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1951-05-15 第10回国会 参議院 地方行政委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月十五日(火曜日)    午後二時十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○遺失物法の一部を改正する法律案  (衆議院提出) ○警察法の一部を改正する法律案(内  閣送付)   —————————————
  2. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。  本日は遺失物法の一部を改正する法律案の審議を続行いたします。本審査でございます。御質疑ございませんか。……それでは政府にお尋ねしておきますが、この法律案につきましては、これは大蔵省その他ともよく協議を遂げられて、これに御賛成になる意味でありますか。この点伺つておきます。
  3. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 遺失物法の一部を改正する法律案衆議院から御提案になりましたが、政府といたしましては、この法案の意図せられております点につきましては、関係各省とも事前に連絡をいたしたのであります。いずれもかねて政府としても希望いたしておりました点であります。何ら異存はございません。むしろ速かに御議決を頂けることを希望いたす次第でございます。
  4. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御発言はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 別に御発言もございませんようですから、質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。それでこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御意見もないようでありますから、度論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。遺失物法の一部を改正する法律案について採決いたします。本法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔総員挙手
  8. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決されました。なお本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第四條によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これを委員長において本法案内容、本委員会における質疑応答要旨討論要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。なお本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告につき、多数意見者署名を附することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。  多数意見者署名     堀  末治  高橋進太郎     安井  謙  石村 幸作     石川 清一 小笠原二三男     鈴木 直人  竹中 七郎     吉川末次郎  相馬 助治
  10. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御署名漏れはございませんか……。御署名漏れはないと認めます。   —————————————
  11. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 次に警察法の一部を改正する法律案予備審査を行います。  昨日法務委員会との連合委員会におきまして、国務大臣並びに政府委員から説明を聴取いたしました。御質疑をお願いいたします。
  12. 相馬助治

    相馬助治君 総括的な質問をしたいために、法務総裁が出席するまで休憩いたしたいと思います
  13. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではそれまでにお諮りをいたします。昨日お諮りをいたしまして、公聴会を開くことに相成りました。それでその公述人及び期日につきまして、委員長並びに理事で打合せをいたしまして、案をきめまして、そして皆様にお諮りすることにいたしました。それで先ほど竹中理事は御不在でございましたが、吉川理事堀理事その他そこにお集まりのかたがたと御相談をいたしまして次のような案にいたしました。御報告いたします。自警連代表一名、自公連代表二名、これは一名は市側から、一名は町村側から出す、府県公安委員会連合会代表が一名、知事代表一名、但し知事代表は成るべくいつも出られる東京都以外から、それから府県議会代表一名、市長代表一名、市議会代表一名、町村長代表一名、これは自治体警察を有する町村から出てもらいます。町村議会代表一名、これは自治体警察を有しない町村から出てもらう、以上につきまして、この委員会によく代表として出られる人をなるべく避けまして、そうして出てもらうということにいたしたいと思います。それから学識経験者といたしまして、東大教授田中一郎君、同教授鵜飼信成君、京都大学教授須貝脩一君、同志社大学教授田畑忍君、それから士屋正三君、それから弁護士から一名、これは法務委員会意見も聞きましてきめたいと思います。新聞界はよく朝日、毎日からおいでを願いますから、今回は読売と東京から出て頂く、それから実業界から一名、これは経団連から出してもらう、それから労働者側一名、これは総評から出してもらう、一般応募者は二名、合計二十二名でございます。なお期日は二十三日及び二十四日午前十時からということにいたしたいと思います。右案につきまして御意見ございませんか……。それではさように決定することに御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではさように決定をいたします。
  15. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 法務総裁が来られるまでの間……、警察法改正法案について資料提出について、昨日中田委員からも御請求がありましたが、私は初まりからずつとこの委員会委員をしておりますので、警察法が制定されましたときにも、当時多数の資料を受取りまして散逸しておりますが、ともかく私は受取つておるのでありますが、併しあれは、その後新らしく委員におなりになつたかたは警察法制定当時に政府側から配付しました有要な資料を御入手になつていらつしやらないかたも相当あると思いますので、それについて国家地方警察のほうで配付し得られるところの一切の資料一つ配付できるものだけ各委員配付なつて頂きたい。例えば齋藤長官の隣にいられる加藤君が当時企画課長つたと思いますが、警察法の解説という本を書いていられます。それから武藤部長から個人的に私は入手したのでありますが、アメリカのFBIですか、あれのパンフレツトを皆さんに配られておりますが、アメリカ新聞記者が書いた少し部厚小説体に書かれておる本があります。この間から読んでおりますが大変興味のある本で、できれば全部のかたにあれを一つ配付願いたいと思います。それから警察法制定の当時に、警保局つたと思いますが、政府側から配付された日本警察制度を調査に来ましたニユーヨークの警視総監でありますか、そういう地位にあつた人のいろいろな報告書ようなものを当時大分入手しました。それから当時の内務省の警保局から警察制度改正資料として数部の書冊を受取つております。それは警察法逐條解説よう、なものもあつたかと思いますが、中にアメリカ警察というか、或いはアメリカ州警察というか、そういうものが五、六部あつたと思いますから、ああいうものもこの際、私も散逸して失つておるものもありますし、できるだけ各位に御配付願いたいと思います。
  16. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今吉川委員から資料提出の御要求がございましたが、それは国警のほうで揃いますか。
  17. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 今お挙げになりました資料の中で、手に入るものもあるかと思いますが、中には調査して見ないと何ともわからないものもあります。帰つて調査した上で提出するようにいたします。
