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1951-05-25 第10回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十五日(金曜日)    午前十一時五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件継続調査承認要求の件 ○電力問題に関する調査の件  (電力割当に関する件)  (電気料金改訂に関する件) ○只見川上流開発電源帰属に関す  る請願(第一四六六号) ○只見川電源帰属に関する請願(第一  五七六号) ○川原、石河内第二両発電所復元に関  する請願(第一五八二号) ○宮崎県営渡川発電所開発促進に関す  る請願(第一五八三号) ○電気事業再編成に関する政令運用に  関する請願(第一五八四号) ○瀬戸外発電所帰属に関する請願  (第一五八五号) ○日本発送電株式会社への出資設備帰  属に関する請願(第一六九二号)(第  一七〇五号) ○岐阜県揖斐川水系水力発電所復元に  関する請願(第一七五八号) ○只見川電源帰属に関する陳情(第三  五八号) ○大淀川発電所復元に関する陳情(第  四三〇号) ○新郷外発電所昭和電工株式会社  復元に関する請願(第八九四号)   —————————————
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今より電力問題に関する特別委員会を開会いたします。  最初電力問題に関する継続調査承認要求の件についてお諮りいたします。前回の委員会において山川委員その他から休会中も料金その他につき調査をなし得るように措置されたいとの動議が出ておりますから、委員長において継続調査承認要求書案を作成しておきました。提出の日は最終日が確定した日において委員長において適当に取計らいたいと存じます。  次に要求書議長に提出することについてお諮りいたします。     継続調査要求書  一、調査事件 電力問題に関する調査  一、理  由 本委員会は、目下右に関する調査を進めているが、この調査はその対象が広汎多岐にわたり電気料金及び電源開発等の問題は中断することのできない状態にあるので閉会中も継続して調査を行いたい。   右本委員会の決議を経て、参議院規則第五十三条により、閉会の場合において、なお右の審査を継続することを要求する。   昭和二十六年五月二十八日    電力問題に関する特別委員長   西田 隆男    参議院議長佐藤尚武殿こういう要求書を提出したいと考えておりますので御賛成が願えますかどうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西田隆男

    委員長西田隆男君) では御異議なしと認めます。   —————————————
  4. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次に本日の調査予定は公報にある通りでありますが、電気料金改訂は相当時間を要する問題と思われますので、請願陳情ともに午後に廻し、午前はその他の諸問題をでき得る限り調資したいと思いますので御協力を願います。  最初に前委員会において山田君から御希望のありました電気料金決定に関する司令部覚書会議録に掲載する件について、安本を通じて交渉いたしましたところ差支えなしとの回答がありましたので、その全文を掲載させることにいたします。なお、今回の覚書には割当関係は直接触れておりませんが、割当制度を存続する限りは料金に大きな影響がありまするし、経済総合計画の面から安本にも重大な関係があることでありますから、電力割当に関する現在及び今後の取扱について、安本及び公益事業委員会の御説明を願いたいと思います。先ず周東安定本部長官に御発言を願います。
  5. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 只今委員長からのお尋ねでありますがい電気料金につきましては、今お話のある覚書と言いますか、書簡によりまして、一応公益事業委員会のほうに電力料金決定ということの権限を持たせるような恰好になります。只今どもとしては、いろいろのいきさつでそうなつておりますが、電気料金というものの一般物価に及ぼす影響というような立場から、総合的に見てどういう形にあるべきかということに関する意見等をよく公益委員会等のほうに反映のできるように事実上の連絡をなすことがよろしいのではないかということで話合つていることだけを附加えて申上げておきます。このことは、私は徒らにセクシヨナリズムに捉われて権限争いするということが間違つておるのであつて、要は日本産業というものに対してその総合的な均衡を得たる発展をなさしめるために、又今日最も重大である物価というような問題について、その他の国民生活に及ぼす影響等考えますと、ともかくも料金の問題が公益委員会で御決定なりいたしましても、その間に密接な連繋があつて、本当に国家のために胸襟を開いて語り合うくらいの、話合うくらいの事柄が両当局者になくてはならないのであつて、徒らにこの法律論に拂われたりして争うことは間違いであると私は考えておりますので、それらの事柄を事実上の連絡においてよく全うして、日本のむずかしい今日の状態において電気料金等について合理的な正しいあり方に行くことを望んでやまないものであります。  続いて割当の問題でありますが、料金の問題がそうきまつたが、割当についてはどうするかというお尋ねであります。この点につきましては、只今のところ従来のように、最近までやつておりまする供給量公益委員会でおきめになり、小品のものはその中から公益委員会割当になり、三千キロワツト・アワー以上の使用をする分について安本割当をするというような形になつておりますることは、このまま少くとも継続するような話であります。事業者の場合におきましても、電気割当については、むしろ安定本部において全体的な産業計画に基いて立てられるべきであるというような御意向のようであります。この点につきましても、私は高い見地から公益事業委員会においても又安本においても、この点をよく話合つて日本のむずかしい今日において、産業総合計画が必要であることはもう天下周知のことであり、そのことを経済安定本部というものは扱つておるのであります。その産業総合計画樹立に当つて最も必要であるべき電気の量の割当というものが総合的に考えられなくては、他の産業計画というものが机上の空論に終ると私は思うのでありまして、そういう面から言いましても、国家的見地に立つてこの割当については、経済総合計画官庁である、そういうことにきめられておる安定本部において、従来通り進めて行くというような恰好に今なつておるのでありますので、これはまあそのことが当然であろうかと思います。要はただ徒らに細かい分派的な立場に捉われずに、よく国家的見地に立つて、どのほうがそれをやることが正しいかということの見地に立つて事柄はきめて参りたい、かように考えております。
  6. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今安本長官から電力割当に対する基本的な構想についてお話がありました。委員長から一点だけお伺いいたします。伝え聞くところによりまするというと、安定本部としては現在三千キロ以上の割当をしておられるようだが、日本経済総合断樹立の必要に基いて千キロ以上の割当をしなければならない、することのほうが適当だというふうなことをお考えになつておるかのように私は聞いておりますが、この点について、安定本部長官としてそういうことをお考えになつておるかどうか。お考えになつているとすればそれはどういう理由からであるか。この点を一つ説明願います。
  7. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お尋ねの点につきましてはまだ私具体的に詳しく聞いておりませんが、料金の今後における再検討関連して研究はしておるようでありますが、まだ具体的に申上げる時期に至つておらないようであります。
  8. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは只今安定本部長官から電力割当の基本的の考えについて御答弁がありました。  次に公益事業委員会のほうの御見解はどうであるか、お考えなどについて御説明を願います。松永公益事業委員会委員長代理
  9. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 只今周東長官から物価をきめることに関し、この重要なる電気料金決定公益委員会移つても、全体の調和の上から必要なる点に向つて公益委員会とよく話合いをして行きたいというお考えをお述べになりました。私どもにおいても先にこちらで申上げた通り、何ら変つた考えはありません。両者協力いたしまして国家のために電気料金決定を円満ならしめたいと思うております。  次にもう一つお話は、割当の問題が出ましたが、この点につきましても、私どもの関する限わりにおいては、今業者から種々の希望公益委員会料金関連して申出ておりますが、未だ十分の検討をいたしておりません。従つてこれらにつきましてもとより只今三千キロ以上となつておりますが、或いはそれ以下についても、或いはその三千キロにつきましてもよく御相談をして行きたいと存じております。もう一言加えますならば、今目下問題となつておりまする料金値上げにつきましては、詳細なことにつきましては今日事務当局がそれぞれ数字を持つてつております。大体の考え方について、先般来の御質問に対するお答えの一部を果せるかと思います。まだ業者から料金について確定的なる申請書が出て参つておりません。多分今朝あたりは修正されましたものが出るかと思うております。目下修正しておるようであります。この際私として一言いたしたいと思いまするのは、私どもがこれを取扱いまする見地につきましては、原価をきめ及び電力料金あり方をきめるために一つ公益委員会規約を発表いたしております。これは多分六月十二日から聴聞会に付して一般の御意見伺つた上に料金基準に関する一定の規程を作りたいと思うております。そのことに関係して只今申上げるわけではありません。その基準の御説明が必要な場合は、只今役所の者が参つておりますから後に御説明申上げる機会があろうかと思います。私はただ申上げたいのは、この電気の再編成されたというのは、電気事業というがごとき国の産業の殆んど基幹となりまする立場のものが一定産業形態を整え、そうしてこの不足になつておりまする電力開発し、或いは歪められておりまする供給設備等を更に改めて改善する。そして山系直に流すべときとろに向つて流し、発すべきところに発するという技術的形態を整えて、或いはこの経営上の立場合理化する。要しますのに産業合理化の殆んど基幹となるべき電気事業を先ず合理化することになつたのであろうと思います。
  10. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 松永委員長代理に注意いたします。問題は電力割当に関する問題であるから、その基本的な問題を離れないような御答弁を願います
  11. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) そのつもりでございます。その立場におりまするから料金に関しますることも或いは割当に関しますることも、いずれにしても電力を相豊富にしますことが前提になつて、適当なことが得られると思つて目下その方面について相当努力いたしております。これも同時に割当に対して安本長官あたりとお話合いをし得られる一つの要素と考えて目下その点も努力しております。これが大体につきまして私の只今の……。
  12. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の問題について安本長官と、松永委員長代理から御説明がありました。この問題について御質疑がありましたら逐次御質疑を願います。
  13. 古池信三

    ○古池信三君 先ほど来経済安定本部長官からも松永公益事業委員会委員長代理からも詳しい御説明があつたのでありますが、殊に周東長官からは、料金決定の問題或いは割当の問題についてもこれは区々たる権限争いをすべき問題でなく、大局から高い国家的見地から考え総合的に判断し決定すべきものである、こういう御意見が伺われたのであります。誠に私も御同感であつて、特に電気のような我が国産業の上において、又国民生活の上において極めて重大なる使命を持つておりまする電気料金或いは割当については、特にさような考え政府の御当局はおやりにならなくてはならんということを確信いたしておるのであります。そこで料金の問題と電力量割当の問題ですが、現在のような窮屈な電気状態におきましては、これは言葉を別にいたすだけのことであつて料金電力量割当というものも極めて密接不可分関係にあると思われるのであります。恐らくこれは別々に考えては余り意味がないのではないかとさへも言つてよかろうかと思うのであります。そこで料金の問題については、今のように経済安定本部公益事業委員会と密接なる関連の上において、大局から御検討をされておる、こういうことでありまするが、電力量割当の問題は、これも今その方法について御検討中だ、こういうお話でありますけれども、すでに二十六年度の第二・四半期を間近に控えておりまする今日、七、八、九のこの、第二・四半期に対する割当方法はもう具体的におきまりになつていなければならんと思うのであります。でこの点については長官から御説明を承わることは或いは無理でありまするならば、担当の政府委員のかたがたで結構でありますから、どういうようにまあ考えておられるか、これは目前の問題でありまするから、是非一つ本日お伺いをいたしたいと思うのであります。
  14. 増岡尚士

    政府委員増岡尚士君) 電力割当は現在のところでは、今古池委員お話のように非常にもう密接不可分というか、料金割当とは一体な関係になつておるのでありますが、御承知のように料金改訂の問題が取上げられておりますので、それと関連して、割当方法をどういうふうにするか。中には料金決定如何によつては、割当というようなことは必要がなくて需給調整がとれるというような御意見もあるようでありますが、そういう考え方一つの考慮に入れまして、一体電力割当が必要であるかどうか、又必要であるとすれば、料金と必ずからめたやり方でやるのか、それでなく離れたやり方で成立ち得るのかというようなことを、電力料金がきまるのと並行いたしまして考えなければならないということで、我々といたしましては、事務的には常にそのほうの動きとまあ密接な連絡をとりながら、研究を進めておるのでありますが、只今のところ先ほど長官からも御説明がありましたように、まだどうしたらいいかというようなところまで立至つておらないわけであります。電力料金を中心にして需給調整がとれることになれば、これはまあ割当のような面倒なことはやめてしまつたほうがいいと思うのでありますが、私個人の考え方としては、まだそこまでは行つていないので、何かまだ割当制度というものが残りそうな気がいたしておりますけれども只今申しましたように、緊密な連絡をとりながら、割当方法について考えて行きたい。御承知のように七月以降の割当については、できるだけ早くきめる必要があるのでありますが、最初に申しましたように、料金制度のきまりますテンポと合わせなければならない関係もありますので、今それを割当のほうだけかけ離れてきめるというわけにも参りませんので、十分研究を続けておるわけであります。
  15. 栗山良夫

    栗山良夫君 私周東長官に一点お伺いしたいと思います。先ほど長官電気料金の問題は家計、或いは日本経済に非常に重要な関連を持つので、所管省である安定本部としては、公益委員会と密接に連絡をとつてこれを処理したいと、こういう構想を述べられたのであります。そういたしますると、公益委員会のほうの只今態度は、大体値上げについて賛成をしておられ、その御意向もわかつておるわけでありますが、安定本部がそういうような態度に対して、十分な意見を吐露して行きたいと言つておられることは、料金値上げに対して相当な確固たる構想を持つておられることと私は考えるのでありますが、基本的に料金値上げ賛成であるのか、反対であるのか、その点を明らかにして頂きたい。
  16. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お尋ねの点でありますが、これは一概に料金値上げ反対であるか賛成であるかと、こういうお尋ねだとちよつと答えにくいのであります。私は恐らく質問者の御意思は、絶対にいかんという意味でなくて、料金の上げられるべき程度の問題だと私は思うのです。というのは、私は料金値上げ絶対に反対と、こういうことに言うことは、実際の事情に合わんのじやないかと実は思つております。殊に料金検討されておりまする公益事業委員会に対しての私どもの要望は、電気料金が最も国民生活に重大な関係を持つており、それが物価影響するものでありますから、でき得ればこれは上げないほうがよろしいということは、それは誰もが考えることでありますが、併上若し料金というものが、現在の料金合理的な料金でないというようなことであれば、これは修正することがよろしい。むしろ料金値上げという言い方よりも、料金合理的な改正ということが私は必要なんじやないかと思います。殊に今度恐らく考えられることは、値上げとかいうこきだけでなくて、一体電気料金について、火力電気に対する料金制水力電気に対する料金制基本料金はどうするかというような事柄関連して、電気料金についての再検討が行われるべきであると、こう私ども考えておるのであります。勿論私は分割された会社において、できるだけ上げないでやつて行けるように、先ず内容的に合理化されることが、経営合理化をされることがまあ第一だと、これが要求される。而もそれをやつてもなお且つ今日の各般の経済情勢から見て、或る程度合理化された形に料金が修正されるという必要があれば、これは私は止むを得ない当然の行き方であると、かように考えております。従つて問題は料金合理的修正ということが、どの程度値上りになるのか、いつからそれをやつていいのか、又やるについて会社の内部での合理化問題がどこまで徹底してやられておるかということをよく検討し、又同時に今の基本料金制なるものを、これをどういうふうに将来持つて行くか、火力発電或いは自家用発電というものの関係をどう料金制に取入れるかということを併せて私は考えて行くべきである、こういう立場をとつて、よく公益委員会のほうとお打合せしたい、かように考えております。
  17. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういたしますと、只今の御答弁では、大体電気料金合理化という点において、必ずしも料金引上げには反対でない。その料金構成の内容についても十分に検討を進めて行きたいというようなお話がありましたが、結局において国民が、或いは産業が負担をしなければならん引上げというものは、そういう料金構成の問題もありますが、結局総額において何%上るかということが問題になるわけです。そこで私が内々承知いたしておりますところでは、安定本部においても、すでにこの問題については真剣な検討を加えられまして、一つの案として六二%程度引上げは止むを得ないのではなかろうかというような構想を持つておられるようでありますが、それが事実でありますかどうか、その点……。
  18. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) まだ私は細かい話は聞いておりませんので、そこまで行つておるかどうか実は了承いたしません。ただ一つここで附加えておきたいことは、私が特に合理的、適正な価格にということの必要を述べておるのは、その結果或る程度値上りがあつたとしても、それが直ちに上つただけの率だけ物価に響くという考え方は私はとらないのであります。むしろ今日における価格というものが、或いは不合理だというようなことからロス等も非常に多いということがあるとすれば、そういう点を避けさせるためにも料金合理化ということは必要であります。今日三割のロス、これは電源を新たに開発するについて時間的に或いは費用的に多少のズレが起つておるときに、目の先今の生産を高めるために必要なことは、ロスを少くして現実に使われる電力量を確保することが必要であるとすれば、そういう面に関係のあるという意味から申しましても、合理的な、適正な料金をきめるということが必要だろうと思う。その結果、供給電力量が殖えて生産が増すということが起れば、私は、単位生産量は殖らて、商品単価というものは下るべきはずであります。従つて全然値上げというものが、額にもよりますが、響かんとは申しませんが、上げた率が何%だから物価は何%であるという考えは持たないので、むしろ生産増強立場からも、そういう面から電力量合理的にされて、電源開発なり又ロスの減少ということをされて、積極的に供給電力量を殖やすということが一つやはり必要であり、且つそれは考えて行かなければならん点である。徒らに消極的に電力を上げるということを抑え付けて供給電力量を少くすることは、今日積極的に生産を上げなければならん立場において私はとらんところであると、かように考えております。
  19. 栗山良夫

    栗山良夫君 今、長官吉は六二%の問題についてはまだよく知らないということをおつしやつたのでありますが、この構想は一部にはもうすでに紙上にも伝えられたと思うのでありまして、恐らく産業局長は御存じになつておるのじやないかと思いますが、一つ安定本部としてそういう研究をされたことがあるのかないのか。そうして或る程度試案であろうと何んであろうとかまいませんが、そういうようなものを持つておられるかどうか。この点を明らかにしておきたいと思います。
  20. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 産業局長からお答えしていいのでありますが、まだいろいろな案は、試案としてあるかも知れませんが、これはまだ確定されるまでになるには、私どもも聞かなければならんし、それが又果して適正であるかどうかということは、それこそ公益事業委員会等とも相談しなければならんので、一方的にこういう研究があるというので、それが表に出るということ、それが決定されたような形になることは甚だ困るのでありまして、私は、事務当局研究いたしておりまして、私はまだ聞いておりませんので、よくそれはあなたがたのお話、御趣意を十分に体して成べく合理的にあんまり上がらんようにという考えを持つておりますから、よく検討の上でお話申上げたいと思います。
  21. 栗山良夫

    栗山良夫君 それではまあ完全に御否定になつたわけではありませんから、その点で了承しておきます。ただ問題は、只今業者のほうの希望は七十数パーセントであり、私の伺うところによると、安定本部のほうが六二%程度である、こういう工合にに言われておりますが、若しそういうことをいたしました場合に、只今長官はそういう料金合理化を行うことによつて生産を刺戟して行けば必ずしも全部が物価値上げには影響しないであろう、こういうことを言われたのでありますが、それは理論としては成るほどその通りであると思うのでありますが、ところが現実只今電力事情考えて見ますると、今年の冬などは需用が非常に伸びておりますために相当思い切つた電力制限をせざるを得ないような必至の情勢にある。決して生産の刺戟を直ちに招来するわけには行かない。電源開発を行いました数年後にはそういう安定時代ができるかも知れませんけれども、非常に困難な経済情勢下にある今年とか、或いは来年というようなところに期待をかけるわけに行かないというような情勢にあると思います。そこで私は伺いたいことは、例えば今巷間に伝えられておる程度値上げをいたしますると、基礎産業でありまするところの鉄においては、現在よりも生産価格の中で占めまする電気料金の割合というものは六・五%ぐらい上昇する、アルミニウムにおきましては四・五%、電解ソーダにおいては一二%というような相当高額な上昇をする、又生計費におきましても二倍程度上昇をするということに統計で明らかになつておるわけでありますが、こういう一連のことを考えて見ますと、結局料金値上げすることによりまして、あなたがたが長年唱えられておられましたインフレの抑圧政策というものは放棄されて、こういう工合料金値上げが各界を刺戟して再びインフレーシヨンの傾向に持ち上げて来るのではないか、こういうことを非常に懸念をしておりますが、事実私はその通りになると思いますが、そのインフレーシヨンの収束をするお考えが具体的にどういうような形であるのか、或いはインフレーシヨンは止むを得ないとせられるか、その点を伺います。
  22. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お答えしますが、私どもも別に物価はできるだけ個々のものについて低いことを欲するのでありまして、何もめちやくちやに上ることを望みませんので、電力料金については、私、先ほど申しましたように、よく電力会社経営合理化を先ずやつてもらつて、その上で止むを得ん部分についてこれは合理的な価格決定を見たい、こういうのでありまして、これを若しも否定するならば、経営が食込んでもよろしいということになるか、或いはそれに対して国家の補助金でも出すということよりほか理論的にはないはずです。それは私はいかんと思うのです。この点ははつきり申上げておきます。従つてそういう場合における生産費に及ぼす価格上昇というようなものの防ぎ方としては、やはり電力の問題について経営合理化を要求すると共に、他の生産についても、生産設備の能率化、合理化ということはこれはどうしてもやつて行かなければならん、或いは原料の輸入に関してできるだけ自国船を使つてコストを引下げるということも必要でありましよう。こういうあらゆる面が総合的に強力に推進されなければならないのであつて、最近のマーカツト声明においても、日本産業における設備の合理化ということが強く要望されておる点であります。    〔委員長退席、理事結城安次君委員長席に著く〕  個別的にでき得る限り価格を抑えることも必要だと思います。併しそういう手を打ちつつ考えたときに、ただ単に今お話を伺つておりますと、物の値が上れば当然直ちにインフレと、こういうように伺います、或いは間違いかも知れませんが、そういう御意見だとすると、その点は必ずしも私はとらないので、意見が違います。物の値が上つても、物があるということの場合と、徒らに物がなくなつて値が上つておるときとは違うのであつて、今日の場合、生産量というものは御承知通り毎月々々上昇をいたしております。生産の増加ということはこれは事実であります。それに伴つて原材料等の国際価格というような関係でコストが上つておるという部面に関連しての値上りということはあつても、これ自体が直ちにインフレーシヨンを招来するものではないと思う。その点はお言葉が多少抜けておるのだとは思いますが、若し値が上りさえすればインフレーシヨンだと、すぐイコールと、こう持つて来ることはその点は私は意見が違います。併し、だからといつて、私どもは値が上ることは、放任することも許しませんので、できるだけ引下げることについては努力をいたしたいと考えております。
  23. 栗山良夫

