運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-03-29 第10回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十九日(木曜日)    午後二時十七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○派遣議員報告  大淀川発電所復元に関する請願(第  一四〇二号) ○電気事業の再編成に関する請願(第  八二二号) ○電気事業の再編成に関する陳情(第  一四七号)(第二七八号) ○電気事業編成に関する政令運用に  関する陳情(第二四二号) ○国立療養所電力割当増加等に関す  る請願(第一二一七号) ○電気工事法制定に関する請願(第一  〇一二号) ○丸山ダム電源帰属に関する請願(第  一一〇七号) ○丸山、今渡両ダム電源帰属に関する  請願(第一一〇八号) ○丸山ダム電源帰属に関する陳情(第  二五四号) ○新郷外発電所昭和電工株式会社  復元に関する請願(第八九四号) ○猪谷、中山両発電所復元に関する請  願(第一四二二号) ○阿武川第二発電所新設等に関する陳  情(第一四八号)   —————————————
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今から委員会を開会いたします。  本日は三カ所に派遣いたしました派遣議員諸君報告を先ず第一に承わりまして、そのあとで、請願陳情の問題を審議したいと考えます。派遣議員報告を今から聴取いたします。第一班からお願いいたします。
  3. 古池信三

    ○古池信三君 それでは私から先般派遣されました、出張いたしましたことについて簡単に御報告を申上げたいと存じます。  私は同僚議員、民主党の岩木哲夫議員と両名で北陸地方中部地方関西地方各地に出張いたして参つたのであります。三月七日から同月十四日までの間廻つて参りました。今回は、先般行われた電力制限の各産業に与えた影響並びに電気事業編成をめぐる諸般の問題の調査が主たる目的でありましたので、各地区におきましては、それぞれ懇談会を催しまして地元諸君の御意見を聴取いたしますると共に、又その地区におきまする大口電力消費工場等を直接視察いたしまして、現場の意見も十分に聞いて参つたつもりであります。  先ず北陸地方におきましては、倉敷レーヨン富山工場昭和電工富山工場及び日産化学富山工場視察いたしまして、富山県庁におきまして座談会を開催いたしたのであります。北陸地方工業契約電力並びにその使用実績の面から観察いたしますると、次のようになつております。契約電力戦前に比較しまして鉄鋼九七%、化学工業一〇〇%、化学肥料一八五%、機械工業五六%、窯業六八%、その他となつておりまして、かように契約電力の面から見ますると復旧いたしておるのでありまするが、昭和二十五年度の契約に対しまする実際の運営を見ました稼働率と申しますか、これは戦前に比しつまして、かように復旧した設備であるにもかかわらず、鉄鋼において三三%、化学工業において七〇%、化学肥料三七。五%、機械九〇%、窯業五〇%とかような数字を示しておるのに過ぎないのであります。この実績は主として電力不足によるところが多いのでありまして、電源帰属の問題を中心として非常に切実な問題が起つておるように見受けて参つたのであります。戦後北陸から関西方面に参りまする十五万四千ボルト系統送電設備が完成いたしましたことによりまして、従来北陸においてのみ使われておつた電力の部分もこれが相当関西のほうに送られることになつたのであります。従つてこの点が北陸電力不足の問題に大きな役割を買つておるわけであります。今回再編成計画のうちの需給計画を見ますると、年間を通じまして、例えば中部は差引ゼロになつております。関西は五億キロワツト・アワー売ることになつております。然るに北陸電源地帯であるにもかかわらず一億七千二百キロワツト・アワー買うという数字になつているのであります。これは非常に矛盾したような感を受けるのでありまして、過去において北陸地方人たちが非常に電源開発について協力的に働かれたのにかかわらず、その結果として生まれる発電力がかような状態にあるということは誠に遺憾に堪えられないという県民諸氏の一意見が大多数であつたのであります。今後この問題の解決については国会としても十分尽力を願いたいという要望が強く行われたのであります。北陸地方としましては、最小限少くとも六十万キロワツト電源帰属させねばならない、かくして初めてその余剰電力随時有効に使用しまして、北陸産業発展に寄与せしめることができるという意見が強かつたのであります。昭和電工富山工場電力消費状況を見て参りましたが、昼間は関西需用に抑えられますため、電解炉六基のうち、三基が漸く運転できるに過ぎません。夜間は十時から翌朝六時までの間六基運転ができます。これは労働政策上から見ましても非常に困難ないろいろな問題を含んでいるものと認められました。電力問題が解決されない限り、どうしてもこの労働問題その他の難問題の解決は困難ではないかと思われます。  北陸地方において要望されました点を極く概括して申上げますと、先ず第一は、北陸の新電力会社割当てらるべき電源帰属を相当増加するようにして、もらいたいという意見であります。具体的に申しますと、神通川系の蟹寺、九頭龍川の市荒川、或いは黒部川の愛本、これらの発電所是非北陸帰属するように取計らつてもらいたいという要望が第一点であります。  第二点は工事中の殆んど完成せんとしている成出の発電所の所属は北陸の新電力会社帰属せしめてもらいたいという要望であります。  第三は未開発水利権帰属につきましては、神通川系及び九頭龍川系は全部北陸の新会社帰属せしめられたい。  第四点としましては、福井県の若狭三郡が只今関西配電会社区域になつているのでありまするが、再編を機会に北陸の新会社供給区域のうちに編入してもらいたいという要望であります。  第三の点につきましては、もともと富山県のごときは県費の三二%を治水費に費しているそうでありまして、かかる治水費用については地元が負担をし、而も河川の水の力によつて発生される電気は他の地区に多く送られるということでは全く不合理である。川の状態、その地方の特殊の事情というようなものがありまするから、この点は特に考慮して決定されたいという趣旨でありました。  第四点につきましては、福井県でこの三郡のみが他の電力会社供給区域になりますると、行政の上から又産業の面から見ましても非常に不利不便が多いから、是非これは北陸電力会社区域にしてほしいということでありました。この第四点につきましては日発支店及び北陸の現在の配電会社においても技術上は困難な点はないという意見でありました。本年の二月に行われました電力制限影響につきましては、北陸としては特に関西の負荷の多いために制限を受けておるような形でありまして、二月の制限量は三百万キロワツト・アワーにも及んでおりまして、これがため北陸産業の受けた打撃は誠に大なるものがあり、硫安において百五十一トン、鉄鋼三百七十トン船舶二百十トン、紙パルプ十九万六千ポンド、綿糸四百七十四梱の減産になつておるということでありました。その他電気料金の問題につきましては、昭和電工富山工場と、同じく昭和電工塩尻工場とを比較して見ますると、富山のほうが料金が高くなるような結果になる、これでは非常に不合理であるという意見でありました。例えば九州火力料金は五円五十銭で、北陸は九円九十銭でありまするから、火力を二五%以上使用するとなれば、北陸キロワツト・アワー当り平均料金九州よりも高くなるような状態になるという説明でございました。これは現在の常時電力の発券の増大が北陸電力の質としてしわ寄せられたような結果になつて、その改正方要望されたのであります。更にこの料金制度と関連しまして、割当制度、又将来の電源開発等の問題につきましてもいろいろと要望がありましたが、省略いたします。  ついで中部地方に参りまして、三井化学名古屋工場及び東亜合成名古屋工業所視察いたしました。それから中部地方産業代表者懇談会を開催いたしたのであります。中部地方は先ず第一に電源帰属増加の要求が唱えられたのでありまして、飛弾川水系の瀬戸小坂及び竹原川の三発電所、この帰属関西地区から中部地区への変更はできる限り早急に実施してもらいたい、そうしてその発生電力は全部中部で使い得るようにしてほしいという旨の要望が強くなされたのであります。中部水力七十万キロワツト火力三十万キロワツト、合計百万キロワツトということになつておるのでありまするが、冬季渇水期になりますると、水力が三十万キロぐらいに落ちることがままありまするが、これに対応して需用は九十万キロワツト以上に上るという現状では、産業に与える影響が如何に大きいかということは申すまでもないのであります。関西から電力融通を受けるということは再編成後には相当困難なことが予想され、渇水期におきまする中部地方産業従つて打撃が大きく、これに対しては格別の処置を要望されたのであります。又今回の再編成による電源帰属は過去の電力需給実績によつて決定されたものと考えられるが、中部地方産業構成の特徴として他地方に比しその延び方が一割乃至二割は多いのである、この事実は見逃せないもので、現在の帰属を予定されておる電源によつては近い将来二割乃至三割の供給不足を来たすことになるというので、非常に心配をしておられたのであります。これが対策としては電源開発に持つよりほかないが、再編成後の新会社並びに中部地方の財界の力を以てしてはなかなか容易なことではない、従つて今後の中部地方への工場の誘致は困難な状態にあり、中部地方産業発展は容易に期し得ないものと思われる。目下産業発展電力のみによつて制限され、合理化限度に来ておる今日、早急な電源開発の手を打つてもらいたいという要望がありました。その資金計画といたしまして、例えば外資導入等についての真剣な意見が出たのであります。更に視察いたしました東亜合成名古屋工業所現状を見ますと、主要製品硫安苛性ソーダでありますが、共に電力が殆んど原料となつております。この工場中部地方におきます最大電力消費工場となつております。硫安においても生産設備能力九万三千トン、苛性ソーダにおいて二万一千六百トンの能力を持ちながら、昭和二十四年度における硫安生産実績は六万二千五百トン、苛性ソーダにおいては一万二千二百トンで、硫安において生産設備に対する実績率は六七%、苛性ソーダにおいて五六%であります。でその生産制限電力の面からのみ行われ、生産増強即ち電力増強であります。中部地方における電力制限調整は直接本工場調整によつて強く影響されるものが大である状態になつております。今後の工場拡張中部地方電力状況の進展と見合わせてやらなければならず、現在又は将来の中部地方電力発展状況を考えますると、工場拡張は容易にできないということを言われております。以上が大体中部視察報告であります。  次に、関西地方状況を簡単に述べたいと存じます。最初に神戸に参りまして、関西地方におきます鉄鋼関係電力の問題について調査をしたのであります。神戸におきましては、神戸製鋼所本社工場及び川崎製鉄葺合工場視察いたしました。その後鉄鋼関係者に集つてもらいまして、神戸製鋼所におきまして懇談会を開いたのであります。次いで翌日大阪商工会議所において関西他方電力関係者懇談会を開催し、その後鐘ヶ淵紡績淀川工場視察したのであります。  先ず第一に電源帰属の問題につきましては、現在関西地方帰属することになつている飛弾川の瀬戸小坂竹原川、東町、牧の五発電所は、新電力会社設立関西から中部或いは北陸に所属変えになるということになつておりまするが、これが実施されれば関西地方年間六億四千万キロワツト・アワーの減少となる、これを仮に火力で補うとすれば、六十万トンの石炭を焚かなければ間に合わないのであつて、更に新らしく水力設備を建設しようとすると八十数億円の資金が要る。これによつて原価は約一〇%の値上りとなるので、需用の延びの大きい関西としましては絶対この帰属変えには反対である。強くかような反対意見が表明されたのであります。なお水利権の分割に当りましては、各地区需用の趨勢に対応して公平に分割せらるべきであつて関西電源開発を積極的に行わねばならないから今後の電源開発について支障のないように是非措置をしてもらいたいという要望がありました。更に電力割当制度につきましては、工場別割当については、飽くまで計画官庁である安本が行うということは適当でなく、公益事業委員会が行われるべきものであり、又一定量調整保留分地方支局に移管して、未達調整については地方支局の裁量に大幅に委ね、又小口の割当の実施は直接地方支局が行うようにして、地元産業状況に、その変化に応じて適当なる配慮がなし得るようにしてもらいたいという意味要望があつたのであります。割当の基準については各事業生産コスト中に占める電気料金比率を考慮して割当されるやに聞いておるが、これは電気割当制度趣旨から言つて甚だ間違つておる。鉄鋼等は多少火力料金支払つてコストの中で占める電気料金比率が低いから、割当は少くてもいいというような考えは飽くまで除いてもらわなければ困る。生産とマツチし、過去の実績を加味して将来の割当は飽くまでやつてもらいたいという要望でありました。更に鉄道関係者からは、鉄道事業公共事業であるにもかかわらず毎月の割当が極めて無秩序で、無計画であり、而も火力料金消費は現在の運賃にすぐに響いて来るので、現在料金の、売上の一〇%は電気料金として支払つておるようなわけで、これでは運賃の引下などは到底できない。基本割当増加是非必要であるという意見でありました。大阪綜合パン組合のごときは、その主要電力のうち四〇%乃至六〇%は火力料金として支払を要求されておる。かようなことでは到底将来経営は成り立たなく、火力料金支払延期の決議まで組合としてもしたというような報告がありました。  要するにこの割当の問題につきましては、現在一定算式を以てなされておるのでありますが、この算式自体が甚だ妥当を欠くものであつて、むしろ改正される以前の割当方法のほうが可であるという意見が非常に多かつたように聞いて来たのであります。  料金地域差の問題につきましては、再編成によつて現行料金以上にその差の拡大することのないように措置されたい。即ち昨年の十一月において関西は、全国平均を百としてこれに対し十三と推定されておる。料金調整がなければ百二十、調整しても百十八ということになるので、できるだけ料金差少いようにしてもらいたい。即ち現在考えられておりまする追加料金調整制度是非将来も続けてもらいたいということでありました。なお火力用炭の確保、火力発電設備補修等に万全を期して冬季渇水期における備えを遺憾ないようにしてもらいたいという要望もありました。その他熱心なる意見開陳があつたのでありまするが、この程度で省略いたします。  なお最後鐘紡淀川工場におきましては、これは染色加工を主としてやつておるのでありまするが、電力面において紡績に比べまして取扱が非常に低いところにある。而も輸出産業として見まする場合に、最終工程として重要なる意味を持つ染色加工でありまするから、この点において減産するということは即ち輸出においても大きな影響を来すのである。従つて将来は是非割当その他について紡績並みに扱われるように御尽力が願いたいというような要望があつたのであります。  以上簡単でありまするが、北陸中部関西、各地方におきまする視察の結果を御報告申上ぐる次第であります。
  4. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次に第二班の御報告を願います。吉田法晴君。
  5. 吉田法晴

