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1951-03-27 第10回国会 参議院 電気通信委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十七日(火曜日)    午前十一時二十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○有線放送業務運用規正に関する  法律案派遣議員の報告に関する件 ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) 只今より会議を開きます。  昨日に引続きまして審議をいたします。なお昨日山田委員よりの御質疑に対して政府委員より説明が残つておりますから……。
  3. 綱島毅

    政府委員綱島毅君) 昨日山田さんから、この有線放送業務運用規正に関する法律案施行に伴いまして、どのくらい政府として経費が必要かという御質問がございました。それに関しましてお手許に有線放送規正に必要なる経費といたしまして表を差上げてございます。これにつきまして極く要点だけ御説明申上げますと、この法律施行に当りまして、私どもとして必要と考えておりますのは、若干の人間とそれから旅費並びに物件費でございます。人員に関しましては、これは有線放送現場に参りましていろいろ届出状況につきまして監査をする、それから又場合によりまして放送内容につきまていろいろな記録を調べに参るというような、地方の第一線の監査員と申しまするか、その人員と、中央におりまして各種の届出を整理し、これについて適当な調査をする人員両方でございまして、両方併せまして二十七名考えております。その内訳は、中央が七名で、地方監理局に二名ずつ十カ所でございますからして二十名、合計二十七名というふうに考えております。私どもとしてこの程度人員で十分であるとは考えておりませんけれども、極力行政簡素化の精神に副いまして、現在の人員をやり繰りし、双方併せてこの程度人員でやりたいと考えておる次第であります。  次は旅費でございまして、この旅費につきましては中央から各監理局並びに場合によりましては現場に参りまして、いろいろな指示並びに打合せ、そういうための旅費といたしまして中央において約二百六十六万円、それから地方におきまして約四百万円程度考えております。  次に物件費でございまするが、これは場合によりまして、放送内容を録音しまして、証拠として残して置くということも考えられますので、そのための録音設備を各監理局に一台ずつ酒置いたしたいと考えておりまして、その経費といたしまして、約五百万円考えております。総計いたしまして、中央電波監理総局におきまして約八百六十七万円、地方電波監理局に六百二十五万円、合計千四百九十三万円余りのものを来年度といたしまして必要と考えておりまして、目下大蔵省と折衝中でございます。大蔵省におきましてもいろいろ厚意を以て考えてくれておりまして、当面の問題といたしましては、来年度の四月からの予算はすでに国会に出ておりますので、間に合いませんので、当分の間は予備費からこれを支出せざるを得ないと思つておりますが、爾余の年度内の経費につきましては、適当の機会に補正予算として国会に提出いたしたいというふうに考えておりまして、大蔵省とその線で相談を進めておる次第でございます。以上でお答えを終ります。
  4. 山田節男

    山田節男君 ちよつと網島局長に聞くのですが、労働省の労働基準局では、いろいろの起重機だとか或いはボイラーとかいうものをテストして、そうして何といいますか、その試験料というか、そういうものを査定した手数料を取つているのですが、電波管理委員会としては、例えばラヂオ共同聽取親受信機一定基準に適つているかどうかというようなことを検査して証明書を与える。そういうことになれば一定手数料を取る。こういう例はほかにはないですね、電波管理委員会の管内の仕事で。
  5. 綱島毅

    政府委員綱島毅君) 従来私どもの担当しておりまする無線施設、勿論その中には放送も入つておりますが、こういう無線施設に関しましては電波法によりまして毎年一回は定期検査をしなければなりませんし、その他必要に応じまして臨時検査をいたしまするが、このときには検査手数料を取ることになつております。その手数料の最大限の額というものは法律できめられておりまして、その法律範囲内で政令によつて個々の場合を規定しております。従いまして従来私どもの担当している検査の大部分の場合におきましては手数料を取つているのございまするが、只今お話にございました共同聽取のための親受信機と申しますか、そういうものにつきましては、電波法はそういうことを予想しておりませんので、そういうことの検査考えておりませんでした。従いまして現在の電波法並びに今度の有線放送に関する法律にそういう規定がございませんので、今の状態ですと私どもはそれに必要な手数料というものは取ることはできない、こういうふうに考えておる次第でございます。
  6. 山田節男

    山田節男君 それは何ですか、この法律によつて政令或いは規則というものがあれば手数料は取れるわけですか、それとも普通の無線とは違つてラヂオ共同聴取親受信機は極めて簡単なものだからして、そういうものに価しない、こういう意味ですか。
  7. 綱島毅