    栗山良夫君 非常にその点を強く否定されましたが、この料金をこういう工合引上げてしなければならん最も大きな要因の一つは、やはり相当権威ある筋からの出された資料的なものを拝見しましても、物件費の値上り等が一つの重要な要素になつておる、結局安定本部経済全体のことを考えながらやつて来られたのですけれども、鉄鋼とかその他いろいろなものを初めとしましてどんどんと統制を解除せられて、そうして自由企業的になつて値上りを招来して来る。この跳ね返りが只今電気料金になつて来る。今料金を上げるということになれば、これはまさにそういうような現象があるという、一貫したインフレーシヨンの過程を辿りつつあるわけであります。これか現実料金値上げということに決定しますると、今度は二次的に更に家庭へまでもその影響は来ることは、これはどんなに否定されても事実であると僕は思うのであります。生産の増強によつて吸収すると言われても、ここ一、二年の間は間は電力による増産による具体的な吸収ということはあり得ない、僕は考えられない。よほど大きな豊水でも来れば別でありますが、そういう点から考えましてあり得ないと思うのあります。、それでまあいろいろ問題がありますが、もう二点だけ承わつておきます。それで最初にこういう工合にやつて参りますと、更に鉄道が上り、或いはその他いろいろなものが上つて参りまして、結局は国民生活水準の低下は免れないと思いますが、現在やつと七〇%に保つておると言われておりますが、これを、国民生活水準の低下を具体的に防ぐにはどういうような構想を持つておられるかということが第一点。それから農事用の電力等も相当上るわけでありますが、こういうものが上れば、やはり米価に直接影響を及ぼしますが、米価の問題は御承知のように只今難航いたしております。こういうような特定な需用に対してどういうような考えを以て臨まれんとしておられるか。自由企業になつたものは別でありますが、やはり国が相当な統制権を発動しておるような、こういう部面に対する引上げをどうせられる御用意であるか、そういう点を伺つておきたい。
  24. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お尋ねでありますが、米価等については只今慎重に研究いたしておりますが、これは一概に米価とあなたおつしやるが、私どもは二つに分けて考えております。生産者に対する米価ということに対しては、これは今算定方式としてパリティ方式をとつておる限り、最近までのパリテイ方式に基いて関連的に当然生産者米価は上げなければならん立場にあります。これは併し今研究中であると、研究中ということは、そのことは直ちに系数的に、そのことから来る消費者米価、これを如何にするかということが問題であるので只今慎重に研究中であります。而して御指摘のようにそのことが他の一般物価に及ぼし、国民生活の水準を下げやしないかという御心配は、私も憂いは同じです。政府といたしましてはでき得べくんば主食なり衣料原料である綿というような方面には、数量的に或いは、科学的に一部財政的の処置も考えたいということを一つ考えておりますが、それは昨日も私大蔵大臣と一緒に或る委員会に出て答弁したのですが、消費者米価の決定に対しては、できるだけこれは生産者米価の上つたと同じ程度に持つて行くということは何とかして避けたい、併しその方法については只今研究中でありますが、一部政府が何とか財政的に負担するか、或いはしないかという点と、そうしてどうしてもいかん場合における低額収入者といいますか、公務員ベースの引上げ方というような形を考えたり、或いは個人の収入所得者に対してはもう少し、どの程度までか税金の減ということを考えられなければいかんという、こういう関連的に考えて収入の減らんように努力したいということから、実は消費者米価については今直ちに決定を見ておらんという状況です。いずれにいたしましてもこれらは財政的な関係を伴いますので、収入、歳出の問題について補正予算の形がどの程度余裕が出て来るかということと関連しつつこの決定をいたそうとしておるのでありまして、その点は御了承を願つておきたいと思います。
  25. 栗山良夫

    栗山良夫君 何か米価の問題を消費者と生産者のほうを混同されて、生活水準の面と農事用電力の面とあいまいな御答弁を願つたのでありますが、私は国民生活水準の維持の問題は米価も含めて全般的な物価の跳ね返りのことを申上げたのでありまして、農事用電力の場合は、飽くまでも生産者側を対象にして申上げるわけであります。それでなぜ米価の問題を私が申上げるかと申しますると、御承知のように灌漑排水を以て農事をやつております者は全農家ではないわけでありまして、御承知のように一部の農家であります。従つてこの前の二十四年の十二月三十日に料金決定しましたときにも、これは非常に問題になりまして、結局そういう灌漑排水用の電力については、火力料金の適用はしないということを政府側が確約をせられ、そうして相当に電力量を消費しましても特別割当を以て今日までやつて来たわけであります。そういうような事情がありまする灌漑排水用の電力に対しまして、一般産業と同じように今後料金引上げをやるということになりますれば、米価は全国的に一定であります、生産者側は一定でありますが、そこが特殊のそういうような大設備を以て電力代を支払いながら、生産に当つておる一部の農家に又過重な負担をかけることになりやしないか、そういう点をどういう工合にやられるつもりかということを私は伺つたわけであります。
  26. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 私は生産者米価と消費者米価と混同しているとのお話だが、私は混同していないのです。私はパリテイ計算によつて生産者米価を決定される以上は、これは当然それに相当して上げられるだろうと申上げておるのです。パリテイ計算になる九品目の中に電力料が入つておるのです。当然それが上れば上るというのです。だから当然生産者に対しては或る程度考えなければならんが、それからその及ぼす影響ということは、消費者価格についてはいろいろ国民影響を及ぼすから或る程度考えたい、こういう御説明をいたしておるわけであります。従つて若し灌漑排水用の電力について今後どうするか、どうしないかということは、今後の研究であります。これは特例を設けて下げるか下げんかは、最終的に考えるということは今後に残された問題であります。而して一般的の電力の場合はパリテイに入つて行きますが、そのときに逆問したいというのは、灌漑排水用電力を下げたときに、一般料金上つたということがパリテイに入つて行くんだが、その下げた部分だけを米価を下げますかということになるのだが、これは下げないと私は思うということを申上げております。そこはよくものを考えて申上げておるつもりであります。
  27. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 只今電気料金改訂についての部分について質疑を交わされた中で、そこの可否は抽象的に言えないのであつて、その内容が合理性を持つておれば何らかの対象になるという御答弁であつて、私もさように思います。ところがその合理制を判断される場合に、例えば政府或いは電力会社において相当新規の電源開発が計画されておる場合に、それが見返資金或いはその他の借入金で賄えない場合に、若し新らしい電力料金改訂によつて新規の電源開発の費用に充てようとした意図があつた場合に、そのことが果して電気料金の中に消費者の負担として入れらるべきかということについての安本長官の御所見を向いたい。
  28. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お尋ねでありますが、まだそういう内容については公益事業委員会の計画は聞いておりません。
  29. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 私もその内容が含まれておることをば前提として申上げておるのじやないのです。そういう場合に、安本長官はどのような御判断をされるかということであります。
  30. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 私どもといたしましては、先ほど申しましたように、電気料金合理的な改訂ということの立場においてものを申上げておるのでありますが、仮定……入ることがわかつて、入つたときにはどうするということは只今申上げないほうがいいと思います。
  31. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 これは単なる仮定ではなくて、例えばこの新規電源開発の費用を電気料の中に含めて消費者の負担にするか、その他の方法によるかということは、これは非常に大きなことになろうかと思うのです。その可否について、たとえ仮定の問題であつても、私は長官一つの判断をお持ちであろうと考えるので伺つておるわけであります。
  32. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 一般的な抽象的議論といつたら、これは三輪君が御研究になるとわかるのだろうと思います。一体一つの企業をやつて行くときに、日本の現状としては電力を殖さなくちやならん、殖やすために一つの金が要る、その金がかかつた分だけは売る電力にかけちやいかん、こういう御立論としてはどうも僕は納得行かない。それは誰かが負担しなければならん、これは国家が補助すれば一番いいのですよ。それでない限りは企業者は出したそのものを償却するとか何とかすることは考えなくちやいかんのじやないかと思いますので、私どもは抽象論から言えば変だと思います。
  33. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 さつきの電気料金改訂等について物価庁と公益事業委員会との間の決定権の問題についての御発言がありました中に、非常に善意な、これはただ単に法的な解釈に堕したり、或いは官庁間のセクシヨナリズムに堕してはいけないというお考えで御発言になつておつたのですが、これは非常に善意に満ちたお言葉だと思うのです。併し私はそういうことが行えない場合も相当あると思うのです。そういう場合にはやはり法律で規定すべきであつて、そのことはこの前の松永公益事業委員長代理の御発言の中でも、例えば郡次官は当然そういう場合には安本なり或いは物価庁に御相談があるべきだという御発言をされたのに対して、松永委員長代理は、当然ではなくて、それは必要に応じてだとわざわざ御発言をされたほどその必要であるか、当然であるかという判断は、安本側でなしに公益事業委員会側にあるというようなお考えに立つての御発言があつたわけであつて、これは必要でないと思われたならば、長官がそういうふうにお考えになつてつても、御相談なしにきめられる場合もあり得るわけです。これは又過去においていろいろ再編成の途上においても、或いは日発の小坂総裁等が再編成についての御意見があつたようであるけれども、それについて松永委員長代理は、それは日発なんかおれと対等の立場じやない、上下であつて対等でものを言うのはけしからんというようなことまでも極言されたように新聞記事等で見ましたが、そういうことを考えて見ると、あなたの善意なお考え方が必ずしも行えない場合があるのじやないかということを懸念しまするが故に、若しお互いに話し合つてきめるべきであると思われたならば、マ覚書による必要な法律の処置の場合に、むしろ共管に付するような方法を法的にとられたほうがいいのじやないかと、かように考えるわけですか、その点如何ですか。
  34. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 御尤もなお話でありまして、これは松永さんおられますが、委員長は出ておられませんが、私が先ほど特に申上げましたのは、電力料金並びに電力割当等は、国家的高い見地に立つて、そうして真に日本産業の発展のために、又国民生活考えての上に立つて実質上御相談さるべきだと私は申上げたのは、松永さん肯定されました。若し只今仮定でお話になるような事柄が起つて、松永さんが公益事業委員会立場のみを考え事柄を処置をされるというようなことがあれば、これは公聴会もあり、天下の輿論が許さんであろうと私は思います。私はお互いの信頼感においてこれを解決したいと思いますが、併しなお今案買上の取扱については相談しておりますから、中の関係についての取りきめというようなことも起り得るかと思いますが、御指示の点は十分了承いたしまして、よく話合いをいたしたいと思います。
  35. 山川良一

    ○山川良一君 安本長官お尋ねしますが、先ほど三輪委員から話しました資金を電力代に織込んでいいか悪いかという問題、これは今まで政府がきめたマル公に建設資金が織込まれた場合は恐らくないだろうと思うのであります。我々石炭業者では、それ以上に、経費で当然入れていいものまで除外されてひどい目に会つたことは事実であります。私は、私ばかりではなしに消費者側と言うとおかしいのですが、一般産業の代表者諸君が集まりまして話合いのときに、それを肯定する者は一人もおりません。それで資金が足りないから何とかして資金を作らなければならないということは、私どもわかりますけれども、又そうして電力開発して頂かなければならんことはわかりますが、それを電力代に織込むということは、恐らく政府の、自由党内閣の物価設定の場合でもそういうことをやつておらんと思います。今度の場合でもその点は是非やらないような方針でおきめ願つて、資金の足りない部分を、別に九分割されたのも政府の方針でやられたのでありますから、九分割したから資金が得られなくなつたから電力代に織込むのは止むを得ないのだというようなお考えに立つておやりにならんように、決定公益委員会でやられますけれども政府の方針としてはそれを織込まないと……これはまあ電力代の内容に入らなければわからないということを先ほど非常に用心深くお話になりましたけれども、今までは織込まれてなかつたものを、今度も織込む意思はないというふうなところを一つ御弁明を願いたい。私はそう申しましても、我々が認められなかつた利潤のような点もなくて資金が獲得できるとも思いませんから、我々には入れてもらえなかつた利潤のようなものが織込まれることも、必要な配当を確保することについては、むしろ我々は勘案して考えて頂くのが当然と思います。でありますけれども、今のその設備資金に相当する部分を電力代に織込むということは、是非政府としてそういう考えに立つて頂かんようにお願いする。それについて一つ答弁願います。
  36. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 私は三輪さんの御質問に対しても、電力の問題はまだわからんからというわけで……併し重ねてのお尋ねであるから、一般企業としては投下資本というものに対する利息というものは、結局だんだん償却される部分については、製品の販売代金に入つて行くのが普通じやないかという一般論を申上げただけであります。電気について今お話のような根本の話合いがあつて、従来からも入つてないとすると、それはよく具体的になりましたときに、私どものほうと公益委員会話合いをいたしたいと思います。
  37. 山川良一

    ○山川良一君 長官にちよつとこれは申上げておきます。今の問題は、こういうとこるに問題があるのです。具体的に申しますと、資産再評価を大幅に再評価して、大蔵省の税法上許された最大限度の償却をやると、それに必要な経費をすつかり織込んで、それをのつけると、設備の減耗に相当する償却よりも非常に大きな部分の余つた金が出るわけなんです。そういう償却をやりますと……。併し償却並びに再評価は法律上許されておるからやつても差支えないということになるわけなんです。併しそういうものは全部加えますと、初めの部分は二百億ぐらいでしたが、二百億ぐらいの日常の経費に使う必要のない金が余つて来る。それを設備資金に投ずるのだ、そうして約二百億ぐらいのものが現状から見て資金の獲得に困るのだというふうな考えが一部にありますが、結局そういう法律上差支えなかろうがあろうが、結論として最後に経費を賄う以上のものが出て来るならば、法律上許されても、そういうことが公益事業である電力の場合は、そういうことはなさらないようにお願いしたい。違法でないからやつてもよろしいということには常識ではならんだろう、こういうことなんでありますから、一つお含みを願います。
  38. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 私は松永公益委員が午後からおいでにならんということを聞いておりますので、この際電気料金値上げ問題について、公益事業委員会並びに政府においてどういうことを考えておられるかということについて、一応聞いて置きたい。電力料金値上げ問題は、大体必至の傾向であろうと思うのでありますが、この問題に関連して電力を主たる原料としておる化学工業而もそれは殊に中国或いは九州方面の工場においては、今後の工場の運営方針を如何に立てたならばいいかということにおいて非常に苦慮しておるようであります。その工場に投じておる資産も非常にこれは大きいものでありますから、なお影響は大きいのだろうと思います。その問題に関連して起つて来るのが発電所復元の問題でありまして、復元が早急に許されるならば、将来の経営についても若干の見通しが立ち得るという工場も相当あると思うのであります。ここで電力値上げの問題に関連して、西部地方の化学工業の問題は相当私は重要であろうと思いますので、この際そういつた方面の電源復元についてどういう考えを持つておられるかということについて、一応公益事業委員会、それから続いて政府の御当局考え方を聞きたい、簡単でよろしうございます。
  39. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 只今石原さんの御質問の、電気設備復元の問題でありますが、簡単に復元の問題だけを申上げると、只今全体の電気量が足らんので、いずれも困つておる際でありまして、値上げの問題も無論相当理由のあるものについては考えておりますけれども、未だこれをどうしようという段階に至つておりません。今日、只今化学工業についてのお話は、料金の問題もさることでありまするが、大体量の問題について相当皆さんを苦しめておる。まだこの未稼働の設備というものは相当残つております。電力が足らんために動いていないものが非常に多いのでありまして、各会社にそれぞれその未稼働の設備、こういうものの表をとつて電力増加に対する対策を各社は今とつておるようであります。殊に電力の質の問題につきましては、仕事をしておる最中に電力を切られる、継続工事ができないために、非常に製品を悪くしたり、或いは原価が高くなつたりする。いわゆる無駄な費用でありまするので、合理化のためにも電力の量をできるだけ殖やし、質をよくすることに各会社は努力するように私のほうからも特に勧告をしておる次第であります。今、復元の問題は未だ申上げる段階に達しておりません。
  40. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 復元問題というと、結局自治体に還すとか、或いは企業体の自家発電を元へ還すということであろうと思いますが、今日の場合、まだ急速にそれは復元をするということを申上げることは困難な状態にあるのではないかというような、重要な所に対して必要なものの供給量り少いときでありますから、片寄つて特定な所へ還して、直ちにそこへ先ず優先的に使わせるということがいいか悪いかという問題について、なかなかむずかしい問題があるようであります。直ちに今復元できるというようなことをお答えのできないことを遺憾に思います。
  41. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 私は只今公益事業委員会並びに政府の御答弁に対しては、相当不満なんでありますが、数十億を投じておるいろいろの工場施設が今回の電力料金値上げの問題にからみまして、将来果してその工場の運営がこれでやちて行けるかどうかということのついて、非常に悩んでおる工場が相当あるように私は聞いております。現に、現実にそういう問題にぶつかつて、非常に苦慮しておる所もあるようであります。そういう工場が、その工場の生産を主たる目的として開発しておる電源を相当持つておるのがあるのであります。その電源が還れば何とかこの工場の将来の経営が成り立つて行く、而もそれは日本にとつて肥料であるとか、相当の重要産業があるのでありまして、こういう問題に対して公益事業委員会が今日なおまだ何らの方策を具体的に余り考えていないということは、只今当面いたしておる産業構造の問題についても、非常に重大なる考慮をもう少し政府においても早急に検討してもらわなければならんと思うのであります。重ねてこの点について委員会なり政府からもう一回今後早急にやるかやらないか、この問題はいろいろ関連が多いからまあじつくり研究するとか、どういう態度であるか、もう一回重ねて伺いたいと思います。
  42. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 只今の問題については御尤もと思います。この点につきましてよく経済安定本部その他とも御協議しまして、そういうことの合理的に電力がよく配給されるような方法を講じて参りたいと思います。
  43. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 復元問題については、当初の案等についてはむしろやりたかつたということは御存じの通りだと思います。いろいろの事情で一応今日ストツプされておりますが、それを松永さんもお話のように今後の事態の推移状況と睨み合せて、できるだけそういう方向に考えるように研究いたしたいと思います。
  44. 古池信三

    ○古池信三君 先ほどの三輪委員及び山川委員の御質問関連してお尋ね申上げたいと思うのであります。この問題は結論的にいえば、三輪委員或いは山川委員の御説と同様になるかも知れませんが、私はかように考えております。但し問題が具体的になつておりませんから抽象論になりますが、電気料金というものは飽くまでその発生電力の原価主義によるべきことは、これはもう東西古今の例によつてそうであると考えるのでありますが、そういたしますと現在日本としては非常に電源開発ということが制約されておる。そのために資金が要るが、その資金というものは飽くまで建設資金でありますから、これは当然資本勘定に載るべきものであります。これを直ちに現在の料金に含ませるということは、これは会計理論から言つてもおかしな話で、そういうことはあり得べきものではないと思います。而も電気に関しては、現在必要とする資金が実際の発電所なりその他の設備になつて電気を発生し得るようになるには、その間三年乃至五年、或いはそれ以上かかるわけであります。それでありますから、その三年乃至五年になつて設備ができ上り、電気が発生し得るようになつて初めて電気の原価になることは、これは当然であつて、その際の電気料金に加えられることは当然でありまするけれども、その将来発生さるべき電気の原価を現在の需用者に課すということは、これはどう考えても無理な話で、そういうことは恐らくなされないであろうと私は確信いたします。無論それらの利子等については、これは建設利息として計上されて将来の料金に織込まるべきよのであり、ただその資金の融通を受けるために現在の電力会社の持つておられるあらゆる設備を担保として提供することは、これはもう当然なことだと思います。それ以上現在の料金の中に将来のコストを織込むというようなことは、これは勿論なされないだろうと思うのであります。先ほど三輪委員、或いは山川委員のおつしやつておることも、結局は要点としてはそこを言つておられるだろうと私は考えますので、もう一度念のためにお伺いしておきたいと思います。
  45. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 先ほど山川さん、三輪さんの御質問に対して私或いは違つておつたのかも知れません。只今のような御意見であるとすれば、それは当然に考えて然るべきであると思いますので、政府におきましてもよく考えて、公益事業委員会連絡して過誤なきようにしたいと思います。
  46. 古池信三

