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1951-05-22 第10回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十二日(火曜日)    午後一時三十七分開会   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電気料金改訂に関する件)  (電力割当に関する件)  (自家用及び地方公共団体電力施  設返還に関する件)  (電源開発計画に関する件)   —————————————
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今より電力問題に関する特別委員会を開会いたします。  本日は十四日の委員会に引続きまして、第一が電気料金改訂に関する件、第二、電力割当に関する件、第三自家用及び地方公共団体電力施設返還に関する件、第四、電源開発計画に関する件の四件について調査をいたします。  調査に入るに先立ちまして前回の委員会において栗山佐々木の両委員から電気料金及び割当の最終の決定権所在を明白にするよう委員長において善処せよとの動議が出ておりましたので、この点について委員長から御報告いたします。委員長としましては現行法規解釈に関して当院の法制局意見をも参照して研究いたしました結果、電気料金に関しましては公共事業令によりますと、電気料金に関する認可公益事業委員会権限となつております。併し公共事業令が、昭和二十五年十二月十五日経済安定本部令第二十三号による物価統制令施行規則の改正によつて物価統制令第七条の他の法令指定された結果、物価統制令附則第二項本文の規定によつて、右の認可権公共事業令規定にかかわらず、物価統制令施行されておる間は物価庁長官が行うことになつたものと解釈をいたしました。公共事業令による料金認可は聽聞その他の一連の手続を随伴して、委員会の他の所掌事務実質的関連を持つ等の事情も一応考慮の対象といたしましたけれども現行法令規定に即して考えますというと、このような結論とならざるを得なかつたわけでございます。こういう委員長解釈に基きまして衆議院通産委員長の小金君と十六日に会見をいたしまた。そうしていろいろ懇談をいたしました結果、衆議院側においても法制局その他と御研究をして頂くことにいたしまして、若し私の考え方と同じ結論に到達するならば十九日には衆議院通産委員長と同道して、内閣に対してこの問題に関して善処方を申入れるという予定をいたしておりました。  ところが御承知のように新聞紙に十八日付でマーカツト経済科学局長から電気及びガス料金権限に関する覚書が発せられたわけであります。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  3. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を始めて。そこで委員長としましては栗山佐々木の両委員動議に対しまして一応安本長官如何なる経過に基いてメモランダムが発せられたかという点についてお話を承わりましたけれども、その他の問題につきましては、このメモランダムが発せられたために何ら委員長としては結論を生んでおりません。右御報告を申上げておきます。  つきましては電気料金決定は今まで物価庁で行なつて来たのでありますが、覚書が発せられました今後においては、覚書趣旨物価統制現状とを考え合せまして、どういうふうにして料金決定をして行けばよろしいかについて、物価庁にも意見があり、公益事業委員会側にも御意見があろうかと考えますので、当委員会といたしましては、先ずその問題をどういうふうな状態下において決定をして行くかという点について、関係当局の御説明を願いたいと考えます。先ず物価庁郡政務次官に御意見を伺いたいと思います。
  4. 山田節男

    山田節男君 今のGHQのメモランダムをお読みになつたのですね、これは何も速記中止にする必要がないと思います。これは全文メモランダムになつておる以上は速記をとめる必要はないと思います。これは是非議事録に載せて頂きたいと思います。
  5. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  6. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を始めて下さい。物価政務次官説明を願います。
  7. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 只今委員長から電気料金等決定につきましての経過について御報告がございましたが、従来電気料金等がどのように決定いたされて参つており、又このたびの公益事業委員会が成立いたしましてから、この問題について如何なる経過をとつて参つたか、又物価庁当局として如何なる理由共管の必要を主張しておりましたか、又覚書によりまして、権限の帰属について関係方面意向がはつきりいたしました今日、如何にして物価全体との調和を図ろうといたしておるか、こういう点について御説明を申上げることにいたします。  電気料金及びガス料金はもともと電気事業法瓦斯事業法によりまして商工大臣認可又は決定いたしておつたものでありまするが、物価統制令施行されまして、物価庁長官物価政策責任官庁となりまして以後は、物価統制令に基いてこれらの料金決定物価庁長官に属することとなつてつたのであります。昨年春、公共事業令の前身でありまする公益事業法案通商産業省におきまして立案されました際、電気及びガス料金決定物価行政上に占めまする重要性から鑑みまして、又一面では公益事業委員会が特に新たに設けられました趣旨というものを十分尊重いたしまして、この権限については公益事業委員会共管とすることが適当であるということを、通商産業省と当時事務的には了解をいたしておつたところであります。然るところ公共事業令が昨年十一月十五日に公布施行いたされまして、施行の直後はまだ事務機構整備がこれに伴つておりませんで、一方電気及びガス料金認可等につきまして空白状態を置くことは適当でございませんので、通商産業省事前打合せをいたしまして、取りあえずの措置といたしまして公共事業令施行と同時に、物価統制令施行規則で他の法令指定をいたしまして、料金認可等は一応物価庁長官の専官とし、公益事業委員会事務局整備を待ちまして、改めて所管決定することにいたしておつたのであります。本年五月新電力会社の発足を前にしまして、公益事業委員会からこのことは非公式でありましたが、右の権限専管としたいという旨の申出があり、物価庁といたしましては慎重に検討いたしました結果、少くとも物価庁長官公益事業委員会共管にすべきものであろうとの結論に達しておつたのであります。それで委員会当局ともいろいろ折衝いたし、又関係方面に対しましても同帳の趣旨を以て交渉をいたしておつたのでありまするが、只今委員長からお話通り今月十八日覚書が発せられまして関係方面意向が明瞭に相成り、従いましてその権限所在公益事業委員会にあるということが明らかになつた次第でございます。従いまして以下申述べまする物価庁が従来共管を主張いたしておりました理由というものも、それまでの主張に対する理由ではあるのでありまするが、同時にこの問題はやはり将来にも実質については十分考えて参らなければならん点だろうと思いまするので、共管を適当と考えました理由をこの機会に申述べさして頂きたいと思います。  第一は電気料金及びガス料金家計及び産業に極めて大きい影響を及ぼしておりまして、物価政策上基本的な関係を持つておるのであります。電気料金は現在生計費には一・三%、生産コストの点では苛性ソーダの一五%、アルミ二ウムの一三%、石灰窒素の一三%、硫安の一一%、私鉄運賃の六%、水道料金の二六%という工合に、それぞれ生計費重要産業について高い地位を占めております。又ガス料金について考えましても、これが生計費及び真空管電球等産業に影響するところが極めて大きいのであります。第二の理由といたしましては原価計算を行います上からの理由でございまして、料金決定の基礎となりまする石炭、鉄鋼、セメント等の原材料及びガス連産品であり、するコークスの価格につきまして確たる目通しをつけ、若し必要ならばこれらの価格の安定を図り得るということが、料金決定の上で極めて重要なのでありまするが、これらに関しまして物価全体から考えまして調査もいたし、又それについての判新につきましても現在の行政機構といたしましては物価庁が最も精通しておるのではないだろうか。そういたしまするならば共管のほうが適当ではないであろうかという第二の理由を持つてつたのであります。第三には電気及びガス料金決定如何というものは、産業金融その他一般経済政策との関連が極めて密接でありますので、これにつきましてもやはり物価庁が参画したほうが適当ではないかというような考えを持つてつたのであります。現在物価庁は三月末に又その後もいたしておりますが、価格についてのかなり大幅な統制解除をいたしましたので、現在では物価庁の仕事といたしましては個個の価格形成にも勿論深い関心を持つておりますけれども、それ以上に物価全体が如何に安定をいたしておるか、又これを如何に安定させるかという物価全体のバランスという点に、非常に強い関心を持つておるのであります。そのような点からいたしますると、電気事業ガス事業料金というようなことにつきましては、物価全体との均衡という点で非常に大事な要素があるのであります。従いまして物価庁といたしましては、物価統制令に基きまする他の法令指定は、適当な時期にこれを廃止いたして、公益事業委員会専管に移す用意をいたしておりまするが、同時に公益事業委員会公益事業者電気ガス使用者との間に立つて公益事業の安定を図り、その利益の調整を図られまする趣旨はよくわかつておるのでありまするが、同時に他の物価との広い関係があり、他に例をとつて見ますれば、例えば米価の決定については農林大臣責任であり、又運賃決定について運輸大臣がその責任者でありまするけれども、これを物価庁共管といたしますことが、何らその責任権限とを紛更させるものでなく、むしろ却つて国民料金決定について信頼を得ますゆえんであろうと考えて、手続を慎重にいたしておる現状から考えましても、関係方面意向覚書趣旨に則りまして、公益事業委員会権限といたしましても、同時に以上申述べました実質的の理由から、公益事業委員会料金決定いたされまする際に、あらかじめ物価庁長官同意を求められるとか、物価庁料金決定についての意向が十分反映されまして、公正な決定が見られますように、切に希望をいたしておる次第でございます。この点につきまして公益事業委員会におきましても、私ども考えております趣旨実質的には十分了解をしておられるように考えまするので、公益事業委員会物価庁と緊密な連絡をとりまして、料金の公正な決定と、又他の物価との均衡において遺憾なきを期するように努力して参りたいと思つておる次第でございます。
  8. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今郡政務次官から物価庁としての今後の電気料金決定に関しての御意見開陳がありました。私聞いておりまして、郡君の御意見は非常に尤もな意見だと思うのですが、モランダムによつて料金決定権限を持つておられることになつ公益事業委員会として、今後の料金決定に対して只今郡政務次官が話されたようなことを十分了承された上で物価庁との間に協議といいますか、事前打合せといいますか、そういうふうな方法を行なつた上で料金決定をされるという御意思があるかどうか、松永委員長代理の今後の料金決定に関するお考え方と、併せて私が今申上げたことに対する御意見を御開陳願いたいと思います。
  9. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 料金問題がメモランダムによつて最後決定公益事業委員会に帰せられたということにつきまして、大体において先刻来お話のあつた通り考えております。又今物価庁次官お話についても、御尤もな次第だということをよく了承して、将来ともその決定に当りましては、よく連絡をとりまして、又協議をいたしまして、なお議論の相違があれ十分に物価庁の御議論を取入れまして、国民全体の家計に及ぼします電気料金重大性に鑑みましても、慎重に取扱う所存でございます。
  10. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今郡政務次官松永委員長代理料金決定の今後の方針についての御意見開陳がありました。御質問がありましたら逐次御発言を願います。
  11. 山田節男

    山田節男君 今郡政務次官発言の中に、電気ガス料金価格決定共管にしたい。いわゆるジヨイント・ジユリスデイクシヨンにしたいという御意見でした。これについては私は外国の例は知りませんが、アメリカのいわゆるボード・オブ・プライス、これはどういうふうにやつておるか、それからこれは今松永委員長代理からも御発言がありましたが、協議をするということと共同管轄とは違うのです。郡政務次官は少くとも共管にしたいということを言つておられる。共管にした場合に、責任所在は一体公益事業委員会が持つのか、或いは物価庁が、共管であるけれども同意を得るということになれば、主管物価庁におくという意味か、先ず物価庁見解一つお伺いしたいと思います。
  12. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 私三つばかり理由を申上げた際に申上げましたように、一応従来の経過と併せて只今まで共管をいたすことが適当だと考えておりました理由を申述べたのでありまして、すでに公益事業委員会とも相当期間折衝をいたし、且つ関係方面意向も明瞭になりました今日では、先ほど申上げましたように、他の法令指定を廃止することにいたしますから、従いまして物価庁から法律上の権限はなくなりまして、公益事業委員会に移す考え物価庁としても持つております。従いまして従来のような形の法律上の共管ではなく、事実上二つ行政機関の間でよく両者の意向調整されるような措置をとりたく考えております。その点につきましては、今後も引続き公益事業委員会話合いを進めて参ることにいたしております。
  13. 山田節男

