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1951-03-30 第10回国会 参議院 地方行政委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月三十日(金曜日)    午後二時十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方税法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○地方財政平衡交付金法の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送  付)   —————————————
  2. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 地方行政委員会開会いたします。  本日は地方税法の一部を改正する法律案並びに地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案質疑を続行いたします。
  3. 堀末治

    堀末治君 地方税法改正案についてお尋ねしたいのでありますが、これは自転車税体刑をやめたことですが、これは大変結構なことだと思います。去年初めて、この地方税が審議された際に、この問題は随分ひどく各委員から指摘されたのでありましたが、とうとうその体刑税法の中から削除することができなかつたのです。本年これが削除する改正のできたことは大変結構でありますけれども、どういうので急にこれを改正することになつたのでありますか。
  4. 鈴木俊一

    政府委員鈴木俊一君) 只今堀さんの仰せになりました自転車税荷車税、それから接客人税狩猟者税等の脱税その他の罰則についての軽減の問題でございますが、これは政府といたしましては、殊に参議院のほうにおきまして、この点につきましての御論議が前回非常に繁くございまして、政府といたしましても、その際十分今後考慮いたす旨のことを申上げておつたと思うのでありますが、そういう公約の趣旨に基きまして、今回関係方面とも十分連絡をいたしました結果、罰則を軽減いたしましても、特に納税秩序には支障がない、かように考えまして、体刑を一切取り止めることにいたした次第であります。
  5. 堀末治

    堀末治君 御趣旨はよくわかるのですが、去年は向うさんではなかなか承知せなんだ、それが本年、恐らく連絡の結果向う承知したわけでしようが、これは一体どういうふうな向う考えの変化なんですか。
  6. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記をやめて。    〔速記中止
  7. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記を始めて。
  8. 堀末治

    堀末治君 今度初めて法人税割という税を創設されて、政府原案は一〇%、制限税率一一%となつていたのですが、それが衆議院で一五%に修正し、一六%最高まで持つて行く、これは私ども最初原案通り出ただけでも、創設される税としては、少しく法人に対しては強くないかという感じを持つてつたのですが、いろいろなことから衆議院でそういうふうに修正されたのでありますが、その修正されたのに対して政府はこれをどうお考えになりますか。
  9. 鈴木俊一

    政府委員鈴木俊一君) 法人税割の増徴に関しましての政府側考え方について申上げますが、政府原案におきましては、法人税割は一〇%、法人税額の約一割程度ということになつておるわけでございます。これを考えましたゆえんは、新地方税施行後の状況から見まして、個人に対しては所得割を課するが、法人に対しては均等割だけしか課さないというようなところで、個人法人間の負担の上の不均衡ということが、どうも一般の世論として間々言われておるようなこともございましたし、かたがた過般のシヤウプ第二次勧告におきまして、法人に対しまする何といいますか、配当所得でございますが、配当所得につきましては御承知のごとく、所得税額から二五%差引かれておりまする関係上、所得税額を基礎といたしまして、所得割市町村民税として課しまする場合におきましては、やはりそれだけが課税漏れになつておるわけでございまして、そういう課税漏れを漏れないように捕捉するのが適当であろうというような趣旨勧告があつたわけでございます。これを然らば個人所得割を計算いたしまする際に、その部分が漏れないように計算をし直すということは、非常に面倒でもございまするので、むしろ配当いたしまする源泉の法人に対しまして直接にその配当漏れ分を課するということによりまして、そのシヤウプ第二次勧告の狙つておりましたような趣旨も活かしたらどうであろうかというようなことを一面考えたわけであります。そういう個人法人間の負担の不均衡並びに配当所得に対する課税漏れの是正といつたような考え方から、法人割というものを創設いたしたわけでございます。ただその際におきまして個人法人負担均衡ということだけを強く考えて参りまするならば、個人所得税額に対する百分の十八という所得割税率と同じ税率を、法人につきましても百分の十八という税率を取ることになるわけでございますが、それはやはり資本蓄積というような日本の経済復興再建の上から重要な一面の課題の点から申しますと、如何かと考えられまするので、そこで大体一〇%程度法人税額の約一割、この程度であるならば資本蓄積に対しましてそう大きな支障は与えないであろう、こういう見地で百分の十という税率をとつたわけでございます。