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1951-01-31 第10回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年一月三十一日(水曜日)    午後一時四十三分開会   —————————————   委員の異動 一月三十一日委員江田三郎君辞任につ き、その補欠として小林孝平君を議長 において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電気事業編成実施に関する  件)  (電気料金及び割当所管に関する  件)  (日本発送電株式会社含み資産に  関する件)   —————————————
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今から委員会を開会いたします。  本日は前回の委員会において御決定願いました線に沿つて緩急の点を考慮いたしまして、公報で御通知いたしました通りに、第一に、電気事業編成実施に関する事項、第二に、電気料金及び割当所管に関する事項、第三に、日発含み資産に関する事項について、関係当局から説明をお聞きしたいと思います。  第一の問題につきましては、公益事業委員会としても全力を挙げてこれに当つておられると信ずるのでありますが、当委員会としても、最終決定前に全貌を聴取して置く必要を感ずるのであります。つきましては、(イ)といたしまして、再編成実施予定及びその基本方針について、再編成実施に伴う各種作業予定及び政令で定められている事項以外の公益事業委員会においてお考えになつておられえる各種基本方針を詳細に御説明願いたいと思います。なお(ロ)としましては、再編成実施に関する新らしく出されましたポ政令内容、(ハ)としましては、再編成実施に関する集排法による権限の委譲されたもの、(二)としましては、中央及び地方における電力行政機構改編進捗状況等について、できるだけ資料により経過並びに現況につきまして詳細に御説明を願いたいと思います。本日は、公益事業委員会から、松本委員長松田事務総長平井技術長中川経理長、通産省からは横尾通産大臣に御出席を願つてあります。  先ず(イ)の再編成実施予定及びその基方本針について、松本委員長から御説明を願いたいと思います。
  3. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 再編成実施予定及びその基本方針ということでありますが、この電力会社の再編成の問題は、御承知のように、非常に複雑な仕事でありまして、相当の長い期間を要するものかも知れないのでありまするが、現下状況から見ますると、どうしても早くこれをやらなければならん。我々の委員会は昨年の十二月十五日に委員が任命されまして、そのときはまだ委員会事務員のほうの関係は何もできておりません。昨年一ぱいかかりましてほぼ事務のほうの人が整いまして、それから役所建物というようなものが物色されて、今年の初めにやつと新らしい役所ができたようなわけであります。併し急いでこの再編成をやらなければならんということになりましたので、一月の五日くらいにほぼ日程を決定しました。これによりますと、一の八日に持株会社整理委員会から我々の委員会に委譲を受けまして、再編成事務は我々の委員会のほうでやるということになりまして、直ちに各関係会社首脳部の人を集めまして、目頭を以て通達をいたしまして、二の八日までに再編成計画書を出すということを命じまして、それから二月の二十三日にこれに対して委員会で認可をいたすということに予定しております。その後三一十日から三月二十日までの間は聴聞会を開きまして、そうして大体三月の末に確定をしまして、それから四月一ぱいは内閣総理大臣に対する異議の申立の期間を置きまして、四月の末日にこれが確定するということにたりまして、五月一日に新会社ができるということにしようと、そういうことにスケジユールをきめましてこれを申渡しました。この期間は比較的に短いのでありまして、相当無理があると思いまするが、併し現下事情から見まして、電力開発とか或いは電気供給事業サービスの改善というようなことは、どうしても早くこの再編成を終らんと本式にはできない。而して、殊に電力開発のごときは一日も早くすることが必要であろうというので、再編成をできるだけ早くしようというので、只今述べたようなスケージユールを作つているのであります。そのスケジユールを実行するために、一月の八日前におきまして、委員会におきまして数個の部屋を委員会役所の向う側のほうの建物に借りまして、そこへ各会社の人が集まつて相談をしてもらうということにしました。従つて会社間及び委員会との間の連絡も都合よく参るということになつております。今までの経過から申しますと、大変都合よくできておりまして、ほぼ各会社の間の協議は、或る程度まですでに成立していると言つてよろしいことになりました。その各会社の人の働いております状態は、実に同情すべきほどの勉強でありまして成る場合には朝の三時までも働いておつたというようなことを開いております。勿論休みなんというものは全くなしに働いている。従つて我々の委員会のほうも相当ために働かされまして殆んど只今は再編成仕事が一番重荷になつております。他の仕事よりも一番先にこれをやらなければならんというので、重荷になつているような次第であります。 この再編成をやりますにつきまして、非常にむずかしい点は、あとでできます九つの新らしい電力会社が各健全に発達して参り、成るたけ役所会社ができないようにして参りたいということ、このことが一番むずかしい問題だと考えまして、我々もいろいろの案を作つて考えました。これを各当事者会社にいろいろな案を示しまして、又各当事者会社もいろいろな案を考えまして、ほぼ妥結に近付いているのであります。案をまだ申上げるほどの時期に達しておらんと思いますが、大体の趣意から申しますと、只今申したように、各会社の力を成るべく均一にして、弱い会社のできないようにしたいという考えで、そのためには日発が、各会社に各会社区域内で持つている財産出資することになる、その出資を如何に評価して出資するかということが非常に面倒な問題になります。これを帳簿価格で出費するということになりますと、大変な、同じ水力でありましても、一キロワツト数百円のものもあるし、或いは一番新らしいものだと数万円にもなる。火力もまた同じように違う。こういうものをどうするかということが一番面倒な問題でありましたが、これは今大体妥結に近付いている案としましては、固定資産帳簿価格とそれから再評価額、再評価の結果出て来べき額を予定しまして、その額を、非常に大きなものになります、数百代円になるものを、これを圧縮しまして、そうしてそれとその両方を合せまして、それを二で割るということで評価をするということに大体まとまらんとしております。その結果は、今の簿価と比べて、或る会社に対するものは高くなりますが、成る会社に対するものは安くなる、そういうことになるのであります。  それからなお各配電会社の間で非常に協力して、大きい会社と言うべき関東配電であるとか或いは関西配電というような所で相当犠牲拂つて高い財産を引受けて、そうして少し小さいほうの会社には安い財産を引受けさすというようなことにしまして、これによつて均衡を図るということになろうと思われております。ただ問題になりますのは、日発株式と各現在の配電会社株式との間の株式比率をどうするという問題であります。これは比率のことを、若し現在持つておる財産の再評価額等によつて計算をしますと、非常にまちまちになるのでありまして、これは却つて不公平な結果を来たすということで、比率は同じことで、即ち日発の三十億円の資本に対する六千万株、それから各配電会社株式の総数、資本金額は四十二億円、従つて八千四百万株、これを各一対一で計算をして、そうしてあとでできる会社の総資本額は七十二億円、それを九会社分割したものになるというように定めました。ただ日発と各配電会社と多少違います点は、各配下会社株主は、自己の持つておる株式と同数の、同じ地域にできる新らしい電力会社の株をもらえるが、百株持つてつた者はやはり百株、その同じ会社とは言えませんが、自己会社の後身とも言うべき会社の株を百株もらいまして、日発株主のほうは九会社に分れる各会社出資を一部分ずつしますから、九会社の株をもらうわけになるのでありまして、そういうことになりますと、自発株主は非常な損失をこうむる。御軍知のように株式の取引は大体百株、今の五十円券面の株式で申して百株を單位として行われておる。百株以下の、或いは百株を以て割れないような数の、何十株というようなものはなかなか売買等もうるさい。そういうような端数の株をもらうという日発株主に対しては、どうしても保障をしてやる必要があるという考えで、日発株主だけに限つては、一株に対して一株しかもらえませんが、それ以外に残余財産分配に当つて多少のプラスアルフアーの金をもらうことにしようということになつております。但しプラスアルフアーの金が幾らであるかということについては、まだ各会社間の協議が整いません。近く委員会において或る程度これを裁定する必要があろうと考えております。そんなようなことで大体九会社の再編成計画書は、近日でき上る運びとなつております。今までのところは非常に円滑に進行しておることを御報告するのは、非常に光栄だと思つております。そこで申上げて置きます。
  4. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今松本委員長の(ニ)の項に対するお話がありました。出資の問題、株の率の問題等、非常に電力編成に関しましては重要な問題と考えます。御質疑がありましたら……。
  5. 山田節男

    山田節男君 今いろいろ財産の問題についての御説明があつたわけですが、将来生まれる九配電会社首脳部とか、重役、殊に社長ですね、社長或いは会長といつたような、実際にできる新らしい九会社重役、殊に社長に対しての、公益事業委員会方針が何かあればお伺いしたい。
  6. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 只今の御質問にお答えいたしますが、新らしくできます会社社長その他の役員は、再編成計画書できめて、そうしてそのまま創立総会的のものなしにきまつて参る。従つて計画書で最後にきまるということになります。これについて委員会としては、いろいろ各委員は各自いろいろ考えてはおると思いますが、委員会としては、曾つて一回も相談をいたしません。何ら相談をしない。又従つて議事を開かないという理由は、只今の再編成というのはよほど、いわば無理な仕事で、その仕事を非常に熱心に且つ大変に和衷協力の精神でやつてつてくれる重役は、現在の重役なんです。この現在の重役に或いは何らかの変更を加えることになるかも知れませんが、そういうことをきめまして、そういうことが我々の中で仮にまあきまつたといたしますれば、おのずから今働いておる人の働き振りが変つて来る腐れがあるだろうと思いますので、何ら新らしい役員についての議事等をやりません。これを如何にするかということは、各自が今考えておるに過ぎません。これは八日の計画書の提出がありました後において、委員会で或いは議事を開いて、そうしてきめるということにしたいと思つております。
  7. 山田節男

    山田節男君 役員の中でも特に監事といいますか、監査役といいますか、オーデイターの役になるもの、これは先ほどおつしやつたような、自発財産分配ということがたとえ完了しましても、その後における九会社運営上、私はオーデイター役目といいますか、非常に私は重要だろうと思います。従つて公益事業委員会として、殊にこういう整理によつて分割される各会社に対する役員についてはお伺いしましたけれども、それが果して監事或いは監査役というようなものに対しても、公益事業委員会としては同じ態度をとられるのかどうか、又或いは公益事業委員会として、このオ—デイター役目をする者に対しての何か特別の方針と申しますか、ポリシーを持つておられるかどうか、この点を一つ明らかにして頂きたい。
  8. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 新らしい会社監査役について考えなければならんことは、商法の改正がこの七月一日から行われることになつております。その規定によりますと、新らしい監督役制度は、従来の制度と大分変りまして、主として計算のほうの正否を判定するというような役目になりまして、幾らか何といいますか、重みが下がるように考えられております。併し実際のことから申すと、そういう新らしいこの監査役に対して、何が例えば会計士というようなものに限るというようなことは、これは実はできないと思います。やはり監査役としては大体において従来のような方針経理のわかる人を頼む、特に資格に制限を設けるというようなことはできまいと思つております。
  9. 三輪貞治

    三輪貞治君 新会社役員人事につきましては、再編成計画が出た後において、委員会決定されると思いますが、そのことについてのお話はないと存じますけれども、これは普通の会社と違いまして、その会社区域内にありまする各地方の問題とも関連性の深い問題でありまするし、又大株主分布状態等も、いろいろとその会社によつて異ると思いますが、地域的な関係相当考えになりまして、人事の問題を考慮に入れられますお考えでありますか。これは委員長の個人的なお考えで結構であります。
  10. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 先ほど申したような趣意で、只今私の考えておりますことを、まだ公にするには少し早いかと思います。これは済んでから一つ御報告的に申上げたいと思つております。
  11. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今役員、特に首脳部の問題について質問がございましたが、お答え頂けない事情は大体私も了承いたすわけでありますけれども、ただ問題は、非常に重要な産業経営の責任を持たれるかたでありますので、公益事業委員会といたしましても、抽象的に一つ基準を公にせられるということは、私はあつても一向差支えない問題ではないかと思うのであります。例えば電気事業経営に円熟した手腕、力量を持つ人でなければならんというようなことは、これは当然常識として考えられることであります。又第二番目として、事業経営をいたして参りまする場合に、事業運営の実体をなしますところの役員間の和をとり得る人でなければならんことも当然でありますが、更に従業員諸君の信任を得られるような人でなければならんということも当然だと思います。又第三点には、如何に優秀な人でありましても、そのものの考え方が、時代から甚だ遅れておつては工合が悪いのでありまして、時代感覚に極めて鋭敏に順応して行ける人でなければならん。或は又今後の電気事業運営は、ひとり各ブロツクの力のみでは如何ともなし得ない問題が多々あろうと思うのであります。従いまして中央の政界或いは財界、或いは労働階級におきましても、十分に識見を持ち、そうして信頼される人でなければならん。又地方におきましてもこれと同じようなことが言えると思うのであります。従いまして私は、今私が申上げましたことについて、松本委員長もお肯きになつておられたのでございまして決して無意理でない常識的な選考の基準であろうと私は思うのでありますが、そういうような考えに立ちましてお伺いを申上げたいことは、今後役員決定発表せられました場合に、少くとも今申上げましたような、国民の、成るほど立派な人が選任されたという了解を得まするために、あらゆる雑念を拂いまして、そうして真に国民に附託に答え得るような経営者を、今申上げましたような基準のようなものを以て説明し得るように、御選択される用意があるかどうか、その点を伺つて置きたい。
  12. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 只今の御質問でお述べになりました御意見は、大変周到にお考えなすつたものと思いますが、是非これを参酌して考えたいと思つております。
  13. 山田節男