  18. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 それからこの新らしい警察法が制定される基礎になりましたのは、マツカーサー元帥片山首相に対する書簡というのが基本になつておるのでありますが、それからマツカーサー元帥がこれについてステートメントを出しておられますが、そういうものも頂いておるかも知れませんが、これはこの際是非皆様にお見せしたいと思いますから、何か我々が今まで入手しております中にありましたら結構ですが、若しなければ一つお願いいたします。
  19. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今吉川委員から御要求のありました資料につきましては、成るべく至急に取揃えて頂いて、ないものは仕方がありませんが、御提出願いたいと思います
  20. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 逐次これから提案理由について、御説明のあつた点に関しまして質問したいと思うのでありまするが、先ず昨日の提案理由説明におきまして、今回の警察法の一部を改正する法律案が出た根本的な趣旨としまして、現下治安実情に鑑みこの際警察力強化し、その上更に能率化したいということが根本趣旨であつたように承わつておりまするが、過般来非公式には治安状況については承わつた点もあるのでありまするが、その当時の警察強化のための人員の増員、その他から見ますと、非常に考え方が違つて来ておるような面もありますので、これらは当時の治安状況と又考え直さるべき状態が起つておるのかどうか、この点はつきりしたところがわかりませんので、先ず私は現下国内における治安状況について詳細な御説明を願いたいと思うのであります。
  21. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 国内治安状況につきまして三月に御説明申上げましたその当時と違いはございません。
  22. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その当時と違わないということでありますと、最近吉田総理或いは法務総裁等車中談で発表しておるところによると、治安については何ら心配する点はないことを再三言明せられておるのでありますが、そういうときにこうした理由を以て今回の警察法を一部改正するということについては、いささかその趣意から考えますと我々として納得できない点もあるので、その点についてこの警察法を一部改正しなければならんというこの現下治安状況変化について、総理或いは法務総裁心配がないと言われている点とどういう関連があるか御説明を願いたい。
  23. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 治安の問題につきまして、総理からも現在心配ないと、こういう言明がいろいろなされておつた事実はございます。これが特に共産党を中心といたしました問題につきましてその暴発というような慮れが近く予想されてもおらんし、又そういう企図がありましても、それが効果的な程度まで達する見込はなかろう、こういう見当を付けておるわけでございまして、そういう意味において国内治安は万全であるという趣旨を述べられておるわけであります。今回の警察制度改正という問題は、現在のみならず更に将来のことにつきましてもできるだけ警察の機能というものを能率的にいたしたい、こういう考えから改正案を立案いたしたわけであります。
  24. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 昨日の提案理由説明、或いは配付なつておるこの理由説明書においては、どう私がこの文書を読んで見ましても、治安実情に鑑みての警察力強化運営能率化という問題が根本であるというように読み取れるのでありまして、しつこいようでありますが、その点が我々に納得できるようにはつきりいたしませんと、一般組織上の問題、警察制度の問題としてのみこの問題を考えられる慮れがあるのでありますから、重ねてその点お伺いしたいのであります。これ以上御答弁がないということであれば、それでも結構でありまするが、一つもう一度御説明を願いたいと思います。
  25. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 警察対象となりまする治安の面につきまして、特に三月以後に格別な変化というものを認めておるわけではございませんが、併し現下治安実情というものを仔細に検討いたして見まするというと、表面的には非常に心配ないよう状態であり、又国内的ないろいろな事柄等考え併わせますというと、そう差当つて心配しなければならん事柄はないと、こう考えておるのでありますが、御承知ように今日朝鮮動乱以来、非常に大陸におきまするいろいろな動きというものが又国内治安にいろいろな影響を及ぼすというよう関係もございまするし、政府といたしましては、現在の治安というものはひとり現在の国内実情というもののみではなく、そういつた国際的な影響というものも含めて考えておるわけでございます。さようなる意味合いにおきまして、警察力をできるだけ強化するということはこの際において極めて必要な事柄であると、そういう考えを持つております。
  26. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますならば、今回警察法の一部改正法案リツジウエイ司令官声明によつて、各種の政令中心とする問題が再検討せられるということになつておるのでありまするが、そのほうに讓るべき問題だと言われればそれまでのことでありますけれども、この治安維持強化のためにマ書簡による警察予備隊というものが持たれることになつておる経過的な状況については我々も伺つてつたのでありますが、この問題と切離されて今回警察法一部改正というものが、この国家地方警察並びに自治体警察強化運営ということで維持せられるという考え方のみを以てして法案提出を見たことは、我々どうも納得できない点がある。いわゆる警察予備隊なるものと関連し、総合的に警察力と一言にして申しますならば、その警察力如何ということが、今後の治安の問題について我々検討しなくちやならん問題であろうかと思うのでありますが、この点についてついでですから、然らば現在の警察予備隊を以てして、この現下治安維持或いは将来においてこれが維持についての御所見というものを伺いたいし、又現下警察予備隊状況についても、この際最近の状況について伺つて、この改正法案審査の参考にしたいと考えます。この二点お伺いいたします。
  27. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 警察予備隊は昨年中に第一期の訓練を終つたわけであります。第一期の訓練と申しますのは、主として個人訓練と申しますか、そういつたものが中心なつております。一月以降第二期の訓練に入つております。これは部隊行動というものを主とした訓練でございます。で現在予備隊管区総監部、総隊総監部というのが、これが警察予備隊部隊の全体を統轄する司令部的なものであります。その統轄の下に全国四つ管区総監部というものを設けております。これは大体隊員数が各隊とも一万四、五千程度に相成つております。この四つの隊を管区隊と申しておりますが、この下に連隊を設けて、連隊の中に大隊、中隊、こういうふうになつております。この部隊編成につきましては、先月を以ちまして正規の編成を終つたような次第であります。現在全国にそれぞれ系統つた組織の下に編成することになつております。こういう状況でございます。装備につきましては、全員に対しましてカーバイン小銃を与えております。このほか若干の軽機関銃を備えておりますという状況であります。この警察予備隊というものは、主として実力行使ということが主眼となつた警察装備でございます。これは又装備の性質上、平生に出動するというようなものではございませんで、非常な暴動、そういつた場合におきまして、通常警察力を以て処理できないようなそういう場合に出動するということを使命といたしております。従いまして警察力強化拡充という問題につきましては、警察法において特に問題といたしておりますのは、平生通常にあるところの警察対象というものに対しましてこれを処理して行く、それについて如何にすれば能率的な運営が可能であるかというふうな見地から立案されている次第でありまして、警察法改正は、従いましてこれは通常警察力に関するものでございまして、それ自体において特別に存在する価値がある、こういう考えを持つているのであります。もとよりその全体につきましては絶えず有機的な関連というものを考えなければならないことは、これは当然でございます。併し警察制度改正というものは、通常警察力の運用と、それを如何にすれば能率的であるか、こういう点から立案したわけであります。
