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1951-03-07 第10回国会 参議院 農林委員会 第15号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年三月七日(水曜日) 午後二時四十九分
開会
————————————— 本日の
会議
に付した事件 ○
連合委員会開会
の件 ○
関税定率法
の一部を改正する
法律案
に関する件(小
委員長
の
報告
) ○
農林漁業資金融通法案
(
内閣送付
) —————————————
羽生三七
1
○
委員長
(
羽生
三七君) それではこれから
農林委員会
を開きます。
最初
にお諮りいたしたいと思いますが、昨日
ちよ
つと御懇談申上げた
農林漁業資金融通法案
について
水産委員会
と
連合委員会
を開くことにいたしたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
羽生三七
2
○
委員長
(
羽生
三七君) それでは御
異議
もございませんので、さよう
決定
いたします。 なお
期日等
は
委員長
に一任して頂いてかまいませんでしようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
羽生三七
3
○
委員長
(
羽生
三七君) ではそういうことにいたします。 —————————————
羽生三七
4
○
委員長
(
羽生
三七君) 次に
関税定率法
の問題に関して、
食糧統制小委員会
の
片柳委員長
から御
報告
を願うことにいたします。
片柳眞吉
5
○
片柳眞吉
君
只今委員長
から
お話
のありました
関税定率法
の一部を改正する
法律案
、これに関連いたしまして
食糧統制
の小
委員会
でいろいろ
検討
いたしました結果を御
報告
いたします。 今回の
関税定率法
の
改正案
によりますると、いろいろ
関税自主権
をこの際
確立
をして行きたいという
立場
から、各般に亘りましてそれぞれの税率の
佃定
をされるのでありますが、
農林関係
で特に問題になりまするのは、
大豆
、「
とうもろこし
」「こうりやん」等の
国民生活
なり或いは
畜産経営
に相当
関係
ある事項が実は一番深い
関係
があつたのであります。
大豆
につきまして
従価一割
の
関税
をつける。それから「
とうもろこし
」は同じく
従価一割
、「こうりやん」が従価五%
課税
をするという案に
なつ
ております。従来の
関税定率
によりますれば、これは従量税の仕組に
なつ
ておりますが、
大豆
が百斥当り九十四銭、それから「
とうもろこし
」が一円七十銭、「こうりやん」が一円と、こういう
従量課税
に
なつ
ておまするが、ただ現在の
食糧
の
状況
から別途に
食糧輸入税
を
免除
する
法律
、これが制定されておりまして、今年の十二月の三十一日までは実際税は
輸入税
を
免除
されておるのでございます。ところが今回の
改正案
によりますると、先ほど申上げましたような
大豆
「
とうもろこし
」の
従価一割
、「こうりやん」が五%の
課税
になりまして、而も今申上げました
食糧
の
輸入税
を
免除
する
法律
は、この機会に廃止をするという室であるのであります。この
考え方
は将来の
日本農業
の保護という
立場
から見ますれば、又
講和会議
を控えまして、
関税自主権
をこの際
確立
をするという
考え方
は、これは大体同感でありまするが、ただ最近の
国際情勢等
が反映されまして、非常に従来も
国際価格
が
国内価格
よりも高くありましたが、更に昨今の
情勢
では
国際価格
が更に上
つて
来ておるような
情勢
でありまして、去ような
情勢
から見て参りますると、
国民生活
の安定の
立場
なり、或いは
動物飼料
の
価格
を適正にするという見地九らこれは放任できないと思うのでありまして、小
委員会
でもいろいろ
検討
たしましたが、
結論
といたしましてけ
大豆
と「
とうもろこし
」「こうりやん」場の三者につきましては現在のような
国際価格
が高くなり、又
国民生活
も安定しておらん
状況
でありますので、さような間は当分
関税
を
免除
をするという方向で行くことが適当ではないかという
結論
に到達をいたしたのであります。
大豆
は御
承知
のような
油脂原料
もありまするが、又
脱脂大豆
が
味噌醤油
の主
原料
でありますので、その意味から是非とも
一つ
当分の
間免税
をしてもらいたい。それから「
とうもろこし
」「こうりやん」はこれは若干
工業方面
に行くものもあります現下の
情勢
では大
部分
が
飼料向け
に
なつ
ておりますので、
畜産関係
の上からやはり「
とうもろこし
」「こうりやん」も当分の間
免除
してもらいたいという
結論
に達したのであります。なお問題は
油脂原料等
といたしまして
大豆
を
免除
いたしますると
落花生
をやはり
免除
をしてもらいたいというような実は論議もされたのであります。又業界からもさような
陳情
も参りましたけれども、この数量は従来は主として支那から入
つて
おりまして昨今の
情勢
から判断しますれば、第十五号今後
落花生
の
多量輸入
を期待することは困難であろう、又これは飽くまで
例外措置
でありますから、できるだけ
品目
を制限することのほうが適当ではないかという観点から、以上の
大豆
「
とうもろこし
」「こうりやん」の三者に限定をいたしたのでありまして、さような趣旨で後刻
文案
は整理いたしまして、当
委員会
で御
決定
を願いますれば
委員長
から
大蔵委員会等
にお
申出
をして頂きたいというふうに考えるのであります。以上御
報告
をいたします。
羽生三七
6
○
委員長
(
羽生
三七君)
只今
の件についてお諮りいたしますが、今、
片柳
小
委員長
の
報告
は「
とうもろこし
」「こうりやん」
大豆
の三
品目
について
関税定率法
の一部
改正案
の中で
