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1951-05-22 第10回国会 参議院 地方行政委員会 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十二日(火曜日)    午前十一時二十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方公務員法制定に伴う関係法律  の整理に関する法律案内閣提出) ○地方自治法の一部を改正する法律案  (衆議院提出) ○警察法の一部を改正する法律案(内  閣送付)   —————————————
  2. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。  今日は地方公務員法制定に伴う関係法律整理に関する法律案議題に供します。岡野国務大臣は所用のために出席されませんので、小野政務次官から代つて説明を願います。
  3. 小野哲

    政府委員小野哲君) 只今議題となりました地方公務員法制定に伴う関係法律整理に関する法律案提案理由を御説明申上げます。  御承知通り、第九国会において地方公務員身分取扱に関する基本法である地方公務員法が成立いたしましたので、これに伴い関係法律所要整理を加える必要が生じて参つたのでありますが、このうち、消防組織法についてはすでに改正を見ているのでありますし、教育公務員特例法については目下国会において審議中であります。従つて今回は、消防組織法及び教育公務員特例法以外の関係法律、即ち地方自治法警察法教育委員会法労働組合法及び恩給法の一部を改正する法律について規定の整備を行おうとするものであります。以下法案の主要な点について御説明いたします。  第一に、地方自治法についてでありますが、同法は地法公共団体の長その他の執行機関補助機関たる職員及び議会職員のうち、吏員又は書記等のごとく、いわゆる公法上の任命行為に基くものに関してのみ規定し、雇用人等のごとく、いわゆる私法上の雇用契約に基くものに関しては何ら規定するところがなかつたのであります。地方公務員法におきましては、統一的地方公務員制度の確立という建前に基き、吏員又は書記等雇用人との区別を廃することとせられておりますので、これに対応せしめるため所要規定を設けることにいたしました。なお同様の趣旨から地方公共団体の長、議会議員兼職制限範囲につきましても、「有給職員」を「常勤職員」と改め、常勤雇用人をもその対象とすることにいたしたのでありますが、現に地方公共団体の長又は議員雇用人兼職している場合においては、その任期中は兼職を認めることとして、これに所要経過規定を設けることとし、既得権保護に遺憾なからしめることといたしました。  次に地方公務員法制定を予想して暫定的に設けられた規定整理すると共に、地方公務員法地方自治法との関係を明確にいたすため字句整理を行うことといたしました。  第二に、警察法についてでありますが、都道府県公安委員会及び市町村公安委員会委員兼職禁止範囲につきまして、地方自治法の場合と同様、「有給吏員」を「常勤職員」と改めることにいたしますと共に、自治体警察職員身分取扱暁方公務員法適用を受けることになりましなのに伴い、字句整理その他所要改正を加えることにいたしました。  第三に、教育委員会法についてでありますが、同法は、従来教育委員会及び学校その他の教育機関職員のうち、雇用人についてはその職の設置、定数及び身分取扱について規定を欠いておりましたので、これらについても所要規定を設けることにいたしますと共に、若干の字句整理をすることにいたしました。  次に労働組合法についてでありますが、一般職たる地方公務員に関して労働組合法適用を排除し、警察職員及び消防職員職員団体結成及び加入を禁止する地方公務員法制定に伴い、警察吏員及び消防吏員労働組合結成し、及びこれらに加入することを禁止する同法第四條の規定は不要となりましたので、これを削除することにいたしました。  最後に、恩給法の一部を改正する法律についてでありますが、地方公務更迭制法施行により人事委員会又は公事委員会が設置されることとなりますので、これらの事務職員のうち、都道府県及び特別区の事務職員については、地方自治法施行に伴う恩給継続特例を認めることにいたしました。  以上が本法案提案理由及び内容の概要でありますが、何とぞ愼重御審議上速かに御議決あらんことをお願いいたします。
  4. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 続いて説明員説明を求めます。
  5. 角田禮次郎

    説明員角田禮次郎君) それでは法案の主要の点について御説明申上げます。  お手許に地方公務員法施行に伴う関係法律整理に関する法律案参考資料というのを差上げてあると思いますが、その條文傍線を入れてございますところが新設又は改正しようとする部分でありまして、傍線の右の條文改正しようとする條文でございますから、傍線の入れてある点を拾いまして御説明申上げます。  一番最初の第二編の第六章の第十一節の表題改正は前の改正都道府県議会事務局及び事務局長が置かれるようになりましたので、それに伴いまして技術的に修正を加えたものでございます。  その次の十一條公職選挙法の下に法律番号を入れたのも技術的な改正でございます。  次に九十二條の二項の「有給職員」を「常勤職員」と改めましたのは、従来有給という言葉は実際上は常勤という言葉意味に使われておりましたが、地方公務員法制定に伴いまして、この点を明瞭にするために常勤というふうに改めたものでございます。  次に十一條の次の頁の十一節の表題改正は、先ほどと同じような趣旨の技術的な改正でございます。  次に百三十八條の三項の「事務局長及び書記」を改めましたのも同じような趣旨でございます。次の四項も同じでございます。五項も同じでございます。それから六項も同じでございますが、ただ従来雇用人定数地方自治法の上では條例で定めることが要求されておりませんでしたが、地方公務員法制定に伴いまして、雇用人も含めて統一的な地方公務員制度が確立されたわけであります。それに伴いまして、雇用人定数條例で定めるようにしたわけでございます。それから次の項はただ項を一つ下げただけであります。次の第八項も同じような趣旨であります。次の九項は地方公務員法によりまして、新らしく公務員制度をきめたということを明らかにするために、議会職員身分地方公務員法の定めるところによるということを明らかにしたわけでございます。  次の頁の百四十一條の二項は、先ほど申上げました有給職員常勤職員にする、先に申しましたのと同じ趣旨でございます。  百六十六條の警察吏員というのを削りましたのは、副知事及び助役につきましては、一般的に地方公共団体職員兼職禁止がほかの條文でできておりますので、特にここに警察吏員を書上げますことは重複になりますので、これを削除いたしたものでございます。  それから、百六十七條の「吏員」を「その補助機関たる職員」に改めましたのは、先ほど御説明申上げました通り、従来の地方自治法吏員以上のものだけを対象として雇用人対象としておりませんでしたのを、新たに雇用人対象にいたしましたので、包括的に補助機関たる職員というふうに改めたものでございます。  百六十八條の五項は、先ほどの百六十六條の改正と同じ趣旨警察吏員を削つたものでございます。  百七十二條は、二つ前の百六十七條改正と同じ趣旨でございます。只今申上げましたのは第一項でございますが、第二項も同じ趣旨でございます。それから第三項も同じ趣旨でございます。第四項は地方公務員法ができましたので、地方公共団体の長の補助機関たる職員に関する身分制度地方公務員法で定められるということを明らかにしただけであります。  それから百七十五條は、これも雇用人を新たに規定することに伴いまして、先ほど御説明申上げましたと同じ趣旨であります。  百九十一條選挙管理委員会職責につきまして、書記だけを規定しておりまして、その他の雇用人については何ら規定がございませんでしたのを、包括的に雇用人も含めて規定するようにしたわけであります。すべて同じ趣旨のものでございます。  それから百九十二條は、これは従来は選挙管理委員会委員身分服務分限懲戒等地方公務員法で定めるように書いてあつたのでございますが、地方公務員法は御承知のように一般職だけの法律でありますので、その規定を削除いたしまして、その代りに百五十條の規定を準用することにいたしたのであります。  百九十三條は、これは今までの改正に伴う條文整理でございます。  それから百九十六條は、先ほど申上げました有給職員常勤職員に改めたもので、同じ趣旨であります。  それから二百條の監査委員事務を補助させるための「書記」の規定を「書記その他の職員」と改めましたのも、選挙管理委員会職員或いは地方公共団体の長の補助機関たる職員改正と同じ趣旨雇用人も含めて規定するというための規定であります。  それから二百一條は、これは條文整理に伴う技術的な改正であります。  それから二百四條は、これは、給與規定でございますが、新たに雇用人をも規定することに伴いまして、やはり條文の文言を直しただけでございます。  それから二百五條はこれは恩給規定でございますが、従来地方公共団体につきましては、恩給のことを「退隠料、退職給與金死亡給與金又は遺族扶助料」というふうに申しておりましたが、地方公務員法規定によりますと、「退職年金又は退職一時金」ということにいたしましたので、それに伴いまして文句を変えただけでございます。  それから二百六條は、給與についての異議の申立に関する規正でございますが、これは一般職職員につきましては、地方公務員法規定によりまして給與に関する勤務條件行政措置の要求とか、或いは不利益な処分に対する申立等が認められることになりましたので、一般職職員地方公務員法規定により、その他の特別職職員だけ二百六條の規定によるという趣旨で、新たに「法律に特別の定がある場合を除く外、」という文句を入れたわけであります。  それから二百七十五條は、行政区の職員に関する規定でございますが、これは先ほど来申上げております雇用人を新たに規定するに伴いましての規定で、全く同じ趣旨でございます。  それから附則の第一條は、これは地方公務員法は二十三年十二月三十一日までに国会に提出しなければならないという規定があつたのでございますが、これは地方公務員法制定されましたので削つたわけでございます。  次に、次の頁の警察法でございますが、これも全部技術的な規定でございますが、二十二條の第一項の「有給吏員」を「常勤職員」と改めましたのは、地方自治法の中の改正と同じ趣旨でございます。それから二十二條の二項は、従来地方公務員法ができておりませんでしたので、公安委員会委員服務国家公務員法規定を引いておりましたのを、地方公務員法の同じこれに相当する規定を引くことにいたしたのでございます。  次の四十七條の「條例に従い」というのを削りましたのは、市町村警察長一般職として地方公務員法適用を受けますので、「條例に従い」というのは、地方公務員法規定と矛盾いたしますので、これを削つたわけであります。  それから、五十條も同じ趣旨でありますが、地方公務員法ができておりませんので、国家公務員法の精神に則り、警察職員身分規定を定めるというふうになつておりましたのを「地方公務員法の定めるところによる。」というふうにいたしたわけであります。それから五十條の二項は、警察職員宣誓市町村規則で定めるようになつておりましたが、これは市町村警察職員一般職職員として地方公務員法に基いて宣誓をいたすということになつておりますので、「宣誓」の部分だけを削つたわけでございます。  次に教育委員会法も、全体としては技術的なものでございますが、第四十五條都道府県委員会事務局に置く職員種類を書いておりますが、これもやはり雇用人を加えまして、従来の事務職員技術職員というもののほかに、「その他の職員」として雇用人を含めたわけでございます。  四十九條教育委員会権限行使事務種類が羅列してございますが、その中五号は従来地方公務員法ができておりませんので、教育公務員特例法規定に基いて校長及び職員の任免、その他の人事に関することという規定がございましたが、これは一応地方公務員法は当然教育委員会にもかぶりまして、更に教育公務員特例法もかぶつてくるわけでありますので、特にここに書く必要がございませんので、これを削つたわけでございます。それからその次の七号の、教育委員会及び学校その他の教育機関職員の組織する労働組合に関することという規定、これは従来労働組合法適用されておりましたときを前提としてこういう規定がございましたが、地方公務員法制定に伴いまして、労働組合法適用がされなくなりましたので、この規定は不用となりましたので削つたものでございます。  それから次の頁に参りまして、第六十六條の改正は、これは先ほど申しました雇用人を新たに加えたものでございます。次の二項も同じ趣旨でございます。  それから第六十七條の一項も、これも同じ趣旨でございます。六十七條の二項は、これは地方公務員法、従来「別に地方公共団体職員に関して規定する法律」というふうに地方公務員法という具体的な法律ができておりませんでしたので、そういうふうに抽象的に書いておりましたのを、地方公務員法というふうにはつきり書いたわけであります。  それから次の頁の六十八條も、従来地方公務員法がはつきりしておりません関係から、この書き方が抽象的に書いてありましたのを、その点を地方公務員法は当然一応適用になり、更に地方自治法の必要な規定適用される、準用されるということを明らかにしたわけでありまして、これも字句整理であります。  それから八十一條は、これは條文整理に伴いまして、やはり技術的な改正でございますが、地方公務員法規定施行されるまでは、従来通り規定しておくという趣旨には変りはございません。  次の頁の労働組合法の第四條を削除いたしましたのは、この労働組合法の第四條は地方警察吏員及び消防吏員労働組合結成し、又加入することができないというふうになつてつたわけでありますが、これまでは一般地方公務員には労働組合法適用されておりまして、一般職員労働組合結成加入されておつたわけであります。その中警察吏員消防吏員だけが結成加入が禁止されておつたわけでございますが、地方公務員法制定に伴いまして、地方公務員全般につきまして労働組合結成加入規定代りに、地方公務員法職員団体規定が代つて規定されましたので、特に警察吏員消防吏員だけをここに書くことは全然不必要でありますので、無意味になりましたので、これを削除いたしたわけであります。  次の恩給法の一部を改正する法律改正最後の頁にございますが、三号の「議会事務局長若しくは書記長」というのは、一番最初に申上げました事務局長ができたことに伴う改正でございます。なお順序が逆になりましたが、この恩給法の一部を改正する法律の十條と申しますのは、従来国家公務員であつた者昭和二十二年の五月三日の地方自治法施行当時に国家公務員であつた者はその後地方公務員になりますと、恩給がそこで切れるわけでございます。そこで恩給法適用を引続き継続してやるという職員既得権保護趣旨から、従来国家公務員であつたものはここに羅列してございますような、都道府県職員になつた場合には、引続き恩給法適用をやるという、そういう規定でございます。その規定に新たに七号といたしまして、従来国家公務員であつたものが、地方公務員法制定に基きまして、人事委員会公平委員会職員身分を変えましたときにも引続き恩給法適用を受けられる、そういう規定でございます。  以上この法律説明でございます。
  6. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 五頁でございますが二百六條のところの「法律に特別の定がある場合を除く外、」というのは、新規挿入したのでございますか。
  7. 角田禮次郎

