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1951-07-23 第10回国会 参議院 地方行政委員会地方財政の緊急対策に関する小委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年七月二十三日(月曜日)    午前十一時二十三分開会   ————————————— 昭和二十六年七月十九日地方行政委員 長において小委員を左の通り指名し た。            高橋進太郎君            安井  謙君           小笠原二三男君            相馬 助治君            西郷吉之助君            鈴木 直人君            岩木 哲夫君            石川 清一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○小委員長の互選 ○本委員会の運営に関する件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (昭和二十六年度補正予算地方財  政計画に関する件)   —————————————    〔年長者鈴木直人君仮委員長となる〕
  2. 鈴木直人

    ○仮委員長鈴木直人君) これより地方財政緊急対策に関する小委員会を開きます。  先ず小委員長選挙を行わなければなりませんが、それまで年長者の故を以て私が小委員長を務めるごとにいたします。小委員長選挙方法は如何いたしましようか。
  3. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 選挙の手続を省略して仮委員長において指名せられんことの動議出します。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鈴木直人

    ○仮委員長鈴木直人君) 只今動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 鈴木直人

    ○仮委員長鈴木直人君) それでは仮委員長において小委員長を御指名申上げることにいたします。自由党の高橋進太郎君を小委員長に指名いたします。よろしくお願いします。(拍手)    〔仮委員長鈴木直人退席高橋進太郎委員長席に着く〕
  6. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  7. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それでは速記を始めて下さい。私小委員長に御指名になりましたが、よろしく御協力をお願いいたします。なお速記開始前にいろいろ御懇談申上げました通り、当小委員会といたしましては、その目的專ら昭和二十六年度の現在の地方財政が窮迫の一路にありまして、もはやこれをこのまま放置するということは困難でありますので、早急に或いは平衡交付金増額であるとか、或いは起債の枠の拡大であるとか、あらゆる方途をここに結集してこの問題の打開に努めることを本委員会目的として決定する、こういうことにいたしたいと存じます。このために、日程といたしましては二十三日、二十四日は主として地方財政委員会並びに自治庁から地方財政現状並びにこれが困難なる実態についての十分なる資料並びに事情を聴取ずる。それから二十五日には、大蔵省関係者からこの問題についての事情を聴取する。それから二十六日には、それを包括的に大蔵大臣、或いは岡野国務大臣或いは地方財政委員会等責任者から、それぞれ今後の地方財政に対する考え方、そういう問題に対する意見について聴取するということで日程を進め、二十七日に行つて大体この小委員会結論をまとめる。こういうような日程で進めたいと存ずるのでありますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それではそういうことで今後小委員会を進めて参りたいと存じまするが、この機会に、先に皆さんからのお話もありまして、一応今お手許に差上げてありまする本委員会の審議上必要なる資料を要求いたしておいたのでありますが、このほかに何かお気付きの点があり、この際資料要求等がございましたならば御発言願いたいと思いますが……。
  9. 鈴木直人

    鈴木直人君 地方財政委員会なり大蔵省から出席する場合に、こちらで要求するものは別として、地方財政委員会なり大蔵省が最も目的に合致するようないい資料を、自発的に持つて来てもらうというように一つ要求をいたしたいと存じます。
  10. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 資料の問題とは少し違いますが、全国町村長会或いは市長会知事会等、各地方団体関係機関で、財政上の諸問題を決し、陳情請願等をしておる向きもあるやに考えておるのですが、従つてこの関係機関事務当局者くらいにはこの期間中自分たちの言わんとする資料を持つて、ここに出席するように御手配をお願いしておけば、問題は具体的な問題に発展するのではないかと考えますので、そうお願いしたいと思います。
  11. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 今小笠原委員からの発言がありまして、各町村長会とか或いは知事会とか、そういう事務当局者その他関係者出席してもらつて、かねがね抱懐しておる自分らの意見書なり資料を持つて来て出席して聞いてもらうというのですが、これは或いは最後の二十七日の日になるかも知れませんが、場合によつてはこれらのものに日程都合によつて発言を許す機会を与えてはどうでしようか。
  12. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の趣旨には賛成でありまして、全国町村長会並びに知事会市長会はこの第十国会以後は臨時総会を開いていろいろ強硬な決議をしておりますから、これは非常に喜ぶと思いますので、小委員長よりそれぞれ意見があつた出席するように、そういうことをあらかじめ通告しておけば非常にいいじやないかと思います。
  13. 相馬助治

    相馬助治君 私は一つこの際、要求しておきたいのは、特に人事院総裁出席を求めたい。その理由は御案内のようにベース・アツプ勧告をするといつておりますが、まだしておりません。閣議決定等新聞等に報ぜられておるのを見ますと、国家公務員の分は考えるが、地方公務員の分は、地方が自主的にこれをなすべきであるというような基本線を打出しておるやに承知しております。従つて私は資料として要求するということが、現実にまだ勧告していないのですからむずかしいでしようから、こういう用件を以て人事院総裁を呼び出す。こういう用件というのは、近く行われんとするベース・アツプ関係して、それらの資料をこの小委員会が承知したいという意味で、それの説明できる事務上の資料を持つて人事院総裁がこの小委員会出席することを要求したいと思います。向うの都合もありましようから、日程その他は委員長に任せます。
  14. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 承知しました。何かその他御発言ございますか、御発言がなければ、大体小委員会は午前中はこの程度にいたしまして、午後一時から日程によりまして、先ず地方財政委員会並びに自治庁関係官出席して頂いて、それぞれ意見を聞きたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 財政を検討します場合に、やはり国警とか、自治体警察とかいう関係のものも要求するかも知れませんから、あらかじめ御了承願います。
  16. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それでは小委員会は手前はこれで休憩いたします。    午前十一時四十四分休憩    ——————————    午後一時三十五分開会
  17. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それでは小委員会を午前に引続きまして再開いたします。青木委員が御出席になつておりますので、この際何か……。
  18. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 青木委員に伺いますが、配付された資料の二十六年度修正地方財政計画というのがありますが、これはこの小委員会におきましては、地方財政現状に鑑みて補正予算等緊急対策結論出したいと思いますが、二十六年度修正地方財政計画というのは、これはどういう意味でお出しなつたのか。推測すると、こういうような資料をお出しになつて……二十六年度の補政予算資料としてお出しなつたのか。どういう意味なんですか。なお且つこれを見ますと、本年度の地方財政に非常な影響力がありますから御説明願いたいと思います。
  19. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その御説明関連しまして、内閣を通じ参議院のほうに出ている五月二十八、九日頃もらつています地方財政状況報告に盛られている統計資料とどういう関係になつて来るのであるか。数字によつて比較して御説明願いたい、こう思います。
  20. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今、小笠原委員の御質問地方財政状況報告、これの関係なんですが、これは関連を以てお考えになつているのですか、全然別箇のものですか、そういうようなものを根本的にはつきりしてもらわないと、全然感じが違うからして、この点はつきりして置きたい。
  21. 青木得三

    説明員青木得三君) ではお答えをいたします。この五月二十八日付で参議院議長提出をいたしました報告書は、私どものほうで俗に白書と申しますものでございますが、これは法律の規定によりまして、毎年一回国会に提出しなければならない規定になつております。それによつてここに提出をいたしましたものでございます。で、この数字通常国会の際、皆様がたの非常な御同情を頂きまして大蔵省に向つて平衡交付金増額を要求いたしておりました。そのときの数字をそのまま、いわゆる地方財政白書として国会に差出しましたわけであります。ところがその後になりましてどうも、皆様がたよく御承知でありまする通り、この地方財政窮乏状況はますます深刻になつて参りまして、そうして私ども国会においてこれだけ平衡交付金が足りないということを主張いたしました当時よりも、更にもつと大きな欠損を生ずるという見込が立ちましたものでありますから、まだ計算が確定しないところがありますので、未定稿ということでこの二十六年度修正地方財政計画というものを作りましたわけでございます。従いましてこの二十六年度修正地方財政計画の表の修正後、修正前という二つに分れておりますのでありますが、この修正前と申します数字は、これは私ども通常国会において主張しておりました数字でございます。従いましていわゆるこの財政白書数字と殆んど全く同じであるのでありますが、修正後と書いてございます数字は、最近の情勢によりまして更に計算し直しました数字でございます。従いましてこの修正地方財政計画という表の二頁目の最後の欄を御覧頂きますと、そこがはつきりいたします。最後交付金増額という欄があるのでありますが、修正前というところの百九億七千五百万円を、大蔵省案に対して増額を要請いたしました。これは通常国会で私どもが主張しておりました数字でございます。然るに修正後今度新たに計算をとつて見ますというと、交付金増額を二百九十二億六千万円にいたしませんければ、到底地方財政窮乏を救うことができないという数字になりましたわけでございます。大体以上でございます。
  22. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 この財政計画数字の中で御質問しますが、第二次の給与改訂による増、第一次、第二次とありまして、第二次は来たるべき近いうちに、人事院給与ベース改訂勧告する。それを想定の下に、この百六十六億という金額をお挙げになつておるのですか、それは、第一次との関連とはどういうことなんですか。
  23. 青木得三

    説明員青木得三君) まさにその通りなのでございまして、第二次の給与べースの引上げをやるということを、人事院の御勧告もあるようですし、大蔵省のほうのそういう意向があるように新聞にも伝えられておりますので、その程度は必ずしもはつきりいたしませんけれども、大体の見通しによりまして、これだけの数字を第二次として計上いたしました。なお、ついでながら申上げておきますが、第一次の数字も少し殖えておりますので、これは通常国会においても、地方財政委員会の案がまだ足りないのであるという御批判をしばしば受けたのでありまして、その点に顧みまして、更に改算いたしました。
  24. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 そうすると、第一次はその内訳が出ておりましたが、第二次の基礎的数字……、どういうような数字をお考えになつて地方公務員の百六十六億の單価はどういうふうに増額をお考えになつておるか、その点御説明願いたい。
  25. 青木得三

    説明員青木得三君) その点は今山本事務官が参りますれば、詳細御説明できることと思いますが、私はその詳細なる算出の根拠を、今手許に持つておりませんので、暫らく御猶予願います。
  26. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 そうしますと、この数字は重要な数字ですが、全般についてざつと青木委員に御説明願いたいと思いますが、今の質問の点もあるから重ねてお伺いします。新聞の報道によりますと、政府の見解は給与改訂は、地方公務員に対する分は、地方の二十六年度現在の地方財政の枠内において、自主的にやるべしという意見の発表を見たが、どう聞いておられますか。
  27. 青木得三

    説明員青木得三君) その点は政府若しくは大蔵省の言われろところに同意いたしませんのであります。政府若しくは大蔵省におかれましては国家財政余裕があるから給与ベース改訂をやるのである。地方団体財政余裕があるならばやつたらいいだろうが、余裕がないのにやるということは間違つておる。余裕がなければ、国家公務員給与ベース改訂をやつても、地方公務員給与ベース改訂をする必要はないというような御意見であるように仄聞しておるのでありますが、私どもはそういう考えで立案をいたしませんで、やはり国家公務員給与ベース改訂がありますると、それと同じ比率を以て地方公務員給与ベース改訂しなければならんものであるという考えで以て、この案はできておるのであります。
  28. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の問題は非常に論議の多い問題だと思いますが、山本事務官が来ておりませんからその程度にいたします。やはり同様のことがその次の第二に見えまして、年末手当の五十八億と修正前には挙げておりますが、これは政府がこの前五十億に削つてしまつたのですが、それを又六十三億に上げておられる。更に十億殖やしておられる。そういうような点についても前国会政府態度等に鑑みて、果してこのようにお挙げになつてもどの程度自信を持つておられるか。私は非常に疑問に思うのですが、そのお答え等も含めてこの修正前、修正後の金額の動かないものは別として、修正された項目について大体でよろしいから一つ説明願いたいと思います。
  29. 青木得三

    説明員青木得三君) それでは私から、大体のお話しかできかねると思いますが、大体のお話を申上げさせて頂きたいと思います。2の(1)は修正前においては百九十億ですが、それが二百三十九億に殖えております。これは先ほど申上げましたような理由によるわけであります。従いまして2の(2)のところに参りまして、年末手当支給に要する経費が五十八億から六十三億に殖えております。これは一カ月分の給与が殖えたのであります。従いまして当然それだけのものが殖えて来る。それから第二次の給与改訂がございますから、従いまして年末手当支給に要する経費も第二次的にやはり殖えなければならない、それが十億四千百万円でございます。その次の給与改訂に伴う共済組合費の増、これは変化ございません。同上恩給費の増、これも変化ございません。それから政府施策に伴う経費増、これも変化ございません。それからその次の補助基本額寡少に因る追加所要額七十八億四千五百万円、この数字はどうも私は只今よくわかりませんから、山本事務官が参りましたら説明をさして頂きたいと、こう思います。それからその次は児童人口等増加に伴う地方歳出増であります。これが二十五億から二十八億に殖えております。それから全日制高校教員増、これは前は一つもなくて、五億六千八百万円の増であります。この点も私説明できませんので甚だ恐れ入りますが、山本事務官が参るまでお待ち願いたいと思います。それから公債費の面が修正前の三十二億が二十七億に減つております。公債費計算の、三十二億の算出方法は非常に綿密詳細なものであつたのでございますから、それを改算いたしましたのも、やはり非常に綿密詳細の計算によつて出したものと思いますが、これも山本事務官の参りますまでお待ち願いたいと思うのであります。その次が臨時事業費の増、これは三百八十六億が三百七十九億に少し減つておるのでありますが、そこに細かい内訳がございます。これは細かいことでこれも山本事務官説明をしてもらいたいと思います。それからその(イ)(ロ)(ハ)を飛びまして、物価騰貴による物件費増加百二十億を見た件でございますが、これは本院の地方行政委員会予算委員会の連合の小委員会の席で、私自身が議員のかたから物価騰貴による増加を見ないのは甚だ不都合であるという、非常な御非難を受けたようなことを未だに記憶いたしておりますが、そういうような理由によりましてここに備考に書いてありますように三割の増加を見込んで、ここに百二十億というようなものを出したのであります。それから既定財政規模の圧縮、これはつまり経費節約の部門でございますが、これは修正前と修正後で以て変化はないというわけであります。  それから次に歳入のほうに参りまして、次の頁でございますが、修正前においては地方税収入が二千八十七億でありましたのが、二千二百三十一億に相成つております。この地方税増加を見ました理由は、これは主として税法の改正が国会において行われまして、そうして法人に対して原案が一割でありましたのが一割五分に御修正なつたということが主なる増加理由であろうと思いますが、なお詳細なることは今ここに奥野財務課長出席をいたしましたから、この歳入のほうは奥野事務官説明をしてもらいたいと思います。要するに修正前と修正後の数字が違うのは如何なる理由であるかということを、これより説明奥野課長にしてもらいます。
  30. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 ちよつとその前に、青木さんが説明なさつて拔かしたところを山本事務官から先に一つ……。    〔委員長退席安井謙委員長席に着く〕
  31. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 山本事務官出席ですか。……今委員のかたがたが聞いているのは、この第一表の歳出で、通常国会の場合に地財委が要望したいわゆるこの修正前という見積要望額が、修正後としてこう変つて来た基礎的な計算のところを説明してもらいたいということなんです。各項に亘つてその点を詳細にお願いしたい。
  32. 安井謙