免税措置
をしてもらうことを
大蔵委員会
に要求、申入をするということであります。御
承知
のようにこの
関税定率法
の一部
改正案
は
大蔵委員会
の付託に
なつ
ております
法律案
でありますので。こちらからの
申出
の形をとるわけでありますが、
只今
の
片柳
君の
報告
通り
申出
をすることに
決定
をして御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
羽生三七
7
○
委員長
(
羽生
三七君) ではさように
決定
いたします。なお
文案等
は御一任を願いたいと思います。 —————————————
羽生三七
8
○
委員長
(
羽生
三七君) 次に昨日に引続きまして、
農林漁業資金融通法案
について
資料
も出揃いましたので質疑を続行することにいたします。
江田三郎
9
○
江田三郎
君 きのう
ちよ
つとお尋ねしたのですが、二十六
年度
六十億円、そして今後の
見通し
、まあ
計画
についてお尋ねしましたら、今後とも少くとも五年間までは今
年度
を下らないような金を
継続
して出すとこういう
お答え
でございましたが、そういうことは五年間少くとも六十億円以上、こう解釈してよろしいのですか。
富谷彰介
10
○
政府委員
(
富谷彰介
君) その
通り
でございます。
江田三郎
11
○
江田三郎
君 そうしますと今
年度
の六十億という中には見返
資金
の四十億が入
つて
おるわけですが、将来見返
資金
というものは
情勢
の変化のない限り相当減らされて来るだろうと思うのですが、そういう際には見返
資金
が減つたら
一般会計
のほうからやはりそれだけの金は出されるという
方針
でありましようか。
富谷彰介
12
○
政府委員
(
富谷彰介
君) 見返貸金が減りました分は
一般会計
のほうから補充してもらうということでございます。で、
大蔵事務当局
のほうにもそういう
了解
で進めております。
江田三郎
13
○
江田三郎
君 この二十五
年度
におきまして
農林水産
のほうにこういう
特別会計
でなしに、直接見返
資金
が相当出ておるわけでありますが、これが本
年度
は出ないというように
なつ
ておりますか、
一体
二十五
年度
に見返
資金
をやつたものは
農林水産関係
はどの
程度
の
金額
に
なつ
ておりますか。それからその中には
継続事業
があるかどうか。
富谷彰介
14
○
政府委員
(
富谷彰介
君) 二十五
年度
の見返
資金
によりまする
融資
の
実績
は、お
手許
にございます
農林金融概況
という表の十一表に出ております。で当初
計画
が一番右の
はじ
から
二つ目
でございます。
江田三郎
15
○
江田三郎
君
ちよ
つと待
つて
、十一表の一ですか。
富谷彰介
16
○
政府委員
(
富谷彰介
君) 十一表の三でございます。その一番右の
はじ
から
二つ目
が当初の
計画
でございまして、十億円を
農林漁業
に出すということに
予定
したわけであります。その
内訳
はそこに書いてあります
通り耕地
が六億五千万円、小
水力発電
が七億三百万円でございます。現在までに出ました
実績
はもう
一つ左
になりますが三億八百万円余に
なつ
ております。これはいずれも本
年度
から新規に出ました
事業
でございますので、ここに計上されておる分には
継続分
は、ございません。
江田三郎
17
○
江田三郎
君 十億の中でまだ三億幾らしか出てないということは、今後七月ですか、七月までに
あと
が出るというのですが、
あと
はどうなるのですか。
富谷彰介
18
○
政府委員
(
富谷彰介
君) 見返
資金
の
会計年度
は三月でやはり終りますものですから、今後、今月一ぱいに残額が十億まで出る、現に今残
つて
おります一番
大口
は一番右の
はじ
を御覧願いますと、
改訂配分計画総額
十二億という
数字
がございますが、これは十億ののものを十二億にふくらませて一応
申請書
を出す、これを十億を限度で許可してもらうということに
なつ
ておりますが、一番
大口
が、下の欄の
水産物高度利用
というのがございます。これが当初
計画
が一億が六億円に
改訂
に
なつ
ておりますが、
現実
にはまだ金が全然出ておりません。かようなものは審査が済みまして出ることになりますと、十億円は三月中に出るごとと我々は期待しております。
羽生三七
19
○
委員長
(
羽生
三七君)
資料
に基いてもう一度
説明
をしてもらいたいと思いますのでお願いします。
富谷彰介
20
○
政府委員
(
富谷彰介
君) 本日差上げました
資料
の中に一枚刷の紙で六十億円の
資金
の
配分計画
がございます。これから御
説明
申上げたいと存じます。
総額
が六十億でございますが、その
内訳
は
土地改良事業
が三十九億三千四百万円、それから小
水力発電事業
が二億四千万円、
林業関係
に参りまして
造林
が六億九千九百万円、
林道
が四億九千五百万円、合計いたしまして十一億九千四百万円と
なつ
ております。それから
水産業関係
で
北海道
の
漁田開発事業
、これが九千三百万円、その他の
漁港
の修築と、同じく
漁港
の
災害復旧
が合計いたしまして二億三千五百万円、合計で
水産関係
が三億二千八百万円、
塩田
その他が三億四百万円でございまして、合計いたしまして六十億円と
なつ
ております。で
法律
の三條の
條項
に該当いたしますそれぞれでございますが、第三條の第六号に
農林漁業者
の
共同利用
に供する
施設
と書いてあります。これに該当いたしますのはこれは小
水力発電施設
の二億四千万円、それから一番下の欄から少し上の
北海道漁田開発
、この二件が
農林漁業
の
共同利用施設
に該当します当面六十億の場合の
配当計画
でございます。 それから同じく第三
條関係
で、各
業種別
に貸出の
利率
及び
償還期限
を非常にまちまちにきめておりますのですが、その根拠を御
説明
申上げます。これは
農林漁業資金
の
貸付條件算定
に関する
資料
