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1951-03-01 第10回国会 参議院 農林委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月一日(木曜日)    午後二時五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農業委員会法施行に伴う関係法令  の整理に関する法律案内閣送付) ○農業委員会法案内閣送付) ○小委員の辞任及び補欠選任の件   —————————————
  2. 岡村文四郎

    理事岡村文四郎君) それでは只今から委員会を開会いたします。  先ず先に農業委員会法施行に伴う関係法令整理に関する法律案提案理由説明を承わります。
  3. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 農業委員会法施行に伴う関係法令整理に関する法律案提案理由説明を申上げます。  農業委員会法施行に伴う関係法令整理に関する法律案は、今回の農業委員会法によりますれば、現行農地委員会は新たに農業委員会に改組せられることになりまするので、現行法律中の「農地委員会」とあるものは「農業委員会」に改める必要が当然生ずるわけであります。この意味におきまして整理を行うための関係法令についての一部改正を行なつた次第であります。  どうぞ農業委員会法と併行して御審議の上速かに御可決あらんことをお願い申上げる次第であります。
  4. 岡村文四郎

    理事岡村文四郎君) それではこれについて大体の御説明をお願い申上げます。
  5. 平川守

    政府委員平川守君) 只今提案になりました農業委員会法施行に伴う関係法令整理に関する法律案の逐条につきまして概略説明申上げます。  第一条の農地調整法の一部を改正するというのは、これは文字が「市町村農地委員会」となつておりますのを、今回の農業委員会法に即応いたしまして、それぞれ「市町村農業委員会」或いは「都道府県農業委員会」というふうに、名称を改めるという規定でございます。  それから第一条中の第四条第一項中云々とありますのは、従来市町村農地委員会がありません場合には、隣接区の農地委員会でその事務を処理いたしておりましたが、これをそういう場合に市町村長事務を処理せしめたいということであります。  その他は、農業委員会法のほうに規定を設けました関係上、農地調整法のほうから同じ条文を削除するという規定でございます。  それから第十七条の二についての改正は、従来の農地調整法の中におきましては特別市に関する規定がございましたが、これは実際上ございませんので、この点を削除いたしたというわけであります。  その次は、これも内容が全部農業委員会法のほうに規定されますので、それを削除する規定でございます。  それから第二条は名称変更でございます。「市町村農地委員会」というのを「市町村農業委員会」に改める、名称変更でございます。  それから次に、附則第六条第二項を改めるとございますが、これにつきましては、本年中におきまして調整法九条三項によつて小作契約解除等があります場合におきまして、都道府県知事許可を得ることに経過的になつているのでございますが、この本年の期限が切れましたあとにおきまして、本年中に申請をいたしました手続は、農業委員会に対して申請をしたものと、その手続を有効にしようという経過的な規定でございます。尤も只今の第六条第二項には、この場合において都道府県知事許可をいたしまする場合に、都道府県農地委員会意見を聞くことになつておりまするが、この点につきましては、その都度非常な経費を要しますることと、大体原案が市町村農地委員会の議を経て提出せられて参ります関係上、都道府県知事はその市町村農地委員会の実質的な意見を当然に聞き入れ、ただ法律的な問題だけを審査して許可するような関係にありますので、都道府県農地委員会の承認を求める手続を省略いたしたいというので、現在のその規定を削除いたしております。  第三条の自作農創設特別措置法改正は、これは全く名称変更だけでございます。  四十八条の改正は、地区の問題でございますが、地区農地委員会の問題でございますが、農業委員会法のほうには地区農業委員会というような名称を用いておりません関係上、これに即応いたしまして、各同一市町村の中に二以上の農業委員会がありまする場合に、その一つ一つ農業委員会市町村農業委員会と同様に扱うという意味規定でございます。  第四条の土地改良法の一部改正は、名称変更のみでございます。  第五条の小作調停法の一部改正、第六条の自作農創設特別措置法及び農地調整法の適用を受けるべき土地の譲渡に関する政令、これの改正も単に名称農地委員会から農業委員会に改めるというだけでございます。  以下第八条まで同様でございます。附則の第二項は、七月に農業委員会法によつて農業委員選挙が行われる予定でございますが、それまでの間農地委員会は存続するという規定でございます。  それから第三項は、農地委員会が従来いろいろ措置をとつて参つておりますが、この措置農業委員会行つた措置として引続き効力を有せしめる、そういう意味規定でございます。経過規定でございます。  第四項は、これに関連をいたしまして、農民の側から農地委員会等に対しまして、いろいろな手続をいたしおる過程のものがあるわけでありますが、それを農業委員会に対してなしたものとみなすという経過規定でございます。  第五項は、市町村農業委員会が仮に選挙関係で成立いたしませんで、或る市町村農業委員会が成立しておらん、併し県のほうにおいては農業委員会が成立したという場合におきまして、その市町村農業委員会の成立しておりません村におきましては、市町村農地委員会県農業委員会に対して諸般の手続をすることができる。農業委員会ができるまでそういう手続ができるという意味経過規定でございます。  概略説明申上げました。
  6. 岡村文四郎

    理事岡村文四郎君) それでは政府委員ちよつとお知らせ申上げます。島村政務次官ちよつと衆議院のほうに参りましたが、すぐ参ります。藤田農政局長平川農地局長小倉農業改良局長上松農地局管理部長和田農地局農地課長、この六人のかたが出席されております。  それでは昨日に引続いて委員会法質疑を続行したいと思います。それから昨日江田議員の御質疑に対して改良局長がお答えするのが適当だろうと思うから、改良局長おいでになつてから詳しいお答をすることになつておりますので、それを一応お答え願います。
  7. 小林孝平

    小林孝平君 政務次官お尋ねすることがありますけれどもちよつとおいでになりませんので、その前に昨日委員長から話がありました兼職禁止の問題に関連して一つお尋ねしたいのは、この四十六条では、市町村農業委員会委員と県の委員は兼職できない。それから都道府県委員都道府県議会議員が兼職できないと、こういうふうになつておりますが、市町村農業委員会委員と、市町村議会議員が兼職できないようには、どうしてこういうふうにされなかつたか、ちよつとお尋ねいたします。
  8. 岡村文四郎

    理事岡村文四郎君) 先に江田さんの御質問の御答弁を願いますから…。
  9. 江田三郎

    江田三郎君 これは昨日質問したのですが、間接になりますから、改めてちよつと質問したほうがよくはないかと思います。
  10. 岡村文四郎

    理事岡村文四郎君) そのほうがよろしいですか。それでは江田さん。
  11. 江田三郎

    江田三郎君 では三点ほどお伺いしたいことがあるのですが、第一の問題は、従来の改良委員会性格ということなんでして従来の改良委員会のことにつきましては、言うまでもなく専門技術員改良普及員その他農業改良事業に従事する職員は、供出割当配給、検査、取締等行政事務を担当してはならない、こういう規定があつたわけでありまして、この点は私は改良委員会性格を決定付ける非常に重要な点だと思うのですが、こういうような考え方は何を出発点として、さような方法をとつておられたのか、或いはどういう御意図でやつておられたか知りませんが、この改良事業をやるときに考えられました性格というものと、今度農地委員会或いは調整委員会仕事一緒になつてやられる場合に矛盾は起らんであろうか、どうであろうか、こういう点を先ず第一にお尋ねをしたい。
  12. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 今お尋ね委員会性格乃至普及員活動の分野についてのお尋ねでございますが、普及員供出割当、資材の配給等事務携つてはいけないという趣旨の原則は、これは普及員活動が協力的な機能重点を置いてあるために、今お尋ねがありましたような行政的な事務にはタッチしないほうが適当であるという趣旨のものであります。ところで委員会性格になりますと多少趣きが又変つて来るのではないかと思いますので、委員会と申しますのは、何と申しましても、やはり従来の改良委員会でありましても、改良事業に関する行政農民代表かたがたが参加して行くという趣旨重点であるのではないか、かように考えておるのであります。
  13. 江田三郎

