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1951-03-14 第10回国会 参議院 地方行政委員会地方財政の緊急対策に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十四日(水曜日)    午前十一時四十三分開会   ————————————— 昭和二十六年三月十二日地方行政委員 長において小委員を左の通り指名し た。            安井  謙君            高橋進太郎君            中田 吉雄君           小笠原二三男君            岡本 愛祐君            西郷吉之助君            竹中 七郎君            石川 清一君 三月十三日小委員長互選の結果左の通 り決定した。    委員長     竹中 七郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (地方財政緊急対策に関する件)   —————————————
  2. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 只今から地方財政緊急対策に関しまする小委員会開きます。
  3. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 それでは私から質問しますが、例えば歳出面において、大蔵省推計を見ると、予備費百億なんというものが計上してありますが、歳入超過と共にこれを見ますと、二十六年度の地方財政費は五百億の余裕金があるように見えるので、予算委員会におきまして予備費の点を質しましたところが、主計局の説明は、こういう歳出において、自分のほうでは五千九十億円と歳出を見ておるのだ、而もその中に平衡交付金一千百億円は適当である、而も予備費計上しておるけれども予備費は要らんということならば、大蔵省としては平衡交付金を百億だけ減らしてもよいのだという理窟が成立つというような意味のことを言つたのですが、予備費なんというのを掲げておいて、それを追及すると、予備費が百億要らんのなら平衡交付金を百億減らせばよいことになるということがちやんと速記録に載つておるのです。あなたのほうではそういうことを財政当局として、例えば大蔵省見解はそういう見解を持つておるのですが、今までそういう食い違いの点について歩み寄りをなさるときにこういう点にお触れになつたのか。お触れなつたとすれば、私非常に変だと思うのですが、委員長はこの推計表なんか御存じで向うと折衝なさつたのですか、どうなんですか。予備費歳入超過の上に出ておるという、こういうことを御覧になつておるとすれば、誠に私は変だと思うのですが、その点如何ですか。
  4. 木村清司

    政府委員木村清司君) 私は実は最後事務当局から聞きましたときには、これはあとで拝見させて頂いた予算表に載つています百九十億、この結末につきましてこういうふうなものが出て来たのだ、それにはこういう理由で以て百億の違いがある、それから又使用料手数料においてこれだけ見ておるのだという差異についての論戰が載つておるのだと、いうことを事務当局から聞いておりまして、実はこの二十四年度の決算から出てこういう工合になるのだということは、最近になつて私知りましたので、その点は私自身は、今の最後結末方法について、財源醵出方法について、大蔵省としては実にわからないことを言つているなという点に……つまり財源の百億の算出方法差異と、それから財源醵出方法についての使用料手数料雑収入について百七十億も出しておる、これは元来目的税的なもので、ほかに流用できないものを持つて来るのはおかしいじやないかということで以て、これは当然大蔵省の言うことは不当だと思つて、私は事務当局の案に賛成して、財政委員会としてはこの財政措置案について、措置をして来たのであります。実はこの表自身につきましては、その後決定しました後において研究いたしました次第でございます。その決定しました案には百七十億、財政措置案は、大蔵省のほうは不妥当である、我々の算出したほうが、財政需要の点についても、我々のほうが妥当であると考えておるという意味で、勧告なり意見出した場合においては、その意味出しておるのであります。
  5. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 もう一遍委員長代理に伺つておきますが、地方税総額の百七十億七千三百万円、この数字に対しまして、大蔵省同意を與えて同額の計上をしておりますが、今の推計表などから勘案しまして、大蔵省数字同意を與えたというのは、計数的に増收案を検討したのではなく、この点は地方財政委員会意見を尊重して同意したのか、或いは大蔵省大蔵省として、地方税増收を計算的に出しまして同意を與えておるのか、どつちなんですか。
  6. 木村清司

    政府委員木村清司君) 地方税増收見込については、大蔵省自身資料を持つておりますから、両方協議して出しておるのであります。ただこれは、あらかじめ一つ私は御了解を得たいと思うのは、地方税増收見込というものは、やはり一つの階段を経ておるのでありまして、二十五年度の千九百八億ということの一つ前提を以て、そうして明年度は二千八十七億というものを積み重ねて行くわけです。ですからその意味において、やはり或る程度一つ税收入見込も、現在の制度から一定の額に入るということを予定しておるのでありますから、現実に一必ずしも絶対額がそうではなしに、現行制度明年度と比べますると、百八十七億の増収になるという意味においては確かでありますけれども現行制度の下において、例えば五十億とか、或いはその程度今年度内には入らんという、例えば税收入見込よりも少いという場合が多少起きるのじやないかと思いますけれども、その場合においては、その点或る程度の、多少の誤差と申しますかが起きるということもありますが、これは総体的の問題ではないかと、こう考えております。
  7. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 財政部長から食い違いの点について御説明願います。
  8. 武岡憲一

    政府委員武岡憲一君) 地方財政平衡交付金総額如何決定したらいいかということにつきまして、地方財政委員会大蔵省との間に予算の折衝を行なつて参りましたのでありますが、その際に一番根本的な問題となりましたのは交付金の額を現在の地方財政状況に鑑みましてどういうふうに決定するのかの決定方法についてであります。それば即ち地方予算の、地方財政計画をどういうふうな方法推定をし、その全体の地方財政計画の中から、地方税の額なり、又平衡交付金の額なり、或いは地方起債の額なりというものを決定して参らなければならんのでありますが、その基となります地方財政計画或いは地方予算推計と申しますか、それをどういう方法で目安を立てるかという、根本的な方法論において大蔵省地方財政委員会意見が異なつておることは御承知通りであります。即ち大蔵省は、二十四年度の決算というものを前提として、それから二十五年度或いは二十六年度の地方予算の全体の姿を推計いたしまして、そしてその中で地方税の額なり又交付金というものをきめて行く、こういう考え方であるのに対しまして、地方財政委員会におきましては、二十四年の実績ということ、決算数字というものを前提といたさずに、どこまでも二十五年度に一体地方財政というものが如何にあるべきであるかということを推定いたしておるのであります。その根本的な考え方相違が、交付金の額の決定における相違となつて現われて参つておるのであります。従いまして、この推計方法について根本的な考え方相違がございまするために、実際に現われて参りまする場合に、その新規需要額の算定方法なり、或いはそれに対する財源措置考え方なり、そういうものにつきまして、一つ一つその計数上の開きというものが出て参るわけであります。で、私たち地方財政委員会といたしまして、大蔵省がやつておりまするような二十四年度の決算見込数字というものを前提にして、二十五年、二十六年度の地方財政の全体の姿を推定する方法に賛成できませんのは、大体二十四年度というものが、地方財政にとりましては決してノルマルな、即ちそれを以て基準とすべき財政を生み出された年でないというのが第一の條件、第一の理由であります。即ち二十四年度におきましては、地方配付税というものは、財政上の理由によりまして半額に切られた、従いまして地方財政といたしましては、そういう見地から非常に無理な圧縮をかけられた年でありまして、財政の運営が非常にまあゆるんだ形において、ゆがめられた形において生み出された年なんであります。その年におきまして、決算数字がこのように出ておるから、あと二十五年度のそれに対する増額というものを見て置けば、二十六年度は運営されるという考え方にはどうしても賛成できないのであります。二十五年度は、二十四年度においてそういうような財政上の特殊な地方財政に対するまあ圧縮と申しますか、施策がとられました関係から、二十五年度においては御承知のように、改めてシヤウプ使節団勧告に基き、地方財政に対する一つ新規措置地方財政としての一つの革新的な財政措置が講ぜられました年でありまして、それを我々はどこまでも前提にして、それから二十六年度の姿というものを推計すべきであるという考え方に立つているのであります。そこでこの二十五年度の補正予算の問題が起りました際に、同じような考え方から、すでに前国会におきまして御承知のように、大蔵省地財委の間におきまして、いろいろな意見の対立が現われたわけでありまするが、それと同じような問題が、二十六年度予算推計におきましても現われている。これはその点につきましてどうしても私たち考えなければならん。大蔵省が同調してくれないと申しますか、大蔵省大蔵省考えのままで以て予算をお組みになります関係から、同じような問題が引続いて起つてつたというような結果になつたのであります。従いまして特にこの一つ一つの項目についての相違点につきましては先に申上げた通りでございまするが、それらの点の主な理由というものは、只今申しましたような根本的な考え方の違いということから発しておるのでございまするので、この調整を図るということになりますと、やはりこの地方財政のあり方というものを、二十五年度において行われました新たな地方財政に対する財源賦與という、そういう事実、それから平衡交付金制度実施改正地方税法実施というような、そういうものをどこまでも前提として、そうして正しいあるべき地方財政の姿、それを基として立てて行くのだという考え方になりません限りにおきましては、やはり今後におきましても、同じような問題が残されるのじやないかということを、私たちは非常に憂えているわけであります。大体経過におきまして、この交付金総額推定について、大蔵省と私たちの間にいろいろな末梢的な違いが出て参つております。根本の問題は私はそこにあると考えておるのであります。
  9. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の平衡交付金のことでありますが、税外收入ですね、これももう最も大きな違いが税外收入数字なんですが、この点は百六十三億九千万円も両方が違つておるのですが、こういうふうなことは同じ我が国の、国家地方の差はありますけれども、そういうものをおのおの財政当局が検討する際に、税外收入というものが約百六十四億食い違つたということになりますと、これは財政は飽くまでも数字推定して行くのですが、甚だ私は遺憾に堪えないと思うのだが、こういう大きな開きのまま予算提出なつたということは、私は非常に遺憾に思いますが、この百六十三億九千万円の相違については、今までどういうふうに大蔵省と折衝され、折衝した挙句が百六十三億九千万円の相違になるのか、当初はもつと大きかつたのか、その後はこの開きについては相談をされておらんのか、そういう点を伺いたい。
  10. 武岡憲一

