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1950-12-12 第10回国会 参議院 通商産業委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十二月十二日(火曜日)    午後二時一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○通商及び産業一般に関する調査の件  (一般鉱業政策に関する件)   —————————————
  2. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) 只今から委員会を開会いたします。先国会において鉱業法、その他の鉱業又はそれに関連する法制的なものを十分に検討いたしましたので、本日はそれと表裏一体をなす鉱業政策全般について研究いたしたいと存じます。  議事の内容は、お手許に配付いたしました項目を中心に問題を取上げて参りたいと思います。なおお手許に配付いたしました項目は、相互に関連しておりますので、順次政府側説明を聴取して、そのあとに御質疑を願いたいと存じますが、御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) 御異議がなければ、さよう取計らいいたします。 先ず鉱業全般需給状況について通産省から御説明を願います。御出席政府委員の御都合で、そのうち石炭かち御説明を願いたいと存じます。
  4. 五神辰雄

    説明員(五神辰雄君) 私、資源庁炭政局炭政課長をいたしております五神でございます。局長が罷り出るはずでありましたがちよつと遅れておりますので、私から代つて説明を申上げます。  鉱物全般の問題につきましては、鉱山局長から御説明があるはずでありますので、石炭について私から御説明を申上げたいと思います。  最近におきます石炭需給状況は、夏場におきまして需要の減退を反映いたしまして、相当貯炭が増大したのでありまするが、八月に入りましてから逐次減少に転じまして、現在ではおおむね順調に推移しておるものと考えております。下期におきましては、例年の冬場の需要増大ということも考えられますので、それに加えて朝鮮の今次事変影響、或いは輸出産業部門の活況ということを考えますると、相当需要増大するものと考えております。従いまして本年度におきます年間石炭需要は三千八百万トン乃至三千九百万トンの程度に達するものと推察をいたしております。これに対しまして、国内石炭全般生産は約四千万トン大体参るものと私共は考えております。  次に石炭輸入状況でありますが、量的に見ますると、本年度上半期におきましては国内生産の僅か二・二%程度、昨年度におきましては約三%程度であつたのでありまするが、本年度は上期におきましては、二%強ということでありますが、質的に申しますと、良質な原料炭或いは特殊無煙炭輸入炭のすべてを占めております関係上、その荷渡し先も現在のところ鉄鉱、ガス、コークス部門に限られておるわけであります。従いまして我が国における石炭資源の量的な優位性を物語る平面におきまして、良質な一部特殊炭賦存に恵まれないという致命的な弱点を示すものでありまして、最近特に鉄鋼増産影響に伴いまして、鉄鋼方面からの需要増大に伴いまして、強粘液輸入促進が大きな問題となつておることは御承知の通りでありまするが、鉄鋼部面におきまする本年度出銑計画を百九十三万トン程度といたしました場合におきまして、北松渡使用見込を三十六万トンということに考えました場合におきましては、強粘結炭輸入所要量は百五万トン程度輸入しなければならないと考えられるのでありますが、四月から本年の十月までの間におきまして輸入実績は約五十万トン程度に過ぎないのであります。資源庁といたしましては、輸入促進によつて北松炭その他の国内の強粘結炭生産が圧迫されるということは是非避けねばならんと考えております。慎重にこの点は配意することにいたしまして、賦存状況調査開発促進、更に又生産合理化というようなことにつきまして、でき得る限りの努力をいたしておるのであります。特に最近の情勢によりまして、開らん炭輸入困難性ということが出て参りますると、米炭に依存しなければならないということが考えられますので、この点につきましては、でき得る限り国内石炭鉱業を圧迫しない範囲におきまして、而も鉄鋼生産に支障のないように調整して参りたいと、こう考えております。  以上でございます。
  5. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) 次に政府説明員の御出席の御都合によりまして、石炭鉱業関連産業の未拂問題につきまして、経理課長から御説明願います。
  6. 島清

    島清君 その前にちよつと遅れて参りましたので御説明に相成つたかと思いますが、今鉄鋼政策を御説明なつたわけですね。
  7. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) 石炭です。
  8. 島清

    島清君 石炭ですかそうですか、それじやよろしうございます。
  9. 金谷榮治郎

    説明員金谷榮治郎君) 私、資源庁炭政局経理関係の仕事を担当しております金谷であります。  只今石炭鉱業関連産業への未拂金の問題について説明するようにということでございました。大体先程炭政課長から全般的に御説明申上げました諸点の中に、一環といたしまして触れておつたのでありますが、最近におきます石炭鉱業の未拂金数字は、お手許に差上げております最後の頁にございまするが、ひと頃統制撤廃以来、非常にその繋ぎにおきまする金融状況が必ずしも良好でなかつたために、各関連産業に対しまして未拂金が累増いたしまして事態を憂慮されたのでありますが、昨年末におきまして未拂金について政府紐つき融資を行いまして、その後におきましては大体炭鉱の未拂金の増勢も頭打の状況を呈しております。その点も皆さんに差上げてあります表によつて御覧下さればわかるのでありますが、従いまして昨年度におきまするような関連産業からの強い声というのは幾分低まつているように考えておるのであります。この事業といたしましては特需並びに輸出増進余慶を受けまして、炭鉱の未拂金の残高が停滞しておりまするにもかかわらず、関連産業炭鉱以外の産業からの受取分によつて当面の推移ができ得る状態にあるというふうに考えているのでありますが、併しながらこの点につきましては炭鉱側から見ますると、ほかの特需余慶を受けておりまするその受け方の大きい業態と比べまして、何と申しますか売手市場的な傾向がほの見えて参りまして、尤も只今といたしまして私どもの心配しております問題は坑木でございますが、その坑木只今非常に殷盛を極めておるやに見られますパルプ工業との競合関係でありまして、従来の資材代の未拂金が一方においては停滞しつつあるものとはいいながら、まだ減少というところまでは行つておらんという問題と、一つには価格等の問題もございましてパルプ工業等に非常に押されている。従いまして石炭生産の最も重要なモメントであります坑木の手当が非常な困難に陥つているというような状態にございますので、坑木の問題を主といたしまして、関連産業への未拂金の問題につきまして実情を調査いたしまして、この対策只今検討中ということでございます。できますれば年末金融の問題の一環といたしまして、この問題を取上げまして関係方面に折衝いたしまして問題の解決に努力したいと、かように考えております。
  10. 西田隆男

    西田隆男君 炭政局長経理局長にお尋ねしたいのですが。
  11. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) 先程も申上げましたが、如何でしよう、先方の御説明伺つてから御質問願つたら。
  12. 西田隆男