    江田三郎君 もう少しはつきりして頂きたいと思うのですが、食糧確保臨時措置法のときにも、この農業計画ということが食確法の中にあるわけでして、農業計画といえば極めて広汎なものであつて、いろいろのこの土地利用方法というようなことなり、或いは技術面も含めなければ農業計画というものは立たんと思う。食確法農業調整委員会農業計画を立てるということになつておるのに、而もなお今一つ改良事業のほうが別個に生れて来た、而も生れて来たのに対して先ほど私が申しましたように、この関係職員供出その他の行政事務を担当してはならんということは、これは飽くまでこの改良普及事業というものが、食糧調整あたりに牽制されて本来農業という見地或いは農民農家経済という見地から合理的であるべきものをゆがめられてはならんということから出ておるんではないかと思う。そして一応今のところ麦については統制政府のほうは外すというようなことを言つておられますけれども、我々はこれについては、なお非常に危惧の念を持つておるわけであります。果してそういうことができるかどうか。或いは将来のいろいろな情勢から考えまして、まだまだ私、食糧の、主食の統制という問題は簡単に外せるものではないと思うのでありまして、そういう点から言うと、情勢はそう根本的に変つていないわけで、そこでそういうときになつて、あつさりこういう規定があつたにもかかわらず、この改良事業仕事を、食糧調整をやる農業調整委員会なんかと一緒にやられるということは、根本的に農業改良事業に対する農林省の趣旨というものが違つたのかどうか。そういう点を心配するわけなんです。
  14. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) お尋ねの点でございますが、このたび改良委員会農業委員会に統合されることによりまして、従来の農業改良事業性格が変つたかどうか。或いは変えたのかどうかという御質問でありますけれども、私ども考え方といたしましては、少くとも普及活動或いは改良事業活動自体性格は何ら変更がないものというふうに考えておるのであります。何故かと申しますと、この委員会は勿論この法律で現われておりますところは非常に広く、改良事業についても諮問的な或いは建議的な役割を果すことになつておりますけれども委員会性格といたしましては、やはり何と申しますか、行政的な仕事にタッチして行くのが重点ではないかと思うのであります。改良事業は勿論行政的な機能重点でありますけれども、その事業を推進して行くためには、やはり正行政的の仕事が伴うわけでありまして、そういう改良事業に伴う行政的の機能にこの委員会がタッチして行く、従つてこの委員会農地の問題にいたしましても、或いは食糧割当の問題で偽りましても、いわばさような意味行政的なものにタッチして行くという面についてはやはり同様でありますので、統合した結果、普及事業性格が変るということはないものと私は理解しておるのであります。
  15. 江田三郎

    江田三郎君 どうもわからないが、はつきりしないのでありますが、然らばもう一遍元へ帰つてお尋ねするのですが、農業調整委員会というものが、農業計画に干与することになつておる、そういうものがはつきりできておつたのに、別にこういう農業改良事業委員会お作りなつたというのは、何故別のものをお作りなつた、今あなたの御答弁によりますと、その当時でも農業調整委員会に、やはりこの仕事も網羅してもよかつたということになるのじやありませんか。そのときには二本建にせられたのは何故であるか。而も片方は、国の仕事というよりも、むしろ地方自治体の、地方の創意を働かすように、予算面においても余り国が、面倒を見なかつた。何故初め二つに分けておつたか。
  16. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) お尋ねのように、純理的には勿論当初から農業改良委員会というような別建てに行かずに、農業調整委員会というようなものの役割一つとして考えることも勿論できたと思うのであります。併し農業調整委員会の当時の仕事の範囲と申しますか、量と申しますが、相当大きくて、農業計画と申しますか、或いは割当事務に対する参与と申しますか、そういう仕事の量が非常に大きくて、改良事業に関する仕事まで手を拡めるということがなかなかできがたかつたという事情にあるのではないかと思うのであります。
  17. 江田三郎

    江田三郎君 少しはつきりしないのですが、はつきりできなければ又はかな時間にでもお尋ねいたしますが、恐らく局長は今の御答弁に自分でも余り確信を持つておられんのじやないかと思います。誰が考えて見ましたところで、これははつきりもはや農業改良事業というものの最初の出発した建前を放棄されたと思うのであります。私はそう思います。次の点を御質問いたしますが、普及員というものを、これを大体一町村一名ということに配置をされるようですが、この際普及員仕事というものは、これは一町村に一人ずつおる人が、その町村の例えば畜産についても、果樹についても普通作についても、特作についても大体全般的に指導されるようなお考えであられるのかどうかということであります。
  18. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 一町村一名ということが言われておりまして、私どもも又それを目標にいたしておつたのでありますが、それは全国平均的に見た場合の普及員の数でありまして、現実の配置を一町村一人ということを貫徹するかどうかということになりますというと、これはいろいろ問題があるのであります。只今のところ一町村一人ということで、純県費で計上いたしましてやつておる所もございますが、なかなかそういうわけにも参らん地方も多いのでありますし、大体今のところ私ども考え方としては、中地区と申しますか、或いは余り大きくなく、或いは又一町村一人ということでもなく、三、四方町村普及員を三、四人ずつ配当するのがいいのじやないかと思うのであります。今お尋ね普及員が、何と申しますか、普通農事全体について仕事をやつて行く常識的な万遍ない知識を持つておりまして何でもやつて行く建前かどうかというこ  とでありますが、その点は成るほどさような方針の下で従来やつて参つたのでありますけれども、併し今後多少やはり専門的な知識というものを各普及員のかたにも持つて貰うほうがいいのではないかと考えております。特に農家知識程度もだんだん向上して参りますというと、農家の問題に対して一人の普及員が全部するということは難事でありますので、一応農業全体に通ずると何時に特技を持つて頂くというふうに持つて行きたいと思つております。
  19. 江田三郎

    江田三郎君 大体そうしますというと、一つの中地区というか、そういう所で、畜産専門とか或いは果実の専門とか専門が違いましようが、そういうものが地区としては総合的に指導ができるようになるというお考えでござ、いますが、そういうような工合なつたときに、今度の農業委員会が一村にできて、一村の委員会でこの普及員の何と申しますか、監督と言います。か、そういうことをするのじやないかと思いますが、それとうまくマッチして行けるかどうか。今度新しい委員会ができたときには、一体普及員任免とか異動とか解任とかというものは誰がせられるのですか。
  20. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 御説の通り地区の問題につきましては、このたびの農業委員会地区改良事業地区とは一致いたしておりませんのです。その点については、だから多少不都合なことも起ることが予想されるのでありますけれども、併しこの法律も全然その点を考慮していないのではございませんで、勿論改良事業地区委員会地区と一致することもあるのでありますけれども、それはむしろ少いのでありまして、大部分は一致しない。その場合のやり方でございますが、その場合には、この市町村委員会代表者会議というものの運用で、改良事業につきましては改良事業地区と、その地区内の村の農業委員会代表者が集まつて、そこで改良事業について委員会としてなすべき仕事をやつて頂くというふうな方針にいたしております。
  21. 江田三郎