    山田節男君 それであつた共管という、法律でいえば管轄権共同で持つというような言葉をお使いにならないで、或いは又同意を得てというような言葉を使わないで、そういう根拠はないはずですね。いわゆる協議をして最もリーズナブルに、公正にきめるということの御意見でしよう。そういうことになれば共管とか或いは同意を得てというようなことは、いわゆるジヨイント・ジユリスデイクシヨン指定するのであつて法制上からいつても、実際今のような覚書が出ている以上は、そういうことはやれないわけです。主管公益事業委員会にあるわけですから、それですから協議によつてリーズナブル・プライスをきめるというならいいのです。共管とか同意を得るというようなことになりますと、再び前の我々非常に困つていわゆる公団の問題ですね。これはやはり主管大臣とか主管庁の許可が要る、認可が要る、こういう場合にああいうことになつて来たのです。この際やはり公益事業委員会というものの管轄ということにはつきりなつた以上は、共管ということは言わないで、私は協議して、それから今おつしやつたよう国民の生活にも或いは産業上非常に重要な問題ですから、これはモラルな責任として当然これは公益事業委員会物価庁協議しなくちやならん、そういう義務があると思う。ですからその程度ならばわかるのですが、共管という言葉をお使いなつたからお尋ねしたのであります。
  14. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 郡政務次官がお使いなつ共管という言葉は、メモランダムが出る前物価庁としてはそういうふうにして行つたら一番いいだろうという考え方を持つてつたという過去のことを一応政務次官が話されたので、メモランダムが出たあとなおそういう意見物価庁が持つておるというわけではないので、その点を一つ御了承願つておきたいと思います。
  15. 山田節男

    山田節男君 最後におつしやつたところに同意を得てというような言葉があつて……、共同管轄といいますか、そういう御意見は今は全然ないという意味ですか。
  16. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 山田さんのお話でございましたから、私申上げたところでその点はつきりしておつたと思うのでありますが、重ねて申上げますが、現在共管という考えは持つておりません。それから同意と申しましても、これは法律上要件として行われるものではなくて、おつしやるような実質上の道議的なものとして、併し緊密な連絡をとつて参りたいという趣旨の、山田さんのおつしやる通りでございますから、さよう御了承願います。
  17. 山田節男

    山田節男君 了承しました。
  18. 佐々木良作

    佐々木良作君 先ず郡政務次官にお伺いいたしますが、今の覚書が出る以前における法制的な見地からは、物価統制令施行規則によつて物価庁料金決定専管官庁である、こういう見解であつたわけですか。
  19. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) さようでございます。
  20. 佐々木良作

    佐々木良作君 そういたしますと、次に覚書が出た現在その専管であることを変更するのには、何らかの国内的な法制的な手続を経た後に行われる、こういうことになりますか。
  21. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 覚書が出ますまでの法律上の状態只今申述べた通でありまして、ただ専管にいたしました際も、電気料金についてその認可権所在空白状態になつてはいけないから、同時に通産省……これを相談いたしまして、そうして一応専管にはいたしましたけれども法律専管になつておるが、併しながら公益事業委員会ができた以上は、公益事業委員会が動き出します以上は専管ということは適当でない。先ほど申上げました共管という形をとりたいということが、覚書が出るまでの状態でございました。併しながらすでに覚書が出、二つ行政の間の話合いもかなり進みましたので、従いまして物価統制令に基いて他の法令指定をしておりますから、公共事業令があるのにもかかわらず物価庁長官権限になつております。その根拠であります他の法令指定を廃止いたしまして、公共事業令そのものがそのまま動きまして、現在公益事業委員会があるにもかかわらず、電気料金決定については物価庁長官経済安定本部のほうの法令指定しておりますから、従つてその根拠というものは外してしまうことにいたします。
  22. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうしますと、この法令指定の外しを行うまでは、今のところ施行規則通り物価庁長官権限がある、こういうことですね。
  23. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) そうでございます。法制上そのようになつております。結局今現在の暫定的の措置というものは空白状態を起すまいとしてやつておるのでございますから、認可というものが動き出して、新らしい料金決定ができますまでの段取りにおきまして、その時期等をいつにいたすかということは、よく公益事業委員会と相談いたしまして、私のほうも他の法令指定を即刻廃止いたす用意をいたしております。
  24. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 法律の問題は甚だ不得手でありますので、或る程度、お許しを願わなければなりませんが、私ども公益事業委員会ができます時分、及び電気事業編成に当りまして、日本電気事業がほぼ独立した会社によつて組織され、そしてその需要に対して適正なる供給を保つて行くためには、同時にその料金原価計算によつてやらなければならんものである。又只今電力不足で或る程度相当な力を電気事業者に国家が与えてでも進めなければならんような情勢でありますけれども、大体が独占事業になつておりますために、将来独占の弊に陥らんように料金相当調整をしまして、いわゆるレギユラトリー・ボデイーの立場から見ましても、最も正しい原価計算によつて、そして料金の行過ぎということを是正しなければならん時代が来ることは明らかであります。従いまして帳簿編成に当りましても、公益事業委員会が、できますと同時に、会計規程等を制定しまして、そして業者の御了解を得て、原価計算に即したる帳簿を五月一日以後はつけることになつております。従いまして料金決定することは、これは一にかかつて公益事業委員会一つの任務であると現在においても考えますように、将来も考えておる次第であります。ただ御承知通り出発当時甚だ多用でありましたために、これらを自分のほうの所管であるか、或いは物価庁所管であるかということにつきまして或いは論争し、或いはそれを話合いをするという殆んど必要もなく、よく物価庁あたりからも旧来慣れておる方面の御指導を得て、こういうふうにしよう、ああいうふうにしようというふうな話合いはしておりましたけれども、大体現下に即して、公衆と事業者との間に立つて料金決定するものは、今日も然りでありますが、将来に亘つてやはりそのことを司つておりまする公益事業委員会がこれに当るべきものであるという考えは初めから持つておりました。今日メモランダムが出てから初めて私ども考えがきまつたものだとも思つておりません。同時に今後といえどもメモランダムがきまりましても、物価庁安本その他とも割当てにつきまして実は連絡をしております。料金につきましてもよく話合いを進めるつもりであります。佐々木君においてもさよう御了解をお願いいたします。
  25. 佐々木良作

    佐々木良作君 私の聞いたのは、その実質でなく、法制的に初めから公益事業委員会権限がおありになるとお考えになつてつたかどうかということをお聞きしたのですが、それは知らないということがお答えらしいですから、それに対する質問はやめたいと思います。ただ、今言われました話のうちで、只今の問題と将来の問題とを分けて言われておつたよう考えられますが、本来、物価統制令に基いて物価庁料金決定権限がありますのは、これは今松永さんの言われました電力不足をしておる只今現状に即しての臨時立法だと思います。従いまして将來と言われました場合の将来の問題は、当然物価統制令はなくなつておるような時期を想定されるわけで、そのときには当然に公益事業委員会がむしろ単独にやるような状態になるわけです。従いまして私は、従来物価統制令従つて料金決定が行われなければならないような状態というのが只今状態でありますから、今の権限の問題は、法制的には御存じないというお話ですが、実質的には十分連絡をとつて行かれるということですから、それはそれとしておきたいと思いますが、もう一つだけこれは郡次官といいますか、郡政府委員にお伺いしておきたいのですが、覚書は当然にそれは日本法制によつて何らかの法制的措置をとられた後に、日本国内においては有効と考えられるわけです。従つて現在の状態法制的措置がとられる以前の状態について料金決定権限はどういうふうに考えておられるかということが一点と、それから二点は、このメモランダム内容如何にかかわらず、純粹に法律的に見られた場合に、郡さんは法律には詳しいはずですから、法律的に見られました場合に、今の物価統制令と、それから事業会との両方の関係から見て、どういう法制的な理由によつて料金決定権限公益事業委員会にありという理窟が付けられるか、御解釈一つお聞かせ願いたいと思うのです。
  26. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 或いはお尋ね趣旨と若し違つておりましたら重ねてお答え申上げますが、第一の点では、おつしやるように覚書趣旨というものは即刻、可及的速かに国内法制上の措置がとられまして、初めて現在の状態が変つて参るものと考えております。従いまして、これにつきましてはできるだけ早く覚書趣旨に副うような措置をとることにいたします。二番目の問題は、一体公共事業令物価統制令と、価格の点について二本の法令の系統ができたが、平らかに考えてみて、どつちの法令が優先するという工合考えたらよろしいのかというようなお尋ねと思うのでありますが、これはまあ価格決定お話の中にもございましたが、物価統制令というような臨時的な特別な立法によつて物価について一応の統制をいたしておりまするけれども、平時的な考えでは、このような臨時的な法律というものはむしろ変態であり、従つてそういうような状態が次第に解消して行つて、然るべき経過の段階に現在はあると思うのであります。従いまして公共事業令考えられまするような、殊に他の法令指定を外しまして、公共事業令がそのまま動き出しますれば、最もわかり易い恰好になるのでありまするが、公共事業令のような立法物価統制令と並んでなされるという場合には、特別法一般法との関係で見て参りますか、この点はどうしても説が二つあるわけだと思うのであります。それで私ども考え方は、やや物価統制令にそれを引付けて考えておるかも知れませんけれども、従来考えておりました考え方といたしましては、臨時的な法令が出ております以上、それが前法後法、法律施行されました時期のあと先にかかわらず、臨時立法のほうが優先するのではないかという工合考えておつた次第でございます。こういうような種類の臨時立法につきましては前漢後法という関係のほうが少し薄いのじやないかと思いまするけれども、この点につきまして断定的なことは申せませず、又覚書の内容等を見ますれば前法後法という考え方のほうが強く出ておるように、理由になつておると考える次第でございます。従いましてその点は両説成立つところであり、私自身の立場でどちらかのほうに問題を引付けて考えたといたしまして政府委員として答えろというお話でございますが、政府委員といたしますると、二つ考え方は相共に成立し得る考え方だということでお許しを願いたいと思います
  27. 佐々木良作

    佐々木良作君 時間を取りますからこれでやめますが、大体この問題をメモランダムで、而も法制的な立場からの理由を付されたメモランダムでこの権限をきめる、こういう不見識な話はないと思うのです。私は法制的な見方からするならば、日本法律は当然日本の中で解釈されなければならんし、今郡次官は先法後法の問題もひつくるめて両方解釈できると言われましたけれども、常識的な解釈からするならば、これはどうしても特別法臨時立法一般法に優先することは先法後法の関係如何にかかわらず、常識的解釈であると思います。従いましてこじ付けてそれを解釈すればそういう程度であつて、問題ないと思うのであります。従いましてこういう問題を、このようなやり方で、きめられなければならんということに、私は実は政府に対して、何とも言いようのないところの不満を感ずるのでありますけれども、それは別にいたしまして、飽くまでも新らしい国内法制によつて、その権限をきめられるというお話でありますから、そのときにはどうか、今の法制的な権限の問題はどうでもよろしいから、実質的な考え方、未だ物価統制令が外され得ないところの経済状態日本の経済の状態が、未だ物価統制令を外し得ない状態であり、物価統制の中の一環として電力料金があるということ。今郡次官が言われましたところの三つの理由を解消いたしまして、物価統制令の中から電力料金を外して他に移していいという要件が、今本当に日本の経済の上に整つているか整つていないかという、実質的な検討を十分加えられまして、私はメモランダムが出たからとか、或いは法制的な云々とか、そういう形式的なことでなくて本当の日本経済の安定と復興の見地から、十分に一つ考えになつて頂きたい。料金決定権限を明確化する法令改廃の際、かかる観点から料金決定に総合的な考慮が十分に払えるように、再考願いたいということを希望的に申上げまして、この問題の質問をやめたいと思います。
  28. 栗山良夫

    栗山良夫君 私はこの前の問題について、特に委員長をわずらわして明らかにせられたいという要求をいたしましたのは、メモランダムが出ました今日においても、なお且つそれぞれ根拠があつて主張されるような状態にあるわけであります。従つて、そういうことが電力料金決定に好ましくない影響を与えては困るというので、提案をいたしたのでありますが、時たま国会の意見なり或いは政府の力によらないで、こういう問題が決定されたことは、甚だ遺憾に思います。思いますが、一応一つの途がこれによつて開けたようであります。そうして当事者からはそれぞれ意思表示がなされたのでありますが、こういう工合に、意思表示の通りに問題がスムースに行かれることを希望しますけれども、ただここで伺いたいのは、五月十八日にメモランダムが出ましてから、その以後において物価庁は、先ほども郡次宮が物価庁意見を十分に、同意程度までに取入れられたいということを、公益事業委員会に意思の発表がありました。又公益事業委員会のほうとしては、十分に連絡協議をいたしまして、物価庁意見を取入れたいという意思表示がございました。具体的に五月十八日メモランダムが出ましてから以後において、同様なコースでこういうような考え方を、実行に移されるようにせられているのか、どの程度に行われたのか、今後どういう工合にやつて行かれようとしておられるか、その点を伺いたい。
  29. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 只今栗山さんのお話の点、実は昨日も松永さんとは国会で、他の委員会の席上お目にかかり、本日も一つ両方の言うことはよくわかつているから、そのわかつていることを成るべくはつきりと、形の上で現わそうという工合に、お話合いはいたしておるのでありますけれども、両方の機関のそれぞれ事務当局においては、覚書を受けました以後、引続きいろいろと連絡折衝をいたしておる次第でございます。何分にも十八日のあとでございまするから、まだこのようなやり方をいたそうという具体的の細目まではきまつておらないかとも思いますけれども、早速事務当局に、従来も折衝を続けておりましたが、引続き急速にそれをきめようということで相談を重ねております。
  30. 栗山良夫

