうかということなんです。現実において行われないものを法文にするということはこれは却つておかしいのじやないか、非常災害というものに対してはこれは許可というものは私要らないのじやないかというふうにこう考えられるので、もつと法文を生かすような修正が必要じやないかと思うのでございます。これに対しまして御意見を……。
  20. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 十八条の第一項の一号は森林所有者森林自分伐採するという場合のことでありまして、只今お話よう公共用の場合はこの制限から全然除かれまして、自由にやれるという解釈ができると思うのであります。
  21. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 わかりました。
  22. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 宮本さんからお尋ねをしておりましたことに関連しているのですが、要するに実施計画都道府県知事は十二月の末までにきめるということになりますね。そうしてそれを夢取れば十六条で三十日以内に伐る届けをしなければならないということになります。そうすると一月一ぱいには翌年度中のつまり四月からの分を届けなければならんというので、これは伐採計画的にやつてもらいたいという意味から言えば必要な条項に違いないことは私も了承するのでありまするけれども、一方から言つて皆さんも指摘されましたように、今日のよう経済界のいろいろの事情が変る、そういつた際に又それを変更しなければならん、そうなればその変更についてはどこの条項によつて簡単にできるでしようか。これは衆議院議員提案でありますから、提案者のこれは気持を聞きたいと思うのであります。一つにおいては非常に計画的にやつて行くということから言えば勿論これは必要なことだと思います。併し一面において実行をうまくやつてもらいたいためには実情によつて出さなければならない、そういう点をどこに調和を求めて行くか、私はちよつとわからないのですが、これは一つ提案者の御説明を承わりたいと思います。
  23. 野原正勝

    衆議院議員野原正勝君) 十条の経済事情等に著しい変更があつた場合は、今までの制限にかまわずに変更ができるということでありまして、これが又十二条の規定の中で「経済事情等に著しい変更があつたため、森林施業計画又は森林実施計画変更を必要と認めるときは、森林基本計画に抵触しない範囲内においてその森林施業計画又は森林実施計画変更することができる。」この実施計画変更をいたしましてそうして所要の伐採基準量を殖やすという手続をいたしまして、それによつて許可をするという建前になつております。
  24. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私はこれは量的な問題だけを言つておるのだと思つておりましたが、今提案者野原さんからの御意向では必ずしも量的なことばかり言つていないよう意味のことをその前にお話になりましたが、結論的にやはり私の想像しておるように量的な面を言つておるようです。私はこれを量だけの問題でなしに質で、その同じ伐採量森林基本計画による実施計画できまつておる。そうして十六条によると、それに基いて三十日以内に具体的場所を申請しなければならんようでございますが、そのようなことは慣れるまでは今の第十条を広く解釈をされて、そうして例えば年に四回とか或いは年二期とか、事務的の関係もございましようから、そういうふうに暫定的に扱うことを含めてこの変更という言葉を使え刷るかどうか、これは監督の立場もございましよう指導立場もございましよう政府の側からもお答えを願いたいのでありますが、如何でございましよう
  25. 野原正勝

    衆議院議員野原正勝君) これは非常にデリケートな運用上の問題でありますが、提案者立場といたしましては、成るべくいわゆる経済事情等に著しい変更があつたという場合は非常に緊急である。又事務手続等例えば実施計画等変更する等の手続が済んでからというようなことでは、もう緊急の事態、著しい変更があつた場合に即座に対処できないのでありますから、これは事務的な問題等はいずれ十分あとで必要があれば整理をするということにいたしまして、取りあえずそういつた場合には処置し得るものである。だから運用の面でこれは幅のある運用をしてもらえば効果が挙がるのではないか、かよう考えております。
  26. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  27. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。
  28. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 只今三浦委員お話は誠に御尤もであります。計画も何ぶん最初のこにでありますので、実情に合つたような立派な計画ができるとは必らずしも言い切れない点があるのであります。それに経済事情も非常に変動いたしております時期でありますので、相当実施計画変更しなければならん場合が出て参ると考えるのでありますけれども、原則として年に二回とか四回とかいうことをきめて置くことは避けましてできるだけ実情に副うたよう変更手続きを進めるというよう取扱をして参りたいと考えておるのであります。
  29. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私はその変更というのを量的な変更でなしにただ個所を変えるとか、同じくその実施計画で示された範囲内の数量ではあるけれども個所を変えるとか、又一月末のうちにあそこを伐ろうかあそこをきろうかまだわからないと、こういうよう事情が初めから予想されるのであつて、何も禁止とか何とかいうことではない、本質がそういうふうなことが予想されるのです。そこのところを実際に合うように一面においてしませんと、折角作つた法律運用という問題でつまずいてしまう。それは全く残念だと私は思う。それでありますから、この一月末にあと四月から始まつて来年の三月末までに伐るのをもう固定して届けなければならない、この点を実際に合うようにしなければ、私はこの点非常に問題だと思う。そこで又昨日のに関連いたしまするが、私は第十六条の「その他省令で定める立木を除く」。というところに、一面において政府指導をされる森林組合等計画しておつたものであるならばそれでもいいのだというよう便法を講ずるほうが私は活きて来るだろうと、こういうのが私の意見なんですが、それについてどういうふうにお考えになりますか。是非この点をきめませんと、私は肝腎な実行というものが全く副わないような結果になることを恐れる余りしつつこくお尋ねするわけです。
  30. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 伐採をいたしまする予定個所が変りますると、御承知のようにこの法律では伐採順位をきめる一つ基準がございます。例えばできるだけ主伐よりも間伐を余計せよとか、或いは又同じ年齢のものでありまするならば太いものを先に伐るようにせよというよう条件も守らなければならないようになつておりまするので、お話ような点はできるだけ運用支障のないようにして参りたいとは考えておりまするけれども、それらの条件に或る程度支障が来る場合もあるかと考えられるのでありまして、森林組合に対して一括してお任せをするというようなことは少し困難なのではないか。まあ併しながらお話の点はできるだけ支障のないよう運用して参りたいと考えております。
  31. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 まあその辺ははつきりわかりませんが、私は折角法案なんでありまするから、これがうまく実行する側にも協力を得られるというふうな運用是非お願いをしたいと思うのであります。そこでそういうお願いを強くいたしまして終りたいと存じますが、書目、それでは三十一日以内に届けなかつたらどうなるか、一々五千円ずつの罰金を納めさせるのか、届けなかつたらどうなるか伺いたい。
  32. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 届出をしないで若し伐採をいたしましたといたしますれば、罰則によりまして処置をされるということに場なるのでありますが、ただできるだけ変更の場合に、適当な森林でありますれば伐採の対象に繰入れるよう処置をして参りたいと考えます。
  33. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 この十六条による届出はしない、けれども何条でありましたか、伐採の前六十日にはこれは適正伐期以上のものだけは届けるのですが、併し適正伐期に至らないいわゆる一々許可を要するようなのを、適正伐期未満の分についても届けるのでしようか。
  34. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 適正伐期以下のものは、希望を申し出まして許可を得るということになつております。
  35. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そこのところが大変肝腎なのでありますが、これによつて伐るぞといういわゆる実施計画案には答えないのですね。つまり一月末にはまだ知らん顔をしておるわけです。そうしていよいよ伐ろうというきに六日前に届け出るそういうときには罰則を受けるのですが、受けないのですか。認可されるのですか。
  36. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 届出があればそのままで伐つてよろしいわけであります。
  37. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 これは恐らく一月三十一日までには具体的な場所がきまらないからというようなことで、又殊に農民の人たちのうつかりするのが常でありますが、そういう面倒な届出はしないというようなことで、或いは全く善意でほかつておいてしなかつたというようなときに、これは十六条に副つてないのですけれども、今伐るというときになつて、ああそうだということで今度届出ると、勿論実施計画範囲内でありますが、そういつた扱いが出て来ることが非常に多いと思いますが、その点はどうですか。
  38. 武田誠三