    江田三郎君 この代表者会議というのは、会長若しくは代表者によつて構成されると称しておるのですが、そういうような会長若しくは代表者として出て来られる人々が、或る村から出て来る者は食糧調整、そういうことについての専門家であつたり、或る村から出て来る人は農地改革のほうの専門家であつたり、恐らくそういうような代表者が全部のことについて詳しいという人は私は少いと思うのでして、一体そういう代表者会議で、只今局長答弁されるようなことがうまく行くかどうか非常に心配だろうと思うのですが、もう一遍その点をはつきりして頂きたい。  それからもう一つ、さつきお尋ねしましたこの普及員任免異動等については誰が一体権限を持つのか、町村普及員について……。権限というのでなしに、県の諮問事項、あの扱い方……。
  22. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 代表者会議は御承知のように、若しこれがこの農業委員会の担当すべきこと全体をやるという趣旨に対しますれば、そこに集まつて来られるかたがたが、いろいろ専門が違うということにもなりますが、私どもは非常に便宜的に考えておりまして、改良事業については改良事業代表者会議ということもこの法案でできるのではないかというふうに考えております。従つて改良事業についての相談がある場合には、各委員会から改良事業に特に理解があり、又改良事業について代表者とすることが適当であるというかたが集まつてこの代表者会議が運営されるのではないか。又そのほうがいいのではないかというふうに感じております。  それから普及員任免についての知事諮問と申しますか、そういうことに対する答申の権限でございますが、それは勿論県の専門技術員というようなものについては、県の委員会でございますし、それから地区普及員につきましては、今の中地区に当るようなものは、この代表者会議が県の委員会権限を集質的に代行するというような形で参りましようし、それから町村委員会と一致した所では、町村委員会権限ということになると思います。
  23. 江田三郎

    江田三郎君 代表者会議の構成の仕方について、いろいろなものの代表者会議が並行的になされてもいいというようなことですが、その点は果してやつていいのかどうか。これはあと農政局長から御確認願いたいと思います。  それから私は昨日も御質問したのですが、二十六年度において改良委員会事業に対しまして政府予算が四十万円になつておる。四十万円ということは、四月から七月まで、或いは八月までの分だと、こう解釈されるということでありますが、一体国改良事業百に対する関心というものが、援助の仕方というものが、全国を四、五カ月に亘つて四十万円程度のことでやれるように考えて今までやつて来られたのかどうか伺いたい。
  24. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 農業委員会に関する予算のうちに、特に改良事業関係して特別に計上されておるのは、お説のように非常に僅少であります。併しそれではこの委員会のそれ以外の費用は全部改良以外のものかと申しますと、必ずしもそうではございませんで、この準備費なり旅費というものの一部分は、やはり改良事業のために使われるものというふうに考えております。
  25. 江田三郎

    江田三郎君 そういうことをお尋ねしておるのでなく、四十万円と明らかにこれは数字が出ておるわけです。それは昨日の農政局長の御答弁では四十万円は年間のものでなしに、この農業委員会が正式に出発するまで、つまり七、八月まで、それまでの期間に使われるものだということであつたのです。できた後において農業委員会仕事改良事業仕事改良事業仕事がどうなるかは知りませんけれども、少くとも七月乃至八月できるまでは、国として四十万円程度の金を改良普及事業に出してやればいいというお考え方針を立てておられたかということなのです。
  26. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 私どももそれで十分であるというふうには勿論考えてはおらないのでありまして、それでは甚だ少くて、それでは恐らく県の改良事業、それに関する委員会の運営にも甚だ不十分であるというふうには勿論考えておるのであります。
  27. 江田三郎

    江田三郎君 そこで私が最初に聞きましたのは、この改良委員会普及改良事業性格が変つて来ておるのではないかということなのして、その点をお聞きしたところ、性格は依然として変らなくて、今までやつて来た普及改良仕事は、この統合された委員会のうちで円満に行けるということなのですが、併しながら円満に行けるという考え方は、少くとも四月から七月或いは八月までの四、五カ月の間に、国として四十万円程度出してやればできるくらいの仕事なら、私は円満に行けると思いますが、その程度仕事を今度の統合された委員会に持込もうということなのですか。
  28. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) そういう趣旨ではございませんです。
  29. 江田三郎

    江田三郎君 それならば重ねてお尋ねしますが、新らしくできた委員会について仕事の割振りと言うては変かも分りませんが、一体大ざつぱに考えて、今度できる委員会は、これは地区的にいろいろ違いましようが、大体どの仕事にどの程度の割合の重点を置くのか。例えばこれを十に分けた場合に、改良事業というものはどの程度考えておられるのですか、少くともはつきりした数字が出て来て、四十万円ということになり、あの数字で行きますというと、普及改良事業などはどつちに転んでもいいということになつて、どこに行つてもかまいませんけれども、そういうことではなかつたと思うのであります、或いは又別な角度から、国としては普及改良事業については飽くまで補助助成には関係はしないのだ、普及改良事業をやりたければ、今度の新らしい委員会においても全部それは町村地方自治体が賄え、こういう考えでおられるのか、その点をもう少しはつきりしたい。
  30. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 改良事業に関しまする関係におきましては、委員会費用はこれは勿論国で従来も一部は補助しておりますけれども、大部分は府県なり町村その他地元の負担でお願いをいたしておるのであります。今後も勿論国の予算でできる限り計上いたしたいと思いますけれども地元からも相当又従来同様に醵出願うということになるのじないかと思うのであります。お尋ね事業の分量でございますが、これは新らしい委員会のでき工合によるものでありますけれども、勿論正確に何%くらいが改良事業関係する仕事かということは、もう少しほかの食糧割当、或いは農地関係仕事のボリュームがどの程度かということと兼ね合して考えなければなりませんので、ここですぐ何%ということをお答えするわけにはできかねるのでありますが、予算の上から、特に改良普及事業調査ということで載つておるこの調査費の額だけからは、改良事業のウエイトを判断することはこれはできないというふうに思います。
  31. 江田三郎

    江田三郎君 調査費の額だけから判断することはいかんということなら、とにかく新らしい農業委員会が成立して、仕事をするのは町村段階で七月、県段階で八月になつて来るわけです。その間は一体ほかに何をするのですか。調査費四十万円で、それだけで考えてはいかんということならば、ほかに一体この過渡的の四、五カ月の間にはどれだけの仕事を国がさせようというのでありますか。或いはその間には何もしないでいいものなのでありますか。その間に何もしないでいいということなら、年間にも同じことだと思うのでありまして、私は普及改良事業というものは、今度初めて出て来るのでなしに、今までやつておられたものを統合して行くというのだから、これは今の御答弁では満足できないわけで、もう少しはつきりして見たいと思う。それともさつきあなたのおつしやいましたように、普及改良事業はこれは県なり町村なり地方自治体で負担して行くのだ。国が考えておるのは四、五カ月間に日本国中四十万円ほどの仕事しか考えていないのだということをはつきりするなら、それでも結構です。
  32. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 只今のこの改良事業委員会が、新らしい農業委員会ができるまでの仕事のボリュームでございますが、これは勿論お話の通りこの委員会の性質上、勿論日常の行政事務を担当するというわけではございませんので、どれだけの金がなくちやならんということは必ずしも出て来ないのであります。    〔理事岡村文四郎君退席、委員長着席〕  ただ委員会活動のやり方によつて経費はおのずからかかつて来るのでありますので、この金額だけで以て委員会活動が制約されるということはないと存ずるのであります。勿論足りない分は、これは地方から御援助願うということにいたしたいと思つております。
  33. 江田三郎

