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1951-03-02 第10回国会 参議院 農林委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二日(金曜日)    午後二時一分開会   本日の会議に付した事件 ○本委員会の運営に関する件 ○農業災害補償法第十二條第三項の規  定の適用を除外する法律の一部を改  正する法律案内閣提出、衆議院送  付)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれより農林委員会を開きます。  先ほど理事会を開きまして、来週の議事日程決定いたしましたので、只今お手許まで配布いたしました資料を御覧願いたいと思います。この日程で御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは御異議ないものと認めて決定をいたします。  本日は農業災害補償法第十二條第三項の規定適用を除外する法律の一部を改正する法律案が正式に付託になりましたので、これを議題に供することにいたします。
  4. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 災害補償法の第十二條第三項の規定適用を除外する法律の一部を改正する法律案審議の前に承わりたいと思いますが、二十五年度の各都道府県の不足金の問題が、今どういう解決方向に進んでおりますか、承わりたいと思います。
  5. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 二十五年度までの共済組合連合会の累計の不足金は、合計いたしまして約二十億円までなつたのでありますが、これについては大体農林省大蔵省との話合いといたしましては、いわゆる不足金元金については、これは大蔵大臣言明しておられましたように、農林中央金庫をして必要な融資を行わしめる。併しこれは農林中金だけでは見られないのであります。大蔵省預金部調達をいたしまして、面倒を見て、これは速かに調達をするということに決定をいたしております。それからこれに関連をいたしまして政府でこの融資に伴う金額について利子貸付をするという方途を講ずる、この金額については、二十六年度において農業共済保險特別会計基金の運用によつて処理をして行くということに大体大蔵省話合いがついておりまして、それに基いて農業共済保險特別会計法の一部を改正する法律案というものを提案の準備をし、閣議で決定をいたして、司令部に持つて行つておるわけであります。ところが司令部において意見が出て参りましたのは、この基金の二十五億というのは政府の再保険不足金に充つべきものである。それで附則において暫時連合会が借入れます金の前年分の利子というものを便宜これから支出するということについては、これは異議がある。この問題は農業災害補償制度の根本的な改訂が行われるべき時期においてこういう問題は解決すべであるということで、非常に難点がございまして、日本政府部内できめましたこの法律案がどうしても総司令部において同意をして頂けない、こういう状態なつたわけであります。それで、それにつきましては私どもも参りましたが、大蔵省方面からも再々行かれたのでありますが、どうしても事務的には話がつかない、それで最後にはやはり農林大臣及び大蔵大臣がみずから総司令部マーカット少将のところにでも行つてお話して頂く以外に解決方途がないというところまで実は押し詰められて来ておるのであります。それで我々といたしましては、是非さような段取りで至急に進めて頂きたいということを大臣のほうにも進言をいたしておるわけであります。それから一方大蔵省といたしましては、この問題は非常にむずかしい点も予想せられるので、併しながら元金についてはこれは何とかしなければならんということで、元金についての具体的な研究も昨日省議を開いてやつておられるようであります。併し具体的にその二十億の金を如何なる方法において捻り出すかという問題について、まだ農林中央金庫、日銀或いは農林省関係においてははつきり決定はいたしておりません。これは至急にその方途研究しようということで、今日も関係官が集まつて会議を進めておるはずであります。我々としては、至急にこの元金は出すことを決定して、更にやはり当初の方針通り大臣の御出馬を頂きまして、この法律改正の際に附則においてやはりはつきり調うように、司令部同意を得るように最後折衝をして頂く、こういうような段階にまでなつておるのであります。
  6. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 農政局長お話はよくわかりますし、いろいろ御心配を願つておるようでありますが、各連合会では御承知のようにもうぼつぼつ定期の予算総会が始まるのです。それで取りきめられるというので、会長大分心配をしているようでありますし、事務当局心配いたしておりますが、そこで何とか支拂つて置くと割合に防げるというわけで、実は農林中央金庫に借入を迫つておる部分もあるのでありますが、今のお話のように何とか金庫をして融資をさせろ、こういうお話は前からも承つておるわけですが、金庫は今お話のような状態で、大蔵省から金が入つて来る途が開けないと、金庫自体ではなかなか融資ができない。そこで連合会では今度取れる麦の保険金目当に、その保険金を取つたら一応拂うから、まあ貸せ、こういうようなことを言つておるようですが、今日私は金庫行つて、午前中金庫におつたのですが、金庫では、政府金庫をして融資せしめると言われるが、金庫にはどうもそういう金は入つて来ない。