    説明員武田誠三君) この第十五条の六十日前までの届け出は、適正伐期齢級以上の立木でございますが、これにつきましては、実施計画の中で特に数量的な制限は加えておりません。従いまして、一月三十一日までに届出をする必要は全くないので、例えば九月の初めに伐りたければ、七月の初めに届出をするということでよいのであります。適正伐期齢級以下の幼齢林につきましては、実施計画がきまりました日から三十日以内、従いまして一月中にその許可の申請を求めて頂きたい、こういう法案方針なのであります。
  39. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そのことはわかつて虫るのですけれども、その一月三十一日には事実問題としてまだこの法が徹底しないような場合、或いは又いろいろな経済界等の変動がありまする場合には、まだ一月三十一日までにはきまらない、届出ようにもその所有者迷つてつて届けられない、そういう人たちはそれではどういうふうになるのでありますか。
  40. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 適正伐期以下のかたがたであるならば、決心をして伐るということで届出をして頂かなければならないわけであります。
  41. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 併しそれは無理でしよう実施計画がきまつてから三十日以内に届出ろということはあつたのですね。併し届出を失してしまつたと、或いは事実どこを伐ろうか迷つてつたと、併し計画案自身変更するのではないのです。その量の中です。総括的に考えても……。そういうのはつまり五月になつてから、或いは別の山はまだ実施計画を動かさないで伐れる範囲なんだが伐りたいと、こういうときにはどういうことになりますか。
  42. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 先ほどの問題に帰つて参つたようでありますが、それは各個の森林によりまして許可をいたしまする場合に、優先順位が付いておるのでありまして、勝手にそういうことをして伐採をいたしまする場所を変えられるというようなことでありますれば、計画が立たないことになつてしまう興れがあるのでありまして、できるだけ一月中に届出をして許可を得ておいて頂くということが是非必要なことになるのであります。
  43. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 優先順位というのは、いわゆる許容限度の二割を超えない範囲内で許す場合についての標準ですね。まあその同じ精神からして御指導はなさると思うのです。御指導はなさると思いますけれども、この第十六条で言えばその実施計画というものについてはそういう御指導があろうけれども、その量の中でまだきまらない分が相当多いという場合には、私は実際問題になつたとき問題があると思うのでこの際お伺いしたわけです。
  44. 武田誠三

    説明員武田誠三君) 実施計画におきまして、伐採許容限度数量的にきまりますだけでありまして、個所なり、該当の林分はきまつて参りません。その許容限度数量の中で、その森林区の中でどこの立木なり、林分を切るかということが、十六条によります許可の申請を許可するか否かきめましたときに、具体的にきまつて参るわけであります。でその場合に許可許容限度以上の許可申請の申込がありますれば、結局その限度一ぱいまで具体的の個所がきまつてしまうわけであります。それから若しそれが許容限度に達しません場合には、その申請がそのまま許可されますと同時に、一方で都道府県知事のほうで必要があると認めますれば、更にそれ仁ついて実施計画の一応差額の分につきまして、もう一度計画変更その他の手続をとりまして、それの申請を改めて受付ける、こういう順序になつて来ると思います。
  45. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 初めてわかりました。そうすると、若し来年の一月三十一日までに慣れないためもあつて、申請春の連中がよう三十日以内の届出を具体的に出せなかつたとすれば、知事は届出を五月限り出せ、例えば四月までに出せ、というようなことはその地方地方の実情に応じて出すということは御認めになるわけなんですか。
  46. 武田誠三

    説明員武田誠三君) その場合におきまして、その許可許容限度まで達しません場合には、そのままでも一応はいいわけであります。併し許可許容限度に達しませんために、例えば経済情勢その他に即応しないとか、いろいろの支障が起りました場合には、改めてそれについての十二条の運用によりまして、実施計画変更手続に基きまして、実施をして参りたい、かよう考えるのであります。
  47. 三好始

