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1951-08-10 第10回国会 参議院 電気通信委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年八月十日(金曜日)    午前十一時三十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○派遣議員報告に議する件 ○電気通信事業運営状況に関する調査  の件 ○電波行政に関する調査の件  (報告書に関する件)   —————————————
  2. 村尾重雄

    理事村尾重雄君) これより本日の委員会を開会いたします。  先だつて派遣議員団報告に対して、政府のほうで意見があればお伺いいたしたいと思います。
  3. 靱勉

    説明員(靱勉君) 先般本委員会におかれましては、三班に分れて地方における電気通信事業運営実状を御視察になり、いろいろと有益な御意見を承わることができまして、厚く御礼申上げます。  御意見につきましては、当省といたしましても同様の考えを持つてとり運んでいるものもあるのでありますが、本日は取りあえず若干の問題につきましてお答え申したいと存じます。  先ず職員欠員の後補充の問題であります。これにつきましては、第一班及び第三班より御指摘があつたのでありますが、これは、一昨年の行政整理後各通信局間に欠過員の不均衡を生じましたため過員局の分を欠員局に分担させる必要上欠員補充の抑制を行なつたのであります。その後増員配置転換自然減耗等によりまして、この不均衡も是正されましたので、欠員補充差止めの解除を行いたいと考えていたところ、先般政府方針として昨年度末の欠員補充が差止められたのであります。併しながら現業段階要員事情業務増嵩に伴い極めて苦しいので本年度増員現業段階に集中し、これに対処したいと考えております。  次に長欠者の後補充の問題につきまして第一班よりお話がありましたが、これにつきましては、本年度増員の一部を差繰り実施したいと考えておりまして、地方実情に応じ地方電気通信局長をして措置させる考えであります。  次は宿舎につきまして、第一班及び第三班よりお話がありました通り、その増設は極めて必要でありますが、予算関係もありますので、今年度におきましては中国地方電気通信局管内幹部職員宿舎十二戸、信越地方電気通信局管内といたしましては、幹部職員宿舎長野に八戸、新潟に二戸、合宿所新潟に六十坪建一棟を国費を以て建設する計画であります。  次は給与関係につきましては各班よりいろいろお話がありましたが、特別俸給表の制定、報奨手当制度の設定につきましては、大臣より前回委員会において述べられたごとく、近く人事院より勧告される予定であり、又ベース改訂につきましても、人事院において勧告の準備をしているように承知しているのであります。又、夜勤手当の引上げにつきましては、給与法の改正を必要とするのみならず財源関係においては各省の共通問題でありますが、なお研究の上人事院に対し、改正方折衝することといたしたいと考えております。  次に電話設備費負担臨時措置法につきましては、各班より御指摘がありましたが、これは前回に申上げましたごとく、去る七月一日より施行したばかりでありますので、目下負担金額変更したり或いは三級局以下を区別し低減する考えは持つておらないのであります。今後施行の結果を十分に見て参りたいと考えております。  次に市外線路ケーブル化につきまして各班より御指摘がありましたが、ケーブル化の必要につきましては、全く同様の考えを持つておりますが、ケーブル化を要する区間は全国的に見て多数あるに対しまして、予算関係から毎年その一小部分を実施しうるに過ぎない状況でありまして、小郡—福岡間のうち小郡—小倉間のみは今年度実施する計画であります。従いましてそのほかの小倉—福岡間、岡山—米子—松江間は二十七年度松山—今治高松—高知松江—出雲—浜田—広島間は二十八年度以降においてできるだけ速かに実施するよう考慮したいと考えます。又、長岡—直江津間につきましては、現在の通話量及び保守面より考え緊急を要するので、二十七年度において差し当り新潟—直江津間に超短波を実施するよう計画中であり、直江津—長野間につきましては差向き実現困難でありますが、成るべく速かに考慮したいと考えております。  次に局舎関係につきましては、各班より御指摘がありましたが、局舎の行詰りは全国的に甚しいものがありまして、今年度末迄に急速に新営を要するものと認められるものが二百六十二局に達し、そのうち今年度計画中のものは八十六局で、これに含まれているものは四国高松局の増築、信越見附電話局共電改式)、新潟市外電話局に過ぎないのであります。このほか鳥取電話局は目下新築中の電話局移転電話局舎電報局とする計画であり、出雲管理所電報電話局舎綜合新築計画中であります。  