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1951-07-18 第10回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 閉会後第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年七月十八日(水曜日)    午後一時五十四分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電気料金改訂に関する件)   ―――――――――――――
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今から電力特別委員会を開会いたします。  本日は先ず最初に昨日に引続きまして電気料金改訂に関し官庁側意見を聴取いたします。安定本部総務長官米価の問題で只今司令部に出ておりますので、午後三時までには出席される予定であります。その後午後四時から松永委員長代理の出席がありますので、公益事業委員会説明を聴取することとして本日の委員会運営いたします。  先ず最初通商産業省企業局長石原武夫君に発言を求めます。
  3. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 私から通産省電力料金改訂問題につきまして考えております意見を申述べさせて頂きます。  通産省といたしましては電気料金改訂当りまして、現在の産業電力最大のネックになつておるという点にも鑑みまして、又従つて今後電気事業発展をして参りまする必要は十分認めまして、そうした意味におきまして最小限度の合理的な料金改訂産業立場から申しましても止むを得ないのではないかと存じておりまするが、電気事業につきましては、現在相当合理化を図るべき余地が多分に残されているというふうに考えまするので、先ず第一に、電気事業内部における合理化をできるだけ推進いたしまして、その前提におきまして必要最小限度電気料金改訂は一応止むを得たいんじやないかという考えでおります。それで通産省は、この具体的な電気料金改訂案に対しまする意見といたしまして、実は目下具体的な数字検討中でございますので、最終的な結論を申上げるまでには参りませんのですが、実は先般来公聴芸等もありましたので、各地におきまして通産省関係の職員が通産省当局意見を申述べております。その際に、意見申述ベます場合における各電力会社値上案に対する検討基準をきめまして、それに基いて各地意見を申述べておる次第でございます。その基準が、以下申述べますような点でございまするが、実は先般新聞紙上等に出まして、通産省は三割値上案だというふうに伝えられておるのでございますが、実は通産省といたしましては、別に三割のところが妥当であるという結論を出しておるわけでは、ございませんで、査定をいたします基準各地方に示します場合に、大体の見当として三割以内で大体改まるはずだという一つめど役所内部通逹として、一つ指示として出したわけでございまして、これは各電力会社によりまして具体的な事情が異なつておりますので、値上率が必ずしも一律になりませんで、多い所も少い所もできることは或る程度止むを得ないと思います。この場合に最高その程度に収まるだろうという一応のめどを與えたというだけでございまして、一律に三割値上げが妥当だというふうに考えておつたわけではございません。従いまして東京中央等におきまして公聴会がございました場合には、以下申述べますような基準によりまして一応の検討をいたしまして、二割程度値上げが一応妥当だろうという意見を申述べておるような次第でございます。  それで次に電力値上案に対しましてどういう点を考えておるかと申しますと、第一点は人件費関係でございまするが、一つは、所要人員見込数が妥当であるかどうか、一部会社案によりますと、この三月末よりも殖えておるように見受けられる点もございまするが、少くとも或る程度人員の減少も自然減耗等もございますし、なお少数の人数で企業運営ができるだろうという見込もございますので、或る程度人員が今後減つても然るべきであろう、それが逆に殖えておるというような点があれば、その点は是正をすべきだ、その点を一つ検討の事項といたしております。次に基準賃金の單価につきましては、基準賃金は、一応中労委の裁定にございました一人一カ月当りの一万二百円という基準なつているかどうか、これを検討基準といたしております。基準外賃金といたしましては、これは現行料金がきまつております場合に、決定されました二〇%という範囲に入つているかどうかという点を検討することにいたしております。次に、賞與会社利潤によりまして、その企業努力から生じました利潤から出すべき性質のもので、これをあらかじめ経費に見込むべきではないという見解でございます。それから次に石炭費でございますが、石炭費は実際の入手価格をどの程度に織込むかという点が問題でございまするが、これは最近の各電力会社入手実績を調べまして、それを基準にして計算をすべきだということにいたしております。今後相当石炭が逼迫する、従つて値上りするだろうというような不安定な値上げ予想は織込むべきではないという見解でございます。それから数量につきましては、これはいろいろ議論のあるところでございますが、一面火力発電といたしまして電力供給増加を図る必要は是非ございますので、我々のほうといたしましては、前年の二割増しくらいのところを一応計算の基礎に置くよう指示をしてございます。昨年度の実績が五百万トンちよつと越しておりますので、総体的の数字を申しますと、約六百万トンという数字になりますが、この数字地域別におのおの過去の実績を調べまして大体二割増しくらいのところを所要石炭量として彈くように指示をしてございます。それから次が修繕費でございますが、これは公社案によりますと非常に厖大な数字が載つております。この点につきましては、過去の平時におきまする修繕費実績は、総支出の約七%程度が大体の基準なつているようでございます。従いましてこれを大体基準にとるようにという指示をしてございます。現状におきましては必ずしもその七%に固執することは多小無理があるかと存じまするが、一応の基準としてはその前年の数字を一応基準にして具体的なケースに当つて適当な査定をすべきようにしようと思つております。それから固定資産税につきましては、これは再評価の額と関連いたすわけでございますが、再評価会社案によりますと現在におきまして資産を殆んど一〇〇%再評価をしておられるようでございまするが、これは再評価法によりましても到底陳腐化資産につきましては、そこまで限度一ぱい評価を認めておられないわけでございますし、一般の企業の再評価におきましても陳腐化率というものは、これは各産業平均いたしますと約二〇%という数字が出ております。それで電力の場合には、具体的にどの程度陳腐化率があるかということは正確にわかりませんですが、少くとも今まで再評価いたしました各産業における平均陳腐化率、その程度以上に評価することは不適当であるということで、その範囲内に、それに対応します固定資産税を計上すべきだというふうに指示をしてございます。それから次に減価償却につきましては、これは定額法によるべきだということにいたしております。電気事業等のごとく、非常に安定しております産業におきましては、定率法によりまして早期に多額の償却をする必要はないと存じますので、成るべく電力料金影響を少からしめるために、定額法によつて当然かかる産業償却考えるべきだということで、各社定率法なつておりますところを定額法によつて算定し直すというふうに指示をしてございます。その他各種の項目がございまして、その一々につきましてはまだその当時十分検討ができておりませんので、細かい意見は出してございませんが、できる範囲におきまして実情調査して厳格な査定をすべきよう指示を出したわけでございます。  以上のような基準に基きまして各地で一応査定をいたして、意見を出しておるわけでございますが、まだ現在でも私どもの手許では、十分資料がございませんので、何割というところが最終的に妥当だという結論は出してございませんが、その後我々が研究しておりました過程におきまして、暫定的な数字から申しますと、物価庁がお出し願つておりますようなほぼ二割という近いラインくらいのところで、多分大体のところは合理的な最低ラインというところで値上率はとどめ得るのじやないかというふうに考えております。まだ計算の途中でございますし、細かい内容等は今後打合せを要する点がございますので、最終的な意見は申上げかねまするが、全国平均いたしますと二割、或いは多少それが出るかも知れませんが、余りそれに違わないようなところで大体収まるのじやないかというふうに考えております。ただこれは全国平均の問題でございまして、各地会社を同じ基準査定をいたしますれば、或いは二割を下廻る所もありますし、二割を上廻るという点もございますので、地域別に見ますと或いは査定以上のところの値上げはやむを得ないという結論が出て参る点もあると存じます。  以上が我々が今回の電気料金値上案に対しまする主たる査定の方針と申しますか、それの結果に基く値上げの大体の妥当な見込というところでございますが、次に電力料金制度と申しますか、或いて割当制度というものが非常に個々の企業におきまする電力料金値上げ影響至大関係がございますので、その辺につきましても目下公益事業委員会のほうに我々のほうの意見を出しておりますので、ここで簡單にその点も触れさせて頂きたいと存じます。  現在の会社案によりますと、これは会社案必ずしも統一されておりません。非常に区々でございますが、産業方面相当大きな値上率がこうむるような結果になつておりまして、それによりますと、電力原料とするもの、或いはそれに準ずるものについては相当大幅な影響が出るようになつておりますが、産業立場からいたしましても、余り大幅な値上げ産業としてこの際影響至大でございますので、さようなことのないような方向によつて頂きたいという希望がございます。つきましては大体今回の電力料金値上げは、現在の料金体系原則として維持して頂く、現在の料金体系に或る平均的な値上り率を掛けて行くということで、特に言われておりますように大きい電力にウエイトを掛けて、こちらの値上率を非常に大きくするということは、この際産業的見地から避けて頂きたいという考えがございます。それから地域差につきましては、現在の地域差比率原則として維持して頂きたいということでございます。これは実額ということではございませんで、或る地方を一〇〇といたしますと、或る地方は一二〇とか、そういつた比率はございますが、その比率原則としてこの際維持をして行くべきだ。若しさようでございませんと、或いは電力会社案等に今出ております案の中には、相当に従来の比率とかけ離れまして或る地方電力料金値上率が大きいという点もございますので、その辺は原則として現在の比率によつて地域差の問題を考えて頂く。それから第三番目には、これは割当制自身の問題ではございませんが、従来、産業、殊に電力原料として使つておりますようなところにつきましては、或いは機械工業等電圧でありますとか、そうしたものが非常に供給規程通りに行つておりませんで、非常に困つている所もございます。御承知のように電力によつて非常にコンスタントな正確な熱量を維持したいということで電気を使つている点が相当ございますが、それが不安定になりますと、温度がその場合に高低ができて品質に影響いたしたり、操業に差支えがございますので、今後は是非一つ正確にきめられた電力電圧のものを送つてもらいたい。若しそれができない場合には、電力事業者がその低い電圧供給するというような場合におきましては、割引を行うか、何かさような負担を電力会社で当然負うべきであり、又さような制度を布くことによつて電力の合理的な運営ができるのだという考え方から、さような点も主張いたしております。なお最後に、電力は何と申しましても絶対量が非常に不足いたしておりまするが、御承知のように現在自家火力は完全に動員されていない実情でございます。これはいろいろコスト問題等でなかなか自由に任しておきましては解決しない問題がございますので、自家用の発電所の能力を最大に活用するために自家発電力の拡大を図りまして、絶対額の電力量供給増加を図るようにして頂きたい。このために必要であれば、その分を電力料金に織込む等の措置をとりましても、一つ絶対額が殖えるような措置をとり、現在のように自家火力発電設備があるにもかかわらず、それが遊んでいるというような状況がないような方法をとつて頂きたいというのが我々のほうの一応の意見でございます。  それからなお電力料金が上りました場合に、どの程度産業影響するかという問題がございます。この点は先ほど触れましたように、割当或いは電力料金制度自身によりまして非常に影響がありますので、今ここではつきりしたことは、或る前提を置きませんとその結論が出て参りませんが、現在の料金体系におきまして、全体のコストの中に電力費がどの程度占めているかということは、一応調査をいたしております。これによりまして若し今のままの体系によりまして何割か上つた場合には、大体どれくらい影響するかという一応の判断ができますので、一応さようなものを現在の料金体系において調べておりますが、ただこれは火力料金等もみんな含めまして、現在各社が生産しております製品のコスト中に占める割合でございまするが、例えば石炭等は大体三%から五%くらいというのが現在の実情のようでございます。一割以上を占めますものは、大体硫安が一割前後、カーバイトになりますと、大体会社によつていろいろ違いますが、一割二三分から二割前後くらいのコスト比率なつております。それから石灰窒素につきましても同じようでございまして、会社によりましては一割を越すというようなものもございます。電解ソーダ等につきましては、大体一割五分前後くらいになつております。それからフヱロシリコンは、これは特殊なものでありますが、これは二割を少し越す程度比率なつております。主として一割を越すものは、今申しましたような程度産業でございまして、その他のものにつきましては、大体一割か、多くのものは五、六%以下というような程度でございます。従いまして勿論電力料金値上げによりまして産業には相当影響はございまするが、その値上率が二割乃至三割以内にとどまる場合には、或る程度影響がありましても、電力産業発展のためにも又止むを得ないのじやないかというふうに考えております。ただ先ほど申しましたように、非常にコストに響くものにつきましては、何らかの調整を図つて頂きたいと思いますが、それ以外のものにつきましては、この際二割程度値上案でありますれば、特殊なものを除きましてさしたる影響もございませんし、その値上案はその程度でとどまることができますならば、値上げをやることは、一応止むを得ないだろうと考えております。我々のほうの一応の見解では、会社案が出しておりますような六割とか或いはそれ以上というような値上げは、電気事業立場におきましても絶対に必要はなく、二割或いはそれを多少越す程度の所にとどまり得るというふうに考えております。
  4. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次は農林大臣官房玉置経済課長にお願いします。
  5. 玉置康雄

    説明員玉置康雄君) 農林省意見を申述べます。  先ず第一は、一般的な電気料金値上げに反対するのでありますが、この点につきましては安本物価庁公益事業委員会等で十分御検討願つておきめ願いたいと思つております。そこで第二に、農事用電力料金についての特殊の問題でございますが、例えば一般的な電気料金につきましては安本物価庁でも更に御研究になりまして二割とか一割五分とかいう値上げは必要だという御見解になりましても、農事用については特殊扱いをお考え願いたいという意見でございます。それで農事用と申しますものは、私ども考えておりますのは最低限度灌漑排水等、それから脱穀調製、それから誘蛾燈等についてもできれば考えて頂きたいと思つておるのでありますが、これらを特殊扱いして頂きたいという理由につきましては、先ず第一が現在の低い米価であります。現在の米価生産費計算いたしますと、生産費を下廻つておる計算なつておるのでありますが、そのような状態で現在農家支出と申しますのは、一戸当り二十四年度の平均を見ますと、経営費支出は四万六千何がし、その中で現金支出は僅かに三万二千円何がしということになつておるのでありますが、そういたしましてその中で電気料金の支払は各農家つておりますが、最も一般的な例を見ますと、脱穀調製精米等に年間使いますのが普通が二千四百三十五円、一馬力でありますが、それから誘蛾燈が二百五十八円九銭、合計いたしまして二千六百九十三円九銭となつております僅か三万二千円の現金支出の中で二千六百九十三円というものを電気支出にとられておるのでありますが、かような農家経済でありますので、農事用についてはこの点からも特別にお考え願いたい。第二点といたしましては、現在なお非常な主食増産が叫ばれておるわけでありまして、現在、毎年輸入で買つております食糧が三億ドール余りなつておりますが、これは非常に馬鹿々々しい外貨の支出でありまして、何とかしてできるだけ国内で主食増産を図りたいわけでありまして、それに対しましては灌漑排水の施設をよくし、又脱穀調製動力を使いまして能率を上げるということは非常な重要な意味を持つているのでありまして、これらの点につきましては、公益事業委員会のほうでも、又安本物価庁等においても十分考えた上でやつて頂きたい。それから第三点といたしましては、灌漑排水電気を使つております所は特に水利條件の悪い地点でありまして、その地点農家と申しますのは、特に経営條件の悪い農家になるわけであります。そこで先ほど申しましたように、一般的には経営費現金三万二千円のうち電気代が二千六百九十三円と申しましたけれども、灌漑排水電気を使つております所は恐らくそれ以上に、農家収入は少くて、而も支出は多くなるという農家でありまして、非常に気の毒な立場にあるものでありますから、この点については十分お考え願いたい。灌漑排水につきましては、大体今のところ、全国電気灌漑排水をやつております所が五十九万町歩ほどございまして、それに支出いたします総額が、電気代が七億円余りでありますが、その七億円余りという金が非常に困つておる農家から払われることになりますから、その点もお考え願いたい。第四点としましては、やはり同じく灌漑排水につきましてこれを使用いたしますのが元来豊水期なのでありますから、特にこのために石炭を焚くというのではないのでありまして、その点から申しましてもほかの産業よりも少し安く見てよいのじやないかということが我々の考えておる理由であります。農事用につきましては以上のような点から他と違う特別扱いを願いたいという意見であります。  次に小口電力の問題でありますが、農林省所管といたしまして、農業のほかに精米精麦製氷孵卵その他の食品工業などの、主として中小企業があるわけでございますが、電力会社の、今までずつと私ども見ておりますと、その考え方と申しますものは、主として大口電力優先でありまして、小口電力に対しましては大口電力よりも非常な不利な取扱をしておるように見受けるのであります。その現われが、極く最近まで電力会社の持つておりました案と申しますものは、小口電力につきましては契約キロワツトにつきまして、基準電力量が五十キロワツトとか四十五キロワツトとかいうものでありまして、これで行きますと、農林省所管産業の大部分につきましては、普通六割とか、七割の値上げと言つておりますが、二倍から三倍になるものが多いのであります。又季節のことを全然考えてございませんので、例えば製氷につきましては、主として使うのは夏であります。孵卵は主として使いますのが春でありまして、真冬とか真夏とかいうものは全然使わないのでありますが、そういう点は全然考えずに、ただ契約キロワツトについて基準が五十キロワツトだというのが電力会社の極く最近までの案なのであります。そこでそういう小口を非常に圧迫するというのは、非常に穏当でないのでありまして、小口と申しましても国民生活に直接結付いておるものを作つておるわけでありまして、精米精麦製パン等電力料金を上げましたならば、直ちに国民消費生活にこたえますので、それらの点につきましては、今後各方面から十分の御注意を願いたいと、こういうことが我々の考えでございます。  なお最初申しました農事用電力の点でちよつと申し落しましたが、現在農事用につきまして、或る程度特別扱い考えておりますのが、東北、東京、中部、それから極く僅かでありますが、中国、そういう所の電力会社農事用として或る程度特別扱い考えております。北海道、北陸、関西、四国、九州という所が農事用特別扱いをしていない所でありまして、特にこれらの点につきましては、これらの場所につきましては先般の公益事業委員会を主宰の聴聞会におきましても、我々のほうからやかましく申出ておるのであります。以上農林省見解を終ります。
  6. 西田隆男

  7. 唐澤勳

    説明員唐澤勳君) 運輸省所管事業のうちで、この電力料金の問題が一番強く大きく影響しますのは私設鉄道でございます。私設鉄道は或いは動力としましては石炭等もございますが、大部分電気動力としておりまして、殊に大都会で大量を輸送しております大きな私設鉄道は大部分電気動力としております。この電気料金が大幅に上るとなりますれば、その経営に非常に大きな影響を……
  8. 西田隆男