    政府委員武岡憲一君) 只今御指摘の税外收入についての問題でございまするが、これは先ほど私廻りくどく申上げましたように、この地方財政計画推計に関する考え方相違から発しておるわけでございまして、ただ大蔵省出しておる数字が、その数字自身が多いとか少いとかというようなことよりも、そういう数字地方財政財源調整に用いる一般財源として考えるべきであるかないかという考え方相違ということで我々は争つて参つたのであります。大蔵省でのこの数字出しました根拠は、今お示しの表にもございますように、二十四年度決算見込数字というものを基にして考えているわけであります。これは勿論昭和二十四年度の決算見込額から申しますならば、確かにそういう数字が上つておるのでありまして、使用料手数料におきましては約百二十億、その他のいわゆる雑収入におきまして三百五十億ほどの決算数字が上つていることは事実であります。そこで大蔵省では、この二つのものを合せて大体四百七八十億というものを、これはやはり税外收入として、地方財政上の一般財源として使えるものだ、こういう考え方で、これをどこまでも財政計画上の一般收入として上げようという態度でありまするし、それに対しまして私ども考え方から申しまするならば、決算に上つておりまするその数字は、地方財政計画の上に用いるべき性質の数字ではない。即ちそれは先ほど木村委員からも申上げましたように、いずれも特定目的を持つた目的的な收入でありまして、勿論その全額ということを申上げておるのではありませんが、その大部分は、そういう特殊な目的を持つた特定財源なのでありまして、一般財源としては、財政計画上に掲げて置く数字ではないというのが私たち見解であります。そこで決算見込額に上つておりますその四百八十億という数字、今大蔵省がそれを根抵として二十六年度に推定いたしておりまする三百六十億、使用料手数料百二十億、その数字自身を否定しておるわけではないのでありまするが、それを財政計画の中に取入れるという考え方に反対はしておる、こういう経過なんであります。そこで初めに予定になつ数字がだんだん少くなつたとか、或いはその数字が折衝してそれを多くしたとか、少くしたとかいうような経過ではございませんので、根本的な考え方について我々は議論を続けて参つておる、こういう状況でございます。
  11. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の財務部長お話だと、数字と言うより、自分たち大蔵省とのものの考え方の違いであるというお話で、甚だその点は遺憾なんですが、そうして見ると、私は最も地方財政の上で今重要な地位を占めておるところの地方財政平衡交付金算出は、総額の見積りは財政委員会がやるが、その締めくくり、決定権大蔵省が持つておるわけでありますが、そうしますと地方財政に関する大きな問題だけでも、考え方が違うために大きな開きが出て来るということになると、そういう両者違う考え方をしたものが、片方が総額出して、全然地方財政考え方を異にする。大蔵省が、平衡交付金最後の断を下すということ、そのことが甚だ妙なことになつて来るのであつて、そうしますと実に我が国財政全般というものは悲しむべき現状に置かれている。国家財政大蔵省がやり、地方財政は主として財政委員会その他がやる。それが根本的な財政上の見解を異にしておるということになつて、そうなれば、当然こんなふうに両者の大きな開きが出て来まして、これは数字を検討する段階にも立ち至れなくなるので、非常にその点は遺憾に思いますが、前議会においても、補正予算においても、二十五年度予算においても、平衡交付金地方起債の問題は予算委員会においても、地方行政委員会においても非常な熾烈な論議が戰わされた。両者大蔵省においても地財委においてもよくその点はわかつた。然るに又最近においても、予算についても今度は三回目です。同じ問題を論議するのは。今伺うと地財委のほうでは大蔵省根本的な考え方相違からかようなことになる。誠に私は大蔵省に対しても地方財政委員会においても、このくらい議会において何回も繰返されておる議論があるにかかわらず、両者がその点を全然努力したかも知れんけれども、その根本的な考え方が違うということは、私は非常に遺憾に思う。そういう点におきまして今後格段の地方財政としても努力をして頂かないと、考え方と言うけれども、我々は数字を見てものを判断しているのですから、さような両者の非常な考え方相違があるということは、これは非常に重大問題なのであつて、今そうであるからといつて、それでは僕のほうはこの数字は検討しないのだというわけには行かないのだ、飽くまでも止むを得ず両者見解根本的に違うけれども、出たところの数字を以てこれを分析して妥当な数字考えなくちやいかんと思う。そういう点について今後大いに努力して頂かないと非常に妙なことになるので、何回やつても同じだ。根本思想考え方が違うのだ、それでは地方公共団体は全く気の毒なことになつて、非常に重大な影響を全国民に與えると思いますので、考え方相違ということでは甚だ困るのであります。地方財政委員会としても、これは非常に今日根本的にこれを考え、なお且つ大蔵省とも話合をなさらんと、いつまでたつて地方財政は浮ばれないのだという結果になるのです。一つ大いに努力して頂きますが、今私は最初から質問しておりますから一応これくらいにして置きます。
  12. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それに関連してですが、これは専門員にちよつと見解を伺つて置きたいのですが、私たち国会委員会意見書を受取つた。それでこういう数字を、正当性を主張せられる。ところが国会予算審議の裏付けとしての資料は、大蔵省から出た資料である。それで大蔵省から出た資料が正しいものだとして国会に押付けられるわけでして、この場合に地方財政委員会のこの意見書はいわゆる意見書なので、第二義的なものです。国会において正規に取扱う段になれば、第二義的なものであろうかと思う。そうすればこういうふうなもう一つの問題について、西郷委員が指摘するように数字が違つており、而も地方財政委員会政府の一機関であるはずです。そうしますと、私たち委員はこの数字両者のどれが正しいかということを審査し、判定するということまでやる必要はたいのであつて、どれかを取上げて、これだというふうに一本にしてもらうことは、これは政府責任ではないかというふうに思われるのですが、何かこの扱い方についてどういう見解をお持ちになつておられるか、先ずそれをお聞きしたい。それを聞いてそれで結局は岡野国務大臣の出席を求めて、この点をはつきりしなければ一切審査も進行もできないのではないかと思うのです。
  13. 武井群嗣

