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1951-05-26 第10回国会 参議院 地方行政委員会 第44号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十六日(土曜日)    午後二時四十五分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○派遣議員報告地方行政改革に関する調査の件  (調査報告に関する件) ○継続調査承認要求の件 ○議員派遣要求の件 ○警察法の一部を改正する法律案(内  閣提出・衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより地方行政委員会開会いたします。速記をとめて下さい。    午後二時四十六分速記中止    ―――――・―――――    午後三時五十四分速記開始
  3. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは速記を始めて下さい。暫時休憩いたします。    午後三時五十五分休憩    ―――――・―――――    午後四時二十六分開会
  4. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより休憩前に引続いて委員会を再開いたします。  お諮りをいたします。本委員会におきまして今年の三月から四月にかけまして地方公共団体の財政の実態調査委員派遣をいたしまして御調査願つたのであります。その報告書が提出されてあるのでありますが、それは速記録に載せることにいたしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではさように決定いたします。   ―――――――――――――
  6. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) なおお諮りいたします。本委員会において本会議地方行政改革に関する調査をいたしておりました。調査がまだ完了いたしませんから調査未了報告を議長に提出いたさなければなりません。これは事務上のことでございますから。その案文等委員長に御一任を頂きまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではさように計らいます。なお多数意見者の御署名をお願いいたします。     西郷吉之助  鈴木 直人     竹中 七郎  堀  末治     西村 幸作 小笠原二三男     安井  謙  高橋進太郎     石川 清一   ―――――――――――――
  8. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) なおお諮りいたします。先ほどの委員会開会中におきまして本国会閉会後なお地方行政改革に関する調査に関しまして、継続調査要求を差出してはどうかという御提案がございました。例によりまして差出すことといたしまして、その案文等委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは御異議ないようでございますからさように決定いたします。   ―――――――――――――
  10. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) なおこの際高橋委員より御発議がありました。それは行政事務の再配分その他地方行政改革に関する調査のため委員派遣してはどうかという御提案がありました。大体案を作つてみましたが、第一班、第二班、第三班と各県に出すことにいたしまして各班ごと出張日数十日間、第一班は北海道、秋田県、第二班は島根県、広島県、愛媛県、第三班は熊本県及び鹿児島県、各班の人員は各班とも四人ということにいたしたいと存じます。その四人どなたに出て頂くかなお皆様と相談をいたしますが、時日も追つておりますから一応おいで頂く方の氏名を委員長に御一任を願いまして手続をいたしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではさように決定いたします。   ―――――――――――――
  12. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではこれより警察法の一部を改正する法律案につきまして質疑を続行いたします。
  13. 石川清一

    石川清一君 逐條の中にもあることでありますが、北海道は現在一つ公安委員会でありますが、これを行政下部組織の区画に従つて道知事意見を聞いて十四以内の道公安委員会を作るとこういうようなつておりますが、警察管区北海道一つでありますが、五つ方面隊本部も設けられておりますが、こういうようなものも運営の中でお考えになるかどうか、この点をお尋ねいたします。
  14. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 北海道には警察法によりますると十四以内の国家地方警察本部を置くことができるという規定によりまして、現在五つ方面本部を置いておるのであります。今度改正をお願いいたしておりまするのはその方面本部に即応いたしまして一つ方面本部一つ公安委員、こういうようにいたしたいとかよう考えるのでございます。従いまして十四以内とありますけれども、これは十四の本部を置くことができるということに照応して十四隊、実際は五つよう考えておる次第であります。
  15. 石川清一

    石川清一君 そういたしますと、これは北海道知事意見を聞いておきめになるのでありますか、それとも現在五つ方面隊本部であるからその前提の下に知事に強要するという形になりますか、この点をお伺いいたします。
  16. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 法文は知事意見を聞いてということになつておりまするが、知事のほうもその実情をよく承知せられておりまするからその我我と意思疏通した上かようなことに相成つております。
  17. 石川清一

    石川清一君 そういたしますと、現在一つ委員会が持たれておりますが、若しこの法案通りますと、自動的にその委員会は効力を失いまして、新たに五つ方面隊実情を見まして、平等な立場五つ公安委員会が持たれその委員承認議会で受ける、こういうことになりますか。それとも一つの現在の委員会札幌方面隊委員会として残りますか。この点をお伺いいたします。
  18. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) この法案が成立いたしました場合に、現在の道公安委員会というものは自然消滅をいたします。勿論この改正法律によりまして、新らしい方面委員会が成立いたしますまではそのまま存続いたしますが、新らしいこの改正法案による委員会が成立いたしますと同時に自然消滅をいたすのであります。従いまして五つ新たに置かれまする、公安委員の任免は、全く新らしい立場で新らしくそれぞれ五つに任命されるということに相成るのでありまして現在の道公安委員会委員は自然に失職するということに相成ります。
  19. 石川清一

    石川清一君 内地の府県におきましては大体一つ府県一つでありまして、その下に議会承認を得る、或いは特定の知事の意向が公安委員会を通じて発動するというような場合には、全体の立場でそれらのものが検討されますけれども、北海道の場合は一つ委員会でございませんで仮に法案通りまして五つ委員会が作られた場合、五つ委員会が一致した意見の上に立つて知事意見がそれぞれ表明されるか、それとも一つ々々のでき上つた公安委員会の独自の考えによつて公安委員会意見知事を通して動いて行く、こういうふうになりますか、この点お尋ねします。
  20. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 実は改正警察法趣旨によりますると都府県知事所轄の下におりまする都府県公安委員会におきましても、これはいわゆる所轄機関でございまして、都府県知事からは職務上は独立をいたしまして、その機能を運営いたして参るという建前なつておりまするので、北海道の場合におきましても五つ公安委員会ができまするならば、これは任命の際に道知事意見によつて道会承認を得て任命されるのでありますが、任命せられた後におきましては道知事指揮監督を離れまして独立して運営されて参る、こういう建前なつて参ることと存ずるのであります。
  21. 石川清一

