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1951-06-02 第10回国会 参議院 内閣委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年六月二日(土曜日)    午後零時十五分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○本委員会運営に関する件 ○行政機構整備に関する調査の件  (調査報告書に関する件) ○継続調査承認要求の件 ○北海道開発法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会開会いたします。本日は北海道開発法の一部を改正する法律案議題といたします。審議に入るに先立まして、この内閣委員会の本日の運営を如何にするかということにつきましてお諮りをいたします。第一は、本日の委員会会議はおよそ午後六時までくらいで終了したいとかように考えますが、これについて御意見を伺います。
  3. 梅津錦一

    梅津錦一君 私はその六時という時間に対しては考えたくない。このことは再々申上げておるのでおわかりだと思うのですが、九十日もかかつて水産省設置法案が仕上つておりません。継続審議のときにも、速記を見ればおわかりのように、相当疑問点を残して継続審議に入つたのであります。この北海道開発法の一部改正法案は、そういう意味において、なお且つ僅かに本日を合せまして二十日足らずの審議期間しかないのであります。而もこの法案は国の行政機構改革上の一大法律案でありますので、この点に対しては、六時というようなことを考えずに、できるだけの審議を盡し、なお且つ審議の盡されんものは徹底的に審議を盡しまして、質疑の終結いたしましたときボ討論最終段階であるとこう考えるわけであります。こういう意味合において、皆さんがたの参院の性格、更に十法上の建前、原則を堅持されまして、十分な御審議を……時間ということを念頭に置かれずに最終までその職責を盡されんことを私は希望して、委員長只今の六時という言葉の意味に含まれているその内容が公開頂ければ、私は望外の仕合せと思うわけであります。
  4. 溝淵春次

    溝淵春次君 委員長の先ほどの六時までで本委員会を打切るという動議に賛成いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  5. 楠見義男

    ○楠見義男君 六時までの問題につきましては、先ほどの懇談会の席でも私申上げたところでありまするが、一応会期が延長ということが決定しておらない今日の状態においては、継続審査にするか、或いは採否いずれか決定するか、大体本日一日の日程ということを前提にしてきめなければならんわけでありまするから、従つて、そういう意味から六時を目安にしての審議の方法は、私は結構だと思います。ただこれも先ほど申上げたように、政府の十分な満足すべき答弁が得られないために、六時まででは終了できないという場合には、一に挙げてこれは政府の責任でありまするから、私どもは満足な答弁が得られるまではやはり続けて頂きたい、こういう条件と申しますか、希望を附して賛成いたします。
  6. 若木勝藏

    若木勝藏君 六時が問題になつたのでありまするけれども、先ほども申上げました通り、昨夕連合審査で残された問題、これが多数あるし、それから首相の出席要求、或いは他の政府委員要求、そういうふうなことが連合審査において打切られてしまつておるのであります。そういうことから考え、又一方内閣委員会としてのこの審査状況を考えて見ましても、これは未だ提案理由に対するいわゆる総括質問すら先ず緒についておらんというよう程度にあるように思うのであります。そういう点から見まして、今日の六時を期してというよう工合になりますというと、非常にこれは何かの外部的な条件の下に我々の審議が束縛されてしまうという形が考えられるのではないか。本日はやはり法案審議ということを先に立てて行くのではないか、そういうことから考えまして、私は梅津君同様、いわゆる原則論でどこまでも進んで行つてあと委員長のそのときにおける経過についての取計らい、こういうよう工合に考えたいのであります。
  7. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 如何ですか、委員長がお諮りいたしましたのは、先刻理事会を開き、又更に内閣委員懇談会を開きました、大体の結論と認めまして、六時までということを出したのでございます。(「賛成」と呼ぶ者あり)従いましてこれにつきまして、賛成諸君挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  8. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは多数であります。ではさように決します。  次にお諮りをいたします。他の常任委員会から、内閣委員会に対して連合委員会開催の申込があつたときには、これをどうするかという問題であります。而して只今委員長は、予算委員長より、予算委員会合同審査会において未だ一人も発言機会を得ておりませんから、合同委員会を本日も続行されんことを要望しますという要求を受けたのであります。更に又運輸委員会からも、連合委員会開会してほしいという要求を受けております。この二つをどういたしますかということこれをお諮りいたします。そうして更にもつと原則論といたしましては、そういう他から連合委員会開催せよという要求があつた場合には、これを如何にするかということをお諮りいたします。それに対しましては、先刻の理事の会合と、この委員会懇談会におきましては、それはお断りをする、こういう結論であつたのであります。
  9. 溝淵春次

    溝淵春次君 委員長の御発言のごとく、他の委員会からの連合委員会開催につきましては、これは内閣委員会としては採用しないということに御決一定願いたいと思います。(「異議なし」賛成」と呼ぶ者あり)
  10. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは他の常任委員会から本委員会に対して連合委員会開会要求がありますのでありますが、これはお断りを申すということに御異存ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  次に常任委員長、即ち波多野予算委員長木下人事委員長、両委員長から、委員長として委員会において発言要求して来られました。この場合におきましては、参議院規則によりまして、この発言を求められた委員長の御発言はこれはお許ししなければならんのであります。委員長として諸君にお諮りいたしまするのは、これらの発言を、要求せられました委員長発言の時間を、どれだけとするかという点であります。
  13. 溝淵春次

    溝淵春次君 各委員長発言の時間は、十五分間と限度をきめてお願いいたしたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  14. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の溝淵君の御意見には私賛成でありますが、なお先ほどの問題に戻りますけれども、他の委員会から連合審査を求められて、それを拒否した理由は、無条件に拒否するのではなくして、委員長としては今の議題になつておるように、委員会代表して発言する機会もあるからお断りする、こういう意味了承しておりますが、それも併せてお含み置き頂きたいと思います。
  15. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 承わりました。
  16. 梅津錦一

    梅津錦一君 只今の議決になりました六時の問題でありますが、この六時の内容の中には、質疑終了討論採決という一つのことが考えられます。更に又継続審議ということも重ねて含まれるということは、打合会できまつておると思うわけでありますが、私はこの際はつきりして置きたいのは、そういう場合におきましても、この六時に、私社会党代表して申上げますが、この問題を討議いたしまするには、党の意思決定を見なければ発言ができないのでありまして、この六時の限度において、私は、社会党におきましては議員総会が必ず行われるということを申上げたいのであります。社会党ばかりでなくして、我々は党の代表である以上、或いは会派の代表である以上、当然そういうことが行われまするので、個人的に意見が申上げられないことは非常に残念でありますが、あらかじめ御了承願いたいと思います。
  17. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 只今の楠見君の御意見、それから又梅津君の御意見は、すでに御決定なつたその事項についての御希望でありますから、更にこれを実行する上において考えなければならん問題でありますが、併し党の御都合のために、参議院委員会の時刻に影響を及ぼすということは、どうぞ避けるようにお計らいを願いたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)そうしますと、他の常任委員長から本委員会において発言をせられる時間は、どれだけにするかという点でありますが、只今溝淵君は十五分ということであります。溝淵君に伺いますが、これを一回限り発言せられても、数回に分つて発言せられても、その総計は十五分と、こういう意味と了解してよろしいですか。
  18. 溝淵春次

    溝淵春次君 委員長の御見解通りであります。
  19. 吉田法晴

    吉田法晴君 実は先ほどの懇談会でもお話が出ましたが、昨日の連合委員会継続希望もある、今日も連合委員会の申入れもあつて、それをその代りに委員長発言を許すのでありますから、これは当委員会として、委員会代表せられた発言に対しては集約され、成るべく十五分程度にとどめるというよう希望を附して発言を願います。只今発言によりますと、十五分で切つておりますけれども、その点については多少の余裕もあるということは、先ほど確認せられたのでありますが、その点を併せて一つ採決して頂くことを委員長にお願いいたします。
  20. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これは委員長といたしましては、委員会のおきめに従うほかはないのであります。それで十五分とすることに同意の諸君挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  21. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。さよう決定いたします。  次に只今申したごとく、常任委員会委員長でない委員かたがたが、この委員会において発言をするという御希望があるので、ここに通告のありましたのは、運輸委員内村清次君であります。内村君の御発言を許可してよろしいかどうかという問題についてお諮りをいたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)一先刻の申合せでは、常任委員長発言も本委員会委員質疑でありましようから、質疑も済みましたときになお若干時間がありますれば、その時間を見はからつて発言を許そうと、こういうお申合せであつたのであります。この取扱いは如何ですか。
  22. 溝淵春次

    溝淵春次君 恐らくその時間は不可能なことだと想いますから、委員会といたしましては本委員会委員長との意見を十分盡して頂くという意味におきまして、六時までの時間におきましては事実上不可能じやないかと思われますので、他の委員かたがたの当委員会における発言は、今の状態におきましては許さないということにお取りきめを願いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  23. 河井彌八

    委員長河井彌八君) もう一つ申上げて置きます、実は今度の昨日までの連合委員会におきましては、運輸委員会には発言機会があつたのであります。併し昨日、一昨日からそうでありますが、昨日の議事状況を見ますると、運輸委員会にまでその機会が與えられなかつた。でありまするから、できるだけ時間を作りまして、そうして内村君に少しなりとも発言をさせてはどうかということを委員長は考えております。(「異議なし」と呼ぶ者あり)もう一つあります。只今建設委員三輪君から、やはり内村君同様に昨日の発言のまだ終了せざるものがあるという理由を以て発言要求がありました。これをどう取扱いますか。
  24. 楠見義男

    ○楠見義男君 今も溝淵君からお話がありましたけれども、可能であるか、不可能であるかはやつてみなければわからないのでありますから、従つて委員長が先ほど御発言なつよう趣旨で、私はお取計らい頂きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  25. 溝淵春次

    溝淵春次君 私はこの議事を進めてみて、ゆとりの時間が出るという場合におきめになればいいのであつて、一応留保して置くという御趣旨と違いますか。
  26. 楠見義男

    ○楠見義男君 委員長趣旨は、できるだけ当委員会における各委員かたがた審議を十分盡さしたい、併しその審議が済んでなお時間に余裕があれば当然委員外の人といえども、これは当然成規決定従つて発言要求であるからお聞きしたい、こういう御発言でありますから、私はそれで結構だと、こういう意味です。
  27. 溝淵春次

    溝淵春次君 私はその発言を許すということをおきめになるのは、模様をもう少し見て、その上で楠見委員ような趣意で時間があるならばお許しを願つたらどうか、こう思つております。
  28. 河井彌八

    委員長河井彌八君) なお附加えて申します。只今委員長の所へ申出でましたのは運輸委員内村清次君と建設委員三輪貞治君の御両君であります。実は今ここでこれをおきめになりましても、まだあとからあとからお申出があるかも知れません。それらの取扱いはそのときに委員諸君の御決定を待つて取計らいたいと思います。如何ですか。
  29. 溝淵春次

    溝淵春次君 そのとき……、それでは私の先ほどの意見を撤回いたしまして、今の御意見で結構です。但しその場合におきましても十五分という時間は無論原則的に守つて頂くという前提の下に委員長の御処置に御一任いたします。
  30. 郡祐一

    郡祐一君 委員外諸君でそれぞれ昨日の連合委員会機会がなかつたというよう理由で、いろいろな理由で持込まれると思いますが、委員外発言については、他の諸君からもお話がございましたが、委員長発言並びに本委員会委員質疑状況、それから先ほどすでに御決定になりました時間の模様等睨み合せまして、そのときに許すか、許さないか、又時間の制限等を置きまするかどうか、それらはそのときに御決定願うようにお願いいたします。
  31. 吉田法晴

    吉田法晴君 先ほどの委員長の御発言通りでいいと思いますが、我々委員として発言ができなかつた。或いは昨日法制局長を呼んだのだけれども聞けなかつた。それを発言をさせたいが、実際の運用については委員長に御一任を願うということで結構だと思います。
  32. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 今大体結論に来ております。そこで大体委員長としましては、そういう場合の発言は、先ずどんなふうにしてでも十五分を超えることは先ずないということにしようと思います。それはまだまだほかにたくさんのお申出があるかも知れませんが、それはそのときの状況に応じて或いはお諮りするかも知れませんが、委員長において取計るかも知れません。そういうことは御了承を願います。  もう一つつておる点がありますが、それは委員諸君の御発言の時間をどうするかという問題であります。これはほかから来るかたの御発言よりもなお責任あるこの内閣委員会委員発言は尊重しなければならんと考えるのであります。従いまして今ここで何分とか何とかということをちよつときめにくいのでありますが、これから休憩いたしまするから、その休憩時間において発言通告一つ受取りたいと思います。それによつてきめたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それではさようにきめます。
  34. 楠瀬常猪

    楠瀬常猪君 関係常任委員長質問は十五分間ということでありますが、他の常任委員長等から関連質問が出るような場合も予想できないことではないと思うのであります。その場合には一応質疑通告のありました人の質問をさしたあと関連質問を取上げて参るというふうにお取り運びをなすつて頂きまして、関連質問を含めましてその一人の人の質問の時間が十五分間というよう程度一つお取り運びを頂きたいと思つておりますが、如何でございましようか。
  35. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 楠瀬君に伺いますが、関連質問と申しますと、今の場合は波多野委員長木下委員長とお二人です。そういうお二人が関連する質問をするかしないかはわかりませんが、一人十五分と限つておきますれば、関連であろうがなかろうが、その範囲できめたらどうかということに委員長は了解しておりますが、如何でございましようか。
  36. 楠瀬常猪

    楠瀬常猪君 明敏なる委員長でありますから、その点はよろしくお捌き下さると思いますが、関連質問に入ることに対しまして、大体十五分間という時間で、委員長のほうでお捌きにくくなるといけませんから、申上げてみた次第であります。よろしくお取計らいを願いたいと思います。   ―――――――――――――
  37. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それではお諮りすることはこの程度で、次にこの委員会から調査報告書を出さなければなりません。その案文を読み上げます。    調査報告書  行政機構整備に関する調査  右の件に関しまだ調査を終えない  が、ここに多数意見者署名を附  し、その経過を報告する。   昭和二十六年六月二日      内閣委員長 河井 彌八    参議院議長佐藤尚武殿  これを提出いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。さように決します。それでは順次御署名を願います。  多数意見者署名    竹下 豐次   駒井 藤平    楠見 義男   東   隆    松平 勇雄   楠瀬 常猪    大谷 瑩潤   梅津 錦一    若木 勝藏   吉田 法晴   ―――――――――――――
  39. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次に継続調査要求書、これを提出いたしたいと存じます。  一、調査事件 行政機構整備に関する調査  一、理由 本委員会は目下右に関する調査を進めているが、この調査はその対象が広範多岐に亘り、相当長期間を必要とするのみならず、これを中断することは調査上不利不便を招来するので、閉会の場合においても継続して調査を行いたい。右本委員会の決議を以て参議院規則  第五十三条により要求する。   昭和二十六年六月二日      内閣委員長 河井 彌八参議院議長佐藤尚武殿  これを提出いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それではさよう決します。  それでは一時三十分まで休憩いたします。    午後零時四十二分休憩    ―――――・―――――    午後二時十六分開会
  41. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会開会いたします。  北海道開発法の一部を改正する法律案につきまして、この際質疑をいたします。それで通告せられた委員諸君の数が九名ございます。そこで大体どのくらいな時間御発言ができるかということを計算いたしたのでありますが、十分になります。誠に窮屈でありますが、その範囲において御発言願いたいと思います。
  42. 梅津錦一

    梅津錦一君 それに関して……只今十分という委員長の御発言でございますが、私は再度申上げますように、審議は盡されるだけ盡すというのが、委員長の現在今日までの立場であつたはずであります。これは委員長の堅持しておつたことでありまして、私もさよう本日まで了承して来たのであります。更にこのことを申上げる前提といたしましては、水産省設置法案の問題については、九十日間という長い期間を通しまして、遂に採決を見るに至らずして、継続審議に行くまで愼重審議をされておつたのであります。委員長がこのことに対しましてどのくらい真剣にこの審議を進められたかということは、会議録を見ればはつきりおわかりかと思うのであります。そういう立場に立ちまして、委員長只今十分という御希望意見を出されましたが、私は委員長の考えられておるその意思が奈辺にあるかは忖度の限りではありませんけれども、今まで堅持されて参りました委員長立場を今後も堅持されまして、審議に対しましては十分なる時間をお與え下さらんことを切に希望いたしまして、委員長に対する只今の御見解、十分間ということを撤回して下さらなければ、水産省設置法案のあの審議期間との睨み合せにおいて御弁明を頂きたい、こう思うのです。
  43. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  44. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて。
  45. 梅津錦一

    梅津錦一君 私は第六国会以来今日まで、この委員会における発言に対して委員長から時間の制限をされたことは一度もないのであります。この点は記録にはつきりとどめて頂きたいと思うのであります。さよう委員長は言論に対しては自由な立場を堅持されて参つたのに、本日は只今十分という、或いは二十分という、或いは三十分という……。何か意図されているように時間的制限をされているということは、私は非常に了解に苦しむのです。委員長の堅持されている立場範囲内において、私は賢明なる御処置をとられんことを切に希望するものであります。
  46. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと念のために申して置きます。私はこれに対して時間を制限するということは実際これはよくないことだと思います。併しながらもう先御決定通り、大体本日は六時くらいでこの委員会の結末を、結論をつけよう、こういうことでそれで散会の前にどのくらいの発言があるだろうかということで、それならば一つ通告を頂きたいということで、その通告を頂いた結果、今の時間が出て来たので、甚だ不便でありまするが、そう申さざるを得なくなつたのであります。而して又実際問題としましては、自由党の諸君発言をお控えになるということもお話がありましたから、必ずしも十分でなければならんという意味ではないのであります。それらのお取計いは十分いたしたいと思います。これは梅津君も又他の諸君もその点はよく御了解願つて置きたいと思います。(「了承、御進行願います」と呼ぶ者あり)
  47. 梅津錦一

    梅津錦一君 委員長只今のことで通告があるからというお話でありましたが、私は政府に対する資料として十三件に対して是非とも質疑をしてしたいというので専門員のほうまで届けてあります。更に一般質問として二十三件申込んでありますので、申込みのあることを御承知願いたいと思います。
  48. 吉田法晴

    吉田法晴君 総理大臣お話がございましたが、昨日の連合委員会でございましたけれども、これだけわれわれ会期を延長して愼重に審議をいたしますのに、総理大臣の御出席がないというのは遺憾でありますが、なおその点政府に伝えて置いて頂きたい。それから総理大臣が出られなければ、官房長官なりその他関係者の御出席があると思つておりますと、増田開発庁長官だけしか出ておられない。途中であれがいないから、これがいないからということで審議が停滞するようなことでは困りますので、前以てちやんと一つ出席願つてお始め願いたいと思います。
  49. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 吉田君にお答えいたします。総理大臣出席を求めますることは、もうすでにたびたびいたしております。今日も是非ということは申してあるわけであります。併し病気で寝ておられるという回答を得たのでありまして、これ以上まだ是非出ろということはもう委員長としてはできません。併し政府側からは何か説明ですか、お断りがあるということはあるであろう。又政府の側として総理大臣が出ないのだから、誰か総理大臣に代つて説明をするということはおのずからきまつておるだろうと、かように考えておりますから、これは政府の側から説明をする機会があると思いますから、さよう御承知を願います。
  50. 郡祐一

