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1951-08-04 第10回国会 参議院 農林委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年八月四日(土曜日)    午前十時三十分一開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (燐鉱石補給金に関する件)  (農林関係水害に関する件)  (農林金融に関する件)  (農業協同組合に関する件)  (食糧輸入に関する件)  (単作地帯振興に関する件)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは委員会を開きます。今日は最初に御承知のように燐鉱石補給金廃止に伴う価格騰貴の問題並びに肥料需給問題について当局から大要を承わつて、それから御質疑を願うことにしたいと思います。最初政府のほうから説明を聞くことにいたします。
  3. 東畑四郎

    説明員東畑四郎君) 燐鉱石補給金の問題でございますが、先般燐鉱石補給金を八月一日から始めます、昭和二十六明年度から廃止する。従いまして燐酸質肥料価格統制は停止するということに決定が相成りました。この決定に相成ります前に、燐鉱石補給金のついておりました場合におきまして、消費者における末端価格、過燐酸石灰において一叺三百六十八円ということになつてつたのでありますが、補給金廃止後どれくらいの値上率になるかという推定でございますが、大体四割七分程度値上りになるという一応大きな見積りをいたしております。 次の肥料需給調整における特別会計の問題は、昨日大臣が申されましたのでございますが、その詳細等につきましては、農林省としてまだいろいろと案を練つております。事財政等に関連しまして、まだ実は政府としての案をきめる段階まで至つておりませんが、大体の考え方を申上げますと、政府実需期、年に二回参るわけであります。この実需期の総肥料の三割程度を保有いたしたい。従いまして不需要期に、それに相当するものを政府が買入れるという考え方であります。買入れ方等につきましては、入札、或いは場合によりましては、指名入札、或いは随意契約でやるということにいたしたいと思つておりますが、買入れます対象肥料は、硫安、過燐酸石灰加里塩石灰窒素ということに相成るわけでありますが、その他なお必要に応じてはその他の肥料もやる、そうしまして価格及び地域的な需給調整をやるというわけでございます。買入れるほうも、末端の市場においての、只今のところ自由購入で買うというようにいたしております。という実は考え方考えておるのでありますが、如何なる価格で買うかどうかということは、入札の方式でとる限り現地では政府がきめる価格であります。何らかそこに一応基準をおきたいという考え方で、肥料審議会等に御諮問を得まして、政府で買上げます、売りますところの予定価格等につきまして、予定価格をつけ得る限界というものを一つ公表するような組織を考えております。予定価格をつけるものは、どういうものを基準にして、どのくらいの幅のうちでつけるかというものを肥料審議会に御審議を頂きまして、公表してその枠内でやるというような考え方で、今いろいろ実は案を練つております。詳細等はまだ実は決定いたしませんので、ここに述べるわけには参らないのであります。昨日大臣が申されましたように、我々といたしましては、次の臨時国会等に対しまして、肥料需給調整価格安定策をやりたいというので、準備をいたしておる次第であります。
  4. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 政府計画はこの間ちよつと農政局長からお聞きしまして大体筋道はわかつたようでありますが、最近の新聞業者即ちメーカーが非常に反対をいたしておるのであります。政府計画の不需用期肥料買付けておいて、需用期に配給したいというのでありますが、我々が考えますと、メーカーのほうでは不需要期輸出をして、少し高く売りたい、それができなくなるというので反対をしておるのではないかと思うのでありますが、なかなか細々新聞に書いてあるようでありますが、どういうわけでメーカーのほうで反対をやつておるのかお聞きしたいと思います。
  5. 東畑四郎

    説明員東畑四郎君) 新聞にはいろいろと批判的な意見等も出ておるものもございますが、我々としましては、正式に実はまだ政府案というものを発表もいたしておりませんし、又メーカー等について説明もいたしておりません。今申上げましたような漠たる話は内々にいたしたことはございます。又正式に我々のほうに反対だという意見も参つておらんのであります。従いまして反対理由等は具体的にどこにあるかということもわかつておりません。新聞等で知る程度であります。それ以上正式な反対意見というものはまだ政府としても聞いておらないのであります。
  6. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 この間の局長お話では全国価格考えないで、地域的の価格考えるようになるだろうというお話でありましたが、自由経済を主にした買付けによるものは、そういうことも考えられると思うのでありますが、併しながら農産物統制しております品目のあるうちは、地域的の価格では非常に困るようなことになりはしないかと思うが、その後何らかのそれに対する考えが変つておるか、依然として全国的のプールでなくて、地域的のもので、地域によつては非常に価格の差異があるというのはお変りないかどうか。
  7. 東畑四郎

    説明員東畑四郎君) これはまだ……農政局長としての意見でございますけれども、今のところ我々といたしましては地域的な価格をきめて全国プール的なものにはなさないで行きたいという意見に変りはございません。
  8. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今度は大臣一つお聞きしたいと思うのですが、今お話のように、肥料を地域的に価格をきめて、おやりになつた時分にできた米と麦を、自由と統制とをして行くということになると、非常にそこに誤差ができて、地域的の米と麦の価格をきめるわけには行かんと思うのですが、大臣そこをどうお考えになつているか。
  9. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 実はちよつと委員長と今お話しておりまして大変失礼いたしました。あなたの御意見は米が一定価格で買上げられ、然るに生産資材であるところの肥料については地域的なプールではおかしい、これは一応そういう考えもございまするが、農村で使うところの資材は殆んど大部分が自由になつているわけであります。従つて地域的な差はどうしてもございます。肥料もこれが補給金をつけて全部統制いたしますれば、岡村さんの御意見で結構と思いますが、今回はそうではなく、肥料配給統制はやらない。併しそれによつて起るところの地域的な、或いは又時期的に非常に価格変動、或いは需給のアンバランスを調整するというのが目的でございますから、只今のところは農政局長が申上げましたことを我々は実行いたしたい。かように思つておる次第であります。
  10. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 一番日本で問題の場所を指してお話申上げますことは例ではないと思いまするが、私実は非常に肥料で苦心したところでございまして、よく悩みの種を持つておりますからそういうことを申上げますが、今政府が不需要期買つて需要期にやろうという考えでありますが、北海道はそれのみ狙つて来たのであります。自由経済当時は、不需要期にあの日本の北の端の北海道に一番安い肥料を持つて来る、そうして需要期に入り、これがメーカー繋つてつて来て長い間成果を挙げて来ておりまして、実際に肥料が本当の自由になれば、又それもやれると思います。併しながら今、メーカー考えておりますように、不需要期肥料国内需要余りどうし輸出をするなら別でありますが、それをせない限りはあえて政府がおやりを願わなくても、不需要期資金の供給さえ願えれば自由にやれていい結果を生みはせんかと思うのでありますがその点如何でしようか。
  11. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) この資金の裏付けということも考えておりまするが、併し相当莫大なものを出すことはなかなか困難じやいか。そこで現在の肥料需給特別会計を設けてその資金政府で裏付けしてやる、そうして本当に需給期なつたときに安くて、といいますか、採算のとれる程度払下げてやる、こういうことにいたしますればその目的を達成するのみならず、金融方面も一々需要者団体が農林中金とか、或いは北海道でありますと拓銀とか、こういうことをやつてもなかなか金融に乗つて来ないので、それを特別会計において買取り、払下げ、こういうところで調整して行く。こういう考えなのでございます。
  12. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 実は私、昨日農林大臣お話を承わつて非常に心の底に喜んでおりますことは、農村をよくするということは協同組合をよくしなければ駄目だというお話をされた、それは尤もそうあるべきでも、なかなかそういうことになつてつても率直にお話にならんのがおおかたでありますが、そこでこの間実は入札の形で一般業者にでも誰にでも払下げるという形であるというので、それは困る、需要者団体であり協同組合に特に払下げるということにしてもらわなければいけないということをお話申上げましたが、まだ固つてもおりませんし、農政局長がどうもそういうようなふうにはいかんと思うというお話であつたのでありますが、我々は法律を直さなければならんのならこつちで直してやるから出しなさいと言つておきましたが、そうして何も扱う業者が困るからどうこうというのじやなしに、もう少し農業に対しては私は片手落ちでなくて、その団体にも接し、その団体仕事を扱う農業者に少しでも安い肥料をあてがつて農産物生産させるというのでなければならないことと思うのであります。農林大臣協同組合の話をされてよくおわかりでございますが、そこまで突込んでお考えになつてもらいたいと思うのですが、如何でしようか。
  13. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) その意味只今農政局長払下げ、買入れるときに、随意契約、若しくは指名入札というようなことについてお話いたしました。一番御心配になつておるのは、例えば糸ヘン金ヘンで儲けた連中が不需要期に安い肥料買つておいて、高くなつたときに売りさばこう、その鞘を稼ごうというようなことはさせたくない。その意味におきまして、我々の狙つておるところは需給調整によつて直接消費者であるところの農民にできるだけ安い安定した価格肥料を供給しよう、こういう目的でありますから十分そういうような措置を講じたいと思います。
  14. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと議事の進行でお諮りいたしたいと思いますが、午前中に終りたいと思いますので、なおこのほか白波瀬さんのほうから蚕糸問題について御発言もあると思いますし、それから畜産問題に関して若干検討したいと思いますし、それから災害状況等も聴取する予定でありますし、なおいろいろありますので、そのお含みで進行いたしたいと思います。
  15. 平川守