    栗山良夫君 公益委員会のほうはどういう……。
  31. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) この点につきましては只今郡政府委員からお話がございましたように、実質的に十分連絡をとりまして、いろいろ申請書等も出て参りましたら、その内容等についてもお互いに連絡をし合つて、それぞれの意見というものを鬪わしましてその間の連絡を緊密にして遺憾なきを図つて参りたいと、かような方針で事務的な打合せを進めて参りたいと、かように考えております。
  32. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういたしますと、恐らく、重要な問題でありますから、物価庁公益事業委員会との間にそんなに意見の食い違いは出ないとは思いますが、仮りに出たとき、料金決定に対する重要なポイントにおいて出たときに、その問題が、例えば相互の間で協議が整わなかつた、そういうときにはどういう工合に処置せられるおつもりでありますか。それから更にそういうような事態が発生しましたときに、その内容を細かく国会に発表をせられる意思があるか、その点を伺いたいと思います。
  33. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) そういうようなことは私は殆んど考えられんと思うのでありますが……、なお今後の問題としましては、御承知のようにいずれにいたしましても委員会として一方的に決定する問題ではないのであります。飽くまでも聽聞会、その他成規の手続を踏みまして、その聽聞会における各利害関係者のかたの御意向も十分尊重して、言い換えれば輿論に問いましてこの決定をするのであります。従つてそういう線で進みまする以上、物価庁のほうと公益事業委員会のほうとで意見の対立というようなものは殆んどこれは考えられんじやないかと思つております。
  34. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 今メモランダムを拝見したのでありますが、経済安定本部、或いは物価庁は、聽聞会においてその証言又は証拠を提出すべき十分の機会を持つということが書いてあるのでありますが、先ほどから伺つておりますと、物価庁次官の言われた三つの理由、言い換えまするならば、公益事業委員会の立場と違つて物価庁として考えなければならん利害関係と申しますか、或いは他の産業、或いは他の物価との調整問題という問題が残るわけなんでありますが、こういう専管権は公益事業委員会にあるということがはつきりいたしましたとしても、今度作られます国内法の中において、道義的に、或いは実質意見を述べる機会を持つ等のことについて、法制的に、或いは同意を求める方法等について規定し得ないのかどうか。実質的に関係をつけ、或いは意見を申述べる程度でありますか。このメモランダムの範囲内においても、そういう国内法制止の規定の方法はないものかどうかについてお尋ねいたしたいと思います。
  35. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 吉田さんのお話ございましたような、只今公益事業委員会で持つておりまする法律的な手続でこれをうまく現わすことができるかどうか。ちよつと法制的な措置ではつきりといたしますることは少しむずかしいのじやないかと考えております。併しながら行政庁相互間ではかなりな細目の点まで両方の関係行政機関等で覚書等を交換いたし、その覚書等につきましては一切これを正確に守つて行くというような扱い方で、行政機関相互の徳義的な約束というものを守つておる例が極めて多いのでございまして、従いまして、ただ口約束でなく、何かはつきりとわかりますような措置は、仮に嚴格な意味合いの法制上の措置がとれませんでも、両方の行政機関の間で、十分間違いのない、将来紛更いたすことのないような措置をとることはできようと考えております。
  36. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 重ねてお尋ねをいたしますが、この電力再編成後、今まで延び延びになつてつた電力料金の値上げをやるのだということが言われておるわけでありますが、特にこれは本州関係においては或いは七割程度になるかも知れませんが、或いは九州等においては九割近くも上るのではないか。これは家庭は勿論、産業に及ぼす大きな影響に対しても、私ども心配をするわけでありますが、差当り言われておりますような問題が極めて重大な影響力を持つて現われて来る日が目前に追つておる。従来の公益事業委員会の……、これは今まで現われましたのは役員問題等でありますが、再編成における強行的な態度を見ておりますと、こうした電気料金の値上げについても、相当一方的に強力に押進められるのではないかということを心配するわけであります。なお又この電気料金の値上げの理由として、石炭の価格の値上り等も言われておるようであります。かたがたこの電気料金の大幅値上げは強力に公益事業委員会において推進をいたすのではないかという心配を持つおけでありますが、その際に、先ほどから言われておりました或いは道議的な関係、或いは実質的には物価庁なり或いは安本公益事業委員会との打合せにより、或いはそれを文章にして、実際的にやつて行こうという考えでありますか。法の上に、或いは法令の上で、はつきり規定されますのと、そうでなくて、單に打合せによつて、協定によつてきめられました場合等については、実質的に相違する点が出て参るという心配を持つおけであります。そこでメモランダムならメモランダムで出ておりまして、専管専管となつておりますけれども、そうした実質的な連繋の必要、或いは意見を述べ得る方法については、具体的に今後の、これは政令等になるかとも思いますが、規定することも可能ではないのか、或いはメモランダムの精神の範囲内においても可能ではないかという感じがするのでありますが、困難だというお話でありますが、更に強力な方法としての、そうした政令その他に対する規定の方向を一つ考え願いたい。まあ困難だというお話でありますが、実質的に、その辺やはり違いが出て来るのではないかという感じがするのですが、重ねて一つ御答弁をお願いしたいと思います。
  37. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 重ねてのお尋ねでございまして、吉田さんのお気持は誠によくわかるのであります。又私どももそれは法制上の措置の講ぜられておりまする場合と、事実問題として覚書等を交換いたしまする場合等とでは、その強さに違いのありますることはおつしやる通りだと思います。ただ只今公共事業令に基きます系統の法令関係、又他の法令指定を外してしまいましたのでありますから、物価統制令を働かせることも困難でございまして、従いましてお気持はよくわかるのでございますが、只今状態ではこれを法令の形で現わすことは、政令以下の措置をおつしやるのだと思いまするけれどもちよつと方法は困難だと思います。従いまして吉田さんのお気持をよく体しまして、法制上の措置を講じておかなくても、物価庁といたしましても十分その責任を果し得るような、事実上の運用については、特に注意して参りたいと存じております。
  38. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 重ねて伺いますが、まあメモランダムのことに関連し参りますが、聽聞会において経済安定本部、或いは物価庁に証拠を提出すべき機会を与えられているわけでありますが、そのほかに管轄権がこの事業委員会に移るという点がはつきり出ているわけでありますが、その管轄権はとにかくといたしまして、これは技術的に今ここで私はすぐどういう言葉ではどうだということについて、正確には言えないのでありますが、或いは公益事業委員会物価庁同意を得てと申しますか、或いはそういう字句を具体的に挿入することによつて、今後の規定を作つて行く、そういう方法はないかということを求めているのです。
  39. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 只今質問の要点は先ほど山田さんからもございまして、御注意があつたかと思いますが、要するに結論として、法律的に公益事業委員会と、物価庁との共管にする方法はないかという御質問に帰すると思うのでありますが、この点につきましては、先ほど来からお話がございますように、公益事業委員会専管になるわけであります。ただ実質上の問題といたしまして、先ほど来物価庁郡政府委員から縷々お話のありましたように、全体の物価政策、その他と非常な関係の深い問題でございますので、その間実質的な連繋というものは、これは十分とりまして、先ほど申しましたような聽聞会等においても、勿論直接の関係官庁としまして御意見をおつしやることは当然できるわけでありますが、併しながらそれ以上にその聽聞会における措置というもののみに限らず、事前に十分な打合せをして参るという方針を貫いて参りたい、かように考えております。
  40. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 他に御発言はありませんか。
  41. 佐々木良作

    佐々木良作君 今のとちよつと関連するのですが、大体公益事業委員会というものは、日本法制に基いてできた公益事業委員会と思いますが、今のお話で聽聞会に政府、特に物価庁その他の代表者が出て行つて発言できるということは、これまでの私の記憶する日本法制下における聽聞会ではその利害関係人の中に、私は入り得ないと思うのですけれども、御見解如何ですか。
  42. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 法律的なお尋ねでございましたが、確かに利害関係という関係ではまずいと思います。併し公益事業委員会規則第十一号というので、この公益事業委員会の聽聞並びに異議の申立の規則が出ておるのでありますが、例えばその第十四条においては、議長は委員会の職員又はその他の專門家を列席させて意見を述べさせることができるという規定があるのであります。併しながら私ども見解としてはこういつた規定を待つまでもなく、聽聞会の問題としてそれを取上げるならば、関係官庁は当然聽聞会において御発言をなさることは私は自由にできる、かように委員会としても考えておるのであります。勿論この途以外に事前連絡をとるということは先ほど申しました通りであります。
  43. 佐々木良作

    佐々木良作君 聽聞会以外に事前連絡をとるというお話なんですが、それならば聽聞会でそれを言う必要はないじやありませんか。
  44. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) その点につきまして、若しも物価庁のほうで聽聞会のほうにおいても証拠資料を以て御発言になる御希望がありますような場合には、勿論それは公益事業委員会として拒むようなことは絶対にないという趣旨でありまして、実際問題としては恐らく聽聞会においていろいろ御意見を鬪わすというようなことはなしに、事前に十分打合せをしておれば、聽聞会の必要もないかと思いますが、法律的にそういうふうな途も開かれておりますということを付け加えさせて頂きましたわけであります。
  45. 佐々木良作

    佐々木良作君 このメモランダムに聽聞会云々のことを書いておる。若しこの趣旨通りに、この趣旨によつて初めて専管ということに公益事業委員会に移るというふうに考えられるならば、この趣旨に謳つてあるように、事前物価庁連絡をとるとか、何とかいうことはないはずでしよう。飽くまで聽聞会における一つの構成メンバーとして、聽聞会に出て、そのときに物価庁見解を表明できるというふうに書いてある、だから私はこのメモランダムによつて、これまでの実質的な理由如何にかかわらず、メモランダムによつて、初めてこの公益事業委員会所管するという建前をとられるのであるならば、それならばこれを一貫すればいい。それであるならば、事前物価庁連絡したり、相談する必要はないと思います。如何ですか、御意見は。
  46. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) この点につきましては、お話のような考えも勿論私はあり得ると思いますけれども、先ほど来の皆様のお考えもそうでありますし、又委員会といたしましても、十分関係官庁のほうとも連絡をとつて参りたいという希望から、先ほどのように申上げたのであります。
  47. 佐々木良作

    佐々木良作君 お聞きしますが、要するに私はもう少しはつきりして頂きたいと思います。こういう権限争の問題をよそからの話によつてきめなければいかんような政府の態度は誠に遺憾でありますが、それは別としてもその場合に飽くまでもはつきりしてもらいたいのは、実質的に日本の経済の安心のためにはどちらが権限を持つたらいいかという実質論に立つのか、そうじやなくて占領下であるからメモランダムが出れば、その通りやるということを前提とするのかの点です。若し後者であるならば、メモランダム趣旨通りにすつきりとやつてもらいたい。そうでなければ都合のいいところだけをメモランダム責任を負わして、都合の悪いところだけを実質論的な考え方で、事前に相談するとかいうて、責任所在を非常に不分明な状態におくこととなるから、そういうことは絶対に避けてもらいたいと思うのです。
  48. 古池信三