    説明員角田禮次郎君) さようでございます。
  8. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 符号付け方が削つてありますね。
  9. 角田禮次郎

    説明員角田禮次郎君) ちよつと書き方が普通の書き方と比べて違うのでございますが、條文傍線を入れておりますのは、新設又は改正しようとする部分でございまして、普通の削除という意味ではございません。
  10. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 符号付け方が逆のほうに、左側に付けるのではないでしようか。
  11. 角田禮次郎

    説明員角田禮次郎君) 御指摘通りでございますが、その区別をするのが困難でございますので、削るほうは傍線を引きまして削るというふうに書いてございます。そこで傍線だけ書いてございますものは、新設でございまして、傍線が書いてあつて、側に字が書いてございますものは改正であるというふうに御了解を願いたいと思います。
  12. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この地方自治法ですが、議会関係職員について第百三十八條の四項ですか、それから地方公共団体職員に関しては、百七十二條の第四項に施行法との関係改正案があるのですが、その中に、「この法律に定めるものを除くほか、地方公務員法の定めるところによる」というのでありまするが、そうしますると、地方公務員法が原則として適用になり、地方自治法に特にこの関係の部面について法律規定がある場合には、その特例が認められるとこういうような解釈になるように思われるのですが、そこで質問は、地方自治法でこうした職員に関して地方公務員法以外に特例的に任用、職階制給與勤務時間その他の勤務條件分限及び懲戒服務研修及び勤務成績評定、福祉及び利益の保護その他身分取扱に関する事項がありましたら列挙して頂きたい。
  13. 角田禮次郎

    説明員角田禮次郎君) 実は特例というほどのことはございませんが、地方公務員法もやはり広い意味地方自治法令の一つでございまして、その基本法地方自治法であり、その地方自治法から枝のように出て地方公務員法が出て来て、そのうち職員身分取扱をきめる、こういうふうに一応考えております。なお地方自治法の中に地方公務員身分に関しまして規定しておる條文と申しますのは、実は非常に少いのでございまして、一例を申上げますと、百三十八條議会職員につきましては、これはただ任命をするということが地方自治法の中に規定がございますだけであります。  それから職階制給與、能率、分限懲戒服務、その他身分研修勤務成績評定というようなことにつきましては、実は地方自治法には規定はございませんで、ただ給與だけは二百三條以下に給與に関する規定がございます。地方自治法にはそういうふうに任命するという規定と、それから給與に関する規定だけがあるだけでございます。
  14. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 有給職員とあつたの常勤職員と改められているところが一つあるのですが、有給職責は即常勤職員ではない場合が非常に多いのではないかと思うのですが、有給というのは結局サラリーを受けているというわけだと思うのですが、常勤というのはまあフルタイムのサービスをしている人間という意味ですが、又パートタイム有給吏員職員というものがあると思うのですが、いわば顧問であるとか、嘱託であるというような職員は大体フルタイム常勤していない人がその中に非常にあると思うのです。例えばこれは地方公務員法でありますけれども、国立大学講師のようなもの、それから地方公務員としても東京都のような公立の大学を持つているようなところで、やはり講師というものが高等学校や中学校にも相当あると思いますが、それは要するに常勤でないと思うのですが、講師嘱託ということに従来なつていたと思うのですが、そういうので有給職員常勤職員にならんと思いますが、どうですか。
  15. 角田禮次郎

    説明員角田禮次郎君) 有給という言葉の本来の意味といたしましては、御指摘のようにフルタイム職員に支給されますところの給與とか、そういうものと、それからパートタイム職員に普通與えられますところの手当であるとか、そういうものとを含めまして、いわゆる広い意味給與をやるものを有給というふうに一応読めるのでございますが、従来地方自治法におきましては、実はそういう使い方をいたしておりませんでして、地方自治法では、これは條文を申上げますと二百三條というのがございますが、二百三條に、パートタイム職員に対する給與について規正しております。一例を申上げますれば、地方議会議員であるとか、選挙管理委員会委員、或いは監査委員、そういうものに対する給與についての規定がございますが、ここでは報酬を支給しなければならない、そういうパートタイムのものに支給いたします給與報酬というふうに呼んでおります。次に二百四條にはフルタイム職員に対して支給されますところの給與について規定しております。例えば地方団体の長であるとか、普通の事務職員であるとか、こういうものに対する給與について規定しておりますが、これにつきましては、給料という言葉を使つております。報酬パートタイムのもの、給料フルタイムのもの、こういうふうに使い分けておりまして、その他の條文有給という場合は給料をやる職員である、こういうふうにずつと呼んでおつたわけであります。従いまして自治法使い方といたしましては、有給職員というのは即ち給料を支給されておるところの職員給料を支給されておる職員とはフルタイム職員である。従つて有給職員常勤職員といたしましても、言葉自体変りましても内容には変りがない、こういうふうに申上げる次第であります。
  16. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 それで例えば東京都立大学講師東京国立大学の教授が来ておる、嘱託講師に来ておるというようなことですね、そういう場合はここに言う有給職員でしようが、常勤職員にならないわけなんですが、それはどうなんですか。
  17. 角田禮次郎