    山田節男君 これは最初にお聞きすべきであつたのですが、もつと根本的な問題として、大体こういう電気事業ガス事業というものは、近代的国家においてはいわゆる産業デモクラシイといいますか、経済民主化という意味から、当然社会化或いは国営でやるべきものであります。ところがああいつたような事情で遂に九分割されたということは、これはいろいろな事情があることも勿論了承するのでありますが、この公共事業令の第一條にも書いてありますように、九分割という一つ時代錯誤的な経営をやる。併しながらそれが飽くまでも資本主義的な自由競争のみに走るものではない。やはり消費者本位料金の適正、電力供給を豊富にするということが、これが第一義じやなくてはならんと私は思うのでありますが、こういうふうに九分割して、おのおのの会社サービスをよくする。消費者利益を飽くまで向上させる、これが公益事業委員会存在理由であると私は思うのであります。そうすると、今委員長として、こういつたような一方においては資本主義的な、自由競争的な事業形態をとり、そうして結果においては、今のような経済民主化の建前からいつて飽くまで消費者本位にやる。こういう一方の経営機構と、企業機構と、公益事業委員会の目的とする消費者本位を、例えば施設或いは料金、こういつたようなものに対して、公益事業委員会としては何かその具体的なこういういわゆる産業民主化、これにマツチするような何かの根本的な心がまえを持つておられるならば、それを一つ簡單でよろしゆうございますが、ちよつとお聞きしたいと思います。
  14. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 只今の御質問趣意が少し私よくわかりかねて、甚だ……。
  15. 山田節男

    山田節男君 若し松本委員長がおわかりにならなければ、極端に言えば、今九分割ということは、これは資本主義的な経営機構になるわけです。併し公益事業委員会のできた理由は、飽くまで文字の示しておるように公益事業委員会で、消費者利益を図るということが、これは私は存在理由でなければならないと思います。そうすると今できんとする九会社資本主義的な形態に対して公益事業委員会公益事業としてどうそれをアジヤストするか、そういうのです。
  16. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 新らしくできます会社は、勿論資本主義的の形態をとつておる会社ではありますが、御承知のようにこの頃の会社は、公益事業をいやしくも営みます以上、公益のために奉仕しなければならないということは当然でありまして、昔の、十九世紀時代資本主義的の会社のように、放恣なる経営のできないことは言うまでもないのであります。而してこの資本主義的の会社に対して、公益と如何に適合せしめるか、調整をするということがやはり委員会の重大な役目だと考えております。それで資本主義的の会社を設けることの当否ということについて、これは非常なむずかしい社会主義資本主義との問題になりまして、これについては述べることはできません。併し一方においては、この公益事業をやります会社でも金がなければ新らしい仕事はできません。それで金をやはり取る。そうして新らしい仕事をどんどんやるということは必要なんです。その間の調節は相当むずかしいと思います。例えば当面のただ公益ということから申せば、できるだけ安く料金をしてしまう。会社には何にも余力がないようにしてしまう。配当なぞができぬようにしてしまうのが、或いはよさそうに見えるかも知れませんが、それでは資本が集まりません。増資もできないし、社債の募集もできないことになります。又新らしい開発もして行かなきやならん。そういうことを考え併せて、資本主義的の放恣なことはさせない。一方においては、併し資本主義の長所をやはり尊重して、そうして経営をさせて行くほかはない、そういうように考えております。
  17. 山田節男

    山田節男君 これはもつと具体的に質問するとですね、例えば今おつしやつたように、各企業会社としてペイしない会社というのは、これはまあ企業形態というものが成り立たないわけです。ですけれども、やはり今の企業公益性から見て、公共性から見てですね、例えば配当制限というものを置くのか。それから更に全国まだ多数ある無燈村ですね、電力の行かない……、これは今までのいわゆる資本主義的経営だと、結局ペイしないから送電しないのですね。そういつたようなものがこの新らしくできる九会社に対して、公益事業委員会としてそういうようなものまでも、これは收支償うかどうかという問題でなくて、そういうような方面も今後ますます減少せしむるというだけの一種の強制といいますか、命令と言うか、統制と言うか、そういうことは公益事業委員会としておやりになるお気持になつているのかどうかというような点をお伺いしたい。
  18. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) それは勿論やるつもりであります。即ち料金を定めるというようなことはやはり公益事業委員会権限に属しておる。この料金によつて不当なる配当なんぞのできないように定めて行くということは、勿論やらなきやならんと思つております。
  19. 山川良一

    山川良一君 資産の再評価について、どんなふうに只今考えになつていますか。
  20. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) この資産の再評価は、これは新らしい会社ができた上で、各会社でこれをやるということをするつもりでおります。それをどのくらいの程度にやるか、今の限度額まで各会社がやり得るかどうかというようなことは、これはまだ考えておりません。
  21. 山川良一

    山川良一君 そうしますと、先ほど各会社資産内容等を、あとから成るべく負担のかからないように、バランスがとれるように、こう配分しよう、こう評価についても配分しようというふうにお話になりましたのは、資産の再評価をこういうふうにやろうというふうな前提ばなしに、先ほどお活になりましたような程度でおやりになるのでありますか。
  22. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) これはただ自発財産をどういうように分けて出資するかということについて、今の賦課出資でございますと非常な不公平なことになるので、それで再評価をしたものを仮定して見て、それと賦課と丁度平均したものでやつて行くということに今大体各会社の間の考えがきまつております。そういうことでこの評価をやるか、やらんか、どういうようにやるかということは、あと会社がやることに考えております。
  23. 山川良一

    山川良一君 それでは、私は電力事業資産の再評価は、この水力の水路みたいなようなものと、火力発電みたようなものは、再評価の仕方が非常に違つて来るのじやないか。結局成るべぐ再評価は大きくして頂かんようにして頂いて、消費者のほうの電力料負担ができるだけ低くて済むように是非一つ最大限度の御努力を一つ拂つて頂きたい、こういうお願いであります。
  24. 栗山良夫

    栗山良夫君 どうも抽象的な質問ばかり申上げて恐縮でありますが、第三に伺つて置きたいことは、先ほど公益事業委員会職権を以て行うのであるということをおつしやつたのでありますが、このことは、公益事業委員会持株整理委員会職権までも利用せられまして、そうして非常な強権を以て電気事業の再編成をやられるわけであります。従いまして株式会社でありますにもかかわらず、株主議決を要しないで、いろいろの重要な決定までもなし得る。こういうよた権限にまでも発展をいたしておるわけでありますが、この場合注意をしなければなりませんことは、私企業でなくて公益事業でありますから、飽くまでも公益事業としての性格を逸脱させないために、国民が注視をしておりますのでありますから、国民の完全な了解を得られるように公益事業委員会は努められなければならんと思うのであります。若しそういうことなくして、職権がある、権限があるということで以て、五人委員会皆様がたが、国民から遊離したようないろいろな措置をせられるということになりまするならば、これは日本発送電会社ができ、或いは配電会社を作りました当時の、電力管理法に基いて行われた戰時電気事業の再編成のときですら、株主議決権は認めておりますから、これよりもなお独裁的な再編成であるという、民主的でない再編成であると言わざるを得ないのであります。一にかかつて公益事業委員会皆様がたが、国民の納得し了解をするような民主的な運営をせられるかどうかということにかかつておると思うのであります。従いまして先ほどいろいろな問題は委員会決定をしてからでなければ発表ができないというようなお言葉もあり、又重要な問題については、今後もさようなことに相成るのではないかと私は考えておりますけれども、そういう決定をされまするときには、少くとも一つの、先ほど役員の問題で私御質問申上げたのでありますが、そういうようなはつきりした個別的な、或いは具体的な、これをこうしたというようなことを御発表になる必要はないと思いますけれども、一つのはつきりした方針と申しますか、基準と申しますか、そういうものを明白にせられまして、そうして国民からいささかの疑惑もないような再編成を実行されることが必要ではないか、こう私は考えるわけでありますが、そういう今後の運営につきまして、そこまでの御用意をお持ちになつておるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  25. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 只今の栗山君のおつしやる通りであります。我々の心がまえとしては、最も公正に物事をやつて行きたいと考えております。併し甚だ不敏なる我々でやりましたことは、或いは少くとも十人からはいいと言われても、五人からは悪いと言われるようなことは、これは当然起るだろうということを覚悟しております。併し我々としては極めて公正に物事を処理して行きたいという覚悟でおります。
  26. 栗山良夫

    栗山良夫君 その処理をせられます場合に、処理をせられたいわゆる理由と申しますか、趣旨と申しますか、そういうようなものを随時に委員会から自主的に御発表願つて、そうして円滑に再編成を進められるような用意を持つておられるかどうかということを私はお伺いしたわけであります。
  27. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) これは処理をする事項、目的たる事項如何によつて、発表のできないものもあろうと思います。例えば人間や何かのことについては必ずしも、どうもこういう事実があるとか、ないとかいうようなことは、天下に発表すべきものではなかろうと思う。ただ大方針は先ほど栗山君の言われたような方針でやりたいと考えておりますが、併し各個の人について、この人はこうだ、或いはこの人はこういうわけだからやめてもらつたというようなことは、これはちよつと言いにくいだろうと思います。
  28. 栗山良夫

    栗山良夫君 その通りだと思います。個別にそういうことを御発表になることばでき古いと思いますが、今の役員の問題で申しますならば、あなたが御了解頂きましたような、その程度方針でございますね、そういうようなものを、ほかの重要な問題についても、新聞紙上その他を通じて逐次御発表願つたほうが、国民のいろいろな理解を深める上において、協力する上においてよろしくはないか、こういうことを私は申上げておるわけであります。
  29. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 人に関しますこと以外のことは、これは必ず理由を発表して、そうしてやつて行きたいと考えております。
  30. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから丁度通産大臣がお見えになつておりますので、私、一つ昨年末の電力委員会当時からの問題で、私いろいろ非常に心配もし、又通産大臣がどういう工合に公益事業委員会におとりなしを願つたのか、疑問を持つている点がありますので、一つ伺いたいと思うのであります。それは、問題は再編成の本筋とはちよつと離れた問題でありますが、旧電力局或いは地方の通産局の電力部、こういうふうないわゆる公務員の諸君の身分の問題につきまして、当時犠牲者は一人も出さない、そうして成るべく早く再配置をする、こういうようなことを賛成をせられ、通産大臣といたしましては、公益事業委員会に、その委員会の要望があつた点を伝えて善処するということのお約束を願つてつたわけであります。ところが最近公益事業委員会が発足いたしましても、私どもが伺つておりまするところでは、まだ公益事業委員会の中にも所要な人数が拡充されておりませんで、多数のかたが通産省方面にそのまま残つておられるというようなことも伺つておるのであります。これは御説明を伺い、方針を伺えば私ども氷解するわけでありますが、結局地方電力部の問題を含めまして、電力局のかたがいきなり全部公益事業委員会ヘ行かれるというべきものであるとは私考えませんけれども、少くとも多数の公務員の人がこの再編成を契機としまして、再配置が未完了のままいつまでも放置されて、そうして重要な国民の公務員の諸君が、業務に熱意を出すことができないばかりでなく、或る意味におきましては身分上の不安すら感じておるというようなことがありますことは、非常に重要なことであると思うのでありますが、この点につきまして、通産大臣と松本委員長との間でお話合いをなさつたことがあるかどうか。或いは又それぞれの立場におきまして、どういう工合にこの問題を緊急に解決されようとしておりますのか、この点を伺いたいと思います。
  31. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ちよつと栗山君にお諮りいたします。只今の栗山君の御質問は、今日の日程予定の最後の問題として実は取つているわけでございますが、只今大臣並びに松本委員長の御答弁をお取りにならずに、順次、順序を逐うて最後のときに御質問の御答弁を願いたいと思いますが、如何でございましよう。
  32. 栗山良夫

    栗山良夫君 結構であります。
  33. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 資産の帰属などがどういう取扱になるのかということは、どこで質問したらいいのですか、この機会でよろしければ私付いたいと思うのでありますが……。
  34. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 結構です。
  35. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 各発電所の帰属等は、別表に掲げてあるものは、これでそのまま行くわけでありますが、現在建設中のものが相当あるのであります。或いは又将来予定される発電予定地というようなものがありまして、これをどこに帰属させるかということについて、噂話でありまするが、相当会社の間でいろいろ争奪戦というと語弊があるかも知れませんが、研究をされておるというような話を聞いているのでありますが、これはどういう方針で、どういうふうに処理されるものか。委員長からでも或いは事務当局からでも結構であります。
  36. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 只今の御質問に対しては、目下研究中だと申すのほかないのであります。その研究につきましては、委員会では、技術者として最高峰にあると思われる人五人ほど特に嘱託としましてそうして殆んど毎日のように技術的の研究をやつております。その他技術だけのことで済みませんので、それ以外についても、いろいろの人を頼んで研究をしております。そういう研究がまとまつた上で、すつかりきめたいと考えております。
  37. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 そうしますると、先ほどのお話の二の八日までかに事業計画といいますか、そういうことを出すというふうに承わつたのでありますが、その事業計画書には、例えば建設中のこの発電所は関東に属するのであるとか、或いは中部或いは東北と、こういうことがどこできめられて、今委員長が言われた最高峰の技術者が検討した結果、そこで割当のようにきめて事業計画書の中に載つて出て来るものでありますか。それとも九会社からそれぞれ自己の見地に基いて出て来るものを、委員会決定されるようになるのか、その点。
  38. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 今仰せられたあとのほうのことで、各個の会社で勿論この計画書に書いて出る、これに対して委員会で最後に決定するということになろうと思います。
  39. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 そうしますと、一つの建設中のもの、或いは発覚予定地というものが、それぞれの会社からおれのほうヘほうへと出て来ることも考えられるわけですか。
  40. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) その通りであります。
  41. 境野清雄