    吉田法晴君 只今から、中国九州吉田、水橋の二人で参りました第二班の調査の結果につきまして、私から簡単に御報告を申上げます。  今回の調査の主目的電力制限各種重要産業に及ぼす影響並びに電気事業の再編成に伴います諸問題について、現地における意見を聴取することでございました。以下順序を追つて概況を申述べますと、先ず九州におきましては公益事業委員会福岡支局から九州における電気事業特異性として、電源の面から、第一に火力への依存度が極めて高く、火主水従であるということ。第二に水力資源が貧弱で且つ変動の幅が大きく不安定であるということ。第三に貯水池の容量が貧弱で調整能力が乏しいということ。第四に五十サイクルと六十サイクルの両系統が併存しておりまして、このため発電設備利用度が低くなり、電力利用上甚だしく困難と不利を来しておる。又需用の面からは第一に電燈需用に比して産業用電力需用の比重が極めて大きい。第二に基礎産業が非常に多く、特に石炭用電力が全需要用量の約四〇%を占めておるという説明がございました。従まして九州における各地の一貫した要望電源開発促進のため特別に資金供与の途を開き、地帯間融通については安定且つ円滑ならしめると共に調整金制度を活用して現行地域差を増大せしめざるよう特別の考慮をせられたいということであります。  次に個々のものにつきましては、八幡製鉄所における電力制限影響は二月十三日よりの炭鉱ストとの総合した結果でありますが、生産計画に対して銑鉄が八九・六%、鋼塊が九一・六%、鋼材九三・六%となつております。又同所より電力割当について、現状のように企業努力によつて自家発電増加しても、割当量は却つて減少するということは不合理であるから、正直者が馬鹿を見ないように需用増に対しては比例的に割当増加を図られたいという意見がございました。所要経費約三十億に上るサイクル変更の問題につきましても国家的補償を希望する旨の発言がございました。  日本化成におきましては制限については地方支局の取計らいによつて実際は三月二十日から二十八日までであつたために、直接の生産減は六百五十万円程度であつたけれども、今回は九州として制限の必要がない実情であつたので、今後は全国一律の制限ということでなく、地方実情に即して電力制限を実施せねば需給バランスをとり得ないような窮迫せる場合にのみ需用家意見も加え、九州九州として自立的に実施するようせられたいとの強い要望がございました。  次いで翌日炭鉱側意見を聞きましたが、九州石炭鉱業協会から一般的説明を聴取し、その後日本炭鉱遠賀鉱業所及び三菱鉱業所鯰田炭鉱について現地意見を聞きました。炭鉱においては第一に制限については炭鉱ストと重つたため実際の影響はなかつたけれども、炭鉱電力使用量の六〇%が保安用電力であり、飲料水病院用等の準保安用を含めますと七〇%にも達するので、生産用は残り三〇%に過ぎず、他産業と同率に二五%を制限いたしますと、出炭上は一五%に下つてしまう実情でありますので、この特殊性を十分に勘案して保安電力優先割当を確保して貰いたい。  第二、炭鉱自家発電は従来のごとき断続的動員双方ともに不利なコスト高となるので、継続的活用主義をとつて常時委託発電方法により九州全体の供給力増加し得るように考慮せらるべきである。そこで自家発に対しましても火力調整金の対象とせられたい。  第三に、サイクル統一については北九州の第一次は概ね標準電力量の特配という方法解決せられましたが、第二次以降の炭鉱地帯その他につきましては概算百億に上る費用炭鉱において到底負担し得るところではない、所要経費国家融資その他標準電力量割当以外のサイクル統一を可能ならしめる方法を考慮してもらいたいということで、その他割当問題等については八幡製鉄所におけると同様の意見開陳がなされました。  翌日中国地方に参りまして山口県の宇部、徳山及び岩国地区におきましては化学工業鉄鋼業繊維産業等について視察を行い、各地区ごと電気事業者、六口消費者代表等関係者を交えて座談会を行いました。中国地方の再編成に対する要望は大体次の通りでございます。  第一に、中国地方は他地区に比べて特に電源が貧困で供給力が少いのに、戦時戦後の工場地帯発展は著しく、需用供給とが著しくアンバランスの現状でありますので、電源開発を優先的にし、開発に当つて電源開発助成法等を制定し、その他適当な金融措置を講ぜられたい。  第二に、電源開発せられるまでは需給の均衡を得るためには依然として地帯間融通電力に待たねばならんので、昭和二十六年度においても九州送電を含まないで最小限度十三万三千キロワツト融通は絶対確保せられたい。  第三に、料金地域差を軽減せられたい。  第四に割当制については、三千キロワツト未満割当方式実情に即せんために根本的に改訂をされたい。  保安電力については百パーセントの割当を行い、生産電力に対しては各工場生産計画供給力に応じて割当をされたい。  第五に、今度の指令案人事については、地元需要意見が十分に取入れられておらない。新電力会社首脳者電源開発について真に力量のあるものを希望するということでありました。特に開発について地元ととして長門狭、小野田火力発電所Aクラス引上げの強い要望がございました。  宇部興産では、制限中の制限された電力量硫安関係において八十九万四千九百五十キロワツト・アワーセメント関係で二十八万五千六百キロワツト・アワー、それぞれの減産硫安の一千三百二十七トン、セメント四千十トンとなつておる。同社のごとく総合経営を行つておる工場に対する割当につきましては、会社内でプールして有効適切に使用できるようされたいとの陳情もございました。  徳山におきましては、東洋曹達徳山鉄板日立製作所笠戸工場東洋銅板順序で各工場視察を行い、その後座談会を開いて各工場においてそれぞれの立場から次のごとき説明を聴取いたしました。その主な点は日立製作所笠戸工場からは、制限による損害は約一千万円程度であつたが、週毎制限は実際面において計画が立たないので制限方式を改められたい。又割当についても特需の関係の受注があつた場合には、月平均六十万キロワツト・アワー使用量を三十万キロワツト・アワーもオーバーするという状態なので、割当に際しては特殊事情も、十分に考慮し、地方支局調整保留を置いて操作してもらいたいとの発言がございましたし、日本石油下松工場からは、今回の制限については原料関係等もあつて直接生産影響はなかつたけれども、石油工場特殊性を考えて急激な制限は避けてもらいたい。割当については、生産設備の拡充による新設備については割当増加を考慮せられたいとの意見開陳がございましたし、その他徳山鉄板東洋鋼板からも、それぞれ日立製作所笠戸工場と同様の発言がございました。  次いで岩国に参り、新光レーヨン大竹工場山陽パルプ岩国工場帝人岩国工場視察後、東洋紡績君国工場日本紙業も含めて座談会を行いました。新光レーヨン山陽パルプからはそれぞれ同様趣旨発言がありいずれも制限影響はなかつたが、中国地方には電源が僅少だから電源開発を優先的に行い、豊富な電力を使用できるように考慮せられたいとのことであり、又帝人岩国工場からは、委託発電については国家的補償を講じ、自家発電を持つているがために割当について差別を受けることは不合理であるから割当方式を改めてもらいたいとの要望がございました。最後に、東洋紡績岩国工場からは、三千キロワツト・アワー以下の割当について前年の実績で抑えられているため生産上昇にマツチしないから、生産上昇に伴い割当増加について考慮せられたいとの熱心な希望が述べられました。この岩国における座談会最後として九州中国班視察終つた次第でございます。  最後報告を終るに当りまして、以上の報告の中に含まれております諸問題については、報告の聞きつぱなしでなく、当委員会なり公益事業委員会等において問題を取上げて解決に努力せられますことを強く要望して報告といたします。
  6. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次に第三班の御報告を願います。石原幹市郎君。
  7. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 では次に第三班の御報告をいたします。  第三班は私と三輪委員であつたのでありますが、境野委員が特別に参加されまして三月七日から数日間に亘りまして香川県、高知県、愛媛県の電力問題を調査したのであります。調査の重点といたしましては当面問題となつておりまする次の二つの問題としたのであります。即ち第一は五月一日より発足いたしまする四国電力会社の本店所在地につきまして、高松市、松山市との間に激烈なる抗争がされておるのであります。この問題を一つ、それから次は住友共同電力の発電施設復元要望に関する問題、この二つを主といたしまして調査をいたしたのであります。第の本店所在地問題でありますが、現在四国配電の本社は松山市にあります。それから日発四国支店は新居浜市、これは御承知と思いますが、松山と高松の中間でありまして、ここにあるのであります。愛媛県の配電会社系統は松山市に本店を置くことを強力に主張しております。香川県、高知県、徳島県は全面的に高松を主張しております。又日発系統は大体高松市説を主張しておるのであります。それで公益事業委員会の先般発表されました指令案によりまするというと、御承知の通り「本店所在地については差当り松山市として発足することとしたが、将来の諸般の状況を検討の上所要の手続を経て高松市に変更することがあるもの」とされておるのであります。その後の聴聞会において四県それぞれの立場より両説を主張して譲らないことは御承知の通りであります。四国の、電源地帯は高知、徳島に偏在しておりまして需用地帯は逆に愛媛に偏在しておるのであります。電燈において二八%、電力において六七%、平均六一%が愛媛県に集中しておるのであります。そういう関係からいたしまして、大口消費者、一般需用家側の立場から松山説を強力に主張しております。他の三県は交通上、四国の一般の地勢交通の上から、又電源開発帰属しておりまするものが高知、徳島等の関係から将来の電源開発の上から、又官庁関係等からいたしまして高松を主張しておるのであります。これを人口的に見まするというと、高知、徳島、香川の三県で大体六四%の人口を占めております。で先ほど申述べましたように、日発は愛媛県新居浜にあるのでありまするが、これは大体全面的に高松を主張しております。一般従業員のいわゆる電産労組員の意向を探つたのでありまするが、電産の愛媛県支部はこれは松山を主張しております。但し他の三県は高松を主張いたしております。で日発支部は大体高松でありましてこれを従業員の数字の上から見まするというと、電産関係の全従業員約七千名のうち五千名が大体高松、二千名が松山という色分けになつております。併しここで注意をしなければならんと思いますることは、松山以外の従業賀はいずれに決定するにいたしましても、別に直ちに住宅を移転するということを要しないものでありまするが、松山に居住しておりまする松山関係者は、結論の如何によりましては直ちに住居の移転もせねばならぬ、或いは移転に伴いまして家庭の事情等から退職するものもあるのじやないか、こういういろいろの複雑なる事情がありまして、その主張には深刻なるものがあつたのであります。  更に日発並びにこの三県側が極力松山に反対しておりますその理由を追究いたして見まするというと、現在の四国配電というものは、四国の電力が統合されました前の伊予鉄道という鉄道電力供給事業をやつてつた会社があるのでありまするが、この関係者がその首脳部を占めておりまして、いわゆる伊予鉄閥というものが非常に厳乎として根を張つておるのであります。これに対して猛烈なる反感があるのでありまして、新会社発足の際に新鮮明朗なる空気の下にこの新らしい電力会社を出発させたいという希望が強いようであつたのであります。  そこで問題の焦点は、結局移転に関する受入態勢の問題或いは移転に伴つてどれだけの費用が要るか、費用問題等が今後のやはり千点になるのじやないかと思うのであります。前記公益事業委員会の裁定案も、理想としては高松であるが、果して会社の新発足に当りまして高松の受入態勢が間に合うかどうかという問題であるのであります。松山側は高松に移転をしますれば四億一千五百万円余の金は要る、松山に本店を置くことになるならば六千万円程度であると称しておりまするが、この主張はこれは受入都市の協力等を金然考えないで、且つ本店その他についての施設等も理想案を考えた場合の問題でありまして、県や市の協力があり、又一応間に合せるという程度でありましたならば、本店を仮に高松に置くにいたしましても、その費用は数千万円、五、六千万円程度ではないかと我々も感じられたのであります。  なお高松側の説明を求めましたのに、本社の社屋並びに社宅については大体の用意をしておるようであります。但し真の交渉相手は新らしく発足する電力会社になりまするので、まだ真の交渉相手が生れていない、それから又高松になるか、松山になるか、いずれにきまるかわからないのに、完備した準備を今からして置くわけにも行かないというような事情もあるのでありまして、十分なる受入態勢はできていないように思います。併しこの点は先ほど申上げましたような理由から、これは相当宥恕すべき点があると思うのであります。でどちららかの方針が決定しましたならば、仮に高松と決定しましたならば、香川県、高松市は協力いたしまして全力を、挙げて万全の準備を行うものであるということは、香川県並びに高松市当局の熱烈なる意向から見て十分察知せられたのであります。又高知県におきましても高松に本店がきまる場合には、いろいろな援助、場合によりましては財政的援助も惜しまんということを県の首脳部は述べておつたのであります。  以上要するに関係県それぞれ総政治力を挙げまして主張しておる問題なのでありまして、ここで我々委員会として軽々に判断を下すことはできないのでありまするが、公益事業委員会声明のごとく、理想として高松説は一応何人も考えるところでありまして、これが私は常識であると思うのであります。但し松山は現に四国配電本社の所在地であり、従業員も多数在住することであり、現状を尊重するということからは、又面松山市説も理由のあるところであろうと思うのであります。でいずれに決定するにせよ、我々は将来支店の権限を強化いたしまして、一々本社に出なければ問題が解決し得ないような不利不便の状況を芟除いたしまして、且つ又現従業員が大量にまあ移動しなければならんというようなことのないように、特段の配慮をこの問題に対して加えてもらう必要があるのではないかと思うのであります。以上の概要は、我々三省の委員は先般公益事業委員会にも出頭いたしまして、松永委員、宮原委員、伊藤委員にも我々の見て来ました状況を率直に報告しておいたのであります。このことを併せて御報告申上げておきます。  次の問題は住友共同電力復元の問題でありまするが、この問題は、すでに本委員会で一致採択されておるのでありまするが、現地事情をこの機会に見て参つたのであります。で御承知のように共同電力水力において九万三千三百キロワツト、これは四国の総水力電気の約四〇%であります。火力は五万六千キロワツト、これは四国の総火力のこれ又約四〇%でありますが、これらの電源を建設したのでありまして、それが先年の国家管理の際に水力を約七万一千三百キロワツトを強制出資された形になつておるのであります。現在の共同電力は特定供給事業者といたしまして、自家発電、それから日発よりの受電を以て主として住友系糸の事業電力供給をしているのであります。即ち日新化学、別子鉱業、四国機械、新居浜化学、帝国酸素、四国配電等に供給しておるのでありまして、四国の全消費量の約三〇%を占めております。で返還を要求しておりまする主な理由は、これはこれらの電源は、自分で開発したものである。であるからこの際返してもらいたい。それから次は出資条件といたしまして先年の国家管理の電力統合の際の出資条件として、住友共電の受ける電力量、受電力量は出資設備の全出力を下らんこと、電気料金は原価に基礎を置くこと、こういう条件を附けておるのでありまするが、これが今回の日発配電の統合による新たなる新会社の発足によりましてこの条件がどうなるかということが将来危惧される、そこでの際自分のものは自分に返してほしい、なお電力供給しておりまする対象となつておる事業は国家的にも極めて重要な産業でありましてアルミであるとか硫安であるとか、電気銅、電気ニツケル、金、銀、こういう重要産業電力供給しておるのであるから、この電力は極めて良質なものでなければならない。それには自分の管理する発電所によつて良質な電気を送りたい。こういう希望であります。  最後の理由といたしておりまする点は、住友共電が現在持つておりまする技術、資力並びに金融関係から将来新らしく電源開発して行く上におきましても、共同電力にこれらの電源を返してもらつて自分が大いに開発にも当つて行きたい、こういう理由から返還を要求しているのであります。で現在返還してくれと言つておりまするものは四万一千キロワツトでありまして、これは四国の水力の一八%に相当するものであります。それと中央幹線を含みまして五つの送電線を返してほしいとこう言つておるのであります。ところが現地についていろいろ聞いてみまするというと、反対論も極めて盛んでありまして、これらの施設が返還されますというと、四国の電力調整して行く能力を失つてしまう、結極電力需給のバランスを失うことになりはしないか、従いまして場合によりましては火力の補給が非常に殖えて来るようなことになりまして、住友系の供給を受けている事業会社は安い料金で仕事ができるかも知れないが、それ以外のものは非常に料金が高騰する虞れがある。殊に送電線まで持つて行くということになりましたならば、電力の想互融通の上に大きな支障を来たすのではないか、こういう理由から非常な反対論があつたのであります。なお返還に反対であるというのは、この住友系事業関係者以外には大体返還反対の空気が強いのであります。高知県は県といたしまして県営電気の県営の復元を主張いたしておりまするので、比較的この問題に対しましては余り触れない態度をとつておりますが、この住友共電に復元されるというと、高知県も是又従来の県営のものを復元をしてほしいということを強く主張しております。更に高知県にも返るということでありましたならば、従来伊予鉄その他の関係者からも容易ならざる又要求が出て来るのではないかと思うのであります。そこで我々の感じといたしましては、住友系の事業におきましては、電源開発の先駆をなしまして、今日のこの事業体系を築いておるのでありまするから、この歴史的事実も一応認めなければならない。又アルミであるとか或いは硫安であるとか或る電気銅、電気ニツケル等、電力を主たる原料としておりまする国家的重要産業と、良質なる電気供給しなければならないというこの問題、この問題について一つ掘下げて考えて見なければならんのではないかと思うのであります。更に又電源開発を促進して行く上におきまして、この四国電力会社にすべてを統合するのがよいか、或いはこういう重要産業供給をしておりまするこの電源については、復元を認むるのはいずれが有利か、将来電源開発上にどちらが有利かという点に重点を置いてこの問題を考えて行かなければならんと思うのであります。もう一つは、この問題につきまして現在の住友共同電力のようなこういう形のものに復元するのがいいか、はた又先ほど述べましたアルミであるとかこの電気銅であるとか、こういう重要産業の自家用として、曾つて自分が建設したその自家用として復元さしてやるのがいいかどうか、これらの諸問題を慎重に研究してこの問題に対処して行かなければならんと思うのであります。で、復元の問題はすでに当委員会におきましても採択されておるのでありまするが、私は復元問題は重要産業にとつても非常な問題であると同時に、又一般消費者にとりましても非常な大きな問題であるし、将来のこの電力行政運営の上においても非常な大きな問題である。電源開発の上から見ましても、この問題をどう処理して行つたらいいかという点から考えても重大なる問題でありまするので、今後この委員会において関係者を参考人として出頭を求めまして十分利害得失を検討いたしまして、本委員会としてこの問題に対して結論を出されるように私は要望をいたしたいのであります。以上申上げまして第三班の報告を終ります。
  8. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今第一班の古池君、第二班の吉田君、第三班の石原君から各調査報告がありました。若しこの報告に対して御質疑があれば議員諸君の御発言を願います。  御発言もないようですから調査報告はそのまま承認することといたします。   —————————————
  9. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次に請願陳情を審議したいと思います。  先ず第一に、請願第一千四百二号大淀川発電所復元に関する請願、野田俊作君紹介を議題に供します。それでは林君に請願趣旨を御説明願います。
  10. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 只今請願電気化学工業の社長から出ているものでありまして電気化学の大牟田工場のカーバイド及び石灰窒素製造のために宮崎県下にあります大淀川の第一発電所一万五千キロ、同第二発電所三万キロ、及びこれと関連する送電線の返還を要求したものであります。その理由としますところ、第に大牟田工場と大淀川発電所との建設当時よりの関係について自家用として建設され、その後国家管理によりまして強制出資された経過、次に出資後供給電力が順次減少して、当初二万四千キロの契約を持つておりましたものが、最悪の場合には九千キロまで減つたという供給面における困難を述べております。それから第二項としまして、経済的の理由をいろいろ述べてありますが、大牟田工場工場の使命といたしましては、西日本唯一の石灰窒素の工場であり、有効区需要も現在生産量の数倍に上るものがある。併しながら電力割当不足のためにその操作業非常に低下しておるので、従業員の大量整理を行なつてもなお経営困難で、昨年の八月肥料の価格統制廃止によりまして、値段が下りました結果、超過料金を拡つてこれの作業を進めるというような経済的の余裕もないという経済的の理由を述べております。それから第三点としまして、法律的の根拠を若干挙げておりますが、集排法によりまして元の所有者の立場を保護し、その意見を聞く機会を作つておるのに、一月八日の公益事業委員会の声明において新今会社の発足までは返還問題を扱わぬと述べておるが、これは決定指令上留保したものと考えなければ法的に正しくないという法律的の理由を述べております。それから第四点としまして国法の支持があることを述べておりますが、昨年の五月衆議院で採択になつておるという点を挙げております。  それから五番目としまして、返還を受けましても他の需用者に対して大きな影響がないということを述べております。その点は後ほど出て参ります陳情第百四十七号にちよつと触れておりますから、そのとき又申上げたいと思いますが、以上の理由で非常に完備した資料を整えて返還の要求をいたしておるのであります。以上であります。
  11. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御発言はありませんか。
  12. 野田俊作