    ○三好始君 森林基本計画、それから森林施業計画実施計画等と、生松脂の採取の関係について一点だけお伺いしたいと思うのであります。生松脂の採取は、用材なり薪炭として利用する松の伐採と直接に関係があるわけでありますが、これらの計画を立てるに当つて、生松脂の採取を積極的に進めて行こうというお考えがありましたならば、一応のこれらの計画の中に考慮する用意を持たれておると思うのでありますが、それらの問題をどういうふうに考えられて来ましたか。又今後考えて行こうとしておられるかを承わりたいのであります。日本に松の木が多いことは申すまでもありませんが、森林資源の活用という点から申しまして私たちは生松脂の採取を今日以上により積極的に進めて行く必要があるのではないかと思つております。こういうふうに松の木の多い国であつて生松脂を相当量輸入しておるという実情にあることは御承知の通りですが、私は従来使われておる用途のほかに魚松脂の用途は非常に各方面に亘つて新らしい用途が考えられて行くのじやないかというふうに思うのであります。今年の三月にニューオルリアンスにあるアメリカの南部地方の農業試験場を訪問いたしましたときに、その試験場のフロリダ支所で松脂の研究をしておるということでいろいろ実情を承わつたのでありますが、その際松脂か心ゴムを製造することが工業的に行われることになつて、天然ゴムと変らないようなゴムが松脂が採れる、こういう研究の結果も承わつたのであります。若しそういうことが日本の将来においても実現せられるものとすれば、非常に新らしい角度から松脂を考えて行くという途が開けて来るわけでありまして、私はこの問題を先ほど申しました各種計画の上に考慮して頂きたいという希望を持つておるのでありますが、この辺についてのお考えなり、将来の計画を承わりたいのであります。
  48. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この問題に関する答弁のあとで暫時休憩したいと思いますので、お含みを願いたいと思います。
  49. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 松脂の増産ということにつきましては、林野庁といたしましても相当力を入れておるのであります。現在の我が国の生産量は約八千トンでございます。これに対しまして需要は一応一万五千トン程度でありまして、約半分近いものが輸入に待たなければならないというよう状態になつておるのでありまして松を伐採いたしまする前に、二年ほど前かち採取をいたすことが最も理想的であると言われておるのでありまするが、森林計画一般につきましてはできるだけ生松脂の採取ということがあまねく行なわれまするように、森林計画の中にもその他の副産物等と併せて織込んで参りたいと考えております。
  50. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 それから甚だ恐縮ですが、一言だけ前の結びですが、私どうもくどいのですが、この十六条の三十日以内に具体的な場所を届け出るという問題が、この法律案の精神に従うのがい序だといつたよう意味でなく、どうしても止むを得ずしてそれが出ないといつたような場合におきまして、混乱を起さないでこの法律の趣旨が実行できるよう方法提案者との間でもつと御研究になつて、是非実際に即するような行き方ができますようお願いをすることと、それからこの法律の精神は誠に私結構だと思うのですが、そのためには森林組合等をも使つてこの趣旨の宣伝をしなければならないと思うのです。それについて相当な予算等も成る程度止むを得ない、取つて早くこの趣旨が消費者の間にわかるように、理解されるよう一つお骨折りをお願いしたいと存じます。
  51. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは暫時休憩いたします。    午後零時二十九分休憩    ——————————    午後四壁三十二分開会
  52. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 休憩前に引続いて委員会を再開いたします。  森林法案並びに同施行法案について質疑を続行することにいたします。
  53. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 本当の狙いは幼壯木を過供したくない、成るたけ避けたいということ、それからいい組合を作つて森林組合を意義のあるものにしたいという狙いが主たるものだと思うのですが、幼壯木の過伐は坑木パルプ原料以外にないと思うのです。そこで石数を定めて、おおよそこのくらい伐れば間に合うだろう、こういうことにいたしておりますが、そこで十条にありますように、経済の変動、変更ということは一般の国のことを指して言つておると思うのです。そこで利害伴う事業をやつております者はあらかじめきめられた石数については消費いたしておりましても、個人々々の自分の経済が非常に窮迫いたして来ますると、高く買おうとすればやはり売りたいものもできて来やせんかと思うのです。そこで私もこの法律でそういうものをおよそ計画を立てた石数以上に買つたものは処罰をするという規定があるかどうかわかりませんが、余りだくさんの罰則が設けられてありますが、まだ逐条にその罰則の項に当つてみませんからわかりませんが、何か本当に思い切つておやりになるのでなければ、単なる計画とか、或いはそれによつて進むようなことではやはり相も変らんよう実情が来やせんかと考えるのです。そこで発議者よりもむしろ林野庁のほうでどうお考えになつておりますか。
  54. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 只今お話通りに、幼壯木の過伐を防ぎ森林組合の完全な発達という相当大きな狙いになつておるのでありますが、そこで只今お話の必要以上に木を伐採して所要の木材を使うという者に対する制裁はこの法律のほうでは何ら規定をいたしておらないのでありますけれどもお話ようにできるだけ行政指導によりまし、て所要量を而もできるだけ合理的に使うということを指導して参りたいと考えております。先般来お話申上げておりますように、各需要部面につきまして、木材の使用の合理化というものを進めておるのでございまして、パルプ等につきましてもスクリーンに付いておりますくずの繊維、或いは繊維にすつかり溶けてしまわない節のところというようなものを更にパルプに再生産することも進めておりますし、又従来使つておりません濶葉樹も三つ程度は是非混入させるようにということも進めております。なお今後増設いたします工場につきましてはクラフト法とか或いはセミ・ケミカル法と申しまして主として濶葉樹を目当てにしてパルプを造る施設を許可するよう方針を通産省、或いは安本のほうでとつておられます。又坑木等につきましてもカツペ採炭とか、或いは必要な防腐加工するというよう方法を極力推し進めるよう指導いたしておるのでありまして法律上には書いてございませんけれども、できるだけ只今お話ようなことが実現いたしますよう指導して参りたいと思つております。
  55. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 御承知と思いますが、今度北海道で根曲りのパルプを採る計画が進んでいるようであります。工場も二カ所建てているようでありますが、これに書いてある竹というのは根曲りも含んでいるのか、含んでいないのかお聞きしたい。
  56. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 制限をいたしております竹には根曲りは含んでおりません。自由に取ることができます。
  57. 江田三郎

    ○江田三郎君 三十六条の受益者と書いてあるんですが、この受益者というのは一体どこまでが受益者になるわけですか。これは考えようによると例えば保安施設を造つたときに土砂の崩壊とか、流出の防備とか、こういうようなことになつて来るというと、大きく治山治水という面からは下流までが受益者ということになるのですが、一体どの程度のことを受益者と言うのですか。
  58. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 非常に狭い場合もありまするし、広い場合もございまして、例えば岐阜県の河を抑えますに愛知県の者が受益者として負担をする、検討してきめて負担し合うというところまで考えております。
  59. 江田三郎

