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1951-03-14 第10回国会 参議院 農林・水産連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十四日(木曜日)    午後一時五十七分開会   —————————————  委員氏名   農林委員    委員長     羽生 三七君    理事      西山 龜七君    理事      片柳 眞吉君    理事      岩男 仁藏君    理事      岡村文四郎君           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            小林 孝平君            永井純一郎君            三橋八次郎君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            鈴木 強平君            三浦 辰雄君   水産委員    委員長     木下 辰雄君    理事      青山 正一君    理事      千田  正君            秋山俊一郎君            入交 太藏君           大野木秀次郎君            松浦 清一君            佐藤 尚武君            櫻内 義雄君            細川 嘉六君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林漁業資金融通法案内閣送付)   —————————————    〔羽生三七君委員長席に着く〕
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) これより農林水産連合委員会を開会いたします。  先例によりまして委員長の職を務めさして頂きます。  本日の議題は、農林漁業資金融通法案に関してでありますが、政府委員島村政務次官富谷農林金融課長が出席されております。どうぞ御質疑がございましたら。
  3. 木下辰雄

    木下辰雄君 政務次官にお伺いしますが、今回のこの特別会計の六十億の使途を見ますと、農業のほうでは干拓整地とか、或いは畑地灌漑とか土地改良とか、土壌保全とかいうような事項がありまして、それに対して相当多額経費を見込んであります。誠に私どもこれは賛成でありまして、結構で料ると思うのであります。然るに水産を見ますと、六十億中僅かに三億二千八百万円、非常に少いのであります。それが主に漁港漁港災害復旧、それから北海道魚田開発三つが根幹になつております。北海道魚田開発というのは、これは北海道だけの特殊の問題でありまして、漁港と、漁港災害復旧が全国的のものになつております。水産のほうでも、例えば増殖施設であるとか、浅海増殖施設であるとか、或いは全般的の浅海における魚田開発であるとかいうような問題が非常に多いのであります。それに対して何らの経費も見ていない。或いは塩田その他というような部分に含まつておるかも知れませんけれども、これは全部で僅かに三億でありまして、魚田塩田に対して相当の額が織込まれてあるだろうと思いますので、これを他に廻す経費というものは極めて少額であろう、かように存じます。こういう方面について、水産業に対してどうしてそういうものを見込まなかつたかという問題について、政務次官にお伺いいたしたいと思います。
  4. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 或いは説明があつたかとも考えますが、今回の長期資金計画最初立てました経緯から考えますと、全体を通じてこれでは不十分であるということは、二百億を計上し、百五十億を計画し、百三十億になり、六十億ということで、少額であることは我々も認めておるのであります。それで全体の計画を立てる場合にいろいろ考究を進めて参つたのでありますが、六十億の範囲にはめ込むのにはなかなか実は苦心をいたしたのであります。そこで更に預金部資金獲得計画いたしまして、本法律案の提案になつておりまするように、預金部の六十億を予定をした金利を計上いたしておるのであります。従いまして只今お話のありました増殖計画及びその他の共同施設につきましては、今後の預金部獲得の際において、成るべく御期待に副うように計画中に入れたいという考えを持つておる次第でありまして、さように御承知を願いたいと思います。
  5. 木下辰雄

    木下辰雄君 この六十億が殖えた場合においては相当そういうものを考慮するというような御答弁でありますが、私ども非常にそれを期待しておりますが、何といつても六十億中約三十二億が農業に行き、林業に十一億行つております。ただ水産には僅かに三億円ということは、余りにバランス上も少い。私ども非常にこれは遺憾に思います。でそれを併し今農業とか林業とかから削つて水産に持つて来てもらいたいとは申しません。もとより農業林業も非常に必要でありまして、これでは足らんということは明らかでありますので、申上げませんから、今政務次官が言いましたように、これから殖えるものについては相当パーセンテージを大にして、水産のほうに持つて行かれる御意思があるかどうか、最初農林漁業資金融通法を作る場合には、百五十億中水産のほうから五十億を実は要求したはずであります。その中には只今申しましたような費目もあります。その他荷捌所であるとか、水産倉庫であるとか、加工場であるとかいうような協同組合の最も重要なる共同施設も含まつております。で、そういう点について民業と同じようなものについて、これを十分充すだけの御意向があるかどうか、重ねてお伺いいたしたいと思います。
  6. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 法律の第三條第六号に挙げておりますように、「農林漁業者共同利用に供する施設造修又は取得に必要な資金」として、以上只今お話になりましたような資金についての予定をいたしておるのであります。ただ、その金額をどうするかということは、六十億増額が確定し、而して目下その各関係局からそれぞれ資料を徴しておるのでありまして、その睨み合いによつて最後の決定をいたしたいと思つておるのでありますが、お話のような点については勿論法律の建前からいつてもそうあるべきものであるし、更にその必要性については十分認めておりますので、できるだけ努力を重ねたいということを申し加えて置きます。
  7. 木下辰雄

    木下辰雄君 もう一点、増加された場合においては「農林漁業者共同利用に供する施設造修又は取得に必要な資金」を供給するというような法々によつてお答えがありましたが、たとえあとの六十億が少額であつても、この農林方面に対するパーセンテージ相当する額は優先的に水産のほうにお出しなさる御意向であるかどうか、もう一遍伺つて置きます。
  8. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) パーセンテージについては一つ暫らくお預かりを願いたいと思うのでありまして、数字の出ました上でよく検討を加えまして、できるだけ努力を申上げるということで御辛抱願います。
  9. 木下辰雄