    ○野田俊作君 この復元の問題は丁度今石原委員から四国の問題について取上げていろいろと御論議になつて、非常にすべて尤もに思うのでありましてこの大淀川の問題も新居浜の問題とよほど似通つた点があるのであります。けれど、この本委員会といたしましては、私はいわゆる国民の希望としての請願でありますから、御採択を一つ願いたいと思います。
  13. 吉田法晴

    吉田法晴君 これは会社の社長の名義で請願が出ておりますが、曾て同じ問題について同社の従業員、労働組合の代表からも請願が出ておつたのであります。でここに書いてありますように、九州中国で石灰窒素九万七千トン以上の需要があるにかかわらず現在三万二千トンの生産しかできておらん、その操作度の三〇%に下つておる原因、或いは二五%からの大量生産をしなければならん、それは一つにかかつて電力問題にあるわけであります。それから出資の場合に二万四千キロからの契約があつたが、現在では一万三千キロ以上減つておる、そういう点に陳情なり言い分の大半があると思うのでありますが、その点は誠に御尤もだと思うのです。なお問題は、これが九州電力事情にどういう工合に影響するかという点になつて参ると思うのでありますが、先ほど専門員からもお話がありましたように、九州各県の議会電力委員会で以て編成しております電力対策委員会等から請願がせられました中にも、公営、自家用共に電源復元を認めるという項目があるのであります。尤も発生電力については一時公益事業委員会の指示によつて運用すること、こういうのがあります。これは九州産業、国民生活の実情から言いましても、或いは九州全体の電力事情から言いましても、この復元問題について九州として許せる、或いは大淀川水系の発電所復元の問題について九州全体として異議がないという一つの証左であります。で再編成令が出ようとします昨今でありますが、衆議院における請願の採択も勿論でありますけれども、今日の事情からいたしまして、この請願が当委員会において採択される、参議院に採択せられるということは、これは妥当な実情にあると思うのでありますので、採択せられますことを私も賛成いたしたいと思います。
  14. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 私ども電力復元というものを一般的に考えまして、これら電力国家管理というときに、いわゆる戦時体制のために強行したことがあります。今回民有民営ということに復元するという一般の観念から、すべてのかような電力復元するのが当然と思う、この陳情についても又その後の経済界の状態の変化等においても事情を的確に陳情しております点から見ても、これは請願の理由が相当立つておると思いますから、これを復元することに賛成いたします。
  15. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 他に御発言ありませんか。
  16. 山田節男