    ○古池信三君 今の問題ですね、公益事業委員会のほうではどう考えておられますか。
  47. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 大体論として三輪さん、古池さんの議論と何にも変つたことはございません。要するに会社料金値上げ、その金を以て建設資本とするという考え方はできない話である。且つ種々の無理がその要素に入つて来ると考えておりまして、それからちよつと申上げたいのは、ただ現在の施設改善工事をやつてロスの軽減をやることにつきまして、修繕費以外に約二百五十億万円近くが一年間に計上されている。これをやることによつて、相当ロスの軽減をしたい、又国民電力の足りないものも補給したい、サービスの改善にしたいと思つております。これも料金を似てその建設をやるとかいう趣旨でなく、事業資金を借りてやらなければならんものであるけれども、その金は只今安本長官の仰せではありませんけれどもお話しておる見返資金そのほかの資金において賄い得ない金である。併しどうしてもやらなければならない金である。これは借入金或いは又自己資金というものを以て一々建設に当てなければならんと思つております。併し漸次これも相当償却されて行くものである。その償却については、無論合理料金の範囲において償却して行くことになる。資金の問題については、大体値上げを以てその金を建設資金にするというような考えは、理論としては成立ち得ませんが、ただすべて合理化されますると、電気事業者の信用が高まりまするから、借入金或いは社債等も、或いは増資等もでき得られる立場になります。これが将来その金利償却というものは、将来の料金に加わるものと思召して差支えない。
  48. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それではこの前の委員会で、九つの電力会社から電気料金改訂についての申入れが来ておるというお話でしたが、それには勿論そういうものも含まれておらないし、それをば基礎として御研究になつておる公益事業委員会電気料金改訂のお考えの中にも入つてないと御了承していいわけですね。
  49. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 私が申した通りに御了承でありましたら、その通りでございます。
  50. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 安本長官に来て頂いておりますが、お急ぎのようですから、一、二点お伺いしておきたいと思うのでありますが、    〔理事結城安次君退席、委員長着席〕 これは衆議院その他で安本長官お話なつたということですが、今後の物価或いは日本経済の将来について、いわゆる日米経済協力問題から関連して、インフレは必至であろうというお話長官自分で言われたという話を聞いておるのでございます。なお物価問題の中で、電力問題について、巻間いろいろ電力値上げの必然性その他を言われておるのですが、こういう物価の高騰或いはインフレの危険の中における電力値上げ問題について安本長官としてどういう工合考えておられるか。それからその対策について考えておられますところを伺つておきたいと思います。
  51. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 一部は先ほどあなたのおいでにならんとき触れた問題ですが、まあ重ねて申上げます。ほかの委員会で私インフレ必至という言葉は使つております。インフレ必至となるが、君はどう思うかという質問に対して答えております。私は今後のまあ経済の見通しですが、日米経済協力という問題についてマーカツト声明が出まして、デイテールに亘つての問題はまだ今折衝中であります。併しあの声明を通じ又ここに当つているところと関連いたしまして、少くとも日本の鉱工業生産その他の生産指数というものは今後も上ると言い得ると思う。その間にいろいろ措置すべき事柄はありますが、生産は上ると思う、こういうことを答えました。生産の上るということは、いろいろなほかの状況をのべて考えて見たときに、日本国民経済上昇する、これははつきりすると思うのです。その場合において物価がえらく上るではないかというようなことです。上つた場合にそれは即インフレかという質問であります。私はそれに対しては考え方を異にしていると、今度の日米経済協力においてかなり大きな生産が殖え、それが輸出されるということが起つて参りますが、それが殆んど輸出されて内国に残さるべき、もつと端的にいえば民需の関係への数量が減らされるということになる。物なくして金だけ残つて、物が外に皆出て行つてしまうということになる。そのときに起る影響というものが非常に大きい。はつきりしたインフレの状況が出て来る。こういう形態が起れば、インフレにるが、その場合にどうなるんでしようか、私は少くともそういうことにはならんだろうと思うというので、声明にも言つておりますように、日本の生活水準を下げないように努力する、これは従来からの折衝の過程において絶えず繰返していることであり、政府としてもその点は強く要望している点であります。協力するということは、えらく向上しなくても徐々にでも生活水準が上る方向に持つて行かなければ協力するという意味がないということを強く言つてお ますから、向うもその点は特に強く考えているようであります。従つてそういう点からすると、内需も或る程度確保できると私は見ているのであります。そうすると、その物があつて価格が上るということになれば、上つても必ずしもそのこと事態が悪性インフレという様相にはならんのじやないか、こう思う、これが第一点の答弁。然らばインフレにさえならなければ値を上げてもいいかという問題になります。これは別個の観点からできるだけ値は抑えなければならないと思う。というのは、今後残されている問題は、非常に景気のいい、生産は上つても、その価格がめちやくちやに国際価格というものとの開きが大きくて、日本の製品の価格が上れば、出そうとしても出ぬのだから、その点について価格を如何にある姿にするかということが関連的に問題になる、これは大きな問題になる、こういうふうに私は御答弁いたしているのであります。それにつきましては、およそ外国に原材料を得ているものについては、アメリカでの価格、同じ価格の原料が日本で得られて、それに加工しても日本のほうが不利な立場になる。いわんや船運賃が高いということになれば非常に困る、こういう面については、政府の施策としては多少時間的ズレがあると私は思いますが、併しできる限り生産設備等の合理化による生産コストの引下げということを考えなければならん。又今大わらわになつてつております自国船による買付、輸送、自国船による輸出、こういう面についても集中的に施策をやつておりますが、幸いにして自国船の増強の度合いが相当進捗しております。不幸にしてマーカツト声明にありましたように、チヤーターがちよつと困難な事情にありますけどれも、その代りに自国船の六次、七次の造船計画が進み、買船もきまつたものもあります。かなりその船が殖えるということは、徐々にでも船運賃の値上げに行くのじやなかろうか。それからもう一つの問題は、声明にもありますように、一部抽象的でありますけれども、原料を近い所に得る必要があるのじやないかというところで、東南アジア地区の開発については積極的に協力をするということであります。これはまだ具体的にどこの国に何をということを申上げることができないのを遺憾と思いますが、相当に日本が必要とする原材料を近くのインドとか或いはセレベスとかその他フイリツピンとかという方面の開発をしましてその原料を日本のほうに持つて来て商品化させようということに対する措置も付けられると思います。それから更に一つ最近法案として御協賛を得ることになつておりますが、これは一つの例であります、例えば必要なものについて、例えばニツケルのごとき、これは日本に対して送つて来る場合に、日本政府が買いましてこれを有効な需要の下へ直接政府が販売するということで、途中の思惑的なブローカー的なものを排除することによつて、その間のマージンを引下げるということによつて製品の価格を安くするというような方向をとろうとしておるのであります。いずれにしても、私は只今申上げたような二点からすべての施策を立てて行くべきだというふうに考えております。
  52. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 電力問題については先ほど委員からの御質問もあり御答弁もあつたということでありますが、これは国務大臣として一つ簡単に御答弁を願いたいと思うのですが、法令審査に関連いたしまして公益事業委員会の存立そのものについての検討も加えられようかという話を新聞その他雑誌等で見るわけなんですが、この前次長がおいでになつたときに、当然には電力問題について相談をするけれども、必要に応じて当然に相談する、とこういうお話であります。そうすると前の場合の私どもが受けた印象では、いわゆる物価問題一般についての国全体の考え方、或いはそういうのと関連なしに相当強引な公益事業委員会電力値上げ等が行われるのではないかということも考えたわけであります。この公益事業委員会そのものについて、或いは法令審査に関連して何らかのお考えがあるのかどうか一つ伺いたいと思います。
  53. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) まあ法令をどうするか、公益事業委員会の存立をどうするかというような御質問ですが、これは今のところ、とにかく立派に公益事業委員会は活躍しておられます。これは必要であろうと思います。将来は全日本の政治、経済における機構その他についてよく国家的見地に立つて検討せられる場合もありましようけれども、その中で直ちに公益事業委員会が入るか入らんかということは今申上げる時期でもありません。ただ私は先ほども申しましたように、今日ここでいろいろ並べて置いて何だかむずかしい御質問を受けましたが、併し松永さんも私も共に述べたことについて御賛成のようであります。電力料金決定なり、割当決定について、私は区々たるセクシヨナリズムに捉われて決定すべきでないくて、国家的見地に立つて日本の国の産業にどう影響があるか、その点についてどうしたらいいかということについて決定したいと思う。それについては、おのずからそれらに関連してよく熟練もあり、経験もあるところを活用されるのがよろしかろう。単なる感情とかそういう問題でそういうことをすべきでないと私は思つておりますので、仮に電気料金等決定権限公益事業委員会に行きましても、事実におきましては両者の取りきめによつて、事前に勿論よく御相談をして過誤なきを期したい、こういう考えであります。更に若しもそれを踏みにじつて松永さんが強力に推進されるということになるといべなら、これは事実行為ですから何ともできません。これはあなたのお話通り、そこで法律でも作つてしつかりやれんかという御鞭撻かも知れませんが、これは松永さんの人格を傷付けるものである。皆さんの前で私と同意見だとおつしやつたのでありますから、これは国家的見地に立つて私は御相談があろうし、若しもそれを踏みにじるというふうなことであれば、公聴会の制度もありますし、輿論も許さないと私は確信する。そういうことは、私は松永さんの人格に対してそういう疑いを持ちたくない。私は立派に相談してやつて行けるものと確信いたします。
  54. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 只今吉田さんの質問に対して生産上昇するからしてインフレの心配ないというような御回答でありましたが、これは日米経済協力によりまして、特殊産業はその恩典に浴するかも知れませんが、日本の九五%まで労働著だと言われるその労働者の、生産を上げるために労働者を犠牲にしてそうして生産を上げるというような行き方がありはせんかと一部に心配しているわけなんです。物価が高くなればやはり当然勤労大衆の生活に支障も来たすことはこれはもう明らかでありますので、これに対しましての賃金ペースその他に関連してどういうふう国民の生活を安定させる方式をお立てになるか、簡単で結構ですから御説明願いたいと思います。
  55. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 申上げますが、この点も先ほど申上げております、あなたのおいでになる前に……。これはやはり繰返し繰返し申上げていると時間が非常に困りますので、非常に遺憾に存じますが、重ねて申上げます。私は生産が増強されるからインフレにならんということを申しておりませんから、それも先ほどのお答えについて中をよくお聞きを願いたい。私はそれの形で生産指数が上れば、そういう点について物価上つたということがイコール・インフレだということにはならんだろうという説明をいたしましたが、若し生産したるものが全部外国に出て、民需に対して、日本の内需のものが冒されるということの行き方ならばそこにインフレが起るんだ。それは避けたいと、そういう面については内需を確保するために処置をとりたいし、更にそれに関連して主食並びに衣料原料である綿というようなものに対しては、数量並びに価格についての施策をとつて民間の、この国民生活の安定という方向に施策をいたしたい。更に先ほど米価の点に触れられました。米価の点についての考え方もその生産価格についてパリテイ方式をとつている点、一番国民生活に響く消費者の価格決定に関しては、その財政的措置を、それができなければ一部ベース・アツプの問題も考えなくちやならんし、税金の減の問題も考究し、総合的な施策を立てて行きたいということを申上げておきました。
  56. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 それでは日常生活に関連する物価を上げないで、そうしてその見通しの下に経済の安定を図つている、こういうことで我々安心してよろしいんですか。
  57. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 今のお話をよく吟味して頂きたい、一部の点は消費者価格が上る部分があれば片方べース・アツプを考えたい、そうして又減税の面を考えるとか、そういつた総合的な施策で行かなければならんのです。或るものは絶対に上げるな、併し現実において外国から原料を得ているもので、そのままコストの高くなつているものを上げないでいつまでも釘付けにしておくということはこれはできませんよ。併しそれに対して今のような賃金のベース・アツプはどこまで行くか、私は満足すべき額に行くとは思わない、ざつくばらんに言つて……。それに対して片方で減税の問題を考えるという総合的施策になつて来るということを申上げておくわけです。
  58. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 従つて物価上つた場合は賃金を上げて行くということで我我了解してよろしいですか。
  59. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) そう右から左に……まあこれをよく総合的に考えるということを申上げている。或る程度できるだけ努力したい。それじやあなたにお伺いしますけれども、何もかも生活必需品は皆上げないかというとそうは行かんでしよう。国家としての立場考えると、その中で最も重点である米、或いは繊維製品であるというようなものに主に重点をおいて行かなければ、何もかも上げないで行けというわけには行かん。そこのところに私は調和があると思うんです。
  60. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 私は何も彼も上げると言つたんじやない。米でも、国民の生活水準が、例え三品でも四品でも上れば国民の生活が困ることはこれは事実なんです。そうした場合に現在のままで国民の要するに生活の安定つくような方法をとると、こう言われたのかということを念を押して、今何もかも皆上げるとおつしやつておるとは言わん。
  61. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 先ほど、従来の一番重点である主食の問題なり、衣料原料である綿製品等の問題については、数量的に、価格的に考えをいたしたい。而もそれについては予算の関係もあり、或いは一部ベース・アツプで補う分と、或いは減税の点で行う分と、或る分は値上げで行く分と、こういう点がありますので、今慎重に考慮いたしておる最中でありますと申上げた次第であります。
  62. 西田隆男

    委員長西田隆男君) これで午前中の委員会は休憩いたします。午後は一時半から再開いたします。    午後零時三十四分休憩    —————・—————    午後二時八分開会
  63. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今より委員会を再会いたします。  これより電気料金改訂の問題の調査に入りますが、最初に前回の委員会にて栗山君から御要求のあつた二十四年十二月十三日の三割二分値上げ当時における原価構成に関し物価庁から先ず御説明を願います。
  64. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 現益の料金改訂につきましては、もう申上げるまでもなく、この前の料金制度とは非常に根本的に変つた料金になつておるわけであります。即も第一点は、いわゆる割当によりまして、割当以上使いましたときにおきましては超過料金を取るという制度を立てたのが一点であります。これは従来は罰金を取りまして、その罰金は国庫の収入になつていたのでありまするが、現行料金におきましては、超過料金会社の収入になることになつておるわけであります。その点が一点であります。それから第二点は、全国的に大体料金につきましては一本の料金であつたのでありまするが、現在の料金につきましては、御承知通り地域差が相当できておるわけであります。この二つが現行料金につきまして従来と非常に違う点であります。ほかに例えば産業別に割引の制度が若干あつたとか、特に農事用電力等につきましては、特別の割引制度をやつていたのですが、それがなくなつたとか、或いは夏冬の料金が別にできたという問題でありますとか、或いは早期に、即ち一定の期日に支払をいたしますれば割引をするというような制度になつたとか、そういうような点が従来とは違つておりますけれども、根本の料金制度につきましては、先ほど申上げましたように地域差の問題と超過料金の問題、これが根本的な変革でございます。そこで私ども司令部といろいろ交渉いたしまして、その結果従来の料金を三割二分程度上げたのでありまするが、その原価計算の内容を極めて簡単に申上げますと、現在の即ち料金の計算の基礎としましては、支出を五百三十六億と見まして、五百三十六億に対しまする収入を求めるために、料金を先ほど申上げましたように三割三分程度引上げたということになるわけですが、即ち従来は総括原価でありまして、三百七十四億、これは第一表のずつと下のほうに載つておりますが、三百七十四億、これに対しまして総括原価五百三十六億、この五百三十六億につきましては、販売電力量を二百二十五億キロワツトアワー、石炭消費量は四百六十五万トンという見方でありますが、販売電力量を二百二十五億キロワツト・アワー、従来は二百八億であつたのですが、それをそれだけ増加するということで出しております。従つて従来の総括原価三百七十四億が五百三十六億ということになりますので、一キロワツト・アワー当りの料金につきましては一円七十四銭というのが二円三十七銭と倍率におきましては先ほども申上げましたように三割二分二厘のアツプということになつておるわけであります。その中で主なるものにつきましては、即も給料、手当の問題、これは第二の所に入つておりますが、給料手当、これが九十六億というものが百二十六億というふうに見ております。それから大きいものとしましては、第六に書いてあります燃料費、これが従来の原価の中には百二十五億というものを今回は百五十四億というふうに見ております。それからその次は十三の所に為りますが修繕費、これが一昨年の十二月以前におきましては六十七億程度のものを組んでいたのでありますが、これが八十七億、それから減価償却につきましては、従来は五億程度のものを現在は約十億、九億六千万円というのを組んでおります。それから従来は利潤というものは全然なかつたのですが、電気料金につきましては、特別に法定準備金とか或いは株主配当金というような利潤を現在の料金の中には若干組んでおるわけであります。それから自家発の動員費につきましては、従来は十二億程度組んでいたんですが、これは六億程度組んでおります。  今申上げましたようなものが主なるものでありますが、これの内容につきまして若干申上げますというと、給料手当につきましては従来は人数を十四万七千七百人、それから単価一月五千百二十四円、その大体九〇%、その五千百二十四円ということで従来は組んでいたのでありますが、現在の料金の中におきましては人数につきましては十四万七千七百一人、それから単価につきましては一月基準賃金におきまして五千三百五十八円、それから基準外の賃金が二千三百二十三円、合計いたしまして七千六百八十一円というのを現行料金の中の人件費として組んでおるわけであります。この給料手当につきましては、もうすでにこの料金改訂するときにおきまして基準料金が七千百円程度になつていたのでありますけれども、企業三原則の関係がありまして、基準料金は前の五千三百五十八円というところで計算をして、ただこれはその当時の実情に合いませんので、基準外に二千三百二十三円というものを入れまして合計して七千六百八十一円というものを組んでおいたのであります。その後昨年の四月、それから今年の一月、二回賃金が改訂されておりまして、現在におきましては基準賃金におきまして一万たしか二百円と思いますが、その程度に現在は上つておるわけであります。従つて現行料金の中には人件費としましては、その後三回賃金が改訂されておりますけれども、ずつと前の七千百円ベース程度のものを織込んでおるということに相成るわけであります。それから燃料費につきましては、従来の料金の中には数量を大体三百七十万トン、それから石炭価格を単価三千三百八十四円というふうに見ていたんですが、現行料金におきましては、数量を三百七十万トンというのを四百六十五万トンに組んでおります。そして石炭価格につきましては、三千三百三十円というふうに見ておるわけなんですが、実際におきましては、石炭の値段が、当時におきまして石炭の統制を廃止しました結果、恐らくそれよりも下るであろうというような考えを以ちまして、一〇%程度これを削減されて、これは司令部のほうから削減を受けておるわけであります。従つて現在の石炭価格現実価格等と比べますというと、この料金の中へ織込んでおります石炭の単価というのは、非常に低いところでとつておるわけであります。それから修繕費につきましては、当時私どものほうとしましては、少くとも百二十四億ぐらいは修繕費が必要じやないだろうかということで関係方面といろいろ交渉をしたんですが、結局最後におきましては、その七〇%程度、即ち八十七億五千万円というものを組んだわけであります。この八十七億五千万円というのは、従来のものよりも約二十億程度増額になつておるわけであります。特に主なるものとしては今申上げましたようなものでありまして、あとは減価償却にしましても大体十億ぐらいのもの、それから配当にしましても八分配当で五億幾ら、それから自家発動員費については、その年の、二十四年の四月から九月十五日までの分をこの中に入れてあるということになつておるわけであります。そういう計算で行きまして、先ほど申上げましたように、五百三十六億に見合う程度値上げを、三割二分二厘引上げたわけであります。で料金の建て方につきましては、先ほど申上げました全国的に地域差を設けたとか、或いは超過料金を取るようになつたとかというようなことを申上げましたが、これはうしろのほうへ細かく現行料金を書いておりますので、別に御説明申上げませんが、最後にうしろから三枚目のところで、この原価計算五百三十六億というものに対しまして、二十五年の一月から十三月まで大体どれくらいの収入が実際あつたろうかという問題でありますが、標準料金におきまして六百五億、それから火力料金におきまして百七十五億、合計しまして七百八十一億の収入があつたことになつてお力ます。電力量におきましては二百二十五億キロワツト・アワーで計算はしたんですが、実際は二百六十億程度出ておるわけであります。でこれは勿論石炭も相当焚いたことでありますけれども、非常な豊水で水が余計出まして、電力量がそれだけ殖えたということになると思うのであります。収入は又それだけ非常に殖えましたのは、結局割当と超過料金で払うものとの関係が、超過料金の収入というものが非常に大きかつたということになるかと思うのであります。それからその次の表におきましては、実際業種別に電気料金を一キロワツト・アワー当りどれぐらい払つておるかという問題でありますが、この表を見ますると、超過料金を比較的余計払つておりますのは、従量電燈、それから大口電燈、そういうものが非常に余計払つておるということになつております。産業におきましては大体六%或いは五%程度が超過料金ということになつておりまして、平一均しましては八・八%ということに相成つております。それから一番最後のものは、現行料金が実際生計費その他一般物価に対しまして、どの程度響いておるかという調査でありますが、やはり一番大きいものはアルミニウムとか或いは硫安とか、そういうものが一番大きな影響を持つておりますが、生計費につきましては、三三%程度ということに相成つております。  極めて簡単でありましたが、以上申上げます。
  65. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次に二十五年度の電気事業収支の実績につき公益事業委員会から公述を願います。
  66. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) お配りいたしました資料は、二十五年の各電気会社の決算表をお配りしてございます。これに基きまして御要求のありました二十四年の料金改正後二十五年度に亘つて電気事業の収支の実際がどうであつたかという点について御説明申上げたいと思います。一応要点を、「現行料金体系制定以来の電気事業の経理の実態」と申します印刷物で、文書で書いてございますので、読みながら概要を御説明申上げたいと思います。  第一の現行料金体系の考え方につきましては、今物価庁の第三部長からお話のあつたところでございますが、要点といたしましては、その当時の料金が三百七十四億円で総括原価を弾きましたものを、新料金におきまして五百三十六億円の総括原価を認めた、販売電力量におきましても、二百八億のものを二百二十六億キロワツト・アワー程度引上げまして、一キロワツト・アワー当りの原価が三円三十七銭というように予想を立てまして、値上倍率一・三二二倍ということで現行料金が作られたわけでございます。この場合の想定は、出水率につきましては六カ年平均の一〇〇%をとりまして、石炭消費率は一・〇五六トン、ロスと擅用と引つくるめまして三〇%というものを基準にして、需用端の販売電力量を二百二十五億九千三百万キロワツト・アワーというものを標準料金で販売する、そうしてその総括原価の五百三十六億円を賄う、こういう建前であつたわけでございます。この場合の総括原価は、基準販売電力量だけで賄いまして、電気事業者が更に火力の能力を発揮いたしまして供給できましたものには、追加料金として、火力料金相当のものを取るということででき上つておつたわけであります。又新らしく殖える需要等についても、いわゆる追加料金でこれを賄うべき筋合いという意味合いにおきまして、総供給量の二百二十五億九千万というのが、標準電力料金で売る大体の目途ということで、その当時の料金が定められたものと思われます。この基準総括原価のうち、石炭費につきましては、四百六十五万トン、そのときの石炭の単価は三千七百円と一応想定いたしましたけれども、結果におきまして一割これを圧縮いたしまして、従つて三千三百円程度料金原価に入つておつたということになろうと思います。  人件費につきましては、只今説明がございましたので、概要だけ申上げまするが、旧ベースであります五千三百五十八円ベースを基準にして、そのほかに実質上基準外賃銀等という名目で二千三百円程度のものを織込みまして総体として一人当り七千六百八十一円というものを十四万七千人の人員にかけて想定をいたしておつたわけであります。併しながら全体といたしまして相当経費関係全部に亘つては切り詰められておつた経費で料金が作られておつたという点は先ほど御説明にあつた通りでございます。  第二に、昭和二十四年度の第四四半期はどうであつたかという点でございまして、料金改訂最初四半期といたしまして、実際問題といたしましては相当の異常豊水がございまして、予想外の収入があつたというのが結果でございまして、先般三十六億の含み資産問題のときにその間の経理的な内容につきましては資料を御提出いたしまして説明を申上げた次第であります。要約いたしますると、二十五年度一月—三月におきましては石炭を九十万トンだけ標準料金に織込むというふうに標準電力量割当をいたしまして、この割当計画による収入予想は標準料金で百三十八億四千八百万円と一応いたさしれておりました。併しながら豊水のために水力発電量は計画に比して約三十八%の増加を示しまして、その結果二月においては一億の追加配当がありましたが、全体をひつくるめまして一—三を見ますと、実績は標準分として販売電力量が五十四億キロワツト・アワー、それから追加の販売電力量といたしまして火力料金収入によるものが五億八千万キロワツト・アワーということになりまして、収入は合計いたしまして二百三億ということに相成ります。標準料金による一キロワツト・アワー当りの平均単価は二円九十四銭でございまするが、これは冬の料金影響物価庁で想定いたしました年間の平均のものよりも幾分上廻つておりますが、販売量が全体として殖えました点もございますので標準料金収入全体としては二十億円の増収になつております。それから石炭につきましては初めの計画でありました九十万トンの消費が豊水のため石炭が七十四万二千トンで済みまして、石炭費は二十四億円に一応とどまつたその結果、石炭費におきましては九億円の支出の節減を得た。それから一応追加使用料金として四十五億の利益が、ございまして、以上は豊水に基く利益というふうに見られます。以上台計いたしまして豊水による収入は合計で七十四億円になります。このほか電気需用以外の収入の増加が五億円でありまして、合計七十九億円だけの、最初の想定より余裕が生じたということに相成りました。この余裕額は基準総括原価を一部給料とか燃料費等につきましては幾分引直してはございますが、その他のものを料金をきめましたときの四分の一の四半期相当額をとりまして、その比較をいたしますると別表にはございまするが、その主なものだけを申上げますると、以上のそこに掲げましたものになりまして大きい項目といたしましては税金の十億九千万円、給与の増加分十億二千万、それから過年度の退職金がこれは電産の協定で退職金の支給額が決定を見ましたので、今までの赤字時代に支払つておりませんものを追加文払にいたしましたものが十七億、さような項目を合計いたしまして六十一億の支出増ということで決定を見たわけであります。この間におきまして、石炭費の引当て、その他につきましていわゆる含み資産があつたわけでございますが、これは先般御報告申上げましたようにこの一般経費の中の債務未確定のまま計上されておつたということに相成つております。以上が第四四半期でございますが、次の昭和二十五年度につきましては想定といたしまして、ここに書きました通りでございまして、昭和二十五年度の標準電力量割当計画は年度の当初におきまして安本において策定いたされましたが、この場合の石炭の標準電力量で参りまする分を三百三十万トンと組みました。料金原価におきまして最初四百六十万トンと組まれたものを三百三十万トンに引下げましたそのときは、その総括原価に当りまして、一般経費のほうは大体料金決定で抑えましたものでございますが、現実に上つておりました給与の改訂につきまして所要額を大体見込みまして、その分を石炭で操作いたしたわけであります。併しながら送電ロスの点、或いは石炭の消費率の問題、それから平水の年間が漸次まあずれて参つて来ておりますので、実際の供給し得る量といたしましては二百二十四億七千万をこの三百三十万トンの石炭で売れるというふうに計画を立てたわけでありましてその、年度のスタートを切つたのでございまするが、御承知のように年度中で追加割当てはしばしば豊水状況とからみまして枠の拡張が行われました。割当で殖えましたものだけ見ましても合計で二百三十億キロワツト・アワーを超過する状況であつたわけでございまして、その場合の収入予想は標準料金だけで五百六十一億五千七百円、こういうふうに想定をいたされておつたわけでありまするが、結果におきましては二十五年度分を全部締めますと、標準分で売りました電力量二百五十三億一千八百万キロワツト・アワー、これの料金収入は六百三億円、超過料金による販売量が二十六億九千六百万キロワツト・アワー、料金収入が二百四億一千七百万円、合計いたしまして販売量が二百八十億キロワツト・アワー、料金収入が八百七億円ということに相成りました。即ち販売電力量におきましては、標準分がその後の需用の増と申しますか、割当以外の面でもこの中電力が殖えるというような点で、実際上結果におきましては標準分で送りましたのが二百五十三億キロワツト・アワー、現行料金体系のベースになつている年二百二十五億キロワツト・アワーに比較いたしまして二十八億キロワツト・アワーだけ標準料金分の余計に売つたという結果になりましてそれの一キロワツト・アワー平均単価はまだ概算ではございまするが、一キロワツト・アワー当り二円三十八銭で、大体料金ベースで予想いたしておりました二円三十七銭と一致する数字になつております。それから水力発電量が引続いて豊水に恵まれておりましたため、計画に対しまして一八%の増加となつておりますが、一方需用も増加いたしましたので、発電用石炭は最初の標準料金分三百三十万トンに対して実績は四百九十二万トンを全体に使つております。収入面において最初料金ベースの五百三十六億円に比べましてその絶対額の増加は六十八億の収入増加となつております。標準料金分のみでございますが、これに先ほど申上げました追加料金収入の二百四億、それからそのほか需用外の収入増加約三十九億円等を加えます、合計三百十一億円というのが料金をきめました以上に出ました増収額であります。これがそれぞれのまあ料金ベースのときに見込まれませんでした経費の増加等に振向けられたわけであります。大きな項目だけを申上げますと給料手当につきまして七十九億円、修繕費等につきまして四十六億円、特別費と申しますのは固定資産税、事業税等でございますが、これが六十億円、それから税金の増三十二億円、減価償却費の増十一億七千万円、こういう数字で三百十一億円の収入増がそれぞれの経費の増加に使われたということに相成るわけであります。別表といたしまして昭和二十四年度第四四半期の予想と実績との対照がございます。この一番上の欄の単位百万円とございますが、千円の誤記でございますので御訂正頂きたいと思います。そのうちの項目の大きいものにつきましては、前の表に特掲いたしてございます。それから附表の第二のほうは二十五年度の収支予想と実績の対照をいたしたものでございまして、予想は料金ベースをきめましたとき、そのものの数字でございまして、事務用の支出といたしましては五百四十四億、これが八百五十九億の支出増になつておる。合計して三百十五億の支出増加を見ております。主だつた項目につきまして説明が欄外に加えてございます。例えば給与の点につきましては、二十五年度の最初に予想いたしましたのは七千百円ベースであつたのでございますが、これが八千五百円ベースに上り、更に本年一月から一万二百円ベースに上つた。一方人員は、現行料金設定のときは十四万何がしでございましたが、その三月末の人員は減少いたしまして、十三万八千四百人ということに整理されております。厚生費その他給与ベースの増加に伴うものでございます。それから石炭は、四百六十五万トンの料金ベースに、それから単価三千三百三十円に対しまして、実績は四百九十三万トン、単価平均が三千二百二十一円ということになつております。その他の項目については特別申上げる点はないと思います。  以上で概略の説明を終ります。
  67. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今第三部長と中川経理長から御説明があつた点について、御質疑があれば逐次御発言願います。
  68. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちよつと物価庁のほうへお尋ねいたしますが、あなたの今御説明頂きました一番最後のから二枚目の紙でございますね、これに電気料金一キロワツト当りの収入調というのがありますが、そこで従量電灯の追加使用量割合が三四%というのがございますね。これほどたくさん追加使用料金を払つてつて、而も料金のほうに響いておるのは五円九十七銭が六円六十銭になつておるのですが、これは何かの計算間違いじやありませんか。
  69. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 計算間違いないと思いますが……。
  70. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうしますと、追加使用量というのは、従量電灯の分の全使用量に対する追加料金分の使用量の比率ですね。
  71. 川上為治