上述の如き実状にありますので今後予算の許す範囲内でできるだけ速かにこの問題を解決して行きたいと考えております。  次に第二班よりお話の行詰り局舎解体のため地元で新築しこれを年賦償還する方法でありますが、これにつきましては前回にも申上げたように通信局から本省に具体的な問題を提案させ、改式の順位、予算関係等を勘案いたしまして、適当と認められるものにつきましては要望に応ずる方針であります。  次に第一班より多数共同電話架設割当数の増加を現地で希望している旨のお話がありましたが、今年度工程は一応一万四千とし、各通信局予定工程を内示しましたが、その後本年度方針として、工程の枠にとらわれることなく、局の加入者収容限度範囲内であれば成るべく多数増設できる措置を講ずるよう目下努力中であります。  次に委託業務直轄化の推進につきましては、第一班よりお話がありましたが、毎年できるだけ多く実施するよう努めており、今年度は六十八局を予定し、そのうち四国管内は十一局であります。  又第三班より委託業務に従事する職員の身分につきお話がありましたが、現在の委託業務の建前からこれを当省の職員に切替えることできないので、差向き業務直轄化することが適当であるものはできるだけその直轄化を促進すると共に、右関係職員の指導につきましては、今後なお一層配意して、業務の円滑な運営を期して行きたいと考えます。  次に第一班より私設電話が増加しているが、これは加入電話の需要に応じえないことによるものであるから、その対策を講ずるようお話がありましたが、これにつきましてはできるだけ設備拡張予算を増加し、当方において施設することが根本でありますが、現在の予算状況から一定の距離以上のものにつきましては、寄附受理により救済しなければならないと考え、その方法につき目下考究中であります。又現在の私設設備の中で当省の規格に合うものを当省の施設の中にとり入れることにつきましては、研究いたしたいと考えます。、  次に第二班よりお話広島市の電話復旧対策につきましては、  (1) 西局端子増設(今年度四〇〇、二十七年度一、〇〇〇予定)を計画しております。  (2) なお新しく二万端子新局建設すべく今年度及び来年度において局舎関係を、来年度以降において設備関係計画中であります。市外電話局舎も右の中に考慮されております。この完成により広島市の電話復旧を促進して行きたいと考えております。  岡山マルチ局設置につきましては、一応来年度計画として考えたいと思いますが、これが完成すれば市外関係の行詰りも打開できる見込であります。又草津の広島市内編入合併につきましては、なるべく速かに実施するよう努力いたす考えであります。  又交換方式変更につきましては全国方式変更を要するものは多数に上つておりますので、限られた予算の枠では御承知のごとく限度がありますので総合的に見まして出雲局につきましては二十七年度、境、浜田、益田につきましては二十八年度以降に計画したいと考えております。  次に第三班より建設及び保守関係予算早期令達の必要につき御指摘がありましたが、建設勘定予算につきましては、昨年度工事年度実施計画の確定がいろいろの事情により遅れたこと、公共事業認証申請並びに支出負担行為額認証申請工事実施認証通知手続等のため、工事予算令達が遅れたことは残念に存じております。然して今年度におきましては、諸手続が簡素化せられると共に、年間工事実施計画早期樹立下部機関への事務処理の権限の一部委任等により工事予算早期令達を図り、又保守関係予算につきましても年間一般保守費予算額の半分を年度初頭に令達し、極力年度初頭の空白を生ぜしめないように措置したのでありますが、今後なお一層この点に留意し工事の円滑な実施を図るように努めて参りたいと考えております。  更に新潟無線回線雑音妨害についてお話がありましたが、新潟無線中継所には現在周波数六〇mcを使用する長野—新潟回線(佐渡で中継)と二〇〇mcを使用する新潟—秋田回線(温海で中継)とがありまして妨害の生ずるのは長野新潟回線であります。  その妨害の原因は自動車点火栓に生ずるスパークの影響でありますが、これが防止策としては  (1) 自動車全部に妨害除去装置を付ける  (2) 道路に金網の柵を作り妨害電波を吸収する  (3) アンテナを約二〇〇米程ずらせて道路反対側へ移す  (4) 中継所妨害の生じない場所に移す 等がありますが、(1)は徹底した方法でありますが、実施が相当困難なことが予想せられ、(2)(3)は効果について試験をして見なければはつきりした結論が出ず、(4)は根本策であるが、多額の経費を必要とすることになるのであります。  従いまして対策としましては第二、第三の方法につきまして早急試験を行い、対策を講じたいと考えております。  最後といたしまして御指摘地方電気通信資材部につきましては、当省の機構改正の際御趣旨のように地方電気通信局に統合するようとり運びたいと考えております。  以上を以ちまして私の説明を終ります。
  4. 村尾重雄

