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1951-03-05 第10回国会 参議院 地方行政委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月五日(月曜日)    午後一時四十分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方税法の一部を改正する法律案  (内閣送付)   —————————————
  2. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。  地方税法の一部を改正する法律案予備審査を行います。今日は岡野国務大臣が御出席でございますが、総司令部へ行かれる都合で二時十五分までこの委員会におられる予定になつておりますので、先ず最初一般質問をお願いしたいと思います。
  3. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 地方税に限つたことでなくも全般ですか……。
  4. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 地方税法を中心として、他の関連する問題に触れて頂いて結構です。
  5. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 これは必ずしも大臣でなくともいいんですが、今度の地方税増收額はですね、総額は百七十八億ですか、これは大臣予算委員会における説明によると、増税でなく、これは飽くまでも増收であるということを強く言われておりました。これはどういうところに重きを置いてお考えなつたからこういう数字が、増收分が出たのか、そういう点について、これは一つ、やはり大臣に伺いたいと思います。
  6. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。先ずお詫びしなければなりませんことは、この前、予算委員会で御質問がございました。私、事業税について自然増收は三十億ということを言つておりますが、あれは私の記憶違いでありまして、自然増收が五十五億円になつております。又数字を間違えてはいけませんから、詳しいところを一つ政府委員から御説明申上げたいと思います。
  7. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 各税目につきまして増減状況を申上げますと、事業税につきましては自然増收が五十五億一千八百万円ございます。これは現に所得税法人税につきまして二十四年度よりも二十五年度のほうが基礎となる所得において増加を示しているという数字を出しておりますのと大体同じ関係でございます。
  8. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ちよつと奥野政府委員に申上げますが、我々の頂いている資料の何頁にあるかをおつしやつて頂きたいと思います。
  9. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 昭和二十六年度地方税に関する参考計数資料最初の頁にあるわけでありますけれども、それを便宜まとめて申上げておるわけであります。  事業税の点につきましては、改正前後の地方税收比較表の欄の道府県普通税I事業税及び特別所得税というのがございます。この数字と二頁目に参りまして、この旧法による税收入というのがございます。その中の事業税附加税でございます。これに主として法人に対しまする事業税市町村附加税が多少時期的にずれて参つておりますので、昭和二十六年度においても若干收入がなおあるわけであります。これらを合計して申上げておるわけであります。自然増收が五十五億一千八百万、それから申告納税による増加分が五十八億二千六百万円、合せまして百十三億四千四百万円増となつております。申告納税による増加分が、法人に対しまして従来賦課課税の処分をやつて来て参つておりますので、相当遅れておりますが、申告納税制度をとりますと、事業年度終了後三カ月以内に更に計算いたしまして、納付いたしますので、法人に対します事業税分が、單に十二カ月分より若干長い期間に亙ります部分が、昭和二十六年度に一度に入つて来るというふうなことになります関係上、昭和二十六年度に限りまして相当増收が得られる関係になつておるのでございます。  次に市町村民税でありますが、総額で三十三億九百万円の増になつておるのでありますけれども、そのうち新たに法人税割を創設いたします関係で、増加いたしますものが四十一億八百万円でありまして、四十一億八百万の法人税割を創設する結果増加するにかかわらず、市町村民税全体の増加額が三十三億九百万円にとどまりますのは、二十四年度所得税よりも、地方税法改正によりまして税率が引下げられました結果、昭和二十五年度所得税額が減少して参つて来ておりますので、実質的には所得税額課税標準とする限りにおいては、市町村民税が減税になるわけであります。それらの関係減收がございますので、差引きいたしまして、三十三億九百万円しか殖えないという結果を来たすわけであります。  