○
政府委員(
黄田多喜夫君) 大体三段に分けてお話を申上げます。第一が
輸出入一般の
状況、それからその次が
重要物資別にそれがどういうふうに
なつておるかという問題、それから最後に
輸入促進の
措置としてどういうことを
考えているかという大体その三段階に分けましてお話申上げます。
大ざつぱに申しまして
昭和二十五年暦年の
輸入は
上半期には大体
月平均八千万
ドルくらい持続して参
つたのであります。それは
輸入の
状況であります。それから七十月、これはいわゆるスキヤツプの
商業勘定による
輸入が減少いたしましたこと。それから
上半期における民間の
輸入の不振、この
理由は又あとで申上げますけれども、そういうことが崇りまして、月間おおむね六千万
ドルという
平均数字に転落いたして参りました。
数字といたしましては十月くらいまでしかはつきりした
数字は出ておりませんので、七—十月というふうに申上げたのでございますが、十一月、十二月の公式な
数字はございませんけれども、大体我々が研究して得ました
数字によりますと、十一、十二の両月には約月に八千万
ドル以上に
なつていはしないかと
考えるのであります。それから今年になりまして一月、二月、三月というものは十—十二月における
輸入公表の額の増大ということに伴いまして、一、二、三の三カ月におきましては約
月平均一億
ドルくらいも入るのではないかというふうに
考えております。従いまして
昭和二十五年一年の
輸入実績というものは
只今ここで明確に申上げるわけに参りませんけれども、大体九億
ドル乃至十億
ドルというふうに推定いたしておりますし、これを更に暦年でなしに
会計年度で申しますとその
数字が更に上昇いたしまして、十億
ドル乃至十一億
ドルくらいに達するというふうに予測いたしております。昨年の
輸入が九億四千万
ドルという
数字が出ておりますので、今年の
輸入はこれを若干上廻るという程度で落着くのじやないかと
考えております。
それから次は
輸出の現状と
見通しを申上げますと、
昭和二十五年度の
輸出は一四月の間は毎
月平均四、五千万
ドル、それから五、六両月が六万
ドル、七月以降は大体七千万
ドル台に上昇しております。それから
朝鮮事変の勃発後下半期からの
輸出は非常な上昇を示しまして
輸出認証統計によりますと、大体
年間七億八千万
ドルの
実績というものを示しております。これを
商品別に見ますと依然として纎維がトップを切
つておるのでありまして、四三・二%、金額にいたしまして三億三千八百万
ドルで第一位、第二が鉄鋼の九千四百万
ドルで一二・一%、以下
非鉄金属、機械、
農水産物、雑貨、
化学品、石炭という順に
なつておりますし、又これを
地域別に見ますと、
ドル地域が三億四千三百万
ドルで第一位それから
スターリング地域が二億二千三百万
ドル、
オープンアカウント地域が二億一千五百万
ドルという形態をと
つております。
次に
重要物資別の
輸入の概況を申上げますと、食糧、肥料、
纎維原料、それから
ゴム、
皮革、塩、
鉄鋼原料、
ボーキサイト並びに原油と、大体これらの
重要品目に対しまして御
説明を申上げますと、食糧は二十五年度の
輸入実績は米が六十七万トン、小麦が百六十万トン、
大麦二十七万トンと
なつておりまして、
主食の合計が二百五十四万トン、この
数字は前年の
実績に比しまして二十三万トンの減に
なつております。その
理由といたしましては、大体御
承知の最近の
船腹の
不足、例えばイラクの
大麦が七万トン
輸入が不可能にな
つたのでありますけれども、これは
船腹の
不足が原因しております。それからパキスタンにおきまして非常な洪水、大雨が降
つたということ、それから
スターリングが足りなくなりまして、これの手当ができなくて、十分間に合うように
スターリングの手当ができませんでしたために
スターリング地域からの
主食の手配がうまく行かなか
つたということ。それから
貿易方式の
立てかたによりまして
ドルを使うということをまあ出し憎んだというふうなこともあ
つたのでありますけれども、これらの
理由のために
主食の
輸入は前年の
実績に比して、先ほども申しましたように二十三万トン減ということに
なつております。
然らば今後これをどうするのかと申しますと
カナダ、
アメリカ等から
大麦、小麦の
買付をやります。それからタイ、ビルマから米を、それから
アメリカの大豆、キューバの砂糖というふうなものの
買付に関しまして、すでに一部のものに関しましては手を打
つておりますし、まだ手を打
つていないものに関しましても極めて近くその手を打てるというような
状況に
なつております。船の問題が一番今ネックに