それにそういうことを聞いて来られる人も迷惑でしようし、金庫自体もそう来られても困ると言つております。実際その通りで、私は問題はなぜそういうものができたか、今まで農林当局でとられた統計が、統計とはいいますが、前にそういう実例のはつきりしたものがないものを相手にして作つた法律でありますから、ここで十分な統計ができないからかようなことになつたので、今單にこうすると言つても、向うのほうでなかなか認めてくれんのは当然であります。実はこういう誤りがあつたと、これが誤りなんだと、政府の見方が……、そこでこういうことになつたのですから、この際どうかせよと、こうでないと、法律は当り前であつたんですが、こうなつたんだという行きかたではうまくないと思うのです。そこで問題は借入金によつて当分処理をする、その金利も何とかしよう、こういうお考えも持つてもらつておるようですが、その裏には二十五年度までは欠損が生じたが、今後いつまでも欠損ばかりではあるまい。そこで又利益金の出る時分もあるだろう、その時分にそれで埋めて行けるのではないかというような考えもあるように我々は聞えます。そこで問題は、法律を早く制定して、それに対する説明をして、こつちの誤りを指摘して、今後はこういうふうにして間違いないと、併し今出たものはこれで打切ることにして、何とかその解決をつけなければ、ただ借りて置いたのでは、何ぼ経つてもその解決はつかんのでありますから、そういうふうに少し強く進めてもらわなければいかんと思うのですが、今のお話を承わりますと、もう事務局のことでなくて、大分上のほうの折衝らしいように聞えますが、これは一つ政務次官にお尋ねいたしますが、これはどうも長く置けないので、前から随分迫つてはおりますが、早急にこの解決をつけるように十分な御努力を願いたいと思うのですが、まだ見通しはいつかわからんかどうかということをお聞きしたい。
  7. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 今農政局長が申上げましたように、経過はまあ最後段階に来ておるわけですが、そこで法律案決定大臣折衝によつて行われる前に、金の問題はもう今日、明日にでも是非片付けて、そうして金庫の困ることもわかりますし、それで拂うものは拂うということの措置是非講じたいと思つております。
  8. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 重ねてお尋ねいたして置きたいと思いますが、不足金元金は、取りあえず農林中央金庫に金を廻して、それで解決をつける。その利子金額政府負担してくれるという御意思があるかどうかということをお聞きしたい。
  9. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) そこまで詰められると実は困るのでして、そういう考え方で今折衝を進めて来たわけですが、本日の委員会にその点を明らかにするのにはまだちよつと余日があると思いますから、努力すると言う以外にないと思います。
  10. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 もう一つ、今度は局長にお聞きするのですが、局長心配してもらつていることはよくわかるのですが、実は前にもお伺いしたことがあるのですが、二十二年に農業災害補償法ができる時分に、北海道の千二百万円という損失金に困つた話をしたら、必ず政府解決をつけるという前局長の話によつて解決がついて、法案通つたと、その後も心配はしてくれていると思うのですが、これは北海道のほうでも困つております。それで会長がこつちに来ておりますが、何でも二、三日中にはお帰りになるようですが、何とかそれまでに返事を聞かしてくれということを今朝も言つているのですが、そんなわけには行くまいと、どうも心配をしておつても、なかなか思うようにならんというのが現状なんでして、局長も投げておいでるとは決して思わんし、努力をしておられるが、なかなか思うように行かんという話をしておられるから、その程度で何とかしてくれるだろうということで、帰らないかという話をしたら、それではだめだ、これはもう時期があるので、君に話をしてここまで待つたのだが、君も一緒になつて翻すのかと言うのですが、私は騙すのではなくて、聞いたことを伝えているに過ぎないのですが、あれを通すときの責任者は私なんで、これは当然そう言われても止むを得んのでありますが、次官もそれをよく御存じだと思う。あのときに同じ委員で、私が主張することを聞いておられたと思うのですが、これを一つ何らかのこの際解決をつける方法考えてもらえんかどうか、聞きたいと思う。
  11. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) この問題は随分古い問題でありまして、現在の次官農政局長当時に、何とかすると、それから私もたしかこの前の法律改正のときに御質問がございまして、何とかしなければならんということで、御答弁したことはよく覚えております。決してそれをほごにするつもりはないのであります。併しその後いろいろ実質的にその出しかたを検討して見ますと、簡単に合理的に出す途がむずかしいというふうなことで、非常にまあ苦慮しておるわけであります。気持は私どもといたしましても、早く何とかしなければならんと思いますが、急にこれをどうするということはちよつとやはりお約束ができないと思うので、どうせこの保険料率の、補償制度の根本的な改訂もしなければならん時期が来、この不足金についての根本的対策もそのときまでには解決するわけでありますから、我々といたしましては、その時期にかような問題も一緒にすつかり解決したいと、どうもその時期以外に、他に今急に打つ手といつても非常に事務的にはむずかしいのでありますから、さようなことで一つ了承頂きたいと思います。