    石川清一君 そういたしますと五つの仮にできました公安委員会委員会間における連絡というものが全然必要ない、こういうふうに了解いたされますがそれでよろしゆうございますか。
  22. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) これは北海道にはこのほかに御承知の通り現在においてすでに一つ管区本部がございまして、これが各隊長について行政管理の面において国家公安委員会指揮の下に統制をとつております。勿論運営管理につきましては各公安委員においてそれぞれ独自の運営方針を立てられるわけでございますが、併し今後の運営の実際といたしましては、各公安委員がこの同じ北海道という非常に緊密な関係のある一つのまとまつた地域の治安担当者でございまするから、その間いろいろ運営上の方針につきましてかれこれ違いがあるということはいろいろな面におきまして不都合を生じ易いことでありますから、恐らく今後の運営といたしましてはこれらの公安委員会が定期的に連絡をとる、そうしてその間において支障を生じないような事実上の運営をされることを期待をいたしておりますが、併しこの点はあくまでも事実上の問題でありまして、法律上はさようなことは全然各公安委員会にお委せをするという体裁に相成つております。
  23. 石川清一

    石川清一君 今日までの審議の過程において現在の治安状況は何ら心配する点がない、こういうふうに承わつておりますが、新聞その他を通じましても北海道が特にソ連領土と近い関係上いろいろな点が指摘されているようでありますが、そうした場合に現在のこの法の上からでき上る一つ公安委員会が独自の考え方でいろいろな見方をするということが起り得ると存じますが、この点について公安委員会管理運営についてお伺いをいたしたい、こういうふうに考えます。
  24. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 従来からの警察法津用の経験から考えまして、地方警察本部、即ち地方警察隊というものがありますると、そのおのおのに  一つずつの公安委員会がありまして、そうしてそれが日常警察隊長と接触しながら運営管理をやつていくということが、この公安委員会による運営管理ということを認めた法の建前から申しまして、警察民主化の上からいつて極めて適切であると、かよう考えている次第でございまして、従来北海道におきましては管区本部に相当する一つ公安委員会がございまして、そうして各隊長につきましては、日常これに接触して運営管理の面を指導する公安委員会が兼ねておつたというよう状態でありましたので、これを新警察法の精神を徹底するという意味におきまして改めようというのがこのたびの趣旨でございます。併しながらこれが運用に当りまして、特に北海道におきまする我が国の地理上の関係から見まして、治安の問題は特に重要な問題でありまするので、これが管理に当ります五つ公安委員会がお互いに連絡を保ちまして、一体となつて動くようなさような実を改めますことは極めて必要でありまするから、恐らくはこれらの五つ公安委員会は定期的に連絡会合機会を持ちまして、十分にこの間の連絡を図られるだろうということを当然我々といたしましては予想いたしておる次第でございます。
  25. 石川清一

    石川清一君 仮に五つ公安委員会ができますと、現在の道の行政機構は十四ございまして、その一つ公安委員会の中に一支庁、一公安委員会もあると思いますけれども、三つ乃至五つ支庁管内を持つている公安委員会も出て参るのでございますが、こういうよう関係で現在持つている道の一般行政から見ました場合に非常に複雑な形が現われて参るのでございますが、これらの一般行政面における警察との結び付き、これは一支庁委員会なら非常に行政組織としても円滑にいくと存じますが、これらに対しまして二つ或いは三つ四つ支庁管内公安委員会は、一般行政的にも何か結び付くものが必要でないかと存じますが、この点についてお考えがあるかどうか。
  26. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 誠に御尤もな点でございまして、北海道のごとく十四支庁ある場合において一支庁警察隊、こういうことが運用一般行政機関との連絡の上からいつて適当ではないか、こういう御趣旨のお言葉と拜聽いたしたのであります。この点につきましては、私どものこの案において考えておりまするのは、とにかく十四以内で北海道において幾つ国家地方警察本部を置くかという問題は暫らく別といたしまして、国家地方警察本部を置く場合においては各本部ことは公安委員会を設けることが適切である。こういう趣旨でございまして、只今お述べになりました現在の五つ公安委員会というものを予想しておりますが五つ公安委員会、又現在ありまする五つ地方警察本部を十四の一支庁、一本部ということにするかどうかという問題は、この法案改正とは直接には関係のない事柄でありまして、併しその点につきましては公安委員会に対しましても実際の現地の実情その他十分に研究をいたしまして、できるだけ警察の能率的な運営を図り得るような、又民主義警察実態を挙げ得るような、そうした意味において果して幾つ本部を置くことが今後適当であるかという問題といたしまして研究をして行くようにいたしたい。かように存じますが、どうぞその点を御了承願います。
  27. 石川清一

    石川清一君 特に間接侵略といいますか、組織的暴力行為の危険に曝されているという北海道が、特に今年の冬といいますか冬を迎えましていろいろな動きから見まして一番心配される点は、五つ仮にできるとする公安委員会が現在の自治体行政とどういうように結び付きまして、特に交通條件の悪い冬の交通條件その他通信施設を完全に悪條件を克服して行くということが非常に大きな重大な問題になると存じまして、こういう点が警察人員の増強よりも、特に北海道においては現在の自治体行政とぴつたり行かなければ完全な治安が保てない。こういうよう考えておるのでありまして、この点について特に北海道においては冬季問における交通條件の悪條件を克服するという点について、現在国家地方警察の持つている施設を補強する意味において、現在の自治体行政を何らかこうせなければいかんという積極的なお考えを持つているかどうか、これを伺いたいと思います。
  28. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 元来北海道におきまして十四以内の国家地方警察本部を置くという趣旨ができるだけ北海道におきまする自治体行政の中枢となつております支庁というものと、警察運営機関との連絡を緊密にしようという趣旨から出ているわけでございまして、この趣旨から現状におきましては先ず五つ方面隊を置くということに相成つておりまするが、併し只今承りましたる通り北海道治安の問題というものは極めて重要な問題でありまするのと、又この面におきまする交通関係等はなかなか警察の上から申しましても極めて重要な問題でございまするので、これらの点等も考慮いたしまして、果して辺境におきまして警察本部をどういうふうに配置することが適当であるかということは早急に研究の必要がある問題であると考えます。なお国家警察本部長官が来ておられますからこの点についての公安委員会考え方をお聞取り頂けば幸せに存じます。
  29. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 只今お述べになりましたよう北海道警察行政的な運営面、それから施設その他と北海道道庁との行政面との、又これらの協力という点は非常に必要だと考えているのであります。さよう意味から只今法務総裁からお答えになりましたように、公安委員会を各方面本部に接触いたしますることは、当該地方住民代表でありまするからそれらの当該地方住民の方々との連絡もより一層密接に相成りまするし、又こういうことが北海道知事におかれましてもやはり各方面本部にそれぞれ一つずつの公安委員会を設けられる方が北海道警察北海道の民衆とのつながりもよろしい、こういう御意見であります。その点は北海道道庁行政方面ともいずれにも緊密な打合をし、十分連絡の上でこの改正案をお願いした次第であります。
  30. 石川清一

