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1951-02-28 第10回国会 参議院 農林委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二十八日(水曜日)    午後一時五十七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農業委員会法案内閣送付)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長(羽生三七君) それではこれから農業委員会を開きます。本日は先に農業委員会法案提案理由説明だけを聞いたわけでありますので、引続いてこの法案説明並びに関係方面の整備に関する問題がありますので、この問題と併せて当局の説明を求めたいと思います。
  3. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) それでは農業委員会法案につきまして、お配りをいたしております資料に基きまして、御説明申上げたいと考えております。お配りいたしております資料の中で、従来の農業調整委員会農業改良委員会と今回の農業委員会相違点という資料がございますので、これをお開き願いたいと思います。  この農業委員会は、従来の農業調整委員会農地委員会農業改良委員会と、この三つの委員会を統合をいたしまして、新たに従来の農地関係仕事、それからそのほか農業総合計画、それから又食確法の代りとなります法律に基いて米の供出割当をいたします際の諮問機関が、こういうふうな事務を所掌するわけでございますが、その構成は大体農地委員会の従来の構成に似ているところが非常に多うございます。  それで先ず市町村農業委員会から御説明を申上げますと、一、市町村(地区)設置でありますが、これは第三条に書いてございますが、第三条の一項でございますが、aに「市町村農地のない市町村を除く。)に置く。」というふうに書いてあります。この市町村に置くと言います意味は、これは公共団体機関として置く、こういうふうな意味でございます。従つて地方自治法の百四十七条によつて、この市町村農業委員会については、公共団体の長がこれを統轄するというふうな関係に入るわけであります。それからなおこれは独立機関でございまして、補助機関ではないのであります。この書きかたについては対照して御覧頂きますとわかりますように、従来の農業調整委員会農地委員会と同様でございます。それからの「その区域又は農地面積の著しく大きい市町村には、都道府県知事承認を受けて二以上置くことができる。」、この趣旨は、従来の農業調整委員会農地委員会と大体共通でございます。それからCの「農地面積の著しく小さい市町村には、都道府県知事承認を受けて置かないことができる。その場合において委員会権限市町村長が行う。」、これは従来のものと対照して頂くとわかりますが、市町村委員会を置かない場合の委員会権限は、これは農業調整委員会については市町村長が行うと相成つております。農地委員会のほうでは権限隣接委員会が処理する、かように相成つておるのであります。今回はこの新らしい農業委員会の性格、目的等から考えまして、委員会を置かない場合の権限市町村長が行うということにいたしましたほうがよろしかろう、こういうふうに考えたわけでございます。それから次は会長の問題でございますが、会長については、従来の農業調整委員会農地委員会とも委員の互選ということになつております。今回の農業委員会法もやはりその建前を踏襲いたしております。これについては市町村長会長になるということにいたしたほうがよかろうという御意見もあるようでありますが、原案といたしましては、従来のやりかたを踏襲するということに考えております。それからbの「委員会は、会長不適当と認めるときは、議決により解任することができる。」、こういう規定があるわけであります。これは農地委員会にそういう規定がございます。農業調整委員会にはございませんが、この規定もやはり必要と認めまして置くことにいたしたわけであります。それから次は選挙権被選挙権規定でございますが、これは「成年者で一反歩(北海道は三反歩)以上の経営主及び同居親族又は配偶者」と規定いたしました。これは農地委員会と同じように規定いたしました。農業調整委員会は次にありますように経営主だけでございますが、農地委員会のほうは経営主及び同居親族又は配偶者ということに相成つております。農地委員会建前を踏襲いたしましたわけでございます。それから階層選挙による委員でございます。今回の選挙については階層別選挙をとる、そうして立候補制をとるということに考えております。これは従来の農地委員会考えかたと同じでありますが、ただ従来の農地委員会は一号、二号、三号と、こういうふうな委員仕分けになつておりますが、農地改革が相当進みまして、仕分けにつきましては、必ずしもこういうふうにやる必要がないと認めまして、一号委員、二号委員というふうに二つに分けたわけであります。一号委員は「耕作の業務を営む者(その所有する面積が二反歩を越えるものを除く。)で左に掲げるもの。」、(a)、その「小作地面積自作地面積をこえるもの」、つまり自分の経営する面積の中で小作地面積が多い者、(b)の「一町歩以下の耕作を行い、その中二反歩以上の小作地を有するもの」、つまり反歩以上の小作地を持つておる者を一号委員考えたわけであります。それからその他の者を二号委員というふうに区別をいたしました。それで大体の比率を申しますと、一号委員に該当します農家戸数は全体で九十五万二千戸でございます。全体の農家戸数の一七・二%でございます。それからその他のものは四百五十八万三千戸でありまして、全体の農家戸数の八二・八%というふうになつております。それで定数は一号委員が五人、二二委員が十人というふうにいたしました。これは農業調整委員会が十五人でございます。農地委員会はこれが一号、二号、三号で十人になつております。改良委員会のほうは大体五人から十五人と相成つております。今度は農業調整農業改革もいろいろ仕事を行うわけでありますから、定数については十五人というふうにいたしたわけであります。この定数増減に関しまするところの規定あとに書いてありますが、これは置いてございません。それからその次の階層選挙によらない委員であります。これが新らしく今度加わりましたのでありまして、a「階層のいずれかの有権者の数が、その階層委員定数の十五倍以下のときは階層選挙を行わない。」というような規定を置いております。つまり例えば一号委員考えますると、一号委員定数が五名でございます。その五名に対して、その層に属するところの有権者の数がその委員の五名の十五倍、つまり七十五人、殊にこれは先ほど申しましたように、経営主及び同居親族又は配偶者が入つております。だから七十五人以下のときには階層選挙を行わない。そういうようなところについては、それは階層選挙を特に行わないで全層選挙でやるということに考えております。これに該当します大体町村の数でございますが、一号委員のほうは問題になると思うのです。一号委員の場合でそういうふうなことに該当いたしますものの数が町村全体一七・五%ぐらいであろうかと考えております。別途お出ししております資料に載つております。それから次は選任委員規定であります。現在の委員は、これは選挙によつて選びます委員でございますが、そのほかに選任委員規定を置きまして、「選挙委員のそれぞれ過半数の推薦した者を市町村長が選任することができるが、その数は五人以内とする。」というふうに考えております。これは農業調整委員会のほうでは、市町村長委員過半数同意を得て五名以内選任すると相成つております。それから農地委員会では、都道府県知事委員全員同意を得て三省以内選任する。こういうふうに相成つております。で、従来のものとは若干規定が変るわけでありますが、員数において五名にいたし、それから階層別全員ということになりますと、非常にこれはむずかしいことに相成りまするので、それぞれの階層過半数の推薦した者を市町村長が選任するというふうに、従来のものとは若干異なつた規定を置きましたわけであります。それから定数増減については、これは階層別選挙をいたしております関係から、定数増減についての規定は置いてございません。次にリコールの問題でございますが、このリコールのやりかたが、農業調整委員会と、農地委員会と若干異なるのでありまして、区別しておりましたが、大体現行の農地委員会の例によつてリコールをし得るというふうにいたしました。即ち階層別全員リコールを、有権者のそれぞれ二分の一の同意リコールする。