なつておるのでありますけれども、この問題に関しましては後ほど又改めて触れることにいたします。
それから肥料でありますが、二十五年度の
輸入実績は
燐鉱石が百万トン、これは前年に比しまして三十万トンの増加であります。それから加里が十三万トン、これは前年に比しまして三万トンの増であります。二十五年度
計画は、大体
計画に比しまして
実績は一割乃至二割上廻るという
状況であります。
それから
纎維原料に関しましては昨日
纎維局長から
説明がありました
通りであります。需要が原綿にいたしまして百六十八万俵これに対しまして供給のほうもそれにちやんと見合うという
数字に
なつておるのであります。内需のほうは一人当りが三
ポンドということも昨日
纎維局長が申上げました
通りであります。
次に
羊毛でありますが、約二十万俵の
購入実績を示しております。前年に比べまして四万俵の増であります。
計画に比しましても僅かに
計画を上廻るという
予定に
なつております。昨年七月以降一
年間に三十七万俵
買付を
予定したのでありますけれども、三月末までにこれを全部完了いたしまして六月末までには四十万俵程度の
買付ができる
見込に
なつております。
レーヨンパルプでありますが
実績は四万一千トンでありまして前年に比し十倍に
なつております。二十五年度の
計画に対しましても三割方上廻るという
見込であります。ただ
レーヨン、スフの
増産計画に基く需要の充足は、国際的に
パルプの
不足している
状況でございますのでこれは困難かと見ております。
それから次に
ゴムでありますが
実績は五万八千トンでありまして、前年に比し一万八千トンの
増産計画は十分達成できる
見込であります。最近御
承知の
通りスターリング地域からも
ゴムを
購入し得るということになりましたので順調に入荷する
見込であります。ただ御
承知のように
ゴムの値段が非常に上りまして、恐らくこれが
羊毛と共に一番値段の
上つた品目じやないかと
考えますけれども、
朝鮮事変勃発前の価格に比べますと四倍の価格を示しております。
それから次は
皮革でございますが昨年に比べまして二倍も入
つております。現在も
アメリカ、それから
インドのほうから
買付をや
つております。ただ
皮革の一番の
供給源であるところの
アルゼンチンが
貿易尻の
関係からまだ
買付をいたしておりません。最近の情報によりますと
アルゼンチンのほうも
日本のほうから相当のものを買い始めるという情報でございますので、そういう
状況になりますれば
アルゼンチンからの皮の
買付も今後
見込があるということに相成る次第であります。それからキツプスキン、カーフスキン、こういうものは
米国で
輸出統制をやりました結果、我が国におきましてもこれの自由なる
輸入ということを制限いたしまして、今まではいわゆる
自動許可品目でございましたけれども、
輸入の割当にするというふうなことをやりましたのでありますけれども、とにかくその結果これらの
皮革類も先ず支障なく入
つておるという
状況でございます。
次は塩でございますが、これが今では一番
輸入が困難と申しますか、うまく行
つていないがために一番困
つておる
品目の
一つであります。
実績は六十四万トンでありまして、前年に比しまして九十三万トンの
激減振りを示しておるのであります。これは一—三月間のクオーターにおきまして十五万トンの
供給不足が予想せられておるのでありまして、目下一番何をおいても
輸入しなければならんという物は塩であります。現在のところいわゆる
自動承認制というものの中のアイテムといたしまして、
スターリング地域とか、
オープンアカウント地域というところから
買付けておるのでありますけれども、それでも十分
買付け得ないという
状況でありまして、どうしてもこれは
ドル地域から買わなければいけないというので、
ドル地域からの塩の
購入ということを考慮いたしまして、極めて最近のうちに
ドル地域からの
購入もでき得るようにいたしたいと
考えております。これは船舶の
不足から運賃の高騰という二つの惡い要素に最も影響される品物でありますだけに、これの
買付というものには相当の努力を要するものと
考えております。
それから次は
鉄鋼原料でございますが、
米国からの
購入ということに関しまして随分長い間骨を
折つたのでありますが、最近に至りまして漸く
ドル地域からの
自動許可制による
購入ということの発表をいたすことに成功いたしまして、
只今ドル地域から
購入中であります。
鉄鉱石は二十五年度の
実績が百四十三万トンで前年に比しまして十六万トンの減、安本の
計画に比しまして約七〇%の達成ということに
なつております。二十六年度におきましては三百九十五万トンを
輸入する
予定に