    説明員角田禮次郎君) 従来からそういう場合は有給職員といううちに入つておりません。そういう講師非常勤のものであれば有給というものの中には入れておりません。
  18. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 全体的に講師というものは、普通従来の慣例からは嘱託という名において呼んでいたと思うのですが、それは有給職員でも常勤職員でもないわけですね。
  19. 角田禮次郎

    説明員角田禮次郎君) 講師というものの中にはいろいろ勤務形態があると思うのですが、それが常勤であれば一応有給というものの中に入るわけですが、普通の場合は非常勤の場合が多いと思います。従いまして従来有給というものの中には講師は入つておりません。但し職員という言葉、一応今有給についての御説明を申上げるわけでありますが、従来職員という言葉の中には吏員であるとか書記であるとか、そういうものだけを含めておりました。従つて嘱託というようなものは職員の中には入つておりません。講師嘱託という資格で勤務しておられるならば従来は有給という意味でも入つておりませんし、職員という意味でも入つておりません。
  20. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 議事進行ですが、他に御質疑がなければちよつと研究したい必要もありますので次回に……。
  21. 竹中七郎

    竹中七郎君 この附則のほうに国家公務員関係のものは地方公務員になるときには恩給その他は継続されると書いてありますが、これは私先般教育関係のときに申上げたのですが、学校先生県庁役員になるというと恩給が切れまして断絶する、それから又続けられる、こういうことは変でございますが、この改正のときにそういうものも一時三年なり五年なり県庁役員教育委員会に入るものも連続することはできないのですか。
  22. 角田禮次郎

    説明員角田禮次郎君) 只今の御質問趣旨はちよつとわかりかねましたが、私が先ほど申上げましたのは、昭和二十二年五月三日に例の地方事務官地方技官というものが県庁におりまして、それがその後都道府県職員になつた場合に恩給を継続する、そういう規定でございます。で学校先生の場合は昭和二十四年でございましたか、一月に例の教育公務員特例法が出まして、地方教官であつた学校先生地方公務員たる学校先生になつたわけであります。従いまして、そのときには恩給法適用を引続き継続して適用するように恩給法改正ができたのであります。ところがその後新たに毎年々々学校先生が入つて来るわけでございますが、その学校先生は初めから地方公務員身分を持つて学校に来られるわけです。そういうかたは恩給法適用がないわけであります。そういうかたの場合には、その都道府県なり市町村の恩給條例によつて恩給を払つて行くということになつておりまして、恩給法自体とは関係ございません。そういう人の救済策というのがこれは非常にやはり問題になつておりまして、従来もいろいろ文部省のほうで研究しておられるように私聞いておりますが、なかなか都道府県市町村の関係がございましてむずかしい問題でございますが、私の聞いておる範囲では、たしか今度の教育公務員特例法改正の案の中にはそういう市町村立の学校先生恩給都道府県が負担して払つてやるというふうになるのではないかと聞いております、従いまして、そういうふうになりますと、市町村の学校先生都道府県教育委員会の例えば職員になるとか、或いは都道府県職員になりましても、同じ恩給條例の中で身分が変るだけでございますから、継続の措置が講ぜられる可能性があると思います。ただ特例法の改正につきましては……特例法の改正ではございません例の義務教育費の、先生給與都道府県が負担するというほうの法律改正でございます。その点ちよつとはつきりいたしておりません。
  23. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ほかに御質問ございませんか。……それでは地方公務員法制定に伴う関係法律整理に関する法律案審議はこれで今日は打切ります。   —————————————
  24. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 次に地方自治法の一部を改正する法律案議題に供します。  これは昨日発議者の一人であられる衆議院議員の野村專太郎君の趣旨説明を聞いたのであります。これに対しまして、参考人として春東京都の副知事、主税部長の細田義安君、それから港湾部長の高橋登一君、もう向うをとつくに出ておりますから、おつつけ参られると思います。その間に提案者に御質疑を願います。
  25. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 提案者に伺います。が、今度の改正は現実には東京都だけを狙つておられるようですが、他の府県のほうも併せてお考えにならなかつたのですか、どうなんですか。
  26. 野村專太郎

    ○衆議院議員(野村專太郎君) 只今の御質疑は御尤もであります。昨日の提案理由説明に引続いて御質疑もあつたのですが、一応東京都におきまする両部の現実は、能率化ということに対して非常に緊急性を持つたものでございますから、取りあえず各党共同提案といたしてこの部分を取上げて、一応衆議院側としてはこれを提案し可決をしたと、こういうことで、他の府県に対してもやはり同じようなことが考えられると思うのですが、一応今回は東京都の両部の現状から見ましてこれを取上げたわけであります。
  27. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 そうしますと、今の御説明だと、緊急を要するから東京都だけを先にやつたと言われると、次の機会には他の府県の分も御提案になる御所存ですか、この点を伺います。
  28. 野村專太郎

    ○衆議院議員(野村專太郎君) 只今申上げましたように、全体的に他の府県についても考えられる向きもあつたのですが、一応この際東京都の関係だけ、特にこの百五十八條の第二項に建築局だけが條例によつて置くことができると、こういうことになつておりますが、いわゆる條例によつてこの二つの局も置くことができると、こういうようなことで、他の府県についても考えられる点があつたのですが、衆議院側としても将来続いて当然考えられるのではないかとこう思うのですが、今回はこの二つだけにいたしました。特に昨日提案理由説明にも申上げましたのですが、主税局の関係については、この地方税の根本的な改革に対して二十三カ所の税務出張所、而も厖大な職員を擁しております。こういう都税の円滑な運営と、それから港湾局は、最近非常に東京都の市民というものが貿易の振興に進展いたしておるものでありますから、そういう点から従来部のない東京都においては、局として実在したわけですが、そういつたような関係からこれを條例によつて置くことができるとこういうことで、他のほうについては考慮しないということではないのです。
  29. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 小野政務次官ちよつと伺いたいのですが、こういうふうな部局のどれを置くというようなことは、府県の條例できめれば極めて簡單に思うのですが、そういうふうな府県の條例でやることは何か弊害があるのですか、特にここでそのことを規定した理由を伺いたい。
  30. 小野哲

    政府委員小野哲君) お答えいたしますが、地方公共団体の機構、特に都道府県の点につきましては、現行地方自治法において局なり或いは部なりの設置についての基準を示しておるわけであります。その場合において、これを地方公共団体の自主的な措置に任して條例で以て作らせるというふうな考え方もこれはできないことはないと思います。そこで多少或いは余計なことを申上げることになるかも知れませんが、地方公共団体行政機構のあり方を将来どうすべきであるかということがやはり現実の問題であろうと思います。同時にその設置等につきまして如何なる根処によつてやらせることが妥当であるか、これも一つの研究課題ではないかと、かように思つております。政府におきましては今回議員提案として地方自治法の一部改正法律案の提案があつたのでありますが、将来は全般的に地方行政調査委員会議の勧告等もございまするし、地方組織制度等につきましては、検討を助えるべき時期が来るのではないかと、かように考えておりまするので、その機会において政府としての立場からも、地方自治法行政機構に関する諸規定について研究をいたして参りたいと、かように考えております。
  31. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 もう一点伺いますが、そうしますと、地方行政調査委員会議ではこういうふうな自治法で限定しておかないで、地方自治の建前からも各都道府県の自主的な運営をいいますか、そういうふうな意味から條例で意思が決定できると、そういうふうな方向に進んでおるのですか、又どういうふうな方向に進んでおるのですか、おわかりだつたら伺いたい、
  32. 小野哲

    政府委員小野哲君) これは私の一応見込みを申上げたのでありまして、現在地方行政調査委員会議においては、具体的にこの問題が取上げられておるとは聞いております。ただ事務の再配分等と関連いたしまして、かような問題も将来は取上げられるのではなかろうかという予想の下に、若しさような場合におきましては、政府もこれと関連して地方自治法の問題を検討する必要があるのではなかろうかという将来の問題として考えておる次第であります。
  33. 相馬助治

    ○相馬助治君 この地方自治法の一部を改正する法律案提案理由を昨日お聞きいたしまして、本法案に私は反対するというのではございません。ただ只今西郷委員からも質問されましたように、実際に地方自治をやつてつて不便を感じて、東京都が緊急必要であるという観点に立つて、こういう改正案を出したということはよく了解いたしますが、立法府に席を置く我々として一体こういうようななしくずし的な法案改正というものが、将来どのような影響を持つのであろうかということを極めて私はおそれるわけです。従つて提案者にお尋ねしたいことは、地方自治庁とどういうふうな連関を持ち、どのような相談の上でこれを出されておるかということを提案者にお聞きいたしますと同時に、小野政務次官に対しましては、この際拔本的に改正を試みる必要はないか、具体的に言いますと、百五十八條において示されている知事の権限というものを局、部まで地方自治法でこれをしばることはなく、條例によつてやることができるというふうな方向にこれを直す必要がないかということを小野さんに伺いたいのです。なぜ何度も同じことを私が伺いまするかというと、西郷委員質問に対して、小野次官はこれは行政事務再配分の委員会において考慮されるということを言つておりまするが、今までのあの委員会の行き方、それから今までのいろいろ考えられておるこの性格を我々がつぶさに見ますると、事務の再配分ということと同時に、事務の簡素化ということが頻りに強く申されておるわけです。ところがこの一部を改正する法律案は、今までの部を局に昇格するというのであつて、簡素化の点から言えばこれは逆行しておる、従いまして私はその委員会に待つというような生ぬるい態度ではなくて、やはり依然として指導、監督という言葉はおかしいが、指導的役割を持つておりまする地方自治庁においては、この際これを機会に根本的な改正を政府として提案する意思があるべきが至当であろうと考えるのであります。従いまして、これらの点の見解を承わつておきます。
  34. 野村專太郎