    理事村尾重雄君) 次に富安委員長
  5. 富安謙次

    説明員富安謙次君) 最初に御礼を申上げます。  当電気通信委員会委員各位におかれましては、お暑さのみぎりお暇をお割き下さいまして、各方面に亘りまして私ども所掌事務について御視察頂きまして、いろいろの有益なる御示唆を頂き、御指摘を頂きましたことは誠に有難いことでありまして、これが私どもの仕事を行なつて参ります上におきまして、お蔭をこうむることが甚だ多いのであります。地方において御指摘を頂きました喜びは申すまでもなく、私どもといたしましてもその点につきまして厚くお礼を申上げる次第でございます。いろいろご示唆を頂きました点につきまして、私ども所見を簡単に申上げさして頂きたいと存じます。  最初有線放送業務の運用の規正に関する法律及びその施行規則関係についてでございます。先ず町村公民館施設のものにつきましては、放送内容が主として広報事項であるのだから、この法律適用から除外してはどうかという御意見が伺われたのであります。これは誠に御報告にありました御意見通りに、官公署自分広報活動として行なつておりますものにつきましては、この法律適用から除外しても差支えないのではないかと私どもも思つておるのであります。又これに関連いたしまして、一般の商店が自分の宣伝のために小規模に行なつておるものにつきましても、適用を除外したらどうかという声もあるそうであります。この御指摘もあつたのでありますが、これにつきましても検討余地があるように私ども考えております。  それからマイクを附けていない、単なる共同施設、これは一般家庭用受信機と少しも変ることはないのだから、業務日誌を記録しておくという必要はないのであつて、これを除外してもも差支えないものではないかというような御意見もあつたようであります。併しマイクを附けない共同聴取施設でありましても、やはり有線放送施設として監督の対象にはなつておりますので、何かのために全く何もとつていないということもどんなものかと考えられますので、これは全然備え附けないということではなく、日誌の記載を簡単にするとかいうようなことで実情にも適い、又監督する者の立場といたしましても、それだけのものを持つておきたいという要望にも適う。こういうような程度にしたらどうかとも考えておる次第でございます。  それから騒音の取締につきましては、御承知のように軽犯罪法が適用されておるのでありますが、この法律のほうに適用するほうが妥当ではないかということでありまするが、これは有線放送が多方面から規律されるということは誠に有線放送業務を行う者にとりましても甚だ不便であると考えられますし、これを監督する立場からいたしましても、一つ行政庁が行うほうが規正効果が挙るのではないかというふうにも考えられます。併し有線放送以外の幾多の騒音源につきましても、又文化的の観点であるとか、都市美とでも申しますか、そういうような点から、都市行政全般として総合的に考慮するという必要があるように考えられますので、特に有線放送騒音だけについてのみ電波監理委員会で規律するということにつきましては十分に検討をして参る余地がまだあるのではないか、かように存じておりますが、いずれにいたしましても、この法律施行以来まだ日も浅いことでありまするので、いろいろと皆さんの御意見も承わりまして、十分に私どもとしましても検討をいたしました上、実情に即したものにいたすように万全を期したいと、かように存じております。  それから次は放送関係でございまするが、高松放送局のサービスエリヤの問題について御指摘がありました。高松放送局の現在の空中線電力の五十ワツトというのでは香川県の全面積の四分の一しかカバーしていないのでありますが、御承知のように、極く限られた放送周波数を以ちまして、全国をカバーするためには、我が国の山岳重畳している地勢から考えまして、どうしてもこれは大電力、中電力、小電力等を併せて用いて、適当に配置をするというのが妥当と考えられますので、当該の方面におきましては、大阪中央放送局を五十キロワツトに増力するということに解決の点を求めておるわけであります。併しローカル放送の面から見ますというと、行政区域放送区域というものを一致させることは、極めて望ましいのでありまするので、その点をも決して忘れないで、その点をも考慮しながらよろしきところに落着けたい、かように考えておる次第でございます。  それから新潟放送局聴取者に関する問題でありまするが、夜、新潟県の西部から長野県に亘る方面新潟放送局電界強度は十分とは申せないのでありまするけれども高周波一段付受信機を使いますれば、殆んど遺憾なく聴取できるかと考えております。  モスクワ放送との混信の御指摘がありましたが、これは監理委員会におきまして去る七月の一日から放送局周波数全国的に指定変更をいたしましたので、新潟放送局につきましても第一放送、第二放送共変更になつております。