○説明員(平木桂君) それでは便宜私から
改正法案の要点につきまして御説明申上げます。
只今提案者より
提案理由の御説明がございましたが、改正の要点は大体六つあるという御説明がございました。で、便宜この
法律の
法案の順序に従いまして、
改正法案の内容を少し詳細に御説明申上げたいと思うのであります。
お手許に
法律案が配付されておると思いますが、当初にありまする第四条第二項を削る、これはすでに有名無実にな
つた規定を削除いたしたわけであります。つまりこの旧規定は、「
地方公共団体は、組合に対して営業税を課することができない」という規定だ
つたわけでありますが、すでに今日営業税という税はございません。そこでこれを削除したわけであります。条文の整理であります。
次の第十条の改正規定、これは先ほど御説明もありました、特に医療施設につきましては、その性質上員外者の
事業の利用の範囲を若干拡大する必要があるということから、
一般の
事業につきましては組合員の利用分量の五分の一を限
つて、組合員以外の者が利用し得るという
建前を、五分の二にまで拡張したわけであります。その規定であります。
第十三条の次に一条加えることにいたしておりますが、この規定は新たに組合の運転資金を充実するために、先ほども説明のありました回転
出資金という制度を取入れることにいたしたわけでありまして、組合員はその
事業の円利用分量に応じまして、組合員が組合から、いわゆる特別配当を受ける場合があります、この特別配当として組合員に配当すべきものを一定期間、ここにありまする五カ年と限
つてありますが、五カ年以内において組合に留保いたしまして、それを組合の
事業資金として使
つて参る、そうしてそれが五カ年後において逐次当初の配当を受くべき組合員に返還して行くという方法を採用することができるという
措置をと
つたわけであります。その規定であります。
次に第一十八条云々という規定は、これは定款の記載
事項に関する規定であります。で二十八条の第一項に定款に記載すべき
事項が列挙されておるわけでありますが、その次に一項を加えようといたすわけであります。この加える条文はその次にある規定でありまして、これは後ほど御説明いたしまする役員の選挙に関する規定の改正に伴いまして役員の選挙に関しましては、定款の上でこれこれのことは是非
はつきりさせて行きたいと
考えまする
事項を
法律の上で明記したわけであります。その
事項はここにあります
通り、選挙期日、それから選挙に関する通知、候補者の推薦、選挙管理者、選挙立会人、投票、開票及び当選に関する
事項、そうした事柄を定款の上で明確にこれを記載する必要があるということにいたしまして、と同時に、後ほど申します役員の選挙方法を若干緩和いたしまして、従来は総会において選挙するという
建前にな
つておりましたが、総会外においても選挙することができるようにいたしましたために、その場合にはその旨を定款に明記するということにいたしたわけであります。
それから戻りまして、そういう規定を設けますが、従来の二項は三項になりますが、その中に若干の改正をいたしております。これは字句の修正でございまして、説明を要しないと思いますが、先ほど申しましたいわゆる回転
出資金に関する新らしい規定が設けられましたために、それに関連して字句の修正をいたしておるわけであります。
次に三十条第三項の改正でございます。これは役員の選挙方法に関する規定でありまして、今申しましたように、従来総会のみにおいて役員の選挙をするということにな
つておりましたのを、
単位組合の場合には総会外においても選挙をすることができるという、ことにいたしたわけであります。つまり適当な個所に投票場を設置いたしまして、それぞれ組合員がその投票場において、投票する方法によ
つて、役員の選挙ができるというようにいたしたわけであります。
なおそのような場合に、先ほど申しましたように、定款の記載
事項におきまして、役員の選挙に関する特別な諸規定を設けることを必要とすることにいたしたわけでありますが、それに関連いたしましてこの役員選挙の規定のあとに
三つの項目を加えております。その
一つは役員の選挙におきましては選挙ごとに選挙管理者、投票所ごとに投票管理者、又開票所ごとに開票管理者を置くということを必要とする。又役員の選挙をしたときは選挙管理者は選挙録を、投票管理者は投票録を、開票管理者は開票録を作
つて、それぞれこれに
署名をすることにしております。更に総会外において役員の選挙を行います場合には、おのずから投票所が設けられるわけでありますが、その投票所は組合員の選挙権の適正な行使を妨げない場所に設けなければならないということ、これは当然のことでありますが、訓示規定を設けた次第でございます。
以上が選挙に関する規定の改正でありますが、次は役員の任期の規定に関する改正であります。即ち第三十一条の規定を改正いたしまして、従来は組合の役員の任期は
原則として一年、定款を以て定めた場合は二年まで延長することができるようにな
つておりましたが、この規定によります任期は余りにも短か過ぎる場合がありますので、この任期を三年に延長することができるようにいたしたわけであります。三年以内において適宜定めることができるわけであります。但し三年にいたしますと、その場合には定款に特別の規定を設けてそれを排除いたせば別でありますが、そうでない限りは定数の三分の一ずつを毎年改選して行くということが必要であるというふうにいたしております。で尤もこの役員の任期と申しましても、組合の設立当時の役員の任期はこれは一年を超えない範囲内において創立総会においてきめるということにな