  28. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、将来リツジウエイ司令官声明に基く諸政令の再検討、或いは講和直前になりますか、講和後になりますか知りませんが、そういう日本自生権が回復せられたという状態が来ました場合には、警察予備隊が国会において法律化せられるという時期が当然来るのではないか、又来なくちやならんと考えるのですが、そういう場合には、それは警察法とは分離された単行法として考えられるものでしようか、それとも警察法の一部に警察予備隊の問題が取上げられる、そういう体系になるでありましようか、この際法務総裁伺つて置きたいのでありまするが……。  第二には、関連しまして、最近のアメリカにおけるマツカーサー元帥解任の問題を中心とする証言問題が起つて、そうしてアメリカ側から来まする外国電報新聞記事に報道せられるというような場合に、自衛権中心としていわゆる軍隊となる骨幹は、現在の警察予備隊であるというような報道がよくあるのでありまするが、この点につきまして政府側ではどういうお考えを持つておられまするか、お伺いして置きたい。
  29. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 先ず法制的な問題といたしまして、警察予備隊に関する法規が、講和後においてどういう形になるかという点の御質問でございます。実は現在いろいろな、いわゆるポツダム政令というものができておりまして、これらは現在それぞれの根拠に基きまして、法律と同等の効力を持つておるものが多数あるわけでございます。これが講和後におきまして、如何なる取扱をするかということにつきましては、政府といたしましては、まだ方針として定めておらないわけであります。これは現在ポツダム政令としてあるものが、講和後になつたならば当然法律を要する事項は法律を以て規定しなければならないかどうかということについての、法律的な問題もあるわけでございまして、これにつきましては一方におきましては、ポツダム政令根拠なつておりまする緊急勅令というものが当然講和後においては効力を失いまするから、その効力を失つたところの緊急勅令に基いて出ておるポツダム政令というものは当然これは効力を失うべきではないか、かよう法律論を主張されるかたがあるわけであります。併し一般的な説明といたしましては、そのポツダム政令というものが公布されました時期において、適法な法律上の根拠に基いて、適法に一旦成立いたしました以上は、その根拠法効力を失いましてもでき上つたポツダム政令というものは引続き特別の措置がない以上は、従来と同じ有効に存続すべきものである、こういう説もあるわけであります。この説のいずれをとるかということによつて、第一に取扱として変つて来る。又仮に緊急勅令効力を失いましたのちにおいて、ポツダム政令が引続き効力を存続するという考えをとりました場合におきまして、これは法律的必要という意味ではなく、どちらが実際的であるかという便宜論の立場からいたしまして、その場合において従来のポツダム政令そのままの形で通用させていいではないか、又それで差支えなかろう、こういう意見と、併しその際においてはむしろ法律の形に直す、そしてこれは引続き法律として効力があるのだということを、解釈と申しますか、或いははつきりすると申しますか、そういう意味において法律にする手続をとることが適当ではないか、こういう二通りの見解に分れておるわけであります。この問題はいずれ政府といたしましては、ポツダム政令全体に関連する問題でございまするから、いずれの立場によつていずれの措置をとるかということを確定しなければならん問題でありまするが、現在のところなおまだこの問題は研究中に属しておるわけであります。そういう次第でありまして、この場合におきまして法律にするかどうかということはまだきまつておりません。仮に法律にいたすという場合において、これと警察法とどういう形で作り上げて行くかという御質問の点になつて来るわけでありますが、これは現在の法規におきまして、すでに御承知よう警察法警察予備隊令というものがそれぞれ別個法規として、別個体系としてできております。これを互いに関連ある事柄であるという意味において、統一的な法典に編纂するということもこれはやつて行けないということは無論ございません。又、やつたことによつて相当便宜な場合もあろう、こう思うのでありますが、併しながら大体現在の日本のいろいろな法規といたしましては、同じ治安に関する法規にいたしましても、警察法一本に全部まとまつておるわけじやございません。又実際警察と同じような作用を規定いたしました法規におきましても、警察法のほかに、例えば麻薬取締でありまするとか、或いはその他特別警法或い鉄道公安といつたような、実際は警察的な行為でありながら他の法規規定を委ねたものもあるわけでありまして、これをどういうふうにすることがいいかということは、理論の問題にあらずして恐らく実際上の便宜の問題である、かよう考えるわけであります。それで現在普通警察というものは、御承知通り国家警察並びに自治警察共公安委員会という機関によつて運営されるということになつております。これに対しまして警察予備隊のほうは、警察予備隊法規というものによつて運営することに相成つておりまするので、関係機関もそれぞれ別々に相成つておりまするからして、必ずしもこれを一本にしなければならん、或いは又そのほうが便利であるとは限らないのであります。むしろ行政機関が違いまするからして、それぞれ別個規定をいたしておくということが、却つてその相互の関係をはつきりするという意味においても適当ではないかという考え方もあり得るわけであります。で、只今申上げましたようないろいろな点からいろいろな見解が成立ち得るわけでございまするが、政府といたしましては、これらの問題につきましてはまだ相当時日もある次第でありますので、十分に研究をいたして、そうして実際上最も便宜な形にいたして参りたい、こういうふうに考える次第でございまして、どういうふうにするかということについて只今申上げる段階にはなつておらないということをどうぞ御了承願います。  それから第二の御質問の点は、マツカーサー元帥アメリカ連邦議会におきまする証言内容といたされまして、現在の警察予備隊地上部隊に改編することができるのではないか、こういうような御趣旨証言をしておられます。このことを指して御質問になつたと思います。成るほど現在の警察予備隊は、その部隊編成の原理とか或いは部隊の指揮の系統とか或いは編成内容、そういつたようなものから考えますると、これを軍隊に改編する、地上軍に改編するということは、これは無論可能なことであると考えられます。併しそれには装備の問題もありまするし、又実際入つて来ておりまする隊員個々の精神的な心がまえとかいうような問題もありまするし、又建前の問題というものもあるわけでありまして、成るほど改編することは可能であるということは、これは物理的には確かに可能でございまするが、直ちにこのまま地上軍に改編する場合に、現在の人員が現在の形でそのまま地上軍としてできるかどうかということになりますと、なお十分に検討を要する問題がある、こう考えております。併しその検討いたしましたる後において、仮に可能であるという結論は出て来る場合もあるかも知れませんが、併しそれにいたしましても、現在の内閣といたしましては、これをいわゆる地上軍に改編するという意図を現在持つておるものでもございません。又さような志望も持つておるものではありません。又無論そういう計画を持つておるものではないのでありまして、これはただ可能か不可能かという一つの抽象的な問題としてマツカーサー元帥証言されたのではなかろうか、こう考える次第でございます。
  30. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では次に、この提案理由説明で伺いますと、治案の問題を考えた際には、中央集権的な警察権を結集するという方向が窺われるのでありますし、又他面自治体警察そのもの強化推進しなくちやいかん、こういうことも窺われるのでありまするが、而もこのことは立案の過程に当つて国家地方警察側自治体警察側と幾多の論争があつた点でありまして、それを法務総裁がいろいろ調整をせられて一本の警察法の一部改正法律案まで漕ぎつけた、こういうことを我々十分承知しておるのでありまするし、非公式には再三その状況も技術的な問題としては伺つたのでありまするが、さてそういう過程において調整をするという場合におきましても、法務総裁の考としましては、警察法ができました際のその当時の警察制度の新らしい精神というものは根本的にこれは変つておらない立場で考えられたのか、変つた部分があるのか、その点について卒直に解明願いたし、第二の問題としましては、治安の問題から考えれば、中央集権的な警察行政であることが望ましい、併し新らしい警察制度の精神からいえば、飽くまでも地方分権でありたい、こういう点は今回の法案で具体的にどういうふうにこれを調整がとられたものであるか、この点御指摘を願つておきたい。
