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1951-03-10 第10回国会 参議院 電気通信委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十日(土曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○放送法第三十七條第二項の規定に基  き国会の承認を求めるの件(内閣提  出、衆議院送付)   —————————————
  2. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) これより開会いたします。  前回に引続きまして質疑を行います。
  3. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 通産省政府委員のかたにお伺いしたいのですが、先般来日本放送協会予算事業計画等につきましてこの委員会審議を続けておるのでありますが、結果といたしまして日本放送協会を今度は公共的な新しい性格を持つた事業計画或いは予算等を編成するということでありまして、協会の会長も、又監督官庁であるところの電波監理委員会におきましても、今後日本放送協会放送事業全般のために公共的に大いに貢献するようにしたいということの意見を開陳されたのであります。当面の問題といたしましては、我々いろいろの問題もありますけれども、先ず取上げるべき問題は、受信機を如何に改善するか、性能のよいそうして低廉な受信機国民にどういうふうにして早く普及するかという問題、及び近い将来におきまして我が国においてもテレビジヨンを実現いたしますために相当研究をしなければならない。これらに対しまして日本放送協会もあらゆる協力をすべきであるという意見を開陳しておるのであります。通産省もこの問題につきましては相当関係も深い事項が多々あると思うのでありますが、放送事業発展のために、そういう技術方面研究を推進するための助長行政通産省は所管しておられるのでありますから、その方向に対して通産省も極力協力せられるように私は希望するのでありますが、関係政府委員からその点につきましてこの際御意向を御開陳願いたいのであります。
  4. 和氣幸太郎

    説明員和氣幸太郎君) 只今新谷委員から受信機並びにテレビジヨン研究助長の点につましてお話があつたのでございますが、御趣旨は全くその通りでございまして、これから電波中心とする文化向上というためにはどうしもその受入態勢であるところの受信機若しくはテレビジヨン研究というものが非常に重要な問題になつて来ると思うのでございます。この研究助長につましては、通産省といたしましても工業技術庁のほうで、例えば研究補助金であるとか、或いは工業化助成金であるとかといつたような制度がございまして、財政的に援助する途も開けておるのでございます。何分にも予算で縛られておりまして、非常にその枠が窮屈であるのでございますが、只今お話のようにNHKのほうからそういつた助成をして頂けるということになりますというと、誠に結構なことであるのでございます。私どももその線に副いましてできるだけ努力いたしたいと考えておる次第でございます。
  5. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 電波技術につきましては、単に機械局だけでなく、今お話のように工業技術庁ども関連するのでありますが、今機械部長からお述べになりましたことは、通産省の全体の意向としてそれが実行できますように、大臣にも政務次官にもお伝え願いまして、是非そういう方向通産省一体となつてこの際、放送に関する技術研究助長に万全を盡して頂きたいと私から希望して置きます。  それから先般もちよつと大蔵省政府委員に聞いたことでありますが、通産省としましては私がちよつと申上げた受信機普及するための月賦販売と申しますか、月賦で買えるという制度については、勿論これも趣旨においては御反対はないと思うのでありますけれども大蔵省関係機関を利用いたしますか、或いは通産省関係機関を利用いたしますか、つまり国民金融公庫を利用するか、或いは商工組合中央金庫ですか、こういうものを利用するか、その方法は別に御研究を願うといたしまして、ともかくそういう受信機月賦販売するような方途につきまして具体的に真劍な研究をして頂き、この二十六年度の少くとも前半におきましてやり方を決定いたしてそうして二十六年度からそれを実施するようにして頂きたいと思うのであります。通産省のほうのこれについての御意見なり、御決心のほどを伺つて置きたいと思います。
  6. 和氣幸太郎

    説明員和氣幸太郎君) 只今お話放送技術助成につきましてはお話通り省内関係の人と十分連絡をいたしまして御趣旨に副いたいと思います。  それから月賦の問題につきましても先般新谷委員から御提案のございましたような方法中心にいたしまして目下いろいろの実行案を作成中でございますので、なんらかの方法によりましてできるだけ早く実現いたしたいと考えておる次第でございます。
  7. 水橋藤作

    水橋藤作君 ちよつとお伺いしたいのですが、通信設備専用料という費用は主にどういう方面に使用されるのであるか先ずお伺いしたいと思います。
  8. 網島毅

    政府委員網島毅君) 御承知のように日本放送協会全国放送局を約百カ所余り持つておりまして、そこに中央からプログラムを流してやるわけでありまして、そのために電気通信省から放送の中継にふさわしい良質の幹線を借用しておるのであります。それに使う金が主なものであります。
  9. 水橋藤作

    水橋藤作君 了解いたしましたが、それが二十五年度と二十六年度の差ですね、昨年よりは相当今年は大きな予算を見積つておられるが、昨年と今年の差額が違うのはどういう方面差額が出るのかということの御説明を願いたいと思います。
  10. 網島毅

    政府委員網島毅君) これは御承知のように昨年専用料の値上が若干ございまして、従いましてそれに伴う増と、それから先般御説明申上げましたように、来年度におきまして第二放送増設がございます。そういうものの増設に伴いまして専用回線が殖えるわけでございます。従いましてそれらに伴う増が主なものでございます。
  11. 水橋藤作

    水橋藤作君 もう一つお聞きしたいのですが、この契約費というものはどういう方面に使われますか。
  12. 網島毅

    政府委員網島毅君) これは業務費の中に入つている契約費の件についてのお尋ねだと思いますが、これは受信機聽取者契約に伴いまして通信料、或いは場合によりましてこの契約伴つて手当を一件、何がしという割合で差上げるというようなこともございます。それから契約に伴いまして御承知NHK聴取章という聴取章の配付をするためのいろいろな車馬賃でありますとか、そういうようなものが入つている次第でございます。
  13. 水橋藤作

    水橋藤作君 もう一つお伺いしたいのですが、先般も問題になりました聴取料を三カ月分を一回に徴収するのと、二カ月分を徴収するのとでは手数料と申しますか、費用相当違うと思うのですが、大よそ二月を徴収するのと三月で徴収するのとのその経費費用はどのくらい大よそかかりますか。おわかりになつたら御説明願いたいと思います。
  14. 網島毅

    政府委員網島毅君) 三カ月集金の場合の総額は合計五億五千万円でございまして、それが二カ月集金になりますと、旅費でありますとか、或いは物品費でありますとか、通信費、そういうようなものの増嵩によりまして約八億かかるのでありまして、その差額は約二億五千万円ということになつております。
  15. 水橋藤作

    水橋藤作君 そうしますと二億五千万円、つまり二カ月で徴収のほうをとると、二億五千万円かかるといたしますと、今度の値上によりまして十五円の値上の大よそパーセンテイジはどのくらいかかることになりますか。徴収する費用が一件に比較しますとどのくらいになりますか。ちよつと数字が厄介かも知れませんが、大よそで結構です。
  16. 網島毅