    委員長西田隆男君) もう少し大きな声でやらないと聞えない……。
  9. 唐澤勳

    説明員唐澤勳君) 電気料金が大幅に引上げられますと、その経営に著しい悪い影響を来たすと思うのであります。大体私設鉄道の最近の経営状況を見ますと、最近の物価値上りとかいろいろな特殊事情もございまして、経営が著しく困難になつておるのでありまして、その経営の改善といいますか、その収入は全部運賃でございますが、運賃につきましては、これは公共事業であるということで認可制をとつておるのでありまして、この運賃引上げは極力避けたいというふうにしておるのでございますが、なおその運賃におきましても、殊に通学とかいうような運賃につきましては、原価を割つて非常に社会政策的な制度をとつておるのでございます。そういうわけでありますので、できるだけ運賃は上げずに低目にしたいということに考えておるときに、こういつた諸物価の高騰とかいろいろな事情がございまして、どうしても若干はこれを上げなければならんじやないかという情勢下に追詰められて参つたのでありますが、引上げが行われますと、実際にこういつた電力料金というものがそういう事情に更に拍車をかけるという結果になりますので、極力電力料金は低目にしてもらいたいということが第一の希望でございます。  次に料金の決定につきましては、それと同時に重要な問題は供給規程の問題でございますが、会社規程案によりますと、どうも一般的なような感じがいたして参りまして、この会社のほうの供給責任をもつとはつきりさせる必要があるのじやないか、殊にこういつた鉄道のような公共事業供給については、各会社とも責任を持つて十分なる電力を不断にスムーズに送るということについての会社側の義務をきめる必要があるのじやないかということを考えられます。例えば電源、電圧の変動であるとか、周波数の低下とか、そういうことのないようにする。若し止むを得ず行うような場合のときに、これが補償というような問題が一例でございますが、非常にこういう問題がスムーズに円滑に行かないと、このラツシユ・アワーなどにおける非常な困難が予想されますので、そういうような点について会社側責任を明確にする必要があるというふうに考えます。それからもう一つ鉄道の特殊性を認めてもらいたい問題としましては、電鉄の負荷の特性によりまして相互契約をする方法を是非とつて頂きたい。こういう点を考え希望しておるような次第であります。それからもう一つは火力率の問題でございますが、この火力の率によりましては非常に又料金が高くなるのでございます。こういうような点におきまして、この供給規程及びその全社の実際の供給というような問題につきまして、実際に電鉄の使う料金が少しでも低目になるということを希望しておるのでございます。
  10. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今までで通産省農林省、運輸省の電気料金改訂に関する意見の開陳は終りました。質問がありましたら逐次御発言願います。
  11. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 通産省に質問いたします。電力会社所管監督というのはどこでありますか。
  12. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 現在は公益事業委員会なつております。
  13. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 ポ勅令になる前には通産省で九分割案が法律案となつて現われて来たのでありまして、電力会社の一切は経営を挙げて公益事業委員会にあると、こういう解釈してよろしいですか。
  14. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 電力事業のうち保安の関係だけは現在でも通産省でございますが、本来の事業経営自体は公益事業委員会で、保安の関係だけが通産省でございます。
  15. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 通産省は大体……それより以前にもう一点お尋ねしておきたいことは、国内秩序による、議会によつて成案されたる法律秩序と、それから占領軍の管理下にあるポツダム勅令による秩序と、この二つの現在日本には秩序というものがあるわけであります。それで九分割及び食確法は占領軍の管理下におけるポツダム勅令による国内秩序であると思う。然るにここで問題は占領軍の管理下にあるポツダム秩序というものと、国内法に基く議会において制定されたる、立法されたるこの秩序というものの二つのものに関連して、特に電気会社及びこれを管理する、或いは指導監督する公益事業委員会といつたようなものと、今回のごとく電力料金が政府の考え、政府の考えといえば誤りかも知れませんが、政府機関としての一部である物価庁及び通産省、運輸省或いは農林省等の見解を総合すれば、二割内外が妥当であるということを非公式ながらそれぞれ責任者である皆さんが言われておる。そこで占領軍の管理下にあるポツダム勅令の秩序というものにおいては、おのずからその別個の考えを持つておるかもわからない。それが現在想定されておるから世間もやかましいし、役所もやかましい。ところが総理府の外局として公益事業委員会があつて、それが電力会社を管理しておる。総理府なるものの官制は国内秩序による法律制度によつて生まれておるものである。そこで通産省が国内秩序によつて法律制定された機関としてこれらの電気料金改訂に伴う産業面、物価面、或いは産業政策遂行上における通産省としての行政というものは一体どういう角度で行わんとするのか。これが通産省本来の産業行政が遂行ざれると信じるのかどうか、これが一点。それから占領軍の管理下にあるそういうポツダム秩序の制度に基く電気料金がきめられたとき、国内秩序に基く立法機関が制定した産業政策というものとはどちらが優先するのか、どちらが優位か、或いはどちらにウエイトを置くのか、こういつた問題は、今回の電気料金の裁定次第によつては重大なる問題と我々は思うておるのだが、通産省ではこういつた問題についてどう考えておるかを一点お聞きしておきたいと思います。
  16. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 非常に岩木君の質問はむずかしい質問で、通商企業局長に答弁ができるかできんかわかりませんが、企業局長個人の答弁でよいと思います。実はそういう質問は大臣を呼んで大臣に聞くべきだと思いますが、今日は大臣は見えておりませんから、企業局長個人の意見で結構です。
  17. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 只今委員長からお話のように、私から答弁を申上げるような問題ではないかと思いますが、伺うところによりますと、あとで安本長官が来るということでございますから、長官から御返事を願つたほうが適当と思いますが、今委員長からお話がありましたように、私の卑見でもというお話でございますから申上げますが、御承知のように占領下でございますので、お話ございましたように、日本の国内の手続によりまする立法と、ポツ勅という二つの制度で今日本の経済所策が動いておることはその通りでございまするが、電力問題につきまして公益事業委員会が独自の見解で一応料金を決定できるという制度が現在できておりますので、権限的にはまさにその通りになつておりまして、その間は或いは通産省物価庁等との間に形式上の権限の重複と申しますような、さようなものはないわけであります。従つてこの問題につきましても、当然権限的には公益事業委員会が最後的な決定ができるということになつておるわけでございます。ただ我々が始終申しておりまするように、電力料金の問題につきましては、公益事業委員会の正式の意見はまだどの程度にするとか、どういうやり方にするという点は、意思表示をしておいでになりませんので、どの程度意見の相違があるかはまだわからないのであります。今我々が問題にしておりまする会社の申請案に対していろいろ問題があり、意見があるわけでありまして、公益事業委員会として果して、例えば何割の値上げをやるかという、そういう見解を示しておいでになりませんので、現状におきましてはどこまで食い違いがあるかはつきりわからないのであります。ただ仮に若し我々が今申上げておりますような意見と、公益事業委員会の御認定になる案とが非常に食い違つておるという場合も一応想定いたして見ますれば、我々としてはこれは一応政府部内でありますので、従つて閣議なり何なりでその辺の調整をして頂くよう一応希望をするわけであります。今後その取扱が如何になりますかは、ちよつと私から御返事申上げかねますが、我我の希望としては、さような点は十分閣議等で御検討の上で最終的な決定をして頂きたい、かように考えるわけであります。  それから第二点の産業政策等の問題でいずれが優先するか、或いはその点がどうかというお話でございますが、実は御承知のようにポツ勅等によりません場合におきましても、占領軍の指示を受けることは、これは往々にしてあることでございまして、必ずしも形式だけでその点は区別はできないと思いまするが、現在既存の法律、或いは国内立法によります法律とポツ勅のどちらが優先するかという点につきましては、原則としてさような両系統の立法が衝突しないように調整をして立法すべきだと思います。現在果してさような重復して相矛盾するものが法律或いはポツ勅の間にあるかどうかはつきり存じませんが、原則としてさようなことはない。その間を調整してできておるものと承知をいたします。なお万一矛盾をいたしました場合にどうするかという点につきましては、ちよつと私はつきり責任を持つては御返事いたしかねますが、従来我々の聞いておりますところでは、ポツ勅が極先するという解釈のように承知をいたしております。以上御返事になりましたかどうか……。
  18. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 私のお聞きする主要点はちよつと二、三外れておるようですが、これは責任大臣でないから止むを得ないといたしまして、もう一点お聞きして置きたいことは、今いずれも政府であるから、公益事業委員会も政府であるし、通産省その他も政府であるから、閣議その他で調整すべきだという見解をとられた。これは通産省の一局長としての希望的な見解であろうと思うのでありますが、同じ政府部内であつて公益事業委員会においては同じ政府部内……政府という一つの国内立法による組織体があるのに対して、その内部の一機関がポ勅令によつて今あなたのおつしやつたように国内法よりはやや優先するかのような解釈を持ち得るというその機関が、今後電気料金を裁定した結果が及ぼす影響については義務を負う。これは昨日松永委員長代理がこの席上で言明しておる。義務を負うということは、この電気料金を裁定した結果及ぼす影響……産業政策或いは物価、生活、あらゆる方面に対する影響についての義務は負う。つまり責任は負うということを言つておる。一くさりインフレ論も御高話を拝聴をした。即ち電気料金の決定はインフレ促進にならないということを要約して言われたものと承知しておる。これらに対してはインフレに対処する構えもある。又今後裁定されるものが日本の産業政策の上に、その他の上にさして影響はない、さして影響はないということは、責任を持つた見解を以ての意見である、そのように思う。あなたは責任と、義務を持つた態度で臨んでおるのだが、そういつた別個の経済政策をも加味した、あらゆる総合計画をも加味した電気料金の裁定を公益事業委員会が独自の見解でやるか、相談するかわからないのであります。とにかく絶対権限を持つて最終決定をしよう、こういうような態度にある場合に、通産省はその決定に従つて物価政策、産業政策、あらゆる諸政策をその線に沿うて又やり直して行く、常にそれに追随して行く、例えば今回暫定的に上げたが、又この秋に上げる、来年の春に又上げるという段階に仮に入るとすれば、その改訂ごとに日本の国内法に基くあらゆる産業行政政策が、あらゆる政策が全部これに追随して行くというようなことで、完全に通産省とし或いはその他の役所として産業政策は遂行できると思うかどうか。今あなたは閣議で調整されることを望むということは、これはまああり得ることであつて、そういう理窟もわかるが、そうやろうとはしておらない。こういう方面に基いて通産省産業政策振興の上に是非自信のある政策が今後においてもやれると思うのか。悪くいえば常に電気料金に追随して政策を焼き直して行かなければならないという場面が生じて来ると思いますが、これに対して自信があるかどうか、あらゆる産業政策を掌る通産省としてはどういう考えを持つておるかということも併せて承わりたいと思います。
  19. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の岩木君の御発言ですが、前段の御発言は昨日もそれと同じような御発言がありましたので、松永委員長代理の御答弁を参議院の法制局に調査を命じております。後刻書類を以て権限の関係、閣議に出すか出さんかの問題、公益事業委員会責任を持つて、内閣総理大臣が責任を持たんでいいのか、或いは責任を持つのか、責任を特つたとするならば、内閣総理大臣が公益事業委員会に何らかの措置に出でる権利があるのかないのかという点については、今法制局に調査を命じておりますので、その前段の質問に対しては御答弁は要りませんが、あとの岩木君の電気料金をどんどん改正される際に、通産省としては産業政策上困るのじやないかということに関する御答弁を願います。
  20. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 後段の問題にいたしましても、実は前段と実質的に関連する問題でありますが、従つて先ほど我々といたしましては、そういう意見の食い違いが、そのまま公益事業委員会の権限でその料金改訂が強行されるということは非常に困ることでありますので、さようなことのないように我々としては希望を事務当局にしておるわけであります。それが果して最後までそのようなことで行くかどうかについては、前段の只今委員長のお話のございました権限の問題に戻つて来ると思います。或いは権限だけではなしに、運用上さようなことがやろうと思えば我々としては当然できると思いますので、必ずしも権限だけではなしに、上のほうで話合いでそういうことをなさるということは、これは権限を離れても事実上できると思いますので、是非そういうようなことを希望するのでありますが、若しさようなふうなことでなくして、公益事業委員会が單独の御判断によつて従つて関係の省と違つた意見でたびたび料金改訂が行われるということになりますれば、そこでなるかならんかの問題でなくて、さようなことが強行されて、仮に如何に法律的にもその点を是正する途がないということになれば、それがさような実情電気料金改訂に従つた産業政策をやらざるを得ないであろうと思います。ただそこがさような状態でいいか悪いかは全然別問題でありまして、我々は勿論さようなことは何らかの方法によつて調節するように希望しますが、さようなことでたびたび公益事業委員会單独の見解改訂されるということになれば、それは仕方がないと思います。そういうように考えております。
  21. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それではわかりました。それに従わざるを得ない、止むを得ない、これを同じ政府機関のほうでそういうことを言われておるということにつきましては、将来重大な問題として大いにこの九分割の電力会社或いは公益事業委員会に対する国会としての態度をきめるべき重要な権限を持ち得る要素として伺つておきます。  それからもう一点お尋ねしたいのは、通産省は二割程度がまあまあ妥当ではないかという御意見であります。その二割が安当であるかどうかという問題は別といたしまして、料金が、二割程度引上げが妥当だということでありますが、電気料金割当制度相当つて来ているのであります。仮に通産省考えられる二割程度料金率が上るというのに関連して、そうして割当制度が今度改訂される、割当制度が現在の九電力会社のままでありますれば、実際需要者が払う金額というものは何割分増加するか、総売上金額……電力会社から見れば売上金額、需用者から見れば支払金額が何割余計払わなければならんか、何倍余計支払わなければならんか、これは先ほど農林省の局長もおつしやつたように、農林省関係では二倍乃至四倍、五倍もたくさん払わなければならんということを言つているのであります。先ほど、六割七割の値上げというものを意味しての話である。二割の場合には、それでは実際需用者が払う総額はどういう割合になるのか、産業省の立場としての御見解を承わりたいと思うのであります。
  22. 石原武夫

    説明員石原武夫君) お答えいたします。仮に二割といたしますと、それが各需用家がどの程度実際払うかという問題は、割当と申しますか、割当制度と申しますか、料金制度と申しますか、このきめ方だと思います。現在の料金なり或いは割当制度そのままで、全部各企業から二割ずつ取つても二割の電力収入にはなるわけであります。従つてそれを如何にきめるかによりまして、個々の企業で、先ほどお話のありましたように、平均六割にもかかわらず、二割だとか、そういうことになるわけであります。先ほど来物価庁と我我のほうから二割前後というような数字を申しましたのは、全体の電力収入が二割ぐらい殖えますれば、料金改訂の趣旨は逹せられるだろうと申上げているのであります。この二割を如何にして取るか。如何なる方面割当てるかという問題で、その影響は変つて来るのであります。我々のほうとしてはいろいろな影響考え原則として現在の料金制度平均的に上げて行きたい。原則論はかような希望を持つているのであります。若し我々の希望が逹せられるということになりますれば、原則として各企業が支払いますところの電気料金は、他の條件が変らなければ三割増しだということになるわけであります。
  23. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 石原局長に先ずお尋ねしたいのでありますが、これは電力問題について通産省の持つている意見等が織込まれるために、閣議が開かれることを望むという希望でございまするが、先ほどの岩木さんの御質問のように、これは局長個人としての希望でありまするか、或いは通産省全体としての正式の意見でありましようか、念のために伺つておきたいのであります。
  24. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 実は公益委員会とも話しておりまして、公益委員会の事務当局としましては、自分のほうで公聴会等の意見を十分聞き、自分のほうで検討した一案を作つて、それで物価庁初め関係の方と事務的に十分折衝すると言つていらつしやいますので、我々はそれを待つているわけでありますが、十分公益事業委員会の事務当局と話合いをいたしまして意思は疏通し、或いは我々の意見が訂正すべき点がないとは言えませんので、その辺で十分納得ができますれば、別に閣議ということを強いてやつて頂く必要もないかと思います。併しその間非常に食い違いまして、意見が非常に開いているという場合には、先ほど申上げましたように、上のほうで調整を願いたいということで、只今それはお前個人の意見かどうかということでございますが、実は手続として省議等にかけてこうだというふうに話合つているわけでございませんで、通逹省のほうで大臣の意見もその通りかと言われましても、大臣に念を押しているわけでございませんが、一応私は通産省意見として申上げて差支えないと思います。
  25. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 順序はお話の通りになると思うのですが、先ほどからの石原局長の話を聞いておりますと、相当公益事業委員会意見等もあまく見ておられるようでありますので、私どもは事前の打合せで以て十分行くかどうかについて甚だ疑問があると考えられますので、そういうことをお開きしたわけであります。同様なことは農林省、運輸省或いは物価庁等についても昨日からの御発言を開いておりますると、公聴会で言われたことをここでも一応言うという程度でございまして、この各省の意見を十分実現するためにどうするかという点についての気魄、決意については甚だ、疑問に思う点がございましたので、念のためにお尋ねをいたしたわけであります。なおほかの点はともかくとして通産省の石原局長にお尋ねをいたしたいのでありますが、三割以下でということを一応公聴会の席で言つておつたが、実際にはまだ正式に手続を経ておらん、こういうお話でありますが、これは三割、まあ約三割でございましようが、約三割の数字公聴会で出して、物価庁の二割案に対して通産省の最高三割でありますが、意見が極めて不評判であつたことからそういうお話が出て参つておるのではないかという感じがするのであります。それでは通産省数字はいつ出されるのか伺いたいと思います。
  26. 石原武夫

    説明員石原武夫君) ちよつと先ほど実は申上げたのであります。徹底しなかつたことと思いますが、通産省が三割が妥当だとは申したのではありませんで、各役所内部におきまして地方公聴会があります場合に、各通産局から意見を開陳させるような措置をとりますときに、先ほど申上げましたような査定基準を示しまして、そのときに大体三割以内に収まるのだというところの一つめどを與えたわけでありまして、各公聴会におきまして三割の案を別に陳述しておるわけではございません。先ほど申上げましたように、東京都などにおきましては二割程度の値上が妥当だということを主張しておりますので、その点はちよつと申添えておきます。
  27. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それではいつ具体的に最後の結論を出されるのかという御答弁はなされておりません。
  28. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 失礼しました。それは一応私のほうでも査定をしておりまして、或る程度数字が出ておりますのですが、原価項目が非常に複雑でございますので、よく公益事業委員会或いは物価庁等とお打合せをいたしませんと、正確な数字が実は出にくいわけなんです。それで今後、公益事業委員会のほうに最も資料が集つておりますので、公益事業委員会と御相談するまでには、向うから十分資料等も頂きまして、通産省として意見を固めるつもりでございまするが、ちよつとはつきりした日にちは申上げかねますが、できるだけ一週間とかその程度の間にはできるだけの調査をいたしまして意見を出すつもりでございます。
  29. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私から石原局長に御注意しますが、電力料金は八月一日から実施をする予定で、すべての用意が運ばれておる。今あなたのお言葉を聞くと一週間ということですが、或いは十日前に告示をしなければならない。少くとも二十日までに通産省意見がまとまつて公益事業委員会とまとまつた意見についての折衝を行うわけです。あなたの意見が容れられなければあなたの今おつしやつておることはすべて無駄になるという結果になりますので、今委員が盛んに発言を求められておると思うのですが、若し御答弁が誤りであつたならば御訂正を願いたい。
  30. 石原武夫

    説明員石原武夫君) どうも甚だその点は失礼をいたしました。取消します。実は我々のほうとしては現在我々の手許にありまする資料に基きましては一応の計算が出ております。併し個個の原価の項目については事情を聞きませんとはつきりしませんので、一応の案を、例えば公益事業委員会が年間の収支予算というものを作つておるのでありますから、それの数字を一応とつた案で、従つてそこは公益事業委員会の煮見に従つて原価項目の中でそのまま取入れている点があるわけです。さような方法といたしましては、我々のほうの一案ができています。組かいその内容に不明な点がありますので、その点だけについてまだ通産省責任を持つて、これはこれだけで然るべきだという意見が実は出せないので、ちよつと先ほど最終案がすぐ申上げかねると申上げたわけでありまするが、只今委員長からも御注意がございましたように、その辺を至急に打合せまして一両日中にでも一つ通産省意見をまとめる運びにいたしたいと思います。
  31. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 委員長から御注意もございましたから、それ以上申上げたくないのでありますけれども、今のような通産省のお考えでありますと、これは先ほど通産省意見が容れられずに決定されることは困ると言われておりまするけれども、恐らく皆さんがたの御希望は容れられないであろうということを我々は考えるわけであります。とつくにきまつてつて、それを強力に申入れても公益事業委員会はなかなかそれを聞入れようとしておらないのです。昨日も物価庁のほうからは相当数字を積み重ねて一つ結論を出しておられまするが、それに対しまして公益事業委員会は一体どういう考えだということに対しましては、一々人が言うのに対して考えは変えられない、こういうようなことを言つておられるのであります。それに対して公益事業委員会と打合せをしなければ一つ数字も出て来ないということは、今日に至つては恐らく我々が聴いても無駄であります。殊に電気料金の問題を調べて見ますと、なかなか逃げ道が多いようでありまして、何割にも計算ができるようであります。私は中央公論でありますか、毎日情報でありますか、電気料金改訂に関する裏話というのをちよつと読んで見ますと、これは本当かどうかわかりませんが、公益事業委員会のほうから各電力会社に七割くらいの値上案を作つて見ろというので、びつくりして向うから作つて来たので、七割の案でもできるわけです。それがいけないと今度は三割五分の案でもできるわけです。そこで我々は物価庁通産省に望むことは、これは尤もだと思うものを皆さんがたがつかんでもらわなければ、公益事業委員会のどつちでもなるような償却の方法を少し変えてみたり、石炭の量を少しいじつてみたり、修繕費をいろいろ考えたりすればどんなにでもなるような、相手に対して、その相手の意見を聞かなければ自分のほうの数字がきまらないという御態度ではお話になりません。これは我々余りこれ以上聴こうとは思いませんが、特に私は物価庁にお聴きしたいのでありますが、実は昨日も須藤委員からお話があつた、これは余り臆測がましいのですが、ぐるになつて陰謀を逞しうしておるという感じがするというお話がありました。実は我々もそういう気がするのですが、そこで二割或いは三割というのは、どうも二割か三割くらいだつたらよかろうというふうにお考えなつて、これを作つて……前にはそうではないようですが、そこで七割とか八割とかいうものを出されたものだから、だんだん二割三割はよかろう、今公益事業委員会は恐らく三割ということにすると、これは反対できなくなつちやう。こういうふうに一つの輿論になつてしまつて政治的には公益委員会が勝つている恰好です。そこで物価庁でも二割だつたらいいということを言われておるが、これも料金改訂の問題が公益事業委員会のほうから意見が出てからそういう御勘定をされたのではないかという感じがする。そこで物価庁はいつ頃から現在の電気事情では改訂して行かなければやつて行けないということをお考えなつておるか、このことをお伺いしたい。公益事業委員会或いは電力会社が出して一から、そこで初めて計算して見ると、値上という前礎に立つて計算して見ると、二割くらいになる、という感じがするからお伺いしたのです。一体物価庁はいつ頃から電気会社の内情をよく調べて、いつ頃から電気料金を上げなければ電気会社経営できないということをお考えなつたのか。国民からすれば三十数億の含み資産電力再編成に莫大な金をばら撒いた電力会社電力の値下こそやつてもいいが、値上は困るという感じが強い。そこで二割が正しいということで一体値上げしなければならんというお考えを持たれたのは、物価庁はいつ頃からであるかということを私は聞きたい。
  32. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今の三輪君の御質問の要点を申上げますと、公益事業委員会若しくは九分割された電力会社から霊力料金の値上、改訂の話が出てから物価庁或いは通産省その他は電気料金値上げ二割なり三割然るべしという御意見を持たれたのか、或いはそういうお話の出る前から日本の電力事業の発逹を期して、低廉豊富な電力供給するためには値上げをしなければならんというお考えをその前から持つておられたのか、こういう三輪君の御意見のようですからそういう意味で御答弁願いたいと思います。
  33. 郡祐一

    説明員(郡祐一君) 物価庁として電気料金検討を始めましたのは、私の記憶しておりますところでは昨年の末項から検討をいたしております。その際全く白紙の立場から、一体値上げをしなければいけないのか、しないでよろしいのか、或いは三輪さんの御説にもありましたようにいろいろな要素の組合せ方でいろいろになつて参ります。従つて幾つかの案を用意いたしておりました。だんだん物価庁としてはこの考えで行こうというような工合に、昨年の暮からの案が中でセレクトして参りまして、物価庁考え方はこれで一つ大臣にも話をいたし、又他の省にも話して見ようというような考えになりましたのは四月頃からでございます。
  34. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 通産省に対するさつきからの質問が残つておりますので続けますが、その前に石原局長は、先ほどのようなきまつておらん云々というお話でございましたが、東京電力聴聞会での聴聞調書には、はつきり値上率は、従つて二円九十銭に比較して五%という、特に産業経済影響を考一えれば大口料金については現在までの実績電力費の三割を超えることにすべきである。こういう超えるという点は一致しておりますけれども、そういう御発言があつた。それから福岡通商産業局長の高城氏の聴聞会での御発言は、電気料金値上げ産業に及ぼす影響最小限度にとどめながら段階的に実施することが必要で、左の三点から今回の値上げは三十%程度にとどむべきである。こういう御発言がなされているのです。この際お知らせをしておきたいと思います。これは決して一通商産業局長の意見ではなくて、通産省の公式の意見として私は聞いて然るべきものだと考えます。なお以下二点伺いますが、こういう点にも通産省の無責任が現われているという事例としてお尋ねをいたしたい。産業の省として各廃業への影響ということは十分お考えになると思うのであります。先ほど地域差の問題については、これは聴聞会でもそのことが言われておりますけれども、今の率でいいんだ、地域差は今の現行の比率差でいいんだということを先ほども言われたのでありますが、この点については、私どもは中国、四国、九州と電力問題について相当事情の悪い地域の意見を聞いて参つた。或いは公聴会を聞いて参つたのでありますが、この地域差の問題については現行の金額の差をこれ以上拡げてもらつては困る。その結果は例えば石灰窒素にしてもトン当り五千円も違うという数字が挙げられているわけでありますが、そういう公聴会、或いは公けの意見を聞かれてもなおこの地域差の問題については拡げていいんだと考えておられるのでありますかどうか、それが一つ。それから各産業生産費中に占める影響について先に数字を挙げてその影響の違いを挙げられたのでありますが、こういうものを考え合せても、そういう事情を知りながらもなお二〇%、或いは三十%程度でよろしいと、こういう工合に考えておられるのかどうか、その点が一つ。それから石炭の数量の問題でありますが、昨年の実績の二割増しで六百万トン程度でよかろう、こういうお話でありましたが、五百五十万トンという数字が、現状からするならば、電力に使い得る最高の数字であるという意見も出ているのでありますが、昨日あたりにしましても、その筋の意見として五百二十万という意見も出て、おります。そういうふうなものにおいて、通産省が六百万トンが妥当であるという意見は、甚だ以て通産省自身として権威のない御意見であると私は承わるのであります。この点についてどういう工合にお考えになりますか、伺いたいと思います。
  35. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 地域差の問題は、お話のように絶対額の差額を維持するか、或いは比率を変えないかという二つの考え方があると思います。我我省内でもその点は非常にいろいろ議論がございますのですが、一応結論は先ほど私が申上げましたような地域差比率原則として維持するというところに帰着したわけでございます。これは内部でもいろいろ議論が、ございましたが、調整金の額が現状よりもむしろ殖えて行くという傾向はどうも望ましくないので、やはり現状の比率を維持するという態度が妥当であろうというのが、通産省としては一応出た結論でございますので、かように申上げたわけでございます。それから影響が、二割或いは二割前後上つた場合に産業としてそれでよろしいかという御質問と思いますが、これは勿論産業の我々の立場から申しますと、一切を上げてもらうことは、これはコストに響くので困るわけでございますが、一面現在の電力料金をそのまま暫らくおいて、電力は公益事業であるからいろいろ多少償却はあるけれども、現状のままでいいというふうにも言えないので、二割前後の値上率であるのならば、或る程度影響は止むを得ないという考えでございます。石炭の量につきましては、これはいろいろ議論がございまして、公益委員会では六百三十万とか五十万とかいつておられるようでありますが、我々が一応料金計算を彈きます場合、一つの仮定と申しますか、それによつて料金を彈くという意味で、六百万トンときめたわけでございますが、公益委員会では六百万トンは超す、それから五百五十万以上は入らないという両方の意見がございますが、我々としても果して今後幾ら電力会社石炭が入るかどうかということは、これは見通しの問題で、勿論人によつて意見が違いますが、五百五十万トンというものに対しましては、去年の一割増しになりますが、現在生産は上つております。現在の産業電力需用を考えますと、五十万トン程度石炭の消費を殖やすというだけでは不足であるので、どうしても六百万トンぐらいのものは何とか電力に割き、産業用の電力を確保すべきだ、こういう結論で一応六百万トンという数字にしたわけであります。
  36. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 いよいよ電気料金改訂とも大詰に来たわけで、物価庁を我々は期待しておるわけです。ところが昨日川上部長から二割以上の値上げはどうしても現在の状況では考えられないというような、非常に断定的な御意見があつたので、非常に力強く思つておるのです。二割がいいかどうかは別として……。そこで郡政務次官にお尋ねするのですが、物価庁の二割というのは相当権威のある、公益事業委員会とも話合つた上で実現性のある、又それだけ自信を以て言われるだけの根拠のある、裏付けのある御意見であるかどうかということを僕はお尋ねしたのです。
  37. 郡祐一

    説明員(郡祐一君) 私どもは十分権威のあるものだと確信いたしております。と申しますのは三輪さんのお話にもありましたように、減価償却の方法であるとか、石炭をどれだけ食うとかというような点で、いろいろ計算の仕方が出て参ります。併しながら例えば石炭について今までの実績で見て、私どもの考え方計算程度で、十分ではないのだろうか。又それを僅かに増す必要が仮にあるといたしましても、公益事業委員会で申すほどの燃料費は要らないのではないだろうか。又減価償却につきましても、ただ会社経営を健全にするという一途を考えればともかく、他産業影響、又他の産業の健全化の度合というものから考え合せますれば、それでよろしいのではないか、十分なる基礎を以て私どもは主張いたしておるのであります。ただお話のうちにございました、それでは公益事業委員会がこれで納得するだろうか、どうだろうかという点になりますと、こちらの主張は松本さん、松永さんといえどもお話はわかつておるようであります。ただこれを自分のほうは裁判機関であるとか何とかというような、話がどうもぎごちない話に持つて行かれまするために、やや私ども折衝の途中におきましても、こちらもつい感情を激発されるというような場合もございます。そうして受けます印象ではなかなか相手が、こちらの主張は専門家が揃つておりますからわかつておりましても、自分の主張を欣然と改めるという態度に出てくれるかどうか、そこは甚だ懸念をいたしております。従いまして、今朝も私ども打ち揃つて大臣にお願いをいたし、それぞれの立場からそれぞれ向うへ折衝をいたしておる。向うが話しかけませんでも、こちらのほうからはあらゆる機会、あらゆる方法を通して、すでに公益事業委員会でもできてしまつたものでありますから、できた以上はこちらのほうが少しほかの官庁と掛け合うときより調子を変えるのは止むを得ないから、あらゆる方法で頼む。頼みに行くというと大変見識がない話でありますが、あらゆる方法で主張をいたしております、相当只今火花が散つている状態なんであります。先方もなかなか自説を固持しております。併しながら、ただそれに対しまして、私ども早く探りたいのは、抽象的のことは申しておりますけれども、自分のほうは成るほど六割は無理だが、このくらいならというような考え方をまだフランクに示してくれないのであります。これはいろいろ聴聞会の結果等を取調べておるのであつて、もうちよつと暇がかかるというようなことを言つておりますが、その間がむしろ大事な折衝の時期だと感じておる状態でございます。
  38. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 結局物価庁のかたがたも皆さんがたの作業されておるいろいろな数字に対して自信を持つて御主張になつておることもよくわかりました。併し問題は理窟でなしに、こうなつて来るというと、力の問題と言つては語弊がありますけれども、とにかくこれを納得させるかどうかという一点にかかつておりまするから、一つ最後の御努力をされるようにお願いを申しておきます。  さてもう一つお伺いしておきますが、先ほど農林省のほうから大臣官房経済課長から縷々と農業用の電力料金については特殊の扱いをしてもらいたいということがございました。又過去においても、二、三の配電会社を除いて、中国ですか、その一部は特別扱いをしておつたというふうの御説明がございましたが、この特殊料金については物価庁のほうではどういうふうにお考えなつておるか。公益事業委員会ではコスト主義をばこれを固執しておるようであります。併しながらコストといえども今言つたように相当考えようによつては幅のあるものでありまするから、我々でも今一割の値上げを作つて見ろと言われれば大体できそうな気もするわけでありまして、これはコストというものは又相当どこに考え方を置くかで動くのでありますからして、特殊料金も必ずしも絶対不可能なものであるとは思えない、そこでそういう現在の食糧増産の仕事は公益性のものであり、社会性を持つたものでありまして、純企業的な立場から離れておるわけであります。そのために又価格等も政策的にきめられておるわけであります。そこでその生産費の主要なるものをなすところの電力料金については又政策的にこれをお考えになるということはこれは決してできない相談ではないと考えておるわけでありまするが、物価庁のほうでは特殊料金についてどういうふうにお考えですか。
  39. 郡祐一