    政府委員綱島毅君) 電波法におきましては一応受信だけの設備につきましては検査の対象から除外してあるのでございます。従いましてそういうものを考えておりませんでした。勿論今度の法律にありまするように、親受信機からたくさん線が出まして、それにラツパが附いて行くということになりますれば、その親受信機は単なる一世帶だけのものではありませんで、相当公共上重要な施設となつて参りますので、検査したほうがいいというふうにも考えられるのでありますが、今度の法律設備の点は触れておりませんので、その点にはタツチしておらないというふうに、私どもそういうふうにお考えなつたのではないかというふうに考えております。この親受信機の問題につきましては、この法律施行後、状況によりましては電波法改正なり何なりによりまして、必要が起りましたら附加えるようにしたらどうかというふうに考えている次第あります。
  8. 山田節男

    山田節男君 これはまあこのラヂオ共同聴取だけを考えて見ても、これは近き将来NHKでも相当奨励していることでありますから、五万戸の聽取者は比較的近い将来にできるのではないかと思うのであります。そうすると聽取料五十円として年間三千万円収入があるのですね、それだけの大きな手数料聽取料収入として入つて来ておる。そういうものであるだけに、NHKとしても相当共同聴取に対しての維持管理の改善とか、サービスをよくするというような方面相当な金を使つてもいいのじやないかと思うのであります。ですから若し電波監理委員会として手数料を、親受信機或いは街頭放送から常識的なものに対しては一定基準を設けて、危険があり、或いは非常に雑音の入る、醜悪な放送機を使わないというふうないろいろの騒音防止のためにも監理をするというようなことを、電波監理委員会としてできなければ、やはりNHKがやるわけにも行かないとすれば、私は年間三千万円の収入があり、ラジオ共同聽取に対しても、NHKが何かの形で電波監理委員会のそういう監査に対して一定の給付、例えば五十円に対して五分とかいうようなものでもいいから、何か納付金制度のようなものを電波監理委員会の、こういう監査制度に対する財政的な何か裏付けをするというようなことを考えたらば、或る意味において国家の支出の節約にもなり、それから又同時に事業施設からいつてNHKもこれも相当私はこれに対して反対給付的なことをやるのは当然じやないかと思うのであります。ですからNHK電波管理委員会監督官庁としてNHKのほうでそういう聽取者に対して五分とか或いは二%とかやつても、年間相当の金が入るのじやないでしようか。そういうようなことは考えられるかどうか。今の会計規定からいつて、そういうことができるかできないかをお伺いしたい。
  9. 綱島毅

    政府委員綱島毅君) 御承知のように現在の放送法によりましては聽取料金は全部NHKに入りまして、NHKはその聽取料を、国会の承認を得た予算範囲内で自分業務使つて行くという建前になつておりまして、政府に納付するとか、或いはほかの適当なる機関にそれを出すというふうなことにはなつておらないのでございまするが、将来そういうことが考えられないものかどうかということにつきましこは、これは私どもとして大いに研究の余地があると考えておるのであります。これは今後民間放送がどういうふうに発達して行くかということにも関連いたしまするし、又只今指摘されたように、この有線放送或いは共同聽取というものの発達とも睨み合せまして、このNHK聽取料というものの使い方というものにも、おのずから又別な考え方が出て来るのではないかと思うのであります。御承知のように、英国におきましてはBBC聽取料は、英国郵政庁が一応自分で収めまして、そのうちの何%かをBBCに返してやる、そうして若干のものを政府として積立ということもやつておりまするので、これは絶対考えられないという問題ではないと思います。今のところ私どもとして急にこの問題を取上げてどうするというところまでは至つておりませんが、御趣旨の点は委員会といたしても十分研究いたしたいと思つております。
  10. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今までの委員会に欠席したものですから、今までの審議は実際よく知らないのですが、この法律案で行きますと、施設方面はこれは電信案ですか、電信法で規律するということになるようです。そこで私心配しますのは二條の第三号に書いておりますようないわゆる街頭放送のようなものができたとしますと、二條の一号二号に書いておりますようないわゆる共同聽取とか或いは公共的な方面で要求されております有線放送、こういつたものについては将来ともできるだけこれを助長するように考えなければならん、こういうふうな見地から行きますと、一方ではこの法律案によりまして有線放送についての届出を必要とする、電波監理委員会規則がどういうふうな規則になるかまだよく存じませんが、とにかく届出をして、何らかの制限を附けて、同時に電信法によりまして恐らく施設については許可を要するということになるのじやないかと思うのです。そういうことになりますと、共同聽取のごとき例にとりますと、非常に僻地の、而も官庁とも余り関係のないような人たち施設しておる、利用しておるわけです。一方で例えば電気通信局ですか、各地の電気通信局許可申請をしたり、一方で恐らくとれは電波監理部ですか、こういつたところにつ届出をして、両方の間を駆け廻らないやつて行けないというようなことになりはしないかと思うのです。ですから私はむしろこの二條の一号、二号に書いてありますような事柄については、電気通信省関係の、施設面においても一律に許可というようなことでなしに簡単な方法をおとりになることができないかどうか、できれば官庁内部関係は別として、窓口を一本にしてやるというようなことを考えてやらないと、これはなかなかその利用者も、それから施設をするかたでも非常に困ると思うのです。勢い発達をむしろ阻害して行くというような結果になると思うのです。そういつたことについては、電通省電波監理委員会で何かお話合いでもあるのですか、又今どんなことをお考えになつておりますか、一方は許可をし一方は届出をするということになりますと、これは結局許可を受けなければやれんということにしかならない、如何に一方で簡単にしましても、一方で許可制度をとつておられると、これではしようがないと思うのです。これはやはり両方歩調を揃えて、成るべく簡便に一号、二号の運用についてはむしろ助長するというつもりで考えるというような考え方が必要だと思うのですが、如何でしようか。
  11. 杉山榮藏

