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1951-02-13 第10回国会 参議院 農林委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十三日(火曜日)    午後二時四十六分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農業災害補償法第十三条第三項の規  定の適用を除外する法律の一部を改  正する法律案内閣送付) ○農地調整法等の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれから農林委員会を開きます。  本日は農林災害補償法第十二条第二項の規定適用を除外する法律の一献を改正する法律案予備付託として提出されておりまするので、先ず当局の説明を求めるごとにいたします。
  3. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 只今予備付託になりました農業災害補償法第十二条第三項の規定適用を除外する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。  この法律案の内容は、農業災害補償法第十二条によりますと、食糧管理特別会計は、水稲、陸稲、麦の農作物共済共済掛金の一部を農業共済保険特別会計に繰り入れて負担いたしますと共に、この負担金食糧売渡価格の中に織り込みまして、消費者に負担させるように定めているのでありますが、これに対する臨時措置として、農業災害補償法第十二条第三項の規定適用を除外する法律を制定いたし、取りあえず昭和二十三・二十四・二十五の三年度における食糧管理特別会計負担金消費者価格に織り込まなかつたのでありまして、昭和二十六年度におきましても、家計費への影響等を考慮いたし、これと同様の措置を講じたいのであります。  而して、食糧管理特別会計昭和二十六年度における負担金四十一億六千百六十四万五千円の財源につきましては、一般会計からの繰入金によることといたし、これに伴う予算並びに法律案は、この法律案と並行して、今国会に提出されているのであります。  以上の通りでありまして、何とぞ慎重審議上速かに御賛同あらんことを切望いたす次第であります。   —————————————
  4. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 二次に農地調整法等の一部を改正する法律案が本付託になりましたので、この問題の審議に移ります。御質問がございましたら、どうぞお願いいたします。
  5. 小林孝平

    小林孝平君 この農地調整法の一部を改正する法律案でございますが、これは只今考えられておる農業委員会件案が通過するということを前提として、この改正を行われるのですかどうか、ちよつとお伺いしたいと思います。
  6. 平川守

    政府委員平川守君) 政府といたしましては、只今お話農業委員会法案も立案をいたしておりまして、それと関連をいたして考えております。但し農業委員会法のほうが通過いたしませんければ、又引続いて農地委員会としての選挙等をやつて行かなけれげならんと、かように考えております。
  7. 小林孝平

    小林孝平君 私のお伺いいたしましたのは、さつきのお答えと通うと思うのですが、仮に農業委員会法案が通らないと、或いは初めから提案されないで、そういうものは考えられないということになりますれば、今のこの改正法律案は取りやめになるものですか、どうか。
  8. 平川守

    政府委員平川守君) 農業委員会法が通過いたしましても、通過いたしませんでも、この法案自身は必要であると考えておるわけであります。ただ委員会法が通過すれば、その法律のほうで農地委員会等が吸収されるといつたようなことは起るけれども、この法律自身は直接にはそういうことは関係はないというわけです。
  9. 小林孝平

    小林孝平君 これはそういうことではないのではないかと思うのです。これは農業委員会ができれば選挙が八月に行われる。地方選挙は五月に行われますから、その間の期間というものが二、三箇月しかないから、こういう今の改正でよろしいのでありますけれども、仮に農業委員会ができないということになれば、農地委員会任期相当まだ先になつておりますから、こういうふうに欠員が二分の一に達しないときは選挙しないということになりますと、各階層間の割合が非常にアンバランスになりまして、不都合が起きるのではないか、こういうふうに考えているわけであります。
  10. 平川守

    政府委員平川守君) 農業委員会法が成立いたしませんでも、現在の農地委員会委員任期が八月まででありますその関係で、いずれにしても選挙はやり直さなければならん。従いまして農業委員会法が成立しなければ、委員任期がずつと続くということはないわけです。
  11. 小林孝平

    小林孝平君 いずれにいたしましても、五月から八月までの間は数箇月しかないということで、こういうふうにおやりになるのでありますけれども、この期間改正の結果、非常に各階層間のバランスがとれないというような場合が出まして、この農地委員会の決定が公正を欠くというような場合が起る虞れはないのですか、どうですか。
  12. 平川守