    政府委員(川上為治君) それが従量 電灯においては大きいということですが、結局それは単一ですね。冬の家庭用の割当というのが比較的少いのじやないかということじやないだろうかと、そう思うのです。
  72. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちよつと委員長速記をとめて。    〔速記中止〕
  73. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を始めて下さい。
  74. 山川良一

    ○山川良一君 二十五年度の実績表というのを見ますというと、予定の六割近くのものが増収になつているわけですね。それくらいの増収になつた分のどれくらいが一体消費者側に又戻つた、サービスとか設備の改善とか……、その三百億ぐらいのものは、増収になつたもののどれくらいが消費者のサービスとして戻つたことになつておるのでしようか。
  75. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 一つ申上げられますことは、最初料金のベースをきめましたときに、販売電力量二百二十五億キロワツト・アワーと見ましたものが、実際の販売電力量は二百八十億になつておつたということであつて、売りました電気の量自身が二割ぐらいになりますか、約六十億円ぐらいり増加でサービスをしておつたということです。それから経理の内容自体につきましては、今の修繕費を増加と、修繕のまあ物価騰貴もございますが、絶対量におきましても修繕の量を上げております。或いは減価償却を殖やして、内容を堅実にし、その金で以上、次の設備改善その他の工事に使つしおつたとか、そういうような面については言われると思います。
  76. 山川良一

    ○山川良一君 この間、松永委員長代理から山川も実業家だからわかるだろうという話があつたが、私どもの目から見ると三百十七億のものが、もともとこの予定の支出予算で電力会社としてはやつてもらうべきはずであつたと思いますが、情勢の変化で多少の経費の増加場は止むを得ないと思いまして、どうも三百十五億の増収の相当の部分は消費者に対するサービスといいますか、そつちのほうに行くべきだつたと思うのですが、どうも私どもとしてはこの表を一見したのではそんなふうな感じがしない。でまあ一つその点を、なかなか整理上むずかしい質問ではありますが、概括的でもいいですから、ぜひそいつを分析して頂きたい。でないと、今度のもこういう或る一つの目安で電力代をきめ、収支のバランスを一応予想してやつてみて、又五割も六割も増収になることはないでしようが、そういう場合に、こういうふうな支出の増加で、いい加減に扱われたのでは、消費者はたまつたものではないと思うのです。その内容を一つ明瞭にして頂いて、二十五年度はこうだつたが、今度はこういうふうにやるんで、これだけの経費が要るんだということを少し親切に教えて頂きたいと思うのです。
  77. 栗山良夫

    栗山良夫君 私まだ今この資料を頂いて説明伺つただけだもんですから、どうも内容の細かい検討ができないで困つておるのですが、ただ一つ伺いたいのは、公益事業委員会の事務局の説明資料の中にありまする一番最初に書かれておる当時の予定倍率が一・三二二倍になつておる。こういうことでありましたが、この一年間の実績で結果においてどれだけになつたのか、その点わかりますか。
  78. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 結果におき ましては、この印刷物の中にございますように、標準電力量で売りましたいわゆる二百十五億九千万に対応いたします実積として二百五十三億だつた、これの平均単価は一部まだ計算が正確ではない点もあろうかと思いまするが、今までの計算の結果は、ここに書いてございまするように、二円三十八銭ということになつて、倍率は同じだと思います。それから超過料金収入で上りましたものが二百四億あるわけでございまして、これをひつくるめました平均単価は二円八十八銭ということになつております。超過料金を入れましたものは二円八十八銭。従つて実質的な値上率は丁五九倍くらいです。
  79. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうしますと、この当時の料金体系というのと新料金体系ですね、これはまあ体系の根本が違うので、ちよつと比較にはなりませんけれども、消費者の側から見ればいずれにしてもとにかく料金を払つた総額が問題になるので、結局一・三二二倍であつたというのは、今説明のありましたように実際は一・五九倍であつたと、こういう工合に理解してよろしいですか。
  80. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) さようだと思います。
  81. 栗山良夫

    栗山良夫君 さようですね。
  82. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) そうです。
  83. 栗山良夫

    栗山良夫君 それからこの修繕費が私は一番相当な問題になると思いますか、修繕費というのは一体どういうような性格のものに使われたのか、その点わかりますか。
  84. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 修繕費は、設備の現在の能力を維持するに必要なまあ修繕をするという意味合いで、発電設備から配電設備まで全般に亘つておるようでございまするが、実際問題として火力発電所の補修、それから水力発電所の補修、その二つにつきましては相当まあ重点的に日発当時においても実施いたしておつたようであります。又配電部門につきましてはいわゆる配電線の悪化に対応いたしまして、設備の改修を相当配電会社方面におきましてはこの点について力を入れておつたと思いまするが、具体的には委員会で決算監査等をいたしました結果に基きまして、もう少し調べまして御報告申上げたほうが適当だと思います。
  85. 栗山良夫

    栗山良夫君 修繕費の問題は今度の料金単価の中でも相当議論になる問題だと思うのですが、これが改良工事の性格のほうが重点であつて、実際に設備勘定として行うべきものが、完全な経理勘定としてここに計上されておつたかどうかということですね、そこのところが相当明らかにされておかなければいかんと思うのですか。
  86. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 現在までの会社経理におきまして、修繕費が実質的に設備勘定ですべきものを修繕費でやつておつたという点もないわけではないと思います。それで新らしい会計規定等におきましてはこの点の差別をまあはつきりさして経理させたいということを本旨にいたしておりますが、実績においては必ずしもないわけではなかつたというふうに存じております。
  87. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから次にこの新料金体系で当時も私随分しばしば言及したことですけれども基準外の収入、いわゆる火力料金の収入というものは、火力の発電原価をそのまま料金化したものであるという説明でありましたから問題なかつたわけでありますが、それでなくてこの新料金体系のうちの基準料金の枠内においては、異常豊水があつたときには、これは渇水準備金として措置されなければならんということは僕は相当力説いたし、ほしいままに使われてはいかんということを言つておつたのでありますが、この表を見ますと、二十五年度の実績には、幾ら幸十二億でございますか、渇水準備金引当というのがありましたが、これはどういう性格でされたものですか。例えば私が今申上げましたように、原価計算の当時と実績との間の標準料金枠内における差額は挙げて渇水準備金に引当にされるべきものだと、私は思うのですけれども、それでなくていろいろな費用に充当し、差引いてまあ残つたものをここへ一応放り込んだと、こういう恰好のものになつておるのか、そこのところを明らかに願いたい。
  88. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 二十四年度の第四四半期は、御承知のような異常豊水でありまして、会社の収入状況も余裕が相当ありました。その結果当時の通産省においてもこれを指導いたしまして、その一部を渇水準備金として引当てるよう指示いたしまして、引当をいたさせたわけでございます。本来から申せば、異常豊水によるものをそつくりそのまま、と申しましても、主としてまあ石炭費の浮きましたものが中心であろうかと思いまするが、これを渇水準備金に引当てるというのが筋合といたせばさようでございますが、一面におきまして料金をきめました当時、すでに賃金ベースを初めといたしまして、コストの計算に現実問題と相当無理があつたという点から見まして、或る程度必要のある経費にこれを割くということは、実際問題としてやむを得ない結果であつたろうと思います。従つてそういつた必要経費を差引きました余裕につきまして、渇水準備金を設けるということで第一四半期は措置されたと思います。それから渇水準備金の本質につきましては、どの程度まで強くこれを励行させるかどうかという点に関係いたすのでありまして明確な基準をきめまして、これを設置いたしますことを義務付けますれば、それに対応いたしまして或る程度準備金引当の免税措置等の必要もありまして、これは今後の問題といたしましても現に今大蔵省と折衝をいたしたいというふうに思つております。さような強制的な準備金で行きますれば、或る程度強制力を以て措置できようかと思いますが、現在の姿こおきましてはいわゆる任意の積立金の一種でございまして、それを強制力を持たしていないというのがまあ現状の姿であります。従つて会社の経費の余裕のある幅でこれを積立てるという行き方で運営されております。
  89. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういたしますと、今あなたは渇水準備金引当になるものが当時の、まだ強制力、或いは性格が明らかにされていなかつたので、一般経費に流用するのも止むを得なかつたと言われておりますが、それは監督官庁としては、業者がそういうような工合に、一般経費に充当することを大体認められていたわけですか。或いはどういうような事情になつておりましたか。
  90. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) その当時におきましては、電力局の指導で渇水準備金にその利益の一部を引当てて将来の渇水等に備えたほうが適当であるというような指示に基いて、一定額を保留させたわけでありまして、その算定の基準等についても会社の任意に委されておつたようでございます。
  91. 栗山良夫

    栗山良夫君 任意でありますか。
  92. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) はあ。
  93. 栗山良夫

    栗山良夫君 この表に載つているのほいつの期ですか。
  94. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 渇水準備金を設けましたのは、三十四年度の下期であつたと思います。それから日発が二十四年度の下期、それから三十五年度の上期におきまして配電会社が引当てております。
  95. 栗山良夫

    栗山良夫君 二十五年度の上期が配電、二十五年度の下期が自発ですか。
  96. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) さようでございます。
  97. 栗山良夫

    栗山良夫君 それからもう一つ伺いますのは、この料金制度でやはり一番問題になつたのはそういう工合に異常豊水があつた場合には、どういうふうに需用家にサービスをするかという山川委員の説とも一致するわけですけれども、事実はサービスではなくて、異常豊水による水力の発生電力量が私は火力料金で需用家から徴収された結果においてはなると思うのでありますが、その水力電力を火力料金で徴収したことに私は実際においてはなると思いますが、その電力量はどのくらいに当るか検討されておりますか。
  98. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 只今のところは二十五年度につきまして、その点は明確に、計算をいたして出したものはまだでてきておりませんのので、ちよつと申上げかねると思います。
  99. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今の問題は金額の面では若干ここに出ておりますし、計算すれば出ると思いますけれども、非常に今後の料金設定、或いは火力、渇水準備金制度をやりますときに重要な資料となると思いますので、一つ数量をチエツクして提出せられるようにお願いしたいと思います。
  100. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 承知いたしました。
  101. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ほかに御発言ございませんか。    〔委員長退席、理事栗山良夫君委員席に着く〕
  102. 小野義夫

    ○小野義夫君 この何ですね、貸借の対照表によつて見ると、固定資産が、配電計は二千二百二十四億何がし、それから自発のほうは三千百八億幾らとなつて合計いたしますというと、固定資産の五千三百三十二億円程度に相成るようですが、これは再評価をし直してこういうことになるというのでございますか、それともまだこれよりも評価を増して行つてやるということですか、その程度はどうなんでしようか。
  103. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) この貸借対照表の数字は千円単位で、配電が二百二十二億、日発三百十億、合計いたしまして五百三十億が現在の帳簿価格でございます。
  104. 小野義夫

    ○小野義夫君 そうすると、五百三十億というのが固定資産ですね。
  105. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) さようでございます。
  106. 小野義夫

    ○小野義夫君 それをどの程度に持つて行くということですか。
  107. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 再評価につきましては具体的にはこれを料金ベースに織込むかどうかということできまるわけでございまして、別にどの程度に持つて行くという考えはまだ委員会は持つておりませんが、仮に再評価を法定限度の一〇〇%実施いたしますると、ここに掲げられました固定資産のうち建設工事仮勘定等まだ設備になつておりませんものは別といたしまして、現在の設備を法定限度までいたしますと、大体三千八百億円になるものと存じております。
  108. 小野義夫

    ○小野義夫君 約四千億近くになるというわけですか。
  109. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) さようでございます。
  110. 小野義夫

    ○小野義夫君 そういたしますと、今度ここに減価償却費ですね、これが二十五年四月から六年の三月におきますところの減価償却の実績がこれは二十一億四千三百万円ですか、こういう程度では今の四千億というのは何年かかるということになるのですか。
  111. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 再評価を仮に一〇〇%いたしましたものをベースで基準いたしまして、これを定率法で償却いたしますると、年間償却額が二百五十億円に相成ります。それから現在のこの償却も合計しまして二十一億でありまするが、これも現行帳簿に対する定率で償却を一〇〇%実施いたしておるわけでございまするが、同じ姿で再評価後の資産に対して同じ償却率で行きました数字が二百五十億になるということでございまして、年数は従つて二百五十億と二十一億でございますから、再評価後の実質的な価値を基準にいたしますと、耐用年数がどうなりますか、十分の一ぐらいになる、こういうことだろうと思います。
  112. 小野義夫

    ○小野義夫君 そこでこの問題がですね、再評価をする……非常に今日は経済危機と言い、或る意味からいえば楽観的に経済的のブームで結構と言うが、半面において非一常に各種原価の高騰の面からいうと、非常に危い危機といつてもいいかも知れません。そこでこういうふうに非常に競争が激甚というような状態でありますというと、いろいろ新旧の間のバランスをとつてどうこうという問題もあるのですが、その再評価の問題について期限が大体短縮されて或いは今年の十一月か何かが最終期限というようになつておるのですけれども、これは私は再評価期限と相待つて、この電力の再評価というものがよほど慎重に考える……従つて時期ですね、如何なる時期に再評価をするということは非常に問題となるので、この点つまり一般的な再評価の期限というようなものと見合せて、いろいろな時期及び金額について、第一に非常に今度の新会社においては、これはまあ公益事業委員の仕事と思うのですけれども、特に慎重を期せられんことを前以て要望するわけであります。それから先ほど栗山委員が言われたのでありますが、ここに数字の上から見ますと、非常に大きな実績を修繕費に出しておるのです。百二十四億一千万円というような数字を出した。それで先ほどの議論のように儲かるから、これは普通の営業会社ではそう行くんです、儲かつたときにはとにかく修理なり新設などをして来たるべき競争に堪えるという意味からも、こういうやり方は営業会社ではおおむねやるのですけれども、如何にしてもこの電力事業は一番大きな基礎産業になつて……、でありまするから単なる営業会社という意味ではなく、この中には資産勘定に入るべきものも相当なくてはならん。火力発電所を、尼崎に建造するとかしないとかについても、荒廃しているものについてはことごとくこれは新設しなければならんものと思われるけれども、その境界線がこういうふうに経常費に非常に負担が行くということになりますと、必然的に電力代が上るということになるので、評価資産の問題と修繕費の問題については、私は戦後そういう費目やそんなことを考えている暇がないから、一意専心とにかく金のある限り借金のできる限り電力会社ではやつたと思うので、非常に私は過去のことはいいと思うのです。これは私は決して答むべきではないと思う。だが今度はこういうふうに、一般国民負負担というか、全産業の負担というような面に際しましたのですから、今度はよほど画期的な考え方で、従来のやり方一つ改めて行くようなおつもりはあられるかないか、伊藤委員もおいでですから一つその点伺いたいのですが……。
  113. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) 御質問のうちの御要点で、償却率を如何にするか、又その基本になります再評価による建設勘定をどの程度まで持つて行きますかということは、委員会におきましてまだ決定事項ではないのであります。九会社が日発合併後金財産を併合されまして、そうして新発足後、あらゆる事業会社同機再評価をするのは、この程度を仮定してということが九会社から指定されております。それが今申します約三千八百億円に達する金額なんです。だがこれが今朝山田さん、それから石原さん並びに古池さん及び三輪さんのお四方からの御質問もあり、又御要望の点もあつたのでありますが、電力料金の引上によつて自己の採算方を新計画に盛込むこと、即ち需用者の負担によつて新計画をするということは、甚だ現在の消費者にとつて国民にとつて非常に大負担である。成るべくそれにしないほうがいいいうお含みの御質問があつたのであります。これは御出席になつておりました周東安本長官並びに松本委員長からのお話総合いたしまして、それをすべきものでないし、又それは成るべくしたくないというお含みのお話があつたのですが、今電力料金の値上ということにつきまして是非の議論は別としまして、若し上げるようになればという仮定の下に計算を考えますときにおきまして、火力料の高額に達すること、即ち石炭の価格が又売電力を……主要なものを火力に持つて来るというようなことで、現在の電力の消費状態から見ますと、どうも火力に相当な軍点を置かなければならん。当然その価格が高くなる。それから諸物価に引ずられまして一般物価が高くなる。及び買入れをいたします諸資材が非常に値上りをしているというほかに、今の三千八百億円のものを、定率法によります償却をいたしますときに、三百五十億円という大きな金額のものがいわゆる利益の中から償却をしなければならん。又逆に申しますと、電力値上の基準の中に大きなフアクターが、再評価による厖大な金額の償却に要するという、まあどちらでも同じでありますが、そこに非常な今度の賃金を論じます上におきまして基準があると信ずるのであります。で今一〇〇%という中川さんの御説明がありましたが、それを認可いたしますか或いはそれを他の会社などが内輪にとつて再評価を認定いたしておりますなどということは、これは大きな仕事の一つと思います。これはどうしましても再評価をするということは止むを得ません。その金額をどの程度に認め、又将来の電力に関する法案は来年の九月でしたな、再評価を来年の九月まで延長されております。その間に幾度にも切りましてそれをいたしますというところに研究の余地があるものと信じます。これは繰返して申しますと、固定資産の評定というものが今度の電力問題に非常に大きなフアクターであるということを申上げて然るべきでありましよう。  次にサービスの問題は、それを建設勘定等に向ける、或いはその他のほうに向けるというふうにしたり、成るべく経費に対して大きな支出面をさせないほうがいいというふうに、私は解釈いたしましたのでありますが、私ども……私個人に関する限り、甚だ経験に乏しいものでありまして、どの程度の償却、どの程度の補修が適正なものかと私は便宜考えますのであります。併し事実この十数カ月に亘ります経験を見ますと、電力開発に関する法的の機構というものより、もつと驚きましたことは、補修が非常遅滞されている、即ち重要資材の欠乏並びに低利資金の不足のために、当然要すべき補修というものができておらん。昨日も或る専門家の話のうちの一つに、現在日本におきましてトランスフオーマのその区画の区域内による使用限定の度を逸脱している、超越しているというものが五〇%ある。例えば隣組におきまして、一軒の旅館ができ、或いは寮ができ或いは近くに数軒の家ができたために、限定されているトランスフオーマーが超過しまして、折角電気を送りましても非常な電圧が下つているということなんです。これはまあ家庭生活に関することです。又工業地帯におきましても新設或いは増加のためにそういうものがまるで用をなしておらん。これはまあ新設に関することであります。補修に関するものも非常にこれが遅れがちで、電気事業のための電気資材というものは特別なものであるようであります。それで補修ができないというようなことの説明があつたと聞いたのです。今これで見ますと、四十何億円あります。補修に対して前年度の支出面に非常な大きな金額が計上されておりますが、現在におきます電力事業の実際の先ず欠くるところの補修というものに非常な重点を置かなければ、電力の質による低下というものが、この二月の驚くべき電圧の低下ということが、電力に乏しいほかに、そういう器具の浪費のために、大きな電圧低下を来しているような気がいたすのであります。この一三%のロス及び擅用というもの、その中には人間のやつたものでなくして、機械の面から見ました相当な分量がやはりロスにも盛り込まれておるのではないか。これは見方によりますと、消極的な電力開発でありまして、こういう方面の補修ということは来たるべきこの年には、本当に根本的に態度を変えなければいかんじやないかという考えを持つております。なお、根本的な大きな問題といたしましては、九十七億でありまして、百億というものはもつと根本的な大補修をやろうという計画、例えば送電柱の足が腐つておる、その根継ぎをしなければならん、いろいろなことに修繕を要することがあります。これは資金の面から見まして、かかれませんので、先ずそれよりはそういつたふうな、直ちによくなり、又補修がすでにその時期を遅れておりますものに対しまして、相当な面を支出を要することがあるのではなかろうかという考えを持つております。なお料金問題等の御質問等がありましたから重ねて申しますと、大体電力事業の経理面というものは、相当大きな厖大な金額になつておりますが、併しその内容を点検いたしますと、曾つての小野委員などのおやりになりました化学会社などと違いまして、経理面の確立並びにその数字の並べ方というものはよほど楽でありまして、素人でもこれを半年も扱うとなれば、相当な知識を持ち得られるということを初めて発見いたしました。即ち事業自体が非常に簡単であります。又設備もユニツトを殆んど等しくしておりますので、これの検出方法というものは、我々の公益委員会におきまして、最初の役所でありますので、基準的なものを作つて、誰が見てもわかるように、又帳簿の過誤を頗る防げる方法の下に計算面の確立をいたしてみたいと思います。自然その計数の率から出ました料金の算定等はこれから非常に明白化しまして、いわゆるガラス箱の中で操作ができるのじやなかろうかと考えております。その意味におきまして、先刻申します物価面の騰貴、それから消費の石炭の増加並びに炭価の向上、料率に関する大きな部分として再評価による固定財産の償却額、これを或いは定額法にいたしますか、定率法にいたしますか、こういうことを点検するために、当国会におきましての皆さんのお説も伺い、或いは街頭ではありませんけれども、公聴会等におきます消費者、関係者の意見を聞きたいと思うのであります。どの家庭におきましても、要するに電燈の引上げ並びに電力引上げというものは、足許から故障を来たすごとく、全国民に亘りまして、これは怨府になりますことは十分に覚悟いたしておりますが、その間に処しましてその範囲において最も適正な電力料の算出、検出をいたしまして、それを又天下に諮りまして確立したいというようなことが、私ども今、委員の考えております意見一つであります。いい機会を与えられまして申上げた次第であります。
  114. 結城安次