    石川清一君 そうした、只今承りますと、やはり北海道実情に応じましたそれぞれ公安委員会支庁単位下部組織ごとに持たれるのが最も望ましい。こういうように承りましたが、暫定的といいますか一つの便法として五つ方面單位ごとに現在作られるという意図のように承わつておりますが、北海道治安はそういうよう北海道の開拓の実情、今日のソ連関係の非常に接近しているというよう状況をもお考え合せの上でとられているように存じておりますが、特にこの治安のために御注意をして頂かなければならんのは、今度の知事選挙が終りますと直ぐ後にこれは新聞も時期的に悪いといわれておりますが、開発庁の一部修正が出て参りましてこれが開発局を早急に持たれるというよう意見が出て参りまして、すでに改正法案が出て参つておりますが、これに対する是非という論が非常に高く北海道に起つているようでありますが、こういうよう行政の措置が非常に北海道民主的な行政の発達を阻むというような傾向が現われて来るのではないかと私は心配しておるわけなんでありまして、こういうような点についても関心を持つておられるかどうか、治安維持の上から承わつて置きます。
  31. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 北海道開発法というものにつきまして、只今国会提案なつておるということはよく承知いたしております。この問題が北海道治安にどういう関係があるかというと、これは特に研究をいたしておりませんが、勿論重大なる北海道におきまする行政運用に関する問題でございまするから、この事柄がどうきまるかということは、当然行政運用がどうなるか、従いまして、この行政の効果を受けます北海道におきまして、治安の面に対して或る程度の影響を與えるということは当然予想せられることでありますが、併し目下国会において御審議の途中でございまして、特に私といたしまして治安とのつながりにおいて研究いたしておるということはございません。
  32. 石川清一

    石川清一君 先ほどもお尋ねをいたしましたが、北海道治安のために仮にこの法案通りましで五千人の増員ができた場合、特に北海道にこのうちの一部分を現在きめられておる一定の比率以上に向けるといいますか置く。こういうようなお考えは現在北海道治安状況から見てお考えなつているかどうか、その点を伺いたい。
  33. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 北海道はいろいろな條件から考えましてできるだけ重点的に警察官配置をいたしたいと考えております。今回その法律が成立をいたしまするならば五千人の警察官の実動部面が殖えるわけでありまするから、これをできるだけ多くの割合を北海道に割当てたいと考えまするが、他面町村警察の廃止によりまして国家地方警察に入つて参りまする警察官の数とも睨み合せて配置をする必要があると考えますので、それらの数は九月末になりませんと差当つて確定をいたしませんので、今何名くらいということはちよつと申上げかねるよう状態にあるのであります。これと勘案いたしまして北海道にはできるだけ重点的に配置をいたしたい、かよう考えております。
  34. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 昨日法務庁特審局について、広義の国家警察という観点から、その内容につきまして資料の提出を大橋法務総裁に求めましたところ、明日プリントにしてこちらにお廻し下さることになつたのでありますが、それの原文と申しますかオリジナルな資料をお見せを願つたわけであります。一部分だけ私昨日ここヘノートしておいたんですが、特審局の下には三部長があつて部長の下には課が八つある、それから地方に九つの支局がある、支局支局長の次に次席があつて、その下に三つの課があつて、都道府県の駐在官がおるという構成になつておるようでありました。人員は本局が五百六十八名、支局が五百七十六名で総計千百四十四名の人員なつておることだけ私はノートしておいたんでありますが、二十八日で会期が切れますので私たち継続調査要求をいたしておりますがどうなりますか、ともかく形の上でに二十八日が会期終了なつておりますので、十分詳細なる御説明を伺います時間が明後日或いはないのではないかと思いますので、今丁度コツピーを配付されましたが、コツピーにつきましてこの内容がどういう仕事をしておるのであるか、或いはそれぞれの部或いは課のようなものはどんなことをやつておるのであるかというようなこと及び支局がどういうことをやつておるかというようなことにつきまして、具体的に我々が了解することができまするよう一つ説明を願いたいと思います。
  35. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 只今特審局長を呼びますから特審局長から御説明を申上げます。
  36. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 それではほかのことを、一昨日でありましたが、その前にこれはもうたびたび私の質問内容を成しましてお聞き苦しいので私は大変遠慮をしておるのですが、この警察名称の問題につきましてその節文書を以て十分研究した結果を提供してくれということを申しましたところが委員長宛文書が参つておりますので、委員長ちよつとそれをお見せ下さいませんか……。ちよつと拜見したのでありますがこういう返事受取つたのであります。委員長宛でありますが、「国家地方警察の語については、五月二十二日開催の地方行政委員会において吉川末次郎委員より、質問のありました標記の件につきまして、次のよう回答いたします」。としまして、「国家地方警察の語は、第一国会において警察法案審議に当り、国家地方警察の持つ使命性格自治体警察との関係等について愼重に検討の上決定せられたものでありまして、その後三年有余の間その語が用いられており、国家地方警察性格使命等に変更を来たしていない今日において、特にその名称を改める必要はないと考慮します。」という御回答を得たのであります。どういう御回答ま、これを私がそれについて質問をいたしました節に、斎藤長官からも承わつておるわけであります。今更こういうような何と、いいますか極めて素つ気ない、親任官が判任官に返事するよう御返事は私たちは期待しておらなかつたのでありまして、でありますから特に十分なる各方面からの研究をしてお答えを願いたい。我々も十分研究するように私としてはまあ親切な協調的な気持で当局のかたにお話申上げたつもりなんでありますが、こういうよう御返事を承るということは甚だ不満足であると、非常に又不快に感じておることをこの機会に申上げておきたいと思うのであります。それでこれがさつき申しましたように、数度申したことでありますから非常に皆さんもお聞き苦しいかと思いますが、実はこの御返事の中にもありますが、先般社会党の内部の会でその話が出ましたときに、たまたま列席いたしておりました片山内閣官房次長でありました曾祢益君が、それは自分も責任があるのだが非常にこれは間違いであつたかなあと言つてつたのでありますが、全くその通りでありまして、この現行警察法片山内閣のときにできたものであり、又当時これを審議いたしますところの国会の参議院の地方行政委員会の前の名であります治安及び地方制度委員会においては、私が委員長の職を汚して曲つたのでありますから、全くその点については責任があるわけなんであります。併しながらその責任、そのときの審議が十分でなかつたということをその後になつて実は気付き、まあその訳語の選定についても、その衝に当られました時の官房次長も今申しましたようなこれはミステークであつたということを申しているのでありますから、それで過ち改むるにはばかることなかれでありまして、私はあえて斎藤長官のそれに対して責任を問うておるわけではない。責任はむしろこちらにあるということは十分痛感いたしておるのであります。それでいわゆる過ちをみずからこれを直したいという立場でこの機会に正しい言葉一つ直して行く。外国語の訳から来ておりますけれども、何もそれほど深く一〇〇%それに即した考えに立たなくとも私はいいと思つておりまするが、併しともかくもこの言葉が適当でないということは、斎藤長官公聽会においでになつておらなかつたかと思います。又法務総裁も御欠席になつておりましたがほかの国警の人が臨席しておられましてお聞きになつたと思うのでありますが大学の教授であるとか、或いは知事又は前知事をいたしております警察行政のエキスパートであるというような人の意見を質しましても、私がたびたび申しておりまするようなことに賛成する立場において、やはり国家地方警察というよう言葉はこの際再検討して直すことが妥当であるという返事もしているのでありますから、まあ私としましてはこの際右のような見解に基きまして妥当な言葉に直したいと思つておるのであります。この問題はもうたびたび申したことでありますから改めて御返答を得たいとは思いませんが、こういう御返事を受取つたことについては甚だ不満足であり、又私としては不快に感じているということだけを申上げておきます。
  37. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではほかに御質問願います。
  38. 石川清一

