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1951-06-14 第10回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年六月十四日(木曜日)    午前十時四十五分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電気料金の改正に関する件)   ―――――――――――――
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今から委員会を開会いたします。昨日の午前の委員会公益事業委員会から料金改訂案の大綱について総括的説明を聞いたのでありますが、本日は昨日に引続きまして順次各電力会社より改訂案内容について説明を聞くことにいたします。  今回、非公式ではありますけれども公益事業委員会に出されておりまする各社電力料金改訂の案が相当大幅な料金値上を内容としているので、国民はひとしく電力値上げがどうなるかという問題について、重大な関心を払つている実情であります。当委員会といたしましては国民の輿論を考えまして、各電力会社からの説明を十分に聴取した上で、電力料金改訂について善処したいと考えております。本日の各会社の御説明は、大体一社三十分から四十分程度料金改訂案内容のうちの最も大きな問題について詳細に御説明を願いたいと考えます。先ず第一に、中部電力株式会社社長井上五郎君の発言を求めます。
  3. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 私御指名にあずかりました中部電力株式会社井上であります。  今般再編成に基きまして新会社が創立をいたしました早々に、料金改訂をお願い申上げなければならないということにつきましては、各方面にいろいろの御意見等ございました。私どもといたしましては、好んで値上げを申請する意味ではございませんが、新会社の経営上合理的な料金改訂是非お願いをいたさなければならないという意味におきまして、私どもからもいろいろその間の事情を御説明申上げているわけであります。当院におかれましても先般来この問題につきましていろいろ御審議を願つておる点は、私ども事業者といたしましても誠に感謝に堪えない次第でございます。私どもといたしましては、料金改訂をお願いいたします以上、十分需用家各位、大衆のかたがたの御納得の行く意味におきましての改訂をお願いしたいという意味におきまして、只今からいろいろ私どもの今日まで持つております構想につきまして御説明を申上げたいと存じます。同時に皆様がたの御意見等十分お聞かせ願えれば誠に仕合せと考えます。要するに料金改訂は、私どもといたしましては会社が経理的に成立つて行く、合理的な企業としての計数的な基礎が確立するということが基本的な考え方であります。その線に副いまして料金改訂をさせて頂きたいと、こう考える次第でございます。それにはもとより先般発表になりました料金認可に関する算定基準、我々はこれに則つた料金改訂をして頂きたい、こう考えるわけであります。御案内のごとくこの料金認可基準というものが去る十一日聴聞会にかかりまして、未だその最終決定を拝見しておりません。そういう関係から私どもは一応ああした線に基く、言葉を換えて申しますればいわゆる原価主義と申しますか、電力の発生、消費に伴う合理的な原価を保障して頂けば、そのことが企業として成立ち得るに必要であり又最小限度の要請でもあるという意味におきまして、あの基準に一応準拠いたしました案を作つた次第でございます。只今申しましたようなわけでありますから、これは料金認可共進が或いは変更され、或いは又更に最終の申請をいたしますまでに、私どものほうにおきましても更に各方面の御意見を参酌いたしまして、最終にして最善の案を申請したいと思つております。そういう意味におきまして今日御説明申上げまするものは決して我々の最終決定案ではないということをあらかじめ御了承おき願いまして、以下私ども構想につきまして御説明いたしたいと思います。つきまして原価構成につきまして私どものほうの大岩君、料金構成につきまして河津君から御説明をさせたいと思いますが、お許しを願いたいと思います。
  4. 西田隆男

  5. 大岩三郎

    参考人大岩三郎君) 私中部電力大岩と申します。今回の電気料金改訂事業者にとりまして如何に必要なものであるかというような点につきましては、もうすでに世上にいろいろ論議をされておるところでありますがその率がどういう工合になるかという点につきましてはいろいろ議論があると思いまするが、或る程度の値上が止むを得ないものであるということについては大体御了承を願つておると思うわけであります。然らば我々の中部電力といたしまして一応の案といたしましては六割九分ほどのあれを考えておるわけであります。その内容につきまして六割九分が我々としては一応適応なものであるという工合に考えておるのであります。原価内容につきまて各項目につきまして概略の御説明を申上げたいと思います。お手許にお配りいたしました電気料金改訂説明次料、この頁に従いまして御説明を申しげたいと思います。三枚目の昭和二十六年度総括原価表、この表におきまして大体二十五年度実績に比べまして二十六年度は各費目ごとにどういうような数字になるかということをここで概略説明をしておるわけでありまするが、この一々の項目につきましてはその次の頁から比較的詳細に亘つて説明を申上げておりますので、四百から説明をいたします。四頁の昭和二十六年度総括原価説明書以下三十一項目だと思いますが、その項目につきまして一項目ずつ御説明を申上げたいと思います。  先ず役員給与でありますが、役員給与役員数二十名、一人当りの年の単価が九十万円ということになつております。一千八百万円をここへ計上したわけであります。次に給料手当理由給与、それから一般社員給与と二つに分けまして、理事の給与は二十名、一人当り年単価八十万円というところで一千六百万円、社員給与のほうは社員年度平均が一万七千四百九人、この二というのはちよつと間違つておりまして一万七千四百九人であります。給料総額二十八億五千八百六十九万七千円、賞与金といたしまして基準賃金の二カ月分を見込みまして三億七千二百五十一万八千円を計上いたしておるわけでありますが、その内容といたしまして次に述べておりまするように、単価としまして、月の給料単価は一万三千六百八十四円に当ります。一万三千六百八十四円の内訳は、単価内訳というところに計上いたしてありまする通り基準賃金一万六百九十九円、基準外賃金二千八百八十九円、冬営手当九十六円、合計一万三千六百八十四円、これに基準外賃金を大体二七%を見込みまして、基準外賃金合計が二千八百八十九円、この合計が一万三千六百八十四円になります。なお詳細は別表通りとして、別表一の九頁目から、給料或いは手当説明書というところから出ております。ここに述べておりまするところは一万三千六百八十四円が決して過当なものでない。原価に見込んで適正なものであるという一つのここに説明を加えたわけであります。御承知のように現在の電産の給与の一万二百円ベースと申しますのは、去る四月に中央労働委員会の調停によつて労資双方のほうで取りきめました給与によつたわけであります。これは当時委員長の御説明にもありまする通り、CPI、CPSの点からいたしましても、それから他産業給与との比較から行きましても、決して過分のものではないというような判断の下に一万三千六百八十四円という給与につきましては、原価に見込んで適正なものであるというような工合に考えまして、この数字をここへ計上したわけであります。それからその次の頁へ参りまして振替人件費でございますが、これは給料手当で払つております中の建設費勘定になるものをここへ振替えたものであります。配電費給料手当の七%をここへ計上しております。実績は、これよりお話しますが、企業合理化その他によりまして、配電線工事その他は今後は請負工事に出す向きが多くなろう、そういう見込みからこのパーセントを例示したわけであります。次に法定厚生費でございますが、法定厚生費は一人当り月単価は千二百八十八円であります。この計算内容は算式で示しました通り、これは法令できめられた単価をそのまま計上したわけであります。従つて給料手当の一人当り賞与を加えました一万五千四百六十七円、これをベースにいたしまして健康保険料は千分の五十五、失業保険料は千分の十、労災保険料は千分の八、厚生年金保険料は千分の十五と、それぞれこういうきめられた金額によつてここへ計上したわけであります。労災補償料健康診断料は、これは過去の実績をそのままここへ計上しました。合計しまして千二百八十八円、これに先ほどの平均人員一万七千四百九人を掛けまして二億六千九百万円をここへ計上したわけであります。それから一般福利費であります。一般福利費基準賃金の七%五分、これを見込みまして、これは過去の実績その他から言いましても過当なものでなかろうと思います。ほかの産業その他に比べましても、基準賃金の七%五分を見込むという数字は決して多過ぎるものではない、適正なものであろうと思います。それからその次の退職金引当でありますが、基準賃金に対して一〇%を計上いたしております。これも過去の実績その他から見まして一〇%というのは適正なパーセントであろうという工合に思つております。次に油脂類費でございますが、油脂類費は過去の二十五年の実績の一・五倍、これは需要の増加油脂類値上りを両方勘案いたしまして一・五倍の増加を見込んだわけであります。次に燃料費でございますが、燃料費火力発電量は六億五千万キロワット・アワー年間出力六億五千万キロワット・アワーということにいたしましたが、これは公益事業委員会で査定をされました数字をそのままここに計上したわけであります。そういたしまして石炭消費率は〇・七三、名古屋地方火力発電所は全国でも優秀な、消費率の良好な発電所でありますので、これは他地区に比べて非常に消費率のよろしいところでありますので〇・七三という消費率計上をいたしました。この〇・七三が果して妥当であるかどうかという点につきましては別表の二に、十一頁にここで説明をいたしております。二十五年度実績が大体〇・七一四、二十六年度予想といたしまして〇・七三というものを計上したのであります。そうしますと石炭消費量は四十七万四千五百トン、こういう数字になるわけであります。この四十七万四千五百トンを一トン当り五千五百五十円と単価計上いたしまして、二十六億三千三百万円を計上いたしました。石炭単価五千五百五十円は只今実情から申しますと非常に入手に困難を感ずる実情でありますが、これは極力努力をいたしましてこの単価入手をやるという工合に決心を持つておるわけであります。次にその次の運炭灰捨費でありますが、運炭灰捨費単価百七十六円を計上いたしましたところ、これは過去の実績に比べまして相当大幅な値上りを見込んでおりますが、私どものほうの中部発電所の機構といたしまして、名古屋管区明光管区両方のことでありまするが、明光というほうは実績は四十円程度だろうと思います。これは特別に灰捨費の安いという理由が、特殊の理由があるわけでありまするが、その理由は本年度あたりからはなくなつてしまう。そういう想定の下に、四十円程度の一般灰捨費名古屋明光管区については、これは今後困難であるという点から、百七十六円を計上いたしました。次に委託集金費でありまするが、これは一枚当り単価五円六十三銭、年間取扱枚数六百六十九万枚ということに計上いたしました。二十五年下期の実績は一枚当り四円三十六銭に当つておりますので、これを四円五十銭に見まして給與ベース・アップその他を考慮しまして二割五分のここに値上りを見込んで、一枚当り五円六十三銭を計上しました。なお取扱枚数二十五年度実績は五百七十五万枚でありましたが、これは委託集金費が漸次過去の実績から言いましても殖えている現状を考慮しまして、二十六年度には殖えるであろう、こういう想定の下に六百六十九万枚を計上いたしたわけであります。次に需用者指導費でありますが、需用者指導費は一億六千八百万円を計上しました。これは過去の実績に比べまして殖えておりまするが、この殖えておりまする理由は今後パブリツク・リレーシヨンの関係から相当配置のために使わなければならんという見地から、特別にその経費を見込みましたために、二十五年度実績に比べましては約六割七分程度増加を来たすことになつております。その増加を見込んでいるわけであります。次に養成費研究費、これは共に二十五年度実績に比べますと約倍額を見込みました。教育制度の強化を図る必要があり、なお研究費につきましては日発が解体をしました関係上、従来日発研究をしておりました研究所の費用その他を、各九地区電力会社が分担して研究する必要がある。従つて電力会社研究費は、これは従来の配電会社だけのものに比べまして相当に殖えるであろう、こういう工合に考えまして二倍を計上したわけであります。次に修繕費でございますが、修繕費は二十八億を計上しております。一般修繕費といたしまして十八億七千五百万円、特別修繕費といたしまして九億二千四百万円、これを合せまして二十八億。この十八億七千五百万円という数字は、二十五年度実績は十四億八千円万ばかりございました。その十四億八千万円は過去の料金面収入面から制約を受けました修繕が意のままにならなかつた。従つて相当施設が荒廃劣化している。そのためにどうしてもやらなくてはならないものをやるだけでも過去の十八億七千五百万円程度は必要である。それにやはり物価値上りが三〇%程度最小限度見込む必要があるというような見地から、十四億八千万円の約三〇%増加の十八億七千万円を見込んだわけであります。それから特別修繕費計上しましたのは、これは明細別表の十三枚目にございますが、損失軽減防止無効放流防止危険防止その他の工事、こういうような工事をこれは過去に相当こういう工事はやつて置くべきはずでありましたが、やはり収入面から制約を受けまして、こういう工事ができていなかつた。従つて損失相当程度おりまするし、又危険の防止工事どもやりにくかつた点もありまするので、この際こういう工事は是非実行して需用者のサービスの万全を期さなくちやならんじやないかという見地から、この工事を同時に特別修繕という名目で、修繕費を以て支弁することをして行くわけであります。それから電球引換費でございますが、電球引換費は大体一個当り三十円を見込みまして、定額電燈年間平均が百四十四万五千燈、断芯率一・五個といたしまして一個当り三十円を計上しております。次に特別費でございますが、特別費は三億二千四百三十九万六千円をここで計上いたしましたのでありまするが、その内訳説明のところにありますように、諾税市町村民税電気税登録税印紙税雑種税、これを合計しまして諸税が八千七百万円、公物使用料が一億七千八百万円、借地借家料が二千四百五十二万六千円、設備使用料が九百二十一万円、それぞれこれは或るものによつてはやはり値上り相当見込むべき必要があるものもございますので、三割程度値上りを見込んだものもございまするし、それから四割七分程度値上りを見込んだものもございまするし、それから四割七分程度値上りを見込んだものもございます。次に諸費でございますが、諸費は九億二千二百万円、これは二十五年度実績基準として、やはり物価値上りその他のためにやむを得ず或る程度の増額を見込んだわけであります。内訳は、ここにありまするように、寄附金、旅費、委託諸手数料、被服費消耗品費雑給、雑費、合計なつております。特に消耗品費においては用紙類が大部分でございますが、用紙類は最近の値上りから見ますと、七十何%というような値上りを示しております。従つて料金につきましても、二十五年度実績に比較しますと三割五分程度値上りをするという考えから、ここに九億二千二百万円を計上したわけであります。次に地帯間受電電力料、これは私のほうといたしましては、東北東京、関西、この三社から受電をする取りきめになつております。その受電電力量合計は四億四千六百万キロワツト・アワー、これは各関係会社間で大体の協議の調つた電力量でございます。この単価が二円五十銭となつております。この単価は実際の取引に使う単価ではございませんので、ここへ掲げました数字のこの金額キロワツト・アワーで割りまして、一応この程度単価になるということを現わしたわけであります。実際の単価は、これは別表の四にありまするように、それぞれ各社間にキロワツト・アワー並びに料金の取りきめが済んでおるわけであります。次に購入電力料でございますが、これは今の地帯間の受電電力量以外の自家用発電所などから買つておりまする電力でありまする。大体二十五年度実績金額からいいまして二五%程度増加を見込んだわけでございます。次に減価償却減価償却只今いろいろ問題になつておりまするが、私のほうといたしましては一応再評価をしました額に対して、定率法を適用いたしまして、計算をいたしたわけであります。再評価しましたもの、要償却額が四百三十九億四千八百万円ありますので、これに対して所定の率をかけまして計上しましたのが二十九億七千五百万円になるわけであります。次に税金でございますが、税金資本金七億五千万円に対する一割の配当金で、七千五百万円、これに法定準備金を十九分の一見込みまして、その合計額の六十五分の三十五と、きめられた算出方法で出しました数字でございます。次に支払利息支払利息明細別表の六に出ております。別表六は二十五枚目になりますが、二十五枚目の別表六、資金繰並びに支払利息計算表、ここにこの支払利息の六億一千五百万円、この明細を現わしましたわけであります。左のほうの、所要資金建設資金が八十四億三千四百万円、その工事内訳はその次の頁に別表七として載せましたが、このうち見返資金工事が三十一億二百万円、それから再評価差益税が五億四千六百万円、この差益税差当りこれは運転資金として金を借りて支払をする、こういう予定でございますので、その金利だけを計上したわけであります。それから社債償還が二億二千二百万円、これは償還規程によりまして、当然償還をすることになつておりますので、二十六年度中にはこれだけの資金が必要になるわけであります。それから復金の借金の返済一億二千四百三十万円、これも借入契約によつて返済をすることになつております。それから見返資金返済、これはやはり返済契約によりましてこれだけを返すことになつております。合計しまして九十三億四千万円、これだけの資金が必要でありまするが、その調達方法は下にありますように、社債で十三億五千万円発行しまして、見返資金で三十一億二百万円をお借りする。社内保留が、減価償却が二十九億七千五百三十八万八千円、仮払修繕費償却六千七百九十一万三千円、社債発行差金が一千四十万円、これを合計しまして三十億五千三百七十万一千円であります。それから市中銀行から借入が十九億三千四百万円、合計しまして約九十三億四千万円でございます。資金調達が九十三億四千万円、これで所要資金調達ができるという計算でございます。そして支払利息のほうは、その下にありまするように二十六年五月一日現在の社債、見返資金復金一般銀行借入、これだけの利子計上をいたしまして、それから建設工事で残つておるものがございますので、その利子だけは建設資金に振替えるという予定支払金から差引きまして四億二千万円を支払利息として計上いたしました。それから二十六年度増加分としましては、社債発行が十二億五千万円ございますので、これは発行日に応じて実額計算して、そうして四千六百三十九万五千円計上いたしました。見返資金は三十一億二百万円を借りる予定でありますので、これは大体期の半ばに借りられるだろうという予定の下にこれに二分の一をかけまして一億一千六百万円を計上いたしました。これから返済するものがございますので、これを差引いたわけであります。復金も同じように返済をする契約なつておりますので、この返済金額を差引きました。それから市中銀行が十九億三千四百万円、やはりこれも平均いたしまして、期中、期末いろいろありますので大体平均いたしまして、二分の一で九千百万円を計上いたしました。そうして二十六年度中に、前に挙げました十七億四千万円の仮勘定なつております分が全部精算されるだろう、こういう予想でありますので、この分の金利はここに計上いたしました七千五百万円、それから二十六年度になお仮勘定で残る分ができる、これが大体の仮計画からいたしまして三十億四千六百万円程度この年度末に仮勘定として残りますので、金利から差引いたわけであります。そうしまして差引合計が六億一千五百万円計上したわけであります。次に社債発行差金償却でありますが、これは社債は十二億五千万円発行する予定なつております。その予定月は右のほうにありますように、そのうち四億は二十七年四月から六月頃に発行する予定であります。従つてこの分は社債発行差金償却関係ないというので、計上を見合せました。従つてここに計上しましたのは、七月から九月までの四億五千万円、それの五分の一、それから一月から三月までに発行されます四億円の半分を償却するということになりまして合計して一千四十万円計上いたしました。次に固定資産除却費でありますが、これは二十五年度実績の大体七〇%で進んでおるというような見通しから、二十六年度は五百三十一万円計上ております。次に雑損失五千六百八十七万三千円を計上しましたが、事業貸倒損が千三百五十八万四千円、不動産関係損が六百七十六万九千円、貯蔵品関係損が千五百五十八万七千円、その他特殊な、雑多なものがございますが、これは二十五年度実績に此べまして半分くらいに滅らそう、雑損を減らすという予定の下に二千九十三万三千円を計上しまして、合計いたしまして五千六百八十七万三千円を計上したわけであります。その次の仮払修繕費償却は、これは従来特別改修工事完了償却ということになつておりまして、過去の修繕費を一応仮払の形式で払つておるということになつておりまして、この償却は大体従来七カ年間定額均等償却でやつておりますので、この額をそのまま計上いたしたのであります。次に法定準備金は三百九十五万円、これは配当金の九十五分の五、こういう法定のそのままを計上いたしたのであります。次に配当金は、資本金の七億五千万円でありまして一割の七千五百万円、固定資産税は再評価資産額四百十四億七百万、これに対しまして一・六%という率をかけまして六億六千二百万という数字をここに計上いたしたのであります。最後に水力賦課金でありますが、水力賦課金各社集まりまして判定しました単価そのままを使いまして一キロワツト・アワー年間三千五百円、これに対して中部電力としましての出力を常時に換算しまして四十三万四千二百五十一キロワツトになりますので、この数字をかけ合せまして十五億一千九百万円とここに計上いたしました。  以上の三十数科目総計が百八十一億一千九十四万九千円、こういう数字なつたわけであります。この百八十一億が結局総括原価ということになるわけでありまして、この総括原価から見まして現在の料金単価に比べまして一・七〇五という倍率になるわけであります。それを料金値上率といたしましては一・六九でありまして、その差額は企業努力を以て吸収しよう、こういうふうにしておるわけであります。以上で総括原価につきましては一応御説明を終わりました。
  6. 西田隆男

  7. 河津吉兵衛

    参考人河津吉兵衛君) 只今御氏名頂きました中部電力調査部次長河津でございます。只今大岩課長から原価につきまして御説明申上げましたが、私は需給対照並びに料立の関係につきましてご説明を申上げます。  先ず第一に、二十六年度の我々が見込んでおります需給対照について御説明申上げますが、お配りしてありまする資料の四十七頁を御覧願いたいと思います。四十七頁に本文が載つておりますので四十七頁を御覧願います。大体はこの説明というところに書いてありますので、それを御覧願いたいと思いまするが、大体公益事業委員会のほうにおきまして、すでに各方面から検討されました供給力並びに需用というものが、勿論業者の意見も御参考になりましてお作りになつておりますので、大体それを基準にいたしまして、需給の予想を立てております。水力発電量火力発電量受電量と申しますのは、大体委員会想定通りでありまして、この合計が私の中部電力といたしましては四十四億四千百万キロワツト・アワーなつております。それから只今原価のところで御説明申上げましたが、各電力会社間の需給電力量、中部配電は約一億二千万キロワツト・アワーぐらいが受電側に相似ります。それを加えますと、合計の供給力といたしましては四十五億六千三百五十三万九十キロワツト・アワーということになるのであります。これら送電並びに配電損失及び我々計算不能量と呼んでおりまする盗用でございますが、盗用の量を引きまして、いわゆる歩留りといたしまして、販売電力量というものを出計算いたしておるわけでありますが、その送電損失量が、これは最近再編成後でありまして、十分な資料がありませんので、旧来日本発送電から受電しておりました、いわゆる受給地点とそれから受給地点以後の旧来の配電部門でありました部門と分けて計算をいたしております。旧来の配電会社の受給地点まで、現在日発から継承しました帰属発電所からの損失が約一一%、これは旧来の数字でございますが、四億一千七十一万八千キロというわけでございます。それから更に過去の受給地点から販売部門、いわゆる供給地点までの電力損失、その差引きましたのが四十一億五千二百八十二万一千キロとなりますか、それが旧来の受給地点の供給量で、それから更にそれと配電損失が七億四千八百九十二万二千キロ、それから盗用の分の一億七千五百六十三万九千キロ、これを差引きますと、需用端の電力は三十二億二千八百二十六万キロワツト・アワー、こういうことになります。今度はそれの供給力によつて起りますところの需用でございまするが、需用も大体において委員会の御想定をそのままとりまして、多少最近の実績増加を加味いたしまして、一部極く僅か修正いたしておりますが、かように計算いたしまして、大体ここにありますように、定額電燈が二億七千八百五十万五千キロ、従量電燈が三億八千三百四十八万七千キロ、大口電燈が四千八百三十九万三千キロ、臨時電燈が百九十万八千キロそれら電燈の計が七億一千二百二十九万三千キロ、業耐用電力が七千三百二十三万八千キロ、小口電力が三億七千三百九十万六千キロ、大口電力の甲が四億一千四十二万一千キロ、大口電力の乙が八億三千六百五十六万五千キロ、丙が七億四千五百七十二万キロ、特殊電力が三千五百四十四万キロ、臨時電力が三千十三万三千キロ、それから会社が使います事業用といたしまして一千五十四万四千キロ、電力合計が二十五億一千五百九十六万七千キロその合計が先ほどの販売端の供給力となりまして三十二億二千八百二十六万キロワツト・アワーなつております。先ほど申しました多少委員会で御考慮になつておりまする損失率というものは、実際の現状といたしましては、我我は大いに努力いたしまして先ほど説明いたしましたような特別修繕費を使い、その他の方法によりまして昨年よりは一億七千万キロワツト・アワーを城少する予定なつておりまするが、それでも委員会の御想定なつておりました損失率には多少及びませんために、大口の丙に従来割当てておられました。今回は販売できると思われる電力を多少縮小してこの需給の均衡を合せております。それで配電線以下において一億七千万キロワツト・アワーの擅用、盗用と配電損失を減らしましたので、昨年の損失率が二五・二%ありましたのを、本年は下のほうの話に書いておるように二二・二%に圧縮いたしております。  それからその次に、今度は料金のほうに入りまして御説明を申上げたいと思いまするが、大体料金の値上の問題といたしましては、只今説明申上げました原価、その原価から雑収益であるとか、或いは地帯間の他電力会社への融通電力による収入であるとかいうものを差引きました純原価を基礎といたしまして、今の供給販売電力量で全部原価を負担するというような形で、一応各供給種別の原価計算をいたしまして、それの計算は二十九頁から数頁に亘つてつておりますが、これは非常に計算がややこしいのでございまして、時間もありませんので大体御覧願えば或る程度御理解できるように計算しておきました。その数字を元といたしまして、各業種の値上率を決定いたしたわけでございます。それで従来の料金規程と今回の料金規程に、供給規程におきまして大きく変更いたしました重点を申上げますると、やはり需給の困難な状態でありますので、料金制を以て発令に需給の調整ができるとは考えられませんが、料金面におきまして多少とも需給に役立つような料金制に、原価に即してやるというような考えをいたしまして、従来の追加料金制度を残しました。但し従来は標準電力料金で販売されておつたものが割当になつておつた部分がありまするが、これを料金段階に入れまして、標準適用段階というふうにいたしまして、各供給種別によりましてそれぞれ固定をいたしました。それから更に需給の役に立てるという意味で、他の燃料等において使用できる電熱は、こういう窮屈な際には何がしか御辛抱を願いたいという趣旨を以ちまして、多少電熱につきましては高率な料率を設定いたしました。それと同時に余り急変があつてもというようなことと、需用者の負担を考慮いたしまして、その追加料金の適用を或る限度でとめるというようなことにいたしましましたのと、もう一つは、大口の工場におきまして調整が可能なるところは多少御努力願いましていろいろと規程にきめました。電気の多少御窮屈な使用状態をして頂きますれば、料金として格安になるというような、需給の面と料金の多少調整の面とを兼ねまして特別の電力というようなものを設定いたしました。それから供給規程が双務契約であるという観念に立ちまして、と同時に最近の需給請勢におきましては多少抑制とか制限とかいう事態心起きるということを予想いたしまして、会社といたしましては停電の割引条項をはつきりと供給規程に謳うことにいたしました。大体こういう大きな点の変更をいたしました。で実際の料率につきましては五十一頁を御覧願います。五十一頁に、大体各供給種別は従来と同じように変えません。ただ大口電力が従来は一本になつておりましたのを五百キロと三千キロを境にいたしまして、甲、乙、丙というふうな、従来、ずつと以前に使つておりました形式に区別を変えました。で定額電燈は大体一律の、各種別とも一律の倍数で値上げなつております。一・四五倍でありまして、今度は公共用の街路燈だけは一割保安上の見地から安くいたしました。それから小型機器というのは従来多少格安になつておりましたが、電燈と同じ使用状態であるものとみなしまして、同じ料率に変更いたしましたために、多少値上率が高くなつております。但しラジオにおきましては、従来は二十ボルト・アンペア以下だけをラジオ料金で特に安くしておりましたが、今回は三十ボルト・アンペア以下のものをラジオ料金といたしまして、大体旧来の二十ボルト・アンペア相当額の料金で供給するというふうに設けました。それでそういうものを全部附加えまして定額供給のものは一・四八倍の値上げになる、こういうようになつております。各料金のそれぞれの適用の定価はそこに記入してあります。一々朗読を省略さして頂きます。その次に従量電燈でございまするが、従量電燈も大体従来通り……、それから今一つ落しましたが、従来は夏料金と冬料金がありますけれども、これもこのまま存続をいたしましたが、石炭事情等を勘案いたしまして、従来冬季料金は夏季料金の二五%増しでありましたのを、今回は三五%増しに変更いたしました。それから従量電燈におきましては、同様の意味で最低使用料金を採用しておりまするが、最低使用料金の中で使い得る電力量を、従来は十六キロワツト・アワーでありましたのを、やはり今と同様の理由で十一キロワツト・アワーに縮小いたしました。ただ追加料金の適用されまする段階は、従来通り冬季は二十キロワツト・アワー、夏季は四十五キロワツト・アワー、こういうことにいたしまするというと、大仰最低料金が一・八五倍、それから電力料金が一・八三倍、こういうことになつております。それから追加料金は従来電燈も動力も同一でありましたのが、多少送電損失、配電損失等を考慮いたしまして、差をつけまして、八円でありましたものを、電燈に関しましては九円にいたしました。この値上率が一・一三倍であります。で従量電燈、全体の供給に対しましても値上率が一・五九倍であります。大口電燈は同様に需用電力料金で一・九一倍、それから標準料金におきまして一・七一倍、こういうことにいたしまして、これもやはり冬や夏におきまして、そこに記載してありまする通りに、標準料金適用段階の差をつけました。追加料金は八円のものを九円にいたしました。込みといたしまして一・五八倍の値上げ、こういうことになつております。それから業務用電力は、やはり従来と同様の制度でやつておりまするが、需用料金のほうは同様の制度でやつておりまして、大体一・七二倍から、高いところになりまして需用料金は、二・〇五倍となつております。電力料金は従来使用量に応しまして多少逓減制になつておりましたが、今回は業務用電力は標準段階におきましては三円四十銭という一本にいたしました。それで旧来の使用料に応じ比較いたしますと、或る部分では二・一二倍、成る部分は二・三四倍、成る部分では二・四六倍、こういうことになつております、追加料金は従来の通り八円にしております。これを全部総合いたしました値上率は一・八六、小口電力におきましては大体同じような構想でやりまして、総値上率が一・六九倍、それから大口電力でございますが、先ほど社長から御説明申上げましたように、これは草案でありまして、ここに一応の草案を作りまして全体の値上率が大口甲につきましては一・六七倍、大口乙につきましては一・九七倍、大口丙につきましては一・八六倍というふうの値上率になるような料率を考えておりまするが、各個個の適用工場におきまして多少まあ差がついておりますのと、大口におきましては、生産電力であるという関係上、現在まだ十分に検討しております。これは一応の試案でありまするので、却つてここで御説明しまして又何かあと間違いができてもいけませんので、一応省略さして頂きまして、それでも説明せよというお話でございましたら又あとで御質問に応じてお答えを申上げたいと思います。それで先ほど申上げましたように、一応大口電力には特別電力といたしまして、期間常時電力、或る時期を限つてお使い願う電力、それから深夜常時電力、深夜に限つて常時お使い願う電力、それから避尖頭常時電力と申しまして、非常に電力の荷の重い時間だけを定めて使つて頂く電力と、こういうものをそれぞれ割引する方法を考えましたが、これも今申上げました理由で一括して再考中でございますので、その点はちよつと略さして頂きたいと思います。それから特殊電力といたしましては、従来通り需用料金はありませんが、大体二・六七倍に値上げになるというふうにしております。それで臨時の問題もありまするが、これはちよつと特別のものになります。時間の関係で省略さして頂きまして、五十七頁を御覧願いたいと思います。五十七頁を御覧願いますと、大体今申上げましたことで電燈料金のほうは全部大口電燈以下のものを全部合計いたしますと、値上率が一・五五倍、電力料金のほうは一・八一倍になつておりまして、合計いたしまして一・六九八倍という値上率なつております。これをサービス標準電力と、追加電力に分けまするというと、追加電力は殆んど値上げというのでなくて、ただ送電損失によつた修正を施しただけでありますから、多少その皺といたしまして一・〇六倍値上げなつております。それが標準料金のほうは一・八四五倍という値上げなつております。需用料金が一・六九倍ということになつております。それでその下に標準分(再掲)としてありまするのが需用料金と標準料金とを、要するに追加料金だけ除きました場合の値上率をとつて見ますと一・七五倍、それから追加料金は同様の値上率、こうなつております。こういう計算の出ました根拠といたしまして、並びに二十六年度の収入予想、現行料金による収入予想という御注文に対しまして、その次の五十八頁に書いております。これを御覧願いたいと思いまするが、ここに掲げました各供給種別の販売電力量は、先ほど需給対照のところで御説明申上げました販売電力量を使いまして、これも大体委員会で御想定なつておりまする計算方法を今年度といたしまして、二十六年度計算をいたしますると、ここにありまする通りに現行料金といたしまして値上げがないものと仮定しますと、二十六年度想定の収入は、中ほどのちよつと右の、現行料金というところの一番下を御覧願いますと、九十四億八千二百三十七万九千円という数字なつております。一キロワツト・アワー当りアワーで割りますと二円九十四銭、こういう数字が出ております。これを現在の、今申上げました料率で計算いたしますると、多少今の標準適用段階等の動きによりまして多少その動きがあるものと見まして、並びに電熱料金等によりました抑制電力は大口丙のほうで販売するという形にいたしまして、総販売電力は掲げませずに新らしい料金なつたときに、こういうふうの供給種別で売れるであろうという想定を多少修正いたしまして、新らしい料金率を適用いたして見ますというと、その合計金額が百六十一億三千四百二十三万五千円、こういうことになりまして、一キロワツト・アワー当り料金が四円九十九銭、これを前の一キロワツト・アワー当り料金と比較いたしまするというと一・六九八倍という値上げになりまして、この各需用追加というものを分析して比率をとりますと、只今申上げました五十七頁の表に大体相成るようになつております。  それから改訂料金による収入予定表というのでございまするが、これはもう今申上げました両方のものを対照して頂けばわかりまするが、それを簡潔にいたしまして四十九頁に威せております。  五十頁になつておりますけれども、これは大体もう先ほどから申上げましたことの集約でございますから、特に御説明する必要もなかろうかと思うのでございます。  それから料金値上げいたしますにつきまして、各社として多少先ず以て自社内において企業努力をする必要があるというので、その企業努力の極く簡単な計画につきまして簡単に御説明を申上げます。七十三頁でございます。これは人員の欠員を補充せずに、いわゆる人員の、どういいますか、消極的な抑制によつて企業合理化を図る。それから二といたしましては諸費を節減いたしまして、殊に最も粛正を要すると思われる旅費であるとか、消耗品費であるとか、その他雑費等につきましてもそれぞれの努力をいたす計画をしております。と同時に先ほど申上げましたように、特別修繕費をお認め願いまして、そうして損失並びに擅用の防止をいたしまして、そうしてサービスの強化に備える項目を第三に挙げております。これは極く大ざつぱな企業合理化説明でございます。その他いろいろサービスの問題は計画並びに実施をいたしておりますが、ここには簡単に説明さして頂きまして一応私の説明を終らして頂きたいと思います。失礼いたしました。
  8. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次に北陸電力株式会社副社長山本善次君に願います。
  9. 山本善次