各階層別全員リコールを、その階層に属する有権者のそれぞれの二分の一の同意リコールする。こういうやりかたにいたしましたわけであります。但し全層選挙のときは勿論この全員過半数、こういうことになることは当然であります。このほうがリコールのやりかたが非常に簡単であるということを考えまして、農地委員会の例をとつたわけであります。それから任期でありますが、任期は従来いずれも二年、こうなつておりますので、任期を二年といたしました。それから辞任については、大体従来の農業調整委員会農地委員会と同じような趣旨で、正当な事由があるときは委員会同意を得て辞任し得るということにいたしました。それから解任規定でございますが、これが従来とは若干異なつておりますが、「市町村長は、会長が各階層委員のそれぞれ過半数同意を得て、選任委員解任請求したときは、解任をしなければならない。」、かような規定を主文にいたしました。それから解散でございますが、これは農地委員会についての規定と同様にいたしました。「都道府県知事は、農地についての権限において管理執行法令に違反するとき都道府県委員会意見を聞き委員会解散を命ずる。」ということにいたしたわけであります。御承知通りこの農業委員会農地関係事務については、従来通り執行機関としての仕事も持ち、専属的な権能を持つておる部分もあるわけであります。農業調整その他の部分については諮問的な権能を持つておるわけであります。かように執行的な専属的な権能を持つておる部分もございますので、その部分について農地についての権限において管理執行法令に違反するというふうな場合の解散命令規定を置いたわけであります。  それから次は都道府県規定でございますが、これは会長市町村農業委員会と異なりまして、都道府県知事といたしております。これは従来と同様でございます。都道府県団体においては、やはり農業計画を立てる場合その他の場合でも、どういたしましてもその計画立案に参画する者は地方庁の関係部課長、これがやはり参画をいたして現実に案を立てて行くのでなければ、実行可能な具体的なものができない場合が多いわけであります。従つてさような事務局の扱いに相成りますから、会長事務局との関係もございまして、会長都道府県知事というふうにいたしましたわけであります。それから選挙権につきましては、これは市町村委員会委員、これは従来と大体同じでございます。市町村委員会委員選挙権を持つておる。それから被選挙権は、これはやはり市町村の場合と同様でございます。それから選挙方法階層別考える。市町村農業委員会の例によつて階層別立候補制考えております。それから定数は、これは一号委員が五名、二号委員が十名、合計十五名であります。これについては従来の農地委員会よりも増加いたしております。農業調整委員会よりは減る、丁度その中間に委員の数が落着くのじやないかと考えます。それから解散規定につきましては、農地委員会関係と同じような規定を置きましたわけであります。それからなお専門調査員規定、これは新らしく置きましたのでありますが、総合計画を立てますような場合にやはり専門的に調査をし、これの立案等に当るものが必要であろうかと思いますので、特にこの専門調査員というものを都道府県委員会請求によつて知事が任命し得る、任命する。かような規定を入れましたわけであります。  それから次は地方委員会でございますが、これは従来は農地委員会については地方委員会組織はございません。農業調整委員会というのは、これは地方委員会というのがあつたわけでございますが、今回はこれは系統的な、系統的と申しますか、農業委員会としては地方団体には置かないのでありますが、市町村農業委員会代表者会議というふうな規定を置きまして、農地関係以外の事項つまり総合計画農業計画、こういうふうなものを立てます場合につきまして、或いは食糧調整供出関係仕事につきまして、やはりこの郡の段階における一つ会議体が必要であろうと考えるのであります。その意味都道府県知事は、都道府県委員会請求があつたときに、市町村委員会委員会ごとに指名する代表者を招集する。そうして会長及びこの代表者によつてこれを組織し、総合計画について必要を認めたものについて調査審議し、都道府県委員会にその意見を答申するという事項を処理させようといたしたのであります。なおこの点については、食確法に代るべき法規が現在食糧庁で立案中でございまして、近く本国会に提案されると思いますが、その場合に、米の事後割当についての諮問機関といたしまして、上から下へだんだんに下します場合にも、この代表者会議を使うというような規定を、そちらの法律のほうに具体的に書いてございます。従つてその法律通ります際には、その法律を以てこの農業委員会規定を修正いたしまして、いわゆる事後供出割当についての諮問機関的な規定を追加をいたしますような準備で進んでおりますわけであります。  それから次は会議でございますが、会議階層選挙委員会にあつては各階層に属する選挙された在任委員過半数が、全層選挙委員会にあつて選挙された在任委員過半数が出席しなければ成立しない。ここでは在任委員というふうな書きかたに直しております点が従来と変つております。従来は定数というふうになつております。今度は在任委員過半数と、こういうふうに書きました点が若干変つております。それから議決関係は、これは農地と同様でございます。出席委員過半数で決する。可否同数のときは会長がこれを裁決する、かようにいたしております。それから議事の参与の制限でございますが、これは若干但書の規定が従来とちよつと異なつておりますが、その趣旨は大体同じような趣旨でございます。「委員会委員は、自己又は同居親族若しくはその配偶者に関する事項については、その議事に参与することができない。但し、その結果第三十九条の規定により委員会会議を開くことができなくなる場合において、都道府県知事当該事項を処理させることを相当と認めたときは、この限りでない。」、かような書きかたにいたしております。趣旨は大体従来と同じでございます。  それから兼職禁止規定でございますが、これは兼職禁止につきましては、農地と大体同様と考えております。市町村都道府県委員は兼ねることができない。それから都道府県農業委員会委員は、都道府県議会の議員を兼ねることができない。それから委員市町村又は都道府県議会その他の公職に立候補することができない。都道府県農業委員会については、そういうふうな兼職禁止規定がございます。その点は農地と同様に考えております。  以上が大体従来の三委員会と新らしく生れます農業委員会との相違点について御説明申上げたのでありまして、このほか選挙に関する規定公職選挙法規定関係して複雑になつておりますが、選挙規定についてはこの説明は省略させて頂きます。  それからなおお配りをいたしております資料のうちで、「農業委員会法(案)を三月中に成立させねばならぬ理由」という資料をお配りしてありますが、これが三月中に成立いたしませんと、法律的にも技術的にも非常に複雑な関係が出て来て、あとで収拾が付かなくなるのではないかということを心配しておりますが、その点を一応御説明いたしまして、よく御考慮の上御審議を頂きたいと考えておりますが、それはちよつと読みながら御説明申上げます。「農業委員会法(案)を三月中に成立させねばならぬ理由」というのが配付してありますが、「今回第十通常国会に提案される農業委員会法案は左の理由によつて是非共三月中に国会審議を経るのみならず、法律として公布施行する必要がある。  一、同法案は従来の農業調整委員会農地委員会農業改良委員会を統合して農業委員会設置しようとするものである。農業委員会成立は、市町村では本年七月末、都道府県では八月末と予定している。」これは大体農業委員会法附則の六項の規定によりまして、最初選挙期日をきめなければならんのであります。農業委員会法附則の六項でございますが、「第三項の選挙期日は、政令で定める。但し、その期日は、この法律の公布の日から起算して市町村農業委員会にあつては五箇月、都道府県農業委員会にあつては六箇月以内でなければならない。」、政令で定めるということに相成つておりますが、大体最初選挙期日といたしましては、私の考えとしては、市町村農業委員会選挙日は七月の二十日、それから都道府県農業委員会選挙日は八月二十一日、かように予定をいたしておりますわけであります。それで大体市町村ではその選挙によりまして、七月末には成立する、都道府県では一月遅れまして、八月末に農業委員会成立する、こういうことになるわけでありますが、そうして農業委員会成立のときまでは過渡的には現在の農業調整委員会農地委員会をそれぞれ存続させる。経過的には農業計画及び食糧供出仕事農業調整委員会がやり、農地関係農地委員会が処理する。