今回衆議院のほうで御修正になりました趣旨は私ども承知いたしておりまする限りにおきましては、この程度の、五%程度更にこれを殖やしましても、特にその点についての重大な支障はないであろうという見通しと、それから他面緊要なる減税をいたしまする財源を確保することが地方団体予算を含めましての国全体の総合予算均衡を図る上において必要である。そういう見地からの減税に必要なる財源をどこに求めるかということになりまして、結局法人税割に求めることが全体の予算均衡を害しないでやつて行けるというようなところから、あのような御修正があつたものと考えておるのでございまして、勿論一〇%を一五%にいたしますことの結果として、それだけ資本蓄積に影響を与えるわけでございまして、政府といたしましてはこの点一〇%程度が適当であると考えておつたわけでございまするが、衆議院の多数を以ちましてそういう御見解になつたわけでありまして、政府といたしましても只今におきましてはそのような、若干の支障はあるかも知れんが、絶対これによつて耐えられがたい支障はないのではないかというふうに考えておる次第であります。
  10. 堀末治

    堀末治君 岡野国務大臣最後にお尋ねいたしますが、実は私この改正案が出ましたときに、恐らく税としては大変取りやすい税だから今度は一〇%できめても、来るべきときには一五、二〇と必ず上げて行くだろうということを非常に懸念しておつた。大体の趣旨においては、私どもも昨年あたりのいわゆる個人法人との差について輿論のあつたことはよくわかつておりますから、九%ぐらいの負担であれば妥当であろうと、実はかように考えておつたのであります。ただ併しこういう税が出るというと、勢い取りやすいものですから、次から次へと税率を上げて行かれるということを私は非常に懸念しておつた。ところが出たとたんに今又、もういきなり五割も上げるというようなことになつておるのでありますが、折角今の、戦後の経済界自立復興のために資本蓄積が叫ばれ、同時にそれに対して、いろいろ法人に対してこう諸種な資本蓄積の施策が行なわれておる。にもかかわらずこれに直ちに逆行するようなことをやつたということに対して、私ども非常に不満を感ずるのでありますが、多年経済人として活躍せられた大臣は、これらに対してどういうふうにお考えか。なお又今後とも機会あるごとに取りやすいからというので次々と上げられるようなことでは、誠に産業人としては働き甲斐がないようなことを感ずるのでありますが、大臣の御所見は如何でございましようか。
  11. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答えを申上げます。資本蓄積の観点から申しますというと、最初の税法通りに、法人にかけるべきものじやないというような主義を私も堅持しておつたのでございます。併しながらこの前に本税法を通過さして頂きますときに、参議院で非常に法人住民税に対するあれが低過ぎると、こういう御意見が圧倒的に強うございました。それでは輿論としては考えなければならんと、こう私は考えておつた次第でございます。そこで私どもがいろいろ考えました結果、法人割は成るほどやらなければいかん、同時に又これは非常に私は僻目かも知れませんけれども、或る個人が事業をやつておりまして、そして住民税が相当所得割にかかつて来ておる、それが最近この住民税を免かれるために法人に転換して行つたという例を各地方から耳にいたしましたものでございますから、これでは租税均衡というものが保てないという意味で、又かたがた税源も要りますので、法人税をかけるということになりました。それから先ほど仰せのように、一〇%かけておいてあとどんどん進めて行くのじやないか、取りやすいからというようなお話もございましたが、これは切に、私はあの起案のときに、嚴しく自分自身の心をなんしたわけでございますが、理論から申しますれば個人所得割が一八%ですから、若し同じような性質でかけるならば、やはり一八%でかけるのが当然じやないかという正理論がたくさん出たわけでございます。併しそれは先般も、先ほども申上げましたように、法人に対してそうたくさんかけるべきものじやない。即ち資本蓄積の点において矛盾するという意味で、現に一〇%を私は確保しまして、これ以上絶対に取つちやいけない。でございますから甚だ皆さまがたが御覧になつておかしなことだと思召すことは、一〇%として、而も制限税率を一一%といたしました。一〇%なら制限税率は一五%くらいでもよくはないかというような議論もあつたのでございますけれども、それは結局法人割に対して一〇%以上取つちやいかんという、非常に強い私の信念を反映いたしまして、そしてまあ制限税率というものが作らなければならんということになれば、形だけでも取らなければいかんというわけで一%、でございますから一〇%と一一%とを御覧下されば、如何に法人税割に対して我々が関心を持ち、又各方面状況を、これが一番妥当であろうというような判断を下してやつたかおわかりだと思います。ただ不幸にしまして衆議院の多数を以て五%の増をされたということに対しては、これはまあ我々は執行機関でございますから、最高機関たる国会がそうおきめになればそれに服従せざるを得ませんからそれはその通りになつて行きますけれども、併し将来これを又取りやすいからどんどん上げて行くというような方向自治庁並びに財政委員会趣旨としては一向持つておりません。持つておりませんと同時に、もう一つこの際附加えて申上げたいと存じますことは、地方税は実施以後住民税固定資産税その他いろいろの方面におきまして非常に税が高い。そういうような御批評をいろいろこうむつておる次第でございますから、私といたしましては中央の国税減税すると同じように、地方税もやはり減税して行かなければならんと、こういう考えを持つております。併しながら只今のところでは御承知通り神戸委員からの報告が出ておりまして、地方団体仕事の本当のあり方がすつかりきまつておりませんものですから、只今は根本的の税法改正をいたしますにつきましても一つの条件、目標が欠けておるわけでございますから、これがきまりましたら根本的に税法改正もし、同時にでき得るだけ減税をし、地方住民が楽に納められるような税種検討して見たい、こう考えておる次第でございます。