  31. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 誠に御尤もな御質問でございます。今回の警察法改正根本的な理念といたしましては、先般提案説明の中におきましても申上げましたる通り、現行警察法の基本的精神でありますところの警察の民主化、従つて又その裏付けといたしまして中央集権的な従来の警察国家的な警察制度を廃棄いたしまして、地方分権というものを警察の上に織り込んで行く、この考え方、これは飽くまでも維持すべきものである、そういう考え方の上にこの案を立案いたしたわけでございます。で、御質問の中にも御指摘になりました通り、現在の警察制度の上から申しまして非常に困難なる問題は、一面におきまして只今申上げましたる民主化のための地方分権、このことはこれは飽くまでもやつて参りまするというその半面におきまして非常に小さな単位の自治体警察を多数作る、こういうことになるわけであります。この小さな自治体警察、たとえて申しますると、十名乃至二十名、或いは三十名くらいの警察官しか持つていないよう自治体警察、かよう自治体警察を取上げて考えまするというと、これもやはり一つの独立の警察単位でございまするからして、如何に小さくともやはりそこには整理のための人員、或いは全体の指揮者であるところの警察長或いは警察署長、それから庶務的な人員、こういつた実際には警察隊長に対して働きかけるところの第一線の警察力のほかに、警察制度全体から見ますというと、何と言いますか、対内的と申しますか、或いは家事的と申しますか、この内輪に使われておる人員である。これは警察官の総数大小如何にかかわらず最小限度というものは、最小単位の警察においても必要なのでございまして、これはそれだけ、つまりさような小さい単位の警察をたくさん作るということは、それだけその方面に割かれるところの人員なり経費なりというものが、集約せられて、それだけ大きくなる。このことは警察運営の上から見ますと明らかに一つの不経済ということになるわけであります。又単位の小さいということから、自然分業におきましても完全な分業を行うということが困難になります。従つて又十分な装備なり施設なりを備えるということも不完全になるのでありまして、かような点から申しまして、どうしても小さい単位の警察というものは、これを能率的に運営する上からいつて、困難がそれだけ大きくなるということは当然であろうと思います。かように能率の点、並びに経済の点から言いますと、地方分権を非常に推進めまして、極く小さい単位の警察がたくさんできて行くということは好しくないことになるのであります。そうかといつて大きな警察で中央集権をやることは民主警察という上からいつて好しくない。この二つの一見矛盾した原理を調整して行くというところに、今日の警察法改正についてのいろいろな問題が派生いたして参る、こう思うのであります。ところで今回の改正案におきまして、これは少くとも私どもの立案に当つての基本的の考え方といたしましては、警察制度の民主化という意味において地方分権の原則というものはできるだけこれを守るべきである。そしてそれがためにはできるだけ、殊に小さな自治体警察に伴うところの能率上、或いは経済上のいろいろな欠格をでさるだけ除くということが自治体警察強化する、従つて自治体警察強化ということが又警察の地方分権を発達させるゆえんでございますからして、そういう意味からいつて、小さい自治体警察の能率なり経済性なりの足りないところをできるだけ補いを付けるという方法を講じて、これによつて小さい自治体警察の欠陷をできるだけ是正するということは、地方自治体警察を力付けることでもあり、又それによつて地方分権に伴いやすいいろいろの警察経営上の欠陷を是正することでありますから、それが同時に地方分権をできるだけ延ばして行くゆえんであります。こういうよう考え方の下にできるだけ小さい自治体警察に対しまして、これが能率的運営の可能になるような方法を考える、この措置といたしましては、もとより警察法改正以外におきまして、或いは財政交付金の上におきます警察費に対する予算を増加する、或いは又小さな自治体警察に相当優秀な人員を集め得るような人事行政上の工夫を加えて行くとかといつた点もあろうと思いますが、併し警察法の範囲におきましては、公安委員会の公安委員の資格を緩和するとか、或いは又国家地方警察が必要の場合におきましては応援を求められて、その応援の際の費用を国庫が負担する、これによつて応援を要求することを容易ならしめるわけでございまして、これは同時に小自治体警察の力をそれだけ強からしめるゆえんであります。又都道府県知事の要求によりまして、或る治安上重大な案件につきまして止むを得ざる必要のありまする際においては、国家地方警察がそこに活動をするというような制度を認めることによりまして、小自治体警察のかような欠陷の補いを付ける、こういうような方法も講じてあるわけであります、考え方といたしましては、一面においてこれらの事柄は地方自治体警察の権限の一部を国家警察が奪つておるというふうにも言えるかも知れませんが、併し私どもの考え方といたしましては、これらはいずれも小自治体警察が存続をいたして行く上においては、小自治体警察に免れがたいところの能率上或いは経済上のいろいろな問題がありまして、それはかような方法を以てしなければ簡単な解決の方法は他にないのである、かような解決方法を講ずることによつて自治体警察の欠陷を補うということは、これによつて現在地方によりましては、多少厄介視されている、言葉は必ずしも適当ではないかも知れませんが、そういつたような感じさえある。その自治体警察というものも真に治安上の心要に適合したような、そうした自治体警察ならしめるものでありまするから、かよう意味におきまして、これが即ち自治体警察、小自治体警察の助成、育成の一方法である、これは地方分権の線に沿うものである、これ以外には現在の自治体警察運営上適切な措置はなかろう、こういうふうに考えているわけでありまして、根本的な考え方といたしましては、地方自治体警察の権限を奪つてこれを国家警察に与える、いわゆる中央集権化を図る、そういうようなことは、私どもの考え方とはむしろ逆のものでございまして、この点について御了解を願いたいと、かように存ずる次第でございます。
  32. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これからお尋ねすることは細かいことになつてしつこいようでありまするから、今後の長い審査の間に御質問申上げたいんですが、今の御答弁を裏付けるために卒直にもう一度お伺いしますが、そうしますと新らしい警察制度の精神、本質から考えます場合には、現行法における規模の自治体警察というものは何ら廃止する必要がない、こう考えてよろしゆうございますか。
  33. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 原則的には現在の自治体警察を廃止するという考え方はないのでありますが、ただ現在の町村警察というものは、御承知の通り如何にも規模が小そうございます。そしてこれを能率的に運営するために強化いたしまするには、装備の点或いはいろいろ人事行政の面、いろいろな面おいてよほど工夫をしなければならない。殊に小さな単位が多数ありまするので、大きな単位の場合におきましては簡単に解決できる問題が、車輪、自動車を一つ備えるという簡単なことを考えましても非常に困難な事柄なのであります。それで経済性という面だけから申しますというと、確かに警察はもつと大きな単位のものにして行くということが、そういつた面からいえば有利であることは申すまでもないんであります。併しながら御承知ように中央集権というよう考え方をできるだけ活かすという意味におきましては、地方民が希望する場合において、現在の自治体警察というものを、たとえ単位が小さいからと言つてやめるということは必ずしも適当ではない。併しいろいろな関係を統合されまして、地方自治体の、地方民が多数の意見としてこれを廃止して国警に依頼するという御希望のありまする場合におきましては、而も将来希望があれば復活できるという條件の下にこれを国家警察に肩代りする。このことは必ずしも警察の民生化を根本的に傷付けるというものではなかろう、こう考えております。
  34. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、原則としては、現行法通りに置くということが望ましいという趣旨でこの改正法案が出ているのでしようか。それとも置かないということが原則で、自由に置き得るという考え方が強い改正法案でありましようか、この点伺つておきたい。