    説明員(郡祐一君) 農事用電力につきまして物価庁が先に割引の方法をきめましたが、この物価庁のきめました方式というものについては私どもも現在はそれがよろしいのではないか、ただ電気料金が仮に二割上るといたしましたならば、それに応じて上つて参るといたしましても、現行の農事用電力に対しまする算定の方式というものは、それが正しいのではないだろうか、そういう考え方で折衝をいたしております。
  40. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 もう終りますが、電気料金改訂についての公益事業委員会とのいろいろな話合いの中で、是非その特殊料金についても同時に一つ認可になる場合に実現をいたしまするように御努力をお願いいたしまして質問を終ります。
  41. 岡田信次

    ○岡田信次君 私は運輸省に一言お尋ねいたしたいのでありまするが、今回の電気料金改訂の基礎の算定は、御承知のように原価主義になつておる、一方同じ公益事業である鉄道事業に関連する鉄道運賃は、先ほど唐沢部長からのお話のように相当制作運賃が織込まれておる。そこで又さつきお話があつたのですが、近く鉄道運賃値上げが問題になつて来るというお話ですが、その場合に運輸省としましては原価主義によるべきか、或いは政策料金相当加味した方針を以て臨むかそれに対するお考えを伺いたいのであります。
  42. 唐澤勳

    説明員唐澤勳君) 運賃の問題は実はこれは権限としましては物価庁の問題でございますので、結局最終的には物価庁でおきめを願うわけでありますが、運輸省が直接事業の監督をしております関係で、そういう運賃料金についてもいろいろ検討をする立場にありますので、その点から申しますと、この私鉄の運賃は先ほども申上げましたように、相当社会政策的な要素を織込んだ運賃政策をとつております。経営状態から見ますると、この度電力料金の算定基準に示されましたように企業の健全ということを主体にして考えるのが最も適当と思うのでありますが、こういう公共事業につきましては必ずしも一概にそうばかりは言えないと考えまして、特に通勤、通学の定期というものについては十分社会政策的な要素を織込んでやつておるのでございまして、この方針は今後変えることは妥当でないと考えます。がその程度とか状況というものが会社経営或いは社会一般に及ぼす影響等に睨み合せまして、この事態に応じて考えて行かなければならんと思いますが、方針としましては、こういう社会政策的な運賃制度というものは存置すべきものであると我々は考えております。従いまして、今の御質問と外れるかも知れませんが、こういつた電力料金等につきましてもこういう特殊な社会政策的な運賃或いは料金をきめておるものにつきましては、電力料金におきましても、特殊料金を認めるとか、或いは供給面において特別な取計らいをするとかして、その公共事業の負担を少しでも軽くし、従つて一般の公衆に転嫁してその料金というものもできるだけ安くして行くという方向で行くのが最も望ましいことである、かように考えております。
  43. 岡田信次

    ○岡田信次君 物価庁のお考えはどうですか、同じ公益事業で、電気料金は大体原価主義で行く、鉄道運賃その他は政策運賃を非常に加味するという、同じ公益事業でも根本方針が違うという点に対するお考えはどうですか。
  44. 郡祐一

    説明員(郡祐一君) 鉄道運賃については只今のところ運輸省、国鉄等から十分にまだ御意向を伺つておりませんし、ただ私共として内部で必ずしも電気料金と同じような方針でなく考えても差支えないのではないだろうかというようなことは論じ合つております。まだ運賃についてのはつきりした態度をきめておる程度に至つておりません。
  45. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 政策料金問題でありますが、この料金算定基準の第九條によれば各需用種別に配分された原価に準拠して定めなければならんというので、最初の原案からも原価によつてというのじやなくて、原価に準拠して定めなければならんというのに改訂をされたわけであります。それから最初の七割五分案とそれから七割に変えた場合にしましても各社によつて違いがありますけれども、或いは東京その他この大口の電力を優遇して、小口或いは電燈料金を高くした、こういうようなこれは実際の変更でありますが、従つてこの九條とそれからこの改訂だけを見ましても施策料金というものは可能であるということがはつきり言い得るわけであります。この政策料金の問題について、昨日松永委員長代理が、農業用電力、それから病院等について考慮したいと思うけれども、向うで許すかどうかわからん、こういう御意見でありました。問題を向うに逃げてしまうということについて、私非常に不満を感ずるのであります。物価庁なり、それから通産省からも伺いましたけれども、この政策料金問題については、もつと真剣に物価庁なり、或いは関係各省において考えるべきだと思うのでありますが、その点についてどういう工合に考えておられますか、ちよつとお伺いしたいと思います。
  46. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の吉田君の御質問ですが、吉田君委員会に御欠席になつておつたと思います。その問題について、第九條の準拠する云々の問題について当委員会が論議しました公益事業委員会結論は、答弁は、言語では同じ意味である。司令部のほうにはこの前の案と同じ言語を使つてOKをもらつておる。併し公益事業委員会としては準拠するということにしたいので、日本文の翻訳はそういうふうに翻訳をいたしました。こういう答弁があつたのであります。これを一つ吉田君先に御了承置き願いたいと思います。
  47. 川上為治

    説明員(川上為治君) 物価庁考え方としましては、これは昨年からいろいろ現行料金につきましても、各方面につきまして、矛盾の点もありましたし、又いろいろ御意見もありましたので、私どもとしましては、原則としては、やはりそれぞれの原価主義で料金を立てるべきだというふうに考えておりますけれども、特別な事情のものにつきましては、成るべく政策料金を以て行きたいというような考え方から、先ほど申上げました農事用電力料でありますとか、或いは病院、学校の問題でありますとか、或いは小口、大口の調整の問題でありますとか、そういうようなものにつきましては、特別な政策的な調整をやるべきだというふうに考えまして、私どものほうとしましては、そういう考え方の下に公益事業委員会のほうにも折衝をいたしております。ただこの問題につきましては、松永委員長代理のほうから昨日もお話があつたかと思うのですけれども、関係方面の筋は、私ども従来相当長い間、現行料金の問題についても、特に農事用電力の問題につきましては、向うと折衝を重ねました関係からいたしまして、なかなかこの政策料金の設定につきましては、関係筋との交渉は非常に難航するのじやないかというふうに考えております。
  48. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それではその点については希望を申上げて置きます。特に強く公益事業としての電気事業であるならば、当然政策料金という点は加味さるべきであるという点を強く御主張を願います。なお又私共としては、転嫁のできない最終負担者と申しますか、一般国民、或いは農事用電力等について、最終負担者の負担軽減ということについて特に御考慮をお願いしたいと思うのであります。なお先ほど御答弁を頂きましたけれども、通産省の御答弁は不満足でありますので、その点を重ねて通産省のほうから御意見を承わりたい。それから地域差の問題については、二割程度のものであるならば――同等に吸収し得るだろうというお話でございましたけれども、数字を挙げて申し上げましてもわかりますように、或いは東北と九州、中国もそうだと思うのでありますが、石灰窒素ならば石灰窒素について、五千円程度の違いが出て来るということでありますならば、これは一例でありますけれども、実際にこれは全国的な同じ條件の下において競争困難だと考える。そういう地域差の克服の問題について、通産省として当然御考慮になるべきだと思うのであります。それで二割程度のものでやつて行けるとお考えになるのか、重ねて伺いたい。
  49. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 初めの御質問は、第一段のほうは。
  50. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 各産業間のアンバランス、それについて政策料金の考慮というような……。
  51. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 政策料金の問題について先ほど申上げましたように、通産省関係といたしましては、非常に大口の電力原料に使うようなところが一番問題でございまして、カーバイトとか、石灰窒素とか、そうした点が非常に影響が多いので、さようなものにつきましては、たとえ二割といたしましても、値上の影響が大きいのでございますので、さようなものについては、一つ或る程度の調整をしてもらいたい。こういう趣旨でございます。  それから地域差の点につきましては、お話のように、比例で参りましたときには、絶対額よりも相当大きな地域差が出て参りますことはお話のように十分承知しておりまするが、これはいろいろ立地條件によりまして、電力については正にその通りでございますが、逆に、石炭その他のもののコストは必ずしも全国一律でございませんので、立地條件に応じて、時に有利な点もございます。それは従来の産業が立地條件を考慮してやつておりますので、比率だけを一応保つということで先ずやるのが一応妥当だという結論に到逹したわけでございます。
  52. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 郡政務次官にお尋ねいたしたいと思います。先ほど灌漑排水用の電力料金につきまして、郡政務次官は、物価庁でもその問題については特に考えて、現在でも割引の制度があるから、それと同じ方針で進みたいというように私は承わつたのでありますが、灌漑排水用の電力料金につきましては、今に実は始つたことではないのであります。非常に農業上に重大な問題でございまして、数年来から実は問題があつたのであります。そうして二十四年の十二月の電力料金が一斉に三割二分値上げなつたときに、灌漑排水用の電気はこれは約二倍に実は上つたのでございます。それと申しますのは、実は二十一年来電力料がだんだんだんに上つております。二十一年に比べまして、二十四年の十二月では、十三倍余くらいに電力上つたのでございますが、二十一年来灌漑排水用の電力につきましては、特別の割引制度があつたのであります。電力料金については大体三割引にしていた。そして、休止料金というものはとらなかつた。使わない月には、これはその料金を免除したという特典が、二十四年の十二月のときにはその特典が全部なくなつてしまつた、そこで現在灌漑排水用の面積は、これは約六十万町歩全国にあるのでございます。その六十万町歩、水田の約二割でございますが、そこで当初は約四億くらいの電力料を使つたのが七億に跳び上つた。一反歩平均で約百十円くらいになると思いますが、これはパリテイのうちには実は含まれていない。パリテイのうちに含まれている電力料は、これは動力費といいますか、これは千分の四くらいに実はなつておる。これは脱穀等の電力だけで、灌漑排水用は全く特殊に扱つておるので入つていない。そこで、是非ともこれは前のように割引制度、そうして使用しない月の料金は免除してもらいたいということを非常にこれは農林省事業者が運動をいたしたのでございますが、結局二十四年の改訂のときには、それが容れられずに灌漑排水用の電力というものは非常に値上りなつてしまつた。そのときにも通産省物価庁等農林省はいろいろ折衝したのでございますが、そのときの通産省物価庁意見はこれはすべての産業は公平でなければならんから、これによつて生ずる損失は別途に講ずべきであるというような見解で、前の特典というものは復活することができなかつたのであります。そういう実は記録があるのでございます。そのときから以来是非とも特典の免除についてはやつてもらわないと、これは六十万町歩の水田の灌漑排水というものは、非常に負担が重くなるのであります。非常に農業上危機になるのであります。是非ともそれについては何らかの方法をやらなければいかんじやないかということになりまして、第八国会の経済安定委員会におきましても、藤野委員からこの問題に関連しまして、特に質問があつたのでございます。そのときに、周東安本長官は、これは私ども非常に必配し、苦心をしている最中で、何とかお話のような趣旨に沿うように努力はしたいと思つておりますということで、あとは速記を実はとめたのです。私どもその当時に聞いたときには、どうしてもこの改訂したときの料金が不当に高くなつたなら、これはほかの方法でその損失は講ずべきじやないかというようなことから、農林省は補正予算を出したいということです。その問題に関連して実は周東安本長官は、是非ともそれは努力してやろう。私どもはそれを信じて、非常に喜んでいたのです。今朝そのときのいきさつを実は知りたいと思つて、速記録を出して見たのですが、速記がとめてあるので、そこまでのことは速記に何も記録がありませんから、これは周東さんの責任でもないと思いますが、とにかくそのときに二億くらいの補正予算をそれじや出そうということが、実はその当時からもあつたのでございます。そこで今郡政務次官は、物価庁でも考えている、これは特殊な割引制度があるのだというようなお話でございますが、それどころでなくて、補正予算も取れないし、而も従来の特典もないのです。これは先ほど農林省の御説明もありましたが、今度の料金改訂におきまして、東京、東北、中国等においては、灌漑排水用の電力に対しては、これは特別の扱いをするのだ、割引制度をやつているのだという説明があつたのでございますが、私はその中の東京電力灌漑排水用の規定を見たのでございます。普通の料金に対しては四割引にするのだ、そして使用しない月の料金に対しては五割引にするのだ、そこだけを見ますと、非常に灌漑排水用の電力には恩典があるように、実は見えるのでございますが、これは農業のことは工場などと違いまして、設備をいたしましてもそれは一年のうちに二カ月くらいか、三カ月、六カ月くらい契約期間はあるのでございますが、幾ら長くても、それは雨の降つたときに排水するとか、旱魃のときにポンプで水を上げるというようなことで、一年中に本当に運転する時間は、これは二月にも足りないのではないか、そこで五割引にするとか、四割引にするということでございますが、最低の料金をきめたのでございます。使つても使わなくても六カ月の契約をすると、それは最低料金を出す、そしてあとの六カ月は、これは供給準備金といいますか、そういう金を出したいということで、計算をいたしてみますと、従来よりか非常に多額になつているのでございます。ここに計算した例によりますと、二カ月くらいの契約期間があつて、あと十カ月使用しないと、十カ月の供給準備金というものは非常にたくさん取られる。そして、従前よりか五倍くらいになつて来る。六カ月使うのでも二倍くらいになる。一反歩百十円くらいというのに、一反歩千円くらいになるのがたくさん出て来る。これは昨年二十五年のときにも補助金も出さなければいかん、それにはどうしても特殊料金の特典ができないというような、実はジレンマに入つているのでございます。今度は特殊扱いにするという、表面上は四割、五割減らすようになつているが、一つ一つ勘定して行けば五倍とか二倍になつて行くということに実はなつておる。私どもとすれば少くとも二十四年十二月以前のような制度にして、普通の料金に対して、割引をする。そして使用しない月に対しては、供給準備金といつたようなものは、これは免除してもらうというような方法でないと、灌漑排水をやつております六十万町歩は非常にこれは経営困難に陷つて来る。少くとも一反歩当り三斗くらい余計とれればこれは二百万石くらいの増産をやつておるのが、休止しなければいかんような状態に実はあるのであります。これはもう一遍御説明を伺いまして、御検討をお願いいたしたいと思います。
  53. 郡祐一

    説明員(郡祐一君) 溝口さん御承知だと思うのでありますが、正面から農事電力について割引の制度をはつきり設けますことが困難でありまするために、臨時電力料金規則でございますか、あれを昨年の八月に、あの規定の解釈というものを可及的緩和して、やや正面から申しますと、無理くらいかと存じましたが、規定の解釈を統一いたしまして、そうして従前に比べて殊に脱穀調製については相当安くいたして、又灌漑排水につきましては、耕地によりまして相当の差ができて参りましたが、規定の許す範囲においてでき得る限り農事電力について特別の扱いをいたすという方針を昨年八月にきめました。それが現在に至つております。恐らく第八国会で周東長官が申述べましたのは、一つにはさような意味、それからもう一つ、確かに農林省のほうから予算の要求があつて、これが成立いたしませんてしたことはおつしやる通り、そういうことが、予算が提案に至りませんでしたことは私も記憶をいたしておるところでございます。それらの場合から一貫いたしまして、決して十分ではないけれども、農事電力について成るべく許される範囲で特別な扱いをいたそうといたして参つたのが今までの経過でございます。それらの精神というものは、この度も可及的維持をすることにいたしたい、只今そういう工合に努力をいたしておるのであります。詳しくは第三部長から申上げます。
  54. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 先ほどお話がありましたが、私もその事情はよく知つておりました。できるだけ内部で、解釈の問題でやるということでございましたけれども、それが大体二倍上つたつて五%くらいは解釈でできるようになつておつたのですが、それでどうしても足りない分を補正予算で二億くらい出そうというのがこれも成立しなかつた、そういう事情があつたのであります。それで今度は需要電力料金とか供給準備料金が、いろいろの名前で只今申したような状況に実はなるのであります。これらについてもよく御検討の上、できるだけ灌漑排水用の電力については軽減できるようにお願いいたしたいと思います。脱穀調製の分は、先ほど申しましたように、これはパリティの中でも千分の四くらいで、灌漑排水の問題は非常に大きな問題であると思いますので、十分にこれは御検討をお願いいたしたいと思います。
  55. 川上為治

    説明員(川上為治君) 先ほど政務次官のほうからお話がありました通り、関係方面としましては産業別の政策的な料金は一切罷りならない、農事用電力につきましてもどうしても設けることはできないというような非常にきつい話がありまして、併しながら米価に対しまする影響が非常に大きくありますので、私どもとしましては何とかしてこの規則の解釈から極力安くできないかということをいろいろ検討いたしまして、先ほど政務次官からおつしやいましたような特別な措置をこちら限りで実はやつておるわけであります。今回の電気料金改訂当りましても、私どもとしましては、何とかしてそういう規則の解釈ではなくて、むしろ根本的に割引制度を復活したいというような考え方から、公益事業委員会に対しましても値上げは全体としまして二割程度ということも申しておりますが、その一般料金の三割引で且つ又全国一本ということを実は私のほうとしては申上げております。この全国一本というような問題につきましては、農林省のほうからは、特別に御意見を承わつておりませんが、米価関係もありますので、私どものほうとしましてはやはり全国一本の料金のほうが妥当ではないかというふうに考えまして、委員会のほうにもその点は十分話をしておりますし、公聴会におきましても私は先般の東京におきます公聴会でそれを申しております。
  56. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は丁度郡次官がお見えになつておるので、電力料金制度の基本の問題について一、二伺つておきたいのです。これは昨日、今日の物価庁、安定本部、今日の通産省等の御意見を拝聴しておりますと、役所の間においても御意見が非常に乱れておるように思う点があるわけであります。だからそういうようなことでは電力料金制度の重要なる確立はできないと思うのでございまして、物価庁はどういうお考えを持つておられるか、責任者である次官からお聞きしたいのであります。で、極く簡單にどの点が違つておるかと申しますと、昨日物価庁の川上部長は、石炭の焚く量、五百五十万トンと言われたのでありますが、これは全部電力料金の枠へ入れまして、そうして結局火力料金制度というようなものは一応なくしてしまえというような、結果からそういうことになるわけでありますが、そういう御意見の主張がありました。私はできれば非常に結構でありますけれども、さようなことは不可能であろうということで反駁しておいたわけであります。それから安定本部の産業局次長の岩武君は、今日の段階においては電力の需給バランスが崩れておる、従つて只今行わんとしておるアロケーシヨンのごときは、これは電力規正を行う上においては好ましいものではない、従つてアロケーシヨンの問題は根本的に考え料金は標準料金、火力料金というような制度をやめまして、そして一本建にして電力規正の問題は別に考えて行くようにしたい、こういう強い意見がありました。それから只今石原企業局長は、料金制度の更改においては、現状の料金制度のふくらましによつてつて行きたい、こういうことをおつしやつたわけであります。私は繰返して申上げておりますように、電気料金の問題は決してこの業種別の單価の問題ではない、單価にかかるところの電力量が消費者の支払額になるわけであります。非常に重要な電力制度の問題はそういつたような裏に、国民のむずかしくてよく知り得ないところに盲点があるということを指摘しておるのであります。従つて少くとも、この新らしい電月料金制度を更改するときに当りまして、こういうような各省の間の意見が非常にばらばらになつておりますることは、私の遺憾とするところであります。特に公益委員会等においては割当制度の全廃論を唱えておつたようでありますが、ついに従前通りに残すことになつた。これは或も意味においては大口と小口との間に差等を設けるいわゆる政策料金とも言い得るのであります。そういつたようないろいろな面から考えまして、これは是非とも物価政策から考えて、役所のほうに思想統一を願わないと、これは非常に困るものであるという工合に考えるわけであります。どういう工合ですか。
  57. 郡祐一

    説明員(郡祐一君) おつしやる通りでございまして、従来物価について決定をいたします場合には、関係省の間にいつの場合でも非常な意見の相違があるのであります。併しそれは急速に思想の基本的な点については統一をいたして、それから議論を進め、そうして成案に逹しておるのであります。この点は特に私ども司令部等の関係もあり、気を付けておるのでありますが、このたびの電気料金の場合については、公益事業委員会のいたしまする仕事の進め方が、全く従来の官庁がいたしておりますのと違いまするために、勢い十分なる思想統一のできませんうちに各省の意見の開陳があり、或いは場合によりましては自分の意見も訂正をいたしておるというようなことに相成つております。思想統一が十分できておりません点はいろいろな点で認めるのでありまするが、今後におきましても、将来の責任が政府にあることでありまするから、統一すべき点は至急に統一することにいたします。
  58. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 至急と申しましても、公益事業委員会は二十一日までに料金を決定すると言つておるのでありまするから、恐らく今度には私は間に合わないと思うのでありまして、非常に遺憾に存ずる次第であります。それから更にお尋ねいたしますが、昨日川上部長は五百五十万トン、いわゆる二十六年度の国内の石炭情勢において入手可能の最大限の量を標準料金に織込みたい、こういうことをおつしやつたのでありますが、恐らく物価庁が昨日発表せられました標準枠で四割、それから実際の支払料金において二割とおつしやつたのが、そのうちの標準料金四〇%分はこの五百五十万トンによつて計算をされておるのではないかと思うのであります。ところが公益事業委員会は昨日六百五十万トンは非常に強く或る方面から主張せられておる。更にそれ以上も主張をせられておる。従つて六百五十万トンは予定をしなければならん。併し標準枠に入れる石炭の量は四百三十万トンといたしたい、こういうことを言つておるのであります。従つてこういうような基本的な問題で食い違いを生じておつて、いや四割だ、二割だ、六割だといつておられましてはさつぱり私は問題にならんと思うのでありますが、その点はどういう工合にお考えなつておりますか。
  59. 郡祐一

    説明員(郡祐一君) 確かに私どもの主張と公益事業委員会の主張との中で若し石炭の分量についての違いがもとであり、且つそれが関係方面からの強い示唆でもありまして、そのようにいたさなければ相成らん、或いはそのようにいたすことが正しいというような判断になりましたら、その点については私どもの考え方についても若干の修正を加えなければならんかと思いますけれども、それはさして大きくこの電気料金の率に響くものではないように考えております。
  60. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それでは伺いますが、五百五十万トン、マイナス四百三十万トン、百二十万トンの石炭代がどれだけ電力料金影響するかお知らせを願いたい。
  61. 川上為治

    説明員(川上為治君) 今の五百五十万トンと四百三十万トンの差額百二十万トンが大体標準料金に対しましてどれくらい影響するかという問題ですが、私のほうの計算では大体三%くらいになるというふうに考えております。それからこれは計算をあとで詳細に申上げる機会があるかと思うのですが、今の私のほうの五百五十万トンというのは、最大限入手し得るという必ずしも意味ではないのでありまして、少くとも五百五十万トンというものが最も確実な数字ではないかという考え方を持つて意味でありまして、少くとも料金の中にはそういう最も確実なものを入れておくべきじやないかという考え方でございます。
  62. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それは昨日のお話と違うので、昨日は私は繰返して、速記にも残つておりますが、五百五十万トンを標準枠の中に入れて計算をしたいということをあなたはおつしやつたでしよう。
  63. 川上為治

    説明員(川上為治君) おつしやる通りでありまして、私どものほうとしましては、最も確実な数字として五百五十万トンを見まして、それを標準料金のほうに入れる、五百五十万トン以上のものは考えないという考え方でございます。
  64. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうしますと、その五百五十万トンから石炭が余裕が出て余計焚ければ一向かまいません。私はそれについては議論をしようとは思いません。結局標準額という安い電気料金の中へ、生産をするために五百五十万トンを焚くか、或いは四百二十万トンを焚くかということは、これは非常に大きな影響を及ぼす。それはなぜかと申しますと、四百三十万トン焚いた場合には、その差額の百二十万トンというのは全部火力料金になるわけです。はつきり申上げればそうでしよう。それからその百二十万トンが先ず微々たるものだということをおつしやるならば、百二十万トンに單価を掛けて、それを火力料金にして一遍計算を出してもらいたいと思います。
  65. 川上為治