  12. 堀末治

    堀末治君 只今の御答弁でこの法人税割に対するお考えがよくわかつたのでありまするが、最後にもう一つ今のあなたのお言葉に対して私希望を申上げたいのでありまするが、いわゆる、この間もこの委員会でこの問題が出たのでありますが、事務の再配分の問題、これを前提としてこの地方税がここまで画期的の改正が試みられた。然るにもかかわらずそれと並行して進まなければならない、いわゆる事務の再配分が遅々として進んでおらない。まあさようなことですから、要するにその問題が今日も請願報告をすることになつてつて、随分たくさんの請願陳情も参つた。かようなことで、これは政府全体のことではございまするけれども自治庁としては最も関係のある、あなたのお仕事の上から言えば最も関係が深いのでございまするから、あなた御自身としては一体この事務の再配分をいつ頃までにやるという思召でいらつしやるか、その辺あなたの御決意を承わりたいと思います。
  13. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。事務配分につきましてはまだもう一つ勧告が出ることになつておるはずなんでございますが、併し只今まで出ましたのが根幹をなすものでございまして、それに対しましては政府といたしまして各省に十分なる検討を与え、そしてその方向をとることにいたしまして、第一回の報告は出たんでございますけれども、第二回の報告は今月末までに出すことになつております。そういうものをまとめまして、そして各省大臣といろいろ検討しまして、そしてできるだけ早急にやろう。又関係方面におきましてもこれは非常に支持しておりますし、又行政調査委員会議ができましたときに総理声明といたしまして、調査委員会議は非常に立派なエキスパートを選任し、そして地方自治確立のためにいい報告が出ることを希望し、同時にその報告が出たらそれを十分尊重して、そして地方自治確立をしたい、こういうことも総理声明で出ておる次第でございます。内閣といたしましては、そういう初めからの決心がございますし、同時に非常に重要な問題でございますから、各省に十分検討させるということになつております。この三月三十一日までに、第二回目の報告検討した結果を各省から取るということにしまして、それを集めまして、できるだけ早くやりたい、こう考えておりますが、時期のことを只今御約束申上げるわけに参りませんが、そういう方向にだんだんとやつておる次第でございます。でき次第これを最近の国会提出したいというような段取りにしたいと、こう考えております。
  14. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 相当質疑も繰返されたのですか、大体現在の予定では日程としては今明日しかないわけですが、従つてこの際只今審査中の二法案に関してその審査進行方については十分各会派相談の上意向を取りまとめて進捗するほうがいいのじやないかと思うので、この際理事会を開いて頂くように動議を出します。
  15. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今小笠原君から両法案の進捗の方法につきまして、理事会を開いて相談をいたしたいという動議が出ました。御異議ございませんか。    「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではそういうことにいたします。  それではこれで休憩にいたします。    午後二時三十四分休憩    ——————————    午後三時一分開会
  17. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 休憩前に引続き委員会を再開いたします。御質疑を願います。  政府にお尋ねいたして置きますが、衆議院から提出修正案、この中で、二百九十六条の改正に関する部分のうち水産業協同組合共済会というものが洩れておるのですが、それで差支えないかどうか、公平を害しやしないかどうか、それを伺つて置きます。
  18. 鈴木俊一

    政府委員鈴木俊一君) 水産業協同組合共済会の問題でございますが、これは衆議院のほうの御修正の案の中には御指摘のように入つておりませんのでございますが、政府といたしましてはそこに掲げられておりますところの農業共済組合と同じ性質のものであろうと考えておりまして、御修正趣旨もそういうような類似の組合について同様の措置を講ずるという趣旨の下に行われたものと了解いたしまするので、地方財政委員会とも十分連絡をいたしまして、農業共済組合と同じような措置行政措置として、減免に関する一般規定の適用によつて行われまするように善処いたしたいと考えております。
