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1951-03-23 第10回国会 参議院 農林委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十三日(金曜日)    午後二時二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農業委員会法案内閣提出、衆議院  送付) ○食糧管理法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○食糧政府買数量の指示に関する  法律案内閣送付) ○農林政策に関する調査の件  (蚕糸対策に関する件)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは委員会を開会いたします。  昨日に引続いて農業委員会法案審議をいたしますが、この同法律中、兼職禁止に関する規定について政府から只今お手許に資料を配付したようでありますが、一応説明を求めたいと思います。
  3. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) これは本来地方自治庁のほうで御説明頂くのが筋かとも思いますが便宜代りまして御説明を申上げます。  従来の公職選挙法施行令が一部改正に相成りまして、三月二十日から施行ということに相成つております一この政府の案によりますれば、従来では片方兼職禁止になつておりましたのが市町村委員につきましては全然自由になつたと言うことであります。それをもう少し詳細に御説明を申上げますと、従来の公職選挙法では、その八十九条で、「国又は地方公共団体公務員は、在職中、公職候補者となることができない。但し、左の各号に掲げる公務員は、この限りでない。」つまり農業委員会もそうでありますが、従来の農地委員会及び農業調整委員会等委員地方公共団体公務員でありますので、公務員資格のまま公職候補者となることができないと言うわけであります。但書が、ございまして、「但し、左の各号に掲げる公務員は、この限りでない。」とありまして、その第三号に「専務として委員、顧問、参与、嘱託員その他これらに準ずる職にある者で、臨時又は非常勤のものにつき政令で指定するもの」これは例外規定を設けられております。その政令が今回変りましてこれは公職選挙法施行令の一部を改正する政令でありますが、九十条が改正に相成りまして「法第八十九条第一項第三号の規定によつて在職中、公職候補者となることができる者は、臨時又は非常勤の国又は地方公共団体公務員で左の各号に掲げる者とする。」その一号に「委員長及び委員の名称を有する職にある者で別表第二に掲げる者以外の者」つまり列記されたもの以外のものが自由であるということに相成つておりまして、その別表の中に農地委員会委員農業調整委員会委員等が書いてあるわけであります。その別表が今回改まりまして、備考といたしまして、この表中農地委員会委員農業調整委員会委員及び漁業調整委員会委員瀬戸内海連合海漁業調整委員会委員を除く。)は市町村議会議員、長及び教育委員会委員選挙以外の公職選挙の場合に限るものとする。かよう改正に相成りましたわけであります。従いまして、これによりまして市町村委員会委員につきましては、現在の資格のままで、例えば市町村議会議員について立候補ができる、かように相成りました。片方のものが両方とも兼職禁止規定が削除された、自由になつたということに相成ります。
  4. 羽生三七