    専門員武井群嗣君) 地方財政平衡交付金計上等については、法律にも、御承知のように、政府はこれを計上する場合においては、地方財政委員会意見を聞くということになつておる、そうしてその財政委員会意見に異なる決定をする場合においては、又財政委員会意見を聞くということが法律の定めになつておるようであります。そこでこの問題につきましては、従来の経過において両者間にどれだけの往復があつたことか、その点は存じないのでありますけれども、ともかく政府地方財政委員会の意に反して交付金額計上し、而うしてこれに対する財政委員会意見にも又聞かなかつたことであろうと思うのであります。その結果として地方財政委員会はかような意見書内閣出し、又内閣を通して国会にも出されたことと思うのであります。そこで委員会におきましては、先般来かような相違の出て来たことについていろいろと審議を進められているのであります。今日の質疑応答等によりましても、的確なる差異の生ずるところは把握できないようであります。要するに両者見解相違だ、二十六年度の推計の立て方の違いだということに盡きるようであります。そうなりますと、一体委員会として如何に処理せられたらよろしいかということについて非常に疑問を持つのでありますが、私の率直な考えといたしましては、国会に対して意見提出をされた以上、これに対して提出された意見が妥当公正なりや否やということは、でき得る限り審査を進められるべきものだと思つております。ただ併しながら先ほどお話のありましたように、一度政府としては交付金予算を閣議において決定しているわけであります。従つてお話のように、この担当の国務大臣如何なる見解を持つてこれに賛成しておられるのかというようなこともはつきり確かめて置くことが委員会審議を進められる上におきましてよほど大切なことだと存じております。
  14. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 只今小笠原委員が言われたことに私も非常に同感で、勧告政府並びに政府を通して国会勧告しているのですが、十一月二十四日に委員長から吉田内閣総理大臣宛勧告されたのですが、今の方法論根本的に違うならば、我々としては先ず地方財政については委員長意見も今聞きましたが、岡野国務大臣のこの勧告に対する考え方を聞き、大蔵大臣に対してはこの勧告取扱方を聞いて、最後根本的に違うならば、地方財政委員会独立機関ではあるが、制度上は内閣の統轄、所轄ですか、そうなつているのですから、吉田内閣総理大臣に対して、政府はどういう考えだということを聞かぬといかんことになるので、我々が最後決定をどうするのかということについては、地財委委員から今意見を聞いているのですが、更に所轄たる吉田内閣に対しては、政治責任をとらざるを得ない唯一の人なんですから、自治庁長官、それから次には大蔵大臣意見を聞き、そういうふうな根本的な違いは勧告した以上、政府首班たる吉田さんはどういうふうなこれに対して処置をされるのかということを聞かないと、根本がきまらないで困るということになりますから、そういうような段取りに結局なつて行くと思うが、如何でしよう。
  15. 木村清司

    政府委員木村清司君) この大蔵省数字で、私どもが、仮に私ども要求通りの筋道にいたしますと、ここで補正による新規財政需要の増加について約二百億の違いがあるのであります。従いましてこの歳入超過三百七十一億となつておりますね、これが丁度二十四年度からの繰越金が百九十七億ありますから、繰越金というものは、これは当然一万有余の団体がありますから、繰越金があることは当然のことであります。つまり若し私どもの言う通りにしますと、若し大蔵省のこの推計の基礎が正しいといたしましても、二十四年度で財源がなくなつているのではないか、こうまあ私は考えております。そこで二百億の違いが出て来ております。もう一つ根本的に考えなければならんのは、今の税收入で、二十四年度は千四百十億、それから二十五年度は千九百八億、約五百億の差を見ているわけです。四百億増收というふうに私ども考えておつたのですが、これがシヤウプ勧告によつて地方財源を強化しよう、それから或る程度物価騰貴等も二十四年度と二十五年度の差も見よう、そこで先ほど申上げましたように一千九百八億というのは、この四百億増收という目標の下に作つた税制でありますから、そこで問題はその差もありますし、もう一つは、地方団体が私ども計算した以外に全然余裕がない、非常に貧困に切詰めた、つまり物価騰貴とかそういう方面の影響を全然見ないものでいいかどうか、地方自治の強化ということを図ろうじやないかという根本思想の見方、この両方あるということを申上げたので、この点は恐らく数字から見ましても、私ども数字上の見当におきましても、大蔵省数字におきましても、そこに多少の差異があるということは申上げることができると思うのであります。
  16. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 重ねてお伺いしますが、これは国会並びに政府勧告されたが、その地方財政平衡交付金に対しては、言うまでもなく地方財政平衡交付金交付基準の設定を通じて、地方財政根本的に保障するということが大前提になつているのですが、大蔵省見解がどうもそういうふうに考えておらないのですが、この勧告政府にお出しなつた手続は、單にこの書面をお出しなつただけなのか。誰にお出しになつたのか。名前は総理大臣になつていますが、ただ官房長官あたりにお出しになつたのか。この書類をただ送付しただけであるのか。私は本来から言うならば、こういう重要なことですから、これは大蔵大臣にも説明し、最後吉田内閣総理大臣に対し財政委員長がこの内容を、この重要性を説明なさるべきであると考えるのですが、実際にお出しになつてどうなさつたのですか。この書面を送付されたのは、誰に送付されて、どういうふうなことになつたのですか、その点も伺いたいのですが。
  17. 木村清司

    政府委員木村清司君) この点は、本予算決定当時は委員長がおられましたので、岡野国務大臣は勿論のこと、官房長官或いは大蔵大臣等とも折衝せられ、又内輪の話になりますが、関係筋にも私どももお伴いたしまして話をしましたのですが、関係方面においても、大蔵省出し数字を非常に信用されまして、私どものほうのは御採用にならぬということになつて、本予算決定になりました。その間は委員長も当時おられましたものですから、総理大臣にも一度お会いになつたと記憶しておりますが、官房長官やその他ともよく折衝されましたが、強い壁にぶつかつたような恰好であります。
  18. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 実情は伺つたのですが、今の関係方面においても大蔵省考え方に非常に比重を多く置いておるので、余り重く考えないで軽くあしらわれたというようなお話でしたが、そういうふうなことであつて、而して政府並びに政府機関として内閣を通して国会勧告されたのですが、こういうふうな地方財政委員会そのものがそういう現状であるにもかかわらず、国会勧告なさつたということになると、非常に自分の努力の至らないにかかわらず国会責任を転嫁してしまつたと、丁度勧告という方法があるから国会のほうでどうにかしてくれるだろうというので、国会勧告なさつたようにとれるのであつて、私はそういうことでは非常にいかんのではないか。地方財政委員長としては、職を賭してという言葉はどうかと思いますけれども、非常に地方団体の現状をよく御覧になるならば、そんなことで捨て置かるべきものでない。そういうことであつて、なお且つ米国なんかを歩いておるというようなことになると、非常に誠意を疑うのであつて、そういうふうなことにかかわらず国会勧告されたということになると、全く責任国会に転嫁したようなことになつて、而もこういうことであつて委員長がおらんということになれば、委員長代理たる木村さんが、総理大臣にも、目下予算審議中なんですから、重要な段階なんですから、そういうことをもつと努力されんと、非常に厄介なことは国会に転嫁してしまうような結果になるので、私は非常にその点は遺憾に思います。
  19. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 くどいようですが、その経過、手続についてもう一度お伺いしますが、最初勧告を出された、ところが内閣は別な予算決定する、反対であるという態度を示された。それは地方財政委員会に対してどういう手続で反対であるという意思表明を、政府と言いますか、政府機関の一部に対してですから変ですけれども、どういうふうに正規に意思表示をするものか。それに対して地方財政委員会は、やはりこの点はこうやつて欲しいというふうに第二次の意見という、ものを内閣提出すると、それはどういう手続でどういう形式のことを行うのか、嚴粛にそういうことが行われておるかどうかということをお聞きしたい。
  20. 武岡憲一