つております。これは従前の規定と変りありません。
次の第三十八条第二項第四号中の改正は字句の修正でありますが、回転
出資金という規定が設けられましたが、この回転
出資金はやはり一応
出資金と
考えられますので、その場合に特にこれを除く必要があるというので括弧をして註釈をいたしたわけであります。
次に四十一条の規定は、従来の
法律規定によりますると、役員全員が欠けました場合に、役員以外に総会を招集する権限を持つ者がございませんために、新らしい役員を選挙するための総会を聞くことができないというような欠陥が存在しておりました。で、この欠陥を補いますために、役員の職務を行う者がないためにう
事業に遅滞を生じ、それが損失の原因になるというような虞れがある場合には、これは行政庁が、一方的にはいたしませんが、組合員その他の利害
関係人の請求があ
つた場合には、役員を選挙するための総会を招集して、役員の選挙をさせることができるというようにいたしたわけであります。これは特別な場合に組合員に大きな支障を生じさせないための救済
措置であります。
次に四十六条の改正でございますが、四十六条は特別決議を必要とする
事項を列記されておる条文であります。それに
二つの
事項が加えられております。その
一つは
農業協同組合連合会の設立当事者に、或いは又
農業協同組合連合会に加入し、又は脱退する場合に、その連合会の会員たるべき
農業協同組合の代表者たる役員個人の意思のみによ
つて事柄が
決定されることは必ずしも民主的と言えない、飽くまでその組織者たる組合員の意思が十分にこの連合会の設立なり、或いは連合会への加入、連合会からの脱退の上に加わらなければならないという
意味合におきまして、これを特別決議ということにいたしまして、更に次に一項を設けまして、その場合の決議はそれぞれの連合会の組織者たる組合の総会において投票によ
つてその可否が
決定されなければならないということにいたしたわけであります。
次の四十六条の二でありますが、これは先般前回の改正におきまして連合会が合併しようといたします場合には、連合会の所属会員たる組合のそれぞれの総会においてこの合併に関する可否の
決定をそれぞれの総会の投票によ
つて行わなければならないということにいたしたわけでありますが、事実上は両連合会の合併という実態を持ちながら、
一つの連合会が解散することによりまして、他の連合会が事実上その連合会の一切の
事業なり、財産を引継ぐということが行われる場合があります。吸収合併という
手続をとらずに、片方が解散し、無
関係に解散し、消滅し、事実上他の連合会がその連合会の
事業、財産等を引継ぐというような
措置が行われることがありますが、これはいわば先ほど申しました連合会の合併の場合に必要とされております
手続を省略し、或いはそれを回避して組合員の総意を聞くことを怠るというための、いわば脱法的な
措置としてそのようなことが行われますることが
考えられますので、そのようなことのないことを期するためにこの規定を設けたわけでありまして、同じ地区において他の連合会が行
つておる
事業を新たに事実上実施をするというために定款を変更する場合には、やはり連合会の会員たる組合は、それぞれの総会において
賛否の議決を経なければならないということにいたしたわけであります。あとそこに二、三字句の修正に関する条文がございまして、次に五十二条の二という規定といたしまして、現在五十二条の二という規定がございますが、五十二条と現在の五十二条の二の間に
一つの条文を挿入したわけであります。これは先ほど申しました回転
出資金に関する規定でありまして、回転
出資金というものの性質を明確に規定しておるわけであります。先ほど申しましたように、回転
出資金というものは、これは組合が組合員に配当すべきいわゆる特別配当、それを組合に留保しまして五年の間組合の自己資本としてこれを活用するための便宜を与えたものであります。そのような回転
出資金はここにありますように、損失の填補に充ててなお残額のある場合には、その払込に充てた剰余金を生じた
事業年度の次の
事業年度の開始の日から起算して五年を経過したときにこれを払い戻しをしなければならない性質のものであります。併しながらその期間内に総会において払い戻すべき旨の議決をした場合には、或いは又組合員が脱退いたしました場合には、その議決又は脱退にかかる
事業年度末に組合員又は脱退したものに払い戻さなければならないということにいたしております。
次に六十三条に次の一項を加えるという規定は、やはり行政監督上の必要から新たに、挿入したわけでありまして、これは組合が設立のために設立の認可申請をいたしまして、認可を受けながらその後の設立の具体的な
手続を済みませず、つまり登記に至るまでの
手続を進めないでいつまでも放置してしまうということが従来しばしば見かけられました。併しながらこれについて特別の
措置をとり得ない
状態にございましたので、認可はしたが認可後の組合がいつの間にかまあ幽霊にな
つてしまうというようなことが生じ得たわけであります。それを防止いたすために、若し設立認可をいたしましてから九十日を経過してもなお且つ設立の登記をしない、つまり設立が完了しない場合には行政庁がその設立の認可を取消すことができるということにいたしたわけであります。あとは条文の整理でございます。いろいろ新らしい条項が加わり、或いは改正が行われまして、それに伴
つて条項の順序等が違
つて参りましたので、それを整理した規定であります。以上でございます。