    木下辰雄君 その辛抱ができませんからお伺いしておるのです。実はどうも農林行政というのは、ここで農林のかたがたくさんおられるから申しにくいのですけれども、どうしても水産はいつもあと廻しにされておる。農林にあるようなこの項目片鱗水産のほうには出ていない。そういう場合においてその農林に出したパーセンテージによつて出してもらいたい。決してこれは無理な要求じやない。農林も非常に少いので、今度殖えた場合には農林が取つてしまつて、余りを又水産に持つて来る。こうなればいつまで経つて水産のほうは陽の目が仰げないというような恰好になる。それを私は心配するので実は申上げた次第であります。もう一度はつきりした答弁を願います。
  10. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 全体の生産額とか或いは重要性というような見方につきましては、いろいろ議論のあることだと思うのでありますが、今日の我が国産業情勢から水産重要性、特に敗戦後における漁業者情勢等から考えまして、又水産には農業と比較しまして海面の制限相当受けておる。且つ漁業者が非常に困窮いたしておりまして、今日の我が国水産漁業の上に……漁業相当伸ばして行くためには、零細な、特に農業以上に零細な漁業に対しましては、相当ウエイトを増さなければならんということは御指摘通りであると思うのでありますが、我々今資料を集めております点が、つまりこの法律趣旨にうまく合うかどうかということについて十分総合的な検討を加えた上で、その比率なり或いは又金額なりを予定をいたしたいと思うのでありまして、できるだけ努力をするということで、お答えをいたしたいと思います。
  11. 木下辰雄

