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1951-02-16 第10回国会 参議院 内閣委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十六日(金曜日)    午前十一時五十五分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○行政機構整備に関する調査の件  (終戰処理費に関する件) ○元戰傷病者に対する恩給増額請願  (第八六号)(第一三四号)(第一  九〇号)(第三九九号) ○恩給に関する請願(第二六〇号) ○元傷い軍人恩給増額に関する請願  (第二七七号) ○傷い恩給改正に関する請願(第三七  九号) ○昭和二十三年六月以前の退官官吏の  恩給増額に関する陳情(第九六号) ○旧満洲国公傷病官吏傷病恩給支給  の請願(第二五八号) ○元軍人老齢者恩給復活に関する請  願(第二五九号) ○郡山市に営林局設置促進請願(第  五号) ○長崎県川棚町に警察予備隊分遣隊設  置の請願(第一六七号) ○水産庁を水産省として独立するの請  願(第二三七号) ○運輸省設置法中一部改正に関する請  願(第三〇五号) ○公職追放解除特別訴願委員会設置に  関する請願(第四五五号) ○水産省設置に関する請願(第四七三  号)   ―――――――――――――
  2. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 内閣委員会を開会いたします。  前回に引続きまして、行政機構整備に関する調査に入ります。そこでこの前特別調達庁長官からいろいろ御説明がありまして、それに対して委員諸君から御質疑があつたのであります。なおその残りが若干あるようでありますから、これを続行いたします。
  3. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 前回委員会長官が、融資の件については融資をしていない。北海道の件に関しましてはこれを認められたようでありますが、他の件についてはそうでないようなお話でありますが、私の調査いたしましたもの、或いは資料等によりまして見ますと、どうもその点が納得が行かないのでありますから、重ねてその点を資料に基いて御質問を申上げたいと思います。  先づ資料の一としましては、   昭和二十四年八月十二日  連合軍要員健康保險組合   理事代行 伊藤  清殿    特別調達庁次長 根道 廣吉     依頼書   今般当庁事業部に於て連合国軍関係政府傭労務者用として麻シヤツ地の特配を受けたので埼玉繊維被服工業株式会社開襟シヤツ加工縫製方依頼し之が配給代行財団法人民成協会依頼した。所が製品はその性質上早急に配分完了する要あり現物引取に関し協会に対して資金融資便宜を供與する為、貴組合銀行預金五百万円を富士銀行本店に2ケ月間の定期預金として口座振替願いたくお願いする。  とこういう公文書が出ておるのであります。従いましてこれは明らかに特調から健保に対しまして、健保の金を融資するということを言つております。  なお二としまして、御願書というものが出ておりまして、これは富士銀行から健保に対しまして、     御願書  謹啓 時下益々御清祥之段奉賀候  陳者組合には現在多額の御保有金有之候由洩れ承り候に就ては弊店に御預金方御高配賜り度此段御願候也   昭和二十四年八月十七日  二十四年の八月の十七日附で、こういうものが出ておる。  その三としましては、今度は、     御通知   弊行財団法人民成協会金壱百四拾五万円也を昭和二十四年八月十七日貸付完了致しましたから御通知致します  昭和二十四年八月十七日       東京都千代田区大手町一丁目六番地       株式会社 富士銀行     取締役営業部長 太田 省三   連合国軍要員健康保險組合    理事長 伊藤  清殿  その他決済書等写しもここに資料としてありますが、先ずこの公文書長官はお認めになるのかどうか。仮にこれをお認めになるとすれば、再々そういう融資はやつていないということとは多少事実が相違するのではないか、かように私は思いますので、先ずこの点からお答えを願いたいと思います。
  4. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 只今の御質問でございますが、一昨日でしたか、この御返事を申上げますときに北海道石炭手当に関する斡旋のことを申上げまして、そのほかのことについては、ただお話を申上げなかつたわけであります。併し北海道のあの関係のものと言いますけれども、実は私どもといたしましては、普通世間に言われておりまするところの融資、或いは横貸しとか、浮貸しとかいうものとは性質がまるつきり異なつておるものだと、こういうふうな意味でございます。例えばまあ私としては、認むるか否かというような、民生協会関係厚生物資配給に関する書面でございますが、書面の内容は私詳しく記憶はいたしておりません。当時関係の部からこういうものを健康保險組合理事長、即ち預金を扱つているものに出したほうがよかろう、それは結構であろうと私は思いました。そのわけはいろいろあとで申上げまするが、これも民生協会なるもの、或いはそれに関連する業者に銀行が金を貸しまするときには、これはどこまでも仕事に直接関係あるものとして、貸付けて頂くのでありまして、そのために健康保險組合の金が、例えば銀行が回收不能に相成りましても、それにはいささかも疵はつかん、こういうような意味でございまして、たまたま銀行が、もともと健康保險組合預金をしてもらいたいということは、ずつと以前でございますが、健康保險組合設立いたしまするときに、私が設立準備委員長としてやつたのでございますが、富士銀行等においても、その際から何回か預金をするようにやつてくれと、併し私としては、銀行というものをのちになつて、当初のことなら別として、あとになつてむやみに殖やすのはどうであろうかと、こういうふうに考えておりましたのですから、何らか健康保險組合員に縁のあるような仕事でもするときに御援助でも相成るというようなことがあるならば、これは又健康保險組合のほうに、そういう取引をしてもらいたいというようなことを頼むよりも、そのほうがいいのではないか、こういうふうな考え方であつたのであります。それからもう一面申上げないと何と思いますが、実はこの健康保險組合お金と申しますか、当初はちつともなかつたのであります。設立準備をいたしましたときには、まだ国の予算も計上されておりませんのでございますので、最初の年、一昨々年ですか、三月中にすでに四月以降の準備をせねばならなかつたために、銀行より、これも必然の手続上といたしまして、私の設立準備委員長という資格におきまして、三和銀行から幸い申出がありまして、三和銀行から五百万円の金を借りまして、そうして準備行為を始めたのであります。その後四月一日に健康保險組合というものが、予算上で運行可能には相成つたわけでありますが、その当時政府給付というものは、保險組合員納入保險料がきまつてからでなければ、即ち政府がそれと同額を交付するという建前になつておりますために、それと同額をということになりますと、現実に保險料の納付の額を認めて、それで以て政府のほうに要求をすると、それで政府下げ金をもらう、こういうような順序になるのであります。然るにその保險料なるものは、いつ入つて来るかと申しますと、四月以降のものであります。四月の給料は五月の十日に入るのが大体原則になつておるわけであります。五月十日以降にならなければ保險組合には実際上金は一つもないのであります。或いは五月十日というのは一番早く行つて、その日に入つた金がわかつて、という場合であります。それを全国各府県から大体集計いたしまして、大体の累計をとり、それでもまだ大体の数字であるから、それで政府の方に最初の金をもらいましたのは随分あとでございます。時日の記憶はございません。最初から一カ月以上、二カ月ぐらいは保險組合には金が一銭もないと、併しながら保險組合としては事務を開始したと、こういうような状態が起ることが明白だつたのです。従いまして私といたしまして責任上、殊に現金給付等を要するという場合等があります。又保險組合事務所を設けたのですらか、給料を佛わなければならないという問題もいろいろございまして、取りあえずの見込といたしまして、約一千万円は要るであろうと、こう考えまして、一千万円の金を借りたのであります。そのとら三和銀行より五百万円、大阪銀行より五百万円を借りたわけであります。三和銀行から借りましたという放は、保險組合がスタートしますときに、三和銀行がそういうものがあるということを研究調査いたしまして、将来の取引を願うという意味があつたのでありましよう、当時の関係局に参りまして便宜を図ると……。これ幸いというわけで、先刻申上げた五百万円という最初の金を借りたのであります。そういう御親切なところならば、まだほかで何も言つて来ておらんのだから、そこを或る程度取引銀行認めてもよかろうと、こういうふうに考えたのです。一方それでは大阪銀行に対してはどういう因縁かと申しますと、大阪銀行では、特調はいろいろの関係で前から取引関係を持つているのです。十分特調としては世話になつているわけであります。その義理合いも考えまして、大阪銀行三和銀行から、向うがお貸し下さるものならば、組合の運営を援助するという意味でお貸し下さるならば結構である。そうすればその因縁を以て将来の取引を約束してもいいだろう。但し向うに限るものではない。主たるものはスタートにおいて、どの程度に大きくなるかわかりませんが、取りあえず大阪銀行三和銀行取引銀行と承認するという、こういうふうな意味で金も借り取引も開始したのであります。その頃になりまして、富士銀行が、これは何か保險関係中央金庫でございましようか、私よく覚えておりませんが、そういうような業務に関係があるんだそうでございます。だから自分のほうも一口取引銀行として乗せてくれんかというような話もあつたと私記憶しております。そういうような関係もありましたが、もう銀行二つ作つて、たまたまこれが大阪本店のある銀行なのでちよつと工合も悪い。実は東京本店のある銀行も選ばなければならん。又将来において保險組合預金の額が非常に大きくなるというようなことがあれば、一方だけに片寄らせてもどうかと思うので、その際又二、三割に選んで殖やそうかと考えておつたわけであります。そういうような時代でありましいので、又同時に、その当時誰にも相談する必要もないし、私が一人で自分見込で、そうしても差支えないような状態にあつたわけでありますので、やつたわけでありますが、今のお尋ねの富士銀行との関係はどうかと申しますと、そういうような因縁もございます。  それからなぜ組合にそういうような公の依頼書を出したかと申しますと、あとになるのでありますが、私が準備委員長をやめまして、お挙げになりました伊藤清君を事務局長にいたしまして、やがて伊藤君は選挙されまして理事長と相成つたのでありますが、事務局長時代には、銀行預金等は濫りに動かしてはいけないという條件を私としてつけて置いたわけであります。これも私の立場で申しますれば、これは公の立場でありまして、それを事務局長、まだ正式に任命も受けない事務局長事務局長理事長事務代行をするというような形に実際上なつてつたのでありますが、預金もだんだんと多く殖えて参りますのに、一事務局長がそういうふうに勝手に銀行を選び、勝手に預余を動かすということはよろしくないと、ですから動かすときには相談してくれというような條件をつけてあつたのであります。それがその後理事長ということに相成つたわけであります。理事長になりますと、私ども考え方としましては、正式には私どもといたしましては、事業主の代表ではありまするが、組合そのものを、組合が完全に成立して運行機関のできたのちには直接に関連すべきものではない。