    郡祐一君 議事進行を願います。
  51. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 吉田君。
  52. 吉田法晴

    吉田法晴君 時間がありませんので、成るべく簡単に要点をお尋ねいたしたいと思うのでありますが、議運においてこの法案の、会期を延長してまでやらなければならん緊急性をお尋ねいたしましたところが、明確な御回答を頂かなかつたのであります。連合委員会等においても、地方財政委員会の見も求められず、或いは地方行政調査委員会議結論も待たずに、どうしてこういう法案1を急いで上程し審議するのかと、こういう提出者に対する質問がございましたが、なお工事の、北海道の実際を考えて見ましても、冬の長い北海道において、実際には四月から十月頃までに工事がなされると思うのでありますが、この工事の途中においてこういう大きな機構の変化を来しますことは、十月までの間に実際には仕事ができない結果に立ち至らしめるのではないかと、こういう議論が起つて来るのでありますが、こういう十分な打合せ、或いは意見を徴する問もなしに、北海道の実態を無視してまでも本法案を本国会において成立せしめなければならんという理由について、先ず承わりたいと思います。
  53. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これは吉田さんのような御質問はたびたび連合委員会等においてもございまして、たびたびお答えいたしておりまするが、政府におきましては、皆さまの議決を経て、歳出方面の特色は北海道開発費であるというくらいに国策として、地方自治策としてではなしに、国策として我々は力を入れておる次第であります。そこでこれは我々が責任を負い得る態勢において実施しなくてはならん、こう思いまして、できるだけ早く現地における開発機構を作り、そうしてこれが実施を図りたいと思つておる次第であります。ただ併しながら只今の総理府所管の国家公務員、国の官吏が現在公共事業をそれぞれ実施いたしておるのであります。我々は機構の改革を行いまして、国会に対して、又責任大臣として直接実行する必要が国の直轄事業においてはある。従いまして機構の改革を行うだけでございまして、現地における事業の執行は、四月に入るや否や着々としてこれは行なつておる次第でございます。
  54. 吉田法晴

    吉田法晴君 只今説明では、緊急性については会期終了二日前に出して来て、そうして会期まで延長をしてすぐに実施しなければならんという緊急性については、御説明がなかつたように思うのでありますが、その点お答え願います。
  55. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 緊急性というのは、できるだけ、不明確なる態勢ではいけない。責任政治、責任を負い得る態勢を早く国の総力を挙げて……、北海道の開発のごときは行なつておるのでございますから、そういうこと自体が緊急性でございます。
  56. 吉田法晴

    吉田法晴君 その点は意見の相違になるかと思うのであります。私は御答弁を以て、こういう二日前に出して来て会期を延長してまでここで強行審議しなければならんというほどの緊急性は認められないのであります。その点は意見の相違でございますから、これ以上質問を続けることを省略いたしまして、只今増田さんは北海道開発庁長官として御答弁を頂いているのでありますが、連合委員会におきましても或いは国務大臣として御答弁に相成り、或いは新幹事長ということも出ておりましたが、個人に還元するというということは困難かと思うのでありますが、私は増田長官が曾つて北海道長官であつた時代に、北海道の開発事業は、或いは拓殖行政は、北海道庁を中心にして一本でやらなければならんという御意見を持つておられたように聞いているのであります。昭和二十二年一月九日の北海道会の決議、或いは二十二年六月一日の北海道議会の決議等を見ましても、その点が明らかになつているのでありますが、北海道長官としておられたときには、国費の補助或いは国費負担という点はとにかくとしてこの道の行政を挙げて北海道庁を中心にして一元的に強力に運営されなければならん、こう考えておられましたのが、開発庁長官になられては、北海道に国の出先機関を設けてやらなければならん、こういう意見に変られましたその真相について御意見を承わりたいと思います。
  57. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 吉田さんの御質問にお答え申上げます。私が北海道長官であつたのは、長官という言葉によつても極めて明瞭な通り、国の出先機関でございます。国の出先機関、どうぞこの点を委員の皆様方におかれまして、もとより混同は遊ばされないと思いますが、御了解願えれば幸いでございます。そこで終戰直後においては連合委員会においても申上げたのでありますが、朝鮮総督府、台湾総督府というものがなくなつた。そこでむしろ北海道はこれは拓殖という言葉のございます通り、未開発後進地域であるということは、北海道諸君がみずからを以て認めております。そういうよう意味合もあり、かたがた北海道の開拓は国が国会に対して責任を負い得る態勢において、内地よりも特に力を入れてやる必要がある、こういうよう意味の道庁という、自治庁という仕事をなるほど二割はやつております。二割やつている自治事務を担当する道庁という意味ではないのでございます。昭和二十二年一月九日の決議の際は、私は東京に衆議院議員として出席いたしておりましてその状況は存じませんけれども、道会において決議したことであつても、そういう意味でございます。というのは北海道拓殖費は七十五億今年はございますが、当時は十二億ばかりこれは道会の決議を経るわけでも何でもないのであります。普通であれば国の補助費はすべて府県会を通して行く。北海道においても補助費関係は通つて行きますが、国の直轄事業関係は通らないのであります。同じ道庁でありましても、国の機関というやり方でありまして、これはまるつきり各府県の県庁とは違うところであります。それで私は北海道庁という国の出先機関において、或る程度総合的に開発する必要があるということは我我はもとより考えておるのでありまして、私は公選の地方知事を北海道の事業上から見まして僅か二割しか担当しない公選の知事になつたこともないのであります。そういう立場からものを申したのでもないのであります。
  58. 吉田法晴

    吉田法晴君 今の御説明は、今の北海道長官として数日来御答弁のあつたところと全く同じでありますが、只今北海道道会における決議はそうはなつておらんのであります。六月五日の決議の中には、行政機構として北海道開発の一切の企画を一元的に行う中央官庁を定めると共に、その指導監督の下に所管行政を挙げて北海道庁に完全に委任して、強力且つ総合的の運営方法をとること、或いは企画官庁としての北海道庁と実施機関の北海道庁というものを分けて、そうして一元的にまとめるという意向が出ておることについて、北海道長官の公式の意見が当時の公式の記録に載つておらないのでありますけれども、明らかに当時においては北海道長官としては一元的に北海道庁にまとめたいという御意見であるかのように受取れるのでありますが、その点重ねて御答弁を願いたい。
  59. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 吉田さんの御質問の中に二十二年六月というふうに拝聴いたしたのでありますが、二十一年六月ではございませんで、二十二年六月、こういうふうに拝聴してお答え申上げます。私は二十二年六月九日は衆議院議員でございまして、中央におつた次第でございます。
  60. 吉田法晴

    吉田法晴君 その問題は……それは時間の関係で次に移りますが、国家行政組織法と今度の北海道開発法の一部改正法によつて、企画官庁としての開発局でなくて、現地に開発局を設けるということになりますと、国家行政組織法の規定に現われております各省又はその外局の地方支分部局を設けることができるという第九条の規定と、それから各省の指揮監督を受ける実施官庁のみならず、企画官庁と実施官庁と両方持つたような変な機関ができるのでありますが、この点につきましては昨日も論議が出ておりましたけれども、国家行政組織法上そういうことが許されるのかどうか。今度の改正案の十二条と国家行政組織法第九条との関係について承わりたいと思います。
  61. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) この機会において皆様に申上げて御了解を得たいのは、吉田総理が本日も昨日と同様に所労が続いておりまして、休養を余儀なくさせられておる次第でございます。どうぞ皆様悪しからず御了承のほどを遍えにお願いいたします。なお総理に代る者というよう立場で、若し御答弁の必要の場合は私から申上げるようにとこういうことでございますから、これも併せて御了承を得たいと思います。  それから「地方支分部局を置くことができる」というこの条文と、十二条の条文との関連において、十二条というものが行政組織法から見て面白くないというようなことがありはせんか、どうかという御質問にお答え申上げます。私どもは国家行政組織法に照らしまして、少しも面白くないという点はない。即ち全然合法的である。こう考えておる次第でございます。即ち所掌事務を分掌させる必要があるために、支分部局を地方に置く次第であります。そこで開発庁の所掌事務とは何ぞや。昨日来佐多さんにも申上げておりまする通り、総合開発計画を樹立策定することでございます。その前提として各種の調査をいたさなくてはなりません。又我々は鉱山資源等におきましても、その他あらゆることにつきまして実地踏査をいたしたいと思つております。その実地踏査を東京から北海道行つて宿屋に泊つて調査をする、そういうようなことはよろしくないのでありまして、現地の駐在という意味において支分部局を設け、調査事務を施行せしめんとするものであります。もとより吉田さんが今企画とおつしやいましたが、企画のお説の通り下働きをいたします。併し企画を作ること自体は開発局であります。企画の下働きをいたします。それから他の官庁の執行機関としての現業事務をそれぞれ担当しておることは、昨日も御説明申上げた通りであります。
  62. 吉田法晴

    吉田法晴君 法制意見局長なり或いはその代りも来ておられると思いますが、重ねてお伺いいたしたいのでありますが、開発庁のような企画官庁の出先機関を作る。で企画官庁だけならば、今度のような問題はそう起らんと思います。その部分として或いは土木局とか開拓局とかいろいろできましようが、それは各省の所掌事務である、そうすると企画官庁のような性質も持つておる、或いは実施機関的な性質も持つておる。それが一つにまとまつて両方の性格或いはあいまいな機関ができ上るように思うのでありますが、これが行政組織法上これは第九条には直接書いてございますけれども、実際に行政組織法で、これは実体法です。その条文上のみならず実体上そういう考えの間に食い違いがあるのではないか。そういうことが行政組織法上矛盾なく或いは許さるることであるかどうかという点も伺いたい。
  63. 林修三

    政府委員(林修三君) 只今の御質問にお答えいたします。只今行政機関が企画事務と実施事務を併せ行うということはこれはむしろ通例だと思います。中央の諸機関である各省も成る程度の企画事務はみんなやつております。或る程度の実施事務をみずからもやつていても支分部局を設けてやる場合もありますし、この北海道開発局が支分部局として、国の行政機関としての北海道開発庁の、何と申しますか出先機関としてのその一部の仕事を分掌すると同時は、北海道における国の行政機関として北海道における開発計画の実施に当るということは、行政組織法上別に差支えないことだと思うのであります。
  64. 吉田法晴

    吉田法晴君 もう一つ、これに関連して昨日言われました質問が出ておりました点について疑問が残る、私どもは矛盾があるように考えるのでありますが、時間の関係ではし折らなければならんのですが、これは憲法問題と関連をするのであります。私どもは従来官治行政の部分が強かつた地方自治体というものを、地方自治法の改正、新憲法による地方自治法によつて地方自治を原則にして、そして例外的に法の規定によつて国の仕事をきめる、こういう制度がとられて来た。そして地方自治を立法権によつて制限する場合には、住民投票を要すると、これは地方自治を守つて行くために憲法九十五条というものが設けられておると考えるのであります。言い換えますならば、地方自治を進める考えと、それから地方自治を奪つて行こうという方向に対する憲法上の保障規定が九十五条になつておると考えるのでありますが、それらの点についで今までの御説明は十分でなかつたと思うのです。私どもは今までの説明だけで納得することができなかつた。成るほど開発庁の設置の場合には、北海道開発法の場合にはこれが企画官庁であるということで一応まあ政府説明が通つたようであります。併し諸種の憲法解説書を見ても、一応問題に出されておることは、これはどの意見を見ても一応疑問になつたということは明かに提出をされて、おるのでありますが、今回の出先機関、開発局を作ることによつて、実際に北海道庁がやつて参りました仕事を取上げることになる結果を来たす今度の改正案は、憲法第九十五条問題が起ると十分に考えられるのでありますが、そこで問題はこれを抽象的に議論をしても始まりませんので、具体的にお尋ねして参りたいと思うのでありますが、地方自治法第二条第二項に「普通地方公共団体は、その公共事務並びに従来法令により及び将来法律又は政令により普通地方公共団体に属するものの外、その区域内におけるその他の行政事務で国の事務に属しないものを処理する。」と明かにこの国の事務に属せしむるもののほかに地方公共団体がやるんだという精神がそこに書いてある、そして例示として今度関連いたしますのは、三項の十一号に治山治水事業或いは農地開発事業以下書いてございますが、その国の事務に属さないものこの点について具体的に御説明をお願いしたいと思います。
  65. 林修三

    政府委員(林修三君) 只今のお尋ねでございますが、憲法問題でございますが、憲法が地方自治を推進するという立場に立つておりますことは御説の通りと存じます。ただ憲法第九十五条の趣旨は、一の特定の地方公共団体に対してのみ適用される法律が、その地方の住民投票なくして成立しないという趣旨で、特定の地方公共団体の仕事を、或いは権利義務を制限するということについて、憲法上その地の住民投票でそれに決定権を與える、こういう趣旨もあると思うのでありまして、全体的にこの仕事を法律により国に持つて行く、或いは地方に持つて行くということまで禁止したものではないと考えております。又ごの北海道開発法は従来国の仕事といたしまして国家公務員を北海道に置いてやつておりましたことを今回国の行政機関として北海道開発局という地方部局を置きまして、それにやらせるということでございまして、この地方自治団体の仕事には全然関係のない事柄であります。この点におきましても憲法第九十五条には当らないと思つておるわけであります。  それから只今地方自治法第二条の二項の御質問でございますが、これはこの二項にございますように、地方公共団体はその公共事務と申しますか、従来通俗に固有事務といわれておりますもの、或いは委任事務というもののほかに、その区域内で国が特に法律命令によつてこの行う事務以外の一般的行政事務を行う、そういう立場を、これを闡明したものでございまして、各種の法律によつて国が直接行うことをきめておりますものについては、地方公共団体は権限がないわけであります。本来北海道開発法の改正によりまして、北海道開発局が所掌いたします事務は道路、河川、一或いは港湾にいたしましても、各種の法律によりまして国がやつて行く仕事、これは従来の北海道庁時代の何と申しますか、行きがかりで、従来国の職員を北海道に置いてやつておりましたものを、今回その点をはつきりいたしまして、国が直接やろうということでございまして、この第二条第二項の趣旨と別に相反するものとは考えておりません。
  66. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと梅津君に申上げます。やはり先刻の御発言の中に入りますから御承知を願います。
  67. 吉田法晴

    吉田法晴君 私の質問時間に入るというんじやない、梅津さんの質問時間に入るというのですか。
  68. 河井彌八

    委員長河井彌八君) そうです。
  69. 梅津錦一

    梅津錦一君 そういうふうに私のいない間に時間の制限が何分ときまつたかどうか今まで存じておりませんので、それに対する承知はちよつといたしかねますので、不満足でありましようけれども、万止むを得ないと思います。時間は六時という話は聞いておりましたが、その範囲内ということはわかりますが、私に対する時間割当というのは聞いておりません。
  70. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それではもう一度申します。委員諸君の御通告の数から計算いたしますと十分ということになつたのであります。このことは申上げました。併しその後のことを申上げるのは落ちておりましたから、更に申上げます。この際自由党及び民主党の四名の諸君から発言を差控えるということでありましたから、吉田君とそれから楠見君、若木君、梅津君は、二十分は御発言ができるということになりました。楠見君にはお知らせいたしましたが、他のかたには申してなかつたのでありますから、手落ちでありますが、そのことを申上げておきます。
  71. 梅津錦一

    梅津錦一君 その点に関して、そうすると委員長が二十分ということにおきめになることは、私はその二十分ということを委員長の命令というならば守らざるを得ないと思うのであります。民主主義のあり方もそういうあり方があるということを承知いたします。(笑声)発言の自由というということを制約されることは、民主主義下においては、まだ封建的な日本であるので万止むを得ないというので私は了承する以外に途がないということを、この席上から申上げざるを得ないのであります。私の申上げようとすることは、その発言以外であろうと発言以内であろうと、これは重大なる発言でありますので、御了承願いたいと思うのであります。私のおらないときに増田さんが副総理の見解において御発言なされたということであります。副総理は官制上の制度であつて、副総理でないものが副総理の(「副総理と言つてないよ」と呼ぶ者あり)どういう法的根拠があるかということについて私は速記録の翻訳を待つて重ねて御質問申上げたいと思います。私は増田さんの答弁只今要求いたしません。これは速記録を見ないと私も申上げて誤りがあることを恐れるからであります。速記録の正確なる翻訳を見て重ねて私は御質問申上げたいと思います。
  72. 吉田法晴

    吉田法晴君 連合委員会においても、国がやるべき仕事といつた今の法制意見局のよう意見を増田さんも言われ、今の言葉の中にあります国が行なつていた仕事、或いは国が行うべき仕事を国がやるのは当然であるとこういうお話であつた。国が行なつておつたか、それから北海道という自治体が行なつておつたか、これはこれからの問題になるのでありますが、併し財政的に国が全額持つておつた、或いは全額補助ということも北海道についてはあり得ると思うのであります。この財政的な面と或いは自治体が当然行うべき仕事であるか、あなたが言われる国が行うべき事務だというお話でありますが、その点についてさつき自治庁のかたを引張り出していろいろ御説明を願つたのでありますが、国が全額を費用を持つたということは明らかでありますけれども、今までやつてつたのは、これは自治体としてやつて参つた、或いは自治体がやるべき仕事であつたということは間違いがないのではないかと思うのでありますが、その点重ねてお尋ねいたします。
  73. 林修三

    政府委員(林修三君) 只今までの北海道開発計画の実施といたしましては、公共事業費なり或いは北海道開発費で計上してございます。直轄事業は、これは国が行う事業でありまして、費用の負担関係だけではございませんで、国が直接施行の責任を持つておりますので、これは北海道に国が職員を置いてやつておるのであります。国が直接やるということに相成つております。これは法律上もそれぞれ根拠を持つてつておるのであります。
  74. 吉田法晴

    吉田法晴君 具体的にお尋ねをして行かないと明らかにならんと思いますが、時間がありませんので簡単に申上げてみたいと思いまするけれども、増田大臣の答弁によると、道路問題でありますが、道路工事をしようというときには、道路法の適用を受けなければならん、或いは道路法の二十四条でやるといつたような御答弁でございましたが、それらの中には、いわゆる北海道の地方費道等が含まれておるわけでありますが、例えば地方費道、言い換えますならば、ほかの府県でいうと、府県道のようなものもこれも国が行うへき仕事であるというふうに御説明になるのでありますか。
  75. 林修三