    委員長羽生三七君) まだ出席を要求してある農林大臣が見えられませんので、先ほど申上げたよう農業委員会法案審議を継続いたしますが、若し大臣が見えられましたら、先日来問題になつております、農協再建整備の問題並びに農業共済組合連合会損失補填の問題、この両案件について御質疑を願うことにいたしまして、大臣の見えられるまで、農業委員会法法案審議をいたしたいと思います。なおこの農業委員会法案食糧関係の諸法案とも重要な関連を持つておりますので、昨日各委員各位からの御要求もありまして、今日は食糧庁長官も出席されておりますので、單に農業委員会法案と限定せず、食糧関係法案との関連において御質問を願つて結構だと思います。
  5. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私は食確法或い食糧管理法改正になるに当りまして、実体的な質問を数点いたしたいと思いまするが、この前、農林大臣から御答弁がありまして、十月までは米麦等で二合七勺の配給を継続いたしたい。十一月からは米のみで一合五勺の配給にするという方針の開明があつたわけでありますが、そこでそうしますと、今年の麦の出廻つて参りまする六月頃から十月までは、政府からは二合七勺の配給がある。それと並行して麦の自由販売自由消費がここにあるわけでありますが、そうなつて参りますると国の全体の需給計画から見て参りまして、政府が全部国内麦を抑えて計画配給をしますれば、はつきりした不足量が出て参りまするけれども自由販売自由消費に麦がなりますると或いは人間の腹に入りませんで或いは工業用に費消される、或いは動物の飼料になるというものが相当あると思うのでございます。そうなつて参りますると現在の政府計画の二百八十万トンにいたしましても、これは大体麦が二合七勺の程度において人間の腹へ入るという前提で二百八十万トンの不足量が計算されると思うのでありますが、今言つた六月から十月の頃には二合七勺の配給自由消費が並行する、それから十一月以降は米だけの配給になつて参りまするが、そうなつて来ると計画配給よりも麦の消費が、主要食糧以外の消費相当殖えて来はしないだろうか、そうしますと国全体の不足量、換言しますれば要輸入量相当増大をして来る。こういうふうに私は見なければならんと思うのでありますが、その点に対しまして政府はどういう方針を持つておられますか。これは一つ特に政務次官のほうから一つお答えを願いたいと思います。
  6. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 数字に亘りますので、食糧庁長官からひとつ
  7. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 只今お話の点は非常にむずかしい問題でありまして、数字的に潜在需要がどの程度顯在化するかというところの算定の問題になるわけであります。初めてのことでもありますしいろいろな角度から目下検討をいたしておるわけでありますが、お話の通りに現在の二合七勺の配給制度なるものが、実効価格公定価格と近づいて参りまして、その面からの統制が必要がないという一つの現象が生まれたといたしましても、そのために統制を外すということにいたしましても、その段階でも意味があるといたしますれば、工業用等に対する一つ消費規制というような面に麦の用途についての規制力がありますために、意味があるということも考えられるのであります。これが自由にした場合にどの程度顯在化するかということは、自由経済時代における固有用途数字その他から検討いたしまして、それが現在統制下においてはどの程度まで現実的に消費に充当されているかという算定をいたして、その差引の上にどの程度顯在化して来るかというものを検討いたしておるのであります。結論は出ておりませんが、見方はいろいろあろうかと思います。今までそれに政府といたしましては振向けておらんから、その用途のものは新規に全部顯在化して来るという見方をいたしますれば、或いは四十万トン、五十万トンという数字になるかと思います。併し現実的には非常に厳格な統制をいたしておりますけれども、麦の生産統計と、供出数量その他の関係から見ますと、やはり麦につきましては供出外相当流れておるものが大量にあるという私ども見方をいたしております。そういたしますと、そうした固有用途というものに対して、全然それが使われておらんのではなくて、やはり相当別の形においての麦が使われておるという見方をいたしますれば、その顕在化する程度というものは、それほど大きくないというふうに考えているのであります。大観いたしますと、数字を以てお伝えを申し上げますまでまだ固まつておりませんけれども、大局的に申しまして固有用途顯在化というものはそう恐るべき数字にはならないのではなかろうかと想像をいたしております。
  8. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私は今御答弁のうちで、今まで実際消費しておつたいわゆる潜在した消費を表面に顯在化するということだけでありますれば、これは別段外国からの輸入数量も殖えないと思いまするが、勿論そういうものも私はあるだろうと思いまするが、併し堂堂と麦が自由販売となり誰がこれを買つて消費してもよろしいということになれば、やはり私は潜在しておつたものが顯在化する以外に、相当例えばビール会社が堂々と麦を買付けて消費する、或いは飼料工場でどんどん麦を買付け消費する。こういうことになつて来ますれば、やはり私は新らしい、潜在しておるものが顯在するのではなくて、絶対の新規消費が、人間主要食糧以外の消費が殖えて来るのではないか、そうなつて来ますれば、米だけ一合五勺にして、あとの一合二勺は大体麦等消費する、麦等一般国民が食べるということが保障されますれば、これは要輸入量は大して私は増大しないと思いまするが、ともかく自由販売自由消費になりますれば、私はやはり新規人間消費以外の増が当然殖えて来ると思います。勿論私はここで具体的な計数亘つての御答弁要求はいたしておりませんが、少くとも外国からの要輸入量相当数量が殖えるということについての考え方をこれは一つ計数ではありませんで、考え方でありまするから、特に一つ政務次官からお答えを願いたい。
  9. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 私はそういうようには考えません。これも私の感じでありますから、或いは御議論はあろうと思いまするが、私は従来の統制過程考えて見ますると、一応片柳さんのお話ようなことも考えられると同時に、これは消費の部面が或る程度まで自由になりますると、確かに麦は潜在のものが顯在して出て来ると同時に、消費量についても、これは相当つて来ると思います。いわんや今回の昨年来やりました甘藷馬鈴薯及び雑穀等数量考えますというと、これはその方面数量相当役立つて参ると思うのであります。御指摘のよう飼料問題等から考えますと、確かに飼料用に廻る量も或いは殖えるかも知れません。併しむしろ農家立場から言えばこれは別の観点お尋ねと違うかも知れませんが、飼料の問題はこれは農家自身も非常に苦しんでおつたのであります。そこにおのずから融通性も出て参りまして、農家経営全体についての融通性ができるということは、やがて消費量においても融通性ができまして、必ずしも輸入量が増すということには甘藷馬鈴薯の例或いは今回の雑穀統制解除の例から考えまして必ずしもさようにはならない。こういう私は感じを持つておるのであります。
  10. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 これは非常に私は意外な答弁だと思うのであります。安本の言われるような、確かに麦の闇なんかもありましようから、それだけでありますればこれは私は人間以外の消費量の増はないかと思いますが、今の飼料事情なり或いは酒の状況等から見て参りますると、少くとも堂々と自由に誰が買つて使つてもいいということになりますると、これは私は、数量の見通しは付きませんけれども、とにかく主要食糧といいますか人間の口に入る前に、相当に私は他の用途に絶対的な消費増が起つて来る。こういうことは私は間違いないと思うのでありまして、従つてその分だけ私は外国から入れませんと、やはり人間の口へ入る米麦の必要な数量に達しないということになるわけでありまして、これは私は数量の多寡はあえて申しませんけれども、そういう方向になることは私はこれは当然だと思います。一つその辺は或いは安孫子長官の御答弁も併せてお願いしたいと思います。
  11. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 今非常にいろいろなところに関係して来る問題だから、私も断言と申しますか確信を持つてお答えができないのでありますが、潜在需要顯在化することになる、それから又現在統制下でありますから、新規需要ということが大つぴらになつておりませんのでこれが抑えられておる。それが自由になれば、それが大つぴらにやれますために、その方面消費増というものはこれは出て参ると思う。その数量お話よう幾らであるかという算定はなかなか困難でありますけれども、その需要増というものはあろうかと思います。それが直ちに国内におきまする二合七勺その他の問題にどう響くかという問題になりますれば、ビールに向いたものがこれは食糧として間接的にも行くという性質のものでもありませんので、こういうものは捨てなければならんのでありますが、そのうちの若干の部分はやはり配給食糧という形ではありませんけれども、別途の形においての食糧になるものもあろうかと思います。  それからもう一つ販売に対する一つ見方でございますけれども、現在供出制度で以てやつておりますけれども、これを自由にした場合に現在でも麦等については、補正を受けました農家が非常に苦しんでおりますけれども、一面相当増産いたした農家も、奨励金が少い、或いはいろいろとその翌年の考慮等からなかなか出ない、販売網に乗つて来ないという性質のものも若干あるかと思います。そういうものが自由でありますれば出て参るということで、国内における販売高という方面にも自由にいたしますれば影響が出て参りますので、その差引をいたしましてどの程度ネツト需要増というものが出て来るかという計算になりますと、非常に複雑であります。それは申上げませんがお話よう新規需要増というものは確かにあろうかと思います。併し一面販売高が殖えるということも考えられます。その差引いろいろな関係からネツト輸入増というものが幾らになるかということについては、お答えいたしかねますけれども、厳格な統制をやつておりました時よりも、自由にいたしますればそこに相当含みのある輸入要請というようなものを考慮しなければならないかと思います。
  12. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 安孫子長官答弁ですが、大体の方向としては了承いたしました。とにかく全然輸入数量が殖えないという考え方で私は統制を外すということは、極めて私は考え方が杜撰だと思うのであります。これは是非一つ愼重にお考えを願いたいと思います。  もう一つ関連的な事項で御質問いたしたいのは、十一月から米だけで大体一合五勺の配給になる、こういうことになつて参りますると、農家といいましても米を作つておらん農家相当あるわけであります。或いは麦なり、いもだけを作つておる、麦といもで大体の農業経営をやつておる地方相当あるのであります。そういう農家につきましては、いも自由販売である、麦も自由販売である、要するにこれは自分の食糧に充当するものを全部これは売つてもよろしいということになるわけであります。そうなつて行きますると、今言つたような麦なりいも農業生産をやつておる農家につきましては、その農家からやはり国民としてひとしく一合五勺の配給を欲しいと言つて来た場合に、私はこれを拒否することはできないのではないかと思うのでありますが、そうなつて来ると、これは農林省に相当精細な調査があると思うのでありまして、麦又はいもだけでやつておる九州なり四国のそういう農家相当あるわけでありまして、そうしますると、米のみの配給の場合には麦作農家いもを作つておる農家に対しての新らしい配給が当然私はここに出て来ると思うのであります。それは当然配給すべきものと考えまするが、それに対するお考えと、それからこれは大体私は数字は出ると思うのでありまして、そういう農家の数がわかつておりまするから、全体で配給に要する新らしい増加がどのくらいかということは見当が付くと思うのであります。それにつきましての政府側のお考えを承わりたいと思います。
  13. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 今のお話の点は、雑穀單作或い麦單作農家に対しまして、米について交換の形式で以て順次最近は米もやるというような形で処置して来ておりますけれども全面的ではございません。これが麦を外しますれば全面的にその問題を考えなければいかんと存じます。大体どれくらいの数量になりますかは只今資料を持つておりませんので、この次の機会に御説明いたします。
  14. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それから米だけで一合五勺にした場合に、例えば東北なり北陸よう單作地帶におりまする消費者のことを頭に浮べて考えて見ますると、一合五勺だけの配給では到底やつて行けんことは明瞭であります。而も今まではさような事態は、雑穀なり麦の販売なり、或いは消費という例は非常に私は少いと思うのであります。そうなると一合五勺で足らざるものは私は附近の農村から闇で米を買うということが相当出て来ると思いますが、これはやはりめぐつて米そのもの供出にも相当影響が出て来る、こういうふうに考えるのでありまして、そこに一つの、米だけは統制を続けるというわけでありまするが、そこにやはりこれをみずから自殺的な、附近闇買いを助長するというような私は傾向を見なければならんと思うのでありますが、その点はどういうふうにお考えになつておりますか。  それから十一月からでありまするから、その間に準備はできるかも知れませんが、東北北陸地方には、小麦粉などの配給、そういう商取引の慣行も非常に少いと思うのであります。そうなつて見ますると、関東以西でできました麦製品が円滑に向うへ流れませんと、特に今言つたよう闇買いを助長するというふうに考えられますが、この辺につきましてどういうお考えを持つておられまするか、御答弁を願います。
  15. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 一合五勺と俗に言つておりますけれども、これは全国平均しての話でありまして、御承知ように現在でも保有高に占める米の割合というものは各府県別に違つております。相当傾斜はこれは月によつて違うかと思つております。それから麦を外した場合に、米の供出等相当影響あるのじやなかろうかというお尋ねでありますが、その点は影響がないとは申上げられないと思います。統制をやつて参る過程におきましても、当初は米だけをやりましたがそれだけで行かないのであつて、順次麦或いは雑穀その他にまで及んだ過程を逆に振返つて見ますとその間にやはり相当関連性がありまするので、全然米の供出に麦の解除影響なしと言うことは、これは申上げられないと思います。  それから東北或いは北陸方面に対する麦の流通の問題につきましては、若干時間もあることでありますから、その間に相当円滑な流通機構ができまするようにやつて参りたい、かよう考えております。
  16. 小林孝平