その結果、相当改善せられたことと存じまするが、指定変更のあとの状況につきましては、只今よく調査をいたして、その結果を見ておる現状でございます。  それから同地区におきまして、音質が不良だから改善を希望するという声も御指摘があつたのでありますが、これにつきましては中継線に起因することも多いと考えられまするので、これは電気通信省とも十分に連絡をいたしまして調査し、その改善努力をいたしたいと存じております。  それから雑音障害に関する調査を依頼するという声をお伝え願つたのであります。これはこの地方ばかりでなく、全国的な問題でありまして、各種の電気機械器具の発達によりまして、いろいろな種類の雑音源が最近増加するような傾向にありまするので、これに対処いたしまするために受信機障害対策協議会というようなものを考えました。これは各電波監理局の所在地におきまして、障害の因を起すような送電会社とか、電鉄とか、電気機器製作会社とか、それから医師会放送局、それと電波監理局もこれに参加をいたしまして、そういうような関係のものが集りまして、一つ協議会作つて対策を講じようというのでありまして、この協議会は全般的に受信障害除去につきまして検討をいたしておりまするので、現に相当の成績も挙げておりまするが、なおこれを十分に活用して参りたい、かように存じておる次第でございます。  それから米子監視局施設整備及び福利厚生についてであります。それで米子監視局方向探知機ビジユアル式にしたいとの要望があつたようでありますが、これは一応尤もなことでありまして、御承知のようにビジユアル方向探知機は従来の聴くほうの、可聴式方向探知機に比較いたしまして性能及び確度とも格段の相違があるということは御案内通りでありまして、もうすでに前年度までにおきましてできる限りそのほうに替えておるのであります。都城、釧路、大阪、富山、この四局などではすでにその優秀な方式のほうに変つております。本年度におきましては東京にも装置するように計画いたしておるのであります。予算等考え合せまして、順次に各局にこのビジユアルのほうを装置いたしたいと、かように考えております。ただ米子ビジユアルを装置するには土地的の条件があるのでありまして、技術方面から調べて見ますと、必ずしも適当でない事情があるのだそうでございまして、只今のところにおいては、これを米子に装置するということについては、そういう計画になつておりません。これは全く技術上の条件に制約せられることなのでございます。  それからなおこの米子監視局土地建物の所属の移管のことにつきましては、ここは元海軍の送信所でございまして、昭和二十二年二月大蔵省の財務局から一時借用しておるのでございますが、電波監理委員会といたしましては、本年の三月に移管に関する書類を大蔵省に正式に提出いたしておりますし、これを促進いたしますことにつきましていろいろ交渉いたしておる次第でございまして、近く実現されることになると存じております。  最後に、従業員宿舎増設整備せよという要望でございますが、これは誠に御意見通りでありまして、ただに米子監視局の問題のみでなく、全国のどこの監視局とも同じような条件に置かれておるのでありますが、それぞれの地方におきましては、多くの有為の青年が山間僻陬の地において何も娯楽、慰安、厚生というようなものを持たないで、而も極めて重要な電波監視現業事務に従事しておるのでありまして、私どもといたしましても、その方面について施設の遺憾のないように対策につきましてしよつちゆう苦心をいたしておるのであります。二十六年度宿舎予算計画といたしましても、単独の宿舎十二戸、合宿所一棟の建設大蔵省要求したのでありますが、予算関係実現ができなかつたのであります。併し第三四半期におきましては、何とかして少しでもこの宿舎増設実現をしたいと折角努力をいたしておる次第でございます。  それからなお生活補給金及び給与関係につきましても、御視察を頂きましたときに従業員組合から陳情があつたものでありまして、それをお伝え願つたのでありますが、これも又皆様がたにおかれまして、特に御案内通り状況にありますので、これ又何らかの方法を以ちまして、従業員が安心して職務に専念でき得るようにしなければならないと従来苦慮をいたしておる次第でございます。殊に電波関係職員のごとく、最も思想の健全であることを必要とするという向きの職分につきましては、その必要が切実なのでありまして、私どもといたしましてもこの点に遺憾のないように平生十分に意を用いておる次第でございます。各位におかれましても今までも随分そういう点につきまして何かと御援助頂いておる次第でございますが、今後とも一層御鞭韃を頂きますようにお願いを申上げる次第でございます。  簡単でございますが、御報告に対しまして、私ども所見を右のように申上げて、この上ともいろいろの御支援を仰ぎたいとお願いをする次第でございます。
  6. 村尾重雄