    ○江田三郎君 そういうような何か別な政令か、規則か何か作られるわけですか。受益者の範囲をですね。
  60. 武田誠三

    説明員武田誠三君) 政令或いは省令を以て受益者の範囲特定いたす考えは今持つておりません。ケース・バイ・ケースで定めて参りたいと考えております。
  61. 江田三郎

    ○江田三郎君 何かそうなると余り漠然として、ケース・バイ・ケースというのでは余り自由過ぎてつかまえどころがないようになりませんか。
  62. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 従来も長いことこういうことをいたしておりまするので、大体取扱基準というようなものができておりまして、例えば山梨県と神奈川県、或いは滋賀県と大阪府というようなものがございましてそれらの協定によりまして、支障なく従来は取扱が進んでおる実情でございます。
  63. 江田三郎

    ○江田三郎君 それから四十一条で保安施設地区を指定する場合に、これはどこでもできるということになりますが、そういうときに砂防法の指定関係というものとはどういうことになるのですか。
  64. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 砂防法で指定をされております所、或いは指定をいたしまする計画の所は、こちらは避けて参ります。二重に指定をするというようなことはいたしません。
  65. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 三十五条の損失の補償なんですが、これはこういう場合が起きた時分には、別にその前にこれを想定してお金を組んで置くということになると、林野庁の一般会計のほうからお出しになるのか、予算にあらかじめ組むことになるのか、どうなのですか。
  66. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 一応予算に計上することになると思います。尤も二十六年度予算にはこの額が計上はいたしておりませんけれども、今後検討をいたしまして、何して参りたい……。思います。
  67. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつとお断りしておきますが、速記関係がありますので、一つ明瞭にわかるように御発言願います。
  68. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 この三十六条の「地方公共団体その他の者に、」という「その他の者」というのはどんなものですか。個人も入つておりますか。
  69. 野原正勝

    衆議院議員野原正勝君) これは公共団体のほかに個人若しくは法人等も含まれる場合があるということを想定いたしました。
  70. 三好始

    ○三好始君 受忍義務に関する四十五条の規定についてお尋ねいたします。これによりますと、第二項は「損失を受けた関係人に対し、通常生ずべき損失を補償しなければならない。」という規定があるのですが、関係人は損失が生ずるだけでなくて、造林なり森林土木事業その他の事業によつて利益が生ずる場合もあると思うのですがをういう利益の生ずる場合はどう取扱いますか。
  71. 武田誠三

    説明員武田誠三君) 造林事業そ他によりまして、その土地に殖林その他造林をいたしました場合には、それはその土地の所有者の所有に属する関係になつて参ります。従いましてその場合の損失との相殺等の問題が一応考えられて然るべきであろうというふうに考えております。
  72. 三好始

    ○三好始君 損失より非常に利益が多かつたらどうなるのですか。
  73. 武田誠三

    説明員武田誠三君) その場合には、それについてその費用を取立てるということも一応考えられるわけですが、この法律を定めますに当りましては、その場合の利益は土地所有者その他権利者に帰属をさせるというよう考えております。
  74. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと私か「お尋ねいたしますが、この各条項には直接関係のないことでありますけれども、この法案が非常に厖大なもので、又理解しにくい点もあり、徹底させるには非常な努力を要すると思いますが、これを関係者、受益者その他公共団体等に十分徹底させるために、講習会とかその他いろいろの御準備もあると思いますが、そういう用意は十分できておるのでありますか、その点ちよつと……、
  75. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 差当り六月の十九、二十日に地方の林務部課長でございますが、その会同を求めまして、この趣旨を徹底させる次第であります。その後各地方ごとに講習会を開催する予定をいたしておりまするし、又いろいろ御審議を頂きました間に御質議の点等につきまして、それらも併せて解説書を出しまする計画をもうすでにいたしております。なおブロツク別の講習会の更に下に森林組合を中心にして、又森林所有者かたがた、或いはその他のかたがたにこの趣旨を徹底させるような具体的な計画を進めております。
  76. 門田定藏

    ○門田定藏君 今の点について講習会をいろいろ考えてやつてもらわぬと、農村は田植なんかの時期がありますので、この点を十分に考慮して講習会を開催されるには農閑期を利用してやつてもらいたいと思います。その点も一つ希望として申上げたいと思います。
  77. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 御趣旨のように十分注意をいたすつもりでございます。
  78. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 保安施設地区でございますが、保安施設地区でも指定されたものは四十七条によりますと、この保安施設事業を行なつたものは保安林になることになるのじやないかと思うのでございますが、そうしますと、保安施設地区というものは将来保安林になる区域だとこういうふうに解釈していいのでございますか。
  79. 武田誠三

    説明員武田誠三君) これは保安施設地区がすべて全部保安林になる地区であるというようには実は考えておらないのであります。保安施設地区のうち、森林になりました所だけが保安林になる、こういう考え方でございます。
  80. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 この保安施設地区というものは、そうしますというと、保安施設事業をするために必要な施設を余分に取るということは常識的にあるということなんですね。
  81. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) その通りでございます。
  82. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 第四章に進んでよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 羽生三七

    委員長羽生三七君) では第四章に入ります。  ちよつと私からお尋ねいたしますが、今当委員会でありますが、今参議院に付託されております例の土地收用法案、あれはどうなるか知りませんが、あれが若し仮に通過したという場合には何か若干抵触するような部分があるような感じを受けるのですが、そういうことは別に起らないのでしようか。
  84. 武田誠三

    説明員武田誠三君) 土地收用法案との関係でございますが、この森林法の中では現行法の規定を準用いたしております。その現行法を準用いたしましたのは、現在改正法案提案になつておりますことは承知いたしておつたのでありますが、改正土地收用法の施行が大体本年の十二月乃至明年の一月ぐらいという予定をされております。従いましてその間ブランクになりますので、この法案といたしましては、現行の土地收用法を準用いたしまして、改正収用法が通過をいたしましたのちにおいてもう一度再改正を行いたい、この森林法の改正を行いたいという打合せで、法務府のほうともやつておりますし、建設省とも打合せをいたしております。
  85. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 これはこの前の旧森林法にもあるのですが、第六十五条の「水の使用に関する権利の上に使用権を設定する場合に準用する。」と、これはよそのものにもこういうふうに二重水利権みたいなものがどこかで取られておりますか。
  86. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 現在よそには余り例がないようでございます。
  87. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 この前からこの森林法にはこの問題があるのですが、折々これが実は問題になるのでございます。はつきり申上げると……。これは多分高知県だつたですか、高知県で以て用水利の権限を持つているのです。用水利改修を行うときに非常に問題になつたことがあるのです。まあ話合で話を付けたのでございますが、この水利の問題を扱つているときに非常に特例だと思つて実は注意しておつたのです。実に珍らしい法律なもんだから……。それだけです。ただ今後農業水利法あたりを設定するときに又一つ御協議頂きたいと思うので、念のために申上げて置きます。
  88. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 御発言がなければ第五章に進みたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは第五章についてどうぞ……。
  90. 三好始