    ○境野清雄君 先ほどのお話で、大体出資比率は、公益転業委員会のほうで一対一できまるというようなお話でありましたけれども、これは自発株主にとつては極めて不満足なものじやないかというように考えられるので、二十五年の九月末の資産を再評価しまして、これを基準としたときには、何か一対一・七になるというようなことも我々聞いておるのでありまして、日発株主の持分は、再編成によつて配電会社の持分にプールされてしまうという結果になりまして、著しく不利益じやないか、こういうふうに考えるのでありまして、先ほどのお話では、何か日発のほうの会社は、九会社株式が出るので、残余財産によつてプラス・アルフアをつけるというお話でございましたけれども、これは是非とも日発株主の不利益を是正するためには特別な配当考えなければならないのじやないか。さつき山川委員から御質問がありましたけれども、私のほうで大体調べましたのでは、出資すべき設備の再評価限度額というものは、日発は二千二百七十億、配電は千三百七億というような推算をされておるのでありますから、一応先般新聞か何かに、特別配当が一株について二十五円ぐらい出せるのじやないかということも聞いておりますので、二十五円出しましても、会計が十五億円ぐらい、そうすれば日発にとつてはこれは大して過重な負担ではないのじやないかというように思いますので、この日発株主の不利益を是正することについて、もう一度承わりたい。併せて端株は早急且つ円滑に整理しなければならないと思うのでありまして、この端株の整理について、どういうようなお考えを持つているか、お伺いしたいと思います。
  42. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 日発のほうで出して來ました材料によると、今仰せられたように、全部の配電会社財産の再評価の最高額、それから日発のほうの財産の再評価の最高額というものを比べて見ますと、一対一・七二というようになるということでありますが、これは必ずしもそれか正確かどうか。配電会社のほうに言わすと、そんなことはないと言つておる。これは若し詮議をすると非常にむずかしい問題になる。而して配電会社相互の間において、そのことを又言い出しますと、これはなお大変なむずかしいことになります。或る配電会社のほうは大変たくさんの再評価額を持つておる。或る会社のほうは持たんというようなことになりますと、到底適当な処置はできません。而して再評価額というもの自体が、一体どういうことでできておるかというと、いわゆる収益力と申しますか、アーニング・パワーというようなものは何にも入つておらん。だから非常に便利ないい所にあるダムであつても、或いはそうでないダムであつても、再評価額においてはえらい違いはないのだろうと思います。そういうような再評価額というもので財産の値打を直ちにきめるということは殆んどできないことで、これを一々調べ立てをしたら数年たつても問題は解決しないというので、もう再評価額の結末ということは眼中に入れないで、各一対一ということできめる。配電会社のほうでは、いわゆる強大な配電会社が非常な譲歩をして、弱小な配電会社のほうを助けて、そうして成るべくそのほうの負担を軽くし、それからそのほうの財産額を小さく評価するというようなことにして、各配電会社の力を揃えようということを、和衷協力してやつてつた。その結果、ほぼでき上つたに近いように見えます。近く発表できると思う。そうなりますと、日発株主のもらう株の値段は、格配電会社の間において、そうえらい違いはなくなるということになろう。その配電会社の株に対して、日発の株を一つと見て勘定するということは、必ずしもそう不合理なこととも言えないように考えられます。これをぴしやつと評価ができるものだと大変楽ですが、そうは行きませんから、一対一ということにしておるのであります。今のようなプラスアルフアーというものによつて日発株主が、株式分割されて大変小さい株になつてしまう、或いは場合によつては端株がたくさん出て来るというような慮れがある。そういうことの損害はかけないようにしたいということで、大体方針を立てております。
  43. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 あつさこつちになつて何ですが、私先ほどの質問の続きでもう一点お開きしたいのですが、建設中のものであるとか、将来の予定地であるとか、そういうものの帰属の研究を只今いろいろ専門家にさせておるというお話でありますが、それらに対するいわゆる根本方針というか、考え方、どういう考え方を公益事業委員会としてはとつておられるかということについて、若し御説明を聞くことができれば非常に幸いと思います。御承知のように既設のものについても、その帰属をどういう考え方できめるかということが一番問題だつた。我々はそれはきまつてしまつたので、今後の問題について地方も非常な関心を持ち、又地方のいろいろ産業開発計画等とも非常に大きな関連性を持つておりまするので、この際承わることができれば、大変私仕合せであると思います。
  44. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) この問題は、多分東北のほうの一カ所、それから丸山ダムとか、北越のほうに二カ所、そういうような所の問題のお話と思います。ほかには余りないように思います。これについては、各いろいろ事情が違うので、ここでどういう方針ということは甚だ申述べにくいと思いますが、又今研究しておるので、私自身もまだ十分な報告を得ておりません。併し大体において、できておる政令、定められておるものの精神で推して行くことよりほかないのでなかろうかと私は考えております。これについてはいろいろの議論があろうと思います。十分に一つ研究して公正に処理して行きたいと思つております。
  45. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 ちよつと変な質問になるようでありますが、できておる政令の精神というお話をされたのでありますが、つまり河川で言えば流域主義というか、或る一つの川の流れに沿うて、そこにできる発電所はその川の帰属しておる会社に属さすとか、まあいるいるそういうことがあると思うのでありまするが、そういう意味から言つてこの政令の精神は大体その流域によつてきめるというふうな考え方をとつておるのじやないかと思うのでありまするが、少くともそのくらいの点でもいいのでありますけれども、どういうお考えでございましようか。
  46. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 只今申したように、その政令の精神を押して行くことがこれは当然の帰結だろうと思うのです。併し各個の場合においてどういうように精神を解釈して行くかといことは今研究しておる。
  47. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 もう少しそれじや具体的に申上げますれば、実は今委員長が指摘されました……私は福島県の者で東北関係の者でありますが、我々はこの政令がきまるについても、法律案としては非常にいろいろ意見を持ち、主張を続けて来ておつたわけですが、こういうようにきまつたわけです。まあそのきまるまでのいろいろ当時の当局の説明では、まあ河川の総合一貫経営であるとか、そういうことで我々は随分忍ぶべからざる点までも我慢して譲歩しておつたような問題がたくさんあるのでありまするが、今度問題になつておりまする点では、もうその一貫経営とか、そういうことで言えば問題になるようなことが、関東と東北の間で非常に論議されておるように聞いておるのであります。極端な例を言えば、一つの発電所のそのすぐ上に調整池的に作られておる発覚所の帰属まで関東へ行くのだというようなことが論議されておる。それからその発電所は東北に属し、その下流の発電所も東北に属しておるにかかわらず、その中間の予定地を関東に所属させるのだというような議論が行われておるということを聞きまして、私は、そういう場合に徒らにその地方民が非常に騒いで無駄な運動をしてみたり、いろいろなことをしておるので非常な不安動揺を與えておるということは非常に困ると思う。そういう見地からこの機会に委員長としての御方針を承わることができれば非常な仕合せだと思います。
  48. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 今調査しておるので、私はこの今の東北の何とかという、沼沢沼、この話だけは聞いておりますが、まだ十分聞いておりません。何とも申上げかねます。
  49. 栗山良夫

    栗山良夫君 電源の問題でありますが、今石原君から只今工事中のものについて言われたのでありますが、今松本委員長が言われた、顧問団を置いて研究をしておるとおつしやいました点は、そういうふうな工事中のものの帰属だけでありますか。或いは全国的な既設の発電所を含めての潮流的な研究をなさつておるのでありますか、その点をお伺いいたしたいのであります。
  50. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) このほうの研究はあらゆる事項に亘つてつております。殊に電力の各社間の融通ですな。そういうことについて技術的の研究をしております。
  51. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういたしますと、これは先国会でも、その前の国会でも問題になつたのでありまして、技術的に、準技術的に研究をいたしますと、私も若干承知しておるわけでありますが、この政令で出されました発、変電所の帰属というものは、必ずしも完璧なものではないということが、私言えると思うのであります。これは新工事地点だけではありません。従いましてそういうような研究機関を以て或る結論をお出しになりましたときには、発電所の帰属につきまして、この政令では水流主義をとりまして河水の最高能率経営を図るというのが一つの眼目になつておるわけでありますが、そういうような点から申しましても、政令で発表せられましたものを訂正される用意があるかどうか。即ち私は政令というものは訂正できないという工合に先国会以来政府から答弁を承わつております。ところが最近すでに政令はここにも頂きますように、第五号を以つて変えられておる。従いましてこういう政令が変えられるという前例が開かれ、そして只今申しました準技術的に政令で発表されました発電所帰属に大きな矛盾がある。将来の電源の運営上困難であるというような事態が出ましたときには、公益委員会として政令を改めても新らしい方針で御決定になるのか、その点を伺つて置きたい。
  52. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 只今のところ政令は改めるということは考えておりませんけれども、改める必要のある場合には勿論改めなければなるまい、当然のことと思つております。
  53. 栗山良夫

    栗山良夫君 その改める必要が生じる場合なんでありますが、それは結局そういう事態が生じますということは、政令で発表せられました帰属が新しく技術的な研究をしました結果合わなかつた。改めなければならんということになつて来ると思うのでありまして、従つて私は公益事業委員会只今研究をされて、そうして国の電力、技術関係の最高の人々が寄つて決定をされましたもので、一つの権威ある決定が、結論が出ました場合には、この政令にかかわらないで改正をせられる意思がある。こういう工合に伺つてよろしいわけでございますか。今委員長お話では、必要が生ずれば改正するのにやぶさかでない、こうおつしやつたのでありますが、それは只今研究になつておる技術顧問団が新らしい結論を出されれば、それはこの政令より一歩前進した、より良いものである。こういう結論のように改正せられるという、こういう工合に了解してよろしうございますか。
  54. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 今の嘱託をしておる人たちの研究の結果、直ちに改めるようなことができるかどうか。それは私は何とも申せません。併しどうしても改めなければならないことがあれば、それは改めるのは当然の話だ。法令というものは百年も二百年も不変のものじやありません。改むべき時期には改めるということはあろうと思います。併しこういうことで一応きまつてつておるのですから、この法令はすぐに改めるというような考えは勿論ありません。而して今お話のようなことは、その法令中に、たしか協定して新会社が協定をしてそうして改め得るような小さいことではありましようが、規定はあるのです。別表第三のところに書いてあります。こういうことはこれは勿論法令の範囲内においてできる。この法令の範囲内でできないような大きな改め方を今する必要は恐らくは生じないと私に思つております。そうその朝令暮改といいますか、むやみに法令を改めることはよろしくないのでありますから、そのときの必要の大小、軽重を考えてやるべきだと思います。今すぐ改めるというようなことは恐らくはできないことと思つております。
  55. 山田節男

    山田節男君 この電気事業分割問題が非常にこの国会でも討論されておる最中に、この電気事業の再分割についてアメリカから何と申しますか、オーバー・シー・コンサルタントこれが現在すでに来ておるやに聞いておつたのでありますが、そういう人が今後も公益事業委員会が行おうとする事業、例えばこれから分割される九配電会社、それからその経営、並びに技術的部面に対してやはりそういつたようなアメリカからオーバー・シー・コンサルタント、これが現在来て、これに対して援助しておるのかいないのか。それから将来若し来ているとすれば人数が殖えてオーバー・シー・コンサルタントによる公益事業委員会に対するアドバイスなり、そういうものが今後いよいよ強化されて行くのかどうか。この点一つ……。
  56. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 今お話のことは、多分日発のほうですでに契約をして、調査を委託しておる向うの会社の話かと思うのであります。これが今来てたしか調査をしております。これは併し限られた範囲でやつておる。今後そういう調査を大いにしてもらうために、委員会として何かするかどうかということはまだきまつておりませんが、併し若し、開発のためには非常な大きな外資を要しますから、何とか外資の入るようなことがあるとしますれば、外資を入れるためにはどうしても調査をその国、即ち米国以外にはないと思います。米国の会社に調査をしてもらう必要がおのずから出て来るだろうと思つております。そういう時期の来ることを希望はしておりますが、今のところそういう何ら具体的のことはないというように御承知を願いたいと思います。
  57. 西田隆男