    参考人(山本善次君) 北陸の特殊性につきまして先ず申上げたいと存じます。北陸地帯におきましては非常に大きな工場がたくさんございます。割合とたくさんございます。三千キロ以上のキロワツトを有する工場が七割も占めております。大口電力と申します工場に至りますと八割以上を占めている次第でございます。電気を原料といたしまして造られる工場が非常に多いのでございます。北陸の電気料金がかねて最も安い地域差を持つていたというのでございますので、この料金改訂当りましてその地域差をどうしても維持したいということを全部の者が決心を持つており、覚悟を持つております。それができねば北陸電力の存在の理由がないという悲壮な覚悟をきめております。北陸電力といたしましては再編成で電源の配置が行われまして必ずしも北陸にとつては有利なものではございません。それにかかわらず私どもとしましてはどうしても安い料金を維持したい、かように考えておる次第でございます。北陸は川も急峻でございまして、水力発電所は北陸電力に所属になりました数が九十四もございますが、その平均出力に至つては僅かに三千六百キロワツト、中には五十キロ、百キロの水力発電所すらあるのでございまして、これらはキロワツトに似せない修繕費を食つておる。併しながらこれをどこまでも維持して行きまして、五十キロ、百キロの発電所はこれを自動化いたしまして、何とでもして出力を保持して行きたい。更に日発時代におきまして水力のなかつた九州、北海道、中国方面に見返資金による開発を着手されましたが、北陸は成手一カ所でございまして、これが関西に所属されております。将来の電源の、これの分配は別といたしまして、非常に建設がなされておらない。これも我々としてはどうしても着手したい、かように考えております。会社の基礎を固くいたしまして、自分の力で資金を獲得させて頂きまして、この電源開発をやる以外に北陸としては手がないと、かような考えを持つております。従いまして、今度の料金改訂を考えます上につきまして、非常な矛盾と非常な苦悩を重ねまして、何とでもして安く供給をしたい、かように念願をしている次第でございますが、いろいろの事情でどうしても今回料金改訂をお願いしなければならない、而も再編成の行われた直後にやらなければならないということは、非常に申訳ないことだと存じますが、どうぞ慎重に御審議下さいまして、何とぞ我々の意のあるところをお酌み取り願いたいと存じます。北陸の工場は特殊の電力、つまり電気の切れつぱしで以てそれを上手にお使いになりまして工場製品を造る。従つて、主として深夜に余つた電気をよその地区から掻き集めまして日発は北陸に送電をしておつた。今度はお隣の関西電力から特殊電力をも分けて頂くというような始末に相成つた。そうしてそれをそのような特殊電力を上手に使つて頂くような会社に差上げまして、それで安い製品を造つて頂く。かようなことでございますが、後ほど御説明申上げます本年度の特殊電力の供給予想は、豊水でない限りかなり悲観したものでございまして、この点も我々として非常に苦慮しておる次第でございます。それでは差上げました電気料金改訂説明資料につきまして簡単に一通り申上げたいと存じますが、後ほど料金構成料金の製品に及ぼす影響、その他につきましては営業部長から申上げたいと存じます。第一頁でございます。ここには本年度発電量が幾らであるかということを想定いたしまして、水力発電のところに一行目に二十億キロワツト・アワー、かように予想されております。平年水でございます。併しこれでは非常に不足でございますので、何としても水力発電所の利用率を向上したい、或いは出力増加したい、又ときどき停電するようなことのないように、水力発電所に手入をいたしまして、それらの面で三千七百万キロワツト時を生み出したい、かように考えております。火力発電も昨年は二百万キロワツト・アワーを発電いたしましたが、本年度の計画では一千六百五十万と非常に大きな発電を富山においてすることになつた次第でございまして、これは水力地帯としてこの発電をするというような事態は非常な事態だと考えるのでございます。電力損失を軽減しなければならないという要請は、電気事業内部ばかりではなくて、外からも強く叫ばれておりますので、電力損失を減らしたい。北陸は電源から需用まで非常に近いのでありまして、電力損失は割合によろしいということでございますが、昨年の実績は一七%〇五でございましたが、これは非常に豊水でございまして、近くの大きな工場に手取早く供給ができたということでございまして、これをその前からの実績を勘案しますと、約一七、五%に相当するロスがあつたのだと、かように考えられます。これを本年度は一六、〇二ということにしたい。それで電力のロスを軽減をいたしまして、三千四百万キロワツト・アワーのロス軽減をしたい。これは需用が殖えるという面容後ほど計算に入れて参ります。それから擅用防止でございますが、盗用というわけでございます。非常にたくさんの擅用がございますが、そのう、ち一千万キロワツト・アワーだけをいろいろ努力して金になる電気にしたいと、かように考えております。次に一頁の需用電力想定でございますが、従来の増加率をいろいろな面から計算をいたしまして想定をいたしました。後ほど申上げます。  それから第二頁の特殊分でございますが、毎月の供給の予想電力水力出力、それらを見まして、又関西電力との営業契約も見まして、本年度の特殊電力の供給予想を立てたのでございます。第三頁を御覧願いたいと存じます。第三頁目は、二十六年度の需給計画並びに過去の実績を比較してございます。その標準料金分を御覧願いたいのでございますが、二十六年度需給計画の欄の標準料金分の合計、その合計の横の欄を御覧下さいますと、一六七八・九六九、これが十六億キロワツト時でございます。本年度の標準料金分が十六億、この十六億の数と、それから上のほうに大口甲、大口乙、大口丙とございますが、との三つだけの動力の大きなものを寄せ集めますと十三億八千八百万となりまして、実に八二%に及んでおります。お隣りの二十五年度の数は十二億となつておりまして、これが八一・五%となつておりまして、大口の工場が北陸にどんなにたくさん占めておるかということを示しております。それから次に火力料金適用分、計算不能、その次に小計がございまして、特殊電力重のところを御覧願いたいと思います。過去の二十三年度は特殊で実に三億九千万、二十四年度は四億六千万、二十五年度は非常な豊水でございましたので五億三千二百万キロワツト時、これを供給しておりますが、本年の計画では僅かに一億七千五百万キロワツト時しか供給できない予想に相成つておりますが、非常にこの点について憂慮しておる次第でございまして、北陸にある特殊電力に依存しておられる工場の皆さんがたが、非常にこの本年度の特殊電力の少いのに御心配になつておる次第でございます。山元に換算いたしまして二十三億を今年は供給したいと、かように考えております。その下にその電気の出る場所が書いてございますが、水力で二十億、それに対して四千万の合理化をやる、企業努力をいたしまして先ほど申しました出力の増強を図りまして二十億四千万やる、火力も焚き出しまして一千六百万、黒部の受電が二億四千万、関西から頂戴しますものが一億八千万で、関西にお送りするものが九千八百万でございます。これで差引二十三億八千四百万の需給計画を立てたのでございます。北陸は水力地帯ではございますが、関西から一億八千万の電気を頂戴しなければならん。関西へお送りするのは九千八百万であります。これは時間が違いまして、北陸では成るべく余つた時間に使う。そうして関西が火力発電所でどんどん焚いておられる昼間にお送りしたい、かように考えておる次第でございます。この需給表を御覧下さいますと、北陸の特殊性がおわかりになろうかと存じます。  次の頁について簡単に御説明申上げます。これらの表は実は専門員のおかたから資料を出すように御命じになりました資料の順序に書いてございます。さよう御承知願いたいと存じますが、新旧料金比較表でございます。二十六年度分、四頁にございますが、これの値上率、一番下の数、右端の下の数を御覧下さいますと一・七一三、一倍七分一厘、かようになつております。前回お出ししましたのと、更にいろいろと社内で修正を加えまして、そうして多少ここに値上率を小さくいたしたのでございます。動力と電燈にわけて申上げますと、値上率の真ん中辺に電燈合計の欄で一・五〇七倍になつております。それから動力のほうでございますが、下から二行目の電力合計の欄で一・八四六倍、かようになつております。平均単価を御覧願いたいのでございますが、先ほどの電燈合計の欄、真ん中より少し上のほうでございますが、キロワツト時当り単価が八円十一銭でございまして、現行ではそれが真ん中辺の現行料金キロワツト時当り料金のところで、五円三十八銭となつております。それから動力のほうは下から二行目のところのキロワツト時当り料金が、値上げのたあとが一円九十二銭で、見行料金の動力総平均が一円四銭でございます。電燈、電力突つ込みまして総平均が二円五十七銭と相成うますが、値上げ前は一円五十銭であつたわけでございます。なお料金構成につきましては、後ほど営業部長から御説明申上げたいと存じます。それでその電燈、電力の総収入二十六年度分の、第四頁の一番下の改正料金の収入欄でございますが、四十九穂七千三百万円、かようになつております。現行料金のところで二十八億九千九百万円、かようになつております。第六頁目を御覧願いたいと存じます。その他の収入、電気事業電力料金以外の収入がここに掲げられておりまして、附帯料金、供給雑益、投資収益、雑収益、これらの二十六年度予想を二億と立てております。それから第八項目を御覧願いたいと思います。これは北陸といたしましてどうしても生のままでは非常に料金が高くつく。なお又電気も足りないということで、先ほど申上げました水力の利用率を向上する、ロスを軽減する、擅用防止をするというところを合理化をいたしまして、なお人員の増加を成るべく抑制したい、基準外賃金の抑制もしたい、かように考えまして、その他油類、運炭灰捨費の抑制、諸費の節減、雑費節減その他を努力をいたしまして、その金額が三億八千六百万円と相成りまして、これを経費の面から差引いて、そうして原価計算をいたした次第でございます。どういう点に合理化努力をしたかということを次の九頁から出してございますが、水力の利用率を向上いたしますのに、九頁の上の欄で、出力増加が一千一百万キロワツト時、これを関西電力から頂戴いたします電力原価にかけまして一千九百万円と彈いております。それから(b)の出力増加対策でございますが、ここに挙げましたような福岡第一、薄島、福岡第一、ずつと発電所の名前が出ております。これらの発電所に総工事費一億二千二百万をかけまして、これが年間フルに回収いたしますと、六十一百万キロワツト時でございますが、二十六年度は着工が遅れる見込でございまして、約二千四百九十五万キロワツト時を回収する、かようなことにいたしまして、これが発電所の関西受電の一円七十二銭五厘四毛をかけまして、四千三百万円といたしまして、それからなお(c)の設備強化でございますが、停電をしないように発電所を手入れをいたしまして、年間回収百三十万キロワツトアワー、これらをいたしまして、二十六年度の回収電力量は合計いたしまして、先ほど申上げました三千七百四十九万二千、この経費の節減が六千四百万円、かように考えております。それで利用率は本年度は、九頁の下にございますが、一・七%向上させるつもりでございます。十頁を御覧願いたいと思います。電力損失が非常にやかましく言われております。北陸電力は開業早々でございましたが、合理化委員会を設けまして、その部門として電力損失軽減委員会をスタートさせまして、いろいろ人員の配置も、まだごたごたしているうちに専門家を選びまして、それらの案を作りまして、北陸といたしましては先ほど申上げましたように、非常にロスが少いのでございますが、なおロスを一・五%引下げたい、かように努力をしております。工事計画はここに掲げましたような次第でございます。なお盗用の防止その他によりまして、これは盗用の防止は直ちに売上げが増加するわけでございますから、その単価六円九十一銭を以てかけまして、一億六千八百万円の節減ができる、かように弾いた次第でございます。十一頁には擅用防止の手続計画を詳しく書いて置きました。毎年一年一回ぐらいしか需用家を廻つて歩くことができなかつたのでございますが 一昨年は一・八回お客さんを廻つたそうであります。本年は成るべく需用家を歴訪いたしまして、そうしてこの契約外の使用を少くしたいかように考えております。それから十二頁に御説明を移したいと存じます。擅用防止は先ほど申上げましたように、需用家を歴訪して盗用のできないようにする、或いは十二頁の調整器、機械を取附けまして、メーターを附けて、或いは電流制限器によりまして盗用を防ぐというような手段を講じております。十二頁の経費の抑制でございますが、人員の増加の抑制の考えをそこに掲げました。本年度の人員増加の抑制は百八十八人と見込んでおります。これは少いようでございますが、後ほどこの問題につきまして御説明申上げたいと存じます。それから運炭灰捨費火力発電所出力増加いたしますが、運炭灰捨費を成るべく少くする、十三頁に掲げてあります。諸費の節減をいたします。或いは雑損失の抑制をしたい、かように項目合理化いたしたいと存じます。  十四頁に総括原価説明書を掲げてございますが、これにつきまして御説明を申上げたいと存じます。十五頁は予想支出額実績比較表でございまして、二十五年度実績と、二十六年度の各項目の比較が掲げてございます。これらの内訳につきまして十六頁から御説明をすることになつております。十六頁を御覧願いたいと存じます。役員只今十二名おりますが、三名増加いたしまして、十五各の計画でございます。定款では二十名となつておりますが、十五名としたい。一人当り九十万円を計上いたしまして、一千三百五十万円といたしました。それから従業員の給料手当が、今は理事が十三名おりますが、これは二名増加いたしたいと存じまして、一千二百万円を計上いたしております。その他一般従業員の人員でございます。Bの欄に掲げてございますが、昭和二十六年度五月一日現在の北陸電力として承継する予定人員は、旧北陸配電から四千五百四十二人、旧中部配電から二十人、旧自発から千四百九十一人、合計六千五十三人の見込でございましたが、本人の希望その他がございまして、実際の承継人員は旧北陸配電はそつくり四千五百四十二人、旧日本送電は千三百二十五人に減つたのでございます。中部配電は一人予想が減りまして十九人、合計五千八百八十六人となつた次第でございまして、この差が百六十九人減りまして、この中から組合の専従者を差引きました残余が、当会社が負担すべき人員でございます。次の表に掲げましたように過去二年間新規採用を停止いたしまして、企業合理化をやつて来た。今後においては人員の減少はあとで申上げますように、電燈電力増加、口数の増加、その他奉仕をやりたい、サービスを徹底さしたいということで、人員の減少は困難だと存じます。この五千八百六十六人を以てやりたい、かように考えております。旧北陸配電におましては、昭和二十四年三月末四千八百四十四人、二十六年五月に四千五百二十二人と減つております。中部は極く一部のかたがたを承継いたしましたが、偉かでございますので算出いたしておりません。旧日本発送電は御承知の通り北陸が二つに分かれましたので、日発からこちらへ参りました人数が千三百二十五人でございますが、それが二十四年三月に何人であつたかの計算は少しできにくいのでございまして、これも日発におきましては北陸全体で二十六年三月に二千七百六十七人おりましたが、二十四年三月には二千九百七十八人おりまして、百九十三人を日発北陸支店において減少いたしております。この表で日発のところは不詳と書いてございますのは、その二つに分離したので分けがたかつたのでございます。とにかく二十六年五月の承継人員は五千八百六十六人でございます。本年度増加したいのは百八十八人で一応抑えよう。従つて二十六年度の人員は五千八百六十六人を以て仕事を始める。このうち建設費に振替えるべき五%の人員経費を引きまして、五千五百七十三人を維持経費として算出することにいたしました。十七頁でございますが、そこには需用家の数の増加が掲げてございます。定額はだんだん減る傾向で、三万、従量電燈は六万六千、それから大口電燈は四百六十七、小口電力は八百六十八。それでこれに増加のための増加要員は先ほど申上げました百八十八人でございますが、この百八十八人のうちにサービス強化要員として百十一人を見込んでございます。いろいろの面で奉仕が足りない、かように我々は考えておりまして、北陸三県におきまして百十一人の人間を殖やして、そうして徹底したサービスをやりたい、かように考えておる次第であります。平均賃金は一万二百円ベースでございまして、これに関係賃金を追加したわけでございますが、北陸地方の、十七頁の下のほうに当地方の主要他産業給与ベースをそこに参考に掲げておきました。それから十八頁でございますが、基準外労働賃金を何としても減さなきやならないということで、基準外労働賃金を二七%に切りたい。従来の実績日発及び旧配電会社、この合計で二七・〇二でございますが、いろいろ人員の増加を抑制した結果、基準外の、時間を要するのでございますが、それを成るべく抑制いたしまして二七%と抑えている次第でございます。給料手当の出計算は(3)のところから出されておりまして、次の十九頁には法定厚生費、それから退職金、一般福利費、これが出ております。退職金は二十五年度、そこに二十六年度とミスプリントになつておるかも知れませんが、昭和二十五年度実績は旧北陸配電一億三百万円、旧日本発送電二千二百五十八万八千円、合計一億二千五百万円でございますが、計算におきましては七千五百万円といたしました。一般福利費も七・五%と抑えまして、昨年の実績を約半分くらいにいたしました。それから油脂類費の節約、それから燃料油費節約でございます。次に八番目に石炭費でございますが、本年度は北陸といたしまして千六百五十万キロワツト・アワー火力を焚く。それには一万六千五千トンの炭が要る。これは消費率一キログラム、こうやりましたが、本年度は余りいいカロリーの石炭入手できないだろう、こういう見込みで一キログラムを想定いたしました。トン当り五千二百円として計上いたしました。二十頁でございますが、運炭灰捨費も節約いたしました。それから委託集金費、非常に細かいお話で恐縮でございますが、枚数で集金委託料を払うのと金額で集金委託料を払うのがございまして、二十頁のおしまいのほうに、二十五年度実績を補正いたしまして二千五百八十万九千円と相成つております。これと件数の単位を、件数、枚数を弾きまして二十六年度想定をいたしましたのが二十一頁にございます。それから二十一頁の需用者指導費は、できるだけ需用者と密接な関係、繋ぎを持ちましてやりたい、そうして奉仕を徹底させたい、かように考えますので、この費用を大きくいたしました。やりたいことはこの表の中に掲げておきました。次に二十三頁を御覧願いたいと存じます。修繕費の問題でございます。発送電、北陸配電、この二つの二十五年度修繕実績は二十三頁の上のほうに合計五億一千五百万円となつておりますが、物価値上りを八億一千百万円と想定いたしました。併しながらその下のほうに更にございますように、電気事故件数が非常に増加いたしておりまして、水力送変電、配電等で、いずれを見ましても事故の件数が非常に殖えまして、又感電事故が非常に多い。これらはどうしても必要な修繕工事が十分に行われておらない、かように考えまして、かねがね予算が足りなくて溜つておりました修繕を、この際何とでもしてやりたい、かように考えまして、二十四頁にございますが、本年度は特別の修繕をやりたい、かように考えます。一般修繕費は二十四頁に水、火、送、変、配、業、八億二千六百万円は先ほど申上げました通りでございますが、更に特別の修繕費は七億七千四百万円が溜つております。これを本年度におきまして二億一千八百万円やりたい、合計しまして十億四千四百万円の修繕をしたい、かように考えまして、本年度修繕費計上は十億、かようにいたした次第でございます。二十五頁に電球の取換費でございますが、四千百万円を、計上いたしました。多少断芯率が殖える。それから十六の特別費でございますが、一億六千四百万円といたしまして、少し物価値上りその他で殖やしました。次の十七番の諸費でございますが、これは相当の増額を予想いたしまして、更にそれを圧縮しまして、二十六年度予算として、二十六頁に三億二千八百万円といたしました。それから十八の他社購入電力料でございますが、黒部川電力より受けております電気代を向うの資産再評価を行い、並びに物価値上りを考えまして、三十四銭八厘の受電力料金を、七十三銭九厘六毛と、かようにいたしました次第であります。次に二十七頁には減価償却の欄があります。減価償却の総額は、年償却額が、一番右端を御覧下さいますと、九億七百三十八万七千円となつております。これはいろいろ御議論がございますが、定率法償却をいたしております。中に陳腐化の資産を見まして、それを差引いてございます。二十八頁に北陸が持つております陳腐化資産の内容でございまして、小発電所が、そこに出ておりますが、如何に小さな発電所であるかということが御覧願えると思います。あとは配当金に対する税金、それから支払利息が掲げてございます。従来の借入金の支払利息は二十九頁にございまして、一億四千八百万円となつております。本年度は活発に建設をやりたい、又社債発行もやらなければならん。それらの関係社債発行差金その他を出しまして、四十億の資金が要る、その調達方法を右の欄に掲げておりますが、この中から建設工事をやるのは当然でございまして、その計算は下に掲げてございます。三十頁の上に、建設利息に振替すべき金額八千三百六十三万七千円を、その利息に対して控除をいたしておるのであります。そして支払利息計上額は二億二千六百万円といたしております。二十二番は社債発行差金償却であります。二十三番目は固定資産徐却費でございます。小さなものでございます。二十四番は雑損失でございます。これもできるだけ圧縮するようにいたしました。三十一頁には法定準備金配当金、及び先ほど中部さんからもお話がございましたが、仮払修繕費償却、これは曾つて仮払で行いました大修繕を、七年間償却する、この二千二百万円が計上されております。二十八、固定資産税、再評価した場合税金を払うことになつております、ざつと二億三千万円であります。二十九は地帯間融通電力料でございますが、三十二頁にございます。特にお示しがございましたが、ここに掲げてございます関西電力のコストが上の欄にございますように二円八十三銭、かようになつております。真中辺の関東、中部、北陸、関西、中国、この関係電力会社の、関西を標準とした百分比が右端にございます。関東九八・一、中部九三、北陸六〇、八、関四一〇、〇、中国一一三・六、かような指数が出るのでございますが、北陸として高い料金で頂戴しては誠に需用家に申訳がない。なお需用家もこの関西との地帯間融通電力料金は、幾らで決定されるかということを非常に強く注目をいたしておられる次第でございまして、北陸といたしましては、一円七十二銭五厘四毛、かように立てた次第でございますが、関西の御意見と多少相違しておる点は甚だ遺憾でございますが、円満に協議したいと存じます。これは支出が小さくなるほうでございます。若しも関西とのそうした開きで支出が大きくなりますれば、やはり自己経費内の合理化をやらなければならん、かように思つております。あとの点は関西のほうのお話合いと何ら相違する点がございません。私のほうからもお送りするようになつております。三十番目は水力賦課金でございまして、これは三十二頁の一番下のほうに書いてございますが、三千五百円換算二十四万七千キロワツトの発電所でございます。これの三分の一を北陸が負担させて頂くことになつております。  三十三頁は二十五年度給料手当支給実績が出ております。それから三十四頁は先ほど申上げました月々の石炭消費量が出ております。三十五頁は社債借入明細表、三十六頁は御参考に付けておきました。三十七頁は二十六年度に北陸電力が建設地帯に考えております建設計画を出してございます。これによりますと、水力発電所の建設は寺津、五条方からやりたいと考えております。総工事費が七十九億でございますが、二十六年度の負担は六億となつております。見返資金で六億、それから二十六年の自己資金で二十七億、かように考えております。三十八頁は改正料金単価表でございます。後ほど時間がありますれば営業部長から御説明申上げたいと存じます。四十一頁には新旧料金比較表を掲げてございます。四十二頁には北陸電力として電気料金をどういう工合に改正をする考え方を持つておるか、この要綱を掲げてございます。その次の四十三貢に二十六年度総括原価が掲げてございまして、四十九億七千三百万円と、かようになつておる次第でございます。四十四頁以下この原価をどのように特別高圧電力、高圧電力、低圧電力、従量電燈、定額電燈、これにどういうふうに割り振るかというその一応の分け方を掲げてございます。四十五頁には収支計算書を出しまして、収入は電気事業収入で電燈、電力で四十九億何がし、その他雑収入を入れまして五十三億となつております。支出の部分は五十三億となつておりますが、なお支出が超過すること百六十四万二千円となつております。  四十六頁以下にお示しいたしました資料は、電気料金改正が生産原価及び生計費にどのような影響を及ぼすかを製品別に掲げております。ここでちよつと時間を拝借して申上げたい点は、旧電気料金によるというのがございます。これは昭和二十四年十二月十三日改訂以前の料金でございます。真中辺の現行料金による、これは現在行われておる料金、その次の改正電気料金による、これは今お願いしておる料金でございます。それを御覧になりますと、A工場鋳鋼製品、その次B工場鋳鋼製品云々と書いてございます。それを御覧下さいますと、旧電気料金によるそのB工場の支払は生産原価中に占める電力費の割合が二千二百三十円となつておりますが、現行料金に改めました途端に二千七円と安くなつた。北陸はこの料金改訂、二十四年十二月十三日の料金改訂で、逆に安くなつた需用家がございましたということでございます。金属工業のC工場のシリコマンガンのところが六千五百五十三円、現行では四千八百八十四円となつた。低炭素フエロクローム、これもそうでございます。こういうところは随所に散在しておるのでございまして、次の四十八頁の化学工業におきましてT黄燐、赤燐、燐酸云々、これも安い。大分その辺に二十四年の料金改訂、現行料金によつてはあべこべに安くなつたところがございますが、それはそれといたしまして、現在料金で行われておる生産単価、それから今度改正いたします料金によつての生産コストが幾らになるか。その比率を右端に出しておきまして、値上率もここに掲げておきました。相当のパーセンテージの値上げになるものもございます。大体に私どもとしましては、電気事業の現状をお考え下さいまして、生産コストの中で、或いは販売単価までの間に、これらのコストは吸収されるように希望しておる次第でございますが、一応私の御説明を終ります。時間がございますれば、料金の形その他を申上げたいと思つております。十分ほど頂戴したいと思います。
  10. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 時間が大分たつておりますから、要点だけを一つ御説明願います。
  11. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 まだあともう三人お伺いすることになつております。質問の時間が全然なくなつてしまいますので、一つその辺斟酌して議事進行をお願いしたいと思います。
  12. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御説明なつておるので、途中でやめろと言うわけにも行きませんので、辛抱して聞いてもらつて、時間がなければ午前午後一緒にして質問をすることにいたします。営業部長野村憲一君。
  13. 野村憲一