    委員長代理安井謙君) 山本事務官小笠原委員西郷委員の御質問に対して一つ説明願います。
  33. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 修正前と修正後の相違点を申上げます。昭和二十六年度の新規財政需要のうちの給与が当初の数字では百九十九億でありましたのが、今度の三百三十九億と、それから今後の増加を見込みまして百六十六億となつております。この相違理由はこの前の百九十九億の見積りにつきましては、この給与ベースが大体千円上るものと考えまして現在地方団体職員給与算定に用いております給与單価をまあ六千三百円、千円べース・アツプされるものと考えまして、それに比例して伸ばした單価使つてつたわけでありますが、それにこの給与法の切替表によりまして、地方団体が適用しております單価をいろいろ検討して参りますと、実際はそれより邊かに上廻つて切替が行われておりますので、そういう状況をいろいろ検討いたしまして一般職員につきましては、大体千七百円、それから教育職員については二千二百円から三千円弱の実際の切替状況になつておりますので、関係方面からこの資料を求めて計算し直したものがこの第一次の三百三十九億であります。第二次の百六十六億は、これは二十六年度行われる給与改訂方法はつきり私どもわかりませんので、一応この一人当り千五百円増俸されることにして、八月から実施するものとして計算したものが第二次の数字であります。それから年末手当の……。
  34. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 委員長、そこまでで……。只今説明でいろいろ操作したということですが、そのいろいろ操作したところを実はお聞きしたいわけですほ。百九十九億の場合には、六千三百円の線を掛けてその増分を見て、大蔵省の言う通り、ただ單に千円増という百七十二億とは違うんだということで、我々説明を受けた。それが三百三十九億になつたということは、見積つた人数修正前よりは多くなる……その單価を多くしたということですか。それで人間を多くしたものかどうかということが第一点。第二点としては一般職員が千七百円、実際は殖えておるのだというので、千七百円の人数倍ということでこの増を計算したのですか。それともそのペースの比率計算していたのですか。この点第二点としてお伺いしたい。それから第二次の百六十六億の増というのは、千五百円の人数倍ですか。それともその計算の方式はどういうふうに現わしてこれが計算されたのか。この点をお伺いいたします。
  35. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 第一点の見積り方法ですが、この人数については、大体この府県市町村一般職員、それから学校の、この小学校中学校、そういうようなものの数字は、人数はこの前と変更いたしておりません。ただ高等学校教員の数、それからその他の学校教員の数、それから学校事務官雇用人等数字が最近、正確な統計文部省で示されましたので、その分についてだけ人数修正をいたしております。あとはこの前の給与増加額算定が実情と著しく相違しておりましたので、その点を修正したために殖えた額であります。  それから第二次の百六十六億円の算定は一人当り千五百円で計算しております。
  36. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一人当り千五百円で計算しているということは、千五百円の人数倍で出た数字が百六十六億であるということですか。
  37. 山本晴男

    説明員山本晴男君) そういうわけであります。
  38. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それから第一点として聞いたところですが、いろいろの人数が殖えたということがあつたのですが、その人数が殖えた部分で全日制高等学校教員増だけは特に八項に抜書してあつて、他の雇用員関係は抜書していないのですから、いろいろ殖えたという部分でも、全日制高校教員の分はこの(1)の給与改訂による増には入つておらない、こう了解してよろしいか。
  39. 山本晴男

    説明員山本晴男君) この全日制高等学校の五億六千八百万円は、これは六千三百円ベース算定した増加人員給与額でございます。それから上の給与改訂の分は、その人間を含めたベース・アツプによる増加額になつております。
  40. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 なぜそれならば高等学校教員の増にだけ限つて過去に遡つてこういう財政需要を認めようとしたのですか、その理由は……。
  41. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 二十五年と六年とを比べますと、最近の文部省統計によりますと、二十六年の四月三十日現在の統計が出ておりますので、これを二十五年の四月三十日現在の高等学校職員と比較して見ますと、つまり人数の増が最近はつきりつかめたわけであります。
  42. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういう理由によるならば、少くとも小、中学校教員の増という統計も、全日制高校教員の増以上にこれは絶対数としてはその増を認めていなくちやならないわけですが、それがなぜこの(1)に入らないのですか。
  43. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 小学校中学校教員の増は、(5)のA系統行政費というのがございますが、その中に含めております。
  44. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 幾ら入つておりますか。ついでにもう一つ今の給与の増の第一次についてお伺いしますが、給与改訂による増というのは、通常国会の場合に出した千円増を計算する場合の計算の仕方でやつたのではなくて、実態を調べたら一般職員が一千七百円、教員関係が二千二百円から三千円弱、こういう計数が出たので弾き直したということなんですが、どういう公式で弾き直したのですか、それを具体的におつしやつて頂きたいのです。
  45. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 初めの小学校増加に見込んでおりまする先生の増加数は、小学校で七千六百三十四人の増加を見込んで算入いたしております。それから中学校は、生徒の数が減じますので、六千二百六十一人の減を見込んでおります。それから高等学校のうち、こちらに上つておりますのは全日制ですが、定時制の分で千六百七十三名の増を見込みまして、これをA系統行政費の中に含めてあります。それから給与改訂の増の算定方法でございますが、府県市町村職員につきましては、給与改訂後の数字はまだ統計ができておりませんが、二十五年の十月現在で都道府県市町村職員給与実態調査が、地方自治庁公務員課調査ができております。このうち都道府県職員につきましては、各級別人員と、それから平均給与数字をつかむことができるものですから、それを基礎にいたしまして、東京とか大阪とか、それから低いところでは奈良、山形、そういう極端なものを除外いたしまして、残りのものについて、各級別人員と平均給を出しまして、それを給与改訂による切替表に適用いたしまして、各級ごとの増加單価算定いたしまして、それに人数をウエイトにして加重平均いたして、改訂前後の給与單価算出いたしております。同時に扶養手当、それから勤務地手当の支給率、そういうものも新らしい資料ができましたので、それによつて算定変えを行なつたわけでございます。それから小学校中学校高等学校につきましては、昭和二十四年の、勤続年数、学歴別の人員構成ができておりますので、これに人事院の示されました初任給、それから昇給を適用いたしまして、    〔委員長代理安井謙退席委員長着席〕  若し現在おる職員が皆初任給をもらつて、それぞれ一定の昇給率によつて現在のところに来た場合の給与の額を計算し直したわけであります。それによつて改訂後の給与單価算出変えを行なつたわけであります。それで小学校中学校高等学校につきましては、実際ある單価でなくて、あるべき給与單価をそのような方法によつて算定いたしたわけであります。それから市町村一般職員と警察消防職員は、現在回答が全部来ておりませんので、約十県ばかりを除きました。二十五年の十月現在の実態を、大都市、都市、町村ごとに平均給を算定いたしまして、それぞれの大都市、都市人口の数をウエイトにいたしまして加重平均を取つて、それぞれの改訂前の單価算定いたしました。それから市町村につきましてはそれの大体三割増になりますので、三割の増加單価を見込んでおります。それから警察消防職員につきましては、一号引下げて、それから後に切替えを行うというような方法算定をいたしております。
  46. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 もう一つ伺いたいのですが、小、中学校、定時制高校の増員というのは、いつのときから比較して、いつのときの統計でこの増ということを見たのであるかということをお伺いしたい。それから第二番目としましては、都道府県のほうは誠に懇切丁寧に人事院のきめた給与の計数ばかりでなく、実態上それ以上現実給与が殖えておるような部分を全部認めて、実態の計数の上で弾き出しておるように考えられる。それから教育関係のほうは、実際はそうなつておるかどうかわからんが、或る年次における学歴別、勤続別の人数の構成がわかつておるので、それを形式的に人事院側の給与法或いはその規則等によつて移行させて現在の計数を弾き出したというふうに聞えるのですが、実態はそうでなくて、教員関係などでも、もう国家公務員である教職員給与べースを超えておると考えるのですが、これらは実際の操作をするときどういうふうに改訂の中に見込まれたのであるか、ちよつとわかりませんので、それをお伺いしたいのです。それから第三点としましては、これは青木さん、それから專門家の財務課長に伺いたいのだが、この前のとき大蔵省は各人数の千円倍で形式的にそれでまあ十分間に合うとして、この百七十二億という増を弾いた。ここが非常に地方財政委員会と見解の違つたところで論争のあつたところです。ところが地財委大蔵省のそれより前進して計算したのが百九十九億、ところがまあ今回はそれを飛躍させ、実態に近付けて三百三十九億という増を要望するということですが、大蔵省との関係においてこれが認められて、或いはこれに近いものが認められて予算の補正ができるという御自信があるかどうか、この際伺つて置きたい。技術的なほうから。
  47. 山本晴男

    説明員山本晴男君) この高等学校教員数は、文部省で行なつている学校基本調査によつて昭和二十五年の四月三十日現在の職員と、昭和二十六年四月三十日現在の職員の差を増加人員として挙げて見たのであります。それから小学校中学校教員の、改訂前後の單価算出は、先ほど申しましたような要領で、あるべき單価算定したわけでありますが、その算定した結果は、小学校について申しますと、切替後の実態の平均單価は千百十三円でございましたかに相成つておりますが、そのような方法であるべき單価出しますと、それより約十円くらい低くなるだけでありまして、大体実態と、そうして出したものとが近いような数字になつております。この資料文部省算定されたのでありまして、明日その資料をお配りできるのじやないかと思います。  それから県の職員につきましては、実態をそのまま用いたわけではないのでありまして、報告のありましたうち、文部省で行われましたような勤続年数別の、それから学歴別の数字が遺憾ながらございませんので、ただ実態的な單価のうち非常に高いものと思われるものと、非常に低いものと思われるものを除外いたしまして、その修正の限度で單価を弾き出したわけで、実態をそのまま使つたわけではないのであります。
  48. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 給与ベースの引上げを千円として掛けた場合に、大蔵省の百七十二億に対して地方財政委員会の百九十九億と、すでに開きがあるわけです。これは六千三百円ペースと言いましても、例えば学校の先生のように学歴の高い人たちはそれよりは高いわけです。従いまして仮に七千円出しますと、一千円に六千三百円分の七千円を乗じまして、修正前の数字を弾き出しておつたわけであります。ところが国家公務員につきましても千円のベース・アツプ考えておつたのが、人事院が指摘しておりますように千四百円内外かかつておるわけであります。従来も国家公務員よりも学歴その他の高かつた地方公務員につきましては、それよりもより一層高い給与になるということは大体誰でもが納得することではないかと思います。今朝も実は主税局長、主計局長と一緒に懇談しておつたのでありますが、相当給与改訂の結果予想しておつたよりも多額の財源が要るということは認めたわけであります。ただそれが三百三十九億になるか、或いはそれ以下になるか、或いはそれを上廻るかということにつきましては、今打合せを行なつておる最中であります。
  49. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ものになるかならんか……。
  50. 青木得三

    説明員青木得三君) 只今の御質問は百九十九億というのが修正前の数字でありまして、三百三十九億というものは修正後の数字であるが、これは大蔵省が認めるであろうかどうかという御質問でありまして、只今財務課長から御答弁を申上げた通りでありますが、最初に私から申上げましたように修正前の数字と、それから修正後の数字、それは給与ベース改訂による増、その他いろいろな増を引つくるめまして修正前においては百九十九億円の増額大蔵省に要請して認められません。今回はこの修正後の数字によりましては二百九十二億の平衡交付金増額を要請しなければならないという結果に相成るのでありますが、最近大蔵省において補正予算の編成をすでに計画しておるようでありまして、大蔵大臣の御意見等にも仄聞しておるところがありますが、結論といたしまして二百九十二億というような平衡交付金増額を、大蔵大臣なり大蔵省が承認するという確信を私が只今つておるわけではございません。これをちよつと附加えておきます。
  51. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まだそういう政治的な問題はあとでお伺いしますが、山本さん、第二次のいわゆる千五百円増の場合の十億四千万円の増になるというのは、先ほどのお話を伺いますと、千五百円の人数倍で簡單に弾き出した計数のようでありますが、第一次の計数を弾く方式から言うと、これは矛盾しておるんじやないのですか、実態はこんなものではなく殖えなくちや間に合わないということになるんじやありませんか。
  52. 山本晴男