  12. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 事情もわかりますし、私もなかなか面倒だろうと思つておりまするし、そのために非常に疑義を持つてもとから審議をいたしておりますが、今度の不足金解決一緒にどうしても解決をつけてもらいたいと思います。これは局長ばかりでなくて、政務次官一つそのつもりで、必ず解決をつけてくれると、こういうふうに考えて仕事をしてもらいますことを御約束してもらいたいと思うのですが、どうですか。
  13. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 従前からこの問題は毎日のように経過を聞いておりますし、それから今日の段階で、誠に困つた問題だということで、私も努力はいたしておるつもりであります。結局利子貸付法律案の問題については、更に大臣と協議を進めて、一つ何らか手を打つべき方法について更に検討を進めて見ましよう。ただここで  いつ頃ということは、御想像の通り相手かたもあるものでありますから、時期及び可能性は、もう山に乗り上げた感じが今ではいたしておるのです。山を下りるか下りんかという問題の見通しは、ちよつと私はこの農林委員会での言明一つ避けさして頂きますが、十分に御意思を尊重して、一つ努力をするということで御了解願いたいと思います。
  14. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 大臣はよく御承知かどうなんですか。
  15. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) この問題は、逐一その経過は報告してございますし、それから昨日も夜参りましてお話をしてございます。是非ともこれは農林大臣から一つ大蔵大臣を促進して頂きたい、御同道で一つ行つて頂きたいと……。最後的に解決いたしませんと、この法案を提出する態度がきまらない。折角の基金制度が三月一ぱいにできませんと、この中から例の不足金も出して頂くことになつておりますから、非常に困るということをよく話してございます。御了承済みのようであります。
  16. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  17. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて。  只今の問題について片柳委員から、先日大蔵大臣折衝して下さつた経過報告を承わりたいと思います。
  18. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 過般の農林委員会で、只今問題になつておりまする農業共済組合連合会事業不足金の問題につきまして、赤澤委員から動議がありまして、この委員会で適当なる実行委員々挙げまして、大蔵大臣農林大臣等促進かたにつきまして折衝をするようにというお話がございまして、私ども数名が院内で大蔵大臣及び農林大臣に面会をいたしましたので、その経過概要を御報告いたします。  この問題につきましては、第一は、二十億以上の、この計算上当然出て来まする不足金、これは是非とも国において一つ面倒見てもらいたいということを第一点に申上げましたが、勿論農林大臣は大いに賛意を表しておりましたが、大蔵大臣は必ずしも国で全部見ることについては、自分は意見がある、特に災害が、最近情勢が非常に悪くなつて来ておりますので、危険率算定等につきましてもこの際根本的な調査をし変えた上で、要するに農業共済の従来のやりかたを相当直すべき点は直した上で、適当な考慮をして参りたい、こういうような大蔵大臣から意見があつたのであります。これは、まあ根本的な問題でありまして、その点は農林大臣からもお話がありまして、現在農林大蔵両省間でこの農業保険の点については今折衝しておるというようなお話があつたのであります。併しこの問題は、飽くまで根本的な問題でありまして、焦眉の問題は、ともかく現在持つておる二十億以上の赤字を、適当な融資がございませんければ、連合会事業なり保険事業がストップしてしまいますので、根本的な解決は勿論これはやつて頂きまするが、応急繋ぎ措置といたしましては、ともかく何とか連合会事業が廻るように、融資その他の方法を講じて欲しいという点を第二点として申上げたのでありますが、それに対して差当り現在考えておる問題は、今農政局長からお話が以りましたような、この基金の中から和子の貸付をする、これは極めて我々には理解できない考えでありまするが、利子の補給とは言いませんで、利子貸付をして参りたい、これは大体その方向考え方は確定に近付いておるという御返事があつたのであります。併し我々は單に利子貸付だけではこれは到底金融ベースには乗つて来ない問題でありまして、中金にいたしましてもいずれにいたしましても、單に利子貸付ぐらいでこの連合会融資をするものはないわけでありまするから、この際政府資金なり、或いは政府資金が困難であれば、政府の息のかかつた資金是非とも一つ的確に連合会に廻るように、一つ大臣で善処して欲しいということを申上げまして、農林大臣は非常な積極的な御答弁がありましたが、大蔵大臣は、まあできるだけ一つ考えて見ようという程度の御答弁があつたのであります。以上交渉の経過概要を御報告いたしたわけであります。