    参考人(野村憲一君) では十分ほど時間を頂戴いたしまして、料金構成につきましてお話申上げます。  只今説明いたしました原価につきまして原価計算を行いました。それが四十三百、四十四頁にございます。四十四頁にその原価計算数字が掲げてございますが、これは特高電力が一キロワツト・アワー一円三十八銭七厘、高圧電力が三円十九銭三厘、そこに書いてございますが、さような原価になるわけでありますので、これはいわゆる算定料金認可基準の第一条の原則に基きまして、需用家間及び需用種別問の不平等な取扱をしないという建前を尊重いたしまして、この原価によつて各需用家における負担の料金のレートを作つたのでございます。レート料金は必ずしも原価に完全に一致することは困難でございまして、多少違いますけれども、それを成るべく忠実に行なつた結果が、この四十二頁の電気料金改正要項の第一項に書いてございますところの、電燈は大体一・五倍、大口電力につきましては二倍程度値上げと結果的になつたわけであります。これは一々各項について御説明するのは省略いたさせて頂きまして、改正の主要点を申上げますと、定額電燈につきましては、我々の承知いたしております各社の均衡を見ますと、東京電力が非常に安い、従つて会社の方針といたしましては、需用者の納得を得るためには何といつても、北陸はやはり全国で一番低い料金にしなければ需用者が納得しないと考えましたので、東京電力の案を参照いたしまして、成るべくそれに近付くという努力をいたしたのでありますが、遺憾ながらほんの僅かな差異を生じております、併し、ラジオ及び小型機器等におきましては、完全に東京電力と同じ料率の案を作つたのでございます。従量電燈の需用家につきましては、成るべく今までの不合理をこの際改正しようというわけで、いろいろ勘案いたして料率を作つたのでございます。なお原価的に見ますと、北陸は電源地帯でございますので、基本料金が非常に高いことになります。従つて今回の値上げにつきましても成るべく基本料金を上げるということによりまして、その効果は電力の不足な時にはおおむね大口電力の不足が電力の制限の事態を惹起いたしますので、基本料金を高くしてピークを抑制するということも是非必要だと考えまして、さような原価には成るべく忠実に基本料金を上げたのでございます。なお根本的な問題といたしましては、三千キロ以下の需用につきましては、従来割当制がとられておりましたけれども、先ほど説明いたしましたように、北陸の全電力の中の大口電力三千キロ以上の占める割合は七割以上でございます。三千キロ以下は僅かに三割以下であり、従つてこの割当制を廃止しても電力の需給面においては北陸としては大した影響はない。かように考えまして、三千キロ以下の割当制は一切撤廃をするという考え方をとりました。但し三千キロ以下の需用といえども、逓減制の料金、或いはフラツトの料金を適用いたしますならば、やはり野放し的なことになりますので、その間逓増制の料金を作成いたしまして、需用の抑制を考えたのであります。更に三千キロワツト以上の大口の電力につきましては、最近はいろいろこの割当制を存続するか、或いは撤廃するかについて各社間に論議がありますが、当北陸電力といたしましては現在電力が不足してある現状の上においては、やはり三千キロ以上には割当制は存続しなければならないという見解を坂つております。それで若し割当制が廃止せられら場合には、先ほどいろいろ説明がありましたごとく、他社間との受電電力基準を失つてしまうということは非常に恐れられるのでありまして、なお北陸地帯としては電源が非常に不足でございますので、電源の所属が不足でございますので、その割当の工場の使う電力を賄うところの自信がないのでありまして、さようなことを考えております。併しながら若しこれは我々の要請にかかわらず割当制が撤廃せられた場合には、どうするかという案も一応は付けてございますけれども、我我といたしましては、やはり割当制存続を希望するものであります。なを北陸といたしましては、火力料金という従来の考え方は北陸では通用いたしませんので、火力料金制という考え方は一切撤廃いたしまして、この料金の逓増制の最高段階を設置した。若しこの最高段階は関西から火力受電基準とするか、或いは建設されて行くところの発電所の維持費を見た経費を基準といたしまして、一応決定したのが大体六円程度料金でございます。さような配慮をいたしまして料金改訂をいたしたのでございまして、その詳細につきましては、この調書にデータがついておりますから、それで御覧願いたいと思います。これを以て私の御説明を終ることにいたします。
  14. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次に関西電力株式会社副社長中村鼎君。
  15. 中村鼎

    参考人(中村鼎君) 御指名を受けました関西電力の中村でございます。今日関西電力料金につきまして御検討頂きます機会を得ましたことを厚く御礼申上げます。  電力の供給につきましては、年々多少ずつの発電所はできて参つておるのでありますが、併しその需用は相当殖えまして、特に関西におきましては、製鉄それから繊維工業等の事業相当ありまする関係上、その需用の増加の割合は非常に多いのであります。大体年年一割ぐらいの増加というのが、最近になりましてから、月によりまして二割以上にも増加するような情勢に相成つてつております。これらの需用に対応いたしますために、水力は勿論、最近の電力再編成によりまして、中部地方、北陸地方から持ち込まれました水力発電所をフルに運転いたしましてなお且つ不足でございます。尼崎の火力を運転いたし、その火力の運転につきましても、昨年頃は日々千トン乃至二千トンぐらいの石炭の使用量に過ぎませなんだのが、本年五月までには毎日大体三、四千トンの石炭を使うという状況でございます。なおこの石炭の入炭には相当の苦心をいたしておる次第でありまして、先ほども北陸電力さんのほうからお話もございましたように、北陸電力さんに対します融通電力も十分に契約通りにはお上げはできないというような状態であります。勿論関西地方における需用に対しましては、いろいろと支障を来たしまして、需用家に特に御協力をお願いして節電をお願いを申上げているような情勢でございます。かかるような事情でございますが、我々といたしましては、何とかして電力の供給力を増加いたしたい、水力も開発いたしたい。そういたしまして、今後殖えまする電力需用、これに十分に応じて行けるような態勢にいたしたいということを念願といたしておるわけでございます。それには相当資金を要します。大体関西地方といたしましては、現在の情勢で参りますれば、年間十万キロ乃至十五万キロの開発は必要とするわけなのであります。これに要しまする資金は、現在の物価を以ていたしますれば、大体百億乃至百五十億を要すわけなんであります。只今まで見返資金を以ちまして成る程度の開発はいたして参つたのでありますが、この見返資金もいつまでもお願いできるわけではありません。又この見返資金によります継続工事につきましても、その後の物価値上りによりまして、見返資金では足りませんで、自己資金相当の準備をいたさなければならないような情勢に相成つております。かかる事情からいたしまして、我々は将来何とかして新資金を得まして、そうして開発をいたし、少しでも電気を多く供給力を殖やしたいということの考えであります。その資金を得ますためには、どういたしましても会社の経理を強固にいたさねばならない。修繕、維持、取替、償却その他に十分な措置をいたしませんと資金が得られないのであります。かような事情から、このたび料金を合理的に更改いたしまして、需用家に御不便のないように電力増加するということに考えをいたした次第でございます。自然私のほうも料金改訂につきましては減価償却会社の経理面をよくする、そうして開発を速かにするという面に相当重点を置いておるわけでございます。なお次に関西の特殊の事情といたしましては、火力発電所相当多いのでございます。この火力発電所修繕費相当に食うわけであります。水力発電所等に対しまして修繕費相当要し、又修繕をよくいたしませんというと供給が確保できないわけでありますので、この修繕費に対しましても相当の考えを料金の面に加えておるわけでございます。以上のように、供給力を増加して、需用家の御迷惑をできるだけ避けるということ、並びに火力発電所を多く持つておることによる修繕等を十分にするというような点に、我々のほうの料金につきましては、重点を置いておる次第でございます。創立早早の際に料金値上げ等を持ち出すのは甚だ我々として苦心をいたしたのでありますが、この電力の供給不足のこの際に、何としてでも供給力を殖やしまして、需用家の御迷惑にならないように、そうして我々のほうといたしましても電力合理化を十分にいたしまして、社内のほうからもこのほうの資金を見出すというようなことに考えまして、そうしてこの案を作つたわけであります。なお料金等の配分につきましては、できるだけ需用家の御負担に重くならないように、いろいろ考慮いたしておる次第でございます。これらの点を御了解下さいまして、何とか合理的な料金が設定できまして、開発が支障なく行けるように御了解を願いたいのであります。なお料金等の詳細につきましては、加藤企業部長から御説明を申上げます。どうかよろしくお願いいたします。
  16. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 提出されました資料について関西電力企業部長に御発言願いたいのですが、二社で御説明なつたような重複な点を避けて特殊な点、要点だけを御説明願います。
  17. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 只今御紹介にあずかりました加藤でございます。御指名によりまして、只今二社からお話のありました点は省略さして頂きまして、関西電力の特殊な点のみについて、極く簡単に原価内容並びにどういうふうな点に料金改訂を考えたかという点につきまして簡単に御説明をさして頂きたいと思います。それには私どもから御配付申上げました資料の先ず三を御覧願いたいと思います。これに原価内容の詳しいものは資料六についております。三に概括的に書いてありますので、これで御説明をさして頂きます。原価総括原価としましては、そこにありますように、当社としまして、二十六年度予想しておりまする総括原価は三百二十五億、こういうことになつておりますが、それの一番主なるものは、石炭の八十七億、物件費と書いてありますのは修繕費でありますが、大部分修繕費でございますが、五十二億、それから減価償却費の六十五億、それから固定資産税の十五億、それから給料手当、準人件費の五十九億ぐらいなもの、そういうものが主なる要素になつておるのでございます。この説明をちよつとあと省略さして頂きまして、これだけが電燈電力の御需用家に負担して頂くものではありませんので、その下にございます控除額という欄がございますが、その他の収入並びに水火力の調整金の差額、それから北陸、東京その他に送つております地帯間の融通電力料がございます。この三つの合計三百十一億を差引きまして、残りの二百九十四億というのが電燈の需用家に負担して頂く源価でございます。これを本年度の販売電力量で割りまして五円六十一銭というのが本年度の一キロワツト・アワー当り単価になります。それを現行の料率で計算いたしますと、単価が三円二十四銭になりまして、需用家の御負担して頂く原価は一・七三倍、七割三分の値上を必要とするということに相成つたわけでございます。それで原価のところに戻りまして御説明いたしますが、この七割三分の原価は、それじやどういう点で一番余計に上つているのかということを簡単にそこに附加えて申しますと、この七割三分の内訳を申しますと、大体減価償却で半分だけ上つております。七三%のうち三五・四%が減価償却で上る。それから燃料費で一八・六%、物件費という修繕費で七・五%、固定資産税で四・七%、人件費は三・二%、これは準人件費と給料手当合せてでございます。それからその他のもので三・六%、それを加えますと丁度七三%になるのでございますが、そういうように大体値上りの半分は減価償却によつて上るということに相成るのでございます。これは先ほどからだんだん御説明のありますように、現在の電力会社減価償却は、昔の非常に低い帳簿価格によつておりましたので、殆んど減価償却ができておらない。私ども会社におきましてもその減価償却は昨年の実績は六億ぐらいなんです。それが六十五億と、約十倍になつているのでございますが、そういうふうに殆んど今まで減価償却がなされておらないと同様なものでございます。従つて先ほどから御説明のありますように、設はだんだん老朽化して行くというふうになつておりまして、この点が今まで電気事業のサービス並び電源開発がなかなか進まなかつたという大きな理由なつていると、私は考えるのでございます。それで例えば老朽化の原因等を数字的に考えましても、今まで停電や故障が戦前に比べますと約五倍くらいになつております。これは誠に自慢すべきことじやないのでありますので、そういうように設備がだんだん老朽化しているということの一つの証拠になるというふうに考えます。又感電事故あたりの統計を見ましても戦前の二倍ぐらいになつている。これは非常に設備が悪くなつている一つの数字的な根拠になると考えるのでございます。そういうように減価償却というものは、今度の改正におきましては、是非これを再評価額の一〇〇%に織込んで頂きたい、定率の一〇〇%に織込んで頂きたいという我々の希望があるわけでございます。私どもの帳簿価格は現在六十九億六千万円でございまして、これを再評価いたしますと九百七十六億、約十四倍の価額になります。尤もこれは建設工事勘定を入れると、これの約半分で七・九倍になるのでありますが、そうしてこの再評価につきましては、勿論陳腐化資産というものは控除いたしまして、この我々の会社としましては、十三億九千万円の陳腐化資産を控除して考えております。それがここにありますように減価償却額といたしましては六十三億、その他の償却を加えまして六十五億ということに相成つておるわけでございます。それから燃料費の八十七億は昨年関西において焚きました石炭が百四十万トンでございますが、今年なんかは百六十七万九千トン、無論これは自家用の分も含めまして百六十七万九千トンで、自家用が二一%、それから購入炭価は昨年は四千六、七百円で買えていたのが、今年度は五千二百円ぐらいのものを見込まざるを得ないという情勢になつておりまして、これが値上りが四五%ぐらいになつております。これが両方の合計によりまして、昨年に比して六六%増の八十七億というものに金額は相成るのでございます。それからその次に大きいものは物件費でございますが、これは資料の八、九ぐらいに詳しく内訳が出ておりますが、先ほど副社長からお話のありましたように、私どものほうは火力が非常に多いために、このうちの約三割が火力修繕費なつております。そうして先ほどからだんだん御説明のありますように、このうちの三十九億ぐらいが一般の修繕費、それからあとの十二億ぐらいが特別の修繕費ということになつております。この特別の修繕費は、従来できなかつた修繕、当然昔にやらなければいけなかつたという修繕を、止むを得ずできなかつたという修繕をここに織込んだ、それが十二億でございます。それで合計五十一億それからその他の償却費、これを入れましてここに五十二億三千七百万円という数字なつております。その三つが大体主なる原価の要素であり、又昨年に比較しまして非常に殖えた原価なのでございます。以上私のほうの関西電力におきまして、ほかの会社と違つて非常に特質のある原価につきまして申上げた次第でございます。  次に今度我々の実施いたしたいと考えております料金構成につきまして、ちよつとお時間を拝借して御説明させて頂きたいと思います。それば資料の十をおめくり願いまして、十の新旧料金の比較表でございますが、それを参考にして御説明をさせて頂きたいと思います。先ず今度は各社ともそうですが、この個別原価計算と申しまして、各種別ごとに大体公平にこの原価を負担して頂くという観点に立ちまして計算をいたしております。従つて各社ともそうでありますように、私どものほうでも電力のほうの値上りが余計になつております。この資料十の右下に料金総合比較という表がございますが、それで御覧を願いますとわかりますように、電力値上りは一・八一倍、電燈の値上り一・六一倍、両方の総合が先ほど申しました一・七三倍ということになつております。電燈におきましても庶民階級の電燈につきましては値上げを考慮いたしましてそこの左の上のほうからありますように、定額には一・五七、従量が一・六四になるように考慮いたしております。それから電力につきましては個別原価計算の考えから小口の値上は少くし、大口に行くほど料金の値上が余計になつております。特別大口需用におきましては約全体の二倍の値上りということに相成つておるようなわけであります。それから当社としてこの料金構成で特に考えましたことは、割当制の廃止ということでありまして、これにつきまして各社とも割当制の廃止の方向に行つておりまして、それに成る標準の電力料を設けまして、それは大体年間平均の量で取つておりますが、種別ごとにその標準の電力料以上の追加料金を頂くという建前にいたしております。併しその追加料金の負担が非常に多くなる工場につきましては、その限度を定めまして、その限度額以上に超えたものは標準電力料で計算をするという建前にいたしております。それから最近大口丙の料金につきましては特にいろいろ四囲の情勢並びにいろいろの要望、その他需給の情勢等を勘案いたしまして、業種別に標準電力料をきめるということに最近決心をいたしまして、この大口の丙だけはこの業種別に標準電力料を定める予定でおります。それからこの料金制を考える場合に特に注意しました点は、需給が非常にアンバランスいたしまして、この豊水期においても制限を実施しなければいけないというような状況でございますので、どうしても或る需用を抑制するという方向に行かなければならないと考えまして、中部さんでもそうでありますが、我々のほうとしましても、熱源の需用に対してはやや高率な料金を頂くという立て方を考えまして、この標準電力料の決定にはその熱源の契約電力は大口電燈並びに業務用電力には入れない。それから動力用のほうにおいてはその熱源の負荷に対しては半分、これの動力負荷に対する標準電力料の半分を与える。つまり大体追加料金と標準料金の半分くらいの値段で取引をさして頂く。そうして料金的に熱需用を抑制するという方向に考えておる次第であります。それからもう一つ需用の抑制という面で注意いたしましたのは、従来負荷率割引ということで負荷率のみによつて割引をいたしておつたものを明確にするために、深夜の割引、深夜に使つて頂いた電気ははつきり割引をする、又休日に使つて頂いた電気ははつきり割引をするという制度を考えまして、そういうような制度を取つております。それからもう一つ落しましたが、これは各社ともそうでございますが、標準料金と追加料金が今まで非常に差が多かつた。一方が八円であるのに、一方が七、八十銭、十倍もの料金というもので各社原価の負担というものが不均衡になつておつたのであります。それを今回は標準電力料だけを値上げいたしまして、追加料金値上げをしない。ただその追加料金の分け方を、電燈九円、小口、大口甲、業務用八円、大口の乙、丙が七円と少し変えましたが、そういうふうに追加料金は大体値上げをしない。そうして標準料金だけを値上げしましたので、この標準料金値上率はこの表の右の下にございますが、一・九三ということになつております。そういうような点がこの料金構成に考えた点でございまして、要するにこの料金を変えるについて考えましたことは、各需用の負担を公平にするということと、需給をバランスさすために、できるだけ料金制でそういう効果を挙げるようにしよう、そういう二つの狙いがあります。併しこれは先ほど中部さんも御発言がございましたように、この料金制だけで需給をバランスすることは到底本年、来年あたりはできにくいと考えますので、是非これは料金面料金の制限ということに関しまして国家の、日本政府のほうに強力な統制が或る程度必要じやないかと我我考えておるようなわけでございます。これの生産に及ぼす影響並びに生活に及ぼす影響等については先ほどから御説明もありましたので、ここでは省略さして頂きますが、資料の最後の一、二にその概略がついております。  非常に簡単でございましたが、これを以て一応の御説明を終らして頂きまして、何かあとで御質問でもありましたら、又述べさせて頂きたいと存じます。
  18. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 参考人諸君の御説明はこれで終りました。実は引続き質疑を行うべきでありますが、時間の関係もありますので、参考人の諸君に御相談しまして、午後御意見の開陳が全部済んだあとで一括して質疑を行いたいと考えております。午前中の委員会はこれにて休憩いたします。午後は一時四十分に委員会を再開いたします。    午後一時五分休憩    ―――――・―――――    午後一時五十七分開会
  19. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今から委員会を再開いたします。午前に引続いて各電力会社料金改訂に関する御説明を求めます。料金改訂の問題は、各事業者から公益事業委員会に非公式に出された説明書によりますと、非常に高率な改訂が企図されておるようで、国民大衆はこれに対して重大な関心を払つておる実情であります。言い換えれば、電気事業者以外のすべての人々は、電気料金値上げに対して反対の空気を示しておる状態でありますので、当委員会としましては、国民の輿論とも睨み合せまして電力料金改訂に対して善処したいと考えましたために、事業者諸君の参考人としての御説明を求めるわけであります。時間の関係がありますので、各社三十分ぐらいを限度として電気料金改訂に関する説明を重要な点に関してだけお願いしたいと思います。先ず四国電力株式会社社長宮川竹馬君に発言を求めます。
  20. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) 私は宮川でございます。電力値上げの問題につきまして私が本日一番最初にして頂きましたことは、丁度四国のほうで石炭が非常に逼迫しておりまして、十七日からは殆んど石炭がなくなるというような状態でありますから、これが急に私が若松のほうまで行かなくてはならんことになりましたものですから、本日立ちまするので先にして頂いたことであります。  この、今回大幅な値上げをいたさなくちやならんようになりましたことは、一昨年の春頃でしたか、電力会社のほうとしては、五割の値上げをいたしたいということで各方面の御了解を得ることに努めておりましたが、それが一昨年の十二月の十三日になりまして三割二分の値上にとどまつたのであります。そしてその残りの部分は、御承知の通りこの割当額というものをきめまして、それから超過したものを火力料金というふうになつたのであります。そういうことでまあ五割が三割二分と、アロケーシヨンを超えた分に帰しましては、火力料金、こういうことになつたのでありますが、昨年の第一、第二、四半期はその火力の割当、アロケーシヨンというものが、過去七、八カ年の水の平均でとられておりましたか、ら、その間に水力が平年よりか非常に多く出ておる。四月を除きますというと二十四年度は全部の月が平水よりか多く出ておるのでありますが、そういうふうにして電気会社があたかもそのアロケーシヨンというものによつて非常な利益を得ておるようなふうに見えただろうと思います。これは渇水の年におきまして火力、まあ渇水準備金として積立てて置くべきものでありますが、それがあたかも利益のように見えた。その割当というものについては割合にわかりにくい制度になつておりまするから、これにつきましてちよつと私が簡単な絵を書きましで皆さんに御説明いたしたいと思いますが、これは夏のほうを現わしておるのですが、夏のこの水力に対しまして、この火力の部分の横の棒を引いてありますこの部分が、これはまあやはり石炭でありますが、これだけの石灰は標準料金の中に織込まれておるわけであります。この上の部分が火力料金を頂くことになつております。火力料金は所によつて違いますけれども、本州は全体として八円、九州は五円十銭、四国が七円四十銭、北海道が六円幾らかでありますが、そういうふうになつております。つまり割当量を超えた部分の火力相当高い料金なつておるために、自家用の火力というものがあります。その自家用の火力を大分焚いておるのです。これは夏の状態で、去年の第一、四半期、第二、四半期に当るわけでありますが、この冬のほうになりますと水が減ります。そうしますと石炭の部分が殖えるわけであります。その石炭の部分の或る部分がこの標準料金の中に入つておるわけで、火力料金としては夏の分よりか超えるわけであります。そうしますと、冬のほうは夏よりかロードが多くなりますから、それで自家用のほうでも焚いておる部分が相当殖えるべきはずであります。ところが実際はどうなつたかと申しますと、このアロケーシヨン、つまり割当量というものが、これはまあ水も多かつたということによるだろうと思うのでありますが、そこへ丁度特需が来まして事業家のほうでは相当水力をたくさん使うようになつた。そこでいろいろな運動がありまして、この割当量というものが、ここにあるべきものが、これが上に上つたのであります。この上に上つたこれだけの部分というものが電気事業者の負担になつたわけです。この負担の差というものは、この標準料金は所によつては違いますけれども、北陸では三十六銭です。この部分の料金は三十六銭です。それがここで標準を越えますというと、割当量を越えますというと一遍に八円になる。二十二、三倍になるわけです。関東におきましてはこれが四十九銭から八円に上るわけです。丁度十六倍余によるわけであります。そういうふうでこの標準料金というものは相当安いものであるが、火力料金をもらうことによつて石炭増加して、それを償つて来たわけであります。それがここで事業者のほうにはこれは了解は全然ありませんが、これが事業者の負担というものがここで一遍に殖えた。つまり割当量というものが工場が繁昌して来たために増して来て、これから電気会社の負担というものは非常に増したわけであります。ですからその料金の元を立てました制度というものは、ここで破られたわけです。それで今の割当量というものがお役所のほうによつて変化をするということが、電気事業者としては非常に不安な供給状態にあるわけです。水力としては殆んど増加をいたしません。それに火力が二百六十万キロくらいありますのが、それがまあ大体二百万キロくらいは冬だけは運転できる。夏は修繕しなければならないから、ずつと下がるのでありますが、その二百万キロの火力を以て石炭を増して、それで僅かに一円以下の費用でこれに応じて行かなくちやならんということになつておるわけであります。これが続いて来たわけであります。それで今度これで行きますと、つまり二十五年度の冬におきましては十月、十一月、十二月までは非常に水が多かつたのでよかつたのでありまするが、一月、二月に至りまして相当な渇水が来たのです。それはまあ平年水を潜るような渇水が来たのです。そこで非常な石炭の焚き分が殖えたわけです。一日に日発のほうで一億円以上の石炭を焚いておるということが来たわけです。それで丁度これと対照いたしまして、水力の状態、見にくいかも知れませんが、これが平年の水であります。而して二十四年というのは上のほうに出ておりますが、これが二十四年であります。二十四年の水というのはもう殆んど平年水よりかずつと上のほうにありまして、二十五年が又相当これの上のほうに来たのでありますが、私が得ましたのは二十五年の上期しか日発のほうにありませんでしたが、これが大体上のほうに来るのです。これの間の、つまりこれの平水との間の火力の節約というものがつまりあの三十六億円の利益になつて現われるわけであります。これは丁度二十一年の水というものがこれになりますが、非常に悪いのです。こういう工合に平年よりか下がる場合に、これを補うために、その金というものが渇水準備金として積立てられるべきものであります。それがつまり日発のほうとしましては、小坂さんの来られる前の日発のほうでは、それを大蔵省のほうに了解を得ることができなかつたのでしようが、或いはそれを得ようとしたのであるかは私は知りません。その金がほかのほうに置いてあつた。つまりそれは悪い意味じやありませんが、この渇水の準備のために置いてあつたわけです。それが含み資産というふうに出たのでありますが、実際はこれに応ずるためであります。それが丁度新会社が発足いたしまするときに十二億円の税金が取られまして、一月、二月は殆んどそれが石炭で使われてしまつたというわけであります。そういう後を継ぎまして、丁度新会社は僅かに二十八万トンの石炭の貯蔵で継いだわけでありまして、これが大体四、五十万トンの石炭が残つておるべきはずだと思います。そういうふうで非常に悪い状態で継承いたしまして、それで今日石炭の不足で非常に困難な状態に陥つておる次第でありますが、只今のこの図面で申しますような、この割当の変化ということにつきましては非常に不安であるために、この割当制をのけるという、今度の料金制度に皆各社のほうが大体そういうふうになつたのであります。そういうまあ割当制度をきめますというと、或る一月に七百二十時間としますというと二百時間或いは三百時間は使うような需用家は、その安いほうに行きます。それから火力料金に入りましてあと又水平になりますけれども、そういうふうな工合で、化学工業のような所に行きまして相当に高い料金になる、こういう料金の制度にいたしますが、そういうふうになりますが、この点が非常に料金制としてはよくないというふうになります。が併しそれをどうすればその割当制というものを或るところで切られないような、自然になるような料金制ができるかということになりますというと、私どもとしては、只今のところその割当制をのけるということが第一でありまして、それをのける方法としてはどうしても三百時間或いは三百五十時間というようなところで火力料金に上る以外に方法がない。それが火力料金といたしましては或る限度を設けまして、その限度を越えると又元の料金に戻るわけであります。それを四国のほうとしましては大体三千キロ以上のところで、夏のほうでありますというと二段にいたしまして五百四十時間を越えたところで上ることにいたしております。それから冬のほうでは四百八十時間で上ることにいたしております。大体料金制といたしまして今度変えたところは、大きく変つたところは、そういうところでありますが、只今の状態は四国は極く小さい所でありますけれども、大体今頃が十六万キロくらいあるべきものが二十万キロ、まあ一年前に比べますと二十万キロかかつている。それで大体水力が二十二万キロありますが、最大は二十六万キロくらいかかるというようなふうの、どこでも火力を使わないというと供給ができんような状態になつて来たわけであります。そうして渇れるのが非常に激しい所でありますから、その渇れたときに火力が応ずるために火力を夏の間に修繕をしなくちやならないのでありますけれども、それの修繕をする暇もないという状態にあります。そういうふうな非常に酷使をするような状態にあるのでありまして、実はできるだけ、火力を普通時間だけとめまして、それの一部を取替えるとかいろいろなことをやらなければならんわけでありますが、これで参りますというと、今までの料金で言いますというと、もう修繕の費用も出ないというような状態になつております。それから私は最近、この先週の土曜日でありますが、この点はよくお聞きを願つておきたいのでありますが、通産省での余剰輸出能力というものが六月の九日の日本経済新聞に出ておりますが、その前には五月の八日に東京新聞に出ましたが、その東京新聞に出ましたのは年間の四十四億ドルというのでありますが、これはもう不可能のことであります。最近になりまして実際に可能な余剰輸出の能力が七億七千万ドル、この輸出に要する生産をするために電気が十七億キロワツト時要ると、併しその十七億キロワツト時というものは、今別に余つた電気というものはありませんから、これによつて得るものは、化学工業のようなものは化学料金の中に入つております。入つておりますけれども、化学工業のような電気をたくさん消費する部門は成るべく避けて、電気を少くするようにする以外にないだろうというようなことが出ておりますが、これについて分解いたして見ますというと、十七億キロワツト時というものを発電するのには三十四万キロワツトあればいいんです。それが三十四万キロワツトが一キロについて五千キロワツト、これが普通であります。そうしまするとそれが需用地に到着するのには一割五分くらいのロスがありますが、百八十五分の一を掛けまして、四十万キロの開発が必要であります。四十万キロの開発をすれば現在七、八万でいいものが、今ではどうしても十万かかる。それが十万のほかに送電線、変電所というようなものを入れて、これを十五万と見ます。そうしますと四十万キロを開発してそれが需用地に着くまでが六百億円要るわけであります。六百億円の建設によりまして七億七千万ドルと言いますと七千数百万でありますが、その消費というものは二百八億二千七百九十億円くらいになります。それは発電所建設費の四・六倍余になります。そうしますと、つまり発電所の建設は、電気の建設は非常に金を要するのでありますが、その金というものが、それによつてできた生産はつまり二カ月と十八日の生産で電気の建設、送電線までの、変電所までの建設全部ができる。それは全部改修というわけではありませんが、材料原料すべて入れますから、ただそういうことによつて電気をつまり四十万キロを起すことによつて、六百億円の投資によつて、六百億円の投資そのものと等しい生産をするのには二カ月と十八日間でできる。一年で言いますというと四倍と六分以上のものができる、そういうふうな電気というものの状態であります。その電気を今十七億キロワツト時というものを今の料金といたしますと、三年かかることにしますというと、三年で供給するとしますと、これは製品の中に含まれる価格は一・八にほかなりません。それから大体今申しましたような計数で行きますというと五年になるのでありますが、五年になりまして三%であります。そういうふうで日本の現在の状態といたしましては過去においてもでありますが、資材を投下することが三年かからないと発電ができん、それから資金が余計要る。こういうことで、電気終始は置き去りになつているのでありますが、その結果生産も思うようにできないと、こういうことになりますから、どうしても電気を起すということに第一に御協力を願いたいのであります。それをするのには、どうしても今の値上をする以外に、つまり会社の状態をよくして外資を導入するということの以外に方法がないのでありますから、この点について何とぞ御協力をお願いいたしたいと思います。そうして理由の詳細は御説明できんと思いますけれども料金の今後の説明につきましては菊地君から説明して頂きます。
  21. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次に四国電力株式会社の理事菊池宏君に提出された資料の極めて重要な点について簡単に御説明願います。
  22. 菊池宏