    説明員山本晴男君) この昭和二十六年の給与改訂方式は、我々の知つておりますところでは新聞に発表されたところで、一人当り千五百円、八月から実施するということで、更に切替の方法等についてまだはつきりいたさないものですから、大蔵省とも話合つて一応そういう数字算定したわけであります。給与関係で百六十六億円、年末手当は十億円、そういうような算定をいたしておるわけでありまして、改訂方法が確定いたしますとその数字が異動するわけであります。
  53. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 さつき年末手当の計数で私間違つておりました。百六十六億五千二百万円というのは千五百円の人数倍であるということであれば、仮に千五百円ベースが上ることになりまして、八千円べースから千五百円上るという場合には、地財委は従来千五百円倍したのではなくて、八千円分の、実態給与を九千五百円ですか、プラスになつて九千五百円の実態給与をかけて計算しておつたと思うのですがね、それから見たらこの計数は少いのじやないかということを伺つておるのです。
  54. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 小笠原さんの心配しておられるようにその通りなのでありますが、どういう方式で給与改訂になるかわかりませんが、一応八月から千五百円引上げる、若し八月から実施できない場合には遅れた分は年末手当増加支給のようなことも考えられると言われておるのでありますが、今朝の話によりますと、鉄道会計通信会計というふうなものにつきましても料金の引上げと関連して来ておりまして、千五百円というものはかなり大きな数字だと言われております。そこで先日大蔵省の主計局と事務的な打合せをしたのでありますが、一応の計算は一人当り千五百円という数字で一応話合いをしておこうということになつたのであります。大きくなれば結構でありますが、大きくなればなるほど歳入欠陥というものが目立つて参りますので、我々としても計算すればどうしても出て来る歳入欠陥には手を上げざるを得なくなつた恰好であります。そういう事情も御勘案して頂きたいと思います。
  55. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは給与改訂による増、或いは年末手当支給に要する経費が、ベース・アツプに伴つて実態の計数は最終的には異動すると、その分は最後に要求する二百九十二億六千万円という交付金増額計数が自動的に変つて来るのだと、そういう前提に立つて了解しておいてよろしいのでございますか。
  56. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) その通りであります。
  57. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 先ほど奥野君の御説明でしたが、自信があるかどうかという問題なんですが、今いろいろ質疑がありましたが、給与改訂においても先ほど来お話通り大蔵省地財委の最初の案でも非常な開きがあつて、今度その数字改訂されると、その差が百六十六億となり、第二次案を合せる三百三十二億という差が大蔵省という差が大蔵省との間に出て来るわけですが、以前の数字でさえも十七億の開きがあつた。この三百三十二億というような開きが出て来るし、今の御答弁だと、まああるかも知れないというような御答弁だつたのですが、我々としてはそんなことは到底考えられない、実際は……。私どもは皆さんが非常に苦心して、勉強してこういう数字を出されることには敬意を表しますが、実際に果してこの数字が机上の空論になつてはいけないので、実際に地方にそれが均霑するように考えて行きたい。そうしますと、この給与改訂数字なり年末手当数字でも相当な開きがあつて、五十八億のうちでも五十億くらい削つてしまつて、話にならん数字大蔵省出しておる。それを更に増額しておられる。この二つを考えて見まして、更にその一方において平衡交付金は、百九億に更に百億をプラスされて二百九十二億というような増額をしておられるのでありますが、この給与改訂だけを考えても、三百三十二億の差があるのですから、その他のことは到底考えられないような段階に立ち至つているのではないか。今の御答弁だと極めてあり来たりの御答弁を承わつたのですが、私はそういうようなものでは到底この要求は通らないのみならず、こういう数字があるために、地方は非常な窮乏に陥れられるのではないかと心配するのですが、青木委員もおられるが、本日は委員長がどうして来られないか知りませんが、本日はこの暑いときに参議院は特に五日間の時間を割つて、この対策を真剣に考えて行きたいのに、委員長の御出席もなくて、今の御説明によると、そのような現在、従来通りの御答弁をなされるようでは、この二つだけを考えましても、私は殆んど絶望というふうな感じを受けるのですが、特段の御努力があるならいざ知らず、あり来たりの御答弁で、特に青木委員のごとき重要な地位におられるかたが請合えないのだというような無責任極まる、こういうようなお考えを以て我々この委員会にこの数字説明されることは不見識であるということを言わざるを得ないと思いますが、その点重ねて御答弁を願いたい。
  58. 青木得三

    説明員青木得三君) 私が先ほど申上げましたことは、この表にあります数字に私は何も疑惑を抱いているわけではございません。この数字は私がみずから計算をしたわけではございませんが、事務局員が非常に努力いたしまして作りました数字で、ございまして、この数字の誤れることを私が考えておるわけではございません。通常国会の場合におきましても同じことでありまして、私ども大蔵省案に対して百九億の増額を主張しておりまして、それは私どもの主張が正しいと思つております。併しながら私どもが正しいと思つております数字をば大蔵省若しくは大蔵大臣が認めるか認めないかということは、これは私がこの数字を正しいと思つておるということとは又別のことであります。私はこの数字を正しいと思つておりますけれども大蔵省がよく申しますが、国家財政全般の状況を考慮するというようなことをよく言われますが、大蔵大臣がこの数字を認めるという確信を持たぬというのでございまして、どうぞ私が申上げたことはこの数字について確信を持たぬという意味ではございませんから、その点はどうぞ惡しからず御了承を願いたいと思います。それから委員長出席をいたしませんことにつきましては、誠に申訳のないことでありますが、実は事務局と委員長との間の連絡が不十分であつたと見えまして、委員長は今日の会合がございますことを今朝初めて承知いたしました。それでよんどころなき先約がありますので、出席をいたしませんでした。この点もどうぞ惡しからず御了承願いたいと思います。
  59. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今青木委員から御説明がありましたが、私も青木委員がこの数字を信頼されないで、でたらめの数字出したと言うのではなく、私はこういう数字を出される事務当局の努力に対しては敬意を表しておるのです。私が地方財政委員の諸君に望むところは空中の楼閣に終つてはならない。理論上又制度上いろいろな御意見もあると思いますが、重要な地方財政を担当しておる地方財政委員会の諸君に対しては、この貴重な事務当局の出し数字の実行方を強く要望するのです。従つて諸君に対しては大蔵大臣に熱意を持つて話をして頂いて、我々も努力をしますが、これが実行方を希望しなければ如何なる立派な数字出しても意味をなさない。これを私は希望するのです。その努力をして頂きたいのです。
  60. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 次にお伺いしますが、(3)の給与改訂に伴う共済組合費の増、及び(4)の同上恩給費の増というのは修正前と修正後変らないのでありますが、これは第二次の給与改訂部分考えない理由はどこにあるのですか。それから又給与改訂による増、第一次の増においても百四十億を越える増になつておるのに、その部分についての共済組合費の増、恩給費の増、これを見ても修正前と修正後は同じ計数になるはずは絶対にない。どういうわけでそういう計数が弾き出されなかつたか。
  61. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 給与改訂に伴いまして共済組合費の増、恩給費の増が当然見込まれなければならなかつたのでありますが、時間的に間に合いませんので一応修正前の数をそのままかけて置きまして、引続き現在検討中でございますので、数字の結果が出ましたら変更いたしたいと思います。備考にその旨を書いてございます。
  62. 小笠原二三男

    ○小笠原二三君 併し千五百円の給与改訂による増、これは千五百円に人数倍ということで小学生でもできる計算でやつたのだから、そうすると共済組合費の増、恩給費の増というものも、総額にして共済組合費比率と恩給費の比率をかければ何分もかからないで小学校の生徒さえもできる、大体の計数は……。どこがむずかしいのですか。
  63. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 共済組合費の増につきましては、單に給与改訂の増のほかに、職員の雇用者の側の負担率が変更になつておりまして、現に共済組合の長期給付の負担率はまだきまつておらないというような状態でございますし、この前の算定、それから今度の給与改訂の結果、それについてもう少し詳細な数字出したほうがいいと考えまして、一応このままにして現在検討をいたしております。今日、明日ぐらいにはきまると思います。
  64. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、検討の結果、今度出て来る計数は間違いないものであるということで了解しておきます。この次出て来るという数字がまだはつきりしたものでないということではうまくない。その次の(5)の(イ)(ロ)の系統別の行政費というものについては、一応私たちいろいろのものを考えるとき、細かい問題ですけれども重要だと思うので、これを資料として内訳をあとで出して頂きたいと思います。それから(6)の補助基本額寡少に因る追加所要額というものも、どのほうのどの補助金が、どれだけ減つたために行なつたという内訳出して頂きたい。それから(9)の公債費の減というのが何故こういうふうに出て来ておるのであるか。その理由についてお伺いしたいと思います。
  65. 山本晴男

    説明員山本晴男君) (6)の補助基本額寡少に因る追加所要額のことですが、これは現在国から地方団体に対しまして公共事業費、失業対策事業費以外で三百三十四億八千七百万円の補助金が交付されることになつておりますが、その補助金はそれぞれ補助基本額をきめまして、一定の補助率によつて交付されるのでありますが、実際地方団体が補助金をもらつて仕事をやつております状況調査いたしますと、補助基本額が寡少のために実際地方団体が補助基本額から補助金を引いたものに更に一定の地方費を注ぎ足して、それで行政をやつておるというものがたくさんございます。例えば農業給付のごときは三分の二の補助になつておりますが、実際の補助率は二分の一程度にしかならないというようなものがございますので、その上のB系統の行政費につきましては、国できめられました補助基本額と補助率によつてその増加額算定しているわけでございますが、それによつてもなお地方で追加しているというようなものがございますので、二百三十四億円の補助金について先般実態調査を行いました結果に徴しまして、補助基本額を実際に近く出して、そうして補助率を現在通りに支給されるとすれば、国庫補助金を伴う経費が更に七十八億円増加するという数字でございます。それからその次の(7)(8)の児童人口等の増、それから全日制高等学校教員の増、これにつきましては、先ず児童人口等増加に伴う歳出増は、これは算定基礎に用いました人数につきまして、最近の資料を得ましたので、算定変えを行なつたものであります。全日制高等学校教員増につきましては、高等学校の学制改革の進行過程にございますので、教員の数が予想外に増加しておるという数字統計の結果つかみましたので、その二十五年の四月三十日現在の職員昭和二十六年の四月三十日現在の実際の職員につきまして調べましたところによりまして増加経費を織込んだのであります。
  66. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 幾らですか。
  67. 山本晴男

    説明員山本晴男君) その数字は今プリントにいたしておりますので、明日差上げたいと思います。それから公債費の減を見込みましたのは、一番最後地方債の増加といたしまして二百四十八億円を見込んでおりますので、若しこの地方債の増加が容認されますと、その分の約半年の利子が本年度に必要になるわけでありますので、それを算定をいたしまして年度額を作つておいたわけであります。
  68. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この(6)の七十八億四千五百万というものは、結局は補助金として欲しい金と、地方の金と抱き合つておるのですか。
  69. 山本晴男

    説明員山本晴男君) この七十八億円のうち補助金を殖やして頂きたいと思う金は、一番終りのEの補填方法計算に書かれております五十五億四千七百万円が、補助金を実際の基本額通りに出せばこれだけ増額をお願いしなければいかん、これらと地方負担分を含めたものが七十八億円になる。
  70. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、三億何がしという金を従来より地方が余計持ち出せば……補助金を五十五億殖やして従来のものに加えた補助金額と見合う地方の持ち出し分になるのですか。いわゆる三分の一補助金という場合に三分の二地方が出す、四分の三の補助という場合に四分の一地方が出すこういう機械的な出し方だけの計算地方が今回三億何がしというものを余計持ち出し、中央は当然五十五億増で補助金を出せば全部事業が遂行できるということなんですか、これは……。
  71. 山本晴男

    説明員山本晴男君) この七十八億円に対応するものの国庫補助金は五十五億円、地方負担額は二十三億円でございますが、五十五億円と地方が二十三億円持ち出すと、現在三百三十四億円の補助金を出して予定される規模の行政が行われるということになるわけであります。
  72. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その点了解しました。そうすれば結局地方に国も出す代り、地方にも二十三億なら二十三億出せるだけの金はあるんだということを地財委が認めたということになるんですが、そう了解してよろしうございますか。
  73. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 今のお話は、地方財政上に起きておりますところの問題をさらけ出しておるわけであります。従つて若し財源をこれ以上殖やせないということでありましたら、現に予定しております事務の分量を割いてもらわなければならん。現在の事務の分量を引下げてもらわなければならない。現在事務の分量を殖やすならば財源を殖やさなければならんと思つております。
  74. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、歳入のほうで地方税の増をこれだけに見ると、それからそれらの増を歳入で見た上で、なお地方に二十三億出させるがために、足りない部分平衡交付金で見るという、そういう意味合いのもので、今回のような平衡交付金の増になると、こう了解しておつていいわけですか。
  75. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) その通りであります。
  76. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 もう一つ、今度は七番ですが、児童人口等の増に伴う地方歳出増というのは、どの事業がどう具体的に歳出が増になつたということではなくて、これは平衡交付金配分の規則による人口なり児童数による計算の方式から言うて、こういう増が出て来る。こう一般的に弾き出された計数だと思うのですが、その弾き出した計数の基礎になる人口、どれだけ殖えたら金はどれだけ殖やすというその規則は、二十六年度の平衡交付金を配分するという、新らしく今検討中と言われるそのものに基いて、これは弾いた計数ですか。二十五年のそれについて弾いた計数ですか。
  77. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 平衡交付金算定に際しまして、各行政費を各項目ごとに分ちまして、それの特定單位をきめておるわけでありますが、これらの諸経費のうち、給与とかそれから(5)のA系統行政費とか、B系統の行政費とか、そういうものは個々に算定いたしますので、それらを除きました経費を、昭和二十五年の交付金算定に用いました財政需要額を基礎にいたしまして、昭和二十四年の人口一人当り、それから児童一人当りというような額を算定いたしまして、それぞれの單位費用を以ちまして二十五年の人口、児童数を以て昭和二十五年の財政需要から給与とかA系統、B系統で、別項で算定いたしましたものを除きました経費について、單位需要を算定いたしまして、それを以て二十五年から二十六年に対する増加人員数に單価を乗じて算定を行なつたものが二十八億になつております。
  78. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 なぜそれが修正前と修正後変つたのですか。
  79. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 最近の新らしい資料を得た結果、高等学校の生徒の数、その他最近の統計によつて新らしい資料を得たものですから、仮に推計によつてつてつたものを置き直したわけであります。
  80. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは児童生徒数は、文部統計か何かでわかるのですが、人口のほうの増の統計は何を使つたわけですか。
  81. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 人口は、この前算定いたしましたのは、何か人口問題研究所で推計した人口を用いておつたのでありますが、国勢調査の人口が出ましたので、その人口に置き直して算定したのです。
  82. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今度初めて置き直したのですか。
  83. 山本晴男

    説明員山本晴男君) そうです。
  84. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは明日あたり出るというこの資料等にも、どういう配分に用いた基礎数字によつて、どういう人口なり生徒数なりに掛けてこういうものが出たのか、大体私たち素人でもわかる程度の大まかな資料でもいいですが、この計算されたものをお示し願つて置きたいと思います。
  85. 相馬助治

    相馬助治君 (8)の全日制高等学校教員増による修正後の五億何がしを計上しておりますがこれは修正前にはなくて、こういうものを新に掲げているんですが、その基礎資料は明日お出しになると言うたようですけれども基礎資料は何によつて得るかということを聞きたいことが一つと、それからもう一つはこういうものを一つの項目に掲げると当然これに類似した……まあ費用は少くて済むかも知れないが、類似したものがほかにあるように考えるんですがね、例えば県立の大学とかそういうふうないわゆる教育施設費ですね、(8)のような項目を掲げると、これに類似したやはり財政の需要が膨れ上つたものがほかにあるように考えられるんですが、そういうものはないのかどうか。この二点をお聞きしておきたい。
  86. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 全日制の高等学校教員の増は、文部省学校基本調査による昭和二十五年四月三十日現在と昭和二十六年四月三十日現在の職員を比較して増加を見たわけであります。それからそれ以外の大学とか幼稚園とか、そういうものの増加があるわけでありますが、まあ非常に人為的にやつたものと、そうでないものというようなものがありまして、ただ單に増加したというだけのものを拾うことは財政計画を立てます上に適当でないのであります、で、全日制高等学校につきましては、増加いたしました人員が、單にそういう地方団体の恣意的な原因による増ばかりでなく、教員の設置基準とか或は六三制の教育制度の改革によりまして、高等学校が逐次進展過程にあります等、そういう地方団体の止むを得ない原因によりまして、殖えるものは財政計画に拾うという建前から、全日制高等学校教員の増を見込んでおるわけであります。
  87. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 さて、それに関連してお伺いいたしますが、前に戻つて小学校が七千六百三十四人の増と言われた。それは文部省統計によると、中学校は六千二百五十一人の減、これはやはり文部省統計による実態ですか。
  88. 山本晴男