こういうふうな意味合いでそれぞれ経過規定を置いてあるわけであります。二、ところが、農業調整委員会設置する根拠法規でございます食糧確保臨時措置法、これの有効期限が三月末日に相成つております。従つて三月中に農業委員会が若しできなかつた場合どうなるかと申しますと、現在の農業調整委員会というものは法的な根拠失つて爾後は存在しないということに相成るわけであります。従つて委員会を経過的に存続させることは、法律上不可能に相成ると考えます。一度消えてしまつたものを、もう一度新らしく作るという手続きをとる以外に方法はない。又続いているうちに、この移り変りの経過的な措置はとれますが、なくなつてまつあとでありますと、全部が御破算になりまして、新らしく作つて行くというふうな法律構成になると非常に面倒になると考えます。それで農業調整委員会が四月一日以降存続をしないということになりますと、次のような困難な問題が出て来るのじやないか。一つ食糧供出仕事でございます。これは米の事後供出のみとなるにいたしましても、事後供出についての諮問に応じて答申をするというふうな仕事がありますので、それまでの間に作付百面積或いは農家人口異動農地災害案情等には予め調査を行なつて事後割当資料を整備して置かなければならんわけでありますが、そういう仕事を担当するところの農民代表機関が一時なくなつてしまうという関係に相成りまして、食糧供出諮問仕事というものが完全にやれなくなるのではないかと思います。それから又食糧増産興農運動の推進のためには、食糧生産関係委員会の協力を要するというふうに考えております。が、それが農業委員会ができるまでは、その部分監督機関というものがなくなつて来るということも考えられるわけであります。それから法案附則の第十項では、農業調整委員会書記は引続いて農業委員会書記となるというふうに経過的な規定が置いてあります。併し若しもそういうことができなくなりますと、書記は一応全部一遍退職をして、そうして新らしく又作るということに相成るわけでありますが、退職に関する手当は、現在の二十六年度予算案に計上されておりますものは、これは御承知の〇・八人分でございます。市町村でありますが……。そういうふうな関係で、農業委員会において書記全部が一応退職するということに相成りますと、予算退職手当では購えないという問題がそこに出て来ようかと思います。右の困難を避けようといたしますならば、別個に農業調整委員会又はこれに代るべき機関設置のための法律を作らなければならないということに相成るわけでございます。併しながらこれは従来の農業調整委員会仕事事務員相当供出関係は減少いたしておりますので、単独委員会を各市町村、全部の市町村にずつと置くということについての法制的の問題も出て来ましようし又財政的な問題といたしましても、少くとも十数億円の支出をしなければ、そういうものができないということに相成つて来ようかと考えます。それから次に食確法有効期間の延長というようなことも考えられるのでありますけれども、この法律による農業計画、いわゆる事前割当はすでに本年は米も麦もやつておりません。そういうことをやつておらない今日、食確法を延長するということは、法制的にも行政的にも意味がないことになると考えます。それから又所要経費の点については、別にやはり予算関係に縛られるわけであります。現在認められている以上に予算がたくさんとれるということがきまりませんと困るわけでありますが、それについての見通しについても非常に問題があるのじやないかと考えられるわけであります。以上の点が農業調整委員会関係について予想されるのでありますが、次に農地委員会について予想される問題でありますが、農地委員会は、この農業委員会法成立をしなければどうなるかと申しますると、農地調整法規定によつてこれは存続をしているわけでありますが、併しその所掌事項でありますところの買収洩れ農地の処理の問題、或いは未墾地の買収の問題、それからポツダム政令による農地強制譲渡、こういうふうな事務量が、これは別に参考として次に掲げておりますように、非常に減つております。農地改革がずつと進んで参りました関係上、非常に減つておりますので、単独委員会として十数億の経費支出するに相当なものであるかどうかということが非常に問題になるんじやないだろうか。少くとも財政上、単独委員会の形態に必要な補助金支出等国庫負担の問題が、見通しとしては困難になるのじやないだろうかということが懸念されるわけであります。  参考として、現在農地改革あとに残つております部分事業量でありますが、これは買収洩れの農地が全国で三万町歩になつておる。それから買収洩れの牧野が三万町歩になつている。それから強制譲渡発成見込が三万町歩、未墾地買收見込が三万五千町歩、こういうふうな程度のものが予想されるのであります。二百万町歩に亘る自作地がすでに設置をされ、三百万の自作農家設置されますことから見ますと、農地改革はずつと大部分終了しております現状から申しますと、今後の問題としては、これは重点が若干変つて来るのじやないかと考えるのであります。問題はむしろ農地改革による成果を確保して行く、そうして創設自作農家維持育成を図つて行くということが問題の主眼点になつて行くと考えるのでありますが、これを農民による自主的な委員会組織を作つて行くという必要は、これはもう是非必要である。何としても作らなければならんと思うわけでありますが、これを委員会なしに市町村長等を以て代えることは、これはできないと考えます。なお昭和二十三年の六月十四日附のGHQのデーヴイス氏のステートメント、二十五年九月五日附のウイリアムソン農業課長書簡等によりましても、農民代表による委員会設置ということを示唆されておるのであります。これは少くとも作らなければならん問題でありますが、先ほど申しましたような関係で、事業白その他の関係からいたしまして、又財源等関係からいたしまして、單独の委員会を、農地関係委員会を全面的に、少くとも必要経費国庫負担として、これを持つというふうな構想でやれるかどうかという点については、実際上困難な問題が残されておると考えるわけであります。  六は農業改良委員会でありますが、これは農業委員会法成立をいたしませんでも、元来法的の根拠のない次官通牒によつて出たものでありますから、これは存続することができると考えます。併しながらこれは法的な根拠を持たない委員会でございますために、国の助成が殆んど行われておりませんわけであります。主として他の団体、或いは自治体だけで持つておるような関係だろうと思います。それで二十六年度の予算といたしましても、全額で僅かに四十万円の補助金が計上されておるわけであります。従つて現状のままでは極めて活動が困難にされたままで残るということになりはしないかと考えております。それから現在の農業改良委員会は、都道府県機関として置かれておるに過ぎず、市町村には農業改良の普及の協力組織がないということに相成るわけであります。技術の改良、普及の効果は、普及員の増員、これはほぼ市町村当り平均一人ずつ設置されることに相成つておりますが、これにかかわらずやはり協力組織がございませんので、不十分なものと相成つておる。従つて改良普及事業の末端までへの滲透徹底ということについては、なお欠けたものがあるわけでありまして、食糧の増産に大いに活躍をして頂きたいと考えておりますが、そういうふうな点について、やはり弱い組織で残るのじやないかというふうに思うのであります。それから次に二十六年度予算案では、これを法案に即しまして、農業委員会が一本になりましたことを前提といたしましての予算編成がなされておるわけであります。若しも三月中にこの法案成立施行をされませんと、その予算はそのままでは婆ない。いろいろの仕事についてこれを又分けなければならん。ばらばらになるということになりますと、先ほど申しましたような関係で、いずれもが成立たないというふうな状態に相成つて参ります。非常にまあ支離滅裂になる盧れが出て来やしないかと考えております。かような理由で、三月中に農業委員会法成立させ、そうしてこれを公布施行いたしまして、一応新たな農業行政の自主的な担当機関というものを確立して、三つの委員会の統合による当面のぎごちなさというものは、これはあると思います。各委員会それぞれの立場からいろいろ問題がございますので、当面はぎこちなく、又予算も非常に削減されておりますので、活動の点にも遺憾な点があろうかと考えますが、こういう問題はともかく一応委員会一つにまとめた上で、将来事態に順応した改善措置をとつて行く、こういうふうな切替をすることが一番やはり円滑に進んで行くゆえんではなかろうかというふうに感じておりますわけであります。
  4. 羽生三七