    政府委員(林修三君) 道路法第二十四条でございましたか……「管理者二非サル者ハ管理者ノ許可又ハ承認ヲ得テ道路二関スル工事を執行シ又ハ道路ノ維持ヲ為スコトヲ得」とございまして、国道につきましては、第二十条におきまして、主務大臣が必要があると認めるときは自分でやれる、国道以外の地方費道につきましては、第二十四条によりまして管理者の承認或いは許可によりまして、そういう手続が整つた上でこれを国が執行することができるわけであります。
  76. 吉田法晴

    吉田法晴君 二十四条を引張り出して「管理者二非サル者ハ管理者ノ許可又ハ承認ヲ得テ道路二関スル工事ヲ執行シ又ハ道路ノ維持ヲ為スコトを得」、管理者は明らかに府県知事でありますが、この条文によつて国が北海道の道知事の許可又は承認を得ておやりになる、こういう意味に今の話を聞いたのでありますが、これは二十四条の趣旨からして或いは私人、私法人、或いは公共団体等で管理者の許可又は承認を得てやるのではないじやないかと私は考えるのでありますが、国が二十四条の規定によつて北海道知事の承認を又は許可をやられるのか、或いはやられなかつた場合には、どうされるのかという点を伺いたいと思います。
  77. 小林與三次

    説明員(小林與三次君) 私より御説明申上げます。国道の問題は二十四条で片付きますが、それ以外の道路で地方費道、準地方費道、市町村道のその三種の道路について現在これは従来全額国費でやつておることは御承知の通りであります。そこでその地方費道、準地方費道の管理者は、道知事、市町村道は市町村長でございます。国がこの仕事を実際にやる場合におきましては、市町村道については市町村長、地方費道、準地方費道につきましては、法律の建前上北海道知事の承認を得てやるわけであります。こういう手続に相成つております。このことは従来も、例えば去年見返り資金で相当道路を大規模に工事を執行いたしておりますが、その場合も府県道につきましては、この手続きを経て国が直轄して施行しているところでございまして、今日もこの道路法の手続に従つて、国の開発庁が執行する、こういう工合になつていると存じます。
  78. 吉田法晴

    吉田法晴君 意見が依然として食い違つているんですが、第一に、二十四条によつて、管理者の許可又は承認が得られなかつたらどうするかという点についてお答えがなかつたようですが……
  79. 小林與三次

    説明員(小林與三次君) 承認がなければ事実上やれません。承認を得た場合においてのみ執行できるのでございます。
  80. 吉田法晴

    吉田法晴君 そういう矛盾が起つて参りますことを考えましても、或いは十七条の国道の、府県知事がこれは原則的には管理者になるのだ、但し勅令を以て指定する場合は別だ、或いは二十条によりましても、道路の新設、改築、修繕、或いは維持は管理者がこれをなす。それは府県知事でありますが、主務大臣が必要であると認めるときには云々という第二項は、例外的規定だと思うのでありますが、そうすると、国道についてさえそうでありますが、地方費道その他については、これは道知事がやることが明らかである。その道知事がやる建前になつている地方費道、或いは準地方費道を、この今度の改正案によつて、若し国に取上げるということになりますならば、これは北海道のみに適用される法律であり、或いは地方特例法ではないか、こういう質問を提出をしているわけなのでありますが……。
  81. 小林與三次

    説明員(小林與三次君) この点は取上げるとか取上げんとかという問題でございませんでして、道路法の二十四条に明確に書いてあります通り、管理者の承認を得で道路に関する工事を執行又は維持するということでございまして、その点は内地であろうと、北海道であろうと、別に扱いが異なるわけでございません。内地におきましてもそれぞれ府県知事なり、市町村長の承認を得て工事をしばしば執行しているのでございます。それでありますから、その点だけではどうこういう問題がないことと存じます。それでただその二十条は国道についてしか特に例外を認めておらないのじやないかというような御質問でございますが、二十条の規定は主務大臣が必要ありと認めるときには、積極的に国道につきましては、自分のほうで自由に道路の必要性を認定して、この個所をこの区間をどうするかということを二十条によりましては自由にやれるようにできております。それから国費道、府県道以外の道路につきましては、道路の管理者の地位を承認しまして、管理者と合意の上で仕事をやる。こういう建前になつているのでございまして、この点についてはもう内地、北海道選ぶところはない、こういうふうに考えております。
  82. 吉田法晴

    吉田法晴君 これらの点につきまして、法制意見局なり、或いは増田長官の一つ答弁願つて置きたいと思うのですが、これは二十四条はこういうことを予想しているのではないかと考えるのであります。今のお話ように、管理者の許可又は承認を得るということを国がやるとして、若しやらなかつた場合にはどういう問題が起るか、どういう責任をとられるのか。或いは予算執行不能という問題が政府にあると了解してよろしいのであります。か、その点について……。
  83. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私から先にお答えいたしますが、我々が予算を決定する際は、内地においてもそうでございまするが、北海道においてもそうでございまして、第二十条、或いは第二十四条によつて主務大臣が認定してかかるか、或いはその他の道路である場合には、管理者において依頼する、協議をして行く、こういうふうに考えている次第でございます。即ち内地、北海道に通ずる現象でございますが、あらかじめ計画をして置いてから予算を大蔵省に要求するということじやないのであります。そこで予算を執行する場合にい予算が伴わないということが万一ございますれば、その分は連合審査会においても御説明申上げましたが、未執行に終る次第であります。この点は若木委員にお答えいたした次第であります。
  84. 吉田法晴

    吉田法晴君 これは二重に発言することになりますけれども、法制意見局の意見を伺いたいのですが、地方費道その他は当然、法上道知事がやるべき仕事を国に移す。私は取上げるということを申しましたが、それは北海道に関する九十五条のいう特例法にはないのじやないか、こういう点について……。
  85. 林修三

    政府委員(林修三君) これは道路法第二十四条なり、第二十条の規定は、内地、北海道を通じて従来この道路は適用されております。これによつて或るものは直轄工事で、内地におきましては地方建設局が従来やつております。北海道におきましては、北海道庁に職員を置きまして国がやつております。その点は法律の適用上差異はございません。北海道はこの度北海道開発局ができまして、この北海道開発局が直轄工事の道路をやるといたしましても、これは当然この開発法の規定によりまして、直轄工事を国が勝手に地方費を出してやるのではございませんで、管理者たる北海道知事、地方費道につきましては道路法二十四条の、管理者の許可又は承認を得てやるものと存じます。その点におきまして地方公共団体の自治権を侵害するという問題はないと思います。
  86. 吉田法晴

    吉田法晴君 十二条に、いわゆる直轄事業という言葉がございますが、その直轄事業の中の道路について今検討しておるわけであります。国道の点は一応別といたしましても、地方費道、準地方費道は、これは普通の府県道と同じに、本来道がやるべき仕事ではないか。それを、直轄事業という概念がはつきりいたしませんけれども、予算を出しておる。全額国庫負担であるからということで直轄事業として取上げることは、若しこの十二条の直轄事業ということだけで、或いはこれが実態法となつて別に道路法の特例法ができるかどうかは知りませんが、この条文、或いはこれに関連する事柄を以て北海道が本来やるべき仕事を取上げると、実際に取るということになるならば、それは九十五条にいう特例法ではないかという点もお尋ねをいたしておるのでありますが、二十四条で承認を得るということでありますけれども、問題は個々に承認を得てやるということではなくして、十二条の直轄事業という文句で包括的に取上げるところに法的な効果が出て来るのじやないか、それが九十五条にいう特例法になるのじやないか。こういう質問に対してまだお答えを頂いておりません。
  87. 林修三

    政府委員(林修三君) この北海道開発法十二条で直轄工事云々と申しておりますのは、これはここで実態的にその地方においてやる枠をきめたわけではございません。これは予算に計上いたしまして、直轄事業で行う部分をやるという意味でございます。又予算に計上いたしまして、直轄工事で行うべき部分は、道路法或いは河川法等によりまして、国が直接行う事業の範囲をここに計上いたしまして、北海道開発法十二条によつて新たに権限が拡張するわけではございません。
  88. 吉田法晴

    吉田法晴君 それでは地方費道なり、或いは準地方費道は本来道がやるべき仕事であるという点はお認めになつたのだと了解してよろしうございますか。
  89. 林修三

    政府委員(林修三君) これは道路法の規定によりまして、参国道は都道府県知事が原則としては事業を執行しております。地方費道以下につきましても同様でございます。又道路法の規定によりまして或る意味におきまして直轄できる。こういう規定によつて従来北海道、内地におきまして直轄工事が行われておるわけでございます。只今仰せになりましたよう原則といたしましては、事業の執行者は道につきましては道知事でございます。
  90. 吉田法晴

    吉田法晴君 増田長官にお尋ねいたしますが、そういたしますと、この北海道開発法の一部を改正する法律案の附則十四条に出ております。  最後にこの定員の変更条文につきましては、これは国道のみに限られるのでありますか。それとも地方費道までを含めた一切の職員に及ぶのでありますか。今のお話ように、地方費道が本来北海道の自治体の仕事であるといたしますならば、この人員につきましても、道路に関しましては国道のみに限るべきであるかという感じを持つのでございますが……。
  91. 岡田包義

    政府委員(岡田包義君) 私よりお答えいたします。この予算面におきまして、この予算を先般お配りいたしました直轄事業と補助費に分けでございます、その予算面におきまして、直轄事業、逆に言いますると、道の議会を通じまして道の歳入に入らざるほうの経費であります。直轄事業の経費、これを使います。これを執行するについて関連いたします国の官吏が、ここに書いてあります三千二百余人ということでありまして、さよう御承知を願います。それは道路でいいますれば、国道、地方費道、準地方費道等が全部直轄事業でやつておりますから、それが全部含まつておるわけであります。
  92. 吉田法晴

    吉田法晴君 地方費道、或いは準地方費道を本来道がやるべき仕事であり、それを二十四条によつて、国が北海道知事の許可又は認可を得てやるのだ、この点が明らかになりますと、本来は国の仕事でなくて、道の仕事であるという点は明らかになつたわけであります。連合委員会等において国の仕事ということと、それから国が財政負担をしておることとが混同されて答弁されて参つたと思うのでありますが、そうすると、本来国の仕事であるべき国道について、二十条の二項の適用のある分は別ですが、地方費道或いは準地方費道については、それが北海道の本来の仕事であるというならば、それに従事しております者についても、これを十二条附則によつて、国に、北海道開発庁に移すということは、これは無理な考えだ、矛盾だと考えるのでありますが、その点について……。
  93. 林修三

    政府委員(林修三君) 前段の点、私先ほど或いは吉田委員に私の意が通じなかつたところがあつたと存じますが、地方費道或いは準地方費道等においても、国が道路法二十四条により何らかの許可又は承認を得てやります場合は、国の事務であります。その点はさよう御承知をお願いいたしたいと思います。
  94. 小林與三次

    説明員(小林與三次君) 只今の地方費道、準地方費道は、本来道の管理者である知事が管理しておるべきものを国が執行するのはおかしいじやないかという御趣旨だろうと思います。その点につきましては、御承知のごとく、北海道における地方費道、準地方費道以下の道路についても二通りありまして、国が補助金を出して、道の責任において執行しておるものと、それから国が全額、国費のままで国が管理をして執行さしておるものと、この二通り従来あるのでございます。そこで一般の建前は、地方貧道以下は、府県の責任において府県の以下の負担でやるべきでありますが、北海道においては、かねがね議論になつておりますように、北海道の地方費に繰入れてやるのは、北海道の地勢に鑑みて適当でない部面がありましたので、開拓費全額を国費のまま国の機関において執行さしておつたのでございます。その部分だけを今度開発局の名において執行するのでございまして、その点は従来北海道の地方費に入れまして、道会の議決を経、道費の負担を伴つてつておつた仕事を全部どうこうするという問題と違うのでありますから、この点から考えましても、地方がやつておつた仕事を取上げる、こういう問題じやないと思います。
  95. 吉田法晴

    吉田法晴君 この政府のほうでは、或いは開発庁のほうでは、国が補助……、国が国費で負担をしておるから、これは国の仕事だ、こういう御説明、私は費用の点はとにかくとして、本来自治体である道がやるべき仕事であるならば、それは経費の点はともかくとして仕事は道の仕事である。その道の仕事を、法律はつきりしておる道の仕事を、費用を出しておるからということで国に取上げるというならば、地方自治の本来の仕事を取上げるという法律的な結果になるのじやないか。ただ九十五条にいう一つの地方公共団体としての特別法になるのではないかという疑問も持ち、又人員についても、今まで道庁の中におつたものというのでありますが、人間についてもこれはその仕事によつて分けられるべきではないか、こういう意見を持つております。    〔委員長退席、理事梅津錦一委員長席に着く〕
  96. 小林與三次

    説明員(小林與三次君) 今の問題は、つまり費用負担の問題と仕事の執行の問題とは別問題じやないか、こういうことでございますがそれはそういう面もございます。又道路、その他河川の問題につきまして、これは純粋の法律論になりますけれども、御承知のごとく、現在の道路法なり、その他の体系というものは、いわゆる国の仕事を知事、市町村の管理者にやらせる、こういう建前になつておるのでございます、それでそういう、その仕事の問題は別といたしまして、それでその中で府県道以下の仕事につきましては府県が費用を持ち、国は必要に応じて補助金を出して、府県知事以下の府県吏員に執行をさせる、これが一般の建前になつておるのでございます。その中で、御承知の通り、内地におきましては地方建設局という国の機関がありまして、そこで県道でも特殊な道路については、国の建設局がすべて国の費用の負担で以つて仕事をやつておる、従来やつておるのでございますが、それと同じような形において北海道におきましては、従来北海道に特に国の官吏を置きまして、国の官吏が全額国費の仕事を遂行する、この官吏は全額国費の仕事を遂行しておるのでありまして、道がみずから費用を負担しておりますような地方費道以下の道路の仕事をやつてつたのではないのでございます。それでございますから、地方建設局が国の仕事として道路の工事をやつてつたのと同様な形で北海道における官吏が全額国の仕事をやつてつたのでありまして、それを独立の機関として地位責任を明確にしただけでございまして、その点につきましては地方自治の侵害という問題は全然起らないと考えております。
  97. 吉田法晴

    吉田法晴君 法制意見局長に重ねてお伺いをしたいのですが、地方費道或いは準地方費道が本来道知事の管理の下にある仕事でそれを二十四条の許可又は承認を得てやつておつたから、或いはやつておつたような実態であるから、或いは今後許可又は承認を得てやるのだから、それは国の仕事になつておるのだ、こういう御説明でありますが、従来やつておられたものとしても、許可又は承認が形式的に、或いはこの文章を整えて或いは行動で以て得られておつたのかどうか。或いは今後改めてとられるのか、その点を一つ伺いたい。それから若し見返り資金でもやつておることがあるし、差支えがないとしましても、先ほどの一応道の仕事である、或いは道知事の管理であるということになるならば実体的に北海道の仕事であるということが法上認められておることであります。言換えますならば地方自治法二条の法令によりますところの道路法になりますが、北海道の仕事だと考えられる仕事を今度の法律において実体的に国がやるということになるならば、依然として特例法の疑問が起つて参るのでありますが、その点一つ……。
  98. 林修三

    政府委員(林修三君) 先ほどはつきり申上げませんでございましたが、道路法、河川法の仕事は、これはいわゆる委任事務、固有事務の分け方で申せば、いわゆる機関委任の仕事でございまして、本来は国の仕事を各府県知事に機関委任をしておる仕事でございます。その中の一部を国が直接施行しておる、こういう関係に相成つておりますわけでございまして、その点はいわゆる地方自治法二条の本来の自治事務ではございません。河川管理なり或いは道路の管理ということは本来の自治事務ではございません。国の委任事務は、これは先ほどはつきり申上げませんでしたが、附加えて申上げて置きますが、前段でお引きになりました、従来の北海道において許可、或いは承認の手続につきましては、これは或いは北海道開発庁なり、或いは建設省のほうからやつて頂いたほうが適当であると考えております。
  99. 小林與三次

    説明員(小林與三次君) 従来、この北海道で地方費道以下について仕事をやつておりたのは、承認或いは許可を得ておつたかどうかという御質問でございますが、この点は、御承知の通り現在は北海道知事の管理の下にあつて北海道知事が管理者としての地位を占めておりますから、一応は仕事の実体は管理してやつております。それですから承認という問題は起らない。準費道については起らない、市町村道においてはこれは市町村でやつて行くはずでありますから、それを北海道の知事の名において管理をやつておつたとすれば、そういう問題があると思います。これは恐らく所定の手続をやつておるものと考えております。
  100. 吉田法晴

    吉田法晴君 この地方費道、準地方費道の管理と申しますか、工事ですか、工事についてはこれは機関委任の事務と言われますけれども、成るほど経費の面で、この国費による工事北海道知事がやるということは、これは機関委任の関係となるかも知れませんが、道路法に書いてある、本来持つておる道知事の管理の事務というのは、これは委任事務ではないじやないかと思うのですが、その点を一つお伺いしたい。それから時間がございませんので最後にお尋ねをしたいのでありますが、北海道開発庁のときにも、憲法九十五条関係の議論が出たわけであります。これは法学協会から出ておる憲法解説書等の中にも、この憲法九十五条の関係が問題になるということは、一応出ておる。こういう論議のこの特例法に関する数は少いのですが、意見を見ても一応問題になることははつきり書いてございます。ただ意見が今までは国会といえども、政府の言うこれは企画官庁だからという説明で納得したのだろう、こういうことを書いてございます。問題になつたことは明かだし、問題が残つておることも明かである、それを実体的に今度は企画官庁にとどまらずして、行政面まで、或いは執行面までも国に移すということになりますと、九十五条に関連する問題が出て参るのでありますが、この点について、これは権威ある意見であると言い切ることもできんかも知れませんけれども、或いは週刊朝日その他に問題が残つておるならば、或いは疑問が残つておるならば、この衆議院で絶対多数をとつておる自由党はその手続をみずからやることが重しいのではないか、望しいという意見も出ておるわけであります。昔の官治行政を中心にしたこの地方の行政に対して地方自治法なり、或いは憲法の中で地方事務に関する規定を設けましたのは、地方事務を推進して参りたい、或いは今の地方財政委員会を中心として、或いは地方行政調査委員会議の任務もその地方自治なり、憲法の精神を推し進めるための具体的な措置として決定され、或いは措置されておると思うのでありますが、そういう中において増田官房長官はよく元に返すんだということを言われますが、もとの官治行政の色彩を多分に含む昔に返すんだという私どもは仕事だと了解するのでありますが、そういう疑問が残るならば、九十五条の精神に従つて住民投票をやるべきではないか。むしろ進んで九十五条の疑いがあるならば、住民投票をするという積極的な態度に出られるのではないかと考えるのでありますが、そういう点について長官はどういうふうに考えられますか。
  101. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) お答え申上げます。我々は九十五条に該当するものと思えば住民投票をもとよりいたします、併しながら九十五条に該当いたさないという確信に立つておる次第でございます。それからその理由は、只今まで申上げましたこと、又法制局からも申上げましたところによつて御了解を得たいと思うのでありますが、地方公共団体関係の事務ではないのであります。そこで一つの公共団体のみに適用があると思つておりません。又いつも申上げます通り機構等におきましては、日本全体におきまして大体同様な機構になりまして、特定地域のみに適用させるということには相成らない次第であります。
  102. 吉田法晴