    説明員平川守君) 本年に入りましてから当初の春の頃に東北等地帯におきまして風雪によろ災害が起りました。この関係による農地方面損害復旧額は約三十八億に上つております。続いてケイト台風による被害、これが農地関係融資といたしまして約三十八億程度となつております。それから更にその後豪雨が各地に起りまして、これのために農業施設の損壊いたしましたもの、主として九州或いは近畿地帯中国近畿等地帯におきまして、或いは四国等方面、この方面における損害は意外に大きくありまして、まだ損害状況が逐次報告されつつあるような状況でありまして、一応現在までに集まりました数字は約百五十億という額に上つております。なおそのほか九州の佐賀、長崎等方面におきまして局部的に地辷りの被害がございます。この損害約五千二百万程度でございます。本年度になりましてからの被害はそういう状況でございまして、合計二百五十億程度に上る状況でございます。これに対しまして現在なお精密な査定各地について続行いたしつつありますが、取りあえず預金部から災害繋ぎ資金を融通いたすということで、先般二回に亘りまして約十二億七千万円ほどの資金を融通いたしまして、これは追つて被害額査定が済み次第予備金等によつて賄うべき性質のものでありますが、概略今年に入りましてからの災害状況は以上の通りでございます。
  16. 溝口三郎

    溝口三郎君 只今農地局長から本年度の一災害の概況を伺いましたが、近年頻発する災害がだんだんに多くなりまして、殊に本年は今までになく早く災害が来た恰好でございますが、これからまだこの植付中にも、或いは大きな災害が来るような予感もあるのでございます。先ほどお伺いいたしました百五十億くらいの災害について今後助成なり金融のほうを大体どういうお見通しでやつて頂くのか。昨日もこの委員会閉会後に秋田かたがたが大挙して陳情に来られておりまして、青森あたりからも数十名のかたが何とか早く金融の途なり補助金を早く交付するようにして頂きたいというような陳情をしておられたのでございますが、これらの補助金等についてはいつ頃政府のほうじや出される予定であるのか、成るべく出して頂きたい。そしてなお今後予算の面で大蔵省折衝なされるに当りまして、今までの例から申しますると、或いは各県の災害事情等によつて何億くらいの……、この県は三カ年計画でやるとか、二カ年計画でやるというような大体建設省あたりと同じような方法で予算折衝をやつておられるようでありますが、農業関係災害は三年あとまで待つておるというようなことは農民はしないのであります。できるだけ早く来年の植付に間に合うように今年でもできれば復旧したいというようなことで、机の上でやる三年計画というようなこととは非常に実情が違うのであります。そういう点を一律に道路とか河川とかいうようなものと同じような取扱をやらないように、できるだけ早くこの復旧ができるようにお願いいたしたい。なお過年度災害予算もまだ相当に予算の上から残つておる、そういうものに対しては今までできるだけ地元かたがたも自分の金でも出し、そして繰上げ施行をやつておるようなものも相当あると思う、そういうものについてもこれらと併せて、予算については、一日も早く復旧のできるようにお願いいたしたい。なおこの際にもう一つお伺いいたしたいのでありますが、一遍災害が起きますと、そのときには非常に騒いで神経過敏になつて予算の要求なり陳情をいたすのでありますが、古い災害になりますと、皆国民的の関心も薄らぐといいますか、役所のほうでも新らしいものに追われて古いようなものは実は見逃がしてしまつている、見殺しにするようなことが従来もたびたびあつたのでありますが、やるやると言つておいて仕事をやつたけれども、途中から二十四年度補助金なんかを切つてしまつたというので、今度の秋田あたりも又そういうようなことで非常に騒いでおります。一つ大きな例も実はあるのです。南海震災とか地盤沈下という問題が……実は終戦直後非常に大きな震災が愛知県中心にあつた地盤が一メートル以下も沈下しているようなことが二、三年前からわかつていたのです。その当時の被害状況につきましては、これはその当時どういう関係か全然発表をしていなかつたのです。そのためにそれらに対する補助金等をその当時は何ら考慮されずに来たので、二、三年前から地盤がすでに一メートル沈下しておる、用排水状況もすつかり変つて来て、植付もできない。だからそれらについてはこれは大体百億くらいの復旧費用が要るのだと思いますが、そういうものについて補助金を出すとか出さんとかいろいろなことをこの一、二年実は話に聞いていたのでありますが、地元かたがたは非常な期待を以て、是非これは災害復旧予算を計上してもらいたいというようなことで、熱心に実は陳情をいたしたのでございますが、今以て事務当局からそういうものについてまだ解決がつかない、新らしいやつは騒がれるとできるだけの補助金を出すというようなことをいつておりますが、そういう忘れられて非常に苦しんでおるものがあるのでございます。特にそのうちで南海震災等に対しては、農林省ではどういうお考えを持つておられるのですか。その点について明確にお答えをお願いたしたいと思います。
  17. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 災害に対する予算支出の速かなる実施ということにつきましては、常に問題になつていることでありまして、ところがいつもこれが査定とか何かの問題で時間がかかつているようであります。併し今回はとにかくこの災害に対してはできるだけだけ早く融資なり予算措置をすればするほど復旧が早いし、その効果が多い。特に我々が心配しているのは、まだ台風が来るのではないか、そうするというとますます災害が拡大するということからいたしまして、すでに先ほど農地局長からお話申上げたように、繋ぎ融資は従来にないスピードを以てすでに第一回第二回と合計十二億七千万円程度出しております。なお又報告が遅れたために繋ぎ資金を出さないところ或いは不足だつたところ、これについては更に追加して出すつもりで、昨日も実は大蔵大臣安本長官建設大臣、私と打合せしております資料に基いて一つ手配するという状況になつております。それから災害予備費支出につきましては、現在現地調査も大体完了したようであります。これに基きまして九月早々支出ができるように目下大蔵省安本等とも交渉中であります。多分八月三十日を以て大体の見通しがついて行くことになりそうです。九月早々には是非出したいと思つて促進いたしている次第でございます。その次には過年度災害についてはどうも関心が薄れがちだ、これはどうもやはり人間の情として喉元過ぎれば熱さを忘れるという状況でありますが、併し現地農民においてはそんなことではできませんので、実は相当苦心して借金をしてやつている実情なんです。従つてこちらから復旧補助金をやりますというと、そのときにはもうすでに借金に対して廻すというような状況でありまして、これは我々も同情に堪えない次第でありまするが、これも要は全体の過年度災害費が少くなつておりまするので、誠に残念でございます。一般建設関係の事業に比べまして、農業災害は一年のうちに復旧しなければ、どうにも百姓の生活、或いは生産の増強にならないような意味におきまして、我々はできるだけ農業災害復旧早期完成ということを期しておるわけでありますが、これは従来は地方などではかなり地方起債の余地がありましたので、それを地方起債でやつてつて漸次国補助金あとを追つかけて尻ぬぐいするという形でありましたが、最近の予算編成の方針からいたしまして、地方起債の枠が非常に狭められて、而も局限されているためにこの点は非常に困難であります。そこで実は我々は昨日も申上げました農林漁業融資特別会計でこういうものを取上げるべきではないかというような考えで検討いたしておる次第でございます。この点は是非国会におきまして十分に御検討の上、これは私の現在の思い付きでありまして、農林大臣としてこうせよという、しようという気持はございませんが、例えば農業災害に対する特別立法でもいたしまして、それは何年なら何年のうちにやるんだというようなことができますれば、それは財政上義務付けられるからできるかも知れませんが、併しこれもなかなか困難な問題でございますが、要するに過年度災害に対する予算の割合が非常に少いということが根本問題で、この点は是非皆様がたの御協力を得て是非とも実行いたしたいと思います。それから南海地盤降下の問題は、これは私も政調会長時代に非常にこれは苦労いたしました。ところがこれにつきましてはどうも解釈というか、取扱についての意見がどうもまとまらない。これは我々は災害と思つております。然るにこれに対しては安本その他の関係当局は、これは土地改良でやるべきなんだ、こういうことで参つておりますので、それで土地改良の経費の枠の中でくわせようというような、実は傾向が多いのであります。併し鉱山に対して、いわゆる特別鉱害に対しては、特別立法までいたしまして、これの復旧に特別の助成をしておる。こういう観点からしますれば、而もこの南海地盤降下というものは関東にも引続く相当広範囲な問題でございますので、これはやはり土地改良なんというようなことで行くべき問題ではない。地球の変動に基くものだ、これはどこにでもあるというような言い方をすれば災害ではないと言えるかも知れませんが、併しこれは急激に起つておる、そのために従来の諸施設が崩壊して来るということになりますれば、これは災害と見てよろしいと我々は考えております。それでこの点は目下安本大蔵省とも折衝中でございまして、我々は是非南海地区地盤降下に対しては災害対象として取上げたい、かように考えておる次第でございます。
  18. 溝口三郎