    ○結城安次君 只今の御質問関連して、審議を進行する上において私は極めて簡単に御質問申上げますが、只今の補修費、この償却のことは追つて又御質問申上げますが、補修費でございますが、非常に自発創設以来の補修が弛緩しておつた。ために何年分か、或いは十何年分の補何を急にしなければならん。こういう臨時的のものと、常時やらなければならない補修と二つありますが、平時のものは当然料金に繰入れてもいいと思いますけれども、臨時のものを繰入れるお考えですか。これは別に又料金の場合は考えるお考えですか。
  115. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) 今申上げますうちの当面の補修に関する問題でありますが、これはその際に経費の面から支出いたしますことは経理上当然のことと考えます。なお大修繕に要しますものの中で、帳簿のこれを盛りかけいたしますこと、或いは一度に経費を支弁いたしますことは大問題でありまして、やはり料金に対する算定の基礎をなすものではなかろうと考えます。仔細に亘りますことは、中川経理長からお考えがあると思いますから……。
  116. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 伊藤委員の御説明に敷衍いたしましてちよつと申上げたいと思います。戦後主として火力発電所の性能が悪化した、それを至急に改修しなければいかん、この場合におきましては、現実料金の点でも非常に赤字状態であつた点もございますが、当時の物価庁でもその必要を認めまして、このバランスシートに載つておりますように、特別改修工事勘定というのを設けまして、これは会計的に言えば非常に問題ではございますが、資本勘定としてそれの工事を、実質は修繕に相当するものをやらした例はございます。これは約三年に亘つて実施いたしまして、五カ年ぐらいでこれを償却する、その償却分だけをコストに見るという行き方で、一番金額の大きかつた且つ件名の大きいようなものにつきましては、今までもそういう事例は、ございましたが、それは一応現在においては完了いたしております。特別改修工事として資産勘定で経理いたされました分は、一応現在は済んでおります。現在の修繕は主として配電部門等の細かいものの実質的な補修という点に中心が置かれております。
  117. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 今の伊藤委員並びに中川経理長の御発言と、先の松永委員長代理お話の中には、相当食い違いがあると思うのです。と申しますのは、松永委員長代理は、私が、新規の建設計画の資金を新らしい電気料金に盛り込むということは、各電力会社からも出ていないし、又公益事業委員会考えていないということだつたものですから、重ねて御質問したのに対して、但し二百五十億の修繕費に対しては、これはその新らしい料金に盛り込むことがあるという御発言をされたと思うのであります。そのことを了承しての上であれば、私の発言に対して、そのほかの新規の資金は料金に盛り込む考えはない、こういう御発言だつたのですが、今伊藤委員のお話では、平常の経営的な修理費については料金に盛り込んでも、その他の臨時的な大修理についてはこれは大問題だという御発言の間には、相当食い違いがあると思いますが……。
  118. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) これは食い違いはないのであります。果して松永委員のお話のうち二百五十億円のものを全部経費に支弁すべきものということの限定されたお考えではないのではなかろうか、例えば修繕のうちに、有ちに廃棄すべきであるものが若し修繕を加えるならば、又使用年限の三分の三の年限を持ち得るものならば、これは一時建設勘定の中へ盛り込むべきものではないか、これは各事業会社にあることであるのであります。こういうふうな公益事業になりますと経理面を明らかにしますがために、相当これは厳重にはいたしますが、併しながらこれは禅問答のようでありますが、二百五十億円という仮にお話がありましたが、それが全部経費として支弁すべきものであるか、或いはそのうちの九割までは経費でなくして固定財産の中に盛り込んで一割より経費として落すべきものかということは、これは実際問題に当りましての検討すべきものでして、その二百五十億円の数字ということも非常な大きな勢いで改善をしたいという考えを我々は持つております。いわゆるこれは国家十年の計のためにはすべきものと考えますが、それを全部を今経費に支弁をするとなると非常な料率の大きなものと考えるのであります。松永委員のお考えもあながちそれを一時に償却すべきであるというふうにお考えなつたかどうか、これはちよつと後に御保留願つたほうがいいと考えます。大体においての構想は目先のもう必要に迫つている修繕のもの、或いは建設自体の修繕のもの、この二つに分ける必要があるのではなかろうかというふうに考えております。
  119. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それからこれは原則的なことについての御質問ですけれども、もともとこの修繕費というものは先ほどからだんだんお話がございましたように、借入金等による繰延資産として何カ年かで償却して行くべきものであろうと思うのであります。ところが一昨年の料金改訂のときは臨時的に非常に金融が逼迫しているからというので、全額修繕費としてお考えなつたというのでありまして、飽くまでこれは臨時的な措置であつたと思うのです。それをば新らしい料金改訂の場合には更に踏襲されるお考えなんですか、その点……。
  120. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) これも私は現実の上におきまして一々点検をしらことはないのでありますが、只今結城委員のお話の中にもあつたのでありますが、いわゆる電力の曾つての当事者でありますオフロード氏という連中に伺いますと、当然修繕費に廻すべきものが建設勘定として帳簿面が持ちこたえておつた時期があつた。それを或る時期に一度に償却をしなければならんようなものを、遅れたようなものを一時に落したというようなものが、なおこれが今日においてもあるのじやないか、帳簿面ではとにかくとして実際において修繕を要するものがある、要しておらんものがあるというようなことも聞いたことなどもあるのであります。私は一々の点検をしたのではありませんが、併しながら相当な面は経営費で支弁すべきものが、いわゆる迫つておるものとか、並びに帳簿のうちにも引落すべきものがあるのじやないかというふうな考えを想像しているのであります。いわゆる小事業会社に現在の電力会社のごとく利益率の薄いもの、又経理上無理な経理をしておられるところには、ともするとその虞れがあるものでありますから、この機会に私どもは十分な点検をして、そうして落すべきものは落して、残すべきものは、残すというふうに処理すべきが一番必要なのではないかと考えております。
  121. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 伊藤さんにお尋ねしたいと思います。この修繕費の問題ですが、この修繕費はこれからの需用者に一様にこの修繕費というものが割当てて来るのでしようか。どういうお考えでしようか。
  122. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) それは非常にむずかしい問題でありますが、一応は併し無論電力の率がありますから、その率にそれぞれ賦課されることは事実でありますが、これからのやはり需用者が負担すべきものということは間違いないことじやないかと考えられるのであります。
  123. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 その大品の需用者ですね、大工場とか、そういうところは一般家庭の需用者よりも安い料金でたくさんの電力を使うと思うのです。ところが一般のどころは極く少量の電力を使いながら、而も値段の高い電力を使うわけなんですが、即ちその値段の高いということが、修繕費の大幅の負担ということになつて来るように感じられるわけです。ですから私たちの考えでは大口の需用者にこの修繕費を負担さすべきで、一般家庭の需用者にこの電力の修繕費などというものは負担さすべきでないという考えを持つのですが、どうでしようか。
  124. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) すべて非常なこれはむずかしい問題でありますが、経済政策のいろいろな原則に照し合わせますと、いろいろ論議さるべき問題と思います。今日この大口電力の使用者というのは、多く国民生活に非常な関係の深いもの、例えば肥料のごときものであるとか、カーバイトのごときものといつたようなものでありまして、而も肥料の成るものには非常に利潤の薄いものがあります。で、これが忽ち大品電力量の、今まで安いからそれに一定引上げをして、更にそのほかに、修繕費の引上げに近いものを負担させますということが、果してその事業が健全な発達をいたしますか、又製造の減少いたしますならば、やはり相当な値上りを受けまして、その消費によつて負担ができるかも知れません。それは国民生活のうちに非常な影響があります。という以上は、これは非常に考えものじやないか。非常にむずかしいものでありまして、その考えが今悩んでおることの、国民がすべて悩んでおることの一つ考えます。
  125. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 これは伊藤さんがおつしやる通りとは思うのですが、非常にむずかしい問題とは思うのですが、まあ大きな生産会社にしましても、カーバイトを造るとか、アルミニウムの会社などは非常に食うと思うのです。ところがいわゆる軍需産業ですね、特需関係会社はどんどん電力を食う。配給も多い。そうして平和産業のほうは非常に配給が少い、ところがそれが同じような率でその修繕費を負担しなくちやならないものと言えば、一般家庭は最も少いのであります。こういうことはちよつと私たち矛盾すると思うのです。やはり電柱を立て替えるにしましても、恐らくたくさん使うところにはそういう資材がたくさん要るだろうと思うわけですなの。ですからそういう点は会社と何か特別な関係で、そこの負担によつて修繕費を一般会社の払う修繕費を大口の使用者に多少持たすとか、何とかそういうふうな方法か何か特別な方法を講じられて、一般需用者のいわゆる家庭の負担をできるだけ軽く図つて頂かんと、これは非常な恨みが皆さんのほうに、一般需用者から行くと思うのです。而も電圧の落ちている電気をやはり普通の電圧の電気と同じ料金で我々がこれまで払つて参りまして、電圧の落ちていることに対して非常な不満を持つているわけなのです。インチキで金を取られているようなことになるのですから、ですから水増しのですね、酒を飲まされておると同じなのですから、そういうことから考えましても、私は修繕費というものは一般の家庭に負担さすべきものでない、特別の方法考えて頂きたいと、そういうふうに思うわけです。
  126. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) 只今お話のうちの一般修繕費のほかに引込線その他に対するお話がございましたが、これはやはり特定のものは当事者同士の特定の交渉によつて大口需用者は大抵やつておるようであります。この一般の修繕費の割当というよりも、それらをすべて見合つておりまして、料金の算定に対する割当に対する考慮をすべきものと考えますが、只今の須藤さんのお話の、なるべく民衆に多く、何と申しますか小口の民衆に多く接しまする問題に対する方面の値上げの限定をすることは、これは非常な国民生活上必要なことと考えておりまして、それはよほど考慮すべきものと考えます。又従来大品が比較的安かつたものでありますが、今午前中長官が、これは安本におきまして責任のある数字じやないようでありますが、新聞等に現われました安本案と称する六割二分ほどの値上げ、実質は六割二分ほどの値上げを見ますと、やはり安い電力、即ちそれは大口電力でありますが、それがやはり値上げすべき案だというふうなものが出ておりましたのですが、その御質問に対することは責任のあるものじやなかつたようでありますが、国民生活の実際から考えまして今の思召のことは誠に結構なことだと考えますが……。
  127. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) ちよつとお諮りいたしますが、物価庁のかたがたが三時半には司令部へちよつと行くために席を立たれたいという申出がありましたから、若し物価庁のほうに御質問があるようでしたら先にお願いをいたしたいと思います。
  128. 結城安次

    ○結城安次君 私のは物価庁には関係はありませんが、よろしうございますか。
  129. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 私からちよつと一言お聞きしたいと思います。今日物価庁並びに公益事業委員会の事務局からは、前年度の実績を全国統括したもので御説明を一応願つたわけだと思います。ところがこの昨年度の実績を元にいたしまして、恐らく今後の料金公債に対するいろんな議論をいたさなければならんと思うのでありますが、今度の料金は、各地域別々になるわけであります一特に根本的な修正も加えられようとしておりますので、一点伺い、且つそれで不十分な点があれば、補足的に更に資料の提出も願いたいと思いますることは、今日御説明を願つたことが各九会社ともその内容において大きな率の隔りがない、殆んど同じ調子で行つておるが、各会社ことには相当な隔りがある。その点を、これは抽象的な質問でありますけれどもつておきたいと思います。それで特に修繕費の問題につきましては、各九会社とも相当異なつた特色を持つてつておられると私は想像しておるのでありますが、その修繕費の扱い方についても、各社とも当時の主務官庁において統了してやられたのか或いは一定の額を捻出されて各社の自由にやらされたのか、自由にやられたといたしますれば、相当に違いが出ておるはずであろうと思いますが、そういう点の説明を願いたいと思います。それからこの点につきとましては、業者のほうの清水金次郎君もお見えになつておりますから、補足的に御説明を頂きたいと思います。
  130. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 料金改訂しました時は、即ち一昨年の十二月に改訂しました時は、すべて各社一本で、全国一本ですべてやつていたわけなんですが、実際実績としましては、恐らく各社におきましていろいろ違つたことになつておるんじやないかと思つております。その内容につきましては、まだ私のほうで詳細は調べておりませんが、恐らく或る程度つておるんじやないだろうかというように考えております。
  131. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) そういたしますとですね、これは物価庁でも公益委員会事務局でもどちらでも結構でございますが、まあ一番その後の経過の説明をよくして頂いたのはこの委員会事務局の資料だろうと思いますが、この資料を根幹にして九会社の内容を一応分類して頂くということはできませんか。
  132. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 私ども各社別、殊に配電のほうについては細かく経費の内容等についても調べております。日発につきましてもう、これは一社として見ておるのでありまして、これを新会社に適用する場合には、やはり各地区別に割つて今までの経費の実績を調べなければならないと思います。これにつきましては現在準備を進めておりまするが、新会社料金申請各社別に出まして、各社別の所要経費というものは申請書に添付されて参りますので、それと対比いたしましてそういつた既往の実績も調べたいと、かように思つております。いずれこういう点は調べができましたならば御報告できようかと思つておりますが、現在のところではまだ各社別、地区別に割りましたものを作つておりません。
  133. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 皆さんにお伺いしますが、これを元にしまして各社別の内容を公益委員会のほうから提出をお願いいたしたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) じや、それを一つお願いいたします。  物価庁のかたはお帰りになつてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) どうぞ。
  136. 結城安次

    ○結城安次君 ちよつと私は先ほどの質問関連してお伺いしたいのですが、大口の需用家のために小口が犠牲になつておるというお話でじたが、これは平井君にお伺いしたほうがいいかも知れませんが、電燈なんかの収益状況と大口の電力の収益の状況で、電燈のほうがずつと割がいいのですか。
  137. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 電気料金の算定は現実の単価の開きは大口が安くて小口が高いということになつております。総括原価を一応各部門に配分いたしまして、それぞれ例えば大口は送電距離が短い、或いは小口の電燈の事情は相当配電線も長くなつて変電設備を食います関係で、どうしてもコストが高くなるという意味合いで、理論的にやはり小口或いは電燈部門のほうが料金が漸次高率になつて行くということは、むしろ原価配分からして或る程度当然でございまして、絶対的な料率の平等が公平だという理窟にはならないと思います。併しながらそういつた妥当な、合理的な原価配分をいたしました料金と比べて、現実料金がどうなつておるかという点につきましては、これは各社別にそういつた原価計算をいたしまして現行料金の批判もし、又新料金の設定の準備もいたしたわけでございまして、そういつた原価配分と比べまして判定いたしませんと、的確なことは申上げ得られんと思いますが、実際問題といたしましては電燈部門のうち特に定額電燈については或る意味の政策的な見方もございまして割高になつておるではないか、逆に大口電力のほうがそういつた原価配分から見ましても少し安いのではないか、こういつたような計算は大ざつぱでは、ございましすが現在各電気事業者が計算いたしておりますものでも見受けられるように思います。さような意味合いで若干大口が安いではないか、こういう意味合いであろうかと思います。
  138. 結城安次

    ○結城安次君 前とそうすると大分違つおるのですが、前はなかなか電燈を頼みに来ても引かない、電柱一本で三燈あれば引けというような役所からの強い指図で、配電会社は相当犠牲で引いたのもたくさんあつたように思うのですが、その分の収益状況、これは電燈を総括したもの、大口を総括してどういうふうに違うのか、ちよつとあとで材料を提出願いたいと思います。それからもう一つつておきたいのですが、この資料はこれはあなたのほうから、つまり安本から出たやつでございますか、これが料金値上げの算定の基礎として……。
  139. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) それは電気事業者の経営会議のほうで大体このくらい上げて欲しいというものをまとめられた資料だと存じます。従つて経営者協議会の清水さんのほうから機会を見て御説明いたしたいと言つて提出された資料だと思います。
  140. 結城安次

    ○結城安次君 今日午前松永委員長代理の御説明では料金の値上は当然でいたし方ないというお話の中に、減価償却が二百六十何億ある、これもそのまま納得しておるかのように私は伺つたのですが、そうするとこの材料を基礎として相当考えておるのじやないかと思うのですが、この二百六十一億幾らの……減価償却が幾ら、それから普通修繕が幾ら、特別修繕が幾らということを、あとでお知らせ願いたいと思まいす。
  141. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) ちよつと結城君にお諮りいたしますが、一応その問題につきましては、業者のほうから清水金次郎君が参考人としてお見えになつておりますから、御説明をあなたの質問の趣旨を汲んで一応伺つたほうがよくはないかと思います。
  142. 結城安次