    委員長西田隆男君) この問題は各般に亘つて非常に重要な問題がたくさんあると考えますので、次回にも継続をすることといたしまして、松本委員長から政令の点に対する御説明をお願いいたします。
  58. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 ちよつと委員長、その前にお聞きしたいことがあるのですが、よろしいですか。  今御説明されるに当りましては、この今月の二十日に発布になりました政令第五号によつて電気事業法の再編成の一部が改正になつておるのです。それで実は第九国会の折における当委員会においては、公益事業のほうは止むを得ず改正もするが、再編成のほうは絶対にこれは手を触れるべきものではない、こういう御説明にもなつてつたのです。勿論これは手続上に関する些細なことかも知れませんが、一月の二十一日に出ておる政令について、その必要性はどういうところにあつたのか、一つ説明願いたいと思います。
  59. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今松本委員長に御説明を求めておりますのがその問題でして、再編成実施に関する新らしく制定された政令に対する御説明をお願いしておるわけです。
  60. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) この政令第五号は再編成を、分割をやるために絶対に必要なものであつたと思うのです。内容を申しますと大体三つの事項がこれできまります。一つの点は、役員の選任とか任期を計画書自体できめてしまう。そうし七創立総会を開かないというのであります。これは併し大したことでは実はないのです。なんとなれば創立総会を開きましても、その創立総会に出ます株主は誰かというと、つまり今の日発と、それからその配電会社だけなんです。日発配電会社財産出資をしまして、そうして新らしい株主になるので、他の株主はおらんのですから、でそういう無用な、つまり創立総会を開いて、ただそのために幾らかの費用を費すだけで何の役にも立たんことですから、それでそれはやめて、そうして計画書自体できめ得ることにしたのです。  それから第二点はいろいろの許認可、例えば水利権の許可とか認可、こんなようなもの、或いは電柱を立てるときの許可ですか認可ですか、これはもう無数に電力会社については特にあるのです。これをこの財産を今度出資します際に、すべての今の配電会社自体も解散をして新らしい会社に移るのですから、この無数の許認可を一々やつてもらうということは、徒らに非常な手数をかけまして費用をかけ、つまらん話なので、これは当然移つて行くことにしてもらうことが必要であるというので、それが第二点であります。  それから第三点は、積立金に対する課税を免除してもらう、これはあとでできます新会社の基礎を強くさすためには、大変いいことと思つております。元来この三点の、即ち三点のことを書いております新らしい政令は、当然前の政令にあるべかりしことだつたかと実は考えておるのであります。これがむしろ抜けておつたように考えるのであります。このことは司令部のほうでどうしてもこうしなければ早くできまい。この許認可などを一々取つて後初めて移るということにしたら、それだけで一年ぐらいかかつてしまう。とてもできないのでありますから、むしろ司令部のほうで案を作つて、そうして示されてその要求によつてできた政令なんで、政令の追加と言つてよろしい。改正というと非常に大きく聞えますが、むしろ追加ともいうべきものと思つております。
  61. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 併せて集排法権限の委譲の問題について一つ説明を願います。
  62. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 持株整理委員会で再編成についてやつて参るということは、持株委員会が今のようにだんだん縮少されております今日においては、実際の上非常に不便である。而してこの政令によりますと、各会社間の株式比率は、これは我々の委員会できめることになつておる。然るにもかかわらずその他の再編成に関するいろいろなことを持株会社整理委員会のほうでやるということになりますと、一つのことをやるのに両方でやるということになつて、大変に煩わしい。そういうようないろいろな理由で最初からこちらに譲るつもりで政令ができておつたものと思われます。その譲るということを書いておるものによつて譲られたに過ぎない、そう考えております。
  63. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今の二つの問題については格別御質問もないと考えますので第一の一番終りの栗山委員からさつき質問のありましたのに関連性を持つております中央地方における電力行政機構改正の進捗状況について御説明願いたいのでありますが、この問題は公益事業委員会と通産大臣とに関連性があると考えておりますが、先ず松本委員長から御説明を願いたいと思います。
  64. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) この電力の監督機関として従来通産省がこれに当つてつたんでありますが、御承知のようにこの公共事業令、この新らしい政令によりまして新らしく公益事業委員会が、設けられまして我々のほうに全部が委譲されたのであります。そこで先ほどもちよつと述べましたように、昨年の十二月十五日に我々五人の委員が任命されました。そのときには何らスタツフも何もないのであります。直ちに通産省のほうと御相談をしまして、新らしくスタツフを作りましてそのできましたのが大体十二月十九日に大体の組織を我々が会合してきめました。そのきめましたことは、十九日付で公益事業委員会事務局組織規程というものを出しております。それできまつておりまするが、本局は八課ありまして、そしてその上に事務総長、それから技術長、経理長と法律顧問というものがきめられております。これは政令中にきめてあるものである。それを挙げまして、それから八課に分つということは、これは政令関係がありませんが、総務課と調査課と審査課と監理課と需給課と開発課と技術課とガス課という八課に分けました。その後に又改正を加えて渉外課を最近加えました。九課に只今はなつております。事務局の人員が本局が二百十九人、それからして支局のほうは取りあえず従来の電力局の支局をそのまま使つております。それは八カ所にありまして、それが支局のほうの人員は六百三名、併せて八百二十二名、定員は八百八十五名になつておりますから、少しばかりの六十三名ほどまだ空いております。これについてはいろいろ考えようもありますので、殊に支局をどうするかということについては今研究しております。従来の八局でよろしいのか、或いは九局にすべきか、或いはもつと少くすべきかというようなことについて、まだ十分な研究が届いておりません。取りあえず昔のままにしており、そういうのが公益事業委員会の組織の大体であります。なお先ほどちよつとどなたかお話があつたと思いまするが、支局のほうは取りあえずそういうことにしておりまするので、まだ支局長というようなものを本当に置いておりません。これはいろいろの関係で十分に検討して支局の組織をきめたいというんでまだ置いておりません。併しもうそろそろ置かなきやなるまいかと考え、近いうちに成案を得るかと思つております。そんなことが大体只今のところ公益事業委員会の組織の大体の説明でございます。
  65. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 先刻の栗山君の質問に対して横尾通産大臣から御答弁願います。
  66. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 再編成当時におきまして、編成前に電気事業に関連しておりましたところの本省並びに局の者の進退に対して、本委員会でも非常に重要視されて私のほうに是非かくあるべしという御指示もあつたことはよく私存知しております。私どもといたしましても、そのために犠牲となるかたが多少でもありますならば、非常に御迷惑を懸けることは甚だ遺憾であるということを考えておりましたので、再編成後主にこの人事を司つております事務次官にそのことを申し伝えて、委員会にもよく御相談してでき得べくんば全部を取つて頂きたいということを申込んでいるのでございます。只今委員長お話通り、一番最後に残つておりまするその当時の各支局の部長であります。この部長を今回できます委員会の支局の局長となることができるように私はお願いをしたいと思つておりまするけれども、こと人事に関しまするので、深く私がこれにタツチすることは如何かと考えますが、併し希望としては次官を通じて委員会の御当局にお願いをしているのであります。幸いにこの問題が起りました際でありまするから、私は是非そういうかたがたを御採用して頂くことをお願いしたいと思つております。なお且つ地方に或いは局の局付とか、いろいろの名の下にまだ転換ができていませんものが約七、八十名あるかのように考えるのであります。只今お話を承りますと、約六十名ばかりということは私は今知りましたけれども、次官には極力残つてもらうように申しつけているのでございます。但し若しも漏れますならば、漏れた少数の人は何とか転換の途を、或いは本省であるとか、或いは民間に世話するなりいたしまして、失業されんようにずいぶんと努力いたすつもりでおります。さように御了承を願いたいと思います。
  67. 栗山良夫

    栗山良夫君 大臣にもう一つ具体的に伺いたいのでありますが、通商産業省に電力施設部というのができまして、地方の支局に相当するところにもそういうものができるのかどうか。そうして而もこれは大臣のほうにお聞きしたほうがいいと思いますが、再編成前の電力局、或いは地方電力部の合計人員と、只今再配置をやつておるときに、公益委員命のほうに行かれたかたと、通産省の施設部のほうに残つておられるかたとどういう割振りになつておるか。又施設部の定員というものはどれかけにきまつて、定員外がどれだけはみ出しておるのか、それだけ司いたいと思います。
  68. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 支局にもやはり……主に保安に関係いたしまして、これに関連するものを若干数置きたいと思つております。その詳細は資源庁長官からお答えいたさせます。
  69. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) 施設部関係地方機構といたしましては通産局が大きいところにおきましては大体二課ございます。これが五局ございますが、他の三地方におきましては課が一課ございます。資源庁の施設部、電気施設が七十名の定員でございます。地方を通じまして電気施設関係の定員が二百三十名でございます。そうして只今はみ出しております人間が約七、八十名おります。これは定員が落ちたわけでございまして、その落ちた定員が公益事業委員会のほうに参つておるわけでありまして、先ほど大臣が答えましたように、通産省のなかといたしましてはやりくりのしようのない人員である、こういうことになつております。
  70. 栗山良夫

    栗山良夫君 両方伺いますと大体明らかになつたのでありますが、通産省のほうで定員の枠外にあるのが七十乃至八十名、それから公益事業委員会のほうで欠員を見られるが六十三名ばかりあるということでございますが、この点はまあ率直に申上げまして数字から伺いますと簡単に措置ができるように思うのでありますが、そこに何かできない事情があるのでございますか。
  71. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 公益事業委員会のほうは全然新らしい組織として考えて、そうして自分のほうに必要な人を自分のほうの考えで取るという考えでやつております。従来の通産省の電力局を全部引受けるということでも、事実上事務の上からもそうでありません。そういう委譲されるという観念ではないつもりでやつております。それで前にも申したように、この支局との関係については今まだ研究中なんです。何分まだこの委員会ができましてから、本当にできて仕事を始めたのが今年の八日ぐらいからなんです。一カ月も本当の仕事をしてからならんような、そこに再編成問題で非常に忙しうございまして、殆んど幾つか体がないとできんほどのことになつております。そんなようなことで以てこれはよほど慎重に考えなければならんと考えておるのであります。遅れておつたのでありますが、併し支局のほうをそのまま置くわけに行きません。成るべく早い機会を決定したいと今鋭意用意しております。
  72. 尾山三郎

    ○尾山三郎君 支局の問題ですが、先ほど松本委員長から従来の電力局にある地方は八カ所、私ども実は北陸のほうですが、今まで八つの直方局があつて、北陸だけが名古屋の局に支配される。そのために非常に不便であつて、最近地元から支局設置についての猛運動が起つておることは御承知だろうと思います。これは全然できないならば、我々は納得できますけれども、これを設置されるということになれば、やはり支局も地元に公平に割当てるということが適当じやないか、かように考えまするが、これについて委員会のほうで何か成案でもありましようか。
  73. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 支局の制度をどうするかということは根本から考えております。それでまだ今の御質問に直接にお答えする時期にはなつておりません。私どもが就任した当時には、北陸のほうに局を置くことについて各県が違つた意見を実は持つて来られておつたんです。自分のほうにくれということで、福井県、或いは石川県等も來まして、富山県は勿論支局に早くしてもらいたいということであつたのです。この頃大体北陸のかたの意見は殆んど一致されたらしい、即ち富山市に置いてもらいたいということにほぼ一致されたというようにも思つておりますが、そういう点も十分に一つ研究しまして決定したいと思つております。
  74. 古池信三

    ○古池信三君 ちよつと松本先生にお伺いしたいのですが、あなたの御説明によりますと、支局の設置につきましては今慎重に御研究中だと承つております。いずれ遠からず置かれることと考えるのでありまするが、その置かれるまでの間一方通産省に各地方の局におきましてはすでに定員が減じております関係上、従来の実在する職員が非常に不安な気持があるということは御承知の通りだと存じます。そこで、これは單なる私は巷間の噂に過ぎないと思いますけれども、公益事業委員会としては、本局におきましても、或いは支局ができる場合支局においても、曾て最近まで電力局において電気事業の行政に携うておつた人間はできるだけ採用しない方針であるというふうなことがまことしやかに伝えられておるのであります。私はもとよりかようなことは單なる流説に過ぎないと思いますけれども、丁度この問題に関連してお話が出た際でありますので、一度委員長からはつきりしたお答えを頂きまして、一般に非常に不安がつておりまする人たちの気持を安定するようにいたしたいとかように考えます。勿論個個の人によりまして適不適はございますので、これらの人々の人事についてとやかく申すのではありませんが、全体として今まで電力局に職を奉じた者は、成るべく公益事業委員会の方に引取らないという方針は、まさかあり得ないと思いますけれども、念のために一応お尋ねいたしたいと思います。
  75. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 電力局におつた人は使わないとか、或いは電力局におつた人は必ず使うとかいうことは決してありません。現在の主要な職員の中にも電力局におつた人が数人おります。併し新らしい役所ができまして、いろいろな点において新らしい方針でやつて行かなければならん。従来のこの單純な行政官庁ではない。公益事業委員会というものは、一方においては司法的のような作用を持つておる。それで委員長その他の委員も政党などには関係することができないというようなことについては、全然従来の一般の行政管庁とは違つた組織になつておるわけであります。従つて自然採用する人が従来の人をそのまま使うことができなくなつて、全然新らしい見地から採否をきめておる。その結果として、相当電力局の人が沢山入つております。併し電力局の人は使わないというような決して方針はございません。それだけは申上げていいと思います。
  76. 古池信三

    ○古池信三君 よく承わりましたが、電力局におきまして、今まで長年その職にあずかつた人たちは、相当に皆電力行政についての確信を持つておる人であります。殊に仕事のやり方等につきましては、すべて上司の命令を受けて、これに従つてその仕事が取扱われるのでありますからして、ただ電力局にいたというだけの事実を以て色眼鏡を以て見るというようなことも、将来かようなことはないと存じますけれども、あり得ないように一つ特別な御配慮をお願いしたいと思います。  それから丁度この場合ですが、先ほどもお話がちよつと出ましたが、電力に関しまする行政の中で、公益事業委員会のほうでお扱いになる権限の部分と、それから通商産業省において残つてなされます分、更に料金等におきまして、これは物価庁にも関係があると思います。又電力量の割当等につきましては、経済安定本部にも関係があると思うのでありますが、その辺の権限の分け方等については、何か明確な御説明を承わりたいと考えます。
  77. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 古池君にお諮りいたしますが、今後段に御質問になりましたことは、この次に御説明を願うことになつておりますので、前段のほうだけで……。
  78. 古池信三