    溝口三郎君 只今農林大臣から御答弁がありましたが、南海震災については、これは災害だか土地改良だかまだ意見安本等と一致しないというように承わつたのであります、案は地盤沈下という大きな災害が二十一年頃起つたのでありまして、その結果今の土地改良ではできない、これは当然の私はことである、是非これは強力に一つ速かに解決して頂きたいと思います。なお土地改良でやるべきだというようなことを安本が言うておるように承わつたんですが、その土地改良もこの一二年では団体なんというものは補助金を出さないということになつておるんですが、土地改良でやるならばそれに対しては補助金を出すというようなことを安本は言うのかどうか、どつちにしても早くして頂かんと……、災害じやない、土地改良でやるべきだ、土地改良団体には補助金を出さんというような現状ならいつまでたつて解決はつかない。地元も非常に心配しておりますからできるだけ早急に解決するようにお願いいたしたいと思います。
  19. 江田三郎

    江田三郎君 今の問題について私もお尋ねしたいと思つていたんですが、地盤沈下の問題でありますが、今安本のほうと意見が一致しないということを言われたので、私それを不可解に思うのでありまして、昨年私は委員会の所属が建設委員会のほうにおりましたが、その当時地盤沈下の問題を建設大臣にお尋ねしたことがありまして、一体災害というものの定義には時間の制約があるのかないのか、急激に短時間のうちに急激な変化がなければ災害と言わんのか、或いは災害を生ずるような条件が積み重つていれば、或る量の積み重りが一定限度至つて災害というようなことになる場合に、かような長期に亘つて大きな変化が来た場合にも災害とみなすのかどうかということをお尋ねしましたときに、増田建設大臣は、その通り解釈をいたしますと、こう言われたことがある。そのときに周東安本長官もおられまして、安本長官の御意見はどうか、こうお尋ねしましたところ、安本長官もこれは建設大臣と同じ考えだ、こういうことをはつきりと言われておるわけです。大臣というものがおおむね放言をするということになるならばこれは別問題であります。併しそうでないとすればこれはもう問題は片が付いておると思うのでありまして、それを今にまだごたごたしておるというのはまるで政治というものが或いは事務に引きずられてしまつておるのじやないか。こういう問題は、もうとつくに片が付いていなければならんと思います。今に至つてこれを土地改良にするかもわからんというようなことを言われまして、一体どうやつて今まで二十三年或いは二十四年に災害として取扱つた地帯とどう釣合いをとつて行くのかという問題、その点農林省に大きな責任があると思うのでありまして、農林省の出先の農地事務局においては、これはもう災害でやるんだというようなことを言つて地元を指導して、地元ではすぐ金が来るというようなことを言われたものだからして、農業協同組合はこれも金を立替えて、機械の購入なんかやつておる。こういうようなこともあつて、その後始末に非常に困つておるわけです。これはどうも私ども聞くところによるというと、まだはつきりと今日まで農林大臣大蔵大臣、或いは安本長官というような政治的折衝が行われないで、ただ事務関係だけで続けておるのじやないかと思うのでありまして、そこで溝口さんの言われたように、どうもいつまでたつて解決つかんという問題が出て来る。この問題については一つ早急にけりをつけて頂きたい。而もそれが又災害と認めるというところで、今のように、新規災害がほんの一部しか取上げられんというような状態のときには、一体これをどう取扱われるか、これは相当前から災害になつておるわけです。それを今年度新らしく出た災害と同じような取扱をされて行くというようなことになるというと、これ又今まで非常に御苦労せられて、又今後も非常にいつまでたつて完成するかわからんというようなことになると、若しこれを災害として取扱う場合には一体普通災害と同じように取扱われるのか、或いは地盤沈下については特別な考慮をされるのか、そういうようなことについてもお尋ねしたいと思います。
  20. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 先ほど申上げたように、我々は江田さんと同様の解釈をとつております。従いましてこれは災害としてなすべきだと考えております。速かに関係閣僚と意見の一致を見ましてこれらの復旧に善処いたしたいと思います。
  21. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは次に先日答弁を留保されておりまする農林漁業資金融通法の今後の措置等について農林金融課長から説明を承わることにいたします。
  22. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 先日までの融資の実績につきましては、昨日資料で差上げました通り、農林中央金庫の扱い分が約十八億余円、それからそのほかの地方銀行扱い分が約二億円足らず、合計いたしまして二十億余円が融資されておるわけでございます。融資実績といたしましては、第一四半期に我々は二十七億円の融資計画を立てたのでございますが、見返資金からの繰入れが遅れましたために、手許にありました二十億円の金だけを限つて融資を行いましたようなわけでございます。その点多少当初計画に比べまして融資の実績が遅れております。幸い昨日見返資金第二四半期分といたしまして十七億円の解除がございましたので、直ちに引続きまして第二四半期分の融資を行いたい、かように考えております。それから申込状況はこれは地方銀行扱いの分は、只今ちよつと見当つきませんが、農林中央金庫扱い分は金庫のみで現在申込すでに末端では八十億円を突破いたしております。かようなわけで現在の六十億円の資金を以ちましては到底足りない。なお従来のような先着順に融資を行うという方法をとりますと、今後新らしく申込をしたものは明年度でなければ資金の貸付が得られんというような事態になつておりますので、融資方針を多少変更いたしまして、行政庁の裁量を入れまして、特に優先施行を要するものについて、現在の申込の中から逐次処理いたすような方針に切換えたい、というように考えておるわけでございます。それから今後の計画といたしまして、本日お手許に補正予算計画書を差上げたわけでございますが、御覧の通り総額百億円、内訳は農地改良に五十七億円、林業に四億円、漁港修築に三億円、伐採調整に五億円、その他共同利用施設三十一億円1という工合になつております。農地の五十七億円のうち三十八億円と申しますのは、これは単作地帯の特別措置とマッチいたしまする融資でございまして、三十八億四千七百万円は単作地帯のみに当てられますわけでございます。それ以外の非補助の十九億五千二百万円という数字がこれが全国的に配分される数字となります。それで利廻りについて御参考までに申上げますと、この本計画六十億円と書いてございます。これはこの平均利廻りが五分六厘四毛になります。五分六厘四毛でございます。それから補正計画の百億円、これのみについて申上げますと、六分三厘の利廻りとなつております。で平均いたしますと百六十億円、通算いたしまして五分九厘四毛の利廻りでございまして、この利廻りから申しますと、資金源といたしましては、大体資金運用部の借入を四、それから一般会計六の程度で十分採算がとれるわけでございます。ただ私ども予算を要求いたします便宜上、この百億円につきましては、五十億円を資金運用部からの借入金、残り五十億円を一般会計からの繰入ということで只今要求中でございます。
  23. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと私から承わりますが、私どもはこの問題を二十億が一般会計、四十億が見返資金、六十億が預金部資金の運用と、計百二十億になるわけでありますが、それに大臣が昨日お話なつた百億をプラスすると、計二百二十億という勘定になるのですが、これで行くと今のお話では、百六十億になるわけですけれども、そうすると前の六十億という預金部資金の運用面のほうはどこか隠れた形になつてしまうということになりますが、その点はどうですか。
  24. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 先般申上げましたのは、六十億円の借入が可能であるということを申上げたわけでありまして、要するに資金運用部から入れるか、或いは一般会計から入れるか、フアンドをふくらめるのが目的つたわけでございまして、その後当時は、当初のプラス六十億の合計百二十億見当で一応賄いがつきやせんかと思つておりましたが、只今申上げましたように申込が殺到しておりますので、百二十億では足りない、百六十億最低見なければ駄目だというので、百六十億にいたしたわけであります。あとは私どもが予算運用の便宜上、資金運用部から五十億、一般会計から五十億、これは財政当局のほうで、資金運用部のほうがもつと多くてもいいということになれば、どつちでも採算がとれますことは先ほど申上げた通りでございます。
  25. 江田三郎

    江田三郎君 この配りました施行令の第七条の畜産物の共同処理施設というのは、具体的にどういうことを指すのか、説明して頂きたいと思います。地方の県においては、これに基きまして畜産物の共同処理施設というものを非常に広汎に解釈して、農協等に対してそういう指導をし、又資金の借入の申込をさしておるようでありますが、この共同処理施設とは具体的にどういうことを指しておるのでありますか。
  26. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 私どもが考えております共同処理施設は、牛乳の低温殺菌施設、それから卵をかえします孵卵育成施設、それからあとは人工受精施設、この三本が特別会計でなければ融資がきかないだろうと考えております。それ以外の、例えば食肉加工施設であるとか、或いはバター、チーズを作る施設、こういうものは農林中央金庫の資金で借りましてもペイいたすような計算が立ちますので、只今当初に申上げました三本のものだけを取りあえずは融資対象というふうに考えているわけでございます。
  27. 江田三郎