    ○古池信三君 この機会にちよつとお尋ねしておきたいのですが、大体料金認可はこの政令、公共事業令規定されておる通りに今後行われるということを了承しました。そこでお尋ねしますのは、この公共事業令の第十九条によりますと、公益事業委員会は毎年一回国会に対して政令の施行の状況を報告しなければならんということになつております。そうすればこの料金認可というような重大な問題は当然国会に対しても報告されるものと考えます。或いはこの公益事業関係料金はそうした頻繁に変更されるというものではないと考えますので、年一回と思うのでありますが、認可をされましたらその直後において国会に対してその状況を報告されるものであるかどうか、こういうことについてお伺いしたいと思います。
  49. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 国会に対する報告をしたいということ、せなければならん項目につきまして、実はこの発電面、或いは電力の改善面、需給状態、資金関係、それから電源の開発に関する一般的調査、それからすでに議会から予算で補助を受けておりまする全国保有量に対する調査報告、およそ重大なる問題につきまして報告を求むる考えた持つて、今その大体の項目を作りつつあります。料金問題につきましては未だ業者から最近出たばかりでありまして、無論決定に至つておりませんし、従つていつ決定し、いつ聽聞会を聞くということにつきましても、決定いたしておりません。でありますけれども、諸般の事情におきまして、日本電気事業現状並びに各会社の経理の状態に鑑みますると、料金問題も近く解決さるべきものであると存じております。この主因となつているもの、及び結論とされたもの、相当複雑なものであろうと思いまするが、無論国会に報告すべき考えでおりまするが、いつそれが提出できまするか、或いは諸般の報告と共に報告すべきであるか、臨時にそのことを報告すべきものであるか、まだよく決定しておりませんが、これは議会の御当局、そういうことをお取扱いになる御当局とも打合せまして、報告手続については、初めてのことでありますから、相当順序を経て詳細御報告をしたいと考えております。
  50. 古池信三

    ○古池信三君 只今の御答弁によりまして、国会に御報告になるということははつきりいたしましたが、その時期等につきましては今もお話がありましたように、料金認可というような問題は、国民生活に対しまして非常に重大なる関係を持つている問題でありまするから、ほかの事項と取り合せて、あとからゆつくり報告するというようなことではなく、かような大問題を御決定なつた場合には即時に、できるだけ早い機会に国会に対して報告されるべきものだろうと私は考えるのです。さように考えてよろしいのですか。
  51. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) お説の通り考えます。でき得ます限り、誠実且つ迅速に報告書を作つて差上げたいと思つております。
  52. 古池信三

    ○古池信三君 そこでそういう報告を国会が受けました際に、その報告を慎重に国会として検討いたしました結果、仮にその報告に対して、これを否とする国会の意見が多数であつた場合は、これを如何にお取扱いになりますか。
  53. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) すべて公益委員会のいたしましたことは、国会に対して責任を持つております。まずいところがありましたら、どうぞ首でも切つて頂いて……。(笑声)
  54. 古池信三

    ○古池信三君 私は別に公益事業委員の首を切る切らんということは問題にしておるわけではありませんが、これはお互い人間のやることでありますから、これは万全だとお考えになつておやりになつたことでも、又あとで岡目八目でいろいろ検討して見ますれば、ここに誤りのないとは絶対に申上げられないと考える。ついては今申上げましたように、勿論国会が検討をした結果、その委員会の御認可がどうも我々納得できないというような意見が仮に多数あつた場合には、その国会の意見というものを、勿論のことであろうと思いますが尊重されて、その認可の変更をなさるような御意思があるかどうかということをお尋ねしたいのであります。別に百を切る切らんというのではありませんから、誤解のないように願います。
  55. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) どうも済みません。
  56. 古池信三

    ○古池信三君 只今私がお尋ねいたしました件についてちよつとお答え願いたいと思います。
  57. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) どうも諸官庁との間にも物価について連絡をとり、よく意見も承わり、又皆さんの御意見も承わる機会があればその前にお伺い申上げます。それから広く公聽会を開いて、十分にいわゆるオープン・デイスカツシヨンを承おりまして先刻法律にもありましたように、関係官庁といえども意見の陳述ができるのであります。それらの陳情を聞き、最善なりと決定しましたものを、御報告後これはまずいから又やり直せというようなことは経済界に非常な混乱を引起すと存じます。これは常識でそう考えられることでありますから、その点国会が調べて悪ければ変更するということだけは困難であろうかと思いますが、ただ御意見として相当な期間をおいて、こういうふうに変更するがよくはないかという御意見が出ました場合は、それは尊重しまして、適当な時期に適当な方法によつて、これらを考え直すということは無論当然のことであります。料金決定はすべてのものに影響を及ぼします。一種の経済構成を形作るのであります。相当な期間、相当な方法がその前提条件として必要であることは御承知であろうかと思います。その辺のことはよく御了解のことと思いますが、御了承を願いたいと思います。
  58. 古池信三

    ○古池信三君 只今縷々お話がございましたが、勿論国会が意見を申上げるときに、当然その意見によつて経済界にどう影響が来るかということは、勿論考えた上で意見は申上げるはずでありまして、従つて経済界に対する影響は、ただ公益事業委員会のみがわかるのだ、国会はそういうようなことはわからんというような御見解であるとすれば、これは私はいささか正鵠を失した御意見ではないかと考えます。又事前に他の官庁からの陳情を受けてやるというようなお話もございましたが、そういう他の官庁から陳情をしなければ取上げないというようなことでは、これは更に官庁の上の官庁のような、甚だ私はどうかと思うのであります。この民主的な公益事業委員会としてさような考えは一日も早く払拭して頂きたいと思うのでありますが、たとえ国会が多数を以て意見をきめて、仮に公益事業委員会決定が不可である。こういたしました場合にはやはり委員会は国会の意見を尊重して、変更すべきものは変更されるのが至当であろうと思うのであります。併し只今のように、そういう場合は経済界の影響云々ということで必ずしも国会の意見というものは尊重しないというお話であれば、これは我々としてもよほど考えなくちやならんと思うのでありまするが、如何でございましようか。もう一度その辺のところをはつきりとお答え願いたいと思います。
  59. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) はつきり申上げますれば、決定をいたしました料金についてはもとより議会に報告をいたします。で議会の御批判もあることと思います。尊重いたしまするが、直ちにその意見によつて時期そのほかも考えずに、時期もかまわずに、或いはその構成を考えずに国会の意思を尊重するという言葉を字義通り解釈して、そうして法的にさよういたしますという御返事は只今のところできかねます。よく尊重いたします。そうして相当な時期、相当なことを私どもから又申上げて、そうして又再びこれを変更いたしまする場合は、もとより公聽会を開かなければならん。その公聽会を開きました後にこれを決定するということになろうと思います。要するに重ねてくどく申上げまするが、料金決定は公聽会によつて事業者の申出、消費する面の申出、そのほか利害のある第三者の御意見等を参酌して決定するのでありまするから、国会のお話を最大限度尊重して、この変更をする場合といえども、なお公聽会を開いた後に決定するものであるということだけを御了解願いたい。
  60. 古池信三

    ○古池信三君 料金認可手続につきましてはいろいろそれぞれの手続きを踏んでなさることは当然のことでありまするが、この政令におきましてはつきりと公益事業委員会のなさつたことについて、国会に報告すべき義務を規定しておるということは、この報告に基いて国会が十分に検討を加え、批判をする機会を得るものであると、かように私は解釈いたします。従つて国会の批判ということを一向意に介さんというような場合であつたならば、何ら報告する必要もないわけであります。そこで私は最後に申上げたいことは、かような関係でありまするから、料金認可をされんとするときには、事前によく国会の意向をお考えになつて、大体こういう線で行けば国会の多数の賛同が得られるであろうということをお諮りになつた上でおきめになれば、そうすれば爾後においても何ら問題はないと考えまするので、十分慎重にさようなことを御考慮された上で認可をされたい、こういうことを老婆心までに申上げたいおけであります。如何でありますか、それについて……。
  61. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 只今古池さんから縷々先刻来お申出の点をお申立てになりました。全く御同感でございます。でき得られる限りよく事前に皆さんの御意見を伺う機会を得たいと思います。ただ御承知通りに各種の関係もありまするので、でき得られます限り議会におきましても我々に便宜を与えられて、でき得られまする限り馬を壁に乗り当てる少し前ぐらいによくお話を承わりたい。
  62. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の古池君の松永さんに対する質問について、もう一ぺん整理をしておきたいと思います。古池君が最初電力料金公益事業委員会決定後、いつ如何なるときに国会に報告をするかというのが第一の点と思います。そのときに国会の多数の意思が悪かつたということであつた場合に、変更するかせんかという問題について大分論議されましたので、松永委員長代理はなかなか答えがしにくかつたようで、大分こんがらかつた答弁をしておられましたが、最後の古池君の質問は結局公益事業委員会が電力料金決定される前、聽聞会等を開くのだが、その間において国会の意思を十分に尊重して国会の意思に戻らないように料金決定をして頂くという考慮が払えるかというのが、最後の御質問のようであります。これに対して松永委員長代理は、そのようにいたしますという御答弁があつたのですから、重ねてそこで一ぺん清算しておきます。そういうことで古池君の質問は終了したのであります。
  63. 山川良一

    ○山川良一君 関連して、そこでそういうことにするならばですね、委員長としてはそういう時期に議会の閉会中といえども、この委員会を開いて、そうして今の処理に当られるように一つきめて頂きたい。(「異議なしと」呼ぶ者あり)なおきめるについては、電力委員会承知をしたから国会が承知したということになるかならんかということについても、議会内の何というか、手続等を済ましておいて頂きたい、かように考えます。皆あん。委員の諸君どう考えられますか。(「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり)
  64. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の山川君の発言に対して委員長考え方を申上げますが、参議院の電力委員会特別委員会でして、その会期ごとに委員会は終了をするというふうに委員長了解しておりますから若し委員会が必要であるとすれば、今通常国会の終了前に、委員会を持続することを一つ各党で話合われて、その委員会の設定を先にきめて頂きたい。そうして委員長が適任されました場合、その委員長只今山川君の御意見のあつたことをお伝えをして、委員長に、後任の委員長に然るべく扱つて頂くということにしたいと思います。
  65. 山川良一