    政府委員武岡憲一君) 私からその間のことを申上げますが、地方財政委員会におきましては、昨年の十一月二十四日付で、法律に基きまして内閣に対して正式の勧告出したわけでありまして、それに対しまして政府におきましては、地方財政委員会勧告しただけの額を平衡交付金として予算計上することは、財政の事情から非常に困難であるということで、これにつきまして、昨年の十二月の二十二日付内閣の書類を以ちまして、法律に基き地方財政委員会に対して、地財委勧告しただけの予算計上は非常に困難であるが、これに対する意見如何ということで意見を求められたのであります。そこでそれに対しまして、地方財政委員会におきましては、更に一月十一日付の文書を以ちまして、この際におきましては、先の十一月に勧告いたしましたときの総額と、その後正式に政府予算決定したことその他に伴いまして多少計数上の異動がございましたので、その異動を訂正いたしまして、改めて更に千二百九億七千五百万円、つまり内閣予算計上せんとしておる額には賛成ができない、どこまでもこの千二百九億七千五百万円を予算計上せられたいということで、更に意見を回答いたしたのでございます。そういうような経過になつております。
  21. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その内閣から地財委の要望を容れることが困難であるという場合に、我々に配付になつ平衡交付金法第六條第四項の規定に基く云々という……計数に亘つて異動を生じておる理由も附記して地財委のほうに廻つているのですか。文書だけですか。
  22. 武岡憲一

    政府委員武岡憲一君) ちよつとその文書の内容まで只今記憶しておりませんが、内容は要するに内閣といたしましては、地財委勧告通り予算の編成は困難であるということで、法律に基き、更に地財委としてこれに対する意見はどうかということで意見を聞かれたと思います。実際上の問題といたしましては、勿論その間大蔵省地財委との間における事務的な予算編成についての折衝はずつと続けておりましたので、大蔵省予算編成に対する考え方も私たちにはわかつておりましたし、又私たちのこれに対する見解も通達はいたした。内閣から私のほうに聞いて参りました文書は、要するに只今申上げましたような趣旨のものであつたと記憶いたしております。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 よく事情がわかりましたが、明日大蔵大臣等に質問の通告がありますので、過般来御答弁になつておることを、或いは本日も木村さんから対立した顯著なる意見というものを御答弁になつておられるのですが、簡單でいいですが、事務折衝その他において明らかに大蔵省当局と地財委との考え方の違い、或いは基礎数字扱い方等について、先ほど来言つておられるような違いを生じた点を明確にするような、それを箇條書にでも列、毒するような、簡單な資料でようございますから出して項けないですか。問答のやり取りだけでその都度々々聞いておるのでは、くるくる廻つてどうもわからんので、はつきり何点大蔵省側とは完全に意見が対立しているというふうに列挙して欲しいと思うのです。
  24. 武岡憲一

    政府委員武岡憲一君) お尋ねの趣旨は、二十六年度の平衡交付金の算定に関してのいわゆる地財委案と大蔵省案との相違点、そういう意味でございますか。
  25. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その相違点ですか、その相違点が出て来る根拠、この大蔵省側の推計に対して、これはいかんと、こういうことをやつては今後問題であるという、先ほど来歳入超過を過大に見積つておるとか、或いは税外收入というものを過大に見ておるとか、或いはその税外收入の見方についての考え方はつきり違うのだと、こういうポイントになる点を列挙し指摘して頂きたい。
  26. 武岡憲一

    政府委員武岡憲一君) 具体的な項目につきまして、両案のいわゆる計数に基きました相違点、それからそれについての私たち地方財政委員会意見というものにつきましては、先に資料を提出してございますけれども、御趣旨は、恐らくこれをもつと要約してと申しますか、要点だけをピツク・アツプしたようなものをという御要望だと思いますが……。
  27. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうではないのです。この地財委のほうの正当性を主張するがために、大蔵省がこういうふうに見て来た根拠についてメスを入れた地財委意見というものを出して頂きたい。
  28. 木村清司

    政府委員木村清司君) これは二つあるのですね。今年度予算に対する見解というものか一つあるわけです。もう一つは、今年度の予算と当然増加すると考えられるものに対するもの、こう二つあるのです。この二つが競合したものですから非常に大きくなつている。一つだけなら……或いは二つが半分になつて二つ競合したものが一つ大きくなつたという点が、恐らく我々が先ほどから説明することは結局そういう要点になるわけです。先ほど資料を上げたのは、我々がこれだけ出さなければならんといつたときに、こつちは出さなければいいのだ、人数はこれを千人、大蔵省では五百人という計数……、それから給與ベースを千円でいいものを千三百円に変える、そういうふうに二つあるわけですからそういう点をまとめましよう。
  29. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 前の二月九日の改訂比較表ですね、これはそれによつて一端はもうはつきり数字上はわかるわけですが、大蔵省案の予算委員会で配付したものに対して、地財委としてこれは不当であるという点を列挙して頂きたい。
  30. 木村清司

    政府委員木村清司君) 承知しました。大蔵省も恐らく使用料手数料、雑收入という点を私どもは責めても、恐らく向うはこれは余つたのだからそこに入れたのだというに違いないのです。これは何もこれが、我々が集計して余つているからそこへ持つてつたのだ、つまり一番最後の表が余つていたから、そこへ持つてつたのだと説明するのだと思う。恐らく百七十億か百八十億ぽつつり浮んだからと、お説のようにこれは言うのだろうと思うのです。百七十億ぽつつり財源が浮かぶはずはないわけですから、常識上考えられないのですが、百七十億も突然財源が浮かぶなんということは、これは大蔵省とても考えていないのだから、元来地方財政余裕があるのだからそれを使用料手数料のところに持つて来たという説明をされると私は思うのです。
  31. 安井謙

    ○安井謙君 今のに関連して、今のお答えで行く考え方と正反対の行き方があるのですね。というのは個々のケースについてはこれは言い分がいろいろあつてなかなか結論が出ないから、差額もそうべらぼうなものじやないという場合に、最後にあの雑收入で結論が若しつくならば、あれで解決し得る数字なんですね。百何十億からの違いがあるから、だからあれで勝負をつけるというか、それとも結論を出すということで行くか。それともそうじやなくて今小笠原委員の言つたように全体をチエツクして行くのかということで、ちよつと変つて来るのじやないかと思うのですがね。
  32. 木村清司