    江田三郎君 地方の県なんかに流される場合に、そういうような具体的な説明はつきりなさつて最初からやられたのでありましようか。若しそうであれば、地方の県の農業協同組合あたりは、食肉の共同加工というようなものに対して借入の申請をやれという、そういう指導はしないと思うのでありますが、現にそういうことをやつておるわけであります。それを農林中央金庫から借入をしたらいいじやないかというても、中金でもそう簡単に貸してくれないと思うのであります。そういう点、一体どうしてあなたのほうで、内容に含まれていないものを県のほうが含んでおると解釈しておるのか。どこでそういう食い違いが起きておるか。又そういうような食い違いが起きて、実際借りられるものとして事業計画を立てて着々と準備をしておるものに対しては、農林省としては何か救済策を講じておられるおつもりなのかどうか。
  28. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 私どもは地方庁に示しましたのは、非常に抽象的な言葉ではございましたが、農林中央金庫の自己資金で行けるもの、これは当方として考えないということは言つておるのであります。ただ具体的な項目になりますと、非常に対象が多くございますし、今申しました孵卵育成施設の、ごときものにつきましても、ところによりましては採算が非常に有利で、農林中央金庫の自己資金で行けるものもございまするので、やはり抽象的な標準しか示すことができなかつた次第でございます。この特別会計を頼りにいたしまして申請をいたしまして、而も特別会計融資対象にならなかつたものの救済策につきましては、農林中央金庫の自己資金等と睨み合せまして、そつちで貸付を適当とするものは、そのほうで融資の斡旋をするということになつております。
  29. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつとこの機会に私からお願いしておきたいのですが、昨日お話に出た例の人造米の問題ですが、これは今政府が大きな国策として取上げると言つてもなかなか問題がむずかしいと思うので、ああいう問題が工業化して来る場合に、この資金の融通の対象の中に一つ入れて頂くよう御検討を願うようにお願いしておきます。御研究願いたいと思いま す。
  30. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) この特別会計融資対象といたしますものは、共同利用施設といたしまして、原則として会社が扱うものは考えない、つまり協同組合というものは、農民或いは漁民のための共同利用施設の最もいい主体ではなかろうかと考えておるわけであります。主体といたしましては、今申上げましたような制限を一応のところ考えておるわけで、次に事業のほうで申上げますと、御承知のように見返資金が中小企業に対しまして一四半期約十億の金を以て金融機関と協調融資をやつております。ところが融資の実績はさつぱり伸びませんで、毎月約一億ぐらいしかない、非常にフアンドが余つたというような状況でございます。ごつちのほうで二次加工以下の施設はやつて頂きたい、この特別会計は幾ら金を要求しましても、いずれにしろ制限がございます。こちらは第一次の生産に直接関連するものだけ扱いまして、それは二次以降の事業に対しまして別にフアンドがあり、現に又遊んでおるわけでございまするが、こちらのほうにやつたほうがこれは農林漁業のためじやなかろうかというような考えで今のところでは運営いたしております。
  31. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 私の申上げるのは、会社ということじやないのです。農業協同組合が食糧増産の見地でそういう問題を取扱つた場合ということでございます。
  32. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 今申上げましたように第二次加工の中に入りはせんかという考えを持つております。まあこれはまだ研究問題……。
  33. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 一つ御研究願います。
  34. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 一つちよつと、今金融課長からの会社の問題、これは実は別途に陳情申上げたのですが、今丁度機会がありますので私一つ申上げたいと思います。原則的には農協が主になることは私は異存ないのでありますが、農村工業あたりの非常に高度化したものは、やはり企業形態としては場合によつては会社のほうが有利である、やりやすいというものが私はあるのじやないか。丁度私の在官中にも、例えば北海道の酪農事業を農協がいいか、会社形態がいいかという論議を頻りにしたわけであります。従いましてこの会社でもその出資の全部なり、過半数を農村が出しておる、やはり経営の便宜上会社経営のほうがよろしいというのは私はあると思います。そういう意味農村工業として会社という恰好をとる場合におきまして、これは或る程度やはり相当の資金の固定を要する場合等におきましては、これは実は別途に陳情もいたしたいと思つておるのです。が、やはりそういうものも或る程度私は主務大臣に認定して頂いて、性格的には農村が作つたものであれば、これは私は入れていいのではないかということを実は考えておるので申上げますが……。それからもう一つは今第一次、第二次という言葉を使われましたが、甘藷米は甘藷を原料として作れば、これは第一次加工ではないだろうかということを考えます。一次、二次のけじめは必ずしも私はそう厳格ではないと思います。この点は特に私は又別途陳情の実は用意もあるのですが、やはりその話も出ましたが、やはり実態を御認識頂いて、会社が全然いかんということでも却つてこれは窮屈になりはせんか、この機会に意見を申上げておいて研究をお願いしたいと思いま す。
  35. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 今片柳さんの言われたところは非常に尤もです。但し御承知のようにですね、その認定が非常にむずかしうございましてね。まあこの枠を外しますと、会社からワンワン来ましてね。折角協同組合を主として行こうとするものがどんどん悪用されて行く、こういう観点があるので、運用上実は大きな原則を立てているわけでございますが、只今お話のように、農林、若しくは協同組合が出資を大部分した、いわゆる第一次加工でございますか、そういう点、いろいろ考慮の余地があろうと思いますが、十分検討いたして見たいと、こう思つております。
  36. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 非常に問題になつておるので、これは金融課のほうでも何らかの注意と言いますか、やつたほうがいいと思うのですが、その協同施設なんですが、非常にどうも早呑込みをしやがつて、共同施設は何でも共同施設でなくては金が足りないというので殺到しておる。今朝も金庫へ廻つてその話をして来ましたし、私も電話なり、手紙なり、電報なりで、まあヤンヤン言われて、非常に迷惑千万なんですが、それで場合によりますと、共同施設でも政治の圧力、外部の圧力でそれを通そうという気配も見えます。私は断じていけないことは言明いたしておりますが、そこでその今の六十億ではとても共同施設の装置をしております余裕などないと思いますから、これは資金の余裕ができればそこまで行けるが、今のところは先ほど金融課長のお話なつたような、まるで牛乳処理なら、厚生省からお話があつたような工合で、それからほんの金額の十万以上というと、一番小さい額なんですから、こういうものは余りないのですが、何でもかんでも共同施設と言えばできるつもりで、非常に申込が殺到いたしておりますから、これも親切な意味か、まあ誤解のないようにという意味があつてもいいと思いますが、何かこう通牒という大袈裟な意味ではないのですが、書類を出して、都道府県に知らしてやつておく必要があると思うのですが、どうなのですか。
  37. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 御尤もでございまして何とか適当な徹底かたをやりたいと思います。
  38. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 この後の補正予算計画を見ても、余りそうたくさんのものは共同施設に廻りそうな計画はないのですが、これはこの年度中にはまああれですか、望みをかけても非常に困難だというまあ確かな、親切なような、文書で、いわゆる金融課長は何かの方法についてやつてもらわんといかんと思うのですが、まあ念のために申上げます。
  39. 飯島連次郎

    ○飯島連次郎君 第七条の最後の「その他の施設であつて主務大臣の指定するもの」というのは、今具体的に来ているのは何ですか。それからこれがどういう想定でこう来ていますか。
  40. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 只今金融機関の審査をパスいたしまして、私の手許まで上つているものには、これはございません。ただこういう項目を入れました理由は、ここに書いてあります農業倉庫でありますとか、いろいろありますのでございますが、これ以外に農民が共同利用のために最も切望するものであり、而も自己資金、或いは農林中金の資金ではペイしないものがあるかも知らんというようなつもりで、これを書きましたわけでございまして、具体的な申請といたしましてはまだ現われておりません。
  41. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ではこの問題はこの程度に願いまして、次に農協の問題について江田さんから御発言があるようでありますが、これを願い、そのあと昨日の三好さんの輸入食糧の見通しに対する御答弁を願い、それから単作地帯の振興の予算化の問題と、それから蚕糸対策という順でやつて参りたいと思いますので、どうぞお含みを願います。
  42. 江田三郎