    石川清一君 警察予備隊は好き嫌いなしに法務総裁の話を聞きましても地上軍のように変らざるを得ないとまあこういうように思われるのでありますが、併しながらいつ起るかも知れないところの直接侵略に対してのみ考えるということは、これは問題だと私は考えまして、やはり間接侵略に対して対応し得る措置が取られておらなきやならん。その場合に現在の警察予備隊の中に、今までの警察の職員警察官がどの程度幹部に入つておるか、一つ承りたいと思います。
  39. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 的確な数字は今記憶いたしておりませんが、幹部、殊に部隊長以上の幹部の大半は警察出身者でありまして、私といたしましてはこの警察予備隊の特質から考えまして、少し警察官を余計取り過ぎているという気持がいたしているよう実情であります。
  40. 石川清一

    石川清一君 特に警察予備隊が設置されました表面的といいますか法文通り考えまして、将来警察予備隊の幹部と現在の国家地方警察の幹部と交流をして、いわゆる間接侵略に対応するというようなお考えを持つておるかどうか。
  41. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 警察予備隊と普通警察警察官の交流は原則として認めたくないという考えでございます。
  42. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記とめて下さい    〔速記中止
  43. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記始めて下さい。
  44. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 逐條審議のことでお尋ねしたいのですが。「都道府県知事は、治安維持上重大な事案につきやむを得ない事由があると認めるときは、当該都道府県の区域内の市町村警察の管轄区域内における当該事案を国家地方警察に処理させることを当該都道府県会安委員会に要求することができる。」という條項は、今度の改正案の重要な項目の一つでありますが、この間公聽会の証人でありました一大学の教授であり、又大都市の公安委員会委員長をしていた証人がこれの改正條文の不必要であるということをまあ頻りに論じて帰られたわけでありますが、今日までにこの條文を必要としたような実例があつたかどうか。又あつたとすればどういう具体的な場合であつたかというようなことにつきましてお尋ねしたい。
  45. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 今までこれにぴつたり合いますような事実はあつたとはまだ申上げかねると思うのであります。この法律の構成から申しまして、府県公安委員会がその区域内の警察権の行使の最高の責任を持つているわけでありまして、この公安委員会の措置が極めて不適切である、或いは当然なすべきことをなさないという場合に、何らこれに対する処置の方法がありませんのでその盲点をなくするようにいたしておきますることが国の治安の維持上必要と考えたわけであります。これに近い例といたしまして一昨年高萩炭坑におきまして一種の集団暴行事件が現に行われつつあつたのであります。御承知のように高萩炭坑は一時相当何といいまするか治安上憂慮すべき状態がありまして、あそこの地方警察が炭坑の部落に顔を出しますると、一齊に半鐘を鳴して警察官を中に入れないというよう状況でありました。平事件の主謀者関係者が高萩炭坑に逃入しておるという情報もあつたのでありまるが、たまたまそのとに相当数の集団暴行の事件が起つてつたのであります。そのときに地方警察署長は国家地方警察連絡をいたしまして応援要請をいたしたい、ついてはということで国家地方警察警察官をば何時に応援に行かせるという打合をいたしまして署長が帰りました。公安委員会の召集を願つて公安委員会国家地方警察の応援要請を図つたのでありますが、一人の公安委員は、この際この事件を警察で処置することは適当にあらず、このまま放置すべしという意見を出しました。一人の公安委員は自分は余りこの事件は荒立てたくないというので帰つてしまつて公安委員長が一人になつた。そこで署長も非常に困りまして、帰つた公安委員を更に呼びにやりましていろいろと説き伏せまして、やつとそれではということで国家地方警察の応援を要請いたしたのであります。そのために時間が数時間遅れました。国家地方警察の応援隊はその町の境までトラツクに乗つて駈けつけておるわけでありますけれども、応援要請がないので中に入るわけに行かないということで数時間を費したという実例があつたのであります。本事件は数時間の遅延をいたしたに過ぎなかつたのでありますが、それでもそのために相当の手配に齟齬を来たしたのであります。これが若し公安委員が応援要請を署長の申出でを拒否してしまつたということでありますならば、そういう状況をいつまでも続けなければならないということに相成るのであります。かようなことが今後起らないことを期待し又願うのでありますけれども、万一さような場合にやはり処置のできる途を開いておくことが必要ではなかろうかとかよう考える次第であります。
  46. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 今お挙げになりましたような例においてもこの警察制度の趣旨に則つて公安委員をばその警察制度の精神を体し、これを具現化することができるよう内容実質を持つたものにして行くということを考えないで、そうしてただそうした事件が起つて来た、そうして警察署長の意見に偏して、いわば民主警察の逆転化という方向へお考えなつているのではないかということを私は非常に危惧するのでありますが、と申しますのは、これ又この委員会で申上げたことがあるかと思いますが、私たち各地を視察して廻りますと、各地方自治体におけるところの自治体警察公安委員に選ばれておるところの人が、常識的な判断からして極めて不適当なと思われる人間を意識的にわざわざしておるような感があるのであります。でこれを議会に推薦するのはこの自治体の首長でありましようが、その前に実質的には警察長である人がやはり自治体首長に私は推薦をしておることがそれの最も大きい決定力になつておるのが現実の様相ではないかと考えるのでありますが、その警察長たるや昔の警察イデオロギーによつて訓練されて来ましたところの古手の警察官であつて頭の切替が少しもできておらない、そうしてやはり官僚根性から自分の権力を張りたい、又実質的にどこの自治体警察を見ましても中堅を成しているのは……中堅でありません、本当の指導力になつているのは警察長であると考えるのでありますが、その警察長が、自己のやりまするところの警察行政運営について、本当に正しい見識に基いていろいろとそれに干渉したり批判したりするような能力のあるところの公安委員がいてくれては困るというよう意味からわざわざ無能なところの公安委員を推薦してそうして自分が自由にいろんなことを振まうことができるような、潜在意識でありますか或いは表面化した意図でありますかを持つてつておるというように感じられるところが非常に多いと思うのであります。