    説明員(川上為治君) 私どものほうとしましては、総括原価に対しまする総括収入を見合うように、而もそれは標準料金の中に五百五十万トンを入れて、そして総括原価に対する総括収入が合うようにというような考え方で行つておりまして、仮に五百五十万トンというものが四百三十万トンでありますか、百二十万トン程度削られるということになりますれば、総括収入においては変らないように標準料金につきましてはその分だけ切下げるべきだというふうに考えております。
  66. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 標準料金において切下げろとおつしやるけれども、現実に百二十万トンというものを火力料金バンドに押し込むか、標準料金バンドに入れるかということであつて、これは総括原価の問題とは関係のないことです。
  67. 藤田勇

    説明員(藤田勇君) それでは私代つて説明申上げます。おつしやる通り物価庁の五百五十万トンを焚く場合における総括原価そのものには変りはございません。そうして仮に五百五十万トンの中で百万トンを追加使用料金にする。そうしますと四百五十万トンがスタンダード・レートのものになります。こういう計算をいたしますと、百万トンに対しましてのロス率、それからそういつた石炭率を考えまして、大体八億六万キロワツト・アワーぐらいになります。これに対して超過料金の総平均が七円程度のものになります。その金額を総コストから先ず引きます。その残りを標準料金キロワツト・アワーで割りますと、ちよつとこの計算をやつて見ますと、大体総括原価の九百二十五億というものは八百六十五億、この程度になります。そして総キロワツト・アワーの二百七十六億がその百万トン分だけ減少いたしますために、二七六・六億と、こういうふうになりまして、その單価が大体三円二十三銭、こういうふうに相成ります。そうしますと、その場合における二円三十七銭に対する値上り率は一・三七から三六くらいの間に来るようでございます。そこで罰といたしますと、その開きは三%乃至四%程度になる、そうすると総括原価はちつとも変りませんから、そのときに二割のアツプと、これまで差上げております一割八分アツプというものは、その数字はちつとも変りません。以上お答えいたします。
  68. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 この問題はちよつと計数の問題になりますからあとでお聞きいたします。次に伺いたいことは値上りの率の問題でありますが、各事業者の提出しました説明書を見ますと、これは非常に重大な点を一カ所発見したのであります。それは値上りの率の出し方が違うので、即ち或る社は二十五年度の実績と二十六年度の予想との間のそれぞれの單価を出しまして値上げの倍率を出しておるところがあります。それから多数の会社は二十六年度の販売電力量の予想量に対して、現行料金と、それから改訂料金とのそれぞれの單価を出して倍率を出しておるのであります。あなたがたはどちらのやり方が正しいとお考えなつておるのか、又そういうことが申請書の中にあることをお気付きになつておられるかどうかを伺いたい。私はなぜそういうことを申上げるかと申しますと、二十六年度の販売予想数量によつて現行料金とそれから改訂料金とでやりまする場合には、全くコンデイシヨンが同じになるわけであります。標準電力料金の枠と火力料金の枠と同じに計算できるのであります。恐らくそういうふうにやつておると思います。然るに二十五年度に需用家が支払いました実際の金額の何割殖えるかということには直接ならないわけであります。一つの机上の計算において行われる。私は前前回の委員会でありましたか、この点を指摘いたしまして、二十四年の十二月十三日のあの値上げ当時から比較をいたしますと、一キロワツト・アワーの実際の原価を計算しますと、今度は事業者の出した案によりますと二・七倍になる。二十四年度の末から今日まで行いました分が一・六倍になつておる。差引一・一倍ぐらいの値上りになるんじやないか、こういうことを指摘したのであります。これは実績から指摘をいたしました。公益事業委員会の中川経理長もこれは認めたのであります。需要家の実際の負担から言えばそういうことになるということを認めたのであります。従つて値上り率計算をどういう方法によつて行うかということは非常に重要な影響を及ぼすのでありますが、その点について今申上げました二点、そういうことをお気付きになつておるか、どちらが正しいとお考えなつておるか、これを伺いたいと思います。
  69. 藤田勇

    説明員(藤田勇君) 私のほうでちよつと聞き洩しましたが、大体昨年と同様な業種別の配当があるか、それから昨年と同様な率で追加料金が支払われるかということを前提とした場合の値上り率と、それから二十六年度における配当の場合における数字との間に値開きがあるではないか、こういう御質問のように承わりましたが、さようでございますならば確かにその点はそういうふうな結論に相成ります。物価庁といたしましてはこの計算をいたします場合に、一応二円三十八銭現行スタンタード・レートでやつておりますが、二十六年度の配当計画というのがございまして、それを元といたしまして計算いたした場合におきましては、大体その数字実績の二円四十三銭、これから税金を引きまして、いわゆる二円三十八銭になりますが、その数字が二円四十九銭というものに変ります。確かでございますが、六銭くらい違います。そうしますと税金を引きましてもそこに四・五銭の開きがあるとすれば値上り率は実際上違つて来る、こういう計算を一応立てております。念のために申上げます。
  70. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それは認められたことはいい、それでどちらが正しいとお考えになりますか。
  71. 藤田勇

    説明員(藤田勇君) 私のほうといたしましては二十六年度の計画数量に今日の実績單価をかけて修正した單価で倍率を出すことが正しい、かように思います。
  72. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 同衆安本長官がお見えになりましたので、十分ばかり休憩したいと思いますが、どうですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今から十分間休憩いたします。    午後三時五十九分休憩    ―――――・―――――    午後四時二十三分開会
  74. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 休憩前に引続いて委員会を再開いたします。休憩前の委員会において岩木君から昨日公益事業委員会の権限に関する問題について再び発言になつておりましたので、委員長は法制局に質問をいたしまして、只今文書を以て回答がありました。その回答を読上げます。「内閣が行政権の行使について国会に対し連帯して責任を負うべきことは憲法からも明らかであり、公益事業委員会の行う行政処分についても最終的には内閣がその責に任ずべきものと考えられる。公益事業委員会に対する監督の方法としては、委員の任命、罷免、特に職務上の義務違反のあるとき、その他委員が委員たるに適しないと認めるときは、内閣総理大臣が両議院の同意を得て罷免し得ることがある。公共事業令第七條、第十條、第十一條、なお勧告に関連するものとしては、内閣総理大臣に対する報告義務(令第十九條)がある。一般的には、内閣総理大臣は閣議にかけて決定した方針に基いて行政各部を指揮監督し、又内閣総理大臣は行政各部の処分又は命令を周知せしめ、内閣の処理を待つことができる旨の規定が内閣法にあるが強度の自主性を賦與されている公益事業委員会の性質上、これがそのまま適用されるものと考うべきか否かはなお十分な検討を必要とする。」こういう回答書が法制局から只今届けられました。従つてこの回答では岩木君の質問の答弁に対しては十分でないと考えますので、なお十分な検討を必要とするという点に関して、法制局では早急に結論を出して当・委員会に報告をするように只今委員長は命じて置きましたので、後刻その報告が参りました際に、再び委員会に御報告することといたします。  それでは休憩前の質問を継続いたします。
  75. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は物価庁値上げのやはり一つの基本になる点について伺いたいと思います。実は昨日の委員会で、私が物価庁において四月の下旬から五月の上旬にかけて電力料金値上げに対する作業を行われて、そして六割二分という値上げの試案を少くともプリントにしておられたことはないか。私はその写しというものを持つておるかというので、相当細かくお話をしたところ、認められたのであります。但しこれは物価庁の、庁の意見として決定を見たものでないのでございますと言われたのであります。私はその点も了承をいたしましたけれども、そのときにお話の中でそのほかにもああいう案、こういう案を作つていろいろ研究をしておられた。そういうことも言われたのであります。私は今日は各省間の電気料金制度に関する思想統一を願いたい。各省においてお考えがまちまちであるということを指摘いたしまして、郡次官もこれをお認めになつたわけで、早速思想統一を願いたいのでありますが、更に物価庁の中におき  ましてもそういうようなことがあつたのでありますが、当時の新聞、私は今紙名をはつきり記憶にないので申上げられませんが、新聞にも物価庁考えられた六割二分の案というものが報道されたこともあるわけであります。そこで先ず話の順序として伺いたいことは、昨日物価庁として力説せられました標準料金四割、それから実際支払料金において二割という案をこの四月下旬から五月上旬に亘つて作業をせられたときに、同時に作成しておられたかということをお伺いしたいのであります。
  76. 川上為治

    説明員(川上為治君) もうすでにその当時におきましてそういうような案を作つております。
  77. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうすれば更に重ねて伺いたいのでありますが、当時一部の新聞に報道せられたのであります。物価庁はそういう考えを持つておるということを国民は知つたのでありますが、なぜその当時昨日御発表になつたような案をまつ先に、非公式とはいえ、御発表にならなかつたか。私はこういうことができなかつたがために、却つて今日のような混乱を私はまき起して、来たのではないか。当時物価庁が嚴たる態度を以て、昨日示されたような案を高く堅持せられておりますならば、私は今日のようた混乱をまき起すことはなかつたのではないかと、こういうふうに考えるのですが、その点は如何ですか。
  78. 川上為治

    説明員(川上為治君) 私のほうで六割二分の案をその当時発表したことは全然ありません。いろいろな方面に対しましてそういうものをお配りしたこともありません。私のほうとしましては何ら当時におきましては、どの程度がよいということは一遍も発表をしておりません。ただ何らかの機会におきまして、我々が作業しておりましたものが、或いは紛失なり、或いは何らかの形におきまして、或いはどちらかのほうにそれが見られたかも知れないと思うのであります。
  79. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そういう工合に了解してもいいわけですけれども、私はまあ固苦しく申上げませんが、昨日奥議員でありましたが、私は物価庁に参つたことはありませんが、奥議員が物価庁に行かれて或る係官に会つたところが、そういう数字を基にしてこの程度でとにかく止むを得んと、こういうことを言われたというお話であります。従つてそういうことであれば、それが伝わつたということは否定できないことに私はなると思う。これは奥議員が今日おられますから、若し間違いであばれ更に確めて頂きたいと思います。当時の物価庁がもつと嚴たる態度でこの問題を愼重を期せられたならば、これほどまでに大きな、若干政治問題にまでも発展するような工合にして電気料金問題を扱わなくて済んだのではないかと私は考えるのであります。済んだことでありますからそんなに追及いたしましても問題になりませんけれども、余りにも問題が重要でありますので、その点を明らかにして置きたいと思うのであります。
  80. 郡祐一

    説明員(郡祐一君) 只今川上第三部長が申上げました通りでありまして、殊に当初にその作業をいたしております頃から、先ほども昨年末からの作業の模様を申上げましたが、異常な豊水で暫時上昇を見ており、四、五月の頃から各種の案を検討いたし、主として減価償却の方法等によりまして著しく違つて参ります各種の案を検討いたしております。案をこしらえます順序等について、作業の場合にいろいろな順序で出て参ります。その場合にも当初からこの問題は十分官庁間の指揮命令の手続きを十分踏んでしなければいけない。ただ勉強だけは或る部分はほかのことをおいてもこれはやつてくれということを申して置きました。従いましてその作業をいたします者が洩らしますようなことは万ないと存じますが、若しさようなことを口走る者がありましたならば、それは甚だ不謹愼なことでございまして、誠に遺憾に考えます。併し私どもは当時におきましては、公聴会等の機会ができて参りますとその際には申しましたが、それまでは嚴に内部の作業として一生懸命ではいたすが、努めて謹愼した態度をとつておりましたので、その点はどうか御了解願いたいと思います。
  81. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ちよつと栗山君にお諮りしますが、周東安本長官は米価の問題で非常に急いでおられるそうで、昨日からの周東安本長官に対する御質問のほうを先にお願いいたしたいと思いますが、どうでしようか。
  82. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それではいいです。
  83. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 周東安本長官にお尋ねいたしたいのでありますが、公益事業委員会が裁定されました電気料金について、よつて起るいろいろの問題、こうした問題につきまして内閣は責任を持たれるのか、持たれないのか、その点を伺いたいと思います。
  84. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) 裁定の形式的な権限は、同じ政府であります公益事業委員会が持つております。併し私どもはこの前の国会におきまして参議院の委員会で今日のように松永さんの列席の上で尋ねられました形式的の権限は公益事業委員会という政府の代表機関がきめることになつておりますけれども、事いやしくも電気料金国民生活の上にも、復興途上にある日本の産業に及ぼす影響というような点から見ても非常に重大な関係を持つものでありますから、実際的にはよく密接に連繋をして、そうしてでき得る限り妥当な線においてこれを決定するようにいたしますということを申しておつたのであります。その席上、松永さんも私の意見と全く同意見ということでありましたから、裁定だけで独自の立場できめて行かれないで、よく他の官庁である、殊に物価関係等について深甚なる注意をいたしておりまする私どものほうと連絡をしておきめになることと考えております。今のような責任問題とか、どうとかいうようなことは起らないであろうし、起したくないと思つております。
  85. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 同じ政府の行政機関中で、公益事業委員会以外の行政機関である、例えば周東長官の所管する安本、その他通産省、或いは運輸省、各省の気持はわかりますが、そこで問題は先般来あなたのそれぞれの機関及び部下のかたが権威ある意見としてこの公式の電力委員会で公表されておるのはいずれも二割見当を以て妥当とすると開陳されておる。これは一部長の意見かと尋ねましたら、先ほど郡政務次官は権威ある安本意見であるという意味の代表意見が開陳されたわけであります。そこでまだ公益事業委員会が何ぼと裁定されるか、これはわからないのであるが、権威ある内閣の、今お説の責任ある行政機構が、二割が妥当であろうという意見をこの権威ある委員会において開陳されておるものと違つた裁定をされて、それより安い場合におきましては問題は別の問題でありまして、非常に収拾し易いと思いますが、いやしくもこの電力九分割案及び公益事業委員会法案をポ勅令で出される以前の企画官庁としてのあなたのほうの立場におきましても、又今までこれができるまでの電気料金を決定されておつた物価庁、あなたの所管物価庁、こういつたものが権威ある意見として、又通産省におきましても同様の意見を言われておる。こうしたような権威ある行政機関が言われておるのに対して、著るしく違つた裁定をされた場合に円満にうまく行けばいいが、うまく行かない場合にはこれの責任がどこに行くのか、どこにあるのかということをやはり明確にして置かないと、今希望的なことだけではなかなか問題はあとへ尾を引くことになりますから、この際もう一度重ねて承わりたい。
  86. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) 今お話の点御尤ものようでありますが、私どものほうは私どもの立場で、物価庁で研究した意見を述べておると思います。又通産省も同様な立場意見を述べております。この間から各地で開かれた公聽会においても意見を述べております。併しこの意見と違つた案ができたらどういう責任をとるかということは少しあなたはお早いのではないか。これは公益事業委員会におきましては最後の線をまだきめていないので、こういう輿論に従つて、又各官庁の意見等も聞いて、今後に恐らく公益事業委員会においての一つ意見がきめられるだろう。そういうときに恐らく私どものほうなり、通産省なりいろいろの意見が出ておる所と実際話合いが進められることになると思わなければならん。それを期待しております。そのときに相互意見の交換をしていずれかにきめられる。今申上げておるのは私どものほうの意見ですが、いろいろ見るところがありましよう。そういう点を双方においてよく話し合い、理のあるところは取り、間違つたことは快く捨てて、意見をきめるべきであります。今ここで申上げておるのが権威あるものだから、これと違つたものを採択されたらどうかという御意見はまだ少し早いのではないかと思います。
  87. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それではこの委員会その他で権威ある意見ということについては早すぎるということで、お説、或いは御尤もと思います。併しそれでは政府はこの電気料金裁定に関しては閣議に諮る。これは総理大臣にお聞きすることかも知れませんが、総合企画庁である、責任大臣である周東大臣にお伺いすることは、閣議にかけられる思召しであろかどうか、この点を伺いたい。
  88. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) これは形の上においては閣議で決定するとかいう形になつておらないようです。これはよいことか悪いことか知りませんが、公益事業委員会というものは独立しておるという話であります。そこのところを実際の連絡をとろうとしておる努力は一つ認めて頂かなければならん。従つて閣議にかけて決定するとかいうような形は今私は考えておりません。
  89. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 閣議にかける考えではないということでありますが、それは政府の方針として承わつて置きたい。ところで内閣総理大臣は、この内閣の行政府の、或いは内閣総理大臣の意思に反して公益事業委員会の委員が行動、処置をとつた場合には、これらに対して行政措置といいますか、両院に諮つてこれを罷免することができるということがあるわけでありますが、そこで私は承わつて置きたいのは、内閣の総合企画庁である、而も以前は電力会社の管理をしておつた通産省物価を取りきめる物価庁安本、これらのものが権威ある意見としてそれぞれの見解を権威ある委員会においても開陳されておるということは内閣の有力なる意見と私は思うておる。ただ單ある塗説でない。而も存本のそれぞれの責任部長が聽問会に出てまでその趣旨を言つておられるわけであります。でありますから院内外を通じて行政官庁のそれぞれのかたがたが権威ある意見を開陳されておることは、即内閣の重要なる意見と、かように承知いたしております。その内閣の重要なる意見と意思が相反するようなことを公益事業委員会がやつた場合には、これに対して両院に諮つて、それらの委員を罷免する、又は適当な処置をするという、こういう規定になつておるわけでありますが、そこで公益事業委員会がまだ裁定されておらないので、今言うのは早いのではないかという大臣のお言葉は御尤もでありますが、若し間違つた場合は、政府はこういうものに対してどういう措置をとられるかということをくどいようでありますけれども、もう一度承わつて置きたい。
  90. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) それは公益事業委員会を私は直接監督しておらないのです。総理大臣の権限にあると思います。又その條文に書いてあることに当るか、当らんかという具体案が出たときには総理大臣が考えられるだろうと思います。私はここでどうするという越権の沙汰は控えたいと思います。それから繰返して申上げますが、もうすでに公益事業委員会は或る種の決定されたごときことでのお尋ねでありますが、私どもの関係にある物価庁等意見、これは意見を述べておるわけで、確定した最後の決定は今後に出て来るわけです。これに違つたらどうするどうするということでありますが、これからこれは公益事業委員会は独自の案をお立てになるときに、恐らく私どものほうと連絡してもらはねばならんし、又連絡して頂けると思います。そのときに意見の交換をして、十分に腹蔵なき意見の交換をして、意のあるところにまとめて行きたいというのが行き方であります。その点は御了承を願いたいと思います。
  91. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それでは次にお尋ねをいたしたいのは、物価統制令と今度の公益事業委員会が裁定される裁定、これはやはり物価に関する問題でありまするが、どちらが優位であるかということにつきましての御見解を承わりたい。
  92. 川上為治

    説明員(川上為治君) 物価統制令と公共事業令とのこの料金に関する関係でありますが、これは先般の関係方面のメモによりましてはつきりと物価統制令から外しまして公共事業令による認可ということになつておりますので、権限及び料金の決定につきましても物価統制令から除外する形になつて来るわけであります。
  93. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 私は物価統制令から除外しておるか、おらんかということをお聞きしておるのではない。物価統制令と公益事業委員会が裁定した電気料金というものとのこの物価に関する法律というものがどちらが優位かということを承わつておる。どちらが力が強いのか、優位かということを、優れておるかということを承わつておる。
  94. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 岩木君に委員長から言いますが、今あなたの御質問で、物価統制令の一般的の法律と電気料金の決定という特殊のものとからみ合せての質問ですが、電気料金については物価統制令から外してあるので、これに対してはあなたの御質問にお答えはできんものと思うのです。ほかのものと物価統制令との比較はどちらが優位かということはできると思うのですが、外してあるものと物価統制令というのはどうするのかというのはこれはちよつと質問のほうが間違いじやないかと思うのですが……。
  95. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 私が間違いかどうか私の尋ね方が悪いのかどうか存じませんが、私の伺わんとするところは、やはりポ勅令によることが公益事委員会による裁定の電気料金の価格であります。国内法による、いわゆる物価統制令によるということが一般の物価の統制法律である、こういうことになるわけです。そこで私が先ほどもお尋ねしたのは、ポ勅令による占領軍の管理、秩序こういう制度のほうが位が上なのか、或いは国内法による法律が下なのか対等なのかということを伺わんとするのが本旨なのです。
  96. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それならわかるのです。
  97. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) これはポ勅令という性質をもう岩木君御存じなのです。法律でできないものをポ勅令でやつて行くから、相当出た以上は強いということを御承知願いたい。
  98. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 そこで私が伺うことは国内法による法律より強い、こういう解釈である場合について、然らば内閣総理大臣が公益事業委員会の裁定について同じ総理府の外局としての行政組織とされておる公益事業委員会が裁定されたものはそれじやこのほうが優位だから公益事業委員会が内閣の意思に違つてなつた行為というものはあり得る問題か、あり得ない問題かということをお聞きしたい。
  99. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) どうも質問が、私はおかしいと思うのです。そういう問題じやないのです実際は……。それは明かに法律の問題から……、監督権の問題に非ずして、物価全般から見て一体そういう見解を持つていらつしやるけれども、それが全体で妥当であるかどうかということで忠言もし連絡もする、その忠言とか連絡したことがあるにもかかわらず飽くまで違つたふうな決定をするということが起れば、それはそういうことは別の監督権限から出て来るのであつて、法律が違うからどうというのは少し質問が違つているだろうと思います。
  100. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 私は違つていないと思いますけれども、大臣が違つておると言えば、これは水掛論で、一応それは別にします。それで昨日松永委員長代理公益事業委員会で、裁定した結果に及ぼす責任と申しますか、義務は負うということを言われておるのでありますが、そうすると電気料金がどういうところへ裁定されるかわかりませんが、よつて生ずる経済問題、或いは民生安定の問題その他いろいろの問題に対して責任を負うということを言われておるが、これはそれじや内閣は責任公益事業委員会がきめられたものは公益事業委員会が負うというような、そういう解釈を持つておられるのかどうかということを承わつて置きたい。
  101. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) 責任論ですが、私はそういうことの権限の問題でなくて、やはり今日の経済復興途上にある日本の経済をどつちへ持つて行くか、安定させて行くという方向へ若し混乱を起すようなことをどうしても防ぎ得なかつたとすれば、それは私どもの責任にあると思いますが……。
  102. 山田節男

    ○山田節男君 ちよつと議事進行について、先ほど委員長から照会された公益事業委員会の権限に関する参議院の法制局の見解ですね。この最後の内閣総理大臣が公益事業委員会に対して注意し或いは取消し得る権限があるか否かということについては事重大であるから研究する、で後刻報告するということを言われましたが、その後刻が今日の後刻であるのか明日の後刻であるのか、今の岩木委員と周東国務大臣との質疑応答は、私はやはり今の法律的な解釈がはつきりしないのでは議事は進行しないと思うのです。ですから後刻というのが今日できるのであつたならば、できればこの委員会が開会中にその結果をここに持つて来て見れば、周東国務大臣に対する質問がもつと私は軌道に乗ると思いますが。
  103. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 委員長は一時間内に答弁書を出してくれという要求をいたしました。法制局としては、一時間では無理だ、もう少し時間を頂きたい、それでは本日委員会を開会しているから、開会中に間に合うように答申書を出せ、かように法制局に要求しております。従つて委員会がいつまでやるかわかりませんけれども、途中においてもう一回請求して本日出せるか出せないかを確かめて見ます。
  104. 山田節男