というのがございますのでそれを御覧願いたいと存じます。その第一頁を御覧願いたいのでございますが、ここに
土地改良
の場合の
償還年数算出基礎
が出ております。これはすべて非
補助事業
、
公共事業費
の
補助
のつかない
事業
でございます。
補助事業
と非
補助事業
の区別は国の
公共事業費
によります
補助
が受けられますもの、これが
補助事業
、それからそれ以外のものを非
補助事業
と申します。で、
土地改良事業
の例について申上げますと、
一団地
、つまり
工事
の
施行地域
が一ブロツク二十
町歩未満
の分は現在
補助金
が全然ついておりません。従いましてこういう
事業
はすべて
耕作者
が
自分
の
資金
で
土地改良
をや
つて
行かなければならないということに
なつ
ております。更に二十
町歩
以上の団地の
補助事業
の例を申上げましても、これは大規模の
灌漑排水工事
の
補助金
が出て行われますけれども、それだけでは
工事
は実は八○%しか完了しないわけでございまして、
残り
の二○%分に関しましては、やはり非
補助事業
といたしまして
自分
の金でも
つて
やらなければならん。例えば
灌漑排水事業
は
補助金
でや
つて
くれますが、
残り
ました
耕地整理
、
区画整理
、こういつたものはすべて非
補助事業
として金を借りて
事業
をしなければならんわけでございます。そこで一番上の欄にございますのは、
土地改良事業
のそれぞれ細分されました
事業
の種類でございまして、
灌漑排水
、暗渠排水、客土、
区画整理等
々いろいろございます。左の端の欄を縦に御覧願いますと反当
事業費
が一番先に書いてございます。これは
灌漑排水
を例にとりますと、反当
事業費
が三千九百円でありまして、
融資率
は
法律
の第三條にございます
通り
、非
補助事業
に関しましては
事業費
の八○%と
なつ
ておりますので、そういたしますと
融資額
は三千百二十円という
数字
は次の段に出て参ります。そういたしますと
事業費
の三千九百円から
融資額
を差引きました
残り
が、
自己負担
としまして
工事
をするそれぞれの農民が
自分
で醵出せねばならん金でございます。そこで、次に
増産収量
が書いてございますが、これは
農林省
の統計によりまする
全国
の
平均
でございます。で、その
数字
をとりますと、一斗、二升八合という一
数字
が出ているわけでございます。これを米価に換算いたしまして
金額
に直しますと一千百十一円という
数字
が出て参ります。次は
償還率
でございますが、
土地改良
をやりまして増收されましても、その
増收分
だけは全部が全部
償還
に充てるわけには参りません。例えば
現金支出
をして肥料を
余計買つた
とか、そういうような
現金支出部面
がございますので、それを差引きました
残り
、つまり
農家
の
自家労賃
に該当いたします分を三五%推定したわけであります。その三五%という推定の
基礎
につきましては、第三頁以下に書いてございますが、要するに
農林省
で行
なつ
ております
農家経済調査
に基きまして、
農家
の行
なつ
ておりまする
経営費
のうちから
自家労賃
の相当する
部分
を
償還
の
可能財源
というふうに見たわけでございます。そういたしますと
償還金額
が千百十一円の三五%で三百八十九円という
数字
が得られます。そこで
借入
れました
金額
が二丁百一十円でございまして、三千百二十円を三百八十九円で割るわけでございますが、これは
年賦定率表
という算術の表みたいなものがございまして、それで割出しますと
利率
何分の場合には何年、何分の場合には何年という
数字
が機械的に出て参るわけでございまして、従いまして
利率
が低ければ
償還年数
は多少縮まる。高ければ多少延びるということになるわけでございます。以上のような
計算
を
土地改良事業
についてはいたしたわけでございます。 それから
造林事業
は、これは第六頁にございますが、
造林償還計画
というのがございます。これは御
承知
のように
造林
が樹を植えましてから成長いたしまして伐採できますまでには、大体四十年以上かかるわけでございますので、
償還年限
を二十五年と定めますと
償還
することができない。そこでこの
償還
の
計算
は後
価計算
という方式を用いております。
つまり造林
当初かち伐採までの期間に投下しました
費用
、これをすべて
複利計算
いたしまして四十年の
複利計算
を行います。今度は
償還
のほうを同様につまり伐採してできたものを売
拂つた金額
、これを同様に一
複利計算
をいたしますと、
支出
と
收入
と
バランス
がとれるかどうかという表でございます。そこで御覧の
通り收入
の
部面
といたしまして三十六万三千円、これに対しまする
支出
が三十二万五千円ということで四分五厘の金を借りれば
造林事業
というものは経済的に経営し得るものだということをこの表で
説明
いたしたわけでございます。それから次の表は
林道
の
償還計画
でございますが、これは下の備考にございますようなモデル・
タイプ
をとりまして、
全国
の中庸の
タイプ
をとりまして、これによ
つて
かかつた
費用
と、それからそれによ
つて
上る収益というものを算出して
償還
の
利率
及び
年限
を
算定
したわけでございます。 その次の表が
漁港関係
でございますが、
漁港
は現在すべて
漁港法
によりまして
補助金
がついております。で
残り
ました
自己負担分
につきましてこれを
融資
するわけでございますが、この場合
漁港設備
がよくなることによりまして魚類の
鮮度
の
向上
ということが見込まれます。その
鮮度
の
向上
をそれぞれ
水揚高
に対して何%ということから
金額
に換算いたしまして、その
金額
を
償還財源
と見込んだわけでございます。
現実
の
償還方法
といたしましては、
漁業協同組合
が
水揚高
に対して何%というように
組合費
を賦課いたしましてそれから
償還