    説明員山本晴男君) この小学校中学校教員の数につきましては、義務教育費の国庫負担制度からのまあ例によりまして、実際の人数を使いましたので、全国の児童数を五十八で割つたいわゆる仮定学級に小学校の場合は一・五、中学校の場合は一・八、それに一・三三%の補助教員を加えたものを以て、教員のまあ予定数といたしまして、それらの増減を見込んでおるわけであります。
  89. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だからこれは、文部省統計による教員実態数の増ということではなくて、生徒児童数の増減から計算上こういう計数を弾き出したということだけだと思うのです。従つてこういうことは実際上全然現実とは違つた形になるのじやないかということが考えられるのです。中学校全国的に生徒数を集計して、そうして学級構成人員を以てそれを割つて学級数を出し、それから一・八なりのそれを掛けて出す。そうしたら実際上はこれだけ人間は減つたと言いますけれども全国の各町村の一人二人の生徒数の増減を皆合せて来て、そうしてその教員一人二人、或いは六千二百五十一人の減というふうに、こういうことを認めて計算して地方財政が云々ということは、これは当時において文部省から移行した場合は、それでやむを得なかつたかも知れないけれども地方財政の実情ということから言つたら、これはもう相当狂つているんじやないかと我々は思うのですが、地財委はこの点新らしい考え方を持たないわけですか。それからもう一つ高等学校のほうは増になつたというのですが、この増になつたというのは入学した生徒数の増なので、やつぱりこれも教員実態調査の上の増ではないと思うのです。そうしますと、(「それに関連して」と呼ぶ者あり)これらの点についてもう少し御説明を願わなければうまくないと思う。それでもう一つ参考に聞くのですが、給与改訂による増というものの小中学校、定時制高校のそれは、形式上そういうふうに弾かれておる。人数が大体実態に合わない。或る公式によつて弾かれておる。而も又べース・アツプのそれが個々のべース・アツプに伴う実態の上に立つた計数ではない。この二重に出て来ているところから、地方府県なり町村なりはこの人件費というもので地方財政が圧迫されるというようなことで、いろいろこれを問題にしていると私たちは思うのですが、こういう点にからんで地財委の一般的な考え方というものを、この際人件費関係についてお伺いしておきたい。
  90. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 関連して……、今の小笠原さんの御質問と私は同趣旨なんですが、前国会から小学、中学、高等学校、盲聾唖その他の学校人員は、地財委大蔵省もいつもこの点は合わないのが、人員だけは両者がぴたり合つているのですが、それと同時にお出しなつ増加單位のほうは、大蔵省地財委小学校からもう全部違つているわけですね。大蔵省はもう一律に千円、地財委のほうはこれと全然違つた数字出している。ここに両者の非常な食い違いが出て来るのだが、この際我々疑問に思うのは、小学校のことですからたとえ地方のことでも、文部省のほうにも調査資料があると思うのですが、ここにどうして地財委文部省数字をお出しにならないのか。單位は大蔵省のほうと違つておるのですが、そこに文部省意見を聞かれたら、一応の意見があるのじやないかと思うのすが、この点どうして文部省数字が出ていないのですか。
  91. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 最初に小笠原さんが、小学校中学校教員数について生徒数から推して行くことがどうかというふうな意味の御質問がございました。我々は財政計画を作る上において、前年度よりも幾ら財源の増減を見なければならないかということを計算します場合に、やはりよるべきものとしては小学校中学校の先生数については児童生徒数を取るよりほかに仕方がないと思つております。そこで定員定額制を考えておりました際に、小学校については一・五人という数字使つておりました。現在県によりましては一・五人になつていない県もありますし、一・五人をオーバーしている県もあるわけであります。併しながらそういうものをおしなべて文部省が定員定額制を取つておりました際には、県別に一・五人を割つてつた所もありますし、一・五人を超えておつた所もありまして、とにかく定員をきめておつたわけであります。それを将来も続けるということでありますので、それを基礎にした計算の仕方をして行きたい、こういうところから、全体としては生徒児童数を使つてつておるわけであります。たまたま新制中学に入る人たちは戦争の影響を受けて来た人たちでありますので、新制中学に入る人たちが減つて来たわけであります。従つて全体の計画としてはそういうものを取るよりほかによるところがないのじやないだろうかというふうな考え方をしておるわけであります。若し全体の計画でありますので、各県で一・五人なら一・五人、全体として一・五人という数字を押して行つた場合に、非常に不都合が起きるならば、一・五人を上げるなり下げるなりして行かなければならないというふうに思うわけでありますけれども大蔵省文部省地財委、三者に跨つている問題を常に円満に解決して行きますのには、やはりそうした線をきめて行くよりほか仕方がないのじやないかというふうに思つておるわけであります。なお毎年増減します問題というものは、相馬さんのおつしやいますように、高校の問題だけじやございません。いろいろな問題があるわけでございますけれども、先ほども申上げておりますように、一応顕著な問題をここにさらけ出しているわけでありまして、我々としては最小限度どれだけの財源を必要とするかという問題につきましては、それじや学校教員組織をどうするかというような問題もございますし、或いは又国が現在考えておりますところのいろいろな補助事業の分量というものをどう持つて行くかというふうな問題もございまして、歳出の面と併せ考えて行かなければ解決できない問題に地方財政の問題が来てしまつているというふうに思つているわけであります。なお我々が今考えておりますアイテムとしては今まだほかにもいろいろあるわけでありますけれども、差当り折角一応こういう会議を開いて頂きましたので、今ここに考えておる案をさらけ出しておるわけであります。  それから西郷さんのおつしやつておられます單価の問題でありますけれども小学校中学校につきましては文部省と話合いをしました單価を用いておるわけであります。たまたま昨年は給与改訂を一人について千円ずつにするという問題がありました。その際に大蔵省は單純に千円をプラスしますし、我々は学校の先生が仮に七千円でありましたら、千円に六千三百分の千をかけて出した。それで食い違つて来たわけであります。基礎單価は同じであります。たまたま文部省ではその後精緻な調査をして参りまして、漸く金曜日の五時前後であります、細かい資料を持つて来てくれましたので、これを基礎にして弾き出しましたのが、ここに出している数字であります。従つて文部省調査いたしました数字も、我々の調査いたしました数字も、明日には出て来るだろう、それを全部あからさまに差出したいというふうに思つております。
  92. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 こうやるほかないというふうに、優秀なエキスパートを持つ地財委がこのことに関してだけは頑固に考えるということは、私はどうもおかしいと思う。そもそもの成り立ちは、義務教育費半額国庫負担法によつて自動的に地方出したものに半額ずつ国がやつてつた。それが終戦後どんどん金が膨脹して国家財政にも限度がある、地方に附き合いはできないというところから、或る種の仮定学級などを作つて一つの計数を弾き出す公式を文部省が作つて、それをシヤウプ勧告に基いて初めの年度においてはただ單に従来そちこちにあつた予算の補助金を集めて、全体の平衡交付金額というようなものにして地財委が受取つたから、初めの年度は中身としては従来のような、そういうやり方でやつたように我々は思うのです。併しそれを地財委というものの性格から言つて、二年三年たつた今日において、そのままそれを使つて行くということは、これは誠に我々としては納得ができない。そうではなくて、真にまとめてしまつた平衡交付金であり、又地方財政収入の欠陥を平衡交付金で補つて行くという建前から言うならば、もつと地方実態というものに即した計数によつて地方財政の需要というものを計算すべきだろうと思うのです。そういう場合には少くとも個々に各府県に学級というものはきまつてあるわけです。地理的な関係によつて二十五人しかおらない山奥の学級もあれば、都市的に五十人なり五十五人なりで編成できる学級というものもある。併し学級というものは現実にあるのです。その実態調査するならば、例えば一千学級ある県があつた。併しこれを各町村の児童を全部集めて、そうして仮定学級五十人で割つて弾き出すというと、それは七百五十学級しか出ない、こういうのが実態なんだ。ですからそれを一・五倍しようが一・八倍しようが、地方のこの地域的に広大な農村県のような所でどうしても五十人の編成のできない学級数の多いような所では、教員の配置というものはこれは薄くなつてしまう。所期の目的を達するだけの教育をできないというのが地方現状なんだ。而もそれがこういう計算に基くがために、地方財政は限度があるので教員を殖やせない。それがいわゆる一・五に足りない現状の各府県が相当に多い。中学校において一・八に足りない現状府県が多い。こういうことは私は造作ないと思うのです。なぜそういう実態の学級数に応じて教員を如何に配置するかということで、教員配置の計数を出して、それを掛算で答えを出し地方財政というものを考えないかということが、我々誠にわからん点なんだ。いつまでこういうことをやつて行くか。而も来年になりますと、平衡交付金のことはぐらぐらするような噂もあるけれども、結局法律化するというふうになつているのだから、法律化するというときにもやはりああいう架空な学級、而も又架空な給与、こういうようなものをかき合せて、人件費関係地方需要を見るかということは、私たちから考えると非常に問題だと思うので、それで地財委考え方をお伺いしておきたいと思うのです。
  93. 相馬助治

    相馬助治君 関連して……、今小笠原委員質問に対して奥野さんが答弁されているのですが、これは結構ですが、私はそれと兼ねて次いで青木委員の御見解を伺つておきたいと思います。というのは、非常に重要であつて、児童数を五十八で割るという、いわゆる理論学級というのは都市地区においては差支えない、農漁村地区においてはこれは非常に矛盾だということを言われているのですが、その通りです。従つて今の地方財政がどこが苦しいかと言えば都市よりも農村である、こういうことを考える。又大都市を含む県でなくして農漁村を持つている県が苦しい。今度は又市よりも町が苦しい、町よりも村が苦しい、こういうふうに一概に言える際に、先ほど小笠原委員が縷々説明されたように、この中学校教員数が減るということは、この理論学級から割出すというとそういうふうになるが、これは大蔵省が言うならば私らはわかるが、併しとにかく地財委の制度から考えたときに、少くとも地方の要望、地方の利益というものを代表してもらわなくちやと思うのです。そういう際にむずかしい問題ならばいざ知らず、現実の問題として中学校の先生なんか一つも減つていないのです。そういうふうに数学上なつたのでは私は済まされないのです。従つてこれが未定稿であるならば一つ青木委員からこれに対する十分なる御見解を今の小笠原委員質問に対してお願いしておきたいと思います。
  94. 青木得三

    説明員青木得三君) 先ほど来からの御質問、応答を伺つてつたのでありますが、只今御指摘になりましたように、これは未定稿と書いてあるのでありますが、これは昭和二十六年度の地方財政現状を最も新らしい数字でここに作つてあるのでありますが、その狙いは国家の補助金を幾ら増額してもらわなければいけないか、地方債を幾ら増加してもらわなければならないか、平衡交付金を幾ら増加してもらわなければ地方財政は立ち行かないかということが、この表の狙いでありましてそうしてそれの基礎を作るためにいろいろなる数字がここに揚げられているのであります。先ほど来の小笠原委員のいろいろのご質問を伺つておりますと、つまりこの中学校或いは高等学校小学校教員の俸給のようなものは、そう成る一つの、例えば一・五とか何とかいうような、そういう基準を取らないで、実際各市町村においてどれだけの学級があり、どれだけの教員がおられる。それに対して現実に幾らの俸給を支払つているかというようなことを調べるのが最も正しい途でないか。現状調査するのが最も正しい途ではないかという御趣旨に私は了解したのでありますが、私の了解の仕方が惡いかも知れませんが……。
  95. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 惡いというより少し違つている。
  96. 相馬助治