    木下辰雄君 只今島村次官お答えでは、生産量に大体比較して、それによつて助成をするというようなふうにも受取つたのでありますが、私どもの推定した計算によりますと、全農業生産は金で見積つて年額約七千五百億円と推定されるのであります。然るに水産はその三分の一、約二千五百億円である。而してこれはマツカーサーラインの内側でありますので、やがては制限等が撤廃されましたら相当伸びる産業である。相当前途のある産業であるということがわかりますので、パーセンテージがきまりましたら、もう少し多く助成方面もお考えになつてよかろうと存じます。  それから今の災害復旧あたりは、漁港船溜り災害で非常に今困つております。年々一千隻近い漁船が港の中で沈没しているというような状態で、その港が災害復旧ができないためにその開発に非常な支障を来しているという状態も十分御考慮下さいまして、もう少し水産というものを御認識下さつて頂きたい。島村政務次官十分水産に御理解があると思いますけれども、こういう予算を見ますと甚だどうも貧弱でありますから、その点を十分御考慮になつて、もう少し同情ある積極的な施策を以て水産方面をやつて頂きたいということを希望いたします。
  12. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 私も今木下委員の言われましたように、水産に対する農林当局扱いが誠に心もとない感じを絶えず持つておるものでございます。今回の融資割当額につきましても、林業に比較しまして三分の一くらいの程度である。農業に比較しては一割にも達しないというような金額でございますが、この今回割当でおりまするところの融資の根本をなすところの事業量から見まして、事業量が少いためにかような数字が出て来たのではないかと存じますが、本来漁港舶溜り、或いは災害復旧等につきましても、余りにも元が少かつたというようなことが、延いて水産業に御当局が冷淡であつたのじやないかという感じを深くするものであります。従つて、かような金額につきましても、その割当額が僅少になつて来るということでございまして、この点今後もう少しく水産の面を検討して頂きたい。水産面におきましては、只今委員長からお話があつた通りでありますが、この不足する食糧を補うところの重要なる産業であります点から考えまして、農業なみ比率を盛つて考えて頂くということが必要じやないかと存じます。でこの法案によりますと、毎年予算範囲内において貸付けて頂くということになつておりますが、毎年大体同額のものを出すというお考えでありますか、その点を一応お尋ねしたい。
  13. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 今回の規定は御承知通りに大体長期で、而も償還年限を十年乃至十五年にいたしておりますが、従いまして資金回転から考えますと、約十年を一期として考えれば、元へ戻つて来るという考え方になるのじやないかと思います。そこで一応農林省の考え方としては、毎年同じ程度を出してもらつて、そうして資金融通を図りたい。併しこれは時には財政の都合もありましようし、又むしろ見返り資金はなくなつても、預金部資金等増額は、又講和ができますれば、もつと支出される時代が来るということも考えられると存じまして、成るべく多額資金融通して、そうして原始産業である農林漁業に対して、今までなかつた長期資金を強く推進してもらいたいという心組でいろいろ検討を加え、且つそういう熱意を持つていることを御了承願いたいのであります。
  14. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 次に貸付をする業態につきまして、政令の定むるところによるとございますが、この政令は何かもうすでにできておるのじやありませんか。若し出ておれば拝見したい。
  15. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 政令は用意いたしましてお手許に差上げてあると思います。
  16. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) ミスプリントがございますので訂正いたします。お手許に差上げました政令案の第六ページでございますが、法律の第二條第六号、政令の第六條であります。「法第二條第六号の規定による資金貸付は、左表によるものとする。」とありまして、左表がたくさん並べてありまする、又その枠の初めから三つ目にいきなり「施設造成復旧又は取得に必要な資金」とございますが、これは「農業倉庫(大正六年法律第十五号機業倉庫業者がその業務を行うために必要な倉庫を言う)の施設造成復旧又は取得に必要な資金」と御訂正願います。一番下の覧の金額、「新設にあつては」云々と、非常に細かい規定がございますが、すべてこれは「三十方円以上」という一本にして頂きます。そうしますとすべて賄えます。それから真ん中の「貸付を受ける者」、その中に「森林組合連合会」を追加して頂きます。農業倉庫のほうに「森林組合連合会」を追加して頂きます。そうして次の木炭倉庫の枠と乾繭倉庫の枠を削除して頂きます。つまり木炭倉庫乾繭倉庫農業倉庫項目の中で賄う。事業主体森林組合を入れて行けば、すべてこれは賄えるのだという考えであります。
  17. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 この政令案の第六條に、水産施設に対する項目が挙げておりますが、今回の予定されました貸付資金の中には、漁業協同組合施設というものが、ここに現われていないようでありますが、塩田その他という分に含められておるのでありましようか、若し含まれておればどういうものが含まれておるか。
  18. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 説明を申上げておらなかつたかも知れませんが、今回六十億の中には、共同施設塩田とそれから小水力発電以外には入つていないのでございます。その他の共同施設は今後の問題に残ると思います。こういうことであります。
  19. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そういたしますと、これらの第六條に掲げてあります施設につきましては、今後に考えらるべき問題と思いますが、現在の六十億というもので、来年も又六十億だということになりますと、やはり現在の項目を追うて行きますれば、いつまで経つて共同施設のほうには廻つて来ないということであります。従いまして、これらの共同施設というものはここに政令に定められますとすれば、これらを十分織込んだ予算を計上して、これらのものも貸付対象にして行きたいと思いますが更に私どもはこの分に追加してもらいたいものがございます。漁船修理をしますところの修理場、それから漁船機関修理場、或いは漁具の干場でありますとか、或いは又、漁船給水給油施設をする場合の施設、更に船荷捌き場、かようなものをこの政令の中に追加をして御考慮願いたいと存じます。  御承知のごとく、現在水産業が非常に経営の困難な事態に相成つておりまして、現に多数の消費をします燃料に対する関税の問題につきましても、数億の漁民が非常な心配をいたして、猛烈な反対をしておられて、我々に陳情いたして来ておることは御承知のことと存ずるのでありますが、さような点につきましても、この消費の面をできるだけ圧縮して、経営に当らなければならない、さような場合にこの漁船修理場だとか或いは機関修理であるとか、或いは又油を供給するところの施設だとか、給水施設といつたようなものは極めて必要になつて参ります。戦前におきましては、これらの施設が、例えば燃料のタンクのごときものも各漁業組合、或いは連合会等設備されておりましたので、戦時中に徴発せられるというようなことで、よほどこういうものが減少しております。さような面に対しましても今後これを復旧いたしまして、幾らかでも漁業資材を安く入手して供給するということが、現在におけるところの漁業経済の上に非常に必要なことになつて参つておりますので、これらの施設をするものに対しましてもこの資金融通を受けますように、現在の水産業の実態に即した施設について奨励もし、更にこれを助成するような途を考えて頂きたいというような意味から、この政令の案の中に、かようなものをとり入れて頂きたいと考えますが、如何なものでありますか。
  20. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) どうも金の少いのに希望が実は多過ぎて困つておるのが現状であります。農村方面について申上げましても、この段階の上で、これ以外に只今指摘なつたように似よつたものも相当あるのであります。これでどこまでに線を引くかということについては、今後相当検討を要する問題だと思います。特に共同利用施設については、最初のこの資金を作りました趣旨から申しますると、つまり長期收益回転の遅々としておるものに対して種々有効適切なものを取上げて、固定設備主体考えたのでありまして、お話のような点も、固定設備と言えば設備に入るとも思いますが、併し第一項から第五項に至る間がこの資金主体になるので、共同利用施設というものは御議論があると思いますが、有効にこれを使えば勿論やる。相当出して初めてその産業の進展が期せられる、このようになろうと思うのであります。このようになろうと思うのであります。併し只今申上げましたように六十億の範囲ではなかなかそれが出せない。今後の取入れかた考える場合に、先ず以て水産のほうの漁港修築その他固定的なものに、大体これも金額から言えば相当多いと思うのでありますから、共同利用施設に対する金額は、有効の程度と申しまするか、そのウエイト考えることがなかなかむずかしい状態になると思うのでありますが、併しなお御希望の点はよく検討を加えたいと思いますが、目下のところ政令案では漁船修理場荷捌場等予定いたしておりません。今後の問題に残る問題だと、かように考えておるのであります。
  21. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 只今の御答弁によりますと、大体六十億というものを限りまして、そうしてそれを又現在のような状態で割振りをお考えになればさようなことになると思いますが、この必要であるという施設を土台といたしまして予算を計上して頂きたいのであります。今回の分についてはすでに予定がされておりましようが、今後のものにつきましては、まか予算も決定しておるわけではないのであります。さような意味におきまして、将来の対象としておるところのこの事業に対しまして、必要なものをここに追加して考えて頂きたい。農業考えるというと土地改良、例えば酸土改良或いは干拓整理の問題であるとかというようなものを出しておるのでありますが、これに似よつたところの水産増殖というようなことにつきましても同様に考えれば考えができるわけであります。で、さような別個に考えることが、即ち水産がいつも偏頗な扱いをされるような、又泣きごとになりまして恐縮でありますけれども、我々は絶えずそういう感じを持つておりまして、もう少し水産行政の面に力を入れて頂きたいということを絶えず考えておるものであります。この現在の案には載つておりませんが、なお一つ特に水産当局と十分御協議、御検討の上で、今後必要だとお認めになるところの施設に対しては是非ここに掲げて、予算の許す範囲内においてそれを取上げて頂きたいかように考える次第であります。一応私さような希望を申上げて質問を打切りたいと思います。
  22. 木下辰雄