    政府委員網島毅君) 先般御説明申上げましたように、十五円の値上に伴いまするところの増、それに若干の聴取者の増が見込まれておりまするが、その増は約十六億七千万円程度でございます。従いまして約二億五千万円の集金の増ということになりますと約一割四、五分かと思います。なおこれを実際の金額に換算してみますると、一件につき約二円三十銭という割合になつております。
  17. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 主知局長お出でになりましたからちよつと御質問いたしたいと思うのですが、昨日ラジオ物品税につきましてあなたの局のかたから一応承わりましたので、それを繰返そうとしているのではありませんけれども、特に局長お出で願つたのは、これを単に徴税の事務的に考えられるというよりは、ラジオ受信機が持つ社会的な意義を十分御認識頂いて、一日も早く物品税免除をして頂きたいという希望を私持つているのであります。今度放送法ができまして、この放送全国国民に聞かせるよう特に日本放送協会の大きな使命として、そういう使命を持つて生れておりまして、電波監理委員会におきましても、通産省においても、又この日本放送協会におきましてもラジオ受信機改善につきまして非常に努力いたしております。而も日本ラジオ受信機というものが、これはまあ従来の日本ラジオに対する政策からも来ております。恐らく諸外国比較されればわかるのでありまして、性能は極めて悪いのであります。そして一方このラジオ文化発展ということに対しては非常な努力をしておる。ここに大きな政策上の矛盾があるような気が私いたすのであります。一日も早く日本におきましては、スーパー・ヘテロダイン式受信機を各家庭に持たせるようにしなければ、民間放送が出て参りますような場合におきましては特に私ども心配いたすのであります。    〔委員長退席理事村尾重雄委員長席に着く〕 恐らく諸外国におきましては、それが普通の受信機になつておりますものが、日本においては日本受信機の一割—かない、大郡分は極めて性能の悪い機械を使つておる。而も日本国民というものがそういう方面に対しての何と申しますか、知識と申しますか、考え方が低いと申しますか、そういうふうな意味において聞こえないラジオで非常に苦んでおるということは、折角ラジオ文化の拡充というものを企図しておりまする国民の要望にも応えられない。何とかラジオを安く手に入れる、そのためには何としても大きなネツクが物品税にあると思うのです。勿論いろいろ御盡力によりまして今まで二割であつたものが一割になりました。併しラジオ物品税があることによつて、このラジオ機械の性質上、これは主税局長も御存じであると思うのでありますが、これは素人にもできるのです。聞えるような機械ならば、大体相当知識を持つておる者はできるので、現に聽取者の数と、実際生産される受信機の数を比較すればわかるので、ときには十万人くらいの加入者があつても、ラジオ生産は二、三万というように、四、五割は恐らく町のラジオ屋によつて、免税で世の中に出ているのじやないかとさえ考えられる。いわんやいわゆる電蓄のごときにおきましては、その数が極めて顕著なものでないかと心配するのでありまするが、このことは、単に徴税の目的から言つても遺憾な点であるばかりでなく、そうすることによつて、悪いラジオが非常に出て来る。ラジオメーカーというものが確立されて初めて本当のいいラジオができると思うのであつて、そうした町のラジオ屋に任してあつてはならないと思うのであります。まあこれはいろいろ経営上の問題もあるかも知れませんが、この物品税があるためとだけは私は申しませんけれども、今日まで非常に優秀なメーカーというものがどんどん倒れて行く。どうしてもそういつた町のラジオ屋のために圧倒されまして、優秀なメーカーというものが倒れる。そうなつて来ると、本当に私はラジオ受信機の将来というものは、非常に心配になる。税額から申しますると、三億なり四億なり、相当な私は地位を占むると思うのでありまするけれども、又これは考えようによると、それだけの税金をお取りになつても、  一方或いは通産省、或いは電波監理委員会、なお放送局あたりの、この受信機改善ということに対して與えておるロスというものは、私は非常に大きなものではないか。そういうことを考えるときに、多少のラジオ受信機から徴収される徴税額というもの、いわゆる財政收入の点から見て、租税の収入の点から見て、相当地位を持つておるということは、この際一つ考え直し願つて一つラジオ物品税受信機物品税免除ということが、一日も早くできることを希望するのでありまして、その辺に対して一つ意見を承わりたい。そこで課税物件としてラジオが、どうも平田君を前に置いてそういうことを言うことはどうかと思うが、大蔵省あたりでは、ラジオ受信機というものは何か娯楽的なものである、贅沢品のように考たられておるのじやないかと思うのでありまして、今のラジオというものは、私はそうじやない、先ほど申したのでありますが、本当に新聞が文化の眼でありますならば、ラジオというものはやはり文化の耳でありまして、両々相待つて初めて日本文化向上に非常に大きく資するところがあると思うのでありまして、普通の運動器具というようなものとは私は違う。これを一つ認識を改めてもらいたいと思うのであります。ニユースを聞くことである。殊に農家や海上の船が、気象通報を聞くなんということは、決してこれはもうそんな贅沢とか何とかじやないのです。又主婦が本当に洗濯しながら一般社会情勢の動きというものを聞くなどということが、単に私は娯楽とか贅沢とかというもので判断さるべきものじやないと思うのでありまして、そういつた意味一つ含めまして御意見を承わりたいと思います。
  18. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) ラジオ物品税につきまして御意見を承わつたわけでございますが、私どもも今お述べになりましたような点に対しまして、実は同感の点がないではない。相当部分につきましては、別段違つた意見を持つていないのでございます。従いまして、でありますからこそ、物品税におきましても、実は最低位税率の適用を受けることにいたしておるのであります。少し前はもう少し物品税の中におきましても、ラジオを上のほうに置かして頂いておりまして、税率としても相当高い税率課税した時代があつたのでございますが、戦後におきまして、お話のような趣旨からしまして、特にラジオ物品税を低めたいということを考慮いたしまして、大分たびたびの改正で低くなつて参つて、現在は一〇%と相成つておるのでございます。更にこれを零にすべきではないかという御意見でございますが、その問題になつて来ますと、やはり物品税全体をどういうふうにもつて行くかというようなことに関連しないと、なかなかこの問題の解決がむつかしいのではないか。外国の例と日本の例と、ラジオに対する聴取事情普及必要性というようなことが相当違いますことも、私ども承知いたしておるのであります。併し外国におきましてはラジオはほかの物品よりも相当高く課税しておる例もあるのであります。ほかの物を課税していない場合におきましても、ラジオ課税しておるところもある。殊にアメリカイギリスにおいては、相当課税をしておるようでございますが、併しこれは事情が違いますので、それだけを参考にするわけではありませんが、最後の点お話でございますけれども、全くニユースであるとか、必要な解説、そういうようなことが相当大きな部分を占めるということは、これは間違いない事実だと思いますが、併し他方におきまして、娯楽的要素が全然ないかと申しますと、全然ないとまでは言い切れない。私は運動具とは全く同じだとは考えておりません。運動具なんかにつきましても、スポーツの関係の人の意見を聞きますと、恐らく鈴木委員がお述べになりました以上に、強硬な意見を私ども承わつておる次第でありまして、それぞれいろいろな事情があるかとおもいますけれども、大体常識的に全体を通覧いたしまして、今の物品税システムにおきましては、一割程度課税はいたしかたないのではないか、それくらいは理由があるのじやないかというふうに考えておるのでございます。たださつき申しましたように、将来このような物品税を一体どういうふうにするのか、これは相当私は問題であろうと思います。