    小林孝平君 麦を自由にすることは、農家立場から又消費者立場から必ずしも有利にならないということは、しばしばこの委員会でも私たちは申し上げておつたのでありまするけれども、もう一点麦の統制撤廃ということは製粉精麦中小工業を非常に圧迫するという点から、私たち一つ政府お尋ねをいたしたいと思うのであります。それは製粉精麦は現在政府の委託を受けまして加工しておるのでありまするけれども、現在の工場能力終戰後の急速に製粉精麦をやらなければならないという必要のために非常に必要以上にその能力がふくれている。製粉につきましては必要量より二倍、精麦については三倍近くの能力が殖えておると考えられるのでありますが、現在大工場においては三、四〇%しか操業をやつておらない。その能力に比較して三〇乃至四〇%しか動いておらない、こういうことになつておるのでありまするが、これは統制解除になりますると、こういうような大工場はフルに運転する必要上から大量な買占めが行われまして、大資本の影響のため中小企業は圧倒されるということになるだろうと思うのであります。この必要以上に製粉精麦工場能率がふくれたということは、全く政府が当時の食糧事情影響を受けまして、政府責任にあいてこういうような必要以上に能力をふくらしたということになるのでありますから、私はこの統制解除の結果大工場に圧倒されて中小工業が潰れる。これは要するところ政府責任において解決しなければならない問題であろうと思うのであります。この麦の統制解除されまするならば、製粉精麦工場は激烈なる淘汰が行われるであろうと思うのであります。政府は現在までこの工場を整理するの処置をとらなかつたのは、企業整備のために資金が必要であるとか、或いはいろいろのむずかしい問題があるから現在放任されてあるのだろうと思いまして、それを單に麦の統制撤廃ということで、何ら中小企業に補償しないでこれらをその犠牲のために潰してしまうということは、甚だ許しがたいところであろうと思うのであります。従つて現在政府は、この中小企業が麦の統制緩和のために、撤廃のために潰れるのをどういうふうにこれを救済し補償しようとされておるのか、そのお考えを承わりたいと思うのであります。
  17. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 製粉精麦等加工工場に対して、撤廃をいたしたときの補償措置考えておるかどうかというお尋ねば、国といたしましては補償措置ということは考えておりません。これは非常にむずかしい問題でありまして、三〇%の操業率というお話がありましたが、一面消費者価格を引下げるという建前からいうと中間経費を成るべく節約する、それの一つの方法としては加工賃等を減らすべきだと思う。併しそれが只今お話のありましたよう中小商工業の問題もありますから、比較的政府といたしては均霑した作業形態をとつておる、そのために操業率が三〇%であるがこれはコスト高になるのであります。消費者価格を引下げる観点を完遂いたしまするならば、集中生産をやりましてフル運転をやらしてコストを下げるということが最も正しい行き方だと思います。そこは全般の情勢から調整をとつて今までやつて来ておるわけであります。それが統制撤廃なつた場合に、相当キヤパシテイとしてはオーバしておりますので淘汰が行われるかと思います。併しこれは只今お話よう軒並にばたばた行つてしまう、大製粉工場だけが残るという形は出て参らないと存じております。大製粉工場といえどもそれほどの資力も私どもの見るところではございません。又小さい製粉工場等はそれとしてのやはり特徴も持つておりますからそれが軒並に行つてしまうという形は出て参らないかと思います。若干私ども気を使つておりまするのは、中型工場が一体どういう方向に行くだろうかという点については愼重考慮はいたしておりますけれども只今お話ように国家でこれを補償するというようなことは考えておりません。
  18. 小林孝平

    小林孝平君 この麦の統制撤廃の結果、中小企業を非常に圧迫するという点については只今長官お話になりました点について私たちまだ十分納得できないのでございまするけれども、これはその程度にいたしまして、もう一つ、この統制撤廃の結果今のよう関係もありますし又はかの関係もありまして、加工業者配給業者相当投機をいたしまして、価格相当騰貴する傾向にあるだろうと思うのであります。現に雑穀統制撤廃後すでに三倍乃至五倍の値上げをしている、而も農家の手取りというものは全然殖えておらない。こういうように麦の統制撤廃後は投機傾向が非常に顯著に現われて、特に最近の糸へん或いは金へんの連中が麦のスペキユレーシヨンをやろうとして待機しておる。こういうよう情勢にあるのでありますが、これに対してこの投機スペキユレーシヨンの結果価格が暴騰する、これに対してどういう防止策をお考えになつておるか承わりたいと思います。
  19. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 雑穀等についての例から、麦の統制撤廃いたしますと、雑穀価格に現われましたような非常な暴騰が行われるのじやないかという御懸念は、私どもはさようには考えておりませんのでございます。雑穀統制解除前後においてああいう相場が出ましたけれども、これはいろいろな思惑が解消したことが大きな原因であります。麦についてどうかと申しますとこれは外麦が半分以上でありまして、これは政府が全部握つておるわけであります。これを或る価格で放出するという牽制がありますれば思惑をするにも思惑のしようがないのじやないか、又御承知ように麦はそう貯蔵性のありますものではございませんし、手持をいたしておりますれば自然に品痛みも来る性質のものであります。こういうものを大量に政府が別個のストツクを以てそれでコントロールする体制をとつておる環境下におきまして、そう大きなスペキユレーシヨンというものは私はあり得ないというふうに考えております。
  20. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつとお断りしておきますが、食糧庁長官が衆議院の都合で中座するそうでありますけれどもその間立川企画課長がおられますので御了承願います。なお私からお願いして置きますが、政務次官もおられることでありますけれども、この法案審議に入つてから農林大臣、再三の出席を要求してもお見えがないようでありますが、これは審議を進める上に非常に影響がありますので、こちらから出席要求があつたときはできる限り出席されるよう御配慮願います。(「議事連行」と呼ぶ者あり)
  21. 江田三郎