    ○衆議院議員(野村專太郎君) 只今の御尋ねは御尤もでございまして、本案を提案するに当りましては、東京都諸議会におきまして、各党全会一致でこの能率的な行政の運営のためにこれを局に持つて行きたい、こういうことを数回に亘つて議会で決議をされ、恐らく政府提案として出されるのではないかと予測をいたしておつたのですが、只今つておりますると、小野政務次官のお話によりましても、そういうような観点から、議員提出の形で東京都の意思を妥当と考えて本法案の提案に及んだわけであります。併し本法案の提案のごときは只今の御質疑のような線に沿つてであることは私個人としては御尤もと、御同感の節が多いのですが、たださような経過を辿つて参りましたものですから、後刻又都副知事が参考人に出て参りますので、或いはその際に不足のところを御説明をいたすようにしたほうがよくおわかりになると思いますが、大体そういう経路を辿りまして、本法案は緊急と認めまして、一応まあ提案に及んだわけです。
  35. 相馬助治

    ○相馬助治君 地方自治庁との話合はあるんでしよう。
  36. 野村專太郎

    ○衆議院議員(野村專太郎君) 地方自治庁との関係只今申しましたように、政府提案としてこれを原案を出されることの意味を予想されておつたのですが、一応今小野さんのお話のような観点からこれを私は議員提出で適当と思い、今日の場合にそういう観点からその形式をとつたわけです。どうかそういう工合に御了承を頂きます。
  37. 小野哲

    政府委員小野哲君) 相馬さんの御質問にお答えいたしますが、御意見のように地方自治法規定の中で行政機構に関することは当該都道府県の長の責任において、言い換えれば議会の議決による條例制定によつてこれを行なつて行く、こういう考え方も私はあり得ると思つております。同時に地方行政調査委員会議が勧告をいたしました行政事務の再配分に関する問題もまだこれは結論と申しますか、国会における解決がまだできておりませんのとその途上にあるようなわけでありますので、如何なる方法によつて地方公共団体、特に都道府県行政機構の設置改廃をすることが適当であるかということについては、事務再配分の問題とも関連して検討するほうが本当であろう、いろいろの方法は考えられるわけでありますが、差当りましては、政府として全面的な改正をこの際行うということはなおその時期ではなかろう、こういう見地から政府からは全面的な改正法律案を提案することは差し控えたようなわけでありまして、東京都における分については、その事務量なり、或いは実情に鑑みまして、議員提案としての今回の一部改正法律案の御提案につきましては、地方自治庁においても何ら異存のないところでございます。
  38. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 東京都の関係者もまだ出席ありませんし、時間も相当経過しておりますので、一時休憩して午後再開続行するということの動議を出します。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  39. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは一時半まで休憩いたします。    午後零時十九分休憩    —————・—————    午後一時五十六分開会
  40. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 休憩前に引続き委員会を再開いたします。地方自治法の一部を改正する法律案審議を続行いたします。
  41. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 昨日来提案者の御説明は伺つたわけでありまするが、提案の経過等に鑑みましても、関係東京都のかたより、今後余り質疑を重ねる煩を省略する程度の懇切な御説明を承わりたいを思います。
  42. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 春東京都副知事並びに東京都の高橋港湾部長が参考人として見えております。なお主税部長はあとから参ります。それでは春副知事。
  43. 春彦一

    ○参考人(春彦一君) 東京都の職制改正関係いたします地方自治法改正の御審議をお願いいたしまして、誠に有難うございます。  すでに提案者から御説明があつたことと存じまするが、東京都は現在十局で都政を運営いたしておるのでございまするが、港湾の仕事及び主税の仕事は最近非常に事務が増大して参つたのでございます。先ず主税部でございまするが、只今大体都税が年額二百億円を突破する実情でございまして、都内各区に二十三の税務事務所を置きまして、これが徴收に当つておるのであります。その取扱います税の額から申しましても、これに従事しておりまする職員の数から申しましても、東京都におきましては、局としての実力を十分備えておる実情でございます。それから港湾部におきましては、以前港湾局であつたのでございますが、終戰直後港湾の仕事が一時非常にやりにくい状態になりましたので、一時これを部といたしましたものでございますが、最近は諸種の事情で港湾の修築事業も非常に活溌に営まれております関係もございまして、只今年額大体十億くらいの仕事もいたしておりまするし、以前に復したいということでございまして、これは都議会方面の全会一致の要望でございまして、たびたびこの決議をされて、これが実現方を切望いたしておるような次第でございます。ただ私どもは、東京都が徒らに局を設けて、今の行政簡素化の線に逆行するものではないかという御意見があるのではないかということを心配いたしておるのでございまするが、只今申上げました港湾部及び主税部は、今の組織をそのまま部から局に昇格いたすのでございまして、これを職制の改正を機会にいたしまして人員を増加したり、或いは機構が更に複雑になるという点は全然ないのでございまして、むしろ身軽に機動的に動き得る点におきまして、一層行政の能率が上つて参るのではないかと考えておるような次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  44. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、従来の財務局と今回昇格します主税局とはどういう事務分掌になり、どういう関係になるのですか。
  45. 春彦一

    ○参考人(春彦一君) 今財務局としてありますものはそのままでありまして、そのうちの主税部が全然独立いたしまして、主税局になるだけでございまして、今の財務局の局課はそのまま残すのでございます。  それから港湾部は今建設局の中の一部でございますのが、それが独立して港湾局となつて、港湾部を除いた建設局はそのままでございます。
  46. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 今これは部になつておるのですが、これは局に直さなければどうしてももう非常に困るという、要するに事務上のネツクになつておる点は……。
  47. 春彦一

    ○参考人(春彦一君) これはあなた方に御説明申上げるのは却つて釈迦に説法かと思いますが、要するに役所の機構と申しまするのは、仕事の性質からと、仕事の量からと両方で大体局にすべきか部にすべきかというのがきまるのであろうと思いますが、今の東京都の実情を考えまして、ほかの局に比べまして、一年間にやつております仕事の量と、それからこれに従事しております局員の数と、それから全然分離して今度独立いたします仕事がその局の中でも例えば主税に関する限りは財務局の中でも全然独立いたした仕事でございまして、関連性がございません。それから港湾の仕事も建設局の中で全部別個の系統の事務でございまして、分れることによつて何も困る点がなくて、むしろ今までは全部建設局長を通して、或いは建設局の総務課を通しておつたものが独立して行動し得ることになるわけでございますから、非常に身軽に機動的に動き得るものと思います。
  48. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 今の御説明をお聞きしますと、今主税部なり或いは港湾部というのが或る局の下にあるからというわけなんですが、むしろその局から離れて独立した部ということにすれば、その点は差支ないと思いますが、その点はどうなんでしようか。
  49. 春彦一

    ○参考人(春彦一君) それはやはり役所の仕事といたしましては、全部の扱う局員の感じその他からいたしまして、部の課長でありますということと、局の課長でありますということは精神的にも非常に違いがあります。そういう意味におきまして、今の例えば主税の問題で申しますると、二百数十億の税金を取るということになりますると、皆が本当に精神的に感奮興起して徴税事務に従事しなければならんというようなときに、局になるべき実力を持つていながら局に認められない。部のままに置かれておるということは、やはり局員を気持よく働かせる上から非常に失策だろうと考えます。
  50. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 これは政務次官にお聞きしたいと思うのですが、東京都のように局で制限されておる所、今は独立の部じやないというのですから、その点はちよつと違うのですが、府県なんかは部で制限されておる、自治法で制限されておるものですから、むしろ局なら自由だというので、企画審議局とか或いは渉外局とか、局の名前を用いてむしろ何といいますか、或る意味から言えばそういう例外的な一つの機構を認めておるわけなんです。従つて自治法の中に本来知事がきめ得るところのものを制約して書いているというところに非常に無理があるのじやないだろうかと思うのです、根本は……。従つて今言う通り、部に制限されておるところは局という名前でやり、或いは局を制限されておるところは部という名前を用いておるというふうになりやすいと思いますが、この点をもつと條例かなんかで各府県にお任せしても非常に差障りがあるという点があるのかどうか。その点を改めて自治庁のほうに……。
  51. 小野哲

    政府委員小野哲君) 私からお答えいたします。自治は地方自治法法律案としての御審議の際に参議院でございましたか、地方公共団体、特に都道府県の機構についていろいろ論議があつたわけであります。その際にやはり法律で以て或る程度明白にするほうがいいのではないかというような御意見もあつたように私記憶しておりますが、或いは記憶に誤りがあるかも存じません。ただ只今質問のありました将来の問題として都道府県の機構を地方自治法に基いて如何なる方法によつて規制すると申しますか取扱うことがよいかということはおのずから別個の問題になるだろうと思います。御指摘のようにあの終戰直後におきましては、各県において渉外局というふうなものを設けた例も承知しておりますが、これを全然條例によつて定めるというふうに改めてしまわず、現実の地方自治行政運営の上から言つて適当かどうかという問題はなお研究しなければならん点があろうかと思いますが、政府としては将来地方自治法の全面的に亘つて根本的な改革をする必要がある場合におきましては、只今お話のような点をも考慮に入れまして研究を進めて行きたい。目下のところではまだその時期ではなかろう、かように考えておる次第であります。
  52. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 どうも政務次官のお話を開いておりますと、将来と言つておりますが、東京都自身が今直面しておる問題なんで、これは先ほど春さんからの説明によりましてもほかの県でもあるかも知れんというが、やはりこれはほかの県でも同じような問題があつてただ法律改正を必要とするものですから、非常に事務の不便を忍んで泣きながらむしろ法に縛られておるという現状じやなかろうかと思いますが、どうして将来の問題というふうに問題を将来にせられるのか。問題は今現に当面せられておるのであつて、この機会に今当面せる問題として一括これを解決せられるというような方法ではどうして工合が惡いのか。そこの辺をお聞かせ願いたい。
  53. 小野哲