    ○古池信三君 結構でございます。
  79. 境野清雄

    ○境野清雄君 現在日発でやつております中央給電指令所の機能によつて、現在は全国的見地に立つて各地区間に重力配分を公平に行い、電力を無駄なく活用しておりますが、これが今度再編成によつて新らしく作られた九つの地区に会社ができる。その会社はおのおの相当数の発電所も持つておりますし、又需用家に電力供給する発送配電というものを一貫経営しておるので、こういうような指令所がないというようなことについては、現在のような不足勝ちな電力事情の下においては、中央指令所がないというようなことになつては、円滑な電力融通は期待しがたいのじやないか。勿論、今度の公益事業委員会におきましては、給電委員会というようなものを設置して、融通契約によつて各社間を円滑にやつて行きたいというようなお考えのようでありますけれども、新らしくできる九つの会社はそれぞれ利害が対立する場合が少くない。こういうような関係から行きまして、果して給電委員会というようなものは従来のような中央給電指令所と同じような機能の発揮ができるかどうかというようなことを非常に我々心配しておりますけれども、これに対して委員長はどんなお考えでありますか承わりたいと思います。
  80. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 私はまだ十分に研究いたしておりません。いずれ研究をした上でお答え申上げます。
  81. 山川良一

    山川良一君 私の申上げるのは、(イ)の問題にも多少関係があるのでございますが、人の問題にも関係がございますので、何か分離後各会社の共同研究機関を置くように考えておいでのように新聞紙上に出ておりますが、それについて何か具体的にございましたら……。
  82. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) まだそのしつかりしたことばきまつておりません。併し新らしい財団法人が一つできました。それを如何に準用して行くかということについては、まだ十分にお答えするまでの時期になつておらんと思います。
  83. 山川良一

    山川良一君 何かエキスパートの人はいずれどの会社かに所属するのでしようが、やはり根本問題等を研究する機関があつたほうがいいような感じがいたしますので、できますならばそういうふうにお願いしたいと思います。
  84. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 私どももそういう考えを持つております。その新らしい財団法人もそういう意味に発展して行くことと思つておりますが、なお技術者について、今までは日発に主として新らしい開発工事などをやる技術者が集まつておりました。それを各所に分けまして、そうして各所の仕事だけをするのでは、却つて融通がきかなくなると考えますので、そういう技術者をむしろ成るべく集めて、一つの大きな会社でやるということにしたほうがよくはないか。即ちコンサルテイング・エンジニヤーの一つ会社ができる。アメリカ等にはたくさんある。そういうようなことも考えております。
  85. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次は電力料金及び割当所管に関する事項について御説明をお願いいたします。公益事業より見ましても電気料金決定及びこれと不可分の関係にある割当につきましては、公益事業委員会が主役と考えられるのでありまするが、物価政策については、古池君からさつきお話がありましたように物価庁があり、総合調整官庁としては安本がある現状において、関係者管庁間でどのようなお話合いがあり、どのよう女御決定になつておるか、この点を一つ説明を願いたいと思います。関係官庁からは、物価庁からは藤田動力課長、安本からは澤田電力課長がお見えになることになつておりますが、先ず松本委員長又は松田事務総長から御説明願います。
  86. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) この電力割当の問題と、それから電力料金の問題とは御承知のように非常に緊密な関係かあるのでございまして、言い換えれば重力の割当ということは取りも直さずいわゆる標準電力の適用磁力料金というものの割当になるのであります。従いまして電力料金というものの決定の基礎をなすという関係に立つわけであります。なお且つ電気会社の收支の関係から申しましても、それから又電気会社のお互いの間の料金差の調整、或いは電力量の融通契約といつたような、電気会社のそれぞれの運営の上におきまして非常に関係の深い問題と密接なる連繋を持つております。従つて今申しましたように電力料金の認可と申しますか、必要に応じては決定の問題と、それから電力割当の問題とは不可分の関係にあると考えておるのであります。でそういう趣旨からいたしまして公共事業令の上におきましても、公益事業委員会の所掌事務といたしまして、又この所掌事務に関連いたしまして、公益事業委員会権限といたしまして明瞭にこの電力料金関係、それから電力の使用制限等の問題について規定がはつきり記されておるわけであります。  それから又法律的についでに申しますというと、そういう点に関連いたしまして非常にこの手続的に申しましても、例えば料金決定処分を受ける、或いは又電力割当の処分を受けたというようなかたがたが、これに対して不服であれば異議の申立を公益事業委員会にすることができる。又そういう場合には公益事業委員会としましても聽聞の手続等もとりまして、いわゆる国民のかたの意見を十分反映するようになつておるのであります。言い換えますればこの料金の問題にいたしましても、割当の問題にいたしましても、いわゆる公益事業でありまする電気事業というものの性格から申しまして、従来ややもすれば一方的、独断的というと語弊があるかも知れませんが、そういうような形で政府のほうで決定するというのでなしに、結局そういう決定をするに至るまで慎重なそういう国民の声を反映する方法をとつて参るというような形をとつておるのであります。そういうようないろいろの点を考えて見ました場合に、この電力割当とかそれから電力料金決定のような非常に公共の利益関係のある問題につきましては、一つ役所で責任を以てこの問題を取扱うというところに公共事業令の精神があると思うのであります。従つて私ども公益事業委員会といたしましては、その精神でこの問題を取扱つて参りたいと思つておりますが、但しここで同時に考えなければならん問題は、例えば電力割当につきましても、いわゆる地域別、業種別と申しますか、或いは鉄鋼関係、或いは石炭関係、或いは非鉄金属関係或いは繊維関係というようないろいろな業種があるのでありますが、それの生産計画を国家の総合的な経済政策という上に立つて検討せられる役所としては経済安定本部がおありになるわけであります。従つて又経済安定本部としてそういう点を決定せられました場合に最も関係の深いことは、それに対して電力をどういう工合に結び付けるかという点であります。従つてその点におきましても経済安定本部としては電力割当、少くとも業種別の割当については非常な関心を持つておられるわけであります。私どもといたしましても経済安定本部の策定せられました計画というものに対しては、できるだけ十分に尊重いたしまして、そうして只今申しました電力の最終までの割当について齟齬のないようにして参りたい、かように考えております。  それから又電力料金の問題につきましても、従来は、又現在におきましても一応物価庁のほうでその点をお取扱いになつているわけでありますが、この点につきましては、只今申しましたような関係からいたしまして、やはり公益事業委員会で認可をするのが正当である、適当であると考えておりますが、そのときにおきましてもやはり十分物価庁の物価政策という点についてはいろいろお考えになつておるわけでありますから、そういうほうともできるだけの御協議と申しますか、内面的な御連絡をいたしまして、物価庁の意向も十分反映するようにやつて参りたい、かように考えております。いずれにいたしましてもこれらの問題につきましては近く公益事業委員会委員会規則におきましてその辺の点を明瞭にいたしまして、その委員会規則に従つて電力割当にいたしましても、料金の認可にいたしましても進めて参るわけであります。只今申しましたような委員会としましては方針に従いまして、経済安定本部乃至は物価庁ともよく御相談をして進めて参りたい、かように考えております。
  87. 古池信三

    ○古池信三君 通商産業省においてとられます電力事業に関する行政と公益委員会関係は如何ですか。
  88. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) その点を申落しまして失礼いたしました。御承知のように通産省のほうにはいわゆる電気に関する施設の保安の点につきまして従来のように通商産業省にそのほうの行政は残りまして、それ以外の点が全部公益事業委員会のほうに権限と申しますか、行政権の範囲というものが移つてつておるわけであります。従つてこの電気に関する施設の保安等につきましては、又必要があればお互いに通産省のほうとも緊密の連繋を保つことが必要と思います。形の上におきましてはその点が分れておりまして、必要に応じてその運営については、両者間で非常に緊密な連繋下において間違いのない措置がとつて行けるように進めて参りたいとかように考えております。
  89. 栗山良夫

    栗山良夫君 今後の発電から電力量の割当料金、保安に至るまで委員会と通産省とそれぞれいろいろ密接な関係があろうかと思いますが、これについて、中央はもうはつきりしておりますが、地方のほうの関係をちよつと伺つて置きたいと思うのであります。それは地方の行政監督の機構が二本立になるわけでありますが、それを新電力会社供給区域gpとにはつきり分けられるかどうか、只今錯綜しておるところが相当たくさんありまして、これを新電力会社供給区域ごとに整理をせられる御用意があるかどうか。これは通産省のほうにお聞きしなければならんわけであります。施設部というものを新電力会社供給区域に合致するよう区域変更をおやりになる用意があるかどうか。それから公益委員会のほうもそれが同様に出て来るわけであります。それからもう一つは属地主義じやないわけでありますから、そういつたような異つた区域がポイントとして錯綜するわけでありますが、そういうようなものはどういう工合に御処理になりますか。その点を……。
  90. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 只今の問題は現状において従来と異にしておりますが、これは新会社ができまして運用を見まして、そうして改めなければならん点が多いだろうと思つております。まだそこまで手が廻りかねております。さよう御了承願います。
  91. 栗山良夫

    栗山良夫君 これは通産大臣からお伺いしたいのですが、それは方針として新電力会社区域に大体合せるような恰好で施設部も、或いは公益事業委員会の支局も再配置をする、こういう方針なんですか。そのお考え方を伺つておきます。
  92. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) これは委員会において決定された支局と丁度マツチするようにして行きたいと思います。
  93. 栗山良夫

    栗山良夫君 公益事業委員会のほうは如何でございますか。
  94. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) その公益事業委員会のほうは新会社ができました上、運用を見てそうして適当にきめて行きたいと思つております。
  95. 栗山良夫

    栗山良夫君 実はこの問題は末端においてもいろいろと今まででも仕事のやりくり上意見のあつたところなんです。公益事業委員会は先ほど独自な立場でスタートするとおつしやつたので、人の問題なんかにつきましても先ほどお述べになつた通りの御意見のわけでありますが、さすればこの末端の行政機構も、人と不可分の問題がありますが、同時に区域も不可分の問題でありますので、そう大して厄介ではないので、再編成と同時にそういうことをおやりにやるほうが私は妥当ではないかと思いますが如何でございますか。この問題だけをそういう工合にお残しになるというのはちよつと理解いたしかねるのであります。
  96. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 新会社のできますのは、まだ大分先なのです。五月一日から予定通りに行けば発足することになりますが、それまでの間に十分の研究をして、必要に応じて変更して行きたい。只今変更してしまうと、却つて仕事と齟齬することになります。
  97. 古池信三

    ○古池信三君 関連してお尋ねいたしますが、通産大臣にお尋ねいたしたいと思います。この地方にできます施設部と申しますか、これはやはり通産局の局長の下にあるわけでございますか、独立した一つの支局になるわけでございますか。
  98. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 通産局に置くつもりであります。
  99. 古池信三

    ○古池信三君 そうしますと、只今の御説明によりますと、施設部の所管区域は、委員会の支局の区域と大体マツチするようにしようとする、こういうお話でありますと、局の区域と施設、その局の中にありまする電気の施設部の区域というものは食い違つて参ることになるのですが……。
  100. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) お話は後ほどよく研究いたしたいと思います。
  101. 古池信三

    ○古池信三君 それから先ほど松本委員からお答えがありました中に、日発の、殊に開発部面を担当しておられます技術者のかたがたの将来につきまして、或いはこれを集めて一つ会社のようなものを作つて、アメリカにありますようなコンサルテイング・エンジニアのようなことをやらせることも考えておる、こういうお答えに承わつたのでありますが、この問題は私は非常に日本の将来の電源開発にとつて重要な問題と考えるのであります。アメリカではこのコンサルテイング・エンジニアの制度は非常に発達しておるように伺つておりまするが、日本では今まで余り大規模なかような施設はないように承わつておりまするし、仮にあつても余りそういうようなものは今まで成功しておらんというふうに聞いております。ところで現在日発におられます開発関係者の、殊に土木関係の技術者の皆さんは今の日本におきまする発電工事としては、先ず最も高い技術を備えているかたがただと思いますが、そのかたがたが集まられて、そういう別の会社を作つて、これがうまく行けば、非常に日本のためにいいと思いますけれども、併し今度できまする新会社にそれらのかたがたがそれぞれ分れて入られて、現在配電会社におられますやはり土木の技術者と全く融合して、それぞれのグループを作つて、おやりになるというほうが果していいか、或いは別の、今のように開発会社のようなものを作つて行かれたほうがいいか、この点は余ほど研究してやらなければならん問題じやないかと思うのであります。却つてそういう会社ができまして、まあ浮いたような存在になつてしまう。そうして配電会社におられますかたがたが中心になつて、その上で実際の電源工事が進んで行くようなことになりましては、折角の技術が持ち腐れのようになる慮れがないとも限らんと思うのであります。その辺の点は是非愼重に御研究下さいまして、将来我が国の電源開発のために最もいいと思われます方法を御採用下さいますように、これは強く希望したいと思います。
  102. 境野清雄