    西田隆男君 そうすると皆さんにいつまでも残つてもらわなければならんことになりますがいいですか。
  13. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) 差支えないそうです。それでは鉱山局長見えましたので、鉱物全般需給状況について通産省鉱山局長から御説明願います。
  14. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) それでは終りの方の一部まだ足らんかも知れませんが、お手許にお配りしてあります分によりまして、第一の鉱産物全般需給状況、主な物資につきまして銅地金からアルミまで御説明申上げます。 銅地金につきましてはここにございますように、昨年価格差補給金撤廃がありました頃、国内状況というのは、国産の半分ぐらいが、国内に消費されまして、半分ぐらいは滞貨になつているので実は非常に困つてつたのであります。司令部に懇請しまして溜つておる分は輸出さしてもらいたいということで、やつとそれが認められまして滞貨も一掃してほつといたしておつたのであります。その後朝鮮事変以来又状況は急激に変つて参りまして極く最近の状況を申上げるならば事実上輸出をストップしております。これは法令的措置によりませんので、業界の自主的な輸出の註文を引受けないという方法で争つて頂いておるわけであります。それによりまして目先のところは国内供給力需要度がほぼとんとんである。若干余つておるというような状況にあるわけです。ただ将来の問題を考えて見ますと、極く最近の状況というものは朝鮮事変影響を非常に大きく受けたわけでありまして、この状況がどこまで続くかという問題はあるわけでございますが、いずれにしましても国内で要るものが出ないような状況では日本としては好ましい状況でありません。国内で消化されることを希望いたしておるわけでありますが、全体の今の生産が大雑把に申しまして年産約八万トンの生産があるわけであります。八万トンぐらいはすべて国内で消化できることを期待いたしておるわけであります。ただ現在の八万トンの生産を内容的に検討して参りますと、国内鉱石による生産が約その半量で、残りの半量スクラップの処理ということに依存しておるわけでございまして、このスクラップあと半年ぐらいはまだ十分続くぐらいのストックもあるわけでございますが、来年度全体を見通して見ました場合に、本年度と同じ程度にあるということは考えられんという推算も立ちますので、そのために国内供給力が落ちましても大変なことになるということに相成りまするので、実はこの二、三カ月来から各精錬各社と密接な連絡をとりながら、精錬各社において海外市況調査を、鉱石輸入促進につきましていろいろと努力いたしてもらつておるわけであります。大体目標としてここにございます年間二万トン分の鉱石確保したということで、海外市況調査を今やつてもらつており、引合もやつてもらつており、場合によりまして調査団を、南米になろうかと思いますが派遣してもらいまして、外国の山のはつきりした見通しをつけると同時に、向うの山の状況に応じた適正なきめかたをするようにいたしてもらいたいというふうに期待をいたしておる状態であります。  その次の鉛でございますが、鉛も同じく昨年のドツジ政策以来需要が急激に減少いたしまして、極く数カ月前までは国内に出ます鉛、僅か千トン見当のものが消化できないというような状況にあつたわけでありますが、これも同じく朝鮮事変影響によりまして、急激に需要が最近になつて増加いたして参つております。ただ目先需要関係で申しますると、ストック相当の量があるわけでありまして、ことに書いてあります極く最近としまして、一昨年ここにございます一万五千五百トン、これはその後幾らか外国に出しましたので只今約一万トンか一万一千トンぐらいだと思いますが、ストックがまだ残つておるわけであります。それによりまして国内生産が千二百トン、それに対して月々極く最近の状況は三千トンぐらいに需要が上つて来ております。従いまして二千トン足らずのものをストックを食い潰さなければならない状況に相成つておりますが、目下のところこのストックによりまして今年度はやりくりできる。又来年度の初め二三カ月くらいは何とかなるのではなかろうかというような状況に相成つておるわけであります。  それから亜鉛につきましては、月々の生産は逐時殖えて参つておりますが、四千二百トンぐらいの生産に対しまして一番大きな需要口であります亜鉛鉄板輸出関係需要がございますので、四百トン程度不足ということに相成つておるわけでございます。それで只今極く僅かの数量でございますが、この輸入につきましてここにございます千トン見当輸入を計画いたしまして、今年の需要状況はそれで行けるのじやないかというふうになつておるわけであります。明年度を見通しましても輸出が非常に順調に出たといたしまして一万トンぐらい亜鉛不足することになるのではなかろうかという見当をつけておるわけであります。これはストックはございませんが、不足量も僅少でございますし、輸入の手配によりまして何とかなるのではなかろうか。なお鉱石輸入につきましても銅ほどまだ計画しておりませんが、若干の輸入引合をやつておるわけでございます。  錫につきましては国内生産は非常に微々たるものでございまして月々四十トンぐらいでございます。これに対しまして需要が約月二百五十トン、従いまして大平は輸入に依存せざるを得ないという状況でございますが、これも同じく過去のストックというものが三千トンほどございまして、このストックの放出によりまして明年度一ぱいぐらいは今くらいの需要状況が続きます限り、不足はないというような状況に相成つておるわけであります。  それからニッケルにつきましては状況が著しく悪いのでございまして、大体年間消費量といたしまして低く抑えまして、約手五百トンに私どもは見ているわけでありますが、これは国産品は全然ございませんし、完全に輸入せざるを得ないわけでございますが世界的にニッケル軍需品でありますると同時に、供給一つに独占されているわけでありまして、これは普通の外の亜鉛やその他のような工合にこちらから仮に注文いたしましても、簡単に手に入らない状況にあるわけであります。かたがた朝鮮事変以来アメリカにおける統制て真つ先に手をつけられたというような状況に相成つておりまして、これの確保につきましては、只今のところ日本総体事情がそう大きなものでございませんので、日本ニッケル重要性というものを詳細に関係方面に訴えまして、そのほうからの工作によりまして日本最少限度必要量確保して貰うというより仕方ないわけであります。別途今月の初めに通産省通商監以下三、四名のものが主としてアメリカに、日本としての重要な必要物資確保のためにアメリカに懇請に参つているわけであります。その際ニッケル確保ということは大きな使命の一つにいたしている次第であります。従いましてさような状況から何らか入るといたしましても、十分の数量というものは確保できない状況にありますので、ニッケルにつきましては万やむを得ない措置といたしまして国内消費量を極度に制限する、いわゆる戦時中にありましたように不急不要の用途に対する消費制限或いは割当にありましても、用途を厳密に検討して緊要な用途のものだけに限定して割当するという措置を取らざるを得ないわけであります。只今又他方過去における在庫調整との関係もございまして、ストック調整等も一両日の間に省令が出るように相成つているのであります。外の金属アルミ等は、ニッケルほど統制をいたしていないわけでありますが、ニッケル只今統制が残つておりますが、国際的な環境でやむを得ざる措置として統制を強化せざるを得ない状況に相成つているわけであります。  アルミニウムにつきましても、これも非常に状況の変化が激しいのでございまして、昨年の今頃は滞貨生産者在庫というものが非常に累積をいたしまして、我々は常に苦慮いたしまして、消費者方面に幾らか無理に買つて貰つて昨年の暮を凌ぐというようなこともやつておつた状況でございましたが、その後も国内消費活撥に相成りませんで、この五月、六月頃までに何とかして輸出をしたいということでこちらの方から積極的に売のモーシヨンをかけてやつてつたのでありますが、それがやつと成功いたしまして、輸出いたした途端に朝鮮事変になり、爾来国内需要活撥になりまして、今では銅ほどのところまでは至つておりませんが、国内消費部門生産とほぼ同様なところまで上昇して参りまして、輸出の余力が殆んどないというような状況になつてつているわけであります。アルミは御承知のように軍需物資としての典型的なものでもございますが、従いまして外国からはアルミを何とか増産してくれというような、いろいろな注文も最近では殺到しておるような状況でございますが、何分にも非常に莫大な電力を使います関係、それから設備増強のために莫大な資金も要る、今の需要状況が安定して相当長期間に亘りまして継続するという目算も立ちかねるような状況に相成りますので、今のところ特に格段の増産ということをやらないで、余つた分だけを輸出するというような状況を進めておる次第でございます。  以上が非鉄金属の主な事業関係の現状でございます。従いまして次の表に輸入状況が掲げてございますが、この中には主な、ここに一から六まで挙げましたようなものは、過去の輸入ストックで当座を凌いでおりますような関係もございまして、輸入実績というものは過去のものでございますし、目先としては大した輸入を必要とするものではない、むしろ若干余り気味であるというようなのが現況でございます。ここにありまするのは、鉄鉱石その他も書いてあるわけでございます。鉄鉱石は少し数字が古いかと思いますが、後ほどいずれ鉄鋼局から正確な最近の状況に応じました数字の御説明があると思います。それを御参考に申上げておきます。それから国内生産実績でございますが、これも先ほど簡単に触れましたので申上げません。  それで御質問になつております国内資源開発対策としての合理化対策に、どういうことを考えておるかということでございますが、お説のように通産省として合理化の問題に今後の大きな施策としての重点をおかなければならないという意味で、合理化審議会というものを設けまして、各部門に亘りまして相当詳細な検討を加えておるわけであります。ここに非鉄金属につきまして、只今まで出ておりまする国内合理化対策合理化審議会におきまして立てられました、その結論をかいつまみまして御披露申上げておくわけであります。一つは何と申しましても合理化のための設備更新増強のための見返資金、並びに或いは長期の低利資金供給確保ということが問題になつて参るわけであります。この点につきましては私どもの方の企業局と絶えず連絡しながら来年の一月、三月、明年度前半設備資金増強につきまして検討を重ねつつあるわけであります。まだ総体の枠の関係から十分の結論が出て参つておりません。併しながら大雑把に申しまして、本年度は例えば見返資金につきましては、僅かに金の復興整備関係上二億程度の見返資金が出たのでありまして、明年度はもつと大幅に出してもらえそうな状況になつておるわけでございます。ただ数字が目下検討中でございまして結論まで至つておりません。  それから第二の問題はこの鉱山特殊性に鑑みまして、減価償却促進につきまして特別の工夫を考えたいということでございます。これは極く最近の殊に戰争中を通じまして日本設備が老朽化しておるというような状況から見まして、今税法で定められておりまする減価償却状況が、ひとり鉱山にとどまらず、全産業にもつと償却の期間を短くするという問題が当然に議題と相成るべきものと考えるわけであります。鉱山につきましてはそういう一般論の外になお若干の特殊性があるわけでございまして、これは一応私ども非常にまあ最近になりまして、まだ詳細なデータはわからないのでありますが、この日本においても適用したい問題として研究し、立案したいと考えておるわけでございますが、それはアメリカにおきましても一つの税につきましての特典の制度があるわけでございまして、そのアメリカ制度によりますると、鉱山というものは工場の場合と違つて山の生命である鉱量そのものを年々食い潰して行くという特殊性がございまして、まあいわば毎年々々工場を拡げて行かなければならないというような事情にあるわけでございまして、他の機械工業化学工業でありますれば一度工場を作りますれば、それが十年なり二十年なりそのままで行けるという状況でありますが、鉱山になりますと年々仕事場を変えて行かなければならないという事情があるわけでございます。それを促進する意味におきまして、総売上げの五%、或いは利益金の、これは正確な数字は覚えておりませんが三〇%でございますとか、どちらか多い方の額を課税対象から除外するというふうな制度アメリカ税法の中にあるようであります。これはまあ私ども非常に迂濶であつたのでありますが、もつと早くそういうことを知つておりますれば、今回のシヤウプさんのあれの際に、アメリカもやつておるじやないかということを大いにやつたところでございますが、実はまだ文献によりまして断片的にそういう制度のあることがわかりましたため、詳細なデータがまだわかつておりません。今司令部にも頼みまして、その詳細なデータの資料をお願いしておるわけでございます。そういう状況によりまして自己資金の充実の一助にいたしたいと考えておるわけであります。 第三点は自家用発電所返還の問題でございますが、これは今回の電力再編成に関連しまして問題になりましたテーマの一つであつたわけであります。鉱山化学工場と相並びまして大口のほうで、自家発電日発ができます際に取上げられました大口被害者の一人であるわけでございます。日本鉱業、神岡鉱業、それから別子鉱業、それからアルミ関係といたしましても昭和電工、日新化学、いずれも自家用のために作りました発電所を、自発のできます際に統合されてしまつたというような事情にございますので、この返還に大いにまあ努力をいたしたいと考えておるわけでございます。  それから第四点としましては、これは従来から予算等においてやつておることでございますが、新鉱床の監査及び開発促進ということでございます。従来この探鉱奨励金というような形で新らしい資源追求発見ということにつきまして、政府は何がしかの援助をいたしておつたのであります。本年度から出しておりますが、探鉱奨励金となりますると、若干すでに鉱床としてわかつておる部分についての探鉱は、それに対する経費補助というようなものが若干付きまといますので、むしろ未知の鉱床を発見するということに主眼を注ぐというようなことで、新鉱床探査ということに予算の配分の主眼を置きまして、国民経済全体として資源確定埋蔵量を殖すという方向に力を注ぎたいと考えておるわけであります。差当り明年度予算といたしまして又いずれ国会の御協賛をお願いするように相成るわけでございますが、金属関係といたしまして一億四千万円、それから石油関係といたしまして一億一千万円の新鉱床探査及びその中に極く一部の探鉱奨励金を含んでおりますが、でやりたいと考えておるわけであります。それから技術の向上、設備更新につきましては具体的には只今までのところは政府として直接やつておる助成のごときものはないのでありますが、現実には今までのところとしては各企業におきまして、海外技術の導入などに人を派遣される場合にそのお手伝いをするとか、或いは新らしい機械輸入をなさる場合におきましての資金の獲得につきましてお手伝いするというような方法を講じておるわけでございます。この問題につきましては、通産省全般の問題といたしまして、今後輸入税を免除するその中に特別立法を用意いたしておるわけでありますが、その用意の一環として鉱山につきましても取上げて貰うように努力をいたしておるような次第でございます。  それから六の鉱山道路整備、これもいわゆる公共事業費の中におきましてやつておる事項でございますが、年年努力は続けておりまするけれども、まだ施策としても不十分でございましてやりたい道路は沢山残つておるというような状況でございます。全体の中におきまして極力資源開発相当の金を割いて貰うように関係筋といろいろ連絡いたしておるわけでございます。なお路線の開設関係、或いは鉄道開設も実は運輸省にもお願いし、又国会の決議もありますが、是非そういう事態が実現しまして資源開発促進のための道路のみならず、鉄道開設も進められるようなことを我々としては切望しておるような状況でございます。
  15. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) 次に石炭合理化対策として通産省の中島炭政局長にお聞きしたいと思います。
  16. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 石炭合理化につきましては先般石炭統制撤廃後、石炭の値上りと鉄鋼の原価採算、特にこの関係が問題になりまして、結局日本産業の基礎的なものである鉄鋼並びに石炭の自立体制を築くために、この両産業の両面におきまする合理化をこの際至急に図らなければ資金の動きに対しまして対処することはできない。こういう観点から通産省内にいろいろな合理化審議会ができておりますが、その中の特に重点を置かれましてそれぞれ鉄鋼石炭に関しまして合理化対策が審議されたわけであります。その際に石炭に対しまする合理化の要請としては、これは何と申しましても当時の炭価を三割程度は是非下げなければ鉄鋼の国際価格に対して鉄鋼業の自立ができないという見地から、先ず炭価の切下げということにつきまして、石炭鉱業合理化の最大目標として立てられたのであります。それとどういうふうな施策をするか、又その結果どの程度の出炭が必要であり、又どの程度の原価引下げが可能であるかということは、再三会合いたしまして検討いたしました結果、この合理化審議会の答申といたしましては主要な石炭鉱業に対しまして凡そ三百五十億、更にそれ以外のものもつまり当時審議会の審議の資料の対象となりました主要炭鉱以外のものも含めて、総計四百億以内の設備資金を投入することによりまして、現在の石炭のコストを約八百円ほど下げることができると、こういうふうな結論に達しております。これを基本といたしまして更にその後当時の調査対象以外の炭鉱につきましても種々調査いたしまして、最終的に資源庁といたしまして、石炭合理化のために今後三カ年間に必要とせられる資金というものが四百七十五億ある、こういう算定をいたしております。結局石炭鉱業合理化ということになりますと、その施策の内容といたしましてはこれは殆んど全部が坑内の若返りと機械化によりまして出炭能率を挙げる、これにかかつておりまして、そのためにはやはり相当巨額な固定資金を投入する必要がある、こういうことになるのであります。従つて石炭鉱業合理化の手段といたしまして殆んど資金関係にだけにかかるということに結果においてなつたのでありますが、この四百七十五億の中で各炭鉱がそれぞれ自己資金で以て、乃至自己調達で以て出し得るものが約二百億で、残りの二百八十億ほどがこれが別途のルートから特に合理化資金として投入を要するものである、こういうふうになつておるのであります。二百八十一億のうち差当り当面の年度といたしまして当初二十五年度中に八十六億ほどが要るこういうふうに言つておりましたが、結局その後期間のズレもあり又十五カ月予算というふうなことが問題になりまして、結局来年の一月から再来年の三月までの十五カ月間に対して合理化資金といたしまして百十八億が要る。これは資源庁の算定によりますと、百二十六億という数字が出ておりますが、その後安本等の折衝の結果百十八億ということで最終的な数字が出たのであります。この百十八億の固定資金をどこからひつぱり出すかということにつきましては、当時金額の算定をいたしましたときには、ともかくもこれだけの長期資金が枠として石炭確保できればこれはどういうルートでも差支えないというふうに一応考えておりますが、これのその後の持つて行き方につきましてたまたまドツジ氏の来朝もありましてこれを今明年の見返資金の中から確保するということにつきまして安本、大蔵省をも中心にいたしまして折衝をいたしておりましたが、その結果として御承知の通りにこの程度の金額は到底期待しがたいということが最近わかつたのであります。従つて年度の見返資金から合理化資金として炭鉱は期待し得るものは、やはり今年程度の二十億そこそこではなかろうかというふうなふうに一応見通しを持つておりますが、結局この三カ年の合理化計画を実現するためには残りの百億程度のものをやはりどこからか資金源を探して行かなければなりません。その対象といたしましていわゆる預金部資金のこの金融債引受による資金の操作がありますが、今明年度合せて六百億といわれておりますが、この中からできるだけこの石炭鉱業に対しまして百十八億に近い金額を確保することによりまして合理化を図りたい。合理化の内容といたしましてはこれは坑道の掘鑿もございますし、運搬設備の改良問題もありますし、又特に機械化といたしまして、採炭機械その他の外国機械輸入等による機械化ということも考えております。そういう資金の投下によりまして能率が上つた結果、これは最終年度におきまして十四トンくらいまで上げることになつておりますが、その結果の労働問題ということが直ちに懸念されるわけでありますが、今後三カ年間以降におきまして、この出炭そのものもかなりこれは需要関係からも当然増加すべき態勢にありますし、又一方労務者の自然減耗、こういうことを考えまして、結果においてできるだけ強制的な解雇ということを避けるような方向に持つて行くべきだと思つております。現在におきまして従来まで投下されました見返資金による合理化というものは、これは勿論或る程度まで進んでおりますけれども、従来の契約によります見返資金の投入の効果というものは、鉄鋼業との関連におきまして石炭鉱業から要請されております原価引下げということに対しましては、まだなかなか不十分であります。従つて今後やはりこのような別途のルートから相当巨額の金を注ぎ込んで、できるだけ機械化を図るということが絶対に必要になつているわけであります。資金の投入による合理化と併せまして、いわゆる機械化補助といたしまして、当初国の補助によりまして炭鉱機械化に対しましてその機械化経費の一部を補助する、こういうことによつて更に一層この機械化を促進したい、こういうふうなつもりで予算も請求しておりましたが、これは結局最終的に実施困難な状況になつております。従つて国庫補助による機械化の促進ということは只今のところは我々期待できない状況でありますが、ただ一部カツペ採炭方式の実施ということにつきましては、僅かでありますけれども十カ所ほどに対しまして補助金額が認められております。これは本通常国会におきまして御審議を煩わすことになると思つております。そういうふうな状況でありまして、合理化が昨年の秋以来いろいろ論議されておりましたが、実際の資金の問題に関しまして未だ的確にこれが三カ年に促進できるというふうな態勢に参つておるということが申上げられないのは甚だ遺憾でありますけれども、大体態勢といたしましてそういうふうな状況でありまして、私どもといたしましてはこれは期間のズレがありましようとも、是非ともこれだけの資金確保することによりまして、今後炭価の引下げということにつきましては一層努力をしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  それから次の炭田開発関係でございますが、これは従来も関発関係事業を実施いたしておりまして、これは主としてボーリングとそれから坑道の掘鑿によります探査、この両方を合せまして実際上開発して行く起点をどこに置くか、こういう具体的な問題と近接した調査を数年聞いたしております。その基礎となります資料というものは極めて古くさいものでありまして最近のものは昭和七年に頂戴いたしました炭量調査がございますけれども、これによりまして全体の予想炭量まで加えましたものが百六十億トンというような数字が出ておりますが、この数字自体が現在におきましては極めて陳腐である。従つてここでこれを徹底的に又大規模に、又近代的な方式を以て調査をいたしまして、実際に我々の要求する炭が我が国のどの地方にどのくらいあるかということを本当につかむのでなければ的確なる炭田開発はできない。こういう見地に立ちまして、昨年来炭田の調査の方針につきまして炭田探査審議会において十分に検討を続けておりましたが、大体その調査方式もまとまりまして、来年度から新らしく五カ年の計画を以て国内の炭田の調査をいたそうということになつております。本年の調査は、従来もそうでありましたが、大体こういうふうな炭田の調査と申しますのは、基礎調査のボーリングでなくて、大体帳面乃至は資料による調査を十分しておりますが、今後はそういうふうな調査を主体といたしますことは変りはございませんが、そのやり方につきましては十分合理的な方法をとりまして、且つ又全国的な規模において行う、昭和七年から今日までの間に相当炭田の開発業務も進んでおりますし、従つてそれだけに又地下の状況も資料的には相当わかつておる面もございますので、そういうものを基礎にいたしまして地質調査乃至は実際の炭鉱の坑内の状況と睨み合せた地下の調査、こういうものを併行いたしまして、更に所要地点のボーリングも行いまして、こういうものによりまして五年間に実際に日本でどの程度の埋蔵炭量があるか、更にこれを実際に開発利用し得る数量がどの程度か、又その炭質はどうか、こういうことを調査するつもりであります。これは来年度からの事業でありましてすでにこれにつきまして炭田探査審議会と十分連絡をとりまして、この事業の開始につきまして現在準備をいたしておるわけであります。これは大体施行いたします期間は地質調査所と、それから資源庁のほうも入りますが、そのほか通産局及び学界、それから炭鉱の実際の技術者、こういうふうな全体の地質並びに採掘の枢要人を動員いたしまして、場合によりましては嘱託形式により、又は場合によつては直営もする、こういうふうなことで全国的にやつて行くということになつております。  それから価格対策その他につきましてお尋ねがありましたが、これは物価庁のほうから見えておりますから、そちらのほうにお願いしたほうがよいと思いますが、ただ私どものほうとしてちよつと申して置きたいことは、これは価格自体の対策といたしまして物価政策がございますが、流通面を担当いたします資源庁といたしまして、大体石炭の流れがどういうふうになつておるか、又生産の原価なり或いは生産状況乃至は販売価格というものはどういうふうになつておるかというふうなことを把握して置く必要がありますので、特に流通状況、流通の経路とかそういうふうな流通面の把握ということに重点を置きまして、現在種々調査を行なつております。これに基きまして、その面において若し合理化する必要があれば合理化の方策を講ずる、こういうことになると思いますが、これも今後炭価の修正に対しましていつでも適当なる対策が講ぜられるというふうなことに対しましての準備として、今そういうふうな調査を行なつておるわけであります。  金融関係につきましては先ほど経理課長から年末金融に対しましては御説明を申上げたそうでありますが、又合理化資金等に対しまする長期金融に対しまして申上げましたから一応省略さして頂きます。  一応石炭鉱業鉄鋼業との関係につきまして申上げます。これも合理化のときに触れましたように、鉄鋼業と石炭鉱業というものはやはり合理化の面で以てできるだけ原価を下げるということは、鉄鋼業に対する石炭鉱業の一番の要請であります。ただ一番の問題は、現下の面からいたしまして鉄鋼業としてはできるだけ価格の安い外国炭を入れたい、こういう要請があるわけであります。御承知のように現在の日本国内の炭は、中国炭に比べましても、米炭に比べましても、その品位を斟酌すればかなり高いということはこれは事実でありまして、その結果成るたけ比較的割安な外炭を入れたい、こういうふうな希望が強いわけでありますが、それに対しまする石炭鉱業乃至はそれの主務官庁といたしましての私どもの考えは、石炭鉱業が基礎産業であるということのほかに、やはり国内資源をできるだけ活用するという必要性からいたしましても、やはり粘結炭にいたしましても、一般淡にいたしましても、国内石炭鉱業を飽くまで確保する必要があるという点に立ちまして、国内石炭鉱業の基礎を危くするような外炭の輸入というものはこれは避くべきである、こういうふうな考えを持つているわけであります。ただ実際問題といたしまして、例えば強粘炭のごときは絶対数量におきまして相当不足を来たしておりますので、その不足分を外国から輸入する必要ある場合は、必要な数量鉄鋼当局とも連絡して輸入確保するように、両方で努力してやつておるわけであります。ただ鉄鋼局側の希望としては、できるだけこれを多量に輸入をして国内炭の引下げの一つの牽制策ともしたいというふうな一つの希望もあるわけでありますが、その点につきましてはできるだけ私どものほうの立場からも慎重に対応したい、こういうふうなつもりでやつておりますことを一つ附加えておきます。
  17. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) 次に炭鉱鉱山業の金融対策につきまして、特に見返資金の配分関係を中心として、安本の西原財政金融局次長からお話を伺います。
  18. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) 局長ちよつと用事がございますので、私代りまして御説明申上げます。  見返資金の今年度の配分につきましてはもう御承知と存じますが、大体公企業関係輸出銀行を含めまして四百二十五億配分になるのでございます。又私企業は先日中小企業等増加を見まして結局四百二十九億の配分になつております。その私企業のうち電力関係が百五十億、海運が百三十五億でございまして、石炭その他の重要産業に対する配分額は一応六十億ということになつております。この六十億は当初四十三億でございましたが、いろいろと折衝いたしました結果四十三億に十七億だけ殖やして六十億に殖えたわけでありまして、この六十億のうちで石炭とその他の鉱業に対する配分額は、大体石炭が現在二十二億五千万、その他の金属鉱業が二億二千万でございまして、両方合せますと約二十五億になつております。六十億に対しますと約四割強という数字でございまして、これは先ほどからお話ございますように、石炭の特に高品位炭或いは上級炭を余計に増産するというような必要性、或いは金属鉱業の必要性に基きまして、全体の配分のうちからいたしますと、相当大きな部分を石炭及び鉱業に配分して行くことになつているのでございます。このうちすでに司令部に書類を提出されましてそうして融資の決定を受けております金額は二十一億一千万円に上つておりまして、これだけは本年度内に確実に出ると思いますし、それ以外の現在すでに申請の手続中になつておりますものが約三億六千万円ほどでございますが、これも本年度中に大体許可を見るものというふうに期待いたしておるのでございます。来年度の見返資金につきましてはまだ全体の計画がはつきりきまつておりません。併しどうも本年度と比べまして殖えるというようなふうには余り考えられません。ただ併しながら金融債が、先ほどお話がございましたように、本年度において、預金部資金において金融債を二百億、来年度において四百億引受けることに大体なつておりますので、この関係から長期の設備資金として六百億の資金が、本年これから約十五カ月間に政府預金部から放出されることになると思います。これを見返資金と両方合せましてうまく設備資金として使用できますならば、相当にいろいろの合理化資金として要望せられておりますものも、これによつて満足される部分が多くなるというふうに考えているのであります。今後の見返資金金融債、預金部資金による金融債の引受によつてできまする長期資金の運用等の方法につきましては、いろいろと検討をいたしております。  概略以上の通りであります。
  19. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) 皆さんにお諮りいたしますが、西原次長は何か外に会議があるので帰りたい、こうおつしやるので、この問題について御質疑がございましたら、この問題についてだけ一つ御質疑願います。
  20. 西田隆男