    ○江田三郎君 今日農林大臣、大蔵大臣の出席を要求しておられるのであるか。おられるとすればその後の経過はどうなつておりますか。
  22. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 私からお答えいたします。要求しております。農林大臣は今探しているけれども行方がわからない、大蔵大臣も出席を督促しております。
  23. 小林孝平

    小林孝平君 政務次官お尋ねいたしますが、麦の統制解除されるというのは非常に食糧事情が好転したということで解除されるのであります。政府はそういうふうに御説明になつておりますが、この食糧買上手続の法律案を見ますと、昨日も申上げたように今まで決議機関であつたのが諮問機関になつておる。又この食糧管理法の一部を改正する法律案の末尾を見ましたところ、麦の供出をしないことに対する罰則が、従来米麦ともに三年、三万円になつてつたのが麦は急に二万円以下の罰金というふうに変つておるのであります。こういう点から私は考えまして、本日の衆議院に積雪寒冷單作地帯の法律が成立したのでありまするけれども政府のいろいろな施策というものが非常にこの積雪寒冷單作地帶農家に対して不利のようないろいろの施策が行われておるという感じを深くしておるのであります。私はこのことがわかりましたら單作地帶農家というものは非常に不安、失望するだろうと思うのでありまして、従来も非常に食糧事情が緩和したならば、麦を二万円にするなら米についても三年、三万円というのを直ちにこの麦と同様に二万円にして頂きたい、こういうふうに思うのであります。これははつきりと政務次官からそれができるかどうか御返事を頂きたいと思います。
  24. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 統制に対する罰則は成るべく軽くするという考え方は同感でありまするが、米については従来の考え方と申しまするか、従来の方針を大体踏襲することになつておりますのでそのまま踏襲し、麦については本委員会等の御希望の点もありましたのでその御希望の点を取入れまして罰則を軽くいたしたような次第であります。
  25. 小林孝平

    小林孝平君 單に従来の方針を踏襲するというお話でございまするけれども、従来の方針を踏襲して下さいと希望したわけではないのでありまして、麦についても軽くしてくれということをこの委員会で話があつて直ちに二万円以下になつた。従つて米についても従来から一口に米麦と、こういうことになつておるのですから、三年、三万円を二万円にして頂きたい、しなければならん、こういうふうに我々は考えておるのであります。この麦の統制を緩和撤廃されますと、これはいろいろの見方もありまするけれども、麦は非常に不作であるということになりますと勢い米の供出が強化される。こういうことになつて米作單作地帶農家に対する重圧は一層加わる。こういうふうなことで非常に全国の供出量の四〇%を供出しておる單作地帶は不安に考えておるのに、更にここに突如米と麦との罰則が非常に甚しく均衡を失しておる、こういう事実を見たら供出に対する意欲というものは全然なくなるであろうと私は考えるので、是非これは簡單に従来通りということでなくて、愼重に御研究下さることをお願いいたしたいのであります。  それから次に先般、緊急食糧対策実行委員会委員長足鹿覺氏か、農林大臣質問書を提出したのでありまするけれども、それの回答書によりますと、これは正式のものはありませんで、私は「農業復興」に出ております記事から曲尋ねいたすのでありまするけれども外国食糧輸入に関する外貨予算についての質問に対しまして、政府は「四ー六月の外貨予算についても相当額を組むべく努力しているので、外貨資金面からする食糧買付けの不安は全くない」というふうに御答弁になつておりまするけれども、私の聞くところによりますると、この四ー六の外貨予算は現在零に査定されておるのでありまするが、これに対する農林次官のお考え、零になつて食糧輸入に差支えないのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
  26. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 外貨予算がなくなつたというようなことはないと思います。従いまして四—六の買付についても月下交渉を進めておるのであります。そのために支障を来たすというようなことはないと思います。
  27. 小林孝平

    小林孝平君 私は極く最近の、数日前に外貨予算の査定がありました四ー六の食糧輸入の外貨予算は零になつて目下復活要求中であるということを聞いておりまするけれども政務次官はそういうことはないとおつしやるのでありまするけれども、吏に調査をお願いいたす次第でございます。更に同様にこの回答文に万一麦の統制撤廃いたしまして不作の場合はどうするかということでありますが、この問題につきましては、後刻ほかの問題と関連いたしましてお尋ねいたすことにいたしたいと思います。  次に食糧買上げ手続に関する法律案につきましてお尋ねをいたします。同案の第十条に保有米の点があるのでありまするけれども、これは麦の統制撤廃になりますれば、米だけで保有米が決定されることになると思いますが、この法案によりますると、「保有数量を確保して政府買数量を定めなければならない。」こういうふうになつておりまするが、私は麦の統制を緩和し、繰返して申上げるように、食糧事情が非常に好転して麦の統制も緩和する、こういうような状態にあるならばこの保有数量法律で明確に何合何勺というふうに明記されるのが至当であろうと思うのでありまして、單に訓示規定で以てこれを過そうということは非常に安易な考え方であろうと思いまするが、これに対して政務次官のお考えを承わりたいと思います。
  28. 島村軍次

    ○政情委員島村軍次君) 保有量の算定は御承知ように従来食管で取扱つた量から行きますというと、年齢差或いは農家の実際の状況によつて米、麦その他の保有量等の計算で、なかなか計算を一律にこれを現わすということは困難な事情にあつたので、恐らく法律の上に現わさなかつたものだと思うのであります。又こういうような問題を法律そのものに明記すべきかどうかということにも議論の余地があろうと思いますので、従来からさよう方針をとつてつておるので、この際改めて保有量を法律中に明記するという考えは持つておりません。
  29. 小林孝平

    小林孝平君 それは甚だ政務次官考え違いでありまして、保有数量というものははつきりと食管でお定めになるのでありまして、不明確であるから法律に書けないという性質のものではないと思うのであります。それから私は従来は非常に食糧事情が窮屈であるから場合によつては保有数量を割つてまで供出してもらわなければならないということがあるものですから、保有数量を明確に確保するということを法文に書くことは事実上困難であるというので書かれなかつたものであろうと思うのでありまして、このよう政府に私たちが繰返し繰返し食糧事情は大丈夫かという質問をしておるのに対して、絶対大丈夫だ、そういうことはないと言う。農林大臣のごときは本年は麦の供出に対しては強権発動は絶対しないというような楽観をされておる現在では、保有量を單なる訓示規定としてでなく、当然法律の中に明記する必要があろうと思うのであります。又特に私は先ほどの質問でも申上げたように、この麦の統制が緩和されます結果、万一麦が不作である、或いは輸入食糧が十分入つて来ないというとき、單作地帶農家にその供出が重くかかるということを非常に不安に思つてつたのでありまするから、なお更そういう意味からもこの保有数量をはつきりと法律の中に書く必要があると、こういうふうに考えておるのであります。
  30. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 途中ですがちよつとお諮りいたしますけれども、今の連絡によりますというと農林大臣は本日はこの委員会には出ないと言つて自宅に帰られたそうであります。大蔵大臣は外相官邸方面へ行かれてこれ又不在でありますので、先に申上げた農協再建整備並びに農業共済組合の損失の補填の件は両大臣がいなければ意味のないことになりますので、なお両大臣がいなくともこのまま質問を続行されますかどうかお諮りいたします。
  31. 江田三郎

