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政府委員(小笠公韶君) 昨年の十一月に見返資金が月三億ということになりまして、これと並行いたしまして従来の融資
条件を変更して行こうということで交渉を始めたのであります。ところが融資
条件の変更が御
承知の
通り二月の三十日頃まで実はかかつた。その前に一応できるだけこの見返資金を消化し得る
措置として無尽会社、
信用協同組合も扱い得る
ように従来の銀行一本の
制度を開いたわけであります。同時に事業協同組合に対して転貸資金を認める。このことは従来事業協同組合に組合員一件三百万円ずつを流す
ような途を実は開いたのであります。こういう
ような
状況でありまして、先月の二十日でありますか、丁度司令部から
条件の緩和が実は来たのであります。その後各方面に見返資金の周知方に努力いたしておるのであります。なお十一、二億というものが三月末日に持越されそうな形勢にあります。これが動かない原因はどこにあるかということでありますが、見返資金は今五割五割の協調率でも、七割三割でもいいという選択制に実はな
つております。従来五割五割であつたのでありますが、五割五割の場合に問題になりましたのは、この金融
機関の持つ五割の手持資金の不足という問題が先ずこれがはけにくく
なつた一つの
理由だと思います。七、三になりますれば、その点幾分楽にな
つて来ると実は
考えておりますが、その手持資金の問題が第一点であります。それから五割々々或いは七、三のいずれにいたしましても、そういうふうにいたしましても
政府の資金を
運用するに当りまして、一つの問題は、実際問題といたしまして五年以内の長期に相成りまするので、担保を取るということは、
政府資金に対してはしつかりした担保を取るということが行われておるのでありますが、中小企業の現状から見ますると、これに適当な担保が比較的少いという問題が、これは実際問題として一つの隘路にな
つて来ておるというふうに
考えております。それからもう一つの問題と申しますか原因は、先ほど来
お話の
ような景気の変動によりましてり
設備資金よりもこの金は成るべく長期運転資金に使いたいという希望が非常に強くな
つて参
つております。ところがこれは
設備に
限つておるので、従いまして比較的消化する意欲が少いというふうなことにな
つておるわけであります。大体以上申上げました
ような三点、手持資金の問題、銀行の手持資金の問題、それから担保の問題、それから第三点の
設備よりも長期運転資金の需要というものが消化を遅らせている
状況であります。第四点といたしまして、中小企業金融とは言いながら、先ほど政務次官から
お話の
通りに、資本金五百万円若しくは従業員三百人以下というのは小さ過ぎる、利用範囲が比較的狭過ぎる、こういう問題であります。この利用範囲が狭い、例えば、西田委員がおられませんが、炭鉱の
ような場合に非常な希望があるのですが、この限度で抑えられるというのが一つ、これは先ほど政務次官から
お話の
ような方向で努めておるわけであります。更にもう一点問題になりますのは、この見返資金は、会社若しくはこれに準ずる法人ということにな
つておりますから、個人企業は余り認めない、こういうことでしておるわけであります。この
制度論として個人企業をも経理さえ、採算さえはつきりすれば認めてもらいたいという問題が一つあります。このことは先ほどの特殊な限度を上げる問題と並行して、個人の問題は或る
程度司令部と話が最近実はついておるのであります。そんな事情で消化がしにくいといいますか、原因にな
つておる。一方需要がありながらこなして行けない。それで私
どもはこの個人の問題につきましては、今政務次官から
お話の
ように、特定の事業に対する限度の引上げ、これも実はこういう線で、例えば地下産業の
ような、石炭産業の
ようなものは、資本金と言わずに、月産四、五千トンくらいのいわゆる出炭量を出すものは中小だ。それには一千万円見当を融資するというふうにできるだけ大ざつぱな線に持
つて行つたほうが資金消化が楽じやないかという
ような話で持
つて行
つておるのであります。大体以上の
ようなことが事務的に見まして、原因じやないかと思います。