    ○山川良一君 私は、そういうことをあなたに進行させて頂きたいということを提案したわけです。
  66. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 進行するということはどうかと思いますが、これは各党の間で話合いをなさることと思いますので、各党のほうで協議をして頂きたい。
  67. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 今のお話は継続審議というお話であつたと思うのですが、その点はなおあとで御考慮と御研究を願うことにしまして……。
  68. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 專門員から聞きますと、休会中も引続きこの委員会が存続しておるそうです。継続届けを出せばやれるそうですから、なお法制的に研究した上で、さよう取計らいます。
  69. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 その点希望しまして、物価庁政務次官ちよつとお伺いをしておきたいと思うのでありますが、朝鮮事変後相当物価が上つて参つておりますが、物価政務次官にお伺いしておるのですが、今後或いは電気料金の問題、それから米価の問題等についてもパリテイ計算から値上りが考えられる。これをどういう工合に消費者に転嫁しないで収拾して行くかという問題もございます。先般来いわゆる日米経済協力体制といわれておるこの問題から、周東安本長官もインフレ必至だという御意見があつたと聞いておりますが、今後の物価騰貴の、或いはインフレのこれからの一番大きな緒になる、或いはきつかけになるものは、この電気料金の値上げ問題ではないかと考えるのでありますが、先ほどお話のような各種生産費の中におけるこの電力料金の影響等を考えましても、その点は強く警戒をされるわけでありますが、先ほど答弁の中で、物価統制令臨時立法であつて変態的なものである、或いは廃止せらるべきものであるといつたよう言葉が混つておるように伺つたわけです。これは全部ではございませんでしたれけども、我々はこの電力料金の値上げ問題の今後一般物価、或いは経済界今後のインフレ必至の中における役割を相当重視しまするが故に、先ほどのような勢いにもなつて参つたわけでありますが、その点について物価庁の見通し、それから最小限の影響にとどめる方法については具体的な手続等について御意見を承わつたのでありますが、もう少しさつきのお話について私ども異論を持つておるわけであります。御意見簡単に承わつておきたいと思います。
  70. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) なかなかお話大問題でありまして簡単に申上げるのも申上げにくいのでありますが、おつしやるように電気料金、それから米価、それから今後鉄道運賃がどのように相成るべきであろうかというような点は、これからの一般物価従つて国民生計費に及ぼします影響が非常に大きい種類の問題でございます。今日の物価を安定いたさせますためにしばしば申されておりまするように、輸入促進でありますとか、船腹の増強でありますとか、各般の経済政策を総合いたしまして、そうして物価対策というのを講じて参らなければ相成らんと思つております。ただいろいろな事情で東南アジアの買疲れの現状である物資が、予想しておつたように値が上らない。いろいろな原因で今日の物価というものが現在一つの姿をとつておりましても、将来についてはどうしても物価は強気に相成つて参る、こういう工合考えられるのであります。従いまして吉田さんからも先ほど来お話があり、又佐々木さんからもお話がございましたが電気事業料金のような影響の非常に強いものにつきましては、権限がたとえ公益委員会に移りましても、物価当局といたしましては、強く一般物価からこういう状態でなければ全体の物価のバランスがとれないものだということにつきましては、でき得る限り緊密に連絡をとり主張をいたして参りたいと思つております。そうしてこれは官庁間で当然いたす事柄でありまするけれども、特にその時々の紛争が起りませんように、覚書等の交換によつてそれぞれの事柄についての扱いをきめて参りたいと思つております。お話のような物価全体の動向につきましては、私もちよつと先ほど申上げましたが、個々の物価形成よりも、むしろそれぞれの個々の物価が全体の物価の安定というものに響いて参りまする度合いのほうを重視いたす、そのような意味合いで電気事業の今後の料金決定についても当つて参りたいと思つております。
  71. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 これは所管が移りまして正式に意見が出されますのは今後の問題だと思うのでありますが、今まで考えて来られました電気料金問題につきましては、具体的にどういう工合考えておられるのか。従来電気料金の値上げが再編成にからんで、前から値上げをしなければならんと言われながらも、この再編成問題にからんで起つて参つたのであります。勿論上らないことが望ましいには間違いないのでありますけれども、上げなければならんとしてどういうように考えておられるか、物価庁として考えられておるところがありましたならば、現在の段階でどういうように考えておられるか、御説明頂きたいと思います。
  72. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 権限的にも、私どもは従来又現在の段階ではなお専管になつておる状態であり、又電気事業がいろいろ他産業に及ぼします影響が深刻でありまするので、それぞれ私どものほうでも研究はいたしております。併しそれについていろいろな試算もいたし、いろいろな今後の電気料金決定に際しまして、従来の方針と如何なる点において変えて行くことが適当であろうかどうかというような研究は重ねて参つておりまするけれども、今日、或いは当然であるかも知れませんけれども、今日このようにいたしたらこのような料金が最も妥当であるというような結論には到達いたしておりません。併しながらそれについての今まで調査をいたしました内容等について、若し必要がございますならば、他の政府委員から申上ぐることにいたします。
  73. 栗山良夫

    栗山良夫君 だんだんこの電気料金値上げの内容のほうに議論が移りかけているようでありますが、僕は今日まで値上げ論が相当行われておることは知つておりまするけれども電気料金の値上げをなぜ行わなければならんかというその理由に対しては、寡聞にしてよく知らないのであります。従つてもうすでに結論的に電気料金は値上げをしなければならんという、そういうようなことが前提になつていろいろと議論が行われておるようでありますが、私どもはそれでなくてもう一歩掘下げて、電気料金の値上げは如何なる理由によつて行わなければならないのか、その点を極めて明確にすることから始めなければならんと思うのです。そして而も物件費等の他産業による値上りが、これにはね返つて来ておるといたしまするならば、それは鉄鋼にしても、その他いろいろな現在の政府が行なつたいわゆる自由経済のやり方がそういう物件費の高騰を招き、それが電気事業に影響して来ておるということでありますならば、更にそういつたような根本的な問題にまでも議論を進めなければならんと思います。それからそれが又違つた意味で、電気事業の拡大再生産能力を確保するために必要であるほかの産業と切離して、そういうことだけを中心に考えて行くということでありまするならば、これは又おのずから別な観点に立つて、経済安定の観点からして犠牲産業としての又電気事業の行き方を、公益事業としての行き方を考えなければならんと思うわけであります。従つて今日までの頂いておる資料については、そういうものは殆んど今日配られた資料の中にはございません。ただ値上げをするとこうなるという結論が出されておるだけでありまして、私どもが知りたいと思つておるところと大分ほど遠い資料のみしかないわけであります。そういう点を、若し話が料金改訂の中に入つて行くようでありまするならば、私どもはそういうところを中心にしたいと考えておりまするから、委員長のほうにおいて然るべく議事進行の上において御処置願いたい。
  74. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今栗山君から発言がありましたが、委員長としては電力料金を上げるか上げないか、上げたらどうなるかという問題よりも、電力料金を誰が決定するかという問題がちよつと大事であるという考え方、而もメモランダムが出た以上、このメモランダムが出された後において電力料金を若し上げるとするならば、その上げる電力料金の最終決定をする場合に、どういうふうな考え方公益事業委員会が電力料金決定をせんとするのかというような問題について先ず検討を加えようというので、今まで議事を進行して来たわけでありますが、話がだんだん料金の問題に総論的に入つて来たようですから、大体その問題はこの程度で打切つておきまして、これから今栗山君が言われた電気料金を上げねばならない理由電気料金を上げんとするならばその値上げの問題の内容、こういう問題について公益事業委員会側の御答弁を得たいと考えます。
  75. 佐々木良作

    佐々木良作君 結構ですが、誠に済みませんが、このメモランダムを私日本語で書いたのが今廻つて来たものですから、前段の問題について一、二点だけもう一遍尋ねさして頂きたいと思います。よろしゆうございますか。
  76. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 結構です。
  77. 佐々木良作

    佐々木良作君 原文を見ておつたのですが、英語が私余りよくわからないのですが、日本語のほうを初めて見たわけですが、これをはつきり読めば読むほど今郡政務次官並びに松田事務総長から言われたような、この権限について公益事業委員会事前物価庁と相談するということは、若しこのメモランダムに載つかつておる趣旨をそのまま踏襲しようとすれば、私はこれは不可能だと思います。従いましてその点はもう少しはつきりして頂きたいと思います。具体的にはつきり申上げますが、この書面には、従来物価庁その他の機関が有した料金決定管轄権をなくして、これを公益事業委員会に附与することを「十分に意図して起案されたもの」であるとはつきり書いてある。もう一つ最後の所に、公聽会で安本物価庁はこれに関する「証言又は証拠を提出すべき十分な機会を持つ。」んだと書いてある。そうしてそのあとで、「右証言及び証拠に対して聽聞会において提出された他の証言及び証拠と共に専らそれ自体の価値のみに基いて考慮を払うべきである。」と書いてある。従いまして私は若しこの趣旨をそのまま活かされるのであるならば、恐らく松永さんはそのつもりでおられると思いますが、それであるならば、事前打合せたり何かすることは違法で、違法というよりも覚書趣旨に対して違反だと思う。なぜならば一番しまいに書いてあるように、他の公聽会における証言及び証拠と共に、専らそれ自体の価値のみに基いて考慮を払うべきものである。こう書いてあるわけですから、政府が料金決定しようとする今の段階におきまして、先ほどから物価庁、公益委員会の両方から言われておるように、現在物価庁が行なつておることと十分に関連をさせて、本当に料金をそういう立場から決定しなければならず、従つて聽聞会の機会とは別個に、その事前に十分な打合せをしなければならんということがどうしても必要であるとするならば、このメモランダム趣旨とは相当つて来ると思うから、その点を私は日本政府としてはつきりと関係当局に対し意思表示をされなければならない。私はそれをすることが占領政策に忠実なるゆえんであると思う。若しそれをやられずに、このままの恰好で、先ほど郡次官や松田事務総長が言われましたように、物価庁と公益委員会との間に覚書交換とか、その他そういう意味の方法をとつて事前協議を約束することは、このメモランダム趣旨に反するものであると思う。従いまして物価庁と、公益事業委員会、両者に対してお尋ねしますが、このメモランダム趣旨通りに、即ち料金決定の際における物価庁意見は聽聞会において、且つその機会においてのみ表明され、公益委員会はその意見或いは証拠を、同じ聽聞会に提出された他の証言と同じ価値で見てきめて行く方針か、或いは先ほどのお話のように聽聞会とは別に物価庁と公益委員会で十分に協議する機会を作つて料金決定を行なつて行く方針か、いずれか明確にして頂きたい。若し後者ならば、権限を明確化する法令制定の際にはつきりとそれを明文化しなければならんと思う。この点公益事業委員会側物価庁側にはつきりとお伺いしたいと思うのであります。
  78. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 覚書は、電気料金等決定権限をどこに持つて参るかということを申しており、従いまして従来権限としては結局最終的にどこが電気料金等決定するかということであり、その意味合いの従来物価庁が持つておりました権限は、この際なくなるんだということを言つておる。又公共事業令の中で言つておりまする聽聞会等については、物価庁も他の一般の証言と申しまするか、聽聞に応じまする人間と同じような立場においていたすのだということを聽聞会の規定関連して言つておるのでありまするが、その限度に限られておりまして、従いまして例えば現在でも自動車の運賃であるとか地方鉄道の旅客運賃であるとか、いろいろな種類の、発電水路使用料もそうでございましたが、そうしたものにつきまして、例えば法律上は明瞭に他の如何なるものも廃しまして物価庁専管になつております。これらの自動車運賃決定いたしました場合においては、むしろ有力に運輸省の意見を取入れておる。実際の価格決定に至ります経過におきましては、政府部内のあらゆる方面連絡がとられておりますることは、従来専管になつております種類の物価についてもその通りであります。従いまして従来持つておる物価庁の最終的な電気料金決定する権限が移るといたしましても、又聽聞会においては物価庁は他のものとは離れた特別の強い発言をするというようなことが保証はいたされませんでも、その半面政府部内の行政機構として物価決定に当つて必要な主張をし、必要な発言をいたすということは私は当然できることであり、又物価庁が発動いたしませんでも、公益事業委員会は当然物価庁にそれを求めて来るものと考えております。そのような意味合いで必要な事項について公益事業委員会が今後も、例えば電気事業料金決定の基礎になりまする物資について、その現下の形勢をどのように見るかというようなこと、その他の重要な事項等につきましては、当然公益事業委員会はその機能を果します上に物価庁に要求して参ると思われ、その事柄は何らこの覚書が排斥しておるものではないと考えております。
  79. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 要領を簡単に言いますと、今郡さんの言われたうちに、たつた一言訂正を加えておきたいと思います。当然公益事業委員会物価庁に或ることを求めて来ると言われたことだけはちよつとお取消を願いたい。必要に応じてというような意味に御了解願いたいと思います。それだけです。
  80. 佐々木良作

    佐々木良作君 今の両者のお話でもわかりますように、これは郡さんが考えられるように、そのように従来の政府部内における役所間の話のようには絶対に行きません。行かん状態になつておると思うのです。そして若しそううまく行くのであるならば、物価庁公益事業委員会の間に覚書を交換すると云うような必要もないはずです。今のように公益事業委員会のほうから当然に物価庁のほうに尋ねられるということが従来の慣習であり、そういう役所の建前になつておるとするならば、今私どもが心配しておるようなことはありませんし、覚書を交換するとか或いはそれ以上の強い絆によつて結付けようという方法自身が、必要のないことでせう。そうではなく、そういうスムースに行かないから今のような絆によつてくつ付けようとされていると思います。けれども松永委員長代理が言われておるように、そういうことはせんと言つておられる。そうしてこのメモランダムにもたびたび「専ら」という字が繰返して使つてある。そういうわけであるから、従来の役所間における例えば運賃をきめるような方法で、料金決定物価庁意見を反映させようとするならば、このままでは困難だと言つているのです。だから従来と同じように今の物価政策料金政策の中に取入れられようとし、そのためには物価庁が聽聞会の機会とは別に干与しなければならないとするならばこの覚書を具体化する新らしい法令の中ではつきりとそのことを謳われなければできない。こういうことを私は申上げておるのです。若しそう謳わずにそれを行われるとするならば、私はこの覚書に対して実質的な違反になると思います。これは議論になりますからやめましよう。やめますがこれは松田事務総長が今答弁されましたけれども、そんななまやさしいことではありません。従来の関係から見まして、私は繰返して申しておきますけれども、若し従来と同じような意味で一般物価政策に対する考え方料金決定に本格的に入れようとされるならば、そしてそのためには物価庁と十分な事前協議が必要であるならば、このメモランダムを具体化する法令の中ではつきりとそのことを謳つて、その必要性を十分にあらかじめ明らかにされておかれる必要がある。関係当局に対しても政府部内に於てもそうでなければ完全な公益事業委員会独占決定になり得る。私は経済安定委員長という立場から申しましても、今物価統制令が外されておらない現状におきまして、飽くまでも一般物価政策関連するやり方で電力料金決定されなければならない、そういう日本の経済の実情であると考えております。従いましてその関係実質的に十分に反映できる措置をとられるためには、今のように甘い覚書交換だとかいうようなことはでき得ない状態であるということをどうか十分に御考慮を願いたい。それは決して物価庁だけに言つておるのではなくて、公益事業委員会に対しましても、私は日本の一般物価政策のためにかような考慮を十分に払われたいということを申上げておきたいと思います。
  81. 山田節男