    ○江田三郎君 今のよう大臣が誠意のないことでは審議を継続したところで意味がないと思うのでありまして、殊に先ほど委員長が言われたところの農協の再建整備、共済組合の不足金の問題につきましてはこれは緊急を要することでありまして、而もこの問題につきましては前回両大臣が出席された時に相当はつきりとした確約をなさつておる。それが今なおはつきりしない。そこに我々としましては大臣の政治的な責任を問わなければならんような段階に来ておると思うのでありまして、そういうように問題がはつきり明示されておるのに委員会を放つて置いて自宅へ帰るとか、或いは前以て連絡しないで他の方へ出て行くというような、そういう大臣の誠意のないことでは法案審議をしたつて仕方がないと思うので、本日はこれで散会して頂きたいと思います。
  32. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 農林政務次官から発言を求められました。
  33. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 農協再建の問題と災害補償の問題については大体私も経過を存じておりますし、関係者が出ておりますので今日までの段階で一応説明を申上げましてそしてなお不十分であれば大臣の出席をお求めを願うようにお取計らい願いたい。従いまして農協再建整備の問題と今までの経過を申上げる大体段階に達しておりますので、経過を御報告申上げたいと思います。さようにお諮りを願いたいと思います。
  34. 飯島連次郎

    ○飯島連次郎君 只今の二つの案件に関してはこの前の農林委員会において両大臣にはちやんと予約もしてあつた問題でありますから、而も本日の委員会に先立つて出席を要求して確約をしておつたのにもかかわらず一体自邸に帰るというのは何事だ。私は審議を打切る前に両大臣に向つてどういう理由で一体帰つたか、何時間、或いは何分後にはここに来れるのか、それを確認してから本日の委員会を打切るか、それとも所管の部課長のかたがたに聞くか、そのあとにして頂きたいと思います。
  35. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは事務当局からなお重ねて両大臣に連絡をしまして、暫らくの時間のあとなお連絡がない場合には審議を打切ることにしましてその間審議を続けることにしたいと思います。
  36. 江田三郎

    ○江田三郎君 それはいつ頃結果がわかるのですか。
  37. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 政務次官お話はよくわかりました。時間にしてもう十五分ぐらいして連絡が付くと思いますのでそれまでお待ち願います。
  38. 小林孝平

    小林孝平君 いや、委員長そうではないんだ。僕がさつき質問した保有米の問題について政務次官お答えを願いたい。
  39. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 前段お答えを申上げて更に御質疑でなく御意見のようでございましたから拜聽をいたしましたので、別に御質疑でなかつたと思います。
  40. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 先ほど質問した問題に関連いたしましてでありまするが、非常にはつきりしたことが、先ほど政務次官から誰が幾ら消費してもかまわないという自由販買、自由消費でありながら、輸入数量には変更がないというような認識で、まあ安孫子長官は或る程度殖えるという見解を以ておられるようでありますが、当然私は殖えると見るのが極めて明白な事実であるわけなんですが、これはまあ次に廣川大臣が参りましたときには一つ質問したいと思うんでありますが、そういうような極めてルーズな認識でこの重大なる食糧統制を外すというようなことは、私は非常に遺憾に思うのであります。この点は一つ重ねて私は政府側に注意をいたしたいと思います。  それから只今小林委員から質問のありました点で私も質問いたしたい点は、米だけを管理する、統制をするという場合に、自家保有量を法律できめるということを私はその必要性は認めておりまするが、実体的にその場合に全国を通じまして米の保有量は同じにいたしまするかどうか。恐らく消費者のほうは平均一合五勺なら一合五勺でこれはもう全部一様になると思いますが、生産者の保有数量を全国を一本にしまするかどうか。或いは適当なる差等をつける御方針でありまするか。これは方針は私はきまつておると思うのでありまするが、その点につきまして一つ政府のお考えをお述べを願いたいと思います。
  41. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 先ほど食糧長官から申上げました通りに、余りに差等を設けることに対しましてはいろいろ議論があろうと思いますが、或る程度の差等は設けるという考え方で進んでおります。
  42. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 その場合にやはり米だけ四合という保有になりまするですね、その点を一つお尋ねをいたします。
  43. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 現在の方針を踏襲いたしまして麦のあるところはやはり麦を加えた計算になると思います。
  44. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうするとさつきの保有量を全国一様にするかどうかということは、非常に相当の段差を付けるということになると結論はなると思いますが、ですから米麦を両方とも管理しておつて、それを保有量を残して供出をするということがあればこれは米麦でとにかく四合になりまするから、質的な問題はありましようけれども、とにかく量的には四合というものが均等に行くわけでありますが、麦はもう自由に販売してもよろしいとこういうことになつた場合、差等をつけるということは私はやはり納得が行かないと思うのでありますが如何でありますか。
  45. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 例えば新潟あたりのよう單作地帶と麦を作つておる地方との問題は、やはりある程度差等をつけることが適当であると、かよう考え方で進みたいと思つております。
  46. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それはちよつと私は理解できないのですがね。米麦を両方とも管理しておればですよ。これは先ほど言つたような質の問題があります、現在ででも。ですから米麦の保有率の問題、へでもあると思いますが、併しながらとにかく自由にすればそれは勝手に売つてもよろしい、全部売つてもよろしいわけであります。それにもかかわらず地域的な差等を付けるという点はどうも私はやはり不公平になると思うのですがね。
  47. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 便宜私からお許し願つて、これはいろいろ考え方はあろうと存じますが、麦が自由になりましても米麦二毛作地帶はともかく麦を作つて、米の單作地帯は米しか作らんという農業状態です。そこで現在でも單作地帯と二毛作地帶とそういうところは米の保有の仕方について差等を付けております。この農家食糧状態は変らないと、こういう前提でその間に差等を付けた、その米の保有率というのは現在と変らない。大体、米の單作地帶は四合米で持ちますし、それ以外に四合切れるとその他に麦なりいもなりあるからそれで十分賄える。現在の農家食糧の状態を変えないというのがよろしいのではないかと、それが却つて全国一律に米麦両方作つておるところにおきまして一本の米の使用量にいたしますということは、却つて御意見が先ほどありましたが、米の單作地帶が不利益を蒙むるというようなことになるのではないかというようないろいろなことも考えておるのであります。
  48. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 これはいろいろ議論になると思いますが、ですから私は米と麦を同じ歩調で一定の保有量を残してあとは全部政府に出すということでとにかく他には売れないわけですね、現在の管理制度で行きますと。そうしますと米麦を合して四合ということを説明はつくと思うのであります。麦は外してしまつて全部売つてもかまわないから、その場合にはそれは四合と米の保有量との差額は麦で食べなさいということは、自由販売にともかく勝手にしてもよろしいという方向とは少くとも矛盾をするのじやないか。勿論私は実体的には別の議論から或る程度の段差をつけるという意見は立ち得ると思うのであります。ともかく勝手にしろということで段差をつけるということは説明としては私は行きたくないと思うのであります。議論になりますからむしろ別な論拠が出て然るべきだと思います。一応私はそれは打切ります。
  49. 江田三郎