    江田三郎君 局長答弁を聞いておりますと、もうすつかり投げておられるのじやないかと思うのでして、どうも私が受ける印象は……。これは受ける印象が違うのかも知れませんけれども、少くとも私が最初お尋ねしましたように、この農業調整委員会というものがあつて、その農業調整委員会というものが農業計画を担当することになつておるのに、而もなおこういう普及改良事業というものが別個に取扱われたということ、而もその職員供出事務等に当つてはならんということまできめられたということは、この普及改良事業というものは、こういう新らしくできる委員会へ統合さるべきものではないということがはつきりしておると思うのです。それを統合してもかまわんというようなことになつたときに、もはやあなたは今までの仕事を投げられたのではないかと思う。そういう印象を強く受けるということを非常に残念に思います。  それから予算の今の御説明でも、まるで投げやりであつて、そういうことで今大事な普及改良事業ができるとは私にはとても思えませんが、これはあなたには、もうこれ以上は、ここからほかの御質問がありますから私は遠慮しますけれども、そういう点についてはもう一遍御反省願いたいと思います。  それから農政局長のほうから、先ほど改良局長が言われました代表者会議というものは、これは並行的に幾ら作つてもかまわんと考えるということは、それは一体農政局のほうではどう考えておられるかということをお答え願います。
  34. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 市町村農業委員会代表者会議規定は、三十八条一本でありまして、この規定では都道府県農業委員会の請求があつた場合において必要と認めるときは、その定める区域について市町村農業委員会代表者会議を置くことができる、招集する、こういうふうな規定でありまして、細かい規定は何も法律にはございません。全部この組織に関して必要な事項は、都道府県知事都道府県農業委員会意見を聞いて定める、こういうふうに全部知事に任してあるわけであります。従つて法律的には代表者会議について、例えば区域はどうきめなくちやならんとか、或いは市町村農業委員会からの代表者は何名出さなければならんとか、どういう仕事をするかということは、法律的には全部何も書いてございません。従つてその点は全然自由でございます。要は、この農業委員会に課せられました仕事が円滑に行くように、それぞれの事項に作つて行けば差支えないというふうな法制になつております。それで実際問題といたしましては、さようなことでございますからして、これは法制的には先ほど改良局長からお話のように、如何ように自由に作られてもかまわんということになるのです。問題は具体的に代表者会議を作りました場合に、やはり経費の問題等も出て来るであろうと思います。経費も非常に少くなつておる。従つてその作り方については、或いは個々の事項についての代表者会議ということも予想されます。或いは一つ代表者会議に数人の代表者を出席させまして、それから専門部会と申しますか、いろいろの事項についての部会作りまして運用するというふうなこともそれぞれ自由であります。全然自由になつておりますわけであります。法律的には何らそれはその点については触れておりませんわけであります。
  35. 江田三郎

    江田三郎君 代表者会議に対する予算というものは、地方委員会これに当るわけですか、昨日の予算説明があつたのは……。
  36. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) さようでございます。代表者会議予算というのは、従来農業調整委員会関係地方委員会というのがございまして、それに対する一億数千万円の金が取れております。今度はそれは組織的には地方委員会というものがございませんので、それが削除になつております。従つて代表者会議の経費というものは、都道府県農業委員会或いは又市町村農業委員会、こういうふうな経費からこれを生み出して行くというふうなことに実際問題としてはなろうかと思います。
  37. 江田三郎

    江田三郎君 それではつきりするのでして、そうなると要するに代表者会議を作つたつて国のほうは一つも金がかからんというので、今のような極めて大胆不敵な答弁をされたのじやないかと思うのです。そういうようなことではちよつと困るのですが、若し代表者会議というものが、一つの事項だけについてでなしに、いろいろ並行的に持たれなければならんということになると、そこまでの必要を認められておるならば国としてももう少し予算的にこれを考慮して行かなければならんじやないかと思う。併しそれは別にいたしまして、第三十七条は、定める地区について代表者会議を招集することになつておる。成るほど目的ということは、どういう項目についてということは一つも書いてないのですが、一体こういう規定というものは、普及事業について、例えば何々についてというような、そういう項目がなくても、地区という規定だけあれば全く自由に並行的に幾ら作つてもいいんですか、そういう解釈が正しいのですか。
  38. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 代表者会議で大体決議します事項の範囲は、三十七条に明記をいたしております。で三十七条に「当該区域に係る第七条第三項又は第二十五条第三項に掲げる事項で都道府県農業委員会が必要と認めるものについて調査審議し、」そうしてこの第七条の第三項と申しますのは、これはいわゆる農業計画、七頁にございます、一から四までの事項、これは市町村農業委員会についてそうであります。それから第二十五条の第三項に掲げる事項と申しますのは。これは都道府県農業委員会、これのいわゆる農業計画、勿論この改良普及事業等も含めまして、そういうふうなものであります。で、かような事項について、逆に申せば農地関係仕事はこれは従来とも市町村農地委員会、それから県の農地委員会と、こういうふうにいたしております。従つて農地関係仕事については、代表者会議の必要はございません。でありますからして農業調整に関する仕事、つまり割当関係仕事、一般の農業計画或いは改良普及の事業関係する事業について代表者会議がついては代表者会議ができて来る。こういうことに相成るわけであります。その経費の関係も当然ございますからして、できるだけ経費を少く代表者会議を作つて行くにはどうするかというような場合に、先ほど申上げましたようないろいろの考え方がある。例えば限定されておる事項についてそういうものを作る。これは経費との関係、睨み合いもある。又一つ代表者会議で部会を作りまして、そのどちらを選ぶかというような問題は、これは法律的には何ら制限はいたしておりません。
  39. 江田三郎

    江田三郎君 改良普及関係についで、もつとお尋ねしたい点がありますけれども、日を改めてもう一遍御質問いたしましよう。
  40. 小林孝平

    小林孝平君 この農業委員会が仮にできますると、これは昔の農会的な色彩が非常に強くなる。言い換えれば昔農会がやつたような仕事を担当するというようになると思うのでありますがそこでこういうことになりますと、現在の農業協同組合がやつております生産関係の指導の仕事と、この農業委員会関係がどういうことになるのか、或る部分では重複するようなことになるかとも思うのであります。この二つの、委員会と協同組合の仕事の分野をどういうふうにお考えになつておるか。それから又この普及員と協同組合におる技術員との関係がどうなるか。現在でも相当ここのところはあいまいになつて問題を起しておりますが、これができればなおそういう慮れがあると思うので、それをどういうふうにお考えになつておるか、一つお伺いしたい。
  41. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) この農業委員会と申しますのは、この七条に書いてございます通り、農地関係の事項につきましては、専属的な執行機関、或いは専属でないまでもいわゆる執行機関たるの性格を持つておる。それからその他の農業計画の部門につきましては、これは「総合計画の樹立及びその実施についで、市町村長に建議し、又は市町村諮問に応じて答申する」、こういうふうに書いております。従つてこれは計画を立てる、つまり市町村市町村行政を反映し、又市町村行政に対する注文をつけ、又それがうまく計画を立てられ、実施についてこういうふうにやるべきだというふうな問題についての協力機関であるというふうに考えております。従つて具体的にきまりました事項を、具体的に実践して行くものは、これ又別の協同組合でありますとか、或いは共済組合でありますとか、そのほかの団体、つまり実施団体というのは別にこれがあるわけであります。従つて我々といたしましては、協同組合というものと、それからこの農業委員会というようなものは、協同組合は飽くまでも農民の自主的な団体として具体的な事項を実施する団体、農業委員会というものはもつとそれよりも広い意味で、協同組合だけでなしに、協同組合の事業をも含めてそうして総合的にこの村ではどういうふうな計画を立てるかということをきめて行く、例えば実際問題といたしましても、又協同組合自身が倉庫を建てるとか、いろいろの計画を現実に持ち、或いは又協同販売の計画も持つているだろうと思いますが、そういうふうな場合に、どうしてもこれは市町村の財政の援助を受けなければならんとかという問題もからみ合うだろうと思います。そういうふうな意味で協同組合の事業を含めての大きな計画をここで立てて、それによつて協同組合の仕事がやりやすいようにというふうな考え方に思つておるわけであります。それからこの普及員農業委員会職員との関係でありますが、さような意味でありまして、これは別途普及事業の計画については勿論この普及員がどんどんやつて行くわけでありまして、それについての滲透徹底するためのいろいろの事項についての協力態勢を、この農業委員会というものがその協力の部分を受持つのだというふうに考えております。
  42. 小林孝平