    ○山田節男君 今日持つて来る建前になつているんですね。
  105. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今日持つて来るように委員長は要請しております。
  106. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 岩木さんの御質問を、昨日の御質問を聞いておりますと、法律的な解釈の問題も、そういう周東安本長官が言われるような公益事業委員会の裁定が物価体系全般に及ぼすところは、或いは心配せられるような非常に大きな破局的なと申しますか、あらゆる物価体系を紊し、インフレを促進するような結果になつたら、どうでもそれについて公益事業委員会責任を持つと言われるけれども、政府としてはどうだ、こういう御意向であると考えるのです。問題はそういう実質に関連するのでありますが、私も先ほどお話になりました手続問題について安本長官に伺いたいのであります。公益事業委員会から各官庁に打合せをせられるかどうか。協議せられるだろうということを言つておられるのでありますが、そういう協議がなされるかどうか。或いは閣議にかけられるかどうかという問題に関連してお尋ねするのであります。断つて置きますけれども、私ども物価庁の二割案が妥当であるという見地の上に立つてお話申上げるのではありません。或いは各産業においてはそれを吸収し得ることができるかとも存ずるのであります。或いは産業によつては吸収困難なところもございます。或いは一般勤労者、或いは農民等についてはこれを他に転嫁することができませんし、米価、賃金については、それが十分今後盛り込まれない実情から考えまして、二割の値上案についても反対をするものでありますが、それは措いて、今の手続の問題でありますが、安本長官は協議せられるであろう、そうして円満な妥結の上に閣議にはかける必要がないのではないか、こういうお話でございます。昨日物価庁のほうからは二割の線については、これは妥当なものと信ずるし、又それが実現するものと考えるという相当強い御発言もございました。なおこれは物価庁から頂いた資料でありますが、電気料金は従来閣議決定を経て物価庁が指定していたが、公益事業委員会は独自の見解に基き閣議にも諮ることなく認可する意向のようであつたのだが、併し問題の重要性から物価庁その他関係官庁と事前に十分連絡し、閣議にも諮つた上実施することが適当と考えると書いてございます。只今物価庁長官としての安本長官の御意見と、物価庁の私どもが頂いております文書による意見の食い違いがございます。私は物価庁の書類に、頂いた意見物価庁としての当然の意見だろうと思いますし、又妥当な意見だろうと考えるのであります。なお先般、これは安本長官お出でにならなかつた前ですけれども、通産省においても同様の二割程度が妥当と考えるのであるが、最終的な結論を得ておらんけれども、この問題については通産省として、これは石原局長でありましたけれども、自分の意見であるけれども、或いは通産大臣としても、省議としても、恐らく閣議にかけられることが妥当であるという意見になると信ずるというお話でございました。なおこの点について昨日も松永委員長代理からも、各官庁とも相談をしなければならんという建前でなつておらん。或いは閣議にもこれはまだ委員会で相談をしておらんけれども、閣議にかけるべき事項ではないと考えるという御答弁でございます。松本委員長においてもこれは新聞記事でありますけれども、読売の七月七日でありますが、新聞記者の、「決定前関係官庁と打合せますか、閣議にも諮りますか。」という質問に対して「とんでもない、その必要はないでしよう。閣議とか官庁とかに迷惑をおかけしません。飽くまで公益委員会責任で決定しますよ。」と明言をしておられるのであります。これらの意見から考えますというと、今安本長官が言われた、閣議も勿論でありますけれども、事前の十分な打合せと申しますか、相談と申しますか、そういうものが行われるということは、これは我々として今までの言動、或いは新聞記事等から考えにくいのであります。物価庁のあなたは違つた意見を述べられましたけれども、書類による御意見等から考えまして、どういう工合に考えるのですか。それから事態の進行は、安本長官の希望と違つて進行するように私どもは見受けられるのであります。それらの問題についてどういう工合に考えておられますか。長官として一つ御答弁願いたいと思います。
  107. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の吉田君の御発言中前半の問題は、これは山田君から議事進行の発言がありましたように、内閣と公益事業委員会の調整関係がどうなるか、閣議にかけんかかけるかという問題が残りますので、法制局からの回答を一応お待ち願いたい。後段の問題は安本長官から御答弁を願いたいと思います。
  108. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 これは法制局の意見もございますけれども、問題は法律の字句的な解釈でなくて、政治的な解釈の問題であると私は考えます。この点は法制局の意見意見でございますけれども、断定的な意見も出て参るか、甚だ疑問だと思います。私は政治的にこれほどに問題になつた問題については、当然これは閣議で取上げるべき責任があると考えるのでありますけれども、解釈の論争はいたしませんけれども、この法制局の意見にかかわらず、私として解釈はしております。
  109. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) 私はこれは余りはつきりと追い詰めるとやれることがやれなくなるということを申して置きます。わかるかどうかわかりませんけれども……。何も閣議にかけて決定しなければいかんということになると、今の官制上公益委員会が決定するということはちよつと引つかかるものですから、だからそういう決定というものは余りやかましく言われないで、政府との連絡はぴつたりさせるように話はつけております。それまでの間、事務についての相談はしております。それが番いろいろ障害を起すことなんであります。
  110. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 決定という文字を使わなくても私は差支えはないわけであります。併しながらお話のように運用によつて御心配のないようにして参りたいと、こういうお話であります。これは国務大臣としてその点について責任を負い、或いは出て参りました結果については、これは法制上公益事業委員会の権限である、ないという問題にかかわりませず、これは政府全体としての責任をとらなければならんことは当然のことであります。或いは又物価体系その他の問題について安本長官としての責任をとらなければならんということは当然の話で、問題は従来のこれは発言を公益事業委員会側からの発言から考えますというと、安本長官が考えられるようにそう安易には参らないように私どもには実は考えられるので、その点についてのはつきりした言明をお願いしたい。責任ある態度の表明をお願いしたい。そういうことについての御説明を願います。
  111. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) その点は仰せまでもなく、この前の国会で先ほど繰返し申しましたように、公益委員会の席上、松永さんと並んで実際上の連絡はとる、必ずとらす、こういうことについてはつきりしております。まだ公益委員会の最後の肚もきまつていないから、その主張通りに行つておりませんので、そういうことに進んでおりませんが、事実事務としては連絡いたしております。その案が作られるまでも連絡しております。余り外からぎやんぎやん言うて何もやらんようにきめてかかつての質問は、私ども甚だ恐縮に考えております。私ども全体の物価というものが如何なる形において現われるかということが非常に今日の場合に影響が多いということでありますから、必ずこれは連絡をして頂いて政府としての意見も反映する、今までの事務的の関係でなくて反映するようにいたしたい、又いたすつもりでおります。
  112. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 先ほどもやや似たような質問をいたしたのでありますけれども、電気料金考えようによつて幾通りでもできまするし、又それにそうするような理窟も幾らでもつられるようでありますけれども、問題は考え方の重点をどこに置くか、昨日も古池委員からそのことについて松永委員長代理に御質問になつていたようでありますが、即ち事気事業というものを主として考えて参る。特に松永さんがこの前から新聞等で言つておられましたように、何か乳牛に譬えられておりましたが、これは外資導入のことだと思います。即ち折角入つて来るという外資は乳を出すというのだが、結局儲かるという、金が入つて来るということでありましよう。そういつたような電気事業というものが儲かる形にしてそうして外資も入つて来させよう、こういうような考え方から申しますと、七割でも八割でも十割でも私は一応の計算もできるでしようし、料金改訂も案ができ上つて来ると思うのであります。併しながら一方国民生活というものを考えて見まするというと、これは上げるどころではない、CPSの物価調査等によりましても毎月二%以上にも高騰いたしておりまして、むしろこれはその面からぺースも上げなければならんし、いろいろ国民生活には支障ができておるのでありますから、むしろこの面から言つたならば上げないで抑えて置かなければならない。こういうように考えるのであつて、その間でそれをどういうふうに按配して考えるかということによつて一割案も出るだろうし、二割、三割案も五割案も出るだろうと思うのであります。そこでその考え方が大分ずれておりますから、物価庁なり通産省なり、その他の官庁で出される案と、公益事業委員会或いは電気会社等で考えておられる案とがいろいろ違つておるのであります。そこで私どもは根本的な考え方をどこに置くかということによつてきまつて来ると思うのでありますが、一体二割という現在の物価庁考え方は根本的にはどういうことでお出しになつているか、数字はわかつておる、基本になつている数字はわかつておりまして、わかつておるから考え方のどこに重点が置かれておるか。これを一つお伺いしたいと思います。大臣にお伺いします。
  113. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) お答えいたします。あなたのお話の通りいろいろの考え方、建て方によつて幾通りも出る。殊に償却の方法、再評価の率、これも五〇%に来るか、六〇%に来るか、九〇%に来るか、一〇〇%に来るか、これによつて違う、これはこういうことはあなたのお話の通りだと思います。そこでどれが最も妥当なりや否やという、二プラス二はイクオール四という答えはなかなか出にくい。これは先ず御了承頂きたい。併しこれを電気業者のほうから見ると、できるだけ儲かるようにしたらいいでしようから、余計な形が出るかも知れません。いろいろな案で考えたときに、成るほど今日の電気事業殊に終戦前から終戦後にかけて相当長い期間儲けがなかつた、それから新らしい開発もなかつたというような立場から理窟の上だけから言えば、上げなくちやならんでしよう相当……。併しそれを電気という公益的なものの立場から見て、たとえきまるにしても、できるだけ今日の事態において段階的に而もできる百だけ低いところに考えて見ないかというのが私どもの考えです。
  114. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そこで私は先ほどから岩木さんからも相当いろいろと御質問がありましたが、これは問題ははつきりしておるのです。勿論公益事業委員会というものは、この料金の決定につきましては公益的な立場からお考えになる。又電気事業経営立場から両方お考えなつた。ところが物価庁或いは内閣というものはもつと大きな立場から、国民生活全般についてのお考え方でこの料金についての考え方を持つておられる。そうすればこれはむしろ私は公益事業委員会というものは進んで閣議に諮るということでなくつても、政府の特に物価関係を担当されておるところの官庁等に対しては、みずから進んで法令の如何にかかわらず私は意見を聞いて、そうして勿論二つの矛盾した面がありますので、電気事業一本に考えるならば、外資導入ということを考えるならば、上げなければならんであろうし、国民生活考えるならば、抑えなければならんであろうし、又下げなければならん、この矛盾した條件、調整をして、そこに適当な條件をきめて行くという立場からは、むろんこれは公益事業委員会だけでは適当な結論が出ないのであつて物価庁等が進んで意見を聞かれるということが必要であつて、これはむしろ制度上の問題でなくして、私は道徳上の問題であると思うわけであります。ところがそれについて松永さんはどうも相当頑固な考え方を持つておられるのであります。昨日の御発言の中にまあ周東さんがお見えになつてインフレ論についての長い御講釈を承わつた。なんかあなたが一生懸命に物価関係等でこの料金についてお考えなつておることを松永さんは俺に講釈をしておるかというぐらいにしか考えておらない。私はこういう考え方では本当の公益性のあるところの料金のきめ方というものができるかどうかということを心配しておる。或いは又昨日川上さんから二割以上の料金の決定はどうしても考えられないというようなお話がございましたにつきまして、これをば尊重する考えがあるかどうかというようなことをお聞きしましたところが、まあ公益事業委員会としては、あのメモランダムにある通り、物価庁などというものは、これは公聴会に出てものを言うことのできる一つのものだ。それと同じぐらいにしか考えておらないから、誰がどう言つたからといつてそれに一々解釈をして見たり、対策をして見たりということは、自分のほうでは考えておらない、こういうふうな御態度であつて、恐らく私は周東安本長官がそこにお並びになつて、そういうことをお考えで、御発言をされておりますけれども、恐らくあなたのお考えは今までのままで行つたならば、料金改訂の上に決して現われて来ないのじやないかということをば心配をするわけであります。その点これは松永さんにお聞きするのでありますが、重ねて物価庁長官は今まで申述べられたようなお考えを持つておるのでありますが、あなたよりも広い立場に立つて物価体系の問題、国民生活の問題からお考えを進められておるところの物価庁の御意見をどこまで御忖度になつており、なおもう殆んどコンクリートしかけておるかと思いますけれども、現在において、なお且つ物価庁の間には何ら大したお打合せもないようでありますが、一体この問題をどういうふうにお考えなつたのでありますか。重ねて一つお伺いしたいと思います。
  115. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 答弁は松永さんの答弁ですか。
  116. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そうです。
  117. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 周東さんのほうを先に願いたいと思うのですが、それじや先にいたしましよう。
  118. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) どうせ電気問題は今日ゆつくり御質問があると思いますから、只今周東さんに関して、周東さんの長い講釈を聞いたというようなお話、この講釈とか何とかという言葉で、講釈と申上げたつもりはない。そのお話はどういうことかというとそれは是非お聞き願わんと、私は周東さんに嫌われます。
  119. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私が言いましよう、実は昨日の委員会で言葉は講釈するか何か存じませんが、周東安本長官の言われたインフレの問題について、松永さんは、周東さんの言われたように全幅的な賛成でないが、大体において共感の意を表したということを松永さん言われたのです。
  120. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) そうです。どうぞそれだけは……。物価ちよつと上ればインフレになるということよりも、むしろ周東さんは、生産面をよく考えて、生産をすることによつてインフレを抑えて行くのが本筋である。併しこれはなかなかむずかしいことであるから、自分たちもそれをしくじらんようにうまくやつて行かなければならんというお話があつたと思つて、非常に私は同感の意を表して、そのことを申上げておつたのであります。(「違う々々」と呼ぶ者あり)どうぞ周東さんから老人が嫌われますから、そういうことのないように……。
  121. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 松永さん、あとの問題を……。
  122. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) あとの問題は何ですか。
  123. 西田隆男

    委員長西田隆男君) あとの問題は、周東さんは公益事業委員会とよく連絡をとつてやると言われているけれども、松永委員長代理の過去の言辞から考えると、どうもそう……、
  124. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 私ども今聴聞会を経て帰つて来たばかりで、昨日も今日もまるで眼を白黒して、自分自身安本長官に伺う余地もなし、又その段階に逹しておりません。併しここに事務総長おられますが、事務局におきましては、こんなことを申していいのか悪いのか知りませんけれども、十分連絡をとつておられることと私どもは確信しております。
  125. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 周東長官のほうの質問を先に願います。
  126. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 先ほどインフレ論の講釈談議まで出ましたが、私はこの点で前回も周東長官に少し御意見を伺つてそのままになつておりますが、重ねて伺つて置きたいと思います。実は巷間伝えられるところによりますと、パーマネントの組合のごときは、電気料金が上がるためにその料金引上げるということが大分真剣に考えられておるようであります。而もその値上げされる率は、料金の値幅から随分かけ離れた額である。又この委員会でこの前各種の産業家の代表を参考人としておいでを願いまして伺いましたときに、料金値上げになる、そうしてそのために企業経営がうまく行かないようになつたときにはどうするかということを言いましたときには、当然物価にはね返りをするのである、即ち物価にはね返りをする、よく聞いて置いてもらいたいです。はね返りをするのである。従つて若しうまく行かない場合には、生産を操作して、生産の調整を図つて需要供給原則に基くところの価格の調整をやつて行きたい。即ち料金生産費の中に織り込んで行くということを力説せられたのであります。私は恐らくこういう考え方は各方面に出ておるのだろうと思いますが、物価庁として、或いは安定本部としまして、今度の料金値上げによつてそういうような生産費の価格が多かれ少かれ、とにかく上げられて来る、こういうことをお認めになるかならないか、これを伺いたいと思います。
  127. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) 生産に関してどう響くかというお尋ねでありまするが、これも値上げの率によると思います。或いは二割とか三割とかいう低いところであるならば、大体吸収し得るのじやないかと思つておりまするが、併し今個別的にいろいろとどのくらいときまつたらどうなるという研究をさせております。それに対して個別的にどういう措置をとるべきかということを考える、私どもはなるべく低くということで準備をしております。事務的の連絡はそろそろやつておりますが、最終的に事務的に合わんときには恐らく連絡があり、いろいろ先ほどから閣議の問題がありますが、これは事実においてそれに近い連絡をとるということに考えておりますので、もう少し私どもの行き方を御覧置きを願いたいと思います。私どもとしましては、各種の品物について大きく響くであろうかと思うようなものについて研究しております。それが生計費にどう響くか、或いはエンゲル系数がどうなるか、これは食糧の関係でありますが、そういう関係等も今愼重に研究を進めております。
  128. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私がお伺いいたしましたのは、経済の流れのうちで、電気料金値上げを良心的に考え、日本の経済を真剣に考えて、そうして企業で吸収し得るものは吸収をする、止むを得ないものだけを生産費に及ぼして行く、そういう考え方で行われる分については一向差支えないわけです。ところがそうでなくて、この電気料金の値上を契機にしまして、いわゆる価格の便乗的な釣上げをしようという空気が相当に濃厚に見えるのでありますが、そういう点をお認めになりませんかということをお聞きいたしたわけであります。
  129. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) お話の点は御尤もでありまして、私どもはそういうことのないように今各種の物品等についてこちらは調査を進めております。これは、このくらい吸収し得るのにそれ以上上げれば便乗の値上げだということを押えるためにも、今いろいろな点から研究を進めさせております。
  130. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうしますと、大体便乗値上げのあり得ることをお認めになり、それに対して適当な対策を研究しておる、こういうことでありますね。私は物価統制令の範疇に入つておりまするもの、或いは議会なり或いは国の力によりまして価格の決定権を持つておりまするものは一向構わないと思います。それによつて十分監督指導し得ると思います。ところが今日におきましては鉄鋼を初めといたしまして、石炭、繊維、その他あらゆる相当重要な基礎物資、更に消費物資に対しましても自由価格になつておるわけであります。中には監督価格等もございますけれども、とにかく国としての強力なる強制力はないわけであります。中には独占企業として解体はせられておりますけれども、併し全国において一社しかないとか、三社しかないとか、実質的には独占企業体のような形を持つておるものも数多くあるわけであります。そういうものについて政府としてはどういう措置をもつて便乗値上を抑えて行こうとしておられるか。この前の委員会においてここで述べられた人は、そういう工合に生産の調整によつて価格の維持をして行きたいということを述べられたのは大産業の人であります。そういうような考えがあるのに対しまして、私が非常に危惧いたしますのは、今日の日本の経済を支えて行くのに重要な産業である中には、戰後のくたびれた日本の経済から考えまして、どうも良心的でない、健全経営とはいえない、まあ昔で申しまするならば無謀な利潤を吸収しておる企業もないとは言えないわけであります。逆にあると言つたほうがいいかも知れません。そういうようなものにつきまして、物価庁並びに安定本部の最高責任者であります長官はどういう工合にこれを指導して行かれるか、これを伺いたい。
  131. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) 大体基礎物資等については停止価格になつておりまするし、これはまあ相談に来ますから、その際に十分な監督ができると思います。一般のはずれたものにつきましては、お話のようなことが起つたときには、ものによつていろいろ考えられますが、今こうする、ああすると言うならば、これは又そのほうになかなか防禦的ないろいろなことが出ますし、而も最終的にどのくらいになるかということをまだ決定しておりませんから、むしろ今日の場合は私どもはどういうものはどのくらいがよかろうということを今調査をしておりますから、それが最後に決定された後に、我我の考えておる事柄を余り目に余るものについては実施して行けばよいではないか。今日からどういう傾向かわからんものを、どうします、そうしますと言つてみたところで、品物ごとに違いますから、そういうことが却つて混乱を来たすと思いますから、御了承願いたいと思います。
  132. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 最後に結論的なものを一つお伺いいたしたいと思いますが、大体物価相当注意をしないと便乗的にも上つて来る傾向のあることはお認めになつたわけです。そこで生計費中に占める電気料金の割合という、物価庁計算がありますが、これによると約一・三三%の影響を及ぼす、こういうことになつておる。仮にこれが五割上つたところで、二%になるだけであります。電気料金自身が生計費に及ぼす影響は、これは大したことはないと思います。ただ問題は、こういうような上に持つて来て、すべての物価のしわ寄せが最後に集中して洪水のように家計に追つて来る恐れが多分にあるわけであります。現に、交通がそうです。ガスがそうです。水道がそうです。公益事業だけでも全部、従つてそういうものに集中して来たときに、これが、いわゆる電気料金値上げというものが、全般的な物価値上げ一つの呼び水のようになつて、そして家計に耐えられないようなしわ寄せを強要して来るのじやないかということを私は心配しておる。従つて、あなたがたといたしまして、標準料金四割、実際支払料金二割という案をお立てになりましたときに、この案で行つたときには結局家計に対して総合的にどれほど影響を及ぼすか、又今日公益委員会考えておるような案で行つたときには、どの程度影響を及ぼして行くか、その御研究ができておりましたならば、一つ伺いたいと思います。
  133. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) この点はかなり今後における米価、或いは水道、ガス、運賃とか、ああいうようなものもありまするけれども、まだそれはいずれもきまらんので、今すぐに即断することは少し早いと私は思います。というのは、これは決して楽観でなくて、一面に下る部門もここに出て来ておるのでありますが、考えて行きたいと思います。最近におけるパリティ指数が、四月を境にして下り出して来たということも、やはり見逃がすべからざることであります。そういうふうな状況値上り関係がどういうふうにキャンセルされて行くかということも考えて見なければならんと思います。そういうふうな結論を出すためにも物資ごとに研究もし、且つ今五、六と下りつつある具体的の品目もあります。そういうふうなものについてもどういう影響があるかということも考えて、私どもは最後の意見を述べたいと思います。綿糸、綿布のごときはずつと公定価格を割りましたし、味噌、醤油、油脂、石鹸等々、生活必需物資が相当下りかかつて来ておる。これは日本だけのことではない。これはもう相当入り過ぎたということから起つておりまして、御承知のように滞貨金融をしてくれなければたまらんというような現象も起きておるものもありますから、私ども総合的な立場に立つてのものの考え方をいたしておりますので、そういうような見通しを立てた上で申上げたいと考えております。決して私ども楽観はいたしておりません。一面に国際間における下る傾向は日本に幸いして、物によつて相当多分に入つて、とにかく値が下るから何とか高くしてくれというようなものも出て来た。こういうことと合せて考えて見なければなりません。併しそう申したからといつて電気が上つていいというのでなくして、そういう場合にもなお且つ電気料金は、理窟のつく限り低位にいたしたい、こういうことで努力いたしておるということを申上げておるのであります。
  134. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 もう一点お伺いいたしたいのは、先ほど松永委員長代理も言われておつたし、大臣も言われておつたことは、公益事業委員会と、まあ安本と申しますか、その他関係省とはそれぞれ密接な連絡をいたしておる、こういうことであります。そこで又私が仮定のことを申しますと、仮定のことには答えられんとおつしやるかも知れませんが、やはりこれは一応伺つて置かなければならんことは、若し政府の、安本なり通産省なりが、公益事業委員会電力料金のことについて、いろいろ折衝されておるが、或いは連絡されておるが、意見がまとまらなかつたならば、或いは公益事業委員会以外の政府機関の意見が通らなかつたら、安本としては、どういうお考えになりますか。これを承わつて置きたい。
  135. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) 私は仮設の問題に答えんなんということは言いませんがね。それはお答えいたします。併し、あなたの御質問は、どうもヒントがまともに来ないような気がしていたすのでありますが、今の点先ほど三輪さんが言われたことは御了承にならなければいかん。つまり二プラス二イクオール四という答えの出るまではどうしても行かなければならんと思います。これはどうしても考えなければならん。併しその点が、例えば再評価の率はどうするかということ、これは五〇%で行くか、六〇%で行くか、七〇%で行くかで違つて来るのですから、そうして又償却のほうも定率か定額かということで違つて来る。人件費の見方についても、これはこう考える、これはこう考えるということで、その見方というものについてはきちつとした答えは出ないのであります。結局この線が妥当な線だろうという……、又石炭の使い方ということについて、五百万トンがいいか、六百五十万トンがいいか、五百五十万トンがいいかという……、一面においては電気というものの量から言えば、最近における生産指数が一四〇近くまで上つて来たということでありますが、やはり電気がなかなかできなければ火力で補う、これを使い過ぎれば高くなるという問題もありましよう。それを如何に考えるかというところに妥当性というものが出て来る。これは算術のように二プラス二イクオール四という答が出るなら正面衝突で、これは問題になるということもありましよう、そこのところが、特にどの線に行くかということが、私どもがこれからやるべき仕事だと思つております。
  136. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 その考え方なり御方針はわかるのですが、意見がまとまらなかつたならばどうされますかということを伺つておるわけです。
  137. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) その点は御心配なく、私はまとまり得ると考えております。
  138. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それじやまとまるということは内閣の意見公益事業委員会意見が合うということだと私解釈いたしますが、そのことは即ち裁定されたる公益事業委員会電力料金に政府も共同責任を持つ、こういうふうに解釈してよろしいか。
  139. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) 大体私どものほうとよく密接な連絡をとられた上で、話合つた上で、できればそういうふうに持つて行きたいというつもりであります。それができないときにはどうするのかということは、重ねてのお尋ねは余りにも酷だと思います。
  140. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 意見がまとまるように努力される、まとまつたものは当然それは政府が責任を持つ、こういうお話を承わつたことはわかりました。政府が責任を持つということであるならば、何故閣議にこれをかけたいのかということをもう一遍伺つて置きたいと思います。
  141. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) それは公益委員会の権限の問題だそうです。そういうことでありますから、それを閣議にかけて決定するというようなことを追い詰められんでも、実際上機会あるごとに方法をとることを努力しておるということを私は先ほどからお話申上げておる。それを閣議にかけて決定するということになれば、公益事業委員会の権限の問題でいろいろな障害があると思いますから、そこは実際にうまく行くようにすることが私どもの努力であります。
  142. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それじや私の質問は一応終りますが、確認して置きたいことは、安本その他は公益事業委員会とよく折衝いたして、必ず意見はまとめる。そのまとめて公益事業委員会が裁定したものは政府が責任を持つということに私は了解いたしまして質問を打切ります。
  143. 山田節男

    ○山田節男君 先ほどお伺いした法制局の回答まだ来ませんか。それによつて……、
  144. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 中間報告いたします。法制局としては、本日の委員会の開会中に出すべく努力しておる。大体一時間半を目標にしておるが、今のところ一時間半で結論が出るか出ないかははつきりしない、明日には必らず結論が出る。こういう報告が来ております。もう暫く待つてみたいと思います。
  145. 山田節男