  19. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ほかに御質問ございませんか。
  20. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今政府答弁で、こういうものを含んでおるという解釈で行きますか、改めて入れるのですか、どうしますか。
  21. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これは何々法による組合と、こうありますので、共済会組合でなくて団体に過ぎませんから、漏れておると思います。それで正しくは水産業協同組合共済会というものをこの修正のなかに加えるべきだと、こう思うのです。で今政府委員答弁ではそうするのが当然であるけれども、それがなくて、法律ができてしまつたあとにおいては、それがあると同様に、各府県に取扱をさせる。こういう意味つたと思います。それで間違いありませんね。
  22. 鈴木俊一

    政府委員鈴木俊一君) そうです。
  23. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 別に御発言もございませんようですから質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないものと認めます。  地方税の一部を改正する法律案につきましてこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでございますが……。
  25. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 我が社会党としては以下述べるような幾多の主張があつて、それとの関係から考えると非常に遺憾な改正法律案であるというふうに考える次第でありまするが、衆議院においていろいろ努力の上修正せられて回付せられた本法案には賛成いたすものであります。いろいろ申上げたいのですが、結局社会党としては、自由党内閣が賃金或いは米価等昭和二十年度のそれに釘付けすることによつて国税地方税を通じて税徴収により政府のいろいろな資本蓄積に充てる、或いは各種法人の利潤を資本蓄積のほうに廻そうという、こういうことが露骨に現われて来ておる各種のこの法律案の中に、地方税の問題も検討を加えて見るというと不満な点が多いわけであります。特に今回この市町村民税のうちの法人割を百分の十として四十一億かの増税を見込んだのに対して、我が党は修正意見としては、個人所得税割と同様に百分の十八の法人割税率主張し、このことによつて得る四十億を超える財源を以て個人均等割を半減したいということであつたのでありまするが、先ほど来岡野国務大臣堀委員に対する御答弁にあるような資本蓄積に名をかりて、これを百分の十五程度にせざるを得なかつたという点は誠に遺憾な点であると考える次第であります。それから根本の問題としては、遊興飲食税或いは入場税等をそれぞれ税率を半減して、この間接的には大衆課税であるところのこうした税を減税したいという強い主張があつたのですが、各般の事情からそれが不可能になつた点は誠に遺憾でありまするので、最後に申上げまするが、今後においてこうしたものが減税せられ、拔本的な法改正を強く期待し、なお附加えてこの修正一つの項になつておるのでありまするが、租税特別措置法改正に伴い、銀行預金利子等にかかる所得税で源泉選択したものについては、資本蓄積に寄与するために市町村民税を課さないという修正でありまするが、これに関しましては、社会党としては先ほど申しました点に鑑みまして、勤労大衆負担が加重されてあるこの際において、資本蓄積に名をかりてこうした銀行預金利子について非課税とするということについては賛成できないものがあるのであります。併し又この修正法案国税徴収法及び租税特別措置法の一部改正に伴い、地方税法との規定調整を図るという部面を認めて、遺憾ながら本改正案賛成するものであります。
  26. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ほかに……。
  27. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 自由党を代表いたしまして、本法案賛成の意を表するものであります。併しながら地方税法は先に制定せられ、今回更にその一部を改正することになつておるのでありまするが、現在進行中のこれは事務配分の問題と重大なる関係を有するものでありまして、本質的には事務の再配分伴つて、更に国税地方税の根本的な調整を要するものであると思うのであります。従つて政府におきましては、速かにこの事務の再配分の問題を推進し、同時にこれらとの関係において、地方税に対して再検討を要するものと思うのであります。更に本地方税法改正に当りまして、修正案等が出ておるのでございまするが、只今社会党からお話ありましたが、入場税遊興飲食税等につきましても、なおこれらの税金の本質に鑑みまして、十分再検討を要するのでありまして、これらは財源その他を十分考慮いたしまして、速かにこれが検討を加える要があると思うのであります。なおこれに関連いたしまして、非課税範囲につきましても今回の修正案によりまして、相当その範囲を拡大して救済されたのでありまするが、今なお、その他の問題につきましても、十分非課税範囲検討する要があると考えるものであります。