するということになります。 それから最後の表は
塩田
の
償還計画
でございますが、これは冒頭に御
説明
いたしました
土地改良事業
と同様に増産されます
鹹水
、塩水でございます。
鹹水
を全額に換算いたしまして、それから
必要経費
を控除いたしました
残り
の
部分
だけの金を
借入
した
金額
で割
つて
おります。そういたし申して、ここにございまするように
償還年限
を算出したわけでございます。以上
資料
の
説明
を終ります。
江田三郎
21
○
江田三郎
君 さつきのもう少し続きなんですが、この
公共事業費
が見返
資金
から二十五
年度
に出てお
つたわけ
でもすが、これが本
年度
において出て来ないということでありますが、
一体
三十五
年度
の
公共事業費
の中で
農林省関係
のものはどのくらいあつたのですか。 その跡始末というものはどうされたのか、これは
ちよ
つとわかりませんか。
富谷彰介
22
○
政府委員
(
富谷彰介
君) 見返
資金
と
一般会計
と両方つつこみました
公共専業費
の推移というものは、同じく
農林金融概況
という表の第八表から十表までに出ております。この表には史は二十六
年度
の
予算
がまだ見込んでございませんので、
泊つて
現在の
予算案
の
数字
をそのまま取りまして追加いたしましてお
手許
に差上げますが、大
ざつぱな数字
で申上げますと、いずれも二十五
年度
に比べまして
公共事業費
の額は
農業関係
は殖えております。
江田三郎
23
○
江田三郎
君 そこでもう
一つ
具体的にお聞きしますと、見返
資金
を以てした十一億円の
公共事業費
の中で、その中の
農林省関係
のもので
継続事業
があつたのじやないかと思うのでありますが、そういうようなものは見返
資金
が出ないということになるとどこからその金は出されるか。
島村軍次
24
○
政府委員
(
島村軍次
君) 本
年度
の
公共事業費
の見返
資金分
で、
継続事業
に対するものは各
工事
の
種別ごと
に
検討
を加えまして、二十六
年度
の
一般公共事業費
中から差支えない
程度
で
支出
する
予定
で、今目下各箇所に
検討
を加えております。
江田三郎
25
○
江田三郎
君 換算されて六十億円の
特別会計
の命がそういう
継続事業
の尻ぬぐいということに使われるということはございませんか。
島村軍次
26
○
政府委員
(
島村軍次
君) もともと今回の
特別会計資金
と性質が異
なつ
ておりますし、そういうことはない、絶対にないと思います。
江田三郎
27
○
江田三郎
君 ないつもりでなしにこれは絶対にありませんね。
島村軍次
28
○
政府委員
(
島村軍次
君) ありません。
片柳眞吉
29
○
片柳眞吉
君
先ほどお話
のありました
貸付條件
の
算定
に関する
資料
ですが、これを
ちよ
つと拝見いたしまして、例えば
土地改良
の
償還年数
の
算出基礎
、これを見た感じが、要するに
償還年限
なり、或いは
金利
というものの結果論がここに逆に出ておるというふうに思うのですが、例えば
灌漑排水
の場合には一年の
償還額
は三百八十五円である、
畑地灌漑
で来ると千九十円までは拂う、こういうことに
なつ
ておりまして、むしろ大体この
平均
四百円とか五百円
程度
を毎年拂うという、その
償還額
を大体均等にして、それから
償還年限
なり或いは
金利
とかいうものを逆に考えると、非常にその点
畑地灌漑
が千九十円をもつと短縮しても返し得るというようなこと、この辺はどんなふうになりますか。
富谷彰介
30
○
政府委員
(
富谷彰介
君) 今の御指摘にございました
灌漑排水事業
の場合には
償還可能金額
が三百八十九円で、それを
年賦定率衣
で見ますと三百八十五円の場合には十年と書いてございます。それを
畑地潅漑
の場合には同様に千九十円、それを八年で返すという表に
なつ
ておるのでありまして、更に
土地改良事業
の個々につきまして
償還金額
を一定にいたしますと、ものによりましては非常に長い間かかる、
却つて利子
の
負担
が余計かかるというような場合がございますので、一番可能な
最短期限
に返すというように一律の
規定
をと
つて
算定
いたしたわけでございます。
片柳眞吉
31
○
片柳眞吉
君 それからもう
一つ
は、
ちよ
つとこの間
陳情
を申上げたのでありますが、例の
共同施設
の中へ、
資金
の
配当計画
では
差当り
は
農業倉庫等
が
資金計画
に入
つて
おるのですが、
政令
で少くともこれを
一つ規定
をしてもらいたいということを申上げておきまして、大体
陳情
の際には御
了解
を得ましたけれども、その後
方針
に変更がありますか。
島村軍次
32
○
政府委員
(
島村軍次
君) 実は昨日
片柳
さん御欠席でありましたけれども、
関連質問
が、ございましたのではつきりしたことを申上げまして
政令
へ加えるべく
予定
をいたしております。
江田三郎
33
○
江田三郎
君 昨日
ちよ
つと問題に
なつ
た点ですが、別途
資金運用部
のほうから六十億の金が出るとしてそれでこういう
利率
がきま
つたわけ
ですが、これについては努力をしておられるということはわかりますが、若しこれが出なかつた場合には
利率
の問題はどういう工合に処置なさるのでしようか。
富谷彰介
34
○
政府委員
(
富谷彰介
君) 仮に出ません場合でも将来の
借入
ということを予想いたしますと、昨日御
説明
しました
通り
この
特別会計
としましては
支抑利子
と
支拂手数料
を
拂つて
丁度
收支
の
バランス
がとれるように
計算
をいたしておりますので、
利率
を改正することは
却つて
将来の
借入
の途を塞ぐことになる。例えば二十六
年度
に安い
利子
で貸しても二十七
年度
以降になりますと又この率に戻
つて
来る、そうでなければ
一般会計
から
利子補給
を見て貰わなければならん、こういうふうにこれよりも安い金を貸すということは不可能ではないかと考えますので、将来の
借入