    理事村尾重雄君) 以上の御所見に御異議ございませんか。
  7. 山田節男

    山田節男君 今の電波監理委員会報告された以外の問題ですが、電波監理委員会ですね、近く電波アロケーシヨン会議が開かれますが、これは私技術的のことはよく知らないのですが、今までのアロケーシヨンというものを議題にしないで新規にアロケーシヨンをきめるのか、或いは日本が今占領下にあつてアロケーシヨンを土台として、幾ら殖やすかというようなアロケーシヨンになるのか。議題が何かわかつていればちよつとお聞きしたい。
  8. 長谷愼一

    説明員長谷愼一君) 今回八月の十六日からスイスのジユネーブで時臨無線通信主管庁会議というのが正式の名前でございますが、開かれる予定になつております。この会議は、只今お話のございましたように新らしい国際的な電波割当をきめる会議でございます。これは従来は御案内のように各国電波を使います場合には、それぞれの国がみずから適当と思われる電波を選定いたしまして、ほかと混信妨害をみずからも受けないし人にも与えないであろうと思われるものを選定いたしまして、国際電気通信連合事務局登録をいたします。この電波使つて若しも混通妨害がほかの国と起つた場合には、早く先に登録したほうが優先権を持つということで規律されて参つたのでございます。ところが戦争前後に非常に電波の使用の波が格段に発展しましたのと、連合軍或いはその他の国との間の電波利用の面が非常に複雑になつて参りましたのと、只今申上げた国際連合事務局への登録規定通りに履行されなかつたというような問題もありまして、一九四七年にアメリカのアトランテイツク・シテイにおきまして国際会議が開かれましたときに、非常に電波利用の面が変つて来たのが一つと、それから従来の大国が殆んど全部の電波登録しておる。新らしく興つて来た国、或いは後進国として今まで電波利用登録していなかつたために権利を持ち得なかつた国々にも平等にそれぞれの必要に応じて、而も新らしい技術に基いて電波割当をやり変えようということになりました。これは主としてアメリカその他の提案に基くものでございますが、その結果今まで使つてつたものを一応御破算して、現在無線回線、例えば日本アメリカとかヨローロツパとかのいろいろな海外通信或いは国内の無線、そういう現状と、それから近い将来の計画というようなものも全部、各国要求を見比べまして、新らしい技術、原則に基いて今までと変つた、今までの登録しておつた現実にとらわれないで周波数割当てようということになつた。ところがこれは非常にむずかしい。而も各国の権益に関連することでございますので、只今まで或いは臨時周波数委員会、或いは世界を三つの地域に分けまして、いわゆる第一、第二、第三の地域会議、或いは業務的に航空無線会議海上無線会議、或いは高周波放送会議という工合にそれぞれ専門的に、今申上げました新らしい、電波割当の案を作成すべく、今まで委員会或いは会議が十数個開かれました。それらのでき上つた案をこの八月の十六日に最後的にきめよう、こういう段取りになつております。