併しながらそういうようなお金の動かし方等については、筋があつて動かすならばこれは結構であると、殊に健康保險組合の場合におきましては、保險組合員が、即ち進駐軍要員で、要員たる労務者でありますその人たちのために、何かいいことすをる場合に動かすというようなことは、むしろ場合によりましては、私としては進んで援助を沸う。その場合、併しながら保險組合保險組合でありまして、どこまで行きましても保險組合の金に一銭の損害も與るというような行為はとらない。従いましていわゆる紐つき融資というようなことは、その場合であつてもこれはできない。でありますので銀行が好意を示してそういう仕事援助すると、援助するに際して貸金の危險負担銀行がみずからの負担によつてする。併しこちらでそれに対して保險組合取引先という意味において、これを或る程度考えると、そこで余つている金があるとすれば、これは当座預金或いは利子少い通知預金にして置くよりも、若し余裕があればこれを定期預金にすれば利子等は余分になるのでありまして、十分の見込がついたならば、差支えなければ二カ月若しくは三カ月の定期預金というようなことにして置いたら、これは全部のためによいことである、こういうふうに考えた次第であります。それが富士銀行等預金が持つて行かれたゆえんでありまして、この性質におきましては、私はこれは、いわゆる世間で言うところの浮貸であるとか、或いは保險組合金そのもの融資であるとかいうものとは非常に性質の違つたものである、こう考えておりまするので、そういう意味において、單に融資をしたかと聞かれますと、したことはございませんと、こういうふうに私としては申上げてよいのではないかと考えておつたわけでございます。  ただ特に今お話の中に、幾々らと金額を書いたのは私は存じておりませんですが、北海道の問題につきましては、これは特に一昨日北海道関係のことを申上げましたのは、私自身が是非そうやつてくれと積極的に頼んだこともありましたので、特によく記憶しておるので申上げたわけであります。
  5. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 長官はですね、今の説明によると、融資を飽くまでしてない。ただそれは普通の預金よりも定期預金にするほうが利子もいいし、そういうことにしておるというようなことを言つておられるのですがね。併しそれなれば、何もわざわざ銀行を変えたりしなくても、たとえその依頼が、形式的にそういう手続が、依頼手続がとられたとしても、預け替える必要はなく、その銀行でその定期預金にして置けば、それで十分事が足りるわけなんだ。やはりこの金を動かすことにおいて、そうして融資をですね、しておるということは、これはもう明らかな事実であると思うのです。そこでそういう私らは考え方をしておるのですが、議論をしておりましてもはてしがないのでありますが、私が先ほど申しました公文書写しがここにございますから、これを委員長からお示しを願いまして、これを認めるのか、認めないのか。その点一つ明らかにして頂きたい、こう思います。
  6. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 今お示しに相成りました依頼書というものは、当時出されたと私思います。但しこの点につきまして、中身もこれも嘘では勿論ございません。併し金額がどの程度借りられるかという問題は、私のほうといたしましては、どこまでも銀行と借りる者との関係であるという建前をとつております、又これがどうして富士銀行であるかという点でございますが、民成協会がたまたま富士銀行取引でもありましたし、先刻申上げましたように、富士銀行から特別調達庁に対しまして取引銀行としてくれというような依頼参つてつたと私は申上げたのですが、私のところばかりでなしに、そちこち関係の部局に依頼があつたと私は記憶しております。そういう関係富士銀行に領金する、いい加減に……。私どもの直接その当時関係しておりました銀行には、借りようとするところは取引関係がなかつたのであります。御承知のように、取引関係の創設というものは非常にむずかしいのであります。富士銀行ならば貸してくれというところでもあるので富士銀行に持つてつた。但し先刻申上げましたように、それはそれでありまして、どこまでも銀行が金を貸したことに対する責任は、特調も負わなければ、保險組合も私はただ預金がそこに行く、これだけの関係でございますので、若しそういうようなことも、これも広い意味融資のことがいいか悪いかという問題に相成るのでありますが、融資と御解釈に相成れば、これも又或る種の広い意味融資ではあろうと、こう言わざるを得ないであろうと思うわけであります。  それから第二番目のことは、私といたしまして存じませんけれども、恐らく前々から保險組合の金の預金が欲しいと言つてつたのでありまして、当然のお礼状ぐらいのところでなかろうかと思うのであります。これは推察でございます。  それから三番目、これは富士銀行に対する、私はこれは見ておりませんから存じませんが、これは保險組合内部における手続、これは預金を動かすことは嚴重にせよということは私のほうからも申してありますので、預金取引銀行の拡張とか、それから多額に金を動かすという場合には十分注意してやれということをやつてあるための当然の内部手続というふうに考えられます。  それからこの資料の第四でございます。そういうような関連性において銀行に持つて行かれたということであるので、銀行がお貸ししたいということを伊藤理事長にこれは通知をしてあるものと思いまするが、元来が私先刻から何回も御説明申上げたのでありまするが、まるつきり関連がないと私は申上げているのではございませんので、そういうようなことが、銀行が独自の立場においてやつた。それならばこの銀行が独自の立場において金を貸してくれということが労務者のためになる。それが結構であるという意味において、銀行預け替えをしてもらいたいということを私ども言える。それを組合として呑んでお金を動かす。そのことをしてただ徒らにやつたのではなくて、理由があつてお金を貸したということだけをこれは見ているんだろうと想像いたします。併し証第四号と申しましようか、これがありましたかと申しましても、その貸したからと言つて連合国軍要員健康保險組合の金にはいささかも疵はつかんというような措置になつているはずであります。只今その書類を見ましていろいろ申し上げましたのですが、私が初めて見るものもございます。
  7. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今の四つの資料のうち、富士銀行から健保理事長に宛てている貸付を完了いたしましたからというこの通知書、それから御願書として余裕金があるから私のほうに預けてくれという依頼書、又今長官が言われたように内部定期預金預け替えに対する決済書、これらのものがいずれも二十四年の八月十七日に行われているんです。そういうようなことは官庁なり銀行なりの今日の手続の上から、常識から言いまして、そういうことは一度にそう三つが依頼するわ、貸付けたわ、完了したわ、こういうことはおかしいのじやないか。そういう点から見ましてもこれはもう当然に融資である。融資目的にやられたものであるということがはつきりする。なお根道長官の判を捺したところの融資依頼書公文書も明らかにこれは融資目的として出された公文書に違いないのであります。これは今も長官はつきりとお認めになつておるように、これが偽物でない限りにおいては明らかに我々はそういうように思つておるのであります。ただ今長官健保の金が、これがいずれにしてもなくならないのであつたならば、それでいいじやないかというような御趣旨説明をなされておるのでありますが、併しながらこの当時は、この金融ということが大きに経済的にも作用をしておるということは、これはもう御承知通りだろうと思うのです。ただ金がなくならなければいいという理論は余り極端な議論じやなかろうか。今日の金融金詰りというものは、あらゆる産業を金融が支配をしておる。金融がつきさえすれば、どんなものも仕事になるというのです。従つて商人はこの金融のためには血眼になつて、そうして而も高い月五分とか一割の高歩の金を借りてでも利益を上げておるのです。だからこの金が特調健保から出て返つて来るまでの間にどれだけの大きな仕事を、役割をして来ておるか。その役割をしたその裏には勢い何かの利益が何者かに供與され、又これがいろいろなトラブルの原因となつて行くということは、ただ特調のこういう金融のみならず、公団等の大きな不正金融もこういうケースでこれが行われておるのでありますから、だから私は今おつしやられておるように、何でも組合が損をせなければいいことになつておるからそれでいいじやないかというようなお考えのように拜聴したのでありますが、そういうことでは私はないと思う。そこに疑問があるので、我々はこれをやはりよく聞き質して、そうしてこういう疑惑の生じやすいようなことが国の行政機関内部で行われるということが正しいのであるかどうであるか。こういう点に重きを置いていろいろお聞きしておるのですから、この点についてはもう少し率直にそう廻りくどい説明をされずにお答えを願いたい、こう思うのであります。
  8. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 今カニエ委員の御質問、誠に御尤もでございます。仰せの通り健康保險組合に損をかけないから何をやつてもいいのだと、そういうような心持は持つてはおりません。ただそれが金詰り状態は今日と当時は大分違うのでありますから、銀行の金を借りるということは容易なことではございません。併しながら金があれば又仕事ができるというような時代でもなかつたのであります。私どもといたしましては、金融の困難のために労務者に渡る物資が不当に値が上つて来るというようなことがないように、若し金融面の苦労をせんで済むならば、できるだけ物が安くなるであろう、なり得るであろうということに実は根本的の理由があるのであります。従いましてできるだけそういうことは当時はしたい、進んでもすべきであるとまで考えたのであります。又率直に申上げて私は進むべきであるとまで考えておりました。但しそれにいたしましても、目的保健組合員が対象なのであります。そのためにやろうということでありまして、而もその金が健保の金、同じく保險組合に繋がりがあるのであり、そういう金を動すにいたしましても、筋道が違いますので、これに損をかけることではいけない。従つて動かす場合にはこれは堂々と動かさなければいけない。従いましてそういうような意味で動かすということをお互いに明確にしなければならん。却つて今申し出されましたような書類は、そういうことをはつきりさせるために存在すると言つてもよかろうかと、私詭弁ではないと思いまするが、考えております。元はどこに行きましても、心がまえといたしましては、品物が完全に動くようになり、それが金融面の困難がないならば、これだけ安くなるのだというようなことを言えればそれならば援助したい、こういうふうに考えておつたわけであります。併しながら先刻も申上げましたように、今世間で以て問題になりました公団等融資とは、まあ非常な性質の違うものであるということを私申上げたかつたわけであります。
  9. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 前回委員会資料要求をいたして置きましたやつを重ねて至急にお出し願いたい。
  10. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 大体できておりますから、整理してお出しいたします。
  11. 吉田法晴