恐らく朝鮮動乱前の情勢がずつと続いておるとするならば、物品税につきましては、相当大幅な整理をやつてよかつたのじやないかと考えるのでありますが、最近はやや事情が変つて参りましたので、将来の税制改正の際には、物品税みたいな消費課税をどういうふうに持つて行くか。これは少し再検討の必要がある、そのような機運に向いつあると感じております。アメリカにおきましても、物品税相当する製造者消費税という税を設けておるのでございますが、これは率直に申しまして、動乱直前は殆んど大部分は廃止するということを国会審議中で、どつちかの委員会を通つていたのでありますが、動乱以後急に取りやめたような事実もあつたようでございます。それは単に財政上の事情のみならず、このような物資に対する生産消費事情が大分変りつつあるといつたようなことに関連しまして、この問題が出て来たのであります。従いまして今ここで将来のことをはつきり方向を申上げることはできないのは遺憾に存ずるのでございますが、ただお話のような趣旨の点をよく頭に入れて置きまして、今後立法におきまして十分参考にしつつ、なお他の物品税との関係、或いは消費税全体との関係、或いは租税政策全体との関係考えまして、できる限り妥当な結論が出るように、我々としましては勉強いたしたいと考えておる次第であります、
  19. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私も今鈴木委員の言われたことで大体盡きておるので、繰返す必要もないのですが、言葉の表現の違うだけのお話でございますけれども主税局長がお見えになつたので、一言私の意見を附加えて申上げたいと思います。鈴木君も言われましたように、今日本放送界で一番問題になつております当面の大きな問題の一つは、受信機改善の問題であります。御承知のように戦争中、或いは終戦後できた日本受信機は悪いものでありますが、NHK聽取者を見ましても、今八百数十万、九百万にもなるのであります。非常に国民普及していることは、それはお認めになると思います。一方国の大きな経済という点から言いましても、NHKがこの法律によりまして、国民のすべてがこのラジオを聽けるように処置するのがNHKの大きな仕事であるということを書いているのです。それでNHKのほうはあらゆる方法を講じまして放送所の電力を大きくしたり聞えない地区に対しましては放送所を設けましたりいたしまして、非常に努力をしておるのであります。ところがこれからがむずかしいのであります。残つておる二〇%程度のところの国民に開かせるためには極めて少い人口のところに、相当経費をかけて、放送所を作つて行かなければいかんということになるわけで、それを解決する方法は、一方で放送所の建設も必要でありましようが、一方では受信機をよくしないとなんにもならないのであります。今NHKで計画しておられる放送所のごときものは、恐らく受信機スーパー程度のものになつて参りますと、今の放送所でも十分聞えるところが多いだろうと思うのです。結局国の大きな意味経済として考えました場合にも、どこまでも放送所だけを一方的にどんどん殖やして行けばいいのか、或いは受信機改善して行くのがいいのかということになるのでありますが、私ども両方併用して行かなければならんと考えておるのであります。むしろ受信機をよくするということは、民間放送も発達して参りますし、大都市におきましてもその必要を痛感するわけですから、この際受信機改善を大いに強力に推進しなければならんという結論になつておるのであります。そういう点から見ますと、国民の殆んど九百万程度普及率を持つており、そうして又一方国の経済から言いましても、ロス少い仕事に力を入れて行くというのが本筋であろうと思いますので、性能のよい、そうして廉い受信機国民普及するということが当面の大きな問題になつて来ておるのであります。成るほど衣食住に関係がありませんと、如何にもこれは第一義的な感じを持たれるかも知れませんけれども、この間主税局の係官の御説明によりますと、アイロンとか、或いはミシンとかいうものは、国民生活必需品だが、受信機のほうは幾分娯楽というような要素もあるし、又高級受信機になると奢侈品だというような考えもあつて、どうしても物品税から外すのが適当ではないというような、こういう御説明があつたと思います。そういうことになりますと只今申上げましたような理由からして、私は一体ミシン受信機とどつちが生活に必要なものか、国民の殆んど大部分が今受信機を備えて、ミシンなんてものは恐らく蓼々たるものでありましよう。その比較をされましても、なぜミシンには物品税を免じて、受信機には幾分でも一割でも物品税を取らなければならないというふうな関係は、今お話のように諸外国の例はいろいろございましようが、日本税制考えましても、私は国民生活の実態から見て、これは不均衡ではないかという感じがするのであります。理窟を申上げるわけではありませんけれども、そういうような点も十分にお考え願いまして、私も今この放送界におきましては、物品税の問題もありますけれども、他の理由からして低廉な、性能のいい受信機をどうしても早く、ここ数年の間に国民普及しないと行き詰つてしまう実情にあるのであります。物品税の問題についてももう少し文化的なセンスを入れられまして、これに対して委員会の要望するような方向に、近い機会物品税法改正について是非御考慮願いたい、私は強くその点を要望する次第でございます。別に同じことでありましようから御答弁は要りませんけれども、そういう趣旨であります。実情はこうだと御認識願いまして、近い機会にそういう措置を是非おとりになるようお願いいたします。
  20. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 本日はまあ詳細の問題につきましては、今申上げましたようにまだどうも断定的な或いは相当つた意見を申上げることをできないのを遺憾に思いますが、なお若干補足して申上げて見ますと、今ミシンとの比較でございましたが、これは実はいろいろ私どもの内部にも議論がありまして、あつちこつち議論のあつたところでございます。果してどちらにすべきか、なかなか判断のつかないものがたくさんございまして、苦慮いたしていたのでございますが、ただミシンにつきましては、どうも最近特に普及いたしましたと申しますか、或いは一般の人が使うことになりましたと申しますか、或いは更に一歩を進めまして、内職等に使うものが大分殖えて来まして、職業用ミシンと申しますか、そういうものが本当工業用ミシンのほかに一般的に非常に多くなつた。それと一般家庭におきましても、御承知通り洋裁に移らざるを得ない衣料事情になりまして、どうもミシンに対して課税するのは最近の状況から見ますと、まあ前の状況から申しますと、私ども当然ミシン課税すべきだという考えを持つていたのでございますが、少しどうも事情が変つて来たのではないかということを強く考えまして、最後まで問題であつたのでございますが、非課税にすることにいたしたのでございます。ラジオは二〇%、ミシンは一〇%ということにいたしていたのでございますが、今申上げましたようなことになつたのでございます。それから安全カミソリとか、板ガラス、万年筆を外したのでございますが、これとラジオと同格ということになりますと、当然議論があることと私は考えたのでございますが、併しいろいろほかの物品税との関係考え、それからラジオ必要性も同時にございますが、入場税なんかを人をして言わしめますと、見に行くと十割の高い入場料を取つてラジオを聞くと全然かからないのは不合理だ、入場税を引下げるべきだ、こういう議論もしよつちゆう耳にすることがあるのでございますが、それはラジオの一面だけを物語つておるので、全面を物語るものじやないということを返事をいたしていたのでございますけれども、いろいろな事情がありまして、なかなか簡単に一つ見地からだけきめるわけにいかない事情があるのでございます。それともう一つは、このラジオの中にも如何にも免税してもよさそうなものもございますし、それから又相当高級なものにつきましては、なんと申しましても、担税力見地から、いわゆるほかの物品税との比較課税を妥当とするものもございますし、そのへんの判断がなかなかむずかしいので、曽つて国民受信機というものを逓信省でたしか作つて頂きまして、それらにつきましては免税であるという措置を講じたことを私も記憶いたしておりますが、私事務官として相談を受けまして、そういう措置をとつたこともございますが、あの措置を将来考えてもいい問題でありますけれども、そうなりますと、どうしても悪いラジオを奨励するといつたような結果になり、まあ勿論規格ということでございますから、重要性はあると思いますが、最近の必らずしもスーパー等に切り換える必要性からも考えまして、果して妥当かどうか、これは問題だと思います。