    ○江田三郎君 それは打切らんでやつてもらいたいと思います。二毛作地帶というようなことを言われたところで、例えば二毛作地帶といつた所で藺草を作つておるといつたような所もある。そういつたような場合に藺草ばかりを作つて麦を作らんということもあり得るのであります。二毛作だからそういうところは米ばかり保有できないということはおかしいのであります。今片柳さんが言われましたように麦を自由にすると言いながら農民の消費生活においては麦を統制するという結論になるのです、あなたの議論ですと。そういうような論理上一貫しないようなことは駄目です、もう少しはつきりやつてもらわないと。これは打切つてはいかん。(笑声)
  50. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) どうも説明員の分際で議論に亘ることを申上げるのは非常に工合が惡いのでありますが、一応私ども考え方だけ申上げさして頂きます。これは麦の自由販売ということになりますが、それは麦の自由販売というのは自分の家に全然麦を残さないで売つちまうということを前提にする、すべてを一〇〇%商品化する自由販売という工合には心得ておらないのでございます。そこでそれは現在の農家の食生活の状態というものは必ずしも麦の統制解除によつて現在と著しく変ることを予想するということは必要はないのではないか。これはちようど鳥の双翼のようなものでありまして、配給の方につきましても一合五勺の米の配給を十月以降も続ける、その場合にも現在の米食率というものを全国的な段差のあるかつこうに残すということと丁度同じように、農家の米の保有率というものは現在と同じような段差の状態のまま続けて置いていいのではないかそれが、非常に自然のかつこうではないか、かよう考えておるのであります。
  51. 江田三郎

    ○江田三郎君 これはもうこれ以上言いませんがあとでよく速記録を読んで冷静な頭で論理的に自分で検討してもらいたいと思う。そうしたら違つた答えが出るだろうと思いますから、そういう意味で打切るのではない、速記録を読んでもらうということでちよつと休む。  そこでついでに政務次官にお伺いするのですが、先ほど四月乃至六月の輸入食糧の外貨予算については何の変更もないということでありましたがその通りであるのか。若しそうであるならば一体四月から六月の食糧輸入の外貨予算は幾らにきまつたかということをはつきりしてもらいたい。
  52. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 打切られたというよう意味が新聞へ出たことは私も承わつております。その後調べて見まするとその根拠ははつきりいたしておりません。従つてようなことは政府自身ではまだ存じておりません。さような事情であります。
  53. 江田三郎

    ○江田三郎君 政府自身がはつきり存じていないというのは打切られたのか打切らないのかはつきりわからんということなんですか、どういうことなんですか。こんなことを政府が知らんというのはおかしな話だと思う。
  54. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 新聞で出たことを直ちに事実として取上けることはどうかということを申上げておるのであつて、私どものほうではまだそれの情報を得ておりません。
  55. 江田三郎

    ○江田三郎君 承わると先ほど小林委員質問に対して外貨予算は打切られたことはないと言つた答弁は、少し答弁が過ぎたことになるわけです。まだどういう工合になるかわからんという、ペンヂングな状態、こういうことなんですか。
  56. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 現在のところは小林さんにお答え申上げた通りであります。
  57. 江田三郎

    ○江田三郎君 だからもう少しはつきりして頂きたいと思う。まだきまつていないということなのですか、ということであります。
  58. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 現在のところありません。外貨予算を打切られるということはありません。
  59. 江田三郎

    ○江田三郎君 若しこの四ー六月の外貨予算が打切られるようなこと、或いは政府の最初の予定より変更するというようなことがあつた場合に、この食糧の需給関係に及ぼす影響はどういうことになりますか。
  60. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) さようなことは予想いたしておりません。
  61. 江田三郎

    ○江田三郎君 予想じやない。そういうことがあつたらどういう影響があるかということなんです。仮に外貨予算がゼロになつた場合にはどういう影響があるかということなんです。
  62. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) それはその通りに考えたらいい問題だと思います。
  63. 江田三郎

    ○江田三郎君 そういうようなことを言うから我々は食糧問題について非常な不安を持つのですよ、そういう答弁がその場でちやらんぽらんで過ぎるかも知れんけれども、そういう答弁が重なつて来て我々が食糧問題について不安を持つて、参議院の農林委員会として申入をしなければならんという事態になるのじやありませんか。もつとはつきりそういうことができませんか。  更にもう一つ附加えて伺います。来年度の七月以降のガリオアにおいて、食糧輸入に廻し得るものがどのくらい予想しておられるか、その点をはつきりしてもらいたい。
  64. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 前段の問題については只今申上げた通りでありまして、将来御心配を頂く点に対しては我々も十分調査も進め、而うしてこれに対する対策も講じなければならんと思いますが、今そのお話ようなことを前提として我々は政策を立てておるわけじやありませんので、それは意見の相違でありますからさように御承知を願いたいと思います。  それからあとのガリオアの問題もたびたび申上げておる意見の範囲において調査した、或いは又こちらのほうでガリオアなり或いはコンマーシアルの割合というものについては多少の変更はありましようとも、それは差支えないという前提の下にお話を申上げておるわけであります。
  65. 江田三郎