    ○結城安次君 よろしうございます。
  143. 山川良一

    ○山川良一君 伊藤委員にお伺いいたしますが、今電力の値上問題で一番問題になつておるのは、何かよく真相をつき詰めずに何かどさくさまぎれに大幅な値上をしておるというような感じを皆受けておるのです。それは実際から申しますと、電力会社の新幹部も御存じない、それから公益委員の松永さんにも、あなたにお伺いしても、重要な償却の問題、再評価の問題、或いは修繕費の問題、まだ自分は少くともこう思うというお考えの発表もない。私は成るほど再評価とかというような問題は、電力会社自体が出すべきものではあるが、公益委員としてはこんな考えを持つておるんだと、それは決定的ではないが少くとも公聴会等で考え方を変えるかも知れないが、今のところこういう考えを持つておるのだということを先におきめになつて示されたほうが、早く公益的にきまると思うのです。ところがまだ私は一前々回ですか、こういう考えとしてきまるものは、実際の調査をしなくともわかることだから、早く考えをきめてお示し願いたいということを申上げておきましたが、松永委員長代理に申上げておきましたが、まだ今日までお明示がない。ですから、そういう方針が確定せんのに、今新聞紙で取上げてあつて、如何にも急ぐ急ぐというようなことでやつておられることが、真相がわからんなりでこのどさくさでやろうというふうに見えるのですが、私自身も見える、輿論もそうなんです。だから先ほど半年ぐらいしたならば、大体真相がつかめるだろうというお話がありましたが、もう少し早く真相をつかんで頂いて、公益委員会としてはこう思うということを少しはつきり言えるように一つつて頂いて、我々としても公益委員が決定したことについては、大体その通りだと言えるぐらいになつて、その上で一つ決定して頂きたいと思うのです。それからもう一つ、公聴会で聞くとか何とかというお話でございますけれどもただ消費者のほうは高くされて困る。それについておのおのが知つておる範囲内で、いろいろ意見を述べると思いますが、私はさつきガラス張りの中でというお話がありましたが、そのためには今日お配りになりましたような、こう前の電力値上以来のこの経場理の内容等を新聞紙上あたりで発表されて、この前どういう考えで値上されたんだ、その後の真相はこうだ、それで今度はこういうことが必要なんだというくらいのことを御発表になりまして本当の輿論、真相を或る程度つかんだその主張を公聴会でできるように席を与えて頂きたい。そうしてただ資料がなければ、公聴会でも具体的のこと誰はも言えないと思います。そうすると公聴会でも具体的の意見の発言がなかつたから、これでいいのだという結論を出されては、国民は迷惑千万と思いますから、今の希望と、こういう私の考え方についてどうお考えになりますか、一つお答え願いたいと思います。
  144. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) 大変ないい御質問であります。むしろこちらから訴えたいというほどの感じでありますので、いい機会でありますから、一言申上げたいと思いますが、大体公益委員会発足以来与えられました問題が何と申しますか、非常に困難な問題でありまして、電力再編成そのものが御承知通り、二年以上に亘りましてどの機関も処置し得なかつたような問題だつたようであります。振り返りますと、非常に困難であるべきことが、私ども割合安易に考えてかかりましたことに非常に自分たちの手落ちがあつたと考えます。その先ず第一にぶち当りましたのは、再編成のときにおきます日発対九社の対比の問題並びに新電力会社の人事の問題等に対しまして、皆さんがたからいろいろ教えをこうむつた次第でありましたが、これがたまたま峠を過ぎまして直ちに来たる問題が、今申上げましたように料金値上の問題、これはもう国民のすべてが、又家庭生活でありましても、或いは多少産業関係のあつた者から考えましても、電力料金の値上くらい苦しいいやな、而も恒久に亘る問題でありますために、この問題を取上げることは、私ども皆さん御同様非常にいやな問題であります。たまたまそれが再編成後第一の希望として九社側から我々のほうに申し伝えがありまして、而もその希望のことが我々の手に入る前後、社会に発表されておりまして、如何にも公益委員会が慫慂して、そうして我々が再編成後の第一の仕事はそれだというように社会に伝えられておりますことは事実であります。私ども最も身近な者からしてそういうような注意と質問を受けたのであります。併しこれは全然逆のことでありまして、皆さんがたと同じ考え方の下に、電力値上という問題に対しては、一日でも少しでも遅く少くするということが我々の使命であるという考えを持つておることは同じであります。その立場から考えまして声のみでありまして、本当の数字が我々の手に渡りましたのは、極く最近のことであります。極めてもう最近のことであります。こういう機会に申上げてどうかと考えますけれどもが、五月一日後新九会社の書類の完成いたしますのも、相当時日を要しております。それは千数百カ所の発電所並びに非常に零細な数字を拾い上げます以上は、他の事業のように簡単にできないかも知れませんけれども、そういうことに対する時日もかかつております。その数字並びに料率値上に対する基礎的な申出の数字を手に入れましたのが最近でありましてこれをいわゆる反覆吟味しますことが必要でありますが、いささか再編成前後のいきさつから見まして我々委員五角はどうもその後早く自己の意見を発表することが非常に苦手でありまして、再びああいうことを繰返すことの虞れを抱いておるようなことがいささか何と申しますか、羹にこりて膾を吹いておるような傾きがあるかも知れませんが、今私ども考えておりますことを正直に申上げますと、こういうことは非常にアカデミツクに考えて見よう、すべての基準を純計数から割出しまして、そうして自分たちの信念を考えなければならん。それと併行しまして関係官庁、午前中の御質問にありましたごとく、物価に非常に関係の深い安本物価庁、及び当国会は無論のことでありますが、一般社会の声も、又需用家の声も多く聞いて、そうして一つの接近点があるならば、それからあとは我々の裁量できめるべきではないか、これを一刻も早く取上げて、一刻も早く国民にこれを実施しますということは、私ども考えておりません。一方又電力会社の実情を見ますと、会社にもよりますが、相当なやはり経営は困難であります。やはりそのときの赤字の補給に対してすらその資金の獲得に苦しんでおられるところがあるように見られる節もあるのであります。いつまでも辛抱はできませんことであります。再編成後第一に取上げて一刻も早くやろうという考えを持つておらんということだけは、皆さんと同じ心持であるということを申上げまして、御了解を得たいと思います。
  145. 山川良一

    ○山川良一君 早くきめますのには、やはり皆納得しなければいかん、納得するためには先ほど申上げましたように、今日お配りになつたくらいの資料は、私は少くとも公聴会に、聴聞会に出ようとする希望者くらいには、五日か一週間くらい前にはお渡し願いまして、そうして実情の大体はかくの通りだくらいのことはお示し願つて、そうして本当に実際に即した意見を集められるということが、結局お話になつておる早くきめる、殊にそれは了解済みできめる、そのほうがいいと思いますから、ですからお急ぎになる理由はよくわかつております。ですけれどもただ聴聞会はやつたのだ、何もやつたのだ、その結論がこれだけだということでは私はちよつと納得、形だけでは納得せんと思いますから、そういうことをおやりになる御意思があるかどうか。
  146. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) 私ども他の事業界におきましてもあることでありますが、電力事業に関する限り私ども大変驚きましたことは、各地におきまして或いは商工会議所を中心にして、その他の工業者団体を中心にして、甚だしいのは数社が結合されまして電気の専門調査員を置いておるのであります。それらのかたは私どもよりも遥かに電気の実際を承知しておられまして、馳け出しの我々四名というようなものは場合によつてはそれらのかたに教えられることがあるということはこれも事実であります。この値上げに関することは形の上で、いろいろな団体、いろいろな方面の意見を拝聴するということはこれは当然なことでありますが、幸いにもそれらの団体等がいわゆるその所属の電力会社から我々の手に入るに近い物の書類が先渡しされておりまして、相当検討されておるようであります。又当国会に対しましては私どもの手に渡りますに近いものが電力会社等からそれぞれ御関係のかたにも御覧を願つておるようなこともあるようであります。すでにこの委員会で伺いますと、私どもつてお目にかかつたかた、新たにお目にかかつたかたの中にも殆んど大半が私どもよりも遥かに御専門のかたたちが集つておられますので、この委員会自体が非常に大きな権威を持つておるということ、又開会ということ以外に非常に権威あるものと常々感じ、又常に御意見を拝聴しておる次第であります。できますだけの御意見も伺い、又我々の書類なども御覧願いまして、できるだけの御教示を仰いだ上で最後の決定をいたしたいと考えておる次第であります。
  147. 山川良一

    ○山川良一君 今の資料皆持つておると言われますけれども、私これは長井十日ばかりのうちに三回ほど大中小の消費者の代表、相当多数の人と電力の問題を協議したのです。ところが電力問題、その電力の単価は如何にあるべきかという資料は、もう一つ言うと現在の電力会社の内容がどうなつておるかということは誰も持ち合せてなかつたようです。ですから結局話は抽象的になりまして、そんな再評価をすべきでないとか、そういうべらぼうな賞却はあり得ないとか、まあ修繕費の問題とか、抽象的なだけで、突つ込んだ話は一つも出ないのです。ですから相当詳細なものを持つているから渡されなくても差支えないということ、それは認識不足も甚だしいものと、私はそう思います。実際はそうでないのですから、少し先ほどお話になりました評ラス張りの中でやるというお考えに基きまして、もう少し真相を御発表願いたいと思うのであります。
  148. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) 我々の手に移りましたのが数目前のことであると信じますので、日がたつに従いまして、それらの完全に近い書類も皆さんのお手許に参りますことがあることと信じます。又各事業団体の御集合の席にそういうような会社の実態、新合併しました又分割されました新会社の書類もお手許に廻つて行くということ、これも事実であります。併しこれはその期限も峠を越えましたものですから、次第に御承知下さいますことが多くなることと思います。
  149. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 時間も大分たつて参りましたので、ちよつとお願いを申上げますが、それは本日の委員会の議題は昭和二十四年十二月十三日に新料金体系、即ち現行料金体系が確立されたのでありますが、それから以後五月一日に再編成による新会社が発足いたしまするまでの間における電気事業の経理の内容は、国民に対して各部面において疑惑を招来した点がありまするので、その点を今日は実績を主にいたしまして関係当局並びに業者のほうからの説明を伺いまして、そうしてこの一カ年余に直りまする電気経理の内容について疑惑の点がありまするならばこれを調査をいたしたい。こういうのが主目的でありまして、従いましてどうか時間も切迫して参りましたので、そういうお気持零料金問題の御調査研究を願いたいと思います。
  150. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私は今のあなたの、委員長の話を少し発展するかとも思いますが、これから料金を上げて行く上につきまして少しお尋ねしたいことがあるわけなんです。今年度の、一九五一年度の電力の計画ですね、それはいろいろなまあ新聞で拝見したり何かしまして大体六百億の予定だと、それで六百億円の中で見返資金で賄うのが二百五十億円で、そのうち百五十億が継続工事に使われ、百億が新規の工事に使われる。それから自己資金は三百五十億使うが、二百五十億は、この二割六分というロスの軽減のために施設の改善に使う。それからこの中から百億を新規の事業に使うと、そうすると新規の事業に使うのは二百億で、そのうち新規の事業開発に自己資金として百億使うことになつたと言いますが、こういう金もいわゆる消費者からの料金で賄われるわけでしようか、どうでしようか。    〔理事栗山良夫君退席、委員長着席〕
  151. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 今お話のございましたのは設備資金のどういうようなものとして一応想定されるであろうかという計算でございまして、いろいろなものを最大限に見込んだ数字でございます。従つていずれも確定していない要素でございますので、一つのまあ試算のようなものだと思います。これにつきましてはいろいろ業者間の要求は非常に多くて設備資金だけでもまあ千億になんなんとするものでございまするが、いろいろな点を見まして最大限度を見込んでもそのくらいの数字じやないかというものであります。これの内訳といたしましていわゆる拡充部門に三百五十億、そのうち見返資金としては二百五十億を見込むと、これの残りの百億分につきましては自己資金とございまするが、主として拡充に使われます分は社債とか、増資とか、そういつた銀行或いは資本を通じましての電気事業者自身が獲得できる外部からの金と、そういうふうに想定をいたしておるわけであります。
  152. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 一つお尋ねしたいと思いますのは、今までの電気料金の滞納というものがどのくらいあるかわかつておりましようか。大口電気料金の滞納の額ですね。
  153. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 今ここには数字がございませんのでいずれ調べまして御返事いたします。
  154. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 伊藤委員にちよつと私お考えを伺つて置きたいと思うのです。それは先ほど来の質疑応答によつて現在までの状態がどうなつておつたかは御承知を願つたと思いますが、いわゆる電気事業の最も原価計算上重要な資料たるべき水量というものが、これは天然現象でありまして極めて不安定であります。従つて如何に厳密な原価計算をいたしましても、これはアサンプシヨンの上でなければできない、こういうことになる。従つてたまたま昨年度におきましてはその仮定よりも豊水があつたために、電気事業は今日まで何とかしてやり繰りを行なつて来たという説明であります。これが又逆な場合でありまするならば非常なことになるわけであります。そこで私どもとしては渇水準備金制度というものを設けまして、これに法的根拠を与え、税金の面も配慮をいたし、そうしてそういうような天然現象による計画面とのズレた差は決して事業会社だけでプラス或いはマイナスの吸収をすることでなくて、消費者と直結させなければならんと、こういう考え方を持つておるのであります。従つて昨年度の実績でよくおわかりになつたわけでありますが、今度の新料金の構成に当つてはそういうような制度を確実に実行せられまして、そうして電気経理の中において非常に国民が疑惑を持たなければならんような事態をこの点から防止せられるような御用意があるのか、この点を伺つて置きたい。
  155. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) いわゆる自然現象を当初から逆算することは困難である。これは議論のないところであります。この三年間の出水量による発電量又は能力の増加等が、やはり一応の基準なつたことは事実であります。たまたま再編成後の九社の発生量等に対する計算の時期等に対して、二、三公聴会の席等で御注意をこうむつたことがあります。それらも非常にいい御注意と考えておりましたが、幸いに本年度は積雪量が、相当質のいい雪が積つておるようであります。今日まで辛うじて……、今年は雨が少ないのでありますが、その雪解けによりまして計画に大きな過誤を来たされに行けるのじやないか。ただ将来といえども電力会社の発電開始による増加等が今日まで、大きな間違いなしに進んでおるようであります。別に安易な考えではないのでありますが、ほぼ立てました量が、あの程度でできますものという考えの下におりまして、これはもとより自然現象、天然の人為に与えます変化ではありますが、殆んどこれは今何人たりとも逆賭することはできませんけれども、今日までの実情は、当時立てました案に、大きな間違いなく過ごして来たものと考えておるのでありますが、或いは平井技術長がおりますから、これについての詳細な御説明を願つたら如何かと思います。
  156. 栗山良夫

    栗山良夫君 その実際の運用面において何とかやつて来れたというのでありまして理論的には一昨年の原価計算というのは、非常に大きなミスであつたと思います。厳格にあの降水量を予定し得なかつたということ、従つてこれは責めても責め切れない自然現象であるから、そういうことを責むべきでないのであつて、ただそうして異常収入を挙げたものが、需用家に戻らないで業者の中で吸収されるというのは不当ではないかという議論があるわけであります。従つてそれを国民の納得するように解決いたしまするためには、計画面よりも甚だしく出水があつたという場合には、その計画面よりも越えた河川水量によつて生まれた増収というものは、挙げて渇水準備金とする法的根拠を持つた、善良なる管理を企業者にさせる。そうしてその次に今度は自然現象によつて思わない渇水期が来たときにはそれを放出いたしまして、需用家に迷惑をかけないようにする。そういうような方針を公益事業委員会としては今度の新料金の設定の場合にお立てになる用意があるかどうか、それを伺つておるわけであります。
  157. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) どうも第一の御質問に対して了解が足りませんでして甚だ失礼いたしました。万一豊永に恵まれました暁におきます料金収入増加をどうするかという問題、而もその措置につきまして対温水準備の積立金に対して、当委員会におきまして御建議になり、又それを実行されておりますことは電気事業界に対して非常にめでたい、御賢明な策として真に敬服する次第であります。そういつたようなすでに計画もでき、多年の御経験による何と申しますか、電力事業の運営におきまして非常にいい形が示されておるのでありますから、万一豊水期におきまして、これも或る程度の問題でありますが、異常な収入増加等は、それらはやはり対渇水期の準備といたしまして、具体的なことにいたしますこと、或いはサービスと申しますか、可能な範囲までそういうことをせしめますことは、これは新電力会社としての使命といたしましては画期的ないいものであると考えます。私今栗山さんのお話が御質問と共に一つの、我々新発足いたしました公益委員会といたしましては非常に参考にすべきものと思いまして、他の委員にも申伝えまして、何かいい方法考えて、又或る機会に御協議など申上げまして、サービスの改善の一部にも資するに最も適当であろうと考えております。
  158. 栗山良夫

    栗山良夫君 この問題は、私は恐らく今度の料金調査する上におきましては、再評価の問題と並んで一番私は重要なポイントになると思います。従いまして、若し事務的に企業者の代表たる清水金次郎氏、或いは中川経理長あたりで具体的にお考えになつておる点があれば、この際昨年度の経験から割出しての御所信を一つ承わつておきたいと思います。
  159. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 栗山君にお諮りいたしますが、参考人として清水金次郎君に対する発言について皆さんにお諮りする前に、質疑を受けましたが、この問題について今から清水参考人に発言を許します。発言の内容は電気事業に関する経営者の考え方についての御見解並びに改正される新電力料金について事業者団体側の考え方についての御説明をお願いいたします。
  160. 清水金次郎

    ○参考人(清水金次郎君) 電気料金改訂につきまして、当参議院特別委員会で発言をお許し下さいましたことを感謝いたします。実は当参議院におきまして、電気料金に関しまして、特別委員会が持たれまして、すでに数回に亘る模様でありますが、それほど電気料金改訂国民の皆さん並びにこの国会におかれまして、重大にお考えになつていることに対しましては、私ども業者といたしましては、責任の重大なることを痛感しておるのでございます。去る五月一日、私ども電気事業者は電気事業再編成令によりまして、新らしい九つの発送配電事業を営む九つの会社として発走したのでございます。その会社が開業一カ月にもならないうちに、突然として電気料金の値上をお願いするということを、公益事業委員会初め、各方面に伺いましたことにつきましては、いろいろ事情がございます。これらのことにつきましては、いずれ述べる機会もあると存じますが、本日は時間もございませんものでありますので、先般会議におきまして差出しました昭和二十六年度電気料金改訂資料というものにつきまして、すでに御覧のことと存じますが、これにつきまして二、三申上げてみたいと存じます。もう一つ電気料金改訂案という刷物を差上げたように記憶しておりますが、この二つにつきまして簡単に御説明申上げたいと存じます。  先ほど来、物価当局並びに公益委員会側から、一昨年の十二月の料金改訂は、いわゆる三割二分二厘という標準料金の値上でございましたが、実態は豊水その他の事情がございまして、約五割九分の値上げであつたということも私どもも認めるところでございます。今回の改訂におきましては、そういう収入が今後も一応継続されるという建前の下におきまして、更に七割の料金の値上をお願いする予定でございます。その予定を簡単に申上げますならば、物価騰貴によりまして約二百四十億、資材増加によりまして百二十億、償却を適正化することによりまして二百億、合せまして五百六十億円になるのでございます。その五百六十億円は大体現行収入を標準収入といたしまして六百五十億円、超過料金の火力収入といたしまして、一応百五十億円を予想いたしまして、合計八百億円に対しまして、七割の値上は丁度五百六十億円になるのでございます。その出ました根拠につきましては、只今お手許にお配りいたしました電気料金改訂案の二項目に書いてございます。即ち現行料金の原価と、それから一昨年の当時におきましては丁度五百五十億円の総括原価であつたのであります。これに対しまして標準電力量を二百二十五億九千三百万キロワツト・アワー、それの平均単価が一キロワツト・アワー二円三・十七銭四厘につくのであります。今回の改正をお願いすることによりまして、いわゆる標準料金は千三百二十六億円の標準収入をお願いいたしまして、これに対しまする標準電力量は二百五十九億九千五百万キロワツト・アワーであるのでございます。四円七十一銭九厘に当ります。然るに現在の料金は、多少需用構成も変りましたものですから、昭和二十六年度の標準といたしまして、二円四十四銭三厘であると私共は仮定いたしますものですから、いわゆる標準料金の値上率は一・九三倍になります。全料金の値上率は丁七三倍になるのであります。これを現在各社の目下考えております値上率を平均いたしますと、一・七倍でございます。この〇・〇三倍の点につきましては、各社は企業努力その他によりまして一応経営合理化を図る方法を目下考えておるようでございます。従いまして、これから申上げます数字につきましては、一応全国の料金値上は、七割増であるというふうにお考え置きを願つたら結構だと存ずるのでございます。  おな料金改訂資料に書いてございます。需給のバランスの問題でございます。これは先ほど栗山さんからもお話がございましたように、標準水力発電量を如何にとるかという点につきましては、非常に困難な問題でございますけれども、すでに過去三カ年間異常豊水が連続しております事態もございますし、又すでに割当電力量が相当大幅になつて継続されておる事実から考えまして、私どもは大体平年度、平年度と申しますと、標準三カ年間を入れた過去八カ年間の平均でございます。そういう平年度の水の出方に対しまして、更に六・五%の出水があるということを前提にいたしまして、石炭が自家用と言いますか、各発電所の火力を入れまして、六百五十万トン焚かせるという計算をいたしました結果総販売電力量が常時につきまして二百五十九億九千五百万キロワツト・アワーというものが一応標準の量であるというふうに考えたのでございます。これを仔細に検討いたしますならば、いわゆるロス、擅用という電力量は、大体現在までは三十一%強あるのでございますが、鋭意設備の改善その他をいたしまして、この計算では、今までのところ、各社の見込といたしまして、二七・二九%となつておるのでございます。その中に通常の送電損失といたしましては、二四・二%、擅用その他の電力量といたしまし二一・一八%を予定しておるのでございます。この点は再編成された新らしい会社ロスの実績というものは、五月一日以後において初めて正確にわかるような段階になつておりますので、こういう点の実績を見ました上において、更に将来の買通しというものが又変る点があるのではないかと考えております。そこで私ども考えております料金制は、この六百五十万トンの中、約四百三十万トンが標準料金に織り込まれまして、いわゆる火力料金と申しますか、第二料金に含まれております料金といたしましては、残りの二百二、三十万トンを予定しておるのでございます。次に総括原価の点でございますが、これは先ほど栗山さんの御質問にもございましたように、前回の料金改訂の総括原価を土台にいたしまして、料金改訂されろべきものであるか、或いは最近まで昭和二十五年度中に実際に収入並びに支出に示されましたところの原価、或いは収入を土台にして、新らしい料金の値上率が定められるべきであるかということにつきましては、非常に業者も苦心いたしまして、いわゆる料金の地域的差という問題をどういうふうにして皆様に納得行くようにすべきか、こういうことは最大の問題でございます。この点に関しましては、日本発送電会社という形が解消いたしました結果、なまの電力原価というのが各所に現われました結果、現在の料金をそのまま、全国平均のまま、例えば七割上げますと、それでは経営できる会社とできない会社が出て来るのでございます。この点につきましては、法律で認めております追加調整料金と言いますものを最大限度に活用いたしまして、現在のところでは水力発電所常時出力一キロ一カ年三千五百円、平均出力にいたしますと二千円でございます。そういうものを水力発電所から火力発電所の発電料に補給することにいたしまして、その総額は原価で百五十五億円でございます。これ以上水、火力の調整をいたしますと、火力発電所の原価のほうが安くなるという段階になるようであります。従いましてその水、火力の調整を只今の限度以上にしなければならん、或い、は逆に言いまして、そういう原価を維持するための料金値上率が七割より著しく差がひどくなる場合にはどうするかという問題につきましては、申請をいたします現在におきまして、各会社経営者が最終のまとめの考えをしておるようでございます。  それからこの原価の内容につきましては、ここにも簡単に書いてございますが、二、三の点に大きな問題があるのでございます。人件費につきましては、先ず私どもから見たところによりますと、多少合理化の余地があるかも知れませんが、先ず当面におきまする発電力の拡充というものを考えますならば、先ずこの程度の人は是非必要である、私どもは現下としてお認めを願いたいという点でございます。賃金ベースでございますが、これはいわゆる理論生計費というものの上に組立てておられます賃金でございますが、これは遺憾ながら一般産業の賃金水準から比べますと、相当低い段階にあるようでございますが、これ以外の計算を今直ちに行うということはできない段階にございますので、一応確認されております賃金ベースと是非お認め願いたいと存ずる次第でございます。その次に修繕費と減価償却の点が非常に大きな問題になつているのでございます。この点につきましては、新たに発足されます会社に対しまして、公益事業委員会は、先ず経理の適正化をすでに決定されまして、これはアメリカの電気事業の会計法をそのままに近く適用されまして、修繕費と建設費のけじめをはつきりいたされまして、たとえ経理が苦しくとも適正なる経費は建設費に盛ることはならないという鉄則の下におきまして、今後仮に料金が上りましても、電気会社経営の実態は、内容は充実されこそすれ、表面上の利益率は決して楽なものではないということは、我々は想像するにかたくないのであります。殊に修繕費と建設費の支出、或いは修繕費と減価償却の内容ということにつきましては、従来電気事業料金改訂におきましては、この設備の劣化ということを相当重きを置かれまして、前々回の料金改訂に当りましては、復興金融金庫からの短期の改良工事費というものを、特に政府当局の斡旋を頂きましていわゆる特別回収勘定といたしまして、七年償却というものを認められたのでございますが、ドツジ・ラインですか、そのときに、こういうふうな経理は不健全であると申されまして、一挙に撤廃されたのでございます。その結果、その当時から少くも五カ年継続でこの回収の遅れを取り戻す考え方が、たまたま二年で実態は打切られたのでございます。然るにその後物価騰貴その他によりまして、更にこの大幅な回収をいたしませんと、どうしても六百五十万トンも焚くような状態におきましては、電気の責任が果せないというような事情が次第に判明いたしまして、是非今回は三カ年継続事業といたしまして、九十億円ずつこの特別回収工事をお認め願いたいと存ずる次第であります。これと別に再評価をされましたところの減価償却金を、当分の間定率法でお願いしたいというのが我々業者考えでございますが、この点につきましては、是非御了解を求めたいと存ずる点は、巷間伝えられますところでは、これがあたかも新らしい発電所の工事費の相当部分を占めるように伝えられているやに聞くのでございますが、先ほども中川経理長からお話がございましたように、決して私ども一般料金値上げによつて新らしい発電所を建設しようなんということは決して毛頭持つていないのでございます。  これはそれならどういうところに蓄積さかるのかと申しますと、すでに発電所の壽命が二十年経過しておりまして、このままの状態では、最早修繕では間に合わないような発電所が数十カ所あるのでございます。こういう点に是非これを使わして頂くように、折角今計画をしておるのでございます。決してこれを見返資金の不足分を減価償却、再評価額で以て賄うということはないのでございます。この点は公聴会その他開かれますときにおきましては、私どもは相当な資料を以て是非御了解願うように説明する所存でございます。  最後の料金値上率と各社が如何なることを考えておるかということについて、先般も山川さんからお話がございました。その点につきまして、かくのごとき各社一本の数字を以てしては何ら参考にならんというきついお叱りを受けたのでございます。この点につきましては、公益委員会側からも、正式の書類が出ていない段階において、仮に途中の試案としてあるにしても、そういうものは却て誤解を招く虞れがあるからという御注意がございまして、私ども非常に御尤もだと思うのでございます。この料金値上げ試案につきましては実際のところ、これで正式にお出しするまでには、我々業者として四回直したのでございます。最初は大体新会社の発足直前におきまして、どうしても料金値上げというものはやつて頂かなければ、仮に新会社ができても、これは二三カ月たたないうちに、運転資金すら窮屈になるはずだという考えを以ちまして、取りあえず料金値上げという形をお願いし、その次にそれならばどういう原価計算でやるかという試案を持ちました。更にもう少し話の種になるような試案はあるかというので、先般一応まとめてまあ仮の形として参考資料に提出したのがあるのでございます。これに対して更に最近、今月中でございますが、いよいよ新会長、社長さんが任命されましたものですから、その役員会の決議を以ていたしまして、正式の申請書を出す予定になつておるのでございます。その数字はまだ私どもの手許に参つておりませんが、多分第三回目に決定いたしたというものにつきまして、その後各方面からの反響を取入れまして、例えばラジオの料金或いは産業用の、化学工業用の料金等につきましての最初考え方を目下取りまとめておるやに聞き及んでおります。この点はではどういう点が直るかと申しますと、現在輿論に問われておりますような点が結局修正する点になるようでございます。例えば火力地域におきます化学工業と水力地域における化学工業との調整をどうするかというような点に尽きるのでございます。この点は結局その地方だけの原価計算では困難である、従つて水、火力調整料金を最高に活用してこそ、こういう料金が余り地域差をつかずに存続できるのではないかという点に尽きるのではないかと考えるのでございます。そういたしまして、最後にそれならば料金の値上率が個々の地区でどうなるかという点に尽きるのでございますが、この点は再編成の途上におきまして、各社がいろいろ公約の点もございますし、又何といたしましてもその地方の需用家の意見を尊重しませんと、結局会社が永続されないという点がございますので、最大限度にその調整をしておるのではないかと考えられるのでございます。最後にもう一言申述べたいと思います点は、現在の料金制度はいわゆる火力料金、標準料金と火力料金制になつておりますが、これが割当とからみまして、直ちに割当料金を支配するという結論になりますので、今回の改正に当りましては割当ということと料金は直接関係はないという原則を打立てているのでございます。従いまして割当の如何にかかわらず料金の計算は常に同じ方式で計算できる。従いまして会社がその標準料金の高い段階の料金との分け方につきましては最も苦慮している点でございますが、この点につきまして或いは我々の考えが誤つているならば公聴会その他で御訂正を受ける段階にもなるのではないかと存ずるのでございます。各社の地域差につきましては各社はいろいろの立場からそれぞれの考えを以ていたしまして、結局におきまして、仮に七割の値上げといたしますならば、低い地域差から申しますならばまず東京電力が一番低く、次第に東北、中部、北陸というふうに参りまして、大体平均の値上率より少し上廻るのがその残りの火力地帯の会社料金であるのではないかと存ずるのでございます。いずれ一週間たたないうちに正式の書類も出て来ると存じますので、その際は我々は大至急にそれを一覧表にいたしまして皆さんの御批判を待つことに努めたいと、こう考えるのでございます。大分雑でございましたが、以上御報告申上げます。
  161. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今清水参考人の電力料金改訂に関する基本的な考え方に対して、若し御質疑がありましたら御発言を願います。御質問ありませんか……一応本日の料金改訂の問題に関しましてはなお継続して調査をすることにして資料をよく御検討の上に又質疑をして頂くことにいたします。
  162. 古池信三