    ○山田節男君 今の議題になつておる大淀川の発電所復元ですね、これは非常にこの請願があつて、例えば高知県或いは愛媛県、四国地帯、私はこの陳情の理由は十分あると思うのです。但しこうしてこの公益事業委員会というものができまして、電力編成というものに対しては公共事業令によつて公益事業委員会があの第一に示された指示によつて、本委員会としては例えばこういうような大淀川の発電所復元水力については勿論異論はないわけですけれども、ただ電化に対してこれは全国で以てこういうふうにした陳情が相当来ておる。これを全部許すことが公益事業委員会において妥当であると見るかどうか、これは今日公益事業委員会というものが、この電力の再編成については一つの意見を持つておるわけです。私たちとしては勿論こういうような請願に対してこの理由を読んで見ますと、尤もだと思うのです。ただその方法について公益事業委員会に、当委員会としてこれを如何なる方法を以て推進せしむるかということについての公益事業委員会意見を聞くことなくして、これをただ採択するだけで足りるかどうか、この点に私は一つの疑念を持つわけですが、この請願を採択する上からも、又これを実際請願趣旨を、願意を実現させるためにも、電気事業委員会の意向を確かめる必要はないのですかどうか、この点を一つ私はお伺いしたいのです。
  17. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今山田君からの御発言に関連しまして、本日公益事業委員会から技術長がお見えになる予定でしたが、お見えにならないということで、あらかじめ本日の請願陳情に対する公益事業委員会側の答弁書を取つて置きましたから、委員長から今朗読いたします。    大淀川発電所復元に対する請願に対する公益事業委員会の答弁書    旧自家用電気設備の返還について  は、当委員会としては、新会社設立、新会社と前所有者との間の話合いによつて解決を図るようにしたい。但し、当事者間の交渉のみでは話合が付かず、且つ当事者の希望がある場合には、当委員会としてもその必要を認めれば調停を行う所存である。  これが公益事業委員会側の答弁書であります。山田君が先刻秘密懇談会の席上にお見えになつていなかつたのですが、私昨日非公式に個人として公益事業委員長代理の松永氏に会見をしまして、この復元の問題についていろいろ意見の交換をいたしました際に、松永委員長代理から復元の問題は一般の消費者に非常な迷惑を及ぼす場合は、公益事業委員会としてはその復元を考えられないが、大した迷惑を及ぼさないということが明らかになれば公益事業委員会としては復元を促進したい意見を持つておる。かような委員長代理の御発言があつたのであります。これだけ委員長からお話申上げて置きます。
  18. 山田節男

    ○山田節男君 そうすると、今委員長のおつしやつた言葉は、ですね、一般電力消費者に対して迷惑をかけない限りにおいては、その半面から申せば例えばこういつた大淀川の発電所とか、或いは四国の一部の元別子の銅山のようなものはこれは消費者に迷惑をかけないということは、これはもう今までの実績を見てもこれははつきりしておることであります。のみならず産業の復興と申しますか、例えば大淀川にしてもこういうカーバイドの製造のためにはどうしても電力が必要になる。これは私はどうしても公益事業委員会としては、委員長のお話は公益事業委員会としては一般消費者に迷惑をかけない限りにおいてはこういうような復元問題について本委員会として採択することは何ら迷惑でもなし、又我々の意図し、又この陳情請願者の趣旨を徹底することについては公益事業委員会に何ら反対はないというように解していいのですか。
  19. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 委員長は昨日の会談においては、今山町君のおつしやつたように受取つて帰りました。
  20. 吉田法晴

    吉田法晴君 そこで復元についての請願を全部採択していいかどうかということになると、これは問題だと思うのであります。先ほどちよつとそういうことがございましたけれども、これはさようには参らぬかと思いますが、これを参議院の電力委員会として復元要望、それから九州における電力事情、それから復元した場合の影響等を考えて採択するかせぬかということをきめるわけですが、その点について先ほども九州からの別な御請願の中にもありました九州の御意見というものも加えて公益事業委員会の意向なり、そも加えて私どもは復元問題についてはそれらのことを考え合せて採択して然るべきじやないかとこういう意見を申上げる次第であります。
  21. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 他に御発言ございませんか。
  22. 林誠一

    ○専門委員(林誠一君) 今御心配の点がちよつとこの配布されてあります資料の中の十三頁を見て頂くと、やや特殊性があると思いますから、十三頁の五行目ほどから暫くお読み願いたいのですが、現に石灰窒素より原単位の高い電解硫安工業が日本窒素、旭化成のごとく自家用発電所の所有を認められておることにより隆々たる経営を続けられ更に新規開発までなしている、この旭化成と日本窒素はいずれも九州の例です。当社と右両社とを比較するに実質的に電源を自家用として確保したことには何ら変りなく、ただ電力管理法の適用が異つただけで、今日全く対象的な結果となり当社は正に死命を制ぜられている」その次の二行目に「当時の電気行政の責任であるから今日これが修正復元要望する」という強い現し方をしておりますし、この辺で取扱の方面でも当時は問題があつたのじやないかという感じもいたします。
  23. 西田隆男

    委員長西田隆男君) いろいろ御意見があつたようですが、大体においてこの請願を採託するのに御異議がないように考えますが、採託して御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議なしと認めます。では採託することに決定いたしました。  その次の請願第八百二十二号、電気事業の再編成に関する請願吉田法晴君紹介ですが、これは今日の公報に載せてあつたはずでありましたけれども、公報に脱落いたしておりましたから、この請願を本日議題とすることに先ず御賛成をお願いしてこの問題を検討いたしたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 吉田法晴

    吉田法晴君 手許に実は請願書がないのでありますが、請願書の内容は、いわゆる九州電力編成問題についての三原則というものを中心にいたしているのであります。第一は電気料金地域差現状以上に縮小すること。実際には現地調査に参りましても、現状以上の拡大が憂慮せられているわけであります。再編成に伴いまして、一般的に電気料金が上るということ、これが大体概括的な方向だと思うのでありますが、    〔委員長退席、石坂豊一君委員長席に着く〕  その際現在以上の地域差九州に来たさないようにしてもらいたい。むしろ縮小してもらいたいということが第一点。それから本土よりの受電を確保すること。現在五万キロワツト・アワーの送電幹線でございますが、その点が再編成に当つて殆んど考慮されておらんと申してよいのであります。本土よりの受電を確保することが第二点。それから電源開発とその資金の調達を円滑ならしむること。これは調査報告書の中にもございましたが、火主水従九州、そしてそのことは今後の再編成に伴つて電気料金地域差を更に拡大せしむる心配がございますので、電源開発について特に重点的に資金の調達を考えてもらいたい、こういうのが九州の三原則であります。なおそれに附加せられまして、或いは九州電力事情として石炭鉱業、特に保安電力に大半をとられるとか、或いは化学工業、いわゆる鉄鋼業を含みます重化学工業九州の大きな産業でありますので、この九州の基幹産業生産コスト電力というものが密接不可分な関係にございますので、それらの点を十分一つ今後の再編成において解決をしてもらいたい。これが以上請願趣旨でございます。  なおこの三原則の中にあります具体的、それからサイクルの統一問題等につきましては先ほど御報告をいたしましたから省略をいたします。  ちよつと附加えますが、今のはこれには請願書の目録の中に八幡市長と書いてございますけれども、これは福岡県の十一市の市長の代表として八幡市長の名前が出ておるのであります。言い換えますと、福岡県の全市、それからこの三原則については県は勿論のこと九州全体の要望でございますので、その点を附加えて置きます。
  26. 石坂豊一

    委員長代理(石坂豊一君) それではこれに対する委員会の御意見を……。
  27. 林誠一

    ○専門委員(林誠一君) この種類の請願は、二月二十二日、この前の委員会でたしか採択になつておると思いますから、そのおつもりで……。  四百二十三、六百四と同じだと思います。
  28. 吉田法晴

    吉田法晴君 今お話になりましたように、次の百四十七号、電気事業の再編成に関する件というのも、三原則の点は同じであります。ただあと少し内訳が細かくなつておる点、例えばさつきの大淀川などの問題、或いは公営電力復元等についても含まつておるのですが、三原則だけは同じであります。
  29. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 電気料金地域差をどういう程度にするかということにつきましては、委員会といたしましても目下検討中なんでございますが、豊富低廉な電力供給を目途とするところの再編成趣旨に鑑みまして、各種産業及び国民生活に重大な影響を与えないように、地域差は現在以上に拡大しないように努めたいと考えております。電力地帯間融通につきましては、各地帯間の電力需給状況ができるだけ均等になるように定めたい方針でございまして、その場合の融通料金につきましては、水火力調整金と共に目下検討中でございます。  それから電源開発につきましても、九州地区は重点的に計画されておるのでございまして、現在水力では上椎葉以下二地点、火力では港第二以下一地点の工事の促進を図つておるのであります。更に二十六年度計画といたしましては目下再編成計画書中の電力施設計画に基きまして、委員会としても検討しておるのでありまするが、同計画によりますると、九州地区水力五ヵ地点と、火力三ヵ地点とを含んでおるのでありまして、これが実現は主として資金確保の問題にあり、委員会としましてはこの点の解決にも努力をする所存でございます。電気事業は公益事業として国民生活と密接な関連を持つておりまするし、その運営如何は重大な影響がございますので、事業の許可、料金の認可等重要な処分を行う場合にはすべて聴聞を行なつて国民の世論を聞き、そうして決定するというふうになつておりまするので、弊害の極力出ないように努力するつもりでございます。
  30. 加賀操

    ○加賀操君 願意妥当と考えられますので、御採択を願いたいと存じます。    〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
  31. 石坂豊一

    委員長代理(石坂豊一君) 本件採択に別に御意見ございませんか。……それでは採択することに決定いたしました。  それから次は陳情第百四十七号、電気事業の再編成に関する陳情、福岡県庁内九州各県議会電気委員長会議内三苫欽英君ほか十名提出、本件について専門員から説明いたします。
  32. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 只今吉田さんの御説明になりましたものと大筋は同じようでございますが、ちよつと詳しくなつておりますから、特別な点だけ申上げますが、地域差、これは当面現在の地域差以下に低減せしめられたいということ、それから大分これは詳しくなつておりまして地域差関係では第二点に少し新らしい問題を入れておりますが、水力賦課金のみならず、これが徴収方法並びに火力補給金の金額及び交付方法について補償的措置を講ずること、この点が新らしい問題であると思いますが、それから農事用の電力を豊富低廉に供給すること、工事負担金を軽減すること、そういう項目が入れてあります。それから電力の確保の面は地帯間の融通、それから西日本送電幹線の早急完成、その点は同じですが、ここに自家用火力の運転に対しても補償的措置を講ずることという希望が出ております。この点は現在おやりになつていないと思います。それから電源開発の促進、この点では九州を最優先的にやつてくれ、それと電源開発助成法の制定、電源開発金庫等の設置により、資金の確保、開発コスト調整を図ること、その次は開発関係で非常に詳しい注文をされておられるのですが、上椎葉、渡川、宮城県です。大野川、大分県です。矢部川、球磨川、嘉瀬川、川内川、佐須川などの国土総合開発計画の一環として電源開発を特別措置により早急に具体化、又は完成すること、それから公営の復元、ここで先ほど申上げた自家発の返還を認めるが、発生電力需給関係が安定するまで公益事業委員会の指示により運用すること。次に離島及び僻地の電源増強及び開発を促進すること、これは九州では離島が随分多うございまして、これが石油発動機かなんかで発電していて非常に困つておりますが、その点を触れておるのです。それから最後電気事業の公益性尊重ということで、公益事業委員会としては、強力な権限を行使し得ることにして、一方運用の面で民主化するため対策を講ぜよ。新会社設立に当つて経営事業を刷新強化すると共にブロツク別電気事業民主化委員会を設ける。それから再編成の過程において混乱を来さないようにしてもらいたい。それから第四として送電損失及び擅用電力の減少を図つて公益の福祉を増進してもらいたいという非常に詳しいものになつております。で、ちよつと順序が逆になりましたが、出されましたのは九州各県議会電気委員長会議で、各県の電気委員長が名前を並べておられます。
  33. 石坂豊一

    委員長代理(石坂豊一君) 公益事業委員会の何か御意見がありましたら……。
  34. 吉田法晴

    吉田法晴君 委員会意見を承わるために私から御質問を申上げたいと思うのでありますが、先ほど九州、これはまあ福岡だけしか言つてなかつたのですが、九州中国の当委員会調査班の報告をいたしましたのですが、そこの陳情の中に出ておりますような電源開発について助成法なり、陳情によると金庫という言葉がございますが、この助成法の問題については水力電源の少い、或いは現在発電所の少い中国からも出ておつた意見であります。そこでその電源開発について特別の助成法なり金庫なりを考える御意見ございますかどうか、その点承わりたい、これが一つ。  それから九州において自家発電所があるにかかわらずこれがフルに動いておらん、それから中国でもそうでしたのですが、発電所を動かすというと、或いは整備して自家発能力を挙げるというとそれだけ割当が減らされる、これは自家発電の整備について大きなブレーキになると思うのです。そこでこの自家発の整備、それから拡充について今後割当問題についてどういう工合に委員会として考えられるか、その点が第二。  それからもう一つ、これは第一班の報告の中にもありましたが、この制限について一律制限でなく、地方別に自主的にその地方制限する必要がなければほかのところが制限をしても、制限の率を変えてもらいたいという意見が出ておりましたが、これらの点について意見を承わつておけば結構だと思います。
  35. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 第二番目の自家発をできるだけ活用したらどうかという点につきましては、委員会としてもその問題について実は今真剣に取組んで研究中でございます。現在でも二十五年度の実績に徴しましても、相当程度自家発の御援助を得ることによつて電力生産量を殖やしております。なおまだもう一つ含まらなくちやならん問題があるので、そこにはやはり経済上の関係の問題もございますので、電気事業としましてもいろいろと考えなければならない問題もございます。今これにつきましては、安定本部とも相談をいたしまして、二十六年度において自家用の火力発電所が十分に動いてそれによつて電力生産が殖えるという面についてのどういう施策をすることがいいかということを目下研究中でございます。  それから地方別に今後自主的な制限をやるべきじやないかという御発言がございましたが、新会社になりますれば、自然その新会社の地域における生産力、供給力と需要との関係で第一次的には当然そうしたふうに若干の制限状態というものが必ずしも一律にいかないようになると思う。例えば九州の方は水が多いときには九州制限がなくてほかの地域に制限が多いということもあり得るということも考えられると思います。併しこれは同時に、一面それを野放しにそういう形にするということも、いろいろと他の面にまずい面も起るということも考えられますので、やはり委員会としましても、その程度が余りひどくなつて他の民生安定上、或いは産業政策上に調整を要するというように考えられるような段階になりますれば、委員会の規則に基きまして適宜これを調整する方向に乗り出さざるを得ない場合がある、こういうことも考えております。なお電気事業者の間におきましても、九つの会社の相互の間のそうした融通の円滑を図るということが十分に行われないと、片方で電気を余して棄てて、片方では石炭を焚いているというような不自然も起りますので、そういうことも国民経済上最高度に融通し合つて使うという目途の下に、中央に各社の給電業務を調整する機関を持とうとして今その方法等について研究中でございます。こうしたものが相寄り相助けて只今申しましたような面の地帯間の調整面には相当役立つのではないかと考えております。
  36. 吉田法晴