    ○山田節男君 周東大臣お急ぎになりますか。
  146. 西田隆男

    委員長西田隆男君) もう大分時間が過ぎておりますが、ありましたらどうぞ。
  147. 山田節男

    ○山田節男君 それじや一つ。これは馬車国務大臣に対しまして、私も質問が二、三ありますが、参議院の法制局の見解が、今日或いは明日にでも……。周東大臣がお急ぎになるようでありますから、これは私はその結論の結果を見て更に質問したいと思いますが、今までの岩木委員或いは栗山委員の諸君の質問の応答を見ておりまして、私はこれはもう質問にはならんかも知れません。強く私は意見を申上げたいと思います。というのは先ほど来いろいろとああいう、あなたは二と二とプラス四になると言うが、これはすぐできないと思う。或いは閣議で決定するということは要らないということを本気になつて言われますが、この気持もわかります。併し我々が過去ずつと十国会以来、或いは九国会以来この電力委員会ができ、公益事業委員会ができて以来、公益事業委員会の諸君、殊に松永委員長代理の態度を見て、私はこの点非常に各委員とも憂えるのであります。現に今日も物価庁の郡君にしても或いは他の部長にしてもいろいろと交渉しておると言うけれども、非常に強くてどうもこうもなりませんということをはつきり言つておる。のみならず先ほど松永委員長代理は、昨日安本長山官がインフレーシヨンにつきここで長長と講釈をしたということを言われたと言いますけれども、はつきり言われた。そのニユアンスから見ても、そこに松永委員長代理の性格がはつきり出ておる。ワンマンであります。独裁的な自信満々たるものが出ておる。ここにおられんから言うのではありませんけれども、これは各委員が皆それを聞いておつて、速記にも残つておる。而もその余りのニユアンスからして我々は笑い声を発しておる。こういうような公益事業委員会がポツダム政令であるという一つの帷幄にかくれてやるというところに非常に我々は不安を持つておる。のみならず先ほど来各委員から質問したように、この電力問題がたとえ一割でも上るということによつてすべての生産費にはね返り、物価体系がこわれて来る。殊にインフレーシヨンを抑え、勤労大衆の生活の安定を期するのみならず、今日の国際価格が非常に高いために貿易が余りうまく行かない。国内的にも、貿易から考えてもこれは安本長官としては、世界各国のように計画経済を持たない日本としては、殊に自由主義経済を信奉しておる吉田内閣ではあなたが一番責任がある。この計画経済に代るべき一つのプランニツスイヴな経済をあなたはやるところの最高責任者である。であるからしてこの電力を一割上げても生産費或いは物価にはね返りが非常に多い。そこで物価というものの構成があなたの手に負えなくなる。そこを私どもは非常に憂えておるのである。でありまするからして、先ほど来これは公益事業委員会は全くこれは超憲法的とは申しませんが、超法律的のものである。あなたは連絡する連絡するとおつしやつておるけれども、あなたの部下が如何にやつても、向うは傲然として聞いてくれない。民間団体が行つても実に態度が傲慢である。又東京公聴会を開いた第一日のごときは、全く裁判所べ行つた被告のような立場なつておる。こういうような実に時代錯誤的なものが、私たちから申せば民主化日本においてはどうしてもこの経済というものは社会主義化して行くのが世界の趨勢なんです。吉田内閣は自由主義経済を唱えておつて、而もああいつたような突拍子もない、まるで野に虎を放したようなものができてしまつた。これはあなたとしては、あれはあれがやるのがいいというようなことでは、政治的な責任は免れません。少くともこれによつて電力を二割、三割値上げして御覧なさい、物価は二倍、三倍も上るものがある。それに対する責任はあなたが持たなければなりません。吉田内閣ではあなたが直接の責任者であります。でありますから私が若し内閣総理大臣が公益事業委員会の裁定に対してその中止或いは取消しすることの権限があるという見解がきまれば……、私はあなたに質問するのでありますけれども、不幸にも今まで結論が出ておりません。先ほどから各委員から言われることは、ただこれは話合いできめるからいいということは、これはあなたの一つの政治的なところにおけるお言葉であつて、あなたの部下は行つても受付けない。こういうような状態で二割、三割上げた場合に、物価体系というものが根本からこわれるようになる。のみならずインフレーシヨンを強化する。だから勤労大衆に対し、或いは又日本の国際貿易から見ても誠に歎かわしいことである。そこに私ども各委員が質問しているのがあると思うのであります。いずれこの法制局の最後的見解ができましたら私は重ねて質問申上げることを保留して、私の意見だけを大臣に申上げておきます。
  148. 奥むめお

    ○奥むめお君 今の新らしい電気会社ができましてから後、大分重役問題でごたごたと長引いていたのでございますが、あんな問題でも、長引くくらいでしたら、今度の電気値上げの問題について公聴会の報告を御覧になつてもわかりますように、暫く猶予期間を持つて欲しいという要望が大分あるのでございますが、今日の新聞を見ますと、八月一日から実施したい、そういう方針が出ておるように思うのですが、如何でございますか、延ばされない、絶対に延ばされないものか、猶予期間を置けないものかということと、八月一日から実施する線は動かせないものか、ちよつと伺いたいと思います。
  149. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) 電気料金値上げの問題につきましては、各方面の御意見を十分伺いました上で、大体の委員会としての方針もきまりましたら、成るべく早く決定をしたいという意向はございます。併しながら勿論関係官庁のほうとも御相談をしなければなりません、又その他関係筋等の関係もございます。従いまして今日八月一日に必ずやるというようなことはまだ何ら決定してございません。
  150. 奥むめお

    ○奥むめお君 午前中に安本長官はおいでになりませんでしたけれども、通産省でもまだ数字ができていないというお話だし、今安本のほうでもまだいろいろなできていないものがおありになるというお話だし、交渉もできていないらしいし、それで早く一日から行うというところには、非常に私は交渉過程に無理ができると思うのでございます。安本長官としてそれをもう少し愼重に考えて、もつと十分な打合せができるように余裕を作るという御意思はございませんか。
  151. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) 松永委員長代理も今日何か公聽会から帰つて来たようです。私たちも今愼重に連絡をいたしたいと思つております。今お答えになつたのは、あれは委員会のほうの事務総長で、まだ八月一日にするということはきまつたわけではないというお答えでございますから……。
  152. 奥むめお

    ○奥むめお君 私一番あとの質問に廻したいと思いましたのは、今日の新聞によりますと、米価も八月一日から上げたい、上げるということが出ておるのでございますが、私どもから言いますと、米も上る、電気も上るということが、時を同じうして本当の生活の基本的なものが上るということは非常な問題だと思います。安本長官はそういうことを十分お考えにならないはずはないと思いますけれども、実は私、自分のことを言つて申訳ありませんが、今日午前から会合をやつております。月例会でございますが、新聞を見たというので、憲法記念館に溢れるほど人が集りまして、大変だというので、女の人たちが集つております。これぐらい社会全体が、今日の新聞は非常なシヨツクを受けて私は読んでおるだろうと思いますが、こういう問題について安本長官が日頃おつしやつておりますことに対して是非私は善処してもらいたい、それについて一つ安心できるようなお答えを頂きたい。
  153. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) 新聞の話はなかなか必ずしも真実を伝えない場合もあるようであります。電気の問題も八月一日になつていないようであります。研究中であります。米価については今日、明日大体最後の決定を見ると思います。併し私どもは全体的に見て、食糧なり電気、或いはその他の生活必需物資というようなものの値上げについては、できるだけこれを最小限度に止めたいということで努力をいたしておるということだけ申上げておきます。
  154. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私先ほどの質問の最後のところでちよつと中断してしまつておりましたので、続きを申上げます。  先ほどの長官の最後の御答弁は、私は非常に実は奇怪に感ずるのであります。長官としては、まだ家庭に総合的にはね返つてどういう工合に影響を及ぼすかは一生懸命考え調査をしておる、こういうことであります。併し電気料金を上げるのは好ましくないから二割程度にした、こういうことであります。併し私どもはそういう意味の反対をしておるのではないのであります。我々は電気料金値上げによつて総合的に家計へ大きなしわ寄せが来るからそれでいけない、そういうので反対をしておるのでありますそこで私は物価庁なり安定本部は、家計や物価に対する影響の計数はまだ出ていない。六割が正しいか二割が正しいかということは、ただ電気事業オンリーのことを一生懸命考え計算しておる家計に対する影響は大して考えていないということは逆説的に成り立つというように私は考えるのであります。これは極端な言い廻しかも知れませんけれども、そういう工合にとれるわけであります。そこでなぜ安定本部なり物価庁なりは、公益事業委員会の六割案を爆撃されるとするならば、家計に対して総合的にこれくらいの影響がある、米とか交通費とかいろいろなことを全部入れてこれくらいになるから困る、二割ならばこの程度に納まる、それでその場合には勤労者の給與ならこういうものをこういう工合に改善することによつて十分に家計への影響も吸収できる、こういうような見通しを立てられることが、安定本部の責任であり、私は物価庁責任である。それをそういうことでなくして、全く切り離して先ほど御答弁を頂きましたことは、私といたしまして非常に残念に思うのであります。この点を一つ明確に御答弁を願いたい。
  155. 周東英雄

    ○国務大臣(周東英雄君) 私はあなたの御趣旨に副うておるつもりであります。一応米とか電気とか大きなものについて目安を立てておりますけれども、あなたの先ほど御質問のパーマネント・ウエーヴをかける上においていろいろな計算が出て来るだろう、そういうものはどういう影響を及ぼすかというお尋ねであります。これは御尤もであります。それは私どももいろいろな電気を使うものについては上り得るかということを調査して、それがどういうはね返りになるかということは調査し、又便乗値上げということにならんように、どういう形がいいかということを研究しておるということを申上げたので、全然考えがなくて、生活を考えずに研究しておるわけではないということを申上げます。
  156. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そういたしますと、六割の案に対して物価庁や事務当局では或る程度考えられることもありますが、それをお引込めになつた。例えば原価計算の中では九項目ありますが、その中でほかの数字は全部七項目までは同じであります。私が調査をいたしましたところによりますと、六割二分のいわゆる作業の途中にあつた案の中では九項目でありますが、そのうち七項目までは二割案と全く同じ、ただ石炭減価償却費だけが違う。そういうようなふうに下げて来られたことは、恐らく六割案に対しては家計にこういうような影響を及ぼす、こういうような大きな影響が及んだときには、到底勤労者の賃金をそこまで引上げるわけに行かないので非常に困るであろうということによつて、強力に私は反対をしたのではないと私は忖度するのでありますが、その二割案に対してどれだけ影響が来るかということをお聞きするのは、まだ極く最近お立てになつたことのようでありますから無理でありましようが、公益事業委員会が立てた六割の案に対して、総合的に家計へは何%くらいの影響が及ぶか、電燈代だけならば今日二・五%くらいと言われておりますが、総合的にどれくらいの影響が及ぶか、それを計算なさつておられるかどうか、これを伺いたい。
  157. 川上為治

    説明員(川上為治君) 六割二分ということを非常におつしやつておりますけれども、これは昨日からいろいろ申上げた通りでありまして、私のほうではいろいろ計算の基礎としてそういうものを一応検討したというだけに過ぎないのであります。そこで一応これもいろいろ当つて見たのですが、現在会社のほうからお出しになつておりますものから見ますというと、二十六年度の生計費に対しましては、一応電燈料金の直接の影響だけでは〇・六二%生計費に対しましては響く、それからその他の生計費の中に入つております各項目に対しまするはね返りを含めて見ますというと一・六%くらい、それから物価庁の二割案で行きますというと、電燈料金の直接の影響は〇・二%、それからはね返りを全部入れましてのものは〇・四三%という程度になります。現在の支払料金は先ほども申上げましたように一・三三%が生計費に占めております。そういうようなことに一応計算なつております。
  158. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 あれですか、世上で言われております水道も上る、交通も上る、ガスも上る、米も上る、その他いろいろなものが全部大体上り気味であるようですが、そういうものを全部入れて、今おつしやつたようなはね返りを入れて〇・四三%ですか、その程度で納まるのですか。
  159. 川上為治

    説明員(川上為治君) 米の値上りというものは別にこれは入れておりません。ただ電気料金をこれだけ上げると、それから直接に影響するものは幾らで、それで電気料金引上げました結果、そのはね返りによつて各物資が上ることによつて、それによつて影響するものは幾らということであります。その場合においてどの程度吸収するかということは別に考えないでの計算であります。
  160. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は物価庁一つお願いを申上げて置きたいと思います。この委員会としてお取上げを願いたいと思うのでありますが、少くとも六割か二割かということで論争しておるわけでありまして、相当責任もなければならんと思いますから、結局将来一定の時期にこの委員会で比較検討いたしまするために、緊急に作業として、今度の公益委員会の案であるとか、それから物価庁の二割、四割でやられた場合等における家計へ相当に、或いはCPSどちらでも結構ですが、そういうようなフォームによつて家計に及ぼす影響を一応計算をして置いて頂きたい。それによつて経済界の変動も勿論ありまするけれども、一定の時期が来たならば私は検討の資料にいたしたいと思いますので、御用意を願います。
  161. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 松永委員長代理は中食をしておられませんので、遅くなると思いますが、基本的人権を尊重して、只今食事になつております。昨日の栗山君の要求のありました資料が今日公益委員会から印刷が間に合わないで提出されておりません。併し口頭を以て平井技術長から説明があるそうですから、今から平井技術長から昨日の栗山君の要求された資料についての説明を聞きます。
  162. 平井寛一郎

    説明員(平井寛一郎君) 御質問の第一の本年度の新規開発計画に対応する資材の充足可能の見通じ如何。具体的な数字、どれくらい要るかということの御質問がありましたので、それをちよつと申上げます。  全体を含めた数字であります。詳細は別途に差上げます。これは今年度の年度初めに立てました数字によつておりますことを御了解願います。普通鋼鋼材が七万三千トンであります。それから電線、これは銅でありますが、一万八千トン、セメントが四十万トン、それから一般用材が八十五万石であります。油が二万四千キロリットル、それから電柱用材は七十五万石、こういう数字なつております。それでこの数字を見ますと、昨年度の実績数字の詳細はわからないのでありますが、大体実際に使いましたと思われます数字のおおむね五割増くらいの見当になつておると存じております。この程度の数量ならば資金のほうの手当さえできまするならばおおむね調逹に支障はないものと考えております。
  163. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 まだ私の質問しました石炭電力計が入つておりません。合理化のほうとして……。それからおおむね支障がないということならば、これは各会社も言つておるし、問題ないわけでありますが、私は数学的にそれに対しての生産量と、それから電気事業へ廻し得る量とをお考えかということを申上げたのです。特に私が心配しておりますのは、セメントと電柱用材、普通鋼材はこれは四百万トンに対して七万三千トンくらいだから問題はないかも知れませんが、そういつたような非常に国内で調逹のしにくいものについて、生産量と電気事業の取得可能量とを数字的にお調べ願いたいということを申上げたのであります。
  164. 平井寛一郎

    説明員(平井寛一郎君) それではこれは後ほど書類を以て御提出いたしたいと思います。実は私最前聞き落しておりましたから……。    〔委員長退席、理事結城安次君委員長席に着く〕  その次の御質問の石炭六百五十万トンのうち何トンを標準料金分として織込むのかという御質問に対してお答えいたします。電気事業者の料金値上の申請書類の中におきましては、石炭の量は標準料金分と火力料金分とに区別をしてないのでございまして、單に総括原価のうちに占める石炭の量とその石炭代金が記載してあるだけなのでございます。併しながら同じくその収入面におきましては、用途別にこの標準料金分と火力料金分とを区別して記載してあるのであります。総括原価に見合いまする収入は、標準料金分と火力料金分との合計として計算をされておるのであります。地帶間の需給をできるだけ均衡化するように融通を行い、又これが融通料金の決定と水火力調整金の調節作用によりまして、現行の地域差を拡大しないという方針を極力採用しておりまするのと、需給の不均衡な現状の下におきまして火力料金制によつて需用の抑制を図ると共に、電気事業者の電源の増強が経済的に可能となるように算出されておりまして、電気事業全体として火力料金制によつて石炭代を調逹し得るという想定に立つものなんでございます。  次の割当制度を存続する理由如何という御質問に対して申上げます。電力の需給は最大限度のみにとどまりませず、電力量の面におきましても非常に不足をしておりまして、豊水期においてさえ緊急制限を避け得られないような実情でございまして、どうしても需給調整をする措置を必要とするのであります。で需給調整の措置としましては、使用を抑制又は制限をするということを意味するのでありますが、これを電気事業者に行わしめることはどうも適当でないと考えるのであります。需給調整の措置は、使用制限的方法によつて、制限量を超過した者に対して罰則をかける方式よりは、料金制を加味しまして、これによつて需給を抑制する現行の割当方式を用いるほうが彈力性があるのであります。次には料金によりまする調節作用を加味した割当制を実施して、これによつて一応需給の均衡を保持せしめ、又火力料金制によりまして電気事業者の電源増強の意欲を起さしめる現行の割当方式は、均衡の保持上からも必要である、こういうふうに考えます。  以上のような見地から只今のところではこの割当制を存続いたしておるわけなんでありまして、なお聴聞会等によりました一般の需用者方面からの声等も、おおむね現状においては何らかの形で割当が欲しいという声も相当多いようでありまするが、これらの点もなお今そういう事情もございますので、只今申しました理由と併せて考えまして、割当を存続することにいたしておるようなわけであります。  その次は物価庁石炭を五百五十万トンとしているが、どう思うか、この点につきましては岡田委員からの御質問に、石炭七百三十万トンを要求しておるが、これは電力需用の急増に対処するものかという御質問と併せて御回答申上げたいと思います。これにつきましてはお手許へこういう縦刷で一つの紙に第一表、第二表と書きました表を差上げてありまするが、この第一表、第二表を御覧になりますとよくおわかりになると思うのでありますが、本年度の第一四半期の実績を見ますというと、出水率は平年に対して五%増となつております。水力発電所の余剰電力補充のための電力を極力抑えまして、余剰電力をできるだけ利用し、又補修のための停止電力を極力抑えまして、そうして水力の発電をば計画に対して一〇%以上増強をしておるのでありまするが、    〔理事結城安次君退席、委員長着席〕 これにもかかわりませず、石炭の消費量は、結局計画に対して約三十万トンも上廻つているような状態なんであります。こういう供給力を以てもなお周波数、電圧の低下を来たしまして、地域によつては緊急制限も実施したような事態もあつたような事情でございます。即ちこの表につきましてもう少し詳しく申上げたいと存じますが、第一表を御覧頂きますと、発電状況が、これは電力量の單位で以て出ておるのでありますが、年初の暫定計画の場合は出水率をば平年一〇〇%なみとして計算をいたしまして、そうして右のほうの端にございますように水力計というような欄にございますような数字を出しておるのでございますが、年初計画では水力を第一四半期で八十四億四千三百万キロワツト・アワーと当初計画で立てたのでございます。それをば実際には毎月の最終決定の場合に、更にその割当を殖やしましたような事情もございまして、実施計画の面では八十七億三千二百万と予想いたしております。これに対して水力の発電の実績は九十四億一千八百万、即ち年初計画に対して一二%上廻つた実績を挙げておるのでございますが、これは右のほうの出水率という欄を御覧頂きますと、豊水期におきましてはどうしても深夜電力等で利用のできない余剰が出るのでございますが、暫定計画と申しますか、年初の計画のときにはこれが二・五%程度予想しておつたのであります。それが実績においては一・六%まで余剰が減つております。即ち余剰の見込は予想の六四%程度に食い止め得て、それだけは活用し得たという結果になつておるのでありますが、これだけでは到底この一二%という数字は出ないのでございまして、年初計画で停止を予定いたしておりました発電所の停止による量、これは毎年豊水期の四―六の時期におきましては、毎月これを月割計画をいたしまして、水力発電所の修理をいたすわけでございます。そうしたものと、それから停電事故等によるものを合せましたのが停止という数字なつておりますが、これは年初計画では九・八%を予想しておつたのでありますが、実績においては四・一%に減つております。即ち停止の予想量は半分以下に抑え得たという形になつております。こういうふうな結果で、全体としましてはいわゆる温水率という数字は一二・三芳から五・七%に減つておるのであります。火力のほうを御覧願いましたらわかりますが、こういうふうに水のほうはできるだけ余剰を喰い止め、又停止を抑えて発電に動員して量を殖やし得たのでありますが、火力のほうの当初計画がこの場合に十一億一千九百万キロワツト・アワーと予定しておりましたのが、実績においては十三億三千九百万キロワット・アワーになつております。  受電の電力量も同じように殖えております。石炭の消費量等が下の欄にございますように九十六万八千七百トン、初めの消費計画が百三十万トンの実績なつておるのでありまして、この間に三十万トン以上の消費が予想を上廻つておるというような結果を示しておるのであります。  なおその右の欄に貯炭が当初の予想では、六月の末には三十四万二千トンという数字であつたのが、十五万四千トンというような僅かな数字減つておるというような実情なつております。こういうふうでありまして、電力需用の現状から見ますというと、多少平年を上廻る出水であつたと考えておりまするが、消費石炭は計画を上廻ると見なければならないような状態でありまして、規定電圧電力を送りまするのには、委員会の立てました六百三十万トンという年間の数量はむしろなお少いものと考えなければならないというのが現状なのであります。  その次の料金値上げ後一カ年間における各業種別の予定販売電力量はどういうふうになつておるか、これを標準電力料と火力電力料とに分けてという御要求であつたのでありますが、これにつきましては、横に長い表をお手許に差上げておるのでありますが、電力会社料金値上げ申請書によりまするというと、料金値上げ後一カ年聞における各業種別の予定販売電力量は、標準料金分二百五十七億キロワツト時であります。又火力料金分が二十億九千キロワツト時、合計二百七十七億九千万キロワツト時となつておりまして、この内容につきましては、目下検討中なのでございます。表の説明は省略いたします。
  165. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 平井技術長の説明に対する質問に入る前に、先刻から議題になつておりました問題につき法制局の第三部長が出て参つております。委員長は書類を以て求めましたが、司令部の関係上書類を附することはちよつと憚りがあるので、口頭を以て答弁したい、こういうことで見えておりますから、今第三部長に答弁をさせます。
  166. 岡田武彦

    説明員(岡田武彦君) 先ほど本委員会におきまして、公益事業委員会に対して内閣が具体的に如何なる監督権を持つておるかという御質問があつたそうでございます。これに対しましては、先ほど委員長を通じまして委員に対する内閣総理大臣の任免権があるという点は申上げたのでございますが、そのほかに内閣法の関係において如何なる関係を持つておるかという点がはつきりいたしませんのでお答え申上げたいと思います。  先ず内閣法でいわゆる行政各部というものが如何なるものであるか、これは国家行政組織法によつてできました行政機関であることは間違いないと思います。そこで公共事業令によりまするというと、これの第三條によりますと、公益事業委員会は国家行政組織法の第三條第二項の規定に基いて設置されたものであるということがはつきり明文が謳つてあるわけであります。従いまして内閣の統轄におきまするところの行政機関であるわけであります。ただ公共事業令を制定されましたいきさつ等から見ますると、疑問がございますけれども、現在あるままのこの法律の規定から見ますと、結局内閣法の第八條によりまして、必要がある場合には、内閣総理大臣は委員会の処分又は命令を中止せしめまして、そうして内閣の処置を待つことができると解せざるを得ないのではないかと思うのであります。委員長、速記をとめて……。
  167. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  168. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を始めて。何か只今の第三部長の説明に質問がありましたら。
  169. 山田節男

    ○山田節男君 その今の疑問があるというのはどういう意味ですか、最後の……。
  170. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  171. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を始めて。
  172. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 今平井技術長から資料の説明がありましたが、これは又後ほど質疑をいたすことにいたしまして、昨日約束をいたしましたように、公益委員会から電力値上の今後の具体的なコース、並びに最も問題になつておりますところの石炭の消費見込量並びに減価償却の、更にそれと関連を持ちまする修繕費の削減の問題等を中心にいたしまして、只今公益事業委員会が作業を進めておられまする中途の点ではありましようが、計数的な説明を伺いたいと思います。それでその内容はこの前この委員会が半ば申入れ的な意味意見を申上げました点並びに全国各地において行われました聴聞会意見等を十分取入れて作業を進められておることは、昨日松永委員長代理が明確にせられたのでありますから、十分了解の下に私はその報告を聞きたいと思うわけであります。そうしてそれについての質疑討論を行いまして、それから最後に只今説明を聞きました資料の問題についても併せて行なつて参りたいと、こう考えるわけで、議事進行についてちよつと申上げました。
  173. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今栗山君から議事の進行について発言がありましたが、御尤もと思います。そういうふうに取計らうことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議ないと認めまして、ではそういうふうなことで議事進行をいたしたいと思います。
  175. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 この委員会のスケジユールでは、明日委員会の態度を決定するということになつております。併しこの模様ではまだ質疑終了というわけに行くまいと思いますが、明日は公益事業委員長がこつちへ出席になりますかならんか。ならなければ私はこの際各委員の適当な時期において質疑を許して頂きたい。若し明日おいでになるならば、私は強いて今日でなくてもよいと思います。
  176. 西田隆男