ところが今までの申上げました十数個の会合におきまして、それなら新らしいそういう電波割当案が完結しておるかということになりますと、一部分は非常に各国要求が厖大であるために要求を充たし得ないで、案ができ上つていないところがたくさんございます。従つてこの八月の会議におきましては、果して予定通りの新らしい電波割当を作り、これを実施し得るところまでに結論が得られるかどうか、多分に疑問がございますけれども只今まで私どものほうに入つております情報その他によりますというと、各国はいずれもそれに向つて努力しようという気持には一致しておるように聞いております。
  9. 山田節男

    山田節男君 そうすると今勿論そういう新らしいアロケーシヨン考えるということになれば、ソ連やその衛星国家群が入らないといけない、勿論ソ連並び衛星国家が入つてやるんですか。
  10. 長谷愼一

    説明員長谷愼一君) これはソ連並びに衛星国も全部入つております。今までのいろいろの委員会に出ておりますのは、大体六十数ヵ国から七十ヵ国が参加いたしております。今回の会議も恐らく殆んど国際電気通信連合の全メンバーが出席されることだと思います。但しここに無論問題がありますのは、中共の参加問題が相当問題になると思います。今までは中共の参加問題は常に多数決で否決されておりますので、今までは国民政府の代表が出ておりますが、今度の会議でどういうことになるか存じませんが、一つの大きな政治問題だと思います。
  11. 山田節男

    山田節男君 それからこの九月の対日講和条約ですが、やはりこの講和条約そのものは、それに附帯して日本の希望条件といいますか、講和条約とは別個に、調印と同時にいろいろ日本の諸般の問題について、これは軍備をするということになれば、その問題を含めても、日本にはすでに非公式なり或いは公式にいろいろ相談されておると思います。無線電波に関する限りにおいて、今度の講和会議に際してサンフランシスコで、日本政府から電波に関する何かの日本としての意見といいますか、お願いといいますか、そういうものがそういう項目へ入つておるのかどうか、これを一つお聞きしたいと思います。
  12. 長谷愼一

    説明員長谷愼一君) お答えいたします。まだ正式に講和条約の全文が発表になりませんので、私ども最後的な点は承知いたしておりませんが、今までのところで私ども想像いたしますと、講和条約そのものには電波関係は入つていないようであります。従つて電波の監理統制のことは、講和後においては完全に日本の主権下に置かれるものと私たちは想像しておるのであります。但し講和条約のあとに、いわゆる特別の協定によりまして、駐屯軍等が日本に駐屯する場合におきましては、その駐屯軍が相当軍用のため、或いはその他のために無線を使われることだと思います。その場合に日本と或る協定をどうしても結ばなければならない段取りになるのではないかと思います。まだ私ども具体的な点については何ら承知いたしておりません。
  13. 山田節男