これ又先般の委員会で私が申上げた例でありますが、公安委員の二人はいずれもその自治体におけるお寺の坊さんであつて、一人は真宗、一人は浄土宗一人は日蓮宗というような坊主の公安委員会を作つておるのであります。そんな坊さんがこれは常識的判断をいたしましても適任者でないということは十分に察知することができるのでありますが、そういうような多少似たり寄つたりの例は極めて多い。で我々はやはり新警察制度の精神を生かして、そうして本当にこの市民警察の基本的な精神が警察行政の上に発揚されるようにリードして行くということが必要であると思う観点から、今度の御提出の案に対しまして基礎観念の上において我々は方法を異にするものがあるのでありますが、今お挙げになりました例において公安委員はどういう人がなつておつたか、又私が申しましたような考慮が十分携われておつたかどうか。どうもその旧警察イデオロギーの古手警官の警察長の意見ばかりによつてものをおきめになつておるような気がするのでありますが、実相はどうでありますか。それについて一つ御答弁を願いたい。
  47. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 只今申しましたところにつきましては一人の反対をされました公安委員は当該炭坑の有能なる労務者代表であつたと聞いております。一人の中間的立場に立たれた公安委員は、直接そこの労働者代表のかたではなかつたと思いまするが、立場としては中間的な立場に立つておられた人であつた考えるのであります。当時そこの炭坑の労働組合及び労働者の状況は先ほど申しまするように当該自治体警察が部落に入ることを拒否をしておるというよう状況でありました。相当強い政治的な意識を持つてよう事柄をやつていたよう考えられておつたのであります。
  48. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 今の御実例は具体的にいろいろよく調べて見なければ私たちも十分な自信があることを申上げることはできませんが、初めからそういうその公安委員の人選が周到なる考慮に基いてされておらなかつたというようなことが原因になつておるのではないでしようか。
  49. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 当該町の人口構成の工合から考えまして町会議員の方たちもやはり一方の政治的な色彩を濃厚に反映する議員から成り立つてつたと、かよう考えるのであります。さよう状況におきましてはやはりそれが公安委員の選任に影響することも止むを得ないではないかと思う。ただ無能であるとか何とかということではありません。
  50. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 さつき質問いたしたことでありますが、地方を廻りましての経験からしますると、警察長がわざと坊さんの例を申しましたが、そういう自分の勝手なことをするのに便利なように不適当な無能というような性の人を推薦して公安委員にしている自治体は、私の見て廻りました範囲内においても相当あると思うのでありますが、そのことについてのお考えはどうであるか。又そういうことが仮にありとすればそれを矯正して行くというようなことについての考慮が必要であると思うのでありますが、それはどうでしようか。又警察長の古手警官上りの頭の切替のできていない旧式警察官僚の言をいろんな点において少し偏重していらつしやるような感があるように思うのであります。それについて。
  51. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 第一回の最初の地方公安委員の方々の職業別を見ますと、只今お挙げになりましたように僧侶の方或いは医者、或いは弁護士の方という方が非常に多いのであります。これは御承知のよう公安委員の資格が職業的公務員で曾つてつたものはいけないということになつておりました関係上、選択範囲の狭い市町村では勢い相当な頭、或いは社会的に十分事柄の判断のできる方ということになりますると、そういう方々をお選びになるということが止むを得なかつたであろうと考えておるのでありまして、当該警察長が只今挙げられましたような理由で故意にさようなことをやつたとは私は信じたぐないのでありまして、又さようなことは例外的にはこれは絶無であるとは言えないのじやないかと思いますが全般的なふうではないと考えます。理由は今申しました公安委員の選任資格が著しく制限され過ぎておつたということに起因すると思うのでありまして、さよう意味からいたしまして警察法施行以来、公安委員の選任範囲を拡大してもつと広い範囲から立派な公安委員を自由に選べるようにしてもらいたいという声は、地方から大きな声となつて叫ばれておつたのでありまして、これに鑑みまして今回の改正法案におきましては、過去十年間その職業的公務員の資格がなければ、十年以前に職業的公務員の資格を持つていた者でも差支えないというように範囲を拡めまして、只今仰せのような御趣旨に副いたいと考えておるのであります。
  52. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 特審局長はもう見えておるのでございますか。
  53. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) まだ見えておりません。