    相馬助治君 減つたというのは、現に減つていないのです。
  97. 青木得三

    説明員青木得三君) それはわかりました。そのことは……。従いまして今申上げたように調査いたしましたならば、減らないものが減つたということになるわけはないという、おのずからそういうことに相成つて来るのありますが、そういうふうに実態調査をしませんで、或る一つの基準によつてやりましたために、ここに先ほど山本事務官が申述べましたように、減つたという数字に相成つているようであります。それは今のその調査方法というものが、皆様がたのお考えになつている方法と違いますから、こういう結果に相成つていると思うのであります。それで先ほど平衡交付金分配のことについても関連して小笠原さんからお話があり、又この單位費用の点についても来年は法定しなければならなくなつている。それであるのに従来のやり方を踏襲しているのはよくないではないかという御趣旨の御発言でもあるかと思うのであります。今日ここにお目にかけておりますのは、当面の税制改革、或いは当面の補正予算等関連をいたしまして、急いで、ここに未定稿を作つているのでございますから、従いまして昭和二十七年度の平衡交付金算定、或いは單位費用の法定、或いは平衡交付金を分配するに当つて学級数、或いは教員数をどういうふうに計算するかということは、今日只今の問題には直接関係がございません。昭和二十七年度の平衡交付金計算、或いは單位費用の法定、或いはその分配というような場合におきまして、小笠原さんの御意見を十分に参酌いたしまして、そうして事務当局ともよく協議いたしまして、最善の方法を立てたいと思うのでありますが、只今ここに出しております数字は、今申上げましたように当面の補正予算の問題、或いは税制改革の資料として出しましたので、その他には意味がないことと御了承願いたいと思います。
  98. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その考え方は我々も不満なんです。まあそれを申す前に誤解されて私の質問を受け取られては困るので申上げますが、少くともすべてが仮定の上に立つた基礎を以て計算して行くと、こういうふうに余りにも現状にそぐわない。やめるどころか、教員が減つたどころか、実態中学校教員といえどもどうしても毎年度逐次殖えている傾向にあるものを、現実にこういうふうに減というふうな計算が出て来る。これはすべて架空の数字をきめて、その計算でやつているから、こういうふうに出て来るのであつて、少くとも学級数などというものは実態の数を使つて、而も半面一・五なり一・三なり一・八という全体の教員数を出す場合の計数は、或る教育遂行の諸問題から理論的に累積した計数を用いても、それはやむを得ないだろう。現実といういろいろな原則のものとの調和をとつて計数を弾くような方法を採れば、恐らくこういうべらぼうなことは起つて来ないだろうという建前から申上げておる。こういうことを申上げると、奥野さんなどは肚の中で、何言つてるのだ、実際おれのほうは仮定学級数で、そうして或る種の仮定した教員俸給單価と、それから一・五なり、一・八なりを弾いた教員関係の人件費というものを、各府県に分配してやつているので、実際各府県のトータルを調べてみると、おれがきめてやつたことと五十歩百歩、そう違わない、大体はうまく行つているようだと、肚の中では思つていると思うのです、奥野さんは……。ところが私はそこのところが問題だというのです。それは実際に結果としては地方がそうなつているというのは、そうならざるを得ないからなのです。全体の財政が窮屈なところから、思うように教員も採用できない。給与地方の実情に合うだけに引上げてやることができない。それらでいろいろ苦労している府県財政を、結果から見れば理論計数で中央が弾いたように大体なつているというだけのことなんで、真に国のほうが実態に即して金を流してさえくれれば、地方教員も殖やせる、或いは給与も上げることができると、こうなつて来ると思うのです。だからそこのところは随分違つて来ると思う。而もこの二十六年度において、各府県において教員の新規採用というものは殆んどやめておる。而も小学校においては学級が殖えておる。従つて自然増をやらなくちやならんのに、それを抑えておる。或いは給与関係でも、昇給、昇格というようなことを五、六月に亘つて、やらなくちやならんことを抑えて、やらないでおる府県が多い。それらはこれによる増を見てもらつても解決できない部分なんです。そこを私は申上げておるようなわけなんです。その結果が大体その五十歩百歩であるからということで、うまく行つたぐらいに考えられては誠に我々遺憾だと考える。奥野さん、そう考えないとおつしやるかも知れませんが、先ずそういうわけなんです。
  99. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 義務教育の所要教員の数というものは、地方財政の上に占めるウエイトが非常に大きいものなんですから、大変重要なものであるし而も非常に專門的な問題だと思うのでして、併しその中には二つの問題があるのじやないか。我々が財政計画を立てて行きます場合には、地方の所要財源が全体として幾らであるかということについて弾き出す数字でございます。もう一つは、その総額を個々の地方団体にどう配分するかという問題がございます。この二つの問題はやはり分けて考えなければならんのじやないかというふうに考えております。もう一つは、五十人を仮定の学級として、一学級一・五人とか、或いは一・八人とかというふうな計算の仕方は便宜のものであろうと思うのでありまして、飽くまでもやはり実際の学級について先生何人を要するだろうかということを考えて行かなければならないだろうと思います。これが実際問題としてなかなかむずかしいので、やむを得ず全体の所要経費算定いたします場合には、五十人を仮定の一学級として先生何人を要するかというような計算をしているに過ぎないのであります。実際の学級について先生何人かという見方が一番正しいと思うのでありますが、それでは生徒数五十五人だから二学級に分けて計算して行くのか。或いは五十五人だから一学級に見て行くのか。それも地理的の状況も見て行かなければならんし、個々の市町村におけるところのそういう問題を中央において解決しようとして見ましても、なかなか意見が合わないのじやないかと思います。そこで止むを得ず理論学級に対して先生が幾らというような計算をしているわけでございます。もとよりその結果は、どの県でも理論学級について一・五人が最低の線だとは我々も考えていないのでありまして、やはり経済力から考えまして、全国平均としては理論学級について一・五人一・八人というふうな計算の仕方をしているのだ、こういうふうに我々は了解しているのでございます。併しながら意見によりましては、理論学級について一・五人、一・八人を下廻るところもございましようし、上廻るところの県が出て来ても差支えないのじやないかと思つております。従つてまあ総額として理論学級について一・五人、一・八人として弾いたものが、個々の県の実情に応ずるように義務教育費というものを算定して行けるならばよろしいじやないか。従つてまあ地方財政交付金財政需要算定当りましては、小学校中学校につきましては御承知のように生徒数のほかに学校数も用いておりますし、又学級数も用いているわけであります。学級数を用いるということは、かなり地理的に学級編成ができにくいのでありますから、必ずしも適当じやないのでございますけれども、やはり基礎的になりますものは、小笠原さんの指摘されますように実態学級であると思います。従つて過渡的に現実の学級というものを計算に採用して参つて来ているわけであります。従つて又総額として算定いたしましたものを個々の団体に計算して行きます際に、我々のやつておりますことで間違いがございましたら、これは御指摘頂きまして直して行きたいと思います。併しながら現在の我が国の財政力から考えまして、全国平均して、理論学級について小学校は一・五人、一・八人も止むを得ないのだ、こういう考え方が取られているのだということも御了承願つて置きたいと思います。お話になりますように、中学校の生徒数が減つたからと言いましてすぐに先生を減らせないと思います。併し同様に又小学校の児童数が殖えたからというので、それじや小学校の先生を、すぐ先生を殖やせばよろしいじやないかという議論も立つかと思いますので、便宜中央におきまして義務教育費を算定いたします場合には、この児童数を基礎として算定いたして行くというようなやり方をしておりまして、あとは今の個々の県の実情に即したように配分して行くという後段の問題になるのじやなかろうか、こういうふうに思つております。
  100. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まあ奥野さんが如何ほどに言おうとも私は了承はしません。全国知事会議で義務教育関係は全額国庫負担でやれという要望をしている通りに、その間、仮に全額国庫負担でやるとするならば、こういう行政ではやれないのだということは間違いないですから、その点から言つて、奥野さんの言つてることはこれは計算の便宜上いろいろその方法しかないとは言つてるけれども、実際は計数上合つていないのだ、私はどうしても了承できない。まあこれは実際そうやつて見なくちやわかりませんが、そこであとで又これはお話したいのですが……。皆さんあれでなかつたら前に進みまして、臨時事業費の増という部分について、第一点としては、(イ)(ロ)(ハ)別に修正前と修正後に異動があるのですが、なぜこういう異動が起つて来たかということの御説明が願いたい。  それから第二点としましては、地方債の増加二百四十八億というのを見込んでいるようでありまするが、これは臨時事業費の増において(イ)(ロ)(ハ)各号のどれにどれだけ起債を殖やすというふうにお考えになつて二百四十八億というのができたのか、その計数を分けて御説明つておきたい。先ずその点について。
  101. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 ちよつと御答弁の前に伺いますが、臨時事業費の増という項目と相反して数字が減になつておるのはどういうわけですか。
  102. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 臨時事業費につきましては総額において減になつてつて増ではないが、修正前の気持はその当時安定本部の公共事業費の使用計画を基礎にいたしまして算定したのでありますが、その後災害復旧費の負担制度その他が確立いたしまして、総体の枠の範囲内の事業分量に操作が加えられましたので、現在の公共事業費の使用計画につきましては修正後のように変更されたのであります。それだけの相違でございます。それから失業対策事業費につきましては若干数字が変更になつておりますが、これは失業対策事業の施行状況を更に検討いたしまして、実際に地方の、まあ労働省方面の指導の下に行なつております失業対策事業の施行状況等を勘案いたしまして修正いたしたものであります。それから單独公共事業費につきましては、当初三十億の増加を見込んでおつたのでありますが、この三十億円は災害復旧費の国庫補助の基本單価が引上げられたり、或いは農林、水産の施設の災害復旧費に対しては公共団体が一割追加補助をするという関係で、法律上の増加のみを見込んでおつたのでありますが、最近の單独事業の地方の需要額というようなものを勘案いたしまして、相当單独事業費につきましても公共事業の増が見られますので、その分を見込んでおるわけであります。それから起債の発行限度等につきましていろいろ検討をいたしまして、従来の起債の承認率というようなものを考えまして、五百六十三億という数字算定いたしております。で現在の臨時事業の地方負担額に対する三百十五億の起債の充足率は大体三〇%を若干上廻る程度でありまして、これを大体五十五、六%に引上げますと、先ずこれには二百四十八億の増加を要するわけであります。これを大体各費目ごとについて増加の要求額を申上げますと、一般公共事業費の中、六三制については一〇〇%承認するという建前で行きますと十五億円不足いたします。それから六三制以外の一般公共事業費については五〇%を承認するといたしますと、八十億円不足いたします。それから災害復旧費は、公共事業の過年度災害について八〇%、現年度災害について一〇〇%の起債の承認をいたすといたしますと、両者合せまして三十九億円不足いたします。單独事業費につきまして、やはり過年度災害五〇%、現年度災害は七〇%の承認率で算定いたしますと三十九億円不足いたします。單独事業費について四〇%の承認をいたしますと七十五億円不足いたします。これらを合せまして二百四十八億円増加いたしまして、全般の臨時事業の起債の承認率は約五五%になつて参ります。
  103. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の御説明の総額において、(11)の内容は地方財政上最も需要率の高いものであつて、又これが減らされると困るものですが、中の御説明を伺うと、増減があつて総額において減らしておる。その点はどうも納得行かないのですが、殊に單独事業なんというものは、起債の中で最も年々需要率が殖えておる、二十六年度も未曾有の増加を示しておるのですが、これが物価騰貴その他があるにしても、今回の修正で七十億増加しておるのですが、これが三十億というのはもともと地方財政委員会が各自治体の予算等を勘案したときに、捕捉を誤つたために、三十億と算定したのではないかと思うのですが、これは年々單独事業は殖えておる。三十億というような枠を考えたことが根本的に誤りであつて、百億にしても到底これは賄い切れないのではないですか。総額において増減があつても、殊に、(イ)の普通(文教等を含む)というのが減つておりますが、そういうようなことで地方団体は満足するのではないと思うが、その判定をし直した基礎はどういうことなんですか。総額において減つておりますね。
  104. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ちよつとそれに関連して……。今の説明ですと、あなただけがわかつてばらばらやられて、私ども素人のほうはどうしてそういう計数になつたかちよつとわからない。はつきり、(イ)の百七十六億四千六百万円の内訳は何と何とであつて、それが何%の起債か認めることにするならば、どれだけ必要だというふうにもう少し丁寧に一つ説明願いたいと思います。
  105. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今のパーセントや数字を一遍に言われると、こちらは何も資料がないのですから、如何に研究しておつてちよつと頭に入らないので質問ができませんから、もう少し親切にやつて下さい。重ねて申上げますが、最初の(イ)なんかも総額においていずれも減らしてしまつたが、そういうものは地方として非常に増額を希望しておるもので、地方財政委員会の判定はどうも納得行きかねる。どうして減らす必要があるのか、先ずそれから、今日は資料がありませんから、口頭で御説明願いたい。
  106. 山本晴男