    吉田法晴君 お話を聞いておりますというと、非常に長官として弁明これ努めておられますが、それだけに却つて疑惑を持つてども考えるのですが、そうすると第一点は、長官としても民放協会の成立、それからそれに労働者用物資配給させるという点、それからそのために健康保險組合のこれは準備金だろうと思いますが、そういうものを銀行に預け替をして、そこから融資をさせて、そうして配給さしてどの程度儲かつたかということは知りませんけれども、そういつた一連の事実については、長官としても御存じであり、そうして又それについて責任を持たれるような事情を知つておられた、こういう工合に解してよろしうございましようか。
  12. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) ちよつと御質問趣旨がよくわからなかつたのでありますが、その当時、今は私は特別調達庁長官でございますが、そのときは、今の書面の出た時代は私は次長であつた、次長になつたばかりだろうと思います。従いましてその事柄はその少し以前に私が事業局長としてその関係仕事をいたしておりまして、民成協会というものがどの程度儲けたと申しますと、実は一つも儲けておらんらしいのであります。殊に貸倒れ等の貸倒れと申しますとおかしいのでありますが、資金の回收困難のために、その後の仕事をするのに非常に困つたというようなことがあります。まあそういうような状況でありまするので、銀行としては、銀行の業務上、協会側としてはたくさんの資金をもつと借りたかつたが、銀行銀行見込において少額の金しか貸しておらなかつたという関係におきましても、五百万出したから四百万、五百万そのまま貸すとかいうことでなしに、銀行見込において百四十五万という金を貸したのであろう、こういうふうに考えております。
  13. 吉田法晴