  35. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 市につきましては、如何なる場合においても置くべきものである。こういう点は申すまでもないことであります。町村につきましては、置くのが本来の建前であります。併し経済性或いは能率、こういつた点から、地方民が希望をする場合においては廃止をしても差支えない、こういう考え方でございます。
  36. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、地方自治体警察が存続するのは非常に困る、こういう一般の輿論というものは、すべてこれは財政的負担に耐え得ないという問題が根本問題であつたようでありまするが、この部面の解決さへ付くならば、こういう小規模の自治体警察といえども、現行法程度を置き得る、置くことが望ましい、こういうお考えの下に御提案なつておられるのであるか、お伺いたしたい。
  37. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 目方自治体の自治体警察の問題はもとよりその大きな部分は、御指摘になりました地方財政の問題であるということは疑いない事実でありまするが、併しながらそれ以外に現在の自治体警察におきましては、如何にして適当な警察官を小さな自治体が得ることができるか、或いは又能率的な運営を如何にして可能ならしめるか、いろいろ財政以外の困難な問題も相当あると存じます。で財政の点につきましては、国家公安委員会といたしましては、できるだけ交付金の警察に対する部分の増額ということには従来から努力を重ねておるわけであります。この点は今後におきましてももとよりそうした努力を続けることと確信をいたしておりますが、特に今回の警察法改正におきましては、応援を要請いたしました場合におきまして、その応援のための費用は、従来自治体が当然負担しなければならなかつた、これは今後は国庫において負担をするというような、財政面において警察法自体においても多少改正を加えた点もあるわけであります。併し財政以外のいろいろな原因等がございまするので、これらの関係から地方が将来地方自治体警察の廃止を住民として希望されるという場合も相当あろうと予想いたしております。
  38. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、小規模の自治体警察というものが、財政的な面のみでなくて、本質的にその公正なる運営の上に欠陷があつた向きがある、こういう部面からそういう所では置いても置かなくてもよろしい、その代り国家地方警察がもつと能率的な警察行政をその地域に施行する、ころいう考え方になるようでありまするが、私、聞きようによつてはそれは本質的な問題ではないのであつて、そういう部面を含む育成、強化、努力の熱意が国なり或いは地方において欠けておつたが故に、現象的にそういうことが現れたのであつて、そのことを以てして警察自体の存続を云々するということは、根本的な警察制度趣旨から言うても如何かと思われる節があるのでありまするが、先ほど法務総裁は任意に廃止し、存続するという程度のことを以てして新らしい警察制度の精神が損われるものだとは考えない、こういう意味の御答弁があつたのですが、私その点が非常に素人ではつきりしませんのであります。で、過去四年なら四年の間に国がこの育成強化のためにどれだけのお仕事をなされたかという点も反省が必要であろうかと思うのでありまするが、今申しましたように内面的な運営上の欠陥を含むということを以てして、警察自体の存続を自由、任意にするということがどうもはつきり納得できません。で、この点わかるよう一つ説明願いたい。
  39. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 誠に御尤もな御質問でございますが、実は今日の警察というものは、単に警察官の頭数を揃えるということのほかに、御承知ように折角揃えたその人員というものができるだけ近代警察運営するような優秀な人員であるということが必要であるということは申すまでもございません。このほかにこの警察の機能を十分に果して参ります上から申しますと、技術の上から申しましてもいろいろな科学的な捜査とか或いは科学的な知識、経験こういつたものも必要でありますし、又行動を敏活、能率的にいたしまするためには機動力或いは通信、こういつたいろいろなものが必要なわけでございまして、これにはやはりかようないろいろな科学的な装置なり或いは施設なり、装備なり、こういうものを十分に活用いたしまして、そうして近代警察としての必要な装備なり、設備等を整えまするには、相当経済的にも経費を要するが、又これらのいろいろな施設の裝備なりを十分に利用して、警察の機能の上にこれを活用いたしまする上においては相当やはり專門的な人も置き、又分業的に職務の分配を図つて行くということも必要なわけでございまして、こうしたことを考えまするというと、非常に小さな単位の自治体警察というものは、これは無限の財政というものがあればともかくでしようが、常識的に限られた現在の財政面というものを考えまするというと、完全なるものを作り上げて行くというのは、小さな単位については先ず不可能である、こう考えるのが常識的な結論だと存ずるのであります。それでかようなものにつきましては、できるだけその欠けたものを補うという方法におきまして、国家警察にそれらのものを装備いたしまして、而も地方自治体警察にできるだけそれを利用せしめるということによつて、或る程度補いを受けるものはそうして行く、又今回の改正法におきまして自治体警察の一部に対して国家地方警察が或る種の事柄について権限を持つ、或いは応援の費用は国庫が負担するということによつて応援を十分に行い得るようにする、こうした事柄はいずれもそういつた考え方から来ておるわけであります。併しそうした事柄につきましては、なお本質的に救済されない面は、やはりここに仮に五十人の警察と十人の警察がある。やはりどちらも署長は一人ずつだ、会計係も少くともどちらも一人か二人はいなければならない、それから平常の宿直員もどちらも一人か、二人いなければならない、こういうふうに考えて行きますと、警察力として第一線に活動できる人員の数は、警察の単位が大きくなれば大きくなるほど率から言つても殖えて参るわけでありまして、そこにやはり警察の運用の上からいいますると、経済というものも考えなければならない。これらのいろいろな欠陷というものがあるわけでございまして、これが地方の住民におかれましてそれらの欠陷をもなお止むを得ずと、それでもやはり自治体警察を持つべきだ、こういう多数のお考えならば、それをしも自治体警察を廃止すべしということはこれは面白くないと思いますが、併しそれらを考えまして警察を返上したいというものがあります場合におきましては、これを許すということは、警察の能率の上から申しましても適当なことでありまするし、又地方分権の本旨というものを根本的に奪うわけではございません。又必要な場合においては復活を認めるという條件の下にこれを廃止せしめることは差支えなかろう、こう考えた次第であります。
  40. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今のお話を承わつておるとて、もう或る一定の財政規模或いは人口以下では最低限度の警察維持できない限界があるように窺えるのであります。ところが先ほどの御答弁では、現行法における即ち五千以上の市街地的町村警察を置かなければならんということは原則であると、置かないようにするということは特例のほうであるというふうに伺つたのですが、五千以上の市街地的町村でも、これは一般の問題としますと、もう財政的には限界があるわけであります。そこで総裁のお話の趣旨は、どの辺の所は警察が置かれていい、否置くということが警察民主化にふさわしいというお考えであるか、どうもはつきりわからなくなつて来たのであります。警察の犯罪捜査に関しても、機能発揮のため機械設備なり或いは人材の吸収なり、これらの一切はやはり財政的の問題に私はあると考えますから、突飛なようでありますけれども、こういう質問をしておるわけであります。(「突飛じやない、重要です。」と呼ぶ者あり)一つこの点御説明を願いたい。