    政府委員木村清司君) これは私は大蔵省は多分全体で言うのじやないかと私は想像しておるのです。個々の百七十億、百八十億は来年より使用料手数料があるということの証明はせずに、この表が余つておるから仮にそれを持つて来たのだというふうに説明をしやせんかと思うのです。
  33. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今木村さんがそう答えた。だから今の雑收入に対しては、小笠原君の資料要求の歳入における雑收入がこうあるのだということを正面にお書きになつて、それを出して頂きたい。重ねて資料を要求して置きますが、さつきの第一回の昨年の十一月二十四日に委員長から内閣勧告されましたそれに対して、内閣からは十二月二十二日内閣大甲第三百二十五号によつて意見を求められたのですから、その回答文は我々のところに出しておられるのですが、こちらから内閣にその求めた、今申上げた番号の写しを一つ至急出して頂きたい。あなたのほうに意見を求められたその写しの書簡ですね、回答文だけは我々のほうに来ておるのですが、内閣から来たあれがないので、その写しを出して頂きたい。
  34. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 一点伺つておきたいのですが、今日配付を受けた昭和二十五年度道府県決算見込額調、こういうものがあるのですが、この中の最後のところに節約二十六億、不用額二億何ぼ事業打切り十七億、事業施行の翌年度繰越し六十八億、こういうふうになつておるわけです。これは勿論市町村分もこういうふうに出ておるわけですが、未だそれが推計できないだろうと思うのですが、ちよつと市町村分も合せて節約分は約束した以上にできておるんですか。市町村分もたしか五十億近くもございましたね、都道府県と市町村とを合せて……。
  35. 武岡憲一

    政府委員武岡憲一君) このお手許に差上げました資料の中で節約二十六億という数字が上つておりまするが、勿論これは各府県から取りました資料の中で、各府県が実際上節約の予定額として掲げて来たものを集計いたしております。ところが実際問題といたしましては、ここに上つておりますのは註釈にも書いてございますように、まだ全体を集計したものではございませんし、五県ほどこの集計に入つておりません。暫定的な分として……、それから市町村分につきましてはやはりまだ集計ができずにおりまするので、全体のものがどれくらいになるかということは、はつきり見通しが立ちませんけれども、大体この全体の数字を御覧になればおわかりになるように、非常に地方財政といたしましては二十五年度の決算は苦しい状態になるのでございまして、当初に予定をいたしておりました程度の節約は、これはもう実際問題としてもいたさざるを得ない状態に追込まれておる、かように考えております。
  36. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 約束通りつておるだろうと、こういう見込ですね。
  37. 武岡憲一

    政府委員武岡憲一君) 大体さように推計することができると考えております。
  38. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 それから事業打切りですが、府県分だけで十七億ある、これはもう翌年度にも繰越しをしないで、それでもうやめているのですか。
  39. 武岡憲一