    江田三郎君 時間がございませんから、簡単に要点だけ質問をいたしたいと思いますが、言うまでもなく今農協の増資が行われておるわけでありまして、特に今回バツク・ペイがきまりましたので、ところによりますというと、バツク・ペイを以てそつくり増資の方向へ、まあ一〇〇%というわけじやございますまいが、大部分を増資の方向へ半ば強制的に振向けるというようなところも出ているように私は聞いておるのでありますが、そういうような増資の仕方というものは一体いいのか悪いのかという問題、更にこの増資をします場合によく検討して見ますというと、増資によつて何ら事業分量は殖えない、殖えないということになると、増資したものに対する配当を若し出すということになると、それだけ経費はたくさんかかるわけでありまして、更に余計の赤字を加えて行くということになるわけでありますが、そういうような増資の仕方というものは、もとよりこれは経済的なべースに乗つたものでないわけです。そういうような増資が行われておる。而もそういう増資がバツク・ペイを半ば強制的に振向けるというような形で行われるというようなことになると、これは農協の増資というものが、もはや経済的な問題でなしに、まるで農民であるための賦課金と言いますか、負担金と言いますか、そういうような半ばまあ封建的な性格を持つたような感じがいたすのでありますが、さような増資のやり方について一体農林省としてどういうような方針を持つておられるのかということが一つ。それから更に農協の事業を我々今度の視察にもいろいろ検討して見ますというと、例えば農機具なら農機具を扱いましてそれを購連が手数料を取り、更に単協が手数料を取り、更に購連はその間の輸送した農機具が出るとすぐに利子を取るというような形で持つて行くと、明らかにこれは商人から買つたほうが安いわけなんです。そういうことが農手なり或いは農業協同組合からの借入金その他の関係で否応なしにそういう高い価格を押し付けられておつて、農協というものが農民に対するサービスの機関でなくして何か農協の役員なり職員なりを養うための動きをしているのじやないかというような印象を受ける部面もあるわけなのでありますが、さような一連の問題について一体農林省としてどういうような指導をなさつて行かれるのかという問題です。  それから第二の問題は、今農政活動というものが非常にやかましくなつて参りました。そこでその農政活動につきまして勿論我々も大いにやらなければならんのでありますが、ただその農政活動の中心になるのは一体どういう機関が適当だと農林省のほうではお考えになつておられるか。先般の地方議会の選挙におきましても、或る二、三の府県の指導連のごときは特定の候補者に対しまして選挙資金を出しておる。こういうような形をどうお考えになつておられますか。或いは指導連というものは現在の農協の経営が非常に困難な状態に立ち至つて、我々から考えるというとその経営自体の指導なり或いは刷新なりという大きな役割があると思うのでありますが、そういうことよりも農政活動だけやつておればいいとお考えになつておられるか。又そういうような農政活動を強力に展開されるところの指導連というようなものの会長がこの間変つたようでありますが、荷見さんが会長になられたのでありますが、荷見さんという人は私は日銀のポリシイ・ボードの一人だと思うのでありますが、一体日銀のそういうような役にある人が農政活動を強力に展開するところの指導連の会長になるということを適当と考えておられるかどうか。  更にもう一つ最後にお尋ねしたいのは、昨日も農林大臣は準備が整えば米の自由販売をするというような御発言があつたわけでありますが、若しそうなつた場合に一体農協の経営というものをどういうようにお考えになるか。そういうときにも或いは農手制度というものは続くのかどうか。若しそういうような農手制度というものがありましたところで、自由販売ということにすると相当量農協の取扱量は減つて来るわけでありますが、そのときの農協の経営は何を基本としてやらそうとするのであるか。恐らく今日この主食の取扱制度が変りまして、農手の制度或いは農手の取扱分量がうんと減つて来るということになりますと、全国の農協の大部分というのは余り誇大かも知れませんが、多くの部分がこれによつて致命的な打撃を受けることは必至だと思うのでありますが、そういうことに対しましてどういう将来指導をされようとするのか。時間がございませんから簡単にそれだけをお尋ねいたします。
  43. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 江田さんにお答えいたします。順序は、実はちよつと他のことを聞いておりまして或いは違つておるかも知れません。現在の、昨日も問題になりました準備ができたら米の統制を撤廃する、そういうふうになりますというと、農業協同組合が非常に経営が困難になるであろうというようなお考えのようでありまするが、私は必ずしもそう思いません。先ほど、前に江田さんが御指摘なさつたように、農業協同組合がただ統制の、配給の、手数料を取つて、眠り口銭を取つておるという形からすれば、その眠りをさまさなければならないと思います。その意味においては苦労はございましようが、いろいろと農業協同組合本来の使命を達成するために積極的な事業をやるということになりますれば、私はそう悲観した結果ではない。むしろ農業協同組合はその構成員である農民の自覚に立つ協同の経済団体でございます。そういたしますれば結局この自覚せる農民かたがたが自由になつたために、自分たちの利益をできるだけ保護し得るいろいろの仕事ができ得ると私は存じます。即ち金融の裏付けさえできますれば平均売によつてこれが価格の安定と、同時に又利益を確保するということもできるでありましようし、又共同施設の利用による加工その他の方面も出て来るでございましようし、そうした意味において私は堅実なる積極的なる組合活動が出て参ると思います。現在のところではむしろ供出制度に伴うところの口銭にのみ依存しており、積極的な農業協同組合生産活動なり加工なり、こういう方面がないというのがむしろ残念ではないかと、かように思つておる次第であります。  その次に農手の問題でありまするが、これはいろいろ研究しなければなりませんが、農手という形でそれを残しまするか、或いは倉荷証券というようなものになるか、その点を更にいろいろ研究したいと思つております。  それから農業団体の農政活動の中心をどこにおくか、これは私は政府がこれを中心としてやれというように指示すべきものでないと考えております。すでに協同組合は民主的に農民の自発的意思によつて作られたる団体でございます。それらの人々が農政活動をやる場合において、どれを中心にするかというようなことは、おのずからやはり自主的にきめることでありまして、政府が指導連を中心に農政活動をやれ、或いは又共済組合を中心にやれというように私は指示すべきものではない、かように考えております。そういう観点からいたしまして、ポリシイ・ボードの構成委員である人が指導連の会長になつたのは適法かどうか、それは当を得ておるか得ていないかという問題でありまするが、ポリシイ・ボードの構成委員が指導連の会長になることについては、大蔵大臣或いはポリシイ・ボードの議長をしておる一万田日銀総裁にいろいろ相談した結果、それは全然影響なしということでありまするので、我々は人物として荷見さんの人格或いは従来までの経過、而も又農民団体が挙つてこれを推しておる現状においては、それは適当であると考えておるのであります。若しお答えの足らない点がありますれば、後ほど申上げます。なおいろいろと農政局に関係の問題もあるようでございますので、農政局長からもお答えいたします。
  44. 東畑四郎

    説明員東畑四郎君) 第一の御質問でありました増資の計画でございますが、農業協同組合の再建整備を要する組合につきましては、自己資本が非常に貧弱であるということは、江田さん恐らく御承知の通りであります。従いまして先般通りました再建整備法で固定資本、赤字から自己資本を引きました不足分につきまして増資計画を作るということに実はなつております。只今お話のように、将来の事業活動に対する増資が多過ぎるというようなお話のようでありましたが、我々といたしましては法案に盛られました内容によりまして、先ず指定日現在におけるこの不足分の増資計画を作る。従いまして非常に固定資本等が多過ぎるために、徒らに事業活動に対して支障が多くなるというような場合につきましては、今後の推移によりまして事業計画等の変更を自主的に申請された場合におていは、農林大臣の承認ができるということになつておりますので、その間の調整をいたしたいと思います。そうして順次農業協同組合の財務処理基準に発展さして行くべきものだというふうに考えます。なおバツク・ペイ等につきまして、強制的にやつておるというようなお話がございましたのでありますが、政府からは何らの実はそういう指令はいたしておりません。ただバツク・ペイ等の金が農協等に入りました場合に、再建整備組合その他の組合等につきまして、自己資本の充実等を組合員の意思により充実したほうが便利であるという場合等につきましては、政府としてはこれを歓迎をいたす気持がございますので、これを強制的に取上げるということは、およそ協同組合の精神に反することであると、かように了承いたしております。
  45. 江田三郎