    委員長(羽生三七君) 他にまだいろいろ説明を求めたい点があるのでありますが、それまでに一つ、今の法案説明資料の中で疑問の点が一つあるので、その点を明らかにして頂きたいと思うのですが、この法案の四十九ページの第五章の兼職の禁止、第四十六条、これは「市町村農業委員会委員都道府県農業委員会委員とは、兼ねることができない。」、もう一つは、「都道府県農業委員会委員は、都道府県議会の議員と兼ねることができない。」、これは現段階の兼職を禁止したわけであります。ところが説明資料によりますというと、説明資料の五ですが、兼職の禁止という部面のcを見ますと、「委員は、市町村又は都道府県議会の議員、その他の公職に立候補することができない」として、公職選挙法第八十九条の規定を引用して立候補を禁止しているわけでありますが、そうすると、兼職、立候補ができないのですから、実質上の兼職禁止でありますが、これはどういうふうに解釈したらよろしいですか。
  5. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 只今の点でありますが、公職選挙法規定によりまして、委員委員に一度なれば立候補ができないようになつているのであります。議員のほうから委員になることは市町村の段階におきまして差支えない、そういうふうになつているのであります。つまり、平たく言えば片道になつているのであります。
  6. 羽生三七

    委員長(羽生三七君) これは法律の体裁上から言つても非常に疑問になる点で、実質上の兼職禁止市町村の段階にも及んでいるということを裏付けているわけであります。片道だけ、つまり議員というものは委員にはなれるというわけですね。併し委員というものは議員になれないという片道の兼職禁止をやつておりますので、これは非常に疑問がありますので、なお地方行政委員会ともこれは御相談をして、この公職選挙法関係規定等について十分御検討を願わなければならんことが起るかと思いますが、これは研究することにして後日に譲りたいと思いますが、この点政府のほうでも十分御検討をお願いして置きます。  次に予算説明を求めたいと思います。
  7. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 農業委員会関係経費一覧というのがお手許に御配付してございますが、それを御覧頂きたいと思います。  二十六年度の要求額、それから前年度予算額と、こう書いてございまして、先ずトータルの数字から申しますと、前年度予算額のところを見て頂くとわかりますが、農業調整委員会経費昭和二十五年度におきましては、一番左の欄の十七億二千三十五万五千円、それから農地委員会関係経費が十三億七千五百八十三万九千二百円であつたのです。合計いたしますと、二十五年度は三十億九千六百十九万四千二百円と、これが認められておつたのでありますが、これが今回は二十六年度の要求額といたしまして、上から五行目の欄、計の左側を見て頂くとわかりますが、二十二億九千三百六十一万二千円、約二十三億と考えまして、約七、八億削減に相成つております。それはどうして削減に相成つたかと申しますと、縦に御覧頂くとわかりますが、本省費については、これは従来の本省費の合計が五百五十二万七千円でありましたのが、五百五十三万七千円と、これは整理の関係で若干変つておりますが、これは異動ございません。大体同じに本省費は認められております。それから都道府県事務費補助は、これは従来が四百八十万七千円でありましたのが、二十六年度においては六百七万二千円というふうにこれは増額をされております。事務費については若干増加しておるわけです。それから農業委員会費補助であります。この補助は組みかたといたしましては、都道府県委員会は、先ほど申上げましたように八月選挙になります。それまでの間は従来の農業調整委員会農地委員会存続いたしますので、統合前は農業委員会農地委員会とも、四月から八月までの五カ月分はそのまま計上しておる、それから九月から三月までの七カ月分を統合後の経費として、農業委員会として一本に計上されておる、それから市町村委員会のほうは、これは七月選挙になりますので、統合前の四月から七月までの経費はそれぞれ認められる、かように相成つておるわけでありますが、これを従来の金と比べて見ますと、農業委員会費補助全部を統計いたしますと、三十億八千五百八十七万二百円、この予算に対応をいたします金が、二十二億八千二百万三千円と、こういうことになるわけでございます。それからこれの内訳を申しますと、都道府県委員会でございますが、都道府県委員会の、下の計というのが書いてありますが、これは、ミスでございまして、もう一つ左の欄へ寄らなければならんのです。都道府県委員会の分が、これが二千五百三十万五千円認められております。それから前年度の予算額でございますが、これは一番下の計が六千五百四万五百五十円、都道府県委員会については二十五年度は六千五百万円の予算でありましたのが、二千五百万円に削減を受けておる、こういうことでございます。それを一県当りで計算いたしますと、百四十一万三千九百二十五円と、一県当りで従来認められておりました経費が、五十五万百十五円になつておる、こういうことであります。それの内訳が次に出ているのでありまして、先ず委員手当でございますが、委員手当が四十三万二千円のものが八万五千六百円になつておりますが、これは先ほど申しましたように、従来は三の委員会がダブつて置かれておりましたが、今度は一つ委員会になります関係上、委員の数が減つ来る、半分にまでは減りませんが、減つて来る、それから又委員手当会議を開催する回数に応じて手当が支払われるということに相成つておりますが、仕事の量からいたしまして、開催量が相当削減を受けまして、従つて一回当りの単価は変りませんけれども、委員の数が減るとか、又開催回数が減るとかの関係上、かような金額に査定をされたわけであります。それから書記の給与でございますが、これは従来は、一番最後の欄を見て頂くとわかりますが、六人の書記について補助を認められております。四十三万六千三百六十円の補助を認められておりましたものを、三人分として二十七万八千五百九十五円と、こういうふうに査定を受けたのでございます。これは市町村委員会も同様でございますが、書記については全面的に削減されまして、半分に相成つておるということです。それに応じまして、旅費及び事務費が節約を受けておる、それが挙げてありますように、旅費について三十万一千円でありましたのを七万九千九百二十円に、事務費が二十四万四千五百六十五円を十万六千円に、こういうふうに削減を受けました、そのトータルが先ほど申上げましたように、一県当りが大体三分の一弱というところまで減つて来たわけであります。  それから地方委員会におきまして、これは制度としては今度は残つておりません関係で、この金が落ちたわけでございます。それから市町村委員会でございますが、市町村委員会は従来は二十八億八千二百六十三万二千四百五十円であつたのが、二十六年度は十七億一千百十一万六千五百四円に査定を受けた。一委員会当りで申しますと、二十四万一千百二十七円に対して十五万一千百三十二円と削減をされたのであります。この内訳の主なものは、先ほど申しました委員手当委員の数が減つたために六万円が三万二千四百円に削減された。それから書記が従来は二人認められておりまして、十四万七千七十五円であつたのでありますが、これが一・二人分ということに相成りまして、十万五千四百十二円と、こういうことに相成つた。尤もこの四月から七月まではそれぞれ農地委員会農地委員会とも一人ずつ認められておりまして、八月以降についてこれを一・二人に削減されておるということに相成るわけであります。それから旅費及び事務費は、これは事業、その他委員及び書記の数或いは開催回数の減りましたのに応じて削減を受けましたわけであります。それから退職手当につきましては、これは先ほど申しました都道府県委員会につきましては、三人分減つている。それから地方委員会委員が全部減つておりますので、この分が削減を受けておる。それから市町村委員会における〇・八人分が減つております。その人数についての退職手当をここに計上しておるのでありまして、五千八百七十三万七千円というわけであります。それからなお選挙をいたしますについての必要な経費といたしまして、一億五千五百九十二万六千円というものがある、かように相成るのであります。以上が大体予算の概要でございます。
  8. 羽生三七