それから免税の点等もなかなか厄介になりまして、前のように三割とか、五割とか課税せられるような時代におきましては、相当に実益もございますが、一割になりますと、果してそれだけの実益であるかどうかという問題を考えなければならないと思います。  それから更に先ほど鈴木委員からお話しになりましたことに補足して申しますが、確かに正規の製造以外の組立てにつきましては、従来考えていたのでございまして、まあそういうつもりでもございますので、税率等につきましても引下げる機会あるごとに引下げて来たのでありますが、一割にいたしたその後の状況がどうなりますか。これもよくまだ最近の一割となつた後の状況を検討して見たいと考えているわけであります。そのような問題につきましても勿論先ほどからいろいろ御指摘のありました点等をよく検討いたしまして、将来機会ありますれば更に適切な施策ができるようにいたしたいと思うのでございますが、今の段階といたしましては物品税は先般変えたばかりでございますのて、将来研究するということで御了承願いたいと思います。
  21. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 平田さんにもう一つ今のお話で伺つてみたいのですが、私はミシン物品税を変えたほうがいいと、ラジオは別だということを言つているのじやない。ミシンについてもおやりになつたの相当理由があると思うのでありますが、併しラジオについては、受信機についてはそれ以上の理由があるのであります。物品税をやめなさい、又財源としても、恐らく税金も拂つてつているというのは、そうたくさんの台数じやないと思うのですね。仮に五千円程度受信機にして一割としても、僅かに一台について五百円ぐらいのものでしよう。それが仮に数万台、五万台というふうに考えますときは、僅かな財源にしかなつていないと思うのです。ですから財源として余り大きな期待を勿論当局も持つておられないと思うのですが、そういうもので、これはさつきから縷々御説明のようにほかの物品税との比較から特別の理窟の上で割出されて残つた税金じやないかと私は思うのです。それだけに又私たちの言つているような理窟も成り立つと思うので、この点は大きな財源でもないのだ、それで一つ国の財政に大きな穴をあけるというようなものでもないのだから、これは考えられてもいいのじやないか。財政当局としてはお困りになる問題じやないのじやないかというような見地から申し上げているのであります。  それから今お話の中で、前に国民型の、恐らく並四球の国民型の受信機のことを言つておられると思うのでありますが、実は関係官庁のかたがたの間に受信機をスーパー化することについていろいろ御協議中なんですが、スーパー化することにつきまして、やはり成るべく廉い、性能のいいものというということになりますと、どの受信機でもいいというわけにいかないのです。こういう性能を持つている。こういうふうなスーパーの受信機というようにだんだん規格も決められて来ると思うのであります。そういうふうになつてこういうスーパーの受信機普及しようということになりました場合に、先ほどお話のような国民型の受信機と同じように、恐らくはそういつたものには、少くとも先ずまつ先きに免税にするというような措置は今の税法でも考えられるのですか。或いは今の税法ではそれは考えられない、やはり税法改正が要るのですか。その点ちよつと参考に伺いたいのであります。
  22. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 歳入としましては係官が御説明しているかと思うのでありますが、ラジオは実はこの物品税の品目が約八十ぐらいございますが、その中でもどつちかと申しますと大きいほうに属することは大体常識でわかると思います。ラジオ税は四億一千万ということになつております。それから真空管で二億二千万合せまして六億四千万程度物品税として出る見込みでおります。これはそのほかの雑多な物品に比べまして、どつちかと申しますと歳入としては上位に位している部分だということを御了承願いたいと思います。  なお特殊なラジオに対する免税でございますが、これは歳入に殆ど響かん程度のものでございますれば、或いは法律形式といたしましては、政令でできないこともございませんが、歳入に響くようなことでございますと、やはり予算の計画と一緒に行わないと差支えございますので、大体各年度予算の計画と一緒に企画いたしまして実行することにいたしております。極く僅かなものでありますれば政令で可能なことでありますので改正する場合もございますが、それではもう恐らく目的を達成するかどうかいろいろ問題があろうかと思います。
  23. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 別に大した問題ではないのですけれども、これは一割の税金でもかけられるということが、ラジオメーカーにとつて非常に影響があるのです。これはまあ一割ということは僅かだからと言うのですが、只今申しましたように、非常に脱税品の多いラジオ界のことでありますので、正規の業者というものは、一割というものは結局やはり金融の面から見ると二割ぐらいの幅でそこにギヤツプがあるわけであります。過去のラジオ業者が、優秀なラジオ業者が倒れたというものも、やはりそういうところにあるのでありまして、やはり私はこの一割の税金でもあるということが、ラジオメーカーの業界に対する影響というものは非常に大きいと思います。非常にその差があるということでありますから、結局出て来るラジオ受信機というものは非常に粗悪品が出て来るということを心配いたすので、この点も一つ、一なお私ども研究いたしますが、徴税当局におかれてもそういう点を考えられて、ラジオ受信機というものはここ暫らくの間いいものを作らせたい。これがだんだん普及いたしまして、このラジオにしようか、あのラジオにしようかという選択ができるようになりますれば、恐らくこれは私たちは課税の対象として結構だと思いますが、今実際スーパーそのものが手に入らないような状況なんでありますから、何とかしてスーパーを各国民の手に與えたい、而も優秀なものを一日も早く作りたいというふうなことを我々は熱望いたしておりまするので、その点を特に一つ考えを願いたいと思います。
  24. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 今の脱税の関係でございますが、これは従来そういうことがございましたけれども、私どももいろいろ苦心をいたしたところでございます。併し率直に申しまして、税率の幅が三割である場合と一割である場合と非常に経済的な関係で違うということは考えられると思います。それともう一つは、これはまだラジオについて免税をするかどうかは今後研究いたしたいと思いますが、納税の、物品税の証紙というようなものについて、製品の適当なところに体裁をこわさんような方法で貼附せしめまして、それがすぐ脱税品であるかどうか、正規の製品であるかどうかわかり易いような方法を講じ得るようなことにいたしたいと思つて、目下その物品税改正法律案を国会に先般提出いたしております。なおお話通り、私ども一番物品税について苦心いたしておりますのは、正常な業者がどうも困る、不正な業者に押されてしまいまして脱税品の横行で困る、これは一番当局といたしましても心痛いたしていたところでございます。まあそういうことにつきましては、将来取締に一層の徹底を期しまして、同時にいろいろなことを考えまして政府はやつて行きたいというふうにまあ考えております。  ラジオの問題につきましては、全体としてはいろいろ御意見がございますが、将来の参考にいたしたいと思つております。最初に申上げましたように全体の方針と申しますか、まあそういうものがどういうように動いて行くかということによつて影響されるところが非常に大きいということをこの際附加えて申上げて置きたいと思います。
  25. 村尾重雄