なお今回の地方税法改正に当つて健康保険税が新たに創設されたのでありますが、これは本委員会においてもしばしば論議がありましたと同時に、健康保險制度自体になお社会保障的な国家の強力なる助成と又その責務とを要するものでありまして、今回新たに健康保険税が創設せられ、各市町村がその責務を完全に果す反面、国家は更にこれらの制度本質に鑑みまして、国家負担を増額し、そして本制度運営に遺憾なきことを期すべきであろうと考えるものであります。  なお法人所得割が創設されたのでありまするが、この本委員会におきましても論議されました通り、この税がややもすれば安易であるという理由の下に累加されることは、本制度の創設に鑑みまして如何かと思われますので、今後これらにつきましては、その運営に完璧を期するものと思うのでありますが、以上申しました点から見まして、十分これら地方税改正に当つて運営において、なお将来の問題として十分考究する問題が内蔵することを附加えまして、本法案改正賛成するものであります。
  28. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ほかに御発言はございませんか。  別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。地方税法の一部を改正する法律案について採決いたします。地方税法の一部を改正する法律案、これを政府原案衆議院提出修正案を加えまして、原案通り可決することに御賛成のかたの挙手を願います。    〔総員挙手
  30. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 全会一致でございます。よつて本案原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を得なければならないことになつていますが、これは委員長において本案内容、本委員会における質疑応答要旨討論要旨及び表決の結果を報告することとして、御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。  なお本院規則第七十二条によりまして委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者署名を附することになつておりまするから、本案を可とせられましたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     堀末  治  吉川末次郎     竹中 七郎  石村 幸作     岩沢 忠恭  高橋進太郎    小笠原二三男  中田 吉雄     西郷吉之助  鈴木 直人     石川 清一
  32. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御署名漏れはありませんか。……署名漏れないと認めます。
  33. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 政府案修正しましたね。それは今の政府のこれも含んでいるわけですね。
  34. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ええ、含んでおります。それでは休憩いたします。    午後三時十八分休憩    ——————————    午後五時二十一分開会
  35. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 休憩前に引続き委員会を再開いたします。  地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑を願います。  別に御発言もございませんようですから質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正案を御提出かたは討論においてお述べを願います。
  37. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 只今政府提案の法律案に対しまして次のような修正案提出いたします。この案文を先ず第一に読みます。   地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第十五条第二項の改正規定を次のように改める。   第十五条第二項中「地方税法昭和二十五年法律第  号)」を「地方税法昭和二十五年法律第二百二十六号)」に改める。  この趣旨を簡單に申上げます。平衡交付金の算定に当りまして、基準財政収入の算定方法は、従来税収入の百分の七十に相当するところの基準税率でやつてつたのでありますが、今回政府の提案によりますると、その基準を百分の八十に上げるということでありましたが、この点は過般来本委員会におきまして各委員からいろいろ質問がありましたが、どうもその答弁に対しましては政府は確たる自信もなく、諸般の事情を考えまして、我々はこの点は今後慎重に考慮を要すると考えましたので、百分の七十を百分の八十に改める点はこれを留保する、それを削除したわけであります。簡單でありまするが、その理由におきましてこの修正案を出したわけであります。
  38. 竹中七郎

    ○竹中七郎君 私も只今修正案提出者といたしまして賛成するものであります。問題はいろいろあるのでございまするが、昨年度地方財政のいわゆる税収の問題に対しまして画期的革命が起つた。そうしてその一十五年度の収支その他がまだわからないうちに、又この基準財政収入額を変えるということは、我々といたしましてはこの短い期間におきまして変えるということに対しまして疑問があるのであります。これはもう一度よく研究する必要がある。かような点を考えましてこの修正案提出した次第でありまして、修正案賛成するものであります。