    政府委員平川守君) まあ八月までしか間がないという問題もございまするのでありますが、ただこの第一条のほうの補欠の問題につきましては、公職選挙法でも大体こういうふうな規定なつているわけでありまして、農業委員会規定においても、恐らくそれに準じて考えられるのじやなかろうかというふうに考えているわけでありまして、階層の問題も若干あるわけでありますけれども、これについては農業委員会法のはうで少し考え直して参りたい、かように考えているわけであります。
  13. 小林孝平

    小林孝平君 今の御説明農業委員会のほうで考えるというのは、ちよつと考え違いじやないかと思うのです。そういう不公正が起きても、階層間のアンバランスがあつても、僅かな期間だから仕方がないという御説明なら、それでいいですけれども、それを農業委員会法のほうで以て考えるというのは、ちよつと筋が違うように思うのですが。
  14. 平川守

    政府委員平川守君) 階層間のアンバランスという問題もございますけれども、実際問題といたしまして、一人欠けても直ちに補欠選挙をするということは、これは相当費用もかかりますし、いろいろそういう問題も勿論あるわけであります。そういう点も考慮いたしまして、公職選挙法のほうでは、議員の定数が三分の二に達しなくなつたときに初めて補欠選挙をするということになつておるわけでありますが、若干そこにゆとりを置くということが実際問題として適当ではなかろうかと考えております。又それによつて著しく、例えば農地委員会活動支障を来たすということがありますれば、別途県農地委員会のほうの活動を待つとか、救済手段も別途法律上あるわけでありまして、通常の場合におきましては、成る程度までの欠員がありましても、直ちに補欠選挙を行わなければならないというのは、少しきつ過ぎはしないかというふうに考えるわけであります。
  15. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこの機会に、政府から資料として提出しております農地改革の実情について説明を求めたいと思います。
  16. 平川守

    政府委員平川守君) お手許に農地改革進行状況をお配りしてございますが、この横書きの表に入つたほうで御覧願いますと、現在までに買収いたしました既墾地は百七十七万町歩、それに若干国有地所管換等を入れまして、約百九十五万町歩買収を了しておるわけであります。当初目標といたしました約二百万町歩という目標については、大体これを達成いたしたわけであります。そのうちすでに各耕作者売渡しを了した面積が百九十二万町歩でございます。登記につきましては、売渡登記百七十七万町歩が完了しておるという状況に相成つております。牧野につきましては、当初の目標よりも突破いたしまして、三十六万町歩買収を了しております。これに対しまして、売渡しました面積は二十八万町歩でございます。なお未墾地につきましては、現在まで買収をいたしましたもの約五十九万町歩、それに国有林野等からの所管換を含めますと、合計百二十五万町歩に上つておるのでありまして、そのうち約三十四万九千町歩売渡しを了した次第であります。  次のほうの紙を御覧願いまして、今後の買収見込でございますが、大体従来の自作農創設特別措置法によりまして、買収いたすべきもので買収が洩れておるというものが約三万三千町歩あると推定いたしております。これにつきましては、今後なお引続き買収をいたして参る予定でございます。牧野につきましては、約三万町歩買収をいたしたい。それから未墾地につきましては、これは全体の計画はまだはつきりいたしておりません、はつきりした計画はございませんで、或る程度適地と認められるものに限つて買収を進めて参るわけでありますが。二十六年度といたしましては、約三万五千町歩買収する予定でございます。それから二の強制譲渡発生見込と申しますのは、ポツダム政令によりまして、現在の所有者が一定の条件の下に至りました場合において強制譲渡を命ずるごとになつておりますが、これがどの程度発生いたすかということの予測でございまして、約三万町歩くらい発生いたすのではなかろうかという予定をいたしておるわけであります。その程度のことを予定いたしておるに過ぎません。それから牧野につきましても、同様なものが一万町歩くらいあるのではなかろうかというふうに考えております。それから未墾地につきましては、まあ五千町歩くらいを予定しているという次第でございます。  それから管理換見込でございますが、これは農地の五千町歩と申しますのは、河川敷地の、廃川になつているようなもの、そういうようなもの等を予定いたしております。牧野のほうは、これは主として国有林野の中から牧野として適当なものを所管換するという予定でございます。そのほか未墾地約二万四千町歩、大体このくらいの程度のものを予定いたしているのでありまして、要するにいわゆる農地改革と言われまするこの既墾地買収及び売渡しにつきましては、大体において目標を達成いたしたというふうに考えているわけであります。なおこのお終いのほうにありまする被買収地主の数、買受農家数というのは、これは若干この人数が重複いたしております。つまり不在地主等については、あちらこちらの村で同じ人間が載つて来るという関係で、実人員がはつきりいたしませんので、そういう関係で延べて集計いたしたものが約二百五十万人に上るわけであります。それから買受農家のほうは四百二十万戸であります。大体簡単でございますが、御説明申上げた次第であります。
  17. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと私からお尋ねいたしますが、この農地調整法等の一部改正法律案については、小林議員からお尋ねがあつた問題でありますけれども、これは本来、私どもは来るべき地方選挙に備えての農調関係法律の一部改正と理解しているので、そうするというと、一種臨時立法式なもの、そういう性格のものになつて来るので、この点は小林君の御質疑の通りだと思うのですが、そうでなしに農地委員会関係なしにやつて行くということになると、公職選挙法に準じてやつて行くと、一種恒久立法みたいな形になつて行くわけで、その場合に所定のごとく問題が進行しなかつた場合には非常な、今のようなアンバランスが出て来ると思うので、その辺一体どちらに重点があるのか。明らかに地方議会選挙に際しての臨時立法というふうに私たちは解釈するのでありますが、その辺どうですか。
  18. 平川守