    吉田法晴君 民成協会が儲けたか儲けないか、銀行が儲けたか儲けないか、そういうことを聞いておるのでなく、問題は民成協会の成立なり、民成協会が、労務者物資配給するということ、それから健康保險組合準備金を預け替して、そして融資させて、品物を作つて配給する。そういうことについて長官として、長官でなかつたかも知れませんけれども、その時々のポストにおいて事情を知つており、それについて責任を負うべき立場にあつたかどうかということを聞いておるのです。
  14. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 私どもといたしましては、民成協会がこの前御説明したような意味において設立されたのであり、従つてこれはできるならば助成したい、こう考えております。又同時に財団法人となつた後においても、特別調達庁としては十分監督しなければならん監督上の責任も当然あるのでありまして、その仕事が正しく行われておる限り、特調としてはこれの面倒を見たいと、こう考えておりました。又こちらが承知してやらせておるところの協会でありますので、これについていろいろ間違いが生ずると、当然特別調達庁のそういうことに関係を持つておる我々にも影響するので、或る種の責任はあると、こう考えております。
  15. 吉田法晴

    吉田法晴君 これは責任認め認めないにかかわりませず、責任があると思います。もう少し廻りくどくなく簡明率直にお答え願いたい。この健康保險組合準備金を預け替する理由については、法にも、準備金その他の財産の管理方法の要綱は規約を以てこれを定めると健康保險法に謳われておる規約もあると思います。それからこういう重要な問題については、これを堂々と明瞭にやるべきだというお話でありますので、或いは理事会等に諮られたか、或いは監督官庁の認可を受ける、これは認可を受けるという事項にはならんかも知れませんけれども、そういう点について、如何に堂々とやられたかということについて承わりたい。
  16. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 準備金というのとは性質が多分に違つておるのでありますが、法律によつて縛られておる金を勝手に動かすというようなことはしたとは考えておりません。そういうことはなかつたと思います。單に保險組合余裕のある預金というものを動かすについては、それだけならば差支えはなかつたと、こう考えております。但し保險組合が如何なる名義を以てするを問わず、よそに金を借すというような行為はできない、銀行に余つておる金を預けるということだけはできる、保險組合との関係におきましてはその範囲の預けるということだけでありまして、それ以上には及んでおらないと、こう考えております。
  17. 吉田法晴

    吉田法晴君 念のために申上げて置きます。私も健康保險組合の運営をやり、理事をやつたことがありますから様子はよくわかつております。運転資金であるならば、定期預金にされるのもどうかと思いますが、三カ月のことでありますから、余裕金であつたかも知らんと思いますが、その点は長官においても明らかになつておらんようであります。私は法定準備金のようなものでないかと、こう考えますが、それの預け替についての権限といいますか、保險組合としてどこに預けようとこれは問題はない。但しお話のように堂々と明快にやるべきだというその手続について、或いは規約がどうであるとか、我いは理事会等に諮られたか、そういうような堂々とやられた具体的な方法を聞いておるわけです。
  18. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) その当時のことでございますが、まだ保險金の拂出しというものが割りに少かつたので、一時的に預金の額が相当多くなつていた時代がございます。これは私は一時的に生じた余裕金だろうと考えておりました。最初の頃私自身がまだ設立準備委員長として、実際上は理事長に当るような職務を行なつておりましたときに、月々政府から下つて参りまする金、それが二、三カ月分溜まつたことがございます。それで初めは定期預金等にして縛つて置けばこれは困ることがありはせんかと考えたので、見据えのつくまでは一時的に相当多額の金が当座預金なり、通知預金なりの程度になつてつたわけであります。私自身といたしましては、最初はすぐにも出て行くのじやなかろうかと思つて当座預金にしておりました。そのうちに気が付きまして、これは定期預金にするには都合が悪いけれども通知預金くらいには直ちにすべきである、殆んど金額近くを通知預金替えたというようなことがあつたように記憶いたしております。その後の状況を見ますと、急に要ることは余りないというふうに思われた時代もありましたので、伊藤理事長に引継ぎましてからも、いろいろ話をしたことがございます。でき得れば利率の最も高い信託預金等にすることもいいのではないか。但し一遍にしてはいけないので、時期を区切つて、金がいつでも戻つて来得るように期間をずらして段階的にやつて置けば、資金の関係上、余裕金組合のために最も有効に使うことができ、国のためにもいいだろう、保險組合のためにもいいだろう、こういうふうに考えておつたわけであります。  それから今の預け替に際しましてどうしたか、どういう手続をとつたかと申しますと、私保險組合のその当時の責任者になつておりまする伊藤君に対して、依頼をする、私からこうしたほうがよくないか、或いはこうしてもらいたいということを言うただけでありますから、内部においてそのときどういう手続をとつたか、私としては今上申げることができません。
  19. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今の吉田君の質問関連してですが、一体特調健康保險組合の金を動かすようなことを依頼するという権限があるのかどうか、この点を一つ簡單に……。
  20. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 依来する権限というものはないと存じます。事実上依頼することは差支えなかろう、こう考えておつたわけであります。
  21. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そういうよな、別個に特調のほかにあるところの独立した機関に対して、たまたまその機関の主要な部分を特調の役人が二重人格のように握つておるからということだけで、特調がそういうことを依頼するということは、一体役人として、又役所として妥当であろうというお考えですか。その点伺いたい。
  22. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) その当時、全体のためになることならば私差支えないと考えておりました。
  23. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そうすると全体のためになるという考え方であつたとしても、結果においてそれが全体のためにならない結果を事実来たしておるのであります、私の調べたところ……。その責任はそういう場合には誰がとるということになるのですか。
  24. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) ためにならないと申しましたが、今非常に広い範囲の問題になると思うのであります。今保險組合利益という点だけから申上げますると、御迷惑をかけた結果になつておりませんと私思うのです。
  25. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 長官は結果において不利益をかけておらんと言つておられますが、これは後ほどその事例を示して御説明いたしますから、あとに廻しますとしましても、もう一つ大きな問題は、二十四年の七月に健保組合会で、との組合費の按分が、病院側が千分の十一、国が千分の三十三ということが、最高議機関、いわば国会のようなものでありますが、そこで議決され、きまつてつた。ところがそれが今日に至るまでその決議を特調は実施していない、そういうことを要請していない、そのために年々この全直傭労務者が受けておるところの損害というものは、何十億という大きな損害が今日まで起きておるのでないか、こう思うのですが、そういう最高の決議機関が決定したものを、それをなぜ実施せずに今日まで握り潰してやつて来たのか、こういうことは、直傭労務者にとつては大きな問題であろうと思うのです。その点どういうわけになつておるのか、はつきりと御説明願いたいと思います。
  26. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 今のカニエ委員の御質問、料率のあり方の問題でございますが、組合に損害をかけておるというようなお話でございますが、非常にお考え方が我々の考えておるのと違うよに思います。その間につきまして、いろいろ我々といたしまして、役所といたしまして研究はいたしたのであります。その間のことについて説明員に説明さしてよろしうございますか。
  27. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) よろしうございます。どうぞ。
  28. 曾田忠