    山田節男君 今私が申上げたのは、それは平和条約には勿論そういうものは入らない。けれども同時にその調印の終つたすぐあとの日米貿易協定、それから日米防衛協定というものが結ばれる、やはりその問題がすぐ起つて来る。そのために、電波は知りませんが、ほかの方面においては相当これは政府の各官庁を通じてインフオメーシヨンを与えていいわけです。私はここで外務省のほうへ一応電波監理委員会としては希望と申しますか、いわゆる技術的にこれは準備をされたほうがいいということを申上げたことがある。その点は政府というけれども、これはやはり電波監理委員会が最高の監督官庁ですから、外務省のほうへやはりほかのほうから見ての、主権の回復されて後の日本電波監理問題、駐屯とか何とかという問題に制約されるというけれども、制約されても自主性がなければいかん。僕は必ず日米防衛協定の項目としては電波監理問題も必ず入つて来る。そういう場合に日本はそれを呑みますというだけで、抽象的でやつていいのかどうか、それに対する条件といいますか、電波監理委員会としてはこういう建前のことは是非お願いしたいというようなことを申述べられたほうがいいということを私は申上げたから、今そういう質問をしたのです。全然この問題については外務省には電波監理委員会或いは電波庁としては出していないのですか。
  14. 富安謙次

    説明員富安謙次君) 只今お話のありました点は、いろいろお述べになつた点誠に御尤もだと存じます。只今までのところでは、今他の政府委員からお答え申上げました通りに、まだ具体的にどの方面に対してどういう交渉をいたしておるかということはまだ始めておりません。併し問題は極めて重大な問題であり、又極めて微妙な関係もあるのでありまして、御意見の点は十分尊重いたしまして、私どものほうといたしましてはよく委員会におきまして検討を加えました結果、外務省或いは他の方面について打つべき手も打ち、考究すべきところを考究いたしまして、講和の後におきまして我が国の電波の確保、或いは新しく獲得するということにつきまして十分に遺憾のないように考究をいたしたい。かように存じております。只今はまだいろいろ問題を忘れておるわけでは決してありませんけれども、具体的に動くというところまでは至つておらないというのが実情でございます。
  15. 山田節男

    山田節男君 これは電通省ですが、この間佐藤大臣がここに来ましたので、私は日本タイムスの先月の二十五、六日だと思つたが、両日に亘つてかなり詳しく電話事業をパブリック・コーポレーション、公共企業体にする案を示しているので聞いたら、佐藤君はそういうことは言つた覚えはない。私はいずれアメリカへ今度行けば、この電話というものに対して民営にするのか、或いは公共企業体にするのか、或いは従来のような官営で行くのか、この点は私は相当の質問を受けるだろうと思う。これは私は是非とも聞いておきたい。この点はこれはそういうことはない、国営に行くのだということを言つておいて、そうして通常国会において日本タイムスに出たように公共企業体にするとか、民営にするとか、そういう法案も現在準備しつつあるということを佐藤大臣が言うておる。だからこれが少くともこういつたような記事が来るべき通常国会において具体化する可能性があるのかどうか、これは一つ政務次官も来ておられるから一つ打ち明けて、絶対にないのか、そういう法案が或いは通常国会には出るかも知れん、その程度のことでもいいから、一つはつきり我々に示して頂きたい。重要な問題だから……。これはアメリカに行くと必ず問題が出ると思う。そのときに国会議員として、殊に上院議員として、そういうことは知らないということは言えぬ。これは一つはつきりと可能性があるのかないのかという程度のことは、これは言つておいてもらわんと我々の肚ができぬのですから、この点はどうですか。
  16. 靱勉