    政府委員小野哲君) 研究課題といたしましては、こういうふうにしたらどうか、或いはこうするほうが運営上実際に合うのではないかというこういう意見も出るわけでありますが、何分今後の地方自治制度自体の問題とからんで地方自治法そのものについても根本的な検討を要する場合が起つて来るであろうと予想いたされますので、さような場合にこれを取入れるほうが最も妥当であろう、そういう意味で政府としてはこういう全面的な改正法律案を提案するということを差控えたようなわけであります。現実の問題として今の御指摘のような点もある場合も考え得るのでありますが、これらの点は将来やはり根本的な改正をいたしまする場合にこれを取上げて行きたい。高橋さんの御意見では、要は法律で以て明らかに規定するがためにいろいろと問題を生じておる現状に鑑みて、これを條例に委任してやるほうがいいのではないかという、こういうふうな根本的な御趣旨もあるように拜承いたしておりますので、その御意見を十分拜聽いたしまして、今後の施策の、或いは法律案制定等に当りましては、政府といたしましても立案の過程において参考にさせて頂きたいと思います。
  54. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  55. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。  ほかに御質問はございませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 別に御発言もございませんようですから、質疑は盡きたものと認めて御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  58. 相馬助治

    ○相馬助治君 只今議題に相成つておりまするこの地方自治法の一部を改正する法律案は、東京都における地方自治の実態に徴して緊急に是非とも改善しなければならないという極めて明白な理由に基いて提案されたものでありまして、我々はこれに対して賛成の意を表するものでございます。ただこの際附加えておきたいことは、このようなことが今後相次いで起ることも一応懸念されまするので、政府におきましては、拔本的な改正を成るべく早い機会においてされる用意がなければならないと存じまするし、且つ又その直接の衝に当りまする地方自治庁は、行政事務再配分の委員会等といよいよ緊密な連絡を保たれまして、今後このような一部を改正する法律案というようななしくずし的な改善をしなければならない事態に当面しないよう、十分なる配慮をする必要があろうと認めるものでございます。以上を希望條件といたしまして、私は本法案に対して賛成の意を表するものでございます。
  59. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 私も必要だという要望に基いて修正案が出されておるのでありますから、必要であろうと思うから是認いたしまして賛成の意を表するものでありまするけれども、この今の相馬君の御指摘になつた点にも或いは触れまするが、政府は行政整理を中央地方ともしなければならん。できるだけ現在の重税から国民を軽くして行かなければならんというような意味合いから見て、従来の部を又局にすることは、又その下に余分の部が余分にできるという虞れがある。従来の三つの部が一つの局に集約されたということでなく、新たに局長が生まれるということによりましての経費の増大、又これが第三者が受ける印象は、同じ同期、同僚が局長で自分が部長であるから、やはり局長の肩書を持ちたいから局長になりたい、それすれば肩身が広いというような役人根性的な印象を受けるような若しことがあつてはならんという点について、私は趣旨、精神につきましては疑問を持つておる。(「同感」と呼ぶ者あり)そういうことのないようにいたすべきであるという点につきまして注意を喚起いたしておきたいと思います。以上を以て賛成の意を表します。
  60. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ほかに御意見はございませんか。別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。  地方自治法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔総員挙手〕
  62. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決されました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四條によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長において本法案内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告をすることとして御承認願うことにして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。  それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     堀  末治  吉川末次郎     高橋進太郎  安井  謙    小笠原二三男  相馬 助治     岩木 哲夫  西郷吉之助
  64. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御署名洩れはございませんか。……御署名洩れはないと認めます。   —————————————
  65. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 次に警察法の一部を改正する法律案審議を行ないます。
  66. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 警察法改正案の議事の運営につきまして、この際申上げたいと思うのでありますが、第一に資料の提出に関してであります。先般来いろいろと要求の資料を頂きましたが、なお昨日の法務委員会との連合委員会におきまして、法務委員の諸君からもいろいろ資料の要求がありましたので、早急に要求資料についての提出方について御配慮願いたいと思うのでありますが、私より要求いたします資料といたしましては、これは先般来たびたび申上げていることでありますが、この機会に他の党派のかたがた、特に民主党のかたがたや緑風会等のかたがたの御賛成をも得まして、国家地方警察及び自治体警察という言葉をやはり原語の英語の意味を十分に表示した言葉に直すようにしたいと実は私は考えているものであります。即ち国家地方警察は原語におきましてはNRP、ナシヨナル・ルーラル・ポリスの訳であります。又自治体警察はミニユシパル・ポリス、MPの訳でありますが、先般来申上げておりますように、NRP、これは国家地方警察と翻訳することによりまして非常な錯覚に国民及び警官諸君を陷れておりまして、その結果いろいろな間違いを来しているということにつきましては先に指摘いたしましたことでありまして、又先の委員会において列席いたしまして京都市の公安委員会の警察長も私の申したことに非常に賛成を表しておりました。前者はこれを全国農村警察、或いはその他の国家農村警察というような訳にしてもいいかと思いますが、全国農村警察、それから自治体警察はこれを人口五千以上の市街地形態を呈している自治体において置かれるところの警察でありまして、これを言葉通りミニユシパル警察を自治体警察と翻訳することが適訳でありますから、このように直したいと私はたびたび主張もし、又先に地方の自治体警察の当路社から賛意を表されたところでありますから、この機会に私はこれを修正したいと実は考えているのであります。それにつきましての国家地方警察当局の御返答を先般聞いておるのでありますが、一応私の申上げることについて軽い御反対の御意見を齋藤長官その他から御表明になつているところでありますが、十分に肯くことはできません。又それに関して当時のマツカーサー元帥の片山総理大臣に対する英文の書簡を頂いております。一応拜見いたしましたが、まだ十分によく検討いたしておりませんが、軽く不十分な御答弁を得ておるのでありますが、いろいろな点から、語学的にも御検討をして頂かなければならんことであり、私たちも詳しく検討いたしたいと思つておりますから、今まで私が申上げましたことについての国家地方警察当局のそれに対するところの御見解をば、口で言うのではなく、責任ある文書に基いてあなたのほうで十分御研究の結果、研究して見ようという言葉があつたと思つておりますが、十分御研究下さいまして、私の意見に対する返答を文書を以て一つ提出して頂きたいということを要求いたしておきます。  それから本法案につきましては、これも又先般来数度申上げておることでありますが、重大なる法案でありますから、我々は立法府の議員といたしまして、国民に十分納得されるような審議を完全に盡したいというのが我々の要求であります。そのためには政府においては、新聞記事によりますというと、本国会に本法案を提出するということが初め言われておりましたのが、後ほど本国会は会期余すところ幾らもないからして、次の国会に提案する運びになるだろうというところの新聞記事も出ておりまして、全く本国会に提出するかしないかということにつきましては、閣議においてもいろいろと意見の分裂があつたと思うのであります。結果から申しますというと、何としても提出期間と本国会の余すところ幾日もないところの審議期間とを睨み合せて見ますと、その審議期間がこの重大法案に対するところの十分なる審議の時間を持つておらんということは明白であると考えられるのであります。我々の友党といたしましての民主党の諸君から、内部的に今日民主党の本法案に対する修正案というものをもプリントにして頂いたのでありますが、参議院におけるところの審議の進捗の状況より推断いたしますというと、今日我々が、民主党の党議によつて決定したのかどうか知りませんが、お示しを願つたような結論的な修正案をここに出すというような段階にまでは達しておらないことは明白であると考えるのであります。民主党におきましては、これを衆議院を中心とするところの党の機関においてそういうことをおきめになつて来たのかと思いますけれども、少くとも参議院の民主党の地方行政委員の諸君は、岩木さんもおいでになられますが、岩木さん、竹中さんその他のかた……。又この委員会の審議はそういう段階には到達しておりません。その前に我々が立法府の議員といたしまして、十分にこれをまだまだ検討しなければならない段階をば経過して行かなければならないかと考えるのであります。例えて申しますならば、この法案についての重要なる要項の一つでありまする警察学校、警察大学等に在学するところの五千人の学生生徒は、これを定員外に置く、従来の定員外に置いて、その増員を図るということが一つの主要なる改正要項になつております。その警察官養成の機関でありまする警察学校内容、警察大学内容は、如何なる学科目が教えられているかどうか。昨日法務委員の一委員質問せられましたような、新憲法の精神に則つたところの民主主義の教育がそれらの警官に完全に行われているかどうか、そういうようなことは、どうしても我々はその警察学校に乘込んで、そうして学校の教育者から十分にこれを聽取し、又調査する機会を是非もらうのでなければ、その問題に対する我々の結論は生れて来ないと私は考えるのであります。そういうことも必要であります。