    ○三好始君 第六十九条の中央森林審議会委員ですが、農林省その他の関係行政機関の職員十人というのは大体わかりますが、学識経験を有する者十七人というのはどういう方面から人選する予定になつておりますか。大体の予定があるだろうと思いますから、それをお伺いしたいと思います。
  91. 武田誠三

    説明員武田誠三君) この学識経験を有する者十七人につきましては、具体的にどなたというところまでまだ人選を進めておりませんけれども、これはこの二号のほうの関係行政機関の職員十人という場合に、当然建設省でありますとか、或いは大蔵省関係、通産省関係等需要者の側、或いはこの保安施設事業等に関連を有する他官庁というようなものも考えておりますと同様に、この学識経験を有する者につきましても、広く森林に関連を有します部面から御参画を頂きたいと、かよう考えておるのであります。
  92. 三好始

    ○三好始君 十七人というはしたの数字が、何だか予定があつての結果心ように感ぜられたのでお尋ねしたわけでありますが、別にどの方面に何人という計画は立てていないのですか。
  93. 武田誠三

    説明員武田誠三君) どういう方面から何人々々と具体的にまだ予定を立てておりません。ここに特別十七人といたしましたのは、大蔵当局といろいろ御相談をいたしましたときに、予算上の数字等を決定いたしました際に、この議決をいたしますときの定数その他の関係で十七人という形をとつたのであります。
  94. 三好始

    ○三好始君 第七十二条の專門委員についてお尋ねいたしますが、「農林大臣は、專門の事項を調査させるため必要があると認めるときは、中央森林審議会に專門委員を置くことができる。」という規定になつておりますが、今專門委員として予定せられている事項がおありになると思うのですが、その状況を一応向いたいと思います。
  95. 武田誠三

    説明員武田誠三君) これにつきましては、例えば保安施設事業につきましての事柄と、それから基本計画につきましての例えば伐採等の事柄につきましては、全体の経済関係の需給の問題等がそれぞれ違つた面において問題になつて来るわけであります。でそれぞれにつきまして專門委員を置く必要がありますればお願いをいたしまして、それについての細かい基礎データ等につきまして御意見を承わるようにいたしたいと、かよう考えております。
  96. 江田三郎

    ○江田三郎君 今のついでですが、中央審議会委員なり、專門委員という者はどの程度の待遇を受けることになりますか。
  97. 武田誠三

    説明員武田誠三君) 待遇と申しますと、これは昔の一級官相当の待遇になります。
  98. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 これはいつ頃からこの中央審議会は発足されるか大体予定を持つているでしようが、いつ頃から……。
  99. 武田誠三

    説明員武田誠三君) これはこの法律が通過いたしました暁におきまして、先ず森林基本計画を真つ先に立てなければならないのであります。それが明年度森林計画を立てますのに、どうしても八月の一日に基本計画が発表になりませんと、その後の手順がこの日数通り行かないのであります。そういつた関係もございますので、この法律を大体七月の半ばぐらいまでには施行いたしたい。それと同時に審議会のほうも設立をしたい、かよう考えております。
  100. 江田三郎

    ○江田三郎君 只今委員の任命の問題ですが、旧一級官というと相当高い待遇を受ける委員であり、又この委員は非常に重要だと思うのですが、その選任は国会の承認を必要とするとお考えになりませんか。
  101. 武田誠三

    説明員武田誠三君) その点につきましては、内閣総理大臣の承認ということで実は考えておつたのであります。
  102. 江田三郎

    ○江田三郎君 ほかのこの種の委員会委員の任命との釣合いはどうなりますか。
  103. 武田誠三

    説明員武田誠三君) これにつきましては、この法案を作ります際にほかの委員会のバランスも法務府で研究をして頂いたのでありますが内閣総理大臣という例が非常に多いのでそれに倣つたのであります。
  104. 羽生三七

    委員長羽生三七君) では第六章に入ります。
  105. 江田三郎

    ○江田三郎君 森林組合の役割というものは非常に重要でありますが、総括的にお尋ねいたしますが、現在農業協同粗食してもいろいろ政府のほうで積極的な指導なり助成なりをしておられて、なお今日のよう再建整備だとか何だとかいつて大騒ぎをしなければならんよう状態なのでありますが、その点から考えますというと、今度の森林組合の育成についてもよほどこれは国なり或いは県なりが思い切つた指導助成をして行かないと、なかなか軌道に乗らんのではないかと思うのですが、そういうことについてどういうような用意を持つておられるか。或いは又丁度農業協同組合につきまして一つの行政機関がありますように、やはり森林組合についても同じようなことをお考えになつて行くのかどうか。或いは又森林組合指導なり育成の具体的な方法として、例えば林道とか或いはその他の保安林施設等をやる場合に、原則としてこういうよう森林組合事業を請負わすというようなことをお考えになつておられるか。そういう点について全般的な森林組合の育成の方針について、これは行政官庁のほうのお答えを承わりたいと思います。
  106. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 森林組合は林業関係の唯一の末端の団体でございましてこれの健全な発達というものが我が国民有林の発展に非常な重大な関係を持つて参りますので、私どもといたしましては、できるだけこの組合の健全な発展のために努力を続けて参りたいと考えておるのでありまして、本日も御承認を頂きました農林漁業の再建整備法におきまして、約五千万円の利子補給金なり、増資の奨励なり、固定化資産の流動化に対する利子補給金というようなものをお認め願つたわけでありますが、そのほかにも造林補助金の取扱とか、或いは伐採調整によつて行いまする融資の取扱とか、又はお話のございました林道の工事、或いは保安林の整備についての一班といたしまして行います保安林の造林事業というようなものにつきましても、極力森林組合を使いまして、その健全な発達を図つて参りたいと考えておるのであります。又林野庁の機構といたしましても、現在経済課は殆んど挙げて森林組合の育成指導というようなことを担当いたしておるのでございまして、今後も更に運用を整備いたしまして、十分なる、健全なる発展ができますよう指導して参りたいと考えております。
  107. 江田三郎