    説明員(曾田忠君) 御説明いたします。御質問通り第一回の組合会におきまして、保險料率の事業主と被保險者の負担区分につきまして、被保險者は千分の十一、それから事業主は千分の三十三という組合会の決議があつたのです。その決議に基きまして特別調達庁といたしましては、大蔵省或いは関係方面にいろいろ折衝して参つたのでありますけれども、大蔵省といたしましては、連合国関係使用人も同じ公務員である、一般公務員は共済組合におきまして同一の料率を拂つておりました。そういう関係、それから又国の予算的な立場におきましての問題、こういう二つの点におきまして、大蔵省側といたしましては、現在まで了解してない状況であります。
  29. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 どうも私その点おかしいと思うのですが、私の調べました範囲では、当時の石場、それから業務部長の大塚、それから総務部長の藤崎等の最高幹部がこれを握り潰しておつた、而も関係省である厚生省には何か一札を入れておるようなふうに聞いておるのであります。そういうことが、闇というか、なされておるということは甚だ遺憾でないかという、この点はまあそうといたしましても、大体組合会で、最高機関で決定されたその意思を、そういう上のほうで勝手に実施せずに今日までおつたということは、これは穏かならざることでないか。而も私の考えるのには、組合会でそういう決定をなされた以上は、大蔵省といえどもこれを予算化するところのやはり義務があるのではないか。それをなぜ予算化せずにやつて来たか、この点についてお答えを願いたい。
  30. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 只今お話でございますが、組合要求されたからといつて事業主の負担分が増さなければならない義務を国が負うということには私はならんのだろうと思うのでありまするが、少くとも同額は出さなければならんということはわかりまするが、それ以上の問題になりますと、政府の全然別個の予算措置を要するわけであります。又御承知のごとく終戰処理費で枠が一応きまつておる、その中におきまして、特別な予算を組まない限りは、一般労務者の負担するところの保險料率を遥かに上廻る、同額以上の遥かに上廻るところのものを国だけが負うということをするのが、その関係人たちの義務なり、大蔵省の義務とは私どもとしては考えなかつたわけであります。勿論労務者要求は、自分たちの保險料負担額のできるだけ少からんことを欲するということは、これは自然の情であります。又できるならばそういうふうにしても上げたいというようなことを考えるのも、その関係の局に当る政府側としてもありたいと存じまするけれども組合でそういうふうな議決をいたしましても、これは組合としての希望の状態であります。それで政府としての予算措置は別に考えらるべきものであろうと、こういうように考えております。
  31. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 もう時間がありませんので、この件については又改めて御質問をするということにいたしますが、併し今長官が言われておるように、組合会が決定して来たことだから、これは政府とは別個のもののように言われておりますが、この組合は他の労働組合のような組合と違いまして、政府も同数の委員を出しており、労働者側も同数の委員を出しておつて、而もこの重要な決議というものは過半数できめられておるのではないのです。これは四分の三なんという、或いは三分の二なんという大きな絶対数においてきめらておるのであります。従つてこれはそういうきめ方においても又構成にしてもそういうことになつておる以上、他のそういうものと非常に性質が違うのではないか。従つて政府自身もそれを二十四年の七月にやはり了承しておるのです、代表者というものは……。そういうことになつておるものですから、私は今おつしやられるような理窟でない、他の組合がそういうことを決定して申入れたものとは本質的に違うのである、こういう点を言つておるのであります。なおいろいろ、時間がもうありませんから私の質問は、他の委員はどうか知りませんが、私の質問は一応これがおきまして、次回に御質問申上げるということにしたいと思います。
  32. 吉田法晴

    吉田法晴君 簡單にお答えを願います。財団法人民成協会というものを作つて麻の配給をさせるという点は、長官なり次長としての職責なんでしようか。要するに任務と関連するものかどうか。
  33. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 進駐軍関係労務者に関する仕事を扱つております役所といたしまして、又代表として雇用者の立場に立つております関係上、それらの労務者の厚生のためになるというようなことならば、できるだけ法律的にも事実上も援助してやるのが私たちの義務であろうと考えておるわでありまして、従いましてそれらのことに役に立つような仕事をやるという者がありましたときには、それらの者に対しても同じ趣旨を以て援助してやつて行きたい、こういうように考えておつたわけであります。
  34. 吉田法晴

    吉田法晴君 その点は議論になりますからやめましよう。長官なり次長としての仕事であるかどうかということについては多少疑問を持つのでありますが、先ほどお尋ねいたしました五百万円の預け替の金は、先ほど長官も明らかでありませんでしたが、準備金であるのか、或いは運転資金であるのか、これは次の機会に明らかにして頂きたいと思います。  それから健康保險組合の規約、こういうものを資料として出して頂きたいと思います。  それから結局これは、問題は民成協会を使つて麻のシヤツの配給をさせることが特別調達庁として妥当であつたかどうか、こういう点にかかつて参ると思うのであります。財団法人民成協会の寄附行為というものは、監督官庁として持つておられると思うのでありますが、それを一つこの次の機会に出して頂きたいと思います。それからその点について財団法人が商行為るやるということについては、これは長官も妥当性を欠くというようにこの前言われたと思うのであります。財団法人に商行為をやらせるということは脱税の目的以外にないように私どもには考えられます。それから民成協会を作るときに、これはお話を聞いておりますと、当時の次長といいますか、次官といいますか、としての当時の根道さんなり、役所の幹部だけで作られたような印象を受けるのでありますが、その組織についてどの程度まで、進駐軍労務者利益を考えるというならば、意向が考えられたかどうか。或いは運営についてどの程度意向が盛り込まれたかという点についても、お尋ねをいたしたいと思うのであります。それらの高については、それでは次の機会にいたしたいと思います。
  35. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 承知いたしました。
  36. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) それでは休憩いたします。  今も申しました通り特別調達庁関係のは他日に讓ります。二時から続行いたしまして、午後は請願と陳情に入りたいと思います。    午後一時一分休憩    ―――――・―――――    午後二時四十二分開会
  37. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) これより休憩前に引続き委員会を開会いたします。  請願及び陳情を議題といたします。速記をとめて。    午後二時四十三分速記中止    ―――――・―――――    午後三時五十九分速記開始
  38. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) それでは杉田專門員から、従来の沿革等もありますから説明を願います。
  39. 杉田正三郎

    ○専門員(杉田正三郎君) この水産省作つてもらいたいという請願は、すでに第六国会でも、第九回会でも同趣旨のものが出ておりまして、そのときこの委員会ではどういう態度をとつたかと申しまするに、    〔委員長退席、理事梅津錦一君委員長席に着く〕 この水産省設置という大きな問題は、單にこれを切離して今その適否ということを判断するのは早計であるから、これは広く我が国の行政機構全般の問題が政府のほうにおいても、又国会においても審議せらるる際に併せて考慮せらるべき問題であるから、これを切離して今直ちにそのいい、悪いということについて決を採るべきものでないという意味で、一応このまま留保して置こうということになりまして、この第六国会、第九国会とも留保になりまして、採択も或いは不採択ということもせずにそのままになつておるような次第でございます。  同じ趣旨請願がこのたび二百三十七号、四百七十三号、二つ現われておるのでありまして、これにつきまして、今日水産庁長官、行政管理庁そのほかからその御意見をお伺いすることができると思います。私から一応従来の経過をお話いたして置きます。
  40. 梅津錦一