    吉田法晴君 時間に制限をせられて、十分な御質問ができないのでありますが、一応約束約を守りましてこの程度で打切ることにいたしますけれども、なお質問が残つておりますので、関連質問なり何なりにおいて許して頂くことを条件といたしまして一応これで打切りたいと思います。
  103. 梅津錦一

    理事梅津錦一君) 楠見君発言時間です。
  104. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は極めて簡単なことを伺うようでありますが、併しその事柄はこの本案の討議或いは賛否を決する重要な参考資料になると思いますので、御答弁是非具体的に詳細にお伺いしたいと思うのであります。  そこで伺います前に委員長にお願いしますが、恐らく速記をとめて或いは政府の御要求であれば、祕密会にでもして頂いてお伺いしたいと思いますので、私の二、三の質問の中の第一の点は、先ず速記をとめて頂きたいということであります。
  105. 梅津錦一

    理事梅津錦一君) 速記を止めて下さい。    〔理事梅津錦一君退席、委員長着席〕    午後三時四十一分速記中止    ―――――・―――――    午後四時三十六分速記開始
  106. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて下さい。
  107. 梅津錦一

    梅津錦一君 行政上の問題となることであるし、吉田総理が来られないという行政上の問題も含めて、将来のことをこの際明らかにして置きたいと、こう思うのであります。御存じのよう吉田総理は、本日病気であるということで増田建設大臣増田北海道開発長官から御発言があつたわけであります。その速記文を申上げますると、「この機会において皆さんに申上げて御了解を得たいのは、吉田総理が本日も昨日と同様に所労が続いておりまして、休養を余儀なくされておる次第でございます。どうぞ皆さん悪しからず御了承のほどを一重にお願いいたします。」ここまでは私は問題でないと思います。「なお」ということを附加えまして、総理に代るものというよう立場で、ここでもうはつきりしております。もし御答弁の必要の場合は、私から申上げるようにと、こういうことでございます。次に「から」がついております。これは助詞です、これも合せて御了承を得たいと思いますということで、明らかに今日は、増田建設大臣兼北海道開発長官は、総理の代理ということになつておるのであります。いつから代理になりましたか、その職制上の、官制上の私は官報を見ておりませんので、このことが、いつ副総理に就任されたか存じておりませんので、この点を明らかにして頂きたい、こう思うわけであります。
  108. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これは先ほど委員長側から指摘でございましたけれども、この議場外でございまするが、総理に代つて何か国務大臣が一人出て御答弁を申上げるというようなことで、そのときは誰か出んか、増田出て来いと、こういうようお話もございましたので、実は皆様のほうから御要望があつた、そこで私が何もこちらから好んで申上げたのじやありません。要するに総理に代るという意味で、御答弁要求があれば私から申上げる、副総理の資格とは違いまして、内閣総理大臣の祝辞を祕書官が読む、ああいう祕書官がすぐ副総理になるというようなことでないと同様でございます。
  109. 梅津錦一

    梅津錦一君 言葉を返すようですが、祕書がそこに来て、増田建設大臣の務めは務まらないわけであります。祕書官ではないので、やはり大臣が総理の、副総理の資格において公式委員会において、而も速記をつけた委員会において発言をなさつておるのでありますから、その点の見解において御明解を頂きたいと思います。
  110. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私は国務大臣としてしばしば議運等に臨んでおりますが、いつでも総理に出ろという場合に、いつも代つて然らば増田出ろということでいつも御答弁申上げておりましたが、未だ曾つて梅津さんのようなお叱りを受けたことはございません。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  111. 梅津錦一

    梅津錦一君 私は議院運営に第五、第六、第七とおつたので、しばしばそういう機会には遭遇しておりますが、そうした前提が恐らくなかつたと思うのであります。本日は、増田建設大臣が副総理という意味の御発言がありましたから、その点を文章上の解釈から言えば、前提されておるのでありまして、その点で私は御解釈を頂きたい。こういうわけであります。
  112. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 今梅津さんがお読みになつ通りなんでありまして、あなたのほうで総理に代つて誰か国務大臣が答弁する人があつたならあらかじめ申出ろ、こういうふうな内面的な連絡がありましたから、私が代つて申上げますから……、皆様のお言葉がございましたからそういうときは私が代つて申上げまするからと、こういうことで申上げたわけでありまして、梅津さんの御解釈によるとそれがすぐ内閣法による副総理になるということは私はそういうことはどうしても合点が行かないのであります。私は飽くまで内閣法の九条だとか或いは副総理だとかいう言葉を絶対に使つておりません。皆様がたのほうで総理に代つて誰か国務大臣が出ろというその場合に副総理と言えば、その場合には副総理を任金して来いというような御要望でございましようか。
  113. 梅津錦一

    梅津錦一君 私も昨日、今日は総理の出席を求めておるのであります。連合委員会においても本日は総理の出席を求められておるのであります。併しながら先ほど委員長並びに増田国務大臣からお話がありましたように、本日は総理は来られないとこういうことは私は了承しておるわけです。行政上の立場ということを最初に申上げましたが、なおという言葉のあとにすでに総理に代るものというよう立場で若し御答弁の必要がある場合には私がするということになつておりますから、ここでは明らかに副総理の立場だ、そういう工合に……、(「そのままでいいのだ」「とんでもないことを……」と呼ぶ者あり)総理の代理なら副総理であるはずである。
  114. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私は副総理という言葉は俗称であると思つております。そんな言葉は大体法律上ございません。それから国務大臣が総理の代理をして祝辞を読む場合がしばしばありますが、ああいう場合には副総理が何十人もできるのでございましようか。
  115. 梅津錦一

    梅津錦一君 私は総理に代る者の要求はしておりません。
  116. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 梅津さんはそうだつたかも存じませんが、この会議におきまして今日総理が出られないならば総理に代る意味において国務大臣か誰か出て来て御答弁をするようにと、あらかじめその人の名を言つて来いという連絡があつたのです。そこで私はお答えをしたんで、何も好んで……これはあなたがたの使われた言葉なんです。梅津さんかどなたか存じませんが、この会議体から御要求がございまして、そうして私お答えしたのに、そういう私の使つた言葉を、増田が使うからけしからん、我々会議体の使つた言葉を、増田が使つたからけしからんとおつしやれば、私は一体どう御答弁してよろしいか判断に苦しむ次第であります。全く当惑してしまいます。
  117. 梅津錦一

    梅津錦一君 建設大臣或いは北海道開発庁長官としての御発言は十分承知いたします。併しながら本日総理が来られないとするならば、大体の慣例においては官房長官が来られて総理の代理をするのが慣例であつたわけであります。(「そんな慣例はない」と呼ぶ者あり)私はそういうふうに考えております。そうでなければ最初に官房長官も来られない、副総理も来られないから私が総理代理で来ましたからよろしうございますかということが当然認証されなければ私はならないと思う。(「認証か」と呼ぶ者あり)承認で結構です。
  118. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これは全く論理上の何でございまするから、お許し願つたら如何でございましようか。本当に私はこういう言葉尻は、而も私は尻を捉われておるわけではございません。これをお読みになつてもわかりまするが、総理に代る者というよう立場云々ということは皆様のほうから御要求があつたから私が申したんで、私が好んで申したわけではございません。今度は総理以上の何かはかに代る者とおつしやれば、ほかに代る者という意味で又誰か選定して参ります。建設大臣に代る者というならば又それもやりますが、あなたがたのほうで総理に代る者として国務大臣を誰かというから、それではと思つて私が小使に代る者として出ましたのです。それでなおほかの言葉を使わなければならんでしようか。そういうおかしな話を言えばとても合点が行きません。
  119. 河井彌八

    委員長河井彌八君) この問題はよしましよう
  120. 吉田法晴

    吉田法晴君 関連して……、先ほどの楠見さんからの御質問に対する答弁の中で、水産庁関係で漁港その他において人を残すというお話でございましたが、同様な関係が道路関係においても起るのではないか。言換えますると具体的には附則の第十四条のうちに三千二百四十六名というものが殖えるように書いてございまするが、そういうのがあるのじやないかということを関連して御質問申上げたいのであります。先ほどからの質問答弁の中で、増田大臣或いはその他から国道も含めて道路法二十四条によつて管理者の許可又は承認を得るという御説明があつたのでありまするが、それは間違いだと思うのです。国道については二十条の二項による以外にないと思うのです。本来二十条は、これは私人或いは私法人、そういうものが管理者道知事の許可又は承認を得て道路に関する工事を執行するという条文だと思うのであります。先ほど問題にいたしました地方費道につきまして、これは地方費道についても国がやるのだ、こういうお話でございましたけれども、開発局ではやらない、地方費道の工事は開発局ではやらないのだという、これはこの席ではございませんけれども、開発庁の岡田次長は答えられておられるようであります。そうしますとこの会合の席上では御答弁と、或いは開発局のその他の意見とは食い違つて参るわけでありますが、そういたしますと依然とし、て地方費道についてはこれは本来道がやるべきものであつて、これは国がやるのはおかしい。従つて地方費道の工事をやる場合に、国が全額補助をするとしても、その人間はこれは道に残さるべきものではないか。漁港関係その他水産関係にもありまするように、たとえ公務員でありましても道に残さるべきものであるのだと考えられます。が、先ほど来から私は法の精神とは違つておると考えるのであります。増田建設大臣なり、或いはその他の説明が妥当であるのか。或いは法制意見局の御意見もこれはまあ長官がおいでにならんで林さんの御答弁を承わつて私どもとしては権威がある答弁だとは思いませんけれども、一応重ねてその点お伺いしてみたいと思います。
  121. 小林與三次

    説明員(小林與三次君) 重ねて地方費道の問題に関連してのお尋ねでございますが、その前に国道も二十四条によつてやるのではないかというふうなことでございましたが、これはそうではございません。これは前にもはつきり申上げたつもりでございますが、国道は二十条の一項によつてやるのでございます。それは二十四条は地方費道以下の道路についての問題でございます。その点は前からそう申上げたつもりでございますが、重ねて申上げて置きます。  それから人の問題につきましてお話があつたのでございますが、これは今まで申上げたことによつて大体盡きておると思うのでありますが、要するに北海道に官吏が道路についてもおつたわけですが、これはどういう仕事をやるために置いておいたかと申しますると、全額国の費用で而も道費に組入れず国費のままで執行する工事をやるための人間として置かれたのでございます。それでありますから、その全額国費のままで行う道路といたしましては、国道、準地方費道も、或いは市町村道もあつたかと思うのでありますが、その道路のために置かれた人間でございます。そこで補助事業なりその他北海道の地方費の負担においてやります道路のための人間とはこれは全然関係のない人間なんでございます。この点は極めて明瞭であります。それでございますから、今度この新らしい法案によりまして開発局において従前通り全額国費のままで執行しておりました工事をやるためには、そのために置かれたすべての官吏をそのまま引継ぐ、こういうことは極めて筋の通つた話でございまして、これについては補助部分についての仕事をやるために置いておいた官吏がありましたら、そうした官吏は残して置かなければなりませんのですが、河川道路等につきましては、そうした官吏がおりませんので、全部引継ぐ、こういうことになつておるのでございます。
  122. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次に若木君に御質疑を願います。
  123. 若木勝藏

    若木勝藏君 私はこの法案の提出にからむ問題について伺いたいと思うのでありますが、先ほど速記をとめてお話したことに関連いたしますからして、私は速記をつけてもいいのでありますけれども、一応この際速記をとめてもらいたいと思います。
  124. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  125. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて下さい。
  126. 若木勝藏

    若木勝藏君 この法案にも示されてあるのですが、総合開発計画というふうなことに対しての考え方でありますが、この総合開発計画というものの考え方に対して、先ほど楠見委員のほう  からもお話があつたようでありますが、私はいろいろな考え方があると思うのであります。それは河川とか、或いは道路とか、或いは資源開発とかというふうなもの、或いは土地改良、これを総合的に開発して行くというふうな意味の総合開発ということにもとられるでありましようし、それから又北海道なら北海道の開発に対しては、国又は公共団体、民間、こういうものが総合的な立場に立つてこの計画を進めて行く、こういうような考え方もあるだろうと思います。それから更に開発というと、すぐ考えられやすいのは資源の開発であるとか、或いは産業方面のことだけを考えられるのでありますけれども、そういう自然の開発と合せて、そうして住民の生活の向上であるとか、或いは厚生方面、文化の向上、こういう方面と総合するというふうな意味の総合計画、開発計画というふうなものがあるだろうと思います。こういう点に対しまして建設大臣はどういうふうに考えられておりますか、それを伺いたいと思います。
  127. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これを申せば大分長くなるわけでございまして、その点はもう時間の関係もございますから御容赦願いたいと思いますが、但しあなたの御説の通り開発は單に土木事業のみならず、民生なり、労働行政なり、教育行政なり、あらゆる関係が相互密接不離の連関関係に置かれておるということは、私は全然御同感でございます。それから開発事業はひとり国が行うのみならず、道府県も行いまするし、市町村も行いまするし、或いは教育者団体も行う、民間人も行う、これも全然同感でございまして、昨日来そのことは連合審査委員会においてもとくと申上げておるところであります。
  128. 若木勝藏

    若木勝藏君 これはこの法案審議するに当つての非常に大事な問題になつて来ると思うのであります。とにかく今北海道立場で考えますというと、国が国費で支弁しておるものは全部引上げるというふうな意味法案であるということになれば、この総合開発計画というふうなものの行き方、計画がいわゆる地方公共団体、国、民間との総合、そういう総合行政という立場から大分私は遠ざかつて来るんじやないかと考えますが、如何ですか。
  129. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) お説は一応御尤もでございます。だから総合という字から遠ざからないために開発庁が置かれたのであります。そこでここに基本方策としてお手許に提出したもののうちにも、例えば電力資源の開発について書いてありまするが、今回の開発局と電力資源の開発とはまるつきり関係がありません。水力は幾らやる、火力は幾らやる、幾春別は別でありますが、火力発電というものは何も関係がない。併しながら私どもは火力発電をこういうふうにしたい、ああいうふうにしたいということは、やはり総合開発計画の中に出ております。そこで今度は開発庁の行う行政、或いは通産省の行う行政、これが現地において行政を行いまするが、その際においても火力発電をこうやつてくれ、こういうことをいたします。それぞれ勧業行政と助長行政という見地から火力をやつて欲しい、こうやります。併し今回設置されんとする開発局の所管事務でも何でもないのです。併しやはり北海道総合開発という見地から、私どもが火力発電計画等を持つのは、火力に限らず、或いは民政、教育、或いは衛生行政、および我々の国民生活、道民生活に関係のあることで開発に関係のないことはないのでありまして、総合開発計画はこれらのものを網羅的に総合的に計画を設定せんとするものでありまして、そのために去年中央に開発庁が作られた次第であります。
  130. 若木勝藏

    若木勝藏君 次に伺いたいのは、開発局というふうなものの性格になつて来るのでありますが、これは一体今度のこの法の改正で非常に重要な部面になつて来ると思うのです。即ち前の開発法で見ますというと。計画はするけれども、実施機関としての意味が殆んどなかつた。然るに開発局を設置いたしまして、これを実施機関とする、そうすると、そこにいるところの者の長なり、或いは職員なんというものの監督をする監督権はどこにあるのですか。
  131. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 今回実施せんとする開発局の職員に対しては誰が監督するか。これは昨日来問題になつたところでありまして、調査事務に関しましては開発庁長官、下官私が監督いたします。土地改良については農林大臣が監督をいたします。国道の建設は建設大臣が監督をいたします。小樽港、函館港の建設については運輸大臣が監督をすることになつております。
  132. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうするというと、調査事務だけが開発庁の長官の監督になるということになれば、結局開発局といううなものが、各省ばらばらの立場で以て監督されるということで、これは総合の意味が薄くなつて来るのではないか。総合の意味が遠ざかつて来るのではないか。おのおの各省で以て監督して行くということになると、開発局の意味がなくなつて来るのではないか。
  133. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) そういう御議論は一応起きます。そこで開発法の第五条に、総合開発計画を第一条、第二条に立てて、その開発計画の実施の推進に当つてというのが開発庁の長官の仕事であります。私は実際行政の執行はいたしませんですけれども、農林大臣さんしつかりやつて下さい、運輸大臣さんしつかりやつて下さいという捻子廻しの仕事はいたすのでありまして、そこであなたのような御質問に対して御懸念が晴れるわけであります。
  134. 若木勝藏

    若木勝藏君 そういうふうになつて参りますというと、むしろこの問題は開発局というふうなものを置くよりも、地方、いわゆる知事に委任事項としてやらせたほうがより効果的になつて来るのではないか、行政上……。
  135. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) どうも若木先生の論理は飛躍しておられまして、私にはどうやつて答弁していいか苦しむ次第でありまするが、開発局設置の必要は、昨日来懇々と申上げたところで御了承を願いたいと存じます。
  136. 若木勝藏

    若木勝藏君 監禁がばらばらになつてしまうということよりも、とにかく知事なら知事に委任しておつた場合においては、総合開発というふうな意味が非常に強くなつて来て円滑に行政が行われて行くのではないか、事業がそういうふうに……、それをどうお考えになるかというのです。飛躍しているでしようか。
  137. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) そこはもう意見の相違でございます。私どもはどうも……、若木さんは道庁長官時代と知事時代とを同じようにこれが赤煉瓦にいるから間違つていらつしやるのではないか。道庁長官というものは御承知の通りに官という字でもおわかりの通り国の機関なんです。今度の道知事は地方自治の事務をやる、而も北海道の地方自治の事務分量は予算面から見ましても僅かに二割なんですから、それがそういう首を通して、そういう隘路を通して国家的事業である北海道の大開発を行わせる、これは行政機構の立てかたとしてもどうかと思うのであります。私どもはそういうことでは、口に北海道の飛躍的開発を説いても観念論に終つてしまうと、こう考えて責任を果す意味からも今度の改正法案を提出した次第であります。
  138. 若木勝藏

    若木勝藏君 この間から私も長官の話を聞いておりますが、今のお話があつたように、国費が八割で道費が二割というふうな、これは一体数字的にそういうふうになるのですか。
  139. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 例えば建設事業で申しますと、北海道の道会を経る北海道知事事務である公共事業費は大体十八、九億であります。二十億まで行きません。然るに国の公共事業は皆さんが国会議員として議決された公共事業は幾らあるか、百億ばかりあるのであります。これで見ても八割二割ということはおわかり下さると思います。
  140. 若木勝藏