    説明員杉山榮藏君) 只今の御質問に対しましてお答え申上げます。御承知のように電信法は明治三十三年という古い法律でございまして、その後改正いたしておりませんために、必ずしも今日の状況に適応しておるという法制であるというふうに私どもは確信を持つていないのでございますが、併しそういう意味からいたしますると、只今の御質問のように助長すべきものと本当に取締るべきものという点につきましては、はつきりした区別がなされていないということも事実であろうかと考えます。併しながら法を運用する面におきまして、それならばどういう態度を以て臨むかということになりますと、御指摘のようにできるだけ窓口の統一なり、或いは一方にそういう施設申請をして来る場合におきましては、電波監理委員会のほうへ大体そういう施設許可が来ておるというようなことを御通知申上げるというふうな方法を、電波監理委員会との間に取決めまして、この問題に当りたいというふうに考えております。
  12. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今のところそういうお答え以外にはしようがないと思うのですが、私はもう少し端的に言いますと、第二條第一号、第二号のような事業については、丁度この電波監理委員会がとらんとするような態度と同じような一つ基準を設けて、一般公衆通信影響を及ぼさないような一つ基準をこしらえて、その基準に合つておればよろしい、その基準に合つておるかどうかということは、これはあとで調べてもわかることであります。又特別の事情で何か公衆通信妨害を与えるような事実があれば、すぐにその施設変更を命ずるというような措置をとることによつて電気通信省として十二分に目的を達し得ることと思うのです。こういう有線放送施設については、先ず一般公衆通信と同じような考え以つて許可をしなければやつちやいけないのだという態度をとられると、これは電気通信省としては行き過ぎじやないかと思うのですが、そういう点を若し明確に現わすならば、この法律のどつかに、電信法第何條かの運用についてこういうふうな特例をこしらえて行くというようなことを書いて置いても差支えないど私は思うのです。その点如何でしよう。
  13. 杉山榮藏