    木下辰雄君 只今秋山委員から縷々希望を申されましたが、その浅海増殖施設というものは、御承知ないかも知れませんが、例えば東京湾の貝、或いは海苔の場所ですね。浦安の沖だけでも年額一億円以上の貝が取れております。これはやはりトラクターで魚田を十分開発して、そうして貝の増殖施設場所を耕しております。これあたりは私は一つ農業整地施設と殆んど似たものじやないかと思う。こういうものは当然水産のほうに加えてもらいたいと思つております。そこの希望を申上げておきます。又水産当局もその辺のことしは十分主張されて……、余りにあなたがたの主張が鈍いと見えて、そういう片鱗も見えていないということは、私ども非常に遺憾に思うのであります。又今度殖えた場合において、この三十九億、十二億、三億というような案分できめたものでやられたのでは、水産はいつまで経つても駄目だからして、先ほど申しましたように非常なハンデイキヤツプをつけてあるのを一応御訂正願つて、もう少し親切にしてもらいたいということを、これは水産庁次長あたりも、その辺十分頑張つて頂きたい。  それからミスプリントじやないかと思いますが、この施行令の六條の六番目の「製氷冷凍施設造成復旧又は取得に必要な資金」となつて、その下に「水産協同組合」と、こういうことになつているのですけれども、同連合会が入つておりませんが、これはどうなんですか。ミスプリントですか。
  23. 山本豐

    政府委員山本豐君) 水産業協同組合と言いますれば、水産業のほうの法律では連合会を当然含んでいることになつております。ただ農業のほうはそうは行かないらしいですが、従つてこのほうでは、ちよつとここで見ると均衡はとれておりませんけれども、解釈は入つておるつもりであります。
  24. 木下辰雄

    木下辰雄君 そうするとお伺いしますが、農業のほうでは何ですか、こういうふうな関係農業協同組合ではいかないのですか。
  25. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) その通りでございます。
  26. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 私どもはどの農林漁業資金融通法のこの案は、今日初めていろいろ具体的な御説明を聞いたり、或いは私どもの疑念とするところをお尋ねしているわけでございますが、全般的に申しまして、実際金融界実情とこの法の指向される計画というものとは、その実情は睨み合せて計画が立てられているでしようか。例えば今頂いている資料によりましても農業林業水産業貸出状況等の割合から考えて行く、こういう計画が本来ならば出ようはすがないのですが、先ほどの御説明では、農業生産量水産のほうの生産量を一応御考慮に入れたようなお話でございますが、金融界実情はどういうふうになつているのでございましようか。
  27. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) お話の点は、水産の全体を直ちに全部を特別会計で扱う、長期資金に扱うというような意味にとれるのですが、そういう意味でなくしで、長期で普通の金融ベースに乘らないものについての考えかたから、個定設備というものを主体に置いて考えたわけであります。従つて農林中金実情はよく御存じの通りで、水産には相当金も出ているわけであります。そこで金融の全体の情勢が、直ちに同じ比率を以てウエイトが……、資金が作られるかということにはならないと思います。その点は一つ御了承願いたいと思います。
  28. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 先ほど秋山委員からいろいろ御指摘があつたのでありますが、又御答弁によつて、今の段階では漁船修理場であるとか、或いは給水給油施設荷捌場増殖施設とか、そういうような実際上水産業としては長期的な施設であり、資金の要る面については御考慮にならない。こういうことであつたのであります。強く秋山委員から御考慮を煩わしたいという希望意見が述べられたのでありますが、この農林漁業資金融通法と言われている以上におきましては、余りにもこの政令は、水産業については御関心がないように見えるのですね、政令の第四條で、漁港修築又は復旧に必要な資金については明瞭に書かれておりますが、秋山委員から御指摘のあつた農林漁業者共同利用に供する施設造成復旧又は取得に必要な資金に対する政令としては、たつたこの製氷冷凍施設造成復旧又は取得に必要な資金、こういう項目一つなんですね、これはどういうことなんですか、北海道における魚田施設造成、これはまあ特殊的なものですから、一応私は論議の中に入れずに申上げると、たつた一つなんですよ、これはどういうことなんですか。これば政令ですから、政令としては秋山さんの指摘されたような範囲もここにお書きになつて置いても一向……、あとは運用の上において、実際枠が少いのだからどうだという議論は成り立ちますが、併し少くとも農林漁業資金融通法と調つている以上は、政令は余りに偏頗なものじやないかと、かように考えさせられるのであります。
  29. 山本豐

    政府委員山本豐君) 先ほどから水産に関する考えかたが非常は微温的であるという御指摘であつたのであります。一般的に申しますと、我々も至極同感に思うのでありますけれども、ただこの法律の建前が、先ほど政務次官からたびたび申しておられますように、公共性のある固定施設、而も長期のもの、こういうふうなところを看板に掲げまして当初出発して参つた経緯もあるのでありまするが、当初の資金が百二十億という予定のものが六十億に圧縮したというような両面からいたしまして、いろいろと制限をつけて参つた次第があるわけであります。水産につきましては、公共的なものと申しますと、現在漁港のみしかないわけであります。従いまして漁港はとにかく、当然これは入つたわけであります。次に共同施設的なものにつきましては、先ほど秋山委員等から申されましたように、我々としましては單に冷凍施設のみならず、例えばいわゆる沿岸の増殖施設、或いは又漁港のいわゆる機能施設と申しますか、秋山委員も申されましたように、大体漁港の機能施設、そういうもの等いろいろ考えておるのでありますが、そういうものを持出した場合に、農業のほうにおきましても、例えば農村工業の加工場というふうなものも当然出て参ります。いろいろなものが出て参りまするので、そういう経緯の下に一応共同施設の線は、現在としては枠はないのだけれども、更に増額をするという前提の下に最も大切なものだけに限局しようじやないふというふうなことで、農業等につきましては農業倉庫だけ、又従つて水産につきましては何が一等大事かというわけで、先ず製氷冷凍施設だけを取出したわけであります。従いまして第二段階或いは第三段といたしましてはいろいろ御意見が出ておりますが、例えば増殖施設でありますとか、或いは又機能施設でありますとか、そういうものも我々としましては十分検討いたしまして、一つ加えて参りたいという希望を持つておるわけであります。ただこの漁港の機能施設につきましては、或いは又沿岸の増殖等の問題につきましては、單に融資だけで行くのがいいか、或いは又むしろ補助事業として持つて行くのが好ましいのじやないかというふうな点も、まだ実は割切れていない事情もありまするので、而も又現在といたしましては資金の枠が、とにかく共同施設の名目を入れましても、現在の枠ではかからんというような事情もありまして、こういうふうな單に製氷冷凍施設だけになつておるのであります。併し私どものほうの考えでは、製氷冷凍施設だけでも取りあえず全国で共同施設として最も適当だと考えまして、予想されまするものは事業費として約十七億くらいは考えられ得るのであります。そのうちの仮に七〇%融資をするとしますと、十二、三億というようなことになるかと思うのでありますが、現状では決して満足していないのでありますけれどもいろいろの先ほど申上げましたような事情の下に、一応差当りはというような意味でこういうふうに一応製氷冷凍施設として、只今最も大切なものだけを掲げておるような恰好になつておるわけでございます。
  30. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 今水産庁の次長のお話で、この交渉の経緯はよくわかるのでありますが、然らばこの製氷冷凍施設同様に我々は最も重要だと考えております、この漁船修理場等については何ら御交渉はなかつたのでありましようか。或いは御検討されなかつたのでありましようか。
  31. 山本豐