    江田三郎君 今の大臣のお答えで行きますというと、協同組合というものは農家の盛り上る力によつて自主的に大いにやつたらいいのだというようなことはこれはもうおつしやるまでもなくよくわかつているのでありますけれども、然らば一体今の農協というものが本当に一人立ちのできるような、どういう具体的な事業があるのかどうかということなんです。ただ今政府のほうでやつておられるのは、財務処理基準令が、何とかして増資をしろ増資をしろということだけであります。而も増資のあの手続なんかでも非常に煩雑なことをやられて、私たち今度地方を廻つて見ましたところで、僅かばかりの金をもらうのに、その県庁の所在地へ三遍も四遍も訂正をもらいに行かなければならんというような、こんなことで不平が非常に強く出ておりましたが、そういうようなことまでして、増資をしろ増資をしろということだけであつて、増資をした場合に一体どうなるかということについては、殆んどうつちやらかしじやないかと思うのです。成るほど事業計画を見ると、ちやんとできるようなことになつておるかも知れませんけれども、内容を検討して見ると、何らそれによつて事業量は殖えないで、ただ従来の赤字を補填する、基準令に乗らんから、それだけで穴埋めするということだけでありまして、又同じことを繰返す。私はこの農協が米麦主食の取扱の手数料だけに依存しておることはいかんことは、これは百も承知しております。併しながら今の農協としてはそれ以外にないじやないか。それだけによつて辛うじてやつておるわけでありまして、例えば岡村さんのおられる北海道のような場合、この大きなところにおきましても酪農関係におきまして、甜菜等の加工関係におきましても、或いは麻の加工関係におきましても、ああいうようなちよつと農村工業らしいものということになるというと、殆んど農協では手が出ないというような状態、そういう状態についてはもう殆んどうつちやらかしておいて、ただ増資をしろ増資をしろということを言われる。農協のほうではそれによつて半ば強制的にバツク・ペイの金まで増資のほうに振向ける、こういうことが現実に行われておるわけです。そういうことについて農林省としてももつと私は違つた親切な指導方針があると思うのであります。それから先ほどのこの指導連の問題につきましても、指導連が農政活動をやつて悪いということはございません。併しながら指導連というものが或る二、三の県のように、特定の県知事候補に政治資金を出して見たり、或いは昔の産組中央会のような、ああいうような組合自体の経営改善ということをうつちやらかして、この農政活動ばかりやつておるという状態のときに、そういうような性格を持つた指導連の会長に日銀のポリシイ・ボードの一員がなるということを農林省は果して適当と考えておられるのかどうか。私はただこの指導連というものを抽象的にお考えになつておるのじやないかと思います。もつと具体的にどこまでをお考えになつてつておられるのか。或いは若しそういうような方向を指導連がとつておれば、その指導連の行き方は農林省考え方では逸脱しておると考えておるのが、逸脱でなく現在のままでよろしい、而もポリシイ・ボードの一員が会長になつてもよろしいと考えておられるのか、そういう点をもつとはつきりやつて頂きたい。
  46. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 私がお答えいたさなければならないと思いますのは、今のポリシイ・ボードの構成委員である荷見さんが指導連の会長になつたことに対する所見のようであります。これは先ほど私が申上げたことで尽きておると考えますが、今の指導連がそういうふうな個々の面についてそういうことがあつたこともあるかも知れません。併し指導連が全国的の組織として政治活動を主として結成されたものではなく、又現実にそれを非常にやつておるというようには我々は解釈いたしておりません。従いまして、この指導連の会長として適当なりとして農民各層の輿望を以て参つた人でありますし、又これが直接政治経済の労働団体という我々は考えを持つておりますので、ポリシイ・ボードの構成委員がこういう指導連の会長になるということの問題について法的に何ら障ることもなければ不当でもないという限りにおいて、我々は農民各層の輿望に適合して、これを推すことは当然であるというような考えで現在のところ我々は荷見さんのなつたことは喜ばしい現象であると考えておる次第であります。
  47. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今、江田さんの御質問で、これは重要なことなんで一応聞いておきたいと思うのでありますが、大臣の御答弁の、江田さんから、農手をそのまま継続して行くのか、こういう御質問に対して、農手で行くか倉荷証券で行くかというお話でありますが、現在やつておる農手と倉荷証券とは趣きを異にしておりまして、倉荷証券は生産物ができたあとのことであります。私どもまだよく承知いたしておりませんが、現在の大臣はよく御承知のように、農村実情では農手というものを方法は変りましてもどうしても続けてもらわなければならんと実は考えております。そこで問題は貸した金の回收でありますが、これはその団体のやり方を見れば決して今の災害補償金額を限度として貸しておりますものに変つても決して回收のできないことのないようにできると思います。そこで倉荷証券のこともこれもお考えになつておるかも知れませんが、この前の営農を持続する金は是非御研究願つて必ず今のような形は変りましても出してもらうようにしなければならないと思います。それから倉荷証券もできたあとでありますが、これも自由になればなるほど必要でありますからこれも十分お考えになつて頂きたいと思うのであります。