  19. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この問題は今承わつたところによりまするというと、結局まあ政治折衝段階にあるように思いますので、政務次官もおられることでありまするので、農林大臣と御相談の上、速かに促進されるようお願いいたしたいと思います。  この只今かかつておる法律案について私からちよつとお尋ねしたいと思うのでありますが、農業災害補償法第十二條第三項を年々、まあ一年ずつ適用除外例としておるわけでありまするが、これを削除する御意思はございませんか、承わりたいと思います。
  20. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 毎年々々暫定的にやるやりかたを改めて、一般会計から直接保険特別会計に入れてもらうというような考え方について、私どもも同感でございます。すでに二十六年度の予算を要求いたしました際も、そういう態度でやつたわけであります。併しながら遺憾ながらその点についてはやはり根本的な問題に触れるから、根本的に改訂をする時期にそういうことも決定しようということに相成つております。従つてどういたしましても、諸般の情勢から、本年度においては農業共済補償制度の根本的な改訂をする時期が来ておるわけでありますから、その時期にこういうような問題も、一つ趣旨に副つて実現するように努力いたしたいと思います。
  21. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私も只今委員長質問に関連してお聞きしたいわけでありますが、毎年々々食管会計に入れておりまするが、結局更にこれを一般会計に移しておるわけでありますが、單にトンネル機関に過ぎないわけであります。これでは全く意味がないと思うのでありますが、ただ、丁度これは私が在官当時に考えた問題でありまして、食管会計農業災害補償法の費用の一部を負担するには、一つの理由があつたわけでありますが、と申しまするのは、御承知のように現在の米価なり或いは麦の価格等がパリティ計算できまつておるわけであります。全然その年々の豊凶を反映しておらない。災害がありまして減収になりましても、これは米価には変更がないわけであります。ところが昔のような米価のきめかたで参りますると、その年の米の作況を見て、その年に投下した生産費見合つて米価をきめる、こうなりますれば、当然災害の年には減収になりますから、生産費の単価が上つて参る、そういうことができたわけでありまするが、現在のような米価決定方法では、先ほどのような災害に対しても、依然として普通の場合における米価政府は買つておる。従つて災害減収があつた場合には、別途に調整する意味で、食糧管理特別会計が一部の負担をしても私はいいのではないだろうか。実はこういう次第で、当時の農政局相談をしまして、食糧管理特別会計負担をするということになつたのでありまして、この方針は、現在ではもうその必要がないということで、農政局長は単なるトンネル機関はやめてしまいたいという御意思かどうか、これは一つ趣旨の問題でありますので、この際政府側のお考えを伺いたいと思います。
  22. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) この法律は御承知通り食管特別会計共済掛金の一部を共済保険特別会計に繰入れる、負担する、そうしてその負担部分食糧売渡し価格の中に織込んで、消費者負担させるというような建前がこの法律規定なんであります。ところがそれが消費者価格に織込むことを当初から認められずに、やはりトンネル式に、消費者価格決定は別といたしまして、トンネル式一般会計から食管特別会計に入れ、そうして共済保険特別会計に入れておる、こういう事情であります。而も最近御承知通りだんだんと供出制害いうものも外れて来るような状態になつて来ておるわけであります。さようなことから考えまして私はやはり建前としては農業災害補償制度というふうな建前考えて、一般会計から直接これを持つて行くということのほうが端的でいいのじやないか。これは一番初めの農業災害補償制度ができます際にも、たしか国会の御意見もそうであつたように了承もしておりますので、我々としてはそういうふうな線に沿つて従来努力して来ております。
  23. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 この制度ができる時分から実は意見を持つておるのですが、我々はこれに反対しておるんです。こういう制度ではいけないということで……。ところがまあ説明をされて、無理々々これをやられたわけなんですが、その後全くトンネル式で、僕に言わせると迷惑千万なことで、毎年のようにこの法律をやらなければならんということは、それは誰がこだわるかわからんが、そういうものにこだわらないで、毎年平必要なことはやめて、創ることが本筋で、根本的の改革を要する時期も参りましようが、今度二十六年度の通常国会にはこういうものを出さないで、根本的に考えてもらうようなことでないと、非常に毎年毎年迷惑だと思うのですから、是非一つよく協議されて、又これを繰返さんようにお願いして置きます。
  24. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この法律案については大体質疑も盡きたようでありますので、次回に採決をいたしたいと思います。御異議ございませんか。