なつております。フイリツピンから百万トン、マレーから百万トン、
米国から百四十万トン、その他は
インドのゴアそれからエジプトというふうな所から
輸入しようという
計画を立てております。
強粘結炭につきましては
実績が七十五万トンに
なつております。前年に比し殆んど半減いたしておかます。二十六年度の
輸入予定量は二百三十五万トンでありまして、そのうち二百二十五万トンを
米国炭でカバーして残余を
インド炭に仰ごうという
計画を立てております。これらの二
品目は最近に至りましてやつと
自動許可制に挿入することに成功したと申しますか、
自動許可制にいたしました
品目でありますために、これらの
輸入は今後に
実績を見なければならないという
状況に
なつておりまする
品目であります。それから次は
ボーキサイトでございまするが
実績は十三万トンでありまして、前年に比して一万トンの増ということに
なつております。
それから次の原油はおおむね順調に行
つておりまして、二十五年度の
実績は二百五十万トン、前年に比し百四十万トンの増加ということに
なつております。
さて概略は以上申上げた
通りでございますが、最近
国際情勢の激変に伴いまして
輸入を
促進すべきである、或いは備蓄をやるべきであるというふうな声が膨湃として起
つて来たわけなんでありますが、概略いたしまして二十四年が約九億四百万
ドル、二十五年も大体それと同額或いは少し上廻るだけだという
状況でございまするのに対し、
輸入のほうは二十四年度が五億幾らでありますが、二十五年度はお手許に配付してございます資料によりますと七億八千万約八億ということに
なつておりまして、
輸出の躍進に比べて
輸入のほうは依然として遅々としてしか進んでいないということは、概括として言えるのであります。然らば
輸入を
促進する途はどういうふうな途をとるかということでございますが、お配りいたしました資料の一番上に附いております
輸入促進措置というのがございますが、大体我々が
考えております
輸入促進措置というものはこのライン、即ち第一は
外貨予算の
編成及び
運用の
改善であります。これは
外貨予算というものは去年の初頭から
外貨予算を組んで物資の
輸入をやるという方式をや
つたのでございますが、四期別に
予算を組みますのでありますが、一—三におきましては
予算が一億二千三百万、それのうち
公表いたしましたものが七千三百万、更に
公表いたしまして
輸入を
承認いたしました額は僅かに六千五百万
ドルという
状況に終
つているのであります。それから四—六におきましては
予算が一億七千三百万
ドル、
公表いたしました額は一億六千万
ドル、
輸入承認額は一億三千万
ドル。七—九の
予算におきましては、七—九からぼつぼつ
輸入を急がなければならんと申しますか、或いは今までのやり
かたにおいては折角
予算を組んでもそれの
公表額なり、或いは
承認額というものは非常に少なか
つたのであります。それでは将来困るということの
考えが七—九の
予算から
考え始められまして、七—九からは
予算も多くし
公表も多くしてやろうという
考えかたでやりました
最初でございますが、その結果
予算は実に四億四百万
ドル組んだのであります。そのうち
公表いたしましたのが三億九千九百万
ドル。それから
輸入承認額が三億四千六百万
ドルというふうに
なつております。なお別に七—九の
期間から
長期予算というものを組みました。その額が一億二千二百万
ドルというふうに
なつております。
只今申上げましたことでおわかりのごとく一—三、四—六においては
最初予算額も非常に少か
つたのであります。
公表額は更にその何%かになる、
輸入承認額に
至つては更に小さいという
状況であ
つたのでございますけれども、七—九からは
予算額も
公表額も
輸入承認額も非常に飛躍的に増大しておる、こういうことがいえるのであります。それで
輸入の
承認をいたしますとその
承認の
有効期間というものは六カ月間でございますので、七—九ぐらいの
予算に基いて
輸入の
許可をしたものというものがやつと年末ぐらいに
なつて入
つて来つあるという
状況に
なつております。最近の
輸入の数量が相当多く
なつておるというのは、即ち七—九以後の我々の打
つた手がやつと効果を現わし始めておるということに相成るのであります。七—九の次の十—十二におきましては
予算を実に五億二千六百万
ドル組みまして、
公表額が四億六千七百万
ドル。それから
輸入承認額は十二月末の現在で三億八千万
ドル。これはまだ
申込期限が
只今は続いておりますので、これがどのくらいになるかという最終の
数字はまだ出ておりません。
以上通算いたしまして、昨年におきましては十二億二千六百万
ドルの
予算を組み、十億九千九百万