の途を塞ぐことになりますので、私たちといたしましては
利率
はこのまま据置いたほうが妥当ではないかと考えております。
江田三郎
35
○
江田三郎
君 これは
ちよ
つと
大臣
が来ましたときにお尋ねせんと駄目かも知れませんが、まあ政務次官がおられるのですからお尋ねしますが、この前の本
会議
においてこの
資金計画
の問題について質問いたしましたところが、ここに計上される六十億円は上期で
使つて半期
において別途これと同額のものを出すのだ、こういうことを
大臣
が言明されたわけですが、
政府
としてはそういうような
計画
で考えておられるか。
島村軍次
36
○
政府委員
(
島村軍次
君) これは
二つ
考えられると思うのでありまして、
一つ
は成るべくこの
事業効率
を上げ、且つ
工事
の
進行状況等
から考えまして、国会において
決定
になりますれば成るべく早く出したいと、これは我々の念願でありますから、その場合には非常に
申込
が多ければこれは相当の額になり、六十億では足りないということが当然出て来るであろうと思います。そこで今
お話
のように
利率
は一緒にして。プラス六十億というもの々
予定
した
資金計画
なり、大体
事業計画
に
なつ
ておるようですから、どんどんこの
予定
通り
出て行くということになれば早く執行するということになりまして、当然
大臣
の申上げましたようなことが起き得ると思います。ただその時期については
年度
の初めに切上げて、後半期において出すということは考えられますが、それを
年度
の初めに切上げて出すということではなかつたと思いますが、これは当然事務的になし得ることだと思います。
江田三郎
37
○
江田三郎
君 そういうことでなしに今度
予算
に計上される六十億円というものは、大体上半期において使うつもりで、
下平期
には
あと
もう六十億円
程度
のものを追加計上するというように
大臣
は言われたのですが、その点を聞いておるのです。
島村軍次
38
○
政府委員
(
島村軍次
君) 現在の
方針
もたびたび申上げる
通り
で変わりははありません。六十億を確保するつもりで進行いたしております。
羽生三七
39
○
委員長
(
羽生
三七君)
ちよ
つとその点私からお尋ねしたいのですが、これは今の
お答え
でよくわかるのですが、
消化力
のほうはどうですか。六十億を前中期に完全に消化し得るほどの
申込
といいますか、
申込
が殺到するように考えられるような今実情にありますか、
見通し
として。
島村軍次
40
○
政府委員
(
島村軍次
君)
資金計画
を
各省関係
で今
最初
の
予定
をとり、更に最近における
予定
をと
つて
おりますので、相当多額な
資金申込
があることを予想いたしております。
従つて
その
申込
が非常に軌道に乗
つて
乗ればそういうことは当然考えられると思うのでありますが、全部のものが六十億ピタツと消化してしまうかどうかということに対して、私は成るべくそうやりたいという考えであ
つて
、そうなるかならんかということは暫く
資金
の
申込
みによ
つて
判断しなければならんと思
つて
おります。
宮本邦彦
41
○
宮本邦彦
君
土地改良
の問題なんですが、
団体営
の
事業
が農村から非常に要望されておる。それが
昭和
二十三
年度
に
団体営
の
事業
が
農林省
の
補助金
を一打切られ
ちやつて
、そうして主要の
継続
のものだけ今出ておるように心得ております。この
法律
では
補助事業
、非
補助業
、こういうふうに
二つ
の
事業
に分けておるのですが、この
二つ
の
事業
に分けて、特に非
補助事業
というものをそこに出した以上、その要望に応えて
団体営
の非
補助事業
というようなものを主として取入れておられるかどうか。若しもそういうことであるならばこの
団体営
の
事業
に対してどのくらいな割合が見込まれておられるかどうか、パーセントでも結構ですから
ちよ
つと伺いたいと思います。
島村軍次
42
○
政府委員
(
島村軍次
君) 本
特別会計
を作りました趣旨の
一つ
として増産を図り且つ効率を高めるという意味で考えたので、このベースに乗り、且つ
補助事業
以外のものの
借入
については勿論
団体営
を主体においておるのであります。
団体営
が大
部分
である、さように考えております。
宮本邦彦
43
○
宮本邦彦
君 今、
お答え
にありましたように、大
部分
という意味は、私非常に結構な
お答え
だと思うのですが、実際問題としてこの間、繋ぎ
資金
というような
お話
でも
つて
三十九億円の
融資
をや
つて
令進行中だと思うのでございますが、あの繋ぎ
資金
は長期に借換えるということがあつたように思
つて
おるのであります。現にその三十五億円の
資金
がどの
程度
進行しておりますか、どうですか。それを承わることと、もう
一つ
は、それが出ればです、必然的に繋ぎ
資金
で低利
資金
のほうに乗換えるのだから、
従つて
それが優先されてしまいやせんか。そうすると現在その繋ぎ
資金
の三十五億円がです、被
補助事業
のほうに割合に少いのではないかと私思
つて
いるのです。そうすると
補助事業
の方の一時
借入
といいますか、その繋ぎ
資金
が多いためにですね、今、次官が大
部分
の低利
資金
を
団体営
の方に振向けたいという
お話
ではあつたけれども、実質上は振向け得ないのじやないかということが考えられるわけですが、その点について承わりたいのです。
富谷彰介
44
○
政府委員
(
富谷彰介
君)
只今
お話
の三十五億円は大
部分
が
補助金
の繋ぎでございまして、で、この
特別会計
が
融資
を考えております
補助事業
に対する
融資
と申しますのは、
補助金
を差引きました地元
負担
分の最高八割ということでございますので、三十五億円とは重複いたさないわけに
なつ
ております。つまりあれは二十六
年度
中に国から貰いまする、或いは県から貰いまする
補助金
の前借りということになりますので、この
特別会計
が狙