  25. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私はこの際この委員会議事進行について動議を提出いたしたいと思います。  農業委員会法案につきましては、今日までいろいろ質疑応答されておりまするが、かような農村の機構を整備する前提といたしまして、農村及び農業に関する基本的な條件が整備されなければならん、或いは差当り緊急な問題が解決せられなければならんと思うのでありまして、実はその問題が当委員会でもたくさんの問題が懸案事項としてあると思うのであります。その一つは、去る二月二十八日の当委員会におきまして、岡村委員から例の自作農創設及び維持資金の確保に関する問題の実現を提唱されたのでありまして、これもまだ何ら解決されておらないのであります。なお今議会におきましても幾多の問題が起きて参りまして、只今問題になつておりまする農業共済組合連合会事業不足金の整理問題、それから農業協同組合再建整備の問題、及び過般当委員会で申入れをいたしました食糧管理方式問題等があるのでありまして、少くともこれらの緊急な問題につきましては、納得の行く程度に問題が解決せられた上でこの農業委員会法案本格的審議に入るべきだと存ずるのであります。さようなわけでありますので、まだ農業委員会法案につきましては幾多質疑研究する問題があると思いまするが、以上の懸案焦眉の問題につきまして農林大臣なり大蔵大臣等関係大臣から、当委員会におきまして責任ある明確な言明を得ました上で、農業委員会法案の本格的な審議に入るべきだと、かように存ずるのでありまして、委員長におきましてこの点を各委員にお諮りを頂きまして、然るべく措置をお願いいたすわけであります。以上の動議を提出する次第であります。
  26. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 只今片柳さんの御動議は、当面する諸問題について十分討議を重ねて、当局からの確たる意見を聴取した上、逐次農業委員会法案審議に入つて行くということの御動議だと思いますが、大体来週の議事日程只今ここに御配付してありますけれども、かかつておる法律案はこのプログラムの中に皆入つておりますけれども、それと関連して今御動議を出されたような問題については十分審議を重ねて行くつもりでありますが、他の皆さんの御意見もこの際承わつて置きたいと思います。
  27. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 片柳議員の御動議は、私もそう考えておつたので、最も賛成であります。そういうふうに進まんと、何ぼ経つても、並行式では非常に遅いと思うんです。そこで問題というものを片付けて、その後委員会法案を専門に進めることがうまく進むことなので、議事進行上非常によいことだと思いますので、私はそういうふうにやつてもらいますことをお願いいたします。
  28. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 如何でございますか。
  29. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私も今の動議賛成なんですけれども一つここに申上げたいことは、例の農地委員会未墾地買収をした或る一部においては非常に行過ぎがあつたと一いう問題がある。そうしてそれは後に例の適地調査部会というものによつて或る一つの標準を作つて、その後は軌道に乗つた。その前に非常に急遽やつた分の中には、どうしても土地利用の面からいつて問題のところがある。これを政府は十分に直して、元の値段で、そういう土地利用の観点から不適なものは返すという法律を出すということをかねてからこの委員会でも言つておるわけで、研究中であるということを言つておられるが、ところが最近聞くというと、その問題はなかなかいろいろ問題があつて、出しにくい点があるというようにも聞いておるのであります。私はこの際この農業委員会の問題と関連いたしまして、曾て標準等のできなかつた時代において、未墾地の買収を行過ぎてしたところのうち、誰が見ても、土地利用の上からいつても元の山林にしなければならんというような所については、速かに処置をする、元の値段で売り戻すという措置をする法律を出すか出さないか、この問題も至急政府のほうで態度決定して頂きたい、かように附加えまして、この動議賛成をいたします。
  30. 西山龜七

    ○西山龜七君 先ほど片柳委員から出ました動議に対して、この委員会に出ておりませんものがどういうような順序で出て参りますか、政府のそれに対する御方針を承わりたい。
  31. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 自作農問題を例としてお挙げになつたことだと思うのでありますが、自作農に関する問題は、先般岡村委員お話によつて、私は或る程度まで研究をいたしましたが、現在の段階ではGHQの関係がございまして困難でありますが、替案というものを今考えておりますので、この点は法律案が出ないにいたしましても、将来はどういう考え方で進むということのはつきりした意見を次回、或いはその次までに申上げることにいたしたいと思います。  それから災害補償については、只今大体の経過は御了解願つたと思いますが、これについてはなお残つておる問題交渉も残つておりますから、更に後の機会にいずれかを申上げることに  いたしたいと思います。  それから食糧管理に関する問題は、本日多分OKが取れたと思つておりますが、一両日中に提案をいたしたいと思います。  それから未墾地買収に関する問題は、そういう言明をいたしましたかどうか、私も実は経過をよく存じませんので、帰りまして研究の上で明らかにいたしたいと思います。