  54. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 今のことだけにつきましても、まだいろいろ御質問を重ねたいと思いますが、逐條審議に入りましたときになおいたしたいと思うのであります。今の御答弁その他によりましても、大体においてこの改正案提出の動機、或いは基本的な観念において市民警察の精神を発展さして行こうという考えは非常に稀薄である。或いはむしろその点については否定的でありまして、自治体警察がぼろを出してくれることを待つていらつしやるというような潜在意識でものが運ばれている。そしてもうやつていけなくなつてこれを投げ出してしまう、そして一カ所も早くぼろを出し又もう返上してしまう、財政難その他の原因から返上してしまうというような、この改正案の規定の一般投票によつて返上のための選挙でも行われれば、そのときを待つていたのだというような気持でいらつしやるようなことを、何ということなしに我々は感ずるのであります。またそういう気持が潜在意識的に感ぜられるというところに最も憂うべき現在の日本の当面している政治上の危機が私は潜んでおると思うのでありますが、これは意見になりましようから又他の機会において申上げるときもあると思いますが、なお右の観念に関連いたしまして、今私受取つたのでありますが、こういう葉書を受取りました。この機会に皆さんに御披露申上げておきたいと思うのであります。  それは二十四日の公聽会に参りました証人の一人でありまする一大学の教授が私に私信としてよこしたのでありますが、こういうことが書いてあります。「警察法の改悪が参議院の力によつて阻止されるよう念じています。よい立法が改悪されて行くのを見るのは辛いことです。日本の民主化の前途遠きを思わずにはいられません。」これは極めてまじめな学者でありますが、私は全くこの葉書の文面と感をひとしくするのであります。少し意見的なことでありますが右申上げましたことについて大橋法務総裁から一つ御答弁を願いたいと思います。
  55. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 御意見として拜承いたした次第でありますが、自治体の公安委員の現在までの人選が果して適当であるかどうか、この点につきましては私個人といたしましては必ずしもことごとく適任者のみを挙げているということは言い得ないとこう考えております。と同時に成るほど多くの自治体警察におきまする首脳部という方々が、過去の警察から引継がれた方々が主でございまして、この人たちが完全に今日警察法趣旨なつておりまする民主警察としての自治体警察運用に習熟するというためにはなおなお多大の努力と年月とを必要とする。かよう考えておるのでありまして、これと同時に又公安委員の諸君が公安委員会の本来の使命に徹しまして、この公安委員会制度というものを誤りなく運用するだけの力を養わせるということのためにも、公安委員みずからの多大なる努力又相当の年月、そして又警察の首脳部その他自治体の関係者等関係各機関の適切なる協力というものが必要である、かよう考えておるわけでございます。これらの点につきましては関係の人々がひとしく責任を負うておる事柄でございまして、相寄り相助けて一日も速かに民主警察の完全なる実現を期さなければならんと、かように感じておる次第でございます。今回の警察法におきましてもこれらの諸点に鑑みまして公安委員の資格の緩和を図つた点、又自治体警察におきまする殊に小規模な、弱小な自治体警察が、ややもいたしますると今日治安上十分その責を果し得ないではないかという非難もございまするので、これらの弱小警察がよく今日の治安上の責を果し得まするように、これに対する国家地方警察の完全なる協力の体制を準備したいという趣旨でありまして、これは決して自治体警察の権限を奪うとか、或いはその存立の基礎を失わせようという考えにあらずして、いろいろな手段を盡しましてできるだけ自治体警察を強化し、そうしてこの自治体警察が今日の治安の処理に当り得るような力強きものとして成長することを冀つて改正案でございます。而してこれらの措置を講じましてもやはり小規模自治体警察にはその小規模なるが故に必然に免れることのできない不経済的な支出なり、或いは非能率的な部分というものがありまするから、この際におきまして地方住民の総意によつてこれを国家地方警察に改編したいという希望がありましたる場合におきましては、例外的の措置としてこれを認めるような途を開いて行きたい、こういう趣旨改正案でございます。
  56. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 先般の二日に亘る公聽会の証人の証言を聞きましても、今又ここに御披露しました警察法の改悪が参議院の力によつて阻止されるよう念じていますというような手紙をよこしておりますることも、大体におきまして、私の見まするところ大学の教授であるとか、新聞記者であるとか、或いは知事であるとか、まあ何といいますか、相当なる有識者に属すると社会的に見られるところの人は、殆んど全部といつていいくらい、平素私たちがこの法案審議について今日まで我々の常に申して参りましたことと共通するようなことを大体私は言つて来られたと思うのであります。自分のことを申上げて甚だ失礼でありますが、吉川はヒマラヤ山頂からお説教ばかりしているというようなことを保守党の方々から御批判を受けているのでありますが、ヒマラヤ山頂のお説教でなくして、あの公聽会の有識者の証言をお聞きになりましても、私と感をひとしくするところの多くの人があるということが私は証明されたということを感じたのであります。そうしてそれに反立するところの、政府原案の大体の考え方の上に立つておるところの人は、甚だ失礼なようでありますが、地方自治体或いは地方庁の古い役人的な経歴を持つたような人が私は多かつたと思うのであります。それらの人は、私が絶えず皆様たちにいやがられながら言つております古い日本の官僚地方行政によつて長年の間訓育されて来ました人、そういう人が頭の切替ができないでいる、そういう人が多く政府原案の支持の立場に立つておられたというように、私はともかくそういうように感じたのであります。私たちがこの警察法案審議に際しましていろいろ主張いたしておりますることは、何も社会党の個有の社会主義、或いは社会民主主義の原則的な立場においてのことを申上げているのではないのであります。それは十分よく御了解が願いたい。即ち民主主義のことを言つております。自由主義のことを言つております。私はブルジヨア・デモクラシーの確立ということが、地方行政の面において目下最も緊急なるところの最大の肝要事であるという見地から、自由党の諸君や民主党の諸君が党是としておられるところの基本の精神に基いて、自由党の精神を発揚し、民主党の精神を発揚するということを申上げでいるのであつて、社会党の社会主義を言つておるのではないということをどうぞ一つ皆様たちは御了解を願いまして、できる限り一つ我々の考え方に御同調を願うように皆様たちに改めてお願い申上げたのでありますが、意見ようなことを申上げて失礼でありますが、私は質問はこれで打切ります。特審局長が来られましたら直ぐお話を願いたいが、おいでにならないようでして。
  57. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 今来ました、丁度来ました。
  58. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 そうですが、それでは私はこれで質問を打切りますから。
  59. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは局長が見えましたから、先ほどの吉川委員の御質問、即ち特審局の職務内容等について御答弁を願います。
  60. 吉河光貞