    ○古池信三君 ちよつと簡単なことで、これは新聞で見たことでありまして、正確なことはわかりませんが、公益事業委員会のほうで料金認可基準というようなものをお立てになつたというようなことが出ておつたことと思います。若しそういうものをお作成になつているんでしたら一応こちらにお示し願うわけに行かんでございましようか。
  163. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) ちよつと忘れましたのですが、大体において料金算定の基準、その原則を何と申しますか、一つの帳簿経理その他原価採算等の専門的な基準から割出すべきものは当然と思いますので、委員会の若い人らの厳密に検討したものを二、三の大学等の教授、いわゆる専門家であります、極く明るいと考えられるかたの意見などを徴して一つの案を立てたのでございます。只今書類を忘れて参りましたんですが、あとで一度是非御覧を願いまして、その料金の算定の基準をどこに置きますかということを御承知願いたいと思います。
  164. 古池信三

    ○古池信三君 是非近いうちにその資料配付を願いたいと思います。
  165. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私伊藤委員にお尋ねいたしますが、今の改訂基準要綱といいますか、それと何ですか、事業者から出されたものを公益事業委員会がお考えになる場合に公益事業委員会として今お考えになつているような基本要綱に当てはめて料金考えるという考え方でお作りになつているのか、或いは公益事業委員会としてこういう方法従つて事業者から出せという基本要綱をお考えになつているのか、どちらかであるかという御答弁一つ願いたい。
  166. 伊藤忠兵衛

    説明員(伊藤忠兵衛君) 帳簿の何と申しますか、勘定科目の要目並びに收支計算の処分につきまして帳簿上の基準というものはすでに作りまして、その一定方針の下にこのたびの再編成以後の帳簿基準はそれにいたしておりまして、その帳簿を基準といたしまして今後の収支並びに、いわゆるリターンでありますが、というものをどういうふうに処理するかという基本要綱を書出しまして、自然それが帳簿様式からも割出すものでありますが、その算定方式の下に各社にそれを基準として立案を願いたいということを指示いたしまして、もとよりこの帳簿の作成及び現実の数字の扱いは九社がいたすことにして出しましたもので、算定基準の下に算定いたしましたということのつもりであります。
  167. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは只今から陳情請願に入ります。  請願一千四百六十六号只見川上流開発電源帰属に関する請願、仙台市議会議長佐伯満雄提出、高橋進太郎君愛知撲一君紹介、この請願を議題といたします。高橋君はお見えになつていないようですから、専門員から朗読させます。
  168. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) この請願の要旨は文書表によつて概略申上げますと、只見川未開発電源開発については、東北地方発展のために非常に大事なものである。然るに今回の再編成案によりますと、只見川上流地帯の未発発電源は、関東地区に帰属させる由であるが、東北としては非常に将来の発展のために困る。東北地方の産業経済を振興するために只見川上流開発電源を東北地区に帰属させて頂きたいという請願でございます。これは決定指令案に載つておりますことに対する異議になります。
  169. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今請願第千四百六十六号の問題について平井技術長の答弁を求めます。
  170. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 只見川の上流の未開発電源は極めて大規模な開発を必要といたしますので、このたびの電気事業再編成におきましては、一応旧関東配電会社が所掌しておりましたものは東京電力会社に、旧日本発送電会社が支出いたしました調査費用等は東北電力会社に引継がれておるのでございますが、今後の開発計画につきましては、今年度中に大規模電源調査を行いまして方針を決定することとなつております。
  171. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 何か御意見がありましたら……。
  172. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 この只見川上流電源開発につきましては私も近年、二年ほど前ですか現場を視察したこともあります。その際において日発の開発計画というものと新潟県のほうと両方意見が出ておつたのでありまして、雄大なる計画を以てそれぞれ意見が対立しておつたように思うのですが、その後何でも外資導入等について司令部あたりからもやつぱり何か指示があつたかとうことも聞いておりますが、現にこれがまだあのまま未開発なんでしようか、或いは又多少この日発の計画を取入れて開発されるようになつておるのですか。その点これは明らかになればおのずから本件請願の趣旨が明らかになつて来ると思いますので……。
  173. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 只見川の開発様式につきましては只今説明通りに旧日本発送電の東北支店が実際の衝に当りまして、最近二、三年の間に相当まとまつた調査費用を投じまして一つの一貫した開発計画を立てているのであります。同時に新潟県のほうでも流域変更の構想の下に立てた案を持つております。そのほかにもまだあの系統の総合開発に全然別途の角度からする開発様式の構想を提案しておられる面もあるのであります。これはこうした大きな地点、恐らくこれだけまとまつた地点は他にないと思うのでありますが、この最も有利な地点を今後開発するについていつまでもその方針がきまらないようでは非常に困るのであります。国家といたしましては一日も早くその開発様式を総合的に検討して最終的な最もよい結論を出して、その線に沿うての開発のできるように援助するとか、或いは指導することが大切であろうと考えております。委員会といたしましても特にそうした面を考慮いたしまして、只見川の開発と、それから熊野川の開発との方針をきめるためにも大規模な調査方針を立てまして、その二河川の開発様式を決定するために一億円の調査費用をば国家の予算として出してもらうことにいたしました。そしてこの費用などの資料が御必要でありましたら別途の資料を差上げてもよろしいと思います。そういうようにしまして、その大半は只見川調査に使おうと考えております。この調査委員会直接にするのではござませんで、委員会といたしましては一定調査方針を定めまして、先ほど申上げましたようないろいろな案を総合的に検討して、そうして結論を出すように方針を立てまして、この調査をば一定の権威のある機関に委託するつもりでおります。そうしてその委託して一年間に、今年度中に調査の結論を報告してもらい、又その結果は議会にも報告することになつております。で私どもとしましてはその立派な結論の出ることを一日も早いように念願しながら、その委託面についての話合いを進めておるのでございます。調査を委託いたしまする相手方は、最近社団注入として認可せられましたところの電源開発調査会にこれを委託するつもりでおります。電源開発の会員は新らしい電力会社業者でございます。特にこの面には東北とか関東とか、そうした地区のほうからは、特に只見川関係につきましては、調査のエキスパートが大勢参加いたしまして、そうして皆で協力して各方面の計画案を比較検討して、その中から立派な結論を見出すべく努力しております。
  174. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 只今の御説明によると、その電源開発調査会の調査の結果を委員会に取入れまして、その決定委員会がなさる、こう了承してよろしいですか。
  175. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 大体そういうことでございます。
  176. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ほかに御発言ございませんか。……私平井技術長に聞きますが、今の問題、調査をされた結果最終の決定権を公益事業委員会がお持ちになつていることはその通りだと思うのですが、当事者同士の間で、関東と東北、この間に話合いがつかないときに公益事業委員会決定されるのでしようか。本当のことを一つ聞きたいのですが、形式的のことでなく……。公益事業委員会が現在本当に白紙でそう今あなたのおつしやつたようなことになつておるのか、或いは現在公益事業委員会としてどつちにつけるというふうな考え方をお持ちになつておるんじやないか、これに関して本当のことを申して頂きたい。
  177. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 御質問の点はどちらに帰属させるかということであろうと思うのでありますが、これはまだ委員会といたしましては方針はきまつておりません。最終の方針はきまつておりません。併しながらどうしても東北及び関東に関連のある地点でありますし、東北も相当な調査人員をたくさん持つておりまするし、併し同時に他の方面の人の利害関係のほうの面も考えなければならん場合もあり得ると思います。従いましてこの開発様式をどういうふうにするかということは、その調査の進行の間にできるだけ早く方針を立てたいつもりでおります。委員会はそうした利害関係者の間に立ちましてできるだけ円満にその結論を見出すつもりでおります。
  178. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 この問題はただに只見川のみならずいろんなところに出て来ると思うのです。例えば富山県地方における問題或いは中部地方、木曾川、飛騨川、ああいう所なんかにも又起きる問題であつて、一応今度の再編成でその発電所が或る会社帰属し、或る会社帰属いたしましても、その後の未開発電源がいずれに帰属するかということは、これは原則的に相当考えてからでなければそう軽々にきめられないと思うのです。公準事業委員会においてはつまり現在の需要供給のバランス上の一つ考え方から、例えば只見川についても或る地点に切つて東京と東北に分けられたといたしましても、その後の未開発電源についてはどういうふうに原則的に考えておりますか。ただにその用だけでなく、その他の富山の問題につきましてもほかにあるわけです。
  179. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 未開発電源開発をどういうふうに会社に原則として持たすかという御質問だと思いますが、これはやはり主要河川につきましてはこれは一つの河川がばらばらに開発されるということは、どうしても電力経済上非常に支障が多いのは過去の経験に徴して明らかなのであります。従いまして委員会といたしましては、原則的には一河川は成るべくまとめて一つ業者開発させることを考えております。併しながら同じ河川と言つてもいろいろ支流もありましようし、そう一概には言えないのでありますが、勿論例外的な考えがあるのであります。そうした支流の考え方を、原則的には一河川は成るべく一つ会社にいたす、そういう一つ考えは持つております。で、この点を新会社に、新会社編成のときに、従来いろいろ水利権その他で持つておりますこの分につきましては、その水利権の引継ぎにおいてどの会社にさせるかということについて、委員会としてはそうした方針を業者に示しまして、これに対して電気事業者も了承いたしまして、大体委員会考えのような線で、河川ごとの従来の水利権の承継の仕訳をせられております。大体においてはその地区の河川はその地区の会社ということになつておりますけれども、特に隣接地域の電源の複雑な所、例えば中部、関西、北陸という所におきましては、いろいろな事情総合勘案いたしまして、若干この凧上げ式のような形のものが生じております。
  180. 古池信三

    ○古池信三君 ちよつと続いてお尋ねしておくのですが、河川の水利使用を許可する権限というものはやはりいつでも地方庁にあると思うのです。
  181. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) そうです。
  182. 古池信三

    ○古池信三君 ですから県が土地の水利使用を認めるかということをきめるんで、ただその場合に公益事業委員会なり或いは建設大臣の意見を聞いて認証を受けて、それによつてやるというふうに考えておりますから、これは公益事業委員会だけで勝手にこの水利をどの会社にやらせるというふうには簡単には片付けられんだろうと思うのですが、如何でしよう。
  183. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 古池委員のおつしやる通りでございます。例えば私が具体的に申上げましたのは、す。に水利使用の許可を得ております水利権の引継ぎにつきまして、そうした風向を業者に述べまして、そうして業者はそれぞれ協議の上それは了承してその引継ぎをしておるということを申上げておるのであります。今後の水利権の許可につきましては、これは当然当該県の知事が許可権を持つておるのでありまして、委員会はそうした意見を徴せられて委員会としての意見を述べるという建前になつております。ただ委員会といたしましては、そうした場合にはやはりそうした考えを一応原則に置き、なお且つ他の事情を堪酌して意見を出すことになると思います。
  184. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今の問題に関連してですが、仮に公益事業委員会意見と地方長官との意見反対意見であつた場合、公益事業委員会はどう扱われるか。最終決定権はやはり公益事業委員会にあるんではないんですか。
  185. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) その場合は、ちよつと法文を持つて来ておりませんので正確に覚えておりませんが、委員会は所管知事に対して勧告する権限を持つておる。勧告することができるようになりております。
  186. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 勧告をするとおつしやるが、勧告した場合勧告の強さですね、反対すれば反対したままでおられるということでもないだろうと思うのですが、それはどうなんですか。
  187. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) ちよつとどう申しましたらよいのでございましようか。勧告いたしましたその内容が国民の輿論の支持を受けるかどうかによつて、その勧告の結果の推移というものが動くのだろうと思うのであります。委員会としましてはこの場合には勧告をすることができるということになつております。
  188. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 輿論の支持があるかないかということは、聴聞会でも開かれておきめになるのであるか、公益事業委員会の一方的な考え方でおきめになるのですか。
  189. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) そういう法律問題としてはどうも……。
  190. 古池信三

    ○古池信三君 それはこういうことだろうと思うのですね。河川法によつてはつきりその河川管理庁というものは地方庁になつておるのですから、地方庁の知事が実際の強権を持つておるわけです。ですから勧告があつてもそれを聞かなければ聞かないまでのことで許可しなければそれでいいのだろう、そのほかのまあ法律問題以外の責任は別といたしましてそうじやないかと思います。
  191. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私はそうは解しておりません。そうできんと思うのですが、実際そうであればいいんですが、電源開発は知事が反対はできる、それでは国家的な電源開発に関する公益事業委員会権限というものは全然もう零になつてしまう、私はそういうふうに考えていない。最終的な決定権はやはり公益事業委員会が持つておる。その勧告の意味は非常に強い勧告だと思うのですが、その勧告は公益事業委員会決定したことを知事が承諾するというように非常に強い勧告であると思う。私はそういうふうに解釈しておるのであります。そうでなければ電源開発はできんという……、殊に料金決定権さへ安定本部物価庁から取つちやつたのだから電源開発が、……いわゆる勧告をする程度であるならば電源開発に対する公益事業委員会権限と言いますか、或いは指令ということになるのですが、これはもう零だということになるのですが、公益事業委員会はどういうふうに、どう解釈しておられますか。公益事業委員会側の解釈を一つお聞きしたいと思います。
  192. 栗山良夫