    若木勝藏君 私の調査した道庁の予算ではそう簡單には考えられないように思うのでありますけれども、これは調査の行き過ぎになるかも知れませんからして、あなたの調査とは或いは違うかも知れませんが、これはこのま保留しておきます。それ以上には亘りませんけれども……。  次に伺いたいことは、昨日の連合審査会で大分問題になつようでありますが、地方行政調査委員会議の考えが相当この問題については、開発法の改正については重大な立場を持つて来るのではないかと思うのでありますけれども、どうもその点について地方行政調査会議の議長でありますか、神戸さんの考え方と政府の考え方において大分違いがあるのではないかと思うのであります。というのは、この神戸さんの考え方は必ずしも国費支弁というふうな立場にのみとらわれない。だから直轄河川というようなことについても、或る考え方がただ單にそれが国費支弁であるというふうな立場からのみ考えられない。国費支弁の立場にあつても、地方自治体との関係の深いものについては考慮しなければならないのではないか、こういうふうな考え方に私は立つていると思うのでありますが、今度の政府のこの法の改正に当つての考え方は、そういう金の上からのみ考えて行くというふうな考え方が強いのではなかろうか、こういうふうに考えられるが、この点についてどういうふうにお考えになりますか。
  141. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 初じめは我々の法案に対して反対されたかたが、地方行政調査委員会議がたまたま東京都と北海道とがまだ調査できていないというようなことを奇貨とされまして、結論が全然ないのであるということを以て我々を攻撃する武器とされました。若木さんも昨日御出席されておりましたが、神戸さんは御老齢でもあり、お声も小そうでございましたが、むしろ我々の主張以上に強い主張をせられておりました。だから社会党からも強い野次が出たのであります。即ち国の直轄事業は国の行政機関が行うべきであるということを、声は小いそうございましたが、たびたび繰返しされております。そこで社会党から大いに野次が出て、自由党側からはひやひやというようなことであつたことはあなたも見られた通りであります。それで問題は要するに地方費道のことに移りますが、地方費道は全額国庫で北海道はやつております。内地は三分の一国が持つだけであります。北海道においては全額であるそこでそういうようなものは一体どういうふうにするかというと、地方費道はおれがやるのだと若し北海道で主張されますと、こうなるのであります。政府並びに国会に対する勧告の、第七頁の市町村という字は省略しております。府県の責任とされた事務については、これは北海道です、北海道の責任とされた事務については、府県はそれを遂行し、且つみずからの財源によつてこれを賄うことについて全責任を負うべきである。こう書いてあるのであります。即ち三分の一はおろか、全責任を持つて地方費道を北海道の負担においてやれということを勧告してある。こういうようなことまで私は昨日申しませんでしたが、神戸さんの御意見を聞かれれば聞かれるほど、反対のための反対をなさるかたは不利に陥る、こういう状況であることは、あの昨日我々神戸先生の御答弁を拝聴した者としては、一応の結論であるのであります。どうぞこの点若木先生も是非とも御了承を頂きたいと思います。
  142. 若木勝藏

    若木勝藏君 その点について神戸さんの考え方のとり方が、長官と私との間には開きがあると思うのですが、原則としてはそういうふうなことが勧告にあるようでありまするけれども、併し必ずしもそれにとらわれることがなく、地方自治体に関係のあるものは、例えば関係の深いものは、国費支弁であつても、そうこの法案によつて取上ぐべきでないというふうに私はとつたのであります。併しこれはとり方が違うのであれば止むを得ませんが、そういうふうに考えます。
  143. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 神戸先生が費用負担関係等について、国が直轄事業として現にやつておるものは、国でやるのが当り前であるということをしばしば言い、それから皆様からしばしば野次られております。これは明瞭に言つております。国が直轄事業でやる事業は国でやるのが当り前でしよう。これは声は成るほど御老齢でもあり、小そうございましたが、はつきりした言葉を使つてたびたび言明されております。
  144. 若木勝藏

    若木勝藏君 併しこの問題については、直轄河川を例にとられて神戸さんがお話なつたことは長官の頭にはあるだろうと思うのでありますが、どんなものでしようか。
  145. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 直轄河川、道路、港湾、土地改良云々というあの勧告書の文章を捉えて答弁なさつたものと私は承知しております。
  146. 若木勝藏

    若木勝藏君 とにかくそういうことにつきましては、私の聞くところでは、地方行政委員会といたしましても、十分この行政の再配分については、特に北海道については研究して、その後において勧告をする、相当これは研究問題になつているように思うのでありますが、そういうところを勘案して、十分研究してからこの法案というふうなものを提出するのが一応の私は順序でないかと思うのでありますけれども、まあそれについてどうこうということは私はそれ以上申上げません。  それではその次に、今回のこの法案によるというと費用の冗費の増嵩する、殖える、こういうふうな問題について私はこれも先般来繰返されておるところもあるようでありまするけれども、この際明確にしておきたい点がありまするので、お聞きしたいと思うのであります。それは第一に、長官がしばしば言われるのでありまするけれども、まあかまどは二つになるけれども、結局住いが一つなんだから、お互いに融通し合つたら機械器具というような方面についてもやつて行けるのじやないか。だからそれによつて経費が高まるというふうなことがないのじやないか、こういうふうなことがしばしば言われるのでありますが、御承知の通り北海道は事業にとりかかる期間というふうなものについては、冬は殆んどできませんので、今頃から十月頃までの間が私はそういう事業をやるときではないかと思うのであります。そういうときにこの資料によつても示されたように、殆んどその機械器具が国のものを使つておるというふうなことにおかれる状態におきまして、同時に仕事にかかるときに、それを片一方に貸して、片一方は借りて仕事をする、そういうことは一体できるかどうか、実際においてですね。これを考えて見たときにそういうことは実際の上に立つて、一体長官は事実調査の上に立つて考えられたのか、或いはそういうことがあり得るのでないか、こういう予想の下にこういうふうなことを言われたのじやないかと思うのでありますが、その点綿密なる調査の上に立つてのお説でありますか。
  147. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) かまどが二つとおつしやいましたが、今回二つになるわけじやありませんで、初めから二つなんです。要するに知事が世話をやくのを、やくかやかんかというだけで、国の機関が現在やつておるので、国の機関、総理府所管の私の部下がやつておるのですから、その点はどうぞ……、大体この議論をされる前に北海道ではまるで国の機関がいないよう前提で、お考えのかたもあるようでありますが、現にやつておる。現に四千何百人でやつておる。而してこれは地方公務員とはかまどが違うのであります。この点はどうぞ御了解願いたいのであります。それから損が行くか、得が行くか。私は事務的な、機械的な関係だけからのみの議論が、堂々たる国策を論ずべき国会において展開されておるのに過ぎないのは実は非常に遺憾であります。むしろ北海道は繩張りだとか、そんなことは争わずに、いやでしたら、つまり地方の負担に堪えないと思つたならば、できるだけここも全額国庫負担でやれ、あすこも全額国庫負担でやれ、そのやり得る端緒ができたのです、去年……。ですから去年は開発庁ができたのが四十億に過ぎなかつたのが、今はまあ一割に殖えればよろしいのであります。公共事業費が一割殖えたのですから……。ところが八割も殖えた。八〇%も殖えた。我々は国力を挙げて北海道の開発に力を入れようとする。ところがこれはおれの繩張りだということになると、の開発計画にもありますように、北海道地方費、北海道費でやれということになると、北海道諸君の担税力というものは、田中知事の言われるように貧弱なものでありまして、こういう形でやりたいということで、自分の繩張りだ、これはおれの繩張りだというのみでそれに力を入れない。よく権限の争議はしますが、これは権限だけを取つて来て、何ら権限の実行はしないのが官僚の通癖だと言われまして、よく我我官僚の時代に内省しなければならんと相戒め合つたものでございます。これはおれの領分だ、そうして而も何ら仕事をしないということと、北海道の民政なり衛生行政なり、或いは土木行政の一切を挙げて、この総合開発計画遂行に飛躍的端緒を作るということが、どつちが有利だろうか。これは来年度恐らく五十億くらい殖えます。それが五千万円損するかも知れない、六千万円損するかも知れない、だからおれの繩張りを取つておけ、こんなようなことこそ私は本当に田中君のために惜しむのであります。自分が委任された権限を本当に取られることは困ると、そんなようなことばかり言つておりますが、これを契機として恐らく又数十億殖えます。どうか若木さんも北海道の発展については極めて御熱心でありますから、国策的の見地に立つて、これは成るほどよろしい案だということは、これは常識的に考えますと直ちに肯定できる案でございますから、是非とも御賛同を賜わることをひとえにお願いいたします。
  148. 若木勝藏

    若木勝藏君 御趣旨の点はよくわかりました。御趣旨はこういうふうな形にすると金が殖えるのではないか、そうしたら北海道のためになるじやないかというところにあるようでありますが、私はそういうことを聞いておるのじやない。金が殖えることに対してはこれは何人も道民である以上は、もとより望むところでありまするが、より以上に大事なところは総合開発計画というふうなものの行政の遂行上、これが円滑に行くか、それから総合開発計画というふうなものの本質がそれによつて遂行されるか、ここに私はあるのだと思う。金なんて問題はその点が解決つけば自然にくついて来るところの問題でないか、こう思うのであります。そこはあなたと私とは見解が違うかも知れません。どうでしよう
  149. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私とは大分見解が違います。私は総合開発計画というものは、一つの役所で、総理府所管の開発庁で作る必要がある。但し開発計画を一元的に農林省も排除する、建設省も排除する、おれが一人でやるのだ……戰時中よく一元的というような言葉がはやりましたが、私は一元的と申しますと、一人がすべてをやるということはとてもできるものじやない。一元的という言葉は立派であるが、一人が何でもやるということは、一人が何でもかんでもやれつこないのです。分業によつてつてこそ、能率が上るので、あの開発計画の一端をそれぞれの一部分々心々の職域によつてそれぞれ能率を発揮してもらうことによつて北海道の総合開発計画の実は挙るのであつて、一人が何でもかんでもやるという一元的方法によつてやるのでは、能率は低下するのみだと私は考えております、
  150. 若木勝藏

    若木勝藏君 余り議論に亘ることは避けようと思うのでありますが、私は一人がこういうことをやるというふうな考え方よりも、住民と行政部門とのいわゆる総合、こういうふうな面が非常に大事なものではないかと解釈するのです。金が殖えるとか何とかいうことよりも、より以上に住民と協力をした上で開発して行くというふりな面が非常に大事なものではないか、こういうふうに考えるので、いろいろ先ほどから御質問申上げたわけであります。それで更にこの問題につきましてちよつと本論を、聞こうとするところを外れたようでありますから、この経費問題についてもう少しそこのところを伺いたいと思うのであります。長官はどうしても経費は殖えることがないという立場に立つておられるようでありまするが、それらについて私どもの調査した資料に基きますというと、こういうふうな政府のほうから出された資料があります。開発局の事業別定員及び現在の国費職員の現状、これによりまするというといろいろここに現在と、それから改正後におけるところの開発局、道、これの定員の分割の表が明瞭に出ておるのでありまするが、これは一体何に基いてこういうふうな分割をやられたか、そうしてこれによつて果して道のほうの開発ができて行くかどうか、道の行政面が円滑に行くかどうかということについて資料に基いて御答弁を願いたいと思います。これは開発庁の岡田次長さんでよろしゆうございます。
  151. 岡田包義

    政府委員(岡田包義君) お答え申上げます。これはお手許に若木さんの所へ私のほうの開発庁から出しました法律案参考というのがございますね、その最後のほうにございます。ちよつとおあけ願いとうございます。二十頁、二十一頁、ここに左のほうに予算が分けてあります。開発局扱い分、それから補助費分と分けてあります。それで開発局の扱いますのは、この直轄事業のみであります。それからこの補助費は、従来通り道費に入れるべきものであります。それで直轄事業の開発扱い分に右の二十頁に書いてあります人員はくついておるのであります。それから地方技官といつて七百九十六名書いておりますね、これは補助費をやるために国の官吏の七百九十六名がくつつくように予算で仕組んであるのであります。つまり現状の予算通りを執行するわけであります。
  152. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうしますというと、これは直轄事業に関する政令かなんかによつて分割されるのですか。
  153. 岡田包義

    政府委員(岡田包義君) これは皆さんの国会でおきめ頂きました予算でありますね、予算そのままの分け方でございます。
  154. 若木勝藏

    若木勝藏君 その予算の分け方をどこでどういうふうにしてやられたかということなんです。
  155. 岡田包義

    政府委員(岡田包義君) この皆さん御決定頂きました予算は、直轄事業の開発局扱い分としてありますのが、この数字になつておるわけであります。それから道へ行く補助金がこの数字になつておるわけであります。それでおのおのこれに関連いたしました官吏が、その二十頁に書いておる管理庁官更になるわけでありまして、これは合計して四千八十七となつております。これを内訳すると、直轄と補助に分けますると、三十二百と、八百近くということに予算の御決議の通りに当然なるのであります。
  156. 若木勝藏

    若木勝藏君 それでは更にこの問題についてお伺いしたいと思うのでありますが、先般の私いろいろ連合審査あたりにおけるところの質疑から問題を拾つて考えて見ますと、この増田建設大臣は今も私がお話したように建物とか、機械器具、これは従来通り使用を認めるから経費はかかる、又地方自治の自治庁の小野次官は経費がかからんことを期待するというふうに言われておるのであります。北海道は定員を増加しなければならないと言つておるし、又機械器具等についても同様である、こう北海道側は言つておるのであります。この点については食い違いがある。又今のこの資料に基いて考えて見ましても、北海道側から出ておるところの資料からも、十四億というふうなものが増嵩するというようなことを詳細な調査によつて出しておるのであります。この調査正の結果、事実において経費がかかるものとすれば、この財源を附興しなければならないと思うのでありまするけれども、この点については小野政務次官がお見えになつておるから、この点を付いたいと思います。
  157. 小野哲

    政府委員(小野哲君) 私からお答えいたします。昨日も地方財政委員会に木村委員出席されまして、今の御質問と同じ御質問かあつたように拝聴いたしておりますが、これにつきましては地方財政委員会としては、まだ十分に確認しておる段階には至つておらんというようなことをお答えいたしておりますので、この程度で御了承願いたいと思います。
  158. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうするとあなたのお答えになつておるところの経費がかからんことを期待する、かからないということははつきりつておいでにならないようでありますが、若しかかつた場合においては何らかの方法によつてこれは附興することのお考えがあるかどうか、この点について……。
  159. 小野哲

    政府委員(小野哲君) 重ねてお答え申上げます。昨日木村委員にまだ確認をするような段階になつていないということを申上げておりまするので、この点につきましては将来の問題でございまするので、只今ここで明確にお答えすることは差控えたいと存じます。
  160. 若木勝藏

    若木勝藏君 それでは次の問題について考えたいと思います。先ほども問題になりましたが、道路についての問題なんです。これは先般も私はこの連合審査会において、三輪委員質問関連いたしまして、質問をいたしましたし、又ここにおられるところの吉田委員からの質問もあつたのでございまするが、どうしても私にはこの点について腑に落ちない点があるのであります。それは地方費道以下の問題であるのであります、あの道路法二十四条の解釈は「管理者二非サル者」というふうなものを、どういうふうに解釈しておられるか、この点を一つ伺いたいと思うのであります。
  161. 小林與三次

    説明員(小林與三次君) これは管理者は、道路法上知事とか、市町村長とかきまつております。そのきまつております知事、市町村長以外のものは誰でも管理者にあらざるものであります。
  162. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうすると、その項は管理者以外のものとして国も含まれるということになつて来るのでしようか。
  163. 小林與三次

    説明員(小林與三次君) その通りでございます。
  164. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうしますというと、第二十四条というのは許可又は承認というふうな場合を考えて見まするというと、国が知事の許可乃至承認を受けるということになるのですか。
  165. 小林與三次

    説明員(小林與三次君) 主務大臣がやる場合においては承認を受けるということになります。まあ許可というのは普通知事がやる場合で、国の場合は承認ということになります。
  166. 若木勝藏

    若木勝藏君 余り今のところよく聞きとれなかつたのですが、主務大臣の場合においては承認というふうなことになるということですね。
  167. 小林與三次

    説明員(小林與三次君) その通りでございます。
  168. 若木勝藏

    若木勝藏君 あと時間が余りありませんから簡単にお聞きしたいと思いますが、先ほども建設大臣からお話がありまして、知事が承認しない場合においては、北海道のいわゆる地方費道は予算が不執行になる、こういうふうなことを言われておるのであるが、不執行になつた場合吉の責任は一体私は政府にある、こういうふうに考えるのですが、如何でしようか。
  169. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これは内地においてもあるのでありますが、そこで府県においていやだという場合には不執行になつてもいたし方がないのであります。私のほうでいやだと言つておるのではないのですから……。
  170. 若木勝藏

    若木勝藏君 長官はよく責任の所在についていろいろお話がありますが、国会で以て議決したものに対する責任ということをよく言われるのでありますが、この国会で議決したところの予算を執行し得なかつたということになつたら、政府は無力だということになりはせんか。
  171. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 今まで二十四条でいやだと言つた人はないそうです。但し府県負担なんかの道路なんかで、府県も負担せねばならん、国でこれをやれといつても地方負担ではできないからお返ししますと言つて、例えば、栃木県で返したから、群馬県に廻すというようなこはちよちよいございますが、そうかといつて私どもはそこまで責任論といいますか、向うがいやだというものを、そのいやだという場合には不執行になつてもいたし方ないということは心の広い皆さんがたの承知しておられることであると私は解釈しております。
  172. 若木勝藏

    若木勝藏君 今回のように突如として、こういう法案を提出するということになれば、いわゆる北海道におけるところの道知事とその間においては相当協議するというか、了解を求めるということをしなければならないのじやないかと、こう思うのですが、如何ですか。
  173. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これは先ほど協議のことを申上げましたが、只今でもこの二十四条でやつております。今でも知事は地方自治団体の知事という立場から、国の事務を委任されたという立場で協議しておるのであります。今までいやだと思つても、たとえ道民のためになろうともおれは癪にさわるからいやだということは私はないという確信を持つております。
  174. 若木勝藏

    若木勝藏君 この問題はそう簡単な問題ではないと思います。実際において自治体として、そこへ道路を新設してもらうと困る、そういうふうなことを考えておるときに国家で以てそれを無理にやるというふうな場合は、私はあり得ると思う。或いはこれははつきり言つたら軍事的な立場というようなことが従来言われておつたのでありますけれども、そういうことが、今後においてもあり得ると思う。非常にこの問題は私は大事な問題だと思うのでありますが、長官はどう考えますか。
  175. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 将来、イデオロギーの非常に違つた共産党の知事が出たというような場合が恐らくあり得ると思います。私も同感です。(笑声)
  176. 若木勝藏