ドル公表をいたしましてそのうち
承認されましたものが九億三千万
ドルということに相成
つております。それから今年の一月三月におきましては更に
予算が殖えまして五億九千三百万
ドルの
予算を組みまして、殆んど全額を
公表する
予定にいたしております。こういうことによりまして
輸入の
促進をする一番大きな手を打
つておるつもりなのであります。これが
輸入促進の
手段といたしましては何といたしましても第一段に挙げらるべき
手段だろうと
考えます。
更に
外貨予算の
編成に伴いまして、それの
運用によ
つて輸入の
促進を図るという
手段といたしまして
自動承認制の拡大ということがございます。つまりこれは少し技術的な言葉になりますので御
説明申上げたほうがいいかと思うのでありますけれども、七月から
輸入促進の
手段として
自動承認制というものを布いたのであります。
つまり一定の
外貨を保有いたしましてそうして
一定の
品目をきめまして、これらの
品目をこれらの
地域から入れたいと思う人は誰でも好きなだけ入れなさい、金のある限り
許可をいたしますという
制度なんであります。その
一定の取
つて置きました金がなく
なつた場合には、それはもう全部蓋を閉めるのですが、金のある限りは
一定の
地域から
一定の
品目に関しまして物を入れるという人人には
外貨の割当とか何とかいうことをやらないで、誰でも幾らでも入れなさいという
制度が
自動承認制度というものなんであります。これを七月から初めまして、七—九月の
期間におきましては
最初四十入
品目というものをそれに入れたのでありますが、それをだんだん殖やしまして七—九の最後におきましてはそれを六十五
品目に殖やした、更に十—十二に至りましてはその
品目を実に百二十六に殖やしたのであります。それから今年の一—三月の
予算におきましては百六十一
品目がこの
自動承認制の
品目に載
つておりまして、当初に比べますると三倍以上の
品目の増加が見られておるということになみのであります。尤も
自動承認制は非常にいい
制度なのではありますけれども、何しろ
外貨の構うの制約がございますために、或いはしばしばこれを閉じなければならないという問題が起きておるのでありまして、まあこれは十分な
外貨が出ない限りどうしてもそういうことは止むを得ないことだろうと
考えられるのであります。
それからその次に
外貨の
運用によ
つて輸入を
促進する
手段といたしましては、
長期契約予算というものを七—九月の
期間から
考えましてこれを実施いたしております。つまり或る
品目によりましては
スポツト買だけではどうしても買い切れない、
長期契約をするにあらざれば
原材料の
確保が不可能であるというものであります。つまり
パルプとか
ボーキサイトとか、或いは塩とかそういうものがこのカテゴリーに入るのでありますが、そういうものに関しましては
長期契約の
予算というものを組もうということにいたしまして、七—九月におきましては先ほど申し費したように一億二千二百万
ドルの
予算を組んだのであります。それ以後ずつと
長期契約という構想を爾来続けてや
つておるのであります。これによ
つても
輸入促進と或いは
輸入原材料の
確保ということをなし得る
一つの手だてであるというふうに
考えておるのであります。
更にその次には
ドル地域からの
買付の増大ということは、これが今では一番大きな問題に
なつておるかと
考えるのでありますが、当初
ドルが非常に
不足いたしまして、それに各国とも
ドルの蓄積ということには力をいたしたのであります。先ほど申上げました本年当初の
外貨予算の
組みかたが少か
つたり、或いは
公表額が少い、
輸入承認額が少いというのも、成るべく
ドルの節約をしようということも
一つの原因に
なつていたのでありまして、更に
輸入が思うようなものが買えないということの
理由には、成るべく
オープン・
アカウントから買おう、或いは
スターリングのほうから買おう、
ドル地域のほうからの
購入は成るべく差控えようという
考えかたがあ
つたのであります。つまり今
日本が
貿易をしております相手は大体三つの分類になし得るのでありまして、
一つは
オープン・
アカウント、
清算勘定の国と言
つておりますけれども、
ドルを佛わずにお互いに
勘定尻だけで商売をや
つて行こうというのがそれであります。第二が
スターリング地域であります。これは
英本国、濠洲、南ア、ニユージランド、
インドというような所でありますけれどもそういう
地域、それからその他
アメリカ、
カナダ、メキシコ、キユーバというような所が大体
ドル地域ということにた
つているのでありますけれども、この当初におきましては
オープン、
アカウント地域と