    小林孝平君 今の最初の点についても、まだいろいろ疑義がありまするけれども、第二点の協同組合の技術員が普及員のやる仕事に協力的な態勢をとるというのを、具体的に言うとどういうことになりますかりその点一つ、その点が非常に現在でも問題になつておりますから明確に……。
  43. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 只今申しましたのは、この農業委員会職員との関係を申したのでありますが、或いは御質問が、協同組合に従来置かれております名前が技術員となつておりますか、或いは職員となつておりますか、それと普及員との関係を御指摘になつておるのだろうと思います。これについては、すでに方針が確立をいたしておりまして、普及事業というのは、普及員によつてこれをやつて行くのだ、それについてその普及事業が滲透徹底するために、その普及員の手足となつて、そうしてこれに唇歯輔車の関係において協力する、団体の職員というのはそれに協力する、こういうふうな建前になつて行くべきものだと考えております。
  44. 小林孝平

    小林孝平君 今の点については、更に私のほうも研究いたしまして改めて御質問をいたすことにいたします。  それから先ほどお尋ねいたしました兼職禁止規定でございますが、第四十六条の兼職禁止規定で、市町村委員は県の委員と兼職できない。市町村委員と県の議会議員と兼ねることはできない、こうなつておりますが、私は専任委員を五人置くということに関連をいたしまして、市町村委員市町村議員がなぜ兼職できないという規定を設けられなかつたかをお尋ねいたしたいと思います。
  45. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 農業委員会法では、都道府県農業委員会委員は、兼職禁止規定を置いております。併しながら市町村農業委員会委員というものは、いわゆる市町村会議員との兼職の規定については、これを自由にいたしております。つまり兼職禁止規定は、市町村農業委員会委員については置いておりません。置いておりません趣旨は、御承知の通り市町村においてはなかなかこういうふうな委員会委員としての適格を有するかたが極めて少い。従つてみんな兼職禁止になりますと、人材を得るにむずかしい場合が多いわけであります。都道府県につきましては、これはもう相当エキスパートの人材を選ぶということで、必ずしもこれは分断をして差支えないのでありますが、市町村農業委員というものは、さような特殊性がございますので、兼職禁止規定は置いておらないのであります。ただ昨日委員長から、問題のありました点は、市町村会議員とそれから市町村農業会の委員とは、兼ねてはいけないという規定はない。自由なんですが、ただ公職選挙法のほうで「国又は地方公共団体の公務員は、在職中、公職の候補者となることができない。但し、左の各号に掲げる公務員は、この限りでない。こういうふうな規定がございまして、この公職選挙法の規定でくくられておるわけであります。従つて市町村農業会の委員が、例えば市町村会議員に、なる場合に、立候補をすることができないと、こういうふうなことになるわけであります。委員市町村議員その他の公職に立候補することができない、こういうようなことが公職選挙法の八十九条のほうから抑えられておるわけであります。この意味は、委員たるの地位を利用いたしまして、市町村会議員に何と申しますか、有利な資格を利用してその選挙運動に携わると、こういうようなことを避ける意味規定だと思います。で昨日も議論が出ておりましたように、議員委員になることは差支えないが、委員議員になることは禁止されておる。片道だけ禁止されておるのはおかしいじやないかと、こういうふうな議論が委員長から出たのであります。これについては、本日選挙管理委員会のほうで、或いはこの問題は地方自治庁でやつておりますが、それについての意見も聞いて見たんでありますが、地方自治庁の意見としては、これは従来もこういうふうな片道の禁止になつておるんです。農業調整委員会農地委員会もその通りになつておるので、今度その通り農業委員会もしたわけなんですが、この趣旨は、やはりこれは一般のその他の委員会でも全部抑えておるわけだからして、特に農業委員会委員についてこれを自由にするということは、公職選挙法の建前から言えばむずかしい。むしろ建前からいえば、すつきりと両方兼ねることができないと、市町村農業委員会委員議員も兼ねることができない、こういうことにするのが筋だと、こういうふうなことをあちらは言つておるわけです。併し我々のほうとしては、それは困る、先ほどから申しましたように、人材を得るに困るということで、原案のように考えておるわけです。従つて問題はむしろ公職選挙法の八十九条の政令で指定するときの問題であろうと思つております。この問題についての御意見があれば、あちらの管理課長でございますか、委員会で、その事情を説明してもいいというふうな話もございましたので、なお詳細の点、若しいろいろその両者の法律関係について御検討の必要がございますれば、そのほうをお呼び出し頂いてお聞き頂くと判明するかと思います。
  46. 小林孝平

    小林孝平君 今農政局長のお話によりますと、適任者を得ることが非常に困難であるから、それを特に逆のほうはやらないとおつしやつたのでありますけれども、私はこの農業委員会というものができれば、この権限は非常に強大なものとなりますので、市町村議員といずれが重要な地位であるかわからないと思うのです。そういう意味合いから考えましても、今農政局長の御説明を逆にいたしまして、この公職選挙法におきまして、条例で指定する際に、この農業委員会委員の立候補を自由にするというようにするのが至当ではないかと思いますので、関係の係官を御出席願いまして、一度研究して見たいと思います。  それから政務次官おいでになりましたので、一つお尋ねいたしますが、この農業委員会法は非常に重要であるので、先ほどの資料でお配りになりましたように、三月までに通過しなければ、こういう問題が起ると、こういう印刷物までお配りになつたのでございますけれども、今後の審議の経過などを考えますと、非常にいろいろ問題があるので、仮にこれが通過しなかつたら、政府はどういう措置をおとりになるかということをお尋ねいたしたいと思うのであります。私がそういうお尋ねをいたせば、必ず政府はこれは通過するということを前提にして考えているから、通過しないときのことは考えないと、こういうふうに御答弁になると思いますけれども、これは先般の農地調整法の一部改正法律案の問題にもしばしば同様な質問をいたした際に、通過すると思つておるから、しないときのことは考たないと、こうおつしやつてつた。ところが通過しない、そうしたらポツダム政令でおやりになつた、こういうことになりますので、このたびは必ず通過するというようなことは、まあ御確信を持つのは差支えございませんが、通過しない場合の措置を一応承わりたい。
  47. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 昨日説明を申上げ、且つ三月中に是非とも通過を希望するという理由につきましても、説明を加えて参つたわけでございますが、この法律案は、たびたび申上げまする通りに、市町村における農業関係の民主的運営の上には、極めて重要な役割をなす。従来の過渡的な時代……過渡的なと申しては失礼でありますが、経過から考えますというと、三つに分れておりましたので、当時としてはこれらの委員会はそれぞれの役割を持つて参つたのでありますが、今後におきましては、たびたび説明申上げる通りに、三つの委員会を併せることが、農村のために極めて必要であるという強い考えを持ちまして提案をいたしたのでありまして、従いまして既往においてもすでに農業関係委員会、この種の委員会法案については、尚委員会でも御審議を願つた経緯もありますし、それらの意見を参照いたしまして、今回の提案をいたしたのでありまして、堪能な皆様がたの御高見は十分に拝聴し、且つ取入れておるのであります。御審議を長く引延ばして頂くということは、成るべく慎重にやつて頂くことに対しては別に我々が権限を持つておるわけでありませんが、併しどうか成るべく早く御審議願つて、通過を一日も早く希望いたしておるところであります。従いまして不通過というような問題は、どうか一つ前提に持たずに、十分御審議をお願い申上げる次第であります。
  48. 小林孝平