    参考人(菊池宏君) 四国の菊池でございます。お手許に提出いたしました資料の初めのほうに、変更の理由書と料金内容改訂の要旨を記載いたしております。大体変更の理由につきましては只今社長から申上げましたことが大きな原因でございますので御了解願いたいと思います。制度を改訂いたします主なものは、根本的には又只今社長が申上げました通りの、電力の割当制度に対する変更でございます。変更と申しますよりも、むしろ割当制度の廃止をお願いしたいということであります。その結果いろいろ考えられます需給調整の問題は、原価的な面につきましては、需給調整そのものの必要を十分認めておりますので、これは今後需給調整規則の一層実情に即しますものをお願いする考えでございます。原価的な関係におきましては、いわゆる追加料金制度というものの変形とも考えられますが、新らしい料金を逓増式の料金にいたしまして、最高の段階を実際上の石炭費に見合うものとしての料金にお願いする考えであります。そしてその逓増料金制の中へは現在考えられております負荷率割引の問題を織込んで処理したいと考えております。力率に関する割引は新らしい料金でも大体において現状通りを継続したいと存じております。大きい制度の問題は大体そんなものでございまして、供給種別ごとに、いわゆる需用種別とも考えられます電燈、電力、そういうものにつきましての、従来と特に変ります制度的な考えは、逓増料金制でありますために、従来の割当制料金との関連を極力持たしたい、原価的な……、是非共許す限りその関連を持たしたい、需用家への影響を極力縮めたいという意味合いから、新らしい追加料金相当する最高の料金率の適用する使用量の限度を、大口電燈そのほかの電力につきましては考えることにいたしたいと存じております。とかく新らしい料金に切替わりました場合に、需用家の受けます影響が使途により相違のあるということが防ぎかねるかとも思いますので、この制度によつてその調和を図るつもりであります。なお現実問題といたしまして、従来の料金と今度考えております料金との影響の特に大きいと考えられますのは、非常に負荷率の多い、而も従来いわゆる割当制によつて追加料金の負担の非常に少い御需用家でありますので、その影響が多いであろうと思われる需用家に対する処理といたしまして、特別需用電力という種類の需用、これは主として電気化学……、或いは電気炉を使つておられる大体特殊電力等の対象になる需用でありまするが、そういう需用に対しましては、電力需給の調整上そのほかの実情を考えまして、料金率を最高二割まで割引できる措置を考えたいと思つております。大きい料金制度或いは供給条件の問題は大要そんな点であります。なお結局これらの方法によりまして値上げをお願いしたいと存じております四国電力の割合は七割三分の見込であります。平均いたしまして七割三分の見込であります。そうしてその七割三分はほぼ各需用に……、個々の需用家につきましては相当の上下のあることは避け得ませんが、各供給種別ごとに考えますと、大体において七割、八割、九割、その辺の値上率予想いたしております。特に従来の追加料金の負担程度によります影響は或る程度これ以上のものがあると存じます。なおこの七割三分の値上げをお願いしなければならない原価的な主なものは所要石炭費の増加がその第一であります。大体石炭費はこれはお手許へ配つております第三頁と四頁の間に、昨年度実績と比較いたしておりますが、年の実績はトン数におきまして十四万トン、金額におきまして約五億円余でありますが、本年はトン数を約三十三万トン、金額におきまして約十七億円を予想せざるを得ない実情でありますので、大体三倍余の原価所要を見込んでおります。修繕費が又かなり大きいファクターになつておりますが、これは昨年度実績が約五億円余でありますが、今回予想いたします金額は八億円余でありまして、五割余りの増加であります。この主な内容は別途調書にも、載せておりますが、主として物価騰貴が理由であります。減価償却も大きい金額でありますが、これは従来の実績が一億円余りでありますが今回は八億円余りを見込んでおります。今回見込んでおります方法は、許される再評価を一〇〇%いたしまして、いわゆる陳腐化資産の分を除きまして、再評価をいたしまして、それに対する定率法償却計上いたしております。更にもう一つの大きい内容は人件費でありますが、これは総額としては、従来の実績も大きいわけでありますので、増加分は一割三分余の増加であります。金額的には実績十億円に対して新らしく見込んでおります分が十一億円余であります。結局これらの所要な原価におきまして、約二倍の増加となりまして、そのほかの一般経費においては三割余の増加、結局総合いたしまして七割三分ということで、所要の原価計上いたしております。時間の関係もございましようから、概略の御説明をこの程度にいたしまして、御質疑があればお答えしたいと思います。
  23. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次は中国電力株式会社営業部長真田安夫君に発言を願います。
  24. 真田安夫

    参考人(真田安夫君) 中国電力の営業部長の真田でございます。時間も短かいようですから、御提出した説明資料によりまして内容を御説明申上げたいと思います。  電気料金改訂理由につきましては、ここに大要書き並べてありますように、大体各社とも共通事項が多いのでありまするが、特に中国といたしましては、現在火力の依存度が非常に高い。大体発電量の三分の一を火力に仰ぐのありまして、電力国家管理以来、開発方針がやや中央に偏しましたことと、戦争で開発のスピードが遅れた原因もあるのでありますが、現在そういつた発電分野やおきまして非常に特異な実情を持つております。非常に石炭関係の費用が嵩んでおるということが、特に他の電力会社よりも影響が大きいと考えておる次第であります。それに電源開発も遅れましたので、本年度の需給上一層火力の発電を大きくしなければならない。昨年は大体石炭を七十六万トンぐらい焚きましたが、今年は七万五千トンばかり多く、約八十六万五千トンばかり焚かなければならない。こういつたことが非常に値上の大きな原因になつておるわけであります。なお電力損失の問題など中国は全国平均より少し六日に上廻つておると思つておりますが、現在三〇・七%、過去数年来大体二%前後の減少を見ておるのでありますが、本年はこれは大略二・五%下げまして二八・五%、この主要原因は大体設備の荒廃しておるという点につきましては共通でありますが、やはり火力の備え用電力相当多い、擅用なども相当あるということでありまして、この点いろいろ設備の改修、ロスの逓減に努力しておるのでありますが、現状といたしましては二八・五%を下るということは実現の可能性に乏しい。その他いろいろ経営の合理化方面につきましてはロスの逓減、出力増加、擅用の防止、経費の削減等いろいろ努力いたしまして大体二十四年度から計画的に努力ておるのでありますが、本年度におきましては施設の実施の関係もありますから、その効果はまるまる本年表われませんが、そういうものを考慮いたしますと約四億円ぐらいの企業合理化をやつて、昨年度は六億円、こういつた実施の効果がなお追加するのでありますが、本年度目標を約四億円においております。こう言つたようなこともできるだけ考えますし、諸経費も切り詰められるものはできるだけ切り詰めるというような想定の下に参りまして、所要経費を出しております。なお原価償却につきましては、これは共通問題でありますから改めて申上げませんが、従来僅かに二億ばかりの経費でありましたが、これを各社並に一〇〇%評価減価償却を定率でいたしまして、十八億七千万円くらい計上しております。こういつた点でこれを一応締めますと料金を現行の一・八四倍にいたしませんと、収入のバランスがつかないわけであります。水火の調整、石炭の運用上におきまして大体一・七五というふうに食いとめております。是非一・七五倍に値上げの御検討を願いまして新会社の目標であります独立経営、責任経営という点に万全を期せられるようにお願いする次第であります。原価内容といたしましては三頁に一応計上いたしておりますが、総計は百二十九億の経費を要します。それからいろいろの雑収入関係を差引きまして、それに火力の補助金を差引きますと、一般原価としまして百八億、販売電力量は十七億四千万キロワツト・アワーでありますから、大体六円二十銭、現行が三円五十四銭でございまして一・七五倍、供給力の問題は一応五頁の需給対照表に掲げておりますように、先ほど申上げましたように供給力が十七億四千四百キロワツト・アワー発電量のほうで申しますと、水力が十六億三千万、火力が七億五千八百万、これに受電が三百六十万、委託発電千五百四十万、地帯間融通三千二百九十一万、合せて二十四億四千万キロワツト・アワー。先ほど申上げましたようにロスが二八・五%で需給のバランスが立つ、こういう関係なつております。石炭はこの下に書いてあります八十四万五千六百万トン、六頁に現行料金による収入を掲げてあります。大体六十二億、総括原価内訳でありますが、七頁に大体人件費関係は現在人員、一般職員は大約二百二十二名ほど減を考えておる。そのほか約四%ばかりの建設費といつたものを考慮しておる。燃料費只今申上げましたようなトン数が要りますので、大体実績によりましても宇部炭五三%、四七%が九州炭を使つておるのであります。二十六年度は宇部炭を五五%、九州炭を四五%考えまして、炭価は総合炭価を三千八百円と抑えておる。これは四月の契約によりましてもすでに三千五百円を上廻つておるような状態でありまして、余り十分見ているとは考えておりません。修繕費は十八億四千五百万円でありまするが、これは九頁に前年度実績が出ておりますが、前年度は十三億かかつておりました。大体一倍半でありまして、総合物価上率が一・五乃至一・六ぐらいのところでありまするから、これだけの修繕をいたしましても昨年度実施した範囲は出ないわけであります。減価償却只今申上げましたように各社共に同じような計算をやつたのでありまするが、この陳腐化を約六億円ばかり考えております。これらの推定で一〇〇%の再評価定率法で出しておるわけであります。その他大体特別申上げることはありませんが、火力地帯でありまするので火力補給金を約十二億ばかり頂きますが、水力賦課金が六億七千万円でありますから差引五億三千万円ほど石炭に対する声を受けるという勘定になるわけであります。八頁に地帯間融通電力量、単価並びに金額を表現してあるわけであります。大体年間の数が三千万キロワツト・アワーくらい、これは各社協定の地区原価におきまして授受いたすのであります。別段御説明するまでもなく、補給金を詳しく計上いたしております。十頁の給料手当説明、十一頁の石炭費の説明、十二頁は修繕費修繕費只今申上げましたように、過去における一・五倍でありまして、内容的には一般修繕と従来の修繕不足の面を一部本年度実施したい、かように考えております。電気料金のほうでありまするが、これは大体算定基準案に準拠いたしまして、個別原価、主として電圧別の料金制をとつております。なお在来の割当制は廃止いたしまして、これに代るものといたしまして、当社の自主的責任の下に、単位あたりの標準電力料を設定いたしました。この設定に当りましては、特に当社現在における需給のバランス及び最近の供給種別乃至業種別賦課実績などを慎重に考慮いたして決定いたしました。料金は需用料金、標準料金と、先ほど説明されましたような追加使用料金、而も標準料金は現行は三段制でありますが、これを一本レートに直しております。追加料金、いわゆる火力料金でありますが、これは過去の実績収入を基準といたしまして、総使用単価の約二割を本料金で徴収することにいたしております。更に従来は一キロワツト時当りと一律に一本になつておつたのでありまするが、いろいろ買付け費、運転費などを供給種別ごとに考えまして、大体低圧で九円、高圧で八円十銭、特高で七円二十銭、三つの区分にいたしております。なお契約電力に対する責任制の確立という観点から、契約電力と両用電力との食違いのある場合には、その差の二分の一を送電準備料とし需用電力料金に加算する、こういうようなことを考えております。内容的には一四頁、一五頁に亘りまして改訂料金を表示しております。十七頁に新旧料金比較表というのがありますから御覧を願いたいと思いますが、大体総括的に一・七五倍であります。電燈におきまして一・六八倍、電力におきまして一・八倍、総括いたしまして一・七五倍、こういうように内訳を見ますと、大体表の通りでありまして、特に大口の丙が少し高めになつたのであります。こういつたものにつきましては特別の措置を考えております。これは供給規程にも三千キロ以上並びに会社におきましてその必要があると認めた場合は、個別的に御需用家と特別契約を締結する、こういつたような、その値上率の倍率が大体二・五倍くらいにとどまるような割引制を考えております。なお契約電力一キロに当り使用電力量が五百キロワツト時を超えるといつたものにつきましても同様な措置を暫定的に講ずることといたしまして、産業界に対する影響をできるだけ抑えて行くという方針を考えております。十八頁に改訂料金率決定の原価計算の根拠を示しております。それはまあ各社とも回しような電気事業個別原価計算要綱によりますところでありまして、表で御覧になりますように、大体原価というものを、原価計算基準におきましてブロツクごとに平均料率を考えたわけであります。これを原価を分解して表現しておるわけであります。十九頁は収支の比較でありまして、先ほどの二十六年度予想の百二十九億に対する収入の内訳を書いておるのであります。  二十頁に生産原価中に占める電力費値上が一般産業にどういうような影響を持つかということを、実際の需用家を、代表的な需用家を対象といたしまして計算した結果を出しております。水道方面の二・六五倍というのが出ておりますが、大体二・五倍くらいにとどまるように料金のほうを考えております。  最後に経営合理化の計画をここに書いてあります。先ほど申上げましたように、人件費の問題などいろいろ御批判が出ておるわけでありまするが、まあこれは新らしい建設工事も中国では新規に三カ地点、現在二カ地点の水力開発をやつておりますので、こういた方面火力発電所も小田野に今建設しておりますが、そういつた方面相当動く。更に新らしい会社の使命といたしましてサービスの問題を我々非常に考えておるわけであります。第一線方面に配置転換を考えております。整理はこういう際でありますから積極面のほうへ向けまして、業績の向上を図るという構想を以ちまして、減員、新採用は極力抑制してかかる。結果的に二百二十二名の減ということで一応の目標を立つたわけであります。諸経費は結論しか書いておりません。五千五百万円、擅用電力防止、その他電力損失、発電力の回復、燃料費の節約といつたようなことを書上げまして、先ほど申上げましたような約四億くらい、而もこの施設を要するものは、実績が二分の一しか出ていないものとして計上しております。石炭もここに書いてありますように二十五年度実績は一・一一三で、本年度は一・〇九というような目標で相当石炭火力の運転におきましても合理化を考えている次第であります。誠に届かない説明でありましたけれども、又質問によつてお答えしますが、これで一応説明を終ります。
  25. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次は九州電力株式会社企画部長赤羽善治君に御発言を願います。
  26. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 私只今御指名のありました九州電力の企画部長の赤羽でございます。電気事業料金面から見た特殊性として考えられます主なる点は、第一番といたしましてこの事業固定資産が非常に大きいという点でございます。第二の点といたしましては、電気事業は独占事業でありますために、前地区内の供給の義務と申しますか、責任と申しますか、どうしてもその地区内に起つて参ります需用に対しては責任を以てこれを果して行かなければならないというこの二つの点が料金面から見た他産業に比べての特殊性ではないかと思うのであります。これは東京とか、九州とか、この地区によつて変ることのない共通点でございまして、こうした事業の性質上固定資産が非常に大きくて、そうして供給の義務と申しますか、責任を殆んど半永久的に持たされます電気事業といたしましては、その設備に対しまする補修を常に完全にすると共に、又寿命に対しまして再生産されるような運営が必要になつて来るのでございます。従いまして、今回料金値上げを計画いたしました際に、その最も大きな要素となつております修繕費減価償却費というものは、こうした二つの電気事業の特殊性から止むを得ないものと考える次第でございまして、償却率につきましても再評価限度一〇〇%にいたしまして定率法を採用した次第でございます。更に九州の特殊性といたしましては、日本の電気事業が他の地区におきましては水主火従の状態にございますものが、九州におきましては火主水従の状態でございまして、設備の面から申しましても、火力の最大出力が五十五万キロ、水力が四十八万キロという設備を以ちまして需用に応じておるような状態でございまして、二十五年度の供給電力量の割合から見ましても、約半分の五〇%か火力電力であつたという実情でございます。従いまして、九州におきましては、以上の二点のほかに石炭というものの消費量増加によります支出増が目立つて多くなつて来ておるわけでございます。九州におきましても、これは日本全国一般の傾向でございますが、昨年来の特需の好況につれまして、需用は非常な大幅な増加を見て参つておるわけでございますが、この大幅な増加に対しまして、その供給責任を果しますためには、高い石炭を多量に焚かざるを得ない結果を生じたわけでございます。今年の予想を申上げますと、昨年に比較いたしまして更に大幅の石炭消費せざるを得ないという実情にございます。この石炭消費量増加並びに石炭単価の高騰を考慮に入れますと、九州におきましては石炭代が相当値上りとなる次第でございます。従いまして、総括原価の面から一応必要最小限度と思われまする値上率を算定いたしてみましたところ、九州におきましては八六%の値上げをしなければならないという試算が一応出て参つたわけでございます。併し私どもといたしましても、合理化の余地のあるところはできるだけ合理化をしよう。そうして一般産業に及ぼす影響を最小限度に食いとめたいと、こう考えまして、でき得るだけの合理化を考えた次第でございます。私どもが考えましてほぼ可能と思います範囲の合理化を加えまして試算した結果が、お手許に差上げてございます資料の中にもちよつと書いてございますように、一・八七一倍という数字が出たのでございます。私どもはこれを更に合理化することによりまして経費を切り詰め、一応七割五分の値上げをこの際考えて、近く公益事業委員会に正式申請の運びにいたしたいと考えておる次第でございます。今も申しましたように、一応の合理化を考えまして一・七八一倍を一・七五の値上げにとどめたいと考えました点は、更に強度の合理化をいたしまして経費の節減を図りたいと考えた次第でございまして、その合理化によります経費の節減の内容につきましては、後ほど詳しく御説明申上げたいと思いますが、総額におきまして約三億三千五百万円を見込んだわけでございます。一応総括原価の面からいたしまして一・七五倍の値上げというものが実現いたしましたといたしますと、総括原価が一応賄えるという感じがいたすのでございますが、併しこれは入つて来る収入が内定したものでなければその実現が困難になる次第でございます。で収入の面を安定したものにするということは、料金値上げのほかに、そこに料金制度に対する検討が必要だと考える次第でありまして、現在の料金制度におきましては、先ほど四国電力の宮川社長さんから詳しい御説明がありましたように、現在の割当制度におきましては収入の安定を図るという点に非常な欠陥があると考えられるのでございます。従いまして、今回の私どもが考えました料金制度におきましては、割当制度を廃止するということを根本の考え方といたしまして作成した次第でございます。  なお詳細につきましては、お手許に差上げてございます資料につきまして、先般説明を求められました項目従つて説明を附加して参りたいと思います。お手許に九州電力株式会社電気料金並びに電気供給規程変更認可申請書の案を差上げてあると思いますが、それを御覧願いたいと思います。なおそれと共に申請書の説明資料を添付してございますから、これと併せて御覧願いたいと思います。電気料金の変更を希望いたしました理由につきましては、先ほど概略申上げましたが、その理由とする点につきまして最初の一頁乃至五頁に書いてございます。それから御要求のありました昭和二十六年度電力需給対照表及びその根拠の内容につきましては、説明資料のほうの三分の一くらいをめくつて頂きましたところに、四といたしまして昭和二十六年度電力需給対照表という欄がございます。この厚い別冊のほうであります。その三分の一くらいおめくり下さいましたところにあります。それに昭和二十六年度電力需給の対照表を示してございます。九州におきましては、水力を平水年の三・三%増を見込んだわけでございます。火力におきましては、自社の発電分に二百二万トン、委託発電分に八方二千八百トンを考えまして、合計九州地内におきまして二百十万二千八百トンを消費する、この考え方の下に需給の発電量を定めまして、管内の需用を想定し、需給の対照表を作つてございます。石炭消費量は、自社発電分につきましては、熱管理の向上その他を十分勘案いたしまして、自社分につきましては〇・八三キログラム、これはキロワツト・アワー当りについて〇・八三という数字を採用いたしております。次にお尋ねのありました現行料金によります二十六年度の収入予想でございます。これはその少し前に三という項目がございまして、新旧料金収入比較表というものがございます。それをめくつて頂きますと、最初の表が新旧料金収入比較表になつておりまして、この中に現行料金によります二十六年度の収入予想が記載してございます。次に第三番目といたしまして、昭和二十六年度原価計算でございますが、このお尋ね下さいました項目の順序に申上げますと、第一が、地帯間の融通電力及びその料金ということに相成つております。これは本日追加にいたしまして四枚綴りの薄い資料をお手許に差上げてございますが、それの一番最後に、地帯間相互融通電力契約明細書というものを差上げてございます。それを御覧下さいますればおわかりになると思います。次に第三の二の項といたしまして、水火力調整料金及びその単価というお尋ねがございましたが、別冊の厚いほうの丁度真ん中程度になります。三十一頁に水力賦課金が書いてございまして、三十三頁に火力補給金が書いてございます。これは常時換算一キロワツトにつきまして一水力賦課金は三千五百円でございまして、火力補給金は発生電力量一キロワツト・アワーにつきまして火力補給金といたしまして、九州は一円六十四銭という計算に相成つております。次に合理化による経費の節約の問題でございます。これは先ほど合理化をした上に更に計画を立てたと申上げましたが、その更に合理化を進めるというほうの数字だけを差上げてございます。それは今日差上げました薄い資料の一頁にございます。合理化によります経費の節減といたしましては、先ず第一に、人件費の抑制ということを考えたわけでございまして、これの第一番目といたしましては、建設工事に従事する者に、従来の保守作業に従事していた面からこれを合理化して、そうしてできるだけ充当しようということを考えたわけでございまして、これによります節約は、年額におきまして二千六百万円でございます。それから次には小水力発電所、これは九州は脇の地区よりも小水力の数が多いかと思いますが、小水力発電所又ば小さな変電所の廃止、統合並びに自動化、半自動化ということによりまして、保守人員の合理的な配置を行なつて人件費を抑制しようと、こう考えたわけでございまして、これによりまして年間千八百八十万円の節約をしたいと考えたわけでございます、次に二番目といたしましては、基準外賃金の抑制でございます。これは基準外賃金は、二十五年度実績におきまして二五・七%になつておりますものを、二三%を目標といたしまして抑制したいと考えたわけでございまして、これによります節約が年間五千三百万円でございます。次に一般経費の節約といたしましては、消耗品、通信運搬費、雑費等を一割節約しようということで、これの年間の経費八千七百万円を節約することといたしました、それから次に、資材の活用によりまして、これは遊休死蔵品の整理、それから加工して使用するということによりまして物資を節約する、この金を年間五千万円と見ておるのです。次に壇用防止のために浮いて来る収入増を三千九百万円、これを見込んでおります。  その次に器具の売上げ並びに雑収入を一〇%予定よりも増加することにいたしまして、これが七百六十万円、それから雑収益の収入の増加を図ります分が、年間五千四百万円、こう考えまして、以上の年間節約の合計を三億三千五百四十万円と見込んだ次第でございます。  次にお尋ねのありました第四の項目といたしまして、二十六年度の一般経費予算の内訳書でございます。この第一が、給料手当の問題でございますが、詳細はやはり厚い説明書、資料のほうの丁度真ん中頃からのところの三十六頁に、過去一カ年の人員増減表というもので、支給人員の数がわかるようにいたしてございます。なお二十五年度の月別支給額の概算につきましては、三十七頁を御覧願いますと、層別基準外賃金率という欄に、二十五年度の四月から二十六年の三月までに支給いたしました基準賃金基準外賃金を一覧表にいたして示してございます。これを御覧下されば、御要求は大体満たされるものと思います。次は石炭費についての問題でございますが、この石炭費につきましては、お手許に先般厚い資料が二冊行きました中に、一枚だけばらになつた資料を差上げてございますが、それに火力発生電力量並びに石炭消費量二十五年度実績対二十六年度想定比較表というものにいたしまして差上げてございます。これを御覧下されば、御要求の点ははつきりすると存じます。これで御覧願えばはつきりいたしますように、石炭消費量におきましては、二十五年度の総額、九州におきまして百七十九万六千九百三十四トンが、本年度の計画は先ほども申上げましたように二百十万二千八百トンでございまして、需用増加に対応した増加を示しておるわけでございます。修繕費について主要科目別に前年との比較を出すようにとの指示に対しましては、本日差上げましたこの四枚綴りの二頁目に、修繕費実績との比較という表で示してございます通りでございます。二十五年度の実積の総額は十七億九千六百七十工万八千円でございまして、二十六年度予想は三十一億五千二百二十九万五千円と相成つております。で昨年度に比較いたしまして七割五分の増と相成つております。  次に減価償却の点でございますが、これも中央の二十七頁に減価償却計算いたしました種類別に示したものがございます。でこれを御覧下さいますればわかりますように、九州電力減価償却の総計は二十七億七千三百七万六千円というものを計上した次第でございます。次に御要求になりました点は、その他の経費についても前年実績と比較して示すようにということでございました。これはやはり説明資料の中央のところの三十五頁に、昭和二十五年度実績昭和二十六年度原価の比較表というものを入れて。ございます。これを御覧下さればわかりますように、二十五年度におきましては九州配電と日本発送電の九州支店とがあつたわけでございますが、一般経費の合計におきまして、九州配電分五十三億四千万円、それから九州支店の分が七十億六千万円、それに本店の分担金が十九億八千万円でございまして発送電分の合計が約九十億五千万、円、従いまして二十五年度の九州管内の一般経費の合計は百四十三億九千万円に達しておつたわけでございます。これが二十六年度原価といたしまして今回組みましたものは二百二十億四千万円でございまして、差引増が七十六億四千九百万円、こういうふうに相成つております。次に御指示のありました五番目の点といたしまして、改訂料金表でございます。これはお手許に差上げました説明資料の青い紙で二番目の紙をめくつて頂きますと、そこに改訂電気料金一覧表、及び新旧料金料率比較表というものを入れてございます。この改丁電気料金一覧表を御覧下さればおわかりと思います。次に第六番目といたしまして、需用種別ごとの新旧料金比較表の御要求がございましたが、これは今のところを少しめくつて頂きますと、新旧料金単価比較表というものを添付してございます。これを御覧願いますと、改訂料金と現行料金を並べまして、そうしてその次の欄に値上率を示してございます。定額電燈で申しますと需用家料金は一・八倍、それから電燈料金は一・七五倍というように相成つておるわけでございます。なお需用種別ことに値上率を決定した原価計算的根拠を示されたいという御指示がございましたが、これにつきましては最後から青い紙で、一枚目に、個別原価計算書というのがございます。この(1)の最初のほうが個別原価計算書でございましてあとのほうに個別、原価計算舌の要領説明書を添付いたしてございます。で、この原価計算に基く結論だけを申上げますと、この頁の十二頁に折畳みの紙が入つておりますが、これを開いて見て頂きますとわかりますように、原価計算と販売料金のキロワツトアワーあたりの単価の比較をいたしてございます。この比較図表に示してありますように、大体の料金の姿といたしましては、現行料金とほぼ一致した姿が原価計算の線としても出て参つたわけでございまして、今回の料金を決定するに当りましては、その原価計算を基礎といたしまして、現行料金を勘案して決定した次第でございます。  次に七の項目といたしまして、最低料金による收支の対照表がございます。めくつて頂きまして青い紙で五の頁がございます。これに二十六年度の收支予想計算書を入れてございます。九州電力の総收入は二百二十七億五千五百二十三万七千円でございまして、これに応じます支出の合計は、水火力調整の賦課金と、それから補給金を考慮いたしまして、なお先ほど申上げました経費の節減、及び合理化というものを考慮しまして、漸く辻褄を合せておるわけでございます。火力の補給金は二百二十七億のほうに加えてございます。そうして経費の節減、合理化の三億三千五百万円を考えまして收支を零としておる次第でございます。次に生産原価中に占める電力費の問題でございますが、これは説明資料の最後に八という青い紙で書いたところがございます。電気料金改訂の他産業並びに生計費に及ぼす影響調書といたしまして、他産業に如何なる影響があるか、それから一般生計費に対しましてどういう影響があるかということを示しますと共に、電気料金と、他の公益事業料金との値上率の比較表を御参考のために添付いたしましたのでございます。丁度時間になりましたようでございますので、私の今回の説明はこれで終りにいたしたいと思います。
  27. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今ので参考人諸君の料金改訂に対する基本的な考え方、理由、並びに提示されました資料の御説明は終りました。若し御質問がありましたら逐次御発言を願います。
  28. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 議事進行について申上げたいのですが、今お聞きいたしました点についてまとまつた御質問をいたす前に、我々が入手しておつた資料との食違いの点等で質問にもならない点が少しあると思いますが、そういうものを前以て質して、それから進みたいと思いいます、如何ですか
  29. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 結構です。
  30. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 先ず四国電力にお尋ねいたしますが、四国電力から公益事業委員会にあらかじめ御提出になりました申請の内容と比較をいたして見ますと、損失電力のパーセンテージが大分違うようでありますから、その点を伺いたいと思います。今日御説明頂きましたところによりますと、総合損失率が二十五年度実績では平均三一%であつたのを、合理化対策を進めることによつて二八%に向上させたい。こういうことがありましたが、私どもの得ておる資料によりますと、二十六年度予想は二二%ということになつておりますが、如何ですか。
  31. 菊池宏

    参考人(菊池宏君) お答えいたします。その資料には具体的にどういう数字が載つておりましようか。
  32. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 数字を申上げますと、水力発電、火力発電、地帯間融通を全部入れましたのが十五億一千八百五十三万一千キロワツト・アワー、それに需用端の電力が十億九千三百三十四万二千キロワツト・アワーで、それの総合損失率というのが二二・〇%、こういう工合なつているのです。
  33. 菊池宏

    参考人(菊池宏君) それはパーセンテージの誤植だろうと思いますが、二八%でございます。
  34. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 これは計算をやつて見ればわかりますが、二八%が本当でございますか。
  35. 菊池宏

    参考人(菊池宏君) さようでございます。
  36. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それから九州電力にちよつとお尋ねをいたしますが、この新らしい二十六年度予想では二六・二%になつておりますが、二十五年度実績は何%ですか。
  37. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 二七・二%でございます。
  38. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私が質したいのはその点でございますが、その他……。
  39. 結城安次

    ○結城安次君 これはどなたでも結構ですが、退職手当のことでありますが、大体在勤日数は、どれくらいの平均で退職するという見込みですか。
  40. 山本善次

    参考人(山本善次君) ちよつと今調べましてお答えいたします。
  41. 西田隆男

    委員長西田隆男君) どなたかおわかりになるかたはありませんか。御答弁のできるかたは御発言を試みて下さい。
  42. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 大体私のほうの例で見ますと、十年で二十七万円ぐらいの退職金になります。それで従来大体年にやめます人は千二百五十人ぐらいでございます。二万五千人で千二百五十人でございます。
  43. 結城安次