    山田節男君 今の佐々木君の言つておられる御意見ですが、これはどうも公益事業委員会もそうですが、例えば電波監理委員会ですね、こういう委員会行政上これは一体どういう地位、ステータスにあるか、まだ我々はつきりしないのですね。ところが今の覚書を見ても、それから私この前の委員会の……松永さんはレギユラトリー・ボデイとおつしやつたが、これはアメリカ語でスタチユトリー・コミツテイ、ローヤル・コミツテイ、これは一つのデパートメント又はデイビジヨンに相当する、それを委員会という名前に混同されている。従つて公益事業委員会のファンクシヨンというものが非常に歪曲されている。これは日本が戦後憲法初め、英米方式になつて来たが、このことをはつきり我々立法者として頭に入れて置かなければならんと思うのですが、今佐々木君の言われた議論は、これはマーケツト氏が言ういわゆる気持は、いわゆるローヤル・コミツテイといいますか、スタチユトリー・コミツテイで、一つの政府のオーガニゼーシヨンなんです。行政組織法にまだはつきり謳つてありませんが、これは今後誤解のないように、郡さんもその一人だが、政府として殊に考えなければならんことは、この公益事業委員会、これはポツダム政令でできておりますが、これはローヤル・コミツテイ即ちスタチユトリー・コミツテイなんです。ですからこれはましてや価格というものに対しては絶対に専管になり得るのです。その概念をはつきりしないから今郡さんの言うような、混同したような、同意を得るとか或いは覚書というような話があるが、これはこういう新らしいコミツテイというものに対する概念がまだ私は徹底しないから、こういうことになつて来るのだと思う。ですからこれはやはりマーカツト氏が言つておるように、飽くまで専管公益事業委員会にあるのである。併しさつき言つたように道義的に或いは行政の技術上からいえば当然物価庁協議し、或いは同意を求めようと言われても、厳密に協議して決定する、こういう意味なのであるか、私は今佐佐木君の言われた議論のような混同、混乱が起きて来ることは、やはり政府がこういうような電波監理委員会とか、公益事業委員会とか、こういうものに対してはつきりとしたステータスを認めないからこういうことになる。まあこれは郡君ばかりではない、通産省、或いは電気通信省にしても新らしくできた委員会というものに対するステータスの正当の解釈がないために、そういう誤解が起きるんです。ですから私はこの際今佐々木君の質問によつて、そういう争いは再び政府側から起らないように厳重に一つ注意して頂きたい。これはマーケツト氏の言つていることははつきりその意味なんです。
  82. 山川良一

    ○山川良一君 少し駄目押しのようなことになりますが、初めのいろいろ議論された過程では、公益事業委員会としても各方面の喜ぶ、平易な言葉でいえば話を聞きながらきめるというお話であつたように思うんです。今「当然」と「必要に応じ」が問題になつておりましたが、公式に当然と言われることは、公益事業委員会として使われるということは無理じやないかと思います。必要に応じだろうと思いますが、実際は先般来話されたように、自治的な当然というようなことで物価庁とも相談されるのであるというふうに考えてよろしゆうございますか。実質の問題で、松永委員長代理に伺いたい。
  83. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 山田さんのお話もございましたが、私は成るほど終戰後できました委員会による行政組織、行政機構というものが出て参りました動機においては、従来日本の政府が考えておりました行政機関というものとは一種違つた地位を与えようとしている動機は見られるのであります。従いましてここの法律では、それぞれ従来の行政機構に見られないような表現はいたしておりますが、併しながら広く見まして、やはり政府の行政機構でございます。従いまして特殊の権限をはつきり書きましたこと以外、例えば只今問題になつております公益事業委員会については、料金決定権限ははつきり持つということを書きましても、それが政府の部内における行政機構である限りは、その行政機構というものは特殊の地位を持つておりましても、それがその通用等について政府部内の各機関がやつておりますやり方を排斥するものでは決してないと考えております。従いまして当然と申しても、必要に応じてと申しましても、必要があれば当然含まれるものだと考えておりますが、その点につきましては、併し細目等についてはまだ松永委員長代理と細かく話をいたしておりません。極めて円滑に参りますよう、又山田さんのおつしやいましたような根本的な一つ法律問題は、確かに日本行政機構というものをどう見て参るか、閣議が最終の総轄をいたしております日本行政機構においてどのように物を考えるかというような大きい問題は他に存するということは我々認めますが、このたびの電気通信省の決定につきましては、公益事業委員会と極く緊密に連絡をいたしまして、山川さんのおつしやいましたように、でき得る限り物価庁意向を公益委員会も尊重してくれることと思います。それに合うような細目の協定を至急いたすことにいたします。
  84. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今山川君の発言に対して松永委員長代理の答弁を求められましたが、私は山川君よりもつと強いのですが、松永さんがどういうわけで郡君が当然と言われたのを、必要に応じと御訂正になつたかという本当のあなたの考え方ですね、私はメモランダムを見ました。聽聞会等において物価庁安本意見を述べることができるとなつておる。そうするとあなたの考え方として、最初御答弁なさつたように、緊密な連絡をとつて行きます、協議もします、話合いもします、こういう基本的な考え方から見ますと、あながち日本官庁同志でありながら、行政官庁同志であるから、聽聞会で物価庁安本意見を聞かんでも、当然聽聞会を開く事前物価庁なり安本意見を当然あなたは聞かなければいかん、こういうふうに私は考えるのですが、何故あなたは、当然と必要に応じという言葉二つ使い分けになつたか。
  85. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 簡単にせよというお話で、頗る簡単に話をすれば今度は詳しく言えという、まあ御注文に応じて簡単にでも詳しくでも申上げます。
  86. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私は詳しく申せとは言いません。(「簡単々々」と呼ぶ者あり)
  87. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 少し詳しく申します。と申しますのは、佐々木君も今言われたように、メモランダムが出て料金決定を総合して公益委員会がきめることになつております。でその間先刻来お話になつたように、日本の現在の経済の実際に応じて物価庁との間に各種の打合せをせんければならんことは必要なことであり、又当然のことであります。それでただ当然というお言葉を次官がお使いなつたことを訂正したゆえんは、言葉が簡単で行届かなかつためでありますけれども、先刻からの次官のお話を聞いておりますうちに、各種の覚書式のものを交換して、その話合いの限度或いは方法をきめたいかのようなお話がありました。これは私は委員長からもまだ命令を受けておりません。又委員会話合いもしておりません。従つて今松田事務総長の御返事になるべきことを私が申したのもその意味でございます。又事務当局にさような打合せをしていいということを委員会は申し付けてありません。従つてこれから事務局安本当局との間にいろいろのお打合せはあると思いまするけれども、御要求に応じて当然何かお約束をするということは、まだ委員会としては慎重にこれを考えなければなりません。従つて必要に応じて、この物価政策について誤りのないように両事務局の間にお打合せになることは必要だと思いますけれども、文書を交換し、或いはこんなことは必ず物価庁に届けねばならんというふうなことは、委員会としては大体の方針はまだきめておりません。従つて今西田委員長お話について更に申上げますれば、必要なことについては当然お話をし合うという意味を、はつきりと委員会構成の意味で申上げたので、御承知通り委員会の組織は五人の委員大体を相談して、その決定に基いて事務当局が交渉することになつておりますので、手続上の過ちがないように、又皆さんの誤解がないようにいささか文字を訂正しただけで、別に深い或いはきつい意味があるわけではありませんから、幾らか弁解のために申上げておきます。殊に山田議員は非常に御心配のようですが、あなたも実業家、私も実業家出身で、そう法律家のようなことはいたしません、御心配下さいますな。
  88. 佐々木良作

    佐々木良作君 弁解のようなことをされるからこつちは又心配になるわけですが、さつき郡次官からはつきり言われたのですが、メモランダムが出たからといつて、まだどうにもなつていないので、メモランダムが出て、これに基いて日本法令が出たときに権限、所轄がはつきりするわけです。このメモランダムに基いて日本法令整備するときに、私はそれを十分に考慮してくれということをさつきから重ねて言つているわけです。或いは松永さんが感違いされておる向きもあるかと思いますが、要するにメモだけではまだ何もなつてないのであつて、それが日本の新法令によつてはつきりするときに、日本の政府部内ではつきりするのだということを考えて、そのときに今のような公益事業委員会のほうでは、それほど必要を感じておらないのに、物価庁のほうでは当然に話をしてくれるものだと思つておる、又覚書でも交換できるくらいに思つていられる。それでは話がとんちんかんになるから、もつとはつきりと私は政府部内で相談をして、今の日本の経済事情から、必要があつて何としても物価庁が一枚加わらなければならない、私は本当はそう思うのでありますけれども、そうであるならば、そのように新法令を作るときに、はつきりとしなければ困るぞということを繰返し繰返し私は言つておるわけなのです。今答弁を求めてもこれ以上は無理でありましようから、答弁を求めるわけではありませんが、今の公益事業委員会側の答弁と、それから物価中側の答弁とが実質的に相当食い違つておることは同僚諸君も十分御承知通りなんです。従いまして私はこれに基いて新しい法令によつて権限所轄がはつきりとするときに、今の趣旨が十分活かされるように…、このままで恐らく十分相談されるであろうとか、或いはするつもりだということじやなしに、法令措置としてその点をはつきりとしてもらいたい。それは今山田さんからもお話がありましたように、これは新しいこういうものなのですから、これまでの日本の中にある官庁間の話とは違いますから、その点を十分気を付けてもらいたい。私はそれだけを繰返し申上げておきます。
  89. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今佐々木君の発言に対して、郡政務次官はお帰りになつたら安本長官一つよく話合われて、政府部内でこのメモランダムの実施についての法制化をやられる際に、その趣旨を十分織込んで善処してもらうようにお話を願いたいと思います
  90. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 承知いたしました。
  91. 山田節男

    山田節男君 今のメモランダム法制化されなければ、公益事業委員会電気ガス料金価格決定権がない。そうすると今現在例えば電力料金の値上げ問題が起きておる、この法令ができるまでは物価庁がやはり電気ガス料金価格決定専管であるということ、さういうように解してよろしいのであるかどうか。それを一つお聞きしたい。
  92. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 従来でもその点については私は解釈問題はあつたと思うのであります。ただ物価統制令に基きまして、他の法令でそれぞれ権限を持つものがきまつておるけれども、その法令指定した場合には、その認可処分等の権限物価庁長官に移るというのが、物価統制令規定でございます。それで公共事業令を他の法令指定いたしておりますので、この新らしく決定いたしました方針に基いて他の法令としての指定を急速に廃止することにいたします。現在はまだ他の法令としての指定の廃止をいたしておりませんが、すでに関係方面意向もわかつたことでございますから……、これは何故他の法令としての指定をいたしたかと申しますと、公共事業令が出た、その間小さい点でいろいろ出て参りますが、大きい点では今度こそ料金の変更があると思います。それを扱う場所がなくては事業者等も迷惑をいたします。その他の法令としての指定をいたしておりますので、それを公益事業委員会と相談をいたしまして、早急に他の法令として指定をしておりますところを削除いたす扱いをいたすことにいたします。
  93. 山田節男