それから又この改正案の重大なる要項といたしましては、町村警察でこれを廃止するところの要求を持つているものは、住民の投票によつて廃止を決定することができるということになつておることは、極めて重要なことであります。我々がそれに対するところの可否をきめるということの上には、ただ單に公聽会を開く、或いは自治体警察の代表者、或いは町村警察の全国的組織の代表者を一人か二人この委員会に呼び寄せまして、そうしてその意見を聞くというような調査では、私は大胆なる論断をここに下すということは実質的に不可能であると考えるのであります。それがためには我々がそういうことを現実的に要求いたしておりまするところの町村へ出張いたしまして、そうして何が故に折角新らしい警察制度によつて與えられたるところの民主警察をみずから放棄してしまうのであるか、それに対してはこの委員会においてたびたび論議せられましたような平衡交付金等による財政的な裏付が完全であつたかどうか、又財政的な援助に対して、これらの廃止を希望しているところの自治体警察がどういうような要求を持つておるかということ、或いは又その自治体警察において、これ又私がたびたび問題にいたしました新警察制度の基本的精神である、警察は住民の手によつて行われるところの警察でなければならない。即ち旧制度によるような押付けられたる、天降り的な中央集権的な警察でなくして、住民のすべてが巡査であるという民主主義的な精神に基く市民警察の精神の育成に対して、どれだけの努力をその自治体が今日までなして来たかというようなことも調べる必要があります。又形の上におきましては地域が狹い、或いは警官の数が非常に少いということのために、警察行政の能率が十分に発揮されておらないということが廃止希望の原因でありまするならば、それは附近の自治体警察が共同して、即ち組合警察を作つてつて行くならば、その弊害は除却することができるのではないか、又そういう組合警察の組織のために、その廃止を希望している自治体がどれだけの努力をしたかというようなことは、実地にこれを出張いたしまして、そうしてつぶさにその町村の当路者の真意を質して、一ヵ町村或いは二ヵ町村というようなことでなくして、相当多数の町村に対して本当に真相を把握することができるような詳細なる実地調査を行うのでなければ、軽々しく新警察制度の基本的な民主主義精神をば圧殺するような、そうした政府案の可否を決定するということは不可能であります。そのような手続を経ないで、ただ会期が余すところ幾日もないからというようなことで以て、これを提出したる政府の意を迎えて、これに迎合するがごとき態度をとつては、断じて立法府の議員として国民に相済まない結果を来たすと思うのであります。私はこの際どうしても警察学校を実地調査するということと共に、地方に出張いたしまして、そうして全員がそれぞれ手を分けて、自治体警察の廃止を希望している町村についての本当の誤りない真相をつかむという調査をするようにおきめを願いたいと思うのであります。そのためには或いは二十八日までの会期では到底これを審議を完了することは私はできないと思います。併し私がこのようなことを申しまするのは、あえてこれを否決しようとか、或いは廃案の審議未了にしてしまおうというような否定的な意味を以て申上げておるのでは断じてないことは先にも申上げた通りであります。飽くまでも審議を十分盡したいという建設的な立場から申上げておるのでありますから、私見を以ていたしますれば、これは本委員会及び本会議の議決を経まして、継続調査にいたしまして、次の国会で議定する運びにいたしたいと思います。伝えられるところによりまするというと、間もなく新国会が召集される運びであるということでありますから、幾らも私は時間のずれは来たさないと考えております。どうぞそのようにお運びを願いたいと思うのであります。即ち約言いたしまするならば、私の要求いたしますところは、名称を原語に符合したところの的確なる訳語に直すようにこの際したいということについての私の意見に対する当局者の意見、賛成であるか反対であるか、何が故に、如何なる理由に基いて賛成するのか、如何なる理由において反対するのであるかということを詳細に文書を以て一つ出して頂く、資料を出して頂きたいということ。第二には警察学校の実地調査。三には自治体警察廃止を希望しておりますところの町村警察についての出張の必要ということでございます。
  67. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今の吉川委員から御要求の資料は成るべく早くお出しを願います。
  68. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 吉川さんの御意見の中に自治体警察を廃止する町村を調査したらどうか、そうして調査のあとにこの法案を継続審議して、次回の国会にかけたらどうかというお話があつたのでありますが、弱小の自治体警察が廃止したいというようなことは、これは現在の警察制度がきまる直後から、或いは直前からたびたび弱小の町村会においてはしばしば決議もし、且つ又数次に亘るところの、町村会におきましても或いはその大会におきましても決議をしておるのでありまして、従つて今回の改正につきましては、すでにこれはそれをなし得る途を開くのでありまして、従つて弱小の自治警察であるからすべてこれを廃止するという法案ではないので、そういう要望に応えて、私はむしろ遅きに過ぎたのじやなかろうかと思われるのでありまして、そういう途を開くのでありまして、この点については改めて又調査する、或いはむしろ廃止を決議したところの町村がどういう状況になつておるかというので、この法案施行後に……、そういう本法案によつて実施された状況の視察ならいざ知らず、今更その調査の必要はないじやないかと思われるのであります。その他大体本法案につきましては、現在の弱小の地方団体から見ますれば、或いは応援に対する費用を国家で持つとかいうような、いわゆる窮乏せる地方自治体の財政を緩和する意味においても役立つ法案でありまして、私はむしろこれは速かに一つ率直に御審議をおやりになるということを要望する次第であります。
  69. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 私は自治体警察、町村警察の中で廃止を希望いたしておるところがある。又そういうことを請願したり陳情書を出しているところが多数あるということは、十分高橋さんのお話を待つまでもなく了承いたしておるのであります。ただ併しながら先に申しましたように、そういうことを要求いたしておるところの町村警察が、新警察法の精神である民主警察の意義を十分に体得しておるかどうか、又それから来るところの弊害を除却するところの方法については、財政的援助或いは組合制度の組織というような方法があるが、そういうようなことについて十分に手を打つておるかどうかということを併せ考えて行くところの必要があるということを申上げておるのであります。又高橋さんは久しく地方官をお勤めになりまして、参議院議員に当選しておいでになるまでは、聞くところによれば宮城県の副知事もしておられたのでありまするから、宮城県下におけるところのいろいろな町村行政の事情等については御承知になつておるかと思うのでありますが、我々地方行政委員といたしましては、言うまでもなく單なる地方吏員的な見解よりも、もつと総合的な、全面的な、日本の政治全体を如何に新憲法の精神に符合させて行くかというところの政治家的な見識、ステーツマンシツプの上に立つて個々の問題を考えて行かなければならんのであります。高橋さんはいろいろ現実の行政にもお携りになつたかたでありますが、併しながら地方行政委員のかたが、全部のかたが、そうした経験を持たない人も多数あるということを一面によく御理解を願いたいのでありまして、特に高橋さんはそのお一人でありますけれども、昨年の総選挙によつて新しく当選しておいでになりまして、新しくこの地方行政委員になられたかた等にありましては、この大きな警察制度の改正の問題についての、本当に自信あるところの決断をするということのためには、高橋さんには御必要がなくとも、いわゆる素人と申しましようか、実地行政についての執行者としての経験を持たないところの委員といたしましては必要があると考えるのであります。又私は自治体警察を、町村警察を廃止することがいけないという論断はいたしておらんのであります。いいか悪いかということをきめるのについては、十分なる実地調査をする必要があるということを申上げておるのであります。  なおこの機会にもう一つ附加えておきたいことは、言うまでもなく今日の国会におきまして、衆議院は自由党の絶対過半数によつて議席が占められておるということであります。でありますから自由党はその多数の力を以ていたしまするならば、どのようなことでもできる構成になつておりますが、そのときには一歩誤れば又非常なその多数党によるところの横暴といいますか、多数党のフアツシヨといいますか、それから来る弊害があるということも考えなければならんのでありまして、このような下院において絶対多数を占めておる政党が政権を取つておりまするときにおいてこそ、二院制度の機能は特に十分なる考慮に基いて本来の使命が発揮されなければならないときであります。この重大なる法案をば、ただ政府が喜ぶからというので以て十分の審議を盡さないで直ちに結論に入つて、そうして短時日の間に可否を決定してしまうということは、そうした事情からいたしましても、参議院議員として特に考慮を要することであると考えますので、町村警察廃止の要求が是であるか非であるかということをまだ私は申しておりません。その可否をきめるのに先立ちまして、全員が実地に調査をする必要が十分にあると考えます。特に新しく地方行政委員に昨年の選挙で当選しておいでになりまして就任せられましたかたには、この御要求は特に大なるものがあるのじやないかと私は考えますので、どうぞ昨日も申しましたように委員長は、下院を一政党が絶対過半数を占めて、如何なることも自由になすことができる現在にありまする国会の立場、参議院の立場を考慮せられまして、その所属せられるところの緑風会の平素固持せられるところの良識に基いて、参議院の二院制の職能発揮の点からも実地調査をし、そのために審議が遅れますならば継続調査をして、次の国会に結論を出すの方向へ努力せられるように、委員長にも私はお願い申上げている次第であります。
  70. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 問題は、今吉川さんの言われた点も私は御尤もの点もあると思うのですが、問題は、この修正案を政府がこの会期の短い国会に出されてその可決を求められんとするゆえんのものは、こうした制度を改正し、且つ警察力を充実し、その警察行政の政府の考えられる理想によらしめんとする方法が、非常に急くのか、或いはこの国会にどうしても仕上げて行かなければならないのであるかどうか。今吉川さんの言われるように、あえてこの国会に仕上げなくとも、続いて予想されるあとの国会において審議しても構わないということであるならば、私は吉川さんの御意見も御尤もで、そういう調査に行かれるということもよいが、今吉川さんの御意見を一本に主張しますと、結局この国会にこの法案審議ができないということになるわけであります。そこでこの国会にこれを仕上げないでもいいのか、仕上げなくちやどうしてもいかんと政府は考えられるか、先ずこの点についての政府の御意見を承わつて、そうして吉川さんの御意見が妥当であるか妥当でないか、仮に妥当であつても、止むを得ざるものであるかどうであるかというところなど我々御参考にいたしたいと思いますが、政府のこの際御所見をお伺いします。
  71. 大橋武夫