    説明員杉山榮藏君) 只今審議中の法律案におきまして一番問題になりますのは、共同聽取と、それからマイクロフオンを設備いたしまして、施設厖大回線距離を持つた施設でございますが、この点になりますると、施設そのもの相当厖大になり発展性も持つておりまするし、かたがた今日の状況から見ますると、相当技術基準の低いために北海道その他におきまして公衆通信が用を便じないというような状況も聞いておりまするので、そういう点につきましては御指摘のように或る程度の技術的な指導の面からいたしまして、監督を加えなければならんのも実情でございます。そういう点から見ますると、施設そのもの申請されて来た場合におきましては、よく技術的な内容につきまして検討を加えまして、その地域公衆通信施設がないというような状況におきましては或る程度技術基準を下廻つておりましてもこれを許可して行く。併しながらその土地に公衆電気通信施設があつて相当妨害を発生する慮れが初めから顯著にわかるというようなものにつきましては、これを十分検討いたしまして、その技術基準にできるだけ適合するような措置を以て臨むために或る程度許可主義をとらざるを得ないと思います。そういう点からしまして施設規模なりその地域状況というようなものを十分検討いたしまして判断いたしませんと、一概に届出だけでその後の施設を認めるというふうにはなかなか参らないかと存じまするので、只今電気通信省におきましてはこの有線放送にありまする技術基準を検討してその案を作成中でございます。
  14. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私は今お答え願つたことをお尋ねしておるのではないのです。私の尋ねておるのは、要するに電気通信省としても公衆通信妨害を与えられるような施設では困るので、その点は同感なのです。それは何らかの方法によつて制限をするとか、監督をしなければならんと思うのです。併しそれは無線違つて有線のほうは、妨害を与えるといいましても、全然離れた所に、載る間隔を以て離して置いて施設して行けば妨害はないのではないか、与えられるはずはない、或る場合に非常に公衆通信影響を与えるようなものが現在発生しておるものがあるから、何らかの監督をしようとか、許可主義をとろうということ、これは理由にならないので、むしろ成るべく完全に、そうしてむしろこういつた施設を助長して行くというような点から言いますと、あなたがたで考えられた技術的な基準ですね、こういうふうに施設するならばよろしいのだというものができれば、その基準に従つて施設する場合にはよろしいということを書いて置けばいいので、それに若し反した者があれば取締ればいいのです。或いは施設変更を命じてもいいのです。その権限は勿論留保しなければならん。併しそういつたものがあるからといつて、現在放任されておるからそういつたものができておるので、今度はこれによつて両方の面から、施設面業務面取締つて行こうというのだから、現在その規格に合わないようなもの、基準に合わないものは変えて行かなければならんと予想しますと、将来とも如何なる場合も施設面はやはり許可権を留保しなければならんということは私は行過ぎではないか、むしろ例外的なもののために全体に非常に余計な手数をかけ、面倒になるのみならず、立案に当られた本省のかたがたは、共同聽取というものは一体どういうふうに考えるか。どういうふうに助長すべきかということは十分御認識だと思うので、今のようなお答えがあつたと思いますけれども、併し現場に行くとなかなかそうは行かん。これはどこの官庁もそうです。許可主義になりますと、なかなか許可というものは当面の考えによつて左右されまして、なかなか与えられないというのが通例である。そういう点からいつて、あなたがたの意向が現実に行政面に現われておると思われない。無用な取締が行われると思います。そうするとこれの発達を阻害するということがあるので、私はむしろ電信法につきましても何らかの例外的な取扱いの規定をその規則か何かに置いて、簡単に届出か何かでやつて併しその場合には施設については電気通信省の定める基準に合致したものでなければならない、若しその基準に合致しないことになれば、さつき申上げたようにこれに対して検査をして、そうして場合によつて施設変更を命ずることができるという、最後の権限を留保して置けば、大体はこれでまとまるのではないか、こういうことを私は申上げておるのです、それについては非常に因る点がありますか。
  15. 杉山榮藏

    説明員杉山榮藏君) この点につきましてお答え申上げますと、私どものほうといたしましては、いろいろの御異論はあるかも知れませんけれども街頭放送というような種類の各施設につきましては、法の改正を行いまする際におきましては、一定技術基準を与えまして、それによりまして届出主義をとるという方針立法の一応の過程をふんでおつたわけでございますが、不幸にいたしまして今国会に提出できないような事情でございますが、その他の共同聽取の問題につきましては、我々の考えといたしましては、相当施設の大きなものもございまするし、できてしまつてからこれらについていろいろの監督的な活動をするというようなことは好ましくありませんので、実際にその施設が他のものに妨害を与えないように監督すると同時に、実際面といたしまして妨害が発生いたしましたならば、電気通信省のほうの施設責任があるのか、或いは鉄道の施設責任があるのか、又は有線放送施設責任があるのかという点を、十分その責任の所在を明確にいたしまして本来責任あるものについてこの改修を命じて行くというのが至当であろう、こういうふうに考えておる次第でございまして、只今のところそうした立法措置の点で明確に私のほうはお答えする段階には至つておりませんけれども、そういう考え方でこの有線放送の問題には臨みたいというふうに私ども考えております。
  16. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今の問題は、私は多少意見が違いますけれども電気通信省意見はわかりましたからこの程度にして、それではこの有線放送業務運用規正に関する法律案ですから、無線電信法関係経過規定というようなものは勿論ここには入つていないわけですが、この法律施行された場合に、無線電信法関係取締ですね。それについては経過的にはどういうことをされるのですか。現在つまり全然届出もしないし、或いは許可も受けないでやつておる施設については、改めて許可を受けさせるという措置をとられるのですか。
  17. 杉山榮藏