    小林孝平君 只今政務次官から御説明になつたのは、誠にもう、そういうふうに御答弁になるだろうと思つて私からも申上げたのでございまするけれども余り身近な所にその例がございましたので、特に昨日江田委員から、三月中に通らなければこうだという資料に対しても、非常に激しい不満の意を表明されましたので、ましてこのたびは、通らなかつたらどうなるかという御質問をいたしておるのでありますので、お座なりのお答えでなく、本日でなくてもよろしゆうございますから、一つ通らない場合はこうなるという一応の御意見をお承わりいたしたいのであります。それは一段には、仮にこれが通らなければ又政府はポツダム政令で農業委員会を作るのではないか、こういうことを考えておりますので、そういうことがないということをお示し下さる上からも、是非お答え願  いたいと思います。
  49. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 実は昨日のお配りした資料については、お役所的に、どうも理由というようなことを書き加えておることは、これは必ずしも御議論のあることは私もさように思います。併し熱心の余り各項目によくわかるように説明資料をお配りしたと、かように一つお了解を願つて、通過せない場合に対する措置というようなものは、これは若しさような場合においてはこうこうだというようなことも、或る程度まであの説明資料の中に書き加えておりますので、我々は通らないということはこの際はどこまでも考えたくないと、かように一つ御了解願いたいと思います。
  50. 小林孝平

    小林孝平君 私は先ほどから申上げておるのは、一つ誤解されておる点は、昨日のお話では三月中に通らない場合、五月になつてつたとしても困るという資料なのでございます。私が昨日から申上げておるのは、五月になつても通らない場合、こういうことをお尋ねいたしておりまするので、これは御回答要りませんから、本日でなくてもよろしゆうございますから、是非熱意は熱意として一応お考え下さるよう是非ともお願いいたします。
  51. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 私ちよつとお伺いいたしますが、今日の段階において、又この内容において階層制というものはどうしても必要があるとお認めになるのですか。それを一つお聞きしたいのですが。
  52. 平川守

    政府委員平川守君) これは衆議院の御審議の際にもそういうような御意見が出たのであります。農地改革が大部分終了しておる現在において、そういうような選び方をする必要はないのじやないかという御質問もございましたが、私どもといたしましては、併しながら現在の段階におきまして、殊に従来の三委員会を統合してやつて行きますこの現在の過渡的な段階ということを考えますときに、やはりこの法案考えております程度の階層別選挙はやはり必要である、今後農業委員会仕事のうちで、やはり農地改革仕事というのは基本的な仕事であるわけであります。かような意味合いからやはり階層別選挙をすることが現在の段階において過当であるというふうな考え方をいたしましたのであります。それは卒直に申しまして議論はないでもございませんが、結論としてはこの原案が適当であるという結論になつたのでございます。ただ非常に地方市町村については、これは必ずしも階層別選挙はいたさないということで、大体委員の数の十五倍以上…、十五倍以下しか選挙者がないような、つまりそれぞれの階層につきましては、そういうふうな場合には階層別選挙によらず、全村選挙をし得るというふうな規定をそこに入れておりまするわけであります。さような経過になつておりますことを御了承願いたいと思います。
  53. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 その十五倍とか何とかいうことは、どういう意味なんですか。いや、書いてはあります。書いてあるのはよく拝見しましたけれども、十五倍以下は階層別選挙をしない、それからもう一つは、十五人くらいの委員であると、むしろその階層制というようなことをやることによつて弊害のほうが多いのじやないかそういうふうに、何か、見解の相違と言えばそれまでですけれども、何かそういうような感じを私は強くするのであります。又一号委員と二号委員との限界などに対しても、何だか階級争いの階級扱いをするような感じが非常に深く考えられますが……。
  54. 平川守

    政府委員平川守君) 十五倍と申しますのは、いわゆる小作関係から出ております。小作関係によつて起きます階層、いわゆる一号委員と申しますこの一号委員のほうは五人と相成つております。それでその五人を選挙いたしますその村の選挙権者が、その十五倍、つまり七十五人、七十五人と申しましても、この選挙権は経営者だけでなく、同居の親族又は配偶者にも与えております。従つて仮に一戸まあ三人選挙権があるといたしますと、そういたしますと、七十五人を三で割つた二十五ということになります。つまり農家戸数で申しまして二十五戸、こういうふうなところで五人出す。そういたしますとつまり五軒に一人は委員を出さなきやならん、こういうふうな状態になる。でありますからして、それ以下のものになりますと五軒以下で委員を一人出さなきやならんというようなところは、非常に煩雑でもあるし、その必要もないから、さような所はむしろ階層別選挙をよして、全村選挙、村一本で委員を出す、こういうふうにいたしたいということが、大体この十五倍ということを入れた趣旨でございます。
  55. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 これはもう或いは御質問が出ましてダブるかも知れませんが、この機会にはつきりさせて頂きたい点は、この農業委員会仕事事務の性質から見まして私の理解によれば、旧農地委員会仕事と、それから食糧供出農業調整委員会仕事は、まあ国家的だと私は理解するわけですが、農業改良普及はこれはまあ地方事務と見てもよろしいと思いまするが、この辺につきまして政府部内の地方自治庁等とはつきりその辺の解釈が統一されておりまするかどうか、これを一つ答弁を願いたいのでありますが……。
  56. 平川守