  48. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 私先刻申上げたことも、これはまだ何にも結論は出ておりませんので、そういう点も考えられる、併し、農手だけで農村金融をやるというわけにも行かないということで、従つてこの問題は只今仰せのように併行して行かなければならんものだと私は考えておりますけれども、現在まだ具体的な結論は出しておりません七十分御趣旨並びに農村の実態に即応するように検討いたしたいと思います。
  49. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 江田さんの御質問にもありましたが、百姓は協同組合の品物を買えば損をするというのならば、何も業者の物を買つても決してできんわけでもないのであります。そこで組合の経営は私に言わせると実は簡単で、飴細工と同じことだと私ども考えております。そこで、問題は組合員本位にやるか、組合本位にやるかの問題でありまして、そこさえはつきりすれば、何もむずかしい問題ではありません。それと農家が結束して仕事をするかせんかの問題であります、これは農政局に大いにいろいろ研究してもらいたいと思いますが、そういうことはどうぞ間違いのないようにやつて頂きたいと思います。
  50. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこの問題はこの程度で止めまして、昨日の三好さんの質問の輸入食糧の今後の見通しについて簡単に一つ……。食糧庁業務第二部長。
  51. 細田茂三郎

    説明員(細田茂三郎君) それでは簡単に申上げます。この六月末で終りました一九五一アメリカ会計年度の輸入の実績は米、小麦、大麦を通じまして二百九十五万八千トン入つております。これは玄米に換算いたしますと二百六十万二千トンということになつております。この七月一日から始まります一九五二会計年度需給につきましては、現在の試算によりますると、今申上げました輸入がありまして、今年の七月一日の政府の食糧の手持、持越高が二百五十二万五千トンということになつております。それで来年の七月一日におきましても今年度と同じ同様の二百五十万トン程度の持越しを持ちたいということで、輸入要請量を弾いて見ますると、玄米換算で三百十四万三千トン入れれば来年の七月一日におきまする持越しは本年の七月一日の持越しと大体同じになるであろうと、こういうのが現在行われております試算であります。そこで三百十四万トン、玄米トンで申しますと約三百五十万トンくらいの輸入をすればいいということであります。そのうち五一年度で買付をしまして、この七月以降にずれて輸入をされるものが、それが大体八十万トンございます。そこで三百五十万トン仮にどうしても入れなければならんということに相成りますれば、八十万トンはすでに買つておりますので、その残りのまあ二百七十万トンばかりのものを今後七月以降において買いまして、今後一年に又入れればいいと、こういうことになるわけでありますが、そのうちすでに実行に入つておりますのは七月—九月の外貨予算決定をいたしましたものが約七十万トン分の予算を組んでおります。これが大体七千五十五万ドルという外貨を組んでおりますが、それでまあ七—九月の間の買付をやるわけでありますが、すでに先日第一回のテンダーをやりまして買いましたものがアメリカ、カナダの大麦を約二十万トン買いました。それからアメリカの小麦を約十万トン買いました。それからイタリーの米を約二万トン、合計三十三万トンばかりの第一回の買付をやりましたわけであります。あとまだ残つたやつは今後の模様でテンダーを実施いたしまして買付をして行きたいと考えております。それから十月以降の予算につきましては、これはまだ全然きまつていませんのでありますが、まあ少くとも十—十二月の外貨予算におきましては、百万トン内外のものを是非出廻り期でもありますので、買付をしたいと、こういうふうに考えておる次第であります。それから例の五十万トンの国際小麦協定でもらう分がきまつたわけでありますが、これをアメリカなりカナダなりからどれだけいつ取るかということにつきましてはまだ決定をしておりませんが、相成るべくは御承知のように小麦が非常に高いのでありますから、アメリカでできるだけ買いたいと考えております。それから物量的にはまあ今申上げました程度の輸入をするということは全然問題はないわけでありまして、殊に今年はアメリカの小麦は相当な豊作であるようでありますし、昨年はカナダの小麦は霜の害で或る程度悪かつたのでありますけれども、今年は非常にいいという予想でもありますので、物量的な問題は一つもないつもりであります。主として今後の外貨予算の推移の如何であつて、食糧の外貨が幾ら獲得できるか、確保できるかという問題でありますが、そういうことでありますが、まあ大体予定通りつて行けるのではないか、そういうふうに考えております。
  52. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは次に単作地帯の振興法に基く予算処置のことですが、これはもうどの程度予算が次の議会における補正予算で可能であるかということを承わつて、時間の関係で次に移りたいと思います。
  53. 庵原文二