    ○理事(村尾重雄君) ほかに御質問ございませんか。
  26. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 銀行局長がお見えですから、銀行局長ちよつとお伺いしたいと思います。銀行局長にこの前に、たしかこの委員会つたと思いますが、お伺いして、次の研究問題にして置こうということで御研究を願うようにお願いした問題でありますが、今この委員会ではNHK予算というか、資金計画、事業計画について承認の要求があり、これを審議しておるのであります。NHK事業計画予算を受けましていろいろの問題が出て来たのでありますが、結局そのうちの一番大きな問題は、我々関心を持つておりますのは、やはり先ほど来申上げておるように、性能のいい、そして安い受信機スーパー程度受信機を早く国民普及しなければならんという結論なんです。そこで受信機の技術的な方面の改良につきましては、電波監理委員会においても、通産省機械局においても、NHKにおいても、公共的な高い立場から協力して大いに推進しよう、こういう御意見の御開陳があつたので、我々満足しておるのでありますが、それを国民普及する場合に、もう何といつてもこれは非常に困難な資金の問題が起つて来るのであります。ここでこの前国民金融公庫法の一部を改正してでもやつてみることはどうだろうかということを御尋ねしたのでありますが、銀行局長は初めての問題でもあつたのでしようが、それは今の法律では考えられないということでした。今すぐにお考えになれないのは当然でありましようけれども国民金融公庫法の活用によつて私は法律の改正一つの案でありますし、法律を改正しないでも、例えば販売業者なんかに対しまして資金を供與することによつて目的を達成することも今の法律の範囲内でできるのじやないかという気もいたします。又その他に何かいい方法があるかと思つて研究をしておるのでありますが、ともかく或る程度国民がたやすくスーパーの受信機が手に入るようにするには、或る程度月賦販売というような形をとつて行かないと、今の国民所得から行くと無理が出るのであります。これについて我々のほうにこれからも御協力を願わなければならんわけでありますが、これに対するお考えがあれば御意見を聞かして頂きたいと思います。
  27. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) スーパーその他優秀な受信機普及ということにつきましては、それに異論があるわけではございませんけれども、ただこれを国民が取得することを容易ならしめますために、国民金融公庫その他から特殊の金融措置を講ずるということは、現在の金融情勢では非常にむずかしいことであろうと思います。国民金融公庫も生業資金の貸出しでなかなか資金の要求が多くて、これに応じきれないような状態にあるのでございまして、まあ受信機普及も大事でありますが、それを金融の面倒を見てやつてまでも、それを普及するというようなことにまでは、到底手が廻らないような状態でございます。国民金融公庫の性質については只今申上げましたような生業資金を供給するというようなことでございますので、何らかの商売の都合上受信機関係ある用途に使うために資金を借りるということの場合はあり得るかと考えますけれども一般大衆に特に受信機を買わすための金融計画としては現在のところむずかしいと思つておるのであります。
  28. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 ですから現在のところはむずかしいということでありますけれども、が併し考えようだと私は思うのです。例えば事業資金といいましても、先ほど主税局長お話がありましたが、ミシンなんかを買う場合に、引揚者だとか、或いは未亡人ということになりますと、これはミシンを買う場合でも生業資金でと思うのでございまして、それによつて生業を立てて行くということになりますと……。ですからこの受信機の問題でもですね、これに純粋の消費資金と、まさにその通りでありますけれども、生業資金というものがいつも必ず一つ一つの生業資金にだけ使われるかというと、実際には生業資金か消費資金かという区別が、現実の場合には私は相当これはむずかしい問題が起つているだろうと私は考えるので、でありますから問題はですね、国民金融公庫法の運用とか解釈とかということよりもですね、先ずこの主管官庁の大蔵省が現在の放送界状況を御覧になつて、一体なぜ高級な……、というのは性能のいいという意味です。高いという意味じやありませんが、性能のよいスーパー程度受信機をこの際に急速に国民普及しなければならんかというその問題に対する認識の問題、それに対してどのくらいの重要度を置いて考えるかということによつて、これにきまつて来るんじやないかと私は考える。今のお話だと、資金を供與してまで、提供してまで受信機普及を図る必要はないというお話でありますが、これは話が長くなるから私は詳しくは言いませんけれども、一言で言いますと、あなたが来られる前に主税局長言つてつたのでありますが、NHK予算を見ましても、どんどん放送所を田舎のほうへ作つて国民に聞かせるために田舎のほうへ作つておるのであります。そういうことは受信機が悪いからというので止むを得ないのであります。受信機が良くなつて来ると、そういう設備をしなくても済むのであります。受信機が良くなれば、山の中でも聞えるのであります。ですから放送網を拡げて行くという点からいいましても、日本国民が全体放送を聽えるようにしようという放送の精神から行きましても、どうしても受信機改善しなければ、もう殆んど行き詰りの状態にあるという点を認識願いたい。今の受信機でありますと、先般から申上げておるようにNHKのほかに民間放送会社もできて来るのでありますが、その場合に本当に今の国民の持つておる受信機が混信がなくて十分に放送が聞こえるかということになりますと、これは私は技術的な面からは素人ですから、確定的には申上げられませんが、相当これも心配である。なおスーパー程度受信機にして、受信機方面改善を図れば、こういうふうに東京に一つ、大阪に一つという必要はないのでもつと多くの放送会社ができても国民の選択によつて自由自在に聞けるということになるのであります。相当これに対して国民がいろいろの文化方面の利益を享受できるということになつておるのであります。今結論としてはとにかく受信機改善しなければならん。受信機をもつと性能のいい、安いスーパーを国民普及するのが放送に対する政策の一番要点だということに結論が行きつつあるのであります。そういう点から見ると、国民金融公庫法であつても何であつても、あらゆる政府の施策というものもそれに応じて法律違反はできないのでしようが、法律違反にならない限度において協力されるのは当然だと思うのであります。電波監理委員会、或いは通産省のほうは何とかしてそうしなければならんが、併し大蔵省ちよつと違う、これは生産資金だけで消費資金にいやしくも使つてはいけないというように、ただ真正面から法律の解釈をされ、運用されるということになると、我のほうでもそれならばこういう方法をとつたらどうだろうということで非常に四角に出るようになつて来る。そういう意味で私は国民金融公庫に限りません関係のいろいろな機関があると思うのです。こういつた機関を利用して、ただ融資の財源を大蔵省のほうで心配してもらつて、措置をして頂ければこういうことが非常に簡単にできるのじやないか。こういう御協力をされる意思がないのかどうかということを初めにお聞きしなければならないのですが、これは一つ考えになつて、是非そういう方面に対して大蔵省としても御協力をして頂きたいのです。舟山さん、これについて御意見をもう一遍伺いたい。
  29. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) ラジオ受信機ミシンあたりとを比較してのお話でございましたが、国民金融公庫から、例えばミシン購入資金を出しておる例もあつたかと記憶しております。それはミシンで内職をしまして、生計を立てて行きたいといつたような場合には、これを貸出すのであろうと考えるのであります。ミシンの場合とそれからラジオ受信機の場合とは大分趣きも異にしておるのじやないかと思うのでございまして、例えば受信機もそれによつて喫茶店を経営するというような場合には、或いは生業資金になると思いますけれども、その他一般国民の教養その他のために購入する受信機につきましても国民金融公庫の金等を利用するように指導したらどうかということは、現在の資金の逼迫状況、それから国民生活になかなかゆとりのない状況におきましては、これはどうも少し無理があるように考えるのでございます。まあ一般の金融機関がそういう方面の用途に対して、資金の放出に協力するということは別問題でございますが、一般金融機関につきまして政府が特にそのために金を出すようにという指導をすることも、ほかにいろいろ緊迫した資金の需給がございますので、順位としてはどうしてもあと廻しになるということは止むを得ないことだと考えます。
  30. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 水掛論のような並行線の議論になりますがね。そこでまあ生業資金としては勿論考えられないということはよくわかるのです。それならば今の、あなたは受信機の購入にまで国家資金を融通してやるのは不適当だという前提に立つておられる。その点は今日は時間がありませんが、又ゆつくり申上げたいと思いますから結構だと思うのです。仮に相当国が援助をしてやつて、そして高級ないい受信機国民普及する必要があるのだという前提の下に考えた場合に、今のお話では生業資金としては無理だろう。併し例えばラジオメーカー、或いはラジオの販売業者、そういつた者を対象とするならば、これは生業資金とも言えるわけですね。
  31. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) それはそういう問題になりますと、それは市中銀行、市中金融機関メーカー、或いは販売業者との間の普通一般の金融の問題になると存じます。
  32. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 金融問題になりますが、国民金融公庫法によりましてもこういうふうな生業資金というものは出し得るのじやないですか。
  33. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) この出し得るということと先ほどのお尋ねのように、特に政府が力を入れてそちらのほうにこの際資金が出るように指導して行くべきであるということは別問題のように考えるのでございます。国民金融公庫が判断いたしまして、生業資金その他として出すのが適当であるということであれば、これを何もチエツクするような気持は少しもないのでありますが、特にそちらのほうに枠でも設定して金を出せということは、現在の資金情勢から見て少しく無理じやないかと考える次第であります。
  34. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 いずれこの問題については又別の機会にゆつくりいたしたいと思いますが、要するに根本は、例えばメーカーとか或いは販売業者を対象にしてならば国民金融公庫法の運用によつて片付く部分相当あると思うのですが、根本はあなたのお考えといいますか、大蔵省考えと、この委員会の我々の考えとが根本的に違うという点です。つまりそこまで国が世話をしてまでいい性能ラジオ受信機普及させる必要があるかどうかという、その政策の根本について意見が違うために今のような御答弁しかされないと思うのです。この点は又他の機会に我々から意見を申上げて大蔵省にも極力これに対して協力をしてもらうようにしたいと思います。その意味で私は質問を保留して置いて、そうして今日はこれで一応打切りたいと思います。
  35. 村尾重雄

