○白波瀬米吉君 先だ
つて蚕糸業に対しての申入をいたしましたのでありますが、その中の第二項であります。第二項の問題は戰時中の蚕糸
統制会社並びに蚕糸協会の清算剰余金の措置の問題でありますが、実はずつと以前から蚕糸協会から
価格差益金を七十億六百万円納付することにな
つてお
つたのであります。そのうち今未納にな
つている分は十五億五千万、その十五億五千万というものを是非蚕糸の対策の基金として当ててもらいたいということは、これは衆議院のほうからも申入れをしてお
つたのであります。ところが、それは閉鎖機関の
関係のアンチトラストを担当しているウオール氏がどうしてもそれは至急に納入しなければいかん、こういう
ようなことが頻りにやかましう言われてお
つたので、それでそのうち五億だけは
政府のほうとして大体本年度中に必要だ、あと十億はそれは少し延ばしてもいい、こういう
ようなことであ
つたのでありますが、併しながら最近にな
つてどうしても至急に納めろという
ような通知が参
つているので、結局それに適当する金を蚕糸の適当な対策ができたときには予算上
考慮するということを閣議で大体きめてもら
つたわけであります。それでありますから、それと併行してかねて申入れしてお
つた蚕糸協会の十二億八千万、それから蚕糸
統制会社の一億、これのうちこれを全部いわゆる指定寄附につまりし
よう、こういうことが大体大蔵省のほうの了解も得られまして、残る問題はいわゆるOKを取る段取に実はな
つているのであります。それまでの順序は全部済みました。そうして今日午後四時頃にはそれの英文にしたのが全部揃うことにな
つている。ところが今日までの二カ年に
亘つて業者から何回も何回もこうした問題を糸価安定という名がついてお
つたわけでありますが、ともかくもこうした問題を司令部に持込んでおりました、ところがいずれもこれは容認されない、それで業者からまあ行
つたんでは到底見込がないということで、結局この衆参両院の、而も有志ではこれはいかんから結局農林
委員会によ
つていわゆるOKを取ろうじやないかという
ような段取に実はな
つておりますので、衆議院のほうにおいて農林
委員会で、できれば本日中には、今日間に合わなければ明日の午前中に申入れをし
よう、こういう
ような段取にな
つておりますので、それと同じに、参議院の農村
委員会としてもこれを申入れてもらいたい、こういう
ようなところまで実は進んでいる。これが若しや幸いにしてOKが取れれば約三十億に近い蚕糸に対する
一つの基金ができるわけであります。是非
一つ皆さん方にこれをお諮りいたしまして、参議院の農林
委員会として〇Kが取れる
ようなふうにお運びを願いたいとお願いするわけです。
それから結局結論的に申しますと十二億八千万という金は製糸、蚕糸輸出、養蚕各団体が元は二千万円を出資しましてそれによ
つて生れた金なんです。それでその各団体のいわゆる指定寄附の同意書がありますので、その同意書は全部取
つたんでありますが、結論的に言うと、そのうち一億だけは差当り、いわゆる海外宣伝費が要るのと、それから又一般養蚕指導に使いたいという
ようなことで、結局その中のいわゆる税金を払
つて残り一億だけは業界のほうではつまり各種団体の共同保管として差当りの使う金を残したい。その残
つた金を指定寄附、蚕糸業の対策に対して指導してほしいという指定寄附をお願いするわけなんです。その案文の中には糸価の安定とか或いは糸価対策という
ようなことを書くと今までの二年に亘る経験からどうしても通らないので、蚕糸振興とな
つておりますけれ
ども併しそれが通ればいわゆる合せて三十億に近い金で蚕糸の適当なる対策を作ろう。こういう狙いなのでありますから、是非
一つ委員会として取扱を願いたいということをお願いいたします。