    西田隆男君 今御説明のありましたうちに、二十一億一千万円はすでに許可済、手続中が三億六千万ということでありましたが、これは石炭部門の決定ですか、それとも六十億のうちの決定ですか。
  21. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) 只今申上げましたのは、石炭と金属鉱業部門だけでございます。全体といたしましてはもつと多くなつております。
  22. 西田隆男

    西田隆男君 そうしますと石炭が二十二億五千万円、それから金属が二億二千万円というお話でしたが、ここで加えますと、もう石炭、それから金属に対しては、あとは一銭もないということになるわけですね。全額もう申請され、許可され、或いは手続中であるということですね。
  23. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) その通りでございます。全体の見返資金の本年度の一般産業に対する配分額は全部で六十億でございます。そのうちの約四割が今お話がございました二十四億七千万、こういう数字になるわけでございます。
  24. 西田隆男

    西田隆男君 そうしますとこの石炭部門に対する二十一億一千万円の、許可済ですか、許可になる可能性のものですかよくわかりませんが、この金額はどういうふうな配分でされておりますか。
  25. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) 二十一億一千万円につきましてはすでに司令部の許可があるものでございまして、これはそれぞれの重要なる石炭鉱業に対して配分を具体的にされております。
  26. 西田隆男

    西田隆男君 内容を一つ説明して下さい。
  27. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) 各社で……それはちよつと……。
  28. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) この際これは配付資料がたしかあつたような気がいたしますが、若しなければ……。
  29. 西田隆男

    西田隆男君 あつたつてなくたつて構いません。わかつておつたら言つて下さい。わからなければよろしいです。……そうしますと二十五年度の預金部資金金融債引受が二百億という御説明があつたのですが、この二百億の金融債引受の各産業別に対する割当といいますか予定といいますか、そういうことがわかつておりましたら一つお示し願いたい。
  30. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) 預金部資金による金融債の引受につきましては、先日きまりましたのでございますので、ちよつと只今申上げましたように今どういうふうにこれを設備資金として活用するかということについて研究いたしておりますので、まだ各業種別に割当とかそういうようなこともいたしておりませんし、又どういう方法をやるかということを目下研究いたしておるような次第でございます。
  31. 西田隆男

    西田隆男君 いつ頃までに決定されるおつもりですか。
  32. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) 成るべく早く決定したいと思つております。
  33. 西田隆男

    西田隆男君 成るべく早くという言葉は一カ月も早いし二カ月も早いですが、二十五年度というのはあと三カ月ちよつとくらいしかありませんので、早急に決定されなければ、二十五年度には金融債の引受の二百億という金は使えない。従つて二十五年度内ではなくて、二十六年度内に二百億、六百億というものが使われるというわけですか。
  34. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) 成るべくと申しましても、お話のように二十五年度あと僅かですから、二十五年度内に二百億というように我々としても使いたいと思つておりますので、成るべく早くと申しますのは早急に決定したいということでございます。
  35. 西田隆男

    西田隆男君 そうしますと、若し二十五年度内に二百億の金融債の引受の金が預金部資金が使われないとすれば、二十六年度に持越しになるのですか。二十六年度には四百億だけになるのですか。
  36. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) それはちよつと只今のところ私もはつきりいたしませんが、できるだけ二十五—六年度を通じてつまり六百億ということになるのですから、余計使えるものは使いたいと思つております。
  37. 西田隆男

    西田隆男君 今のところは二十五—六年を通じて六百億という見返資金の放出がなされることによつていろいろの計画が樹立されているのですが、実際問題として二十五年度の二百億が使えなかつたとするならばすべての計画は変らなければならないと思いますが、これについては安本として御計画になつたのか、或いは実際の問題として二十五年度内にこの二百億を使つてしまうということになつておるかどうかということを心配いたして聞いておるのです。
  38. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) 安本といたしましては、折角ここに預金部資金による金融債の引受二百億というものは認められておりますので、これは是非とも本年度内に使いたいと思つております。
  39. 西田隆男

    西田隆男君 私が今くどく言いますのは、今石炭のことなんかも資源庁の話なんかを聞くと百八十億の金が入ることになつているという御説明、而も石炭の割当は二十億五千万円しかない。又現在の方針は見返資金のほうで決定されておる。そうすると石炭設備資金を仮に使うにしても、今まで御説明なつたように、ただ單にほかのほうに金融を求めるということは楽々とできるということには考えられませんが、少くとも石炭に関しましては、二百億の預金部資金の放出と関連性を持たせて、資源庁のほうで言われておる資金を速かに充足するということにしなければ、折角立てた計画が何も意味をなさないという結果になるので、これは事務的なものではなくて、実情と睨み合わせて早急に二百億の見返資金の放出の方法、業種別ごとの金額等を決定されて、実際に二十五年度内に活用できるように持つてつてもらいたい。そうでないと無為無策になつてしまう。そういう観点からあなたにお伺いしているのですから、安本としては早急に対策を立てて頂きたい。同時に資源庁のほうでは、この計画にかぶりついて百十八億に対して二十億程度の見返資金でこの金融はできるとは考えられない。従つて鉄鋼石炭というような問題も一応論理的に御説明があつたがこれは実現されるとは考えられません。できるだけあなたたちの立てられた計画に従つて実効をもたらすように安本と連絡をとつてつて頂きたい。炭鉱自体がこの問題について非常に困つております。特に二十一億一千万円は、これは大部分は大手筋のほうに廻る金と思いますが、これは大手筋のほうもこればかりの金ではとてもできないという実情だと思うのです。そうすると計画は立てたが何ら実効の緒につかない。結局二十億幾らという金ば無意味に使われるということを非常に恐れるのです。これはあとで御質問しますが、安本と御協議願つて早急にやつて頂きたいと思うのであります。
  40. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) いろいろお話有難うございますが、見返資金のほうで二百億仮に資金が出せるということがございますと、今までのように、石炭を業種別に私どもとしても分けられると思うが、今度は預金部資金による金融債の引受でございますので、金融債は各銀行等で発行して、銀行等からその自己の資金として出すことになる。そういうような関係から、実際運用につきまして従来とは違つたむずかしい点もございますので、私どもとしてもいろいろその点を考慮いたしているということを申上げます。
  41. 西田隆男