    ○理事(村尾重雄君) ほかに御質問ございませんか、大島さんよろしゆうございますが……。少し申し遅れましたが、先ほど電話がありまして委員長がGHQに赴きましたので御了承願つて置きます。別に御発言もございませんようですから、質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 村尾重雄

    ○理事(村尾重雄君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  37. 山田節男

    ○山田節男君 私は日本社会党を代表いたしまして本委員会に提出された放送法第三十七條第二項によつて電波監理委員会意見書を付して出されました日本放送協会の昭和二十六年度収支予算事業計画並びに資金計画案に対して以下述べます希望條件を付して賛成をするものであります。  今回本委員会に出されました日本放送協会の二十六年度の収支予算事業計画並びに資金計画を検討いたしますというと、昨年度に比しまして十六億五千万円収入におきましては増加し、又支出に対しましては十七億七千万円というものが増加しております。その増加の根本原因は、従来の受信契約者の受信料三十五円を四割値上げいたしまして五十円にいたすことを前提として編成しておるものであります。この専業計画の全体を見ましてその個々の内容を検討し、並びに現在の物価の値上り、或いは施設の拡充整備等に要する費用並びに将来における物価の見通し等を見まして、おおむねこの案は妥当であると見るものであります。この収支予算の中で最も重点を置かれておるものは次の三点であるというように私は思うのであります。  第一に放送費の激増であります。なかんずくその中におきまして放送番組費におきまして昨年度の四億八千百四十八万六千円から十二億二百八十五万九千円、つまり二倍半弱に増加しておる点であります。申すまでもなくこの放送法によつてできました日本放送協会は、文化の公共企業体としてこいうう番組費に重点を置くということは最も妥当であると思うのであります。但しこの番組費を事業として将来運営するためには、電波監理委員会意見書並びに経営委員会から提出された方針等を検討することによつてもおおむね妥当であると認めるものでありますけれども、御承知のようにこの放送事業文化公共企業体としましてこの影響を及ぼすことは極めて大なるものがあるのでありまして、国民大衆の文化教養等におきましては、殊にこのラジオ放送が重大なる責任を持つていることは申すまでもないことであります。但しこの運営に当りまして、この案に示されておりまする番組に関する新しき審議会の設定、それから全国中継放送の番組の新しき制定、いろいろ意を用いておりますが、この番組におきまして重要なことは重ねて申上げまするが、国民勤労大衆の文化教養の高揚に重点を置くということが申すまでもないのでありまして、この点につきましては、私どもはより一層この本来の目的に向つて向上発展を期せられることを希望するのであります。  次にこの収支予算に現れた大きな項目は、技術費のうちの技術維持費、これは昭和二十五年度におきましては一億三千七百九十二万円に対しまして、来年度におきましては二億七千五百六十七万九千円、即ち一億三千七百七十五万九千円の増加になつているのであります。本委員会におきましても、従来この放送受信機の貧弱なる点と、又放送施設の極めて貧弱なるがために、いわゆるブランケツト・エーリアが本年度国内において多数にあることであります。これは先ほど申上げた公共企業体として文化的な使命を負うべきものとして、これはあらゆるものに先んじてこれを充実する責任があるのでありまして、ここに示された二十六年度の予算において果してこれが予期のごとく目的を達せるかどうか、私は疑問に思うのでありまするけれども、重要な来年度の事業としてはこの改善に当つては全力を盡されんことを希望するものであります。  第三は資金の関係でありますが、減価償却費であります。二十五年度の予算一億五千百七十六万三千円に対しまして、二十六年度においては二億九千三百万円計上し、即ち来年度におきましては一億一千百二十三万七千円という増加であります。これはもとより公共企業体としまして経営の内容、これを充実発展さすためにも、企業体の経営としての健全性を持たなければならない、企業の公共性を持つているがために資金計画等におきましては民間産業に比べて幾多の特権を與えられておりますけれども、経営体としては飽くまで自己の資本によるこの経営を健全化ならしめることは当然のことであります。その意図がここに示されているということについては我々としては、非常にこの点を多とするのであります。  従来本委員会におきまして、いろいろと問題になつていることは放送番組、それから受信機、ブランケツト・工ーリア、こういつたような方面に重点を置かれているのでありますが、これはここに示されました事業計画全体を見ますると、まだこの点において十分とせられない虞れが多々あるのではないかという不安もあります。これは将来経営運営委員会、並びに事業担当者並びに監理官庁であります電波監理委員会の極めて密接な連絡と、所管官庁の監督の下に、そのよつて起るかもしれない不測の点を補正されんことを希望するものであります。    〔理事村尾重雄君退席、委員長著席〕  なおこの際申上げたいことは、この収支予算の中で示された点において問題になりまする点は、従業員の賃金給與の問題であります。本予算においては給與ベース改定の必要なしと見ております。成るほどその平均一万二千円ベースは今日の一般給與基準から見れば高いのでありますが、併し御承知のように昨年の六月朝鮮動乱が勃発以来物価はすでに四割平均の値上りを来しておるのでありまして、生計費指数におきましてもこの点ははつきりいたしておるのであります。それが来年度において一万二千円のべースの現状を以て十分であるかどうか、よつて従業員に関するいろいろな福利厚生の不足の点は指摘されておるにいたしましても、ベース・アツプを来年度において本年度と同じくやはり固定せしめるということについては多分の疑点を持つものであります。これは電波監理委員会、経営委員会等において許されるその予算の支出の中において、万一これが不足する場合においては、他の項目をこれに移用することを條件として私はこの点を容認するものであります。  なおこの事業計画全般を見まして我々の感ずる点は、近く締結の運命に至るかも知れない平和條約の成立におきましては、日本放送協会の主たる使命一つは国際放送の開始であります。これにつきましては我々は十分の研究と準備を今から企画されまして、この放送法によつて独占的な性格を持つ日本放送協会がその使命を達成するように十分な準備をされんことを希望するのであります。  総括的に申上げますと、この放送協会の二十六年度の収支予算事業計画、資金計画等は我々に示されました電波監理委員会意見書の全般を検討しまするに、おおむねその妥当であることを認められるのでありまして、日本社会党としましては、以上の希望附帶條件的な強さを以ちまして本諸案に対しまして賛成をするものであります。
  38. 水橋藤作