    山田節男君 そうすると、このメモランダムが十八日附で出た以上は、十九日以降における電力料金値上げ、価格変更の場合ですね、これは物価庁としては直接何ら関係しない、このメモランダムがまだ法制化されなくても、占領目的達成のためにというGHQからはつきりされた以上は、もう十九日以降は物価庁は真空状態をうずめる必要がなくなつて公益事業委員会専管としてやつていいという、そういう御見解ですか。
  94. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 公益事業委員会もすでにその機構が整つておりますが、撃つておらない真空状態を救うために一応そういたし、且つ認可等について仕事の始まります時期までに、これもメモランダムが出る前の考え方でありまするが、その時期に許可にいたそうという考えでおつたのを、許可にいたす考を捨てました。併しながらすべての覚書の場合でもそうでありますように、覚書趣旨に則りまして、国内法上の手続がとられますまでの間は従来と同様だと考えております。それは覚書の種類によりまして、直ちに効力を生ずるような場合もあつたかと思いますけれども、このたびの覚書については、覚書趣旨によつて国内法上の手続がとられて初めて事態が変つて来るものである。併しながらすでに方針が明らかになりました以上は、その国内法上の手続は急速にとることにいたしております。但し今日まではまだ他の法令指定を廃止いたしておりません。併しこれは早急にいたします。
  95. 山田節男

    山田節男君 そうしますと、今の電力の価格値上げ問題がこれはいろいろ問題になつておるのですが、そうすると現在においては物価庁もこれに対して今日まで意見を加えておられるのですか。
  96. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 今日までは奥は相互にそれぞれ仕事はいたしており、又公益事業委員会は当然自分のほうの専管になるものだというお考えを従来持つておられ、従いまして電力料金そのものについての打合せ等というような形には進んでおりません。ただ物価庁のほうでも一応作業状態であります。従いまして電気料金の中身についてはそれぞれ別に作業はいたしても、それについて折衝は相互にはいたしておらず、又今日すでに方針がきまりましたから、法制的に極く僅かな期間というものがなお指定が外されずにおりましても、実質はすでにきまつたことでありますから、従いまして公益事業委員会において作業を進められる。松永さんのお話のように、必要に応じて私どものほうでいたさなければならないことはいたして参る、こういうことにいたしております。従いまして法律上の権限が変更いたす現在過程でありまするけれども実質上は公益事業委員会に現在でもすでにお任せいたしておる状態であります。
  97. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 権限の問題はこの程度にいたしまして、先ほど委員長が申上げましたように、電気料金の値上げ問題がいろいろ論議されておりますので、公益事業委員会側として電力料金改訂の問題について、値上げをすることが必至であるというふうにお考えになつておるならば、そのなぜ値上げをしなければならないかという理論的な理由一つ松永委員長代理から承わると同時に、そのあとで電気事業者側から提出されたと言われておりまする値上げ案の内容について、清水参考人からその御説明を願いたいと思います。
  98. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 私は今お話の電力料金の値上げは、業者の必要に応じ出て来る問題でありまして、公益委員会はこれについて十分なる検討を加え、聽聞会そのほかの方法をとつてそれを認可或いは許可ということをきめるのでありまするが、その必要の限度及びその内容について、委員会ではまだ何らこれを許可しようとか、これはいけないとかいう指示は与えておりませんから、どうぞその点については業者の調査を担当しておられた清水君から詳しく御説明があつて、皆さんの御参考になるようにお話を願いたいと思いまするが、ただ一言公益委員会として申上げたいと思いますのは、如何にも現在の電力界の事情は甚だ憂うべき状態でありまして、第一、各種の原因を通じまして電力の非常な不足を訴えております。これを何とか充実しない限りは、丁度田植どきに水争いが起ると同じでありまして、僅かの水をあちらに引張り、こつちに引張りというだけで、全体の農業を何ら益することがないのと同じように、どうしても絶対量を増すということが先ず第一に考えられるのであります。これはもう皆様も御研究になつたことでありますから申すまでもありません。  次に必要なことは、如何にも多大の無駄が行われておるということであります。発生電力の殆んど三割三分、つまり三分の一の電力というものは殆んど役に立たない荒廃の状態に帰せられております。これは資金の関係、或いはこの電力再編成の遅れた結果によりまして、種々手遅れになつております。これは取返すことは、金のない日本、今電力の少い日本としては、一番先に手を着けなければならんことであります。このために電力再編成を終る前から、委員会の組織せられた後から、この両点についてつぶさに検討を加えてみました結果、その主な原因は、電力業者全体において電力を発生する意欲を失つておること、及びこれについて組織を持たないこと、この二つを挙げなければならんのでありましたがために、種々これらを検討するにつきまして、多大な欠陷があることを早出したのであります。殊にその甚だしきに至りましては、資金の消耗と申しますか、或いは償却を怠り、或いは営業上の改善を怠つて、多大の迷惑を需用家に及ぼし、殊に最近の事変が起りました後に、電力の不足のために生産の隘路となつて各所がお困りになつておることは、皆様御承知通りであります。ここにおいて償却を適正にすること、改善を急ぐことについて種々方法を講じております。  この点におきまして、当然そういつた関係より電力料金の問題というものが生まれ来たるものと思うておつたのであります。    〔委員長退席、理事結城安次君委員長席に着く〕 けれども会社が五月一日に出発をして、その間すべての用意等は怠りがちになつてつたであろうと思いますが、それにしましても、日本の電力は今安い高いというのも一つの問題でありまするが、それよりも荒廃しつつある電力を如何にすれば立派な電力に補正して、正しい電力の形に置くことができるか、足りない電力は如何にすればこれを多く作ることができるかということは、公益委員として専ら考えなければならん点でありまするので、今回いろいろ値上げの要求が各社から、各社と申しましても、五月一日に各社ができたのでありまするが、四月のうちにすでにその料金値上げ問題が、何と申しますか、試案として九つの会社からそれぞれ料金を申して参つております。この料金を見ますると、或いは止むを得ないところも起つて参りまするけれども、甚だしき地域上の差が起つて参ります。この料金の差が各地域によつては甚だしき大なる変化を来たします場合は、取りあえずその土地における産業についても重大な影響を来たすことは当然のことであります。この火力の設備を以て主にやつておる所、或いは水力を主としておる所、これらの差につきましては、旧来といえども料金の差別を軽くするために相当な各社間の割当をし、或いは話合いをしておりまするが、殊にこの独立経済になりまして、それを甚だしく主張されることは、公益委員会として考えなければなりませんので、この点どういう方法をとるかということについて、今日といえども会社に向つてその点の要求をいたしております。又この割当制度につきましては相当不満もあります。これは産業家によつてそれぞれ相当の不満があります。で、これも適当にどういうふうにいわゆるアロケーシヨンの問題を考えるべきかということは、料金と共に考えなければならない問題であります。それから旧来は、超過料金に対して殆んど禁止的火力料金を付してあります。これも割当如何によつて甚だしき不公平を見ておることは、私どもが朝夕感じておつたところであります。これらにつきましても、料金を若し変えられるというならば、これらの問題について深い検討が加えられなければならんと思つて、業者の申し分について三月、四月にかけまして一通り話は聞いておりまするけれども、業者間においてもまだ決定することがなく、漸くこの五月に入つて、最近各社の料金等が出揃つておりまするけれども、その大きな問題についてはまだまだこれから検討を要する問題があるのであります。  以上必要である大体の電力の開発、改善計画並びに料金を上げるとすれば、その差等を公平ならしめることについて業者になお検討を求めております。けれども只今のことを別にしまして、只今出しておられる要求の内容につきましては、私どもはこれを監視し検討する立場におりまするので、その必要性及び限度の希望につきましては、委員長のお許しを得ましたように、業者の調査に当られた清水金次郎君の御説明が必要と思つておりまするが、これは委員会ですぐにそれを承認したものであるというふうにお聞き取りでなく、皆さんにおいて十分御検討を下さつて、私どもも検討するつもりでおります。よくお聞き取り願いたいと思います。
  99. 山川良一

    ○山川良一君 全体のことでちよつと承わりたいのですが、昨日衆議院の通産委員会で、公益委員側から六割乃至七割くらいの値上げは大して不当のものとは考えないというような御返事があつたということを工業新聞に書いてありまするが、これは事実でありますかどうか。只今まだ検討中だというお話でありますけれども、これですと大体電力会社側からの意見はそう無理はないのだというふうにお考えになつているように受取れますが、昨日の新聞の記事は或いは誤りではないかと思いますが、その点……。
  100. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) そのことは私も新聞を拝見しましたが、新聞の伝えるところは私の衆議院の通産委員会で申上げたこととは違つております。私は割合がどうとか、或いは時期がどうとかいうことは今日まだ軽卒に我々考えることではなく、大局からいま少しく考えなければならんということを申上げたと記憶しております。
  101. 山川良一

    ○山川良一君 わかりました。
  102. 結城安次

    ○理事(結城安次君) 別にございませんか。……なければ、次に事業者側の改訂案作成に終始関係しておられました清水参考人から、改訂案の原価計算の費目別に、経費増加の事情を現行料金の各費目別に対照いたしまして詳細に御説明願います。なお今回の値上げ案では、各会社別に値上げ内容が区々になつておるようでありますが、各会社別及び需用種別の値上げ率及びこれが現行地域差などとどのような関係にありまするか、併せて御説明願います。
  103. 山田節男

    山田節男君 今清水参考人から証言か御説明か知りませんが、今のような非常に多種多様に互る説明があるわけですが、今までもらつた資料の中にその参考資料がないようですが、その参考資料はありませんか。
  104. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今委員長が清水参考人に要求された説明の内容に対して、今ここに出されておる資料では私は甚だ不足しておると思うのです。ですから非常に重要な問題もたくさんありますので、清水参考人は口頭で数字的なものを説明されるのか、その点を先ずはつきりしておいて頂きたいと思います。若し数字的なことが述べられるとしましたならば、そういう資料をあらかじめ配付願いたいと思うのです。
  105. 結城安次

    ○理事(結城安次君) 栗山委員ちよつとお尋ねいたしますが、どうでございましようか、清水君の御説明を伺つておるうちに、我々が必要とする資料のなかつたものを新たに御提出願うことにして、清水参考人から伺うことにしたら如何でしよう。
  106. 山田節男

    山田節男君 今頂いた電気料金改訂資料というのでは一般的なものであつて栗山委員が言われたように、九つの会社がおのおの料金改訂の希望を持つてつて、そうしてそれに対しては具体的な資料を持つておると思うのです。厖大なものに違いないのですから、少くともそのエツセンスをサンマーライズしたものを出してもらわないと、個々の地域ですから、これがないとただお聞きしただけではわからないと思うのです。だから今日は一つその資料がないから概括的なことを聞いてもよいですが、少くとも九つの会社公益事業委員会に出しておるやつをサンマーライズした重要なポイントだけはやはり資料として提出してもらうように要求します。
  107. 林誠一