    ○理事(梅津錦一君) では水産庁長官の御説明を先に聞いて、次に行政管理庁の長官は来ておらんですか……。
  41. 杉田正三郎

    ○専門員(杉田正三郎君) 順次説明を頂けばいいと思います。水産庁の長官のこれらに対するその請願趣旨、その他を御説明願いたいと思います。
  42. 家坂孝平

    政府委員(家坂孝平君) 水産庁は、前に農林省の水産局でありましたものをやや拡張せられまして水産庁ということに相成つたのであります。それでその後一昨年春でありましたか、五月頃だと思つておりますが、アメリカの漁業使節団が見えられまして、いろいろ日本の水産行政機構などについてもとくと研究せられました結果、その報告書の中には、日本のごとき水産業の非常に発達しておる所では、水産省というものを持つのが最も妥当じやないかというような意見をその報告書の中に折込まれてあつたのであります。爾来そうした空気も反映いたしまして、業界方面にも非常な昇格運動が抬頭して参りまして、去年春あたりから熱心に続けられて来ておつたのであります。それで衆参両院議員各位の御賛同を求めて署名運動などもつて、過半数を獲得しておるような状態であるわけであります。それでこの点につきまして、私ども水産庁といたしましては、    〔理事梅津錦一君退席、委員長着席〕 日本の水産業の置かれておりまする立場というものは非常に重要である。国民標準食糧の動物性蛋白質を撮らなければいかんというような点は、これは国民誰しも痛感している次第でありまするが、なかなか思うようにその地位まで向上せしむることができないのは非常に遺憾であるという声が民間にもありまするし、又私ども行政の立場にある者におきましても、この点は痛感しておる次第であります。従いましてこれはどうしても相当な政治力を持つような機構というものが必要になるのじやないかと、かような点から考えまして私ども立場といたしましては、水産省というもののでき上ることは非常に結構なことと考えております。併しこれは又農林省全体或いは内閣全体から考えました場合、そう一途にこの問題を割り切るわけには行かんかとも考えられまするけれども、私ども立場といたしましては、水産省というものができ上りますることは非常に国といたしましても結構なことじやなかろうか、かように考えておるような次第であります。只今のところ水産庁の組織といたしましては、これ以上の拡大強化もなかなかむつかしいことでありまするし、又これを強化いたさない限りにおきましては、思うように水産行政の発展拡充を図ることもできないのじやないかと、かように考えておるような次第であります。併し只今いろいろ請願の形で現れておりまするこの水産省設置運動の内容は、機構とか、機構は多少改革いたしましても、予算の面におきまして成るべく増額しないで現在の人員でやつて行きたいと、かような案で以て考えられておるような状態でありまするが、これだけでも私は非常に有効な水産界のために結果をもたらすものじやなかろうかと、かように考えておる次第であります。  大体この請願の今までの経過、それから私のこれに対する見方を簡單ではありまするがお話申上げた次第であります。
  43. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 管理庁の長官のほう一緒に聞いたほうがどうでしよう。
  44. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 行政管理庁のほうの側の意見どうなんでしようか。
  45. 中川融

    説明員(中川融君) 日本におきまして水産行政が今後ますます大事になるということは、まさしく只今水産庁長官の申された通りでございます。我々としましてもさように考えております。併しながら他面全体の行政機構という点から見ますと、省の増設ということは、これはできるだけ避けたいという強い考えを持つております。従いまして目下のところ、水産庁を昇格いたしまして水産省とするというふうな考えは我々としては持つておりません。現存の機構、水産庁という機構の中で、十分これらの必要な水産行政の推進ということはできるのではなかろうかというふうに考えております。
  46. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 何か質疑がありますればこの際……。
  47. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 勿論この各省庁の簡素化、そうして行政の簡素化は我々もこれを長年唱えて来たのでありますが、併し他面それは何でもかんでも簡素化するという政府考え方ではなかろう、必要があるということであれば、何もそのものが大きくなつて行くということはこれは当然である。その反対に大きなものでもやはり不必要に、なつて来ればこれは縮小するなり、或いは廃止するということをしなければならないと思うのですが、現在の我が国の水産行政の上から見て、厚生省なり或いは労働省、郵政省、電気通信省等のところから見ますると、電気通信のごときは著るしきその例でないか、現在一つのものが二つになつておるのです。而もその規模は極めて縮小的な規模になつておる、又その縮小の中から、今度は電波監理のようなものは又それから拔き取つて来ておる。そうするとこの比重は現在の我が国の水産庁が持つておるところのウエートとどちらが重いか、こういう点を行政管理庁としても一体考えておられるのか。私は過日の国会において電気通信の一省が二省になるということについては強く反対をしたのであります。併しながらそれは小さくなつて、そしてそれが又一つの大臣が二つできるということにおいて反対をしておるのであつて、こういうような、今水産庁から言われておるような主張に対してはどういうふうな考え方でおられるかですが、その点について一つお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
  48. 中川融

    説明員(中川融君) 今お話になりました点、全く同感でございまして、我々としても決して機構を徒らに縮減するということばかりが当を得た策であるとは思つていないのであります。必要ありますれば機構のほうを大きくする、或いは新らしく作るということも勿論必要であります。それと同時に要らなくなりました機構はできるだけこれを縮減するということも、これ又当然であります。水産行政の問題につきましても、只今水産庁を省に昇格するというようなことは考えておらないと申上げました趣旨は、目下のところ、現在の段階におきましてさような案を持ち合しておらないということでありまして、決して将来問題といたしまして、未来もずつとこの水産省というようなものを作る意思はないという考えでおるわけではございません。その際におきまする行政機構の全体というものから考えまして、ほかの部面を縮減することによつて、省を例えば新設できるという状態がありました際に、或いは水産省というような問題が又具体的な問題として取上げられないとは決して断言できないのでございますが、只今状態におきましては、さような考えを持ち合せておらないという程度に御了承願いたいと思います。
  49. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 目下そういう差迫つた庁を省にするような條件が発生していないと、こう考えられるわけだと思うのですが、中川さんのほうにお伺いしたいのですが、これはしばしば問題になつておる日米間の漁獲に対して濫獲をしないという、この間のダレス氏との申合せ等を総理はしたと言つておるわけですが、而もこの問題は中共にも関係をして、漁業権の問題ですが、これは非常に大きな問題を将来残しておるわけです。而も講和会議を前に控えて、講和会議後に結局国際間の漁業の問題が当然私は浮び上つて来ると思う。今この漁業を大きな機構にして、而も各会議において大きな発言のできるような機構にして置かないと、結局專門家がここに常時発言することができないと言うような形から言えば、私は目下そういう重大な段階にむしろ来ているので、今国会にそういうことを決定しなければ、臨時国会までは待てないという状態にあるのではないか。観測筋から言えば、結局講和会議が六月乃至九月の間に行われるのではないか、こう言われておりますから、次の通常国会或いは臨時国会まで待てないような目下緊迫しておる事態にあると思うので、管理庁のほうはこういうようなことに対しては、やはり先年度と同じような状況であると考えられておるか。或いは以上非常に緊迫していると考えられているか。その間の情勢をお聞きしたいと思うわけです。
  50. 中川融