    委員長(羽生三七君) それではこのほかに、先ほど申上げましたように農業委員会関係法令の整理に関する法律案があるわけでありますが、まだ成規に本委員会に付託になつておりませんので、これは後日に譲りまして、農業委員会法案について御質疑を願うことにいたします。
  9. 小林孝平

    ○小林孝平君 農業委員会法案農地改革、それから食糧の統制、農業改良の三つの仕事の点から十分に検討しなければならんと思うのでありまするが、先般の食糧の統制問題に関するいろいろの打合せをいたしました際にも、今後食糧統制がどうなるかという点についてまだ明確なる方針がきまつておらんのでありますので、政府から買上げの手続に関する法律案その他が提案されてから、同時に並行的にこの農業委員会法案審議すべきが当然でありまするけれども、委員長はどういうふうにお考えになりますか、お伺いいたします。
  10. 羽生三七

    委員長(羽生三七君) 小林さんのお説の通りだと思いますが、つまり食確法の失効後の食糧供出に関する問題が成規に政府から提案された場合に、これをやることが極めて妥当とは思いますけれども、その日まで待つておるというのもどうかと思いますので、その部分に関連しない部分で疑問のある点は漸次逐次質疑を始めて頂いたほうがいいんじやないかと思うのでありますが……。
  11. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 委員会法を審議する前に一番大事な、農地調整委員が統合されますが、農地の調整の部分は御承知のように、終つたとは申上げませんが、大体八分余りできたので、一番大事な自作農維持の方面に、先ほども局長が協力するように言つて委員はそのほうにという話もあつたのでありますが、前に我々が審議未了にしてポツダム政令で出されました農地調整の一部改正にそのことが盛つてありまするために、非常にいい案である。併しながら資金の出途が明確でないので、これはいけないんじやないかということを盛んに論じたのでありますが、もうあれから大分目が経つて参りましたから、委員ができましても、専らその方面に主力を注いでやつてもらわなければなりませんが、自作農の維持に対する資金の御準備に対してはどうなつておるか一応お聞きしたい。
  12. 上松憲一

    説明員(上松憲一君) 前々の国会におきまして法案を御審議願つた際、自作農創設維持資金を是非実現さしたいということを申上げておつたのであります。二十六年度予算を編成するに当りまして、予算関係も、特別会計の余裕金を以ちまして、資金融通をやろうということで大蔵省とは了解が付きまして、一応予算を作つたのでありまするが、関係方面承認を得られなかつたが故に、遂に実現することができなくなつたのでございます。併しながら農地の金融ということは是非必要と考えまするので、現に御指示によりまして、新たな案を以て関係方面と折衝すべく準備を進めております。
  13. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 今後は、各府県とも農地の調整の部分は大体八、九分通り終えております関係で、今後大協力をしてもらわなければならん部分は、前に申上げました、折角自作になつ農家かたがたの今後の維持に主力を注ぐのでなければならないと考えておりまするので、先般も十分議論をいたしましたが、どうもこの法律で主眼の、大事なことをさておいて、通すと又延び延びになつて非常に困るのですが、この際私は今度こそこいつをはつきり予算化して、そうしてこれだけの金は準備をする。殊に今度の土地の譲渡の方法は変つてつておりまして、金を買主自身が準備をする建前でなければ斡旋する。その斡旋の方法もあの法律には書いてあるのであります。そこで是非こういういつもだますと言いますか、単なる書いたものだけを審議をして、大事な予算の裏付のないような法案は実は困るのでありまして、前々からそのことは御承知だと思うのでありますが、肝心なものを拔かしておつたのでは、折角委員をやかましく言つて、若し拵えたにいたしましても、その委員は大事な仕事をしようにも財源がないというので文句こそ聞かれても、決して効果は上らんと思いまするから、もう少しこれを本格的に審議しまする前に、その見通しをはつきり付けてもらわんと非常に工合が悪いと思いますが、その点どうですか。
  14. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 前々回からの本委員会における審議の情勢から考えまして、自作農維持の問題が相当量要であるということは我々もよく承知をいたしておるのでありまするが、只今管理部長から説明を申上げました通り、少くとも現在の特別会計における資金の中から融資の途を開いて置いて、そうして漸次これを拡充するという考えかたを持つて参つたのでありまするが、今説明申上げました通りに、まだその筋の了解が、考えかたについて多少の齟齬がありまして、至つておらんことは誠に遺憾であります。併しこれを放置しておるわけではありませんので、政府といたしましても、この点については十分な研究は進めておりまするが、併しお話の通りのような段階でありまして、本国会に提案することができなかつたことは誠に遺憾でありますが、なおこの問題については十分の努力を重ねまして、成るべく早くこの問題の実現するように努めたい、さように存じておるところであります。
  15. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 農業委員会法審議いたしまする根本は、私は今までの農地委員に属する自作農の維持、それから次は農業改良委員に属するものが先ず半永久的に必要であつて食糧調整委員なるものは、そう今までの状態から見ますと、半永久的に必要だとは考えておりませんために、自作農の維持と農業改良委員の二つに目標を置いて本案を審議すべきだと考えておりまするが、私のこの考えは間違いかどうか。
  16. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 本法案提案理由説明を申上げました通りに、現在の三つの委員会を統合するということに対しましては、現在の農村情勢から考えまして、是非ともこの際必要だということが第一の理由であり、併せて将来の農業計画も進め、総合的の農業経営の生産増強を図つて行く上においては、自主的な機関として市町村農業委員会を作り、総合計画を推進して行くという立場から、新たにその総合計画審議を広く市町村委員会に諮つて、いわゆる市町村農家の総意を将来の生産増強に資する、かような見地、考えかたを以て農業委員会を作り、その委員会が従来の仕事と併せて農業の改良、振興に寄与するというような考えかたを持つて、政府といたしましては、本法案成立を本日読み上げたような段階において是非国会において御審議を願い、通過を希望いたしておるところであります。
  17. 小林孝平