    説明員杉山榮藏君) お答えいたします。現在の施設につきましてございますものにつきましては、一応届出で以て許可に代えるというような、通牒で問題を処分したいというふうに考えております。今後有線施設をするにつきましては、許可主義をとりたいと思います。
  18. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それはむしろおかしいんじやないのですかね。先ほどからのお話のように、現在相当大きな規模で以て北海道のごとき、公衆通信相当大きな妨害を与えておるものがあるということで、むしろ逆に将来を慮れて許可主義をとろう、こういうふうなお話なんですがね。将来は、これは届出主義をおとりになろうが許可主義をおとりになろうが、届出主義とつた場合には私の申上げましたように、或る技術的な基準を設けておやりなされば、現在起つているような妨害というものはそうは起らないだろうと思いますのそれを監督して行くことも十分できる。むしろ現在施設されておるものについては非常に困つておる問問があるので、あなたがた許可主義をとりたい、こういうことになつて来ておるのじやないかと思いまするが、そうしますと、これは法律の適用がいろいろになるので、解釈もいろいろになるのでお困りになる点があるだろうと思いますけれども、現在の施設されたものについて、むしろこれは何らか措置を法的に講じておやりにならないと、現在妨害を与えられておる施設をそのままで、一応それで是認して行くというような建前をとられるならば、さつきの御説明からいうと非常におかしなことになると思うのですが、この点はそう遠慮しないでお考えなつたら如何ですか。
  19. 杉山榮藏

    説明員杉山榮藏君) その点は現在ある施設につきましては、只今お答え申上げたように届出ということで許可に代えて行くというような方針をとつて臨みたいと思つておりますが、これは只今届出だから、すぐにそれならば妨害の準備ができないかどうか、こういうことになりますと、私設電信規則に基く施設でございますから、逐次急激にこの有線放送について電気技術基準を改める、改修を命ずるというようなことになりますと、現在行われておる有線放送施設というものの死命を制することになるということが考えられるのでございます。そういう妨害の度の大きいものから逐次そういう点を講じまして、改修を施して行きたい。或いは向うを指導して行くというふうに考えております。
  20. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そういうことですから、私先ほどから申上げたように強く言つておるんです。取りあえず通牒か何かで届出をしろ、こういうことで、非常に現在妨害を与えておるものについて届出主義をとらして、そうしてそれによつて逐次よくして行く、恐らくそのものは何か技術的な基準をこしらえてこういうふうにやろうという、これは内規になりますか、或いは何か規則になりますか、それは存じませんけれども、そういうことをおやりになるんでしよう。そうしますと、今後に起つて来る問題も同じような建前で行けるはずじやないかということになるんですね、これは法律的な運用なり解釈なりの欠陷といいますか、従来の経過関係するので、余り深く私言いませんけれども、根本的にはやはり最初におつしやつたような、現在非常にたくさんの問題になつておる公衆通信に対する妨害除去措置をどうしてとられるかということに関連して、やはり将来も監督官庁だから許可主義をとるのだというような平面的なことをお考えにならないで、実際その許可を受けるほうの側に立つて、而もその人たちが極めて辺鄙な山の中で、余り官庁との接触のない人たちなんですから、それを考えられると、手続を簡便にし、そうして成るべくさつき言つたように窓口一つにし、或る最小限度の規定をこしらえて、それに合致すればどんどんやつてよろしいのだというような建前でお進めにならないと、その法律案を作つた趣旨にも合致しない。だからとこには電波監理委員会のほうだけ書いてありますけれども電通省の側のこともこれと並行して考えられないと、一方で如何に助長的な方法をとりましても、電通省のほうでこれに反して又従来と変つて非常にきつい方法をとつておやりになると、この法律運用はうまく行かないと考えるものですから、これは別の問題ですから、この法律案に直接の関係はないと考えますけれども電通省でもそういう意味でぜひ考えられたいと思うのです。私はほかの委員の御賛成があれば、そういう点についてこの法律案の附則にでも、電信法運用について特例を設けて行くというようなことを考えたほうがいいと思つているのです。
  21. 尾崎行輝

    ○尾崎行輝君 この第三号にある街頭放送というのは、これは普通街でやつておる広告か何かやつておるあれをいうのでありましようか。
  22. 吉田弘苗

    ○衆議院専門員(吉田弘苗君) お話の通りでございます。ただ三号にはずつと将来のことも予想いたしまして、テレビジヨンをああいつたような方式でやるということも予想して附加えてございますが、現在の状態といたしましては、今申されましたいわゆる広告塔などを作りまして、駅前その他でやつておりますあの街頭放送考えております。
  23. 尾崎行輝