    政府委員武岡憲一君) 私は各団体におきましていろいろな事情があることと考えられまするし、内容も非常にまちまちであろうと存じます。ここはただ所要の数字だけで、各団体で一応事業は今の財政の状態からやめたいというようなことで、数字を立てておられると思うのであります。事業の内容をよく見ませんと果していわゆる無用な、初めから考えなくてもよかつたようなものであるとか、或いは性質から言えば相当な非常に重要なものであるのだけれども財政上止むを得ないで涙をふるつてやめざるを得ないものが相当あるだろうと思います。
  40. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 岡野国務大臣が出席されましたから伺いますが、岡野国務大臣においては、この委員会の性質は言うまでもなく御存じだと思いますが、先ほど来いろいろ意見が出たのですが、私が伺いますのは、昨年の十一月二十四日地方財政委員長より内閣に対して、並びに内閣を通して国会勧告されました。それに対して十二月二十二日内閣から地方財政委員会に対して回答を求められた。それに対して委員長は回答を出した。一月の十一日ですか、その内容には、明年度地方財政の窮乏は著しく、延いては、地方住民の負担に混乱を来たし、若しこれを計上せられないときに混乱を来たし、政府の諸施策遂行の障害たらしめることを憂慮するものであるという文面を出されたのだが、今日予算審議に関連しまして、この勧告に対して我々がどうするかということを検討しておるのですが、私が伺いますのは、地方財政並びに地方行政に対しましては、自治庁長官たる岡野国務大臣吉田内閣における閣僚として、政治的な責任を持つておられるのは岡野さんなんですが、だんだん大蔵大臣並びに総理にも伺いますが、先ず第一に、さつき木村委員長代理から伺つたのですか、岡野国務大臣自治庁長官として、この勧告に対する処置をどういうふうになさるのか、この点を先ず第一に伺いたい。
  41. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。地方財政のことに対しての処置でございますか。
  42. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 勧告です。
  43. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 地方財政委員会から出ました勧告は、政府において十分検討したわけでございますけれども国家財政の立場からいたしまして、どうしても千百億以上の平衡交付金を割当てるわけには行かんと、こういうようなことで閣議が一致したわけでございます。それから又御承知通りに、起債の枠も六百十五億の要求があつたにかかわらず、財政金融政策の大きな立場から、四百億にしなければ工合が悪いと、こういうことでそれに切り下げたわけでございます。私の立場といたしましては甚だ心苦しいわけでございますけれども、併し国家財政並びに全国の財政金融の大きな政策の面から、そういうふうにしなければならんということになれば、これを地方において、地方財政委員会並びに地方公共団体に対して何とかそれで我慢をして頂いて、あとをうまくやつて行くと、こういうような考えを持つているわけでございます。
  44. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 これは申すまでもなく地方財政平衡交付金法第一條において冒頭において、「地方財政平衡交付金の交付の基準の設定を通じて地方行政計画的な運営を保障する」ということが大前提地方交付金なんですが、今の大臣の御意見を承わりましたけれども、この回答においても今私が申上げましたように、これが計上されないときは非常に地方財政は窮乏であるし、地方団体財政に混乱を来たす虞れがある、その結果政府諸施策に非常な障碍を来たすであろうというようなことも、地方財政委員会においては言つておるわけですが、今お話のごとくそれでも国家財政の上からこれを削減するのは止むを得ないのだという岡野さんの御意見のようですが、そうしますと一方において吉田内閣の閣僚である岡野さんはそういう意見を持つておられる。これは財政委員会勧告に対する態度なんですが、而して自治庁長官としては一方において地方税法の改正案を出されておつて、その結果地方団体に対しては増収を図るのである、百八十億ぐらいの増収を図るのであるということになりますと、閣僚として自治庁長官として、閣僚の一員として政府側のほうは国家財政の立場からしてというので大幅削減をしたのだから、地方自治庁長官として増収を地方団体に強いる結果になるのですが、そういう点は非常に矛盾した結果なり、お考え方になると思いますが、その点は如何でしようか。
  45. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 二千八十七億にしました基礎は、財政委員会からも御説明申上げたことと存じますが、これはやはり平衡交付金を千二百九億とる、ことの基礎と相関連してやはり出したのでございますから、平衡交付金が減らされたから地方に対して百八十億の増収をすると、こういうようなことには出て来ないと思います。ただ問題といたしましては、御承知通り地方が非常に住民といたしまして中央地方を通じて税の負担に対して非常に困難を感じておるということはございますけれども、併し幾分でも国税のほうの減税をいたしまして、そうして地方公共団体につきましては税収を少しでも増してやる。そうして地方自治体の財政を豊かにして行くという方向にやつて行きたいと思います。それから百八十億は先般も申しました通り、大体財界の景気なんか、……若しくは一つ新らしく法人課税をいたしましたけれども、それは四十億ぐらいでございまして、あとは大体自然増収でやつて行けるという見込出しておる次第でございます。
  46. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ほど来のお話を聞きますと、最初には国家財政の問題から平衡交付金地財委要求通り容れることができなかつたという理由でありましたが、只今の又御説明では、国家財政を縮小し、地方財政を、税を増収し確保するという方向にあるのだというお話つたわけですが、この両者を勘案して、閣議決定平衡交付金額が出たものであるという、ことが正しい御答弁になるわけですか。
  47. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) もう一度御要点だけを……。
  48. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の申上げるのはですね、国家財政の現状に鑑みて、地財委の要求を容れることができなかつたというだけの理由であれば、地財委の要求する計数と、その必要性というものは認められるけれども国家財政の現状から全部それを充たすことができなかつたのであるという意味の答弁のように最初聞きとれるわけですが、後段においては、国税を減税し、その部分を地方公共団体の税収を増して行つて地方自治の確立に資すると、そういう考え方も大きな理由となつて平衡交付金というものは計数上現在出す程度でよろしいのであるという考えでやつたのであるということがどうもはつきりしないからお聞きするわけであります。
  49. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。お説の通りはつきりいたしません。私どもといたしましては、地方財政が確立するということに没頭しておるわけでございます。でございますから、財政委員会が千二百九億の干衡交付金がなければいかんということにも左値いたしておりますし、同時に自然増收と申しながら、二千八十七億という税収を挙げなければならん、それでどうにか地方財政がやつて行けると、こう考えておつたわけであります。それで平衡交付金法によりまして、平衡交付金を千二百九億出してもらいたい、こう考えたのでございますか、今度はこの中央財政のほうから見ますと、国民の負担をできるだけ大きな台所から一つ軽減してやろうじやないかということも考えられ、同時に又金融政策といたしまして、御承知通りにインフレが又再燃しやせんかというような点も懸念されますものですから、できるだけ国家資金が財界に撒布されるということも、チエツクしなければならん、こういうような意味で、国家財政を大きな立場から締めたという点が、又平衡交付金にしわ寄せられて来た、こういうことになると思います。
  50. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それなら角度を変えてお伺いいたしますが、自治庁長官として政府を代表し、地方税改正を我我に審査させておるわけですが、その責任者は当然岡野さんなのですが、この場合に、二十六年度に二千八十七億税収を見込むのである、それだけの地方税の一部改正を行うのであるという場合には、その問題は地方財政委員会とはどういう関係措置せられて、国会地方税の改正案というのを出されたのであるか、お伺いいたしたい。
  51. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 大体今年度の税収が千九百八億あることは御承知通りであります。そうして財政委員会の様子をいろいろ伺つて見ますと、千九百八億も、ただ税法が改正になつたために時間的のズレがありまして、いろいろ地方公共団体が徴税に苦労しておつたことはわかつておりますけれども、十二月末あたりの税徴収の実績から見ますというと、大体五月末頃までに千九百八億は予定通り取れそうだという考えでおります。それを基礎にいたしまして、来年度の税収が如何になろうかということを、いろいろ財政委員会で検討いたしました結果、先ほども申しましたように、法人税につきましては、あれはいろいろこの前の国会の御意見もございまするものですから、法人の所得割というものに対して四十億、これは新らしく出すのでございますから、あなたがたも御同感と思いますが、増税ということになるわけであります。その増税をしますが、併しあとのほうの税收というものは、これは財政委員会見解といたしまして増収ができる、こう考えておりますから、二千八十七億というものに対しては、私どもといたしましては、財政委員会意見が全幅的に賛成されるわけでありますから、あれで政府としてもよかろう、こういうことできめたわけであります。
  52. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、二千八十七億という徴税見込額は、これは見込めるものであり、取れるものであるということについては、地方財政委員会意見が一致しておるというふうに了解してよろしいか。又第二点は、今の御答弁の中に、二十五年度の千九百八億というものは、五月頃までに地方財政委員会が取れるという見込を立てておられるということを、その通り確認してよろしいか、この二点ちよつと伺つておきたい。
  53. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。私といたしましては、お説の通り財政委員会見込んだ通りに、五月頃までには千九百八億が二十五年度として取れる。それから来年度に二千八十七億というものは、これは地方財政委員会見込通り、やはり取れるものである、こう現に意見が一致しております。
  54. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それならば国務大臣として閣議に列席され、この平衡交付金額を決定されます場合に、いろいろ御意見の開陳があつたろうかと思うのでありまするが、結局閣議決定で、現在の予算案に載つているだけの金額が決定したという場合に、自治庁長官の立場において、当然それは了承されなければならないと思います。その場合に地方行政並びに地方財政について或る種の責任を持ち、指導をせらるる立場に立つ自治庁長官としましては、その地財委平衡交付金が減額されたことに対して措置し得るだけの、或いはそれに関して地方財政を窮迫に陷れないための指導の心がまえが当然責任ある自治庁長官としてあるべきだろうと思う。それでこうなつた場合ですね、地財委意見政府決定意見とを調整すると申しますか、その実施に関しての措置として、地方を指導せらるる場合に、岡野国務大臣はどういうお考えを持つておられるのか、お伺いたい。