  39. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 私は政府原案賛成修正案に反対するものであります。その理由は、現在の地方税法及びそれに伴う地方財政平衡交付金に十分検討を要する点はあるのでありますけれども、併しながら地方財政の現状を見ますると、地方税法を制定した当時の事情と現在におきましては、いわゆる朝鮮事変というそこに一つの大きな経済上の事情、変更がございまして、現在の地方財政の現状から見ますると、各府県及び市町村の間において、その税収入において著しく差異を生じて参つたのであります。従つてこれら地方財政の現状を考え、且つ又国家財政と地方財政との関係から現在の平衡交付金の制度考えて見まするときに、どうしてもそこに一つの府県間、或いは市町村間においてそれを調整するところの必要があるのでありまして、これは昭和二十五年度及び昭和二十六年度の税収と、各府県及び市町村の税収入を検討いたしまするときにその如何にアンバランスになつておるかということが十分明瞭であるのであります。従つてこういう地方財政の現状及び各公共団体間の不均衡の状態から見ますれば原案のようにその平衡交付金の算定に当りましては百分の七十を百分の八十と改めまして、そうしていわゆる農村県と朝鮮事変等によりまして恵まれた、或いは経済の上昇にあるところの、従つてそれに伴う税収入の上向しておるところの都会地及び工業都市と農村都市との均衡化及び調整を図るということはどうしても必要でありまして、この趣旨を貫きまするためには、一つの方法といたしまして、現在の原案にありまするように、その算定に当つて百分の七十を百分の八十に改めるということは殊に時宜に適したるものと思いまするので、原案を支持し修正案に反対を表明するものであります。
  40. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ほかに御発言はございませんか。……ほかに御意見もないようでございまするので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案について採決いたします。先ず討論中にありました西郷君ほか二名の修正案を議題に供します。右提出修正案賛成のかたの挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  42. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 六対五であります。よつて西郷君提出修正法は可決されました。  次に只今採決されました西郷君等の修正案にかかる部分を除いて内閣提出にかかる地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案賛成の諸君の挙手を願います。    〔総員挙手
  43. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 全会一致でございます。よつて地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案は多数を以て修正可決されました。  なお本会議における委員長口頭報告内容は本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において、本案内容、本委員会における質疑応答要旨討論要旨及び表決の結果を報告することに御承認願うことにして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。  なお本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者署名を附することになつておりますから、本案を可とされるかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     吉川末次郎  中田 吉雄    小笠原二三男  西郷吉之助     鈴木 直人  竹中 七郎
  45. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御署名漏れはございませんか。……御署名漏れないと認めます。  それでは今日はこれで散会いたします。    午後五時三十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            堀  末治君            吉川末次郎君            竹中 七郎君    委員            石村 幸作君            岩沢 忠恭君            高橋進太郎君            安井  謙君           小笠原二三男君            中田 吉雄君            西郷吉之助君            鈴木 直人君            石川 清一君   国務大臣    国 務 大 臣 岡野 清豪君   政府委員    地方自治政務次    官       小野  哲君    地方自治庁次長 鈴木 俊一君    地方自治庁財政    課長      奥野 誠亮君   事務局側    常任委員会專門    員       福永與一郎君    常任委員会專門    員       武井 群嗣君