    ○尾崎行輝君 そうしますと、私にどうも理解ができないのですが、あれは放送とはいいますけれども、ただスピーカーで出して、すべて有線でやるのであつて、どこにも電波との関係がないようでありますが、例えばここにレコード会社があつて自分の広告をやる、一つの街で始めてそうして自分のレコードをどんどんと有線で街頭で鳴らすというのに、どこに電波との関係がございましようか。
  24. 吉田弘苗

    ○衆議院専門員(吉田弘苗君) 電波とは関係でございません。のみならず、一号二号のほうも電波との関係も持つ場合もございまするが、余り電波とは関係がないものと考えております。
  25. 尾崎行輝

    ○尾崎行輝君 一と二は、途中でとにかく電波で放送したものを受けて、そうして有線にするのであるから、電波と関係があると思いますが、三は全然電波とは関係がない、それを電波監理委員が監理するというのはおかしかことで、ここに音波監理委員会というものを設けてやるのが至当と思いますが、如何ですか。
  26. 吉田弘苗

    ○衆議院専門員(吉田弘苗君) 実はその問題はこの法律案を作りますときの根本の問題でございまして、街頭放送を例に取りますれば、これは全く有線電気通信の一種でございます。従いまして電気通信省の側において運用規正をすべきではないか、電波監理委員会とは関係がないではないかということも確かに一つの論として主張せられたのでありますが、併しながら一面放送せられた放送という面を取りますると、無線と有線との差はございまするが、大衆に対して一定の音声その他を伝えまして、伝えるという作用については有線、無線の差はございますが、無線放送とよく類似しておる形でございます。従つてその番組の規正等は同じ基準に従つて同じ行政官庁がこれを律するほうが適当ではないかという理論も又ございまして、立案につきましては電波監理委員会電気通信省、双方の意見をよく徴しまして結局施設面電気通信省において、それから番組の規正は有線電気通信ではございまするが、電波監理委員会が行政官庁としてこれの規正に当るということにした次第であります。
  27. 尾崎行輝

    ○尾崎行輝君 今の説明は、どうも電波と音波を混同しておられるようにとられて理解ができがたいのでありまして、私はどうも街頭放送というのは別に取扱われたら結構なんではないかと思います。
  28. 山田節男

    山田節男君 さつきの新谷委員の質問に関連してですが、有線放送設備を私設電気通信設備とみなして電気通信省がこれを規律監督する、こうなつた場合に、例えば市街地でのラジオ共同聽取の場合には、電話線にインターフエアして、混線その他非常に不便を来たすから、例えば裸線を使わせないとか、被覆線を使わすとか、その他の規格に従うようにやる、これは私は当然だろうと思うのです。併し共同聽取の場合、北海道のような無燈地帶に相当大きなスケールの共同聽取をやつておるわけですが、そこなんか見ると、受信機から十キロ乃至十五キロの部落で電線を引張る場合、その聽取者の工夫その他で極めてちやちな電柱を使用し、それから電柱がない場合には自然の木を利用したりして、非常にまあ原始的たことをやつておるわけです。併しこれは一般の通信には、電線がない所ですから邪魔なさんです。そういうようなことで間に合わせてやつておるわけです。ところが電気通信省有線放送設備を私設電気通信設備として見て監督するという場合には、電柱はしつかりしたものを立てたくてはならない、高さは何メートルなければいかん、線にしても裸線を使つてはいかんとか、というような七面倒くさい規格を作ると、これは非常な負担になるのです。ですから電気通信省がこれを規律監督する場合には、そういう自然発生的に、而も経済的に非常に安くやろうというのが共同聽取一つの本旨なんですから、そういうところへ電柱電線の規格までやかましく言われるとなると、非常に金がかかる。そうすると共同聽取のよつて以て起きた理由を歪曲するのですから、そういう電柱とか電線とかいうものに対しては、何ら他のそういう規律監督上邪魔にならない場合には、現状のままでいいのかどうか、この点を一つ
  29. 杉山榮藏

    説明員杉山榮藏君) 只今質問のありましたように、そこに何らほかの通信施設がない、或いは田畑を通る電柱というようなものにつきまして、山林を通るような場合におきましても、そういうものにつきましては私どもとしては一定技術基準はきめて置きますけれども、それが実際問題としてそういう技術基準に適合しなければ許可しないというような技術基準のきめかたではございませんで、技術基準が適用される場合には、他の通信施設妨害が発生した場合には、その技術基準を適用させて行くという考え方でございます。例えば測候所が、全然人が通らないような高いところから一つの通信施設、電信を設けたような場合につきましても、それが普通の状態の下におきましては相当妨害が発生する危険性がございますけれども、他に通信施設がないような場合におきましては、そういうものにつきましてはシビアにそういう技術基準を適用するという考えかたは毛頭持つておりません。従つてお話のような社会経済的な実態というものをよく私ども考えまして、それに適合したような許可の仕方をいたしたいというふうに考えております。
  30. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 ちよつと私提案者に伺いたいんですがね、ちよつと速記をとめて頂けませんか。
  31. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) 速記をちよつととめて下さい。    〔速記中止〕
  32. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) 速記を始めて下さい。
  33. 平林太一