    説明員(中川融君) 今のお話の件でありますが、確かに今回のアメリカ等との関係におきまして、水産行政の仕方というものについて或る程度の機構の改正と申しますか、何かさようなことが或いは必要になるのではないかというようなことは考えておらないわけではないのであります。これにつきましは、どのような事態になるのか、もう少し事態の推移乃至判明を待ちまして検討いたしたいと思います。その結果どのような機構の改正を或いはする必要があるかというようなことは、従いましてその調査なり検討の済みました後でないと何ともわからないわけであります。機構の拡充をする必要がありますれば、どのような程度にする必要があるか。従いまして将来、或いは近い将来になるかも知れませんが、将来の問題といたしまして、水産行政に関する機構の問題を再検討するという必要がありはしないかということは、我々も一応頭の中に入れておるような状況でございます。併しまだ具体的にまとまつたというようなところまで来ておりませんので、将来の問題であるというふうに考えております。
  51. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 水産庁の長官にお聞きしたいのですが、講和会議後になると思いますが、こうした漁場の問題ですが、この場合には同一海域を有する国が共同管理をするような委員会ですが、こういうような委員会が作られるのはないかということを考えられるのですが、そういうことは、水産庁は特別の立場から或いはそういうことが当然考えられる、或いは考えられないと、そういうことを総理に質問したのですが、そこまではダレス氏とお話しておらなかつたというのですが、そういう意味長官の御意見なり或いは見通しかをお聞きしたいと思うのです。
  52. 家坂孝平

    政府委員(家坂孝平君) その点につきましては、共同管理をやつておりまする実例もあるわけでありまして、日本ではありませんが、現在例えばアメリカとカナダというようなものはおのおの共同で操業しております。海面の漁獲に対しましてはお互いが管理をして、そうして繁殖の保護をやりながら長い間漁業を続けて行きたいというような実例もあるわけであります。それでこれを講和條約締結後に、日本が各隣接国といろいろ漁業協定を結ぶことと相成ると思いまするが、そのときには例えば東太平洋或いは北太平洋あたりの「さけ」、「ます」、「かに」というようなものを漁獲するにいたしましても、やはりアメリカ、カナダあたりと如何にしたらばこの資源を長く保存することができるかというような建前から、お互いに公共管理委員会というようなものを作つて、その目的を達するほうが妥当ではなかろうかというようなふうに私どもも考えられまするので、これは東太平洋、北太平洋のみならず、或いは支東那海或いは黄海、ああいつた方面でも中国或いは韓国、台湾そういつた方面と一つの海域でお互いがその漁獲をしようというような場合には、そうしたシステムで操業して行くことが非常に円滑に行くことになるのじやなかろうかというような考え方を持つております。
  53. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 もう一度行政管理庁のほうに伺つて置くのですが、現在は水産庁を省にするという考えは持つていない。併しながら近い将来、又将来においてそういうことが必要であれば、でき得ないという意味ではないということを言われておるのですが、我々がこれを検討して行きます上において、行政管理庁が省に昇格するということはでき得ないというようなお考えがあるのか。それとも必ずしもできないものでない、必要あればできる状態にあるというのか。その点を伺つて置きたいと思うのですが。
  54. 中川融

    説明員(中川融君) なかなか御返答がむずかしい御質問でございますが、将来の問題としては、どのような機構案というものもあり得るわけでございまするが、今からの見通しといたしましては、現在我々の持つております情報とか、或いは認識と申しますか、そういうものからいたしますと、近い将来に水産庁を水産省に昇格するということが必要、或いは適当であるという事態がそう近い将来に来るようには今のところは考えておりません。
  55. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 水産庁長官に伺いますが、二十六年度の水産庁関係事業等の経理ですね、これはどういうふうな方針で組込んでありますか。昨年と比べてどういろ点に最も重きを置いて躍進的に編成してあるかというようなことを御説明できれば、お願いいたしたいと思います。
  56. 家坂孝平

    政府委員(家坂孝平君) 二十六年度の予算の総額からいたしますると、二十五年度とは大同小異でありまして、相当多額なものを最初原案として出したものでありますが、いろいろ国家財政の見地から査定を加えられまして、約十億の予算を目下国会の審議に廻してある筋合いと相成つておるのであります。去年はそれよりも約三、四千万円少かつたと思つております。それからそのほかには公共事業費といたしまして、漁港の修築経費があるのでありまするが、これは去年の約倍額近くになつております。これは非常に特徴のある数字に相成つておりまするが、去年は七億五千万円近くありましたが、今年は十三億三千万円という数字で大体参るということになつております。それで内容に亘りますると、大体漁業というものはなかなか輸入資材をたくさん使つておりまするので、現下の状況からいたしますると、或る一定の枠を加えられておるような関係もありまして、思うようように増産がでないために、できるだけ資材の少くて増産ができるような面に力を注いでおる内容を持つておるのであります。それは言い換えますると、内水面、川とかそれから湖等でありまして、その他浅海増殖と申しまして、海の浅い所で漁獲いたしまする貝とか海苔とか、ああいつた極めて金のかからない、資材の要らない資源の漁獲の増産を図つて参りたい。かような内水面と浅海の増殖を強く収入れまして予算を組んでおるのであります。それから今一つは、御承知のように新らしい漁業法ができまして、これは画期的な、農地改革にも比すべき漁業制度の改革でありまして、これを完璧なものにいたしたいというので、この制度改革の費用といたしましても、かなりの予算額を計上しておるような次第であります。大体大きいところではそんな点が特徴だと思つておるであります。
  57. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) わかりました。もう一つ伺いますが、水産省として独立するという目的の下に編成された予算であるかないかということと、それからそういう目的ではないが、併しこれで水産省になればやつて行けると、こういう見込であるかどうかという点を一つ……。
  58. 家坂孝平

    政府委員(家坂孝平君) 二十六年度の予算面におきましては、水産省に昇格するというような意味合いは全然持たせてありませんです。それで若し水産省に相成つた場合にはどうかというお話でありまするが、私どもの計画もこれは特にやつておりません。これは只今請願しておられまする水産省設置運動の団体から非常にこの点熱心に研究せられておりまして、又私どももその内容につきましては、いろいろ御相談にあずかつたような場合もあつたのでありまするが、これは現在の規模、大きさというものをそのままにして、ただ内部的に若干組織を変えて、そうして予算を増額しないで行きたいのだというような根本趣旨でそれが組まれておるような次第であります。只今のお尋ねの水産庁自体といたしましては、別にそういう具体的の内容は持合してはおらないのであります。
  59. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) わかりました。それから行政管理庁に伺いますが、今期の国会に行政機構の改革ということは、これはどの程度あるか知りませんけれども、あると考えております。而してその中で農林省の機構改革というものもあるように聞いているのですが、その中には水産庁をどうする、独立させるとかいうようなものは入つているのですか、おらないのですか。おらないと思いますが、どうですか。
  60. 中川融