    吉田法晴君 それからもう一つ、電源開発の助成法、或いは金庫を作るといつた問題は……。
  37. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 只今委員会としましては、電源開発助成法というものを作つてもらうというそういうところまで考えは至つておりません。が、電気事業設備拡充の資金の獲得ということが円滑に行かなければ、この電力需給の不均衡はいつまでも直らないのでありましていろいろ考えました一つの方法としまして、只今の御提案のような考え方も我々としては研究しなくちやならない一つの題目であると考えております。目下のところでは先ず第一には見返資金の枠を拡げてもらう、或いは補正予算の場合にそれを更に調節してもらう、それから何らかの形で長期資金を政府から出してもらうということを考えております。同時に自己調弁の方途もいろいろな方途によつて確立して行かなければならないというふうに考えております。それらのいろいろな今の努力の上にあつて御提案のような方途も考えなくちやならない場合が起るのじやないか、実は若干私どもの間の話合いの中にも話題としてはそういうことも実は申合つてはいるわけであります。
  38. 吉田法晴

    吉田法晴君  一般的な方向は電源開発についてもそういうことでいいのですが、九州或いは中国その他につきましても、開発の場合に建設資金の単価が違う、こういう点で特に九州のような高い場合にはそれを十分考慮に入れてもらわなければ、結局一般的に考慮いたしますということになりますると、その点を考慮してもらいたいというのが不利な地方の、九州だけじやなくて特に要望だと思います。その点を一つ考慮願いたいと思います。それから自家発の問題につきまして、一般的な問題としては考えられておると思うのですが、九州のように自家発、これは八幡製鉄所のような、或いはクロセ化成のような工場の中に自家発を持つておる問題についてこれは割当問題、整理をすれば整理するだけ割当が少くなる。そういうことでは整備の意欲はなくなる。そこでその点については割当を考慮して下さい、考慮しなければならんということになりますが、そうでなくて遊休の自家発の問題がございます。これは九州の場合に全体の電力供給力を殖やす意味において相当大きな問題だと思います。実情はピーク時に断続的にときどきやつてあと半月もほつたらかしになつておる。こういう実情では高くなるので、それで継続的に、これは需要によりましようけれども軽々に発電をするようになります、動員をするようになりますと、コストも安くなる。それから九州なら九州全体の電力も殖えるということだから、その点について継続的に動員の方法を考慮してもらいたいというのが現地の強い要望であります。これは採算を超えた技術的な良心的な意見だと思うのであります。その点を一つ考慮して頂きたいと思います。なお又その陳情の中にありますようなこの火力調整問題等についても自家発を含めて考えてもらいたいというのが、陳情趣旨であると思います。  それから、これは今触れませんでしたが、サイクル統一問題というのが九州の大きな問題に現在なつておる。先ほど報告の中に入れたのですが、第一次は標準電力量割当ということで何とかやつて来られたけれども、今後はそういうことでも困難であろう、そこで全国的な割当の中から今までとつてつたのに、九州なら九州だけということになりますと、今まで約束されておる割当というものもどれだけ行くかわからん、或いは今後のことについてはなお更だ。そうしますと八幡製鉄所だけでも三十億、或いは全体としますと、百億からのサイクルの変更をどうしてやるかということが非常に大きな問題であります。ただ整理しつ放しでうまく行くというわけには参りませんので、或いはその所要資金の国家的な斡旋というか、そういう具体的な対策を立てなければ進まないと思うのです。その点について夢を願い一つ案を立ててもらいたいと思います。御意見を承わることができれば結構と思います。
  39. 石坂豊一

    委員長代理(石坂豊一君) 公益事業委員会の御意見を。
  40. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 只今の特定の地帯の、今後開発する地点の不備であるために割高についたものは何とか補助とかいろいろな方法で均等化してほしいというお話がございましたが、この点につきましては、ちよつとそういうふうに動いて行くというのが基本方針であると私どもは考えております。当然全国的に見て最も安い地点、最も有利な地点から順次開発せらるべきものでありますが、やはりそれぞれの地方の持つておる有利な地点を、地方ごとにおいて開発させる。  それば若干は高い安いはありますが新会社がそれぞれ自主的な経営をして行く方向に行かせよう、経営の自主性というものを建前として今後指導して行こうと、かように考えておりまするので今は形を手放しにやるという考えをしますのではなかなかちよつとそれぞれ狂つて来るのです。例えば本州地方に仮に非常に安い地点があつてそれを安く開発したけれども、他の高い地域の補助の金を出さなければならんということを、今後将来の開発については原則的に立てられて行くということは委員会としては考えておりません。ただ現在のすでにある設備の上に立つて全国的な視野で従来料金にしても電力の量にしても調節して来ております現状というものはこれは不用意に壊すということはそれはそれぞれの地方産業影響を与えますので、現在への影響というものが恐いのですから慎重に考えてそういう地域間の料金に差ががさつと現われて来る、或いは量に非常に不均衡があるということはないように調整いたしたいと考えております。今後は原則的なそれぞれの新会社の責任において、それぞれの地域の電力の拡充をできるだけ経済的にやつてそうしてその地方需用家の期待に副うように努力するということであつてやはり地方的な地点の有利、不利とか或いはいろいろな事情によつて若干の原価の差が出ることは自然やはり今後の料金の面には影響があるのじやないか。これは考えざるを得ないのですが、ただこういうことは言えると思う。まあ総原価の平均単価ではそういう差が出ましても自然そうした条件を今後の工場誘致、工場の立地条件の選択の場合は、それぞれの産業家は、例えば特殊の非常に安い料金でなければ引合わないような企業は安い料金で豊富に電力のとれる地帯に工場を誘致しまして、そうでなくて若干のところは割高であつても他のいろいろな立地条件において期待される、九州の例でありますれば、石炭が非常に基地に近くて安い、その他のいろいろな原料によつて有利だというようなそうしたそれぞれの立地条件とバランスして引合うと思う産業は当然九州に起ると思います。そういう点で自然調節されるのじやないか。言い換えれば一律に全国を均等料金でやつてつた最近の十数年間電力行政のままで行つた場合と、今後のそういうふうなそれぞれの地帯の自主的経営に任して企業努力に持つという行き方をした場合とでは、今後の産業地帯はそれぞれの地域における発展と申しますか、伸びて行く工合は当然そういう立地条件の変更に伴つての変化があるものと考えなければならない、そういう気持はいたしております。
  41. 吉田法晴

    吉田法晴君 そのあとのサイクル統一の問題について統一内容の方法について考えられるかどうか。それから自家発の問題についての継続的動員の方が電力供給或いは九州全体からしてその方がいいのじやないかというような点についてどう考えておりますか。
  42. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) サイクル統一の問題はこれは戦前からいろいろと検討せられまして、特に九州にいち早くサイクルの統一の方向への足が踏み出されておつて現に或る程度進んでおるのでありまするが、じや今後それをどのくらいの期間にやつて行くかとかそういうふうな点につきましては、何しろ終戦後の最近のこういう情勢下でありまするので、相当慎重に考慮していろいろな利害得失を検討した上でないと、不用意にいつまでもやるというようなことはちよつときめられない問題じやないかと考えております。  それから自家発の動員、確かに火力発電所と申しますのは、欲しいときに何時間焚いてあと休ませるという場合は、当然従業員の賃金にしましてもその他のものがキロワツト・アワー割高になつて来るということはわかり切つた問題で、成るべく一つの発電所としましては長い時間ベースに発電するという形をとつたほうが単価は安い、これはわかり切つた自明の理なんでありますが、ここで考えなくちやならん面が、多少技術的な説明になつて御迷惑かと思いますが、二つやはりあるのじやないかと思います。一つは仮に九州だけについて見ましても、発電所の能率と同じ条件で焚いた場合に一キロワツト・アワーを出すのに使う石炭消費量には〇・五キログラムまでで済むものがあれば二キログラム三キログラムかかるものもある。そういう意味において同じ条件で焚く場合に、先ず最も条件の、能率のいいやつを長時間焚く部分に充てるわけです。大体これが電気経済の一番効果的な方法とされておるのです。従いまして自家用火力と申しましてもいろいろと性能に差等がございますので、やはり総合的に同じ条件の下において焚く場合に、最も能率のいいものから先に動員して行くという形をとりまするので、能率の悪い割高の発電所というものは一番短時間の運転の部分の絶対量が足りない、それがピークが足りないという部分にしか使われないようになるというのがこれは電気経営の内部においても一つの常識とされております。従いまして自家用火力の動員をするのはどれもこれも一年中、焚くというふうには必ずしも行かないのじやないかと思うのです。  それからもう一つは、季節的に非常に水の多いときとそれから少いときとございますが、水の多い季節においては動員される火力はやはり最も能率のいい発電所が先ず使われて、能率の非常に悪い発電所は、むしろ余力として休止しておく形になる。それも動員しなければならない場合は問題は別ですが、全体としての需給というのは冬場において一番苦しいときは、一番能率の悪い火力発電所も焚かざるを得ない段階にまでなりまするけれども、自然水の出方によつて能率の悪い発電所は動員の期間それから量というような程度がやはり差が出るわけであります。従いまして自家用の火力というものがそうした供給力の面として期待される場合においても、それぞれの能率のよしあしというようなものとそれから水の出工合によつて、その期間時期的にもそれから毎日の時間数においても成る程度の差が出る。そうやつて一番経済的な方法を現在選んでおるわけであります。ただ全体を通じましてできるだけ自家用火力発電所が動けばそれだけ電気が出るのでありますから、その点についての経済上の問題をどう解決するかということを併せ考えることによつて、能率的な電気供給の方途を早くきめたいので、目下研究中であるということを申上げておきたいのであります。
  43. 吉田法晴

    吉田法晴君 まだすまんですけれども、外にもまだお待ちですから質問を後に留保して、先に一つ進んで頂きたいと思います。
  44. 石坂豊一

    委員長代理(石坂豊一君) 本件は採択して御異議ございませんか……。それでは採択いたします。  次に陳情の二百四十二、これをやつて下さい。
  45. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) じや申上げます。二百四十二番目はお出しになつた方が熊本県議会の議長の大久保さんというだけで、内容的には只今の百四十七と殆んど同じでありますから、御同様にお考え願いたいと思います。
  46. 石坂豊一

    委員長代理(石坂豊一君) では本件も一つ採択いたしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 石坂豊一

    委員長代理(石坂豊君) それでは採択と決定します。  次に陳情の二百七十八号、宮城県会議長の提出であります。
  48. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) この陳情は宮城県の県会の議長の今野さんからお出しになつたものでありまして、電気事業の再編成は宮城県及び広く見まして東北地方産業振興に重大な影響があるから次の事項の実現を要望するというので五件挙げております。第一番には只見川の筋の田子倉、奥只見の開発は東北に主導権を与えられたい。それから戸の口系の三発電所及び安積疎水系の二発電所開発の歴史、送電系統及び利水の面から東北に帰属されたい。それから二番目に、送電線の関係で、長瀬川線及び秋元支線を東北へ帰属されたい。三番目としましてはこれは電力割当のことですが、秋元仙台間の送電線完成後の状態を考えて、電力割当については過去の実績にとらわれず公平なる地方配分をされたい、こういう趣旨であります。これは昨年暮でしたか、秋元、福島県の秋元から仙台に行きます送電線ができまして北の方に送る送電の余力が出たわけです。送電余力のない時分の地区間の割当と同じような考えでやつてもらつては非常に困るから、新たなる情勢を考えて配分をして貰いたいという趣旨であります。それから第四点としまして、これは又外の地区から御異議が出るかと思いますが、水火力調整金は適用期間をできるだけ短縮し、水力賦課金もできるだけ低率にしてもらいたい、これはまあ火力地帯として当然の意見であります。それから第五番目としまして、日発株の処置に当つては、県の所有する日発株に対しては、出資設備の所属する新会社の株式を以て交付されたい。それだけのことを要求して来ております。
  49. 石坂豊一