    ○小林孝平君 先ほど農政局長が御説明なつたうち、農業委員会法が三月中に成立しなければならない理由に関連いたしまして、局長は三月中に成立いたさないと食確法の延期ということも事業分母の点から困難であるから非常に困ると、こういうふうに御説明なつたのでありますけれども、私は食確法の延期ということは、根本的に現益の食確法を延期するかどうかということは別におきまして、この審議の過程において臨時的に食確法を一月なり二月延ばすということはできるかどうか、それはどうして私はそういうことをお尋ねいたすかと申しますと、この農業委員会法案は、買入手続の法案と兵に非常に審議に慎重を期さなければならん。従つて場合によれば三月中に審議が終らないかも知れない。そういう場合もあり得る。ところが局長のお話では、三月中に審議が終らなければ非常に混乱を来たすとおつしやいますけれども、私は臨時的にこの食確法を一、二カ月延期することによつて、五月に再開されました際に審議してもなお十分ではないか、それは予算の点から考えましても、七月までは農業委員会農地委員会とはそれぞれ従来通り予算を組んであるから、少しも紛糾を来たさないと、そういうふうに私は考えておる。それでその点が、場合によればそういうこともやり得るかどうか、又おやりになる意思があるかどうかということをお尋ねいたしたいと思います。
  18. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 只今農政局長が説明を申上げたところで大体尽きておるのでありますが、只今のお尋ねに対しましては、私は食確法は御承知通り、相当問題のある規定でもありますし、中間においてはポ政令等の問題があつて、従来の審議情勢から言つても、これを延ばすということの理論的根拠は立たないと思うのであります。又現在の政府のほうでとつておりまする農業計画つまり事前割当の制度を事後割当の制度を事後割当にすることに対しましては、いろいろ議論もあつたようでありますが、併しすでに事後割当制度で参つておるのでありまして、これを新たに行政的にもこれを延ばすということに対しましては、政府といたしましては、さような考えは持つておらんのであります。
  19. 小林孝平

    ○小林孝平君 私がお尋ねいたしましたのは、そういう意味ではなくて、今政務次官のおつしやつた意味の問題は根本的の問題であるから、それは今論じないで、私の言うのは、三月までに通さなければすべて駄目だ、そういうことで遮二無二三月中に通そうとすることによつて、却つて政府のほうに御都合が悪いことができるのではないか、私はむしろ場合によれば、五月再開後十分審議をしてもいいではないか、こういうふうに思うのです。その際にもう予算も組んでないから困るというようなさつきのお話でございましたけれども、臨時的に食確法を、農業調整委員会を継続させるという意味において二カ月くらい延ばすという方法をおとりになる考えがないかどうかをお尋ねしたのです。
  20. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 食確法というのは、これは御承知通り事前割当建前にいたしまして、いわゆる事前割当、それから補正とか、超過供出というような仕組でできております。従つてかようなことをやります場合に、この市町村農業調整委員会を使う、こういうふうな構成になつている。従つてその実体において実体規定が全然なくなつた場合、單にそれを受けて立つところの、受入れの農業調整委員会部分だけ残すということは、私は説明が非常に困難になるのではないかというふうに考えます。それともう一点は、この選挙階層別選挙にもなつておりますから、この選挙人名簿の作成に相当の日数を置かないと、これはやれないだろうと思います。従つてやはりその根本的な方針というものを早く立つておきませんと、我々としては予定通りには進まないというふうに感じるわけなんであります。
  21. 小林孝平

    ○小林孝平君 只今のところおやりになる意思はないように御説明になりましたけれども、私は政府はこういうふうにお出しになつて、非常に通過に対して熱意をお持ちになるなら、この問題を御研究になつて置かれたほうがどうかと思いますから、一言申添えて置きます。
  22. 江田三郎

    ○江田三郎君 ちよつと細かい点から若干質問するのですが、相違点の中の「農地面積の著しく小さい市町村」というのは、大体具体的に言うとどういうことですか。各委員会相違点というのに……。
  23. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 御説明を申上げます。この農業委員会法の四頁の三項の問題だと思います。この区域内の農地面積が著しく小さい市町村政令で定めるものにあつては、これを置かないということであります。これは政令で明らかになるわけでありますが、大体市町村農業委員会を置かないことができるというふうに市町村政令できめようと考えておりますのは、この市町村の区域内の農地面積が、この法第八条第一項第一号の(ロ)であります、(ロ)に「都府県にあつては農林大臣が都府県別に定める面積をこえない者」、こういうふうに都道府県別にきめることになつておりますが、そこで定める面積の三十倍、この面積の三十倍以下である。そして市町村農業委員会を置かないことを適当とする市町村、かようなきめかた考えたいと思います。つまり大体の基準としては、都道府県別にきめまする面積、これの三十倍以下というふうに考えます。
  24. 江田三郎

    ○江田三郎君 これは現在耕地が三十倍以下であつても、この法案にもありますように、いろいろ総合計画の樹立というようなことがありまして、勢い農地の開発等ができて行くわけですが、そういうようなときには、三十倍以上になつたら、又急に委員会を作られるのですか、三十倍としてあと耕地の新らしい開発があつても、それもこの「著しく小さい」というその扱いをされるわけですか。それからもう一つは、そういうような三十倍以下の町村にこういう委員会を置かないということは、先ほど説明がありました二十三年六月十四日のデーヴィス・ステートメント及び二十五年九月五日のウィリアムソン農業課長の書簡に抵触してもかまわんのかどうか。
  25. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) これは先ほど申上げましたように、三十倍以下のものであつて、この市町村農業委員会を置かないことを適当と認めた場合に、そういうふうな場合に、都道府知事が承認をいたしまして、その場合にいい、而もそれについては第三条の四項に規定がございまして、「都道府県知事は、第二項又は前項の承認をしようとするときは、あらかじめ都道府県農業委員会意見を聞かなければならない。」、つまり市町村長が一応原案は作りますが、都道府県農業委員会意見を聞き、又知事が承認をいたしました場合に置かないというふうに考えております。それで三十倍以下でありましても、その場所におけるいろいろの仕事があるという場合には、これは当然置くべきことになる。ですから三十倍以下であつて、而も市町村農業委員会を置かないでもいいというものがございますならば、その場合には置かなくてもかまわない。併し又これは何もそれで未来永劫に釘付にする趣旨では決してございません。その後の情勢によつて当然必要がございますれば、できて来ることは当然だろうと思つております。  それから最後の御質問ちよつと聞き漏しましたので、もう一度お願いいたします。
  26. 江田三郎

    ○江田三郎君 それは先はど説明された中に、こういうような組織というものは市町村長を以てこれに代えることはできないということを言われ、更に二十三年のデーヴィス氏のステートメント、二十五年のウイリアムソン農業課長農業委員会設置を示唆しておる書簡というものと抵触しないかということであります。
  27. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 御趣旨はその通りでありますが、勿論これは原則的に話のあつたことであると思います。従いまして特殊な例外的事項については、これは農地については、従来は隣接の市町村農業委員会がやつておつた、こういうことに相成つておるのでありますが、今回は農地関係事務だけでなしに、供出関係仕事についての諮問も受ける。それからその土地の区域内の農業計画を立てる、こういうことに相成りますから、農地関係仕事ならば隣接に頼むということもございますが、さような部分については、やはりむしろその市町村長が、どうしても市町村長がやるということのほうが、適当であろうというふうに考えて置いた、その点は関係方面にも了承を受けております。差支えないと考えます。
  28. 江田三郎