    説明員(中川融君) 行政機構の改革問題につきましては、方針といたしましては、今国会に間に合うように機構の改正をするという方針がきまつておるわけでありますが、その後におきまして例えば講和條約が非常に予想外に促進されたというような事態も実は出て参りましたので、果して今国会に我我が初め予定しておりましたような大規模の機構改革をそのまま提案いたしますことが適当であるかどうか、実はまだ最後の結論に達していないような状況でございます。従いまして機構改革が今国会に、政府といたしまして提案するとも或いはしないともちよつと判断といいますか、ことで申上げることがまだ申上げにくい実情にあります。併し勿論或る程度の設置法の改正というものは、各省においていずれにせよ行われることを思いますし、又その際農林省所管におきまして、例えば現場の水産庁をどうするかというような、そういう意味での機構の改革というのは、或いは今国会には提案されないのではないかというようなことも考えますけれども、いずれにせよこれはまだ決定的にきまつておりませんので、もう少し時期がたちましたら政府の方針を御報告できると思います。
  61. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 ちよつと速記をとめて下さい。
  62. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  63. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 速記を始めて。
  64. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 本件に関しまして、行政管理庁長官も一応委員会にお呼び願いまして、重ねて質疑を行いたいと思います。なおこの際水産庁長官に対してお願いして置きたいのですが、我々委員の中にも、水産に明るいかたもおられますが、又我々のように日本の水産の現状というものに対する知識の浅い者もおりますので、最も簡明にわかりやすいような我が国の水産の現状というようなものがあれば、資料として我々委員会のほうに一つ配付願えれば非常に結構だと思う。ただ何々の資料ということは、今即座に私はここに申上げにくいのですが、ともかくも我々が見て日本の水産の重要性、将来性且つ現状というものに対して、数字的に把握できれば非常に結構だと思う。こういう趣旨で一つ早急に資料を御提出願いたい、こう思います。
  65. 家坂孝平

    政府委員(家坂孝平君) 実は毎年、只今お話のようなことに答えるために我が国の水産業の現況、たしかにそういう題目で書いておつたと思いますが、このくらいの厚さのものを毎年出しておるものが最近でき上ることになつております。それができましたらこちらにも御配付申上げたい、かように思つております。
  66. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  67. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 速記を始めて。それから第五号の郡山市に営林局設置促進請願、これを議題といたします。これは前田会で採択しておつたと思います。それから政府委員が来ておつたが、帰つてしまつたというのですが、この前の経過を一つ杉出専門員から御説明をいたさせます。
  68. 杉田正三郎

    ○専門員(杉田正三郎君) 前に郡山市に営林局を設置して貰いたいという請願が出ておりまして、それは趣旨は、現在の前橋営林局の管内は非常に広くて、福島県、群馬県、栃木県、新潟県にも及んでおりまして、前橋では少しく中心を離れて片寄つておるから、その中心地の福島に営林局を移して貰いたい。併しながら当時政府側の説明では、現在全国に十幾つかの営林局があつて、或いはそれらは余りに数が多過ぎるというような問題もあつて、将来営林行政の機構の改革が行われる際に、この問題も併せて考えて行くほうがよろしかろうというような意味合いで、一応現在の前橋営林局は成るほど少し片寄つておるということは、政府のほうでも一応認めておつたのであります。そして前にこの郡山市に営林局を設置して貰いたいという請願は、前国会において採択せられたのであります。ところが今度出ましたのは、郡山市に営林局を設置するということをただ考慮するということだけでなくして、促進して貰いたいという形で出ておるのであります。そこでちよつと私が先月群馬県に出張いたしました際に、この請願もあつたものですから前橋の営林局に参りまして、営林局を今の前橋からほかに移すということは、その可否どうであろうかということを尋ねましたところが、現在のような交通状態であれば、特に偏しておると言つても大して不便も日常感じないのみならず、前橋の営林局を或いは郡山市かどこか他に移転するということになつたならば、現在において約一億円の金が無駄に費されるということになつて、これは国費の上から申しましても非常に濫費になるのでありまして、むしろ将来更に機構の改革の際に配置を変えられるなら格別、現在のところ、これだけを切離して移すということは適当でなかろうというような意見の開陳があつたのであります。
  69. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 今杉田専門員の言われる通り、費用からいえば一億くらいでできるかも知れない。ところが営林局に勤めておる人の問題ですよ、どういうふうにしてこの住宅難のときに、郡山に行つてあれだけの大量の人数がすぐに住めるかの問題、勿論前橋から通うことはできませんし、そういうふうな経済状況がよくなつて、おのずから住宅難がどんどん解決できるようになれば、これはもう自然に解消すると思いますが、今一番問題なのは住宅だと思います。そういうようなことが郡山で全部解決するかの問題ですね。まあ営林局の局員が行つて直ぐ住めるように郡山でやるということは、なかなか厖大な費用がかかると思います。そういうようなことを考えなければならん。今問題になつておるのは、特に奥利根の開発問題で、あの前橋局は、電源の開発と奥利根の開発問題で躍起になつておるわけです。そうして見れば、そこにはいろいろよい所があると思います。あの尾瀬の用水を奥会津に流すか、新潟に流すか、群馬に流すか、こういうことがうしろに隠れておるわけです。電源開発から考えれば、当然群馬に落したほうが費用が安い。ところが奥会津の耕地の灌漑の問題から言えば、奥会津に流したほうがいい。両方一利一害と思います。これは専門家が考えて見なければわからないと思いますが、とにかく関東一帯の電源を開発するということになれば、これは利根に落したほうが電源開発になるわけです。そういうような点から考えれば、営林局が直接国道の問題、いろいろのことに関係して、結局四方八方からいろいろ派生する問題が出て来るから、これは早急には解決付かないと思うのです。まあそういう意味で、この前は異議を唱えなかつたのですけれども、今度は奥利根の開発の問題、電源の問題から言つて、やはり電源開発のできるまで見返資金を使えることになつたから、まあ暫くは前橋に置いたほうがいいのじやないかと思いますね。
  70. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) ちよつと速記をとめて。    午後四時四十六分速記中止    ―――――・――――― 午後四時五十人分速記開始
  71. 河井彌八

    委員長(河井彌八君) 速記を始めて。それでは請願書第八十六号、第百三十四号、第百九十号、第二百六十号、第二百七十七号、第三百七十九号、第三百九十九号及び陳情書第九十六号は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものと、請願書第二百五十八号及び第二百五十九号は、議院の会議に付するを要しないものと決定いたしました。なお、請願書第五号、第百六十七号は、保留することとしまして、請願書第二百三十七号、第三百五号、第四百五十五号及び第四百七十三号は、後日もう一度審査することといたします。次回の日時はちよつと只今きめかねますが、大体火曜日までは委員会は開かないということにいたして置きまして、又後日公報を以て御通知申上げます。本日はこれにて散会いたします。    午後五時散会  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            楠瀬 常猪君            梅津 錦一君    委員            郡  祐一君            カニエ邦彦君            吉田 法晴君            林屋亀次郎君   政府委員    内閣官房副長官 井上 清一君    警察予備隊本部    次長      江口見登留君    特別調達庁長官 根道 廣吉君    特別調達庁長官    官房長     辻村 義知君    水産庁長官   家坂 孝平君   事務局側    常任委員会專門    員       杉田正三郎君    常任委員会專門    員       藤田 友作君   説明員    特別調達庁労務    管財部次長   曾田  忠君    行政管理庁管理    部長      中川  融君