    西田隆男君 今安本の御説明は我々よく承知しております。中小企業信用保険制度の問題に関連しても私質問したのですが、ただ金融債の引受、預金部資金の放出、だから見返資金のように行かないという諦めが私は嫌いだ。是非ともこれはやつて貰わなければならない。今までやつておらなくても今度は安本、通産、大蔵と連絡をとつて、銀行としても、国として立てられた計画に副う意味合いで実行できるように要請してもらわなければならんと思う。お指図はできんと思うが、要請してもらうことによつて計画を立てられた最初の目的を達成するように御努力願いたい、こういう意味なんですから、是非こういうふうにお運びを願いたい。
  42. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 これは少し大きい御質問かも知れませんが、先ほど来各局長等の御意見を承わつておりますと、こうしたい、ああしたいという御意見が相当強い。それから例えば鉄鋼業と石炭業の合理化施設要綱、これは安本も参加せられておると思うが、ところがそれによつて出て来た四百億程度のものについても、差当つて年度の二百億なら二百億の金融債を、どういうふうに配分するかとなるとすぐに話が出て来ない。言い換えますと国全体としての復興計画と申しますか、或いは最近いわれているような国土開発計画といつたようなものが、はつきり政府としてないところに原因があるのじやないかと考えられるわけなんですが、これはこういうふうに当面しております問題だけから見ましても、そういう総合計画の必要性を痛感させられるわけですが、あなたの御説明に関連する限りでもいいですが、そういう点について御意見を承わつて置きたいと思います。
  43. 西原直廉

    説明員(西原直廉君) 只今お尋ねがございました点につきまして、非常に御尤もだと思います。前に或いはお聞きしたかと思いますが、安定本部にこの秋から自立経済審議会が設けられまして、そこで全体的な計画を総合的に調整する、又総合的な計画を立てるということを目下非常に検討しているのであります。これはまだはつきりいたしませんが、この自立経済審議会の各産業部門からの合理化資金とか、或いは一応二十八年度日本の経済として自立するということを目標にしておりますので、そういう面から見て必要な産業資金がどれくらいあるかという、そういう金額を算定されておりますが、これを合計いたしますと、各産業合せますと、大体例えば来年度におきまして二千五、六百億円になるのでございます。非常な金額でございますので、従来の方法を以ていたしますると、到底これだけの、只今申上げましたのは設備資金だけでございますから、それだけの設備資金を賄うことはなかなかむずかしいのではないかと思います。私どものほうではこれに見合い得る金融機関、その他財政なりの資金、その他いろいろなものを目下計算いたしております。どれだけこういうものに見合い得るようになるかどうか、現在自立経済審議会として検討いたしておりますけれども、なかなかそれなりにむずかしい問題が御指摘のようにございますので……。
  44. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 これはあとで触れることもあるかと思いますが例えば合理化資金にしましても、今年の初め頃資源庁から出ました石炭関係の分だけでも一千億から要ると書いてある。それが審議会の審議の結果四百億ぐらいであつたが、今の二千五、六百億というのは結局各方面の要望をとりまとめると恐らくそういうことになる。それをだんだん審議して現実に即応し得るように圧縮せられて出たものが現実的になつて、初めて今の来年度六百億との関連という問題になつて来ると思いますが、そういうものを早く出してもらうことが問題解決の具体的な道になると思うのですが、その点についてこれは今の段階では説明を聞いておつても結局各方面が希望はそう出されておる。それでは正規の政策或いは金融政策というものにならん。その点は急いでもらうことに希望を述べまして、一、二お伺いしたいのですが、それは先ほど言われました石炭関係の見返資金の二十一億一千万円のうち関連するのではないかと考えるのでありますが、九州の或る新聞に貝島炭鉱の大浦炭鉱東部開発のために、不当に多額の見返資金が放出されているというのが出ている。非常に金額が他に比べて大き過ぎる。何らかのあれがあるのじやないか、裏の話があるんじやないかといつたような疑問を投げかけた記事であります。それから併せてそのときこれも見返資金関係でありましたが、麻生鉱業の分につきましては、記事は今持つておりませんので不正確ですが、或いは復金債の問題について他社では返しておるけれども麻生鉱業については殆んど返されておらん。それにあの炭田或いは炭鉱の現在将来から考えて見て相当多額な見返資金の放出がなされておるように考えられる、こういう疑問の記事が出ておりました。それに対して一つここで明らかにして、そういう事実があるのかどうか、或いはないとするならばないように一つ説明願いたいと思います。
  45. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 貝島と麻生の問題とは私具体的には金額或いは事情を今承知いたしておりませんが、一般的に申しまして見返資金の査定に関しましては、十分私ども技術的にも又経理的にも必要だというふうな確信がついた上で安本とも相談して確定いたしておりますので、こちらの調査不行届のために結果においてはそういうことが絶対にないとはこれは言い得ませんけれども、併し少くとも今日までのところは、この放出に関しましては我々のとりましたところにそういうふうな欠陷があるというふうには考えておらないのであります。
  46. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 次長が来られましたのでその点わかるかどうかわかりませんが、麻生鉱業について復金債を返していない云々の事実についてはどうなんですか。
  47. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) その辺のことは私存じておりません。
  48. 岡田秀男

    政府委員(岡田秀男君) 必要がありますれば調べてもよろしいです。
  49. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 一応ああいう新聞記事に出たものについてはむしろ明らかにしてもらつたほうが、疑問をただ投げ出しただけでなくて、これはその会社のためにも必要なんじやないかと思います。
  50. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) それでは次に国内資源開発政策として、価格政策につきまして物価庁の川上物価庁第三部長にお話を願います。
  51. 川上為治

    説明員(川上為治君) 私簡單に申上げます。鉱産物の価格政策につきましては、これは全般的な価格政策の一環として、現在或いは統制し或いは解除しておるわけでありまして、その後一般的な価格政策を申上げますと、従来この朝鮮動乱以前までは成るべく価格は外すようにしたいというような考えで、大体需給関係その他の点から見まして外していいものにつきましてはどしどし外して参つたのでありまするが、朝鮮動乱後におきまして司令部の方の要請もありまして、こういうような原則で一応この際行こうじやないかというような話合いになつておるのでありまして、それは現在統制をしておるものにつきましては、需給関係その他の面から見まして外しても殆んど他の価格に対しましてそう影響がない、又そうひどく上らないであろう主要な物資につきましては、勿論これは外す方向に持つて行くけれども、そうでないものにつきましては、当分の間価格を撤廃することを見合せようじやないか、価格統制そのものを残して行こうじやないか、併しながらその統制価格が非常に窮屈であつて生産増強等に非常に支障がありますれば、この際或る程度の幅を以て引上げることもやむを得ないというような考えで、今申上げましたように価格統制が現在せられておる物資についてはそういう考え方で行こうじやないか、統制されていない、すでに外しておるものにつきましてはその価格が国際価格なり、或いは又輸出価格、それを上廻る場合におきましては、何らかの措置を講じなければならないけれども、そうでない限りにおいてはそのままにして置こうじやないかというような話合いになつておるわけでありまして、これは動乱直後に閣議におきましてその方針を決定をして頂きまして、現在にそれが及んでおるわけでございます。もうすでに半年近くなつておるのでありまして、私どもの方としましては大体何らか先の見通しを設けて、或いは別な価格対策を講ずる必要もあるのではないかというようなふうに考え、いろいろ研究もいたしておりますけれども、現在におきましては今申上げましたような状態で進んでおるわけであります。鉱産物につきましては、現在統制されておりますものは金銀等の貴金属類、それから硫安の即ち肥料の原料であります硫化鉱、それからパルプ等の原料と申しますか、それに必要な硫黄、鉄鋼関係におきましては鉄鉱石、マンガン鉱、こういうものが現在統制されて残つておるものであります。それ以外のものは銅にしましても石炭にしましても、亜鉛、或いは錫、ニッケル、これらのものは全部統制を解除されているわけであります。  その中でこれらのものを若干具体的に申上げますと、金銀につきましては大体国際価格の程度におきまして金類は現在買上げを行つておりますが、現在これを改訂しようという意思はございません。銀につきましては現在の国際価格は若干上廻つているようでありますので、近くこれを改訂しようと考えまして、大蔵省とも相談し、関係方面に目下折衝しようというようなところに行つております。  それから硫化鉱につきましてはこれはいろいろ問題があつたのでございます。即ち硫安、その他肥料関係の肥料価格が統制を外れました際に、硫化鉱におきましても統制を解除すべし、又解除するということに閣議におきましては決定を見ておるのでありまするが、その後いろいろな状況からまだ外すべきではないということになつておりまして、途中で一遍価格の改訂をいたしておりますが、更に又この十二月の一日に、従来三本価格になつておりますものを一本価格にいたしております。私どもの方としましては、硫化鉱の現在の生産状況から見まして、この際外してもいいじやないかというようなことで、いろいろ司令部の方とも折衝をいたしたのでありまするが、やはり一番心配な点は、現在硫化鉄の需要者の方の手持の状況が、或る程度アンバランスでありまして、若しこれを外した場合においては或いは平均価格が上るかも知れないというような懸念があること。それから生産状況をもう少し様子を見てみたい。第三としましては、価格が外れる前に、一本価格は一遍した上で外したらどうだろうというような、関係方面から強い意見がありまして、一応十二月一日においては一本価格にするということにしまして、大体来年の二月半ばを目標としまして価格を撤廃するように持つて行こうではないかというような話合いになつております。  それから硫黄につきましては、これも現在パルプ等が、価格が統制されております関係から、又硫化鉱との関連もありまして、現在これも価格が統制されております。先般十一月の一日に価格を或る程度引上げをしまして改訂されておりますが、現在更にこれを引上げようというような考えは今のところは持つておりません。  それから鉄鉱石につきましては、現在の価格は相当以前に決められたものでありまして、すでに現在の実情から見まして、相当低いと我々は考えておりますので、これを或る程度引上るべく司令部の方と折衝をいたしておりまするが、ただ引上げの額につきましては、私の方の出した案と司令部の方の要求とがまだ合致いたしておりませんので、恐らく近日中にきまると思うのでありますけれども、一応私の方としましては、大幅引上げの案を以て司令部と交渉をいたしております。ただこの鉄鉱石の価格を外すという問題につきましては、先程申上げましたような一般の原則もありますので、今のところは外すという考えは持つておりません。  マンガン鉱につきましては、現在需給関係からいいましても、又日本生産しますマンガン鉱は、どちらかといいますと低品位でありますので、これは外しましてもそう上らんじやないかというようなふうに考えますので、この際撤廃する案を以て司令部の方と交渉したいというように考えております。この点につきましては、まだ鉱山局なり或いはその他の方面とは十分な相談ができておりませんが、一応試験と申しますか、私はそういうようなふうに考えております。  それから石油類につきましては、御承知の通り原油価格及び単価運賃が相当値上りになりましたので、国内原油につきまして、従来プールをいたしまして国内原油のコストの非常に高いのをカバーしていたのでありまするが、先程申上げましたように、原油価格の引上げ及び單価運賃の値上りによつて、この際このプール制度を廃止したいというようなふうに考えておりまして、明日からこれは実施することにいたしております。ただ国内原油のコストをどの程度にするかということにおきましては、なお鉱山局といろいろ相談をしまして、適当なコストを付けたいというふうに考えております。  以上申しましたように統制鉱物につきましては、主なるものにつきましては、まだこれを撤廃するという段階には立至つていないと考えておりますが、成るべく採算が十分とれるように、且つ又一般の例えば繊維類とかその他のものと比べまして、特に開発資金等の関係もありますので、或る程度幅を持つた価格にしたいというふうに私は考えております。それから統制されていない、すでに解除されている、外されているものにつきましては、石炭の問題でありますが、先程炭政局長からお話がありましたように、今石炭の価格をどうしようということはまだ何も考えておりません。この石炭は何と申しましても最も基本的な物資であります、基本的な価格でありますので、私どもの方としましては、しよつちうこれが調査に遺憾がないようにしております。最近におきましては、優秀炭、上級炭につきましては相当強気でありますけれども、下級炭が非常に下つておりますので、平均としましては公団廃止当時よりも相当つておりますので、今直ちにこれをどうしようということは全然私どもの方としましては考えておりません。    〔理事廣瀬與兵衞君退席、理事結城安次君委員長席に着く〕  それから最近銅とか或いは亜鉛とか錫、ニッケル等が相当値上つております。特に亜鉛のごときは亜鉛引鉄板等の輸出関係もありまして非常に上つておるのでありますが、先程申上げましたように、国際価格なり或いは輸出価格を上廻つたものについては、私の方としましては場合によつては適当な措置を講じなければならんだろう、その適当な措置というのは現在スフ人絹等でやつております暴利取締というような、或いは不当交換に対する措置というようなことも考えられるわけでありますが、現在まだこれらの業者に対しましていろいろ注意を喚起いたしておりまして、殆んど大部分の業者が非常に協力しておりまして、いわゆる非常に高い闇値といてのは大阪或いはその他の地方における一部のブローカー筋の価格に我々は聞いておりますので、この際これらのものについて直ちに暴利取締とか或いは不当交換措置というような具体的な措置は講じておりません。ただ銅だとか或いはニッケルとかそういうようなものにつきましては、国内需給関係が非常にアンバランスになつて参りますと、非常に更に高くなつて来る虞れがありますが、その際に私どもの方はすぐ価格の再統制をするかどうかという問題につきましては、私どもの方としましては、成るべくそういうものについては、輸入なり或いは生産増加なり、そういうような方法によつて価格の安定をやつて頂きたいのでありまして今直ちにこれに対しまして再統制をするというような考えは現在のところ持つておりません。  以上申上げます。
  52. 結城安次