    若木勝藏君 私残つた時間を保留しておきます。
  177. 河井彌八

    委員長河井彌八君) よろしうございますか。それではこれまで質疑通告のありました委員諸君に順次質疑願つておりましたが、まだ残つておるのですが、併しここに人事委員長木下君がお見えになりましたから、木下君の質疑を願いたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕    〔梅津錦一発言の許可を求む〕
  178. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 梅津君、何ですか。
  179. 梅津錦一

    梅津錦一君 議事進行についてです。人事委員長発言時間のために、私の発言時間がなくなるといけないから念のために申上げておきます。
  180. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 梅津君に申上げますが、あなたの時間は取つてあります。これは前に御発言なつた分はそれだけ抜きますが……。
  181. 梅津錦一

    梅津錦一君 それは抜いて結構です。
  182. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは木下人事委員長に念のために申上げておきますが、初めからあなたに申しておいた通り、十五分の範囲でどうぞ。
  183. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) これは発言の中に入らないでしよう質問ですから……。官房長官はお見えになりましたか。
  184. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 通告してありますが……いやさつき来ておつたのです。呼びます。
  185. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 私は余り角ばつて時間で喧嘩してどうこういうのではなく、実質的のことを言いますから……。
  186. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 喧嘩ではありません。どうぞ。
  187. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 二十六年度予算を提案し国会でこれがきまるときに、このようなことをあなたは予想しておられたかどうか。
  188. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 我々は予想いたしておりました。
  189. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) そうしますと、その当時そのことを国会に何かおつしやつたことが、どんな形でもいいからあつたのですか。
  190. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 国会では申したことはありませんが、北海道開発審議会いてはしばしば問題になつておりました。それから北海道選出の国会議員と私どもがこのことについて研究し合つたことはしばしばある次第であります
  191. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) おつしやるように、審議会がおあなたの諮問機関でどうということでなく、国会に対してのことをお聞きしておるのです。
  192. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 我々は行政機構をかくかくのごとく改正するであろうというようなことは、閣議決定を経ない以上は余り申せません。但しそういう議があることは、木下さんもよく御存じの通り前々からあつたのであります。
  193. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 御存じないあるにかかわらず、こういうことなんです。皆さんのお話を聞いておつて、こういうことになりはしないか、この予算の執行の上においてあなたは責任を負われておる。そうして又国会の諸氏も現在のよう機構でやられるならやるということの上に立つて、協賛を與えられておると思う。そういう点が重大じやないかと思うが、あなたはどう考えるか。
  194. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これは全然こうやるつもりというのは、閣議決定してからでございます。あなたがざつくばらんに聞くからお答えするのでありますが、こういうことはかねて考えております。未熟ではございますが。そういう意味においてお答え申上げる次第であります。
  195. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) これは長官も言われるように、北海道のためにおやりになるというのは間違いありませんか。
  196. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 大いに北海道のためになるつもりでやつております。
  197. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 北海道のために開発をしようというなら、もう少しほかの法律を作るということがいいのではないか、そういう点についてはお考えになりませんか。
  198. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) ほかの法律とおつしやつても、もつと具体的におつしやいませんと、私も困ります。
  199. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 具体的にはこれは一口でいえば、あなたもわかつておる通り北海道開発じやありません、従来作つたのは……。本当の北海道開発法というものにはなつておらないと思う。それなればこそ私どもは北海道開発の基礎法というものを欲しい。これは我が北海道のためにおやりになるならばそうでなければならんと思うのです。このような機関設置法で開発基礎法に間に合せられると考えておられるかどうか、こういうことなんです。
  200. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私は今回の改正法案を含めた全体としての北海道開発法について申上げます。この開発法というものは、北海道のために大いになる、かねてから我々の念願の一部を果したものと思つております。併しながらこれを以て全部とは考えておりません。併しながら一部を果したというのは、去年の国会においてもこの法案を提出したときに申上げましたが、皆さまのほうから却つてTVAを作れ、執行するまではTVAを作れという議がありましたときに、政府部内の意見がまだ遺憾ながらそこまではいつておりませんから、取りあえずかかる法案を提案いたした次第であります。こういうふうに私はお答えをいたしております。
  201. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 私どもの望むところはですね、長官がいろいろ言われておるのだが、北海道に対するお言葉は、大体北海道に恩恵的にやつてやるのだというような感じが強いのです、受けている感じが……。そうではなく北海道は当然の権利として、国は又当然の義務として支出をし又仕事をするという態勢が樹立されなければならん、こういうふうに考えるのですが、そういう点についてお考えを承わりたい。
  202. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 全然木下さんと同感でございます。であるからこそ、つまり国が御厄介になるほうが多いのです、北海道には……。例えば移植民をするというようなことを北源道民の負担によつてつたのでは誠に申訳ないのです。移植民をするということは、内地の諸県民が助かることですから、そこで国の行政としてやる。又道路にしても何にしても、北海道に現住する道民だけのためならもつと狭い道路でいいと思う。併し北海道を大大的に開発して、あに四百二十万道民のためのみならず、八千万国民のためにしようというのである。そういう点から見て国の費用でやるということであつて、道民に恩に着せようというようなことは、私ども北海道を愛する、あなたもそうでありますが、共通の立場から見て、絶対にそういうことは考えておりません。
  203. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 私は非常に要望しておるわけですが、長官は今日まで入れている金並びに今又入れられんとする金も、国のつまりためであつて北海道につまり恩恵的にやるのではない。却つて国のほうが感謝をする、こういう言葉を聞いて私は非常に意を強うする。そうして又そうでなければならない。そういう前提に基きまして、私はなぜこの開発法というものを、本当のものをお作りを願えなかつたかということを重ねてお聞きするのであります。そういう又御準備がないのかあるのか、こういうことについてお聞きしたいと思います。
  204. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 木下さんの、北海道開発法の本当の、本物の開発法を作れ、こういう御質疑は恐らく北海道開発に関するTVAでも作れというような御趣旨ように私は考えまするが、間違つたら御訂正を願いたいのですが、そういう御質問なり御要望は去年もございました。そういう実は御要望や御質問は我々のこの線に実は浴うたものなので、社会党の木下さんが、国家的の事務は国家的の機関を通してやろうということを主義主張とする社会党としては、これは当然な御議論である、こう思つております。そこでその線に沿うて幾分でも進歩したものである、但し我々の理想からはまだ相当逕庭がございます。そこでお説のような線に向つて我々各省事務当局並びに各閣僚なり政府との間において検討をして、でき得る限りそういう線に向つて努力を続けて参りたいと、こう思つております、
  205. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 北海道への金の入れ方が、これも印象を受けているのですが、内地のほうの金を北海道のほうに注ぎ込んでいるのだから有難く思わなければならんというふうに大体聞えるのですが、実は北海道拓植計画時代から多額の金を使つているが、これは全部北海道から国に納めた金で作つていることは御承知でありましようか、その通りでございましようか。
  206. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) お答え申上げます。拓植計画に先行する閣議決定がございまして、北海道の歳入から北海道の拓植費以外の歳出を引いた残額を拓植費とせよ、こういう閣議決定がございます。これに基いて第一期、第二期拓植計画を作つたわけでございます。即ち北海道の入りで北海道の出を賄うようにしろ、それ以上のものを使いたいところでございますが、そういう閣議決定がございますもので、従来どうなつているかと申しますと、只今は拓植関係におきましては百億でございまするが、その他平衡交付金だとか、各種補助金だとかいろいろなものを加えますと、北海道から国へ入る歳入と北海道へ出て行く国費関係の拓植費及び各種の国家的の関係の歳出とプラスマイナスをいたして零になるようにしろというのが閣議決定でございます、木下さん御存じの通り……。ところが五十五億だか国家は余計北海道に出しておりますが、これは木下さんの口吻を借りるまでもなく当然のことでありますが、どうぞそういう状況になつておりますから御了承願います。
  207. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) それはいつの年度ですか。
  208. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 今年度でございます。
  209. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 私は二十四年度の統計によつて北海道から吸上げたものでは百九十五億の吸上げ過剰になつておりますが、この点お調べになりませんか。
  210. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これは去年はとにかく公共事業費の全体の九%になつております。今年は飛躍的に一四%に達したのでありまして、即ち去年までのことは私はまだ調べておりませんですが、去年も百九十二億の引揚げ超過であるということは、去年の予算面その他から見ましてすぐ合点するわけに行きません。本年度の私どもの調べたところによりますと百五十五億向うへ余計やつております。引揚超過にあらずして歳出超過であります。
  211. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) その引揚げるものは何々を見ておられますか。
  212. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 御説明申上げます。大体閣議決定の線で、北海道の歳入から北海道の拓植費以外の歳出を除いた残額は二百億になります。これを拓植に出すというわけになります。そのうち純粋の意味の拓植費は百億でございます。それから各種の補助金等が行つておりまするが、そういう関係が百億であります。平衡交付金が五十億でありまして、大体二百億、ここでは五十億と書いてありまするが、五十五億というふうに私は、先ほどの計算ではそれだけが歳出を北海道のほうに余計出しております。それから北海道諸君はよく口を開けば搾取的植民政策をやつているというようなことを一概に申しますが、そういうようなことがあつてはけしからんという立場で私もいつも臨んでおります。例えば会社等が本店が東京にあつてそうして向うが営業所であつて、不正の所得をしているというような現象が加わらないように、私は開発庁長官としても又北海道の道民諸君の福祉の増進という立場については、将来とも懸命の努力を継続的に捧げたい、こう思つております。そういう立場からしても気を付けたいと思つておりますが、北海道に対して搾取的植民地政策を行なつておるという、あの観念的の言葉は当らないようであります。
  213. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) そうでありますから私は明確にしたいと思います。二百億の歳入は一体どういう費目であるか。
  214. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これは後刻調べてお答えいたします。
  215. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) これは非常に困るので、私どもの計算としては国税ですね、それから官業收入、或いは印紙收入、そういうもの一切を含めたことをただどこの数字である、私どもはそういう漫然としたことで五十五億やつておるというようなことでは、北海道のまあ一口でいえば沽券にかかわるからそれを究明したいと思います。それではその点は一応調べて適当な機会に御発表願いたい。若しそうでなかつたならば北海道の名誉のために御説明を願いたいと思います。今回この会期の終るとき、突如としてこれをお出しになつたということについては、私は単なるあなたの提案理由ばかりでなく、何らかの一つこれは大きな意味があるのではないか、こういうように考えておりますが、この点はどうでしようか。
  216. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私の提案理由通りでございます。
  217. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 表面上はそうだということになりましようが、実は随分無理な行き方だろうということは、まあこれは大体審議しておるかたがたでもよくおわかりになると思う。これはやはり強行されるということについては、やはりそれだけの理由はある。やはりこれは声明と関連して衆議院の椎熊君の演説の中に、北から攻めて来ておるじやないか、機雷が何しておる、二個師団来ておるじやないか、こういう言葉を聞いて感じたのですが、何かこの非常時局になるというような、そういう客観的情勢に促されて、これは急にやらなければならんというようなことを考えておるじやないか、そういう情勢だつたならば、これは端的に一つ北海道のためにお知らせ願いたい、こういう意味であります。
  218. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私も虚心坦懐、端的に申上げますが、そういうことは絶対にございません。先ほどの御質問にもございましたが、地方と非常に連絡の深いものは、地方自治事務の担当者にやらしたほうがよろしいというようなことをおつしやいましたが、これは私どもは反対であります。そういうのは開発局の所管する事務は、北海道はまるで画期的な大規模なものなんです。例えば幾春別のダムの建設のごときは高さが百メートル、このダムの方法が間違つたならば、これは何千人も一緒に死んでしまうから大変なことになります。そこで例えば農林省関係から申しても、昨日溝口さんが言われましたように、北海道の土地改良の規模は非常に大きいから、立派な技術官を札幌に常駐せしめたいということを非常に自分は焦慮したということすら言つておられます。私は自治事務に関係が深いからと言つて、例えば先だつて福岡県知事の社会党の杉本知事さんにも話したのです。関門トンネルというものよりももつと大きい事業をやるのだ。ところが関門トンネルの開鑿を自治事務に関務が深いからといつて福岡県知事さんの所に任したらどうしますかと言つたら、私は手を上げてしまいます。そんなことなんですか。それとも知らずに私は決議をやつてしまいました。そういうことをやつて管理者を福岡県知事に任してあの海峡の半分のものはやり、半分の海底は山口県だけにやらせる、こういうわけでありまして、そういう方法で一切やろうというのは一元論であります。一元的にやれば成るほど職権は殖えたかもしれません。併し実行できなかつたならば公共の福祉とあべこべなんでありまして、北海道諸君の福祉を思う私といたしましては、もう良心から考えて今年のようにこんなに予算を使うときは、どうしたつて立派な技術陣を充実整備しなければならない、北海道だけで育つた技術陣だけではすでに木下さん御承知の通り大体内地とは余り交流はございません。あれだけでは私どもは不安でございます。北海道諸君の福祉を増進する見地から、安寧を維持する、水が流れて人が死ぬ、ダムが壊れて人が死ぬ、そういう安寧の維持、そういう災害防除の、そういう意味の安寧維持という見地から見ても私ども不安でございます。今回出した提案というものは決して無理のない、神戸さんもおつしやいましたが、国の直轄事業としてやるような大規模なものは国がやるのが当然であるということのあの言葉通り確信しております。何らほかの条件は全然ないということをはつきり申して置きます。
  219. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) その点についてはつきり私の本会議質問に対する答弁でも、あなたは調査会議の勧告を検討をしてこうだということを言われたのでありますが、今度の調査会議の事務配分の性格というものは、団体委任事務というものは、ことごとく公共団体の固有の事務化するということが本当だと思つておる。私が申上げるまでもなくわかつておると思う。団体の固有事務化するものである。そういう方向で進んでおつて従つてそれが国政の総合性と統一性から行政の能率が上がる、これが私は事務再配分の基本的な性格だと考えているのでありますが、その点はどういうふうにお考えになつておりますか。
  220. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 例えば私の村は三千五百人の所ですが、私の村に国道が通つております。そこで私の村の村民の自治生活と非常に関係が深い。そこで国道、県道を村長にやれといつたつてとてもできない。それぞれの職域に従つて能率なり技術なりを発揮できるようにするというのが行政能率の増進の意味であつて、この調査会議の勧告もそういう線に沿つて書いてございます。
  221. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) この点は増田さんの主観と、私の客観的に見るものとは違うからこれは論議はやめて置きましよう。併しながらあなたのおつしやる中にでも成るほど今の高度な技術、いろいろそういうものはそれは特殊なものだと思いまして、その点は私はあなたのおつしやるもので何ら反対するものはない。是非そういうものはやはりそうしてやるべきものだと考えております。ところが今度の場合はそうではない。直轄事業というものに、予算的の措置によつてのものはこうするのだと、こういうことにみんな引つくるめてしまつて、そういう点に今度のこんがらかつておるところがあると思うのであります。その点はどうですか。
  222. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私はちつともこんがらがらないと思うのであります。それは今私の村は内地の村ですが、北海道の村は今度はもつと貧弱になると思うのですから、而も内地の職権には御厄介になるのでありますけれども、それをみずからやれといつたつて無理な話です。規模から申しましても大きな規模の公共事業等は国がやる。これは北海道は内地に比べて規模が小さいのにやるのではないかという御説もございますが、これは木下さんのよく御承知の通り北海道の道民諸君の担税力から見て、やはり内地並みの大きな事業でありますから、北海道というものは大体国がやるのはけしからんとあなたがおつしやりましたが、あなたがおつしやるそういう見地から見れば、北海道諸君の担税力から見れば、あれは国でやるべき大事業なんです。私はそういう北海道民の幸福を大いに増進をする必要があると確信しておるのでありますが、必ず木下さんも北海道民の福祉のことは非常に御心配なんですから、ですから心の中では全然御賛成であることとは信じまするが、如何でしようか。
  223. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) お尋ねだから何ですが、八十年国から金を出してやつてもらつても相変わらず貧乏人が殖えるばかりですから、あなたのおつしやるようなことは私は考えておりません。経済力と物を持つた者がみんなふくらまつて、そこにいる住民というものはひからびてしまうということはあなただつてよくわかると思います。併しここでは議論するひまはないからやめましよう。金は今度はかかる、かからんの問答は大分あつたようであります。ところがかかるということは私が今、言わなくてもこれは長官自身の品からそれはかかると言つておるのであります。どういうことかといえば、までただ使つておつた。ないことをもう承認しておるでしよう。ないからこれは金がかかる。なければ仕事ができない。これはもうあなた自身が金のかかることを承認しておる、無償で貸すとか譲渡するということは、これは別問題であると思う。金のかかる一ということだけはこれは否めない事実です。その点はどうでしようか。
  224. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 今までただ使つておつたということは我々は使つたかどうか存じませんが、我々が会計法上その他から見て面白くないことを前提として、そうしてそれが当然なんだ、合法なんだ、だから余計かかるからけしからんということを言われても困るのであります。ただ併し従来やつておつたよりなことは会計検査院その他から批難がございましようとも、今度は所要の手続をとつて合法的な立場で従来の権利、義務関係や、或いは経済関係を変更しないようにする、変更しないようにするのですから、金がかかるわけはないじやございませんでしようか。
  225. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 変更しなくても、ないということだけは承認するでしよう、どうでしよう。それは御承認になるでしよう
  226. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私はどこまでも無償で、例えば建物だつて全然ないのです。
  227. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) そういうことでない。ないということは御承認になるでしようということを尋ねる。
  228. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 全然ないとは思つておりません。道で買つた機械が相当あります。
  229. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) あなたが貸してやらなければ仕事ができないということをおつしやつております。貸してやろうという、だからして仕事をやるに間に合うだけのものはないということだけは御承認なさるでしよう
  230. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) そこは又その知事さんと相談して、知事さんが貸してくれと言えば……。
  231. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 貸す貸さんということじやない。
  232. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 貸してくれと言われればやりますが……。
  233. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) なかなか増田さんはうまいからはつきり……私は分じやない、秒を数えて言つておるのです。本当にはつきりしたことを言つて下さい。私は一秒でも惜しいわけなんです。
  234. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) ないとは申しませんが、少いことは認めます。そこで私どもはただ貸せる……。
  235. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) ただ貸せることはそれは別の問題です。それは有難い、涙がこぼれるほど有難いがそれは別問題で、ないということだけは御承認になるというのでしよう
  236. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) ないという上にすぐという字がつく、少いとは思います。ないとは思いません。
  237. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 少い、補助事業でも道でやるのには困るということだけは御承認になるでしよう
  238. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 比較的少い部門がございましよう。併し相当買つてございましよう。それからこれから今自治事務としての公共事業を先ほど楠見さんにお答えしましたが、国の事業としての公共事業もうんと殖やす、公共事業をうんと殖やすという中には必ず機械費が入つておる、機械費はやつぱり従来あるものだけを使つて行こうという消極的の態度でなしに、今年も一億何千万円も買いますから、これを買つて若し道になければ貸してやつてもよろしい、とにかく皆さんが北海道のためにどんどん機械を買つて欲しいと思います。
  239. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 私は機械でやらなければいかんということは審議会で言うて、今年は三倍にしてもらつたので有難く思つておる。けれども私はその問題をそういうつまり一般的な常識じやなく本当に道には機械が足りないし、困るということだけは、あなた御承認になつたのだから、私はこの点はやめます。そこで総合開発ということをどういうことに御理解になつておるか、昨日あたりあいまいだつたがざつくばらんのあなたの頭のいいところでぱつと言つて下さい。
  240. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) どうもまるでこれは大学の教授の講義の注文というようなことになつて非常に、私はそういう能力は余りございませんが、開発法に書いてございます通り、農業、工業或いはもう一つの鉱業或いは水産業、あらゆる部門について相互の連絡のとれた調和ある一体の関係において大開発を行うというのが総合開発だと思つております。
  241. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) そういうような有機的なものだけを集めただけで調和はとれないと思うやはりそこには人間の精神的なものも必要である。そうでなければこれは総合でないあなたは北海道長官時代に出した寄せ集めだと言われておつたが、それはあなたのおつしやる通り寄せ集めだと思う。やはりそういうものを集めて、それは従来のような寄せ集めよりももつと高度なものにはね上げるというところに総合の意味があり、そのためにはいわゆる住民の人の和がなければならないということに帰着するのじやないか、その点はどうですか。
  242. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私はこの部門々々について申上げましたが、行政機関についても総合ということはあると思います。一元と総合とはこれは多元という言葉のほうが本当は一元の対象的の言葉でしようが、やつぱり行政機関についても総合ということはあると思います。農林省も、建設省も、運輸省も或いは北海道庁も、北海道にある陸運局も、或いは国有鉄道監理局も、或いは営林局も総合一体の関係において働くということがやつぱり北海道の飛躍的開発を図るゆえんである、こう考えております。どこまでも私は道知事が一元的に所管せにやならんということは合点が行かないのであります。一人で全部やらなければならん、成るほど権限を持つたかも知れないけれども、とても一人の人間の事務能力とかそういうものは心理学的に見ましても限定されております。無理なことなんです。おれが何でもかんでもやるのだといつて権力だけはとるけれども、実行ができない。そういういろいろな点が多々あるからこそそれを今度改革せんとするわけであります。
  243. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 田中知事の供述を聞いておりますと、この点が非常に食い違つておるのです。一方のほうでは自分の立場を考えるので、そうであるから知事もそうであろう、そうではない。北海道知事の言つておることは、そんなことはない。北海道知事の非常に力説しておることは、民主的にやるんだというところに基礎があるのです。尤も知事、個人田中の手腕力量というものを自分で過大に評価しておるのではない、民主的にやるんだ、その点がいわゆるこの官治方式といわゆる民主的なつまり自治方式とは非常に離れておるのではないか、こういう思想、考え方が一貫して、金があるのだから、これはおれの金だから、おれがやるんだ、おれがこれでたくさん入れてやるんだからお前たちは喜べ。これは併しながら私はそういう一貫しておる考え方と我々の考え方とはこれは非常に懸隔があるので、これを究明するには具、体的な事実、この事実においてこういうように能率が上らない、或いはこういうことをやつてつたのでは総合開発の実が上らんということを証明できるんだけれども、今はもう時間がありませんので、この程度で私はやめておきますが、私どもの何かすれば個人の力を過大に評価したり、そういう意味ではないということだけは増田長官、この機会においてあなたも一つ御反省を願つておきたい。
  244. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私は木下さんが、北海道の田中参考人が民主的という言葉を使つたから田中君のやることが直ちに民主的とは思つておりません。新憲法下におきましてはこの政府の吏僚も民主的の公僕であると思つております。大体政府自身が民主的政府だから、民主的の国会によつて選出された総理大臣の下において形成いたしておる政府は民主的政府であります。このとき新憲法が置かれた後においても、まだ官僚政治だとかというようなことを言つておりまするのはどうかと思う。そうしますると、皆さんが官僚政治を監督する国家の最高機関である、というようなことになつておかしなことになると私は思うのです。
  245. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 委員長からだんだん時間のことを言われておりますから、非常に簡単にわかるようにお尋ねするのですが、今度定員の移し替えをする、その場合の実際的にはどういうふうに切替えられるのですか、任免するか、或いは又政令でどういうようにするとか、法律でどういうようにするとか、そういう点を一つ具体的に……。
  246. 岡田包義