    ○平林太一君 今の新谷君のに関連して、又過日私から発言いたしました内容にも関連いたしますが、この本法の制定に対しまして深く謙虚の態度を以て臨まなければならんということを申上げたいと思うのでありますが、御承知のようにこれがこのような必要を生じて参りました最大の原因をなしておりますもの、いわゆる電燈等の施設のない、極めて辺陬の地方におきまして、これは私北海道にも行つて参りましたし、一昨日は栃木県に参りましたが、そういう事情を見まするというと、いわゆる今日約一千万人にも達しておるであろうと称する無線放送に対する聽取の盛んな実態の中に、なお且つ土地の実情によりまして、或いは生活程度の極めて低い関係からいたしまして、それを聽取することができないというような事態に対しまして、それらの関係地方におきましてやむにやまれない事情としてこの有線の施設、いわゆる私の施設を作つて、そうして今日文化の均霑に浴し、又生活の一助としての楽しみを強化することといたしているのであります。こういうことがその根底をなしておるものでありまして、そしてこれに対しましては若し今日、嚴しくこれを何か届出、或いは秩序上届出は止むを得ないでしようが、許可というようなこと、或いはその監督関係の所管を何か大きくこれを取扱いをするというようなことになつて参りますことは、非常にこれは注意しなければならないことでありまして、それならばむしろなぜそのような地方に国家が進んで一般……いわゆるこの無線放送無線聽取を、聞き得られるだけの設備をなぜ国家がしないか。そういうことを国家の力を以てしておらんにもかかわらず、たまたま地方の実情としてそれら施設関係の創意工夫、それぞれの苦心をして、又地方におけるこれら有線を通じての放送の聽取等については、それらの意欲に対しまして地方の先覚者という者は非常ないわゆる愛郷、若しくは愛国の熱情を持つてそういうことを斡旋、心配してやつた。そして今日それを安らかに楽しんでおる。突如としてそれに対しまして国として一つの強い法律規正を与えるというようなことになるようなこの法律の作りかた、及びそのような運用をいたし得られないような処置をとつて行きますというと、これは私は容易ならんことだと思つております。でありますからこの点を深く考慮せられまして、いやしくも本法の施行によりまして、これらの従来しておりましたいわゆる無線による聽取者の、又今後そういう必要に迫られている地方がありながら、又計画しておる地方がありながら、それが非常に何か脅威を受けて、自然に挫折しなければならないというような事態に立至ることも深く考慮に入れて、この法律に対する取扱いの方向というものをきめて行かなければなりません。只今関係者からお話を聞いて見ますと、公衆施設に対して何か障害を与えるというのであるが、現在私ども北海道あたりで見ましたところによりまするというと、公衆と申しても、いわゆる私設と申しましても、私はそう違うものではないと思う。私設をいたしておるところの国民皆これ公人である。公衆とはどういうものであるか、それらの人々皆公衆、公けの衆人、人々ではないか。それらを余り字句に拘泥いたしますことは、国家施設としては公衆施設というようなものは官設……昔の言葉で言えば官設でありましよう。そういうことに対していわゆる私設というかも知れません。併しこれは公衆と見て差支えないことである。それならむしろ公衆施設地方の公衆が協力をいたしておるという態勢である。日本のいわゆる放送及至有線を通ずるところのそういう文化向上の方面に対する施設として、むしろこれは礼讃顯彰、大いに褒めてやるべきものじやないか。にもかかわらず、それを逆に何か他人行儀を以てこれを取扱い、規正をして行こうということは、よほど私は根本観念において大いに考えを改めてもらいたい。そして今後ますますそういう施設が伸び伸びとして行われるような方向にして行くべきである。若しそれこれが悪用されるというようなことに対する憂慮は、必ずそういう点も考えられますが、そういう点は極めて、又そういう方面でこれは取締をいたして行くべきである。いわゆる治安警察方面取締でこれは行きましよう。今日といえども放送に対する、いやしくもこの国に障害を与えるような放送は、その方面で障害を取締るべき方法があるはずである。だからこの施設に対しましてはできるだけこれが助長発展しそ行くような方向にこの法律の適用というものを考えなければならん。かように思うのでありますが、今まで伺つていると、これを法を立てて、法律は直ちにそれに対する取締をし、そして直ちに処罰行為をする、こういうような感覚を与えますが、本法成立の根本というものはそれとは違うと思います。私はだからそれをよく一つ考慮に入れられまして、そして円滑な、いわゆる有線に対しまする地方の、折角それらの民衆の意欲というものが、その希望を達成するような方向にいたしたいと思う。その面におきましていわゆる届出及び許可に対しましての限度というものがおのずからきまつて行くのでありますから、それを十分にいま一応考慮せられまして、これがいわゆる非常な行き過ぎのないように一つ処置をするように願いたい。おのずから法文におきましても、私はこの面におきまして若干字句の修正等をいたす個所が数カ所あると思います。提案者におきまして十分に御考慮願いたい。これは尤も衆議院と参議院とは極く兄弟の関係ですかすから申上げますが、私の信ずるところから申しますれば、実はこれは国会が提出側になるべき法案ではない、本来ならばやはりこれは官庁が、いわゆる電波監理委員会なり或いは電気通信省なりが一応の案を作成して来て、それを国会としては極めて、何といいますか、大きな一つ広い幅を持つて、そうして余りいわゆる大衆というものを奴隷扱いにしないで、或いは信用して若しくは低級に見ないで、民衆を高い感覚に置きまして、そうしてこの法というものを修正或いは削除して行くべきものである。かような考えておりますが、併しこういうふうに国会に提出されたことにつきましては誠に妥当であると、この点は思うのでありますが、そういうことを一つ考えて頂きたい。余りこの取締は、これは日本全は今日敗れたりといえども、決して野蛮国民ではない、世界に誇るべき優秀なる民族である。嚴としてこれは動かすことができません。その民族に対して、野蛮国民のような扱いをいたしますことは非常によろしくないと思います。いわゆる民主主義の精神に徹して、そうして余り疑わない気持を持ちまして、いわゆる高い、民衆に対しまする参議院としては、儀礼として、情操というものを高く持ちまして、この法案に対しまする作成をされるように一つ希望いたしたいと思います。提案者に対しまして私もそういうことを申上げたのでありますが、この点につきまして提案の御趣旨につきまして又伺うことができれば幸いと思つております。
  34. 高塩三郎