    理事(結城安次君) 鉱業一般の基本産業関係から、石炭、鉄鉱山鉄鋼業との関連について通産省から御説明をお願いします。
  53. 川島一郎

    説明員(川島一郎君) 本日は鉄鋼局長がやむを得ざる所用のために欠席いたしまして、私鉄鋼政策課長をいたしております川島でございますが、代つて説明申上げます。  鉄鉱石石炭は共に鉄鋼の原料といたしましては非常に海水に依存する程度の高いものでございますが、私どもの方の当初銑鉄の生産を本年度予定いたしました意義は、先ほど炭政課長からもちよつと御披露がありましたように、大体百九十万トン程度がリミットではないかというふうに考えておつたのでありますが、その後朝鮮動乱その他もございまして、需要のほうが非常に活撥になり、それに刺戟されまして生産も急速にまあ伸張いたしまして現在の見込といたしましては、本年度ほぼ二百二十万トン程度生産が達成されるのではないかというふうに考えておる次第でございます。これに反しまして、これらの資源輸入状況は当初の計画を若干下廻るような状況でございまして、現在この両資源の量的なバランスにおきまして、我々非常に心配しておる次第でございます。    〔理事結城安次君退席、理事廣瀬與兵衞君委員長席に着く〕  従いましてこの不足量は急速にアメリカ方面へ転換いたしまして、この穴を埋めて頂くように関係方面と折衝いたしておる次第でございます。  石炭につきましては先ほどのお話の通り、当初輸入が大体百六十五万トンぐらいというふうに計算しておつたのでございますが、生産量の増加によりまして所要量が若干、三、四十万トン増加いたしますし、輸入が三十万トンばかりございます。輸入は大体において九十万トンから九十五、六万トン程度に落着くのではないかというふうな見通しもございますので当初、期の初めにございました在庫炭を或る程度繰込みましても、不足量相当出るというふうな計算になつております。これに現在のような中共方面その他の関係開らん炭が或る程度輸入減少をするということにでもなりますれば、その不足量は更に増加するという結果になりまして、これを急速にアメリカから補充して頂くように先ほど申しましたように折衝中でございます。現在石炭につきましては原料炭といたしまして海外炭に依存しております程度は約四〇%ぐらいでございます。これを強粘結炭だけに限定いたしますと、北松炭の出炭量は大体リミットまで達しておりますので、今後生産不足分は挙げて海外に依存するということになるわけでございます。  それから鉄鋼業の立場といたしまして、石炭鉱業に対する一番要望いたしております点は、先ほどの石炭業の合理化に御説明のありましたように、炭価の切下げという点でございます。これは本年度初頭、例の特需、特別な用途に向けられまする石炭の特別価格が廃止されまして、鉄鋼業としましては非常に大きなコストの引上げをいたしたわけでございます。鉄鋼業といたしましてもこの間におきまして極力合理化促進いたしまして、この値上り分を吸収しておるのでありますが、今なお若干の補給金を支出しておりますが、この高炭価によります国際価格の鞘は或る程度現在残存しておる状況であります。来年度銑鉄補給金が外れます際には、この鞘を合理化によつて埋めるという限度につきましては、なお非常に大きな問題を残しておるというふうな状況でございます。  それから鉱石につきましては大体国内鉄鉱石年間を通じまして、ほぼ九十万トンぐらいは頂けるというふうに考えております。そのほかユーザンスを四十万トンばかり利用いたしまして、なお差引き約二十万トンぐらいの輸入が必要であるというふうな計算になるのでありまするが、現在までのところ本年度末までに輸入し得る鉱石の見込はこれを相当下廻る状況でございまして、これにつきましても急速アメリカから輸入して頂くように懇請中でございます。鉱石の価格につきましては今物価庁の第三部長からもお話のございましたように、相当現在のマル公は低うございまして、輸入価格に比べましてもかなりな割安になつております。従いましてこれを或る程度是正して頂きましても、鉄鋼業に価格面から及ぼす影響は特に取上げて言うべき筋合いではないわけであります。現在輸入鉱石に依存しております程度は約五〇%程度でございます。大体現状の説明を申上げまして御説明に代えたいと思います。
  54. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) もう一つだけ、次に硫化鉱と化学肥料工業との関連性について通産省の黒津化学肥料第一課長にお願いいたします。
  55. 黒津兆太郎

    説明員(黒津兆太郎君) それでは硫化鉱と化学肥料工業の関連につきまして簡単に御説明申上げたいと思います。  硫化鉱は御承知のごとく、これを焙焼いたしまして硫酸といたしまして、化学工業特に化学肥料工業の原料として使用しておるものでございますが、その使用割合から申しますると硫安が大体五〇%、それから過燐酸が三〇%その他一般工業用といたしまして二〇%、こういうふうな割合で使用されておるのでございます。化学肥料工業としましては塩化燐鉱石と並びまして最も重要な原料の一つでございます。で私ども終戰以来化学肥料の画期的増産努力して参つたのでございますが、この間硫化鉱の方も逐年非常な増産を遂げられまして、最近における状況におきましては化学肥料工業に必要な硫化鉱はその需要を満すというふうな状況で推移して参つております。本年度需給状況につきましては先ほど鉱山局作成の御資料で、配付になつた資料の一番うしろについておりますが、これにも現われておりますごとく、最近の生産状況はほぼ各月十七万トンを維持しておりまして、生産が続きますれば本年度の化学肥料の生産についてはほぼ需給がバランスをすると、こういうふうな状況でございます。併しながら化学肥料工業の配置が東部地区と西部地区によつて比較いたしますると、西部のほうに片寄つております。然るに硫化鉱の供給いたしまする山は東のほうに片寄つておる。こういうような需給事情のために、西のほうの硫化鉱の入手が若干不円滑になつておりまして、そのために西部地区の肥料工場では硫化鉱がランニング・ストックが非常に少い、こういうことで操業の安定を維持するのにいささか困つている、こういうような状況でございます。そこで私どもといたしましては、現在貨車輸送の問題が相当問題になつておりますが、これを打開いたしますと共に、若干量の硫化鉱の輸入を実現いたしたいと考えております。これにつきましては経済安定本部等と御連絡いたしまして、第四四半期から自動承認制の品目に硫化鉱を加えるということによりまして、若干量の硫化鉱を入手いたしたい、そういうふうに考えております。更に来年度以降につきましては、私どもとしましては国内の農業関係需要を充足する、更に東亜市場におきまする肥料の輸出を実現いたす、こういう二つの目的のために画期的な増産を企図いたしておりまするが、それにつきましては硫化鉱の生産が現在統制が続いておりまするがこれが統制が外れる、こういうような状況になりますれば、更に増産が期待できる、こういうような見通しの下に肥料の面も更に逐次増産をいたし得る、かように考えておる次第でございます。  簡單でございましたが御説明申上げました。
  56. 廣瀬與兵衞

    理事廣瀬與兵衞君) それでは質疑に移ります。何か御質疑のある方は御質問願います。
  57. 西田隆男

    西田隆男君 二、三の点をお尋ねします、お答えは簡単に要点だけをお答え願います。お答え頂くのはどなたからでも結構です。  先ず石炭問題についてお尋ねいたします。二十四年度末の貯炭数量は何ほどであるか。
  58. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 二十四年度末でございますか。
  59. 西田隆男

    西田隆男君 そうです。
  60. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 資料に四月の貯炭が三百三十万と載つておりますが。
  61. 西田隆男

    西田隆男君 四月じや駄目……二十五年四月でもかまいません。
  62. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 二十五年三月末の貯炭が三百四十二万。
  63. 西田隆男

    西田隆男君 そうしますと、二十四年末との増減の関係はどうなんですか。
  64. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 十二月末と三月末の増減でございますか。
  65. 西田隆男

    西田隆男君 わからなければいいです。
  66. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 一月末が四百四十五、三月末が三百四十二万トンでありますから、その間に百十万トン減つております。十二月の末はございません。
  67. 西田隆男

    西田隆男君 さつきの御説明で三十五年度の消費見込は三千八百万トン乃至三千九百万トン、出炭予定は四千万トンという御説明がありましたが、そうして二十五年度だけ百万トン貯炭が殖えるわけですか。そうしますと二十五年度の三月末の三百四十二万トンに対して百万トン貯炭が殖えるわけですね。資源庁の方では現在の日本石炭消費の状態から考えて、全国の貯炭数字というのはどのくらいが適当とお考えになつておるか。
  68. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) これは見込でありまして、私ども確信を持ちませんが、三百万トンから三百五十万以内でなければ無理だと思います。
  69. 西田隆男

    西田隆男君 戦争前、戦争中を考えますと、そういう大きな貯炭が必要とされておつたと考えておりませんが、現在の輸送状況その他から考えまして或いは今では三百万トン乃至三百五十万トンが必要であるかも分りません。これは私は的確な結論を得ておりませんが、そうしますと結局二十五年度末においては、全国で最も理想的な貯炭数字よりも貯炭が幾らか殖えて、三百万トンとすれば五十万トン貯炭が増すという結果になるのですが、二十六年度石炭の消費見込と、石炭の出炭はどうなつておるのですか。
  70. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 出炭の見通しは二十四年度、一応四千百万トンから二百万トン、こういうふうに考えております。この月別の数字は又検討いたしましてきまるわけですが、大体我我の気持といたしましてはその程度ではないかと思つております。これに対する需要でありますが、これは本年度実は四千万トンぐらいの需要ではないかというふうに下期におきましては期待しておりましたが、輸送等の関係から只今申しましたような三千八百万トンぐらいにとどまりますので、そういう関係からいたしますと、やはり来年度も四千百万トン以上はむずかしいのではないか。そうすると四千二百万トン出炭があればそこに百万トン余ると、こういう計算になると思います。
  71. 西田隆男

    西田隆男君 本年度の三千八百万トン乃至三千九百万トンというのは、輸送その他の状況からできなかつたということがお言葉にあつたようですが、二十六年度石炭輸送に関する鉄道の貨車の補強或いは船舶の問題に関して、資源庁としては御連絡をとられておるのか、どういうお見通しを持つておられるのか。
  72. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 船腹とそれから貨車の数量につきましては、一般の輸送に大きな影響を及ぼすので、急速な増大ということはちよつと現状といたしましては、期待しがたいと思います。我々の望みといたしますのは、現在の輸送の逼迫というものは、御承知のように朝鮮事変に、関して軍需輸送の関係もありますので、戰局の推移によつてどの程度緩和されるかの一事にかかつておりまして、これが仮に平常の状態とは申さないまでも今年の上期程度まで下れば、これは石炭輸送に関しましては、現在の四千万トン乃至四千二百万トン、それに対応する程度の輸送は心配ないと考えております。    〔理事廣瀬與兵衞君退席、理事古池信三君委員長席に着く〕
  73. 西田隆男

    西田隆男君 今中島さんのお話を聞きますと、朝鮮事変で国連軍が朝鮮から全部撤退してしまつて軍需物資の輸送は全く必要がなくなるということにならなければ、四千二百万トンの増炭の可能性はないという結論になるわけですか。そういうお見通しはこの際少し早計過ぎると思うのです。
  74. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 言葉が足りなかつたかも知れませんが、朝鮮事変が起きました当初、勿論軍需輸送は相当つておりました。特に最近の輸送逼迫は最近二、三カ月間、九月以降のことでありまして、これは軍需関係の実情でございますので、私ども内容はわかりませんが戦局の推移とからんでおると思います。従つて戦争が仮に今後続き戰争が更に前方に延長されたといたしましても、必ずしも国内の輸送が今日のような状況が続くと思わない、こう思うのです。
  75. 西田隆男

    西田隆男君 私が聞くところによりますと、鉄道の輸送用に使う貨車の絶対量が昨年度より二千台近く減つておる、補修も完全にできてない、新造にも全く手をつけてないという状況に置かれておるということを私は聞いておりますが、あなたの方ではそういう点に関しましてはどういう御見解を持つておられますか。
  76. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 絶対量が減つておるということは承知いたしておりません。若し何でしたらこれは軍関係の予備車輛としてとられておるのを差引いた、残りのものをおつしやつておるかも知れませんが、絶対量が減つておることはありません。それは補修問題については特に鉄道方面は前々要請いたしておりますが、新車の製造ということが予算関係から申しましても、又その実行の点から申しましても、そういうことよりもむしろ旧式の車輛を改造することによつて実動車輛を増したいと、こういうような方針で補修なり、或いは改良ということについて今後大体貨車の供給面につきまして向うも努力したいと、こう言つておりますので、現実に動かない車輛乃至は旧式な車輌というものは、今後できるだけ補修されまして、動くということについてはかなり期待を持つて行けると思います
  77. 西田隆男

    西田隆男君 将来の問題はさて置きまして、現在炭鉱石炭輸送が貨車船腹その他によつて非常に澁滞して、最近では山元から労働組合の連中すらも、貨車の増配を頼むためにいろいろ運輸省に今日あたり陳情に行つたようですが、資源庁としてはどういう面に対して運輸省といろいろと御連絡をおとりになつて、そうして実際の輸送の状況がどうなつておるかということを的確にお掴みになつておるか。
  78. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) これは再々運輸省の方面とは連絡をいたしております。従つて毎月の輸送要請につきましては、運輸省のほうと累次折衝いたしまして、九月以来十月が一番多かつたと思いますが、その後次第に計画量につきましては少くとも上向を辿つておりまして、実績におきましても部分的に例えば一時は常磐が一番窮状にございましたが、最近はむしろ西のほうに移つておるというような状態でございますけれども、全般的に逐次苦しくなつておるのではなくて、むしろ情勢としては快方に向いつつあるのではないかと思います。
  79. 西田隆男