  32. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 未墾地買収の問題は、実は前の法律にはそれが入つてつたのです。それが通過せんものですから、そこでポツダム政令に出したのは従前通りのことが出たのであつて、あの法律適用されていないものですから、今、三浦さんのようなお話が出るわけなんですが、前にOKをよこしたくらいだから、これは除いてやつても私は取れると思うのですが、これは問題なんです。そこで現在買収されておりまするうちで農耕適地でない部分があつて、そのままでおるわけなんですが、そこに幼木があります。そこで気の早い地主は、もう買収されそうだというので切つてしまつたのもあるし、又、されて切つたのもありますし、買収はされたのだが、そのままで置いておつて、切つても大して金になるほどなつていないというので、置いておる部分もありまして、これを解決することが森林に大影響があるので、そこで三浦さんあたりは非常に御心配されると思うのですが、私も同様で、実は催促されて、地主からあれはどうなつたということを言われますが、どうも私、実は誤解しておつて、あの法律はそのまま通つたと、こう思つたものですから、それは通つておるからよかろうと言つて見たのだが、そうでないそうです。これは何らかの方法をせんと、今申しますように農耕適地の部分ならいいのですが、誰も買い手がない土地がそのままになつていることはいかんことですから、森林保存の上からも一刻も早く何とかしたほうがいいと思います。  それから次に次官にお尋ねいたしますが、北海道農地委員会予算調査をやつて、そして政府にその増額をしてもらうことを要求し、えらい騒いでおるようで、昨日も何ですか、町村長の大会を開いて、その決議だというので電報が来ておりますが、何でも政府が何とかするとか言つたというように聞いておりますが、あれはどうなさるつもりか、聞きたいと思います。
  33. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 北海道農地委員会の費用の問題は、私もその経過を存じておりますが、北海道だけ出して、ほかとの影響があるということで、事務的に少し解決つけていないと思いますので、これも一応関係事項のうちに加えまして研究を進めて、この次に御回答申上げることにいたしたいと思います。
  34. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 先ほどの片柳さんの動議の問題でありますが、先ほど申上げましたように、日程には当然付託になつておる法案を表題に掲げなければならないわけでありますが、そういうことで審議したいと思つております。例えば今お話自作農創設維持資金、この問題なんかにつきましても、その際に関係当局の出席を求めて審議できると思つておりますが、御動議の点もありますので、幸い政務次官もおられますので、適当な時期に農林大臣大蔵大臣、場合によりましては安本長官等の出席を求めまして、当面し、特に緊急と思われるような問題は、速かに解決するような方法をとりたいと思いますが、そういうことでよろしうございましようか。
  35. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 只今片柳君の動議につきましては、そういうお諮りでなく、動議を先金に取計つて我々にお諮りを願いたいと思います。
  36. 羽生三七

    委員長羽生三七君) どういうことでございますか。じやもう一度お諮りいたしますが、片柳さんの御動議は、当面する問題を片付けたあとから農業委員会法の審議に入れ、こういうお話なんであります。
  37. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 そうです。
  38. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それで採決とか何とかいうのですか。
  39. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 そういう工合にお諮りを願いたいと思う。
  40. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 そういうふうに採決しろということだ。
  41. 西山龜七

    ○西山龜七君 私は今委員長の申されましたように、この日程のほかに、先ほど次官が申されましたような事項が出て来ましたときに並行して適当に、大臣その他関係者が出て審議するようにして頂きたい、かように思います。
  42. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  43. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。  それではそういう取計らいで進行することにいたしたいと思いますが、片柳さんの先ほどの動議をそういう形で採択するということで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではそういうことに決定いたします。