    説明員山本晴男君) この公共事業費につきましては算定方法は、国から支出されます補助金を基本にいたしまして、事業分量を算定いたしておるわけでありまして、政府におきまして公共事業費の総体の枠の中で、これを直轄と補助事業に分ける分け方の問題それから補助金につきましては、補助率を異にいたしております普通の事業と、災害復旧費、それに持つて参ります補助金の額によつて地方団体の行います公共事業の事業分量並びに直轄の地方負担額が変更して参るわけでありまして、これが減じましたのは、そういう公共事業費の配分の変更によるものでありまして、詳細な資料は明日提出いたしたいと思います。
  107. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そんなら資料を頂いたとき、これは検討するよりほかないのですが、その前提として六三のこの建築関係の現況についてお伺いしますが、大体四十億ぐらいの補助金をまあ見たと考えまして、前年度からの慣行によれば、起債を一〇〇%見て、八十億分の事業というものが遂行されるという前提に立つて、この事業というものを、補助金四十億というようなものを予算の上で考えられておつたのではないかと思うのです。それがさつきの御説明のように、十五億足りないということは、逆に言いますと六五%くらいの起債を認めたということになつて、一〇〇%起債を認めなかつたということを意味するものだと思うのです。それは限られた起債の総額であつて止むを得なかつたというのでありましようが、併し従来国が行なつて来た方式を今回やめて、起債額を国が計画している、六三建築の事業において減らしたということは、突然減らしたのですから、地方では理論的に言うならそれだけの財政余裕がないのですから、事業遂行ができない、或いは困難に陥ると、こういうことになるのではないかと考えるのですが、こういう点について御説明を願いたいと思います。
  108. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 六三制の建築につきましては、大体四十五億円の補助に対して地方負担額が四十五億円、事業費にいたしまして約九十億円のまあ事業費になつております。現在の公共事業費の起債の充足率というものは大体御指摘の通り六五%になつておるようであります。全般の起債の総額が公営事業を除きまして三百十五億円程度でございまして、この三百十五億円を各事業の需要額に配分いたします場合に、止むを得ずそういう充足率ということになつているわけでありまして、問題は起債の総額の問題であろうと思います。それで六五%に六三制の建築の起債の充足率をいたしますと、やはり御指摘のようにまあ六三制の建築の遂行上支障を来たすというようなことになるものもあるのではないかと思います。同様に、これが災害復旧その他の公共事業についても程度の差はあれ、そういう問題があるわけでありまして、今般委員会といたしましては現在の三百十五億円の枠が少いので、六三制の建築を一〇〇%承認して、その他についてもそれぞれの充足率の引上げをやらなければ事業の遂行の円滑を欠くというようなことで、現在のような要望額の数字算出いたしておるわけであります。
  109. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこがどうも私には納得できないので、地財委の立場として国の予算が四十五億で、それで事業分量が九十億であるという前提でそれがきめられ、その不足分は起債を以てするという前例がある。即ち一〇〇%起債を認めておつたという前例がある。それが今度の国の当初予算において六五%でやるという見積りで起債というものがきまつたのであるかどうか、これをお伺いしたい。その当時はどういうふうな比率でそれがきまつたのであるか。
  110. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 御承知のように地方財政委員会地方財政についての見方と、大蔵省地方財政についての見方とは食い違つておるわけであります。大蔵省のようにこの歳出歳入とのバランスがとれているものならば新制中学の建設につきましては全額地方債が許可できると思います。ところが、そこに大きな食い違いがありましてどうしても地方財政全体として財源が不足でありますために、いろんなところに支障が来たわけであります。地方債の充足率だけから申上げましても御承知のように二十四年度は四二%充足された。二十五年度は三六%しか充足できない。今年は更に二五%に落ちていると、こういうようなところに問題があるわけでありまして、大蔵省の見ておつたことが正しいならば二五%じやなしに、もつと充足率が高いはずだというふうに思うわけであります。
  111. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では端的に伺いますが、大蔵省のほうは国家予算で四十五億補助金を出すという前提で、一〇 ○%起債であと賄うということであつたのですか、起債のことはどうでも好きなようにしろ、補助金だけは四十五億出してやると、こういうことで事業遂行上のことは何ら考慮しないという予算だつたのですか。
  112. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 大蔵省の案によりましても地方財政委員会の案によりましても、国庫支出金に伴いますところの地方歳出増加額ということにつきましては、そう大きな食い違いはなかつたわけであります。従いまして若し大蔵省の見ておりました地方財政数字というものが正しいものとするなら、充足率が二五%じやなくて、もつと高いわけでありますから、おのずから新制中学の建設については従前通りの割当ができたわけでありまして、問題はそこにあるわけでありまして、我々といたしましても地方財政増額に努力いたしまして、新制中学の建設につきましては、従来のような方針を踏襲したいというような考え委員会としても持つておるわけであります。その問題ともう一つは、やはり新制中学につきましては、御指摘のような單価の問題が起きて来ると思います。これはやはり国庫財政自体が予期しなかつたものかも知れませんが、現在起きておる問題であろうと思います。
  113. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは最も大事なことで、私たちも基本的には先ず事業分量というものをきめて、その事業分量に見合つて国がどれだけ出し地方がどれだけ財政的に負担に堪えるかということからいろいろの平衡交付金なり、或いは起債なりがきまつて来ると思うのです。ただ單に事業ができてもできなくても、予算はこれだけだということであれば、地方は、できない所は返上をし、或いは繰延べする。或いは途中で中止すると、こういうようになつて来ると思うのです。で、確かに奥野さんの言われることは、私はその通りだと思う。で、それができなかつたからこういうことになつたんだと言えばそれはその通りです。ただ今度は事業の内容です。先ほどまで申しておることは、それは前提になる理論的なことについて私は賛成なんですが、こうなつた現実においても事業の内容によつては重点的な配分が、これはなされなくちやならないと思う。そういうことが考えられると思うのです。それで、それは災害復旧、その他單独事業とか、あらゆる点に起債のそれを均霑しなくちやならんと考えられるが、事業の重要性というものから言えば、緊急性というものから言えば限られた金である限りにおいでは、それは段階があると思う。ところが、六三の学校建築というのは、年次を逐うての計画であつて、今年突如として起つて来ている問題じやない。従つて前年度来の計画に基いて事業を遂行しつつあり、或いは遂行せんとするものに対する補助金、起債なんです。そうして而もそれが何%か起債が減らされるということは、具体的には、全国的に言えば問題はないでしようけれども、個々の村、町の財政というものから言えば、事業遂行ができないという事実が出て来る。こういうことと、これから新たに一つ水道でもやつて見ようかとか、或いは病院でも建築して見ようかというようなものの起債とは、起債の性質が全然違うと思うのです。それが一律一体に地財委としてそれぞれの事業分量を勘案して配分したということは、形式上は我々認める点は多々ありますけれども、実際その重要性、或いは緊急性というようなものから言い、年次的な国の重要施策として行うこの事業面に対して、突如として起債が削られるということについては、どうも納得できない。その点どういう点を勘案した上で六五%という基礎数字を打出したのであるか、この点をお伺いしたい。
  114. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 関連しておりますから……。先ほど来小笠原委員その他、起債と平衡交付金の問題を、如何に殖やすかということを考えているわけなんですが、だんだん今どの資料を拝見すると、非常に意外な感じがするのですが、起債の問題を考えて今減らした問題を論じておるのですが、今度お出しになるので見ると、地方債の増加というけれども、第十国会に出されたのよりも総額は減つておるのです。私は気が付かないで今まで見ておつたのですが、あなたのほうがお出しなつ数字は、総額を減らしておられるのですね。最初第十国会の起債額の増加は、二百七十五億不足しているという数字をお出しになつておるのですね。従つて二百七十五億の不足ということは、政府は九十億ですから、百八十五億の政府地財委に差があつたのです。結局二十六年度の起債は三百億を基礎としますと、政府は三百九十億であり、地財委は四百八十五億だつたのです。ところが今度の数字を見ますと、四百八十五億より減つておるのですな。二百四十八億という数字出しておる。従つて三百億を基礎とすると、依然として三百九十億対四百八十五億ですね。今まで第十国会で我々にお出しになつて、我々増額運動したのに減つておるのですね。これは極めておかしな現象だと思うのです。今度の平衡交付金は百九億に対して二百九十五億ですから、百八十六億殖えておるのです。ところが起債のほうにおいては減らしておるのですな。誠に馬鹿げた結果が出ておるのですが、個々の問題を論ずるよりも、総額が減つておるのはどういうわけなんですか。
  115. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) お答えが前後するかも知れませんが、臨時事業費につきまして、多少前に弾いておりました数字よりも、国の公共事業費に伴います地方負担分は減つてつております。それはしばしば山本君から御説明申上げましたように、災害復旧費国庫負担に関しますところの法律がまだ固まらないうちに、大蔵省との間で地方財政の計画を立てておつたわけであります。その後に災害復旧費が非常に多い団体につきましては、或る一定限度以上は全額を国で負担するということになりまして、それまではすでに災害復旧費について国は三分の二しか負担しないというふうに考えておりましたのを、修正しなくちやならないようになつた。言い換えれば、災害の非常に多い団体につきましては、地方負担分は三分の一よりももつと少くなつて来るというふうな制度に変りました関係がございます。それからもう一つは、直轄事業が多くなりましたら、自然地方負担が少くなつて参ります。そういう関係も生じて来るのでありまして、この詳しい資料は明日お届けしたいと思いますので、その上で御検討頂きたいと思いますが、こういうふうに臨時の事業費が減つて来ますと、国の公共事業費に伴いますところの地方負担というものは、全額地方債で以て賄おうというふうな考え方で、数字を弾いておりました。先の内閣への勧告案と言いますか、或いは国会への勧告案と言いますか、そういう数字がおのずから低くならざるを得ないわけであります。で、地方債をそのままにしておきまして、專ら交付金でその分については調整するという点も一つなのでございますが、ただ今出しております地方債の額というものは、先ほど山本君からも説明したのでありますが、一面にはこういう考え方をして見たのであります。地方債の利子額というものが、地方一般財源の一〇%を目途にして地方債の発行額というものを計画して行きますと、そうしますとなお二百四十八億余計地方債を発行できると、こういう数字なつたわけであります。地方債の発行を釘付にしまして、バランスを平衡交付金で合せたと、こういう結果になつておるわけであります。併し実質的には、臨時事業費が減つて来ておりますから、その意味から言えば地方債を落したということにはならないわけでありますが、一応今の考え方からいたしまして、緊急対策委員会でどういう案を出しますか、我々はまとまつた案を持つて御相談申上げるという気持でおりますことを御了解願つておきたいと思います。  それから小笠原さんの新制中学の地方債というものは、もつと重視しなければならんじやないかというお話でありますが、これは我々も新制中学の地方債というものは、特に重視して六五%内外の数字を弾き出しておるつもりであります。もとより例えば税収入が我々の予想しております財政需要よりももつと多いという団体でありましたら、やはり新制中学の建設費のうちの地方負担分を或る程度一般財源によつてつてもらつてもよろしいのではないかというふうに思つております。併しそういう団体でございませんでしたら、規模の小さい市町村のことでありますから、全額地方債で賄えるように持つて行きたいと思つておるわけであります。併し何分全体としては平均二五%しか充足できないわけでありまして、国が或る程度の負担金を出しておりますところの公共事業費に伴います地方負担分も、僅か三〇%しか地方債を承認できないのであります。いわんや單独事業につきましては、僅かに八%でございます。そういう関係でありますので、新制中学につきましても六五%というようなものしか地方債を見込めなかつたわけなのでありまして、これは併し個々の府県につきまして総体として六五%でありまして、更に個々の府県が個々の市町村について許可するわけでありますから、多少その市町村の実情も見まして、他の財源の豊富なところは我慢してもらいながら、財源の極端に窮迫しておるところには可及的速かに多くのものを出し得るようにして、新制中学の建設が全体として円滑にその範囲の中で進められるように努力して行かなければならんと考えております。併しながら我々は地方債はこれでよろしいと思つておるわけではありませんで、大蔵省に対しましては、地方債について関係方面の承認を得られるように、この方面についてももつと協力してもらいたいというふうに申入をしておりまして、大蔵省の主計局におきましても、地方債が非常に不足しておるという点については最近同意いたしておりますので、相共に枠の拡大につきましては努力できるものだと期待いたしております。
  116. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると地財委のほうでは、現状においては、不足分である十五億七千五百万円という三五%分ですね、これは今の地方の税収或いは雑収等によつて賄えると、こういう前提に立つておると了解してよろしいですか。
  117. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 賄えないと思つておるものですから、平衡交付金増額地方債の増額考えておるわけであります。賄えないと思つているのは新制中学だけではございません。恐らく国が負担金を出しております公共事業費も、今のままではその負担金を分担するようなところも出て来るのではないか、国が予定しておる事業もこのままではやれないのではないかという見通しを持つておるわけであります。
  118. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 さつきの奥野課長説明ですが、私はどうもその説に賛成しかねるのですが、一応のお考えは私もわかりますが、今我々現実の補正の問題を考えると、第十国会を通じて、その後の大蔵大臣の言明を考えましても、全く国からの平衡交付金増額は非常に困難ではないか。或いは地方債をやろうと言つておられるようなことを聞くのですが、而も平衡交付金であると全額国庫に依存するわけなんでありますが、それが必ずしも現段階においては、これは惡いとは言いませんが、地方の起債になりますと、今言われたように利子は地方が負担して責任を持つてやるのですから、而も平衡交付金と違つてやはり非常な責任を持つて償還しなくちやならない。そういうふうな責任も負わしておるのだし、更に平衡交付金に比べると殖やしやすい現段階においては、例えば一応の理論上の考え方はあつても、たやすい方法を以てやはり政府増額を要求すべきではないか。非常に困難を予想される平衡交付金増額考えるよりは、現段階において、殊に池田大蔵大臣考えを以てするならば、私は本年度に限りませんが、従来とても不足の分は地方起債の増額のほうが簡單であるということを言明しておられるのですから、非常に困難である平衡交付金増額を皆様がお考えになるよりも、たやすい、とつ付きやすい起債、而もそれに対しては地方は相当の利子を負担して行く責任があるのですから、そのほうをむしろ殖やすべきではないか。地財委考え方とは私は根本的に違うわけなんでありますけれども、そういう点は余程お考えになる必要があるのじやないか殊にこの際地方起債の増額を、枠の増大ということを全国の自治団体は挙げて強力に地財委に要望しておる。国会にも要望して来ておる際に、その担当者である地財委が、その起債の枠を減らすというような方法をとられることは現段階においては妥当ではないのじやないか。やはり理論上はいろいろの考え方はあつても、平衡交付金においても、起債においても増額するのですから、その点はやはり地方の要望を容れられることが妥当であつて、次の新らしい年度においてそういう方式を、お考えになられるか、すでに二十六年度の地方の予算、一部不足であるが、通つておるのですから、その通つた現段階に、殊に單独事業なんかは一応の仮査定をして済ましておるのですが、こういうふうな配分の方法を根本的に変えるようなことをなさつたり、起債、平衡交付金による根本方針をお変えになることは、私はこの二十六年度の地方財政が沈みつつある現段階においては、妥当でないのではないか。やはり最初に堅持されたところの方針を以て、大蔵省が持つたところの……、根本的なこういうような変更を加えることは、それ見たことかということを大蔵大臣から言われる虞れが多分にあるのじやないかということを私は心配するのですが、この今の奥野課長考え方は、地方財政委員会首脳部の委員諸君も、それに同意を与えられたものと私は思つているのですが、予算の進行中に根本方針を変えられた、それに対する御意見をこの機会に伺つておきたいと思います。
  119. 青木得三

    説明員青木得三君) 只今西郷さんから、地方財政委員会は根本方針を改めたというようなお尋ねがありましたけれども、私は必ずしもその根本方針を改めたとまでは考えておりません。そこで今の平衡交付金と起債の難易の問題についてお話があつたのでありますが、先ほどは平衡交付金増額について大蔵大臣にもつと強く当らなければならんではないかというお言葉も頂いております。地方債の枠を増加することにつきましてお話がございましたように、大蔵大臣は必ずしも反対をしておられないように見えるのでありますが、併しこの点につきましては大蔵大臣以外に、私どもが直接交渉をいたしておる成る方面におきまして。平衡交付金増額と同じくらい、若しくはそれ以上の強き反対がありますので、どうも平衡交付金よりもこの地方債の増加のほうに重点を置くということは、非常に至難のことと私は考えております。これは私自身も直接その衝に当つておることでありまして、幸いにしてこの点は御質問のございましたように、大蔵省のほうでは比較的同情的態度をとつておられますので、直接他の方面にぶつかつておるのであります。これを殖やさなければならない点については全く西郷さんの御意見と一緒でありますが、ただその方面の意向といたしましては地方債の増加のほうが平衡交付金増加よりも、もつと楽であるということはない。それだけどうぞ御了承願いたいのであります。
  120. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の青木委員の打明けたお話を伺つてよくわかりますが、今青木委員の言われるように関係方面の意向ということも大体推測いたしておりますが、そういう意味も兼ね合して、こういう、バランスで行くならば奥野さんが言われたように増額が可能であるというふうな結論が、見通しが付いておるならば、私は地方のために多少そういう方針の変更も止むを得ないと思いますが、そうでなく結果的に、これは国会方面が努力をするわけですが、それが実現できなかつたときには、非常にむしろ混乱を招く虞れがありますので、私は心配しております。青木さんの今のお話でしたが、それでは関係方面等もそういうふうな御意向であり、地財委委員諸君も相当努力しておられる。そうすると結論的には奥野課長結論のほうを伺つて恐縮ですが、この最後の補填方法について、これについては青木さんがこれは全部はむずかしいでしようが、相当の期待は持てるというふうにお考えになつておるわけですか、どうなんですか。
  121. 青木得三