つて
おりまする
融資
とはダブらないわけでございます。但し三十五億円中には全然
補助
の
関係
、
お話
しの
団体営
のものもあるかと思いますが、これは当然この二十六
年度
の
融資
計画
の中に我々考えておりますので、この分はこつちに持
つて
来るかと思います。今の進行
状況
は、各地方の銀行にそれぞれお願いいたしまして、進行しておるのでございますが、具体的にいくら貸出されたかという
数字
は、今のところまだ
手許
に参
つて
おりませんで、念のために申上げますと、あの
補助金
は二十六
年度
中に出るものでございますが、原則として第一四半期に繰上げて
拂つて
貰いまするつもりなのでございます。
宮本邦彦
45
○
宮本邦彦
君 もう
一つ
、今の
お話
を承わると、三十五億円の繋ぎ
資金
もまだ、貸出すというところまで行
つて
おるというような御
説明
ははつきり頂けなかつたのでございますが、事実過去の金融
状況
を見ますというと非常に遅れるのが慣例なんでございます。今度の低利
資金
もです。法案では四月一日から貸出ができるというようなふうに案文ができておるのでございますが、この
農林漁業
関係
の
資金
が使われるところの
事業
というものは、大体において農閑期の
事業
なんであります。従いまして——農林
大臣
が言われるように、上半期でできるだけ使
つて
しまえと言われておるが、この
資金
の貸出が遅れるというと、使い得ない状態になるのが
現実
の問題なのでございます。遅くとも上半期の
事業
が年々行われております現状を見ますというと、五月の末日から遅くても六月の中旬頃までに執行されなければ殆んど一切の
事業
は秋に廻
つて
しまうわけなんです。その意味においてこの
資金
の迅速ということは特に大事じやないかと思うのでございます。その点について銀行なり、金融機関なりに
政府
からこれは要望でございますけれども、特に簡易且つ迅速な扱いをするようにお願い申上げたいと私要望したいと思うのでございます。 それからそれに関連しまして、もう
一つ
ここで承わりたいことは、この
金利
の問題なんでございますが、この前の御
説明
では最高と最低というのがあるのでございます。で、最高と最低は個々の
事業
に対して御判断になられるのかどうか、それを承わりたい。
富谷彰介
46
○
政府委員
(
富谷彰介
君)
利率
の最高と最低の中で、
政令
で具体的にきめるわけでございますが、このきめ方は、一律にこの中間点をと
つて
きめたいというふうに考えております。従いまして、或る
事業
については最低であり、或る
事業
については最高の
利率
を適用するというふうなことは
只今
考えておりません。
宮本邦彦
47
○
宮本邦彦
君 わかりました。
三橋八次郎
48
○三橋八次郎君 この金を貸す対象に畜産のほうが入
つて
おらんということは、これはどういうわけでございますか。
島村軍次
49
○
政府委員
(
島村軍次
君) 一昨日もお尋ねがあつたので、
お答え
を申上げたのでありますが、畜産の対象になるものは共同出資と、それからいわゆる家畜導入
資金
と
二つ
であると思います。そこで
共同施設
は第二條の第六号にありまする中には当然考えたいと思いますが、併し現在の六十億の範囲内におきましては、
資金計画
の上で水利、電力ダム
施設
ですね、小
水力発電施設
、この
施設
の二億四千万円以外にはですね、
資金計画
の中には入れてないわけであります。そこで今後の問題として、農業或いは
畜産関係
の
共同施設
については
政令
できめまして、成るべくこれを拡充いたしたい。但し家畜導入については、これは
法律
の改正を行わねばできないことでありまして、折衝の段階においては家畜導入
資金
の要望も相当国会内にはあつたのでありますが、現在までではこの回転率その他で長期という中には入らないということで入
つて
おりませんのが現状であります。
三橋八次郎
50
○三橋八次郎君 今のでよくわかりましたが、とにかく畜産の問題は
食糧
問題解決の上におきましても、又日本の農業の経営面から見ましても極めて重要なことであり、而もこの日本の今の
農家
の現状におきましては、家畜導入なんというような
資金
もないような現状でありますので、成るべく早い機会におきまして、この方面も対象になりますように特にお願い申上げたいと思います。 それから第六番目の
共同利用
というのに私の次に申上げることが入るかどうか
一つ
御考慮願いたいと思うのですが、これは農産物の販売を有利にするために、野菜を一時貯蔵して置くのでございます。丁度
農家
は後作の
関係
がありまして、その時期が来ますると、当然安いものでもどんどん市場に出さなければならない。それを一時調べました結果におきましては、二十五日乃至三十日ぐらい貯蔵して置きますると、値段が倍乃至三倍に
なつ
ておるような実情でございます。そこで余り大きなものも要りませんし、
共同施設
として五、六カ村で一カ所くらい冷凍
施設
を持つのでありますが、そういうものに対してこの第六番目の問題が当てはまるかどうか、お聞きしたいと思います。
島村軍次
51
○
政府委員
(
島村軍次
君) 実は
共同施設
という解釈になりますと、随分希望も多くなりますし、各種の
農業関係
がまあ殺到して来ることになると思うのであります。そこで
共同施設
の場合におきましては、おのずから重点的に考えなければならないということになるだろうと思うのでありますが、効率を、上げる上からい
つて
只今
の
お話
のような冷凍
施設
等は、農水産物の
関係
では重要なものだと思いますので、
政令
の時分に
一つ
十分
検討
を加えたいと思います。
三橋八次郎
52
○三橋八次郎君 最後に家畜導入費でございますが、これが対象にならんとしたならばほかに何か金を借りる途はございませんでしようか。
島村軍次
53
○
政府委員
(
島村軍次
君)
畜産関係
では共同処理場と申しますか、屠畜の際に屠畜の
あと
を共同処理をするというようなことが
畜産関係