    水橋藤作君 只今山田委員の附帶條件は全く同感でありまして、私もこの法案に賛成するものであります。で総括的に申上げますれば、四割の値上げが即四割の聴取者にサービイスを與えるまでのサービイスに変えるような方法を強化して頂きたいということをお願いいたしまして、本案に賛成するものであります。
  39. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私も希望意見を附して本案に賛成いたします。委員会審議を通じて十分に検討されましたので、詳しくは繰返しませんが、この聴取料の値上の問題は一般聴取者即ち国民大衆に非常に影響を與えるものであります。極めてこれは重要な問題であると考えるのであります。そこで私のこの日本放送協会が新しい放送法によりまして一つの新らしい使命を持つようになつた。それは單に現在日本放送協会が行つておる事業だけでなしに、日本放送事業全般に対しまして公共的な立場から寄與し、貢献するという立場からそういう目的を持つようになつたのでありますから、そういう趣旨に従いまして、予算及び事業の執行に当りまして、日本全体の放送事業の中核体として公共的な見地から一例を申上げますと、民間放送会社ができましても、それに対しまして十分な協力をして、仕事を運営して行かれる必要があると思うのであります。大体その点は委員会で申上げましたから詳しく申上げませんが、そういうふうな方針で事業計画なり予算なりというものを執行せられるように強く要望いたしまして本案に賛成の意を表する次第であります。
  40. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 私では自由党を代表いたしまして、今回提案せられました日本放送協会事業計画、資金計画、收支予算、これに対しましての電波監理委員会意見書、合せまして妥当なものと認めましてこれを承認することに賛成するものであります。ただ一言申上げたいと存じますることは、只今山田委員、新谷委員から言われましたことでございますが、今回新たに公共企業体として日本放送協会が出現いたしたのでございます。この事業の性質に鑑みまして公的な機関で運営させるのでございますが、どこまでも私的企業の長所をとつて行く、政府或いは国会の統制というものから独立して、その自主性を持つて行くというところにこの日本放送協会としての地位があるのではないかと思うのでございます。御如才もないことと存じまするが、電波監理委員会といたされましても、又日本放送協会とされましても、その点を十分御認識の上、立派な運営をして行つて頂きたいと思うのでございます。  なお放送法の一條或いは第七條にもございます通り日本放送協会日本放送というものに対してこういう制度ができましたということは、あまねく日本全国において受信のできるように放送するということなのでありまして、先ほど来受信機改善がいろいろ論議されておりまするのもその点でございまして、どうか電波監理委員会といたしましても、又放送協会といたしましても、この点について特に御留意をお願いいたしたいと思うのであります。幸いこの計画の中におきましてはその点についていろいろ重点が置かれておるようでありましておおむね今年度といたしましては妥当なものと認めるのでございまするが、その点特にお力を入れて運営して頂きたいと存じます。  なお放送の内容の問題でございまするが、これにつきましてもいろいろ番組に対しましての編成審議会を置くとか、或いは企画委員会を置くとか、広く学識経験を持つ者を集めて非常にこの方面に力を注いでおられることも見受けられるのでございまするが、どこまでも放送というものは国民のものなので、ありまして、よくその世論の向うところを察知せられまして、立派な放送をして頂きたい。ただここに私特に申上げたいのは、その世論に対しましてもこれに盲従いたすことでは、私は放送の内容というものの水準を高めることにつきましてはいささか足りないのでありまして、どうかその世論というものは、その向うところが科学的な基礎を持つておらなければならないのであります。その判断をするということが日本放送協会に課せられました大きな私は使命だと思うのであります。そういうふうな意味におきまして放送文化研究ということに一段の御努力をお願いいたしたい。本年千六百万円程度の増加をされましてこの方面に力を注いでおられるのでありまするが、この点につきましては非常に困難な問題でございまするが、力をこの方面に注がれることを希望いたします。  なおこの計画におきまして本年度従来の料金よりも四割三分ばかりの増加があるわけでございます。他のいろいろのガス、電気等と比較いたしましても、その額におきましては大体妥当なものと認められておるのでございまするけれども、ともかく四割三分の聽取料が値上げになるということは、やはり聽取者にとりましては除々に負担が殖えておるのでありまして、只今申しましたような線におきましてその放送の内容を十分立派なものにし、そうして国民全部にこれが聞かれるように一層の御配慮をお願いいたしたいのでございます。  以上の希望を申上げまして本提案を承認することに賛成いたすものでございます。
  41. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) ほかに御発言はございませんか。
  42. 平林太一