  55. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。御承知通り地方財政委員会が千二百九億欲しいと言つて要求されたに対して、閣僚の一人として私が千二百九億を地方財政委員会要求通りにいたしてやりたいということを努力いたしましたけれども、それができなかつたということに対しては、私は遺憾でございます。遺憾でございますが、併し若し国家財政としてそうせざるを得ないという場合につきましては、地方財政委員会と協力一致しまして、地方公共団体に対して如何に来年度の予算をして行こうかということに対しては、相当内々研究もしつつある次第でございます。併しまあ財政委員会意見書国会に出ております。それから又政府意見国会に出ておりまして、そうして国会がその予算を御決定になるまでは、私としてはまだ国会の御意思がどういうふうになるかということに、幾分の期待を持つておる次第でございますから、国会の御意思がいよいよきまりまして、政府出しました予算案があのままきまつてしまうということになりました上で、初めて財政委員会と善後に関する措置をして行きたい、こう考えております。
  56. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、現在我々国会に二案ということではなく、一方は勧告書、一方は政府責任による予算に対する附記事項として第一義的な資料が出ておる。そうしますと、この委員会において岡野国務大臣は、どつちのほうを正しいと主張せられる立場に立つのか、この際お伺いしたい。
  57. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) なかなかむずかしい問題でございますが、併し私自身としましては、財政委員会意見書出しましたときには、今でもそうでございますが、地方財政の本当の権威者は地方財政委員会でございまして、地方財政委員会のやつておることが一番正しいと申してはおかしいのでございますが、それが是認されるものだと思つております。ただ不幸にして先ほど申上げましたように、国家財政といたしましてどうしても財政委員会意見が容れられないということで閣議決定したああいう予算になつておるものでございますから、その点におきまして、その予算財政委員会要求通り通らなかつたということに対しては、私の微力のいたすところと同時に遺憾に思つておる次第であります。私の立場はそういう立場であります。
  58. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうもおかしい。政府側だろうと思うのですが、大蔵省の案は、国家財政の立場から地方財政委員会のそれは是認されるけれども、金だけは出せなかつたのだということではなくて、地方財政委員会のこの計数に対して真向からこれを否定して、修正して、そうしてこの金額で当然措置し得るものであるという、自信のあるかないかわかりませんけれども、自信のある計数を出しておられるわけなんですから、その場合に岡野さんは地財委のほうの計数は正しいとおつしやるわけです。どうも私たちはそういうことを言われるとなおのことわからなくなるし、そうして先ほど岡野さんは、国会審査の結果結論を出して噴いたら、その善後措置については十分地財委とも考究しましようと言つておりますが、そういうことを言われますと我々国会議員の側は困るわけで、こんなわけのわからない、片方は地財委数字はそれでいいと言い、大蔵大臣はいや大蔵省のほうの計数が正しいと、こういうことを言う。その中に立つてその計数の真相までこの委員会が究明し、そうして軍配をいずれかに挙げて決定するなんというのは、そういう迷惑千万なことをやらせられるのではこれは誠に困つたことだと思う。もう少し、我々はどの計数を取つて掘下げれば十分審査できるものであるか、いろいろこの問題に対して地方税等にも関し提案されておる岡野大臣からはつきり御答弁願いたい。
  59. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。私は先ほども申上げました通り平衡交付金ですね、平衡交付金はラウンド・ナンバーで閣議にかけて、国家財政としては千二百九億は出せない、千百億しか出せないということを決定したわけです。そこの附記に出ております内容については、これは大蔵管が独自の見解で附記をつけたわけであります。あれは閣議にかけておりません。内容は……。
  60. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 すぐ譲りますが、ちよつとおかしいのですが、国会にですね、その地方財政平衡交付金法の規定に基いて出した附記事項が閣議にかかつておろうがおるまいが、国会出したのは、これは政府責任であつて大蔵省独自のそれは案であつて、俺は知らんということは私は言えないと思うのです。
  61. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。あの内容につきましては所管大臣から御説明申上げることでございまして、私自身としては説明がつかないわけでございます。
  62. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大蔵大臣に聞けば、知らない岡野大臣よりは立派に御説明になるわけでしよう。私はその前提としてですよ、私は知らないということが問題だと思う。こういうこの資材が大蔵省独自で出しているもので、自治庁のほうは関知せざるものである。こういうようなことで平衡交付金審査を十全に、愼重にやつてくれとあなたはおつしやるのであるかどうか、もう一度……。
  63. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。それは何でございますよ、内閣決定額として出しておるのですかり、当然我々は閣僚の一員として責任を負わなきやならんわけだろうと思います。併しその出し数字というものは、大蔵省がそちらで出した説明でございますから、所管大臣がこの内容を例説明すべきものであつて、私は先ほど申上げましたように……。
  64. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 よくわかりましん。
  65. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 大きな金融経済情勢の問題から千百億というのを出したのです。
  66. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや、ここのところは私の主観では大事なところなんです。そうすると大蔵大臣と岡野大臣とは同列なのでしようから、政府責任者として……。そうしたらこの大蔵省出した計数は御存じないとしても、政府責任で提出したこの計数は正しいということをお認めにならなければならんのでないか。そうしたら先ほどのこの地財委出した計数のほうが正しいと思う、お認めになるというなら、これはどういうことになるか。
  67. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 所管大臣の出しましたことに対しては、私所管大臣を信ずるという立場を持つております。でございますから、所管大臣が出した以上はこれも正しいのです。そこに矛盾があるのです。ただ問題といたしましては地方財政委員会のほうが主でありますから、財政委員会のほうに没頭しているわけでして、その財政委員会のほうが最もあなたがたにお願いして通して頂きたい、こういうような考えを持つております。大蔵省出したものにつきましてはこれは大蔵省見解でございまして、併しそれは千百億をきめる基礎にはなつておりましようけれども併し千百億というものを閣議で決定するという点におきましては我々は大きな立場から千百億に切り下げた、こういうことになつております。
  68. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 どうも今の岡野さんのお答えを聞いていると、所管大臣、所管大臣と言われるけれども吉田内閣、現在の政府としては連帯責任というものがあるのであつて、岡野さんが失敗すれば、これは吉田内閣の死命を制するところの連帯責任でしよう。連帯責任ということを岡野さんは余り考えておられないようでありますが、この点は非常に変なんですが、私が伺いますのは、先ほどの御答弁の中に、国会にもこの勧告案が出ている、又総予算案も出ている。であるから私は国会審議に期待しておるのだということがこの勧告案ですから、勧告案に従つて予算案を修正してもらうことを期待するのであるということである以外に、ほかの意味がとれませんが、大体なお且つその国会審議決定があつた後に、さつき小笠原君が言つたように、地財委と協議の上措置したい、その後の対策を立てるのだと言われるけれども予算国会を通過したあとに、我々が望むのはこの財政上の措置を言つておるのですから、予算決定してしまつたあと如何なる予算上の対策が立ち得るか、立つとするならば、私は非常におかしいと思うのです。立つ唯一の途は国会予算が通過した以上は補正第一号以外にない。どういうような意図を以て言われたか、こういう勧告案を期待するのだ、一縷の望みを持つておるのだということは、予算修正を希望するのだということ以外にはないと思いますが、その決定後対策を立てるということになれば、補正第一号以外に私はないと思います。その二点について御答弁を願いますが、なお且つさつきからいろいろ言われるけれども、どうも聞くところによりますと、地方税法の、地方財政の一部をなすところの地方税法の改革案に対しては、與党たる自由党においても、入場税の五割削減であるとか、税率の引下げとか、遊興飲食税についても段階を設けて税率を下げる、その穴埋めには事業税の法人、個人の税率を引上げて補充し、なお足らざるものは平衡交付金の運用によるのであるということをちらつと新聞で見たのですが、勿論與党以外の者も、衆議院において修正案を出すと思いますが、與党においても地方税法の一部改正案に対して、今申上げましたような修正の意見を持ちつつあるように私は聞いておりますので、そうしますと岡野さんの立場というものは、先ほど来の御答弁もあつたようにわかりまするが、與党においても地方税法の修正案を出す。一方において削減し、一方において修正するのだということであつて誠に失礼ではあるが、岡野さんの政治責任というものは実に浮動性のある弱いものになつて来て、今の岡野さんの答弁では国家財政上止むを得ない。併しそれは閣議決定によつて予算決定したのだから、私は連帯責任があると思う。又地方財政委員会勧告に対しては、それが一番いいのであるという、誠にお気の毒な立場ですが、私が先ほど質問した二点についてはどういうふうな意図を持つて言われたのか、ここではつきりして頂きたい。
  69. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。この予算通りました上でと先ほど申上げましたが、併し私は今でもやはり財政委員会とよく協議しまして、若しこれに落ち着くならば如何にしたらいいかという点において、財政委員会とよく緊密な連絡をとりまして、財政委員会のほうを指導して行きたい、こう思つております。その方策といたしましては、こういうふうに非常に財政が逼迫しておるときには不急不要の事業は先ず繰り延べるとか、若しくは中止するということにして節約もして行こう、こういうことでやつて行きたいと思つております。それから私の立場といたしましては、先ほどもおつじやつた通りに、成るほど閣僚の連帯責任でございますから、その意味におきまして千百億にしたという点は、私もこの片棒を担いでおるわけですが、立場上甚だ説明に苦しい立場でございますけれども、おつしやる通りでございますから御了承願いたいと思います。
  70. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 その第一点の勧告ですね、これも国会出しておるのだから、それに期待しておるのだということは、さつき私が質問した第一点ですが、それはどうですか。