    政府委員山本豐君) それらの問題も、全体の考えとしましては持つておるわけであります。併し先ほど申しましたような事情で、今の段階では持出して見たところで、農業その他との振合いの関係もありましようし、又これを調整せられるとしましても、いろいろ問題もあるようでありますので、一応現在といたしましては、なお今後研究をして、そして殖やすというようなつもりでいろわけであります。
  32. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 次に第三條の利率のことについてお尋ねしたいのでありますが、この最高、最低の利率を設けられておりますが、これはどういう意味合いでありますか。又運用の面におきましてはどういうふうにされるのでありますか。
  33. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) 最高、最低の中を持たせましたのは、近い将来におきまして予想されますような金利水準の変動、これを考えまして、大体一分あれば賄えるであろうというつもりで、一本で書く代りに一分の中を持たせたわけであります。それから運用面といたしましては、この最高と最低の丁度中間を政令で一律に定める予定をいたしております。従いまして土地改良につきましては最低で行き、漁港修築については最高で行くというようなことはいたしません。すべて中をとりまして政令規定いたします。
  34. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 然らばこの林道の開発又は復旧に必要な資金の利率ですね、これは非常に大巾になつております。又塩田改良造成又は復旧に必要な資金の利率も最低、最高、大巾になつておりますが、これはどういうわけですか。
  35. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) 林道のほうは最高が一割五厘であります。下が九分五厘、やはり巾は一分になつております。塩田も同様でございます。
  36. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 次にこの償還のことでありますが、貸付を受けた者が償還金の支拂いを怠つたとき、これは一時償還を請求することができるようになつておりますが、この償還金の支拂を怠つたときというのは、当然まあ業務の実情が悪くて、実際上返せない場合が起るのじやないか。故意に償還をしない場合でなくて、実際にその支払ができないという場合が間々、間々というより概して多いのじやないかと思います。それを支払を怠つたから一時償還を請求すると言つても、これは無理なことではないかと思いますが、この辺のお考え方はどうでしようか。
  37. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) これは法文の体裁の問題になると存じますが、支払を怠つたときと書きますと、そのときには故意に上つて金を払わないという場合を考えておるわけでございます。只今指摘のありましたような経済状態の激変によりまして償還ができない場合は、同じく第三條第六項で、災害その他特別の事由によつて支払が困難になつた場合には、條件の変更又は支払方法の変更をすることができるというふうに緩和規定があるわけでありまして、御心配の点はないものと存じます。
  38. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 業務の委託でございますね。これについて少しく御説明を求めたいのでありますが、実際上こういう金融法ができて、融通を受けろという場合に、業務の委託された実情が、業者に不便をかもすようなことがあつたのでは、何ら効果が上らんと思う。そこでどういう考え方によつてやられるのか、その概略をちよつと御説明願いたいと思います。
  39. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) お手許に「農林漁業資金の委託業務に関する準則を定める省令案」というのが参つております。この省令によりまして、金融機関との間の委託契約を結びたいと思つておりますが、この省令では、委託契約の骨子になりますものを書きまして、なお具体的な契約に関しましては、一本々々の金融機関と、これをもう少し詳しくしましたような契約を締結いたしたいと考えております。問題点は、今申上げましたような省令の第五條でございますが、第五條に金融機関の政府に対する補償の規定がございます。私どもの根本的な考え方は、政府、つまり特別会計でございますが、こういうものが直接産業に投資して参るということは、産業に対しまして好ましくない影響が加わるという関係方面意向がありましたわけで、融資の実務、つまり申込の受理でありますとか、申請者の資産内容の調査、こういつたようなことは、すべて既存の金融機関にお願いする、かようにしたわけでございます。ただその場合、全然金融機関のほうの誠意を信頼して参りました場合に、或いは貸付が疎漏に行われるというような場合が考えられます。従いましてそれをチエツクする方法といたしまして、金融機関に貸倒れの二割を補償して頂くという方針を立つたわけでございます。それでこの省令の第五條に書いてあります通り、償還期限が到来しましてから一年を経つてまだ返つて来ない場合には、その都度二割に相当する金額を政府に納めて頂くということを考えておるわけでございまして、従いまして受託金融機関といたされましては、最低二割の危險負担に耐え得る業種について貸付が行われるということになるわけでございます。
  40. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 今の省令によりますと農林中央金庫、その他その指定する金融機関に委託するというふうになつておりますが、その委託される金融機関は、どことどこでございますか。
  41. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) 二十五年度の対日援助見返資金の中に、造林に対しまして一億の粋がきまつておりますこの場合には御承知のように一〇〇%の補償を受託金融機関にして頂くという建前になつておりまして、現在お申込がすでに一億を超えております。かような銀行、大体十五、六ほどと記憶しておりますが、これに対しまして恐らく今後もこの特別会計融資を取扱うというお申入れがあると存じまするので、お申出あり次第指定いたす考えであります。水産に関しましてはまだかような例はないのであります。魚田開発につきまして市中金融機関が取扱つた例はないのでありますが、これもお申出があり次第追加いたす考えであります。
  42. 千田正