    ○江田三郎君 この森林法が目的としておることを遂行するために、技術普及員とか或いは経営指導員とかいうようなものが置かれるようになつておりますが、これは本当にここに書いてあることを全部やつて行こうとすると、大変な人手が要ると思うのでして、例えば法に違反して無届、無許可伐採しておるとか、その他のことでもなかなか取締が役人だけでは付くものではないと思うのであります。どうしても組合というものを本当にうまく動かして行かなければならんのですが、組合としてもなかなかそういうような職員を十分に持つだけの力がないと思うのですが、私はそういうような点から経営指導員等の役人だけで十分な数が揃わないと思うので、組合の職員を公務員に準じた待遇を以て若干の補助なりその他を以てかような普及員なり経営指導員の仕事をさすというようなことは考えて頂けないかということをお尋ねいたします。
  108. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 二十五年度予算におきまして、森林組合に設置いたしておりまする技術員の補助が予算上では認められておつたのでありまするが、関係方面の方針によりましてその予算の執行を禁止されたというよう事情もあるのでありまして、私どもといたしましては、できまするだけ森林組合の技術員を設置いたしまして、府県の職員の能力の及ばないところを補なつてもらいたいという希望は持つておるのでありまして、今後十分お話よう森林組合の技術員設置補助に対する面は研究して参りたいと思つております。
  109. 三好始

    ○三好始君 森林組合事業が農業協同組合事業と競合するか、しないかということをお尋ねいたしたいと思います。七十九条の第二項に施設組合のなし得る事業を列挙いたしておりますが、大部分は組合員の行う林業に関係のある事業でありまして、競合する点は先ずないと思うのでありますが、ただ第七号に「組合員の福利厚生に関する施設」という項目があります。最後の第十号には「前各号の事業に附帯する事業」、こういうものがありますので、解釈の仕方によつては農業協同組合事業と競合するかと思うのです。この辺の問題につきましてはどういうふうに考えられておるか、お伺いいたしたいと思います。
  110. 武田誠三

    説明員武田誠三君) 今の農業協同組合との競合の点につきまして、この七号と十号との関係でございますが、十号につきましては附帯事業でありまして、この一号から九号に掲げます事項についての附帯事業で、それについては先ず競合する面は殆んどないのではないかと思うのでありますが、福利厚生に関する施設につきましては、農業協同組合と文面上では正に競合する面が出て来るかも知れないと思つております。併しこれは山村の非常に衛生施設その他の発達しておりません場所も多いのでありまして、こういう所に巡回医療班その他の施設を設けるとか、或いは又娯楽その他の関係も非常に少い所でありますので、巡回映画班でありますとか、そういつた種類の施設を成るべく森林組合でもやれるようにいたしたい、こういう考え方でございます。
  111. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 お願いをいたしておきます。私は協同組合関係者でございますから、妙な焼餅と考えられるか知れませんが、今までおやりになつて経験があるので林野庁のほうでも万事そういうことに気を付けられることと思いますが、やつておるとどうも印刷した範囲事業をたくさんして見たいという気分が出るものなんです。そこで本当に林業に附帯する事業は当然やらなければならんのでありますが、ややもすると十号の「附帯する事業」というのにこじつけてやりたいのはこれはもう普通なんです。それで今まで失敗しておりまして、国も迷惑しておりますけれども組合員も迷惑いたしておりますから、どうぞ十分気を付けて、一番大事なことは八号の問題であります。これは森林組合によらず我々のほうでもこれからこれに金力を挙げてやらなければならん。教育事業はどうしてもこれが徹底しませんとやつております事業がうまく行きません。組合員の知識も足りませんし、どうぞ今度は立派な組合を作つて頂きますように十分な御指導お願いをいたしたいと思いますが、我々も及ばずながらお手伝いをいたします。それからこの七号の「組合員の福利厚生に関する施設」でありますが、地方に廻つて見ますと、本当の山間で人間が住んでおるということさえも非常に気の毒な場所がたくさんあります。これはどうしても巡回診療班では行きませんので、その村の援助を得て、そればかりではできないと思いまするから、どうしても山間におります薪炭を業にしておるような部落がありますので、この点は私は国が多少の助成をするのでなければ一人の医者を置いても非常に経営に困難だと思いまするから、一つなんとかできましたら助成をしてでも医療施設を設けてやつて頂きますことをお願い申上げておきます。
  112. 武田誠三

    説明員武田誠三君) 只今お話の農業協同組合との競合関係につきましては、これを運用し且つ森林組合指導して参ります上に十分に注意をして、トラブルの起らないように極力気を付けて参りたいと思います。なお森林組合につきましては、私どもとしてはこの七十九条の一項にございますように、成るべく森林の経営というところに力点を置いた方向において指導いたして参りたいと、かような気持でおります。
  113. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 私からも一つお願いしておきますが、今皆様からお話のあつた点私どもも同感でありましてその農業協同組合と競合する点があるかないかという点は、最初予定された案が今度コンクリートになつてそういう点を排除してここへ提出されたので問題はありませんが、仮にそういうことが競合があるないにかかわらず、私はやはり森林組合というものが今経済課長からお話があつたように、本来の森林の育成、発展に寄与するような形で余分な仕事はもうおやりにならんほうがよいと思いますが、そういう森林の進歩発展に寄与する問題にすべて限定して行く。もとより奥地林なんかに関係のある働く人々なんかに対する医療とか、或いは文化的な施設等はこれはもとより当然でありますが、そういう商人の向うを張るような商業行為というようなものはもうやらないということで、飽くまで森林の保全、発展等に寄与するような形で運営されるように極力御努力を願いたいと思うのです。これは日本の農業協同組合なんかでは、実を言うと余りに生産的な仕事から他の部面に逸脱したものがあるために、いろいろなトラブルが却つてつておるので、そういう面から考えましても、飽くまで生産増強一本に考えて頂きたいという、こういう希望を申上げて置きます。
  114. 三好始

