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政府委員(
根道廣吉君)
只今の御
質問でございますが、一昨日でしたか、この御返事を申上げますときに
北海道の
石炭手当に関する斡旋のことを申上げまして、そのほかのことについては、ただ
お話を申上げなか
つたわけであります。併し
北海道のあの
関係のものと言いますけれ
ども、実は私
どもといたしましては、
普通世間に言われておりまするところの
融資、或いは
横貸しとか、浮貸しとかいうものとは
性質がまるつきり異な
つておるものだと、こういうふうな
意味でございます。例えばまあ私としては、
認むるか否かというような、
民生協会関係の
厚生物資配給に関する
書面でございますが、
書面の内容は私詳しく
記憶はいたしておりません。当時
関係の部からこういうものを
健康保險組合の
理事長、即ち
預金を扱
つているものに出したほうがよかろう、それは結構であろうと私は思いました。そのわけはいろいろ
あとで申上げまするが、これも民生
協会なるもの、或いはそれに
関連する業者に
銀行が金を貸しまするときには、これはどこまでも
仕事に直接
関係あるものとして、貸付けて頂くのでありまして、そのために
健康保險組合の金が、例えば
銀行が回收不能に相成りましても、それにはいささかも疵
はつかん、こういうような
意味でございまして、たまたま
銀行が、もともと
健康保險組合の
預金をしてもらいたいということは、ずつと以前でございますが、
健康保險組合を
設立いたしまするときに、私が
設立準備委員長としてや
つたのでございますが、
富士銀行等においても、その際から何回か
預金をするようにや
つてくれと、併し私としては、
銀行というものをのちにな
つて、当初のことなら別として、
あとにな
つてむやみに殖やすのはどうであろうかと、こういうふうに考えておりましたのですから、何らか
健康保險組合員に縁のあるような
仕事でもするときに御
援助でも相成るというようなことがあるならば、これは又
健康保險組合のほうに、そういう
取引をしてもらいたいというようなことを頼むよりも、そのほうがいいのではないか、こういうふうな
考え方であ
つたのであります。それからもう一面申上げないと何と思いますが、実はこの
健康保險組合の
お金と申しますか、当初はちつともなか
つたのであります。
設立の
準備をいたしましたときには、まだ国の
予算も計上されておりませんのでございますので、
最初の年、一昨々年ですか、三月中にすでに四月以降の
準備をせねばならなか
つたために、
銀行より、これも必然の
手続上といたしまして、私の
設立準備委員長という資格におきまして、
三和銀行から幸い申出がありまして、
三和銀行から五百万円の金を借りまして、そうして
準備行為を始めたのであります。その後四月一日に
健康保險組合というものが、
予算上で運行可能には相成
つたわけでありますが、その当時
政府の
給付というものは、
保險組合員の
納入保險料がきま
つてからでなければ、即ち
政府がそれと
同額を交付するという
建前にな
つておりますために、それと
同額をということになりますと、現実に
保險料の納付の額を
認めて、それで以て
政府のほうに
要求をすると、それで
政府の
下げ金をもらう、こういうような順序になるのであります。然るにその
保險料なるものは、いつ入
つて来るかと申しますと、四月以降のものであります。四月の
給料は五月の十日に入るのが大体原則にな
つておるわけであります。五月十日以降にならなければ
保險組合には実際
上金は一つもないのであります。或いは五月十日というのは一番早く
行つて、その日に入
つた金がわか
つて、という場合であります。それを全国各府県から大体集計いたしまして、大体の累計をとり、それでもまだ大体の数字であるから、それで
政府の方に
最初の金をもらいましたのは随分
あとでございます。時日の
記憶はございません。
最初から一カ月以上、二カ月ぐらいは
保險組合には金が一銭もないと、併しながら
保險組合としては
事務を開始したと、こういうような
状態が起ることが明白だ
つたのです。従いまして私といたしまして
責任上、殊に
現金給付等を要するという場合等があります。又
保險組合の
事務所を設けたのですらか、
給料を佛わなければならないという問題もいろいろございまして、取りあえずの
見込といたしまして、約一千万円は要るであろうと、こう考えまして、一千万円の金を借りたのであります。その
とら三和銀行より五百万円、
大阪銀行より五百万円を借りたわけであります。
三和銀行から借りましたという放は、
保險組合がスタートしますときに、
三和銀行がそういうものがあるということを研究
調査いたしまして、将来の
取引を願うという
意味があ
つたのでありましよう、当時の
関係局に参りまして
便宜を図ると……。これ幸いというわけで、先刻申上げた五百万円という
最初の金を借りたのであります。そういう御親切なところならば、まだほかで何も
言つて来ておらんのだから、そこを或る
程度の
取引銀行と
認めてもよかろうと、こういうふうに考えたのです。一方それでは