    ○千田正君 さつきから農林当局お話を承わつておると、まるで農林省の関係の人が魚の一匹も食わんように、魚がまるで要らんように聞えるのですが、これが食膳に上つたときには、一番上品な刺身を喰べておる皆様がたが魚の問題、こういう問題になるというと、誠に冷淡なのは甚だけしからんと思います。私の要求したいのは、先ほどからすでに同僚議員から申上げておると思いますので、特にお願いしたいのは、例えば水産業においても、さつき次長から話がありましたが、漁港主体にして取上げておるようでありますが、そのほかにこの蛋白資源の確保のために、林業と同じように、例えば孵化場、林業で言えばいわゆる補育であるとか、補植であるとか、或いは造林、こういう面に非常に出しておられるようでありますが、水産業といたしましても、我々の要求したいのは、漁港その他の設備のほかに孵化場或いは養殖、こういう面におきまして、増産を確保するためにこの予算をもつと殖やして頂きたい、かように希望するのであります。というのは、さつき櫻内委員から申上げておりまするが、どうも農業と、林業水産業と比較した場合においての均衡が甚だ取れないということと、どうも水産に対して甚だ冷淡であるように見えまするので、特に林業と同じような状況におけるところの、いわゆる養殖であるとか孵化場とか、将来の日本のいわゆる蛋白給源の確保という意味において、この点を特に取上げて頂きたいということを私はお願いして置く次第であります。
  43. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 これは農業者も又水産業者も、林業業者としても、この融通法を大いに期待しておるわけですが、業務の開始は、実際上はいつになるのですか。二十六年度の年度初めにすぐこれが実際上の業務が開始はできないじやないかと思いますが、大体の時期はこれはどういうものですか。
  44. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) 四月一日から直ちに行うように只今準備をいたしております。その例を具体的に申上げますと、先ほど申上げました昭和二十五年度の対日援助見返資金、これは農林漁業部門に十億円の割当がございますが、その中で土地改良事業、それから小水力発電事業魚田開発事業、増林事業、これはいずれもこの新らしい特別会計で取上げておりますものと同一のものが出ておるわけであります。これに対しまして融資の申請をいたしまして、司令部側でアツプルーバルが得られなかつといたうような場合は、受託金融機関が一〇〇%の保障をしておるわけでございまするので、今回の特別会計の二〇%補償金に直ちに乘り換えるというふうに私ども考えております。それからそれ以外に新規にお申出がある分につきましては、二月の中旬に地方銀行協会のほうへはこの法律の内容をお話申上げまして、実施の御準備を願つております。更に地方庁に対しましては、三月の一日に各地方庁の庶務課長を集めまして、その趣旨を伝達し、なお更に細かくブロツク会議を目下開催中でございます。従いまして四月一日から直ちに業務を運行し得るというように私ども考えております。
  45. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 さつきちよつとお聞きするのを忘れたんですが、この償還期限と措置期間の問題ですが、いろいろ取扱いがまちまちになつておるのです。償還期限の二十年のものもあれば、或いは十年のものもある。据置も五年のものもあれば、一年のものもある。こういうようなことでございまして、特に漁港修築又は復旧に必要な資金は、これは償還が十五年で、据置が一年となつております。併しながらこの造林のほうは、償還は二十年であつて、据置は五年になつておるのですが、これはどういう事情によつてこのようなお取扱いをなされたのですか。
  46. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) 据置期間のほうは、これは工事の完了しますまでの期間をもくろんでおります。従いまして土地改良を例にとりますと、公共事業による補助事業がある分に関しましては、現在五カ年の継続事業というような長い例がございますので、それの最長をとりましたのでございます。それから償還期限のほうは、これは各業種が負担し得ろ最短期間に返してもらうつもりでございますが、法律の体裁上は、それぞれ一番長いところを余裕を見て書きました次第で、無論個々の貸出しの審査に当りましては、この範囲内で一本々々変つて参ると思います。造林のほうは二十年の償還期限は実は短いのでございまして、御承知通り木を植えましてからこれを伐採するまでに、どんなに短く見ましても四十年かかる、それを二十年と切つておりますのは、二十年以内に償還し得るような他の財源を持つている人にだけこの特別会計が貸して行くのだ、そういう考え方であります。
  47. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 ちよつと水産庁の次長にお尋ねするのですが、漁港修築又は復旧に必要な資金の場合、据置期間は一年になつております。只今の御説明によれば、工事の完了期間を以て据置期間とした、こういうのでありますが、水産庁としてはこの辺はどういうふうにお考えになつたのですか。
  48. 山本豐