  41. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) これは財政的と言えば財政的でございますが、併し現実の問題といたしまして、十人、二十人の警察におきまして、完全なる科学的な捜査技術を自給自足するというようなことは、これは常識というものを頭に置きました限りにおきましては、単なる財政の問題という以上に、やはりまあ事実上としてはむずかしいこうした面があろうと思います。そういうことから申しまして、確かに警察として、殊に近代警察というものを維持するという上から言いますというと、限界があるということが考えられるわけであります。現在の警察制度におきましては、人口五千以上の市街地的町村、こういうことに一応なつております。それでそこで警察を置くことにいたしておりますが、併しこれで以て、それでは五千以上の町村であれば、あらゆる意味において近代的警察として十分に能率のあるものをみずから備え得るかというと、これはなかなか実際上困難であります。それを補う方法といたしまして、今回の改正案においては、できるだけ国家地方警察においてそれを補つて行くような方法を準備して自治警察のお役に立てる、これによつてできるだけそうした小さい単位の警察についての欠陷を補うような努力をいたして参りたい、こういう考えを持つておるわけであります。従つて限界の問題としては、特に変更を加えるわけではありません。併し現実の問題といたしましては、それ以上にやはり国家地方警察と一体になつ運営するということが、現在の地方自治体警察実情から見まして、より経済的であり、より能率的である、こういう考えの下に村方の住民が多数の意思を以てそういうことを希望された場合には、これはそういう途を開こうということになつておるのであります。
  42. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これはあとあと論議の的になると思うので、この程度でやめますが、だんだん話を聞いておると、総裁は非常に言葉が丁寧なために誠に民主的に至極よろしく聞えるのですけれども、だんだん聞いておるというと、どうもわけがわからない、麻薬をかけられたような気分になるのでありますが、笑声その一例に申上げますと、今のような御説明ですと何か立派なようでありますが、すぐ今の前の答弁の中で近代的裝備ができないよう自治体警察であつても、その住民が是非とも置きたいということになつたら仕方がない。まあ置かなくちやならん、こういうことなんです。そうすると客観的に警察或いは治安という問題から言いますと、そういう弱体警察をそのままにして置くということはどうもおかしいようにも考えられる。そうして片方は相当やれる希望を持つような公共団体でも、面倒臭いからまあ返上だということになれば、そのことは許されて、国家地方警察のほうに吸収され、いわゆる能率的な、近代的な警察力を発揮できる、どうもこの点がわからない。ところが住民の意思ということを言つておりますが、そういうことを若しも言うのであれば、警察以外にただ単に地方の生活保護なり、或いは衛生なり等において、国が法律化したがために義務付けられて、地方住民が期待しないことまでこれはやらせて置いて、それは住民の意思になつていない。然るにこういう警察問題は、これは重大な問題であつて、住民の意思によつて決するという以外に重要な要素が私はあるのじやないかと思う。総裁が言うごとく不完全極まるこんなものは叩き潰さなければならん、客観的に或いは他からはそう思われるようなところでも、住民の意思であればそこの治安が如何に乱れようと、如何に犯罪捜査の力がなくとも、その警察を認めて置かなければならん、こういうことを私が申上げますのは、論理的におかしいという意味で申上げておるのであります。この点は御答弁の限りでないということにいたしまして、この程度にしておいて又次にやります。
  43. 相馬助治

    相馬助治君 続いて質問いたしますが、この法案提案理由説明の中で、現下治安の実績に鑑み云々ということを言つておりますが、新聞その他で伝えられておるところから見ますと、予算の都合によつて国警の定員増加の計画というものが、猫の目玉のように変つて来ておるよう承知いたしております。そういたしまするというと、これは政府の無定見によつてこういうふうに変つておるのであると我々は考えざるを得ないのでありますが、又一面考えて見ますというと、必要なのではあるけれども、財政的な面からの苦情によつて止むを得ず変えるのであるという同情的な見方ができないわけでもない。要するに本法案を早急にこの国会に出して成立せしめなければならないという真の政府の狙いというものはどこにあるのであるかということを、一つ大膽卒直に政府代表として法務総裁の口から伺つておいたほうが、お互い様先に行つて話がこんがらがらないためによろしいと思うので、先ず第一点お伺いしたいと思うのであります。  その二点は、こういう法律案が国会において成立を見れば、予算措置を必要といたします。具体的に申しますと、追加予算を必要といたします。そういたしますと、法律の建前から言つて法律ができても予算が成立しなければその法律は効果がない。予算が成立してもその予算を使う法律案が成立を見なければその予算は使われない。いささかもこれは立法上の法理論からいえば矛盾はございませんけれども、こういう法律案が本国会で仮に成立を見て、次の国会においてこの予算措置が問題になつたときに、問題を起すということもあり得ないことはないと思われるのであります。従いまして本法案提出した責任者としての法務総裁は、政府部内において大蔵省関係とどういう話合いになつておるか、具体的に言いますならば、予算措置の問題については全部了解済みであるということをこの際確言できるのであるかどうかという問題について、この際とくと伺つておいたほうがよろしいと思うのであります。  又第三点は、現下治安の実績に鑑み云々ということによつて、本法案を国会に提案して改正すると、こういうことになりましたこの政府の意図が仮に正しいといたしますならば、警察予備隊というものの性格その他の基本的な問題が、これを大幅に変更されなければならない、先ほど小笠原委員がこの問題について、あらゆる角度から質問を発せられたのは、この関係政府は一体どう考えておるかという真意が我々にも十分了解されないところに起因しておるものと本員は了解する次第であります。従いまして本改正案というものと警察予備隊との連関は、法律の上から先ずどういうふうに考えておるか、具体的な問題としてこれをどういうふうに考えておるか、この点について承わつておきたいと思います。  先ず総括的な立場から以上三点に関して法務総裁の答弁を要求いたします。
  44. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) いずれも御尤もな御質問でございます。第一の問題でございますが、先ずその前にちよつとお断りをいたしておきたいと思いますが、本法案提案の決定に際しまして、これについて予算の問題で、増加の人員がどうこうというふうなことで新聞紙上等においても伝えられたことがありまするので、そのいきさつを一応申上げたいと思います。当初法案考えました際におきまして、私どもの一応の考え方といたしましては、警察力の増強を図る方法といたしまして、国家地方警察において現在は三万でございまするが、これを新たに二万増員いたしまして五万にいたしたい、そうして将来町村警察が廃止をせられた場合におきましては、当然その職員を国家警察に編入しなければなりませんが、それは全員にあらずして半数くらいをやるがいいだろう、こういう考えでおりました。そこでこれを計数を以て申上げますると、純粋の増加は二万でございまして、町村警察が一万九千でございまするからこの半数の約九千、従つて二万九千増加する、こういう計算でございました。それをいろいろ検討いたしておりまする間に、地方自治体の警察が廃止された場合においては、その人員を引取るということが当然必要ではないか、そうすると一万九千が廃止された場合におきまして、一万九千の人員を引取らなければならない、そうなれば別に二万増員は必要がなかろう、こういうことになりまして、それでは幾ら増員を認めるかという点になりまして、まあ五千くらいにして置こうということに相成つたわけであります。この五千という数の根拠は、昨日説明の中にも申上げましたように、現在三万の国家地方警察の総員数のうち、大体常時五千人くらいが再教育のために各種の学校に入つております。そうしてそれがために実際現場の勤務員は、学校再教育中は職場から離れるわけでございますが、それが全体の人員が足りないために、職場から離れておる間代りの者をそこへ勤務せしめるということが現在できないわけでございまして、これがために全国におまきしても国家地方警察に属する多数の駐在所等においては、学校在学中人員を配置できないというものが相当ある、これはひとり駐在所ばかりでなく警察署等におきまする勤務についても同様の取扱なつております。いわばそれだけ当然なければならない者が再教育のために欠けておるという実情でございまして、これだけは少くとも早急に補充する必要があるわけであります。この数が約五千でございまするから、五千だけこの際増加する、その代り地方自治体警察の廃止された場合においてはその人員を定員に加える、こういうことになりまするから、一万九千と五千で二万四千ということに相成るわけであります。