    ○結城安次君 それからこれもどなたでも結構ですが、私どもの聞いたところによると、日発昭和二十二年、三年、四年に亘つて水力発電所は八割五分から九割まで殆んど補修して完全な状態にしておいた。それから火力発電所は大体設備は届いている。その後水力は大して補修の必要はないはずだ、火力は大体休みながらやるのを、この頃は休めないから相当火力については補修費が要ると思うが、水力は大した補修費は要らないはずだと思うがというような話を伺いましたが、日発が二十二、三十三、二十四の三年間で非常に改修をしたということはお認めになりますか。
  44. 山本善次

    参考人(山本善次君) 戦後非常に改修をいたしました。併しながらそれはやはり資金不足、その他の事情で一応改修をいたしたわけでございますが、それらは特別改修工事費として仮に支払をいたしております。これを七カ年で償還するということをやつておりました。先ほど仰せの火力の問題でございますが、これとても我々の日から見まして、まだ大切なる点、何といいますか、メイキヤツプといいますか、最後の仕上げに至つていないということでございます。尼崎の火力は一通り改修ができまして、昨年度は全国で、二百万キロワツト近い、百九丁万キロワツトほどのピークを出しました、けれども、それでもまだ長時間の運転に堪えません。又石炭の灰分の多いものに対して、ボイラーの修繕が不足していると思います。至るところ細かい修理の数量はたくさんあると存じますが、一通りの大づかみな復旧はいたしましたが、まだまだこれから微細な点に亘つてやらなければならない。かようになつております。
  45. 結城安次

    ○結城安次君 今度これもどなたでも結構ですが、昨日から伺つたところでは、補修費或いは特別補修費の名義で、木柱その他相当修繕しておる。又木柱のごときは立替えておる、新らしくしておる。これを修繕費で出しておるようですが、償却のほうには入つておりませんか。
  46. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) 木柱の立替えというのは修繕費で出しております。
  47. 結城安次

    ○結城安次君 ですから、木柱に関する償却は入つておりませんか。償却の中に木柱の固定資産が何百億かになつておるのですが、六百何億あるそうですが、その償却は入つておりませんかというのです。木柱はやはり固定資産なつておりますね。
  48. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) ええ。
  49. 結城安次

    ○結城安次君 その償却は入つておりませんかと伺つておるのです。その償却は二百五十何億に入つておりませんか。
  50. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) 償却の中に入つておると思います。
  51. 結城安次

    ○結城安次君 そうすると、新らしく立てたものは修繕費で出しておる。新たに拡張のためにやつたものでなければ要らんことになると思うのですが、如何ですか、償却は……。
  52. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) ライフを更新するために立替えますものは減価償却のほうでありますが、修繕のほうは位置替えその他特別に修繕を要するものは、例えば急に風が吹いてそれが倒れたというような小修理のほうは修繕に入れております。併し本当にライフが来て立替えるものは、これは無論減価償却です。
  53. 結城安次

    ○結城安次君 ライフが来て立替えたものは修繕費でないというお考えですか。
  54. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) はあ、それ……。
  55. 結城安次

    ○結城安次君 この昨日頂戴した書類の中には、木柱の立替え、新らしくしたものは償却で出したと書いてありますが、関西じやなかつた、ほかにありましたが……。
  56. 西田隆男

    委員長西田隆男君) どなたか御答弁のできる人おりませんか。
  57. 山本善次

    参考人(山本善次君) これは木柱の金は非常にたくさんございまして、成るほど立替えて生命が更新される。かかるものは償却をしないほうが適当かと存じますが、税法上の問題が非常にむずかしいので、明確にお答えできませんが、一カ年間に立替えする数は非常に少なうございまして、例えば北陸のごときは二十四万本もございますが、それらの建替えはなかなか行えない。然るに長い間にいろいろと不適当な配電線もできますので、これは償却の中に入れて、そうして立替えはその償却をどんどん減して行くほど完全な立替えはまだできておりません。今後たくさんやらなければならんと思います。
  58. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私二、三点に亘つて御質問いたしたいと思いますが、先ず第一点に四国と九州の両電力にお尋ねをいたします。今度の値上率の業種別の割合を見てみますると、全国的な傾向は定額電燈、或いは電燈につきましては、電力よりも割安な、値上率の割安な傾向をとつておるわけです。ところが北海道と四国と九州だけはこれは逆でありまして、定額電燈、従量電燈は総平均率よりも上廻つて値上率が定められております。で北海道のほうを聞きましたところ、これは北海道は冬季等のいわゆる点燈時間が長いために、こういう結果になつたのだという御説明がございましたが、一番南のほうの四国、九州はどういう理由でこうなりましたのか、伺いたいと思います。
  59. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) これは先ほど料金決定の基本といたしまして、原価計算を基礎として、現行の料金を勘案して決定いたしましたと申上げましたが、九州におきましての原価計算におきましては、定額は原価において九円五十七銭につくわけであつたのでございます。これはお手許に差上げてあります説明資料の後半のところに書いてございます。それが改訂後の料金におきましては八円九十七銭と相成る次第でありまして、原価的に申します場合は定額のほうがまだ幾分低めである。こういうふうに考えられるわけでありますが、併し、原価までに一足飛びに値上げをいたしますことは、需用家に対する影響ということもありますので、今回は基準値上げより幾分引下げ、需用者料金のほうで占めになるが、その程度値上げにとどめたのであります。
  60. 菊池宏

    参考人(菊池宏君) 四国の事情を申上げます。只今御指摘の率は本日差上げました表を御覧頂きますと、若干違つておるのでございますが、本日差上げました第二頁の新旧料金による收入予想比較表の一番右の端の欄を御覧頂けばわかりますが、総合して七割三分を予定いたしておりますが、定額電燈は六割、従量電燈は六割八分、電燈を総合いたしまして六割五分ということに考えておりますので、前回の考え方を若干改めて出しております。
  61. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 わかりました。そうすると残るものは九州だけになりますが、この九つの配電会社が、電力会社が殆んど同じ傾向を辿つて定額、従量、小口、大口というふうな工会に値率がだんだん累増されておりますのに、九州だけがどうしてそういう現象が出るのですか。単価から出たというまあ御説明でありますけれども原価計算はどうしてそういう現象になるわけでありますか。
  62. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) これは他社の原価内容、それから原価を如何に基礎的にとられたかという点が判明いたしませんと、他社のことは申上げられませんが、九州といたしましてはお手許に差上げてあります通り原価計算に基いて算出いたしますと、先ほど申上げましたような結果に相成るものですから、定額需用家に及ぼす影響を考慮いたしまして、原価までに一足飛びに行くとこはやめて、この程度に組んだわけであります。その点は他社とのバランスということは一応度外視して、原価に基く料金という立場をとつたのであります。
  63. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 これは大衆料金、いわゆる家庭に及ぼす影響を最も端的に示す点において、九州と北海道とか他の電力会社と全く逆な現象が起きて繋るのでありまして、考え方によりますと問題は重要であります。すでに各社の個別原価計算がいずれが正しいか正しくないかは私どもここで今審らかにできないわけであります。いずれも正しいかも知れませんか、或いは若干違つておるのかも知れませんが、大衆消費者に与える影響が甚だ大でありますから、これは公益委員会のほうへよく伝えまして、そうして真実に有効なものであるように注意を喚起いたしたい。そうした考えであります。それから本日御説明をされました企業合理化でありますが、その予定を、その金額を拝見いたしますと、関西電力の三十三億九千十四万円を筆頭にいたしまして、四国の四千五百五十五万円までいろいろありまするが、関西は非常にたくさんな金額なつております。あと中国、九州、北陸、中部等は大体三億円乃至四億円程度であります。それでどうして同じような企業形体であり、そして会社の規模はそれぞれ違うのでありますが、規模の大きさに比例したような企業合理化の絶対値が出ないのか。この点非常に私ども理解に苦しむのでありますが、それぞれ御説明頂きたいと思います。
  64. 真田安夫

    参考人(真田安夫君) 合理化の計数的な数値ということはなかなかむずかしい点もあるのでありまして、まあ仮に正常と申しますか、一応このくらい要るというような線を立てる場合に、その立て方において多少の食違いがあるのではないか、そういつたうな点から内容を切下げる場合に各社区々ではないか、かように考えております。
  65. 菊池宏

    参考人(菊池宏君) 四国の合理化説明書が甚だまずい書き方でありますので、これ又誤解を招きまして甚だ相済みませんのですが、只今御指摘のあの数字は擅用損失減少の目標を、メガワツト・アワーでありますが、四千五百五十五メガワツト・アワーを出しておりますので、これを含めまして、金額的な合理化は三億四千八百万円を計画いたしております。なお又この擅用ロスの減少、それから燃料費の節約などによりまして、浮び上らしますキロワツト・アワーを仮に発電所の新規建設というような考え方をいたしますと、九千キロ或いは一万キロ前後の水力発電所の新設と同様の効果のあるものというような意味で、合理化を進めよう、というつもりでありますので、御了解をお願いしたいと思います。
  66. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) これは先ほどの御説明のときにちよつと申上げたと思いますが、九州は全国の他地区に比較いたしまして、火力を主とする地域であるために、七割五分の値上ではどうしても総括原価が賄えない。これを七割五分に近づけるという一応の操作は合理化によつてやつたわけでありますが、その数字は先ほども申上げましたように、一応除外いたしまして、お手許に差上げました三億三千五百万円は更に第二次の合理化としてやつた分を計上したわけでございます。それで関西さんの出した方がどういう基礎に基いたかを比較して頂かないと、数字的の比較では比較が困難ではないかとこう考えます。
  67. 大岩三郎

    参考人大岩三郎君) 企業合理化と言いますのは、これは非常に見方がいろいろあると思うのでありますが、私どものほうでは、いわゆる企業合理化と銘打つて出したものの金額が三億数千万円になつておるわけでありますが、併しいろいろの工事自身にすでに企業合理化相当織り込んでおりますので、例えば一般の修繕工事をやりましても、その修繕工事をやつた結果、最初電力量が、一億七千万キロワツト・アワー電力として出て来る。これを一つの企業合理化という見方からすれば企業合理化であると言えると思うのであります。そういうものを特に企業合理化としてここで現わさなかつた、こういう点でいろいろ各社間で出る数字がまちまちになるじやないか、私どものほうとしましては、そういうことを十分織り込んだものがすでに経費に現われておる。従つて、それ以上に第一段階として企業合理化であると言つて特別にやるものが三億数千万円になる、こういうふうに私は解釈いたしております。
  68. 野村憲一

    参考人(野村憲一君) 企業合理化数字は、それぞれのその会社の規模により、或いは電力の需用構成によりそれぞれ異なるものでありまして、私ども会社におきましては、非常に電源をたくさん持つておりまして、比較的経営経費は他社の構成よりも少いのであります。なおロスにつきましては、現在では日本全国の最低位にございますので、それぞれ努力する幅もおのずからその間に限界がございます。併しここに出しました数字は、我々としては少なめの数字を出したつもりであります。
  69. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 三十二億九千万円という数字はこの通りでございますね。
  70. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 私ども企業合理化数字が大きいというお話でございますが、これには多少関西の特色がありますのでありまして、御承知の通り関西の大部分の電源というものは中部並びに北陸の管内にございます。従つて需用地までに持つて来る電力損失というのは現在非常に多いのであります。それからもう一つ盗用、擅用の電力が大阪その他大都市が多いために、朝鮮人が多いとか、或いはそういう商人根性の人が多いという関係で、他社に比べると多いのでございます。従つてこれに対する企業努力の目標というものは相当大幅に考えなければならん、こういうものを電力に織り込むべきでないという意味で大幅に考えておるのであります。従つてこの合理化の三十三億の六七割はこのロス及び掛用の軽減ということによつて合理化をしたいというふうに考えておるのでございます。  もう一つ大きい点は、火力を余計持つております関係で、火力発電所を能率よく運転して、できるだけ石炭消費を少くするという考え方で、消費率を大幅に向上するということを考えております。その二つに上つて三十三億のうち約三十億、その他人件費その他によりましてあとの二三億を出す、そういう考え方でこれはできておるわけであります。従つて多少関西だけの特色として多いという点があると思います。
  71. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私はこの御質問申上げておりまする要点は、当然そういう工合企業合理化を推進いたしまする裏付として、今度の原価計算の中には修繕費の予算が組まれておるわけであります。従つて私はこういう企業合理化を行いますということによつてその裏付としての修繕費が多額に計上せられて、而もそれが実行不可能のような恰好になつては甚だ以て好ましくないと思うわけです。飽くまでも実行可能なものを組まなければならんと思う。そこで間もなくお手許へ配りますけれども、各会社資本金、従業員、或いは指導費、修繕費、その他販売電力量等で、全部を全国平均の百分率をとつてみますると、北海道から始めて九州まで大体資本金の比率に、大同小異でありますけれども大きな振れ方はないわけであります。資本金の比率に似通つておるわけであります。そこで私はこういうようなあらゆるものがそういうことになつておるといたしますれば、合理化内容におきましても、会社の規模によつてそれぞれの枠というものがあるじやないかと思う。只今説明を伺うところを見ますると、大きい会社も小さい会社も殆んど企業合理化の絶対額というものは同じところにある。関西配電だけが約十倍ぐらい余計企業合理化をおやりになるような計画になつておるわけであります。従いまして、これは修繕費計上に最も関係のある問題であろうと思いまするので、この点は理解の行くような一つ御説明を頂きたいと思うわけであります。
  72. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 赤羽さん、どうです。関西と九州とでは発電力に大した差はないようですが、関西の三十数億に対して三億何千万円という程度合理化の費用しか出ないようですが、何かありますか。
  73. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 九州は先ほども申上げましたように、合理化金額は九州としまして最も多額に出ますのは、これは石炭の熱管理の向上による面が考慮されれば相当出るわけでございますが、併しこれは先ほども申上げましたように、今回の予想におきまして、旧配電会社の分、それから旧日発の分、両社の全設備を合わせまして〇・八三というものをすでに見込んでしもうたわけであります。これは過去の実績から比較して見て頂けば、その間に相当合理化が考慮されておるということがわかると思います。そういうものを仮に一応昔の数字のような形に直して差額を出せば、九州においては火力面の合理化相当金額に上ると思います。そういう点に相違を来たしておるのではないか、こう考えるのであります。
  74. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 この問題は、限られた時間でここで全部を究明するわけには参らないと思います。従いまして公益事業委員会料金の決定をされる場合、修繕費企業合理化との関係をどういう工合に見られるかという点がポイントになろうかと思いまするので、参議院の電力委員会においてはこういう点に関心を持つておるということをやはり公益委員会のほうへ意思として通達をされるようなお手配をお願いしておきたいと思います。  それから次に只今お配りしました表を御覧になるとよくおわかり願えると思いますが、特に北陸電力にお尋ねをいたしたいと思いますが、北陸電力の先ほどの御説明によりますると、役員並びに理事の数におきましては、現職の人のほかに増加人員をこの中に予定をして入れられております。それで今度の問題は従業員等の関係におきましても、非常にシビヤーに人員の抑制ということが謳われておりますが、役員理事等はそういう工合にいたしまして将来の増加までも含めるということが正しいとお心得になつておられるかどうか。この点を伺いたいと思います。  それから第二点はこの表で御覧のように、会社の大きさは随分違うのでありますが、北海道から九州まで役員の数、理事の数は殆んど同じ比率であります。これによつて予算がとられているのでありますが、従業員のほうの割合は大体資本金その他の比率とバランスのとれたような恰好になつておりまして、いわゆる今社の経営の衝に当られるところの役員、準役員の数が殆んど同数であるというとであり、而もその単価のごときも、これはそこまで申上げるのは如何かと思いますが、非常勤の重役のかたまで入つて平均九十万円という工合に、一括して全国どの会社も同じ額で計上されております。同額であります。従つてこういうような点を企業合理化を推進し、電気事業の将来のために大いにやろうといつておられる経営者の皆さんがたが自分の身辺のことはどういう工合にお考えになつているか、お伺い申上げます。
  75. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 第一の点、山本君お答えを倣います。
  76. 山本善次

    参考人(山本善次君) この表に役員二十名とございますが、今回計上いたしましたのは十五人でございまして、僅かに増員をいたしたいと、かように考えております。又理事の数も五名にしたいと思いますので、括弧の三十三は三十となるのでございます。北陸といたしましては仰せの通り非常に世帯も小そうございますので、できるだけ役員理事の一致を増加しないでやつて行きたいと、かように考えております。
  77. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 第二点について宮川君御答弁を願います。
  78. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) 人員は二十名とありますが、これは十三であります。二十名は定款にある数字つております。十三名の現在の理事を変える考えはありません。
  79. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私の第二段の御説明がまだ頂けていないと思いますが、どなたか……。
  80. 西田隆男

  81. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 恐れ入りますが、ちよつと御質問の要点を。
  82. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 第二点のほうは、会社の規模に、よりましてあらゆるエレメントが殆んど資本金の百分率に大体近いような数を示しております。従いましてこれは従業員も示しているわけでございます。従つて役員或いは理事等の数、或いはそれに比率される金額というのも、非常動の従業員は別でありますが、経常的の系列というもの、はやはりこれと同じような系列に収められるのが正しくないか。そうして又今日こういうような困難のときに事業合理化を行ないまして、而も事業の振興のために新らしく蹶起しようとして起たれたかたがたでありますから、率先垂範の意味からもこういうところへお手盛りのような恰好が若し出るとしますならば、国民の理解を深める意味において極めて遺憾ではないかと、こういう意味を申上げておるのです。
  83. 井上五郎

    参考人井上五郎君) お答えいたします。只今御指摘の点につきましては、実は先般来この特別委員会において御審議がありました当時もこの点はお答えした点ではないかと思いますが、三月一日の仮決定において各社想定された役員が過大であるという御意見等もございました結果、一応当時十一名乃至九名という役員がきまりました。ところが定款におきましては大部分の会社は十五名以内、取締役十五名以内、監査役五名以内ということで、例えば中部電力におきましても、役員数二十名計上されておりますのは定款による数でございまして、実際は只今御指摘がありましたように、各会社実情に応じましたる最小限度でやつて行きたいというので、御指摘の通りに考えております。但し申上げるまでもなく、大部分の規模は、只今栗山委員から詳細お調べを願つた表に御提示がありましたように、その規模に何らかの比例的な数字を持つということは当然なんでございます、役員数のごときは会社が小さい割合には減らない。大きくなりましてもその割合には殖えない。或いは又会社資本金等だけの比例ではなぐ、例えば非常に地域が広汎であるがごとき会社におきましては、それぞれの地域に役員を置かなければならないといつたような関係から、必ずしも会社の規模にのみよらないかと思うのであります。原則的には東京並びに関西が役員並びに理事の数を寄せたものは若干多い。中部のごときがそれに次ぐものである。私どものごときがそれに次ぐものと思いますが、原則的には只今おつしやつたように、こうしたところに冗員と申しますか、必要以上に役員を置いて世間の批判を買うといつたようなことは万々ないように心掛けようと思つております。
  84. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は大体よく理解をいたしましたが、問題は今度の申請書の中を見ましても、定款の数でおやりになつている所と実数でおやりになつている所がある、これは昨日も松永委員長代理も実数でやるべきであるということをおつしやつた。それからその単価の問題におきましても、いろいろと内容構成は違うのでありまするから、従つてもう少し親切な、実際に即するところの計上をせられるべきじやないかと思いますので、この点も先ほどと同しように一つ公益委員会のほうにこの委員会として通告をして頂きたいと思います。  それから値上率の点について私どもよくわからない点がありますので、一度お聞きしたいと思いますが、これはやはり各社関係あることでありまして、只今説明を頂きました資料を見ましても、新旧料金による収入予想比較表というものが作られておりまして、現行料金と改正料金と並び記載されて値上率が述べられているのであります。併しこれは今度の計画によりまする販売電力量をそれぞれ現行料金と、改正料金とで販売いたしました場合の値上率なつているわけであります。併し本当に国民が知りたいところの値上率は実は昭和二十四年の十二月十三日に改訂をいたしまして、あのときにはここで私改めて申上げるまでもないのでありますが、総括原価は五百三十六億三千七百万円、販売電力量は二百二十五万キロワツト、一キロワツト当り原価は二円三十七銭四厘一毛、こういうことで計算をされているわけであります。従つて仮に四国の場合を例にとりますと、現行料金による単価は二川九十六銭である、改正料金は五円十三銭である、従つて引上率は七割三分である、こういう工合に割切つておいでになりまするけれども、本当の今の料金の値上というものは、この二四年の十二月十三日の当時物価庁が策定をいたしました一キロワツト当り原価二円三十七銭四座一毛が基準なつておるのではないかと私は考えるのであります。そうして特にそのことは何故私が申上げるかと言いますと、東北、北陸電力から説明がありましたときに、大口電力においでは二十四年の十二月十三日の値上のときに却つて値下のような現象が起きている、従つて今度の料金計算では八割値上であるということを大口需用家に力説いたしましても、実際に大口需用家は二倍も二倍半も上つたというので苦痛を訴えている、こういうことが言われている。これはまさにその値上の基準であるところの点がずれているからこういう現象が起きるのではないかと思うのであります。若し仮に大口需用家が値上げせられなくて、今度八割の値上で二倍半の値上であるということで苦痛を訴えられるものとしますならば、一般消費者はすでに値上は実際に行われておる。更に今度六割の値上げが行われるのでありますから、現実には二倍、三倍という値上が行われた、こういうことになるわけです。従つてその辺の点をどういう工合にお考えになるのか、お聞きしたいと思います。
  85. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) 只今の二円三十何銭というのは総平均ですか。
  86. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 総平均です。
  87. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) 総平均でありますと、そのときの値段が各社とも違つておるわけですね。一番安い所が北陸で……
  88. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それは各社は違いますが、私どもこれと完全にマツチし得る全国の今度御申請になつたものの統計したものを持つておるわけです。それをちよつとお答えしますが、二円三十七銭四厘で、これの倍率が一、三二二倍です、その当時の計画は……。ところがこないだ公益委員長並びに安定本部から御来席を願つて伺いましたところ、二十四年度には異常豊水があつたために思わない数字が出て、そうしてそれを全部計算いたしますと、その値上率は計画が一・三二二倍であつたのが一・五九倍であつたというふうにここで証言せられておるわけであります。従つてそのことは単価が上つたということを現わしておるわけであります。
  89. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) その基準というのは、さつき一番さきに申しましたが、一・三二倍というのが標準料金のほうでありまして、そうしてアロケーシヨンを麺えておるというのが別になつておるわけですね。
  90. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それは別です。
  91. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) それが今度入りますから……。
  92. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それを入れますと一・五九倍になる、実萩においては……。そういうことが言われております。ですから、その数字は別といたしまして、考え方でございますが、考え方を二十四年分十二が十三日の計画当時と今日の計画とで比較すべきものではないかということを申上げておるわけでります。
  93. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) その前の計画の表にも標準料金を超える部分が入つておらなくちやならないわけです。比較に、よつても……。その一・七三倍とか一・七五倍というのは、今度の収入のほうが普遍料金を超えた部分が入つておる。それはアロケーシヨンというものはないのですけれども、それは割当量というものがないだけであつて、実際には料金の中に入つておる。一番先に私が申上げましたようなあれでアロケーシヨンを始終変えられる……。
  94. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それは先ほど宮川社長が異常豊水があつたので、三十五億円の含み資産などが出たのだという御説明がありましたけれども、それはここに細かい資料がございますけれども、二十五年度の異常豊水によつて生れた収入というのは三百十一億円です、総額において……。決して三十五億というのじやございません。従つてキロワツト当り単価というのは二円三十八銭ということになつております。
  95. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) それは全部の平均じやないですか。
  96. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 全国の平均です。個々の数字のほうはここではわかりませんけれども、ものの考え方としてそういうことがあるので、どういう工合にお考えになりますかという質問を申上げておるわけです。結局東北、北陸電力から二十四年度のときに値上したけれども、大口工場においては実際値上になつていないと、こういうことをおつしやつた。それは単価でならなかつたわけではないのであつて、アロケーシヨンによつて大口工場がどんどん特別割当が行なわれて、そうして料金が下つておるわけです。従つてやはり基準になるのは十二月十三日のときの状態になるのではないかと私は思うのであります。
  97. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) 一昨年十二月十三日の料金によりますと、四国は安いほうからたしか七番目になるのです。ですから平均よりかずつと高いところにあると思うのです。ですからその全国総平均に比べたのでは、今度の料金は四国たけのものを比べたのではちよつと比較しにくいように思います。
  98. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 栗山君の質問はそういう意味じやなくて、一・三二二倍に値上げされたときを基準にして今度の値上の料金パーセントを考えるのが大体いいのか、或いは総収入から一キロワツト・アワー当り電力料金を弾き出した一・五九倍というものから今度値上りしたということに考えるほうが妥当なのか、いずれが正しいとお考えになるかということを栗山君はお尋ねしておるのですから、別に四国の算定の基礎が一・三が二円三十銭或いは二円五十何銭ということを言つておるわけじやないのですから、そういう意味で一つ……。
  99. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) それにつきまして、今栗山委員のおつしやる通りでございますが、我々としましては現在の料金が割当制というものの上に立つております関係上、先ほど宮川社長からお話がありましたように、或る一定の使用量以上に使いました場合には、それは追加料金を頂戴するということになつておるのでありまして、それがつまり余計石炭を焚きました分に対する一つの補償として頂くということになつておるのであります。従つて我々の今度の原価というものは、二十五年度実績の経費に対してどのくらい余計かかるのだということで計算をいたしておりますので、昨年の経費に対してどのくらい殖えるかということが結局値上率になるというふうに我々考えまして、本年のアワー予想を現在のレートで計算したものに対して、各社ごとに値上率を考えておるわけなのでございます。
  100. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そういたしますと、まあ私がもう少し研究してみないとはつきり断言をして申上げることは過ちがあるので控えたいと思うのでありますが、結局消費者の側から立ち、而も何倍という値率をこの前の値上のときから理論に合うように考えて行くという場合には、ここでただ参考的にお示しを願つた倍率では本当のものを現わしていないということが言えるのじやないかと思いますが、その点如何でございますか。
  101. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 今栗山委員のおつしやる通りで、一昨年の十二月に考えましたそのときの原価計算による需用者の負担から見ますと、おつしやる通りであります。それからの値上率を考えなければいけませんけれども、現状の、現状と申しますのは一番近い一カ年でございますね、一番近い一カ年から需用者の負担がどれくらい殖えるだろうということから考えますと、今の倍率でいいんじやないかと思います。
  102. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうすると、それを更に演繹して申上げますと、昨年の実績を、とにかくまあ異常豊水の実績を計画されたものと同じにまあ認めるということが前提になるように思います。従つて昨年の異常豊水のときに、三百十一億というまあ五百何億に対しましてそれだけ余分の収入、計画外の収入が上つたわけでありますが、それは一部は火力料金的なもので、一般需用家のほうへは全然割当の枠が殖えておりませんから、逆に言えば、水力の発電電力火力料金で徴収されたようなことになるわけです。そういうようなものを一つの静定事実として認めて、そうしてその上に立つてこの比較計算が成立つておる。こういう工合に考えてよろしゆうございますか。
  103. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 昨年の異常豊水ということをおつしやいますけれども、異常豊水だつたのは一昨年でございまして、この一、二、三月は相当渇水でございました。この二十五年で我々想定いたしておりますのは、四月から三月の線で想定いたしておりますので、大体まあ一カ年では多少豊水でございましたけれども、そう一昨年みたいなことはないというふうに考えます。  それからその石炭のほうも、昨年は御承知の通り五百万トン焚いておりますから、今年は六百五十万トンですか、六百五十万トンの想定ということも昨年の五百万トンに対して想定しておるわけでございます。
  104. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私はここではつきりと決定をいたそうと思つておりません。どうせいろいろな問題を公益委員会に参議院の委員会としては意見を申述べることになりますので、その申述べるときに、あなた方のお考えになつておる点と余りにもかけ離れたことを申上げたんでは業者の方にも御迷惑でありまするから、我々の考えておることが間違つていないか、いるのか、その点を証言をして頂きたい、こういうつもりで発言をしておるのでございまして、御理解を願いたいと思います。従つてこの倍率というものは、消費者、需用家の側から見ると、とにかくこの倍率がそのままではないような気がする。そういうことについては間違いございませんか。
  105. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) それが先ほどから申しておりますように、一昨年十二月の値上当時のものから見ますれば、需用者の負担が今おつしやるようにもう少し多いんだということは、そうだと思いますけれども、それは先ほどから申しておりますように、割当制というものの関係で、まあこのエアースの考えましたいわゆる割当制というものは、或るアワーをフリーズしまして、余計使いますればそれだけ石炭を焚いてもらつてもいいという料金で、そういうものは石炭がだんだん殖えるに従つて需用者の負担が殖えるという仕組みになつております。昔のような一本のレートでちやんときまつておりますと、成るほどもう一昨年のレートにばんと掛けたものが値上率というものになるのでございますが、そういうような割当てた石炭というものの関係がございますので、やはり昨年のものと比較して……最近のものと比較して頂かんといかんと思うわけです。
  106. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それからもう一点明らかにいたしておきたいことは、丁度先ほど大口の需用に対してはあれだけ大きな値上をしたのでありますが、それでもなお且つ実際には値下をしたと同じようなことがこの一年半ばかりの間に行われて来た、それはアロケーシヨンの問題でありまして、最初予定されたより以上アロケーシヨンの枠の拡められた部分が電力へ廻り、更に大口のほうへ重点的に廻された、こういうことになると思う。従つて一般電燈或いは五十キロ未満のような小口の需用に対しては余り枠の拡め方はなかつたんでありまするから、従つてこれを逆に申しまするならば、異常豊水による利益というものは大口需用のほうが大体その恩典にあずかつて、そうして割当の全然殖えなかつた家庭なり或いは小口の中企業の動力というものは、水力電気で当然配当せらるべきものを火力料金を払つておつた、こういうようなことに私はなるんじやないかと思いますが、この点は如何でございましようか。
  107. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 大体おつしやる通りでございます。
  108. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 この点はやはり公益委員会も公共機関として、国の行政機関として料金問題を扱われるのでありますから、是非は別として、とにかく公益委員会自身も公正妥当、いずれにも偏しないところの決定をし、発表をせられる義務があると思うのです。従つて今の料金値上げ、或いはその業種別の問題については相当な問題が残つておることが明らかになつたと思いまするから、この点も公益事業委員会にはつきりお知らせ願いたい。  それから次に償却の問題でありますが、これは安定本部から出されました資料によつて、業者の希望されておる定率法を適用いたしますると、二百五十億円の償却積立金を要する。ところが定額法で行いますると百億円余りでよろしい、即ち百五十億円そこに定額法と定率法においては差が生ずるということが説明せられたのであります。ところが昨日東京電力の安蔵さんの御証言などによりましても、電力事業が仮に再評価をするとしても、決して新品時価で全額を再評価するわけではない。すでに電気事業の設備というものは相当長い経過年数を経ておるのでありますから、再評価をしてもキロ十万円かかる発電所であれば再評価しても二、三万円くらいのことであろうと、こういうことを言われておつたわけでありますが、そういうことから類推いたしますると、定率法と定額法との間に二百五十億と百億、差額百五十億というような大幅なものは出ないのではないかという説も最近あるわけであります。従つて国民としては定率法、定額法をやかましく問題にしておるのは、定率法がいい、定額法がいいということよりは二百五十億と百億との差が余り大き過ぎるからして、それを元にしては論争が行われておる、いわゆる金の問題が中心になつて論争が行われておると思うのです。そこであなたがたといたしまして、本当に定率法と定額法とをやりますると、安定本部の言うがごとく二百五十億、百億というような百五十億の開きが出るのか出ないのか、この点を一つ御説明して頂きたいと思うのであります。
  109. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 只今御指摘のありました通りなのでありまして、定率法であれば二百五十億、定額法であれば百五十億も違うということは、一般に非常にこうした考え方が流布されておるように思うのでありますが、私どもはそれは少しく計算の前提が違うのであります。と申しますのは、定額法によりました場合には、残存耐用年限のとり方が定率法よりも延びるのであるという前提を持ちますとそういう計算も出るかと思うのであります。只今大蔵省で税法上から考えております考え方は、さような考え方ではないように思うのであります。電気事業全体が定率法でやつた場合には幾らになり、定額法でやつた場合には幾らになるということを私数字的に持合わしておらないのでありますが、中部電力につきましてその点を計算いたしますと、先刻御説明申しましたように、私ども定率法計算をしておりまして、年額二十九億円の償却金が要るということを申上げておるのであります。若し定額法でやりますと、三、四億円これよりが少くなるかと考えております。先ず一割とか、一割五分ぐらいの違いが出て来るように思うのであります。私ども定率法がいいということを主張しておりますのは、金額の問題と申しまするよりか、計算上の、経理技術上の問題と申したほうがいいかと思うのでありますが、と申しますのが、現在現実に電気事業定率法による償却を施行しております。それが第一点。  それから御承知のように再評価法による再評価の限度額というものは原始建設費が再評価をされて、いわば再生産価格に評価替をされたであろうものを、今日まで定率法償却したであろうという金額に基いた再評価というものができております。従つてそういうふうに再評価をしたものをこれからあとは定率法はいけない、定額法でやるということは何か理論的にも一貫しないところがある。それが第二点であります。  それから第三点といたしまして、電気事業は御承知のように非常に急速に今後電源の開発等が起ります。従つて償却金というものは非常に急激に殖える性質を持つておるのであります。その点から言いまして、定額のほうが若し設備の増加がないならば料金としては安定すべきであります。現実の問題といたしましては、定率のほうがむしろ安定する料金がとれるのではないか、こういつたような点が第三点として考えられます。  その他まだ定額法によりますと、残存耐用年限の個別の想定をすることが実際問題として困難であるといつたような経理上の問題等もありまして、私どもといたしましては、現実に只今つております定率法のほうがいいのではないかと考えております。只今栗山委員から御指摘がありましたように、一般には定率法がいいのか定額法がいいのかというよりは、定額法であつたら安くて済むのじやないかという御見解が多いのかと思うのでありますが、私どもは必ずしも今日伝えられておるごとき多額の変化はない、こう考えております。
  110. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 この問題は今日もまだ井上社長からもはつきり絶対値においてお示しがあつたわけではなくて、ただ大体の見込みとして定率法と定額法の場合との差額は大体一〇乃至二〇%くらいだということが言われたのでありますが、併し安定本部はそういうことを前に強調いたしております。それから昨日も午前中の委員会において、中川経理長はやはり二百五十億、百億ということを繰返しております。これは非常にどちらが正しいのか、私も償却のことはまだよく勉強いたしておりませんからここで意見を述べることは差控えまするけれども、今日料金の問題の一番中心になつておる、国民にこれだけ大きな問題を投げかけておるこの問題が、これほどあいまいであるということは甚だ遺憾だと思います。従いましてこの問題も一つ公益事業委員会の責任において緊急に調査をして、そうして世間に早く発表をせられるようにこの委員会として努力をいたしたいと思います。昨日の東京新聞などにもこの問題は出されておりまして、ますます国民は疑惑を持つのみでありますから、一日も早くこの点は打開される必要があると思うのであります。これをお願いしたいと思います。  それから今日の表の中で諸費の点をちよつと伺いたいと思います。諸費は大体各社とも殆んど前年度実績の倍額をちよつと超えるくらいに、五〇%増し程度予定されておるようでありますが、私はただ昨年度実績というものが我々もよく承知をいたしておりまするように、電気事業の再編成問題が非常に輻輳をいたしましたために、この諸費関係が思わない膨脹を各社ともしたと思うのであります。これは必ずお認めを頂けると思うのでありますが、その思わない膨脹をした実績に対しまして更にこの程度の引上をしなければならんということがちよつとわからないのでありまして、諸費等はもつと縮減をできるのではないか、こう考えますが、その点は如何でございましようか。
  111. 西田隆男