    政府委員山本豐君) 漁港もその規模の大小を入れまして、或いは継続事業として三年くらいかかるものもあるわけであります。併しこの融資を受けてやる、いわゆる協同組合と言いますか、そういうものはできるだけ早く完了させたいというような気持もありますので、先ず一年で大体いいのではなかろうか、ただその非常に規模の大きい場合には、今のお話のように三年くらい続くものはあるだろうと思いますが、大体のところでは一年くらいでよかろう。こういう気持でやつております。
  49. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 事務当局にお尋ねしますが、この据置期間はここで法で縛つておりますが、これは融通性はないものですか。
  50. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) 第三條の第六号によりまして、一応一年間で工事が完了すると見込みまして、そういう條件で金を借りた。ところがその後風水害によりましてその工事が非常に遅れたとか、或いは壊れてしまつて、更に一部分の増築をやらねばならんというような場合には、この第六号によりまして、この据置期間は法律に書いてあります一年以上に延ばすこともあり得るわけでございます。
  51. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 只今のこの償還の問題でありますが、今の水産庁次長の御説明によりますと、大体漁業協同組合等の施設はそう大きくないから短かい期間でやり上げさせるようにしたいというような御意見でありましたが、この融資は市町村或いは県等が施設をいたします場合にも、その性格によりましては地元負担が相当来るわけであります。従つてそういうふうな施設に対しては、やはり地元の負担する分に対する貸出しはあることと承知しておりますが、そういうふうな工事が相当長期に亙り、長いものは五年もかかるものが現にあるのであります。そういつた場合にこの一年ということで縛られまして、今の御説明のような風水害その他の事故によつた場合のみを考えられたのでは非常に私は偏頗な片手落ちになると思いますが、水産庁ではどういうふうにお考えになられますか。
  52. 山本豐

    政府委員山本豐君) 今の点につきましては一つ金融課のほうとよく相談いたしまして、なお研究して見たいと思います。
  53. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 もう一つ水産庁次長にお尋ねいたします。先ほど御説明のうちに、この共同施設のうちでは漁港漁港船溜り等の機能施設、或いは附帶施設として、補助の点でやつて行きたい点もあるというお話でございましたが、これはすでに長い前に漁港ができておりまして、そしてそれに例えば機能の施設をするといつたような場合にも、機能施設として補助の対象になり得るものでありますか。又この機能施設その他の漁港施設として認めがたい施設も、共同施設のうちには相当あるのでありますか、そういうような意味におきましては、やはりこの第六号のリストの中に掲げて置く必要があると思いますが、こういうことを一つ御遠慮なく掲げるように御努力を願いたい。今の機能施設漁港にでき上つて或いは十年も前にできておつたというようなものに対して、今後施設をする場合には機能施設として補助の対象としてやられろ考えでありますか。
  54. 山本豐

    政府委員山本豐君) 現在のこの法律では一応取上げておりませんので、この法律扱いのことは、私から言うのもどうかと思いますが、私たちの考えとしましては、現在まで漁港の機能施設は御承知のように漁港法によりまして、この背後施設につきましても補助をし得るという法律の建前になつておるわけであります。従つてこの補助する場合に、例えば基本施設と機能施設の補助の率の問題等もありまして、これらは政令に書かなきやならんのでありますが、目下大蔵省と折衝しておるんであります。その漁港法の扱いにおきましては、これは今の秋山委員の御質問のように基本施設が三年前にできた。その後機能施設だけが不備で、それを完備することによつて機能的効果が挙がるという場合には、それは取上げていいと思います。恐らくこの法律も省令以下の問題になると思いますが、それらを取上げる場合には、是非今の秋山委員のような考えで我々は交渉したいと、こう思つております。
  55. 木下辰雄

    木下辰雄君 もう一点先に櫻内委員及び秋山委員から詳細御質問されましたが、水産庁次長としては大蔵省と十分協議すると言われましたが、この漁港修築は一カ年でできるということなんて殆んど例がない。大抵二カ年、三カ年或いは五カ年かかる。これで大体一カ年でできるということを政府委員が申されたということは、これは非常に認識不足だと思う。小さい船溜りでもなかなかそう容易にできん。いわんや第二種、第三種、第四種というような漁港は、少くとも二カ年、三カ年を要する。これはもう普通であります。それで協議されておるかも知れませんが、十分実態に即した政府案を作つて頂きたい。
  56. 山本豐

    政府委員山本豐君) これはまだ確定案の内容でありますので、よく一つ御意見等を頂戴いたしまして御趣旨に副うようにしたいと思います。
  57. 千田正

    ○千田正君 今の次長の説明は、確定案の内容というようなことを言つておりますが、これは最終的な段階にあるでしよう。もう研究の余地はないと思いますがその点はつきりして下さい。
  58. 山本豐

    政府委員山本豐君) 間違いましたなお今後の問題といたしまして今の御趣旨に副うようにいたしたいと思います。
  59. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 今水産委員長からも御指摘なつたんですが、これは何もこだわる必要はないので、これは主として農林委員長にお願いしますが、今のような点は一年を三年に修正して頂いても一向差支えないのじやないかと思います。これは水産委員の一人として、水産委員会としてはいずれ委員会としての結論が出ると思うのでありますが、委員の一人として委員長にお願いいたして置きます。それから更にもう一、二、これは非常に恐縮なんですが、今日ここで初めて資料を見たものでこんな杜撰な質問の仕方をしておるのでありますが、更にお聞きしたい点があるのであります。それは貸付金の一事業当りの金額は、これは政令の問題でございますが、十万円以上、五十万円以上、或いは三十万円以上とか、いろいろ書かれておりますがね、この意味合いがよくわからんのですが、何万円以上とされたというこの意味合いをちよつとお聞きしたい。
  60. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) これは受託金融機関とされましても、余り細かい金の申請に来られても、手続が非常に御面倒であろうということと、それから特別会計といたしましても、やはり一つの懸念がございますので、最小限を縛つたわけであります。これ以内のものであれば、農業でございますれば農業協同組合が自己資金の中から貸す。漁業でございますれば漁業協同組合が自己資金で賄うということが、そういうことが可能である。そう考えた次第であります。
  61. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 これは私は法律家でないもんで、非常に愚問でありますが、念のためにお聞きして置きたいのですが、政令の最後の頁に「貸付を受けた者の支払うべき利息が一年分以上延滞した場合には、民法第四百五條の規定はこれを適用しない。」これは四百五條はどういうことになつていますか。……今お調べ願つておる間にお尋ねいたしたいのでありますが、政令の第六條でございますがね、一番最初の枠の中に書いてあることですが、「貸付対象となる資金、五百キロワツト以内の出力を有する小水力発電施設(えんてい、水路、水車発電機械、送配電施設をいう。)の造成復旧又は取得に必要な資金」、こういうことでありますが、これはどういうわけで五百キロワツト以上ということにされたのでありますか、この限度を設けられた理由を承わりたいのであります。
  62. 富谷彰介