最初の案は二万九千、今回の案は二万四千でございまして、約五千人だけ節約しておるわけでございまするが、これはその後におきまして政府としましては一般的な行政整理というようなことについても考える必要がありはしないか、その際において特に警察官だけを非常に大幅な増員をするというようなことは考えられない、こういうことに相成りまして、それらの事情を勘案いたしました末に、かような案にきまつたのであります。そうしてこれを特に急いで実施しなければならんという理由は、御承知の通り警察官を補充いたしましてこれを教育をいたしまして、そうして実際活動できるように仕立上げまするには、少くとも募集から教育までを入れまして、約八、九カ月しませんとなりませんので、それでできるだけ早く法律を作つて準備を進める必要があります。それから又募集をいたしましても、募集をし、そうして応募者につきまして身許調べをいたしましたり、試験をいたしましたりすると、実際採用するまでに約二、三カ月はかかるわけであります。その後に六カ月ぐらい最小限度必要であります。そういつた事情がございまするのと、又自治体警察の廃止ということにつきましては、この案の内容におりまする通り、人民投票というような新らしい手続等もございまするので、どれだけの自治体警察が廃止になるということにつきまして、今後の実際上の予算を見積る上から申しましても早目に手続を運んで予算の見積りを立て得るようなことにしておきたい、これらを考え併せまして、できるだけ早くこの法案をできるものならば確家いたしたいと、こう考えたのが急いで提案をいたした理由でございます。  それから予算につきましては、御指摘の通り、今国会におきましてこれに当然必要なる補正予算を同時に提出する運びにいておりません。併しこの点につきましては大蔵大臣におきましても案の内容を分に検討を加え、又この改正案が成立いたしましたる上は、これを実施するに必要なる経費というものを次の臨時国会等の際におきまして優先的に補正予算として提案するということにつきましては、完全なる了解を得ておるわけであります。  それから第三の御質問の予備隊と警察との関係でございまするが、これは予備隊というものは、警察通常の事務についての、例えば一般犯罪の捜査、それから交通取締、こういうたよう一般警察通常の事務についての予備的な役割は全然考慮されておりません。これは国内におきまする異常な暴動の際でありますとか、つまり通常警察力を以ては処理することのできないような場合におきまして、その予備隊の持つておりまするところの強大な実力というもので以て処理をする、これが目的になつておるわけでありまして、従来の戦争前の制度で申しまするというと、非常事変、或いは災害等の際におきまして府県知事が出兵請求をしたりいたす、こういう場合におきまして出兵をいたしたというような事態があります。この警察予備隊もそういうような、従来ならば出兵請求をするような非常の場合におきましてその活動をする、こういう役を引受ける、そういつたものでございます。勿論これは国内におきまする治安だけのための予備隊でございまするから、従来のごとき軍隊とは根本的に性格を異にいたしております。併し実力を備えておる、そうして部隊として行動をする、そういう点におきましては同じよう国内治安の使命を持つておるものでございまして、この点普通の警察とは全くその目的が違つておる。併し勿論根本的にはどちらも治安のためにございますのですから、従つて全然無関係のものでないことは勿論であります。実際の運用の上におきましては、今申すような明らかな差異を認める、こういう考え方で参つております。
  45. 相馬助治

    相馬助治君 私がいたしました三点について、只今法務総裁の答弁をお聞きいたしまして、まだ私はこれを納得する段階に至つておりません。具体的な問題を上げて本問題についてもつと深く突込みまして御意見のあるところを聞いて参りたいと、こう思つておりまするので、これは今日は聞き置くという程度にして置きたいと思うのでございます。ただ具体的な問題として先ほど小笠原委員から申されたことで、これは実際問題として地方の町村長が重大なる関心を持つておる問題でありまするので、この際重ねて法務総裁に尋ねて置きたいと思いますることは、今回のこの改正法案を出す政府がこの提案理由説明しておるような確信があるならば、私はちやんと区切りを付けて、これ以下の自治警察は廃止したほうがよろしい、こういう法律案を出すべきであつたと思うのであります。但し念のために申して置きまするのは、そういう政府の意図には反対なのであります。反対なのでありますが、首尾一貫しておるという態度をとるならば、それだけのことをすべきであつたと思うのであります。ところが政府はこれに関して必ずそれは民主主義の原則に従つて、住民投票に待つべきである、そのほうが正しいのである、こうおつしやると思うのですけれども、具体的な問題といたしまして、町村におきましてはこれを議会にかけ、そうして住民投票をやるという場合において私は恐るべき事態が懸念されます。即ち警察を廃止するという一つの住民投票が行われますときに、普通の選挙の観念を以てしては律し得ないよう状態が必ず現出すると思うのであります。先ず第一に、共産党の諸君は好機至れりとして、本問題につきまして大いに党是に従つて、いろいろなことを申すでしようし、それからさて投票する住民側にいたしましても、こういうわけで廃止をするのであるという街頭演説、或いはこういうわけで廃止をしてはならないという街頭演説、そういうものがバランスがとれて街頭に展開されずして、一方的なる宣伝が行われる、そこで住民はまるで見当が付かない、こういう状態が現出することが予想されます。大体町長さんあたりに聞いて見ますると、自治体警察があることは問題ではない、自治体警察があることによつて、財政措置が問題である、こういうことをまあ申しておるわけです。従いましてこの問題につきましては、小笠原君がくどく尋ねた上に、私が又くどく聞いておるのですけれども、本当の政府の肚はどうなんですか。自治体警察なんかやめてしまえというのなら、市以上に自治警察を置くが、それ以下には皆やめるのである、こういうのが極めて現段階では民主的である。私は皮肉でなくこう考えるのでありまして、この点につきまして、法務総裁の御見解を承わつて置きたいと思います。
  46. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 警察制度の問題につきまして、特に日本におきまする現在の警察制度の問題につきましては、一方におきまして、警察の民主化のための地方分権、いわゆる自治体警察の普及、こういう原理がありましようし、他方におきまして、治安の要請から来ますところの警察能率化というものがあるわけでございまして、この二つの事柄というものは明らかにこれは逆な事柄でございまして、これは一つの見地を以て徹底いたして行きますというと、能率本位ということで行けば或いは逆に中央集権一本という結論に当然なつて行くのではないか、こう思うのでございます。併しこのこと自体は警察の民主化という逆の考え方から参りますというと甚だけしからん、こういうことになるわけでありまして、明らかにこの二つの矛盾した権利の下に、その権利を如何に調整して行くかという困難なる問題が包蔵されておるわけでありまして、従いましてこれをどの程度で、どういうところで調整をするかということは、これは理論の問題にあらずして一つの常識を基とした一つの実際的な解決というものでなければならんと思うのであります。いろいろ理論の点から仰せられまするというと、確かに何を言つておるかわからない、こう言われた、恐らくその通りであつたろうと私も考えるのであります。要するに政府考え方といたしましては、この二つの要請を一つの点において調整しなければならない、その調整点といたしましては、少くとも市というものについては、自治体警察を必ず維持して貰わなければならない、併し町村については、原則的には自治体警察を五千以上の市街地的な町村においては置くが、併し住民の希望があればこれはやめてもよろしい、こういう一つの実際的な解決策を打出したわけであります。理論の点から申しますと今申上げたようないろいろな御批評があろうかと思いますが、一つの実際的な解決としてお受取りを願いたいと、かように存ずる次第でございます。
  47. 相馬助治