    ○境野清雄君 再編成によりまして、水力、火力地帯の間に著しい電気料金の地域差ができるということは、前から政府も認めておることであります。それでこれを是正するために、関東とか北陸のような水力地帯の新設会社から賦課金を徴収しまして、それによつて九州や中国のような火力地帯の会社に調整金を與えることになつておる。こういうふうになつているようですけれども、これでは水力地帯の会社水力開発意欲を幾らか鈍らせはしないか。又火力のほうにして見ますれば、火力地帯としては不経済な火力の新設とか、発電の奨励をするようなふうになりはしないか。こんなような懸念が一つありますことと、又今回の再編成会社の責任経営、並びに自主独立ということが狙いであるにもかかわらず、従来のようなプール計算の変形を温存するというような形になりますことは、どうも当初の目的を達成するのに幾分懸念がありはしないかというようなことも考えておりますので、大体今の公益事業委員会といたしましては、この調整金制度をどの辺まで続けるつもりでいるのか、こういう点を一つお伺いしたい。  それから何か前に第七国会のときには、水力設備は一キロワツト時当り千五百円の賦課金を徴収して、そうして火力発電は一キロワツト時当り一円七十銭程度の補給をするというような話でありましたのが、今度二三日前の新聞を見ますと、水力設備は一キロワツト時当りに二千四百円、それから火力のほうに対しては、平均一円三十銭というような補給をするというふうに、大変前と変つておりますが、この点に関して割出しをしました基準のほうも、おわかりになりましたらちよつとお伺いしたい、こう思います。
  103. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 今のそういう制度をいつまでやるかということは、これはやつて見ないとわかりませんので、今からそう、何年やるというよなことはわかりません。その金額の点についてもまだ確定はしてないはずでございます。今非常に研究しております。近いうちに確定されることと思つております。
  104. 山田節男

    山田節男君 さつき公益事業委員会の事務総長の説明によると、電力料金は、委員会が物価庁或いは安本等と討議の上決定する。ですから電力料金決定権は委員会にあるかのごとき説明をされたのですが、御承知のように公益事業委員会は終戦後に初めて日本にも紹介された、いわゆるスタテユトリー・コミツテイ、これは電波行政に関して電波監理委員会があるのと同じようなもので、ステイタスは同じです。ところがこの電波監理委員会は、例えば、NHKその他来たるべき民間放送に対しても一定の基準を以てやるわけです。そういう電波監理委員会と、公益事業委員会というものは、法律上非常に近いと思いますが、ステイタスは全然同じなんです。ところが少くともNHKの聽取料金に関しては、これは電波監理委員会で独自にきめることができない。これは物価庁或いは安本に聞いても独自にきめることはできない。国会の承認を経なければならない。ところが電力業務はラジオの聽取料とは違つて、そういう画一的なことは不可能だろう。相当地域によつて料金の差が、これはできて然るべきものだと思う。併し、とは言え電気料金というものは日本の産業、或いは一般国民の日常生活に欠くべからざるものです。而も生計費の中において重要なエレメントとなつておるのであります。そういうことから見て、今の事務総長が言われたこと、並びに公共事業令第四條第一号にあるように、電気及びガスの料金を適正にする、適正にするということが料金決定するということのように事務総長が説明されたように私は了解するのですが、併しこれは公益事業委員会に法律で與えられた権限において料金決定ができるかどうか。これは私は多分に疑問に思うのですけれども、今事務総長の説明されることはいわゆる公益事業委員会関係方面の、日本の行政関係官庁の了解を得れば、独自の建前で決定し得るということの何か法的根拠があるかどうか、これを一つ説明願いたい。
  105. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) その点につきましては、第四條の第一号が、今お話しのように電気及びガスの料金を適正にする。それからそれに基きまして、と申しますか、第五條の第十九号に公益事業者の電気及びガスの料金、その他の供給條作の設定又は変更を認可することという規定がございます。それから更にそれを細かく規定いたした規定といたしまして、第四章に、料金その他の供給條件というのがございまして、第四十條には料金の認可についての規定が細かく書いてございます。それから又第四十一條には、料金の変更に関する命令及び処分の権限に関する規定が謳つてあるわけであります。そういつたような点につきまして、先ほど申しましたように、電気料金並びに電力割当との関係から申しましても、この法律上謳つております精神から申しましても、権限としては公益事業委員会にあることは明瞭に書かれております。ただその場合に電気料金のことでございますから、非常に各方面に影響するところが大でございます。物価庁等との連絡につきましては万遺憾なきを期して参りたい。かように考えておる次第であります。
  106. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の山田君の質問に対しまして松田事務総長から御答弁がありましたが、尚この問題は物価庁との関係、これが非常に重要な問題と考えられますので、物価庁の藤田動力課長のこの問題に関する御意見をお伺いいたします。
  107. 藤田勇

    説明員(藤田勇君) 御説明申上げます。実は権限の問題は全く行政官庁部内のことでございますので、私ここで申上げないほうがいいのじやないか。実はこれにつきましてはあらゆる單行の法律につきましても、或いは従来の電気事業法におきましても、価格決定については電気料金はその当時の主管大臣が決定する。或いは電力の管理法におきましてもさようでございますし、或いはガス事業法においても、その他の法律においてもさようにいたしております。併しながら物価統制令におきましては、他法令の規定にかかわらず価格に関するものはすべて物価統制令によつてなし得るように権限ができておるのでありまして、そういう関係もございますので、去る昨年の十二月の二十五日の官報を以て一応物価統制令第八條の規定によりまして、公共事業令による価格の決定は認可というものは物価庁が統制令によつてやるということを呼号しております。併しながら御承知の通り公益事業委員会という新らしい組織体ができまして、十分これが運用につきましては考えなくちやならんことが多いのであろう。こういう点を考慮いたしまして目下物価庁、安本それから公益事業委員会のかたがたと十分にスムーズに行くように話合いを進めておる次第でありまして、どうかその点御了承の上、暫らくこの決定をここで申上げることを留保さして頂きたい。かように思うのであります。
  108. 山田節男

    山田節男君 そうすると公益事業委員会が、これは政令によつてそういうことをきめられておる。そういつた場合に需用者側、消費者側から言つて分割されて、地区によつたならば同じ水力にしても一キロワツト当りのコストに相当差があると思う。極端に言えば或る区域を一とすれば他の地区はそれの二倍三倍ということになる。そうすると適正な料金というものは、その地区に関してのみの適正な価格ができて行くのか、或いは国民全般の消費者を対象としての電気料金をきめるとすれば、一面においては料金の均斉といいますか、均一化を図るために、国会の承認を得るようにするか。そうでないとすると、このほうの調整も電気事業委員会或いは物価庁が補給金かなんか出すというようにして、電気料金の均斉を図るのかどか、そういう用意ができておるのかどうかをお伺いしたい。
  109. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 電気料金の地域差の調整につきましては、これは公共事業令にその点を明記してあつて、要するに水力電気を余計に持つておられる会社のほうと、それから火力電気のほうを余計に持つておられる会社のほうとのお互いの契約によりまして、先ほどどなたかお話がございましたように、水力電気会社のほうからは一キロワツト幾ら、或いは火力電気を所有されるほうの会社としましては一キロワツト・アワー幾らというような点をそれぞれきめられまして、そうして両者間の契約によつてその点が幾らになるということがきまつて参る。その契約につきましては公益事業委員会のほうで適正かどうかということを検討して認可をいたします。こういう形になつております。
  110. 栗山良夫

    栗山良夫君 松本委員長にお尋ねいたしますが、今度新らしい会社ができました場合には、現在とは相当條件も違いますけれども、併し日本の川の豊水、渇水の状況からいたしますと、規模か小さくなつても同じ結果が出るのではないかと思うことがありますが、それは只今電気料金の原価計算をいたしまする場合には、大体七カ年の平均数量を基にいたしまして、不安定な天然現象を数字的に表わして、原価計算の基礎にしておるわけでございますから、普通の工業生産の原価計算とおよそ意味が違うわけです。従つて異常渇水が起き、或いは異常豊水が起きた場合には、その会計年度において意外な収入を生じ、或いは欠損を生ずることになるわけです。そこでたまたま日発でも只今含み資産というようなことが問題になつておりますが、私はそういうような問題と離れて、今後の電気事業の円滑なる経営をし、そうして需用者である国民大象の負担に余り大きな変化を與えない、事業も健全に運営させ、需用者のほうの料金も安定させる場合には、そういうような収入の調整をやりますために、異常豊水が出て意外な収入が上つたときに、その金は別途に積立てて置きまして、そして異常渇水が来たときにこれを備える。いわゆる年次プールというようなものをやらなければならないと思いますが、そういうようなことをおやりになる意思があるかどうか。これがなければ電気事業というものは私はうまく行かないと思う。戦争前でも有力な電力会社が一側とか、一割二分の配当をいたしておりましたときは、御承知のように一年を通じて上期にも下期にも同一に配当をしておりますけれども、この電力事業は大体上期にプラスが出て、下期、冬期には損をするというのが常識である。で只今日発で言われておるような含み資産の理論が成り立つならば、戦争前上期に配当するのはよろしいけれども、下期に配当するならばどこかに含み資産的なものがあつて配当をする、こういうふうになるわけでありまして、この点を考慮して、この含み資産の問題とは別途に、火力を含めて電力料金を公正に、適正にするためには、やはり今言つたような発電計画そのものから出たいろいろの操作をしなければならんと思いますが、その点はどうですか。
  111. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 今仰せられた筋ですつかり私わかりかねるのは、ただ一つ会社でやらせるということか、或いは全部の電気事業者のプールというようなものをやるお考えであるか、ちよつとわかりかねたのでありますが、私の考えでは渇水準備金というようなものを積ませ、それを積むについてやはり税をとられる。豊水期に大きな利益が出て、その利益を表面に出して、そしてそれを渇水準備金とするということになると大きな税を取られる。その制度はどうも大変に電気事業には不適当なことであると思う。動かないような潟水準備金というものは税を取らずに置かしていいのではないか、併しそれをどういうようにしたらいいか、いつまでも税は取らんでいいか、いつまでも余つてしまうというようなときに、いつまでも置いておかすようにするかどうかということについては非常に考えを要する。実は法案を多少今研究を始めております。そういうことにしたならばいわゆる含み財産というようなことの問題も出なくなる。是非そうしたいものだということを、この電気会社経理についていろいろ規則も作りたい。今の税の関係は規則では済みませんで、この点について何か立法をしなければならんのじやないかというようなことまで考えております。
  112. 栗山良夫

