○溝淵春次君 いわゆるこの
水産庁の監視船、これにもまあ多くの問題があると思うのですが、大体まあマツカーサー・ラインを越したかどうかということについて、越さないように監視しておるて。ところがその監視船というのは大体大きな日魯
漁業ですか、何か大
会社の船をチヤーターしておる、そうしてこの監視船の役割はラインを越さないように、本当を言えば内地のいわゆる保安警察に相当する役割を、本当は
日本のためには果さなければならんと思うのですが、今まで現われておる事例は、大
会社のほうはちやんと何月何日には監視船が出るということがわか
つておる、中小の小さい一艘か、二艘しか持
つておらないものは監視船がいつ来るかということがわからない。そこでその小さい一艘か、二艘、三艘くらい持
つておるものが殆んどマツカーサー・ライン侵犯の事件に引つかか
つておるのが百何件あるようですが、いわゆる監視船自体に対して、中小のいわゆる
漁業家が不信を持
つておると思う。で、それは曾
つて委員長の
提案されておる
水産省というものができて完全なものになれば、監視船というものも、いわゆる大きな船
会社の船なんかを借りたり、それから便乗したりして監視しなくとも、
国家の予算で独立せる監視船を国でこしらえてもら
つて、そうして完全な監視ができるということにもなる。むしろ
水産省設置の利益になるいい例にもなると思いますけれども、併し今日の状態で、その監視だけに
一つの船を作るという国の予算はなかなか盛ることは困難だと思いますが、で、そのいわゆるマツカーサー・ラインを越しては処罰される。ところがそのマツカーサー・ラインのあの境に、
日本の
漁民のいわゆる船
会社の望む魚がおると、そうしてその波の高低その他によ
つて五カイリ、十カイリ、二十カイリのその速度によ
つて違
つて来る、そういう場合に、今までに起きた問題は大
会社の場合は看過して、小
会社の場合はこれを検挙しておる。
水産庁の監視船を以てして、全く監視員はけしからんという議論が相当起きて、福岡で言えば裁判にな
つておる案件もあ
つて、そういう事件が含まれたやつがあるようでございますが、いずれにしても、このマッカーサー・ラインを越さずに、真面目にそれを守
つておるというところに漁区の拡張ができるのだと、そこで一応検挙して
整理したのだという当局のまあその当時の言明であつたと思うのですが、そこでいわゆる南鮮、北鮮、中国のいわゆる軍艦、向うの監視船に引つかかるという場合、
水産庁から
水産省に上るかどうかというような問題よりも、マツカーサー・ラインの拡大、拡張ということが、むしろ先議的、先決的問題であ
つて、そうして今
日本の
漁業家の一番苦しんでおる点は、あの窮屈なラインに閉じ込められて、而も一マイル越しても拿捕される。船も体も捕えられて、それがいつ帰
つて来るかわからないという状態に置かれているのが非常に苦痛なんでありまして、その場合にこれを解決することについて、庁から省にすることによ
つて有利に解決するようなことが
考えられるのですか。