    相馬助治君 先ほど来申しましたように、この改正案によつて、そういうふうに、即ち基準をきめてそれ以下は廃止しろと、こういう法案を作ることがよろしいということを私は言つておるのではないのです。ただ政府がしばしば言明しておるような、又この提案理由説明しておるようなことを、首尾一貫した形において行うならばむしろ基準をきめて切捨るという考えのほうが政府側としてもすつきりしておるのじやないか。それからもう一つは、今度は地方自治体側にいたしましても、理論的にいえばそうだが、実際にそれが困難だというのは、私は逆であつて、実際問題としてこういうわけのわからない法律なんかができてしまつたのでは、今の民主化の程度においては、地方自治体で判断に苦しむであろう、こういうことを申したわけです。そこで法務総裁に具体的に一つそれではお聞きして質問をやめますが、住民投票の形がどのように展開されるかということに対して、何か法務総裁は具体的に考えておりますか。その住民投票が展開される姿、それからその姿に対処して何らかの手を打たんとする用意がございますか。
  48. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 住民投票につきましては、市につきましては、各種の建設法案、国際都市建設法案とか、ああいつたものがございまするので、或る程度の形は考え得ると思います。従いまして政府といたしましては、この住民投票については、その投票についてどういう結論になるように指導しようというよう考えは無論持つておりません。これは全く住民の自由なる意思の自由なる表現として、公正に意思が表明されるということを希望いたすものであります。
  49. 相馬助治

    相馬助治君 私が聞いたのは少し違うのです。住民投票が首都建設法案、特別都市建設法案というようなもので行なわれたものと姿が違つて来ると思うのです。即ち特別都市建設法案が住民投票に付された場合には、現在までの経験によりますると、共産党の諸君がこういうものには反対である、首都建設法は東京を軍都にするのであるから反対であるという電信柱にビラを貼つております。住民はこれを見てそうかと思うか、そんなことはないと思つておるのか、ともあれ無関心でおる人が多かつたと思うのです。ところが今度は現に非常に親しくしておるところの自治警察が廃止されるか廃止されないかという問題であるという身近なことが一つ、それからもう一つ、自治警察内部において署長並びに最近ボス化いたしました公安委員は、このようなものを廃止してはならないと、こう言つておるのです。一般の下僚警察官は、署長さんや公安委員長さんが恐しいから黙つておりまするが、肚の中ではどうも自分もうまく上に進んで行くことができないから、もうこの辺でやめさせてもらつて相成るべくは国警に移してもらいたい、こういうふうに心ひそかに考えておる。その人が数の上ではこれは多い。ところが実質的に指導階級である者は反対であると言つておる。こういう実に複雑微妙なる條件下においてこの住民投票が行われる。町村長はまあ皆さんの考えよう一つでよろしい、こういう態度をとつておる。それから町会議員、村会議員さんたちは何もわからない、こういうような、一般的に申しまするというともう誠に微妙な今まで前例のないような姿の住民投票が行われる。そこで私は現下治安の総元締でありまする法務総裁が、そういう微妙なる任民投要というものが現出するということを予想した場合においては、その住民投票を行う細則のようなものを新たなる角度内において立案して出して、これを指導するというような用意があるがどうか、それとも成行き任せで、さようなことはないと存じますという程度でおるのかどうか、ここを尋ねておるのです。
  50. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 住民投票の手続といたしましては、現在都市において数回行われましたあの例に準じまして政令で定めたいたしたい、こういう考えをいたしております。
  51. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 私は具体的に改正法案の問題についてはいろいろたくさん質問をしたいことがありますが、今日は極くそれの前提としての大まかな政治的な問題についても御質問したいと思うのですが、併しそれも実は七、八項目あるので、大分時間が、小笠原さんの質問よりも余計かるかと思つているのですが、なんでしたら今日はこれで打切つて頂いて、明日さして頂いても結構と思つておりますが如何でございましようか。若し二時間かかつてもいいというならばさして頂いてもいいのです。
  52. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 委員長に私はお願いがあるのですが、それは再三、過半来法務総裁並びに国警長官から政正法案のでき上るまでの諸問題について伺つてつたのですが、その際法務総裁国警長官をこの立案のための協力者としてお願いしてまあやつておると、そうして問題になつておる自治体警察側との意見の調整ということをやらせているのである、こういうお話だつたので、国警長官もこの法案の立案、起草には参画せられておると共に、政府委員でない、自治体警察代表のかたもこれに参画しておられるだろうと思うのでありますし、そのことが又審査します我々といたしましては、重要な見体的な資料の得られる部面なのであつて、再三要網が出ておる点が、結論として今回のよう法案として現われて来た以上は、どういう理由、どういう趣旨を以てこういう調整がなされたかということは、政府責任者である法務総裁から開く以外に、国警長官からも実際的な問題を伺わなければなりませんし、又これと交渉のありました自治体側からも伺わなければならんと思うのであります。そこで自治体側の問題でありますが、一、二度まとめてここにおいでを願つてお話を聞きるということでは、これは私限りにおきましては困る点があるのでありまして、できますならば、大体質問のしたい点を明瞭にいたしまするから、その際には随時自治体警察のこの立案に参画せられ、折衝せられた責任者を参考人としてお呼び願つておきたいということを委員長にお願いしておきたいと思うのであります。
  53. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 私がさつき議事の進行について申上げましたことについて、委員長よりお諮りを願いたいと思います。二時間ほどかかつてもよろしゆうございましたら……。主として法務総裁に対する質問であります。
  54. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではお諮りいたします。先に小笠原君の御意見につきましてお諮りいたします。この警察法の一部を改正する法律案につきまして、この法案ができ上りますまでに国家地方警察並びに法務総裁のほうと協力せられた自治体警察側の代表者田中警視総監及び大阪市の鈴木総監でありますが、鈴木総監はしよつちゆう呼んでおくわけに参りませんから、田中警視総監を、この警察法を審議いたしまする地方行政委員会において、又連合委員会におきまして参考人として呼んでおく、こういう御意見ですね、それについて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは事情の許す限り、参考人として出席を求めることにいたします。  それから吉川君から今日は質問があるけれども、二時間ぐらいの時間を要するから散会したいという動議がありました。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 安井謙

    ○安井謙君 そんな注文をつけては甚だ恐縮ですが、頭のいいところで成るべく能率を上げるというわけに行きませんですか。
  57. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 頭がいいというより問題が重要だと思いますので……。
  58. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは今日はこれで散会をいたします。    午後四時四分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            堀  末治君            吉川末次郎君            竹中 七郎君    委員            石村 幸作君            高橋進太郎君            安井  謙君            相馬 助治君           小笠原二三男君            鈴木 直人君            石川 清一君   国務大臣    法 務 総 裁 大橋 武夫君   政府委員    国家地方警察本    部長官     斎藤  昇君    国家地方警察本    部次長     溝淵 増巳君    国家地方警察本    部総務部長   加藤 陽三君    国家地方警察本    部会計課長   三輪 良雄君    国家地方警察本    部刑事部長   武藤 文雄君   事務局側    常任委員会專門    員       福永與一郎君    常任委員会專門    員       武井 群嗣君