    委員長西田隆男君) どなたか発言を求めて下さい。
  112. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 九州電力に限つて申上げます。只今諸費が五割程度値上りであるというお話がございましたが、九州電力関係しておる費用といたしましては、一・一一、一割一分の増加にしかなつておらないわけであります。九州に関してはどうもその点どうかと考えております。  なお先ほどの点について戻つてよろしうございますか。
  113. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 何ですか。
  114. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 役員の数でございます。
  115. 西田隆男

    委員長西田隆男君) どうぞ。
  116. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 先ほど栗山会員からお波上頂きました九州の役員の数でございますが、表題を見ますと、料金改訂認可申請に添付された改訂案各社別の数字であると、こうお書きになつておりますが、先般お渡ししました私どものほうの資料におきましては、役員は実数十一名を採用し、それから理事も又十五名を採用いたしております。従つて二十名は十一と訂正され、三十五名は二十六と、実際出しておりますのはそういうふうに御訂正を願いたいと思います。
  117. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 宮川君、今栗山君の御質問の諸費の点について御答弁を願いたいと思います。
  118. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) 四国は三〇%になつております。
  119. 西田隆男

    委員長西田隆男君) あなたのほうは五〇%になつておりますが……。
  120. 宮川竹馬

    参考人(宮川竹馬君) 五〇になつておりますか……三〇になつておりますが。
  121. 菊池宏

    参考人(菊池宏君) 私がお答え申上げます。実績の三〇%増しを見込んでおりますので、実情この程度はどうしても止むを得ないと考えております。
  122. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 只今御質問の諸費の点につきましては、特別に再編成について冗費を便つたとは考えておりませんが、私の先刻御説明いたしました七十四ページにございますように、諸費につきましては経営合理化を一〇%乃至二〇%織込みました上で値上りによる三割五分の経費増を見てあります。従つてこの点だけは物価値上りは見ましたけれども、内部整理による節約は一方で織込み済みである、こういうふうにお考え願いたいと思います。
  123. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 中部電力の今の資料で雑費として三億七千二百十一万四千円ですか、計上してあるようでありますが、雑費の内訳は大体どういうふうな費目になつておりますか。それを一つ考査課長から説明して下さい。
  124. 大岩三郎

    参考人大岩三郎君) 内訳は今ちよつと直ぐに出ませんから、資料を見ましてから申上げます。
  125. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 大体諸費の点はお話を承わりましたが、その中で北陸電力は去年の実績が二億四千七百五十……、それが三億二千ばかりになつておりますね。ここが一番値上りが大きいと思いますが。
  126. 西田隆男

    委員長西田隆男君) どの会社でもいいですから、諸費のうちの雑費の内訳がわかつている所があつたら知らして頂きたいと思います。若しおわかりでなければ内容をあとで数字的に……。
  127. 大岩三郎

    参考人大岩三郎君) 申上げます。大体の内訳金額は、これは実績金額を申上げますから、ここへ出ている金額と必ずしも一致いたしませんが、私のほうの二十五年下期の決算報告によりまして申上げますと、会費、通信費、運搬費、補償費、賠償費、顧問嘱託、謝礼、接待費、交際費、諸雑費、こういうような次第であります。
  128. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 別々の金額はわかりませんか。
  129. 大岩三郎

    参考人大岩三郎君) 今の二十五年下期の金額でございますか。
  130. 西田隆男

    委員長西田隆男君) そうでございます。
  131. 大岩三郎

    参考人大岩三郎君) 会費が五百四十八万七千円、それから通信費が千三百九十万八千円、運搬費が一千四十六万一千円、補償費賠償費百五万、顧問嘱託謝礼百七十万二千円、交際費接待費が二千六百十九万九千円、諸雑費が二千六百九十七万六千円、以上合計いたしまして……
  132. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私が聞いておりますのは、諸費のうちの雑費の内訳を聞いているのであります。
  133. 大岩三郎

    参考人大岩三郎君) 諸費のうちの雑費がこれであります。
  134. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 次に石炭消費量のことで伺いたいと思います。この炭価とか、或いは輸送上の問題は別といたしまして、最近石炭の需要量が非常に殖えておりまするために、現実に火力用炭の、ごときは司令部からも特別供給の示唆があつたように非常に困難を極めていることは御承知の通りであります。そこで各社の計画需要炭というものはそれほど目につかないのでありますけれども、全国的に集計いたしますと、六百五十万トンにも及ぶのでありまして、こういう数量は到底国としても調達できないということを安定本部のほうでは言つているようであります。これがどれだけ調達されるかということは結局直接料金にも響くことでありまするし、更に電力の量の供給にも響くことでありまして、この問題は最も真剣に考慮し又最も適正に計画されなければならない問題であると考えるのでありまして、各社とも只今の状況におきまして料金改訂後一カ年或いは二カ年の見通しにおいてこの程度のものを料金のうちに織り込んでそうして引上げをいたしました場合に、供給の責任が持てるのか持てないのか、その点を明らかにして頂きたいと思います。
  135. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 関西電力の加藤君。
  136. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 石炭の点につきましては、先ほど御説明のうちに申上げましたように、昨年百四十万トンのものが本年は百六十七万九千トン焚くことになつておりまして、これの入手につきましては極力努力をいたしております。それから現在の五月の実績を見ましても、五月一カ月の計画量の内訳は当社といたしましては六万二千八百トンであります。それから五日の実績は十一万三千トンを焚いております。約七割増しの石炭を焚いているのであります。従つてこの計画量を年の延べに考えますと、これ以上の石炭を焚かなければ現在の需用は賄えないというようなことが予想されるのでおります。従つて安本においての御計画が少いということは我んも聞いているのでありますが、そういうような御許画、非常に冬に向うに連れて大きな制限が必要であるということが予想されるのであります。従つてでき得れば我我としては少くともこれだけの計画量ぐらいは年間に焚かなければいけませんし、確保しなければいかんというふうに考えているのでございます。併しこれだけの石炭だけでもこれから冬に向つて供給の自信があるかということは申上げにくいのでございまして、現在におまきしても関西は水が減つて来ますと、多少制限を始めておるような事情でございますので、今年の夏の渇水及び冬の渇水におきましては相当な制限をやらざるを得ないのじやないかというふうに考えて非常に憂慮をいたしております。併し水の利用並びに石炭入手に関しましては社長以下非常な努力を以てこれの入手に奔走しておるわけでございますので、そういう事情を御了承願いたいと思います。
  137. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私のお尋ねしておりますのは、これはこれだけ焚かなければ供給ができない。そして入手するために努力をしなければならん、これは当然のことだと思いまするが、日本の出炭量から見合いまして火力用炭としてそれだけはどうしても割当ができないと、こういうことになれば結局電力制限を行われなくても、料金面に異いてはその程度のやはり圧縮をしておくのが真実公正ではないかと考えるのでありまして、私のお伺いしておりますることは、安定本部がどう言おうと、通産省がどう言おうと各石炭事業者との間の話合いによりまして、総合計六百五十万トンというものは、料金織込の六百五十万トンというものは必ず確保できると、こういうはつきりした自信がおありであり、そして国民に対して責任を持つて頂くことができるならば、そうすれば私は料金にその全体量を織込んで一向差支えないと思うのです。ところが若しそれが確保できなかつたと、料金には織込んだが石炭は焚けなかつた、そしてじやんじやん停電をしなければならなかつたということになると、電気事業は又大きな国民的な非難を受けなければならなくなる、その辺の兼ね合いをどういう工合に率考えになるかということをお伺い申上げておるのです。
  138. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 加藤君御意見がありますか。
  139. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 只今のお話は御尤も差と思います。我々も努力はしなければいけませんけれども、全般的の観点から見まして六百五十万トンは無理だというような政府の御見解でありますれば、そういうような修正は或いは必要かも知れないと思いますが、そういう場合にはやはり我々の現在組んでおります需用総計というものが全然変つて来ます。従つてそれだけの電力量を減してそれだけの量しか標準には使つてもらえない、標準の量を全体的に下げて来るというような、根本的の料金制やその量のきめ方や何かにも考え方を変えなければいかんということはしなければいかんと思います。
  140. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 只今加藤君からお話がありました点で一応尽きておると思うのでありますが、つまりこの問題は逆の場合を考えまして、私どもこの量が懸念があるということは確かなんでありますが、少く見積るということは、逆に非常な又今日の特需関係或いは日米協力態勢からいつてこれだけの量を見てもなお且つ不安なんであります。内地の石炭で十分賄い切れない場合には台湾炭を入れる、或いはその他の外国から炭を入れてでも供給を確保しなければならないと、こういうふうに考えておるのであります。
  141. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 石炭消費といたしましては、これは九州が一番多いわけでありますが、只今栗山委員からも御質問がありましたが、供給責任を果せということが電気事業に課された一番大きな問題といたしますと、九州に導きましては今回組んでございます二百十万トンの石炭で供給責任を果し得るかどうかという点につきましては、先ほど御説明申上げましたように、万一平水年でありました場合には、すでに水力の三・三%の増水を見込んでいるのでこの分だけは責任が果せなくなる、こういうことに立至るわけであります。なお実績を申上げますと、今年の四月に拳きまして九州は約四〇%の豊水でございましたが、消費いたしました石炭が十五万四千トン余りという実情でございまして、これが平水でございますと現在の特需その他一般の需要増に応じて供給するためには二百十万トンは非常に内輪の数字である、こう申さざるを得ないと思います。
  142. 山本善次

    参考人(山本善次君) 石炭の要らない北陸でも一万六千トンの石炭を北海道から仕入れて来て、富山で一万キロの火力を焚きたいと思つて努力をいたしたいと思います。関西から融通電力がなければ北陸はやつていけないのでございまして、九つに分けた以上その間の融通が円滑に行われない場合はいわば北陸には捨子の工場ができます。これらは関西におかれましても関東におかれましても、石炭獲得に十分な努力をして頂か雇いと累は北陸まで及ぶわけであります。たつた一万キロの火力を如何に焚いてみたつて北陸ではどうにもならない仕末でございます。石炭の獲得に、井上さんが今言われましたようにどうぞ強力にあらゆる面で外国から炭を入れるとかやつて頂かなければならんと存じますし、電気事業者は勿論、石炭業界におかれましても、内地の石炭だけでなく、外地の石炭までボイラー炭も入れるというようなことに御協力をして頂かなければならんと存じます。前に日発におりました時分に三万トンの台湾炭を入れるときに、九州の中小炭鉱は日発の炭は供給を絶やさないから石炭は一つ台湾から入れないようにというような要請を御当局になされた按配でございまして、折柄多少早く春の水が来たのでその台湾からの入炭を思いとどまつた次第でありますが、台湾だけでないと思います。各方面広く漁つてボイラー炭を入れて頂きたいと存ずる次第でございます。万一この平年の降水が非常にたくさん豊水になりまして、今年は二割も余計雨が降つたというようなことになつた場合に、それじや又この料金制度を変えなければならんかということになると思いますが、そうではなくて、どうか、公益事業委員会、業者、国会におかれましてもそういう場合の対策としてたくさん利益が残つたも電気事業火力を焚かなくて非常に余力が残つた場合には次の渇水に備える渇水準備金の制度、これは税金を硬くして頂くとか税金を取らないで積立てて置くというような法律と申しますか、そういうことができますように是非とも坂計つて頂きたい、かように考えております。目先がありました時分に、渇水準備金の制度を設けたいと国会にお願いをいたしたいと思つておつたのでございましたが、折柄時間が足りませんで、かような措置ができませんでした。前の一カ年の決算においては四億の石炭の準備金、渇水準備金を日発計上いたし、これに相当する利益を出したためにやはり税金を払つてそれだけを積立てたのでございますが、どうか万一、これは非常に結構な万一でありますが、雨がたくさん降りて六戸六十万トン石灰が要らなくて五百万トンで済んだというような場合の利益は、そういう工合に次の年度の渇水準備金として我々が勝手にできないような積立金ができますような御処置が適当ではなかろうかと考えます。計画は六百六十万トンの計画を立てて、どうかして石炭獲得を願いたいと思います。そうしませんと水力だけでは北国に非常に大きな影響があります。よそごとでないような気がしますのでお願いします。
  143. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 石炭の問題はなかなか重要な問題で、ここだけでどうなる問題でもありませんので、私どもも及ばずながら入手がかないますように努力をいたしたいと思いますが、まあこの問題はこれで打切りたいと思います。  次に先ほど北陸の山本副社長からお話がありました、例えば金属工業或いは化学工業、或いは繊維工業等は大口のいわゆる工業でありますが、一昨年の暮の値上のときに、実際はアロケーシヨンの操作をしたために値上りに殆んどなつていない、値下りになつている所すらあるということをお述べになつたわけであります。私は恐らく全国的にこういう現象が出ていると思うのであります。今度の料金の諸計画を拝聴いたしますと、大口の工場に対しては特約の制度を設けまして、成るべく安い電力を送りたい、こういうことをおつしやつたのであります。併し私が最近国家的な観点から眺めておりますると、偶然でありますかどうか知りませんが、一昨年の値上のときにたまたま値下のような恰好になりました企業は、その後時局的な影響下にありまして非常に裕りのある経営をしているわけであります。その配当におきましても、或いは収益率におきましてもしばしば業績を挙げているわけであります。従いましてそういうようなところの工場のために今後も電源開発を私は行なつて行かなければならんものであると考えるのであります。日本の産業を発展させて国民の生活水準を引上げて行くというために、勿論こういう工場がどんどん拡張をされ、そうして利益を挙げて行か出るのでありますから、そういう所に対しての電源開発とも言えるわけでありますが、併しそういう企業というものも殷賑であるからというので手放しの収益率或いは配当を許されていいとは私は考えないのであります。そういう所に電力が今度の特約の契約の下に又割安で供給されるということになれば、これはやはり国民的な観点からするならば、なかなか了解しにくいところであろう。そういうところが或る程度引受けてそうして大衆料金を軽減し、又企業内における企業合理化をする、そういうところの工場は率先してやつて行かなくちやならん、そういう工合に考えるのでありますが、そういう考え方からいたしまして、特約料金を設定されるとか、或いは大口工場に対する電力供給をせられる場合に、この前値下りになつたということを一つの考え方として格段のお考えをせられる御用意がありますかどうか、この点を伺いたいと思います。
  144. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 御質問の点は確かに一つの、なんと申しますか、相手産業が今度の料金改訂というものに対して吸収する力があるかないか、事実殷賑産業というものが今日の価格において相当な収益を挙げている。これに対しまして電力料金というものが私どもの申上げるような状態にありますので、この点から申しまして、十分相手方の需要家の中に吸収をして頂け得るものとは考えているのであります。併しながら電気料金のあり方というものは、先刻申しましたように、今回公益委員会基準を示された即ち原価主義であり、競争事業でない公益事業である、この穂の事業の性格から申しまして、相手方に一つのその能力ありとして、それであるが故に過分な御負担を願うということも申上げべきものでないし、又逆に申しまして相手方の事業が公益時業であり、或いは収益の少い事業であるから、若干の会社は別といたしまして、格段の政策料金というものをとるべきではないと考えているのでありまして、只今御指摘になりましたような点は、今日只今の状態で判断いたしますと、そうした点も多多考えられると思うのであります。私どもといたしましては一応原価主義に考えて行きたい、こう考えます。
  145. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私がお輝きを申上げたいのは、今度業種別に全部個別原価で算出されたわけでありますから、如何に大口の需用といえども只今申上げましたように大口になればなるほど吸収力を持つている企業が多いようでありますから、大口の需用もやはり原価を割るということなしに、少くとも原価だけは負担してもらう、こういう方針で行かれて、そうして大口の企業であれば、どうしてもあの成績が悪いという所には原価を削る意味において特約の契約をせられる、こういうような形式に進んで行くのが正しいのではないかということを申上げたわけであります。ただ井上社長のお話もそういつたような御意味のようでありますから了承いたしまするけれども……。
  146. 野村憲一

    参考人(野村憲一君) 只今栗山委員からお話がありました、割当が殖えたから北陸の料金が三・二二倍のときより下つたというお話がございましたが、事実はそうではないので、ございまして、一・三二二倍の全国の平均値上の場合においての北陸の大口電力平均より下げられたのであります。それでそのときはGHQやその他のシステムに上りまして、北陸の実際の地域の両方原価というものはその当時口発がございましたためによくわからなかつたのであります。従つて一つの仮定の下に地域差を全国平均の数値に掛けられたのでございまして、それが今から考えますと地域の原価を割つた数であつたのでありまして、それが一・三二二倍の値上のときに逆に下つたことが一番大きな原因でございます。それから特約料金制度の問題でございますが、これは只今井上社長からおつしやいましたように、これは今回公聴会にかかつております料金値基準の第一条には、需用者間或いは業種別間において不公平な取扱いはしないという根本原則がございますので、我々としましても特に大口電力工場であるが故に原価を割つて送るとか、そういうような配慮はないのでありまして、現在のところはやはり原価主義に置いて、原価に異なる場合があつたときに特約を設定する、かように考えているのでございます。その点を申上げて置きます。
  147. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 只今大口電力料金の問題について栗山君からの質問がありました。尤もの御質疑でありまして、原則的には栗山君の質疑のほうが正しいと思つているので、あります。ところがこれに関連して北陸のほうにつきまして、私どもが一番知つている範囲におきましては、原価を割るというようなことはありませんけれども、非常な安い動力を提供して工場に融通したのがある、そのために県は多大の犠牲を払つて自家用電力を多くした。自家用電力を工場に使用せしむるという条件で工場は現地に来ている、そういうような関係のは幾つもあるので、今回の値上問題に対して非常に値上になるという関係上、或る工場のごときは年間二億円も使うというようなことで、大分問題を起している。かような問題に対しましては、今の栗山君の御質疑と逆になるのであるが、これに対して北陸電力のほうでは如何ようにお考えになつているか、それを一つこの場合において明らかにしておきたいと思う。  それからもう一つは、北陸のほうにおいて先ほども石炭の問題がありましたが、昨年二十五年に比して約八倍ほどの火力序起すということになつておるが、これは既往数年間の何か実績にでも照らされてやられたものか、又本年二十六年において需用が激増したためにどうしてもこれだけの火力を以て補なわなければならん状態になつておるのか、その点を一応伺つておきたいと思う。
  148. 野村憲一

    参考人(野村憲一君) 只今お尋ねの北陸の原価の問題でございますが、先般説明を申上げました通り、北陸の原価は殆んどが水力を基礎にしておりますので、今日原価式において計算いたしましても、なお全国で一番最低位にあるのでございます。二十五年度の北陸の三千キロ以上の工場に送りました常時電力平均単価は、基本料金を全部含めまして、一キロワツト・アワー六十六銭でございます。これが今回の改訂によりまして、原価的に計算いたしますと、一円三十二銭になりますが、なおそれが全体の電燈を加えまして、今回の値上の単価は先ほど御発表いたしましたように、二円六十一銭に相成るのでありまして、これは各社から先ほどお話になりました関西の五円六十一銭その他に比べまして、非常に低位にあるわけでありまして、北陸の立地条件はこのために決して我々としてはなくなる、或いは効果が薄くなるというふうには考えておりません。なお、石炭量のお話でありましたが、これはついでながら申上げますと、お話の通り現在の需要増加は、水力発電所ができないために専ら火力発電に依存しなければならんという実情でございます。
  149. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 今の件に関連してですが、定額電燈の値上の率が東京は非常に低くなつて、同じような状態にある関西が東京と比較すると相当やはり高いと思うのです。而もその定額、又従量電燈に廻る電力量というものは総電力量の四分の一ぐらいの分量しか来ない、そして値段のほうでは四〇%ぐらいの負担をしているというようなことで、家庭電気の使用者は非常に電荷がたくさんかかつている、そういうふうに我々は解釈するのですが、而もその減価償却の面で、たくさん、うんと使つている人が減価償却の面でもたくさん負担すべきはずであるのに、減価償却の面でも電力量を僅かに使つている家庭電気の面にたくさんウエイトがかかつて来ておる。先ほどから栗山さんの話を伺つてもそういう点が出て来ておると思うのですが、今後恐らくこの電気値上げにつきまして、大口電気の使用者のほうから電力料値下げの運動が大きく起つて来るだろうと思うのですが、家庭電気のほうから勿論電力値上げ反対の運動が起つておりますが、大口のほうが組織的に強く強力に起つて来るだろうと思うのですが、その場合に電力会社のほうで逆に今度は家庭電気のほうへもつとしわ寄せをして、大口電気を安くするために家庭電気を高くするというような方法をとられる傾向があるかないか、その点をはつきり伺いたい。それから特に関西の電力のほうには、東京と関西と同じような事情にありながらなぜ家庭電気のほうが率が東京並みに行かないのか、その点を一応御説明願いたい。
  150. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 只今の御質問は二つあると思いますが、一つの電燈を安くしてないじやないかというような御質問に関しましては、先ほど午前中に私御説明いたしましたように、私ども料金は、平均七割三分の値上げに対しまして電燈は六割一分、而も今御質問の庶民階級の電燈であります定額電燈に関しましては、平均七割三分に対しまして五割七分という値上を以て、多少原価的にはもう少し高く頂かなければいかんのでありますが、五割七分くらいに押えた料金を一応考えておるわけであります。それから今後いろいろ変更する場合に、聴聞会その他で変更することがあつた場合に大口のほうの意見を聞くようなことはないかというお話に関しましては、これは我々としては飽くまで個別原価計算から出ましたこの修正案の比例においてやりたいというふうに考えておるのでございますが、何分これは聴聞会の結果というものは公益事業委員会のほうで御査定になるのでありますから、公益事業委員会のほうへそういう御意見を出して頂いておきますれば結構だと思います。それから関東に対しまする比率に対しましては、私あいにくちよつと関東の値上率を持つておりませんので、ちよつと的確なことは申上げかねますが、全体の値上率におきまして、私のほうの七割三分の値上に対して関東のほうの平均値上率は確か五割九分、六割以下だつたと思います。従つてその程度の差があるということは、全体の値上率が違う雄前からいたし方がないと考えておるのであります。
  151. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 東京は定額電燈、従量電燈の値上率は一・三八から一・三〇ぐらいなんですね、大体電燈のほうが三八、街燈も三八、小型電気が一・三〇ということになつて、大体そういう見当なんです。然るに関西は〇・二ぐらい東京よりも高いわけなんです。同じような情勢にある関東と関西で何故これだけの違いが出て来るか、算定の基本的な方針において何か違つておる点があるのじやないかという気が私たちするわけです。東京のほうは昨日聞きますと、これを安くした、特に家庭電気は安くした、そういうふうにはつきり言つておるわけなんです。そうしてむしろ大きな需用家のほうにしわ寄せをしたのだ、そういうことを東京のかたは言つておるわけですが、その点を伺いたいのです。
  152. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 今のお話は私のほうもそういうふうにやりましたのでございまして、この私のほうの資料がお手許にございましたらちよつとお開け願いたいのですが、資料の十のところに、定額電燈値上率は一・五七、それから大口の、丙と申しますか、三千キロ以上の大口に対しましては二・〇三倍、約二倍の値上げを考えておるのであります。従つて大体関東の東京電力のような考え方で行つているわけなんでございます。併し今の率は東京とまあ二割ほど値上率が違うというのは、全体の値上率に比べまして、多少東京のほうが政策的に下げたということはわかりますが、我々としましてもこれは多少定額電燈は個別原価計算を本当にやりますとむしろ高くしなければいかんということになるのであります。けれどもそれを政策的に私のほうも多少抑えて、その政策的な見方が多少違つたということだと思いますが、他社においては大体関西くらいの考え方でやつておるのじやないかというふうに思います。
  153. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 今東京は大口電気の平均が一・九九、それから関西は一・八四になつておるのです。
  154. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 一・九九というのは大口の値上げのほうが……。
  155. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 平均ですが、東京は一・九九になつております。関西は一・八四なんです。特に一カ所丙の条項であなたおつしやるかもわかりませんが、これはあなたのおつし知るのとこの表では大分違つておると思うのです。やはり関西のほうが家庭電気は値上率が二割ほど古いと思うのです。これはやはり関西のものの考え方が東京との間に食違いがあるのじやないか、ほかの所も大体関西と同じようなものの考え方でやられておるのじやないかと思うのですが、私たち庶民階級の利益代表としましてそこの点を考え直して頂きたい、是非考えなければならんのじやないか、こう思うのです。それからなお昨日と今日、誠に大変結構なことと言つては失礼かもわかりませんが、値上のお話を伺つたのですが、皆さんはこれが国民生活にどういう影響があるかというようなことを本当に真剣に考えられた上でこういう率をお出しになつているのか、それとも会社のただ経理面だけで考えて、ほかのことは何ら考慮しないで出されたのか、その点を私は伺いたいのです。何故かと申しますと、九州の国民生活費に及ぼす影響調書というのを見ましても、単なる電気料が上つた面だけを取上げてこれだけ高くなるのだ、昨日伺つた北海道のあれもそういうふうになつている。これは随分人を馬鹿にしたものじやないか。電気が上ればすべてのものにうんとこさと響いてくるので、今五百円の電気代が千円になるだけでほかの物が少しも上らないのだつたら五百円の値上だけで辛抱できるかも知りませんが、五百円の値上げだけでなくほかのものが随分上つて来るわけですから、我々生活に及ぼす影響というものは非常に尊大なものだと思うのです。ですからこの表を見てみんなが電気の値上というものを考えた場合、国民の生活というものをまじめに真剣に考えた上でこういう率を出して来られたのか、ただ電気会社だけの立場を考えて、経理面だけでこういう数字を出されたのか、そういう基本的な点について関西電力の副社長さんに伺つて見たいのであります。
  156. 中村鼎