    説明員(庵原文二君) 単作関係の補正予算につきましては、七月二十日の第二回単作審議会におきまして農業振興計画に伴う予算金融措置の件、決議が行われました。その基本的方針に意を体しまして、予算編成を行いました次第でございます。この概要を申上げますと、総額で六十億三千四百万、内容といたしましては、農地関係が五十二億五千三百万、農政局関係が二億七千二百万、それから畜産関係が二億三千二百万、蚕糸局関係が一億一千百万、林野庁関係が一億二千二百万、農業改良局が千二百万、統計調査関係が二千二百万、以上の通りでございまして、この予算編成を終りまして只今大蔵省事務的な折衝中でございます。
  54. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつとお尋ねしますが、それは二十七年度予算の場合ですか。補正予算にそれだけ……。
  55. 庵原文二

    説明員(庵原文二君) 二十六年度補正予算であります。
  56. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 ちよつと簡単ですが、私が昨日質問いたしました例の特別加算の一〇・二%を五%下げた、その対策としては減税でやつて行きたい。併し必ずしも五・二%を減税でカバーできるかどうか……。そこでこの単作地帯等の予算には或る程度あちらの減をこちらでカバーするという考え方をできるだけとつて頂きたいと思います。これは希望として一つ……。
  57. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 只今事務当局から御説明申したのは農林省だけの案であります。案はまだ今後大蔵省との折衝で相当問題でありますので、特に補正予算の時期の問題もこれにからんで来る。要求しておる根幹の事業が土地改良になつておるわけであります。そうしますと補正予算の編成時期が遅れて参りますと、本年の工事には間に合わないというので、相当実は大蔵省から切られる傾向がある。そうすると二十七年度予算に廻すということになりますから、できるだけこれは本年から相当やりたいとこう思つて大蔵省折衝中でございます。只今片柳さんから御指摘のように従来は特別加算は例の早場米供出と相関連した問題でありまするので、その意味におきまして実はいろいろの農地の改良、そのほかにもそうした意味のことを含めまして作つたつもりでございます。この点だけ御了承願います。
  58. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 六十億も大部分問題があると思いますが、この前法案の審議の際、私は一つの枠といたしまして、枠のめどといたしましてたしか最高でありました年が早場奨励金はたしか百三十億くらい出ておると思うのです。それが僅か五%ということになりますると、少くとも相当の額がやはり出てもいるんじやないかというようなことをこの前の法案の審議にも申上げておりましたので、或る程度の見当は過去の早場米奨励金が出た金額と、今度の特別加算でカバーできる分との差額というようなことは、全体の枠をきめる際の或る程度のめどになるんじやないかということを御参考までに一つ…。
  59. 羽生三七

    委員長羽生三七君) これは是非一つ要求の形になりますように御検討をお願いいたします。
  60. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 只今御指摘の点は十分我々努力いたしたいと思います。なお又先ほど御説明申上げました農林漁業融資特別会計の中におきましても三十億分の、これは特に単作地帯に対する対策と考えておるわけでありまして、この点は先ほど申したように大蔵省との非常にこれは論争の点になりますので、是非農林委員会の皆様がたの御支援を頂きましてこれが目的を達成いたしたいと思います。
  61. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは最後に蚕糸問題で白波瀬さんから御発言があるようでありますから、白波瀬さん。
  62. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 簡単にお伺いしますが、大体ここにお示しになつた補正予算の何は、これはもう大体これに間違いないように行きそうなんでありますか、伺いたいと思います。
  63. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これはまだ予算折衝を始めたばかりでございまして、今のところはつきり御返事できませんが、我々はこれだけは是非獲得したい、かような気持を持ちまして、私は大蔵大臣その他関係方面にも折衝しておるわけであります。なお事務当局はおのおのの項目について十分に大蔵事務当局その他の諸君が納得できるように説明いたしたいと思いま す。
  64. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 その次にお伺いしますが、糸価安定の問題が取上げられて、これは多年の業界の希望で非常に喜ばしいと思いますが、これの実施に当つては過去の状態と今日の蚕糸業の情勢は非常に変つているから、一つその点は余り過去のやつた実績にとらわれないで、真剣に一つ検討して頂きたいということを特に御希望申上げてやきます。なおいま一つはどういうような機構になるのか、特別会計でありますから何でありますが、この肥料需給調整におきましてもどうも八カ所作つてというようなことで非常に大きな機構になろと、結局統制になつて行くようなふうに考えられるので、金融措置で大体まあ肥料の問題なども或る程度は行くんじやないかというような感じもするので、この点に対しても十分一つ検討して頂きたい。余り大きな機構にならんようなふうにして頂きたいということを私は特に御希望申上げます。それからいま一つは技術員の問題でありますが、これは実際の問題が普通農事と一緒に町村で仕事をやつてつて、普通農事のほうが五分の一より国庫の助成を受けていないのでありますが、これは非常に問題があるでしようけれども、是非一つ大臣に格別の御尽力を願いたいと思います。それだけ御希望を申上げておきます。
  65. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 蚕糸特別会計並びに肥料特別会計について金融で相当やれるじやないかという議論はありますが、実は私の今の考え方としては、金融になつてやりますと実はメーカー保護になります。農村関係は実は相当削られる、やはりその需給調整価格調整をやるためには事業特別会計にいたしまして、買取り放出というところまで伴わなければその目的を達成することが困難じやないか、こういうような考え方です。勿論それだといつて金融関係を全然見ないというわけじやありませんが、やはり特別会計は事業特別会計にしたほうがいい。大蔵省金融措置でやれ、こういう考え方のようでありますけれども、私は只今申した理由によつて事業会計にいたしたい。但し機構を大きくする考えはございません。もうこういう事業特別会計になりますと、ややもすれば機構を大きくして結局そのために敏活な行動ができないのみならずむだな経費がかかるということで、できるだけこれは簡素化した姿でやりたい。なお又運営につきましては事務当局のみならず国会議員の皆さんがた、或いはその他各方面意見を尊重して実は実状に適するように研究いたさしておる次第でございます。それから技術員の問題はこれは私も実状をよく蚕糸業関係のほうから聞いておりますが、できるだけ努力をいたしたいと考えております。
  66. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 大体この程度で問題は一応終りたいと思いますが、あとは御懇談的にちよつと御相談したいことがありますので、暫時お残りを願います。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  67. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこれで散会いたします。    午後零時九分散会  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岡村文四郎君    委員            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            三好  始君            三浦 辰雄君   国務大臣    農 林 大 臣 根本龍太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君   説明員    農林大臣官房農    林金融課長   富谷 彰介君    農林大臣官房綜    合開発室長   庵原 文二君    農林省農政局長 東畑 四郎君    農林省農地局長 平川  守君    食糧庁業務第二    部長      細田茂三郎君