    委員長西田隆男君) お答えいたします。委員会開会前に松永委員長代理委員長から明日の出席方を要請いたしましたところが、公益事業委員会としてはあした、明後日の両日は公益事業委員会を開いて電力料金改訂の会議を是非やらなければならない。どうしても出席をいたしかねる。それで今晩は御老体であるにもかかわらず、十二時までかかつてもよろしいから、今晩私はここではつきりしたことを申上げます。こういうふうな松永委員長代理の御答弁でありましたから、委員長は明日駄目なら明後日ということを言いましたら、これも来られんということであります。そういう意味合いで本日は委員各位に御質問を願いたいと……。こう考えております。
  177. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 然らば適当な時期において本員の質疑を許して頂きたい。
  178. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 承知いたしました。  松永委員長代理に昨日の御答弁の続きとして、本日電気料金改訂の問題に関して計数的に御答弁を頂くことを約束してありますので、その問題を御答弁願いたいと思います。その前に松田事務総長に電気料金裁定に至るまで、日程をお話合いの上御答弁願いたい。かように注文いたして置きましたから、松田事務総長からお答え願いまして、その次に松永委員長代理に御発言を願います。
  179. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) 電気料金の決定につきましては、実は昨日そのお話のございました点を委員長に十分お伝えいたしまして、その点の御意見を承わつたのでありますが、実はまだ委員全部が揃つておられません。従つてこの点については十分愼重にあらゆる面から考えなければならんので、今日まだ日程をきめてどういう方向で進んで行くかということをまだ申上げる時期ではないと思いますから、その旨お伝え頂きたい、こういうことで、言い換えればまだ今日中には日程はきまつておりません。
  180. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それではいつ頃日程はきまる予定ですか。
  181. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) 明日、今委員長代理からお話がございましたように委員会を聞きますので、その席上において或いはそういう御相談ができるのではないかと思つております。
  182. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは松永委員長代理に御発言を求めます。再評価程度及び減価償却の方法、修繕費の整理方針、石炭の使用量並びに炭価の裁定の方針等について計数的に答弁をするというお約束でありましたから、できだけわかりやすく計数的に一つ説明を願いたい。
  183. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 昨日お話もありまして、右数字についてでき得られる限り詳しき数字を申上ぐるべく、帰りましても用意を整えにかかりましたけれども、何分昨日も遅くなり、部下の人は一、二おらん人もありました。今日又他の用があつてその関係者はほかのことに没頭しておりまして、材料は甚だ不十分だろうと思いまするけれども、昨日も同席の松田事務総長にお願いしまして、できるだけお取りまとめ願い、数字についてはここに技術長も見えておりますから、経理関係の者も参りておりますので、できる限り詳しく申上げると思いますが、昨日も松田事務総長が来ておられまして御質問の趣意を大体御了解になつておると思いますので、大きな御質問は三カ條あつたと思いますが、その三カ條並びにそれに関係した点について松田君より御説明を申上げ、なお私の必要なる御答弁を申上げるべきことは申上げることにいたしたいと思います。
  184. 西田隆男

    委員長西田隆男君)松永委員長代理から、答弁は松田事務総長を以てさせるという今御答弁がありましたので、改めて松田事務総長に委員長から昨日の三つの点について質問をいたします。  第一点についてお答えを頂きたい。それは再評価を一〇〇%するのか、しないのか、減価償却の方法は定率法で行くのか、定額法で行くのかという問題について松田事務総長の答弁を求めます。
  185. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) その点につきましては、結論を申しますと、今日はまだきまつておりません。と申しますのは、この償却に関連いたしまして再評価の限度をどの程度にいたしますかということについては、相当承知のように各電力会社におきましても現在陳腐化いたしております資産がございますわけであります。併しながらその陳腐化いたしておりまする範囲がどの程度であるか。勿論各電力会社からはその陳腐化の範囲について出して参つておりますが、それが果してその通り認めていいのか。もう少しその点について余裕を見なければいかんのじやないかというような考え方もあると思います。それから又この電気料金改訂について各聴聞会におきましても御意見のございましたように、やはり相当段階的にこの問題を取上げるべき性質のものではないかというような御意見も非常に多く出ておつたのであります。そういうような点から考えまして、この際一〇〇%にするか、或いは先ほど申しましたような線を十分考慮いたしまして、その限度をどの程度に緩和するかということにつきましては、近く委員会として十分検討したいということで、今日はその点はまだきまつておりませんが、そういう趣旨で検討せられることと思つております。それから第二の定率法によるか、定額法によるか、この問題につきましても御承知と思いますが、聴聞会におきましても、又各方面からの御意見というものが殆んど全部と申してもいいほど定額法を採用したらどうかという御意見が非常に強いのであります。従つてそういう点も各委員がお揃いの上でいろいろな点を考えまして、定率法による理論的な要素と申しますか、肯かれる点も十分あると思いますが、又同時に今申しましたような意味定額法を採用するかということについてももう少し検討して見たいという今日委員長かなお話がございまして、そういう現状になつておりますことを申上げます。
  186. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の事務総長のお話を聞いておりますと、それは答弁になつておりません。私たちが当委員会で昨日松永委員長代理に要望した点は、そういうふうな答弁ではありません。松永委員長代理もみずからできるだけ詳しく詳細に計数を以て答弁をするということを昨日の委員会で言つておられる。委員会結論が出ていないことは私も承知しております。明日から委員会としての正式の会議を開かれるいうことでありますから、これは間違いないことだと思いますが、もう少し昨日の空気を松永委員長代理は御承知のことと思います。松田事務総長からお答えができなければ松永委員長代理が答えるということですから、松永委員長代理の個人の意見ではいけないから、即ち今お尋ねしました。二つの点について、松永委員長代理はどういうことを考えておられるか、委員会でどういうことを主張するつもりでおられるかという点についてお答えを是非願いたい。松田事務総長の今のお話のごときは、委員長としては答弁として受取れません。
  187. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 今松田君の言われた通りでありまして、何らこれに変つた考えはございません。今日の答弁は、松本委員長とも私も、松田軍務総長とも昨日のお話があつて、打合せして来た段階であります。ただこれから若し詳しく申上げればいろいろなことを申上げるだけでありまして、それも言うがいいということでありますと申上げますが、或いは答弁になつていないことになるかもわからん。  と申しまするのは、例えば償却の問題であります。一つの問題を挙げて、他のことはあとで御質問の上申上げます。償却の問題の一番前提になるものは再評価の問題であります。この再評価はすでに二年前各事業会社は許されており、或る会社によつては二度も再再評価をしておるところもある。然るに電力会社は御承知の通り再編成のできるまでは再評価相成らんという形の下にその資金は圧縮されてそのままになつておりまするが、同時に固定資産税等はそうでない。膨脹したものにかけられておるような状態であります。でそういうことは余談に亘るかも知れませんから省略しますが、再評価をどういうふうにしたかということを、電気会社においては今更飜つて自分のことを調べて業者は見ております。私どもも又これを一応事務局でも調べております。でありますから、松田君、詳しく言えとおつしやれば、そもそも再評価されたものは何であつたかということになると、結局耐用年数を差引いて、そうして簿価の百十二倍というものを以て計算されたものである。而もその耐用年数というものは定額的に引かずに、定率的に引かれたものであるということが漸く発見されたのであります。これは電気事業は再評価相成らんという建前におりまするがために、再編成も未だその緒につかず、日本発送電会社といい、旧配電会社といい、どうしていいのかわからん状態であつて、そうして税金は固定資産のごとき殆んど再評価と同じような税金をかけられる。償却をしようと思えばその償却は多過ぎる、税金を取る、でありますからつまり違法な償却はするわけに行かない。併し事実は他の  会社、他の事業はそのときにすでに再評価されておる。ひとり再評価されないものを再評価されたものとして償却するということは、これは随分その事柄において無理であります。けれども罪はどちらにあるかということになると、これはどうも何とも言われない。と申しますのは大蔵省の税法が悪いのか、或いはその当時の直轄であつた通産省、資源庁電気局のやり方が悪かつたのか、或いは又日本発送電会社がむやみに……。
  188. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 松永さん、私が答弁を求めているのはそういうことではありませんので、再評価がいいか悪いかという議論ではなくて、あなたの切実な問題として迫つて来ておる電力料金改訂に対してどういうふうに再評価をするお考えであるかということを御答弁願えればわかるのです。
  189. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 これは單に松田事務総長が最初に日程の問題を松本委員長と打合せをして、まだ本日発表をすべきでない、こういうことをお話になつたのでありますが、この辺からそもそも話が少し私どもの希望に副わないように出て来ておると思うのです。それで私は議事を進行する建前からしまして、まあこれは堅苦しくなる必要はないのでありますが、前々から八月一日に値上げを断行したいということは述べられておるわけです。ですからそういう意思が変つているか変つていないか、これは意思ですよ。そのプログラムの決定でなく、八月一日に断行する意思が変つているかいないかということを先ず明かにしてもらいたい。そうしますと当然に十日の予告期間がありますから、七月二十日前後に決定しなければならんことになるわけです。そういう目標も進めなければならんことになる。そういう目標で進むということになれば、公益委員会は五名の方が如何に権威者であり堪能な方であつても、やはり案を進める上においては事務当局において幾つかの案ができていなければならんと思う。これは最高六割の案から、松永委員長代理が昨日ここでおつしやつたようにいろいろと聽間会の結果を尊重して何とかしたいとおつしやつたように、その具体的な案というものが用意されなければ、恐らく公益委員会にかけられたところで議事は進行しないものと思う。従つてそういう案はまだ公式には決定していないとしても、案としてはあると思う。だから私どもお願いしたいのは、その案を今日はお話を願いたいことであつたので、案というのは尨大な計数を伴うものでありますから、明日、明後日公益委員会を開くからすぐ作るという簡單なものでないだろうと思う。恐らくそれ相当な研究と又施策の下に行われているものであるから、従つて私どもの要求は決して無理ではない、こういう工合に考えるわけです。  それからもう一つの問題は、公益委員会の松本委員長なんかもそうですが、ここへ来られると決定しないことはなかなか発表されん、非常に慎重を期しておられますけれども、新聞のほうへはどんどん発表になるわけです。現に今朝の新聞でも松永委員長代理は、非常に世論を尊重するような工合に考えられているということが出ている。又松永委員長代理物価庁が二割だと言つているけれどもそれはできつこない、三割から四割だろうという見解を述べられ、更に二段的な値上げのことも考える必要があるということも言つておられるわけであります。そういうことを新聞に発表されておる上は、私どもはそれに則つた程度のこと、でも発表を願えるのじやないかと思うわけであります。ここで公益委員会で正式に決定されたことを発表願いたいと昨日要求したわけではありません。決定に至る途中の問題であることは十分に我々は了承する。併し途中であつても決して左に進んでおつたものが急に右に行くというようなことは考えられないで、大体その傾向によつて我々は判断をするから、一つ親切に詳細に述べてもらいたいということを要求をしたわけであります。従つてそういう意味委員長においては、一つ一番最初の出先のところから公益委員会に確かめて進んで行くように議事進行を計られたいと思います。
  190. 山田節男

    ○山田節男君 今栗山委員からお話がありましたが、先ほど松田事務総長は、料金の決定を八月一日にはやらない、それ以後になるということを言つている。でありますからその前の八月一日を基準として今日はすでに資料ができていなければならんということは栗山委員の言われた通りであります。併しこれはたとえ八月一日でなくても、もうこれは当然案はできていなくちやならんし、昨日松永委員長代理が非常な自信を持つて、非常に親切な気持ちですると言われている。而も我々のほうで確約されているわけではあります。ですからこれはどうしてもやつてもらわなくちやならない。とにかく今月一ぱいまで更に電力委員会を開いてもらうことは不可能じやないかと思います。でありますから唯一のの機会だと思いますから、是非一つつてもらいたい。今の栗山委員の言われた趣旨に副つてつてもらいたい。ただ私の、松永委員長代理並びに松田事務総長がはばかれる点は、問題は非常に重要である。又進行の過程で委員会に正式に議題として、議長も正式になつておらんからして案としても私は非常に発表しにくいのじやないか、でありますからこれは前申上げた理由で今日は唯一の機会である。我々は再び月末まで集まつて委員長代理なんかにいろいろ質問する機会がないと思いますから、若しこれをはばかられるというようなものが重大であつて、公開のいわゆる傍聴者のいる席上で言いかねる、こうおつしやるならば委員長は秘密会を請求されても是非私は昨日の確約は実現させて頂きたいと思います。
  191. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今議事進行に関してお二人から御発言がありました。先ずこの栗山君のおつしやつた点について松田事務総長が答弁ができるなら一つ答弁を願いたいと思います。
  192. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) まだそこまで行きません。根本方針がきまりませんので……。
  193. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 私は松田事務総長の意を酌量し、当委員会の一員としていつ頃からやるか、やりたいというようなことは、もとよりその各自の希望並びに段取りはなければならんはずでありますが、委員長として、も、事務総長としても、こちらできらんのに、きまるようなことはお言いにくいのだろうと思います。或いは又答弁にならんかも知れませんが、私はこれまで皆さんが力を入れてわかるだけを言えとおつしやるのに、口を緘してそしらぬ顔をするような気持はありませんが、私は昨日申上げましたのはそれです。昨日申上げましたのはこの聴聞会を聞き、世論を聞き、議会の皆様の御苦心を聞いてこれはできるだけ早く、浪風を收めなければならんものだ、よかれ悪しかれ……よかれ悪しかれということは語弊がございますが、よかれよかれであります。よかれよかれ早くきめなければならんものである。これがこの料金の政治的社会的、それから国民の不安、奥さんもあそこにいらつしやいますが、家庭の主婦そのほかの御心配をも或る程度これを除くのによかれ悪しかれ、又言葉を換えればよかれよかれ、早くきめることが必要であります。
  194. 西田隆男

    委員長西田隆男君) あなたは委員会ではきまつていないという……事務総長もあなたもそうおつしやるが、あなたの気持としては、委員会として八月一日に料金を決定したいという主張をあなたは持つておられますか。
  195. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) そうです。急いでやりたいものだと思つております。それから官庁等の了解も相当得なければならんと思つておりますが、これも困難でありましよう。併し困難だからといつて、やはりきめることはいい言えば、これは最善の努力を盡すほうが公益委員会の委員の社会的責務として、理窟をのけて必要じやないかと思うておるわけでありますが、事務総長としても、委員長としても、議会にいつからやるか、それをはつきりせよとおつしやることは、私が考えても少しく無理じやないかと思いますが、私はもうできるだけ手続ができます限りにおいては八月一日、或いは二日、或いは三日、ともかくできるだけ早くやつて、そうしてその代り一方に片寄らず余り高いことにならず適当にやるほうがよかろう、これは昨日申上げたわけであります。その詳細なことはいつでも、差支えない限り今日でも十分申上げるつもりであります。
  196. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今松永委員長代理の御答弁から判断しますと、栗山君の言われたように、公益事業委員会の事務局においては聴聞会等の希望に基いて、相当計数的な案が一応できておらねばならんと委員長考えます。この点松田事務総長御答弁……できておりますか、できておりませんか。
  197. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) この点につきましては昨日申上げましたように、いろいろな点は前提を置きまして研究は続けております。現に今日といえども研究を続けておると思います。併しながらその点についてこういうような前提の下に、委員会として、こういうような数字を出して行きたいということは全くきまつておりませんということを申上げたのであります。
  198. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 研究されておればどういう方法で、どういうことをということは、事務局の間に当然議論がなされなければならんし、議論がなされた上で、事務局として案がまとまつて、それがまとまれば公益委員会の個々の人か、或いは委員会の多数の人に、その案をお示しになるのが事務局の仕事じやないかと考えます。そうすると今までにもう一遍もお示しになつたことがありませんか、事務局の案として、こうだということをお話になつたことはありませんか。
  199. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) この問題につきましては事務局のほうといたしまし て、どういう数字結論的に出すかということについては、先ほども申上げましたように、例えば物価庁あたりと前々からいろいろな意見を承わつております。従つてその物価庁の御意見等について、いろいろ事務局といたしましては検討もいたしております。又通産省の意向も聞いております。そういうふうでいろいろ各方面でお考えなつております点について事務局として検討しておりますが、要するに問題は同じようなことを申上げますが、先ほどもいろいろ問題がございましたような、特に償却の問題についてどういう範囲で再評価をするか。それから又どういう範囲でどういう方法で償却額をきめるかというところが率直に申しますと一番の大きな根本問題だろうと思います。昨日お話のございました、例えば修繕費についてはいわゆる資本的支出に属するものと思いますが、そういうものに対してはこれは勿論修繕費のうちに入れることはございません。  例えばこれは御承知の通りに従来日発時代にいわゆるその償却額が極めて少うございましたために、修繕費のうちに特に特別修繕費という名目で償却の形で本来使われるものを挙げておつたところがございます。併しそういうような問題については全部今度の修繕費のうちからは恐らく出ない、こういうふうに考えております。……。それから又石炭の問題についてお話がございましたが、この石炭量については安本ともいろいろ相談しております。又通産省ともいろいろ実際の電力量について意見も聞いております。又これについては司令部においても昨日もお話が出ましたように非常に関心を持つてこの問題について研究も向うでもしておるのであります。併しながら委員会としましては今日のような需用の状況が非常に殖えておる、従つてそれに対して水力だけの供給では勿論いかん、石炭につきましても相当の量を焚かなければならんという考え方で、一応二十六年度の暫定計画というものは御承知のようになつておるのであります。その際に物価庁も安定本部も一緒に相談に乗つてもらいまして、六百五十万トン、そのうち約二十万トンはいわゆる委託発電の関係石炭でございますが、電力会社自体として六百三十万トンという線が出ておるのであります。この炭につきまして今日御承知のごとくいわゆる統制は行われておりません。従つてこれをどういう工合に買付けるかということにつきましては、結局各電力会社の自力によりまして、買付けなけれぱならん。併しながら自力だけでいかんという点についてどういう措置を講じたらいいか、こういう点について通産省或いは石炭協会等にもいろいろ数回に亘りまして相談をいたしまして、そうして目下この数字について何とか確保できるようにしてもらいたい。それから若しもどうしてもこの点から確保できないとなれば、結極電力供給を減らしてまで石炭の確保ができなければ、そういう結論を見出されなければいかんというような点についても、今私どもは六百五十万トンという石炭量を基礎として考えなければならんと思つておりますが、そういう点はやはり委員会として最終的にこの問題を取上げるように決定しなければならんと思つております。それから又石炭の値段の問題につきましては、これは現状の石炭の値段というものを十分考えております。又物価庁におかれましてもいろいろこの点について考え方を私のほうにはお話になつております。そういうような点も十分考慮いたしまして石炭の値段についても現在の炭が買えるようにまあ将来の物価の動向がどうなるかわかりませんが、そういう点も併せ考えまして石炭の価格というものについて公正なる結論を出したい。かように考えて今数字的のほうはそういう点については計算はいたしておるのであります。要するに問題は修繕費の問題といたしましても石炭費の問題といたしましても、大きく申上げまして物価庁かその他の関係庁のほうでいろいろ計算せられておるところとそう私は根本的には変る問題ではないと、こう考えておるのであります。併しながら一番問題は最初委員長からお話のございました償却の問題が結局この問題を大きく左右する問題であると考えております。従つてそういう点が委員会として今日決定されておりません。従つてそれに関連しての詳細の数字というものをここで申上げるということは私としてはいたしかねるのじやないかということを考えまして、今日もこの点についてのお話がございましたことは十分委員長にも、私のほうの委員長にも申上げまして、むしろ私が今日お答えいたしましたことは委員長のお考えと私は多少出過ぎておるかも知れません、委員長代理からも或いはお吃りを受けるかも知れませんが、少くとも今申しましたような点が現状でございます。こういう点について委員会としましては十分近々のうちに御方針をおきめ頂けると思いまして、それに基いて本格的な作業をいたします。そのときには勿論物価庁なり又通産省なり、安本なりの事務当局とも事前にもいろいろそういう点について更に打合せをして行くということについては前々から委員会としてもその点を我々に指示されております。又特に最近におきましても事務当局間の連絡については遺憾ないようにしてもらいたいということをお話になつておるのでありまして、まあそういうような点から今委員長代理からお話ございましたようにできるだけ早くきめて行きたいというお考えは、勿論委員長代理としてお持ちになつておることと思いますが、そういうようないろいろな事務的の点もございますので、先ほど奥さんからの御質問でございましたが、八月一日はきまつたのかということでございますので、その点は委員会としてはまだきまつておるのではないと、かようにお答えいたした次第でございます。
  200. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今松田事務総長の御答弁の中に非常に重要な点が一つありますので、これを一つ再確認をお願いいたします。その重要な点と申しますのは、物価庁通産省から出ている案と、資産の再評価の問題を拔かしたら大差ないと思います。こういう御発言がありました。資産評価というのは結局は減価償却の問題と考えますが、減価償却のときには委員会としても、事務局としてもまだ結論が出ない、ほかのことは修繕費石炭費、その他の点については物価庁通産省の案と変らない、大差ないというお発言をそのまま受け入れていいかどうか。
  201. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) その点につきましては先ほど申しましたように事務局としてどういう計算をしておるのかというお話で、我々としましてはいろいろな案を立てておる。それについて私のほうとしましてはいろいろそういう点についてはこれは計数的にも整理がしやすいものでございますから、そういう意味で先ほど申上げましたように事務局としてはいろいろな数字を当つております。併し事務局としての根本的な考え方としましては、要するにそういう点について勿論それは個々の項目から見れば違いございましよう。併し大きくそれによつて最後の料率が変更を来たすような問題ではないじやないかということを申上げたのでございまして、勿論相違はある分はあると思いますが、最初申しました第一の再評価の問題をどうするか、或いは償却の問題をどういう方法でやるかということほどそう大きく響くものではないじやないかということを申上げたのであります。言葉の足りません点がございましたらそういうふうに御解釈願いたいと思います。
  202. 山田節男