    参考人(中村鼎君) このたびの料金値上につきまして、各層にいろいろと御負担を加えるということは方々承知しておるわけです。なお只今お話がありましたように、はね返るということも十分承知いたしておるわけでありまして、こういうことのできるだけないように、各層の御負担のできるだけ軽いようにいろいろと考えたわけなのであります。ただそれにつきましては我々のほうとしまして、先ほど申上げましたように非常に最近の御需用が多い、工場電力だけではございません。一般の御需用も非常に多いのであります。多い電気に対しまして又それぞれの手当をいたさなければならない。これはよほどこの権衡は考えなければならんわけでありまして、余り価格は高くなるととは勿論これは避けなければならんわけでありますが、併し価格が合理的でないために非常に不十分な電気をお送りする、非常に量において不足をいたしましていろいろと御不便をかけるということもこれ又避けなければならないわけで、自然適当な合理的な値段、高過ぎない又安過ぎない値段を以ちまして、そうして電力におきまして御不自由のないような電気送りをたいということが我々の念願であります。その見地からこの値上案な作りましたわけなのであります。御質問の各層の御負担の殖えるということも十分考慮いたしまして、又他方電気の足りなくなることによる御不自由を考慮いたしまして、この辺の供給力を考慮いたした次第であります。さよう御了承願います。
  157. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 今度の値上げは、現行の料金と改正料金の値上の率を見ますと、殆んど約倍とは言えませんが、七割くらいの値上になつて参ります。若し米の値段が今田急に七割の値上をしたとするならば、これは皆さんも黙つていないだろうと思う。電気はほかのものと違つてやはり米などに匹敵する基本的なものだと思うのです。そういうものが一度に七割も値上げをして、それで国民が黙つておるかどうか、又これは国民産業面に非常に大きな影響がある。一般家庭にもすぐ響いて来る問題ですが、こういうことを皆さんは考慮せられたかどうか。皆さんはお米が一度に七割値上になつて、それで黙つていらつしやるだけの寛大な気持を持つておられるかどうですか。今度は中部の社長さんに伺つて見たいと思います。
  158. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 只今指摘の点は、私どものような公益事業の者といたしましては慎重に考えなければならない点でございますが、これに対しまする私どもの考えといたしましては、一応の資料といたしましては、先刻差上げました私どもの資料七十七ページのところに記載しておるのであります。電気料金というものが一般家庭の生計費のうちでどのくらいの部分を占めておるか、これはいろいろなたくさんの調書があるのであります。ここにあるのでありますが、ここに御提示してありますものでは一・三三%というふうになつております。これはいろいろの調書によりまして、若干数字的には違いはございますが、大体過去において占めましたパーセンテージよりも逆に今日はこれは低いパーセンテージに下つておるものと思うのであります。米の値段は勿論これは重要な問題だと思うのであります。戦後申上げるまでもなくエンゲル係数で逆に食費が非常に上つておる、よほどこの状態が変つたとは申しましても、主食が各生計費のうちに占めるパーセンテージというものは、こうした光熱費の問題等とは格段の差があると思うのであります。これでも決してかまわないのだとは私ども申上げませんけれども、過去の実績等から考えまして、この程度の御負担は非常に突然に悪循環を起すような大きな問題を起さない。又先ほどの栗山委員の御質問のときにもお答え申上げましたように、必ずしも殷賑産業とは申しませんが、相当高率配当をして、計数的に余力のある事業というものも相当あるのであります。今回の電気料金の値上というものは、その事業の内部において吸収して頂き得る範囲においての値上をお認め願いたい。こういうふうに考えます。
  159. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 そこで特別修繕費の問題になつて来るのですが、私の伺つておりますのでは、新しく電柱を建替える場合は建設費から出し、腕とかああいうものが腐蝕した場合にはこれは修繕費から出すという話を聞いておるのですが、先ほど聞いて見ますと、それも修繕費の中に含まれるような、なんかわけのわからないようなお話だつたと思うのですが、その点はつきり伺いたいと思います。どなたからでも結構でございますが……。
  160. 中村鼎

    参考人(中村鼎君) 電柱を建替えます場合には、都市計画とか或いは台風等による建替えというような場合には、これは修繕費で立替える。    「委員長退席、理事栗山良夫君着席〕  これはまだ寿命があるわけなのでありますが、寿命まで持たないで倒れたわけでありますから、そういう場合は修繕費で持つておるわけであります。併し多くのものは相当長年月持ちますので、それは償却で以てやつておるわけであります。そういう建替えというようなものにつきましては修繕費で、とつさの特別な事情によりまして倒れたようなものは修繕費で持ちませんというと、償却前にすでに倒れたわけでありますから、それは修繕費で持つという工合なつております。
  161. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 どうも私たちの消費者の立場から言いますと、そういう面が非常にはつきりしない、或るときは修繕費、或るときば建設費というような振替が自由に皆さんの認定においてできるという点で、私たちがそのために建設費は電気料で以て賄わないというときに、そういう面をも電気料のほうへ入つて来るという虞れが十分にあるので、その点私たちが非常に納得しかねる点なんです。なお減価償却は今定率法でやるというお話ですが、そうしますと、今年よりは来年のほうが少くなつて来る勘定なつて参ると思うのですが、そうすればだんだんと滅つて行くのですから、それでは電気料を安くして行くのでしようか、どうでしようか。非常に素人らしい質問かもわかりませんがその点を伺いたい。  それからもう一つ見返資金の問題ですが、見返資金二百五十億というふうに皆さんは計算なすつて、そしてそれに対する利子計算していらつしやるように思うのですが、果して二百五十億入るのかどうか、私たちの考えではこれは非常にむずかしいのではないか、百五十億ぐらいになるのではないかというふうな心配があるのですが、百億若し見返資金が入らなかつた場合、この中に含まれる百億に対する利子というものは当然会社が払わないでいいことになると思うのですが、それをどういうふうに処置なさるのか、それを一度伺いたいと思います。
  162. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 只今の御質問のうちの償却費の問題は、定率法によりますれば、最初の年度が一番高くて順次逓減をいたします。それですから来年度は若干少くていいわけなんであります。先ほど償却の問題で栗山委員に御回答申上げましたときに申しましたように、事業料金を安定させるという考えから申しますと、若し電気事業が今後増設をしないと仮定をするならば、定額のほうが料金の安定性があるということは申し得ると思うのであります。ところが第二の御質問にもございますが、電気事業年度何百億、でき得べくんば七、八百億の投資をしたいというようなことを考えますと、償却をすべき建設費が年々殖えて参ります。そういう関係から、定率法のほうが料金が安定をするという考え方があり得るかと、こういうふうに考える。先ほどそういう意味に御回答申上げたつもりでございますが、或いは徹底しなかつたかも知れませんが……。  それから見返資金の問題は、必ずしもその金が見返資金で出るかどうかということは、今日はまだ確定的には申上げかねるのでありますが、成る方面でのお打合せの結果一応そうした線が出ておるということに対しまして、私どもといたしましてそういう計画を立てたのでございます。元々建設の問題に対しましては、御承知のように一部分のものは建設利息として織込んでおるのでございます。それから今後に生ずる借入金の利息は時間的に見ておりますから、極端に、極く簡単に申しますれば半分ほどの利息が見込んであるということになるわけであります。これは先ほどやはり石炭の問題につきまして御質問があつたと同様なんであります。必ず見返資金になるかどうかは言明の限りではございませんが、少くとも電気事業に対してこれだけの建設費を投じて電源の開発に努力をして行くということが私どもの務めであると考えております。
  163. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私たちは見返資金が皆さんの思つているようにまでは入つて来るとは考えられないわけなんです。なぜかと言つたら、日本が今下手すると戦争に捲込まれるかどうかわからんというような状態にあつて、いつ何時日本の産業は又爆撃を食うかわからんというそういう状態において、そうして外資が楽々と入つて来るかどうかという点、私たちはやはり外資を入れるにしましても、戦争の危機というものを日本から一掃しない以上は外資が十分皆さんの希望通りつて来ないのじやないか、そういうように考えておるわけなんですが、なおもう一点お聞きしておきたいのは、二十五年度におきまして大口滞納の状態ですね、大口滞納者が皆さんの会社にどれくらいあるかということを伺い、それからそれがどういう状態に……、払われる状態であるかどうかということを各社のかたにちよつと伺つておきたい。あらましでいいですから……。
  164. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) ちよつと申上げますが、あなたが御要求された資料は、数字的なものですから、すぐ御答弁が願えないので、その間暫時ちよつとあなた御休憩になつてほかのかたに……。
  165. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 九州電力のかたにお伺いいたしますが、この昨日から頂いている表によりますと、石炭単価におきまして、中国の単価と比較しまして九州が高くなつておりますが、その原因はどういうところにありますか。
  166. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 九州の炭価として採用いたしましたものは、先ほどお手許に差上げました資料の中にございますように、上期の分と下期の分とを分けまして、上期につきましては現在実際購入しておる価格、大体三千七百円でございます。これを採用いたしまして、下期の分には石炭とその他の項目をくみまして値上りを約一二%の値上りと見まして、そうして四千二百五十円程度石炭代と見まして、これは年間平均いたしまして、四千円余、こういう事情でございます。でそのとりましたベースになります現在の炭価は九州において実際の炭価でございますので、他の地区と比較して差等の生ずることはないと考えております。御質問は中国の地区に比較して高いのはないかという御質問かと思いますが、中国は恐らく例の宇部炭を相当数量入れるということにしているために数量的には安くなつて、これを電気を起す面から申しますと、カロリー当りの炭価を考えるべきだと思いますが、カロリー当りの炭価では九州のほうが安くなつている、こう信じております。数学的には私持つておりませんから、どの程度かということは申上げられませんが、カロリー当りにした場合九州のほうが安い、こう信じております。
  167. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 次に一昨年来再編成の問題がいろいろ論議されておりました当時、九州配電の佐藤社長が九州においては低品位の石炭相当に焚く、従つてコストの安い電気が送られるから、再編成によつてそうコストの値上りはしないというふうなお話がございましたが、只今の何によりますと、中国では宇部炭を焚いてそれがために九州よりも安い。それで九州ではその低品位炭をどれくらいに織込んでやつておられるか、それによつてコストがどれくらい下つておるかということを一つ御説明願いたい。
  168. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 再編成に際しまして、将来の増設する火力に対しましては、九州における低品位炭を消化いたしまして、その石炭費の値上りといいますか、石炭消費量増加に伴う料金面に響く割合をできるだけ少くするように努力するお約束は確かにいたしております。それは私も承知いたしておりますが、二十六年度原価に織込みます場合におきましては、まだ港第二が進行半ばでございますし、築上第二も未だ進行しておりませんので、従来に比較して遥かに低品位の石炭消費するという段階に参つておらないわけであります。現状におきましては九州におきまして採用いたしております石炭の総平均のカロリーが五千七百五十を目標として操作いたしておる次第でございまして、戸畑、相之浦、港第一におきましては、港第一はこれは石炭関係で実際は使用できませんが、戸畑と相之浦でございますが、この両発電所におきましては、相当量の低品位炭を使用し、相之浦におきましては四千二百程度までの低品位炭は現在消化いたしておる次第でございます。
  169. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 そういたしますと、二十六年度には織込めないが、その後においては織込められるということでございますと、これが電力量に影響はあるはずだと思いますが、それは先き先き下るものを今上げて置くということになるわけでございますか。
  170. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 御質問の点、理論上そういうことも成り立つわけでございますが、何分現在の炭価におきまして料金をはじきますと、九州におきましても先ほど申上げましたように、火力は多いと申しましても大体電力量において半分々々でございます。先ほども申しましたように、電気事業の特性といたしまして、その地区内の需用増に対しましては設備がなくなつたから供給できないということは申上げられないわけでございまして、独占事業であります関係上供給に対しての義務を負うと共に、私ども十分責任を感じておるわけであります。将来の増、年々一割程度の需用増は少くも見込まれるわけでございますが、これに対して電気事業者といたしまして九州電力が供給いたす場合には、これは石炭を以て供給せざるを得ない実情でございます。将来五年後におきまして上椎葉の落成を見たという場合におきまして、初めて水力電源というものは考慮されるわけでございます。新設水力単価にいたしましても相当高く付くという実情でございますので、将来低品位炭を使つた場合に料金金額が低くなるかと申しますと、九州の実情におきましては現状値上げ後の料金単価を下廻るような数字は如何に低品位炭を使つた場合においても起らないという大体見通しでございます。ただ石炭の値段が一般経済界が安定するに連れまして、物価指数の水準に達したというようなことを想定いたすことはこれは別問題でございます。
  171. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 私はこの再編成の際に非常に九州などは石炭を焚くために電気料が高くなりはしないかということを非常に懸案してしばしば論議をしたわけです。その際に特に設備の合理化と申しますか、比較的九州では低品位炭を焚く便宜がある。従つてそれを利用するならばそんな大きな値上りはしないはずだというこうを非常に強調されたのであります。現在宇部炭などを中国ではお使いになつて比較的低品位炭を御使用になつているということでありますが、九州のほうはそこまでまだ進まないのか、どうも私どもはその当時の話と現在の値上げをして来ている点にはつきりしない点がございます。今後低品位炭を焚くようにいたしました場合、使用炭の平均カロリーはどのくらいになるお見込でございますか。
  172. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 再編成に際しまして、私どもが需用家の皆さんにお約束いたしました説明といたしましては、先ず第一に現行の地域差を以てこれを固守するというような線で参りますということを第一にお約束申上げたわけであります。その場合に只今御質問がありましたように、どうしても九州では火力を焚くのだから、値上りになるのではないかという御質問がありましたたときに、やはり先ほどお話がありましたように、九州では将来低品位炭を焚いて、そうしてその値上りの差違を成るべく少くするようにして行きたい、地域差を現状に維持するために差当り水力地体から醵出金を出して頂いて、火力地帯である九州はこれを補給金としてもらわなければならない。将来経済界が安定いたしまして石炭の価格が一般物価にさや寄せをされる時期が参つた場合には補給金なしで低品位炭、その他を消化することによつて九州の料金は安定させ得るものだと、こういうお約束をしたことと信じております。どうかその点誤解のないようにお願いしたいと思います。  なお次に九州において将来どの程度石炭のカロリーのものを消化する予定かとういことに対しましては、大体低品位炭を使用するという個処におきましては四千七百五千カロリー程度のものにしたいとこう考えているわけでございます。
  173. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) ちよつと中国のほうへお尋ねいたしますが、中国のほうの御計画では宇部炭と、それから九州炭との使用割合はどれくらいになつておりますか。その単価原価構成をちよつとお示しを願いたいと思います。
  174. 真田安夫

    参考人(真田安夫君) 中国におきましては、二十六年度消費予想八十二万七千百トン、これは自社炭でありますが、その外委託発電が一万八千五百トシ、これが全部九州炭でございます。自社炭うち上期に大体三十四万トン、下のほうが四十六万トン焚くのであります。年間通じますると大体宇部炭を五五%、九州炭を四五%、かように考えております。それで上と下と分けましたのは、多少購入単価に現在の実績によりますと一割くらい開きがあるのでございますが、上期におきますると、大体九州炭はカロリー六千三百カロリーとしまして、購入見込の炭価を四千七百五千円、宇部炭のほうは四千三百八十カロリー、平均炭価を二千五百六十一円、下期はそれぞれ一割一分の炭価の値上りがあるものと、こう考えております。こういうような計算平均いたしますると、三千八百円という炭価になります。
  175. 小野義夫

    ○小野義夫君 先ほど結城委員から山本副社長にお尋ねしたときに、非常に日発において大規模の修繕をやつて火力水力を通じて大体何割と申しますか、大部分の補修はできておる、然るにかかわらず修繕費相当大きくなるという理由はどういうことかという御質問を申上げましたところ、実はそれは見返資金その他から一時流用いたしておつて、今後七年間において大体それは返すことになつておるという御説明のように承わりましたが、これは金融上の処置であるのか、或いは損益計算にそれが影響があるものであるか、若し損益計算にあるとするならば償却費の中にそれを織り込んでおるのか、或いは修繕費の中に過去のものを入れておるのか、その点一点伺いたいと思います。
  176. 山本善次

    参考人(山本善次君) 大きな修繕をどうしてもやらなければならないということで特別な改修工事をやりまして、そのときの費用を一挙に修繕費で落すということに堪えませんでしたので、七年間に亘つて落して行く、こういうことになつております。
  177. 小野義夫

    ○小野義夫君 その七年間に亘るというのは、この電力料金の中では損益計算で今後なし崩しにやるというのでありますが、それは保全費か、減価償却か、どちらのほうに入れてありますか。
  178. 山本善次

    参考人(山本善次君) それは七年間なし崩しの修繕費として年々す。
  179. 小野義夫

    ○小野義夫君 今度の電力値上の中にそれが入つておるわけでございますか。
  180. 山本善次

    参考人(山本善次君) それは前からの引続きの経理でございまして、特別に今回に限つて入れたということでなくて、従来から引続きの計算でございます。
  181. 小野義夫

    ○小野義夫君 そういたしますと、今度につきましては、過去の大修理へ特別の保全費は入つていないと、少くとも二十五年度には入つてつて、その同額を継承しておるという、そういう意味に了解してよろしいのですか。
  182. 山本善次

    参考人(山本善次君) その通りでございます。決して額を殖しておらんのでございます。
  183. 小野義夫

    ○小野義夫君 昨日来ずつと各社修繕費につきまして承わりましたのでありますが、その中に、各社を通じておよそ三分の一内外、各社によりましては二十億内外があるのですが、三分の一程度のいわゆる特別修理、或いは臨時修理というような大規模の修繕費を組んであるように思うのでありますが、この修繕費というものはいわば戦時中及び戦後のいろいろ財政不如意の場合においてのまあ負債と見てもいいものをこの際一気に大修理をしようということであると考えられるのでありますが、そういたしますと、まあ普通の営業会社におきましては、かかる大修理はすでに日発が過去においてやられたごとく、一時借入金或いは立替金等の形式によりまして金融の途をつけておいて、漸次多年に亘つて償却するを妥当とするのでありまして、今値上に織込んでおるごとき一時的な多額の修繕費計上することは経営上から見ても不穏当であると考えられるのでありますが、この点は如何でしようか、山本副社長の御見解を伺います。
  184. 山本善次

    参考人(山本善次君) 先ほど申上げましたことが、発送電で完全に大修理がなされたとお聴取りになつたのではないと思いますが、とにかく特別大改修工事はずつと引続いてやりたかつたのでございますが、復金が貸付をしなかつた、そういうわけで途中で打切られまして、非常にその金融難のために大改修計画は引続き行うことはできなかつた、こういうことでございます。今回予定されました修理、各会社で計画しました修繕計画は、長年の間に資金不足その他によりまして修繕のできなかつたもの、これを本中或いは来年一挙にするということは到底負金の都倉でも許しません。工事重においてもさようでございます。先ほど北陸だけでも申上げましたように、ここ数年間に亘つてそれを延べにしてやりたい。従いまして、先生に直ちに全作業が復活する、全発電所が復活するというわけには参りません。差迫つたものからやつて行かなければならん状態でございます。これを又借入金によつてつて行くと、そうして延べにして出して行くというお考えもあろうかと思いますが、私どもといたしましては、現在ここ数年間にその溜つたものを延べにして修繕をして行きたい、こう思つておるわけであります。
  185. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 只今の問題につきまして、関西の中村君の御意見を併せて向いたいと思います。
  186. 中村鼎

    参考人(中村鼎君) 関西におきましては、このたびの修繕費は経営の修繕費のほかに特別の分といたしましては発送電線の分は含んでいないのであります。配電線関係であります。配電線関係の改修が遅れておりますので、その分を一年ごとに五等分しまして五年間にこれを徐々にやつて行くということで、五年間に割つた一年分をこちらに計上しておるのであります。発送電関係の分は、すでに先ほど山本さんからお話がありました特別改修費の七年割のほうに含んでおるわけでございます。
  187. 小野義夫

    ○小野義夫君 そういたしますと、先ず今後大体、山本副社長の先ほどの御答弁にもありましたごとく、各社共五カ年計画というような計画の下に普通の計上修理のほかに大修理をして、その能力を少くとも現状以上に持つて行こりという御計画のよりに考えるのですか、その通りでありますか。
  188. 中村鼎

    参考人(中村鼎君) 大修理も……尤も火災地変による大修理は別でありまするが、大体の経常的な修理はこの費用の中に含まれておるわけでございます。
  189. 小野義夫

    ○小野義夫君 そういたしますと、私はこれはまあいろいろ見方によりましようけれども、各電力会社の資産が、再評価は別といたしまして、再評価をなすとなさざるとにかかわらず、現状維持になるのではなく、むしろ財産価値というものは増加する、増加しないまでも現状維持が完全に五カ年間はできると考えられるのでありますが、そうすると、この減価償却、成るほど理論的に申上げますと、能力のほうをやると同時に減価償却をするということは、非常に理想には違いありませんけれども、なかなかこの電力料が上るということは、これはもう我々同僚議員が繰返して申上げるごとく大問題であるのでありますから、まあ極端なことを申上げるならば、一方に大修理、特別修理を継続する間は、先ず減価償却というものは最小限度にとどめても決してその電力会社の資産が悪化するふうには感じられんのであります。この点山本副社長のお考えはどうですか。
  190. 山本善次

    参考人(山本善次君) 大修理をすれば減価償却が要らないじやないかという仰せのようでございますけれども、大修理という言葉は非常に何といいますか、少し響きが大きくございまして実は非常に取残されたたくさんの工事量でございます。それらは発電所その他を更新させるとかいうような意味ではございませんで、とにかく現状の出力を維持する、或いは多少なりとも回復して行く、こういうものでございまして、決して若返つてしまつてもう償却は大変しなくてもいいというほどのものでないと私は考えております。
  191. 小野義夫

    ○小野義夫君 私はもう数字の細かいものを今まだ検討しておりませんが、同僚委員の言うところによると、関西電力に一例をとると、修繕費の中に電柱に関するものが二十七億とか計上されておるというのでありますが、これは間違つておるかも知れません。間違つておれば取消しますが、かくのごとく電柱の生命が何ぼありますか知りませんが、相当長い期間あるものと推定されるのでありますから、これらをやればやはりどうしても価値の増加というふうに、修繕費によつて価値の増加を伴うということは、私はこれは五カ年間今後修理を続けて行く、而も大体修理の金というものは減価償却の金と殆んど同一額を各社組んであるのでありまして、相当どちらかが、これを言い換えて卑俗な例を申上げますというと、大修理その他というものは借金を返すことである、そうして当然なすべきものをなさざりし負債である、それはどんどん今度返して行く一方に、減価償却というものはこれは見方によりましては減耗でありますけれども、貯金とも見られる、積立金とも見られる。そうするとこの間の関係は、その財布の出入りというものは両方やればもうこれに越したことはないのだけれども、事実やれない、いろいろの観点からやれないという場合には、双方が互譲で修繕費も多少節約すると共に減価償却もする、又一方を認める限りには一方に減価償却を少し、将来いつまでもやれというのじやないが、ここ一年間は辛抱してそうしてやれということでなければ、私どもの参議院といたしましては、明日若しくは明後日におきまして、多分明後日におきまして、業者の意見をも聴取の上で、具体的の数字を以てこの点どういうふうにすべきか、ただ抽象論ではこれは話にならんから、数字を示して、各費目についてでき得るならばこの点何ほど節約、この点何ほど節約というような予算審議の形において、公益事業委員に回答したいと考えておるのであります。つきましては、これは非常に重大なことでありますから、これを若し今のような状態でやりますと、これは一時的には皆様がたに非常に御便宜であるかも知れませんけれども、公益事業委員並びにこの経営の首脳に当られるかたがたが、非常に社会全体について重大なる責任をおとりになるということになると思います。従いましてこういう大修理とか何とかいうものは、今のように石炭を使う予定のものが、石炭を使わなかつたために残つて来たとか、或いは借入金をするつもりであつたけれども借入金ができなかつたからその利息が余つたとかいう余剰金を以て大修理を行なつて、そうして若しそれでもやりたいというならば、たとえこれは長期に亘つて償却しても、止むを得ず一時借入金形式でやつておかれるほうが大いにあなたがたの立場が、国民に対する立場が、甚だ余計に立ち入つた論議でありますけれども、非常によくなる。そうして起りなければ、これは私ども極端なことを申上げるようでありますけれども、今までの監督官庁が無理解にただ据え置く、据え置くというようなああいうことでなく、やはりこれは経済というものは活動体でありますから、一年間是非置かなければならんという原理、原則はないと思う。皆様が出発に際して辛苦経営せられて、実際にいかんというものはこれは国民全体の責任である。必ずや経理を適当なところへ持つて行くという義務を国民が持つておると思います。でありますから、このときあなたがたがこの機会において過去の欠点を一掃するというお気持はよくわかるのでありますけれども、これは国民との相談の問題に相成ると思うので、そこに私どもが仮に数字に触れて御相談を申上げるとすれば、今の修繕費、特に特別修繕費減価償却の間の関係を御相談申上げることがまあポイントではないかというふうに考えておるのであります。これはただ私の私見を申上げて相済まんのでありますけれども、皆様にまあ仮に相談して、譲歩をしなければならんというような場合が必ずや到来するかも知れないのです。その場合にはどこでお譲りになり、どういう経理をなさるとお考えになつておるか。まあ御参考のために若しお差支えなければ承わつておきたい、こう思うのですが、どなたでも結構です。
  192. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) ちよつと小野君に申上げますが、只今小野君が述べられました意見は、実際一昨日以来の委員会において全員から熱心に発言せられた問題であり、石炭の問題と併せまして非常に重要な問題でありまするので、この際各社の責任者のかたから一応御意見を伺つて、お考えを伺つておいたほうがよくはないかと思いますので、さようお願いいたしたいと思います。特に大体修繕費というものは、この委員会でもだんだん明らかになつたのでありますが、再建設費の一%乃至一・二%が適当であるということが言われておりまして、今日電気事業の場合は再評価額というものを仮に三千億円といたしまして、再建設費をその三倍とりまするならば、大体大雑把に見て一兆億円でありますから、一兆億円の一・二%といたしますれば、大体百二十億円ぐらいのところが適当であろう、にもかかわらず、それの倍に近い二百五十億ばかりの修繕費計上されておりまするので、そこで償却修繕費か、設備の更新か修繕かということが問題になつておるわけであります。従いまして只今の小野君の御質問の要点並びに御意見につきまして、各社のお考えを順次伺いたいと思います。真田君。
  193. 真田安夫

    参考人(真田安夫君) 大体中国電力におきます修繕費の所要額といたしまして、十八億四千五百万円ほど計上しておりますが、このうち一般修繕は十二億、六億四千万円をいわゆる特別修繕、かように計上してあります。この一般修繕費の問題でありますが、いろいろ私のところにおきましても、どのくらいが適正な一般修繕費かという点を、過去の経済安定時代の修繕費で、或いは二十五年度を分析しまして、このうち改良的なものを引抜きますと、大体まあ十億乃至十二億ぐらいのところが妥当じやなかろうか、こういう線で出したのであります。特修の六億四千万円は先ほどからお話がありますように、戦時戦後の改良の溜りが何と申しましても設備の改修不足で、二十四年度に特改、特修という制度で五カ年計画を立てたのでありまするが、一カ年でそういうような措置もとまりますし、昨年度も多少一般修繕費よりもたくさんやつてあるのであります。なお我々のところでも修繕の溜りというものをかき上げまして、これはまあ三カ年計画で、残余の三カ年で改修するというような構想で一カ年分を考えておるわけであります。主だつたものはやはり配電のほうでありまして……。
  194. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 真田君に御注意申上げます。ただ特別修繕を、大修繕をやつてはいけないということは言つていないのであります。それは幾らでもかまわないわけでありまして、そういう大修繕をやられた場合には、経営の設備の管理、補修の域を越えて、本来ならば償却費を引当てにすべきような問題にまで及んでおるのではないか、従つてこういうような大掛りな修繕費を組むならば、償却のほうを若干手控えることはできないのか、或いは償却をうんとやるならば、修繕費のほうは経営の再建設費の一%程度で行けないのか、そういうことを端的に質問されておるのでありますから、そういうことを一つ御了解の上で御答弁を願いたいと思います。
  195. 真田安夫

    参考人(真田安夫君) ついでに内容的に申しますと、電柱の建替えが一番ウエイトが大きいのでありますが、電柱の寿命は大体二十年でありますが、併し私のところは大体六十五万本ぐらいありますが、一年くらいで倒れるだろうというようなものが十万本ぐらいであります。こういうようなものをいわゆる腐蝕薬液を注入しておらん寿命の短かい……、大体山陽方面などは天気が悪いものでありますから、七年ぐらいで根つこが腐つてしまう。そうしますと標準耐用寿命の期間に二回余り建替えなきやならんということでありまして、そういつたものが大部分を占めるのでありまして、内容的に見ますと、やはり修繕的な性格なものであります。額の点では、今おつしやつたような百二十億になりますと、我々のところで換算しますと十億足らずのところになりまして、少しシヴイアーじやないかと、かように考えております。
  196. 菊池宏