    政府委員平川守君) この点については、御承知の通り現在如何なる事務が国家的事務であり、如何なる事務地方公共団体の事務であるかという、この行政事務の再配分の問題につきまして審議検討中でございまして、まだ結論が出ておりません。結論がまだはつきり出ておりませんので、この案においては取りあえず従来の考え方から、従来は御指摘の通り、農地関係事務及び供出関係事務というものは、これは国家的の事務であるというふうに考えておる、そういうような考え方をやはり踏襲しております。将来この問題は、はつきりいたします場合に、その点を明確に、こつちのほうでも明確にする。従つて国家的の事務もやつて行くことに相成りますと、それの最小限度の経費というものは、これはやはり国が持つという建前で、この点は規定をさようにしております。
  57. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 そうしますると、今後この委員会事務が仮に全部国家事務だということになりますと、その場合には当然全額を国が持つ、或いは三つの仕事のうち、二つは国家事務で、一つ地方事務だ、そういう場合には、その比例に応じて国と地方とで経費の分担をする、そういうような理窟になりますかどうか。事務性格がまだ明確でないので、そういう一つの疑問が出ると思いますが、その辺の御見解はどうですか。
  58. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) それは御指摘の通り、今後行政事務再配分の結果、はつきりとさように区別いたしますれば、それに応じて国庫から負担いたしますべき部分と、さようでない部分を明確にして行くべきだというふうには考えております。
  59. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 それから次に、この前農業委員会法案提案理由説明がありましたが、非常に立派な説明をしておつたわけでありますが、ただどうも説明と実態とがむしろ違つておるのではないかという点が気になると思います。その当否は別といたしましても、説明と従来の制度とむしろ逆に変つておるのではないかという点があると思うのであります。例えば従来、上から行われておつた農業政策を、下からの農業政策に切換える。これは非常にいいと思いますが、ただ従来の食糧供出等の事務が、従来は決議がなければできなかつたものが、単に諮問事項に、諮問機関にしてしまつたということは、むしろ説明と逆のような感じもいたしまするが、これは特に政務次官からお答えが願いたいと思います。
  60. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 下からとか上からという説明をしておりますが、これは御解釈によつてはいろいろ御解釈もできると思うのであります。そこでこの言葉に従つて、そのままで性格が多少ずつ異なつておるものが加わつておるわけでありまして、農政局長も申上げたように、又御指摘になりましたように、国家事務、或いは地方事務はつきりしないというような問題までもここに多少の、多少ではありません、農業委員会そのものが従来の経過的な考え方からいつて、三つが一緒になるという点から御疑問の起きるのは御尤もだと思うのでありますが、併しこの供出仕事に対する諮問機関と決議機関にしたとかということと、説明の間に矛盾があるという御指摘でありましたが、我々はさようには思いませんので、結局供出も漸次、意見が違うかも知れませんが、最近の情勢等でこの前から御議論もあつたところでありますが、将来現実を見ていろいろ論議がされると思うのでありますが、併し趨向としては、やはり諮問機関という形で行つて、そうしてそれは民主的ではないという逆な御議論が出るかも知れませんが、このほうが却つてスムースに行くのではないかというような考え方も出たわけでありまして、省内においてもいろいろその点には意見があつたのでありますが、結局かような所に落着いたので不十分であるかわかりませんが、一応お答え申上げて置きます。
  61. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 只今の点は意見の相違になりますから、これを打切りますが、その次にこれは農業改良局長にお聞きしたいのですが、この間蚕糸関係の審議の際に出た問題でありまするが、この農業委員会ができました場合に、農業改良普及事業関係農業技術の改良その他農業生産に関する事項、農産物の加工販売その他処理に関する事項というようなことがありまするが、或いは農業経営の合理化というようなことでありまするが、これは蚕糸関係の養蚕業まで含めた農業というふうに広くこれを見るべきかどうか。これは政務次官からはやはり全体として本来の農業から畜産、養蚕を含めた総合的な農業政策なり農業経営の合理化をいろいろ図るという、その点につきましていま少しく御答弁を願いたいと思います。若しこれが含んで来ますると、例の農業改良普及事業からは今日養蚕の仕事が一応外れているという関係が現われるような感じがしまするが、その点も一つお伺いしたいと思います。
  62. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 農業委員会権限としての農業技術の改良その他農業生産に関する事項は、その他一に載つておりまするが、このことは非常に言葉も広く、特に農業改良事業というふうな狭い言葉は使つておりませんが、この言葉の中には勿論養蚕関係仕事は入つているのであります。但しこれによりまして、それでは農業改良助長法によるあの改良事業に蚕糸業が入るかと申しますと、その点は依然として変らないのであります。
  63. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 そうしますると、それをやはり農業改良助長法の中で養蚕業を今後入れるというようにお考えになつておりまするかどうか。これは或いは政務次官からお伺いしてもようございます。
  64. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 農業改良助長法の成立のときには、その議論が相当出たことがあつたわけでありますが、併し蚕糸業が従来から特別の扱いにされるべき性質のものであり、且つ製糸との関係もありますし、おのずから蚕糸業全体を農業改良よりは切離すことが適当であるという考え方から出て来たのであります。そこで農業改良助長法の中に今蚕糸業を加えるという考えは持つておりません。ただ農業委員会は末端の、つまり市町村農業委員会においては、全体計画を立てるわけです。従いまして、問題は或いは普及員の身柄の問題かとも思うのでありますが、これは現在までも建前を別にして来ておるのでありまして、むしろ蚕糸業のほうが補助率とか、或いはその充実歩合が少いという程度になつておるのでありまして、これは将来増員をすべきである、或いは又待遇を改良すべきであるということは考えておりますが、この農業委員会との関連におきましては、農業改良助長法のうちに包含させるという考えは、現在では持つておりません。
  65. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 どうも包含せしめないという理由は必ずしも明確でないのでありまして、これ又別途一つ意見を申上げたいと思いますが、更に一層の一つ研究をして頂きたいと思います。  それからもう一つ質問いたしたい点は、この委員会が、この法案が通つたと仮定しましても、非常にチャンポンな色彩なり、機能を持つておると思うのであります。その意味でこれはまだ単なる思いつきにしか過ぎませんが、例えば農地調整仕事なり、或いは供出関係農業改良普及事業は相当性格も違うことであります。そこでこの機能の違いに応じて部会制を設けるというような、そういうお考えがありませんか、どうですか。単にこれは運営面として部会を置くということではなくして、法規上明瞭にして、部会の決議で全体の委員会の決議に場合によつては代えるというような規定を置きますれば、或る程度機能がチャンポンに入つておることが分別できるような感じがいたしますが、その点につきまして何かお考えがありましたならば一つ……。
  66. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 部会の問題は、まあ断片的に大体御意見のあるところでありますし、又特に農業改良関係技術面が主体でありますので、技術を本当に掘下げて研究する場合には、当然この委員会の中から更に委員会の自治的な考え方で部会等を設けることは期待をいたしたい。法制的に設けるか、設けないかということに対しても、内部でも議論はあつた点でありますが、併しそこまでに至つておりませんけれども、さようなことで実際の運用についてはさような方法をとることは当然起きて来るのではないかということを予想いたしております。
  67. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 そこで単に運用ということになりますと、やはり部会ができましても、部会できめた事項を更に全体の委員会の決議にかけなければならん、案件としては決定をいたさないと思うのですが、そういう意味の部会ですか。
  68. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) その当該委員会におけるきめかたによる問題じやないかと思うので奉りまして、農業総合計画を立てる場合において、あらかじめ専門的な研究を進める、或いは技術の改良について特に取上げてその村として、或いは府県として重要な事項として取上げる場合、部会の形をとつて、そしてそこで研究したものを全体委員会にかけるということは、これは本委員会の性質上の当然行われることとも思うのでありますが、ただ運用の決定の際に、まあ部会のようなものを作つてそれに一任するということになれば、或いは全体会議はそれを承認すると、あとで報告するというような形になる場合もあり得ると思います。
  69. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 今言つたような、実際は部会の決議で全体の員委会の決議になり、決定に代えるということについては、これはやはり法制上私は疑問があると思うのでありますが、そうなればやはり何らかの規定を置かないとできないと思うのですが、その辺を更に一つ研究して頂きたいと思います。何か事務当局から御意見があれば承わりたいと思います。
  70. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 只今のお話でありますが、例えば農地関係仕事になりますと、部会の決定を以て委員会の決定にするということについては、法律規定しないと工合が悪いだろうと思います。併し八条の第三項の仕事になれば、諮問的なことであれば一応議事規則なり、何かで部会の決定を委員会の決定にするということも考えられないこともないと思いますが、いろいろ御指摘の通り、三委員会一緒にして、当初余り又別々にはつきりするほど部会制度を法律的にはつきりすることは如何かとも思いますので、それは運用に任すようにしたいというので、この案はできておるものと思います。
  71. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 先ほど白波瀬さんからも御質問がございましたが、この農業委員会法案の全体を総くるめて言うときに、未だすべてが民主的という段階に入り、又そういうコースを、おとりになるときに、何故階層別に委員を選ばなければならないか、この理由は本当は苦しむのでございます。むしろ自作農創設をなし、日本の農業を真に時代に即応した農村経営の完璧を期して自給度を高めるならば、すべて一応市町村農業経営においては階層などということを考えずに、そこに選ばれた委員が一団となつて、先ず下部の完璧を期するのが当然である、かように考えます。然るに小作人制度というものはだんだんなくして行くの奮然であり、又更に小作人階層から委員を選ばれるというようなことを一つ設けてありますならば、それから選ばれたところの委員は、やはり全体を考えるときに、その選ばれた階層を考えるというような弊害に陥る嫌いがあるのでございます。かような点は甚だ当を得ないと私ども考えますが、これに対する先ず所見から一つ承わつて置いて、次へ次へと二、三質問をしたいと思います。
  72. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 農地関係仕事が、従来から階層別でやつて来た過渡的な経過に鑑みましてということが先ず一つだと思います。それから第二にはやはり現在でも小作階級というものがあるわけでありますから、そのうちから代表したものを一定の数のものを選出するということに対しては、別に矛盾はない、かような理由で置かれたわけであります。
  73. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 政務次官から、矛盾を私は指摘しておるのではない、もつと広い意味で、日本農業を、わけても日本農民を真に生産の中にお入れになりまして、日本農業の進展を図るならば、今頃階層別なんということを考えるのが甚だ時代遅れの感があまして、これは見解の相違でということになつてしまえば、最後に論議が尽きませんからこれ以上は申しませんが、今後かような民主時代にまだ階級別を残すというような偏した考えを持たないように一つ注意をして置きます。  次に先ほど農業改良問題について種種改良局長に御質問がございましたが、全く今日の農業政策において戦時中から一番欠けたものは農業改良、育成指導というようなことが欠けておつたということは、申上げるまでもなく、政府もこれに対しまして改良普及の徹底を期してそれぞれ普及員を各村に設置して下から盛り上がる方針をおとりになつたことはもう申上げるまでもないことでございますが、たまたま供出或いはその他の関係からこれらの普及員が、現在の普及員はさようなことがございませんけれども、以前はこの方面に使用された。それで今後はこういう方面に対しては法案の示すところによりまして仕事をさせないというようなことになつておりますけれども、先ほども江田さんの質問だとこう思いましたが、政府仕事と下部の町村仕事においていわゆる自治体の政策と指導において二つの途が流れておる。一体食糧問題の日本の自給度を高め、又食糧問題の安定を得なければならない今日の実情において、国家の施策を農民に滲透し、真に自給度を高め食糧の増産によつて安定化を図るとならば、当然国費を以てこれをなさなければならないのでありますが、農林当局は常にこれを御主張なされる御努力に対してはよく、又苦心に対しては感謝をし、これが農民一同のよく知るところでありますけれども、更に安本或いは大蔵にもつと徹底いたしまして、日本農業におけるところの、このこうした一大画期的と先ほど次官から言いましたが、この法案によりまして真に徹底するようなことになりまするならば、一大革新を見なければならない、又必ずそうなることと信ずるのでございますが、これに対しまして大蔵、安本当局に対して国費を相当支弁して育成してもいいだろう、又そうするのが当然だろうとかように思いますが、これに対して次官及び局長から一つ経過の明確なる答弁を頂きたい、かように存ずるものであります。
  74. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 農業改良普及事業予算上に関する問題が主体だと思うのでありまするが、お話の通りで漸次増額もされ今日に至つておるのでありますが、事務費につきましてはまだ我々の希望も達成いたしておりませんし、現在は補助の形で取つておるわけであります。併し全額国庫ということは地方の自主的な組織でもあるし、改良普及事業でありますから全部国費で持つということは将来も私は困難じやないかと思います。他のいろいろな国家財政全体を通じて見まして農業改良事業の補助率なり或いは人に対する費用等はむしろ相当不十分ではありますが他のものに比較しては相当程度の支出が国家としてもその必要を認めて支出されておるものと思うのでありますが、なお御意見の点は十分拝承いたしまして今後はむしろ国でなり、国で配置する場合に国の仕事がただ人件費だけということでなくして事務的な補助もやるということが私は当然だと思うのでありますので、そういう部面については一層努力を重ねて行きたいと思つております。
  75. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 改良事業に関する御質問につきましては、御指摘の通り当初から十分でございませんでしたのですが、幸いにして二十六年度といたしましては五年度と比較いたしまして約四億一千二百万円ばかり増額になつております。大体その半分が普及事業のほうに、半分が試験事業のほうに増額になつておる次第であります。なおこれによつて十分とは申せませんので、例えば改良普及員の給与の問題につきましても不十分でありますし、又試験研究の事業費の面についても必ずしも十分ではございませんので、その点については今後なお一層努力をいたしたいと思つております。
  76. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 お聞きの通り、平衡交付金が地方の府県財政の、あらゆる諸施設に対し、又市町村に対しまして教育その他の問題から見まして、こうした都道府県地方財政の実情が、折角委員会ができてもこれらに先廻るところの少い費用からいたしまして、やはり委員会としては当然取るべき金、又政府に支出して頂くべき金は主張するのがこの際とるべきことであろう、かように信じまして、更に指導方面の強化から見まして政府の決意を一層強固にするように申上げた次第であります。  次に御承知のごとくあらゆる仕事の上において土地改良は勿論、各地方には水利組合或いは今回の土地改良法におきましてそういう関係の組合がございますが、なかなか長い歴史があり、又それぞれの地方におきますならば数カ村に跨がつておるような仕事もあるのでございまして、これらの問題に対しましてこの委員会において灘なる諮問機関だというふうなことに相成りますならば、理想はそこに実現するだろうけれども実行はなかなか伴わない、こういう見解に対しまして農地局長はどういうお考えで、又これらの問題はどうなさるお考えがありますか、この点を一つお伺いいたしたいと思います。  更に先ほど片柳さんの御質問の際にも決議機関ということがございましたが、米の供出ばかりでない、下の或いは府県或いは市町村においては決議機関であつてこそ各委員並びに委員を通じて市町村民がそれぞれ責任を以てこれが雲行に当る。先ほど次官の言葉にも、強く、力強く立上りたい、こう言つておるが、強く力強く立上るには決議機関としなければならんというので、種々なる御議論もあつたが、一応この程度といつたが、このことは委員会で修正でもどうでもできますけれども、私どもの見たところでは農業委員会の実績を挙げるには決議機関としなければならん、こう思いますが、重ねて農地局長或いは農政局長、次官からこの問題につきまして詳しく一つ答弁を得たいと思います。
  77. 平川守