大阪銀行に対してはどういう
因縁かと申しますと、
大阪銀行では、
特調はいろいろの
関係で前から
取引関係を持
つているのです。
十分特調としては世話にな
つているわけであります。その義理合いも考えまして、
大阪銀行と
三和銀行から、
向うがお貸し下さるものならば、
組合の運営を
援助するという
意味でお貸し下さるならば結構である。そうすればその
因縁を以て将来の
取引を約束してもいいだろう。但し
向うに限るものではない。主たるものはスタートにおいて、どの
程度に大きくなるかわかりませんが、取りあえず
大阪銀行、
三和銀行を
取引銀行と承認するという、こういうふうな
意味で金も借り
取引も開始したのであります。その頃になりまして、
富士銀行が、これは何か
保險関係の
中央金庫でございましようか、私よく覚えておりませんが、そういうような業務に
関係があるんだそうでございます。だから
自分のほうも
一口取引銀行として乗せてくれんかというような話もあ
つたと私
記憶しております。そういうような
関係もありましたが、もう
銀行二つも
作つて、たまたまこれが
大阪に
本店のある
銀行なので
ちよつと
工合も悪い。実は
東京に
本店のある
銀行も選ばなければならん。又将来において
保險組合の
預金の額が非常に大きくなるというようなことがあれば、一方だけに片寄らせてもどうかと思うので、その際又二、三割に選んで殖やそうかと考えてお
つたわけであります。そういうような
時代でありましいので、又同時に、その当時誰にも相談する必要もないし、私が一人で
自分の
見込で、そうしても差支えないような
状態にあ
つたわけでありますので、や
つたわけでありますが、今のお尋ねの
富士銀行との
関係はどうかと申しますと、そういうような
因縁もございます。
それからなぜ
組合にそういうような公の
依頼書を出したかと申しますと、
あとになるのでありますが、私が
準備委員長をやめまして、お挙げになりました
伊藤清君を
事務局長にいたしまして、やがて
伊藤君は選挙されまして
理事長と相成
つたのでありますが、
事務局長時代には、
銀行の
預金等は濫りに動かしてはいけないという
條件を私としてつけて置いたわけであります。これも私の
立場で申しますれば、これは公の
立場でありまして、それを
事務局長、まだ正式に任命も受けない
事務局長、
事務局長で
理事長の
事務代行をするというような形に実際上な
つてお
つたのでありますが、
預金もだんだんと多く殖えて参りますのに、一
事務局長がそういうふうに勝手に
銀行を選び、勝手に預余を動かすということはよろしくないと、ですから動かすときには相談してくれというような
條件をつけてあ
つたのであります。それがその後
理事長ということに相成
つたわけであります。
理事長になりますと、私
どもの
考え方としましては、正式には私
どもといたしましては、
事業主の代表ではありまするが、
組合そのものを、
組合が完全に成立して
運行機関のできたのちには直接に
関連すべきものではない。併しながらそういうような
お金の動かし方等については、筋があ
つて動かすならばこれは結構であると、殊に
健康保險組合の場合におきましては、
保險組合員が、即ち
進駐軍要員で、
要員たる
労務者でありますその
人たちのために、何かいいことすをる場合に動かすというようなことは、むしろ場合によりましては、私としては進んで
援助を沸う。その場合、併しながら
保險組合は
保險組合でありまして、どこまで行きましても
保險組合の金に一銭の損害も與るというような
行為はとらない。従いましていわゆる
紐つき融資というようなことは、その場合であ
つてもこれはできない。でありますので
銀行が好意を
示してそういう
仕事を
援助すると、
援助するに際して貸金の
危險負担は
銀行がみずからの負担によ
つてする。併しこちらでそれに対して
保險組合の
取引先という
意味において、これを或る
程度考えると、そこで余
つている金があるとすれば、これは
当座預金或いは
利子の
少い通知預金にして置くよりも、若し
余裕があればこれを
定期預金にすれば
利子等は余分になるのでありまして、十分の
見込がついたならば、差支えなければ二カ月若しくは三カ月の
定期預金というようなことにして置いたら、これは全部のためによいことである、こういうふうに考えた次第であります。それが
富士銀行等に
預金が持
つて行かれたゆえんでありまして、この
性質におきましては、私はこれは、いわゆる
世間で言うところの浮貸であるとか、或いは
保險組合の
金そのものの
融資であるとかいうものとは非常に
性質の違
つたものである、こう考えておりまするので、そういう
意味において、單に
融資をしたかと聞かれますと、したことはございませんと、こういうふうに私としては申上げてよいのではないかと考えてお
つたわけでございます。
ただ特に今
お話の中に、幾々らと
金額を書いたのは私は存じておりませんですが、
北海道の問題につきましては、これは特に一昨日
北海道関係のことを申上げましたのは、私自身が是非そうや
つてくれと積極的に頼んだこともありましたので、特によく
記憶しておるので申上げたわけであります。