  71. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 期待しているということは、若し国会で何か、どうせ予算案も、それから地方財政委員会意見も立場々々は違いますが、国会は最高機関でございますから、最高機関で御指示になりました通りに我々執行機関としてはやらなければならないが、併し最高機関たる国会が何か財政委員会のほうに役に立つような御決定でも下さればいいが、ということを期待しているというわけであります。
  72. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 その点重要ですから、大蔵大臣なり総理大臣に質問する上に非常に重要な前提をなしますから重ねて私は伺いますが、要するに今の御答弁をはつきりさせると、やはり地方行政委員会並びに参議院の予算委員会は、勧告出しておるのだから、なお且つ大蔵省の案によれば多額の削減を受けておるから、これを放任しておくようなことはしないだろう、修正を加えるだろうということをはつきり考えておられるのだ、そういうふうに承わつていいわけですね。
  73. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 修正をして下さるだろうということではなくて、国会が最高機関であらせられるから、両者から意見が出ておりますから、それを公正に御判断下さつて国会の御意思を御決定下さることと、こう思つております。
  74. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 そういうふうな、言つておいてからあとでの逃げ口上は許せんと思うので、そうじやなく、さつきから答弁をされたのですから、今のお話の言葉尻を捉えるわけでもないけれども、要するに私が質問したと同様に、いろいろ両方の案を見て公平に判断するだろうと言われたところが、岡野さんは地方財政委員会数字をベストのものであるということを言つておるのだから、そんな二道はないはずだと思う。理論上もはつきりしておかんと、あとでそれはお前の聞き違いであるなんということになつては非常に遺憾に思いますので、しつこいですが地方行政並びに本院の予算委員会において、この財政委員会数字に対しては、岡野国務大臣も確信を持つておられる。であるから我々はこの数字を尊重して何らかの予算上の対策を立てなくてはいかん、そういうことですね。
  75. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 私が最後に申上げました通りに、一つ御了解願いたいと思います。
  76. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 我々は非常に厳粛にこの事実を今検討を加えつつあるのであつて、我々がしつこく念を押すのは、非常に大切なことでありますから伺うのであつて、さつきの通りだというふうなそういう不誠意なことでなく、岡野国務大臣責任ある答弁を伺いたい。
  77. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) それではお答え申上げます。政府出しました予算を修正してくれというような意味に私の申上げたことがとれましたらそれは取消します。私は閣僚の一員でございますから、予算案を出しまして、その予算案というものは大蔵大臣が所管でございますけれども、併し員に加わつておる以上は、あれは閣議で決定した案でございますから、それを修正してくれという意味でなくて、とにかく制度財政委員会から意見が出ております。若しこれを国会が御審議下さらないなら意見書を出せという法制は出て来ないわけですから、出した以上は適当に国会で御審議下さることであろうという意味で言つたわけでありますから……。
  78. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうするとどうも、答弁はそれでいいのです。併し私のお聞きしたことがさつぱりぐらぐらしてしまうようなので、もう一度お伺いするのですが、先ほど地方財政委員会意見書数字においてもこれは自治庁長官としていいものであると考えておる、正しいものと考えておるということをおつしやつた点だけははつきり確認しておいて頂きたい。それからもう一つ大蔵省の所管事項である附記事項の計数については私は知らなかつたのである。而も閣議において金額を決定する場合には、総額決定したのであつて、その内部操作のためにいろいろの計数というものを大蔵省が独自に出したものであろうというような御説明であつたわけです。ところが大蔵省から出してあるものでは、地方財政委員会勧告額というものに対して見出し内閣決定額とあるのです。この内閣決定額というのはこれは大蔵省独自で事務官僚が適当に計数を出したものだとは言われないだろうと思う。内閣決定額について岡野大臣は知りませんでしたと言えるかどうか。或いはこのことが間違つておるのかどうか、この二点を御答弁願います。
  79. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 間違つておるとも間違つていないとも私は申上げられませんけれども、先ほども幾回も繰り返して申上げましたように、それは大蔵省が査定をする意味において出し意見でございまして、内閣決定額というのは総額のことでございます。そう御承知を願います。
  80. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうでない、ここに出ておるのは各項目において出されておるものが内閣決定額として出ておるのです。それはどういうことですか。
  81. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 項目別です。
  82. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) ……。
  83. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大体、見ておらんという私語があつたようですが、平衡交付金の問題について大蔵省所管であり、大蔵大臣の権限だとはいつても、自治庁長官にその御相談もなく、自治庁長官も知らないでおりましたというようなことで、地方の今の緊迫した財政を指導して行く上において、私は岡野さんこそが大蔵大臣に抗議を申込んでいいような問題であろうと思う。あなたのために我々は大蔵大臣に対してあえて憤激を感じておるくらいのものなんです。ですからこれをもう一度はつきり御答弁願いたいし、私の先ほどの質問に対する御答弁、地方財政委員会の計数は正しいものである。これを私は取上げて閣議においてもやつたのであるということについては、この通りであるというふうに了承してよろしいかどうか。御答弁がなかつたら了承したものと考える次第であります。
  84. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 ちよつと……、今小笠原君の言う質問の書類がどうもわからんようですが、これは大蔵省予算委員会並びにこちらに出しました附記事項というので、その地方財政委員会との対比として、一方に地方財政委員会勧告額、次は内閣決定額、それで比較増減になつている、そのことを今言つているのです。
  85. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 幾度も申上げますけれども、その何は千百億として我々は閣議決定をしたのです。そのあとは附記事項も我々何も見てないわけではないので、実は附記事項があるということを発見した程度でありますから、これは一つ御了解願いたいと思います。
  86. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それならば内閣決定額というのは、これは内閣決定額でなくて大蔵省決定内訳である。こう考えてよろしいか。
  87. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 私はそう思います。とにかく所管大臣がこれを作るわけですから、結局内容の詳しい点は皆大蔵大臣がやることの権限を持つておりますから。
  88. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 明日大蔵大臣が来るから、大蔵省考え方を聞けばいいのじやないですか。
  89. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大蔵大臣考え方を聞くための基礎として今聞いておるのです。これがはつきりしないと、我我聞けないのです、大蔵大臣に……。それならばもう委員長にも飽きられたようですから、最後にお伺いしますが、閣議決定の場合は、これは飽くまでも計数内容に亘つて検討をしたということではなくて、政治的に国家予算全体の枠の中で或る関係を見て、この程度でよかろうというふうにきめたと了解していいのですか。
  90. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) 御承知通りに、閣議決定のときには細かい数字は出ませんのです。予算を作りますときには、御承知通りに、各省から……、これはこの問題とは違いますけれども予算が出まして、そうして大蔵省に対して一兆何千億という予算を皆出すのです。併しながらそれを閣僚といたしましてきめるときには、大蔵大臣並びにほかの大臣の意見も出ますが、結局国家財政としてはこういうような数字で行かなければ国家財政は持てないのだというようなことで、そうして結局一兆何千億の予算が六千億程度に査定されるということになつて行くのです。そうしてそのあとで、きまつたものを説明する点におきましては、これは大蔵省が確信を持つて、そういうふうに査定してもいいだろうということでやつたことだと思います。それでございますから、私自身としましては、大きな立場から千百億しか出ないのだと、こういうことできまります。それから後は各省の予算もそうだろうと思いますが、いろいろ事務当局との折衝によりまして、そうしてこれか落ち着くところに落ち着いた。そうして説明がつくものとこう考えます。
  91. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、地財委勧告書に基く計数等は精細のもりであつて、正しいものだと思うが、閣議としては大枠をきめてしまう。そうしてそれを大蔵省独自で辻棲を合せて、というと語弊がありますが、小分けしてそうして説明の資料を作つたものである、だから大蔵省のこの計数というものは岡野大臣も知らないし、これは相当政治的な計数であるというふうに類推されて来るわけなんで、どうしても地財委のこの計数というものは、自治庁長官としては正しいものとして取りたいと、こういう希望においては現在も変りがないというふうに考えてよろしいわけですか。
  92. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) その通りでございます。
  93. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) では、次に本委員会がありますので、本日はこの程度で散会いたします。    午後一時二十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     竹中 七郎君    委員            安井  謙君            高橋進太郎君           小笠原二三男君            岡本 愛祐君            西郷吉之助君   国務大臣    国 務 大 臣 岡野 清豪君   政府委員    地方財政委員会    委員      木村 清司君    地方財政委員会    務局財務部長  武岡 憲一君    地方自治政務次    官       小野  哲君   事務局側    常任委員会專門    員       福永與一郎君    常任委員会專門    員       武井 群嗣君