    政府委員(吉河光貞君) 御指名によりまして、総裁に代りまして私から特審局の所管事務の大綱と、その組織状況を御説明いたします。  特別審査局は、御承知の通り公職追放令に基く追放者の動向の監察、違反の調査並びに団体等規正令の運営一切を所管いたしております。このほかにメモランダムに基きまして正規陸海軍将校の登録という事務を取扱つております。所管事務内容は大体以上申上げた通りでございますが、現在大体千二百名の定員を大きく二つに分けまして、六百名の定員を以て本局勤務、本局がこれを指導的に所管事務運営する。その本局におきましてはこれを三つの部に分ちまして、各部には局長の補佐として次長を配置しております。この次長が部長を兼務して所管の八課をそれぞれ所管に応じまして分割指導しておるわけであります。  この部長は総務部長、監査部長調査部長三つに分れまして、総務部は一般の庶務的な事務と、それから総合連絡事務、並びに資料の保管整備というような仕事をいたしております。総務部の下にはこれがために総務課、連絡課の三つの課を置いておりましてその総務課が一般事務を掌つております。この総務課におきまして、管下のあとで申上げる全国九ブロツクの支局の庶務的運営を統轄しております。連絡課は只今申上げた通り、渉外関係並びに資料の整備保全というようなことをいたしております。なおこのほかいろいろな日本文の英訳、英文の和訳というような仕事もいたしております。  次に監査部でありますが、監査部は只今申上げた公職追放令に基く覚書該当者の動靜監察、違反の未然防止、違反事件の調査というよう事務を取扱つておるのでありますが、この監査部長の下に監査第一課、第七課、第三課三つの課を置いております。監査第一課におきましては、特に登録の関係から正規陸海軍将校であつた者の登録調査という仕事を統括しております。更に公職追放令に基く覚書該当者の登録整理の仕事をいたしております。このほか監査に関する一般的事務を取扱つております。立案、企画もこの課でいたしております。監査第二課と第三課は出動調査部隊でありまして、監査二課におきましては一般覚書該当者の動静の監察、違反の調査というような仕事をいたしております。第三課は特に軍国主義的な或いは極端な国家主義的な暴力主義的、又反民主主義的な行動に出ずる虞れある覚書該当者の動靜の監察、違反の調査というような事項を取扱つております。これを以ちまして大体公職追放令に基く覚書該当者の動静の監察、違反の未然防止、それから違反の調査並びに登録というよう事務を処理するわけであります。  次に調査部におきましては団体等規正令を取扱うのでありますが、調査部長の下に調査第一課、第二課、第三課を置いております。調査一課は只今申上げた監査一課と同様団体等規正令に基きまする各種団体登録、及びこれを一般国民に公開いたしまするのでこの照覧の事務並びに届出団一体が機関紙を発行した場合にはこれを届出ることになつておりますので、その機関紙の整理保存のよう事務を司り併せて一般的な企画、それから調査に関する一般的事務を処理しております。調査第二課、第三課はこれは実働の部隊でありますが、第二課におきましては団体等規正令の規定に基きまする軍国主義的なものや、極端な国家主義的なもの或いはギヤングスター暴力主義的団体の結成の禁止、解散、それからこれらの団体に関する動向の調査というような仕事を多面的に取扱つております。調査三課におきましてはその調査二課に属しないような極端な破壊的団体の調査、解散その他を取扱つておるのでありまして、これをもちまして以上三課によりまして団体等規正令の大体の運営をいたすというよう建前なつております。  そうして特別審査局の本局の下には全国を九つのブロツクに分けましてここに本局員を駐在させております。その総数の合計は只今申上げた通り大体定員の半数六百名ということになつております。そのブロツクの中心地には通称支局というようなものを設置いたしまして統轄いたしております。これは北海道、東北、信越、関東、東海、近畿、中国、四国、九州に分れております。それぞれこのブロツク・センターの都道府県府県庁の一室を借受けまして、ここを支局の所在地ということにいたしております。ここにはそれぞれ支局長配置いたしまして、支局長統轄の下に只今申上げた公職追放令による覚書該当者の動静の監察並びに違反事件の調査というような仕事、団体等規正令に基きまする各種団体の動向監察、解散事由の調査いうような仕事をいたしております。各支局はそれぞれ事実上総務課、監査課、調査課というよう三つの課に分けておりまして、本局の課別編成に対応してそれぞれの仕事をいたしております。大体支局勤務の職員は各支局につきまして五十名前後のものでありますが、その余の支局員はこの支局を中心としまして支局の管轄の都道府県に二名乃至五名、少いところは一名ぐらいの割合で駐在いたしておりまして、これが支局を中心に只今申しました実働的な各種の調査事務を取扱つておるのであります。  で只今申上げた特別審査局の本局の課別編成は法務府設置法に規定されております。駐在官制度並びに支局内における課別の編成等は、これは事実上の編成として行なつておるようなわけであります。特別察査局の只今申上げたよう事務を大体横に眺めまして分類いたしますると六つの仕事に分れるのであります。第一の仕事は法令の周知徹底、違反の未然防止を含む指導であります。成るべく違反者を出さないようにして行きたいというようなわけで法令の周知徹底を図り、違反の未然防止をかねて指導をいたしております。ラジオ、新聞等によりましてもいろいろと指導をいたしております。第二は監察であります。いろいろ動向の注意をする個人又は団体につきまして常時動静を監察して行くということに相成るわけであります。現在公職追放令による覚書該当者は約十九万おります。又団体等規正令によつて届出をした団体の数は約二方、その構成人員は千五百六十万になつております。これらのものが広汎に監察の対象になるわけでありまするが、監察の対象はこれにとどまりません。次に情報であります。少い職員を以ちましていろいろとやりますのでどうしても民間協力者その他の各方面並びに国家各関係治安機関のほうにいろいろ情報を得まして、この情報の角度を計つてこれを調査の端緒にする、動静監察に資するというような広汎な情報活動を行なつております。次に調査でありますが、これは特定の事項の有無を調査しましてその内容を明らかにするために調査活動をいたしておりますが、これは刑事訴訟法に基く捜査に先行する段階でありまして違反事件を対象とするものではありません。すべて団体等規正令全般の遵守、公職追放令の励行という趣旨から広汎に調査活動をいたしております。調査による資料の収集は刑事訴訟法のコントロールを受けていません。いろいろな客観的なものが資料として収集されるわけであります。この調査には現在任意調査と強制調査がありまして、大体原則としまして任意調査をいたしておりますが、必要な場合におきましては法務総裁の決裁を得て強制調査をいたしております。強制調査は団体等規正令に基くものが主でありますが、これは間接強制でありまして応じない者は罰則の制裁があるわけであります。次に調査につきましては法的措置でありまして団体の解散、告発、その他最後の結論として法的な措置をとります。最後には届出の受理でありまして公職追放令による覚書該当者の届出、変更届出の受理、整理それから団体等規正令に基く各種団体の結成届出、変更届出、解散届出等を受理し、これは国民の照覧に供する建前なつております。  かような仕事をするために特別審査局におきましては、全国都道府県知事を下部組織といたしまして特に国家の予算を以ちまして定員の旅費、事務費の若干を配付しておりまして、主として公職追放令に基く覚書該当者の登録、一般的な動靜、団体等規正令に基く団体の登録というような受理事務を取扱わせております。  これが都道府県における調査課、地方課の一部の事務なつておるようなわけであります。  大体かいつまんで申しますと特別審査局の所管事務並びにその機構は以上申し上げましたよう状態でございます。
  61. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今のに対して何かありませんか。
  62. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 そういうお仕事の結果先にお言いになつた告発された件数というようなものを知らせて頂きたい。  それからもう一つ調査とか捜査等のために一種のスパイ的なことを相当やつていらつしやるじやないかと思うのですが、それはどうでしようか。例えばわざと公職追放に該当する公職の不適格者を使つて、例えば旧軍人のようなものであります。    〔委員長退席、理事竹中七郎君委員長席に著く〕 そうしてそれを働かせていろいろな情報を得たり、調査をしたりしていらつしやるように多少私の知つている範囲内においても見受けることがないでもないのでありますが、そういうことについてお伺いしたい。
  63. 吉河光貞