では考えられるのじやないかと思います。
三橋八次郎
54
○三橋八次郎君 家畜導入費はどうですか。
島村軍次
55
○
政府委員
(
島村軍次
君) 家畜導入費はですね、
法律
改正以外には、この
資金
からは考えられないと思いますが、従来から中金、その他相当この斡旋をした実例もあるのであります。ただ家畜の値段は御
承知
の
通り
非常に変動がありましたので、利用率からいいますと
申込
に対して金融ベースにのらないというようなことで、余りその利用率は高くなかつたようでありますが、将来この畜産業の落ちついた、値段等も落ちついて来、経営の堅実性が増せば、当然中金等においてもこの
施設
が考えられることだというふうに考えております。
三橋八次郎
56
○三橋八次郎君 やはり畜産のほうでございますが、いろいろこの共同牧場、牧野でございますね、日本が狭いのでやはり柵を立てましたり、或いはその中の草の刈入をやりましたりするのに非常な金がかかりますので、これは勿論村或いはそれを数カ村一単位で共同放牧場を作るのですが、そういうものに対しで如何ですか。
島村軍次
57
○
政府委員
(
島村軍次
君) 二條の第一号に農地とありまするうちには、勿論桑園も入るのでありますが、牧野が入るか、入らんかということについて疑問がありますので、衆議院等でも御議論がありましたので、若しそれをはつきり我々としては成るべく入れたい、はつきりする必要があれば当然
法律
改正を加えたほうがはつきりして来るんじやないかと、
政府
としては今それを変えて出すという考えは持
つて
おりませんが、さような考えを持
つて
おることを
一つ
申し加えておきます。
江田三郎
58
○
江田三郎
君 今の三橋さんの質問に関連いたしまして、野菜の冷蔵貯蔵等の
施設
について次官の御答弁がはつきりしなかつたのですが、これは今まで見返
資金
の使途を見ましても、
北海道
における水産物
共同利用
というようなものが入
つて
お
つたわけ
でありますから、それと同じような性格のものとして、当然農産物の加工或いは冷蔵、貯蔵、こういうようなものも入るべきじやないか、はつきりもうそうではないのですか。
島村軍次
59
○
政府委員
(
島村軍次
君)
水産関係
はですね、実は冷凍
施設
については省議でも取上げられた問題で、
政令
中に加えるという
予定
を考えております。ただ農産物につきましては、例えば農産物の共同処理場或いはその簡単な貯蔵場というようなものとの
関係
で、あらかじめこう枠を拡げることに対してはどうかというような議論も出まして、今現在のところでは農産物の共同貯蔵場というようなものについては考えてないのですが、併し
お話
でもありますから
検討
を加えたいと申上げたわけであります。そこで率直に申上げますと、共同処理場の
共同施設
に関する
資金
の問題は、これは全体を通じまして、おのずからウエイトが
土地改良
第一号から第五号のものが主体になり、
共同施設
はなかなか
関係
方面ではむずかしかつた問題でありますから、更に経済的効果とか或いは
償還
の
計画
とか、利用の方法等を取入れた上で考えなければならんと思うのであります。今はつきり必ずしもそのものを入れるということの言明は避けたいと思います。
平沼彌太郎
60
○平沼彌太郎君
ちよ
つと表のことで伺いますが、
融資
計画
のうちの
塩田
ですが、六分五厘乃至一割と
なつ
ておりますが、これは本文を主体となさるのですか、こういうように自由なんですか。
富谷彰介
61
○
政府委員
(
富谷彰介
君) 失礼を申しました。これは
融資
計画
の表の初めのほうは、先ほど申しました最高と最低の中間をそれぞれと
つたわけ
でありまして、
利率
の
計算
その他の便宜のために中間で書きましたので、本文のほうにございますように、この
塩田
の三億四百万円というのは、当然このうちで
公共事業費
の
補助
が付くものが若干、それが一割五分乃至九分五厘、それからそれ以外の非
補助
者のものが六分五厘というように表を書き分けなければならんわけであります。
平沼彌太郎
62
○平沼彌太郎君 もう
一つ
伺いますが、
土地改良
で第三條の二に書いてあるようでございますが、例えば一億の
予算
で五カ年
計画
をやるという場合に、一カ年だけの
補助事業
に対する地元
負担
に対する八割じや幾らも仕事ができないわけですが、全部を通じて県で
計画
して立派な
計画
書ができておるのだから、全部に対する八割というわけには行かないのですか、全部を通じて、
事業
というものは一部だけや
つて
も
あと
崩れてしま
つて
は何にもならんのだから、
補助
を当てにしないで、金一をどんどん借りてや
つて
しまうということが、最も
土地改良
に必要なんですから、これでは余り限定されておるように思うのですが、その融通性はどうですか。
富谷彰介
63
○
政府委員
(
富谷彰介
君) 御
説明
は、
公共事業費
というものは毎年きまりますものでございますから、五カ年間の
継続事業
というような場合に、やはり毎年々々どんどん区切
つて
出す、但し繰上げて
工事
を施行したいという場合には、あらかじめ
予算
が付くかどうか、
補助
が付くかどうかということを
検討
の上で、繰上げの融通ということは考えておりますか、いきなりのべて、ということは困難じやないかと思います。
平沼彌太郎
64
○平沼彌太郎君 もう
一つ
お願いしたいのは、
造林
でございますが、人的又は物的の担保というように書いてありますが、物的の場合は、
造林
地だけを担保にするという軽便な……、法案は、やはりそれに該当するような担保まで差上げなくちやならないのか、それから例えば
造林
でも森林組合の役員が全部保証人というのか、地元の
関係
の地主だけの保証でいいのか、そのほうの
関係
はどう
なつ
ておりますか。
富谷彰介
65
○
政府委員
(
富谷彰介
君) その
関係
は第五條の業務の委託と
関係
するかと思うのでございますが、この
融資
の事務は
特別会計
は大体二十五名の人員しか持