    西田隆男君 前の貯炭問題に返りますが、二十五年度の貯炭の増加する数量、並びに二十六年度は今の計画通りに行けば、貯炭が或る程度増加するでしようが、増加した貯炭は工場に貯炭するか、或いは市場に貯炭するか、或いはそれとも山元に貯炭する予定でありますか。
  80. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) これは我々といたしましては、できるだけ市場のほうへ持つて行きたいとこう思つております。更に輸入につきましてはできるだけ多く積みまして、国内における貯炭を少くしたいと思つております。
  81. 西田隆男

    西田隆男君 国内の貯炭を少くするというのは、国内の貯炭をどうするかということが問題なんでこれは金融問題と関連して来る。あなたのほうの出された資料につきましては、少しこれについては楽観しておられるように見えますが、貯炭が三十万トンでも五十万トンでも年間に増加して行くということは、結局貨車の輸送の状態からいいますと、積込施設の完備している所は貨車を持つて行くということになる。従つて積込設備の完備していない所はどんどん貯炭が殖えて行く結果になる。もつと要約して申しますと大手筋のほうは比較的石炭の輸送ができるが、中小炭坑のほうでは貯炭ができて詰つて行くことになり、あなた方の計画を見ましても、金融その他についても大手筋はゆつくりしておるが、中小炭鉱のほうは全然振返つていない。こういうことでは非常に中小炭鉱は貯炭は殖えて行くわ、金融はせんならんでは、中小炭鉱は殆んど企業をやめなければならん状態に追込まれる虞れが多分にあるのですが、そういう点はもう少し抽象的にこうだ、ああだというのでなく、実際問題について一つ一つ解決して行くというふうにお取計らいを願いたい。  その次には北松炭の問題が製鉄の原料炭として大分大きくとり上げられておりますが、二十六年度において北松炭の生産増強に対する何かお考え方があるのか、あるとすればどれぐらいの数量北松炭の増強を考えられておるのか。
  82. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 北松炭の増産をいたしました場合にどの程度これに期待し得るかという点は、これは従来の経過から見てもそう大きな数量はむずかしかろうというように一応一般的には考えるのでありますけれども、具体的にこれの増強対策としましては、本年度までの見返資金の投資に関しましても、特にこの強粘結炭ということにつきましては、一つの重点を置きましてそれの北松炭の中の優秀なる炭鉱に対しましてできるだけの設備資金を投入するということによつて機械化その他によつて能力を上げ、又出炭の増加も図るということもやつておりますが、然るに最近におきましての実情を見ましても、坑内におきまする新らしい採炭機械の採用等によりまして相当実績を上げておるものもございます。そういうことをいたしましても、大体私どもの期待し得る限度は本年度の六十万トンに対しまして一割以上の増産というものは急速に期待し得ないのじやないかという見方をしております。
  83. 西田隆男

    西田隆男君 私のお尋ねしているのはそういう抽象的の問題でなくて、実際に製鉄用原料炭の強粘結炭増産せねばならん、そういうふうに増産にならなければ機械を入れたつて能率が上らない限り大した生産にならないと思いますが、そういう問題について資源庁として具体的に二十六年度にはどこどこの炭鉱にどれだけの出炭をしてもらいたいというような案があるかないか、あればその数字はどうなつておるかということを聞いておるのであります。
  84. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 六年度生産対策につきましては、まだそういうふうな資金面につきましても、実際の生産数量につきましても具体的なものは持つておりません。
  85. 西田隆男

    西田隆男君 おかしな話で、あなたは小滝炭鉱の問題についても見返資金の御説明をしておられるのですが、六十万トンの生産年間にやつておる北松炭田の生産に対して、設備資金とか或いは見返資金とかいうような問題に関連を持つて北松炭田の開発ということについて、何ら考慮が拂われていないということは誠に解しかねると思います。ないものを説明しろつたつて無理ですが、是非北松炭田の数量の問題は別として、できるだけ北松炭田の開発の限度へ持つてつて国内の強粘結炭開発をするという考え方を基本的に持つてもらわなければいかんと思う。従つてあなたの今の考え方からして見返資金の放出についても、強粘結炭生産のために三千万円要るというところに三百万円とか、六千万円要るというところに五百万円しかいかないという状況で、実際は設備資金にも何にもならないで、経常費に使うとか、未拂金を補うという程度にしかならないとすれば、見返資金の放出は効果的には何にも使われていないという結果を生む虞れが私は多分にあると思う。だから石炭外国から輸入するという建前ではなくて、国内で出せるだけ出す、絶対にないものは買うのだというので、北松炭田に対する設備資金その他の資金に対しても一つ重大な関心を持たれて、是非計画の中に盛り込んで貰いたい。そうすることが私は日本のためになると考えておるのですがね。
  86. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 私も同じような考えを持つておりまして、ただ二十六年度の計画内と申しましても、二十六年度につきましてはまだそういう具体的の計画はどの炭鉱につきましてもいたしておりませんので、そう申上げるわけでありますが、勿論その計画を立てますときには、お説のように特に北松の強粘結炭増産ということにつきましては、御趣旨のことは勿論であります。
  87. 西田隆男

    西田隆男君 さつきも炭鉱の見返資金の百十八億の御説明を聞いたのですが、これが二十何億しかないというので私非常に驚いたのですが、これは二十何億の中に恐らく見返資金の放出の許可はまだ殆んどないと思うのですが、中小炭鉱に対して設備資金とかその他の企業資金の斡旋は、資源庁はどういうふうにしてやろうとお考えになつておるのですか。
  88. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 百十八億と三十二億の関係は、たまたま二十三億という数字が本年度数字と来年度数字と似たような数字が出ておりますので、その点混乱を来し易いわけでありますが、百十八億は来年の一月から以降十五カ月間の数字でありまして更に来年度の見返資金二十二億というものは、数字を先ほど安本の次長から言われておりましたが、これはやはり来年度の見返資金石炭に対する一応の見通し、こういうふうに考えるわけであります。従つて年度の分につきましても、どの炭鉱にいくらということは、これはまだ全然案もございませんわけでありますが、本年度の二十二億の分につきましては、二十一億いくらというものが今日まで大体許可になつておるというような話でありますが、これはその内訳につきましては多分この前の配付資料に差上げたような気もいたしますが、すでに新聞にも発表になつておりますが、中小炭鉱も若干入つております。併し従来の考え方からいたしまして、主として大炭鉱が多いということはこれは御承知の通りでありまして、今後新らしい来年度の二十二億に対しましてどうこうということになりますと、これは我々の希望としましてはできるだけこの枠も殖やし、又大中小に限らず炭鉱そのものの特殊性から配分したいという希望を持つておりますが、今我々の一応の見通しとしましては、恐らく来年度二十億や二十二億の程度の枠では、本年度の継続分以外に新らしいものをここに盛り込むということは事実上不可能ではないか、これは我々の意図を越える問題でございますが、そういうふうな考えもあり得るわけでございます。そうしますと、結局今年度つておるものは別にいたしましても、又それも含めまして中小炭鉱一般に対する設備資金の獲得ということにつきましては、今後問題が残るわけでありますが、これは当初から見返資金が中小炭鉱に対してなかなか付きにくい、こういうような情勢にありましたので、中小炭鉱向けの設備資金の獲得ということにつきまして、昨年来いろいろ我々のほうも考慮いたしておるわけであります。方法といたしましては、これはまあ金額としては微々たるものでありますけれども、中小企業に対する抱き合せ融資で以て持つて行けるものはできるだけそれで賄う。又今後中小企業に対します信用保証制度ができましたから、こういうものをできるだけ活用し、更に資金の枠も従来の二百万円から五百万円になるというようなこともありますし、その点で救えるものはできるだけ救い、併しそれ以上のもので而も大手筋的な取扱を受けないものは、それはどうしても一般の市中べースに乗るものでないということで問題にならんという点が非常な弱味であります。そこがやはり炭鉱側といたしましても乗り得るような体制をとつてもらつて、同時に資源庁なり或いは地元の通産局等の努力によつてこれを市中のほうに斡旋するということをやる以外にない。ただこの際にこれは先般来安本或いは大蔵省に強く要望しておりますが、例の二百億乃至は四百億という預金部資金金融債引受けによる資金放出によりまして、この中でどの程度のものは炭鉱向けの融資に向けてもらいたいというような一つの枠的なものを設定してもらつて、全体の総額として炭鉱向けの融資額を一応確保するように我々としては強く希望しておりますが、それが或る程度実現いたしますれば、まあ弱いながらもそこで以て一つの枠がきまる。更に現地の炭鉱とそれから関係官庁その他とのタイアップによつてやるということになりまして、これはそれだけを従来の見返資金のように直接投資としてきまれば甚だ不満でありますけれども、現在の制度上はその程度以上にはいけないというふうになるだろうと思います。
  89. 西田隆男

    西田隆男君 今のお話を聞いておると、結局現在以上には何もできない、見返資金の放出の金額が削減せられただけ、炭鉱に対する金融は行詰つておるというふうにしか私には解釈できないのですが、これは中島君御承知のようにさつき鉱山局長からも御説明がありましたが、炭鉱というのは経営と拡張とはつきり切離し得るものではなくて、毎日々々が経営の仕事であり毎日毎日がいわゆる拡張の仕事であるという建前から、今まで見返資金の放出も受けなくて、結局運転資金を食つてみたり、いろいろな資金を食つて辛うじて現在炭鉱の経営を支えておるという状態。これが只今炭政局長がおつしやつたように大手筋の炭鉱機械輸入して機械化を図り、一カ月の生産が十四トンというような程度に持つて行くと、中小炭鉱は皆つぶれてしまうというような結論が生まれて来る可能性があるので私は懸念しておるわけですが、なぜ懸念するといいますと、出炭制限をいたしました時代に中小炭鉱の経営が悪い炭鉱は、百十四万トン程度生産量の炭鉱を一時買収したことがありました。併しその際に大手筋の百十四万トンはどうかといいますと大手筋の炭鉱が百十四万トン増加しなかつた。結局百十四万トンつぶした炭鉱の出炭量が足りないという結果が過去においてありますので、あながち大手筋だけが増産の対象になるような金融その他の措置では日本石炭確保は困難だ、私は深くそう信じておるのですが、そういう観点から中小炭鉱に対する特別の措置を講じて頂きたい。特に中小炭鉱はさつき申しましたように潰れてしまう虞れが多分にある。運転資金の問題がさつき言われたように多分にある。坑木が買えないというのは坑木がないから入つて来ないというのではなく、炭鉱では安いからでありましようけれども、不安定な需要者に物を売らないというのが自由経済の原則である。炭鉱べ持つて行くより何ぼか安いけれどもあすこへ持つて行つたら何とか金を的確に拂つて貰えるというような状態に、まず炭鉱金融面で置くことが石炭増産の不可欠の要件だと思うのであります。そういう意味合で大手筋の炭鉱だけをお考えにならないで、中小炭鉱の方の運転資金の問題とか、未拂金の問題であるとか、年末の資金の融資問題について担当官庁の資源庁では、もう一つ積極的に安本或いは大蔵、日銀に働きかけて炭鉱の維持して行けるだけの資金を作ることに御協力を願わないと、もう恐らく年末の金融だけでも中小炭鉱は行詰つておると思います。日銀の中の模様などを聞きますと、現在の政府のやり方では金は貸せないのだと一万田総裁は言つておる。そうすれば中小炭鉱はどこに泣きついて金を借りるんです。今あなたのおつしやつたような、中小企業の方は中小企業信用保險制度ができたからそつちにも行こう、或いは協同組合信用組合の方に行くということも一応考えられますけれども、これは法律の中で制限されて幅が極めて狭いのであります。このどつちにも入らない炭鉱がある、これが実際中小の炭鉱である。こういう炭鉱が今の法律の金融面からの援助にあずかり得ないということになりますと、さつき申しましたような結果が出るのであります。もう一つ監督官庁である資源庁としては十二分の考慮を拂つて頂きたいのであります。年末金融はすでに安本なり、大蔵省、日銀とどういう打合せをしておられるか、その抽象的な議論でなくて具体的なお取計らいになつたことをお話願いたい。
  90. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 年末金融の全般的の御説明につきましていろいろ御質疑ございましたけれども、我々も昨年来炭鉱金融につきまして及ばずながらできるだけの努力はいたしましたが、殆んど炭鉱金融に関しまする私どもの狙いは中小炭鉱を狙つてつておりまして、結果において大炭鉱に結局において金融が行つて中小炭鉱に行かない。こういうことに相成つた次第でありますが、我々は中小に力を置いてやつておるということだけを御承知願いたいと思います。年末金融も同様に中小炭鉱問題から起きておるしわけでございますが、これも十一月の初項からそろそろそういう声もありまして、我々も心配いたしましてこれをどういうふうに持つて行くかということで、先ず金融機関乃至金融当局を納得させるだけの資料を集めようと思いましてその方の準備をいたしておるのであります、ところが資料的に出て来たものが必ずしも金融当局に十分説明のできるようなうまいものが出て來ませんので、と申しますのは一番の痛い点は夏場金融をいたしましたところの貯炭金融と、十月以降逐次解除して冬場に概算できるとこういうふうな説明で貯炭金融につきましては、かなりの成果を挙げたわけでありますが、それがさほど輸送事情その他によつて所期通りの貯炭の売りさばきができないという点もあり、その点とからみ合いましてどういうふうに今度の冬場の金融というものを義務付けるかということにつきまして実は苦労しておつたのであります。一時これは受取手形が近頃非常に殖えたが、而もこの割引が円滑に行かないというその点に重点を置いて向うに折衝をしようと思つたのでありますが、その途上におきましてもつと最近においては手形の受取高は減少しておる。どういう形で減少したかということはわかりませんけれども、そういう一応の話は日銀、安本当局にいたしておりますけれども、具体的な数字を持つてこれこれこういうふうな條件だというところまで進め得ないうちに十二月になつたのであります。それで今日恐らく石炭協会等から又いろいろな話があつたと思いますが、この段階におきましては、むしろもうそういうふうな数字的なものを離れて、もう少し行きかたを変えて行く必要があるのではないか。日銀当局も要るものは出すというふうな態度は一応持つております。それから大蔵、安本に相談いたしましても、特に石炭金融をこの際年末について考えるためにはそれだけの理由が十分納得できないとむずかしい。それには先ず貯炭金融の跡始末というものの繋がりを考えなければならんというようなことで、そういうようなことを言つておりますので、我々といたしましては、とにかくもう日もないのだからというようなことで交渉を進めております。それで安本、日銀、大蔵省あたりの考えかたといたしましては、全般問題といたしましてこの暮の年末金融というものについては、これはやはり何か考える必要がある。だから石炭に限らず全体的に一つこれは解決を図ろうじやないかというような一般的な考えかたを持つております。又その半面におきまして、最近特需関係等によつて外の産業特に関連産業等におきまして、比較的に別のルートから資金の流入が多かつたという関係から、石炭もその一つの反映を受けて積極的に石炭関係金融が改善されないまでも、例えば未拂金の累積と申しますか、これはそういうふうな点に対しまして関連産業影響というもので比較的緩和されませんか。こういうようなことを言つておるが、併し又その半面におきましては、外の産業の支拂がいいために、石炭鉱業としては今度は資材入手ということが非常に窮屈になる、こういうことも坑木等についてはすでに出ておりまして、そういう点から特需影響を受けて一般産業と違つた、石炭関係におきましては、特別違つた見地から何か考えて行こうということで今交渉を進めておるのであります。ただ遺憾ながら数学的に的確な資料がまだまとまらないという点が非常に弱い点でございますが、そういうような気持で以てなお今後交渉を進めるつもりでおります。
  91. 西田隆男