    栗山良夫君 私の質問申上げたのは大体今御答弁願つたことで了解しましたが、結局今度は独立採算制で各電力会社が一応表面上は行くわけでありますから、結局全国的にという考えを持つております。ただ各ブロツクの会社において、会社経営も彈力性があつて円滑に行く。而も使用者であるほうにも深い何を與えるとか、或いは迷惑をかけるとか、そういうようなことのないようにするというためには生産そのものが不安定である。材料が不安定である。而もそれを基にして原価計算をやつたのでありますから、結局今申しますように、石炭引当、或いは渇水準備金とか、そういうものを法制化して、緊急に対策をお立てになる必要があるのじやないかということを私は申上げたのです。
  113. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 最後に、日発含み資産に関する事項について調査をいたします。去る十七日に小坂日発総裁が日発に三十六億円の含み資産ありと発表されましたことは、世間にいろいろの意味で反響を考えております。これを機会に料金値下論も新聞紙上に散見されているのですが、たまたま再編成途上の発表であり、公益事業委員会の今後の施策にも影響のある問題と考えますので、当然に公益事業委員会としては御調査になつていることと思います。ついてはこの問題に関しまして、発生の原因及び処理方法、又は委員会としての御見解を明白にされたいと思います。なお、この問題は通産省所管当時に政府において監査されたはずでありますから、通産省の結果及び通産省の見解も、通産大臣から御説明をお願いいたします。
  114. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちよつと御説明を伺う前に私お聞きしたいのですが、これは計数的な問題でありますので、こういう御説明を勿論して頂いて結構でありますが、御調査になりました結果の計数的な資料を、是非とも御用意願つておれば頂きたい。それから願つてなければ、改めて資料につきまして私どもの理解し得るように一つお出し願いたい、こう考えております。
  115. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 前以て公益事業委員会には通知がしてあつたはずでありますから、資料をお持ちになつておるとも考えますが……。
  116. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 今日資料は用意してございませんが、資料に該当する点の説明はできるようにしてあります。若しあれでしたら……。
  117. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今日資料が来てないそうですから、一応御説明を願つて置きまして、資料を御提出願つて、それによつて委員会で再度継続して御審議をお願いしたいと、こういうふうに考えます。
  118. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) いわゆる含み資産問題が起りましたので、我々の委員会で数回に亘つて調査をいたしました。併しこれは完璧な調査をしようということなら、恐らくは何十人の人を、専門家を要する、又非常な長い日数を要する。到底そういうことは今できません。我々のできる範囲において調査をいたしました。その大体のお話を私からいたしまして、更に細かい資料を作つて、細かい説明はその資料と共にほかの政府委員からいたすことにいたしたいと思います。二十四年度の決算は、御承知のように三月の三十一日のものです。その決算が会社ででき上つたのは、五月の末くらいであつたと思われます。そのときにたしか十七億何千万かの利益を計上しまして、そうしてそれに対して七億何千万かの税を拂つている。併しながら当時において表面に計上されなかつた利益が約十七億以上あつたようで、尤もその中に、三億くらいは正当な記載というべきもので、必ずしも含みを特にしたものと思われぬものもあるようで、その点はいずれ細かい説明のときにおわかりになると思います。この十七億幾らというものは、どうして、そういうものが生じたかと申しますと、当時まだ單価の未定のものが多かつた、一番大きいのはやはり石炭の單価がしつかりわかつていない。すでに使つてしまつたり、或いは買つてしまつた石炭の量はわかつてつても、單価がきまつていない。そこで前の高い時分の値段で單価を、未拂金ですか、或いは買掛金ですか、買掛金として上げていた。ところが後に至つて、支拂うことになるとそれがもつと少くて済んだというのが一つ、それから中には代金の支拂を怠つてつたということで、その怠つてつた滞納の利息を取られるというようなものが一億幾らでしたか、確かにあつたのです。そういうようなものは後になつて、その時分供給された石炭の質が悪い、量が足りなかつたとか、いろいろなことがわかりまして、そういう利息を拂わないで済むことになつた、免除されたのです。つまり協定によつてあとで拂わないことになつたために要らなくなつた。そんなようないろいろなものが、集めて見ると十七億幾らというものが隠れておつた。それからしてその後においてそういうものが出ましたのは、要するに非常な豊水のために、本当に石炭か予定したものが要らなかつたということで、そういうことが起つたようです。その後において昨年の九月の三十日に仮決算をして、その仮決算のときにやはり相当の余りが出て、十八億くらいの、そういう同じような性質のものが出て来ている。それを合せますと或いは三十六億にもなる、或いはその中に隠してあると言えないものが三億くらいあるようで、それを引けば三十三億くらいになります。そんなようないわゆる隠れた資産があつた。それに対応するものは大きな預金であつたというようなことなのです。この当時の事情から考えますと、先ほど栗山君の言われたように、渇水準備金というようなものが若し税を取られずにあるのなら、これは恐らくはそのほうに当然なつたものと思う。それが最初二十四年度の決算をした時分にはまだわかつていなかつた。少し大きくまあどうしても立てて、買掛金とか未拂金を大きく考えて立てた。これがわかつた時分には、正当なやり方としては、その時分にそれを出して、そして二十四年度の税を、新らしく出ただけの金額について追加して拂うということをやるのが、本当の適法な行為であつたかも知れん。併しそのことが怠られて、ずつと昨年の十月頃に怠られたなりになつてつたということです。それから今の二十五年度に出て来たほうは、これはまだ決算されていませんから、決算は今年の三月三十一日の貸借対照表でされるのでありますから、従つてそのほうはそのままになつてつても、別に違法であるとは言えなかつたと思うのです。併し帳簿の上から見れば、剰余金であつたり、利益であつたものが他の項目、買掛金とか未拂金というような名前のところに入つてつたということは言える。このやり方について考えて見ますと、これは先ほど栗山君の言われたような渇水準備金というような制度が若しあつたならば、必ずそのほうえ行くものであつたので、そういう制度がないためにそういうことが起つたのじやなかろうか。又経理に関する日発のいろいろな書類を、全部じやございませんが、或るものを私が見たところでは、どうもその書類の様式等も、昔からのものであつて、よほど前からの、恐らく日発ができた時分から変つていないものかも知れませんが、通常の私どもの知つている商事会社の帳簿の形式とは大分違うように思われる。そんなような点が制度の不備であつたように思う。 その制度の不備に乗じてわざわざやつたとは言えないが、そういうような弊害が自然出て来たのだろう。見方によつては止むを得なかつたことかも知れん。含み資産を発見して、これを正直に出して、そうして大きな税を拂つてしまう。今度渇水になつて来たときにはそれを償う金がなくなるということになる。御承知のようにこの頃は非常な漏水で、毎日一億円以上の石炭を焚いているそうであります。そんな時期になりますと、大きな損失が出る。今のいわゆる含み資産が昨年の十月頃の計算において三十六億又は三十三億あつたとしても、そんなものはもう或いはこの期末には全部なくなつてしまうのじやなかろうかとさえ言われている。或いはなくなつて欠損が出るという説さえあるくらいです。そういうようなことで、こういうようなことが起つたのは、どうも制度に欠点があつた、止むを得なかつたのではなかろうか。 当時通産省のほうで勿論経理の御監査はあつたようだが、ちよつとした人間がただ少しばかり行つて監査したのでは、到底こういうことは発見できない。これはすべての会社の書類を全部見る。これはもう何十人おつても、とても大きな何百億というような計算については見られないと思うのです。おまけに各所に支店もある。そういうようなところへ全部出張して行つて見るということをしなかつたら、本当には発見はむずかしかつたろうと思います。そういうことでこういういわゆる含み資産なるものがあつたのではなかろうかと思う。結果において見ますと、一点の非難もできないことでないことはこれは言うまでもない。むしろ見方によつては大いに違法なものであつたかも知れませんが、制度の結果としてよんどころのない結果であつたとも或る点まで見られるかとも思つております。そういういわゆる含み資産なるものがあつたのですが、併しすでにお話したように、この頃のように石炭をどんどん焚いて、勿論その料金は取つてはおりますけれども、併しこの頃のようにたくさんの石炭を焚くと到底償い得ない。そこで恐らくは含みなるものは……、この後まだ一カ月半以上いわゆる渇水期があるようです。その間不幸にしてこんな渇水状態が続いて参つたならば、恐らくはこのいわゆる含み資産なるものはなくなつてしまうのではなかろうかと考えております。そういうことがいわゆる含み資産という問題の実相であつたと思つております。なお極く細かい計算については、参考資料を出してから細かく御説明することにしたいと思いますが、大体のことはそういうことであります。
  119. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 日発含み資産の問題に関しましては、詳細に委員長から御説明があつたのでありますが、通産省といたしましては二十四年度の決算の際の貸借対照表等を見、そして今日現われておりまするような買掛代金の残り、未拂金の残り、そういうものを発見し得なかつたことは甚だ遺憾であります。これをその当時発見し得たならばこういうような問題は起らなかつたと思いますけれども、委員長お話の通り、ただ帳簿を審査しても、その当時においては発見し得なかつたと同時に、又石炭の買掛代金のごときは至つて複雑なものであるので、一応多いと考えても、それが多いということを立証し得ないようなものでありますので、これらを検査した者が発見し得なかつたということに対しては、只今申上げましたような甚だ相済まないというような考えを持つておりますが、併し実際には誰が行つても知り得なかつたのではないかというような感じもいたしておるのであります。その後この九月の仮決算のことにつきましては、只今委員長からお話のありました通りに、まだ本当の決算をしていないのでありますが、これが利益であるのか、或いは何であるかということは三月の決算期を待たなければ、わからないことでありますし、又石炭の最も多量に要る現在のような情勢を考えますと、これも委員長お話の通り私も同感であるのであります。さように御了承願います。
  120. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は今のお話を伺いまして奇怪に思う点が二、三点ありますのでお伺いしたいと思いますが、先ず第一は、横尾大臣は利益であるか、含み資産であるか、わからないということをおつしやつたのでありますが、あなたが大臣になられる前であつたから止むを得ないと思いますが、当時の稲垣大臣に私は一昨年の十二月十三日でございましたか、新らしい料金改訂ができた面後に、本会議でこういうことが起るといけないということを中心的に質問をして稲垣大臣は当時渇水準備金のような制度考えるということを明確に言つておられる。それをあなたがたがやらなかつたために、こういうようなことが起きたことはそれは現在の政府の一大責任だと私は思う。もう一つ言わなければならんことは今松本委員長が言われた中で、この含み資産内容説明の中で、石炭代の値下りによる差額を第一の理由に挙げられましたが、これは私ども甚だ了解に苦しむので、昨年の暮は、これは非常に出水があつた。従いまして原価計算に入れた当時の石炭の消費量よりも遥かに少い消費量でこれを賄つているわけです。従つてそれは石炭の値鞘だけの問題でなくて、石炭を焚くと、減少した石炭の量のほうが問題になるわけです。どれだけ石炭を焚かなかつたかということ、これによつて幾ら金が出たかということが問題になります。これが一番最初の理由に挙げられないということは非常に私は奇怪に存じております。  それからもう一つは、こういうことが発見できなかつたと言われるけれども、もう一昨年の暮からの国会の論争を十分お考えになれば、七カ年の平均水量よりも遥かに超えた水量が出て、それだけ石炭を燃やすことをしなかつたわけだから、当然異常出水があつて收入増があるということは素人でもわかる。そういうことに気付かなかつたということは甚だおかしい話であるわけです。僕はそういうような点で、一つ今度調査書類類の中には、資料を出して頂きますときには、余りごたごたと機械設備を再評価したとか、貯蔵品を何とかしたというような小さな数字は私要りません。私は中心的に、それは全部出して頂ければ結構でありますけれども、去年の原価計算のときのいわゆる予定決算、予想決算といいますか、それの中に入れた石炭の消費量と、実績との間に幾ら差額が出たのか、それをはつきりして頂きたい。それだけで殆んどこの問題は解決すると私は思う。而も小坂総裁に一遍来て頂いて、少くとも証言を聞きたいと思うのですが、こういうはつきりした、国民はどちらかと言えば渇水時に備えて豊水時に料金の前拂いをしたわけです。そういう金を、含み資産であるからというので、今度の日発の解体のときに株主配当するのだということを言うことは、小坂総裁として失言であろうと思う。これは当然新会社に引継ぐべきだと思う。そういうものを含み資産の名前で以て日発株主に解散配当をするということは、これは実に軽卒のそしりを私は免れないと思う。若しそういうことができるならば料金の引下げを当然やらなければならない。今料金の引下げをやつたならば、将来渇水時には電気事業運営はできなくなるでしよう。その点は横尾大臣は責任ないのでしようが、当時の責任大臣からお言葉をあいまいにされないで、はつきりと理路整然と御答弁願いたいし、松本委員長も新任委員長ですが、その点を私どものよく理解の行くように、而も国民の理解の行くように、而も電気事業が参つてしまつて運営のできなくなることのないように、これは一つ十分御考察の上我々に御説明願いたいと思います。今の二点を一つ伺いたいと思うのです。松木委員長のほうは石炭の値鞘だけのことを言われたのですが、去年は非常に異常出水があつて石炭の消費量がそれだけ減つているわけです。これに対する利益、いわゆる収入増は相当なものですが、それの行方というものを少しもお考えにならない。それから横尾通産大臣は発見できなかつたと言われるけれども、水の出たことを御承知なかつたかどうか、これを伺えばわかる。
  121. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 今の発見できなかつたと申しますのは、この買掛金の中にそう多くを含ませてあつたかどうかということを発見できなかつたというのです。
  122. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 今の石炭の消費の量ですが、いずれ細かく御説明いたします。併しそういうものを全部未拂金、或いは買掛金というようなところに入つてつたということに御承知を願いたい。その入れて置くということはよくないことと思いますが、併し丁度代金がきまつてないときに未拂金のある、或いは買掛金があればそこに入れてしもうということに当然なつて来る。そういうことをしなければならんような制度がよくない。どうしてもこの渇水準備金を税なしに積めるようにしなければなるまい。その前に経理の書類の形式が甚だあいまいで、私など見てもなかなかわからない。こういうのはよくないと思う。今度我々のほうで経理に関する規則をきめまして、新会社には非常な厳密な規則によつての形式の帳簿、それからすべての書類というものを作らせよう、そういう考えで今頻りに研究しております。
  123. 栗山良夫

    栗山良夫君 これは大体石炭の値鞘の利益でなくて、異常豊水の収入増がどれだけあつたかということは、私大体承知しておるのですが、これは三十億ばかりの金じやないのです。もつと大きな金だと私は思うのです。而もそういうのが、私はどの程度になつておるか知りませんが、日発が四で配電が六ですか、何かの金で当時受けられたこともあるわけです。従つて若し日発にそういうものがあれば、配電のほうに当然なければならん。従つてこの点は当時、物価庁の藤田君もそこに見えておりますが、一生懸命原価計算をやられたので、内容を御承知だと思いますが、国民日発の問題は、去年のスキヤンダル事件以来、かなり疑惑に包まれておつて、伏魔殿のように思われておる。私はそんな伏魔殿じやないと思いますが、実際にこれは政府が、とにかく指導よろしきを毎ないためにこういうことばかり起きるのです。従つてもう少し簡單直明に問題の所在点のはつきりするように、一つ解明を願いたいと思います。私も国会議員としての責任もありますから、私の知り得る力を挙げてこの点は、若しあなた方が曖昧にされるならば、明らかにして行きたいと思つておるのですか、どうかそういう点をはつきりして頂きたいと思う。
  124. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 只今のことは甚だ御尤もですが、私はこう考えておる。今度新会社にみんな全財産を移させてしまう、そのときに、若し本当に二重帳簿か何かで隠れたものがあれば、これはもう刑事上の問題で、何かしなければならんことでしようが、そういうことはまさか私はないと思う。或いは配電会社等に何かありとしても、そういう違法極まる刑事上の問題までは私はないものと推定するのが当然だろうと思います。然らば今配電会社財産一つも漏れないように全部新会社に移させれば、それでいいんじやないか。それから日発についても今度はすつかり全財産を曝け出して、そうしてちやんと処分さした、そうして大部分は今の九個の新らしい会社にこれを移さす。その際に、一つも抜け出るものがないようにすればいいんじやないか。今いろいろ洗つて見ようと言つて見たところで、実は洗いようがないのだ、もう古いものをすつかり洗おうということになれば、これはすべての警察力でも利用し、或いは税務署の人全部を頼んでやらなければ到底できませんから、そこでもうこれは済んだこととして、これから逃げないようにするということにしたらそれでいいんじやないか。そうすると、自然新らしい会社にそういう財産が全部行く、若しありとすれば行くんだから、それによつてこれからの経営が楽になる、従つて料金を下げていいということになる。今まで取つた料金を、その取つた人に返すといことは事実不能です。これは数千万の需用者に対して割合か何かで返そうなんて言つたつて、そのために要する手続き、費用というものが非常に大きなものになるので、到底できませんから、むしろこれは新らしい会社にそのまますべて移さして、そうして若しそれに余裕があるならば、それの余裕によつて恵沢を受けるのは、やはり前の需用者たち全体が受けるのだということにしたらいいんじやないか。まあそういう処置をするほか今はないのだというふうに私は考えております。そのために漏れないようにするということを、十分に我々としてやりたいというように考えております。
  125. 栗山良夫