    ○山田節男君 議事進行……。今松田事務総長が縷々お話がありましたが、これは結局弁解なんですね。私のお聞きするのは要するに弁解じやない。殊に昨日委員長代理がああいうふうにはつきり言つておる。今日になつてそういうことを松田事務総長から承わることは、これは我々の委員会として、予定日として取つてありますのは明日が最後で、最後の予定日を使つても何だかペテンにかけられたような気がしまするし、それから又委員長代理もはつきりと八月一日か二日に決定したいということをおつしやつておるのでありますから、先ほど私は議事進行として申上げましたが、委員長からそういうような状況で、事務当局がそういうような状況であるならば、松永委員長代理の個人としての考えでもいいから述べてくれということを私は申上げたが、これに対して何ら議事の整理がしてない。殊にこれは松本委員長は別でありますが、宮原、河上、伊藤君の場合には、我々はあえてそういうことを求めません。併しながらこの五人の委員会でなくして、少くとも電力の専門家である、電気界のベテランである、而も我々から見ればこれは電気委員会を自由にしておられる人物で、事実上の、これは委員長の松永さんでありますからして、我々は傾聴に値いすると思つておる。そういうので、他の委員が奉る松永委員長代理が出られても、私どもは少くとも松永委員長代理の御意見を承われは私は参考になる、でありますから、幸い委員長代理がおられるのでありますから、先ほど委員長代理がおつしやつたことを、これをどうするかということを一つ整理して頂きたい。
  203. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 山田君から大体当委員会の空気と思われるようなことを切々と今お話がありましたが、松永さんどうでしよう。秘密会にしたらもう少し具体的にお話ができますかどうか。
  204. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 申上げますが、秘密会に関することはG・H・Qに関する問題は場合によつては速記をとめて頂かんと私ども叱られるように考えます。まあ感じです。叱られもせんでしよが、その以外は何にも秘密はございません。もう皆さんと赤裸々に御相談して、そしてこの局面を早く收拾せんければならんと思いますから、思つたことは何でも申上げます。然し同時に進んで言いたい点、松田事務総長の言い方をもう少しはつきりしてよかろうと思う点は私は二、三補足したいと思うのであります。だからお差支えなかつたら松田君の話を多少補足させて頂きます。それで又それについての御質問に何でもお答えいたします。
  205. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは松田事務総長のお話を二、三松永委員長代理が補足して、その補足してなお足りない部分は又毎度質問して答弁を聞くということで議事の進行を計ります。    〔石坂豊一君、岩木哲夫君発言の許可を求む〕
  206. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 ちよつとお先失礼いたします。(笑声)私先ほどから伺おうと思つておつたのですが、昨日も松本委員長及び松永委員長代理が司令部に訪問されておるようであります。それより前にも何回も行つておられるようであります。この際伺いたいことは、公益事業委員会といたしましては、聴聞会、或いは一般産業界、社会乃至は国会、これらのいろいろの意見を今日までつぶさに検討され、聞かれておると了承いたします。又公益事業委員会の独自のお考えもありましようが、結局八月一日乃至は二日三日のうちにやりたいという思召しから見れば、ここもう一両日うちに取りきめなければならんということが迫つておると思う。そういつたような期限的に迫つたのに際して、昨日司令部に行かれたことの内容であります、内容を先ず第一に伺いたいことは、公益事業委員会としては、こういう案とか、こういう考えで、何割値上げだとか、或いは値上げしないとすれば、こういつたような問題について、公益事業委員会としてお話を御両氏がされた、こちらから出された案、それから伺うから言われた御意見、これを都合によつては速記をとめられても結構でありますから、この際御発表を願います。
  207. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 速記をとめてお話するなら申上げますけれども、新聞記者諸君もおられますから、特にこういうことはむずかしい問題を惹起する虞れもありますので、余り誰がどうとか、こうとかいうことは言うべき筋でないのであります。先刻申上げましたように、事実皆さんがさようお含みのことであるのを、又むやみに進んでみたところが何でありますから、今岩木君の質向に……ちよつと速記を止めて下さい。
  208. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記をとめて。     午後七時、五分速記中止    ―――――・―――――    午後七時二十七分速記開始
  209. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を始めて……。
  210. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 この問題はなかなか容易に収まるものではない。それは聰明なる松永委員長代理は御存じのことだろうと思う。この公益委員というものも、実は松永さんが再編成の審査の処理方法として掲げられたものが元になつておる。であるからしてその衝に当られた松永君はこの運営については非常な御関心を持つものと私は考えておるのでありまするが、世間は松永君はとかく明断果決な人である。表ではああいうことを言つてつても、いざやるときには決行してしまう人である。故に今委員会にはいろいろ上手に御答弁になつておるけれども、いざとなると四割なり五割なりということを決行するのではあるまいか。又この値上問題というのは公益委員会の諸君は知らんことで、各会社が相談してやつたことであるというしらを切つた御答弁でありますけれども、それは事実でないのであつて、皆各会社と相談の上でこの総額七割値上になつておるのである。こう考えておる。又実際我々は現地の真中にあつて、今まで改良すべきこともしてないし、又徹底的に修繕すべきものもしてない、機械の取替もしてないことは事実です。若干これは値上げしなければ非常な損が行くということは、我々誰よりも、現に我々の廻りに五カ所の発電所があつてよくわかつておる。けれども如何にそういう事実が迫つたからといつて、俄かに料金を上げるということになるというと大変なことになるから皆大騒ぎするのである。誰も、上げて困るというものは少々おつても仕事をしておる人は大抵わかつておる。けれども今ここに七割、八割上げられるというと致命傷になるから、どうかそこは一割なり一割五分なり、又中には二割ぐらい上げてもらつてもいいという人もおるけれども、平均して七割だとか、そういうようなことになると大それたことになるというので、我々も暑い中でも一生懸命になつて審議しておるわけです。そこでお伺いしたいことは、今お話になりました司令部との折衝において四割程度で上げるということに協定せられたことは新聞で漏れておる。それが事実であるとすればこれは由々しき大事であるから、我々は如何に司令部との御協定がなつておつても、すでに物価庁が我々に示しておる案によりましても、いろいろの点において会社の要求というものには無理がある。修繕費のごときは前年度百億のものが今年二百十億も使つておる。又石炭においてもこういうことに無理がある、こういうところにおいて、値段において高いし、量において高い、一々高い、一々これは挙つて来ておる。我々は今ここにこれを繰返す必要はありませんが、さような問題で物価庁といえども今二割程度ということを言つておる。私どもは平均で二割なんか上げられたら大変だと思うから、我が党は一割五分ということで小委員できまつておるということを聞いておるのですが、恐らくはその程度であろうと思う。そこで一つ聞きたいことは、松永さんが一度あることは二度ある。一体再編成は政令で押しつけられた。我々は国会で審議せずして政令で押しつけられてしまつておる。今度の値上げも、一体貴様たちは何でも言いたいことは言つておれ、最後は司令部の指揮で決行してしまうのであるというような、公益委員の権限でやつつけるというようなことで、恐らくはそういうようなことはなかろうと思いますけれども、公益委員において決してそういうことをせんということの言明を得たい。これが一つ、それからいま一つは……。
  211. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) そのくらいで私に言わして下さい。
  212. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 あなた自分一人で勝手なことを言う。あなたの言うときに言つて下さい。私もあなたの御老齢に対しては同情しておる。むやみなことは申しません。いま一つはどうも只今奥歯に物の挟まつたというか、何だか最後後においては司令部に何して、自分はこういうことは会社のほうの都合でやればそれでいいというようなことについての空気を漏らされたが、さようなことは今日日本の政治は占領下といえども非常に緩和されて来ておる。リツジウエイ最高司令官は日本に或る程度政治を許しておる。そういう際において如何に半面において金を貸せるからといつて高圧的に処理されるべきものでないと私は思う。そこは一つ我々はさようなことを聞けば我々委員会のみでなしに、これを国会の審議に移して一層愼重審議しなければこれは同意できない、かような感を抱くのであります。そこで委員長代理はもう一歩を進めて、それほど紛糾している問題ならば、来たるべき国会にかけて、国民の輿論を国会を通じて聞いて、それで決定するという、そういういとまがあるかないか、その二つを答弁してもらいたい。まだ聞きたいととはあるけれども、ほかの委員諸君が聞いておられますから、私はこれで聞きませんし、あなたもうるさがつておるからそれ以上聞きません。この二つについて聞きたい。私は明日は帰つてこの堅気を報告せんならんから、あなたにとくと説明を求める。
  213. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) お答えいたします。二つあつたと思います。はつきり申上げますが、司令部は電気料金を四割などにせよなんという命令をなさるはずもなければ、さようなことを聞いておりません。これははつきりしたことであります。それから次に国会に相談して云々ということでありますから、無論ずつと伺つて意見を聞いて御相談しておるつもりでありますが、それでいかんでしようかどうでしようか。
  214. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 そこで只今御答弁のうちに一つ漏れておることがある。それはここに如何に審議が紛糾しても権限は公益委員にあるから、公益委員において決定し裁断する。それは松永君が従来決断せられたその美点というか何と言えばいいか、そういう勇断果決をせられる人であるから油断ならんぞということを我々のほうの業者が我々に詰め寄つておる、それを言うて来ておる、これは本当のことなんであります。そういうことをなさるかなさらんか、それを一つあなたの肚を聞かなければ私は帰つて報告ができない。
  215. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 昨日鬼の角も折れたと申上げて置きました。それから同時に聴聞会等を聞き、世間の様子を見て決して業者の言うような大幅のことで収まるものでない。併し御承知の通りの状態の電気事業をして国民のお役に立てしめるためには、いま少し力を與える必要がある。その程度は一遍にはもうむずかしい状態になつておる。それは私自身の意見である、一番私が世間から誤られて硬派のように思われておりますが、これはどういう間違いか自然そうなつておりまするから、決し言訳はいたしませんけれども、私が昨日こちらに来て劈頭申上げたのは、もうすべての需用者もそれから公益委員の者どもも、共に共に手を携えてできるだけ低い程度において料金をきめて行かんならん。それについては各官庁の御了解も得、関係方面の御了解も得んならん。甚だ苦心をしておる。然るに申上げたように非常な多大の石炭を消費すべきであるかのごとき指示を受けております。これは一生懸命に今断わつております。従つてその料金の織込み方等もやはり私どもは六百三十万トン、つまり事業者用六百三十万トンの線以上に上さんようにして、そうして料金に織込まれることを防ぐようにしております。従つてこのために料金が不当に上ることは国民と共に忌わしきことであると思つて努力しておりまする。まだ確定になりませんけれども、これは八分、九分成功し得ておると思いまする。殊に石炭料金についても、先般委員長からもできるだけ買い方について注意せよというお話でもあり、私も先般九州に行きまして感ずるところがありまして、この方面に向つても業者に向つてできるだけ圧縮を加えて見たいと思うております。さようなことで何らかの結論を一応得ますれば、明日皆公益委員会の者も初めて集まり、顔を合せまするから、委員長は前から東京におられる。私どもは昨今その筋とも関係し、又こちらにも両度伺つて意見を聞いたことを体して、決して間違つた……無論人間でございますからうまくは行かんかも知れません。あなたが御心配なさるほどもう鬼じやなくなつておりますから(笑声)どうぞ御安心下さい。
  216. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 只今の御答弁、松永君の良心によつて御明答になつたものとして私は了承いたします。私は心配しておるんでない、私どもの使つておる電力なんかは数知れたものであります。国民全体が心配しておる。それによつて私はかような質疑をする。只今襟を正しての御明答に対しては私は了承いたします。  而して更に附加うべきことは、昨日古池委員に対してあなたは階段的に上げるようにして上げなければならん。金は上げるが、階段的に上げて、そう一遍に上げん、これは私は適当なことと考える。又そうあつて欲しいと思う。併し同じ階段にも階段がある、二段も三段も一遍に上げるような階段の上りかたと、ステップ・バイ・ステップで一歩々々行くのとあります。どうも只今の上りかたは何段跳びというか、国民をしてどうもスポーツのジャンプ以上に心配させておるような問題であるから、私どもは特に注意を申上げる。私はこれ以上多く申上げません。御存じの通り私らは殆んど電源地及び需用者によつてとり囲まれている、非常な大責任を持つている。当席の状態を報告するところの大義務を持つておるから、あなたの耳に逆らうかも知れんけれども、私はあえてこの質疑をいたしたわけである、さように御了承願いたい。そうしてこれをどこまでもあなたの御良心に副うよう取扱つて頂きたい。
  217. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 先刻松田君が通産省そのほかと大体一致しておるように言われたのはそうだろうと思つております。けれども何だか食い違いがありはせんかと思いますのは、石炭の量について本当にまだお打合せができていないのじやないかと思います。これはやつぱり数字に大きく現われますから、実際は肝胆相照らしてお話になつても、数字というやつは冷酷なもので、変つて参りますが、その辺肝胆相照らしてお話願えるとしても、石炭は五百万トンしか要らんじやないかということと、六百万トンは要るではないかということの議論は、これは司令部の関係もあつて、両方まだ十分に一致をしていない。そこらが割引率にも響いておるのじやないかと思いまするが、その辺は必ず御了解のできるところは御了解を得ます、御了解得なければ或る程度電気事業者も絶対サービスに必要なる石炭だけは確保する。それで若しも雨が降つてその石炭が余るようであれば、これは石炭準備金の法律を作りまして、必ず又需用者のお使い途に残すという方針を取つて、その法律を今作つております。決して余つたからどう……ただ足らんことだけは厄介でございますから、用意だけは十分したいと思つております。
  218. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 あの松永委員長代理、松田事務総長の意見を補足して云々というようなお話で、今の石炭の量の問題など……それからさつきGHQの話として述べられましたけれども、そのほかにそのときに松田事務総長の意見を補足されましたが、石炭以外については余捕り足がなかつたようであります。なお先ほどの松永委員長代理の言葉の中に、償却の方法についてもモデレートした形で云々ということでありました。又松田事務総長の話はいろいろありましたけれども、再評価も加えてですか、償却問題を除いては、六百五十万トン云々の点は、それは大体何とか了解ができるのじやないかと思います。償却の問題だけが大きく残つておるというお話から察しましても、松永委員長代理のお話から察しましても、償却方法について七割値上げの線を下げるという点は明らかです。その下げ方の中の償却の点が問題だというならば、これは個人の意見かも知れませんが、委員長なり或いは委員長代理において、償却方法について、定率法ではなくして定額法で行こうというような意向が固まりかけておるのではないかという想像がせられるのです。途中で新聞にも載つたことでもありますが、その点についてもう少し明確に御答弁願いたい。
  219. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 私旅行をしておりまして、どう傾いているかということについて、脇から御覧になつたほどはつきりどう傾いているかということを客観的にわからん、先刻そのことについて老人が脱線しかかつたのでありますが、どうも償却の問題実に困難なのでありまして、これを一歩誤まれば電気事業の死命を制する問題になります。又これを理論的にむずかしく考えれば、到底現在の料金率を業者の言うているのを大幅に引下げるなどということはできません。而も原価計算なり或いは基準算定方法があつて公聴会において認められた問題もあります。で種々苦心しておりまするので、恐らくは委員会で定額にきまつたとか定率にきまつたということはあるまいと思います。御参考に申上げればもう皆さんの百も御承知の通りに定率一〇〇%ということは、定額償却一〇〇%の倍であります。つまり二百万円は百万円になるわけであります、ざつとの勘定で……然らば定率にしてそうして定額に近付けるということは、どうしても再評価に対して、再評価を七〇%にする、或いは五〇%にする、六〇%にするという問題が、今度原則から離れた政策の面が出て来る。つまりこれは又二つ考えなくてはならん。一つは税金の面が起ります。定額一〇〇%ということは定率の五〇%であつても、税金から申しますとほぼ百億万円の今全体業者の税金を払わにやならん、これはくどくなるかもわかりませんが、ちよつとお許しを願います。これは無論その料金のほうに盛込むべき性質のものははなくて、再評価資産のうちから落す問題であります。でありますからこの百億が出ましても決して消費者の負担となるべき性質のものではありません。併しながら百億という金は、立派な繁栄した会社はそう大したことはありますまいが、昔の五千万円か三千万円かでしようか、けれども現在ボイラー一つの修繕さえも困つてつて石炭一つさえも十分買付のでき得ないような状態の新たに出発した会社が、この税金をどう払うかということは大変な問題であります。この点についても我々は苦心はいたしておりますけれども、これは法律は厳としてありますから、少し延ばしてもらえるだろうとか何とかいうことを想像するほかないのでありまして、これを外観の、銀行或いは貸付ける債権者の目から見ると、金は持たないでそういう税金の金まで貸せないという感じを持ちます場合は、先ず最初修繕費或いは石炭費から金が出にくくなりますので、この点どうしたものかいろいろ苦心してまだまだ結論に逹しかねております。委員長は成るべく安いほうにきまるなら定額がいいよ、金のことはまあ何とかなりはせんかと仰せられる。私も昨日申したようにそういう気持もあります。けれども事実金を現金でやはり取るといつたら、今度サービス面は非常に悪くなりますから、その点も業者は心配いたしております。それで料金の点は同じでも構わんから税金の現金、財政上の現金がえらく出ないようにしてもらいたいということは、無論業者の心持だろうと思つております。私も商売したことがありますから、何より辛いのは金ですから、その金を構わずにポンポン高圧的に何でもきめてやるということもどんなものかと思うて、毎日のようにそのほうは取つ組んで委員長とも昨日話しました。今日は話す時間もありませんけれども、明朝早々お宅にでも出向いてどつちにしたものだろうか、その金の問題もあるからということで相談するつもりであります。そういうふうで事実誰も肚はあつても実際は金の問題、実際は率の問題になつて現われますので、今一生懸命やつております。又先刻GHQのお話もありましたが、これも決して悪意はなくて大いに電力供給せよという、もう一本で何と申しまするか、一本調子なのです。一本調子でもどうにもこつちが貧乏へこたれですから、まあ何とかそのほうにはとりなしておりますけれども、料金を四割でいいとか、或いは三割五分でよろしい、それ以上げちやいかんとか、下げちやいかんとかいう線は決してまだおつしやいません。それをどうか幾らか探ろうと思つて苦心しておりますが、まだはつきり探り当てておりません。これは探ることは必要でありますけれども、やはり我々も肚をきめて行かなければなりませんから山川さんから最前お話のように何かお聞きがあつらお話願いたい。
  220. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今松永委員長代理の御答弁を聞いておりますと、結局公益事業委員会としては定額法償却をするという意見と、資産の再評価のパーセントを一〇〇%から七〇%或いは六〇%或いは五〇%下げて定率法償却をするという意見と、この二つの意見が今対立してきまつていない。こういうことのように委員長は受取りましたが、そうですが、そのようですか。
  221. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) その両方の対立じやなくて、研究をしております。
  222. 西田隆男

    委員長西田隆男君) その両方を研究しておられる……。
  223. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) できればどつちが適法であるかを研究しおります。
  224. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 関連して……。私は松永委員長代理電力会社のために税金をどんなにまけるかという心配をしておられる点はよくわかつたのでありますが、そうじやなくて、話の裏から拝察しますと、再評価を一〇〇%にすることは税金関係で困るので、一〇〇%しないで再評価の率を引下げたいというお気持であるかに承わりました。それから償却の問題についてモデレートしたいというそのモデレートの仕方について定額法と言われたのですが、松永委員長代理の今のお気持からするならば、今の言葉の裏から聞くならば定率法でモデレートしたいという御意見であるかのように聞いたのですが、そうなのですか。それとも今委員長が言われたように再評価に関連して定額法意見もある。これは松永委員長の気持じやなくて他の気持が入つたものと思いますが、その辺松永委員長代理の気持を一つお聞かせ願いたい。
  225. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 今の吉田さんの御質問に簡單にお答えします。私の気持としてはなかなか金融が困難だから再評価の対象の率を下げますと、その分だけ税金がかかりませんから、そのほうがよくはなかろうかということを考えております。併し定率法というのは先刻申しかかりましたけれども、今度簡單に言い直しますが、定率法というのは旧資産、再評価された資産に限つて今日後建設されるものはもとより定額でないがよろしい、そうして償却とそれからその料金に織込む率との間に将来そういうモデレートの案をとつておるほうが、電力料金の安定を図るゆえんだとまあ私は個人としては考えておりますけれども、今日の実情におきましてはまだ委員も揃わず、私どもは地方から廻つて来たばかりで、司令部の意向も十分にはつきりしませんので、ちよつと今日御返事しかねますが、私はさような考え方を以て進んでおります。又事務局は両方どちらでもモデレートの余り高くない料金、つまりこのABCについていろいろやつております。だから話がきまればどちらかにきまるものと思つております。それでそういうことで進んでおりますからどうぞ……。
  226. 結城安次

    ○結城安次君 私は今まで同僚議員からあらゆる角度から御質問があつたので、大体了承いたしましたが、今までの御質問は大抵支出、いわゆる償却、修繕、経費の点ばかりでありましたが、この収入の点について余り皆さんからお聞きがなかつたので、ちよつとお伺いしたいのですが、今度の料金算定の場合に水力が幾ら出るであろうかという計画に対して実際は今まではよほど余計に出ておるようであります。二十一年、二十二年は別としましても二十三年、二十四年、二十五年、これらは大抵一割一分、一割八分、二割と年々余計出ております。今年の正月あたり確かに、どなたか存じませんでしたが、週期的に渇水が来る時期なんだ。もう今年あたりは渇水が来る時期だからよほど用心してかかると言つたにかかわらず、四、五、六の三月の何を伺いますと、やはり四月が一割二分、五月が九分、六月が八分とずつと出て、七月のごときは何でも今日伺いますと、十五日までの集計で二億何千万キロワツト・アワーで、計画より余計出ておるというように非常に出ておるわけで結構ですが、これは料金算定の場合に何か御考慮に入れてあるのでしようか、どうでしようか。この計画量だけでやつているのですか、或いは……。    〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
  227. 山田節男

    ○山田節男君 これは委員長もすでに気が付いておられるだろうと思いますが、もうすでに八時です。委員会としてもこういう異例な一時半からすでに八時です。ですから明日は公益事業委員会の諸君が来れないというならば、又今のように質問があれば続行して頂いても、すでに八時ですから疲れておるし、腹もすいておりますし、どうでしよう、このままで三十分、一時間ずつとやるのか、若し続けてやるのだつたら、私はこの際休憩して食事でもとつて、そうして十時なら十時まで、こういうふうにして頂きたい。
  228. 結城安次

    ○結城安次君 私はこれだけ伺つておけば、もうすでに松永委員長代理の御答弁で薄々とアウト・ラインがわかつたような気持がいたしますので、私の質問はこれだけであります。
  229. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 山田君の議事進行に関する発言は、結城君の答弁があつたら委員諸君にお諮りいたします。
  230. 平井寛一郎

    説明員(平井寛一郎君) 只今の御発言の通りに、今年の四、五、六の実績は平年の状態よりは、平均しまして五%上廻つております。併しこれから先の見通しでございますが、やはり長い間の眼で見なくちやなりませんので、我我も十分愼重に考えなければならないと思つております。そこに電気事業者が今度の料金改訂を出しておりますものについて見ましても、出水の見通しにつきましては大体やはり九カ年の平均というものを基礎にして扱つております。併しロスの数字につきましては、電気事業者の申請の内容は、実際の現在のロスの実状よりは相当下廻つた努力目標で以て出して来ておりますけれども、まだ委員会のほうの今年度の需給計画を立てました二六%という数字よりは若干上廻つております。これらの点はなお今度の料金をきめます上においては重要な要素でもございますので、事務局のほうでもいろいろと数字検討いたしております。
  231. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 山田君の議事進行に対する発言についてお諮りします。    〔「その前に」と呼ぶ者あり〕
  232. 西田隆男

    委員長西田隆男君) そうやつているときりがありませんから……。
  233. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 実は私誠に自分のことで申訳ありませんけれども、明日ちよつと公用があるので、今夜旅行するので、先ほど御説明を頂きました、今結城委員から質問のあつた収入面の根本になる問題でありますが、これについてほんの僅かの時間でよろしいけれども、質問を許して頂きたいと思うのであります。皆さんお願いを申上げます。
  234. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 山田君、いいですか。今栗山君から明日来られないので今日是非一つだけ聞かしてくれというのですから……。    〔「議事進行」「もう八時だから」と呼ぶ者あり〕
  235. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 今収入の問題が話になりましたが、私は収入のやはり基本になるのはこの電力料の割当の問題であろうと思います。従つて標準割当と追加割当との枠をきめました場合に、これを動かす、動かさない、それから水の場合には動かさないといたしましても自動的に動いて行く、それをどういう工合にするかということが問題になると思います。時間がありませんから簡單に要点だけ御質問いたしますので、それにお答えを願いたいと思います。第一にはこの計画表は、今度料金事業者の申請に対して修正をせられるであろうということはほぼ明らかになつたのであります。その修正に基いて販売電力料は大修正が行われるかどうか、この只今説明を頂いた表が変るかどうかということについて、変るとしますならば、そのときに先ほど石炭のうちで標準割当に振向けておる分はわからんということでありましたが、それでは本当はわからなくちや工合が悪いのでありますが、とにかくそういう工合に更正になつたときにも石炭責任量というものは、必ずこれは指示されるかどうか。それから更に異常豊水があつたとき、異常豊水があつたときには、この標準割当と追加割当関係相当に乱れて来るわけでありますが、そういう異常豊水になつたときには標準割当の枠を殖やされるか殖やされないかということ。それから異常渇水があつたときにその枠を狭められるか、そのままにして置かれるか。そうして而もそれによつて結局のところは異常豊水のときがあつたのに対して収入増を事業者に許すか、或いは許すとすればそれをどうするかという問題。異常渇水が来ましたときに赤字が出ますが、その赤字をどう始末するかというこういう問題に発展すると思いますが、以上の点について公益事業委員会の事務局もすでに御研究になつておると思いますから、要領よく一つ御答弁願いたいと思います。
  236. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今栗山君の質問に一つ簡潔にお答え願います。
  237. 平井寛一郎

    説明員(平井寛一郎君) 大体委員会といたしましては只今の御質問のいろいろの点につきましては特に販売キロワツト・アワーを申請通りやるかどうか、それから標準割当量を変更するかどうか、これは重大な問題でもございますので目下研究中でございます。ただ標準割当量というものはできるだけ大きくして行きたい、これは当然のことなんです。こういうふうにいたしたいと考えるのでありまするけれども、やはり現に火力料金という制度もあることでありまするので、そういう点でやはり小口電力とか大口電力、その他の点において火力料金というものが或る程度出て来ることは不可避的なんです。どの辺に線を置きますかこの点は目下研究中だと思います。
  238. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 山田君の議事進行についてお諮りいたします。大体において今までの質疑応答によつて明らかにされたことは、資産の再評価の問題がやや明らかになりました。石炭の問題も公益事業委員会物価庁通産省との意見の食い違いもはつきりいたしました。その他の点については松田事務総長も松永委員長代理物価庁通産省の案と大差ないことになるだろうという御意見の開陳があつてつております。従つてこれら以上のことは公益事業委員会を開いてその会議で結論が出なければ御答弁は頂けないと考えますが、本日の委員会はこれで散会いたしまして、明日の委員会においてなお数学的に委員会として検討すべき点を検討いたしまして、そうして公益事業委員会のほうに委員会の態度をどういうふうに意思表示するかという点について話合いたいと思いますが、どうですか。    〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
  239. 西田隆男

    委員長西田隆男君) では本日の委員会はこれで散会いたします。    午後八時六分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            高橋進太郎君            栗山 良夫君            小林 孝平君            結城 安次君            水橋 藤作君    委員            石坂 豊一君            岡田 信次君            小野 義夫君            古池 信三君            三輪 貞治君            山田 節男君            吉田 法晴君            奥 むめお君            溝口 三郎君            山川 良一君            岩木 哲夫君            境野 清雄君            須藤 五郎君   国務大臣            周東 英雄君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君   法制局側    参     事    (第三部長)  岡田 武彦君   説明員    公益事業委員会    委員     松永安左エ門君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    農林大臣官房経    済課長     玉置 康雄君    通商産業省通商    企業局長    石原 武夫君    運輸省鉄道監督   局民営鉄道部長  唐澤  勳君    物価庁政務次官 郡  祐一君    物価庁第三部長 川上 為治君    物価庁第三部動    力課長     藤田  勇君