    ○國務大臣(大橋武夫君) この法案の提案につきまして、地方選挙その他の関係上、会期の僅かな最後の時期に提案するように相成りましたことは、政府といたしましても誠に恐縮に堪えないところでございます。ただなぜそう急いで御審議をお願いしなければならないかという点についての御質問でございまするが、すでに警察法改正につきましては、一昨年の平事件、広島事件、その他の事件を契機といたしまして、非常に何らかの手を打たなければならんではないか、ということが言われておりました。殊に昨年六月朝鮮動乱を契機といたしまして、国内の治安という問題が、決して国内だけの問題という観点から注意すべきばかりでなく、国際的ないろいろの事態と睨み合せて、できるだけ治安の万全を早い時期に完成するということが必要である。こういうふうに考えられるように相成つたのでございまして、警察法につきましては、政府といたしましても爾来改正につきましていろいろ調査、研究を急いでおつたのでございます。併しながら御承知のような実情でありまして、ひとり政府の独善的な見解のみによつてなすべきでなく、やはりこの運用に当りますところの自治体警察、或いは国家地方警察、こうした人人に完全に改正案趣旨を了解してもらつて、将来これが実現せられまする場合におきましては、完全にその改正趣旨を理解した、その理解に基いて協力をしてもらうという態勢が必要であると考えまして、いろいろそうした手続等をも進めておりまする間に、大変延び延びに相成つたのでございます。併し政府といたしましては、折角各方面と相談をいたしまして、そうしてこうした自信ある案を得ました以上、一日も速かにこれが実現を要求いたしまして、そうしてこれによつて国家治安の万全を期して参りたい、こう考えておるような次第でございます。殊にこの案の内容といたしておりまする事項が、これによつて直ちに効果を挙げ得るものもございまするが、併し国家地方警察の増員のごときものは、これが実現せられまして、そうして真に警察力の充実を得まするのには、準備期間といたしまして半年以上も必要である、又自治体警察の住民投票による廃止というようなことにつきましても、これを実施いたしまするにはやはり半年に近い準備期間が必要なのでございまして、さような点をも考え合せまするというと、一日も速かにこの案についての国会の確定的な御意思を得たい、こういうふうに考えておる次第でございます。さような実情を以ちまして、何とぞこの会期において御処理を頂きますることを衷心から切望に堪えない次第であります。
  72. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 政府の御趣旨はわかりましたが、そこでお尋ねいたしたいことは、今大橋法務総裁が言われました朝鮮事変及び各種の先般来のいろいろの事件等に鑑みて、警察力の充実ということが極めて緊急を要する。これに伴つて国警或いは自治警の連繋を強化して、警察行政のできるだけ円滑化を図りたいということが警察法改正の主なる要旨のように今了承いたしたのであります。但しそれ以外に、弱小町村の人民投票によつて国警に統合するもの、或いは最寄りの自警が組合警察をこさえることの可能性、その途を開くということが妥当であるかというこの問題は、現下緊急を要する問題の中にもウエイトがやや軽い、これは論理の上において、或いは警察行政の上において、イデオロギーの上において多少の議論はありまするが、警察法改正せんとする時局即応の緊急度の上においてもウエイトが軽い。そこで吉川さんは特に調査の御指摘の要点をここに置いておられる、弱小町村のこうした措置に対しての問題をつまびらかに調査するということを主として調査したらどうだということを主張しておつて、増員の問題は……、もとより警察学校その他の点にも増員の問題は関係しますが、基本的な主流の問題についての調査については強く御指摘しておられぬ。そこで吉川さんの御指摘しておられるような調査をするということは、全般的な問題のほうから見るウエイトは軽いと思うのであつて従つてその調査は政府が緊急に出そうという趣旨の車要点を指摘しておるのではないように見受けられまするから、若し吉川さんがそういう御主張をされるならば、この法案の本国会審議は極めて困難の状態になつて来る。こういう印象を受けますが、この辺の考え方についての調整を一つ御披瀝を願いたい。
  73. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 岩木さんは平素非常に尊敬する友人でありますが、先般来この法案審議委員会には余り御出席になつておられなかつたと思うのであります。でこの改正案内容等を御覽になりましても、民主党が主張せられるところの国内治安の確保ということにつきましては我々も全く賛成なのでありますが、直接的にそういうような国内治安の確保に即応したるところの、直接的に効果を與えるような内容は、大体においてこの改正案というものにそれほど内容を盛つておらんのです。殆んど……、ウエイトが自治体警察の廃止ということは軽いと言われますが、この改正案全体からいたしまするというと、非常にウエイトの重い主眼点の一つなのであります。そのほかに、然らばあなたがお考えになつておる朝鮮事変の突発等に即応しての国内治安の確保、例えて言うならば、共産党の奉勅であるとか、或いはそれに基くところのゼネラル・ストライキの発生であるとかいうような質のことには、この警察法改正はそれほど直接的に役立つようなものは、まあ何もないと言つてもいいようなものであつて、むしろあなたのそういうような今抽象的にお考えになつている問題の発生に対する対策といたしましては、その他の方法によつて私は治安が確保されるものだと思うのであります。それはそのためにできておりまするところの警察予備隊のごときものがそれに当るものでありまして、警察法はいうまでもなく自治体警察が終戰後の警察制度においては主眼になつておりまして、市民の警察であるということが主眼の精神でありまするから、そういう国家緊急の事態の発生というようなことにつきましての対策としては、警察予備隊の面において我々は考慮すべき問題であり、或いは海上保安庁の強化ということについて問題を考慮して行くべき問題でありまして、恐らく岩木さんがずつとこの委員会においでになつておりまして、この改正案内容をよく御検討になりましたならば、何も朝鮮事変が起つて、それから起つて来るところのいろいろな予想される社会不安というものに対しては……政府当局は成るほど自分の出した案が、今日出して明日可決されることを御希望になつていることでありましようけれども、そんなことをする必要は少しもないところの内容のこれは法案であります。法案の最も重要な点は、むしろ私は新警察制度の民主主義的精神を圧殺する方向へ持つて行こうとしている面があるということに非常な主眼点がある。それからその面からすればこの自治体警察、町村警察の廃止ということは、非常にこの改正案の重要なる点でありまして、あなたがお考えになつているところのものは、この中には殆んど直接的には入つていないということをどうぞ一つ御考慮願いまして、私が今申しましたようなことを御賛成願いたい。それから又あなたのほうからお出しになつているところの修正案につきましても十分私たちは協調して、友党として共同歩調をとりたいと考えているのでありますが、それに余すところ幾日もない短期間においては、とても我々は自信ある結論を得ることはできません。そんなに焦るところの必要は少しもありません。今これを改正したからといつて、すぐにあなたが今御心配になつているところに直接影響もなければ、これが遅れたからといつてそのためにあなたが御心配になつているところに逆行する、悪い結果は出て来るものでは決してありません。而も臨時国会はもう一、二カ月の間に開かれるのでありますから、地方選挙のために一カ月間の自然休会をした国会が、この重大な法案を愼重に審議をするということのために継続調査をするということを主張するということは、私は決して過ちのない正しい態度であると考えるのでありまして、今の岩木さんの御心配は私は該当しないと考えます。あなたに抗弁しているのではありませんからどうぞ一つ……。
  74. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 この自治体警察、民主警察というものを圧殺しているかどうかにつきましては、これは議論もありますし、私もこの改正案は、その点についてはあなたとやや意見を同一にするものも少くない。そこでそれは根本理念、論理でありまして、特に弱小町村の部面を調査するということは、それほど今の理念を仕上げる上に大きな要素となるかどうか。調査をするということは、しないよりましであることは言うまでもなし、又するのが適当であろうと思いますが、調査するならば、まだまだもつと調査する点があるし、或いは講和條約後の日本の警察行政のあり方、現在の国警、自治警のあり方につきましては、拔本的と申しますか、根本的な問題が当然私は生れて来る問題と思う。むしろ講和條約締結乃至はそれ以後において、現在の警察予備隊と関連されたる日本の警察法の拔本的な組替え、治安維持に関する民主警察の基本的あり方というものは根本的に建直さなければならないと思う。根本的に建直すときは遠からず来るのではないかという我々は予感を持つておるのであつて、特に弱小町村の分を大きなウエイトとして調査をするというために、調査の目的を特に強く主張するという、価値がないとは申しませんけれども、その価値が著しきものであるかどうか、よりよいことはわかりますけれども、この点については私はもう根本的に警察法というものを改正せにやならんという問題点から見て、その一部面だけの問題ではないと思いますので、それは後日に根本的な問題は讓るとして、この際はこの政府の提出された法律案を基準として、お互いの常識、お互いの見聞に基いて論議を進めて行くということのほうが適切でないかしらと思うのですが。
  75. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ちよつと皆さんにお諮りいたします。只今運輸委員会から参りまして、連合委員会を早速やりたいから、成るべくならば今日一日だけで連合委員会を終りにして頂きたいと、こういう申出がありました。それで一応この辺で今日は休憩をこの委員会はいたしまして、連合委員会にいたしたいと思います。
  76. 相馬助治