    政府委員(岡田包義君) 自治法の政令を変えまして三千二百四十六名を減員するわけであります。それから別個に開発局に三千二百四十六名が新設という形になるわけです。
  247. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 形のことは御説明にならんでも書いてあるからわかるのです。実際にはどういうようにおやりになるか、例えば地方自治法施行令の七十一条ですか、あの人々の進退については知事と相談するということが書いてあるのだ、そういう点は一体どうなるのだ、実際問題を聞いておるのだから……。
  248. 岡田包義

    政府委員(岡田包義君) 地方技官、地方事務官のほうは定員が少くなるわけでありますからして、自然定員に相当するものはなくなるわけであります。それから新たに総理府技官、総理府事務官という名前になりまして、総理府より任命する、こういう機構になると思います。
  249. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) それはわかつておるというのです。わかつておるのだが、個人々々の問題をどうするのか
  250. 岡田包義

    政府委員(岡田包義君) あつそうですか。
  251. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) あつそうですかではない、大事だから聞いておるのです。
  252. 岡田包義

    政府委員(岡田包義君) 現在直轄工事を扱つておるものは、自然人で言いますれば、そのまま開発局の総理府技官、事務官に、手続は別ですけれども、そういうふうになる、こういう考えをしております。
  253. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 今働いておるものはそのままそういうことになるというのですか。
  254. 岡田包義

    政府委員(岡田包義君) 原則といたしましてそのままにするつもりであります。
  255. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 知事は、例えば土木部長というものにやらしておるものはそのまま土木部長としておやりになるという意味ですか。
  256. 岡田包義

    政府委員(岡田包義君) それは何であります。現在土木部長の例を申しますと、余り具体的に人の……土木部長というのは取消しましよう。或るポストについておる、それがこの直轄事業をやつておる人はその開発局のほうへ移ると、こういうようにやるわけであります。それで今、やはり土木部長に例をとりましよう
  257. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) あなた、今まで増田さんなら増田さんの権限のあるものはそれでいいのです。知事の権限でですね、つまりやつておつたことがあるでしよう、職務上のこと。そういうことは一体どういうようにするのかというのです。そのままでやるのかというのです。
  258. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 残しておく地方技官や事務官はそのままでございます。誰を置くか、彼を置くかということは、これから一々調べてやります。
  259. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) その点も聞きます。
  260. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これはその点も地方技官、地方事務官として残します。
  261. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 大体誰と誰を……。
  262. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 補助事務をやつておるのは地方技官として残る、直轄事業をやつておるのは総理府の地方技官として残ります。それから直轄事業をやつておる地方技官、地方事務官は総理府所管の地方技官、地方事務官で、それが今度は総理府技官、総理府事務官になります。これは土木部長というのは道の職名でありますが、地方技官、その地方技官は総理府技官であります。
  263. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 補助事務をやつておつたものは不足になるのでしよう、あなたのほうに行つたら……。
  264. 溝淵春次

    溝淵春次君 時間はどうなつております。
  265. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 大切なことだけ……。
  266. 溝淵春次

    溝淵春次君 盡きてると思う。十五分間は完全に打合せしておるのだから。(「際限がない」と呼ぶ者あり)
  267. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 木下さんにお答え申上げますが、予算を要求し、且つ議決をされましたあの予算のうちに補助事務に従事しておるところの地方技官何名ときまつておりますから、それだけです。
  268. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) たくさん聞かなければならんのですが……。
  269. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 官房長官が見えておりますから。
  270. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 官房長官はいいです。(笑声)私は大切な政治的の意味のことだけは総理大臣に聞きたいと思つておつた。増田さん一人でおやりになつておるようだから、増田さんに聞けばいいと思つて、それで聞いておる。時間がない、時間がないというものですから……。まだあるのです。
  271. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 時間を割当ててありますから、六時少し過ぎても仕方がないと思います。
  272. 溝淵春次

    溝淵春次君 本日のこの内閣委員会を開くに当りまして、委員長理事を寄せられ協議した結果は、五時までに質疑を終り、六時に討論採決に入る、この打合せをして進めて頂いたと思うのであります。すでに六時を経過いたしておりますので、委員長より御指示のありました時間は、我々自由党議員も一言の質問もせずに、社会党かたがたの皆適切な御質問に対して敬意を表して謹聴して参つたのでありますが、すでに打合せ時間を経過いたしており、議事進行に関しましてこの程度質疑を打切りまして、直ちに討論採決に入られんことの動議を提出いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  273. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 溝淵君に申上げます。これは厳格に申せば委員長の間違いであります。大体委員長は本日六時には討論採決に入りたいということを思つてお諮りいたしました、委員会でおきめの通りで。併しこの質疑通告者を調べて見ますると、なかなか多かつたのであります。そして質疑ばかりでなく、答弁をする時間も相当これは見積つておいたのでありますけれども、併しそれらも案外長くなりましたので、遺憾ながら六時の予定にははまらなくなつたのであります。でありますから只今討論終局の……。質問終局の動議は、理由はよくわかりまするが、併しもう少し、例えば七時までぐらいにお延ばしを願いたいと、委員長はお願いするのであります。
  274. 溝淵春次

    溝淵春次君 自由党は一時半の委員長内閣委員会開会の御意見に対して一時半に皆揃つておりました。社会党諸君が揃われたのは二時半であります。一時間遅れられて来て、なお質問はです、相当長きに亘り、極めて微細に亘り、答弁も又増田長官、岡田次長とも、むしろ我々は長過ぎる、長過ぎると思う(笑声)ほどに答弁がありまして、この問題に対してのすべての点は十分了解され、質疑の点につきましても十分盡されたと思いますので、私は内閣委員会の権威のために、一旦委員長理事を集められてきめられたことは、殊に本日は最終の日であります、一分間といえども大切な時間でありまして、これに対して内閣委員会としての責任の上におきましての、只今私の提出いたしましたる動議を御採択願いたいと思います。(「議事進行」「動議は成立しておる、採決」「昨日の連合委員会のごとく採決して下さい」と呼ぶ者あり)
  275. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 議事法から申しますれば、採決するのが当り前かと考えます。併し折角まだ発言をされるかたが残つておりますから、できるならもう少し時間を延ばして頂きまして、そうして質疑を盡されたいと思います。これは御相談であります。どうしてもいけないと仰せられるならばそれは採決いたします。
  276. 溝淵春次

    溝淵春次君 委員長の人格を信頼し、開始以来誠に適切なる委員長振りに対し敬意を表して参りました。会期はすでに十二時までとして余すところ数時間しかございません、この時に当りましてこの内閣委員会で基礎的に委員長とお打合せいたしました議事進行の方法が崩壊されるということは、すでにこの議案は衆議院を通過いたしまして、すでに今日で五日たつております重要議案であります。審議を盡さなければなりませんが、この委員会における審議連合委員会といい、内閣委員会といい、共に心魂を打込んであらゆる角度から審議を盡したと思いますので、これ以上質疑続行の必要はないと思いますから、直ちに動議の採決をお願いいたします。もう動議は成立しているから採択願います。
  277. 梅津錦一

    梅津錦一君 只今動議は成立したということになつておりますが、速記をお調べ願いたいと思います。委員長はその動議に対して溝淵君の指名をしておりません。発言に対して指名をしておりませんから、それをお調べ願いたいと思います。
  278. 溝淵春次

    溝淵春次君 指名を受けずに発言したことはありません。
  279. 梅津錦一

    梅津錦一君 すでに委員会において持ち時間のことが申合わされて今まで続けて来たわけです。私の持ち時間はあとなんぼあるか御計算願いたいと思います。
  280. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 溝淵君、もう一つ御相談申上げますが、あなたのおつしやる通り取計らうべきであると思います。併しもう一つお考えを願いたいのは、木下常任委員長が特に発言を求められておりますから、木下君の発言の時間だけ一つ発言を終らせるように、それから採決したいと思います。
  281. 溝淵春次

    溝淵春次君 それではさよう木下委員長質問を終ると同時に動議の採決を願います。
  282. 木下源吾

    委員外議員(木下源吾君) 私は実に公正な河井委員長のお考えに心から敬意を表するものであります。併しながら與党諸君只今の話を聞いて委員長さぞお困りだろう、かように考えますから、私は未だ発言の許された時間はございまするけれども、これを以て私は打切ります。併し私は一言増田長官にお願いしておきたいことだけを言わして頂きたい。それは時間を余り取りません。私ども北海道の道民として、又日本の開発のために、日本の国土総合開発のために極めて重要である北海道をよくしなければならんということに対しては同感であります。併しそれをやるやり方というものについては根本から意見の相違があるということは先ほど来の御答弁によつて明らかなんです。私は併しながら、なを北海道の開発のためにはあらゆる忍ぶべからざることも我々は忍びますが、どうか併しながら、北海道民に自治の能力がないとか、力がないとか、何もできないのだ、金はこちらからくれてやつているのだというような、少くとも北海道に骨を埋める覚悟で開拓に行つた道民を侮蔑するような、そういうことを印象付けられないように十分一つお心遣いを願いましておやりを願いたい、かように一言申上げます。どうも有難うございました。
  283. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは只今溝淵委員から動議が出まして、質疑終了というのでありますが、これには賛成がありましたから採決をいたします。溝淵君の動議に賛成諸君の御挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  284. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。ではさようにいたします。  次にお諮りをいたします。本案に対して討論に入ります。
  285. 溝淵春次

    溝淵春次君 本案につきましては、今質疑打切りの動議が成立いたしまして討論に入るのであります。質疑に入りまして以来今日まで五日間、各委員のかたの質疑内容は、大体この法案に対する賛否の論に亘つて、それの含みのある意見が五日間交わされたのでございます。従つて討論に入りましてやるべき議論も、本日までの審議におきまする質疑応答によりまして、大体盡くされたと思いますのと、時間がもうすでにございませんので、討論に関しましては万全を期ずる意味におきまして、この法案に対して最後の意見を聞かないということは誠に不適当だという意見が出るかもわかりませんが、私は討論を省略して直ちに本案に対して採決されんことの動議を提出いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  286. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと溝淵君に申述べます。重要な法律案につきましては、まだ討論を省略したという例がないということであります。従いまして極く時間を限るというようなことは必要ではないかと委員長は考えます。殊に委員長の手許に提出されておりまするところの修正案が、二案あるのであります。そういう関係にありまするので、できるだけ討論を短くいたしまして、そうしてこの案について採決をいたしたいと考えます。それでありますから討論省略の動議は暫らく御猶予を願います。
  287. 溝淵春次

    溝淵春次君 それでは委員長の御裁断にお任せいたしますが、討論の時間は極めて少時間で以て、そうして直ちに採決に入られるよう希望いたします。
  288. 河井彌八

    委員長河井彌八君) なお申述べます。これで委員長が宣告いたしました通り本案について討論の時期に入つております。従いまして、ここに本案の修正案が二案出ておりますが、これについて、修正案だけを一つ御陳述を願いたいと思います。吉田君と梅津君であります。それでは提出者から修正案を朗読いたさせます。
  289. 吉田法晴