    政府委員平川守君) 只今お話の農地の開発改良等につきましては、この委員会におきましてその大綱について答申或いは建議をいたすことになつておるのでありまするが、従来ありますところの土地改良部或いは耕地整理組合等の団体はもとよりその機能をそのまま存続するわけでありまして、改良工事或いは開発事業を実施する、又そちらのほうでいろいろ計画を立てて、市町村のほうに相談をいたすということもあろうかと思います。従来の改良部その他の改良についての事業団体というものは、勿論その機能を存続し、この農業委員会の立てますところの総合的な計画というものと緊密に連絡をいたしてますます改良事業を進めて行くということに相成ろうと思うのであります。その場合におきまして、この委員会が決議機関のほうがよいではないかという問題でございますけれども、この点につきましては諮問機関でありましても少くともこの問題に関する限りはそう著しい差異はなかろうというふうに考えております。要はこれに伴う予算なり或いは事業の技術的な進展なりということが重要なのではなかろうかというふうに考えます。
  78. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 只今の点は第七条の第一項二項三項にそれぞれ分けて法律を明確にいたしているつもりでありますが、そこで総合計画及びその実施については市町村長でやる仕事もありましようし、或いは極く細かく掘り下げて考えれば、協同組合自身がやる仕事も相当部分があろうと思います。実施機関と…。それからこの本委員会の第七条中に規定してある、いわゆる委員会の決定事項等については予算の伴う問題も相当あることでありますし、直ちに決議機関として強力にそれをやるということに対しては別途の考え方も持たねばならんと思うのであります。先ほど片柳氏のお話になりましたのは、農業調整委員会のつまり割当に関する問題が主体であつたように思つたのでお答えをいたしたのでありますが、少し広い意味考えますと、第二項について考えますと、やはりこれは諮問機関であることが適当である、かような考え方法律の立案をいたしたのであります。
  79. 小林孝平

    小林孝平君 本日はこれで質疑を打切つて頂きたいと思いますが……。
  80. 羽生三七

    委員長(羽生三七君) この問題に関する質疑は本日はこの程度にいたしたいと思いますが、ちよつとお諮りしたいことは、食糧統制に関する小委員変更についてであります。第一クラブの三浦委員が辞任されて、岡村委員を選任されて参りましたので、岡村さんを指名することにいたします。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 羽生三七

    委員長(羽生三七君) それでは岡村さんを指名決定いたしました。  本日はこれで閉会いたします。    午後三時五十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            小林 孝平君            三橋八次郎君            飯島連次郎君            三浦 辰雄君   政府委員    農林政務次官  島村 軍次君    農林省農政局長 藤田  巖君    農林省農地局長 平川  守君    農林省農業改良    局長      小倉 武一君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    農林省農政局農    政課長     渡部 伍良君    農林省農地局管    理部長     上松 憲一君    農林省農地局管    理農地局長   和田 正明君