    西田隆男君 大変御配慮を願つておることはよくわかりました。そこでお尋ねしますが、今年の夏場の貯炭金融したときの中小炭鉱の貯炭の数量と、現在の貯炭の数量はわかつておりますか。
  92. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 夏の中小炭鉱の貯炭がこれは山元だけだと思いますが、四十万トンという数字を私記憶しておりますが、それに対応する数字がその後どうなつておるかということはまだ統計的に出ておりませんのでちよつとはつきりお答えできかねます。
  93. 西田隆男

    西田隆男君 今あなたは手形の受取高が少くなつておると言われたが、貯炭が殖えれば手形の受取高が小くなるのは当り前で、貯炭が減つておるのに手形の受取高が少くなるといえば炭価が下つたという結果かどこかに持つて行かなくちや結び付かんので、そういうことで若し年末の金融に支障を来すというようなことになれば、これはもう少し具体的に実際を的確にお調べになつて、そうして大蔵省なり安本なりに御交渉なさらんと、ただ今こういう抽象的な中小炭鉱から出た資料だけを頼りにお話になつておると、そういうような行当りにぶつかるので、日にちもありませんから早急に一つ解決をして頂きたい。私の考えでは、私自身小さな山を経営しておりますが、貯炭は山元でも非常に殖えております。殖えておるが貨車の関係等もありまして送炭も減つております。従つて受取手形も減額になつておるのです。私のところではそういう実態を示しております。だから年末金融も、すべてが私の所のようではないと思いますが、私の所よりも品質の悪い石炭を出しておる山、積込も悪い炭鉱というものは、港頭に持つてつての貯炭でなくて山元においての貯炭は殖えておるだろうと思います。そういう関係で、仮に夏場の貯炭金融は支拂われてなかつたにしたところで、少くとも貯炭の増加した分に対してだけくらいは何とか措置を講じてもらわないと山は恐らくやつて行けないと思いますから、重ねてお願いいたしますが、その点に関しては一つ早急に実態をつかまれて、安本、大蔵省なり日銀なりに何とか安心を與えるような方向に金融を持つてつてもらえるように御努力をお願いいたします。
  94. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 時間もございませんから要点だけ御質問を申上げたいと思います。  お話を聞いておりますと、これは石炭行政自身のウエイトがだんだん下つて来るという感じがするのであります。輸送の問題につきましては先ほど西田委員からお話のありましたように、地元から業者或いは労働組合も出て来ておる、我々も及ばずながら協力をしてやつてつて、先ほどの炭政局長の御答弁からいたしますならば、炭政局長のやられる仕事を私どもが若干やつたという感じがするのであります。例えば数字にいたしましても十一月末の貯炭が三百五十六万トン、これは多少予想があるのでありますが、来年の三月末まで二百十四万トン貯炭のあるべき姿は、先ほどちよつと御論議になつておりましたけれども、大体百九十万トン程度ということを一応言い得るのじやないか。それに対して運輸省としても相当、或いは鉄道公社としても御努力つて十二月三百七十六万トンという数字が一応予定されておりますが、その外に九万トンという九州地においては増送のこれは約束もあるようです。それから常磐炭のピストン輸送という計画もあるようですが、それらについて、あとはこれを実行するためにどういうことが増送の障害になつておるかということを研究努力して行くことだと思つております。その点について一層の炭政局長なり関係の機関の御協力を願うということで、その問題については一応質問を打切つておきたいと思います。  それから金融問題に関連いたしまして、年末金融の問題について西田委員から御質問があつたのでありますけれども、今のところではまだ解決がついておらん、方向がはつきり出ておらんということで、この点は緊急に一つ努力を願うということをお願いいたします。  関連いたしまして先ほど説明の資料の中にもありましたが、関連産業の未拂資金というものが殆んど固定して減つておらん。この問題について多少特需関係その他で関連産業でよくなつておる面もあるというお話でありましたけれども炭鉱の未拂資金そのものについては変動がないようでありますが、これに対してどういう措置をするつもりなのか、その点伺つておきたいと思います。
  95. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) これも実は今年の年末金融につきましても、先ずこの未拂問題を取上げたらという考えも出たわけでありますが、これを正面に出しますことはやはり夏場の貯炭金融との関連において、非常に説明の苦しい点がありますので伏せておつたわけでございますが、実際上数字的にこれが殖えておらん、これが若し貯炭の運び出しが順調に行けば当然これは減るわけであつた。ところが減つてないということは、やはり貯炭の荷さばきというものが予定通り行かなかつたということを物語つておるわけでございますが、又逆に先ほどちよつと触れましたように、全般の他産業におきまする状況特需関係等よりして比較的改善されておるということは、同じ資材でありますと他産業に対しては比較的これは順調に廻り、資材代の拂いの悪い石炭鉱業に対しては極めて供給が不円滑になつておる。こういうふうな結果が出て来るわけでございます。これの対策はやはり年末金融としてこの一時的な未拂金を解消するようにするということをやるのがまあ常識の方法でございますが、先ほどの貯炭の金融とのからみ合せと、更に今年もそういう声が勿論あるようでございますが、普通であればこれだけの未拂金がなお残つておるということにつきまして、年末に対しましては相当関連産業から苦しい要求が出て来るわけでございますが、それが昨年に比較して少いというふうな点が、どうも未拂金に対します金融関係の感覚というものを、もう一層こちらのほうに有利に持つて来るということができないような状況になつております。こういうわけであります。従つて我々の今後の持つて行きかたとしては、未拂金というふうなものを具体的にこれは一つの資料としては差支えないのでありますが、これは一つのポイントとして年末金融措置をするということは、むしろ不利ではないかというふうな感じを持つのであります。
  96. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 今お願いしたのは年末金融の関連ではなくて、六十億前後のものが昨年の暮からずつと下つているためにこれをほりつ放なしにするわけでもないでしようが、どうするつもりかというお尋ねを私はしたわけです。
  97. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) それは先ほど申上げましたように貯炭の拂い出しが順調に行けばこれは当然その面から緩和されて来る。それから今後やはり未だに昨年の統制撤廃後の貯炭の圧迫というものはまだ影響が続いていることもございますが、そういうものが次第にそういう影響から現在石炭局が脱却しつつありますので、その過程においてやはり未拂金というものは逐次消化されて行くというふうに考えているわけであります。従つてこれに対しまして、特別にこれをこの際どうかしなければならんというようなそういう計画は、年末を離れました場合には極めてよろしくなるのじやないかというふうに先ほど申上げました。
  98. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 この問題はもう論議をしませんが、炭政局長の認識と実際とは私は違つているように思うのです。年末金融と関連さすのも結構でありましようが、数字を見ましてもずつと固定しておりますし、或いは関連産業事態或いは炭鉱向けの坑木坑材を作つておりますものを見ましても、これは大体固定しており、過去のことは炭鉱経営のいわば赤字の累積というものがこういう点に出ているということは、むしろ本質的だと思うのであります。従いまして貯炭の減少云々という問題とは関連ないと思いますが、この点につきましては年末金融とからませることは、これは一つの方便でもありますけれども、この問題について対策を立てなければならん、解決方法を見出さなければならんという点はまだ問題が残つている。その点は考えて頂きたいという要望にとどめまして、坑木の問題に先程お話があつたようですが、事態については今更申上げるまでもありませんけれども、この問題について解決策を具体的に承わりたい。だんだん戰争中に騒ぎました坑木がなくなつて、この問題について相当挙げて騒がなければならんような事態が又起つて来るのじやないか、こういう心配がありますので、現在としての解決策を一つ承わりたいと思うのであります。
  99. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 坑木は国有に関しましては、まあ炭鉱等の競争関係にあるパルプ業に対する拂下と、それから炭鉱用の坑木との拂下の時期を区別するというふうな方法によつて、或る程度の解決はできると思いますが、それ以外の全般問題としては、これはやはり結局において金融問題にかかつていると思うのであります。現在炭鉱が採算上パルプ業者について行けないということは、これは事実でございますけれども、それと同時に金融関係からして坑木代金の支拂ということがかなり延びているという関係から、坑木が円滑に拂えないということになつおりますので先ずこの点資金を円滑に供給できるように、特にこれも年末金融関係するわけでありますが、そういうことでなく先ず当面の解決を図り、更に将来に対しましてこれは原価全般に関係しますが、金融が円滑に行きました上では、やはり若干のこれは買い置きということも必要ではないか。勿論半面におきましてパルプ業者に対しまして不当な買占でありますとか、或いは立木の買收とかいうふうなことを差控かえるように交渉する。これは通産省部内におきまして雑貨局等を通じて現在もやつておりますし将来もやるつもりでありますが、相手かたの自粛ということは別といたしましても、炭鉱自体として向うに対しまして不利な立場に立たないように、先ず金融問題の解決を図る、若干の値上りはありましても現在自由経済でありますので、これに対処し得るだけの余裕を作るということが一番必要であると思うのでありますが、これは将来の問題でありまして、差当りの問題はこれはやはり拂下の方式でありますとか、差当り金融面でありますとか、更に一時的にパルプ業者に対しまして或る程度の自粛を要求するというようなことによつて坑木不足のために炭鉱の作業を停止することのないように、これにつきまして今後強力にいたしたいと思つております。
  100. 岡田秀男