    ○三好始君 皆さんから御希望が出たついでに私も希望を一つ述べさして頂きたいと思います。先般三カ月ほど渡米をいたしましてアメリカの各種農業団体を見て来たのでありますが、そのときの感じでは各種の農業団体全体を通じて民主的な運営を行なつておるということと、どの農業団体も教育活動に非常に力を入れておるということを見たのですが、そういう点から考えまして、この組合におきましても、第七十九条の第二項の八号に掲げておる教育的な事業には十分に留意されてここに一つの重点を置いて組合指導をせられるように希望いたしたいのであります。
  115. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 御発言がなければ第七章へ進みます。
  116. 江田三郎

    ○江田三郎君 先ほどちよつとお尋ねしましたが、林業技術普及員なり、林業経営指導員というのは都道府県の大体の予定数というものはどのくらいですか。
  117. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 技術普及員が千百二十名でございまして、経営指導員が二千二百九名になつております。
  118. 江田三郎

    ○江田三郎君 国庫補助等を要するようなものは本年度予算に皆計画だけはすでに組まれているのですか。
  119. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 全部予算で認められております。
  120. 三好始

    ○三好始君 林業技術普及員及び林業経営指導員が都道府県の吏員として置かれるようでありますが、これと国家公務員としての営林署の職員等との関係、連絡の問題はどういうふうにお考えになつておりますか。
  121. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 昭和の初めから国有林の森林官吏も民有林の経営指導をすることができるという途を開いておりますので、できる限り国有林官吏も技術普及員或いは経営指導員と協力いたしまして、民有林の指導に当らせるようにいたしております。
  122. 三好始

    ○三好始君 営林署の職員が民有林の指導をなし得るということは承知いたしておりますが、それとこの林業技術普及員及び林業経営指導員との仕事の上の関係はどういうふうになりますか。
  123. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 格別直接に、何ら身分上は或いは仕事の上では直接の連携はございません。この両指導員はすべて民有林だけについて行いますから、国有林の官吏は国有林を経営して参りますかたわらこの両者の援助をするといつた程度であります。
  124. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 私は用があつて帰りますが、一つだけお願いを申上げておきます。ここに倉庫業を行うことになつておりますが、これはどうしてもやらなければならん事業でありまして、殊に薪炭組合に集まりますが、倉庫業も必要でありますが、一番困つたことは証券の発行なのであります。我々も実に苦心いたしておりますから、この点十分御注意になりませんと、前にややえらい赤を出しておりますので、これと同じような心配をいたしております。この点だけ十分御注意して頂くことをお願い申上げておきます。
  125. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは第八章へ進みます。
  126. 江田三郎

    ○江田三郎君 十六条に違反した場合に一万円以下の罰金ということになるわけですが、これはずるく考えると、パルプ会社等が一万円の罰金を負担してやるからやれと、罰金一万円は僅かなものですが、そういう意識的な不当な行為が出て来はせんかと思うのですが、そういうことに対して何かそうやつてつた場合には木を抑えるとか、そういうようなことでもしないと目的を達しられないと思うのですが、その点どういう工合にお考えになつておりますか。
  127. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) これはよその法律との振り合いもございまして、非常に只今お話ように、僅かに普通の場合は一万円、保安林の場合に三万円という程度でありますが、これは道義心の問題でございまして、罰金を取られるということで相当大きな会社が信用を落す、そのほうの制裁がむしろ大きいのではないかと思うのですが、具体的に特売をやめるとか、或いはその木材を抑えるというようなことは考えておりませんけれども、恐らく罰金を払つたほうが算盤に合うというようなことで伐採をするような例は、特にパルプ坑木というような相当な信用のあるものには出て参らないのではないかと私考えておるのであります。
  128. 江田三郎

    ○江田三郎君 出て参らなければ幸いですが、併しあり得ないことではないので、そういう点についても何とか……別に罰金を重くしろと言うのじやないのですけれども、取締方法をよく考えて頂かんと何もならんことになつてしまつて、国が一万円儲けたつて仕方がないのですから……。
  129. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) できるだけ只今お話の御趣旨に副うように十分指導して参りたいと思います。
  130. 江田三郎

    ○江田三郎君 これは法案関係したことではありませんが、山の労働者の問題なんですが、この労働者の問題についてはやはり労働省のほうで担当しておられるわけですか、林野庁としても何か関係があるわけですか。
  131. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 国有林の労働者につきましては、勿論労働省の関係もございますけれども、直接使用者といたしまして林野庁でも関係をいたしております。民有林の労働者につきましては何ぶん仕事がおおむね小規模でありますのと、又仕事が間断的に連親しな」で起きて来ますよう状態で、おおむね農業と兼業しておるようかたがたが大部分でありますので、実態を抑えてそれに対して厚生施設を設けるというようなことが非常にで吏にくいために、余り民有林の労務者、林業労務者に対しては施設をいたしておりませんのが現状であります。
  132. 門田定藏

    ○門田定藏君 私今日この法案をもらつたので、余りよく調べておらんのですが、これは放牧地についてですが、放牧地あたりに何かちよちよこ木が生えているのですが、これはこういう木を伐るときにも適用するのですか。放牧地は除外されておるのですか。
  133. 武田誠三

    説明員武田誠三君) その放牧地が牧野であるか、或いはそのうちの森組に入りますかということの問題は、客観的にその土地に生えております立大が散生地であるか、或いは密生地であるかということによつてつて参ります。非常にぱらぱらと生えておるような場合には、これでは森林という概念には入つて参らない。これは自由に伐採できると、こういうことになつております。
  134. 門田定藏

    ○門田定藏君 ところが放牧地でなく、実際は放牧していないで、放牧地として登記しているような話があるのです。これらについてのつまり適用はやはり今のお話通りに、実はぱらぱらと生えている所でなくて、誰が見てもこれは林野であると、こういう場合には放牧地の適用はせないということですか、これは……。
  135. 武田誠三

    説明員武田誠三君) そういう場合には当然森林ということで考えております。
  136. 門田定藏

    ○門田定藏君 わかりました。
  137. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは森林法については大体この辺で質疑を一応閉じまして、次に森林法施行法案について質疑を願います。
  138. 江田三郎