    政府委員平川守君) これは形は恒久立法の形をとつておりますが、御指摘のごとく、我々といたしましては、農業委員会法を考えているのでありまして、その中間に地方選挙が行われます関係上、こういう点において非常に大きな選挙を、現行法のままでありますと、あちこちで行わなければならんという虞れがありますので、実質的にはその点今委員長お話のごとく、臨時的に考えているわけであります。
  19. 羽生三七

    委員長羽生三七君) そうすると、あれでございますね。これもやはり小林君のお尋ねのように、若し農業委員会法というものが不成立なつた場合、若干この問題の性質は変つて来ると思うのですが、その点はどうですか
  20. 平川守

    政府委員平川守君) 農業委員会法不成立でありますると、これが恒久立法の形をとつておりまするので、そのまま続くということにまあなるわけであります。
  21. 小林孝平

    小林孝平君 私先ほど御質問したことで考え違いをいたしましたことは、農業委員会選挙が八月と予定されておると申しましたけれども、たしかあれは六月に予定されている、そういたしますと、どうしてもそういうことを前提として、もう数箇月、僅かであるというふうに考えられて、私はやはりこれは農業委員会等と睨み合わせて考えられておるものだと思いますので、その点はやはり問題が残るのではないか、こういうふうに思うのです。
  22. 羽生三七

    委員長羽生三七君) こういうことではないでしようか、結局まあ農業委員会法が、仮にそういうことはないと思いますが、仮に不成立終つたというようなことがある場合には、今の御説明では、これは一種恒久立法化するわけです。そうした場合に農地委員会が別個の機関として残つて、今後まあ選挙が継続されるという事態が起つた場合に、果して恒久立法として、こういう公職選挙法に準ずる行き方がいいかどうか。
  23. 平川守

    政府委員平川守君) この八月には仮に農業委員会法が成立しませんでも、総選挙をやらなければならんということになるわけです、農地委員会の……。従いまして八月には新らしく全員が満たされるわけです。仮にその場合に、農業委員会法が通過しないといたしますと、これがまあ恒久立法としてずつと残りますが、併し法律によりまして任期が二年になつておる、そのうちの一年半だけは欠員ができればすぐ埋めて行く、ただ任期満了前の六箇月内において個別選挙をやることは無駄であるから、そこで六箇月間だけは欠員ができても、この程度欠員であれば総選挙まで待つ、こういう意味でありますから、さして支障がないのではなかろうかというふうに考えております。
  24. 小林孝平

    小林孝平君 併し考えようによれば、その六箇月間に非常にアンバランスができた際に、いろいろの問題を処理すると、こういうふうに処理するというよなことも起り得るから、必ずしも今御説明があつたように、不都合でないということは言われないのじやないか、こういうふうに思うのですが。
  25. 平川守

    政府委員平川守君) 厳密に申せばその通りでありまして、つまり総選挙を行う任期二年満了の直前の六箇月の間において、仮に誰か一名が欠員なつたという場合において、直ちに補欠選挙をしなくてよいということになるわけでありますから、そのときに或る程度アンバランスが起るというのは、これはその通りであります。ただ一方補欠選挙を行うということも、なかなか費用等もかかるわけでありますし、公職選挙法等においても、その点はこういう規定を置いておるわけでありまするから、農地委員会においてもその程度のことならいいんではなかろうか、そうしてそのために農地委員会においてひどく活動不都合を生ずるという場合においては、又別の救済手段もあるわけであります。その程度のことならばいいのではなかろうかというふうに考えておるわけであります。
  26. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ほかに……。
  27. 溝口三郎

