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説明員(奧野誠亮君) 義務教育の所要
教員の数というものは、
地方財政の上に占めるウエイトが非常に大きいものなんですから、大変重要なものであるし而も非常に專門的な問題だと思うのでして、併しその中には二つの問題があるのじやないか。我々が
財政計画を立てて行きます場合には、
地方の所要財源が全体として幾らであるかということについて弾き出す
数字でございます。もう
一つは、その総額を個々の
地方団体にどう配分するかという問題がございます。この二つの問題はやはり分けて
考えなければならんのじやないかというふうに
考えております。もう
一つは、五十人を仮定の学級として、一学級一・五人とか、或いは一・八人とかというふうな
計算の仕方は便宜のものであろうと思うのでありまして、飽くまでもやはり実際の学級について先生何人を要するだろうかということを
考えて行かなければならないだろうと思います。これが実際問題としてなかなかむずかしいので、やむを得ず全体の所要
経費を
算定いたします場合には、五十人を仮定の一学級として先生何人を要するかというような
計算をしているに過ぎないのであります。実際の学級について先生何人かという見方が一番正しいと思うのでありますが、それでは生徒数五十五人だから二学級に分けて
計算して行くのか。或いは五十五人だから一学級に見て行くのか。それも地理的の
状況も見て行かなければならんし、個々の
市町村におけるところのそういう問題を中央において解決しようとして見ましても、なかなか
意見が合わないのじやないかと思います。そこで止むを得ず理論学級に対して先生が幾らというような
計算をしているわけでございます。もとよりその結果は、どの県でも理論学級について一・五人が最低の線だとは我々も
考えていないのでありまして、やはり経済力から
考えまして、
全国平均としては理論学級について一・五人一・八人というふうな
計算の仕方をしているのだ、こういうふうに我々は了解しているのでございます。併しながら
意見によりましては、理論学級について一・五人、一・八人を下廻るところもございましようし、上廻るところの県が出て来ても差支えないのじやないかと思
つております。
従つてまあ総額として理論学級について一・五人、一・八人として弾いたものが、個々の県の実情に応ずるように義務教育費というものを
算定して行けるならばよろしいじやないか。
従つてまあ
地方財政交付金の
財政需要の
算定に
当りましては、
小学校や
中学校につきましては御承知のように生徒数のほかに
学校数も用いておりますし、又学級数も用いているわけであります。学級数を用いるということは、かなり地理的に学級編成ができにくいのでありますから、必ずしも適当じやないのでございますけれ
ども、やはり
基礎的になりますものは、小笠原さんの指摘されますように
実態学級であると思います。
従つて過渡的に現実の学級というものを
計算に採用して参
つて来ているわけであります。
従つて又総額として
算定いたしましたものを個々の団体に
計算して行きます際に、我々のや
つておりますことで間違いがございましたら、これは御指摘頂きまして直して行きたいと思います。併しながら現在の我が国の
財政力から
考えまして、
全国平均して、理論学級について
小学校は一・五人、一・八人も止むを得ないのだ、こういう
考え方が取られているのだということも御了承願
つて置きたいと思います。
お話になりますように、
中学校の生徒数が減
つたからと言いましてすぐに先生を減らせないと思います。併し同様に又
小学校の児童数が殖えたからというので、それじや
小学校の先生を、すぐ先生を殖やせばよろしいじやないかという議論も立つかと思いますので、便宜中央におきまして義務教育費を
算定いたします場合には、この児童数を
基礎として
算定いたして行くというようなやり方をしておりまして、あとは今の個々の県の実情に即したように配分して行くという後段の問題になるのじやなかろうか、こういうふうに思
つております。