    栗山良夫君 今の電源開発の問題、水利権の問題などは今日午前中からずつと引続いた公益事業委員会説明でもまだ漠たるもので私ははつきりした意見が表明されておらないと思うのです。而もこの問題は今後の公益事業委員会電気事業の運営をやる上に一番大きな問題になる点でありますから、平井技術長に今伺つても或いはお困りだと思う、僕は思うのですが、こういう問題こそ松本委員長なり委員長代理に出席を求めて、そうしてやはり意見を十分質して、その上で態度決定すべきものたと思いますが、如何ですか。
  193. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私が今質問しておりますので、矛の問題の解決がつかなければこの請願を採択するかせんかは疑問があります。それで平井技術長に聞きますが、若し公益事業委員会のほうに権限がないということになれば、これは採択しても何にもならない。権限があるということにならないので、この採択はできんということになるのです。それで聞いたのです。満更知らんわけであるまい。公益事業委員会考え方はまとまつておるんですか。
  194. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それはその解釈がはつきりするまで保留したらどうですか。あとにしたらどうですか。
  195. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 千五百七十六号も千四百六十六号と同じ意味請願ですが、この両請願をどう取扱いますか。今三輪君の言われたようにこの法的な解釈がはつきりするまで待つことにしますか、今採択をすることにしますか、御意見を伺いたいと思います。又この次の機会に呼んでからやりますか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  196. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 取りあえず今日は保留しておきます。そういうことに決定いたします。  次は千五百八十二号川原、石河内第二両発電町復元に関する請願、千五百八十三号宮崎県営渡川発電所開発促進に関する請願、千五百八十四号電気事業再編成に関する政令運用に関する請願、三輪貞治君紹介、この三つを一緒に議題に供します。三輪君の御説明を求めます。
  197. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 簡単に御説明申上げます。千五百八十一号の川原、石河内第二両発電所復元」関する請願でありますか、これは宮崎県は非常に災害が多くて天然資源に恵まれていない関係上、県の中央を流れております小丸川をば県民一致の世論に従いまして、河水統制事業と国営開墾と電源開発という三つの目的によつて総合的な河水調節をいたすごとによりまして、洪水の防除をいたし、又併せてその特別会計から上つて出る利益によつて一般会計に繰入れてその他の産業文化施設の向上を図る、こういつたような目的で昭和十三年決定いたしまして以来、総合開発をば県営でいたして来たのであります。すでに開発を完成いたしておりまするのが、川原発電所、石河内第二発電所更に石河内第一発電所が昨年五月に二万キロ完成いたしておりますが、この前の石河内発電所は戦時立法であります電力管理法によつて日発に強制統合されまして、その代償として自発の株券が無配当のままで交付されて参つておりまして、県ではその借入金の償却の元利として毎年支払つているという損害を受けているだけでありまして、一向日発の株券の利子も支払われなかつたし、何ら禅益するところがなかつたのであります。そこで今度の再編成に際会いたしまして、この川原、石河内第二両発電所をば復元を願いまして、更に開発をいたしております石河内第一発電所、更にその上流の次の請願千五百八十三にあります渡川発電所、この四つの発電所をば一元的に県営でやりたいという意図によるものであります。即ち川原、石河内第二両発電所を県営に復元して頂きたいというのか千五百八十二号の趣旨であります。千五百八十三号は今御説明申上げました川原、石河内第二発電所の上流に最終的に貯水池をこしらえまして、下流の発電所の出力を増すと共に、この小丸川河水統制事業の最後の止めを刺すところの事業であるわけであります。即ち小丸川の上流におきまして分かれております支流の渡川を堰き止めまして、更に本流から導水路を似てその水を導きまして渡川のその堰堤に貯溜し、それを以て下流の東郷村におきまして二か一千三百キロの最大出力を持つ発電所を建設するという計画であります。これにつきましてすでにもう二十五年度において基本的な調査も完成いたしておりますし、一部工事も着工いたしているのであります。新らしい渡川発電所の建設につきまして資金資材等の斡旋の特別の便宜を懇請せんとずるののが千五百八十三号の趣旨であります。次の千五百八十四号は電気事業再編成に当りましては、宮崎県におきましては分断反対を唱えまして、更に分断されるなら九州南北分断を主張しておつたのであります。併しながらポツダム政令によりまして再編成が決定されたのでありますから、この政令の運用によりまして県民が多年要望しておりました実質的な効果を挙げて行きたいというような趣旨でありまして、その具体的なものは料金の地域差の低減であります。第二が電力の確保、これは電源開発の問題もありまするが、更に西日本送電幹線を早急に完成されまして融通電力を図ることにいたしまして、最低五万キロの電力を確保するという趣旨であります。次に電気事業の公益性の尊重、これは内容はブロツク別に電気事業の民主化委員会を設け、更に新会社が当面施設の充実、改善に努力すると共に、送電損失或いは擅用電力の減少等を図り、公益の福祉を増進してもらいたいということと、最後に新会社設立に伴う役員の選任について、非常に日発の大きな株主たる宮崎県から二名役員を入れてくれということでありますが、これはもうすでにきまつておるのでありまして、多少時期がずれておるのでありますが、まあ以上のような政令の運用によつて、県民の要望を満たしてもらいたいというのがこの千五百八十四号の趣旨であります。どうぞ一つ各委員の御賛成を得まして、御採択をお願いいたします。
  198. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 千五百八十二号の件は旧自家用電力設備の返還の問題であります。旧自家用電力設備の返還につきましては当委員会といたしましては新会社と前所有者との話合いによつて解決を図るようにいたしたいと思つております。併し当事者間の交渉のみでは話合いがつかず、又は山事者の希望がある場合におきましては、当委員会といたしましてもその必要を認めた場合に斡旋の労をとるにやぶさかでないと思うのであります。千五百八十三号の件でありますが、この渡川発電所は河水統制事業の一環として行われておるのでありまして、この建設資金は公共事業費並びに大蔵省預金部資金によることになつておるのでありますが、資金の見通しがまだついておらないのでありますが、建設省と協議の上できるだけ委員会としても推進するように努力いたしたいと思います。千五百八十四号電気事業再編成の目的は電気事業の公益性尊重、電源開発の促進、料金の低減、電力融通の円滑等でございまして、御趣旨の通り政令の運用に当りましてはその目的の達成のためにできるだけ努力いたしたい所存でございます。
  199. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今公益事業委員会側の答弁がありましたが、委員諸君何か……。
  200. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は千五百八十三と千五百八十四は賛成いたしまするそのまま採択するものとの決定をされて然るべきものだと考えます。それから千五百八十二号の問題は、これは復元の問題でありまして、公益事業委員会としての態度只今御発表になりましたが、今日日本電力需給関係は円滑を欠いております。そういう円滑を欠いておる中で只今……午前中も論議が続けられましたように、電力料金の問題或いは電力需給の割当の問題を進めておるのでありますが、それはすべてこういう発電所が九州電力なら九州電力に所属されたということが前提で行われておるのであります。従つてまだどんどんと電源開発が行われない前におきまして、その一貫運営をするものが二つ三つ四つに分れて来ることは電力の調整上非常に工合が悪いとであると思いますので、私は大局的の見地に立ちまして千五百八十二号の問題は暫らく保留されたいと思うのであります。発電所開発する分におきましては、これは事業者用であろうと、自家用であろうと、ともかく日本電力が豊富になることでありますから大いにやらなければならん問題であると思います。大体復元の問題についてはさような考えを私は持つております。
  201. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 他に御発言ございませんか。
  202. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 只今公益事業委員会の技術長からのさつきの只見川の発電に関連お話があつた中に、一つの河川は一つ会社で一貫的に運営をさしたいというのが根本的な考え方であるというようなお話がございましたが、この小丸川につきましては下流の石河内と川原の二つの発電所はすでにこれは日発で所有しておりましたのでありますから、新会社に讓つたわけでありますから、その下流にありまする石河内第一と新たに建設いたしまする渡川は従来県営においてすでにもう昨年二万一千キロが完成いたしまして、今年から三万一千二百キロの開発をするのであります。そういたしますと、ここに県営のものと下流の新会社のものと、こういう特別の経営の形になるでありまして、これはほかの一般のものと、ずつと前に昔に起した、発電したものを、建設したものを返してくれというだけではないのでありまして、これを一元的に一つの河川は一つ会社に運営さしたいというお考えでありますならば、何ら法的にも矛盾しないことでありまして、公共事業会におきましても公共の福祉を増進する目的を以て新会社からその事業の譲渡を受ける場合にはこれを申請することができるようになつておりまするし、その申請の目的が公共の福祉に反しないという場合にはこれをば譲渡することすることができるようになつておるのでありまするから、多少ほかの場合とちよつと異なりはしないかと思うのですが、その点公益事業委員会の御意見を伺います。
  203. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 一貫運営という面から申しますと、おつしやるような考え方は当然あるわけでございます。併し同時に先ほど栗山委員からも御発言がありましたように、委員会といたしましては、やはり九州の現実電力事情というものをも考えなくちやならないので、この問題の解決につきましては、やはり九州の現地の実情の上に立つて、公益上どういう措置をすることが総合的に見て最も適切であるかという見解で、そのときの情勢に応じてやはり処置をしなければならんと思います。只今のところでは、この問題は、問題が起りました場合にはそのときの事情に即して十分検討をするつもりでございます。
  204. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 今お考えになつているような懸念は、発生電力は需給関係の安定するまでは公益事業委員会が強力な支持をして運営するということによつて解消する問題じやないかと思いますがね。
  205. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 渡川の発電所で出た電気はたしか九州電力に配電されるという話が進んでおるのではないかと思います。
  206. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 まだ全然工場建設に入つておりませんから、そこまで話がついておるかどうか……。
  207. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 私はその点は心得ておらないのでございますが、そうした面との話合いの進行程度というものはどういう形でそれが進行されるかということも考えて見ないと、ここでちよつと御返事がしかねるのであります。
  208. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 他に御発言ありませんか。
  209. 古池信三

    ○古池信三君 これはいろいろな見地からそれぞれの御意見が出ておるだろうと思いますが、すでに発送電会社も解散をし、配電会社も解散をして、新らしい会社なつたんですから、又そういう立場から考え直して、前に持つておつた所有者のほうから是非一つ返して欲しいという熱望があれば、一応発電所の所有権は返して、そうして発生電力は必要のある場合には新電力会社がこれを買入れて適当に配分するというふうにしてもそう大した差障りはないのじやないかと思います。殊にこの場合は同一河川は同一の人が所有権を持つておるということは、いろいろ都合のいい場合も又あり得ることですし、更にそういうことによつて電力会社としては残つておる地点をできるだけ早く開発するという開発意欲を促進する上に最も役立つのじやないかと、かように考えますから、私はこの請願は採択することに賛成をいたしたいと思います。
  210. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 只今の古川池委員の発言にちよつと附加えますが、今おつしやつたように、実際には石河内第一は発電地点において売電をいたしております。それから渡川の発電所におきましてもさつきちよつとお話がございましたが、県営で送電線を現在持たない状況においてはこれを上椎葉のほうに送電いたしまして北九州に送らなければならないから、事実上はそうなるわけであつて、一向支障はないというふうに私も考えております。
  211. 栗山良夫

    栗山良夫君 それじや、私もう一遍三輪君に御質問しますが、宮崎県は送電はそういうかつこうですが、将来は電力の県営をやろうというお考えがあるように私は承わつておりましたが、その点は……。
  212. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 もともとこの県営発電所の建設を始めたときからすでにそういう計画でありましたから、多分に県の理事者はそういう考えを持つておると思います。併し現在においては送電線、配電線を持たないわけですから、現在では一貫的な発送配電まではやれない。ただ併し工場誘致その他において発電所の所有権が県にあることによつて、その悪い滓だけを受けておる災害県としては、それを折角県民の要望によつて建設したのだから、所有権を持つことによつて有利に誘致したい。これが真情じやないかと思うのですがね。
  213. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私平井技術長にちよつとお尋ねしますが、今あなたの答弁された答弁の内容ですが、これについて但し当事者間の交渉のみでは話合いがつかず、且つ当事者の希望がある場合には、当委員会としてもその必要を認めれば、という極めて巧妙な表現がしてあつたのですが、このうち、話合いがつかないという場合、且つ当事者の希望とこうしてあるのですが、当事者の一方の希望でも公益中事業委員会はこれを取上げて解決するのですか、双方の希望がなければ公益事業委員会は取上げて検討しないというのですか。
  214. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) それは当事者の一方から委員会のほうにお話がございますれば、その必要であるかどうかの判断をした上で取上げることになります。
  215. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の平井技術長の御答弁を聞き、且つ古池君、三輪君、栗山君の御意見を開けば、この千五百八十二号の請願は採択しておいても差支えはないように委員長考えますが、(「異議なし」と呼ぶ者あり)千五百八十二、三、四号については役員二名以上云々という点だけを削除して、この三つの請願を採択したいと思いますがどうでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  216. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議ないものと認めます。では採択に決定いたします。  次は千五百八十五号瀬戸外発電所帰属に関する請願、神戸製鋼所取締役社長町永三郎氏、大屋普三君紹介。専門員から一つ説明を願います。
  217. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) この請願は先般の電気事業再編成指令案において公益事業委員会が裁定をされた問題でございまして、それによりますと関西に所属されておりました発電所の中で飛騨川水系の瀬戸、小坂、竹原川、それを中部に将来つける必要があるであろう。それから神通川水系の東町と牧の発電所は今後北陸につけることが適当であろう。又美濃幹線のうち川辺発電所と岩倉変電所間の送電線及び岩倉変電所自体をそれぞれ関西より中部に移すことが適当であろうという指令案に意思表示をしておられます。で、それに対する異議の、反対であるという請願でございます。なお決定指令のときにはこの問題は全然意思表示はしておられませんでした。取扱いの面から言いますと、指令案がそのまま行つたのではないかというふうに解釈いたします。
  218. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 電気工作物の帰属につきましては、電気事業再編成令別表第三の前書に「この表に掲げる新会社に出資され、又は譲渡されるべき電気工作物は実際上の運営に関し更に検討を加えるものとし、その区分は新会社公益事業委員会の認可を受けて協定し、又は当該新会社がその成立後四ケ月以内にその協定をすることができなかつた場合において公益事業委員会が公共の利益を図るための命令したときは変更されるものとする」と規定されている通り、実際上の運営に関して検討の上変更され得るものになつているのであります。問題の瀬戸ほか五発電所帰属につきましては、電源の振合い及び河川一貫運営の見地から、飛弾川系の瀬戸、小坂、竹原川三発電所は、中部帰属とし、又竹原川系の東町、牧両発電所は北陸帰属とすることのほうが適当と考えております。なお美濃幹線のうち、川辺発電所、岩倉変電所の送電線、及び岩倉変電所につきましても、その施設の運営上中部に帰属させるのが適当であろうと考えております。
  219. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御発言ありませんか。
  220. 栗山良夫

    栗山良夫君 千五百八十五号の請願は、只今平井技術長からお話がございましたが、私は反対いたしたいと思います。
  221. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 他に御発言ありませんか。栗山君は千五百八十五号の請願は採択すべからずという御意見ですが、栗山君の御意見のように決定して差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  222. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議ないと認めます。それでは千五百八十五号は否決と決定いたしました。  次に千六百九十二号日本発送電株式会社への出資設備帰属に関する請願、千七百五号日本発送電株式会社への出資設備帰属に関する請願、この三つの請願を議題に供します。この二つの請願は、同じ意味請願が休会前の三月に本委員会で審査をいたしまして、両方とも採択された請願でありますが、なお一応ここに議題として供します。
  223. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は実はこの採択されたことを知らなかつたのでありますが、これこそこれは四国の問題だと思いますが、四国の電力事情に非常に重要な影響を持つものでありまして、若し四国の現状の電力需給状態、或いは四国が持つておる電源開発の現状からして、これを全部住友共同電気、或いは別子鉱業のほうへ返還をするということになれば、四国の産業、或いは家庭に非常に大きな影響を及ぼす問題であろうと思いますので、私はこの問題は慎重の上に慎重を期されなければならん問題であると考えます。従つて軽軽にその是非を決定する段階ではないと思いますので、これは保留をせられたいと考えます。
  224. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今栗山君から保留の意見が出ておりますが、御発言ありませんか。
  225. 境野清雄

    ○境野清雄君 これは私から出したのですが、前にこれは採択してもらいましたときには、住友共電のほうから出た問題を採択してもらつており、今度は別子鉱業、日新化学その他の新居浜地区の工業地帯のかたが是非この問題をそういうふうにしてもらいたい。これは、栗山さんの今のお話のところは請願書を読んで頂くとわかるので、それほど強い問題でもなく、別子鉱業と日新化学からは来ているのでありますけれども、前に住友共電から出ましたものを採択してあるので、それの裏付として別に別子鉱業とそれから日新化学からこれを採択してくれ、こういう問題が千六百九十二号の問題なんでありまして、是非これは前との関連性もあるので、二つ共に一応採択して頂きたい、こういうふうにお願いする次第であります。
  226. 結城安次

    ○結城安次君 これは前に採択したものを、今同じものを採択せぬというわけには行かんのじやないですか。殊に又栗山君から非常に御心配もあるようですが、今までのあの陳情書或いは請願を見ますと、それぞれ今与えている電力はその方面に渡す、別に直ちに支障というわけじやないように思いますので、やはりこれは前回採択したものを今回は採択せぬというわけには行かんと思いますので、これは議論抜きの採択といつたほうがいいのじやないですか。
  227. 古池信三

    ○古池信三君 この両件は前に採択になつたものと内容においては同一ですか。請願者が違うだけでありますか。
  228. 林誠一

    ○事門員(林誠一君) ちよつと内容的に違いますのは、たしか前のほうは請願者が違うので、これは別問題ですが、あとのほうはたしか先般公益事業委員会聴聞会でその返還について要求した。併し返してもらえなかつた。ついてはなお今後一つ一層御援助を願いたいというような趣旨だつたと思います。再編成が済んでそのときに返されなかつたので不安であるからもう一度お願いするという段階であつたと思います。
  229. 古池信三

    ○古池信三君 ちよつと何と言いまか、実体は同じことを指しているわですね。それなら、前に採択したのらやはり今度も採択したほうがいいやないのですか。
  230. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 如何でしう。只今古池君、境野君、結城君から採択したらどうかという御意見が出おりますが……。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  231. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を始めて。千六百九十二号、千七百五号の二つの請願を採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  232. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議なし認めます。それでは採択と決定いたしました。  千七百五十八号岐阜県揖斐川水系力発電所復元に関する請願、紹介議員古池信三君の御説明を求めます。
  233. 古池信三

    ○古池信三君 紹介議員として私か簡単に御説明をいたします。揖斐川電気工業株式会社は大垣にありまして、主として電力を使つてカーバイド、石炭窒素肥料、炭素電極、合金鉄その他を造つておる会社です。五つの発電所を建設しまして、合計三万七千百キロの発電力を所有していたのですが、そのうちの二カ所即ち西横山西平両発電所合計一万五千百キロ、これをそれぞれ前の中部配電株式会社及び日本発送電株式会社に強制的に出資させられておつたわけです。ところでこの五つの発電所は同じく揖斐川に極めて接近してできておるものであり、又工場の大垣からも極めて短距離にあるわけです。従つて今回電気事業の再編成と同時に、この二カ所の発電所も返してもらつて、五つの発電所を極めて能率的に一河川一社主義で以て運営をして、これによつて肥料を増産して、食糧問題の解決にも寄与し、又輸出産業の振興のためにも大いに寄与したいと、こういうのがこの会社陳情の趣旨です。どうぞ御審議の上御採択あらんことを希望いたします。
  234. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今までの単なる自家発の返還とは大分模様が異なるものですから、平井技術長から答弁してもらいます。
  235. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 自家用設備の返還につきましては、先ほど来出ておりましたのと同じことでございます。
  236. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 政府答弁は同じ答弁だそうです。他に御発言ありませんか。
  237. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) ただ次々とこうした問題が採択されておるようでございますが、委員会としまして現在の取扱は当然当事者の話合いで、そうして話がまとまらなくて、いずれかから話を委員会に持込まれた場合に、必要がある場合にこれを斡旋の労をとるというこういう見解でありまするから、現実電気の非常に足りない現状におきましては、やはりそれぞれ個々に具体的な事例についてお話合い伺つた上で、その地方の事情等も斟酌して公益上の見地から総合的に判断してその取捨はきめるのでございまして、そういう点はお含みを願いたいと思います。
  238. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御発言はありませんか。
  239. 栗山良夫

    栗山良夫君 とにかく復元問題というものは揖斐川だけでなく、東北方面なり北陸方面なり関東方面にも随分たくさんあるわけですね。大小とり混ぜて随分ありますが、そういうものが電力の先ほどから申上げておりますように需給状態と全然関係なしに、復元をしなければならんということになれば、これは電力開発のスピードとも関連するのでありますけれども、相当な困難が来ることだけは事実だと思う。今公益事業委員会なり、或いはこの委員会でもこの事業に対して特段の措置をする、条件附の措置をするというようなことではなくて、そういうような電力消費の会社については、何らかの措置をしようという考えを以てやつておるわけですから、私は永久に復元をしてはいかんというような考えを持つておりませんけれども、ともかく今年にしても来年にしても、なかなか電力需給状況というものはスムースにはなり得ない見通しがあるものですから、そのときに国会のほうがそういう事情を全然知つておりながら、一時特定業者のためにするような問題を採択するということは、私は慎まなければならんと思うのです。これが国会でなければいいですが、国会ですからその点は慎重を期さなければならんと思うのです。現に再編成が進みまするまでは、そういう態度でこの委員会もやつて来たわけなんです。私は今申上げましたような事情によつて、先ほどから申上げたように、反対とは申上げないですが、とにかく一時保留をせられたいということを繰返し言つておるのはそのためなんです。従つて若し私がそういう態度をとることによつて……ちよつと速記をとめて下さい。
  240. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記をとめて。    午後五時三十九分速記中止    —————・—————    午後六時七分速記開始
  241. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を始めて下さい。それでは請願千七百五十八号を採択するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  242. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議ないと認めます。それでは採択をいたします。  次は陳情三百五十八号只見川電源帰属に関する陳情、これは千五百七十六号及び千四百六十六号と同じ意味のものでありますので、これを保留してありますから、次回に審議することに、保留するに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  243. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議ないと認めます。では保留します。  次に四百三十号大淀川発電所復元に関する陳情、この陳情はこれも三月の請願陳情の際に採択をいたしております。それが再度陳情として出ておりますが、その原因は電力の再編成に対して異議の申請を内閣総理大臣宛にされたそうです。不服の申立でですか、それが却下されたということでもう一遍陳情されておるという経過が陳情書の中に書いてあります。そういう性質のものですが……。
  244. 結城安次

    ○結城安次君 この大淀川問題は内閣総理大臣が不服の申立を却下したということになると、我々がこれを採択すると内閣との間に話をしなければならんということになりますから、一体どういう事情事情を聞いてから採否はきめるべきじやないでしようか。
  245. 西田隆男

    委員長西田隆男君) これも陳情は……この前は請願で出ておつたのですが、請願で出ていたやつを採択して請願そのものを内閣からこつちへ持つて来たのじやなくて、電力再編成に対して異議の申立がありましたのをあの間に不服の申立をされたらしいのです。それを内閣総理大臣が却下されたというのです。理由は聞いておりません。
  246. 結城安次

    ○結城安次君 これを採択するとなると、内閣に送付しなくちやならん、内閣総理大臣が却下したものを、我々は採択した陳情を受取つて取次いだとなるとどうでしよう。
  247. 西田隆男

    委員長西田隆男君) まあそういう考え方もあるわけですね。
  248. 結城安次

    ○結城安次君 陳情を採択することは一向差支えありませんな。が、ただ一方これを決定するところでいかんと断つたものを採択してもう一遍お取りになる……。
  249. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ここで問題になりまするのは、内閣総理大臣が不服の申立を却下したに際して、公益委員会意見を徴したかどうかということが問題です。今まで問題になつて来た点ですが、平井さんあなたの知られる範囲で公益委員会意見を内閣から微されたことがありますか。
  250. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) ちよつと速記を……。
  251. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  252. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を始めて、それでは陳情第四百三十号の陳情に対しましては、内閣並びに公益事業委員会側の意見を確かめた上でこの問題を審議することにして一時保留いたしておきます。   —————————————
  253. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 請願第八百九十四号新郷外発電所昭和電工株式会社復元に関する請願、紹介は木内四郎君、石坂豊一君、野田俊作君三君の紹介。
  254. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) この請願は前回の三月末の委員会において、もう一遍再審議しようじやないかということで留保になつております。昭和電工株式会社は、我が国における最大の電気化学工業会社であつて、硫安、石灰窒素等の重要原料工業製品の生産に当つているが、多量の電力を使用する関係し従来所要電力の獲得には多大の努力も払つて来たのであるが、諸統制撤廃後の今後においては、これら重要物資生産電力獲得の点から現状維持も困難を予想されるから、今般の電気事業再編成を機会に、同社の母体として企業の基礎を育成し元東信電気株式会社所属発電所の一部並びに現中部配電所属姫川第二発電所を同社に復元せられたいという趣旨でございます。
  255. 西田隆男

    委員長西田隆男君) これはこの前も保留したんですが、もう一遍保留しておきますか。    〔「保留」と呼ぶ者あり〕
  256. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは請願八百九十四号は保留することに決定いたしました。採択いたしました請願はいずれも議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものとし、不採択の請願第千五百八十五号は議院の会議に付するを要しないものとして審査決定してよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  257. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議なしと認めます。それではさよう決定いたします。  本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午後六時十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            栗山 良夫君            結城 安次君            水橋 藤作君    委員            石坂 豊一君            石原幹市郎君            小野 義夫君            古池 信三君            椿  繁夫君            三輪 貞治君            吉田 法晴君            加賀  操君            野田 俊作君            山川 良一君            境野 清雄君            須藤 五郎君   国務大臣    国 務 大 臣 周東 英雄君   政府委員    公益事業委員会    委員     松永安左ヱ門君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    公益事業委員会    経理長     中川 哲郎君    経済安定本部産    局長      増岡 尚士君    物価政務次官  郡  祐一君    物価庁第三部長 川上 為治君   事務局側    常任委員会専門    員        林 誠一君    常任委員会専門    員       渡辺 一郎君   説明員    公益事業委員会    委員      伊藤忠兵衛君   参考人    電気事業経営者    協議会嘱託   清水金次郎君