    政府委員富谷彰介君) 先ほどのお尋ねの民法第四〇五條の関係は、これは「利息カ一カ年分以上延滯シタル場合ニ於テ債権者ヨリ催告ヲ為スモ債務者カ其利息ヲ払ハサルトキハ債権者ハ之ヲ元本ニ組入ルルコトヲ得」、つまり延滯になつた場合にその利息をこの特別会計で元本に入れてはいかんと、利息は利息として区分してやつて行くのだ、こういうことであります。つまり債務者のために有利な規定になつております。それから政令の第六條、小水力発電の発力の制限でございますが、これは小水力発電をいたしまして、通産省の電力局との関係で、これ以上の大きなものになりますと、向うの電力事業のほうの関係がございましてやれないというので、小水力としてでき得る最高の発力をここに書いてあるわけでございます。
  63. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 今のお答えちよつと私に解せないのですが、そうすると先ほど五百キロワツト以上の水力発電施設は、この農業協同組合なり土地改良区の連合会ですが、こういうものでは作れないという意味ですか。    〔委員長退席、農林委員理事西山龜七君委員長席に着く〕
  64. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) これは農業水利の関係関係筋の意向もありましで、小さい農業水力発電は五百キロ以内ということを標準にしているわけです。それだけの問題であります。
  65. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 これは政令でございますから一つ検討を願いたいと思うのですが、私はまあ多少電気のことを知つておるのですが、現在この農漁業に仮に組合等の或いは大きな「個人に対して自家発電を許すというときに、五百万キロワツト以内の水力発電施設ということは、これは私は建設費や何かの上からいつてもこれは損じやないかと思うのですが、これはもつともう一つ千キロとか二千キロぐらいまでは認めてやつてもらうほうがいいんじやないか。今後の日本の重要な資源であるこの水力発電を、農業協同組合等において設ける場合に、余り如何に小水力といつても五百キロワツトというと、第一余り小さ過ぎるのじやないかと、こういうような考え方をするのでございますが、いろいろなご事情があるかと思うのでありますが、この貸付対象を、これをもう少し大きくされてもいいのじやないかと、これは私の希望として申上げて置きます、
  66. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 私はこの法案が通過した場合の運用上の問題でちよつと承わりたいと思います。先ほどもお話のように実際の実務を金融機関に委託することは、これはもう私は異論はありません。ただやはり行政上といいますか、法制上の責任はやはり政府にあるのである。そこで或いは金融機関貸付の可否等についてはやはり問題が起る場合があると思います。その場合に、従来では資材調整事務所等がありまして、これが或る程度現地で実態も見て、その意見を中央に持つて来た。こういうことで或る程度農林省の直属機関で調査ができておつたと思います。資材事務所はなくなつてしまつたのでありますが、そういうような場合に、主として府県庁を使つてその当否等もお調べを願う。これが第一点。  それからむしろ質問というより私の意見を申上げて置きたいと思うのでありますが、政務次官もおいでになりますが、今後の農林行政の点から見まして、こういう政府資金融通とか、こういう農林金融というようなものが非常なウエイトを持つて来ておると思うのであります。そういうときに、現在のような官房の金融課だけで非常に御勉強になつておるわけですから、今のところどうこうということはないと思いますが、現在の機構としては、私が農林省をやめて見ますると、やはりこういう農林漁業金融のための機構の拡充ということが相当必要なような感じを実は持つておるわけでありますが、この方面に対しまして現在何らかの研究をされておりますかどうか。以上の二点を一つお聞かせを願いたいと思います。
  67. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 前段の貸付の際におけるいろいろな問題が起きやすいことは、最初からいろいろ論議の交されたところでありますが、御心配になつておりまする問題については、今度の準則の省令案で県知事の意見を求めるということで、大体府県庁にこの意見を聞いた上でやりたい。従つて府県が相当重要な要素をなして来るということに考えております。それから第二点については、片柳さんも御承知通りに、農林金融の問題は大蔵省との間でなかなかいろいろな問題がまだ山積しておる。山積という上りは問題が残つておるわけであります。併し重要性、或いは又農林金融というものについては相当に省内の機構も拡充せなければならんという御意見に対しましては私も同感でありまして、なお省内におきましてよく検討をしまして、成るべくさような方針で進むようにいたしたいと思います。
  68. 西山龜七

    委員長代理(西山龜七君) 別に御発言はありませんか…… ○木下辰雄君これで連合委員会は閉じて頂きます。
  69. 西山龜七

    委員長代理(西山龜七君) それでは本連合委員会はこの辺で閉じたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 西山龜七

    委員長代理(西山龜七君) それでは連合委員会を散会いたします。    午後三時十九分散会  出席者は左の通り。   農林委員    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岡村文四郎君    委員            瀧井治三郎君            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            小林 孝平君            三橋八次郎君            飯島連次郎君            鈴木 強平君            三浦 辰雄君   水産委員    委員長     木下 辰雄君    理事            千田  正君    委員            秋山俊一郎君            入交 太藏君            櫻内 義雄君   政府委員    農林政務次官  島村 軍次君    農林大臣官房農    林金融課長   富谷 彰介君    水産庁次長   山本  豐君   事務局側    常任委員会專門    員       安樂城敏男君    常任委員会專門    員       中田 吉雄君    常任委員会專門    員       岡  尊信君    常任委員会專門    員       林  達磨君