    ○相馬助治君 私は四日ほど前に同僚小笠原委員と連署を以て委員長に対して、本法案改正に伴つて実地調査の必要があろうと思うからして、そのようにお運び願いたいということを文書を以て差上げてございます。でこれは素朴な立場から眺めまして、現在の警察法改正されるべき段階に来ているということは私も認めるものでございます。ただ問題は、それがどのような内容に改善せられるべきかという問題と、もう一つは今度の改正が根本的改正であるかないかという問題でございます。只今岩木委員は、根本的なことはあとに讓つてとおつしやつたのでございまするが、先般法務総裁のお話を聞きまするというと、そのようなことは只今のところでは考えていない。こういう御見解でありまするので、特にこの警察制度の性格をどうきめるかということは、国の性格をどうきめるかということでございまするので、私どもとしてはこれに対して愼重を期さなければならんとするのが、実地調査をしなければならない第一点であります。而も具体的な問題としてなぜ実地調査を必要とするかという理由を一点申上げます。私どもに文書及び口頭を以ての全公連自警連の諸君からの提案は、只今政府より提案されたものに対して全面的反対であります。ところが先般五月十八日付を以て福岡県の自治体警察署に勤務する伊東という巡査より本委員長に宛まして請願が届いております。これを御覽になりまするとよくわかりまするように、このかたは自治体の警官でありまするが、今の政府原案を一日も早く通して成立をし、同時に弱小自治体を廃止することなくては治安は守り得ないと、極めて自信ある態度を持つて、而も具体的に実例を挙げてここに論断されております。こういたしまするというと、自治体警察の中におきましても明らかに対立した二つの意見がある。これは先般大阪の警視総監が意見を発表されましたときに、私は言葉鋭くその見解が一方的であることを指摘いたしまして、自治警察の中にも現在政府提案にかかる改正法を支持する人たちのあることを忘れてならないということを私は忠告を発したことを今思い出すのでありまするが、そのような事態において、私どもといたしましてはどうしても調べる必要がある。今度は法案の進捗状態から眺めて見まするというと、只今本院においては予備審査であります。而も衆議院が與党絶対多数でありまするので、参議院にその審査の如何ということが大きく国民の関心が集つておりますることをいち早く見て取りました政府部内においても、私どもを以てしまするならば、大橋法務総裁以下極めて熱心な態度を以てこの委員会には顏を出し、そうして論を進めんとする意図だけはこれは十分見て取れると思うのです。ところが実際問題としてこれは予備審査であります。そういたしましてこの委員会の各論議というものは、未だ公聽会も開かれていない。而も種種なる意味において我々が判断する資料が不十分であるというところを以て、やや最近においては堂々めぐりの傾向のあることは、委員である私自身も否定し得ないところでございます。そういたしまするというと、私どもといたしましては仮に大橋法務総裁が言うように、今会期中に是非とも上げなければならないとするならば、それもよかろう。その場合には会期を延長してもこの問題は審議しなければなるまいということに結論が落付くと思うのです。ともあれ私どもとしては、実体を把握することなくしてはかかる重要法案に対して最終的結論を與えることがすでに不可能であります。同時に社会党内部のことを一つ。私はこれは或る重大なる意味合いを持つことを恐れまして、個人的見解として申しましても、新聞は社会党は政府原案に対して真向から反対であるという態度を決定したと報じておりまするが、我が党の内部はそんな簡單なものではございません。具体的にどうなつているかこうなつているかということは、説明の限りではありませんが、特に参議院における地方行政委員で社会党を代表しておりまする我々四人は、愼重にこの問題に対応いたしまして、委員会が終るというと常に打合せをいたしまして、最も妥当なる結論を得ることに努力しておるのであります。その場合においても、我々として極めて自信を持ち得ないことは、現在の国情からして警察を能率化するためにこの改正法案が提案されたということを一応認めるといたしましても、民意を最も正直に忠実に代表しなければならない我々としては、民意がいずこにあるのであるかということを未だ的確にはつかみ得ないのであります。而も私どもが今日極めて問題であると思つておりますることは、最近に至りまするというと、自警連の代表者諸君という者が、この委員会においても余り率直大胆なる意見を発表しない状態になつております。  それでは諦めたのかと申しますれば、いろいろな具体的実例に徴して見まするというと、左にあらず、いろいろ政治的含みがあつて、この曾つての大阪の警視総監のような大胆率直なる議論が開陳されないだけにとどまつて、これは内部で何と申しまするか、適当な表現の言葉を知らないのでありますが、うずいているというような状態であろうと思うのであります。  従いましてそのような幾つかの点に鑑みまして、先般同僚小笠原委員と共に不肖相馬が、文書を以て委員長に対して提案いたしました通り、是非ともこの予備審査の段階において実地調査をして頂きたい。そういう機会を與えて頂きたいと思います。  最後に附加えたいことは、会期切迫の今日において、実地調査をしなければならないというような発言をしなければならない、この状態は極めて不幸なるものであり、かかる動議を提出しなければならん現状を極めて遺憾とするものでありまするが、あえて本法案が極めて重大であるという観点に立ち、而も又妥当なる結論を得るために是非とも私どもの要求を委員長においてはよろしく取上げられて、委員にお諮りを願いたいということをお願いしてやまない次第でございます。
  77. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 相馬君に申上げますが、その文書は受取つていないのですが……。
  78. 相馬助治

    ○相馬助治君 それは渡したでしよう。ボートレースを出て来るときに渡したでしよう。(「休憩しましよう」と呼ぶ者あり)
  79. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今の休憩の御意見に対しましては私反対であります。私はこういう動議が出たことは、ややもすると党利党略に立つて、何らか作意するものがおるのではないかということを考えられるかも知れない。そういうときに休憩などをして、そして今後こういう問題から尾を引いていろいろの論議が行われるということは、私はこの法案の超党派的な、治安確保なり或いは憲法に副う基本的な地方自治法の問題なりを含む法案において不適当であると考えるのでありまして、この発議が否決されようと賛成されようと、私は即決こういうことは技術的に進めて頂きたいと思います。よつて私は休憩には反対いたしまして、直ちに採決その他正当な手続を以て処理せられることを望みます。
  80. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 委員長、この際先ほど吉川さんから言われた、調査をしたいということの提案なんですが、御意見は、その調査をしようという点はどういう点を特に調査しようという御趣旨であるのか、反対とか賛成とかは別ですよ、その辺をもう一度明らかにして頂きたい。
  81. 安井謙

    ○安井謙君 只今までいろいろと各委員のかたからこの問題の扱い方について非常に重要な提案がなされておる。これも内容からいえば非常に御尤もの御議論があると思いますが、これは委員会自体の運行の問題であろう、本日のこの委員会は、政府に対する質問をする趣旨でもあつたのでありますし、又いろいろな時間の関係もあると思いますから、いま少しこの関係委員自体で検討する余裕を與えて頂きまして、本会は休憩することに賛成いたします。
  82. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 自由党さんのほうでそういう御理解あるお取計いであれば、私たち何も申上げることはないのでありまして、然る場合に、明日、明後日で会期切れになるというような頃にこの問題が諮られましても、会期切れになるところであるから、この際この法案も審査をすることにして、地方出張はやめましようという、会期問題等を理由としないという前提であるならば、私は今日ここで採決の必要を認めず、後日においてこの問題を論議するということについては賛成いたします。ただその土壇場になつて来ていろいろそういうことを以てその理由の大きなるものとして論議をすることについては、私は迷惑であります。この点ははつきり申上げております。この点がはつきりしないと明朗に行かんわけなんでして……。
  83. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 私ちよつと申上げますが、吉川さんの先ほどのお話は、一つの御意見のようであつて、こういうこともしなければいけないという、何だか中心がわかつたようなわからないような御意見であつたと思う。ところが、今にして見ると、動議のごとき形になりつつある。然らばおよそどの点をどう調査して、どういうことをやるべきだという具体的なことを一応社会党のかたから承わつてから検討いたしたいと思います。
  84. 相馬助治

    ○相馬助治君 文書で出してある。
  85. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 皆さんに申上げますが、この問題は各党派重大問題だと思います。それで各会派にも諮らなければならん問題でありますから、今日はこの辺で休憩いたしまして、連合委員会に参りたいと思います。
  86. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ほどそういうふうに委員長がお諮りになりますれば、私ははつきりわかるのです。ところが次に何とか会が控えているからこの辺で休憩したいと思うというのでは、これは今後に問題を残すのでありますから、堂々と、会派に諮る重要な案件であれば、オープンに私はおやりを願いたいと思います。休憩に賛成いたします。
  87. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 党利党略的な立場で決して申上げておるのではありませんし、又私の平素の言動から考えても十分御理解願えると思うのです。私は同僚議員の一人として新らしく出て来られたかたにそういう要求が随分あると思うのです。そうしてそういう点も十分お含みを願つて、決して我々がこれを否決するとか廃案にするとかいう意思は持つておらず、継続調査にして、早急できるだけ早く議決したいということを考えておる真意に鑑みまして、どうぞ我々の意のあるところを自由党の諸君もお汲み取り頂くようにお願いいたします。
  88. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            堀  末治君            吉川末次郎君            竹中 七郎君    委員            岩沢 忠恭君            安井  謙君            高橋進太郎君           小笠原二三男君            相馬 助治君            中田 吉雄君            西郷吉之助君            岩木 哲夫君   衆議院議員            野村專太郎君   国務大臣    法 務 総 裁 大橋 武夫君   政府委員    国家地方警察本    部長官     斎藤  昇君    地方自治庁政務    次官      小野  哲君   事務局側    常任委員会專門    員       福永與一郎君    常任委員会專門    員       武井 群嗣君   説明員    総理府事務官  角田禮次郎君   参考人    東京都副知事  春  彦一君