    参考人(菊池宏君) 修繕費の大体の目安が再建設費価格の一%前後が穏当であるのではないかという考え方は、私も聞かされておることであります。果してどこが正しいか、はつきり確信は持てませんが、アメリカあたりでもそんな考え方もあるようでありますが、仮にその辺に納めます場合に、私のほうの今度見込みます修繕費は六億、一般修繕費は六億余りでありますが、再計価額は約百三十三億でありますので、それに対しまして四%半に当ります。ただこの再評価額は御承知の通りいわゆる再建設費価格ではございませんので、現実に再建設をいたします場合の所要額がどのくらいになりますか。これ又内容的に複雑と思いますのではつきり見通しは立ちませんが、一、二、主なものを拾つて考えます場合、私のほうの水力設備が約二十万キロでありますが、それの評価額が八十三億、ところが大体現状の再建設としての水力は少くともキロ当り十五万円は見込まなければならんのではないかと思います。そうなりますと水力で約三百億ということになります。こういうことを考え合せます場合、現在の再評価をいたします金額は、再建設に対しましては三割、或いはそれ以下であるのではないか。大体四%牛の再評価額に対します修繕費の場合は、再建設価格に対しましては一%を超えましても余り大きくはないのではないかという感じがいたします。併しこの点は計算は正確にいたしたわけでもありませんので、私はつきりは申上げかねますが、まあそういうことも考えられますのと、現実の実情からこの程度修繕費の必要さを痛感いたしますけれども、この問題は御指摘のように非常に重大な問題と思いますので、なお考究させて頂きたいと存じます。
  197. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 九州電力、赤羽君。
  198. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 修繕費の問題は、これは非常にどうした率が正しい修繕費であるかという問題は非常にむずかしい問題でございまして、先ほど栗山委員から再建設費に対して大体一%程度であろうという御意見がございまして、成るほどそういうふうに考えられないこともないと思うのでございますが、併しこれは一応過去における経常費の実績に基いて判断するのがまあ公正ではないかと考えまして、私どもが出しましたのは過去におきまして昭和九年の下期から昭和十一年の上期に亘りまして、その当時最も経理内容がはつきりしておつたという評判のありました旧東邦電力の設備費別の修繕比率を出しまして、これを平均いたしました額について見ますれば、水力においては〇・六一%、火力はこれは修繕率か向くなるわけでございますか、これは二・八七%、送電において〇・九五、配電において一・二五、こういりような比率が一応出て参るわけであります。平均いたしまして一%をちよつと超すのしやないか。これは火力の多い地方においてはこれに止むを得ないとこう御了承を願いたいと思います。火力を除きましては、一%という数字はそう無理ではないと思いますか、火力地帯においては一%を上廻る。特に九州のように設備の五五%が火力であるという地区においては遥かに高い数字にならざるを得ない、こう御了承を願いたいと思います。そうした観点から、九州におきます修繕費を再建設費に対しまして先ほど申しましたような比率を掛けまして出しますと、九州の年間修繕費昭和九年乃至昭和十一年の上期をベースといたしまして、二十八億七千六百四十九万七十円というような数字に達するわけでございます。これは再建設費のとり方に対しましてどういうふうにいたしましたかと申しますと、現在九州において最近建設されたもの或いは最近竣工するであろうというものに対しまして、これを光電所はキロワツト、送電線は亘長KM当りに直しまして建設費の単価を出したわけでございまして、これは公正妥当な数字と考えておる次第でございます。それに九州におきましては、これは先ほど議員さんから特改的なものはどうも借金を返すような工合で、工合が悪いというようなお話がございましたが、併し特改的な分といたしまして、九州では二億七千五百万円、これは数字としてそう大したものではごはさいませんか考えております。これはどういうものかと申しますと、主として損失軽減工事につけておる次第であります。この損失軽減工事と申しますものは、電気の足りないときに、消極的な発電所の建設にも当るという面もございますが、私どもか狙いますのは、需用家に対しまして、現在極端なところは百ホルト送るべきを七十ボルトという現象もございます。これがロスを増しておる現状で、これはどうしても事業者の責任において解消しなければならない分と考えておるのでございます。こういう切羽詰つたものを引抜き、九州におきましては一般修繕費の一割程度にしかならない二億七千五百万円を計上いたしました。総計において三十一億五十二百二十九万五千円を修繕費として計上したわけであります。
  199. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 中部電力井土君。
  200. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 私のほうは再評価額が四百二十六億、それに対しまして修繕費として計上しておりますものが二十八億でございます。このうち一般修繕費と考えておりますのが十八億七千万円、昭和二十五年度実績で申しますと、十四億八十万円計上しております。十八億七千万円は約二割五分ほどの増加でありますから、これは今日の物価騰貴を考えますと、大体昨年度と同程度修繕ということが一応言えると思うのであります。そのほかに特別修繕費として九億円を計上いたしまして、二十八億円になつておるのであります。パーセンテージから見ますと、相当高いように見えるのでありますが、私どもといたしましては、只今栗山委員からも御指摘のありました、ように、再評価額というものがそれ自体恐らくは再生産価格の三分の一程度であるかと考えるのでありますが、約二%の数字になります。この数字は必ずしも修繕費として過分であると考えておらないのであります。ただ先ほどから御指摘がありましたように、修繕費償却費がなんかダブつておるじやないか、事業経営の観点から言えば、そのほうが結構であろうが、そこが辛抱できないのかという御発言もあつたかに考えるのでありますが、これは考え方の問題でありまして、どうしてもどこか辛抱しなければならないということから言えば、そういう考え方もあり得るかと思うのでありますが、私ども修繕費といたしまして、過去においてやつて来た実績というものが必ずしも十分であつたとは言えない、需用増加に伴う施設の改善がやれなかつた関係から、なお更修繕のほうは怠つておつた、そういう観点から言いまして、只今考えております二十八億の一部分が、特別修膳費という名目になつておりますけれども、これは便宜上修繕費内容を分けたのでありまして、一般的にこの程度修繕費というものはやつたほうがいいのである、こういうふうに考えております。ただその場合に償却のほうを一挙に再評価額のほうにするということは、これはどうもなんか贅沢ではないか、こういうお考えが或いはあるかと思うのです。ここは観点の問題になると思うのですが、私どもといたしましては、事業の完全な維持、補修、将来に亘つて電力を減退しないサービスを低下しないで事業が維持し得るという観点に立ちますならば、再評価をやるということが今日までむしろ遅れておつたのであります。逆に申しますと、耐用年限の過半を経過した設備が多い現状におきまして、やはり単に資産を償却しただけではいけない、電力設備そのものを現在の状況或いは原始建設の状況において維持しなければならないという観点において、償却償却としてやるわけであります。建前といたしましては両者が同時に認めて頂きたい、こう考えております。
  201. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 只今の問題はこれもここで解決する問題ではないと思いますが、又それだけに一番重要なポイントでありまして、井上社長或いは菊地理事、その他各責任者からもそれぞれ御発言があつた通りでありまして、従いまして私どもとしましては、そういうような状態にあつたということを把握いたしまして、今後公益委員会といろいろ交渉を続けて参りたい、こう考えます。  それからこの際ちよつと私から同じような問題でありますが、二、三点伺いたいのでありますが、先ほど申されましたロスの軽減工事、これは逆に言えばマイナスの発電所建設工事と同じに当るわけでありますが、こういうようなロスの軽減工事に対しまして、計算不能の電力料金化いたしますためのメーターの取付け、或いはリミツターの取付、更には配電引込線の取替えというような工事がやはり修繕費として扱われておりますけれども、こういうものは配電線等においてはやはり完全なる設備の更新になるのでありまして、建設費として扱うべきでないかという意見が昨日或いは一昨日も各委員から出ておつたのでありますが、これに対する御見解を伺いたいと思います。関西電力中村君。
  202. 中村鼎

    参考人(中村鼎君) ロス軽減の対策に使用します費用につきましては、関西といたしましては、極く消耗品的なヒユースでありますとか、そういう少額なものにつきましては特別修繕費に挙げておりますが、まとまつたものにつきましては、全部修繕費から除きまして、建設費のほうに計上してあります。
  203. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 只今のロス軽減対策につきまして、関西電力のほうからお答えがございましたが、今日御出席の中で、中部、中国、四国、九州、いずれもロス軽減対策の工事費と目さるべきものを修繕費の中に入れて包括されていられますが、これは特にこの修繕費の中に加えなければならん特別な事情、の御説明を伺いたいと思います。
  204. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 工事費を修繕費で出しておるのであります。先ほど関西から御説明があつたのでありますが、大体同様の考えをしておるのでありまして、施設そのものとして残るものは建設費として考える、工事費等は一応修繕費として計上してあります。
  205. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 ちよつと他のかたからも順次御説明を頂きたいと思います。
  206. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) ロス軽減工事の件につきましては、先ほどちよつと金額を申上げましたように、九州といたしましては二億七千五百万円程度計上しておるわけでございます。これはロス軽減工事の全体といたしましては、非常な多額の金額になるわけでございまして、純粋に修繕費として処理しなければならないものがどの程度あるかということを考慮いたしまして、そうして計上したわけでございまして、その点が二億七千五百万円という金額なつておるわけでございます。全体の修繕費に比べまして、大体一割弱という金額でございまして、これは先ほども申しましたように、見方によれば昔の修繕不足のものを補う意味も幾分入ります。そうした面は極く僅かだと考えております。
  207. 菊池宏

    参考人(菊池宏君) 四国の場合を御説明いたしますが、ロス軽減工事費として二億四千万円計上いたしておりますが、すべて修理工事費であります。そのうちの特に大部分を占めております配電関係のものは、ロス軽減、擅用防止等をもくろみます配電区画の整理等の工事費が主なものであります。
  208. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) いいですか、椿君、この程度でよろしうございますか。
  209. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 ええ、あとで又何します。
  210. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) ちよつと今の点でわかりにくい点がありますから、ちよつとお尋ねいたしますが、工事費を修繕費で挙げたとおつしやつたのでありますが、それはロス軽減工声のために必要な建設費に計上すべき例えば機器の類とか、或いは配電線の張り替えをいたしまする新らしい資材とか、そういうようなものは全部建設費勘定にする、こういう意味でございますか。
  211. 井上五郎

    参考人井上五郎君) そういうふうになつております。
  212. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 頂いております資料を拝見いたしますと、この北陸電力さんの場合は、ロス軽減対策を建設工事費と修理工事費というふうに区別をして出して頂いております。で一般修繕費というのを又別に計上されているのでありますが、今御答弁を頂きました中部、九州四国などでは北陸さんのようにできていない。従つてこの私の考えを申しますると、このロス軽減対策のための設備は、これは減価償却の中で落さるべきものであつて、純粋の建設工事費などに計上されるのが私は本当じやないかと思うのですが、これについてどなたかからに、中国電力さんからでも一つ……。
  213. 真田安夫

    参考人(真田安夫君) お説の通りでありまして、我々のほうにも設備になるようなものは全部設備のほうに切換えております。ロス軽減の修繕に当るものは多少小さいものもありますが、殆んど擅用防止的な面を考えております。いわゆる期限切れのメーターなどが相当溜まつておるのであります。これをいろいろ調べてみますと、非常にエラーが多くなつております。現在私のところでも二十数万個の期満計器がありますが、こういつたものをできるだけ解消して行きたい。それからリミツターなど相当付けておりますが、一割ぐらいはいつも壊わされたりなんかするのです。それのまあ取替え、それから配電が相当消耗いたします。こういつたような修繕費的なものだけを取上げております。設備費なんかは設備的なほうに取入れております。
  214. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 只今つておりますと、各社修繕費計上の仕方にもまちまちの計算をしておられるように伺いますが、再評価の問題、又減価償却の問題、役員報酬の点、或いは株主配当のいずれもテンパーセントに統一されておる点、或いは合理化対策の方針など大体昨日から伺いましたが、東の三社も合せて期せずしてこれは一致しておるのですが、これは各社がお集りになつて新料金を申請される場合にこういうふうに一つしようじやないかという申合せによつて、こういうものが統一をされておるのか、或いは公益事業委員会の指示に従つてこういう基本的なものを統一されたのか。その点についてちよつと伺いたいと思います。各社が申合せをされたのか、公益事業委員会の指示があつて、こういうふうに例えば再評価でも評価法に基く限度一ぱいの評価をしておられる、償却の場合は定率法、配当の場合はテンパーセント、重役の報酬はいずれも九十万円、理事は八十万円というふうに統一されておるのですか、これはどういうところからこういう結論が出たのでしようか。
  215. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) これはまあ社長にお伺いするとして、中部電力井上君。
  216. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 只今のお話は公益委員会の指示に基く点は全然ございません。それから各社も特に申合せをしておのおのおこういうふうに出そうという申合せをした意味ではございません。ただ電気事業全体として一体どうなるのかという包括的計算をしたのであります。そのときの電気事業全体として七割何がしの値上げになるという一応の試算を私ども共同でやつたのであります。そのときに、或る一つの想定数字を使いましたわけであります。自然それに習つた数字が大同小異に出るという点があるわけであります。その申合せによつて事業者間の或る縛つた……或いはそれが公益委員会の指示であるというものであるというものではございません。
  217. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 どうもちよつと納得がいたしかねますけれども、御説明通りだろうというふうに一応了承いたしておきます。  大変これは時間が遅くなつ参考人の皆さんにお気の毒でありますが、もう二、三点御質問いたしたいので御了承頂きたいと思います。  電力事業が公益的なものであるために、例えば火力の補給金のごときものが他の産業ではなくなつておりますのに、今日まだ残つておるのは、再評価の場合、或いは償却の場合、修理費の場合、他の産業、私企業というものとの睨み合せをなさつたものだろうか、私の浅い知識から考えましても、評価法に基く限度一ぱいの評価であるのか、或いはその修繕費が一般の産業に比べて遥に高率なものが見込まれておるというようなことを、公益事業として今ここに申請をされておるようなものが、果して許さるべきものであろうかどうかというようなことを考えるのですが、他の産業、私企業との睨合せというものをなさつた上でこういう申請案できたでしようか、そういう点についてのお考えを承わりたいと思います。
  218. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 九州電力赤羽君。
  219. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 九州電力といたしましては、その点も考慮に入れて償却並びに修繕を考えたわけでございます。償却費につきましては、これは最初の御説明のときも申上げましたように、電気事業の特性といた、しまして、固定資産が非常に大きい。而も独占企業であるということは、その地区においてどうしても供給の責任を持たざるを得ない。従つて現在持つておる設備は常に稼働率を高くして、そうして稼働率を落さないようにして供給して行くのでなければ需用家に対する義務と申しますか、責任が果せないという点を考えますと、どうしても設備に対する修繕費というものは、昭和九年乃至昭和十一年という平常時の比率程度は再建設費度に対してどうしても要るという考えで修繕費は弾いたわけでございます。なおそれに問題になりましたロスを二億七千五百万円ほど加えましたが、これは九州におきますそういつた面のトータルの費用の二十九億二千五百万円に比べましては、八%ぐらいの数字でございまして、これは本当に先ほども申しましたように、修繕費に当る分だけを引き抜いたわけでございます。なお償却に対しましては、前提といたしましてはやはり同じことでございまして、固定資産が大きくて、半永久的な供給責任といいますか、それを持たされるということから考えますと、その機械に対します寿命に対しては常に再生産されるような運営をして行かなければならない、こういう観点に立たざるを得ないと思うのであります。そういたしますと、どうしても再評価額の限度に対しまして定率法生採用さして頂きたい、こう考えたわけでございまして、私どもといたしましては決して多いとは思つておらないのでございます。勿論他産業との関連におきましての考慮も払いまして、私のところにおきましては、現在老朽化しておるとか、陳腐化しておるとかという資産につきましては、できるだけ削除いたしまして、その削除した数も先般差し上げましたお手許の資料の中にも明記してございますが、そういうのは発電設備、送電設備、変電設備のいずれを問わず克明に削除いたしまして、再評価の適正を期した次第でございます。そういう次第でありまして、償却並びに修繕費を九州といたしましては算出いたした次第でございます。
  220. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) お諮りいたしますが、時間も遅くなりましたので、この委員会も適当なところで閉じたいと思います。  須藤君の先ほどの質問に対して、数字的な御答弁を願うことになつておりますから、それをのちほど取揃えてお願いいたします。
  221. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 委員長のほうからも大分時間が迫つておるからということでありますから、要点だけをまとめてお伺いすることにいたします。  私は今度の電力料の改訂が一般の大衆生活に大きく影響するものであることは同僚の諸君からいろいろ述べられたところでありますが、特に交通料金への影響について伺いたいのでありますが、いろいろ資料を、他産業に及ぼす影響の資料を頂戴しておりますけれども、比較的その交通運賃というものに対する影響の何は出ていないのであります。これは殊に中部さんと関西電力さんにお伺いをいたしたいのですが、私鉄にいたしましても、都市交通の場合でもそうでありますが、電力のロスを防止するために、或いは又電触その他によつての地下施設の損害を防止するというふうな狙いもございまして、一企業体でありながら変電所を十数個、或いは二十カ所近くも持つているのでありますが、今度の場合もこれまでと同様に変電所別に供給契約を結ばれるおつもりでありますか、その点について中部さんと関西電力さんのほうから一つ。
  222. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 只今御指摘の電鉄が変電所別の契約になるのか、包括の契約になるのかという点については、現在の供給規程においては供給地点別契約を原則とし同一系統から送電するものに限り総合契約をすることにしておりますが、現在調整規則の適用に当つて契約合計が三、〇〇〇キロワツト以上のものは特に特別大口と看做して公益事業委員会で一本の割当をしておられますので、実質的には総合契約の形になつております。これは経過的措置と存じますので、今後は供給規程通りに移行されるものと信じます。新料金制においては現在の供給規程の方針によることを予想しております。併しその運用については十分研究中であります。  それから御指摘の電鉄等の公共事業関係が、負荷率の関係から若干値上率が高いということにつきましては、同様な性格の事業であるということにつきまして十分考慮を払いたいと考えております。具体的にどういう契約になるか、只今実は担当者が来ておりません。甚だ恐縮でございますが。
  223. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 今の電鉄に対する影響でございますが、ちよつと資料の中にはございませんでしたが、私記憶しておるところによりますと、大体少いところで四、五%、多いところで七・八%、全体の原価の四・五%から七・八%というふうに聞いておるわけでありまして、従つて今度二倍になりますと、それが原価に対して影響する割合は今言いました四、五%から七、八%というふうに考えております。それからあとの変電所別の契約でございますが、これは前の料金更改のときに、変電所ことにやるほうが合理的であるということになりまして、そういうふうに変えたのであります。今まで総合であつたものを変電所ことの契約にいたしたのでございます。従つて今回におきましても、今回もその方針を続けたいというふうに考えております。
  224. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 合理的であると考えられるので、変電所別の契約を今日までやつて来た。今後もこれを継続いたしたということでありますが、私の伺つておりますのは、交通事業などは七割五分とか、例えば五割とかいうような、この電力料の値上が支払金額においてそれだけ上るだけでももつと大きく響いて来るということを非常に心配をいたしております。そういうことが実現をして参りますると、結局市民なり産業人の足に直接響くことでありますから、これが又諸物価にはね返つて参りますと、悪循環を促進するというようなことになつて参りまするので、特に重視してお聞きをするわけでありますが、需用家のほうで新料金策定並びに契約に当つて変電所別の契約でなくして、これは一事業でありますから、総合的に統一契約を要望いたしましたとすれば、それに応ずる御用意はありますか。
  225. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 電鉄に関しましては我々としましても非常に重要な企業でございますので、いろいろこれに対しての割引というような点も考えまして、実は休日割引というようなことも実際の電気的な、技術的に考えましてもロードを特に休日に移したのではないので、割引はできないのでありますが、特に電鉄はそういうような公共的な事業でありますから、休日にかかつた賃銀や休日割引をしようというようなことで、一般の産業に比べまして安い原価になるように考慮いたしておるのであります。併し今の変電所ごとにやるかやらないかという問題は技術的に考えましても、総合だけで契約するということは、変電所のおのおのの契約というものを相当重視しないと、一方だけに電気を、電力をかけられるというと、設備がおのおのの変電所の設備というものでこちらは契約さしてもらわないと、一方はオーバーして、一方は非常に低いということになり、設備が持たないというような技術的な関係もありまして、将来総合的でよいということをちよつと申上げにくいのであります。これはこの前料金改正のときに非常にいろいろ問題になりまして、最後に物価庁におかれましても事業者のほうの方針がよかろうということで、そういうことにきまつたのでありますので、もう一遍前の通りの状態にするということは我々も相当考究してからでないと、ここでそうするということはちよつと申上げかねると思います。併し御要望もあることでありますから、我々としましてももう一遍考究させて頂きたいと思います。
  226. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 最初に栗山委員から各社の重役の数についてお話がございまして、それぞれできるだけ定款に二十名とあつても費用節減の意味で殖やさないようにできるものならして行きたいということについて証言がございましたので、その点は了承いたしましたが、各社共通して考えられますことは、合理化対策の中で相当従業員に対して一段の協力を今後求めることを要請しておられます。而も人件費は新規採用等を抑制することによつてつて行かないように、又自然減というものを補充しないようにして行きたい。一方盗電防止対策でありますとか、或いはサービスの強化とかいうようなことを殖えない人員において多くの合理化をお考えになつております。このことはこの従業員全体の事業の特殊性を理解しての一段の協力が必要になつて来るわけですが、その際に僅かなことでありますけれども、今度申請書を拝見いたしますると、重役さんの報酬が九十万円と八十万円に東京電力さんを除く以外は全部統一されておるのであります。一方従業員のほうは電産給与によりますと、地域差というのがあるのですが、こういうようなところには少しも考慮されていない試案をお出しになつて、そうして従業員を殖やさないで、而も事業の分量は殖えて行く、多くの労働強化ということがこの合理化対策の各社を通じて考えられるのでありますが、そういうお考えでこの重役さんの報酬などをこれは訂正してお出しになつたほうが私は効果としては会社としても挙るように思うのでありますが、これについてのお考えを承わりたいと思います。
  227. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 先刻出ました御質問で、その当時お答えをいたしたつもりなんでございますが、実は私ども会社で申しますれば、定款に定められたる人員であり、且つ株主総会におきまして決議を得ましたる金額をこれを計上したのであります。併し実際には先刻申しましたように、人数も少いのでありますし、その総会におきまして認められたる役員報酬の金額を現在支出しているわけではございません。これは過去におきまして配電会社、或いは日本発送電会社で私どもあほうの会社へ来られたかたがたの給与につきまして、当時の現状と申しますか、その当時の支給額を超えないということを考えているわけであります。それを細かく計算をして出したらいいかどうかということにつきましては、御意見として承わつて置きます。実質上非常に大きな数字にはならないかと考えますが、基本的な考え方といたしまして、電気事業に従事しているものが、役員といわず従業員といわず、いやしくも値上げをお願いしなければならないような現状におきましては、内部的には十分緊縮、自粛する覚悟でおります。
  228. 中村鼎

    参考人(中村鼎君) 重役報酬の問題につきましては、関西におきましては、定款の人数とそれから総会に付議しました報酬をここに挙げたわけでありますが、先ほど中部の社長の言われたのと同様でありまして、私どもとしては十分緊縮、自粛をいたして参りたいと思つております。
  229. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 只今の問題は委員会意見各社ともお聞き及び願つたことと思いますし、よく事情も御理解を願つたことと思いますから、この辺にいたしたいと思います。  それでは須藤君の質問に対する答弁を順次お願いいたします。
  230. 真田安夫

    参考人(真田安夫君) 中国電力の大体の収入の月別の見込みは五億乃至六億程度でありますが、未収は大体一割見当六千万円くらいの見込みでございます。その中三分の一の二千万円は占領軍関係であります。これは一カ月半ぐらい遅れて入つておりますから、更に三分の一、二千万円は一件が五万円程度の需用家のものをあります。その他が二千万円という分類でありますが、今日では不安定な需用は大体整理いたしましたので、翌月、多少月遅れには入つて来るというような程度であります。
  231. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 未収金の総額と、その中で大口電力がどれぐらいあるかということの御質問の要点であつたかと思いますから、そういう点をお心得の上簡潔にお願いします。
  232. 菊池宏

    参考人(菊池宏君) 四国の総調定額は現在大体月額約二億二、三千万円乃至四、五千万円であります。その中の未収として月末に計上いたします分が約七千万円乃至八千万円でありますが、これは丁度月末が調定に当りますために金額が多うございますので、事実上の未収は大体一カ月前後、経過後の未収とみなされるものは千万円乃至二千万円と思います。実は甚だ申訳ありませんが、只今正確な資料を持ち合わせませんので、私の記憶しておる程度で御勘弁願います。それでその中の大口関係は非常に少い額でございまして、これも月によつて異動はありますが、大体三百万円前後と記憶しております。いわゆる焦げ付きと申しますか、回収不能とみなされるものは幸いにして殆んど数える額にはなつておりません。昨年度の例におきましては二、三工場が非常な財界の変動の影響を受けられまして、回収不能と覚しきものもありましたけれども、幸いにして又復活したためにそれが順次なし崩しで入金して頂いておりますようなわけでございます。大口需用者でも特に高額の回収不能額は従来は余りございません。
  233. 赤羽善治

    参考人(赤羽善治君) 九州電力の現行料金におきまする一カ月の収入予想、は八億八千五百万円程度でございまして、これに対しての未収金は全体としまして大体二八%程度、これを大口と一般に分けますと、大口が大約一億円、それからその他が五千万円という状態でございます。これはやはり調定の方法その他によつて止むを得ない点もありますので、これが全部貸倒れとかそういうような形になるかと申しますと、そういうことは決してないのでございまして、ただ時期が遅れて収入があるというに止まるのでございまして、事業の貸倒れ損というようなものにおきましては、大体〇・二五%程度の見込みでございます。
  234. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 只今赤羽君からお話がありましたのとやはり似たような状況なのでありますが、中部電力におきましても大体一カ月八億何子方乃至九億何千万の収入があるわけでございまして、毎月検針と認定のズレから言いまして、毎月一応の未収金というものが立ちます。数十%のものが立つのでありますが、これが結局回収不能になる数字は極めて少いのであります。二十五年度実績で申しますと、約九百万円でありますから、〇・一%ぐらいに過ぎないのであります。
  235. 野村憲一

    参考人(野村憲一君) 北陸電力におきましても今までの御説明と大体同じでございまして、未収金につきましては、殆んど小口につきましては九八%くらいの集金率を挙げております。で二十五年度におきまして貸倒れ損として償却いたしました金額は一千万円でございまして、全体の収入が二十八億円、約二十九億円でございましたけれども、そのうち一千万円が回収不能になつたわけでございます。大体これは先ほどお話大口の需用家が多かつたのでございますが、この内容は製塩事業と似たような事業でございまして、一般の事業には余りさような回収不能率と言いますか、貸倒れというようなものはない状況でございます。
  236. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 私手許にちよつと正確な数字を持つておりませんが、大体私どもの収入は一カ月平均十五億円でございます。そのうち、その月の月末において未収になるものは大体四億近くございます。併しこのうちにその月の分とその前の月からの未収がありますから、その月の分で申しますと、これの半額くらいのもので、二億円くらいのものでございます。そのうち大口は又丁度半分くらいでございまして、一億円くらいのものだと思います。そうして今中部、北陸さんからおつしやいましたように、このうち全然数カ月経つても取れないというものは極めて僅かでございまして、一カ月の収入の一、二%のものだというふうに考えます。
  237. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) 只今会社の検針と集金とのズレによる形式上の未収でございますね。それはやはり未収でなくて、料金収入の面では早収料金として取扱われておるのでございますか、それとも早収料金ではないわけでございますか。
  238. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 大部分は早収料金です。
  239. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 ちよつと、この未収金の分は少いとおつしやいましたが、これは去年の未収の分は今年の収入の予算の中に含まれていないわけなんですか。
  240. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 去年の未収金でありますか、それは無論含まれておりません。
  241. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 含まれていないわけですか。
  242. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) それは調定というものと本当の実際収入というものは違いまして、毎月調定に立てて領収書を発行したものが、その月の収入ということになります。
  243. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 あとから収入があつた場合には、それはどういうふうに扱われるのですか。
  244. 中村鼎

    参考人(中村鼎君) 未収金のほうは、最初収入は全部収入を立てまして、未収金という資産の勘定に入れるわけです。その未収金を含めているわけです。もう毎期議定の収入額は必ず収入になる、そうして最後にとれなかつたものは結局雑損に入るのであります。
  245. 栗山良夫

    ○理事(栗山良夫君) これで委員会を閉じたいと思いますが、最後に一言だけ昨日との関連がありますので、六社のかたがたにお願いを申上げておきたいと思います。  それは昨日東京電力の安蔵さんに委員会としてお願いをいたしまして、お引受を願つたことでありますが、各社の御協力を頂かなければならないと思いますので、お願いを申上げておきます。そのことは昨日問題になりました、点でありまして、今度相等多額な修繕費予定をせられておりまするが、問題点は償却等の関連がありますることが第一点であり、第二点はこの多額な修繕費がいわゆる特需或いは新特需の需用を控えました日本の経済界或いは産業界にありまして、極めて特殊な資材、或いは又特別な労働力を擁してこなさなければならんのでありまするが、果してこれだけ厖大な金額工事量が消化し得るかどうかということが問題であるわけであります。各社の計画数量としては、勿論これを責任を持つて御実行なさると言われておるのでありまするが、先ほど問題になりました石炭の量と同じに、これは国の力にも関係をする問題であります。そこで重要なる資材、例えば鉄、セメント、銅と、こういうような資材並びに機器といたしましては積算電力計、或いはリミツターとか電線とかこういつた製品等に対しまして、この修繕工事を行いまするために必要な所要量、それから日本の国内におきますところの生産能力、更にその生産能力の中で電気事業に振り向け得られるところの見込、こういうようなものを是非とも御研究を願いたいということを申上げたわけであります。電柱なども相当な量に上るようでありますが、果して只今の木材界の実情から言いまして、これだけのものが充足できるかどうか、こういうような点も考えて見たいと思うのであります。いずれ東京電力の安蔵社長から御相談を頂くことと存じまするが、私ども只今申上げましたように、計上された修繕費が一〇〇%こなされるということが前提でなければなりませんので、そういろ観点からお願いをいたしたわけでありまするから、御協力を頂きたいと存ずるのであります。  それからこれで委員会を閉じたいと思いますが、長時間に亘りまして、参考人のかたがたが熱心に委員会の意図するところを御理解下さいまして、御協力を頂き、熱心な質疑に応じて頂きました点を、委員会を代表いたしまして厚く御礼を申上げる次第であります。  今日はこれを以て閉会といたします。    午後七時十分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            栗山 良夫君            結城 安次君            水橋 藤作君    委員            秋山俊一郎君            石坂 豊一君            石原幹市郎君            岡田 信次君            小野 義夫君            古池 信三君            島   清君            椿  繁夫君            山川 良一君            境野 清雄君            須藤 五郎君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       渡辺 一郎君   参考人    中部電力株式会    社社長     井上 五郎君    中部電力株式会    社調査部考査課    長       大岩 三郎君    中部電力株式会    社調査部次長  河津吉兵衛君    北陸電力株式会    社副社長    山本 善次君    北陸電力株式会    社営業部長   野村 憲一君    関西電力株式会    社副社長    中村  鼎君    関西電力株式会    社企業部長   加藤 博見君    四国電力株式会    社社長     宮川 竹馬君    四国電力株式会    社理事     菊池  宏君    中国電力株式会    社営業部長   真田 安夫君    九州電力株式会    社企画部長   赤羽 善治君