    ○專門員(林誠一君) ちよつと只今のことで行違いがありましたのでお答えいたしますが、公益事業委員会にはそのことを通じてお願いしておいたのです。公益事業委員会としては、参考人のほうで準備されるつもりでいたらしいのです。昨日の午後になつてその行違いを発見いたしましたので、追つてその資料はサンマーライズすることにいたしますから、御了承願います。    〔理事結城安次君退席、委員長着席〕
  108. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は料金の内容の説明を伺います場合に一計重要な点は、二十四年十二月十三日に画期的な電気料金改訂が行われたのでありますが、それからその後今日までの電気事業の経理というものがどういう健全性を持つてつたかということがはつきりしなければいかんと思うのです。これが値上げの最も大きな根拠にならなければならんと思うのです。例えば当時は値上げ率が約三二%でありましたか、私の記憶が間違いでありましたら訂正いたしますが、三十数%ということでありました。ところが実際運営されました結果、果して三二%の値上げであるかどうかということが一番先ず問題になると思います。そういうような点を数学的に説明をお願いし、而も今度の値上げには一つの数字を基礎といたしまして、そうしていろいろと物件費その他の条件を入れて七割ばかりの値上げの案が出されておりますけれども、現実に今度新会社ができまするまで、昭和二十四年の十二月十三日から約一カ年有余の間会社が運営せられて参りまして、そして例えば労務者の賃金ベースにいたしましても、生産原価の中には五千三百円ベースより入つていないのでありますが、現実に八千円ベースなり、一万二千円ベースが支払われて来ておるわけであります。又補修その他においても行われている。配当も行われている。そうして中には日発の現小坂総裁が声明せられましたような三十五億円という含み資産というものが天下に公表されて、又その含み資産は六対四に分けられたので、配電のほうには六だけがあつたということになつている。そういうように昭和二十四年十二月十三日以後における国民に疑惑を投げかけました電気事業の経理というものが本然の姿においてここで明らかにせられまして、そうしてその上でこういう新会社を設立いたしました以後において、料金の値上げは止むを得ないと、こういうような工合に合理的な説明がなされない限りにおいては、これは仮に公益委員会が了承し、或いは物価庁が了承し、或いは国会が了承いたしましたといたしましても、恐らく国民は了承しないと思うのです。従いまして私は今申上げましたように、昭和二十四年の十二月十三日、あのときに当時司令部のケネデイ氏も熱心にやられまして、電気事業の画期的な経理の改善を行い、そうして電気事業の生成発展のために寄与するということが行われたわけであります。そうしてすでに今日まで及んで参りまして、その間電気経理というものが国民の前に極めて明朗な、いささかの疑惑も招かないような形で行われていたのならば問題はありませんけれども、いろいろな疑惑を投げたのであります。従つて今私は言葉が足りませんけれども、二、三の点について指摘をいたしましたが、そういう点をはつきりとこの機会において解明をせられまして、その上で今度の料金の値上げがこの程度に必要であるということを数学的に細かく御説明を願う。そういうことでなければこの委員会の本当の意味はないと私は思うのであります。従いましてどうかそういう工合にお願いしたい。
  109. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今栗山君の御意見は御尤もと思うのです。中川経理長にお尋ねいたしますが、二十四年の十二月から二十四年度末までの収支バランスと、それから二十五年度は三月三十一日で終つているわけですが、五月も半ばを過ぎて終りに入りつつあるという段階にあるから、当然二十五年度の収支バランスが公益事業委員会としては検討されておらなければならんと思うのです。そういう検討をなされなくて電気料金改訂考えているとすれば、それは少し冒険なことで、すでに検討されていると思うのですが、その資料があれば、その資料に基いて今栗山君が言われたようなことを一つ御解明を願いたいと思います。
  110. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 今栗山委員からお話がございました資料は、勿論委員会で検討をいたしておりますので御提出できようと思います。だだ一言申上げておきたいことは、現在まで電気事業者から出て参つております電気料金改訂の調べなるものは、いわゆる電気料金の正式な申請の段階に至つておりません。業者側におきましても相互いろいろまだ検討を加えられるところがあるようでありますし、又委員会側から見ましても必要ないろいろな書類が不備でございまして、そういう点を全部揃えまして正規の申請があろうかと思います。従つて委員会におきます料金の値上げについての検討も実は十分その作業に入つておらない段階にありますので、今までの資料につきましてはお出しできようと思いますが、会社の申請についての検討という点につきましては、まだ非常に不十分でございますので、そういう点につきましては時間を頂きたいと存じます。
  111. 山川良一

    ○山川良一君  今はつきりおつしやつたから申上げますが、今電力会社の案と言われているものは、私もその電力会社の本当の案ではなかつたというふうに察しておりました。有力な現在の新重役に聞いても何ら話合いに参加していないということをはつきり言つておられますので、少しおかしいと思つておりました。(笑声)そこで私はこの前の委員会のときにも問題にいたしましたように、資産の再評価とか償却とか、或いは大口、小口をどういうふうに考え割当をするか、そういうことを少し各会社ごとに新らしい幹部で検討されてある考え方をまとめられて或いは公益委員会で一緒にまとめられてもいいと思いますが、そういう大方針をきめた上で、その考え方に立つた電力料金改訂案を作つて検討されたものを御提出願いたい。ただ会社事務局だけの考えを出されても、時間をつぶしてやるということになつてしようがないというような気がする。今経理長から言われましたので一言私の希望を申述べておきます。
  112. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 一応栗山君と山川君から御発言がありましたが、御尤もなる御意見だと思うのですが、委員長として本日取計らいましたのは、いろいろ論議されておりましたけれども物価庁にせよ、公益事業委員会にせよ、電力料金についての改訂象がない、こういう御主張であるし、世間ではさまざま騒いでおりますので、経営者会議のほうで考えられるという案があれば、その案で一応概略説明を願いたいというので今日委員会をそういうふうに運んだのですが、栗山君、山川君の御意見御尤もでありますので、栗山君の御意見もありましたように、二十四年度の十二月以降の収支計算の内容と、二十五年度の収支計算の内容と、こういうものを十分に資料を出して頂いて検討をし、説明を聞いた上で、新らしい基礎付けられた電力料金改訂案についての検討を加えるというふうに当委員会をすることに皆さんの御異議がなければ、本日はこれで閉会いたしたいと思います。
  113. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は繰返して言葉が足りなかつた点がありますから申上げておきます。なぜそういうことを私が力説するかと申しますと、二点理由があります。一つは、二十四年の十二月十三日の料金改訂を行いましたときに、あれは料金制度の根本的な改訂を行なつたわけであります。一応計算の上では収入において三二%程度の値上になるということでありましたけれども、実際どれだけの値上になるかわからなかつたのであります。やつて見なければわからんということであつたわけであります。従つてつて見なければわからんという結果なので、やつて見た結果はどうなつたかということが知りたいのが第一点、それから今非常に足りないと言われておりますけれども、二十四年十二月十三日以後会社はとにかく運用されている、そうして配当が行われております。又労務者の給料も払われている。設備もそれぞれ修繕をやつている。含み資産も出て来たという状況等から本当に何が足りないのか、どうして値上げをしなければならんのかということを真劔に検討しなければなりませんが、ここに五月一日に新会社ができたわけであります。従いまして今新会社に向つて過去の経理内容を説明しろと言いましても、説明のしようがないわけであります。従つて公益委員会がこれは責任を持つて二十四年の十二月十三日以後四月三十日のあらゆる電気事業の経理内容を、私どもの希望いたしますような資料に基いて、極めて合理的な説明を願う、それが値上げの問題を調査する第一の前提条件にならなければならん、こういう工合考えておるのであります。従いまして、どうかさように一つ資料をまとめて頂きたと思います。
  114. 小野義夫

    ○小野義夫君 今の資料につきまして、この二十四年度の画期的に料金を上げたということにつきましては、相当の各費目について根拠のある理論に基いておると思いますから、その前に上げたとき、二十四年度に改訂したその以前のと対比して、引上げた理由も同時に備考欄でも書いて頂いて、その後の経理状態を出して頂きたい。資料の御提出の前にその前の上げた理由を明瞭にして頂きたい。
  115. 古池信三

    ○古池信三君 今日配付になりました資料について一カ所だけお尋をしたい。二十六年度の電力需給計画表という厚いのがありす。この一番最後の頁を見ますと、需要炭供力をして二百九十一億五百万キロワツト・アワーという数字が出ておる。同じくやはり一枚刷りの電力需要の予想と需給バランスというのがあります。この二十六年度の所には供給力として二百七十五億四千二百万キロワツト・アワー、それからもう一つ、二十六年度電力料金改訂資料の中の需要電力量が二百八十億八千五百万キロワツト・アワーとなつております。三者はいずれも数字が違つておりますが、どういうわけでしようか。お尋ねをします。
  116. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 只今の数字、少し検討して見ます。私ちよつとも見ないで出て参りましたから、次回までに調べて御説明申上げます。
  117. 古池信三

    ○古池信三君 とにかく対象は同じ二十六年度の前年度の需要炭における供給力だと思うのです。それが三つとも違つておりますからどういうような間違いかお調べを願います。
  118. 栗山良夫

    栗山良夫君 それはこの際資料をもらつて非常に私自身が困つておるのは、一番重要な問題は、損失量を幾らにするかというパーセンテージだと思いますが、出る資料全部違つている。ここが一番ポイントになると思いますが、この点をはつきりと統一した観念で出して頂かないと、私どもはこれで幾らでも調整ができると思うのでありまして、この辺をはつきりして頂きたいと思います。例えば安本で出ておるのは二五・七%という非常に下げてあります。それは私が得た資料。今日頂いた資料は二七・二九%、実際は三〇%をちよつと切れたくらいのところだと言われておる。いろいろな資料が雑多に出ております。そういう仮想の上に立つたのでは困るので、やはり一つの努力目標でありますなら努力目標として、はつきり統一した動かないものを出して頂きたい。
  119. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 先ほど来電力料値上げの一般物価に及ぼす影響等についての御説明政務次官から伺つたのでありますが、或いは今後の公益事業委員会とそれから安本との関係等においても、いろいろ御心配になつておる御意見も出ており、食い違つたほうの意見も出ておるわけでありますが、次の機会に周東安本長官も呼んでもつとはつきりしたところの御意見を伺いたいと考えております。それで次の機会に周東安本長官も呼んで頂くことを提案をしたい。
  120. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 承知いたしました。
  121. 佐々木良作

    佐々木良作君 次の機会までに必要な資料を全部整えてやれということは、それはそれに越したことはないと思いますが、今度それを逆に解釈されて、料金値上げの内容がきまつて身動きできないようにされてからやられても困るので、本委員会意向を十分尊重されるようでありますから、従いまして資料を整えるのと内容を決定するのと別でありますから、我々十分内容を審議いたしましてよい悪いをきめたいから、その内容が今度の決定に十分反映され得るチヤンスを狙つて委員会を開いて頂きたいと思います。
  122. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 中川さんに申上げますが、資料はいつまでに提出して頂けますか。
  123. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 料金改訂の申請は月末頃と思いますので、正規の申請をいたしました資料でございますれば、それ以後の時期にお願いいたしたい。
  124. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 実績のほうはすぐ出せますね。
  125. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) すぐ出せると思います。
  126. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今あなたの御意見ですと、すぐ印刷に付したらいいでしよう。(笑声)
  127. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 四、五日頂けばよいでしよう。
  128. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは佐々木さんのおつしやつた過去の資料は四、五日中に御提出になるそうですから、資料を御提出されるのを待つて委員会を開きたいと思います。電力料金改訂に関する資料は月末頃というお話ですから、今月末になりますか、或いは閉会後来月になつて検討するか知りませんが、できるだけ早く提出してもらつて、その資料に基いて調査を進めようと思います。
  129. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 決定ということについて、いろいろ日にちのほうがもう少しゆつくりせんならんか、或いはまとまつた資料に基いて一般の公聽会に付しまするか、いろいろ事情もありますから、資料をできるだけ早く整えて差上げることにしまして、こちらの会議をできれば早いほど何回でもその間に開いて頂いて、私も伺つて説明をいたしますから、来月になつて開くというふうな時間的な条件を付けて頂きますと、又調査も気がゆるみますから、(笑声)成るべくあなたのほうも御勉強を願つて(笑声)何回でも私どもをお呼び願いたい。
  130. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 大変結構な御発言ですが、(笑声)私のほうはいつでも開かれるのですが、中川さんが資料が四、五日かかるというから……。
  131. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 業者のほうの資料は一通りできておると思います。今日でもお聞き下さればその点についての説明はできると思います。
  132. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 中川さんのおつしやることと、今の松永さんのお話とはどうも違うようですが、松永委員長代理は資料はできておるというのですが……。
  133. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 先ほど申上げましたように、業者の案は今できて参つておりますが、正規の申請でないということを申上げたわけでありまして、役所といたしましては、正規のいろいろな附属書類が要るわけであります。そういう意味でいろいろな調べの段階にありますので、正規の申請が出ましてから後にして頂きたいということを申上げているのであります。会社案につきましては、概要については今御説明できようかと思います。
  134. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  135. 西田隆男

    委員長西田隆男君) では速記を始めて。それでは本日の委員会はこれで散会いたします。    午後四時三十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            栗山 良夫君            結城 安次君            佐々木良作君            水橋 藤作君    委員            秋山俊一郎君            石原幹市郎君            小野 義夫君            古池 信三君            椿  繁夫君            三輪 貞治君            山田 節男君            吉田 法晴君            加賀  操君            山川 良一君            岩木 哲夫君            須藤 五郎君   政府委員    公益事業委員会    委員     松永安左ヱ門君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    公益事業委員会    経理長     中川 哲郎君    資源庁長官   始関 伊平君    物価政務次官  郡  祐一君    物価庁第三部長 川上 為治君   事務局側    常任委員会專門    員       林  誠一君    常任委員会專門    員       渡邊 一郎君