    溝口三郎君 未墾地買収面積が百二十五万町歩で、売渡し面積が三十五万町歩、残りの面積が九十万町歩なつておりますが、この数字は昨年の七月頃御発表になつ数字とどのように変化しているか、これをお伺いいたしたいと思います。進捗の状況をお伺いいたしたいと思います。なお百二十五万町歩買収未墾地の中には、話に聞くところによりますと、四十万町歩ぐらいの開墾不能地が含まれている、そのまま放置しておけば、これは国土の荒廃にもなり、前の所有者にも迷惑をかけるから、速かにこういうものは適当の措置をとるべきであるというので、第八国会におきまして、農地調整法改正の場合に、未墾地買収したものは、開拓用地以外でも売渡すことができるというような改正の条文があつたようでございますが、法案審議未了なつたときに、こういうものの措置はどういうふうにするのか、できるだけ早く開拓不能地のものは別の目的のために売渡しのできるようにということをお伺いいたしましたときにも、農林次官は、まだ開拓不能地かどうかということには、土地の利用区分がはつきりしていないので、できるだけ早く計画を進めて、適当な措置をとる見込だという御答弁があつたのでございますが、そういう計画について、どの程度まで努力しておられたのか、又こういう未墾地をそのまま存置しておくことは、これは無論いいことではないのです。何とか速かに処置をする必要があると思いますが、今後どういうふうに御処理になる御予定でありますか、お伺いいたしたいと思います。
  28. 平川守

    政府委員平川守君) この売渡しにつきましては、昨年七月以降、余り進捗いたしておりませんで、大体七万町歩ぐらいしか殖えておりません。但しこの買収いたしました未墾地につきましては、開拓地としての建設計画なり、或いは建設工事なりに相当着手いたしておりまして、すでに約七十万町歩以上の面積については、計画なり、或いは若干の着手なりをいたしておるわけであります。ただこの百二十万町歩の中には、相当面積、恐らく二十万町歩以上の不能地もあろうかと推定いたしております。この開拓不能地につきましては、別途これを元の売り主に売り戻すなり、そういう適当なる措置を講じたいというので、目下法律案を立案いたしておるわけであります。大体そういうことで処置して参りたいと考えております。
  29. 溝口三郎

    溝口三郎君 只今農地局長から御説明がありましたが、大体七万町歩ぐらい売渡したんだということでございますが、どうかこの次の機会までに細かい数字をお示しをお願いいたしたいのでございます。なお百二十五万町歩買収したうちで、七十万町歩ぐらいは着手をしているんだけれども、二十万町歩ぐらいが開拓不能地だというような大ざつぱなお話でございますが、百二十万町歩の中で七十万町歩着手して、あと残つておるのは五十万町歩でございますが、そうすると、三十万町歩くらいは何も手を付けていない。開拓地でありながら、まだ計画もこれには手が付かぬというふうにとられるのですが、そうでなくて、大体百二十五万町歩のうちで開拓できるようなものについて計画を立て、そうしてそれに伴なつて毎年予算を付けて仕事をやつて行く。その予算が余りないために、まだ売渡しが全部行かぬというふうに考えるのでありますがどこまでも私は北海道を入れて四十万町歩程度は成るべく一日も早くこれを売り戻しのできるように御措置をお願いいたしたいということを第八国会以来、これは山林関係からも強い要望があるのですから、そういう方途について是非御努力をお願いいたしたいと思います。
  30. 平川守

    政府委員平川守君) その問題については極力努力をいたしまして、早く利用できるものと、然らざるものとの区分をはつきりいたしたいと考えております。何分にも売渡しまで参りますには、相当いろいろな調査その他の段階を経なければならないので、売渡し自身は遅れておりますけれども、先ほど申上げましたように、少くとも計画或いは着手につきましては、実質的にどしどし進めておるような状況でございまして、遠からず御期待に副える結果が出ることと考えております。
  31. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ほかに御質問ございませんか……。それでは本日はこの程度で散会することにいたします。    午後三時二十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            片柳 眞吉君            岩男 仁藏君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            小林 孝平君            溝口 三郎君   政府委員    農林政務次官  島村 軍次君    農林省農地局長 平川  守君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君