    ○江田三郎君 今の答弁消費者が聞きましたら私は非常にとれ以上不安がるのじやないかと思います。廣川農林大臣政務次官として学ばれる点もたくさんあろうと思いますが、廣川さんのようなちやらんぽらんだけは一つ学ばれんようにして頂きたい。、
  66. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私も今江田さんの御質問関連いたしまして、七月以降のガリオア資金の問題でありますが、私が得ました、これはまあはつきりしないかも知れませんが、私が最近キヤツチしました情報では、七月以降のガリオアは先ず見込がないという私は情報を得ておりますが、果してそういうような情報といいますか、大体の内示が政府側に伝わつておりまするかどうか。それが第一点です。  もう一つはこれも最近来朝しましたアメリカのアンドリユウスという人ですか、このお方の記者会見で、要するに食糧は東南アジアの外米地帶等からできるだけ買いなさいということで、アメリカが食糧の輸入について積極的に協力をするよりも何か南方地域との関係でやつたほうがよろしい、これは勿論外貨の点等からそういう意見も出ると思いますが、これあたりを見て参りますとやはり相当アメリカあたりでは日本向けの輸出については、相当のやはり私は消極的な態度が出ているのではないかということを実はひそかに心配しておるわけです。これも最近私が或る従来の昵懇の関係でいろいろ話合つて見ますると、日本では勝手に今年の麦の統制を外して自由勝手たるべし、その日本がアメリカへ来ては食糧の輸出については、優先的に日本に対して割当をして欲しい、そういう要求は絶対に通らない。これは私は、まさしくそうと思うのでありますけれども政府がアメリカに対して食糧の日本向けの輸出に対して優先順位を与えてほしいというお考えを持つておると思いますが、それを具体的にどの程度進めておられますか。又その矢先に国内の麦はこれから先八百八十万石の買入がむずかしいというようなことになりますると、その関係に非常な私は惡影響があると思うのでありますが、これはまあ農林大臣に私はむしろ御質問をいたしたいと思いますけれども、この問題について本省のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  67. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 食糧の問題に関連をもちまして、当初からさような御心配のあることに対しましては我我も常に注意を怠らないつもりでおりまするが、時あたかも先般見えました、只今御指摘のかたの新聞へ出たこともよく拝見をいたしておるのでありますが、併しこの情勢がどういうふうな御意見であつたか、或いは又新聞紙上のが果してさような意見であつたかどうかというような問題については、政府では研究を進めておりますが、それは受取つておりませんので、只今お尋ねの点については具体的にこの際申上げる材料の持合せがありません。
  68. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 今一つ。私日本で統制を外してアメリカに対しては食糧をできるだけ日本に供給して欲しいというのは辻褄が合わんというふうに考えますが、その点のお答えを承わりたい。日本では麦の統制を外して自由勝手にして置いて、アメリカ等に対しては、必要量は是非一つ日本に輸入をして欲しいというのは向うに筋は通らんことだと思いまするが、この点をどう考えますか。
  69. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) たびたび申上げまする通りに、現在の需給情勢の上に立つて考えた結果が、先の三相会談として今日までその方針を踏襲するということでありまして、従いまして、輸入は現在やつて、輸入しておる数量については十分確保ができる予定であります。従つてその輸入の確保ができれば、政府がやらんとしておりまする麦の統制撤廃は需給上差支えないという結論から出ておるのでありまして、それ以上の問題になりますとこれは議論になると思いますので。
  70. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 今からこの国会で麦の統制を外してしまうという態度を決定すれば、今後の輸入確保に私は相当のマイナスになり、問題が起きやせんか、日本では食糧を勝手に自由にして置いてそうして日本で欲しい食糧はアメリカから優先的に供給して欲しいということは、これは少くともいい影響はないと思うのであつて、ですから輸入確保にむしろ惡い影響相当出て来るのじやないかということを申上げたわけであります。併しこれは別途農林大臣にその点は質問いたしたいと思いますからこれ以上はいたしませんが。  それからもう一つ統制問題で私が最近聞きました事項で非常にやはり首尾一貫せんという問題に感じましたのは、今国会では皆さん方から麦の統制撤廃の可否について眞剣な論議をしておりますが、それに対して政府は既定方針に変りはないということを毎回答弁されておりまするが、併しこのさなかに実は麦の副産物である麹でありまするとか、糠の発生工場に対して価格を抑えておるわけです。これは物価庁か、食糧庁で行なつたのだと思いますが、とにかく片方では麦の統制を外すと言いながら麦の副産物である飼料向き等になつておりまするが、糠の価格をこれ以上に売つてはなりませんという行政措置をとつておる。行政措置といいますけれども原料全部政府が握つておりまするからこれぐらい実はぎつい統制はないわけであつて、而もその統制は糠なり麹を作つておる製粉工場等だけであつて、それから先の転売した過程は一切抑えておらないわけです。こういうことも私は肝腎の麦そのものは外すと言いながらその副産物である米糠なり、麹を、この三月から実際上行政措置ではありまするが、併し強力な統制を始めたということは、やつぱり私は首尾一貫せん、ここに私は証拠があると思います。私も何も他意あつて言うわけでは全然ないわけであつて、どうも到る所に政府のがつちりした方針がないというふうに私はどうも見えてならないのであります。これは私の意見でありまするから、あえて答弁要求いたしませんけれども、とにかく国会で麦の統制を外すと言いながら片方では副産物の価格統制に着手しておるということは、少くとも国会の答弁だけであつてむしろ何か我々が侮辱されたよう感じさえ感ずるのであつて甚だ実は遺憾に思うわけであります。これはあえて答弁を私は要求しませんがともかく首尾一貫せんということは随所に私は出ておると思います。重ねて一つ意見として申上げます。
  71. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 麹の問題に対する考え方はちよつと誤解があつてはいけませんので私から申上げて置きたいと思います。御承知の通り、最近の飼料事情が非常に逼迫して参りましたので、そこで政府の買上げた「とうもろこし」を主体として流して行くその一つの方法として麦、麹等の問題も取上げたわけであります。ところがこれは買入れたものを、普通の筋で行きますれば、入札に付して時価によつてやる、併しその時価は必ずしも飼料用としての場合には適当な価格でない。市場におきましては、むしろ思惑その他があつて一時品不足で釣り上げたということは、これは御承知の通りであります。そういうような問題をこの際成るべく紐付きである麹の生産者によく話をいたしまして、指示価格を作つてそうして農家或いは需要者のほうへ、成るべく安く売つてもらうというよう考え方からとつた政策でありまして、別にこの麦の統制問題とは直接の関係のないことを御承知を願いたいと思います。
  72. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 又これ以上言いませんが非常に関連があると思うのです。肝腎の麦の統制を外すと言つて副産物の麦糠なり麹を統制する、これはまさしく今の答弁では了解できないのであつて、これ以上私は質問しません。
  73. 江田三郎

    ○江田三郎君 ついでに政務次官に答えてもらつて下さい。麦の統制撤廃して、麹だけの統制を残すか、そのくらいの答弁をせられたほうがいいじやないか。
  74. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) これは当然のことでありまして、そうからかつたような御議論や質問をされぬことを希望いたします。
  75. 江田三郎

    ○江田三郎君 あなたの答弁が人を馬鹿にしておる。からかつたというようなことを言われるなら、先ほど来の答弁を取消して下さい。何ですか、先ほど来の答弁は、どうなつておるかわからん、どうなつておるかわからんというようなことばつかりで、それで済みますか。からかつたよう答弁はやめてもらいたい。こつちから言つて置きます。
  76. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 先ほどのお話で、両大臣の行方を探してから三十分になりますが、遂に連絡は遺憾ながらつきませんので。
  77. 江田三郎

    ○江田三郎君 先ほど申しましたように、共済組合の不足命の問題と、再建整備の問題はこれは緊急を要する問題でありまして、而も前回関係大臣から本委員会におきまして相当きつぱりとしたお約束をなすつたのに、まだできていないという状態であります。この問題は何としましても早急に両大臣からもつとはつきりとしたお答えを受けなければならんということになつておりますので、これはただ本委員会で言うだけでなしに、この問題について共済組合の末端、或いは農協の末端における不安というものは何とかして一日も早く解消してやらなければならん問題でありますから、改めて月曜に両大臣に出席されるよう委員長のほうから議長に成規な手続をとつて出席を要求して頂きたいと思います。
  78. 飯島連次郎