    ○江田三郎君 この第二条の二項の場合には、これは届出だけでもいいことになるわけでございますか。
  139. 武田誠三

    説明員武田誠三君) お説の通り届出だけでいいということになるわけでございます。
  140. 江田三郎

    ○江田三郎君 最近のパルプ会社の増設等から考えまして届出だけでいいということになると、森林区の実施計画ができる前に片寄つた伐採が行なわれる虞れはないかと思うのですが、その点についてどういうようにお考えになつておりますか。
  141. 武田誠三

    説明員武田誠三君) お話ように、届出だけでございますので、そういう事態が絶無であるということは期し得ないと思うのでありますが、これにつきましては省令でその届出についていろいろ細かい手続きをきめたい思つておりますが、その届出に従いましてできるだけその伐採が、何と申しますか、無統制に行なわれませんよう指導をして参りたいと、かよう考えておるのでございます。
  142. 江田三郎

    ○江田三郎君 この点は特に行政官庁のほうでも御留意願いたいと思うのでして、折角こういうのができましても、この半年か一年の間に、ばたばたと大規模な無統制な濫伐がやられてはかなわん。
  143. 門田定藏

    ○門田定藏君 今江田委員質問に対して私は大体このことを現に計画する前に見ておるのですが、今度の森林法が出たらもう森林伐採が自由にならなから、この法案ができるまでに山を売買してしまえという商人がたくさん廻つているのです。私もその質問を受けたことがある。このことが新聞にも出ましようが、今江田委員の言われたような、この法律が公布されるまでにばたばたとやられては困るのですが、それに対して公布されるまでの臨時的な措置をとるというようなことは考えておられないのですか。
  144. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 只今お話ように、悪質の伐木業者が、森林法が通過いたしますると木が伐れなくなるぞというようなことを申しまして、頻りに安く山を買つて歩いておるという噂は私どももしばしば伺つおりまして、それに対しましては、森林法の大体のことを各都道府県に通知をいたしましてその徹底を図つておりまして、地方新聞によりましては、その点を随分取上げて宣伝に協力して頂いておるよう実情もありまするし、又ラジオ等におきましても私ども数回そのことをお話申上げたこともあるのであります。又そう過大に伐られることはないのじやないかと思いますることは、パルプ業者にいたしましても、おおむね半年ぐらいの所要資材は貯木いたして置きまするが、何ぶんにも嵩高の商品でございますので、何年分も溜めて置くというわけには行かないのであります。と申しますのは、片つ端から腐つて参るというようなこともございますので、せいぜい半年分くらいのものが伐られるのでございまして、殆んど大部分が伐られるというような心配はやや薄いのではないか。なお先ほど経済課長からも申上げましたように、できるだけ無駄な伐採のございませんよう指導は十分して参るつもりであります。
  145. 江田三郎

    ○江田三郎君 そういう点で、何にしても眼の届かん山のことですから、例えば期間内に届出だけしておいて、そして今後期間後になつてつて前に伐つたのだと言つても、何としても山だから、大抵のことは見えん所でできるのですから、よほど周到な対策を考えないと、法を馬鹿にされる虞れがある。
  146. 門田定藏

    ○門田定藏君 もう一つ附加えて質問を申上げますが、只今長官パルプ会社のことを申されましたけれどもパルプ会社でなしに、製材業者の思惑師が廻つておりまして、こういうことになれば伐られないから今のうちに山を売れと約束して……、パルプ会社に私行きましたが、パルプ会社は半年より以上は取つていない。製材所の思惑師が廻つている。そこらについて周到な臨時措置ができれば聞いておきたい。
  147. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) できるだけ努力をいたします。
  148. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 この施行法によると、比較的現在の森林組合が、新らしい組合は定款の変更等でスムースに行けるようなかつこうになつております。けれども森林組合の現在の状況は、先の農林漁業協同組合再建整備というあの説明資料等にありまするように、相当にいわゆる赤字で参つておる所もある。私は林業の振興を図ろうとすれば、どうしてもその所有者によつて大部分作られておるところのこの組合の堅実な発達というものが是非望ましいと思うのであります。この切替えに当りましては、十分政府のほうとしては実情に副うような十分それを斟酌した御指導を願いたいと思うのであります。で前のように或いはこの森林区を立案されている過程にあるときに、こういうようにやたら数を多く作るというよう態度でなしに、やはり協同組合の精神に則つて、協同組合というものを自発的に作るところの啓蒙は、これは必要でありましようけれども、従来の指導にままありましたように、引張つてともかく作れと、こういう行き方は農業関係組合の組織替えをめぐつてもいろんな問題がありましたように、私はあのいきさつを十分頭に入れられて、是非御指導を願いたい、そして早くいい同協組合というものを作ることによつて所有者諸君がみずから好んで、協同精神の本当の理解の下に好んで作るという、こういうものに持つて行くことが私は迂遠のようであるけれども本当の姿じやなかろうかと思うのでありますが、その点についてどういうふうにお考えになりますか。
  149. 横川信夫

    政府委員横川信夫君) 只今お話ように、無理々々に組合を作らせたというよう事情も以前は、ございまして、そのために組合という名前だけで、さつぱり活動しておらないよう組合も四、五百あるようでありますので、さよう事態に相成りませんように、組合自体の本当の気持から組合を作ろうというものについてできるだけ指導して、それを育成して行く、その機の熟するまで余り無理をしないで健全な発達を図つて行くように、無理をいたしますとやはり従来のように三千何百という組合が赤字でおるというふうなことは、相当無理があつたからのせいではないかと私ども考えておるのでありますが、それらの点十分検討いたしましてお話ようにできたからには立派な組合組合員の皆さんが十分組合の恩恵に浴し得るように努力をして参りたいと考えております。
  150. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 大体質疑も一応終つたよう考えられますので、本日はこの程度にいたしまして、なお特別の御意見のあるかたは月曜日の際にお願いすることにいたします。  本日はこの程度で散会いたします。    午後五時四十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    委員            西山 龜七君            岡村文四郎君    理事           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            門田 定藏君            三橋八次郎君            赤澤 與仁君            飯島建次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            三好  始君            三浦 辰雄君   衆議院議員            野原 正勝君   政府委員    林野庁長官   横川 信夫君   事務局側    常任委員会專門    員       安樂城敏男君    常任委員会專門    員       中田 吉雄君   説明員    林野庁林政部経    済課長     武田 誠三君