    ○平林太一君 只今討論なさいまして、各党各派の代表の御意見の御開陳がありましたのでありますが、私も只今御意見に賛意を表するものであります。その意味におきまして昭和二十六年度における日本放送協会予算全体に対しましては、これを承認することに賛意を表したいと思います。  この機会にただ希望を述べて、この希望を附して賛意を表するということは、事を荒立つて申すのではありませんが、以下若干の希望を申述べるのであります。これは当然これを運営する日本放送協会におきまして十分にこれを念頭に置かれて二十六年度の放送事業使命の成果を収められることを希望ずるのであります。  第一に申上げたいと思いますことは、昨年度の予算比較いたしまして十六億数千万円の予算の増加を見ておりますことは、申すまでもなく全国一千万の聽取者によりまして聽取料の値上げを受諾いたしました結果、この予算を執行するという前提の下にこの予算を出されたのでありまするが、これに対しましては放送協会といたしましては単に他の関連いたしまする、例えば新聞等を例に挙げておるようでありますが、数回の引上げを行なつた、併し放送協会の聽取料は依然としてそのままであつたというような過去のことが理由になつておりまするが、これは協会といたしましては、新聞紙のごときは御承知通り日々の人的な構成というものは、むしろ放送協会よりも新聞社のほうが多いくらいに私は見ておるのであります。ところで新聞のごときは数倍、数十倍、或いは数百倍するであろうと想像せられるところの新聞用紙というものに対しまして、或いはこれに附帯して使用いたしますインクでありますとか、そういう相当の物資のいわゆる消費というものは厖大なものであると想像するのであります。然るに日本放送協会におきましては、全く一定設備の下に、而もその設備は一度作れば大体恒久的な設備だと認められるものであつて、これに伴うものとしては人の動きということによつて、その程度において運営されておる。これが今回新用紙の七十円乃至八十円と比較いたしましても、やや接近するであろうというような五十円の値上げが断行せられましたことは、又それを私自身として承認いたすということは、非常な協会に対しまして深く期待するところでありまするが故に、これに賛意を表するということを協会の当事者は深く留意を願いたいのであります。従いましてさよな意味におきまして、今後この予算の執行に当りましては、そのことを常に念頭に置かれまして、いやしくもそれだけの増加強いたしまた予算を以ちまして、その予算だけの成果を収めるということにおいては、他の事柄と比較いたしまして、甚だ私はこの点は各個の責任を重んぜられまして、数倍に上る成果を収めて、全国一千万聽取者、更に又その聴取料の値上げによりまして、内容の改善ができましたことによりまして、更に増大する聴取者の魅力が得られるようなことにする深い考慮は拂われまして、その予算の執行に当られたいということをこの際希望を附して申上げて置きます。  更に申上げたいと存じますることは、要するにこれらの運営につきましても考えられますことは、いわゆるこれを大きく申しまするならば、私は国家の運命を決するものは法律制度ではない。いわゆる国家の隆替、興亡を決するところの鍵を持つておりまするのは、何としても、その国民の持つております性格及び国民の持つておりますところの習癖、習慣というものが、一番その結果を裏付けるのでありまして、決して法律制度にのみこれは依存すべきではなく、いい法律制度ができたからその国家が繁栄するということはない。それを運用する人によつて、その人の持つておる性格乃至習慣というものによつて国を盛んならしめるのである。従いまして、日本放送協会におきましては全く私はいろいろな機械にのみ依存したり、或いは予算が多くなつたからそれで自然にできるというのではなくして、放送協会全員の諸君が大いにそれらの持つておりまする性格、或いは立派な習慣というものを十分にその性格、風格において発揮さられまして、そうしてこれに対しまする事業の成果を収められることを希望いたします。  なお申上げて置きたいことは、聽取料に対しまして、二カ月を三カ月に今回は延長いたしております。そういう結果におきまして、これに対する経費が二億五千万円であります。この点が実は何らかの措置によりまして、二億五千万円を何か今日計画をいたしておりまするなかからいわゆる除外し、或いは外してまでもそれを処理しなければならないと私は思つておるものでありまするが、諸般の内容を検討いたしました結果、今回は原案に賛意を表するのでありまするが、それに対しまするいわゆる埋合せというものを協会は大いに、一つ考えい頂きたい。いわゆる三カ月の聴取料聴取者が納めるということについて、相当地方におきましては聴取者がしばしばの場合におきまして困難な事柄に遭遇することが想像されるのであります。でありますから、かような場合には速かに今回の三カ月徴収に対しましては、いわゆる末端の現業徴収員に対しまして、徴収当事者に対しまして何らかの一つ指示を與えて、聽取者に対しての徴収に当つて円満なる徴収の方法を考究せられるように願いたい。今日までややもいたしますれば、いわゆる一回参りましてその徴収が、三カ月聴取料金が非常にその場合差支えるというようなときにも、何か官庁的な一つの権力を以ちまして、次の日に参ればよろしいものを、その日にどうでも徴収しなければならないというような行為が行われておると想像されるのでありまするが、この点は今までの三カ月百円の聽取料と比較しても、三カ月今回は百五十円になりますから、かような場合におきましては十分に聴取者に対しまして深い尊敬と謙虚の態度を以ちまして、聽取者のその聽取に対しまする支拂いに対しまする都合というものを十分に尊重しまして、そうして都合の悪い場合には、翌日なり翌々日というように穏やかにその方法を考究せられるようなことを何らかの指示、指令を以て現地にさような措置を講ぜられたいということを以ちまして、この徴収の問題に対して賛意を表するのであります。  第三は御承知のように放送協会放送に対しまする諸般の事柄を思うのでありまするが、やや中央に偏する傾きがあるのではないかということ、中央集中になる虞れがあるのではないかという点を思うのでありますが、全国百幾つかあると承わつておりまするが、地方放送局の持つておりまする特殊の地方事情というものを十分に放送事業の目的のために、大いに地方の放送というものを尊重するような方向を示されたい。今日まで世界の文化社会のいわゆる音楽でありますとか、或いは文学というものを見ましても、これらの学界に属しまするところの先覚者であるとか遠大な人材というものは、大概地方から出ているということを申上げたい。決していわゆる一世に貢献をなした、風靡したような偉大な音楽家、偉大な文学者、偉大な芸術家というものは、山川藪沢の中から出て来た。いわゆる絢爛豪華な都市の殿堂から出ていない。地方の中から一世を指導するような、そういう大自然と相接近したようなところに人物が出ているということが考えられる。かような場合におきましては、何といたしましても地方放送局というものがこれらの自然を十分に取結ぶことを放送協会は大いに考えられたい。東京のNHKというような中央放送局にのみそういうような音楽、文芸或いは文学という放送協会の持ちまする放送資材というものを集中或いは求めることも当然でありまするが、この際は特に中央偏在的な面を除きまして、そうして地方の高いいわゆる文化国家としての水準を高めて行くことに十分な力を注がれたい。それは日本放送協会が公共放送として我が国にただ一つしかないということに、私は深い責任を持つてもらいたい。又非常にこれに対しまする関心と期待を持ちまするが故にこういうことを申上げる次第であります。  以上の事柄を希望條件といたしまして、二十六年度予算全体に対しまして、各党代表の各位を共に一応承認することに賛意を表するものでります。
  43. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) 別に御意見もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) 御異議ないものと認めます。これより採決に入ります。放送法第三十七條第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件について採決をいたします。本件を原案通り承認することに賛成のかたの御挙手を願います。    〔総員挙手〕
  45. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) 全会一致と認めます。よつて本件は原案通り承認すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますので、これは委員長において、本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、御承認を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出をする報告書に多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を承認すべきものとされたかたは、順次御署名をお願いいたします。    〔多数意見者署名〕     村尾 重雄  新谷寅三郎     大島 定吉  鈴木 恭一     山田 節男  水橋 藤作     平林 太一
  47. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) 御署名漏れはございませんか……。御署名漏れはないと認めます。  本日はこれを以て散会いたします。    午後零時三十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     寺尾  豊君    理事            村尾 重雄君            新谷寅三郎君    委員            大島 定吉君            鈴木 恭一君            山田 節男君            水橋 藤作君            平林 太一君   政府委員    電波監理委員会    副委員長    網島  毅君    大蔵省主税局長 平田敬一郎君    大蔵省銀行局長 舟山 正吉君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 榮一君   説明員    通商産業省電気    通信機械部長  和氣幸太郎