    説明員青木得三君) お答えいたしますが、この地方債の増加二百四十八億、平衡交付金増加三百九十二億、これが主なる数字でありまして、国庫補助金のほうはこれは二百四十八億と三百九十二億、この二つの関係であります。先ほど申上げましたように、平衡交付金増額については大蔵省が非常に強い反対をしておるのであります。地方債のほうは必ずしもそうではないと思います。そこで私がここにその望みを繋いでおりますことは、講和条約の締結ということでありまして、講和条約締結後においては、或る方面において起債の枠というようなものを撤廃するということがあるのではないか。いや、私どもは是非それを主張しなければなりませんし、又参衆両院の議員の各位もその点に十分な御援助と言いますか、御努力をお願いして、その講和条約締結後に至れば或る方面において起債の枠を外す、そういうことに私は望みを繋いでおりまして、そういうことでありますとこの地方債の増加のほうは若しそれが可能であるとすれば、比較的容易の問題であります。ただ講和条約締結後に至りまして或る方面において起債の枠を外すかどうかということについては、私はまだ確信を持つておりませんけれども、そういうことを非常に期待いたしておるのであります。それだけお答えをいたしておきます。
  122. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今青木委員の御説明を伺つたのですが、講和会議等も勘案しておられることはよもやと思つてつたのですが、私はこの間の地方財政白書によりまして、公募公債及び交付公債を許可の枠外とすることは当分の間困難であるということを、この条項を正直に読みまして、私はその伏線を考えてこの通り読んだので、むしろこういうようなことは非常に遺憾に思つております。むしろ地方財政委員会当局には社債その他の、どんどん相当枠を広げて許可されておりまするから、それに見合つて地方財政の対策としても或る程度の責任額を持てるような、而も財政力に応じたような自由起債というものが必要であるということは何人も考えており、地方も要望をしておるわけです。白書によると当分の間困難であると私は正直にそれを読んだ。今青木委員がお述べになつた重大なる伏線があるということを私は気が付かないでそう申上げたのですが、青木委員は講和会議を契機としてその起債の枠が外れるというようなお話でしたが、さようなことができれば誠に私は地方財政上慶賀すべきことだと思いますが、どうも今の段階としては二十六年度の補正予算を来月に政府は出すのじやないかというような予想もありますが、講和は勿論重要でありますがそういうようなことは持つておられない段階にありますから、その講和の前に考える際には、先ほど来申上げましたように起債だけを減じて、果してうまく行くかどうかというようなことを心配しておるわけなんですが、今、段階上、殊に先ほど私は平衡交付金の問題に触れたお話をしましたが、この今の結論の、起債は減額されておることを気が付かなかつたものですから、そういう議論もいたしましたが、私はどつちにしても現在の二十六年度の財政窮乏しておるのでありまするから、殊に段階上單独起債等が仮決定されておる。而もその状況はここ数年来に増して需要額がある。極く、一割ぐらいしか許可できない。そういうようなことで地方の団体から毎日のように非常な強い陳情を受けておりますので、私はこの感を深くしたので、申上げたのですが、この段階の途中において最後に伺いますのは、ちよつと見ますと地方債はそういうふうに減つておるものですから、非常に意外だつたので……、途中飛ばして行きますが、更に引続いて(11)は大体明日の資料によりまして……、(12)の御説明を、物価騰貴のことを伺いたいと思います。
  123. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 物価騰貴による物件費増加は、地方財政計画上、給与費それから臨時事業費以外の経費につきましては、昭和二十四年度の計画以来、物価騰貴状況を加味いたしておりませんので、最近の物価騰貴状況、それから給与費と、それから臨時事業費以外の中にも委員、議員の歳費、手当、そういうようなものも入つております。賃金もございまするので、そういう給与費、臨時事業費以外の内容を検討いたしまして、給与の上昇率の影響を受けるもの、それから物価の影響を受けるもの、そういうものを勘案いたしまして、大体二四%程度増加があるのではないか、こう算定いたしました。で現在の財政計画上、その他の大体物件費でありますが、それに二割四分の増加を見込みますと、大体四百億程度になります。このうちの約三割を見込みまして新規の財政需要として計上いたしております。
  124. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 伺いますが、政府国家財政上の物価騰貴の面も考えて、或いは補正予算考えるのじやないかと思いますが、国家財政上のほうで、大蔵省物価騰貴に対する部分はどういうふうに考えておるかということはお聞きになつたのですか。
  125. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 事務的に向うの係官に聞いたのでありますが、政府予算においては物価騰貴の増を予算に見込んでおらないという話です。
  126. 安井謙

    安井謙君 いろいろ資料の御注文もあつたようですが、私も一つ二つお願いしたいのは、二十五年度の補正の推定といいますか、大蔵省との比較表はできますか。
  127. 山本晴男

    説明員山本晴男君) できます。
  128. 安井謙

    安井謙君 それをぜひ……。今一つ、いろいろ問題になるのですが、市町村分と都道府県分と一本にしていつも問題にしているのですが、これを二つに分けて比較表というものはできますか。非常に性質が違うと思いますが……。大蔵省でも大体分けて資料を作つておると思う。地財委としてはやはりその基礎を分けなければ議論にならないと思うのですが、そうして欲しいと思いますが、いつ頃間に合いますか。
  129. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 明後日くらいではいけませんか。
  130. 安井謙

    安井謙君 いいでしよう。大蔵省からの説明を聞きます際に併せて立会つて頂きたいと思うのですが。
  131. 山本晴男

    説明員山本晴男君) 承知しました。
  132. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 体裁を整えるために一つ伺いますが、一番終りの大きな数字の4の、既定財政規模の圧縮というところについてお伺いしますが、一般的に財政需要を大きく必要経費出しておつて、規模の圧縮のほうは或るとき考えられた計数をそのまま今日まで残して、これ以上圧縮できないのだという考え方は誠に簡單でもあり、半面全体の計数はお手盛りで杜撰であるという印象を受けないとも限らないと思うのですが、なぜ財政規模が膨らむのに圧縮部分は前とは同様で、これ以上圧縮できないとするのですか。そういう科学的の根拠があつたらお伺いしたい、私は圧縮しないほうがいい……、賛成論者ですけれども、理論的にどうもおかしい。
  133. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 財政規模の圧縮というような問題は、紙の上では如何にもできるのでありますが、八十億を出し基礎は、給与費等を除きました物件費の一〇%を見込んでおります。実際問題として地方の実情から見ますと物件費を贅沢に使つているかと言いますと、これはわかりやすい例で言いますならば、新制中学を見ましても、成るほど建物は建つておりますけれども、備品なんか殆んどないだろうと思います。理科の実験材料もないだろうと思います。そうなると、むしろ物件費の増、施設の充実について見込んで行かなければならん問題なのに、財政規模の圧縮というものの理想を高くするわけに行かない。そこでどういうものが殖えたか、全体としてどの程度節約できるかということを我々としてそう簡單に考える勇気は持つてないのです。
  134. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そのことはわかるのです。それならば先ず平衡交付金をこういうように財政需要が殖えたのだから殖やしてくれろという要求をする前に、圧縮することはできんとして、なぜこの修正に圧縮が不可である、ゼロである、こういうことにしてこの結論の補填方法というものの計数をいじくらなかつたか。
  135. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 先ほどもお尋ねにお答えしておりますように、結論として要求するまでには考えていないのでありまして、若し地方財源全体を補填することが困難であれば、例えば公共事業につきましては、国の負担金の範囲で地方は仕事をやつてよろしいということも一つ方法であろうと思います。そうしますと、事務分量がおのずから殖えるわけでありますが、地方団体としてやれないわけはございません。ところがなお現在は、例えば極端な例を申上げますと、新制中学のモデル・スクールの場合でありますが、モデル・スクールでも文部省考えているような單価ではできない。それでは建築の坪数を減らそうとすると、文部省はそれならお前のところは補助金をやらないという態度をとつているわけです。そういう種類のものをどう解決するかということもありますので、我々は一応こういう問題があるのですということを、一応御検討頂けばいい。そのあとで結論出したいと考えております。
  136. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私、廻りくどくお聞きしてういると、奥野さんもそれ相当に成るほどと思わせるようなことを答弁しようとしているのですが、私どうもそういうことは聞きたいと思つておることじやない。これは大蔵省が先ず出した計数だつたわけです。この八十億一千四百万ですか、というものはそれをそのまま地財委がとつて、あの当時この計数を載せた。そういう経過等に鑑みて、大蔵省のそれを承認するとなれば全体の財政規模が膨らんだ、その修正後における財政規模の圧縮という部面も、大蔵省考え通りやればもつと殖やす、そういうふうな計数を出さなかつたら、これは大蔵省は認めないのじやないのですか。
  137. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 小笠原さんの今のお話は、これは誤解です。八十億の節約費というものは地方財政委員会考え数字でして、それを大蔵省が勝手に節約の部分だけを大きな数字ですから採用してしまつたわけです。我我が考えておりますのは歳出増は増として出し、節約は節約として出して来たわけであります。従つて例えば年末手当を、月の給与額の半分を出すという制度がきまつたものですから、それはそれとして、数字を挙げまして、逆に節約額も挙げたわけであります。ところが大蔵省は年末手当はこれは節約してやりなさい。その上更に八十億の節約をこちらの数字使つてつて来たわけであります。
  138. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それではこの数字は、地財委としてはこのままどこまでも載せて行く計数だと考えるということなんですか。
  139. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 地方財政委員会出しておりますところの歳出増加額を立てるなら、同時に節約額も立てて行きたいというふうに考えております。年末手当は節約でやれということですから、この八十億の節約可能額というものはおのずから減つて来ざるを得ない。何でもかんでも節約でやるというわけじやございません。そういう相関関係考えております。
  140. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今度のこの予備費百億ですがね、これは最初は地財委のほうにも挙げておられなかつたのだが、恐らく百億は、大蔵省の主計局の地方財政推計の予備費の百億を挙げられたと思うのだが、これは最初は挙げられていない百億という数字を挙げられたというのは、ちよつとどうかと思うのですが、最初から今の既定経費の節約と考えて、一方においては物価騰貴の費用百二十億を計上している。そうして圧縮がある。更に今度は新たに推計で行つた大蔵省の予備費、これは我々の全く納得の行かない費用であつて、我々が攻撃したわけですが、今度新たにそれを地財委がとつてここに挙げられたということはどうかと思うのですが、これは大蔵省恐らく憤慨するのじやないかと思うのですが、どうしてここに新たに挙げられたのですか。
  141. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 大蔵省の計数につきまして批判しろということでしたら、幾らでも批判したいと思いますが、ちよつと大蔵省の予備費の百億というものは我々はとつていないわけであります。右に挙げましたものは大蔵省出している数字であります。地方財政委員会は予備費という考え方は修正前も修正後もとつていないわけであります。
  142. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 それはわかるのですが、最初の、第十国会に出された資料、これには予備費に百億とは載つていない。大蔵省のほうでは非常に、あなたのほうの出し数字にも……、我我は、この資料地方財政の推計は大蔵省が挙げておつたのですけれども、今度新たにこれに載せられたのはどういうわけか。
  143. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 大蔵省が最初はどういうものが地方財政需要増加になるかということを挙げまして、それに対する財源として考えられるものはこれこれだ、その中に御承知のように確か税外収入で二百億近いものをちやんと二十六年度より殖える数字出しておりました。ところがその出し方を修正したと申しますか、又別途の計画などを考えたと申しますか、地方財政の問題点についてこういうふうなパンフレツトを出して書いておりますように、二十四年度の決算見込から推計して行つた数字の中には、そういうものを挙げておるわけであります。最近は大蔵省は專らこれを基礎にして説明しておられるようでありますから、ここに出しておりますような計算の仕方を大蔵省案として挙げたわけであります。大蔵省説明の仕方がだんだん変つて来ておりますので、最近大蔵省側の主張しておりましたのを、ここに大蔵省案として挙げたわけであります。それからなお、物件費の増を来たしておりますことについて多少疑問を持つておられるようでありますが、これは歳入面につきましても地方税とか、或い使用料、手数料につきましては最近の経験等に伴いまして自然増を挙げたわけであります。自然増を挙げて頂きましたので、自然物件費も値上りになつて来ました。これを計算いたしますると、どの程度になるかと申しますと、これが三百何十億とかになるわけであります。それでどうも歳入欠陥が多いものですから、一時的にそのうちの三割程度のものをここに挙げて見た、こういうわけでございます。
  144. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 青木委員にお伺いいたしますが、今の問題ですね、ここに物価騰貴の百二十億を挙げるくらいならば、さつき小笠原委員のおつしやつたような財政上の数字を性質上いろいろ考えても、物価騰貴の百二十億を挙げられる前からも、圧縮の一〇%の経費、これも依然として、例えば地財委といえどもこれを挙げて置いて、一方では百二十億の物価騰貴増額を新規に要求するというような見方、こういうようなものはどうですかね、どうお考えになりますか。
  145. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 只今の御質問誠に御尤もな御質問と思うのであります。先ほど小笠原委員からも御質問がありましたように、八十億という数字がずつと続いてちつとも変らずに出て来ておる、ほかの数字が大分変つておる点は御質問の御趣旨が御尤ものように私は考えますが、なお一つ事務当局とよく協議をいたしたいと思います。
  146. 鈴木直人

    鈴木直人君 自治体警察が廃止されるということになつておりますが、勿論それは九月数日を以てどの程度廃止されるかということが決定されるはずですけれども、そういう場合にそれが国警に移管された際に、国自身が新らしく経費を持つことになるんですが、その際に平衡交付金算定の上から減つて来るというようなことがまあ実は考えられるわけですが、勿論その額については減らすことはしないという政府当局の何回かの言明があるわけでありますけれども、この支出という点から見てもその点どういうふうに計算されておりますか、このうちのどの項目に入つておりますか、或いは入つていないのか、或いは総額をどういうふうにしておるか、お伺いして置きたいと思います。
  147. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) お話のような問題があるわけでありますけれども、まだどの程度自治体警察国家地方警察のほうに編入されるかどうかというふうな見通しが立ちませんので、一応ここから外しております。個々の地方団体につきまして自治体警察を廃止した場合に、平衡交付金を減額するかどうかという問題につきましては、前回も西郷さんから強い御意見がございまして、地方財政平衡交付金の個々の団体別の金額を決定します際には、西郷さんの御意見お話して決定してもらいたいというつもりでおるということを申上げたつもりでございます。  ただ我々は地方財政平衡交付金の総額は減らさないけれども、個々の団体については減らさないとか、減らすというようなことは前の国会では議論はなかつたのではないかというふうに了解しておりますことを、この前もお答えしておつたが、いずれ最終的にきめます際には御議論のあります点はよく伝えたいと思います。
  148. 鈴木直人