    ○江田三郎君 専門調査員を置くことになつておりますが、その専門調査員の資格とか、程度はどの程度のことを考えておりますか。
  29. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) これは特別に法律的には何ら資格という限定、そういうものはございません。まあ私どもといたしましては、当然常識的に考えられることであります。なおこの施行をいたします場合に、大体の心組みというようなものは、何と申しますか、この法律を施行いたします場合には、趣旨をよく説明いたしまして、補足はいたして置きたいと思つております。
  30. 江田三郎

    ○江田三郎君 三月中に成立させなければならんという理由を述べられたのですが、まあ誠に聞いておつて不愉快なんでして、初めからそういうようにして置いて、三月中にしなければならんという、三月中にできるか、できんかわからんということも予想して考えられたらいいだろう、そごに落ち込まなければならんように条件を整えて置いて、事新らしく印刷物にして説明されるということは誠に不愉快千万だと思いますが、それはともかくとしまして、この中で若干お尋ねして置きたいのは、農地委員会仕事について、今までやつていた仕事ですが、それについて大体幾つぐらいありましたか。面積がずつと挙げられておつて、買収洩れ農地、買收洩れ牧野、或いは強制譲渡発生見込、未墾地買收見込、これだけのものが将来農地委員会仕事として残つておるように書かれておるわけですが、そう解釈していいのですか。前の岡村さんの言われましたような自作農の維持という仕事はございますが、一体今後新らしい農地の開発というものは、この程度の数字以上に農林省のほうでは見込んでおられないのか、或いは政府が発表いたしました自立経済三カ年計画、或いは又政府の方針であるこの総合開発、或いは又農林省の一部で発表しました将来の新らしい土地の造成計画、そういうものとこの数字とは合うのかどうか。
  31. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) これはちよつと説明が足りないので、或いはそういう誤解を受けたかと思いますが、買收洩れの農地と買收渡れ牧野というのは、これは大体それぞれ三万町歩と、これしか残つていないわけです。そのほかの強制譲渡発生見込みのもの、或いは未墾地買収見込みのものは、これは毎年これが限度だというのではございませんが、大体毎年このくらいの仕事の分量であろうというふうな予定を考えております。
  32. 江田三郎

    ○江田三郎君 だから仮にそういうお考えなら、重ねて申しますけれども、政府が発表しておるところの自立経済の三カ年計画に出て来る数字、或いは片つぽうで進めておられるところの総合開発の計画、こういうものと、この大体三万数千町歩という数字とは合うのか、どちらかに狂いはないかということです。
  33. 上松憲一

    説明員(上松憲一君) 未墾地につきましては、三万五千町歩という数字を出しておりますが、これは二十六年の数字を一応出しておるのでありまして、自立経済審議会の答申に用いられましたあの数字も、やはり二十六年度につきましては、予算に計上いたしました数字を用いております。二十七年、八年につきましては相当殖やしております。向うのほうが殖やしております。
  34. 江田三郎

    ○江田三郎君 そうしますというと、二十六年における事業分量は小さくても、二十七年以降においては事業分量は相当殖えると考えなければならんわけですが、そう考えてもいいですか。
  35. 上松憲一

    説明員(上松憲一君) あの答申が政府として採択されることになりますれば、事業分量は増加することになります。
  36. 江田三郎

    ○江田三郎君 これは申すまでもないことですけれども、あの方針は吉田茂氏が責任者として外に発表されたものであるということを附加えて置きます。  それからこの改良委員会の二十六年度の予算として、全額僅かに四十万円補助金が計上されておるということは、改良委員会が二十六年度まで依然として残つておるということなんですか。
  37. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) これは農業委員会法提案に伴う参考資料というのがございまして、これの十六頁を御覧頂くとわかるのでありますが、この中に(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)とございまして、このところに都道府県改良委員会費補助というのがあるわけでございます。これは二十三年、二十四年、二十五年、二十六年となるに連れて百三十八万円、それが百九十九万一千円となりまして、二十六年度はこれが四十万二千五百円こういうふうに査定を受けております。この四十万二千五百円は農業委員会予算の中に計上をされております。この(ロ)の中の二番目の都道府県委員会費補助五百三十三万一千円のうち、改良委員会補助四十万二千五百円を含むと、これは大蔵省から予算の査定がございましたときに、農業委員会のこの金の中に四十万円分だけは改良委員会関係の金を含んでいるのだというお話があつたのでありますが、そのことをここへ書いてあるのでありますが、改良委員会が独自で残つて行くというわけではありません。予算的に四十万円改良委員会仕事の分として計上されておるということであります。
  38. 江田三郎

    ○江田三郎君 ちよつと納得行かんですが、農業改良委員会関係仕事として四十万円が計上されておるということは、今後できる新らしい委員会の中で、従来の農業改良委員会がやつておつたような仕事については四十万円分だけの仕事をさすということですか。
  39. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 訂正を申上げます。これは農業委員会ができますまでの間において、改良委員会の補助が四十万二千五百円、この金であります。それから農業委員会ができましたあとは、この経費を総合的に農地関係農業調整、改良と、この三つの仕事に総合的に使つて行く、こういうことになつておりますから、その中の区分はこれは予算的にはしておりません。
  40. 江田三郎

    ○江田三郎君 先ほど岡村さんも言われましたが、農業改良の仕事は重要であるということを言われたのでありますが、この農業委員会成立するまでということは、恐らく四月—七月或いは四月—八月という期間と思いますが、この何カ月間ですか四カ月になり五カ月の間に農業改良の関係について国が補助をしてやる価値は僅か四十万円ほどしかないと、こういう認識でやつておられるのか、従つて今度できる農業委員会において、今まで農業改良関係のやつておつた仕事については、その程度の認識を以てこの農業委員会考えておられるのかということです。
  41. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) これは従来とも農業改良委員会は、平年予算といたしましては百九十九万一千円計上されたのでありますが、今度統合をいたしますまでのその期間の補助といたしまして、一応月割に考えまして四十万二千五百円というものが計上されており、その後はこれは一体となつて農業委員会の金でそういう仕事をやつて行く、その中に含まれておる。こういうことになつておるのであります。私どもとしては、もとより農業改良委員会仕事については、今後とも大いにこれはやつて行かなければならんというふうに考えておりますから、そのウエートは従来よりも高くなつて然るべきだというふうに考えております。
  42. 江田三郎

    ○江田三郎君 ちよつとそれは弁解でも弁解にならんと思うのでありますが、少くとも二十六年度において四カ月乃至五カ月の間に国が補助すべきものが全国に四十万円程度で済むというような頭でおられて、その延長で農業委員会へこの仕事を持込まれるのでは、農業委員会の中の国が負担する金について、依然としてそういうドクトリンを以て進められるのじやないかと思われるのでありまして、そういう点今の局長の答弁は満足できません。これはこれまでにして置きます。いずれ今後正式に提案されてから申しますけれども、とにかくこれだけから言つて見ると、而も今までのあなたの説明から行くと、農業改良というものの仕事というものに対しては、政府は全く地方の自主性に任すというような勝手な名前で以て責任をとろうとしておられないということを感ずるということだけ申して置きます。  それからもう一つお尋ねしたいのは、普及員のことですが、これは大体一町村で平均一人という原則で増員をされるということですが、将来この普及員の動かしかたについては、大体一町村に一人おつて、その一人の普及員で大体町村の改良普及の事業はやらそうという考えかたであるのか、或いはそうでなしに、この普及員をブロック的に集めて、それぞれ専門の働きをさせて行こうとするのか、これも今後の委員会法と関係がありますから、ちよつとお尋ねして置きます。
  43. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) こはむしろ私よりも農業改良局長からお答えして頂く部分だと考えております。御指摘のような点については、現在農業改良局驚いてもいろいろ研究をされおることであります。つまり大体において一町村当り一人ずつ普及員が置かれるということになりますが、将来改良普及事業をどういうふうな計画によつて滲透徹底せしめるか、又その組織としてはどういうふうにやつて行くか、先ほどお話のございました一町村当り一人に任して行くのか、或いはブロック的に考えて行くのか、これは重要な問題でございまして、今改良局で折角研究をされておることだと考えます。そのときに改良局長からお答えしたほうが便宜だと思いますので、よく伝えて置きます。
  44. 江田三郎