    委員長代理(石坂豊一君) 如何でしようか、御意見のあるかたは一つ、これはないですか……本件、只今陳情趣旨ですが、採択して御異議ありませんか。
  50. 尾山三郎

    ○尾山三郎君 私はこの現場がよくわかりませんからどう判断していいかわかりませんが、まあいろいろ陳情請願が出ておりますが、これだけ否決するというわけにも行きますまいね。まあ一つ採択して。
  51. 林誠一

    ○専門委員(林誠一君) ちよつと申上げますが、たしか一番は今度の指令案で、こういう只見川筋の開発の主導権はたしか指令案でこの申出のようになつているかと思いますが、戸ノ口糸の三発電所及び安積疏水系の三発電所帰属換えしてもらいたいというのは再編成令の別表を変更することになります。  それから同上様に二番の長瀬川線秋元支線の配属替えこれも再編成令の変更になる。それから四番目の水力調整金ですね、できるだけ短期間にやめてもらいたいというのは水力地帯はこの御意見でしようが、大分ほかの地区の御意見もありはしないかという状態であります。如何いたしますか。
  52. 尾山三郎

    ○尾山三郎君 今説明を聞いてよくわかりました。そうすると第一の項目だけはこれはまあ差支ないと思います。これは一つどうでしようか、保留するということに。
  53. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) むずかしいところですね。
  54. 山田節男

    ○山田節男君 公益事業委員会としてどうですか、公益事業委員会として実際可能性のないものを採択してもしようがない。
  55. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 委員会の答弁書を読んでみましよう。「電波及び送電設備帰属については電気事業編成令別表第三に規定せられているところであり、ただ同表前書の規定により新会社設立後、当該会社間で委員会の認可を受けて協定するか、或いは新会社設立後四ケ月以降に於て当委員会が公共の利益を図るため命令したときに変更されることになつている。  電力地帯間融通については、各地帯間の電力需給状況が出来るだけ均等になるよう定めるだけである。  電気料金地域差を如何なる程度にするかについては、目下検討中であるが各種産業及び国民生活に重大な影響を与えないよう地域差は現存程度にとどめたいと考えており、この為の地域差調整金の具体的検討も進められている。  再編成に伴つて自発株主は九種以内の新会社株式を交付されること」なつて配電に比し幾分の不利益を蒙ることも考えられるため、特別配当金として十円を交付することとしたのであるが、将来更に端株の処理等につき何等かの処理を講じたいと考えている。かようなことを……はつきりしませんが。
  56. 石坂豊一

    委員長代理(石坂豊一君) 如何でしよう、やはり送付しておいたら。
  57. 山田節男

    ○山田節男君 賛成します。
  58. 石坂豊一

    委員長代理(石坂豊一君) では採択します。  そのあと請願の第一千二百十七号国立療養所電力割当増加等に関する請願。    〔委員長代理 石坂豊一君退席、委員長着席〕
  59. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) それでは簡単に御説明いたします。この請願は兵庫県の有馬にあります国立療養所春霞園というところの多分入院患者だと思いますが、五百三十名ばかりの署名で出しております。この療養所の十二月一月二月の実績によれば、医療照明用割当は六二%、揚水用電力においては五八%に過ぎない。これは割当のことを言つております。その不足火力料金を徴収されておるが予算の関係から一部が患者の自費負担となつている。これが三六%自費負担になつておりますそうです。社会保険又は生活保護法による入院患者に対しては負担に堪えないから電力予算の増額と電力割当増加とを請願するという趣旨であります。  御参考までに申上げますと、こういう趣旨請願は前言の委員会で六百三十二と六百三十八号が採択をされております。
  60. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今議題となつております請願について公益事業委員会のほうから何か。
  61. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 電気割当制は原則といたしまして業種による差別というふうな形をとつておらないのでございまして、大体割当をすべき各月に対応するこの基準月の当初割当と、それから基準月における使用電力量そういうふうなものに、夏は九五%、冬は冬期の方は八〇%を乗じたそのどつちか大きい方の数字を大体割当数字として扱うという、非常に機械的な操作でこの割当量がきまるというような形になつておりますので、業種によつてこれは標準料金の方をうんとたくさん付ける、これは少く付けるということは現在の規則ではなつておらないのであります。ただ実際のそういう規則の範囲から逸脱した場合においても運用面ではできるだけのことは考えたいとは思つております。そういうふうの手配はやつておる、こういう実情であります。
  62. 古池信三

    ○古池信三君 現在の割当制度の具体的な、やり方につきましては相当異論もあるようでありますから、必ずしも機械的にやることがいいとばかりはきまつていないと思うのです。でやはり相当今の割当規則に対して検討をお加えになつて、具体的に当てはめた場合に大体その常識からいつて納得のできるようなふうに持つて行かれた方がいいのじやないかと思うのです。この本件については前にもかような請願が受理されておると記憶しておりますが、同様な場合でありますから請願は受理することにいたしたいと、賛成意見を申上げます。
  63. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 他に御発言ございませんか。それでは請願第一千二百十七号、国立療養所電力割当増加等に関する請願は採択することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議ないと認めます。採択することに決定いたしました。  次は請願第一千十二号電気工事法制定に関する請願  新谷寅三郎君紹介でございます。林君御説明を願います。
  65. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 只今請願は新潟県の南魚沼郡の六日町の町長ほか十六名から出しております。でちよつと本文の説明前に申上げておいた方がよいかと思いますか、この南魚沼郡はかなりやはり地方的に雷害がひどいところです。特にその経験からお出しになつたのじやないかと思われます。内容は現在電灯線引込口に何らの避雷設備がないために落雷時には外線から屋内電灯線に伝わり、感電即死又は気絶者を出しているのが危険であるから電燈引込合に必ず避雷装置をするよう電気工事法を制定してもらいたいという請願でございます。なお附属書類として研究所の調査報告のようなものが出ておりますが、それによりましても栃木県、群馬県、新潟県等で特に雷害の多い所があるようであります。
  66. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今請願に対して公益事業委員会の御見解を述べて……。
  67. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) これは施設部なんです。
  68. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは只今請願について資源庁の電気施設部の回答書を読んでみます。「電気工作規程には高圧電路に結合される低圧電路は保安土、変圧器の中性点又はその一端を接地しなければならないことになつていて、第三十一条高圧配電線の落雷その他高低圧配電線が混触した場合に低圧配電線に異常電圧の加わるのを防いでいる。低圧配電線に落雷があつた場合に家屋の中まで雷が侵入して感電や火災を生ずることも考えられ、事実そうした例も往々あるようである。引込口に適当な避雷装置を設置すれば成る程度このような事故を防ぐことができると思われる。併しこれを実効あらしめるためには地線工事その他に相当多額の経費を要し、又落雷は地域的に回数、程度等相当異るので、一般的にこれが設置を取締法規によつて強制することについては、なお愼重に検討する必要がある。併し特に雷害の多い地域の需要家が自発的に適当な避雷装置を設備することは望ましいので、当局は関係者と打合せ、性能等も十分調査の上、これが実施を推進したいと考えている。」かように答弁されております。御発言がありましたら。
  69. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 ちよつと請願の要旨がわからないですが、法案を作つてくれというのですか。
  70. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) ちよつと申上げますが、引込線がありますね。あすこに電気を切離す装置はあるのですけれども、あすこへ雷が入つて来た場合に喉首でとめて家の中の配線に伝わらないようにという設備はないわけです。この請願舌に詳しく申上げますといろいろ書いてあるのですが、電話の方は保安器具というのはついております、家に入つたときに雷除けがついておる。
  71. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 施設をしてくれというのですか、そういう意味の法律をこしらえてくれというのですか。
  72. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 取締法規を作つてくれ、資源庁の方ではそういう取締法規を今作つても金の問題で実現なかなか困難だ、だから各人勝手にやつてもよろしいというような答弁ですね。
  73. 山田節男

    ○山田節男君 実際そういう害があるだろうと思うですね。
  74. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 金のあるなしは別問題として、電気工作物にはそういうふうな装置をするというのは当然のことと思うのですがね。
  75. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 ではこれは公共事業令なんかに入つてもいい問題でしようね。あの政令の中にいろいろ謳つてあるでしよう。
  76. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) その関係は今後公共事業令というもので調整の方が一本立になりましたので、施設の方を電気保安法とか何とかいう名前で午後出す予定になつているわけです。ですから考えるならばそれに織込むということなんです、ただ見解として。
  77. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 それに持込めばいいということですね。
  78. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 含めばいい。地方的の問題です。雷の問題は地域的に限られている、それを法令で作る、調整するのはちよつと考えなければいかぬというのが資源庁の意見です。
  79. 古池信三

    ○古池信三君 必要性というのは皆認めているのですから、あとは法規の作り方で全国一率に行かんでも特に雷の多いような地方にそれを適用するような法規の仕方もあると思います。この趣旨に副うようにやはり危険防止の法規を整備するということは国会としては賛成しなければならぬ問題だと思いますから、私は採択に賛成いたします。
  80. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 採択に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議なしと認めます。それでは採択することに決定いたしました。  その次は請願第千百七号、丸山ダム電源帰属に関する請願、山田佐一君紹介を議題に供します。林君から御説明を願います。
  82. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 これは三つ一緒にして頂いたらどうですか。違うのですか。
  83. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 多少違いますが一緒にして頂いても結構です。
  84. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 簡単に御説明願います。
  85. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは請願第千百八号、陳情第二百五十四号、この三つを議題といたします。
  86. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 最初の千百七号の分は愛知県の佐屋川用水普通組合から提出したものでありまして、署名者が二百七十六名入つております。その理由とするところは、その用水の水源を木曽川に求めている。津島市外八カ町村に灌漑しているが、今回の再編成によつて丸山、今波が関西帰属されることは、ダムの管理操作につき死活問題であるから、管理操作を中部帰属し、その監督は農林、建設両省に委ねられたいという意味でありまして、その次の千百八号は提出者が違い範囲が違いまして、宮田用水普通水利組合、津島市木曽川水害予防組合、木津用水普通水利組合その三者から出ております。その署名は三千三百二十八名。ここでちよつと違いますのは、水害予防組合が入つているので水害の点を付加えてあるというところに違いがあります。目的とするところはいずれも丸山今渡の両方のダムの管理操作を住民と被害を共にする中部地区に託されたい、人の地区の管理では痛くも痒くもないからそれじや困るという趣旨なんです。  それからその次の陳情の二百五十四号。これは三重県の知事ほか五名から出ております。中部所在の未開発電源中部帰属さしてもらいたいという一点とそれから只今丸山ダム開発並びに管理の如何は利水治水防災的見地から農民の死活問題であるから中部帰属をされたい。それと更に地域差の問題をもう一つ加えております。地域差は東北、北陸に比して高率に過ぎるから改訂されたい、その三点を。
  87. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今議題の二つの請願一つの陳情について、平井技術長の御見解を承わります。
  88. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 丸山地点は、木曽川の一貫運営上及び既設発電所との関係からいたしまして、委員会といたしましては関西帰属させるということに方針をとつております。併しこの丸山地点というのは、洪水調整及び水利の面で地元と密接な関係にありますので、この発電所帰属の予定される電力会社に対しましては、その会社が建設省、農林省及び岐阜、愛知両県当局との間に水の使用方法その他について遺憾のないように協議をさせ、又その電力会社の責任者を中部地区に常駐させることによつて敏速な措置がとれるようにしたい。こういうふうに考えております。なお補足いたしまするが丸山発生電力中部関西との今後の需給実情に応じて適正に配分するという方法を取りたいと考えております。で今渡の問題につきましては、今渡と申しますのは丸山のすぐ下にある地点ですでにでき上つておるのでございますが、これも再編成令の第三表では関西帰属となつております。木曽川の発電所も全部、関西帰属となつておりますので、丸山だけを中部に付けるということは河川運営上まずい、こういう見解を持つてきめたのでありますが、これと関連いたしまして、同じ木曽川のもう一つの飛弾川という水系がございますが、飛弾川水系につきましてはこれを全部挙げて中部の一貫運営にさせるというような方法にしたい、こういう考えを持つております。附言いたしておきます。
  89. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 陳情の、同じ意味でしたかな。
  90. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 第三番目の陳情の方はですね、別の二件付加えておりますから、一応最初の二件だけで御相談を願つて……。
  91. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 質問おありでしたら御発言願います。
  92. 古池信三