    政府委員(吉河光貞君) 先ず告発件数は只今資料を持参いたしませんので正確なことは申上げかねるのでありますが、大体告発は覚書該当者の違反事件を調査しましてこれを告発したという事件の件数は相当厖大な数に達しております。検察庁に告発しまして捜査を仰いでおります。それから団体等規正令に基きまして個人又は団体の違反につきましても当然場合によつては告発の措置をとるのでありますが、これも相当な数に上つております。そのほかにマツカーサー元帥から日本政府に指令されましたアカハタ同類紙、後継紙の発行停止の指令に基きましてこれを総理大臣から法務総裁に委託されまして、私どもは総裁の事務機関といたしましてこれが執行に当つておりますので、これに基く告発、三百二十五号違反というような件名による告発も相当多数に上つております。正確な数字はちよつと……、必ず御提出したいと思つております。  第二に調査のためのスパイでございますが、私どもは調査する場合におきまして情報工作をすると只今申上げておりますが、これは公的な機関から来る情報もあります。民間のかたから得る情報もありますので、これは自発的に情報を提供される人から頂戴するという建前をとつております。その所属団体の如何を問わず自発的に情報を提供される方から情報を頂戴する。で特定の個人を養成しまして特定の団体に故意に潜入させましてそして内部からいろいろ情報をとるということはまだいたしておりません。又情報工作につきましても、成るべくもと特高の方方及び陸海軍人であつた覚書該当者のよな方々は使わないようにという建前をとつております。任意に尋ねて来られましてこういうことがあるぞと言われることにつきましては、あえてこれを拒むわけではございませんが、成るべくそういうものはこちらから継続的な連絡はとらないというよう建前です。第一旧陸海軍人の方々は情報下作ではちよつと私どもの仕事には適しない方大部分でございましてあまり使つていないのでございます。非常に簡單でございますが。
  64. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 私の知つていることと少し違うことがありますけれども、調べておきましよう
  65. 竹中七郎

    ○理事(竹中七郎君) 速記をとめて下さい。    午後六時五分速記中止    ―――――・―――――    午後六時四十一分速記開始    〔理事竹中七郎君退席、委員長着席〕
  66. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。それでは今速記をとめて御相談をしたのでありますが、今日はこの委員会はこれで散会いたすことにいたしまして、明後日月曜日の午前十時に時間励行でこの委員会を開くことにいたします。それまでに御出席を願います。  ではこれで散会いたします。    午後六時四十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            堀  末治君            吉川末次郎君            竹中 七郎君    委員            石村 幸作君            高橋進太郎君           小笠原二三男君            安井  謙君            西郷吉之助君            鈴木 直人君            石川 清一君   国務大臣    法 務 総 裁 大橋 武夫君   政府委員    国家地方警察本    部長官     斎藤  昇君    国家地方警察本    部総務部長   加藤 陽三君    法務府特別審査    局長      吉河 光貞君   事務局側    常任委員会專門    員       福永與一郎君    常任委員会專門    員       武井 群嗣君