    鈴木直人君 総額を減らさないという場合の技術的のやり方ですが、今日ずつと検討した部分の数に入つておるわけですか。
  149. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) この数字の中には、先ほど申上げましたようにまだ全体の傾向はつかめませんので、入れていないわけでございまして、若し計算上入れます場合ならば歳出がそれだけ減つて来るというふうな数字を立てたらよろしいと思います。併し仮に自治体警察のうち六割が町村からなくなりまして、而も十月から年間経費の半分が不要になるというような計算をしましても二十億内外の数字であります。現在の傾向じや六割もなくなるということは、ちよつと予想されないのじやないかというような情勢にあると思つておるのであります。
  150. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ほどの山本事務官お話では、一般給与費の増という中に、警察官関係給与はこういうふうに算定して入つておるというふうに、一般に御説明があつたようですが……。
  151. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 警察関係につきましては、自治体警察関係として十一万人という数を基礎にして使つております。
  152. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうしますと自治体警察につきましては、町の自治体警察においては、それは廃止されるものはあるかも知れんけれども、市については依然として残して置かれる、而も大抵の市はむしろ増員を必要とするような情勢に置かれておる。従つて町村の自治体警察の何がしの人数が仮に減らされても、市の方面において相当の増員が行われるというような見込みが十分である。而もその増員については今回の改正によつて自由にやることができるというふうになるというようなことを見越した場合においては、むしろ警察官の数は殖えるという見込みが出て来るので、実際の平衡交付金の場合においては、町村の自治体警察が廃止されるということのために、総体の人員が減つて来るということはないと、こういうようなお考えを持たれるのか、或いは一説によるというと、殖えた分については平衡交付金の対象にはしないのである。幾らその市が殖やしても、従来の人数よりも殖えた分については、平衡交付金の対象にしないのだというようなことを、地方財政委員会が話しておるということも巷間に聞いておるのですが、この二つの点についてお伺いしたい。
  153. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 個々の市町村の警察費をどう測定するかということにつきましては、いろいろ問題があるわけであります。現在までは警察吏員の定員というものは政令で一定しておりましたので、それを基礎にして計算して来たわけであります。従いまして当初一般の都市は人口五百人について警察吏員一人というような計算の下に算定されておつた吏員定数というものがあります。なお将来につきましてもそれを基礎にして計算して行くということでありますれば、昭和二十五年においては相当都市の警察吏員定数が変つていなければならないわけでありますけれども、従来のまま据え置かれて来たわけでありまして、従つてそれを基礎にして算定して来たわけでありまして、二十六年度からは変るわけでありますけれども、差当りは、その政令できまつておりました吏員定数を使わざるを得ないのじやないかというふうに思つておるわけであります。別途国家地方警察本部のほうに、今後は何を基準にして警察吏員の定数というものを測定して行つたらいいかということを聞いているわけでありますが、まだ返事が得られないわけであります。今後そこに協議を続けて行きたいと思つております。一体、現在一般の都市については五百人、町村については八百人、大都市につきましては二百人、そういうように吏員定数を置いておるわけであります。人口が殖えたら警察人員も殖やすということになりますと、国の入口も殖えておりますから、警察人員も殖やさなければならないわけでありますけれども国家警察と自治体警察を合せまして十三万人という定員をオーバーしないように考えて行くべきなのか、オーバーしてもかまわないから、人員を人口の増加に応じて殖やしたらどうか。この辺に問題があるのじやないかというふうに考えておるのでありまして、どうしても人口等を基礎にして、あるべき警察吏員というものを、総数幾らの範囲において考えて行くというふうな問題と、併せて検討しなければならないかも知れないというふに考えておるわけであります。差当り二十六年度におきましては、政令できまつておりました警察吏員の定数というものを基礎にして、金額計算して行きたい。併しその団体の人口が著しく殖えまして、客観的にもどうしても警察吏員を殖やさなければならないという事情にありますならば、その部分は特別交付金のほうで考えて行くようにしたい。その際にどの程度以上は特別交付金考えるかというような問題は、早急に国家地方警察本部のほうでも態度をきめて頂きまして、何らかよるべき基準を設けて行くように努力して行きたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
  154. 鈴木直人

    鈴木直人君 配分の方法は前お聞きしたわけですが、今度は九月末に終りまして、十月になりまして、何がしの自治体警察の警察官が国警のほうに移管されるということがはつきりした後において、一人当り十六万五千円ですか、それにかけたところの平衡交付金は、不必要になつて来ておるのだから、それは当然不用額のうちに算定すべきであるというような大蔵当局あたりの強い意見が出た場合には、どういうふうにされるわけですか。
  155. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 昨年用いました警察費に関する單位基準につきましては、現在検討しておるわけでありますが、むしろ給与費が相当増加して参つておりますので幾らでもこれを増加しなければならないんじやないだろうかというふうな考え方を持つておるわけであります。それを教育の問題もございますし、衛生の問題もございますし、総体睨み合せて、どこのどの程度増加して行くべきかというふうな問題が残つておるわけでありまして、單に自治体警察を廃止する町村があるので、その財源を警察関係の費用にプラスするというだけにはとどまらないんじやないだろうかというふうにも考えておるわけなんでありまして、それはそれとして別途に考えておきまして、むしろあらゆる経費の中に位置しておりますところの警察費を、どう見て行くかというふうな、全体の問題として検討して行きたいというふうに思つております。
  156. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この問題は、前回にくどいくらい私お聞きしたんですが、今お聞きしたのは初耳な点がある、それは推定ですが、自治体警察廃止後、余裕のできた平衡交付金は警察関係にだけ当てられない、よそのほうにも廻さなくちやならんじやないか、こういう考えですが、そのお考え基礎は、国家地方警察の警察官一人当りの單位費用というものに近付けるということを第一条件に考えてみて、それでなお余る、自治体警察にそれを適用して余るという部分について、他のほうに廻すというふうに見て行くというふうに考えるのが、私は当然じやないかというふうに思うのですが、そういう考え方でなしに、十六万三千なら十六万三千というものを、ちよつとでもまあ殖やしておけば、それはそれで片付くと、あとまだ余る部分がある、それは教育費、衛生費その他どこへやるか検討して、総花に一つばら撒いて行く、こういうお考えなのですか。
  157. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 町村の自治体警察国家地方警察に移管されるに伴つて生ずる余裕というものは、我々は小さいものじやないだろうかというふうに思つておるのでありまして、むしろ現在の警察費に関するところの單位費用を引上げなければならん分量のほうがずつと大きいんじやないだろうかというふうに考えておるわけであります。従つて何も警察費で余裕が出たからそれを警察費に充てなければならないと考えておりませんで、やはり全体として問題を考えて行かなければならないんじやないだろうか、だから財政規模の圧縮というような問題もございましようしいたしますので、全体として余裕がどの程度出て、而も個々の経費の均衡がとれるような考え方の下に、單位費用を定めて行けば幾らになるかということを見て行きたいわけであります。いずれそういう問題につきましては御相談しなければならないわけでありますけれども、例えばあるべき財政需要額が幾らであるか、実際決定し得るところの財政規模は幾らであるか、そうしますと、全体として八割になつておるとか、九割になつておるとかいう問題が起きますけれども、その場合でも例えば義務教育の関係の費用だから、どうしても或る程度経費は維持しなければならないわけでありますから、これを九〇%見て行くとか、一〇〇%見て行くというような問題も起きまして、そうしますとあとのものはそれだけ余計出さなければならない、そういうふうになるわけであります。そういうふうに総合的に判断したいと考えております。
  158. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それからもう一つ、これは注目すべき点があつたのでありますが、それは自治体警察の一部が廃止になる、或いは中小都市の人口増に伴い自治体警察官は増になる。そういうふうなことがあろうとも、国家地方警察の警察官と引つくるんで、日本の国が持つべき警察官というものをどの程度にするか。こういうような点から再検討した上で、その中小都市の自治体警察官の増員ということも、どの程度国がその財政需要を見て行くかということは考えなくちやならない。こういうふうな御説明があつたように思うのでありますが、これは地方財政委員会考え方ですが、事務当局としての奥野さんのお考え方ですか。この点先ず第一にお伺いしたい。それから第二には、もう一つ私どうもわからん話を聞いたのですが、政令が廃止になり、自治体警察の警察官の定員は自由になつたという今日において、中小都市に設置される自治体警察の警察官をどの程度考えるのか。国家地方警察本部に聞いているのだが、まだ返事がないというのですが、これは地方財政委員会考え方として国家地方警察に聞くのですか、この点をお伺いしたい。と申しますのは自治体警察の定員が自由になつている今日において、国家地方警察から何を聞こうというのか、私にはわからない。又こういう考え方が逆に地方財政委員会としては、財政の上から地方の自治を強化して行こうという、或いは地方分権を育てて行こうという考え方から成立つている委員会が、国家地方警察に自治体警察官のそれをどの程度にするものかまあお伺いを立てているようなお話はどうも聞き取れない。国家地方警察は何らかかわりのないことである。聞くならばそういう関係の自治団体のほうから聞くべきだ、何で国家地方警察本部にそういうことを聞くか。こういうことは、それは総体としてわかつているが、技術的に、聞きいいから、わかりいいから聞くということがあるでしようが、一般に中央の官庁なり役人のかたがたに昔通り考え方がどつかにあるから、こういうことを手つ取り早く考えるのじやないかと思うので、実はその通りであれば私不満なんです。なぜ地方団体に直接聞かないのか、なぜその代表団体である自公連、或いは自警連なり、そのほうに聞き、資料を取寄せないか、私はおかしいと思う。
  159. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 最初の問題は私一個の考え方ではありますけれども財政論から言いましたならば一般的には私が申上げるようなことになるのじやないかというように思つております。警察の費用が国が持つとか、町村が持つとかということは、これは便宜的なものでありまして、いずれも国民が負担するのでありますから、国民負担の限度というものと睨み合せて考えなければならない。そうするとやはり、国家地方警察と自治体警察とを総合して考えたらどうかという気持を持つているわけであります。第二点の問題にもなるわけでありますが、一体自治体がどの程度の警察吏員を持つべきかということは、自治体自体に聞けばいいのじやないかという御意見でありますが、成るほど我々もどういうふうにできれば望ましいのでありますが、現に都市ではすでに人口が殖えた、隣りの大都市では二百人に一人の割で警察吏員をおいて、自分の所では五百人に一人だ、或いは六百人に一人になつている。これはすぐに警察吏員を殖やさなければならないという、こういう結論出しているような所もありますが、私はこういう態度については非常に不満を感じているのであります。これは個人的な考え方でありますけれども、ここで一体何を基準にして所要の警察吏員を考えて行けばよろしいかということでありますけれども、現にきまつております。更員数というものは、現在の国家地方警察本部の人たちが考えたわけでもありますし、或る程度の專門家でもありますので、その人たちの意見を参考意見として我々は聞きたい。そういう專門家の意見を参考として聞きたいというふうに考えているのでありますが、それらについては財政的の見解も加えまして、財政的には平衡交付金算定する、警察吏員の測定の仕方の問題でありますけれども地方財政委員会が責任を持たなければならんだろうと思つております。又国家地方警察本部として得られました意見につきましては、自警連や自公連の意見も聞きたいと思つておりますし、現に單位費用につきましてはそうしたこともいたしているわけであります。ただ自治体警察を持つております団体というものが二千近くございまして、そのどれに聞くかという問題でありますけれども、むしろ国民の負担力を担当重点的に考えて行かなければならない際には、やはり国全体の問題について或る程度意見を持つていると思われる向きかしら、成るたけたくさん意見を聞いて行かなければならないのじやないかというふうに考えているのでありまして、国家地方警察本部の意見を聞くことについては御不満のようでありますけれども一つの参考意見として聞くのでありまして、やはり参考意見としては一番中心に意見を述べてもらわなければならないじやないかというふうに思つているわけであります。
  160. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この点についても、実はもう少し本当は論議したい点があるのですが、時間も相当経過しておりますので、本日はまあこの程度にしますけれども、例えばこの五日以内には又この問題が起つて来ると思いますので、そのときにお耳に達します。それで議事進行上ですが、歳入面のほうについてまで本日質疑をするようにいたしますか、それとも明日に持ち越しますか、それによつて質問もあるわけですが、この際如何するか、委員長においてお諮り願いたいと思います。
  161. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) どうでしよう。
  162. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今日はこの程度で……、歳出面は大体終了いたしましたから、明日歳入面をするといたしまして、今日はこの程度で散会したいと思いますが……。
  163. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それでは最後ちよつと委員長から申上げたいと思いますが、地方財政委員会委員のかた各関係の係官に御出席頂いたのですが、実は午前中に本委員会の趣旨についていろいろ委員間で懇談をいたしましたのですが、要するに現在地方財政窮乏と申しますか、或いは地方財政実態はいずれも非常なる難局に当面しているので、このまま放置できない。従つてむしろ超党派的に、各議員もこの問題については、地方からたびたびの陳情もあり、又これらの問題の解決についてはそれぞれの筋からいろいろと迫られているようなので、到底これを黙視することができないというので、本委員会が成立いたしまして、そうして差当り二十六年度の地方財政をどう解決すべきかという点について一つ考えをまとめたいというのが、本委員会の趣旨なのであります。従つて先般来からいろいろの質疑応答がされておりますが、要するに問題はそういう点にありますので、或いは質問が何か弾劾をするような形のように聞こえたかも知れませんが、これは決してそういうところに思いがあるのではなく、むしろ皆さんの中から、お考えになつている点を聞き出すために、或いは反対議論をした部分も相当あるやに見受けられるのでありまして、各委員会とも非常に現在の地方財政実態についてこれを何とかしたいという念願に燃えておる皆さんと全く志を同じくするものと思うのであります。従つて今後のこの委員会を進行いたしますについては、或いは大蔵省、或いは政府、或いは自由党初め各党派の政調会等、やはり政治的にも働きかけて行かなければならんと思うのです。それにはやはり実態数字的にも相当明確に把握するということが、その立論の基礎になるものと思いますので、本日頂きました資料につきましては総括論でありまして、委員間の質疑もお聞きの通り、やはり重要なる点につきましては算出のやはり基礎なり内訳なりを出して頂きまして、我々の立論の根柢にし、又皆さんの財政委員会考え方を十分と把握したいと、こう思うのでございまして、その意味からどうぞ本日お出しになられた数字の重要な、特に大蔵省方面と食い違いのある点につきましては一つ算出基礎等についての資料もお出し頂きたいと存じます。なお質疑の過程中、各委員からお願いいたしました資料にきましても、何分早く特に先ほど安井委員からお話ありました府県とそれから町村等も分けて出して頂きたいという分は、とかく大蔵省方面におきましては、町村の財政については余裕があるので、言い換えれば地方財政委員会平衡交付金の配分を誤つて、その支出を自分のほうで負うということは非常に困るというような議論等もございますので、一つこれもできまするならば、明日中くらいにはつきりした資料一つお願いいたしたいと考えるものであります。そんな事情でございますので、本委員会一つ趣旨を十分お考え下さいましてこの議事進行につきまして皆さんの御協力をお願いする次第であります。  本日はこれを以て散会いたしたいと存じます。    午後四時四十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     高橋進太郎君    委員            安井  謙君           小笠原二三男君            相馬 助治君            西郷吉之助君            鈴木 直人君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君    常任委員会専門    員       武井 群嗣君   説明員    地方財政委員会    委員      青木 得三君    地方財政委員会   財務部財務課長  奧野 誠亮君    地方財政委員会    財務部財務課長    補佐      山本 晴男君