    ○衆議院議員(高塩三郎君) 只今の御意見御尤もでありまして、大体只今の御意見の通りでございますが、御承知のようにこの法律ができたために、折角山間僻地に発達いたしました共同聽取、そういうものを取締り、規正するというようなことでなくて、むしろ保護育成するという根本趣旨で作つたのでありまして、今後只今の御趣旨に副いまして、この法律施行されましても、その施行の場合におきまして十分な弾力性を持ちまして、どこまでも保護、助長、育成するという方法で以て今後法律の運営をいたしたいと考えております。
  35. 平林太一

    ○平林太一君 只今提案者からお話を承わりまして私は安心いたしましたが、どうかそのように一つ今後この法律の最終結論に到達するまで、十分に一つその方向でお進めにならんことを希望して置きます。
  36. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) ちよつと速記をとめて下さい。    午後零時二十八分速記中止    —————・—————    午後一時十一分速記開始
  37. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) それでは速記を始めて。  これより再開いたします。先般ラジオ共同聽取施設調査のため、本委員会から三方面に議員が出張されまして実地調査をされましたが、その報告書は委員長の手許まで参つておりますが、いずれも実態を詳しく述べられて、この有線放送に対しては何分の規律をすることが必要であるとの御報告でありますが、この際口頭報告はこれを省略いたしまして、右の要旨を委員会会議録に掲げて置くことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。さよう取計らいをいたします。   —————————————
  39. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) なお電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案が内閣委員会に付託されておりますが、当委員会といたしましても重大関心のあるところでございますので、連合委員会開会の申込がある場合におきましては、承諾をすることにいたしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) さよういたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     寺尾  豊君    理事            村尾 重雄君            新谷寅三郎君    委員            大島 定吉君            鈴木 恭一君            山田 節男君            尾崎 行輝君            平林 太一君   衆議院議員            高塩 三郎君   政府委員    電波監理委員会    副委員長    綱島  毅君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 榮一君   衆議院事務局側    常任委員会専門    員       吉田 弘苗君   説明員    電気通信大臣官    房審議室長   杉山 榮藏君