    政府委員(岡田秀男君) 只今炭政局長から大体具体的に御答弁いたしたのでありますが、私若干補足さして頂きたいと思うのであります。現在の炭鉱が例えば坑木にいたしましても金がなくてパルプ業者に負ける、坑木が入らないというような状態になぜなつたかという点でありますが、炭鉱が赤字のためにかようになつておるのでありますれば、日本炭鉱というものは成立たんという議論が成立つと思うのでありますが、私はそうではなくて配炭公団廃止後、設備資金炭鉱全体といたしまして考えた場合に出てない、政治的な施策からすれば見返資金の金額、絶対的に金額が少かつたことを相待ちまして、或る特定の炭鉱に少々出ただけでありまして、石炭鉱業全体に対しまする設備資金の手当というものが、甚だ不手際であつたということが一つの原因であつたと思うのであります。これが金融に対しまする政府統制というものが殆んどございませんので、なかなか思うに委せなかつたというような点もございますが、要するに設備資金が出なかつた、炭坑が自衛上設備資金のほうに運転資金を廻したということが一つの原因であり、又自分で買う資材のほうには現金を出さねばならんにもかかわらず、炭代のほうは逐次長期の手形に変つて参りまして、その間の運転資金不足が出て来ておるというような大きな点からいいますれば、この二つの点が重なりまして炭鉱金融が非常に逼迫して、その結果その日暮しのことさえできないというようなことになり、延いては関連産業に対しまして非常な無理をして、関連産業のほうに死活の問題を起しておる。今日も丁度こちらに参上いたします直前に九州の或る製作所五、六社のかたが見えまして、半年以上の焦付きが九州の機械メーカーだけで三億程度であり、三カ月以上の焦付きを加えると五億程度で非常に困るというお話があつたのであります。その辺の事情は私先ほど申上げましたようなことであろうと思うのであります。これに対しまする解決策といたしましては、やはり炭鉱の所要いたしまする設備資金を根本的に解決するにあらずんば、本当の安定した石炭鉱業の運営ということは望まれないのじやなかろうか。こういう意味で先般来炭政局長から申しましたように、例の合理化三ヵ年計画に基きまする長期資金の調達ということに、今年の夏暑い時分から鋭意努力して参つたわけでございますが、最近のドツジ氏との政府の交渉等の結果によりまして、見返資金から相当産業に対する合理化資金と申しますか、設備資金は期待できない。その代り今年の一—三で二百億、来年度で四百億十五カ月間におきでまして六百億の、預金部による金融債の引受が認められるという形になつたわけであります。従いまして私どもといたしましてはこの前安本の金融財政部長と話しましたが、差当り二百億来年通計いたしまして六百億の中から石炭鉱業に対する設備資金とじて、法律的な意味において紐付きというわけには参らんにいたしましても、石炭鉱業に大体このくらいのものは貸してもらいたい、貸しましようというふうな意味合の枠におきましても、何とかこれへ割込みまして、私どものほうで考えておりまする三ヵ年間における石炭鉱業合理化、従いまして国際競争にも堪え得る程度企業体を作り上げるという方向へ全努力を傾注いたしたいと思うのであります。これが或る程度の成果を見まするならば、現在におけるがごとき炭鉱のふらふらした状態が一応は解決するんじやないかと思うのでありまして、それを解決する一つのつなぎといたしまして年末金融というふうなものも大いに努力いたす次第でありまするけれども、根本は今の六百億をどれだけ石炭の中へ注ぎ込み得るかということで大体解決するんじやないかと思うのでありまして、このほうへ本当の努力を向けたいと思うのであります。
  101. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 今の次長のお話の問題の中心は確かにそこにあると思うのですが、差当り年末金融、これは統制時代の余弊が残つておる、或いはその後の未拂資金がそのまま焦げ付いておる、それをこの年末についてどういう工合に解決するか、こういう問題が一つ。それから要するに炭鉱に金が流れて行けばいいので、その中心は何といつても昔のとにかくこの無理を今日云云というわけには参りにくいから、結局設備資金、こういうことに相成ると思うのでありますが、ただ先ほど御説明にありました一—三月二百億、あと合せて六百億、ところが炭鉱のとにかく所要が三ヵ年間で四百七十五億というようなことでありますから、それを三分の一にすれば減るわけでありますけれども、併し何にいたしましても六百億の中からどれだけ炭鉱に取れるかという点が問題になると思う。然るにとにかく先ほどから感じますことは、石炭のとにかくウエイト、経済界というよりも、むしろ政治面におけるウエイトが減つているためにいろいろこういう問題が起つて参る。そこで具体的にはその六百億なら六百億からたくさんということになりますけれども石炭に注入投資してもらう具体策、或いは石炭行政についてのウエイトを重からしめる具体策についてどういう考えを持つておられるか。これはお話を聞いておつて炭政局長でなく、資源庁通産省全体としてお持ちになつておるところがなければならんと思うのでありますが、その点を一つ承わりたいと思います
  102. 岡田秀男

    政府委員(岡田秀男君) 三ヵ年間の所要資金が四百七、八十億という計算に私どものほうはなつておりますが、それを自己調達とか何とかいろいろな点を差つ引きまして、純粋に我々の手で努力して炭鉱界に注ぎ込まねばならんと、こう考えておりますのは三ヵ年間にたしか二百七、八十億だつたと思います。当初の初年度として八十六億という数字を出し、その後来年の一月から十五カ月間に計算をいたしますと百十八億になる。こういう計算に相成つておるわけでありますから、この六百億に対する我々の食い込みといたしましては差当り百十八億というものを我々としては目標にして努力するということに相成ろうかと思うのでありまして、そうして一資源庁のみならず、通産省全体として全力を傾注すべき問題だと考えております。
  103. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それからもう一つ、これはどちらからでもかまいませんが、合理化の問題でありますが、この貯炭の問題に関連いたしまして労働組合の代表が現に上ぼつて来ておるのですが、これは貯炭が溜り、或いは貯炭のうちの山元貯炭が殖える、そうすると生産も抑えられる、或いは何といいますか、金も入つておりませんから年末に向けて賃金の遅配、或いは欠配も行われる、或いは将来に亘つて待遇の改善が心配されるというところに、初めてですが、こういう貯炭輸送の問題について労働組合の代表が上ぼつて来た原因があると思います。合理化審議会結論が出ておりますが、私はこの設備資金四百七十五億というものも、しぼれるだけしぼつてそういう結果が出て来たと思います。さつき今年の初め頃出た資源庁数字には一千億近い数字も出ておつたと思います。この合理化審議会のこの結論の結果を待たなくても、一昨年の暮頃からだんだん進められて参つておりますが、炭価の構成を見てみますと、労務費のごときも五〇%前後になつて大体限界に来ておるのじやないか。而もなお外国からの輸入等で以て抑えようといたしますためにほうぼうに無理が来ておる。例えば賃金水準を見ましても、従来の六千三百七円ペースが今度僅かでありますが千円程度上るだろうと思つております。炭価につきましては、これは公定価格が一昨年の暮の賃金水準でそのまま来ておる。或いは例えば災害率の上昇にしましても、先般矢岳炭鉱の爆発事件に関して保安局長に聞いたのでありますが、これは限界に来ており、なお設備資金その他が合理的な裏付けがないならば私は労働者の上にのみ負担をかけるのじやないかという気がするのでありますが、そういう無理の行かない合理的な合理化施策の推進について一つ承わつて置きたいと思います。
  104. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 只今のお話によりますと、要するに合理化資金契約というものが無理に圧縮されたのではないか、無理に圧縮されなければどの程度契約があるか、こういうふうなお話じやないかと想像いたしますが、その点はむしろ私どもはどちらかと申しますと逆に考えておる次第でありまして、今年の初頃に一千億の所要資金が出せるというお話は、ちよつと私どもはそういう数字があつたかどうか記憶しておりませんが、或いは誤解ではないかというふうに感じられますが、石炭鉱業合理化資金として最初に出ましたのは、審議会で十二社に関しまして三百五十億という数字が出ておりますが、それ以外は炭鉱全部一応ひつくるめて大ざつぱに四百億というふうなものが出ておりましたが、その後東に合理化を全般的に徹底的にやるためにどのくらい要るかということを算定いたしましたのが四百七十五億という数字でありまして、むしろこの数字は率直に申しますと果してこれはもう殆んど各企業からの所要資金をそのまま累計いたしました数字でありますので、実際におきましてそれだけの枠が出た場合に、果して各企業体が現在持つております負債乃至は資本金等の関係からいたしまして、これだけのものを更にプラスして注ぎ込むかどうかという点につきましては、むしろ若干我々は消極的な結果をすら予想しておるわけであります。従つて四百七十五億の資金が注ぎ込まれたら、これはむしろ理想に近い、或いは理想以上の形でありまして、これ以上の金額は向う三ヵ年間においては殆んど必要なかろうというふうに考えておるわけであります。その際にこれが労務者に対しまする影響ということになりますと、これが更により多くの資金を投入いたしました場合には、それだけの費用が内部において要求があつたといたしましても、一層これは機械化が進むわけでありますので、それだけ労働不安というものは又殖えるのであります。すでに四百七十五億の資金投入による合理化乃至は機械化によつて、或る程度課せられるのじやないかという懸念もときどき出ておりますが、それ以上のものはむしろそういう意味から考えましても不必要ではないか。又四百七十五億の場合にどうかということになりますと、これはむずかしい問題でありますが、先ほどもちよつと触れましたように、合理化そのものが定員整理ということを主たる目的にしていない。従つて機械化によりまして、機械化そのものに対する種々の需要と、それからそれ以外に機械工業におきまする需要の増加もありますから、各個における吸收力も出て来ます。又一方自然減耗というものも毎年あるわけでありますから、そういうわけで機械化による影響というものもできるだけ最小限度に食いとめるということも可能ではなかろうか。又この出炭原価の低下によりまして、それだけ賃金水準というものを上げるということは、炭鉱の経営如何によつては我々としては漸次そういうふうに持つて行きたい、こう考えております。
  105. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 まだ御質問のかたがおありのようですから、簡單にお答え願いたいのですが、二点だけ御質問するのでありますが、一つは六三ベースが上りますと、炭鉱の賃金額、これは一昨年のいわゆる協約水準から当然上るべきだと思います。今までの出炭に関係した一時の金は別としてそれを可能ならしめる方法について一つ承わりたい。  それからもう一つは、炭鉱行政全体をとにかく重からしめる具体的な万策について簡單に一つ
  106. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) 炭鉱行政がウエイトというものを失いつつあるのではないかという御懸念につきましては、そういうお考えをお持ちかも知れませんけれども、私どもは必ずしもそうは考えておりませんので、一般に例えば資金の問題にいたしましても、或いは輸送の問題にいたしましても、安本その他関係官庁と相談いたします場合に、炭鉱に関しましては常に先ず一番の重点をおいておる。それから電力の配分についても同様であります。従来超重点産業としてありましたが、それが解除をされました結果、若干そういうような印象もあるかと思いますが、結果においてその超重点という看板だけは下りましたけれども、実際の点において一般的なほかの産業よりも少しも重要なものがないということは考えられておるとは現在のところ考えておりません。例えば電力等につきましてはいろいろな問題もありますし、常に第一に取上げられておるわけであります。むしろこれは電力がそれだけ立遅れておるというふうな関係から出ておるのでありまして、炭鉱が最も重要な基礎産業であることにつきましては、一般的に誰もその認識を欠いておらないのではないかと確信いたしております。  それから前の点につきましてはちよつと御質問の御趣旨がよくわからないのでございますが。
  107. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 これは実際問題として、六三べース、六千三百円の平均賃金を拂いますと、炭鉱の賃金も上らざるを得ない。現に年末からすでにいろいろな問題が起つておる。山元において交渉は進められておると思いますが、一月以降の賃金が大体きめられようとしている。結局上げられざるを得ない情勢でありますが、それを可能ならしめる具体策、それは大きく言いますと、合理化政策ということになるとも思いますが、そういうものを抜きにしまして、当面の問題についてどういうふうにお考えになつておりますか、簡單にお願いいたします。
  108. 中島征帆

    政府委員(中島征帆君) これは大変むずかしい問題でありまして、私どもはつきりした見通しもありませんし、又確実な点も存じませんが、やはりこれは当面の問題といたしましては、差当りの金融問題に関係があり、その他のことも出て来るというと、更に将来の需給の見通しというものについて、相当明るい見通しをつけられるような環境を作るということ以外にはないと思います。
  109. 小野義夫

    ○小野義夫君 実はちよつと運営に関して。すぐ私がこれから質問の順番を頂いてやつてもいいのですけれども、まあ遅くまでやれば何時まででもいいはずですけれども、私が五時からやるのでは、皆さんの御都合もありますし、それから又石炭にも関係の問題が残つておるように拜聽いたしておりますし、金属も各金属に亘つてよほど今いろいろな差迫つた問題がたくさんありますので、無理にお忙がしいところを皆さんお集まりにならなくてもいいのですが、その如何なる方法によつてつて行くかは、明日午前中に御通告申上げることとして、本日はここで一つ委員会をやめて、もう一日明日御面倒でも委員会を開催して頂くようなことに皆さんにお諮り願いたいのですが。
  110. 古池信三

    理事(古池信三君) 今の小野委員からの御発言のことについてお諮りをいたしたいと思いますが、明日更に引続いて調査を進め、明日は必要なる政府関係官においでを願つてやることにして如何でございましよう。
  111. 境野清雄

    ○境野清雄君 明日の予定はあるのではありませんか。
  112. 古池信三

    理事(古池信三君) これについてはあとでお諮りいたそうと考えておつたのですが、それでは今お尋ねがありましたから申上げたいと思いますが、明日午後一時から開会いたしまして、大体今こちらで考えておりますのは、今度の国会へ提出を予定されております法案の内容について、そのアウトラインを聽くということと、それからもう一つは、繊維局関係の事柄につきまして質疑を続けて調査をするということに考えておるのですが、只今の小野委員のお話のように、まだ鉱業関係が済んでおりませんから、明日もこれを続行し、併せて只今申上げました二つの件も調査審議を進めるようにしたら如何かと思いますが、どうでございましよう。
  113. 境野清雄

    ○境野清雄君 それは異議ありませんが、それで全部明日終りますか。その場合の順序として、今日の継続を先にやるというのか、明日のをやつた後でやるのか、その辺は。
  114. 古池信三

    理事(古池信三君) 明日は小野委員少しなんでございますか。
  115. 小野義夫

    ○小野義夫君 成るべく短かくやれば短かくできますが、少くとも一時間ぐらい予定して頂きたいと思います。
  116. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 只今の意見を申述べるわけですが、速記は要らないでしよう。
  117. 古池信三

    理事(古池信三君) 速記をやめて下さい。    〔速記中止〕
  118. 古池信三

    理事(古池信三君) 速記を始めて、それでは本日の会議はこれを以て散会いたします。    午後五時一分散会  出席者は左の通り。    理事            古池 信三君            廣瀬與兵衞君            結城 安次君    委員            上原 正吉君            小野 義夫君            松本  昇君            島   清君            下條 恭兵君            吉田 法晴君            山川 良一君            境野 清雄君            西田 隆男君   政府委員    資源庁次長   岡田 秀男君    資源庁炭政局長 中島 征帆君    資源庁鉱山局長 徳永 久次君   説明員    通商産業通商    化学局化学肥料    第一課長    黒津兆太郎君    通商産業通商    鉄鋼局鉄鋼政策    課長      川島 一郎君    資源庁炭政局炭    政課長     五神 辰雄君    資源庁炭政局経    理課長     金谷榮治郎君    物価庁第三部長 川上 為治君    経済安定本部財    政金融局次長  西原 直廉君