    ○古池信三君 今の請願ですが、その内容にダムの操作を農林、建設両省の共管に置くというような文章があつたように聞いておつたのですが、それは発電ということを余り念頭に置かない議論であつて、やはりかようなダムを利用するという意味から言えば先ず発電ということを考え、而もその農林、建設両省の意見は十分に聞いてやろうというのが妥当であると思いまするので、これは私は今の公益事業委員会の御意見も必ずしも誤つていないように思うのです。むしろその請願の方で少し地元の水害であるとか、或いは耕地の問題を重要視し過ぎておるのではないか、それだけで共同的に管理するというのとは少し行過ぎの意見ではないかと私は思います。もう少し発電力と発電ということからも無論これは考えて行かなければならんと思うのです。そうなりますとやはり一貫的な運営ということにも差障りができて来るわけで、簡単に内容そのものに賛成すればいいかどうかということはよほど考えなくちやならん問題だと思います。
  93. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 そういうことを謳つているのですか。
  94. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 今の点じやはつきり申上げますが、何とぞ実情御賢察の上これが管理操作の帰属中国に託せられ、ですから帰属はですね、やはり中部の所属……。
  95. 古池信三

    ○古池信三君 いやその前にあなたのお読みになつた中にダムは農林、建設両省で共同に管理するというようなことを……。
  96. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 今のあとに出て来るのです。帰属中国に託せられ、これが監督は農林、建設両省並びに地元知事に委ねられるよう、とくと御考慮下さるよう組合員を代表して陳情いたしますと、ですから監督は通産関係の監督だけでなしに、長林及び建設の方の意見も聞いてやつて貰いたいという意味……。
  97. 古池信三

    ○古池信三君 意見を聞くことは結構。
  98. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 意見を聞いてやつてくれという意味でしよう。
  99. 古池信三

    ○古池信三君 そんならいい。
  100. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 だから農林、建設に主たる監督権を以てするということはこれは到底賛成できない。
  101. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) ちよつと平井さんに、丁度平井さん来られて工合がいいので伺いたいのですが、この中で心配しているのは一つは今渡が今逆調整をやつておりますが、今渡の逆調整でも水位に一尺くらいは変りがあつて現在でも相当苦労しておる、それにそのすぐ上流に十万キロのを九山ダムができるといよいよその水位の調整がうまく行かないで、灌漑用水の取水に非常に難儀するだろうという点がやはり含まれているのですね。そういう点はどういうふうにお考えになつておりますか。
  102. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) これは今渡の調整能力というものは、実はあれだけの木曽川、飛弾川の水量調整能力としてはポケツトが小さい。その上流に今度丸山というダムができますると、これは相当大きな調整能力があるポケツトと思つております。むしろ平常のときにおいては今渡でも相当に円滑に運用できるのでありますが、雨が降るとか非常な変化があつた場合の調整はとても追付かない部分が、丸山ができることによりつてむしろそうした大きな部分をぐつと抑えるとかいうような調整能力増加になるのでありまして、今後むしろ安定の方向に前進するものと考えております。  御参考に申上げますが、丸山工事をいたしますについて、洪水調整の面からは建設省の方ではこれの許可の条件といたしましてあそこの洪水調整面からする国家の要請を申し伝えて、そしてそれに合うような操作をすることを他の条件としているように聞いております。従いまして、そういうふうな面においてはこの帰属がどこにあるということではなくして、十分国家の監督面のそういう力は及んでおると、こう考えられるのであります。
  103. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御発言ありませんか。
  104. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 ありません。
  105. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今古池君それから石原君から、この請願は採択しない方がよろしいというような意見の御開陳がありましたが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは……。
  107. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 ちよつと待つて下さい。採択しないという意味じやないですね。農林、建設に監督権を移してしまうような趣旨なら工合が悪い、併し会議してよく相談してやつてくれというような意味の書き方ならば、その点は別問題として私は考えておきたいと思う。それでこの丸山ダムを中部帰属さすというような請願を、ここで簡単に採択していいかどうかということについては、ちよつと私は簡単に意見を述べられないと思うのですがね。これは中部の方面ですからよく意見を拝聴してから。
  108. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ではこの千百七号と千百八号の請願、それから第二百五十四号の陳情は保留することにしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  109. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは御賛成を得ましたので、これは保留をすることといたします。  次は請願第八百九十四号、新郷外発電所昭和電工株式会社復元に関する請願、永井清次君提出、野田俊作君、木内四郎君、石坂豊一君紹介を議題に供します。林君、御説明を願います。
  110. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) この請願昭和電工の社長からの請願でありまして昭和電工は御承知のように硫安、石灰窒素、アルミ、電極その他を生産する我が国最大の化学工業会社でありますが、その原料として多量に電力を使用する関係から、再編成を機会に同社の母体であつた元東信電気に所属していました新郷発電所、鹿瀬発電所及び高瀬川筋の第一、第二、第三、第四、第五、の発電所、七カ所になります。それから所属は違いますが、安曇電気会社昭和電工が建設資金を融資して作らせたといわれます姫川第二発電所、この合計が十三万七千七百三十キロという大きなものになります、この返還を要求しているものであります。  これは八発電所年間の発電量は七億二千六百万キロワツト・アワーです。昭和電工の九工場年間使用実績は十三億三千万キロワツト・アワーよりも下廻つておるし、且つ昭和電工は従来からも電力調整に非常に協力することは得意としているところなので、一般の需用家にも御迷惑はかけないと思うから返して貰いたいという趣意でございます。  この電力契約数字もちよつと出ておりますから、御参考までに申しますと、今の返還を要求していますのが合計で十三万七千キロ、それに対して現在の契約は二十六万九千キロばかりの契約を持つております。尤も常時電力は十一万七千、それに特殊電力が十五万一千キロ入つております。ですから今度返還要求しております十三万七千キロというのは、現在の契約の常時電力よりは多いけれども全体の契約よりは遥かに少いという量になるのであります。
  111. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の議題について平井技術長の見解を求めます。
  112. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 元の自家用電気設備の返還のことにつきまして委員会といたしましては新会社の設立後において新会社と前の所有者との間の話合によつて解決を図るようにしたいと考えております。ただ当事者間の交渉のみでは話合がつかない、又更に当事者の希望があるという場合には、委員会としましてもその必要を認めた場合に調停を行うと、こういう所存を持つておるのであります。
  113. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 質問がありましたら。
  114. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 この復元に関する請願は先般の委員会で住友共電の問題が採択されておるのでありますが、これは私四国を視察調査しました先ほどの報告でも申し上げたのでありまするが、この復元の問題は関係するところが非常に大きいと思うのであります。只今平井技術長から新会社ができてから当事者の間で話をさす、話だけでできないときには委員会が入つてというお話もありましたが、私は当事者間だけでこの話をきめるということもどうかと思うのでありまして、一般需用家、一般消費者もこの問題に非常に大きな関心を持つております。それからその地方の都道府県自治団体も相当大きな関心を持つておる。新らしい会社として果してそういう問題が復元して残つたものだけでやつて行けるかどうかという問題もありまするし、電源開発の上からどちらがいいかという問題もありますので、これは来る五月国会が再開されましたときに復元の問題を中心として多数の利害関係が方々にあるのでありますから、そういう代表者を呼んでよくその意向を委員会としても聞いて復元問題に対する参議院電力委員会としての一つの見解を立てて公益事業委員会等にも意見を申出ると、こういうことをしたらどうかと思うのでありまして、そういう意味から復元の問題は暫く保留にして置いて頂いたらどうかと思うのです。私の意見を申上げました。
  115. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 只今の御発言私も実は同じような気持を持つておるわけでありまして、この自家用発電所だけでなくて、従来の施設の返還要求というのは、これは取扱方を一つ誤りますと澎湃として全国的に起つて、公益事業と一般国民の利害との調和面において非常に苦慮するような事態が予想されるような面もありますので、全般的な問題としての取扱については委員会自身としても正直なところ慎重に考えなければならないと考えておるのです。それだけにこの再編成のときまでにこの問題を取上げることは非常に困難であるとしまして、再編成の済んだ後において委員会としてはこの方針を十分検討してきめたいと、こういうことをこの一月のときにも声明をしたというような経緯もあつたわけなんです。新会社のできたあとでこうした問題をどういうふうに扱うことが、それらの事業者の希望と、公益上の一般の国民の利害との調和が図られるかということを十分に検討して方針をきめたいと、こう考えておる次第であります。
  116. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私が平井技術長に伺いたいが、私は平井技術長と全く反対の考え方をしておる。公益事業委員会は少くとも新会社の設立前にこういう問題を決定して、新らしい電源開発の問題に対しての一応の見解を国民に表示すべきであつて設立された新会社に移つてからは当事者間では勿論話ができません。できませんし公益事業委員会としてもこの問題の解決をつけるということは非常に困難だろうと思う。そこで私は昨日松永委員長代理と会いましたときに、公益事業委員会として基本的に復元の問題をどう取扱うんだという点について実はお話をしたんですが、松永さんのお考え方では先刻懇談会で私が申上げましたように、一般公益を害するということがない限度においては返してやりたいというふうな意見の御開陳があつております。で、まあ時日がなかつたからできなかつたのでありましようけれども、公益事業委員会としてまあ平井技術長の立場から、松永さんがそういうふうにおつしやつておられるんですが、電源開発その他と睨み合せてそうして公益的見地に抵触しないというふうなことになつたものは返すという考え方を大体持つておられるのか。それともあなたが今おつしやつたことを平面的に解釈して返す返さんも当事者双方の話合の上なんだと、双方ともそれを申出たら公益事業委員会としては何とか考えようという、いわゆる軽い考え方をしておるのか、技術長の見解を一つ聞きたい。
  117. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 若し軽い考え方をしておるというようにお聞き取りになりましたならば私の説明の中に不十分の点があつたと思うのでありますが、ただ問題は取扱は非常に慎重を要するということは私は考えております。併し基本的な考えは先ほどの懇談会の席上で松永委員長代理が申しましたと同じような考え方の上に立つておるわけです。併し具体的の取扱方というのは非常に件数も多いし個々に亘りますので、それらに対して公平に処置をするのに時間的に困難があるということで、止むを得ずそれでは新会社の設立後にしたい、そういうふうに思つております。で新会社の設立後においては、実は設立前に指令書に何かいろいろ書くとかいうことが掲げられれば非常に楽なんですが、そこで形としては当事者の間で話合とか、希望というものはそうしたものの上に立つて委員会がやるという形がとれるが、その場合にそれでは仮に取扱上に何か別途の措置をしなければ扱えないという面が起れば、これは必要の場合は委員会といたしましてはそれぞれ必要な措置について考えることも併せて考えております。
  118. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 大体松永委員長代理と平井技術長との話は同じような考え方でありますが、特にもう一点お伺いしたいのは今、議題になつております非常に大きな発電力を持つておる発電所、こういう問題は今あなたがおつしやつたような基本的な考え方に基いて復元という問題を考えておられるとするならば、公益事業委員会としては新らしくできた進会社に対して電源開発その他にもこれに関連性を持たせて、公益事業委員会としてはお考えになるような考え方を持つておらるかどうか、これをもう一点お伺いしたい。  非常に重要な問題ですから小さな発電所復元はできても、大きな発電力を持つ所の復元はできないし、又やるというような意思が公益事業委員会にもないし、新らしく作られた会社では勿論大きな発電力を持つておる者に対しては承知をしがたいと思うのです。  なおその点もう一点お伺いしたい。
  119. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 大きいから小さいからということではなくて、その公益上に与える支障のない限りにおいては将来ともこの問題を考えるという線においては変りはないと思いますが、大きい小さいということにはそれが公益上に与える影響如何ということの数量的な判断という上に立とうと考えております。  従いまして仮に返すということの形を取るにいたしましてもその取扱上にはいろいろと影響のない方途を講じ、目途を立てなければならんという場合が起るだろうと思います。
  120. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 では重ねて私は保留を主張したいと思います。それで大きい小さいとか公益上の影響ということ以外に、更に返還を要求している会社がどういう国家的重要産業であるかどうかというふうな点も検討してみなければならんと思いますので、これはもう暫く五月にまとめて復元の問題をこの委員会で取上げて研究をしたいということを私は重ねて要望してこの問題を保留したいと思います。
  121. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の石原君の御意見に御異議ありませんか。
  122. 古池信三

    ○古池信三君 別に私は石原委員の御意見反対するつもりではあらませんけれども、扱いとして考えますときに先に大淀川の分は採択になつたんでしよう。
  123. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 もう採択したんでしようか。
  124. 古池信三

    ○古池信三君 一つを採択してあとを採択しないのもまずいだろう。
  125. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 これも、一つ採択して頂きたい。
  126. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 いや、僕はこれは雑談になりますが住友共電のあれだけだと思つたんです。それならば今日は又新たな観点からやつてもらいたい、今日もう採択になつているんです。
  127. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 第一の議題になつたのは採択しております。
  128. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 だからその千四百二号に準じて採択してもらいたい。
  129. 山田節男