  45. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 この機会に農林当局にお尋ねしたいのですが、地方の共済連が災害防止の事前工作といたしまして、いろいろやらなければならんことがあると思うのです。或る県においてはそのためにこれが刑事事件にかかつているとか……。例えて見れば、必要な動力噴霧器を買つて分けてやつたとか、さような場合において、果してそういうことが悪いことかどうか、当局意見をこの際聞いて置きたいと思うのです。
  46. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 共済組合は、当然法律災害が起りましたときの共済金の支拂だけでなく、事前に災害を防止するための仕事もやることが認められておりますので、さような意味共済組合がやることに支障はないのでありますが、ただ問題は、さような経費は本来これを総会にかけまして、特別の賦課金といたしまして、それによつてつて行くということが正しいやりかたである。問題は、そういうふうな総会にかける手続をやらずに、農家から納めて来ましたところの保険掛金を流用して、その手続について若干不備な点があるということが私は問題になつているのだと思います。従つてそういうふうなものについて便宜流用するような場合にも、やはり総会にかけてその事業を確認し、それに対し賦課金をとつてやる、そういうふうな建前で、了承を得た上で一時、掛金なら掛金を流用するというようなことは、これはいいと思います。さようなことで具体的に問題になつていると思います。併しこれは私どものほうからもそういう趣旨のことをよく通牒を地方庁のほうにも出しまして、それからなお検察当局のほうにも直接係官が出向きましてよく説明をしておりますので、御指摘の事案については、私は恐らく円満に解決するのではないかと思います。併し共済組合の指導方針としてはやはりその点をはつきりして、掛金をいろいろなものに流用することは避ける、必要なものは総会の手続によつてきめる、こういうふうな建前で行かんと経理が紊乱する、こういうふうに考えております。
  47. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 只今の御説明で或程度わかりましたが、その起つた問題は、單位組合に必要なものをまとめて買つて分けてやる、従つて単なる斡旋に過ぎないが、物を安く買うために金を立替えただけなんです。従つて掛金を流用するわけではないのです。併しながら各農業団体におきましては、皆集まりまして協議の結果やつたことでありまして、共済連の役員の決議も経ている。ただ総会の手続を経ないだけであるのですから、さような場合におきましても、農林省から通牒で、総会の手続を経なければうまくないというようなことがありまして、これらの取締当局におきましてはその点から疑義を持つのではないかと思います。かような団体において協議した、役員会においても協議をした、そのうちにさような変つた支弁をして、すでに金を納めている、かような事態がありましても、勿論農林当局におきましても、よくやつたという言葉でなければ、これからいろいろの新しい問題が出よう患いますが、役員は萎縮してしまつて、新しい仕事に手を出さんと私は思うのです。従つてこの問題については積極的に、この問題は別に悪いところはないという点で、関係の取締当局のほうで積極的なお話が欲しいと思うのです。というのは、その団体の各役員は、地方選挙に関係あるかたが、現任の県会議員をしているのです。これはまあそういうことから特別の御措置を願いたいと思いますが、如何お取計い下さいますか。
  48. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) この問題はすでに係官が二回ばかりも検察当局に参りまして、よくその事情も話しているわけであります。それからなお重ねて通牒をも出しておりますので、私が係官から報告を受けましたところでは、円満に解決をするのじやないかと思いますが、なおその点については一つ詳細に調べまして、事態が円満に片付くようにして、我々としても及ばずながらの努力はして行く、こう考えております。
  49. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 係官というのはどなたですか、向うの係官というのは……それをちよつと。
  50. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) これはちよつと……あとで話します。
  51. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ほかに……。それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後二時五十六分散会  出席者は左の通り    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            小林 孝平君            三橋八次郎君            三輪 貞治君            赤澤 與仁君            溝口 三郎君            鈴木 強平君            三浦 辰雄君   政府委員    農林政務次官  島村 軍次君    農林省農政局長 藤田  巖君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君