スターリング地域と、こういう所からは物を買うけれども、
ドルを使わなければ物が買えないという所からは成るべく買い控えようというような
考えをしたのであります。その結果
ドル地域からの
買付は一—三月におきましては大体
予算総額の三〇%、それから四—六におきましては二〇%、それから七—九におきましては三六%、十—十二月におきましては三九%というものしか
ドル地域からは買わなか
つたというふうな
関係に
なつているのであります。ところが最近に至りまして
売手市場に
なつて来た
関係から、
ドルを佛
つてくれるならば必要なものをやるけれども、そうでなければもう売らんということに変
つて来たのであります。従いまして
最初の方針でありました
ドルの節約、
ドル地域からの
買控えということは一擲いたしまして、
ドル地域のほうから
ドルをどんどん拂
つて買うのだということに
方向転換をしなければ買えないということに
なつて来たのであります。従いましてそういう要請に応ずるような手を打とうというのが最近の我々の
考えかたなんでありまして、一—三月の
予算におきましては
ドル地域からの
買付約五三%という、
予算総額の五三%というものを
予定いたしているのであります。
更にその次の
外貨の
予算の
運用に上りますところの
輸入促進措置といたしましては、
スワツプ、
ポンドの
現物買の、
ドルの
先物売ですね、つまりそういうことでありますね、
スターリング地域と協定があるのでありますけれども、そうして大体
只今のところ片道が
年間九千三百万
ポンドの物を
買つて九千三百万
ポンドの物を売ろうというような協定に
なつているのであります。
日本のほうは
ポンド地域からの
買付が時期的に集中するのであります。例えば
羊毛がそうであります。
羊毛も年の
暮あたりまでに買わなければどうも買えないというふうなものでありますし、綿花もそうであります。そこで
年間をずつと平均して見れば、総額は平均するのであるけれども、時期的に
日本側のほうには
ポンド資金が
不足するという問題が常に起るのであります。そこでその
ポンド資金の
不足を補うために
ポンドを買いまして、一時的に
ドルを売
つてポンドを買いまして、その逆の操作を将来やるという方式なのであります。これを常にやらなければいけないというので、この問題は相当まあこの
ドルの尊重という思想からいたしますれば、これの実施に相当時間がかか
つたのでありますけれども、結局スワップでやるということになりまして、一部すでにやりましたし、又三月末くらいに至りまして
ポンドが足らないというふうなことになりますれば、そのときには更に又
スワツプをやるということにいたしておます。
それから
外銀による
ユーザンスの問題でありますが、これも利率の
関係等におきまして
相当交渉に手間が取れたのでありまするけれども、円満に交渉が成立いたしまして、一月二十三日以降
外銀による
ユーザンスというものも実施されておる。
それから更に
外貨予算の
編成及びその
運用の
改善による
輸入促進措置といたしましては、
オープン・
アカウント協定の
運用の
改善の問題、それから
許可制度の
運用の緩和、つまり仕入
地域を変更するとか、或いは
標準外決済をやるとか、或いは
輸入限度の超過で為るとかいうふうな問題がありまして、これらの規則を何といいますか、
輸入促進に重きを置いて、それのラインによ
つてこれらの
許可、不
許可を決定するという方向にも
つて行こうという問題でございます。その問題と、或いは
輸入担保の軽減の問題という問題が
考えられる。これらにつきましては全部
輸入促進の線に沿うという方法で以
つて処理しております。
それから
輸入促進の
措置に関連いたしまして、
只今まで申上げましたことは
外貨予算の
編成と、それの
運用の
改善による
促進措置であ
つたのでありますけれども、そのほかには
輸入金融の
円滑化の問題、それから
船腹の
確保の問題、これが
只今のところ一番大きな、且つ重要な問題と
なつておるのでありまして、その問題、それから場合によりましては今まで
政府輸入というものをなるべく少くして、
民間貿易に移そうということを主眼といたしまして、その線に
則つてや
つて来たのでありますけれども、品物によりましては
国際情勢の変化と共に、
民間貿易ではできないもの、或いは政府でや
つたほうが有利なものというものが
考え得るのであります。これらの
品目なり、或いは政府がや
つたほうが有利な場合というふうな場合には、或いは
政府輸入という形式をもう一遍とることが望ましくないかどうかという問題があるのでありますが、これらに関しましては振興局長もお見えのようですから、振興局長にお願いいたします。