つて
お参りませんので、十分の審査をいたすことは不可能でございます。従いまして金融機関にお願いいたしまして、金資機関の善良なる管理者の注意を以て貸付けた、その場合貸倒れの二割は金融機関に
負担
して頂きたいというふうな考えを持
つて
おります。多分金融機関の御判断で人的保証、或いは簡便なる物的担保でよろしいという御
決定
があれば、
特別会計
においてはそれを信頼して貸付の
決定
をすることになろうと思います。
平沼彌太郎
66
○平沼彌太郎君 もう
一つ
伺いますが、それは
塩田
もそうでございますが、
林道
開発に対して一割五厘が最高に
なつ
ておりまして、表では一割なんですが、その他というような
事業
は
林道
には殆んどない、大抵
補助事業
なのですが、そうすると八分乃至七分ずつ安く
なつ
ておりますが、実際は八分というようなのは使わない、殆んど一割というようなことに
なつ
てしまうと思いますが、この一割というのは、現在の一般の金融
情勢
から考えましても非常に高いものに当るのでございます。結局は使わないことになりますし、
塩田
のほうからも随分これに対する
陳情
が出て来て、一割は高いと言うているのですが、これらはもう少し安くしても差支えないというようないろんな
法律
が考えられると思うのですが、それはできないのですか。
富谷彰介
67
○
政府委員
(
富谷彰介
君)
林道
の
利率
は、実は或る
林道
につきましては、現在市中銀行が
融資
されておるような
関係
もございますので、一割見当というのが多少奥地に入つたものであ
つて
も妥当ではなかろうかというふうに我々考えたわけでございます。そこで
利率
を下げる余地はないかという
お話
でございますが、どれも将来
特別会計
が預金部
資金
から
借入
をするということを考えますと、現在の
融資
計画
表にございます丁度中間をとりました貸出
利率
で収入が六分一厘二毛強になります。これを下げますとその
收入
に穴があきますので
特別会計
としては独立採算ができない。逆に申上げますと、六十億一ぱい借りられるところの預金部
資金
がその分だけ減
つて
来て、
融資
の
総額
が減るということになりますので、私どもこの
法律
に書きました
利率
で行うことが妥当ではないかというふうに考えております。
平沼彌太郎
68
○平沼彌太郎君 どうも
只今
の御
説明
は余り杓子定規のような感じがいたしますが、ただ二十億ですか、国庫で
特別会計
で出すということに対して、
利子
負担
などはちつともしない、損をしないような
計画
になるのですか。実際これだけの金を出すということは、
食糧
増産からい
つて
も、山林の緑化からい
つて
も、あらゆる面において非常にいいのですが、多少は国家で
利子
負担
をしても、こういう
金利
を少しでも安くするというような御
計画
を立てて頂けないのでございますか。
島村軍次
69
○
政府委員
(
島村軍次
君)
特別会計
を作りましたことは、金融課長の申上げました
通り
にこの
特別会計
の範囲内において収支をと
つて
行こう、こういう考えかたでありまして、現在の
法律
の建前から申上げますと、
利子
負担
、
利子補給
というようなことは考えられないと思います。
一つ
の
事業
執行の上に、或いは特に必要があれば
利子
を下げるとかいうことは考えられると思いますけれども、そのために
特別会計
中から
利子補給
をするということは建前上考えておりません。
平沼彌太郎
70
○平沼彌太郎君 そうしますると、若し今
林道
の場合において、これが七分、八分の使い途が殆んどないというのは、
利子
收入
のほうは余計になるというのですか。そうするとその中庸をと
つて
でもやるというような恰好になりますのですか。即ち
補助事業
のほうは一割、それから
補助事業
でないものは七分五厘というように
なつ
ておりますが、その他というものがなければ
予算
上
利子
が余るわけなんですね。
補助事業
だけでやる。そういう場合には
金利
の
残り
が出るわけだが、そういうときに多少下げて一ぱいに行くような恰好をとるのですか。国家で儲ける
方針
なんですか。(笑声)
富谷彰介
71
○
政府委員
(
富谷彰介
君) 一割の金の使い手がなくてその分がすつかり余
つて
しまつたという場合になりますと、六十億のフアンドが使い切れないということになるのでございますが、私どもの考えといたしましては、この
融資
計画
表にございます
土地改良事業
の三十九億の中の
補助
と非
補助
と書いてございますが、これもその間の
土地改良
の内部における移動というのは当然あり得るというふうにゆとりを以て考えております。更に農業と林業との間の移動ということもこれも当然起り得るであろう、その額はどのくらいであろうかという……。とは
ちよ
つと申上げかねますが、そういうように杓子定規にや
つて
しま
つて
、一方では使い
残り
が出して、一方で足らんというようなことのないように
関係
方面の
了解
も得てございますので、そういう場合はないのじやないかと存じますが、若し国として
利子
収入が余つた場合には、これは
一般会計
の収入になりまして、将来この
特別会計
に対する繰入の財源ともなるので、必ずしもこの
特別会計
が
利子
をたくさん儲けたからとい
つて
、
特別会計
として損だとかそういうことにはならんのじやないかと考えております。
羽生三七
72
○
委員長
(
羽生
三七君) それでは本日はこの
程度
で散会いたします。 午後三時五十六分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
羽生
三七君 理事
片柳
眞吉君 委員 白波瀬米吉君 瀧井治三郎君 平沼彌太郎君 宮本 邦彦君 江田 三郎君 小林 孝平君 三橋八次郎君 溝口 三郎君
政府委員
農林政務次官 島村 軍次君 農林
大臣
官房金 融課長 富谷 彰介君 事務局側 常任
委員会
專門 員 安樂城敏男君 常任
委員会
專門 員 中田 吉雄君