    ○山田節男君 委員長、これはさつき公益事業委員会の方の技術長も言われましたけれども、これはまあ公益に関する度合によつてむしろ復元の問題をどうするか。併しこれは委員長の言われたように、一旦これが新会社ができるとですね、その財産も一応帰属してそれから復元の問題をどうする、これはまあ非常にむずかしい、而も焦眉の問題です。これが早く解決されることが大切なんで、ですからね、これは私はやはり電気事業委員会がこの新会社が設立するときにこの復元をするのだということ、それだけに大体今の尺度で私はわかると思うのです。例えば住友とか大淀とかはこれは我々常識的に見てもやはり産業発展の上から見ても公益事業委員会は本当にネガテイブな問題ですよ。これはですからね、やはり僕はこの委員会としてこういう請願を扱う場合には、この特別委員会としたらば、公益事業委員会がそういう意思を持つており、一旦解体してしまつて新らしく発足する、これは又非常にむずかしい、公益事業委員会などと言つちやこれはまあ失礼ですけれども、これはとてもできませんよ。ですからむしろ新発足する前に、こういうものを大体主なものだけそういう基準に対してこれは復元すべきものだということは、我々は公益事業委員会が当然とるべきものだ、だからこれは技術的に困難があるということはわかりますけれども、当委員会としてはこれはもう何も全部採択するというのじやなくて、大体この今出ておるものといえば大淀とか住友の何とかいうものはあるけれども、やはり常識的に考えても復元問題を当然考えなくもやいけない。採択するからには今言つたように先になつてやるということはますますむずかしくて事実復元できない。それは不利になるようなことをしちやいかんと思うのです。まあ本委員会としたらば公益事業委員会が多少無理でも復元をするたけの意味を含めて採択なさる、そうした方が私は陳情している人のためにも僕はむしろ親切じやないか、かように考えます。
  130. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今三つの意見が出たんですか、石原君からは保留して慎重に審議をした結果決定したらどうかという御意見、古池君からは前の大淀川の問題を採択しているから採択したらどうか、山田君からは公益事業委員会が新会社で以て以後においてやるということはなかなか困難だから、設立後にやることは囲難だからその前に、公益事業委員会のほうに一応特別委員会の意思表示として返せるものは返してやれというような見地からこれを採択したらどうか、こういう御意見が出ておりますが。
  131. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 重ねて私は、これが大淀川の復元が採択になつたとしましても、八百九十四号の新郷外発電所復元ということは、これは主として東北電力会社に関連すると思うのでありますが、影響するところが非常に大きいと思うのであります。只見川とかの水力の有力な水系は殆んどこれに含まれておりますので、この問題は、大淀川の問題が採択になつたからこれも採択しなければならんということには私は行かんと思います。
  132. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 丁度今石原さんからお話がありましたからその複雑な点もう少し補足しておきますが、これの中で新郷と鹿瀬は、これは東北電力の地域に入つておる。それから高瀬川の第一第二第三第四第五、これは関東電力会社の所属に今度の表できめておられます。それから姫川の第二、これが中部電力に所属することになつておる発電所です。ですから地域的に三地区に跨る複雑なものだということだけ申上げておきます。
  133. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 紹介委員の石坂さんが見えておりますから石坂さんから一つ。
  134. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 私は原則的に復元する論者ですからね。勿論採択すべきものとして、もう一体強圧的に取つたということは戦時体制強化のために一時の変態ですからして、これを元に戻すということは当然なことであると思う。その論ですべて一般的に私は解している論者ですから、当然さつきの大淀のときでもそういう趣旨発言をしたわけなんです。それで多数、数で負ければ仕方はないけれども、これは飽くまで復元するということにしてもらいたい。
  135. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 私も原則として復元を認めなければならんということはもう同感で、これは自由党としてもその論旨において今まで審議して来ているところでありますが、併しこういう大きな影響力の大きい、関連するところが多い問題は簡単に採択して、必ずしも現実はその通りに行かないという場合には採択の権威を失墜すると思うんです。それで五月に再開されたときにもう一度この問題を検討して頂いて、利害関係者等を呼んでこの問題を検討の上で採択して貰いたい。そのくらい請願しても私は将来親切にやつてもいいんじやないかと思うんです。何も採択採択と言わないでそういう意味でいま暫くこれは待つて貰いたい。反対だというのじやないんです、保留しておいて呉れというんですが、石坂先輩からも一つ保留に。
  136. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 そういう趣旨ならば強いて反対いたしません。どうか暫時ときをかして十分の審議調査をする、こういうことでそれじやよろしうございます。
  137. 西田隆男

    委員長西田隆男君) まあ紹介議員の石坂君の意見で、そういう意味であれば保留してよろしいというような御意見の御開陳でありましたが、採決するわけにも参りませんし、で石原さんと石坂さんの御意見に山田君も御同調願えませんか。
  138. 山田節男

    ○山田節男君 これはですね。今復元の問題は議題になつているんですね。議題になつた三つか四つあるというだけでなくしてもつとたくさんあるんです。これは電力の特別委員会がまあ閉会中でも、先ほど私申上げたように公益事業委員会としても今度の再編成について、この復元問題について技術上のトラブル或いは工事に関することをいろいろ研究して、新会社ができてしつたらこれは実際不可能なんです。もつと私はむずかしい問題になつて来ると思う。ですからやはり特別委員会としたらば、これは重要問題です、復元問題は。今石坂さんも言われたように戦時に無理やりに略奪したような工合になつて、これは日発でアジヤストしなければいかんと思うんです。ですからね、今石原君の言われるような保留という意味はそういう意味で、これはやはり公益事業委員会は日発もでき今日までに至つたがその収奪されたようなものを再検討する、考慮しなければいかん。公益事業委員会は極力研究もし、我々もこれを一つのサブジエクトとして決してこれを保留するということは、何というかいつまでもきめないというのじやなくて慎重に又これを審議するという意味で、そういう意味で僕は保留するならば私は賛成いたします。
  139. 古池信三

    ○古池信三君 慎重に扱つてつたらということは私も反対はしないのであります。賛成ですがやはり我々としては、あくまでも公平に扱わなければならない。片一方を採択したが片一方は保留するということはいけない、そういうことなら全部保留にしないと非常に不公平な扱いになると思い心配しておるのです。
  140. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私から平井技術長にお伺いしますが、いろいろ議論されましたが、公益事業委員会側としては表面は新会社設立云々ということになつておりますが、新会社が設立されまする前に、復元の問題についてはあらかじめなんにも意思表示されないのですか、それとも内々の意思表示と言えばおかしいが話合みたいなことで、大体において将来復元しなければならんであろうと思われるような問題については、御協議が進められるのじやないかと私は考えるのですが、そういうことは全くありませんかどうか。非常に重要な問題ですから別にあなたがおつしやつたつて言質がどうということは考えておりません。ざつくばらんに一つお話願いたいと思います。
  141. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 復元をしてくれという要望がいろいろ来ております。そういつた面からも、それからそういうような話題になるであろうというようなことにつきましてもいろいろと下調査しております。併しながら取扱をどうするかということはまだできておりません。何分にも非常に広い範囲に亘つておりまして、再編成の主目的に支障のないような面において、これを調整して行かなければならんということになると影響するところが大きいものですから、不用意な決定はできかねるということが正直なところでございまして、まあ手一杯でなかなか委員会でこの問題を毎日論議してもらうだけの暇がないので、遺憾ながらつ止むを得ずそういうふうな事情がありましたので、一月の声明のような形をとつて会社の設立後において検討し結論をはつきり出すようにしようということにしたわけなんでございます。
  142. 西田隆男

    委員長西田隆男君) どうでしようか、古池君の御意見は採択するも採択しないもいかんというお話でありますが、一応この委員会で採択したものを又保留に変更するということもどうかと考えますので、今、石原君や石坂君、山田君から言われたように、慎重に研究して五月の国会再開劈頭調査をして行く、そして公益事業委員会が適当だと思えば又請願を採択するというようなことで古池君御賛成願えませんか。
  143. 古池信三

    ○古池信三君 委員長にお任せいたします。
  144. 西田隆男

    委員長西田隆男君) そういう意味合から言つて一応これは保留しておきます。  次は請願第千四百二十二号、猪谷、中山両発電所復元に関する請願、野田俊作君紹介を議題といたします。
  145. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 これは勿論採択であります、これは八百九十四号と違つてまるでその県内にあるのだから。
  146. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) 一応それでは御説明いたします。返還要求の対象となつていますのは中山発電所、これは千キロ、これは自家用として大正十五年にできております。それから猪谷、これがちよつと大きいので二万二千三百キロの発電所でありますが、これは昭和四年に作つております。で実施の当時のいろいろ経過を書いておりますけれども作るときには自家用として作つています。その後大同電力と折半出資で以て神岡水電という会社に出資をしております。でそういう電力会社のものですから国家管理の対象となつて取上げられたと、そういう経過になつているようであります。それで神岡鉱業の現状から見ますると、現在なおこの自家用の発電所を持つているのです。持つていますがその年間の発電量が六千二百万キロワツト・アワー、現在使つておられるのが九千六百万キロワツト・アワーくらい使つておるそうであります。今後神岡として考えておられますのは、あそこの亜鉛の鉱津の中になお一二%乃至二五%の亜鉛が残つているのだそうです。それを電気炉に入れて溶解すればその相当の部分が取れる。で。是非これをやれとGHQの方からも勧奨を受けている。その増加が相当あります。それからなお現在硫化鉱の硫酸を使いまして亜硫酸を作つているのですが、将来の過剰を考えまして硫安の製造をやりたい、その分の増加もございます。そんなことでそれらの計画ができますと二億六千万ぐらいの消費になる。只今の九千万でも足りない。六千万しか自分のところの発電がないのですから今度の発電所を返してもらいたい。その二発電所を返した結果、自家発がどのくらいになるかといいますと、二億二千万ぐらいの供給力があると言つております。現在の作業計画から見ますと二億六千万キロワツト・アワーぐらい要るんで、二発電所を返してもらつてもなお足りない状態である。ただ昭和電工その他のと違いますのは、大きな点は鉱滓の処理の問題が今これから実施にかかる、工事にかかるという段階だそうでして、硫安の製造の方はまだ、そういうふうに考えておるという程度らしいので、そこらが多少違うと思うのです。現在の状態で二発電所を返してもらわにやいかんということですね。将来の企業の合理的な運営をするためにこれだけ欲しいという点がちよつと違つていると思うのです。
  147. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 公益事業委員会の側の御答弁は、今までの復元の問題と同じ御答弁だろうと思いますから、〔「採択に賛成」と呼ぶ者あり〕 御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  148. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは採釈することに決定いたします。  最後陳情弟百四十八号阿武川第二発電所新設等に関する陳情、林君に内容の御説明を願います。
  149. 林誠一

    ○専門員(林誠一君) この陳情は山口県会議所連合会の市河さんという方から出しております。山口県は中国の全需要の四三%の電気を使つている、五県のうちで四三%を一県で使つているわけです。動力の方からいいますと五〇%を使用している。今後工場の遊休設備が活動し出したら軍工場などがたくさんありますが、そういう所に工場誘致がありましたりするといよいよ電気不足するから、阿武川第二水力発電所、これは八千五十キロの容量、これと小野田の火力発電所の第二次拡充計画は三万キロ増設を二十六年度の計画に折込んで、見返資金によつて工事の促進を図つて頂きたい、そういう趣意でございます。阿武川の第二は建設費として約六億、キロワツト・アワー当り二円ぐらいで割合に有利な発電である、工期も二年で済む、そういうことであります。
  150. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 公益事業委員会の御見解を承わります。
  151. 平井寛一郎

    ○政府委員(平井寛一郎君) 再編成をいたしましてからあとの電源開発は、政府が計画を立て、これを電気業者に命令して実施させるというような行き方とは変るのでございまして、形としましては事業者の自主的な計画を政府が審査し、これを認可するというのを原則とするようになつておるのであります。従いまして二十六年度の新規電源開発計画事業者が先ずいろいろな計画を出したものが基本になつて、それに対していろいろ内面指導その他の形において関連を持つてそれを推進するという形になるのでありますが、さて具体的に二十六年度の開発計画として配電会社及び日発との間に話合をして作つておりまする再編成計画書に記載されておりますものはどうなつておるかと見ますと、山口県の部分について見ますれば今問題になつておりまするこの阿武川第二は、私どもこれを長門峡という名前で従来申しておつたのでありますが、この地点は最大八千キロワツト・アワーでありますが、この新設計画、それからもう一つお話のありました小野田火力の第二次拡充計画はいずれも計画書に含まれております。従いましてこれらの計画資金対策等は目下検討しておるという状態であります。
  152. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御発言ありませんか。……御異議もないようですから採択することに決定いたしました。只今まで採択いたしました請願陳情はいずれも議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと審査決定したものとして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  153. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。本日はこれにて散会いたします。    午後五時十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            尾山 三郎君            栗山 良夫君    委員            秋山俊一郎君            石坂 豊一君            石原幹市郎君            古池 信三君            三輪 貞治君            山田 節男君            吉田 法晴君            加賀  操君            野田 俊作君            山川 良一君            小川 久義君            須藤 五郎君   政府委員    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       渡辺 一郎君