    栗山良夫君 経理的には大体御説の通りにしかならないと思います。それはそれでいいと思いますが、ただもうちよつと研究して見ないと断言できませんが、問題は、私が一番懸念しますことは、一応新会社ができてから料金が下げられれば下げるようにしてやつて行けばいいとおつしやいますけれども、今一番問題になつているのは、国民に、とにかく非常に不当な料金を取られておつたという観念を植え付けたわけですね、小坂総裁の声明を以ちまして。とにかく利益金であるから、株主に解散配当をしてしまうんだというような、そういう声明だものですから……。私は極めて不穏当な声明だと思いますが、とにかくそういう印象を與えてしまつた。これを解きまするためには、国民が納得するようにしなければならないと思う。電気という不安定な、水とい原料を以て生産しておる事業である。従つて豊水と渇水との間のプールをよろしくやつて置かなければ、その都度料金の水増しをやつて取るということはできませんから、結局発電がうまくできないということに落着をするので、従つて渇水時に備えての料金の前拂いのようなものであるというような説明国民にし、そうして国民了解を得られれば、電気事業のためにいいと思うのです。併しこのまま放つて置けば、日発も配電も含めて、電気事業国民から不信任を受けておるので、これでは困ると、こういう工合に思うわけです。そこで起きておる原因というものは、そう大してむずかしい問題でないので、この点を率直に、こういうような事態の起きて来た原因というものは、水という不安定な生産原料を材料にして、原価計算をやつたつて、而も七カ年間の平均水量ですから、七年のうちには地ならしかできてしまうんだ、七年間のでこぼこをこれでやつておるんだという説明を早くやる、従つて小坂日発総裁の言は取消しをせられなければならんと私は思うんです。若し小坂さんが自信を以て言われておるならば、これは料金の値下げを行べきだ、私はそう考えないんだが、その点と私は緊急に明らかにする必要がある、こういう工合に考えるわけです。資料をまだ拝見しておりませんし、内容も公式には頂いておりませんから、私は小坂さんの言が正しいのか或は正しくないのか、結論的にはそれは申上げられないかも知れませんけれども、今まで電気事業を研究して来た者としては、而もああいうようなものが去年の異常豊水で出たということは、これはまぎれもない事実なんだから、そういう点から考えて、どうも不穏当であるということを申上げるわけです。まあいろいろ申上げたいこともありますが、そういう意味でありますから、経理的にはそれはなかなかうまく行かないし、手数ばかりかけまして、成果も上らないかも知れませんけれども、電気事業に対する国民的な疑惑、或は過当な料金拂つてつたということに対して、もう少し日本の持つておる使命からいつて、釈然とするような説明をせられたいという私の考えを、これは一つ御理解を願いたいと思います。
  126. 山田節男

    山田節男君 今栗山君から電力消費者の立場から言われたが、私は日発並に九配電会社のいわゆる株主側としての意見を申上げたいと思います。  今松本委員長から日発含み資産の問題について、非常に善意な解釈があつた、私もそういうふうにとりたい。併し最近第九国会で電気事業の再編成問題が起きた最中ですね、各配電会社は、各配電会社とは言いませんけれども、配電会社の或るものは、どうせこの会社は再編成されるのだというので、相当配布会社によつて経理上でたらめのことをやつて、そうして重役はいつでも二百万、三百万の金は取れるようなことをやつておる、あとは野となれ山となれ、而も終戦後戦災を全然こうむらない、水力、気を専らやつておる会社は、全然配当を行わない、こういうような再編成を目途として、相当経営者はでたらめのことをやつておることは事実です。これは私は九配電会社全部とは言わないが、或る知つておる会社は、これは今度新会社になると、相当でたらめのことをやつておることはわかつておる。これはいろいろ説明する資料まで持つておりますが、併しこれは今度こういう公益事業委員会ができて、新しい会社を作る。これは私は決して他の配電会社を疑うわけではないが、又含み資産というものを善意に解釈したいけれども、終戦以来今日までの各配電会社経営振りを見れば、これは相当杜撰な点があると思うので、そういうようなことは、これは争うべからざる事案であるからには、これは公益事業委員会としては、新らしく設立される会社については厳密な、一つできるだけの、今委員長のおつしやるようになかなかこれは技術的にはむずかしいとおつしやるが、これは單に消費者ばかりでない、これだけ巨大な資本を投下している主にとつて、これは或る程度擁護しなければならんと思います。併し公益事業委員会の、やはり健全な電気事業の発展を図る意味においてしなければならんことである。そういう観点からして、やはりこの日発以外にも経理上の含み資産、或いは経理上のそういつたような、終戦後も満六年間電力が杜撰な経営をしておるということは事実である。とするならば公益事業委員会としては、この新会社ができるということを契機として、相当厳密に私はやつて頂かなくちやならんと思うのですが、いろいろ技術的な難点があるにしても、委員会としては、今後そういう部面に意を向けられる御意思があるかどうか。なお又日発に出て来たいわゆる含み資産のようなことのあるかないかということを、他の九会社についても御調査する意図があるかどうかということについても伺いたいのであります。
  127. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 他の配電会社のそういう事実があるかないかということを調べたかということなんですか。
  128. 山田節男

    山田節男君 お調べになるのか、或いは調べられたのか。
  129. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) いや、それは調べる暇は勿論まだありません。それよりも、もうすぐと解散してしまう会社、それを徹底的に調べるという必要はないと思う。私は全部の財産がその新らしい会社に行くのだから、その行くときに漏れないようなだけは嚴格に一つつて行きたい。併し今まですでにそういう含み資産があるかどうかということは、漏れるかどうかということを監督するためには、必要な範囲には勿論調べますが、その以上に調べようといつても、これは数百人の人を特に要するので、絶対にできないことであるというように考えて頂きたいと思つております。
  130. 古池信三

    ○古池信三君 電源の開発につきましてちよつとお伺いしたいのですが、将来の日本としては電源の開発の重大なことは申すまでもないことで、而も先ほど松本委員長からもお話があつたのでありますが、従いましてこれからの電源を開発をして行きます上においては、あらゆる方法、手段を盡して促進して行かなければならんと考えております。つきましては、先般の新聞紙上におきまして我が国の水力電源開発のために、年間二億ドル以上の外資が導入されるような見込ができたというふうな報道を見たのでありますが、これにつきまして公益事業委員会としては、何か御調査になつたことがありますかどうか、ちよつとお伺いしたいと思います。
  131. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) そういう見込ができれば、それほど結構なことはないので、二千万ドルでも結構なんですが、勿論見込など付きようはない。只今の模様では、どうしても今の外資がすぐとできようとは、本当のことを申すと、私の考えでは遺憾ながらできようと思わない。併しどうしてもできるように促進して行かなければならん。そのためにはどのくらい金が要るかということを調べて置きたいというので、大体一年に三・六%の増加があるということを前提として、それに適応するだけの開発をやつて行くとすれば、約一年に二億ドルくらい、五年計画として十億ドルというものが要る。それから一割ぐらいの増加であるとすれば、いわゆる野放し需用といいますか、そうすれば一年五億ドルくらい、五年で二十五億ドルくらいの金が要るということを、いろいろ研究して材料によつてこしらえて見た、そういう表を作つて見たというだけでありまして、それについてできるだけの一つ盡力をして、そうして外国のほうにも、若しできるなら日本の電力開発というものが日本のために一番必要なことの一つだ、船舶のほうも勿論必要のようではあるが、見かたによつて電力のほうが余計必要ではないか、工場がまるで遊んでしまう。沢山の労働者がまるで手ぶらで遊んでしまうということの損失を考える大変なことで、又全般的の停電などが若し起れば、治安土にも非常な関係があることで、これはどうしてももう少し重力開発をしつかりやらなければならんという。ただ夢のやうな計画書を作つて見たということはあるのであります。そういうものが実現されるようになることを希望して、できるだけのことをこれからやろうとは考えております。併しまだその域には達していないというように御承知を願いたい。又どういうことを今やつておるかということにつきましては、ちよつとこういうところでお話するのは適当しないと思いますので、お話いたしません。
  132. 栗山良夫

    栗山良夫君 重ねて松本委員長に御所信を承わつて置きたいのは、先ほどの含み資産の問題でありますが、小坂さんが発表されましたいわゆる三十億ばかりの問題、これの内容は、健康保険だとか厚生年金、或いは事業税、法人税、基準外の賃金だとか、石炭の購買金とか、そういつたようなものが隠れておつて、その他たくさんありますが、そういうことになつておりますが、こいうことだけでずつとやつて行ければ、小坂さんの言われた通りの含み資産であり、而も株主にも配当してもよいのだということに一応理屈が成立つかも知れません。併しそれでは将来の事業運営上非常に工合が悪いので、私が先ほど申上げましたように経理の末梢的な点に捉われないで、長い発電計画電力量の発生計画等からして、異常豊水のときの考え方、異常渇水のときの考え方等を織り込んで、国民電力料金の支拂に対する新しいはつきりした考えを持ち得るようにこれはして行かなければならんのであつて従つて小坂さんの言われることが正しいとすれば、私どもは大いに議論しなければならんと思いますが、それでも結構であります。又そうでなくて、渇水準備金のような形のものであるということを委員会で御決定になれば、それでも結構であります。どちらでも結構でありますが、そういうものを緊急に結論を出して、委員会として御発表になる御用意がありますかどうか、その点を一つお伺いしたいと思います。
  133. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 今の何かまだ含み資産が残つておるかのようにお考えになると、そうは行かんと思う。先ほど申したように、今の渇水はこれは少し異常渇水めいておる。これがもう一カ月以上も置くとこれはもう異常渇水で、異常豊水によつて生じていた含み資産が全部仮に保たれておつたとしても、今度の異常水でなくなつてしまいます。だから小坂君の言われるようにそれを配当する、配当するとは言つておられなかつたようですが、それを以て何かえらいものを作るとか何とかいうことは、これは今の状態ではできない。殆んど今の日発含み資産というものは大変減つておるので、現在の含み資産が幾らあるか、いや、非常に減つておるのだから、悪くするとこの決算期になると、或いは全部なくなるか、戦いは欠損まで出るかも知れないというような状態じやないかと思つているんで、だからいわゆる含み資産なるものは、丁度渇水準備金の役を立派に果しておる、果しつつあるというように思つております。だから株主にそれを配当するとか何とかいうことは、これはできない、事実においてもできない、又許すべきことでもないというように考えております。それでこういうことは我々も、勿論すつかり事情がわかりましたら、必要に応じて声明等もするかも如れませんが、併し当局者が、監督の役人が声明することは、世間で言い訳のように見られる。それよりむしろ栗山君のようなこういう事情のよくわかるかたが、我々の今度言うことに基いて、材料に基いて声明して頂くと大変有難いと思います。是非これはお願いしたいと思います。
  134. 栗山良夫

    栗山良夫君 今、だんだん含み資産をこの渇水対策に使つてつて、恐らく三月末に下手をすれば赤字になるかも知れませんと、こういうお話がありますが、それならば又話はわかるので、若しそういうことが事実であれば、とにかく日発総裁ともあろう小坂総裁が、今年の冬の渇水状況の見通しくらいつかないことはなかつただろうと思うのですが、そういう人が軽々にああいう発言をして、国内で非常にトピツク・ニユースのようにして弄ばれるということは、これは非常な私は又責任を生ずると思うのですね。ですからその間のところは、我々も国会の立場から明らかにして行きたいと思いますが、公益委員会のほうにおきまして、一つ善処を私はお願いしたいと思います。どちらでも結構なんです。私は結論はどつちに出ても結構なんですけれども、このままにして置くということは、私もよろしくないと思いますので、一つお願いいたします。
  135. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 大分時間も過ぎましたから、本日の委員会はこの程度で散会いたします。    午後四時四十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            尾山 三郎君            栗山 良夫君            結城 安次君            水橋 藤作君    委員            秋山俊一郎君            石坂 豊一君            石原幹市郎君            小野 義夫君            岡田 信次君            古池 信三君            小林 孝平君            島   清君            三輪 貞治君            森下 政一君            山田 節男君            吉田 法晴君            野田 俊作君            溝口 三郎君            山川 良一君            小川 久義君            境野 清雄君            東   隆君            須藤 五郎君   国務大臣    通商産業大臣  横尾  龍君   政府委員    公益事業委員会    委員長     松本 烝治君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    公益事業委員会    経理長     中川 哲郎君    資源庁長官   始関 伊平君   説明員    物価庁第三部動    力課長     藤田  勇君