    説明員(靱勉君) これは私からお答えをするのは僭越ですが、只今お話は大臣が言われたのを否定されたということが、先ずお話のうちにあつたわけでありますが、先般の委員会で大臣が否定されましたのは、電話を売るという記事にしたことが載つている、これは自分はそういうことは言つた覚えはないということで、殊にあれは私ども確かめたわけではありませんが、INSに出しておりますので、アメリカの新聞にも載つたという噂も聞いております。そこで大臣としましては、間違つて伝えられては困るというので、編集者に対しまして書簡を送るというような形で、事実を少し言おうということで、多分明日新しく新聞に載るのではないかと思いますが、それは決して売ると言つたのではなく、日本電話にはこういう問題がある。そこで公共企業体に持つて行くことについて考えておる。自分も公共企業体に持つて行くのがいいと思うというような大体の要旨でありますが、そういうレターを出すことに……、もうすでに出されておるのであります。そこで先日大臣から御説明がありましたような国会の、衆議院のほうでも、公共企業体にするという決議もありましたし、そういう趣旨で特に民営の長所といいますか、相当資金が獲得できるように、単に看板の塗り替えじやない、民営でない、公共企業体ということについて検討しているというような趣旨で大臣の御説明があつたわけであります。それだけの線は、私ども事務当局としましては、やはりどうしても公共企業体に持つてつて日本電話の大転換をせねばならぬ、こういうようなことで大臣にも意見を申上げているような次第であります。でき得べくんば通常国会には提出いたしたいというような事務当局だけの考えを持つておるのであります。又今朝ほどの新聞を見ますと、政令諮問委員会におきましても、公共企業体というような結論のように新聞には報道されておりますし、今後なお関係機関との関係もありますから、全部その通りに行けるかどうかは、今のところ何とも申上げられないのでありますが、事務当局の考えとしましては、是非通常国会中にそういう提案ができるというような気持で、いろいろな調査をいたしておることは事実でございます。
  17. 富安謙次

    説明員富安謙次君) 先ほどの山田委員のお話に対しまして少し補足をさせてお話を申上げさして頂きたいと思います。  委員会はその問題につきまして関係向きは、結局政府におきましては外務省でありますが、その向きと何ら折衝していないというわけではないのでありまして、事務当局といたしましては、外務省と常にその問題に関しまして連絡をいたし、意見の交換をする等のことはいたしておるのでございまして、先ほど私がこの問題を決して忘れているわけではないと申したのは、そのことを申したのであります。事務当局の間においてはさように絶えず連絡をいたして遺憾のないようにいたしておりますが、委員会といたしまして、外務省に対してかようなことを今いたしておるという具体的に申上げる、そういうことまでは至つていない、かように申した趣旨でございますから、お含み置きを願います。
  18. 村尾重雄

    理事村尾重雄君) ほかに御発言は……。
  19. 村尾重雄

    理事村尾重雄君) それではお諮りいたします。現在継続調査中であります電気通信事業運営状況に関する調査電波行政に関する調査の二件については来る十六日に開かれます臨時国会に何分の報告を議長に提出せねばならんことになつております。調査現状からいたしまして、提出は調査未了の報告をいたしたいと存じますが、如何でございましようか。なお報告書の作成手続は従来通り委員長に一任させて頂きたいと思いますが……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 村尾重雄

    理事村尾重雄君) 御異議ないと認めます。報告書提出に御賛成の方の御署名をお願いいたします。  多数意見者署名    大島 定吉   水橋 藤作    平林 太一   山田 節男    村尾 重雄
  21. 村尾重雄

    理事村尾重雄君) それでは本日はこの程度にて散会いたします。    午後零時二十一分散会  出席者は左の通り。    理事            村尾 重雄君            新谷寅三郎君    委員            大島 定吉君            山田 節男君            平林 太一君            尾崎 行輝君            水橋 藤作君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 榮一君   説明員    電波監理委員会    委員長     富安 謙次君    電波監理長官  長谷 愼一君    電気通信事務次    官       靱   勉君