    吉田法晴君 それでは審議せられております北海道開発法の一部を改正する法律案の、修正案の内容を簡単に趣旨説明をさして頂きたいと思います。先ず修正案それ自身を朗読いたします。   北海道開発法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   附則第一項中「昭和二十六年七月一日」を「昭和二十七年四月一日」に改める。   附則第二項を附則第三項とし、附則第三項を附則第四項とし、附則第一項の次に附則第二項として次の一項を加える。   2 この法律は、日本国憲法第九    十五条の規定により、北海道の住民の投票に付するものとする。修正案は以上の通りでありますが、第一項の「昭和二十六年七月一日」を「昭和二十七年四月一日」に改める。というのは、新たに附加えます二項が若し御賛成を得るとするならば、住民投票を行わなければなりませんので、七月一日では到底行えないということで、来年の四月一日に訂正をしているのであります。次に問題は憲法第九十五条と、それからこの北海道開発法の一部を改正する法律案との関係でございますが、私の考えております点は、先般来の質問の際にも若干織り込んで御質問を続けて参つたのでありますが、私が申上げるまでもなく、従来これは戰争以前の旧憲法によります地方自治は、明治以来の日本の国が中央集権的な官僚主義を加味いたしましたものでありましただけに、府県のごときは地方自治体と言われながらも、その実態は地方自治の実を備えておらなかつたのであります。或いは委任事務等に現われております。ように、国の出先機関的な任務が強かつたり、官僚主義的中央集権主義の出先機関としての本質がむしろ府県の本質であつたと言い得ると考えるのであります。地方長官の名前はこの実態を明らかに示しておると考えるのであります。而も満洲事変或いは日華事変の勃発に伴いまして、昭和十八年であつたかと思うのでありますが、地方自治制度の改正によつて残された地方自治体の残滓さえも奪い去られて、全く地方自治体の実を失つてしまつたのであります。新憲法におきましては、かかる旧憲法時代のような名目的な地方自治体を、中央集権的な出先機関としての府県でなしに、或いは市町村にいたしましても、もつと実質的な自治体になるように、そうしてそれが憲法上、或いは関係法上保障せられるようにという意味において、憲法の上に地方自治の一章が入れられまして、憲法上地方自治が確保せられることに相成つたのであります。その後この憲法に従いまして、或いは地方自治法、地方財政法その他の法律が設けられ、或いはこれに関連いたします法ができて今日になりたのでありますが、この新憲法の下におきます地方自治を憲法において保障し、国家の立法権をも加えまして、この地方自治が侵害せられないように保障して参ろうという制度の下において、先に北海道開発法が提案制定せられました。この北海道開発法の際にも憲法九十五条の問題が出たのであります。論議せられましたが、そのときには企画官庁であるという故を以て、これは憲法九十五条との関係はないという説明が一応通つたようであります。併しなお九十五条との関係があるということは、あらゆる憲法に関します解説書、或いは関係書類に出ておるので、或いは地方特例法に関します論議の中にもそれが出ておることを以て明らかなのであります。或いは北海道開発法の立法制定の際に、この問題はもつと論議すべきであつたということもできましよう。併しそれは過去のことでございますが、或いは今日若しも過去のものであるというならば、増田開発庁長官のもつと早くこういう改正法なり、或いは本法を作るべきであつたという考え方からいたしますならば、なお今日北海道開発法に遡つても議論をし得る根拠があると考えられるのであります。更に北海道開発法は今まで開発庁が企画官庁であつたといたしますならば、今度開発法の一部改正によつて、その出先機関として地方支分部局としてできますこの開発局において、実態的に北海道という地方自治体がやつて参りました仕事を国に移す、こういう北海道開発法の実態的な影響が、今度の一部改正法によつて結果せられるのでありますから、私どもは今日再びここに憲法第九十五条との関連問題を取上げるのは当然であると考えるのであります。実質的には先ほどの質問の中でも論議をして参りましたけれども、今まで北海道でやつて参りました或いは道路、港湾、河川、こういつた開発事業に関連いたします仕事が、本来地方自治体の仕事であるか、或いは国の仕事であるかという論議から出発いたしますけれども、地方自治法第二条に明示せられておるところを考えますときに、これらの十一号に示されました仕事は本来方自治体の仕事であるし、なお又特に国の仕事だと法定せられましたほかは、地方自治体の仕事が第一であり、方自治体において不適当と考えられるものが国において行われる。この地方自治の本来の考え方からいたしまして、地方自治法第二条の十一号に掲げられました仕事は地方自治体の仕事であり、而も開発事業の、或いは河川、道路、港湾等に関連いたします開拓事業といえども、これは本来自治体の仕事である。これは道路につきましても、国道も含めまして府県知事の管理の下にあるという道路法の規定に関しましても言い得ることだと考えるのであります。北海道開発法の一部改正法案の第十二条に書いてあります「国の直轄事業」という文字の内容がこのほかに問題になるのでありますが、その直轄事業の具体的な内容は、或いは河川、道路、港湾、こういつた実際の開発工事になつて参つたと思うのでありますが、提案理由説明、或いは開発庁長官その他の説明によりますと、それが国の費用によつて行われておるという以外に、それが本来どちらの仕事であるかという点、か明らかになつておりません。明らかに北海道におきます地方費道或いは準地方費道は北海道の仕事であります。費用を国が負担しましようとも、或いは補助いたしましようとも、仕事それ自身は北海道の仕事であり、又道路は北海道知事を管理者としておるものであることは明らかであります。それをこの法律によつて費用を国が出しておるからとして、国の仕事として、北海道の自治体がやつて参りました仕事を国に取りますことは、実質的に北海道という一つの地方公共団体に属します事業を、行政を国に取上げるという実質的な結果に相成ると考えるのであります。このことが憲法九十五条の言います地方特例法になりますことは明らかであると考えるのであります。或いは百歩を譲りまして断定ができないといたしましても、憲法九十五条と関連いたすという疑いがございますならば、私は参議院として十分の審議を盡し、或いは私どもも院内において法制局、これは参議院の法制局だけでなくて、衆議院の法制局の意見も聞いて参りました。或いは当時の国務相でありました金森さんの意見も間接的に聞いて参りましたが、憲法九十五条と関連性があるとする疑いの余地が十分あるのであります。日にちを覚えておりませんが、極く最近出ました週間朝日の中にも、憲法九十五条の問題として、この北海道開発法の一部改正法律案に触れておるのでありますが、その中に憲法九十五条を引いて「仮に自由党政府が多数党の力を発揮して、議会の本会議委員会で所志を貫徹したところで、それが憲法の明文に抵触する疑いがあれば、当然現地の人民投票問題が起る可能性があり、結局、事柄は最高裁判所にまで持ち込まれて黒白を明らかにする必要が生じないとも限らない。憲法の嚴然と定めるところを尊重する責任は、むしろ多数党であればあるだけ重いくらいのものである。」と書いてございますが、私はこれは当然の議論であると考えるのであります。百歩を譲りましても、或いは金森さん、或いは学識経験者その他広く関係者意見を聞いて、十分に公聽会その他の機会も持ち、もつと愼重審議をせらるべきであつたと考えるのでありますが、この問題については不十分にしか私ども質問或いは討論を継続することができませんでしたけれども、十二分に憲法九十五条抵触の疑いがあります以上、私どもはここに「憲法九十五条の規定により、北海道の人民投票に付するものとする。」という一項を加えますことが、憲法を守り、憲法の中の地方自治を伸ばして行こうとする新憲法の精神を守つて行くゆえんであると考えます。参議院が抑制機関としての第二院の役割を持つておりますならば、私どもその点について、法の制定について全からしむる意味において、この北海道開発法の一部を改正する法律案に、先ほど朗読いたしましたような「憲法九十五条の規定により北海道の住民投票に付するものとする。」という一項を加えるべきであるということを信じ、ここに修正案を提出する次第であります。意を盡しませんでしたけれども、一応修正案の趣旨を弁明しました次第でございます。
  290. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次に梅津委員から修正案の御提出があります。それの内容は、只今吉田委員のお述べになりました修正案の一部と全く同一であるのであります。梅津委員から簡単にこの提出の理由の御説明を願います。
  291. 梅津錦一

    梅津錦一君 修正案に対する趣旨に弁明をいたします。   北海道開発法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   附則第一項中「昭和二十六年七月一日」を「昭和二十七年四月一日」に改める。  こういう修正案でございます。只今吉田君から同じ性格ということで委員長申されましたが、かなり内容の異なつておるものであります。こういう意味で、私は実施期間に対する問題暗中心にして、政府原案であるところの七月一日を来年の四月一日の年度切替えにしようという意味であります。何故にこういうような修正動議を提出いたしましたかという理由を申上げまするならば、およそ私は発言の時間がありませんので、抑えられましたので、いろいろ政府に対して疑義を質せば、私は短時間でこの趣旨弁明が済んだのでありますけれども、私に與えられた持時間をここで流用いたしまして、二十分ほど私の趣旨弁明をお聞き願いたいと思うのであります。  今回政府から提出されました北海道開発法の一部を改正する法律案は、仔細に検討いたしますると、形式的には法律の改正案に過ぎないということになるのであります。    〔委員長退席、理事楠瀬常猪委員長席に着く〕 実質的には単に北海道総合開発事業の執行のその方式の変更にとどまつてつて、一に北海道における行政機構の構造を根本的に変革しようと、こういうものであります。そもそも北海道において開発計画の進展が自治体と共に現在まで発達して来たのでありまするけれども、今日におきましてもなお且つ依然として自治体による北海道及び道内の市町村行政の重要部分は、開発計画の推進に待つておるのであります。これを除外して北海道における自治行政は全く成り立たない。而も開発計画の実施に基く移民の入殖に当つては、増田長官が述べられておるように、道路、橋梁、土地改良等の基本的な建設工事がなされなければならない。更にこれに並びまして、文化施設としての学校、或いは厚生施設としての療養所の設置、生活保護関係の費用等も更に考えられる。産業技術の指導は勿論でございまするが、それの指導奨励に対する費用の交付等万般の措置が必要でありまして、このことなくしては北海道開発そのものの成果は期待し得られないのでございます。特に北海道における移住当初の住民は、極めて担税力が弱く、これらの移住民に対する大半の保護施設は、北海道及び市町村の費用を以て賄われていたのであるのであります。開道八十余年の間北海道においては国策たる開発事業等その地域内における自治体制度の密接不可分の関係を断ち切ることなく、今日まで両者共に生成発展して来た歴史を持つているのであります。昭和二十二年地方自治法施行に伴い、従来の官選知事は身分上公選知事に変つたのでありまするけれども、その事務の範囲は殆んど変化がないのでありまするこれは今までの実情等に上つて明らかである通りであるのであります。北海道開発事業は従来通り北海道に一任して、他の一般行政と有機的、総合的に運営せられて来たことは事実であるのであります。然るに今回政府の提案された北海道開発法一部改正法案は前にも申上げましたように、事実上この歴史と伝統ある一元的な開発方式を二元化して平行線においてこれをやつて行こうとする大変革であるのであります。北海道住民は勿論、関係自治体にとつてもこれほど重大な問題はなく、又その影響するところは自治体にとつて或いは住民にとつて、極めて深刻なものがあるのであります。俗にローマは一朝にしてならずという言葉がありまするように、現在までの北海道の歴史を考えまするというと、今日の開発の蔭には粒々辛苦いたしました開発の歴史が、開拓先人の労力と一元化して開発行政執行の結合をなして来たのであります。八十年の歴史と伝統が祕められているのでありまして、従つて今議会において、只今も木下議員がこの歴史を申され、或いは若木君がこの実情について縷々質疑応答をなされたのも、この現地における相関関係にあるところのこの住民と政治との問題であると思うのであります。その他の議員におきましても、北海道の実情に関しまして重要な問題が昨日、今朝にかけて審議されたのであります。然るに時をかさずいたしまして、一方的な政府意思によりまして、この開発法の実施が強行されんとしておるのであります。質問が再三ございましたように、私といたしましてもこの実施に対しまする期間の問題は、相当論議を盡されなければならないと思うのであります。    〔理事楠瀬常猪君退席、委員長着席〕 只今吉田法晴君から開発に関する実施は住民投票の結果においてなされなければならないという制約された修正案が出ましたと同じように、私は七月一日のこの法律案を来年の四月一日にしようとする、そのゆえんのものがここにあるわけであります。このよう政府は急激なる開発行政分離を強行することによつて挙げ得られるプラスの面は未だ具体的に示されていないのでありまするが、考えますれば今回の開発行政の機械的分離は却つて私はマイナスの面を出すのではないかということを憂うるものであります。  即ちその第一点といたしましては、今回の出先機関設置に伴う行政費の増加についてであります。政府機構の分割に伴つて経費の増加は来たさない、従つて地方負担の増加は到底考えられるものではないというのでありますが、如何なる調査の根抵に基いてそのようなことを言われるか、地方行政調査委員会議のまだ調査を見ておりませんので、その結論すら出ておらないのであります。甚だこの点了解に苦しむものであります。常識的にも或いは役場を二つ作れば町村長も助役も収入役も必ず二重に必要になるわけであります。先ほど長官は同じ釜の飯を食りんだから、これは一つの釜の飯を食うんだから、この経費は変りはないのではないかということでありましたけれども、私は一つの蒲団に二人は寝られないということを、こういうことを申上げられるのであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり、笑声)政府の案によれば、この出先機関は局長官房、建設部等の五部を置くことになつているのでありまするが、かかる二次的機構の膨脹は当然現場作業定員に影響を来たすのであります。私は定員法の問題に対しては非常に問題になると思うのであります。すでにこれだけの厖大な予算を持つておる国の事業において、これだけの定員で、この定員が過重労働をしておるかいないかということは、もう現地に行つて見なくも、恐らく過重な労働負担をやつておるということを考えられるのであります。そもそも政府はこういう点に対して十分なお考えがあるかどうか。国費は現場作業の実情に照してまだ余裕があるとでも考えられておるかどうか、機械器具等にいたしましても指揮系統を分割し、作業実施を二元化いたしました場合、それぞれの作業にそれ相当の設備を必要とすることはわかり切つていることでありまするので、政府は現在のままでやれると言われたり、又相互に融通し合えばよいと言われたりするのでありまするが、一つの世帯を二つに分けた場合は只今申上げたように果して鍋釜の果までも借り貸しができるものであろうか、これは人情でありまするので、国家公務員、地方公務員との摩擦が、こうした面において過去においてもなされたということを私は十分用心をしなければならないと思うのであります。北海道庁ではこの分割に伴つて人件費の増加、現場事務所の設置、機械器具の設備等で経常費、臨時費を含めて十四億余円を必要とすると田中知事が申されているのでありますが、これに対して適切な考慮を欠いているのではないかということを考えます。而もこの二重機構の設置に伴う多額の冗費の発生は、單に北海道地方財政の問題であるばかりでなくして、国家的な見地からいたしましても現下財政多端の折から重大なる損失となるということを考えなければならんのであります。増田長官はときどき内地、内地ということを申されますが、私は北海道も等しく内地であると考えているのであります。本州並びに九州、四国が内地であるということになりますれば、北海道が外地ということになりまして、日本の領土ではない、こういうことに考えられるので、長官の内地という言葉のその裏の言葉が私には不思議に思われるのであります。このように未文化という言葉であれば、北海道は非常に未文化な土地でありましようけれども、未文化なるが故に外地ではないのでありまして、遠く徳川時代においてすでに日本の内地であつたのであります。  第二の理由は、開発行政を分離することによつて行政執行が著しく非能率化することとなり、更に又この平行線の立場を複雑化するということであるのであります。北海道の開発は、政府提案理由にもありまする通り、日本経済の再建、人口問題の解決を目的とするというのでありまするが、その根抵は地域住民の生活文化向上に置かなければならんと確信するものでありまして、この文化向上は、特に北海道ような未文化地域においては、この文化問題は当然第一義に置かれなければならないと思うのであります。文化、この施設に対しましては、道自体において道民を愛する上において、この意欲、意識というものは更に高揚されなければ文化の向上は期せられないというのは、文化歴史を見てもおわかりの通りだと思うのであります。道路、河川、港湾等のこの開発の重要な基礎施設は、重要な開発事業の一つでありまするが、このことは文化発展に対して場の重要な施設であり、機構であり、基本であるのであります。真の総合開発は、自治行政と共に国の投資によるところの産業、文化、厚生等に対するところのこの補助、援助がなくしてはなされないのであります。効率的事業の実施を期待する立場に立ちましては、これはやはり一元的な道民の協力がなされなければならない。北海道と道民と国の出先機関であるところの開発局との相関関係において、連関関係において密接不離の関係が行政機構にできてのみ、ここに道民の意欲が盛り上るのでありまして、この法案審議に当りまして、どういうふうにこのことがなされておるか、一例を申上げますならば、一つの公共土木事業をいたしまするのも、道民の無料奉仕という形において、最低賃金において労力奉仕がなされなければ、如何に多額の費用を出しても、この意欲のないところにはこの費用が完全に使われない、こういうところにおきましても、道と国との密接な関係が私は欲しいと思うのであります。こういうことを一々論議いたしまするというと、この法案に対しましてすでに政府の申されておるように、この実施に対する精細な、細密な実施計画はなされておらない。而もこれに対する施行的な法律案というような大きなものは、まだ予定されておらない。然るに急遽七月一日からこれを実施しようとする、この無理を補うために、私はこの法律に対しまして、七月から以降、この両者、国並びに道との機構上の打合せ、並びにこれに対する行政面に対する調査委員会議の勧告を待ちまして、そうしてここに一体とするところの機構が完成された後に実施されたいという念願の下に、この実施期間を七月一日から来年の四月一日に移しまして、この期間において十分なる計画並びに行政上の諸点を解決してもらいたい、こういうことにおきまして、修正の動議を提出したわけであります。
  292. 河井彌八

    委員長河井彌八君) この際本案に対して御意見がありまするならば、お述べを願います。問題を明らかにしておきます。北海道開発法の一部を改正する法律案、これが原案であります。それに対しまして、吉田君の修正案並びに梅津君の修正案が出ておるのであります、これを一括して議題にいたして、それでこれに対して賛否の御意見があれば、この際御陳述を願います。
  293. 梅津錦一

    梅津錦一君 法案の性質が違いますので、これは個々にやつて頂いたほうが便宜だと思います。
  294. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 採決のときにこれをいたしますから……。
  295. 溝淵春次

    溝淵春次君 只今吉田委員梅津委員から、修正案に対する御意見の御開陳がありました。又一つの御見解として傾聴いたしたのでございますが、その御意見の中には、今日まで質疑の間において質疑の真髄を盡された点に触れた点が相当あつたと存じますが、非常に詳細に亘つてその案の説明をされましたが、私は政府提案になりまする北海道開発法の一部を改正する法律案の原案に賛成いたします。同時に、吉田委員梅津委員からの修正の御提案でありますが、その一つは、本年七月一日から実施をするのを明年の四月一日からに改めようという御意見でありますが、これはすでに衆議院を通過し、そうして参議院を通過することになりますれば、大体におきまして増田長官の御説明のごとく、新らしくそれぞれの準備を必要とする面は極めて少いのでございまして、北海道におけるそれぞれの機構を、これを国家的機構を統合すればよいのでありますから、七月一日までの期間があれば、十分にその操作、準備はできると存じまするから、やはり昭和二十六年七月一日から原案のごとく実施することが、この一部を改正する法律案趣旨に照しまして適切であると思うのであります。同時に吉田委員からも、梅津委員からも縷々憲法第九十五条の規定に対する御意見がございました。この御意見も誠に傾聴する御意見であると思います。が、これを実際的な問題として、この御意見が若し正しいといたしまするならば、北海道開発に関する法案は、昨年の法律第百二十六号を以て制定されたのでございまして、すでに衆議院、参議院を通過いたしまして一年を経過して参つておりまするので、それでこの問題につきましては、憲法第九十五条に対する御意見は、それぞれの見方もあるでございましようが、私どもはこの際この憲法九十五条の規定による住民投票等の必要のある場合には該当しないものであるという確信を持つておるのでございまして、この修正案に対しては反対いたします。同時に原案に対しまして、私どもは十分今日まで検討し盡したのでございまして、誠に時宜に適したる一部の改正案であると適切に考えますので、原案に対して賛成をいたしまして、修正案に対して反対いたします。
  296. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それではこれから採決をいたします。  北海道開発法の一部を改正する法律案につきまして採決いたしますが、先ず吉田君の御提出になりました修正案を議題といたします。本修正案に賛成諸君挙手を願います。    〔挙手者少数〕
  297. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 少数であります。よつて、これは否決せられました。  次に梅津君の御提出の修正案について賛成諸君挙手を願います。    〔挙手者少数〕
  298. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 少数であります。これ又否決になりました。  更に北海道開発法の一部を改正する法律案について採決をいたします。本案に賛成諸君挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  299. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。可決いたしました。ついては原案の通り可決すべきものと議決いたしました。   委員長の報告は委員長にお任せを願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)   更に多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名    竹下 豐次   駒井 藤平    栗栖 赳夫   郡  祐一    大谷 瑩潤   溝淵 春次    山本 米治   松平 勇雄    東   隆   楠瀬 常猪
  300. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これを以て散会いたします。    午後七時十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            楠瀬 常猪君            溝淵 春次君            梅津 錦一君    委員            大谷 瑩潤君            郡  祐一君            松平 勇雄君            山本 米治君            吉田 法晴君            若木 勝藏君            楠見 義男君            竹下 豐次君            栗栖 赳夫君            駒井 藤平君            東   隆君   委員外議員    人事委員長   木下 源吾君   国務大臣    建 設 大 臣 増田甲子七君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    北海道開発庁次    長       岡田 包義君    地方自治政務次    官       小野  哲君    法務府法制意見    第二局長    林  修三君    大蔵大臣官房長 森永貞一郎君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君    農林政務次官  島村 軍次君    運輸省湾港局長 黒田 靜夫君    経済安定本部建    設交通局次長  今泉 兼寛君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   説明員    建設大臣官房文    書課長     小林與三次君