    ○飯島連次郎君 今の問題についてこれは私も実は非常に急を要しておるだけに、瞬間は多少遷延しても是非今日やりたいと思つておるのですが、未だに行方がわからんということであれば我々の時間でもそういつまで便々として空しうすることはできませんので、政務次官もおいででありますから私もこの以上の二つの案件に関してはできる限り月曜日に要求したいと思うのであります。先般の農林委員会において大蔵大臣は三月中にはこの農協再建整備の問題については処理をする。こういうことを明確に答えられておりますから、恐らく本日大蔵大臣農林大臣がそのことを忘れておられるとは考えないので、明確にここで回答をするのには若干時間に又不足を感じておられるために善意に出られないと私は解したいのであります。よつて委員長を通じて特に政務次官には遅くとも来週の月曜日までには、三月中に必ず農協再建整備に関しては関係筋とも了解を得て、完全にこの法律案をこの国会に提出する段取りができたということをここで両大臣お揃いの上で確約できるように善処方を一つお願いして置きたい、こう思います。
  79. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 今御意見の出ておるように、両大臣で出て聞かしてもらうことが必要でありますが、今日まだ時間も大分早いですから大体の経過を政務次官が見えているのであるから聞いたほうがいいのじやないかと思います。
  80. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 白波瀬さんの今御動議がありましたが、それをお諮りする前に、先ほど江田さんからお話があつた、大蔵、農林両大臣を成規の手続によつて来週月曜に要求するということを本委員会の申合せとしてきめて頂かないというと、議長のほうへ申し伝えることができませんので、それはさように決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ではさよう決定いたします。本日なおこのあと審議を継続してはという白波瀬さんの御動議があつたわけです。お諮りいたします。(「散会、散会と呼ぶ者あり」)まだ先ほど両大臣の出席を求めるごとについては農協再建の整備と、農業共済組合連合会の事業不足金の問題、それだけで両大臣要求されたように解釈されておる面もあるかとも思いますが、私はそれ以外の農業委員会並びに供出関係の手続法との関連において、先ほど来片柳委員その他の各委員から御質疑のあつた食糧問題の将来の帰趨に関して、やはり大臣から確乎たる答弁を求める意味も含まれておると思いますのでさよう御了承をお願いいたします。  もう一つお諮りいたしたいのでありますが、明日は土曜日でありますけれども、先般来委員会に付託されました農業協同組合法の一部改正法案、なおそのほか急がれておる法律も一、二あるようでありますので、御了解をこの前得ておつたわけでありますが、明日土曜ではありますけれども委員会を開きたいと思いますが如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 午前中だけでございます。
  83. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 説明される池田さんは明日御出席になるんですか。
  84. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 池田さんは本日御出席されませんので明日を待つたわけであります。
  85. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではもう一つお諮りいたしたいことがございます。それは先日当委員会蚕糸対策について政府に申入れたわけでありますが、それに対して若干新らしい情報も入つておりますので、白波瀬さんから御発言があることになつております。
  86. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 先だつて蚕糸業に対しての申入をいたしましたのでありますが、その中の第二項であります。第二項の問題は戰時中の蚕糸統制会社並びに蚕糸協会の清算剰余金の措置の問題でありますが、実はずつと以前から蚕糸協会から価格差益金を七十億六百万円納付することになつてつたのであります。そのうち今未納になつている分は十五億五千万、その十五億五千万というものを是非蚕糸の対策の基金として当ててもらいたいということは、これは衆議院のほうからも申入れをしておつたのであります。ところが、それは閉鎖機関の関係のアンチトラストを担当しているウオール氏がどうしてもそれは至急に納入しなければいかん、こういうようなことが頻りにやかましう言われておつたので、それでそのうち五億だけは政府のほうとして大体本年度中に必要だ、あと十億はそれは少し延ばしてもいい、こういうようなことであつたのでありますが、併しながら最近になつてどうしても至急に納めろというような通知が参つているので、結局それに適当する金を蚕糸の適当な対策ができたときには予算上考慮するということを閣議で大体きめてもらつたわけであります。それでありますから、それと併行してかねて申入れしておつた蚕糸協会の十二億八千万、それから蚕糸統制会社の一億、これのうちこれを全部いわゆる指定寄附につまりしよう、こういうことが大体大蔵省のほうの了解も得られまして、残る問題はいわゆるOKを取る段取に実はなつているのであります。それまでの順序は全部済みました。そうして今日午後四時頃にはそれの英文にしたのが全部揃うことになつている。ところが今日までの二カ年に亘つて業者から何回も何回もこうした問題を糸価安定という名がついておつたわけでありますが、ともかくもこうした問題を司令部に持込んでおりました、ところがいずれもこれは容認されない、それで業者からまあ行つたんでは到底見込がないということで、結局この衆参両院の、而も有志ではこれはいかんから結局農林委員会によつていわゆるOKを取ろうじやないかというような段取に実はなつておりますので、衆議院のほうにおいて農林委員会で、できれば本日中には、今日間に合わなければ明日の午前中に申入れをしよう、こういうような段取になつておりますので、それと同じに、参議院の農村委員会としてもこれを申入れてもらいたい、こういうようなところまで実は進んでいる。これが若しや幸いにしてOKが取れれば約三十億に近い蚕糸に対する一つの基金ができるわけであります。是非一つ皆さん方にこれをお諮りいたしまして、参議院の農林委員会として〇Kが取れるようなふうにお運びを願いたいとお願いするわけです。  それから結局結論的に申しますと十二億八千万という金は製糸、蚕糸輸出、養蚕各団体が元は二千万円を出資しましてそれによつて生れた金なんです。それでその各団体のいわゆる指定寄附の同意書がありますので、その同意書は全部取つたんでありますが、結論的に言うと、そのうち一億だけは差当り、いわゆる海外宣伝費が要るのと、それから又一般養蚕指導に使いたいというようなことで、結局その中のいわゆる税金を払つて残り一億だけは業界のほうではつまり各種団体の共同保管として差当りの使う金を残したい。その残つた金を指定寄附、蚕糸業の対策に対して指導してほしいという指定寄附をお願いするわけなんです。その案文の中には糸価の安定とか或いは糸価対策というようなことを書くと今までの二年に亘る経験からどうしても通らないので、蚕糸振興となつておりますけれども併しそれが通ればいわゆる合せて三十億に近い金で蚕糸の適当なる対策を作ろう。こういう狙いなのでありますから、是非一つ委員会として取扱を願いたいということをお願いいたします。
  87. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつとお諮りいたしますが只今の白波瀬さんのお話の件は根本的には先般の当農林委員会の申入事項の線に沿つているので了解できると思いますが、今度関係筋に交渉するというのが成規の法案の形をとると思いますので、一応それそぞれ会派の了解が要るのではないかと思いますので、今の白波瀬さんのお話に基いてそれぞれ会派の了解を得て最も早い機会に多分結果としては御要望に沿うと思いますが、そういう手続きをとつて委員会の取扱事項としたら如何かと思いますが。
  88. 岩男仁藏

    ○岩男仁藏君 これは別に会派の……
  89. 羽生三七

    委員長羽生三七君) いやところが法案がここで準備できておるのですからこれによつて今……
  90. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 それでは重ねてお願いいたします。衆議院のほうは今日多分午後には向うに届けようと言つておりますからそれとあんまり遅れてはおかしいから、それこそ前後して参議院のほうが早くてもいいのだからということを言われておりますからとにかく至急に一つお願いいたしたいと思います。
  91. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと白波瀬さんにお尋ねいたしますが、両院から法案を出すということはないと思いますが、衆議院先議で衆議院議員立法になると思いますが参議院はそれに呼応して申入に援助するということでよければ……。
  92. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 結局そういうことになるとそれは大体衆議院が先議になるだろうと思います。衆議院のほうで扱うようなことになつているらしいのです。
  93. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 如何でございましよう。衆議院のほうでその法案に基いて関係筋に折衝に参つたら、同時に参議院もこちらから援助するという形で参つたら如何でございましよう
  94. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 同時なんですか。
  95. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 同時でも、又時間的に多少ズレがあつてもかまわんと思いますが同時に両院から出るというのはどうでしよう
  96. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 そういう意味で結構です。
  97. 羽生三七

    委員長羽生三七君) そういうことならいいでしよう。……それではそういうことで御了承願います。  それでは本日はこの程度で散会したいと思います。    午後三時四十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            片柳 眞吉君            岩男 仁藏君            岡村文四郎君    委員            白波瀬米吉君            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            小林 孝平君            三橋八次郎君            三輪 貞治君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            三浦 辰雄君   政府委員    農林政務次官  島村 軍次君    農林省農政局長 藤田  巖君    食糧庁長官   安孫子藤吉君   事務局側    常任委員会專門    員       安樂城敏男君    常任委員会專門    員       中田 吉雄君   説明員    食糧庁総務部企    画課長     立川 宗保君