    ○江田三郎君 もう一つだけ。法案附則第十二項という、本物を見ておらんのでわかりませんが、ここに書いてあるところによりますと、法案附則第十二項では、農業調整委員会書記であつたものが農業委員会書記となることになつておるというふうに書いてありますが、そういうことは、二人の書記がおつて一・二人になるときに優先的に調整委員会書記のほうが残るということなんですか。
  45. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) それはそういう意味でございませんので、市町村農業委員会成立いたします日までの間は、従来通り書記はそのまま新らしい農業委員会書記として行く、こういうふうに考えております。これは農業委員会については従来書記が一人の補助であります。その一人についてそういうふうに見て行つた。それから農地委員会についても、これはやはり農地委員会は当然ずつと残つて行きまして、これは別途出されます農業委員会法の施行に伴い、いろいろの各種の従来の農地調整法等の読替の法律によつて農地関係事務については農業委員会成立するまで従来の農地委員会農業委員会となつて残るというふうになつておるのでありまして、そのほうはやはり一人の書記というものが残つております。対等の立場でどちらも残つて、そうして一線になりました場合に従来の書記一人が今度は一・二人になるわけであります。現実の問題として、それが従来の人のどれがどう残つて行くかという問題は、そのときに具体的事実に即応して円満に解決して行くということであります。法制的には何らその間の不公平は考えておりません。
  46. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 これは実際問題として、一つ農業委員会がこういうところまで取上げてやるかどうかということを聞いて置きますが、その例を一つ挙げれば、地方の町村農地委員会において、山林原野を耕作地としてそれぞれ買上げ、又町村に配代した。実際町村に配代を受けたものは開墾して、これを耕作地として使用すれば、それが適当であるのにかかわらず、その一部をただ開墾して、依然として原野として、或いは山林として残し、むしろ地主からそれを分たせたが、分たれた所有者がそのまま今申上げた通り、或いは山林に返還して所有するというような、農地委員会において法を悪用し、或いは行過ぎたというようなこともないとは言えない実情が地方の府県にあるのでございます。こういうような問題は実際に鑑みて耕作区としてその成果をあげるか、或いは若し山林原野として存置するならば、先の地主に返還するのが当然だと思うが、こうしたような問題がたくさん山積しておることと思いますが、こうした問題を農業委員会で解決するのお考えがあるか。又そういう問題を処理することが農業委員会の目的の一つにもあるかということをお尋ねします。
  47. 上松憲一

    説明員(上松憲一君) 未墾地の買収につきましては、市町村農地委員会計画を立て、県の委員会において承認いたしましてやる小さい面積の開墾がございます。大きい開墾になりますと、県の委員会計画をいたしまして、それによつてつて参るのでございますが、御指摘のような買収地が一部農地にされ、農地にされ、農地でないものが相当あるという問題がございまするが、耕作者は農地のみでは農業経営をやることが困難であるということで、おおむね三割程度のいわゆる普通地というものを認められておるのでございます。従いまして、その程度のものにつきましては、農地でない土地が所有できるということでございます。未墾地の問題につきましては、計画の樹立が遅延したとか、或いは予算関係が遅れましたり、建設事業が遅れ、従つて未墾地のままであるというところもございます。併し本委員会におかれましても、不要の未墾地につきましては返せというお話もございます。不要なものにつきましては、これを旧価格で旧所有者に返し得る法律を作りたいということで、今準備をいたしております。
  48. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 私の質問が徹底しませんかどうか、実際私どもが地方を廻つて見まして、只今管理部長のおつしやる御答弁の通り、本来ならば未墾地を買上げた三分の一程度は、或いは森林地帯、或いは原野地帯として耕作の必要上残すのでありますけれども、実際は三分の一どころでなく、殆んど僅か一割か二割を耕作する、その耕作も形式的にやつて、一回くらい大豆その他を作るでしようが、あとはそのまま原野とし、或いはただ山林地帯であれば、伐木をしてそのまま残してむしろ二、三年後には植林をするような方法をとるというような、つまり農地法を悪用をしたようなことが出ておる。将来そういう事実があれば、未開墾地を悪用して、そうして買収したような事実があれば、処刑するの法律案を考えるというのでございますが、法律案を考える前に、そういう事実があつて、実際耕作地として未開墾地を買収しておりながら、耕作地としないものに対しましては、法の設置じやなくて、その前に農業委員会でそういうものに対しての処置はできるかということをお尋ねしたのですが、農業委員会としては現行のままで行きましては、実地は調査いたしますけれども、まだそこまでそれを処理するようなことが、法案の全体から見ましてないというのなら、ないというので結構でございますけれども、若しできるならば、こういうことは甚だ当を得ないと思いまして、質問したような次第でございます。
  49. 上松憲一

    説明員(上松憲一君) 農業委員会といたしましては、さような問題につきましては審議をしていないのでございます。と申しますのは、実は未墾地の、自分で耕作し得ないものについては、未墾地のまま売るという場合が相当あるのでございますが、ところが実際問題といたしましては、売つた上で買入者が入りましても、開墾ができないという場合もありますので、売渡しのときには開墾ができなければ、又国へ返してもらうという契約を作りまして、売渡しをいたしております。従いまして未墾地のまま、そのまま売るという問題はそれで解決して参ると思います。
  50. 羽生三七

    委員長(羽生三七君) ほかにまだ御質問があろうかと思いますが、他日に譲りまして、先ほど小林委員からもお話がありましたように、この法案関係のある食糧の割当手続に関する法案も至急正式に付託されるようお手配を願いたいと思います。これは政府委員にお願いして置きます。  それから江田さんのお話の改良事業関係のこと、或いは今の池田さんのお話の農地関係の問題もありますので、日を改めて改良局その他各局長に皆御出席を願いまして、その問題の審議をしたいと思つております。本日はこの程度で……。
  51. 江田三郎

    ○江田三郎君 ちよつと資料の提出を要求して置きたいと思います。先ほど説明がありました予算関係で、この農業委員会支出を地方自治体が実際にやるときには、地方自治体として政府の補助によらざる独自の支出をどの程度しなければならんと見込んでおられるか、その資料をお願いいたします。
  52. 羽生三七

    委員長(羽生三七君) ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止〕
  53. 羽生三七

    委員長(羽生三七君) 速記を始めて……。それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            小林 孝平君            三橋八次郎君            三輪 貞治君            溝口 三郎君            三浦 辰雄君   政府委員    農林政務次官  島村 軍次君    農林省農政局長 藤田  巖君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    農林省農政局農    政課長     渡部 伍良君    農林省農地局管    理部長     上松 憲一君