そのほか、入場税につきまして十三億九千九百万円の増加見込んでおりますけれども、その理由は二十五年度の中途におきまして映画館等入場料を多少引上げておるようであります。その結果、二十五年度におきましても、当初の見込よりも多少増收を得ておるわけでありますけれども、二十六年度入場料引上増收分を十二カ月に亙つて見込めるわけでございますので、或る程度増收を見ることになるわけでございます。遊興飲食税につきまして、二十四億四千九百万円の増加見込んでおるわけでございますけれども、これもやはり同様の意味合でありまして、二十五年度年度当初におけるよりも、その後の毎月の様子を見ておりますと、特別徴收義務者の協力の度合も増して来たようでありますし、多少飲食のために支払う料金も殖えて参つて来ておるようでありますが、そういう関係から二十五年度よりも或る程度増加するのじやなかろうかというふうなことを見込めることになつて参つたわけであります。あとは小さな税收でありますので説明を省略さして頂きますが、そういう意味合で、この程度の、いわゆる自然増收があるのじやなかろうかというふうに考えておるわけであります。
  10. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今説明のときに遊興飲食税のときは二十六年度増減のところが何も金額上つておりませんが、そこにこれがたしかしるわけじやありませんか。
  11. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) お手許のその資料の一頁のところの遊興飲食税の二十五年度は九十八億六千七百万円とあり、二十六年度のところに現行制度改正と両方書いてありまして、両年間の現行制度による昭和二十五年度分と、改正を行なつた場合の昭和二十六年度差引を書いておりまして、この資料の作り方が或いはまずいかも知れませんが、遊興飲食税改正を加えておりませんので差引増減なしと書いておるのであります。併し昭和二十五年度九十八億六千七百万円、昭和二十六年度は百三十三億千六百万円でありますから、その差額の二十四億四千九百万円が増收になるわけであります。
  12. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 それはですね、大臣にも伺つておきたいのですが、遊興飲食税の問題は、今後は相当増收見込んでおられますけれども、各地方の実情を御覧通り、非常に成績の悪い税の一つであります。県なんかにおいても非常に徴收に困難を来たしておる。こ間愛知県にたまたま出張しましたときに、旅館組合遊興飲食税撤廃の決議をやつてつたような状況で、説明を求められて撤廃もどうかと思うのでこれはもう少し段階を設けてもらいたい。例えば宿屋で言えば、純粋に寝泊りしただけの人にやはりその税金をかけなければならんということは、実際から考えてもどうかと思うのであります。そういう点、もう少し勘案してもらいたいというふうな陳情であつたのですが、それは実際から行くと尤もなことと思うのですが、そういう点にもう少し中で区分を付けるとか、段階をつけるというふうなことが必要じやないかと思うのですが、そういう点をどういうふうにお考えですか。
  13. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 詳しいことは事務当局からお答えいたさせます。
  14. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 従来遊興飲食税段階を、芸妓の花代は別にいたしまして、三段階に分けておりましたものを二段階に更に下げたわけであります。当時芸妓の出入りするような場所において飲食しました場合に、相当高率の課税行つてつたわけでありますけれども、現実に芸妓の入つている所であるか入つていない所であるかということを正確に把握することが困難でございますので、そういう区分をいたさないことにしたわけでございます。ただ最近はそういう問題よりも、もつと下の段階において、例えば喫茶店等における課税をもつと下げたほうがいいじやないかというふうな考え方もありまして、尤もなこともあるわけでありますので、なお検討をいたしておるわけでありますけれども差当り遊興飲食税が漸次軌道に乗つて参りつつあるわけでありますし、こういう状況と睨み合せて今後相当工夫をして頂かなければならないだろうというふうに考えております。ただ現在の段階においては、本年度税收入の問題ともからみ合せまして、これに改正を加える段階には至つていないわけであります。
  15. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 私、聞きましたのは、今度の場合は増税では飽くまでもなく、増收なのであるという御説明であつたので、それならば例えば自然増みたいなものになると思うのですが、そういうふうな根拠は一体どこにあるかということなんです。その全般の問題について大臣はどういうふうにお考えであるか、どういうわけで増收になるのか、根拠はどういうことなんですか。
  16. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 私の考えといたしましては、最近のいろいろ経済活動が盛んになつて参りました結果といたしまして、遊興飲食税の取れる方面活動が非常に盛んになつているように見受けております。その意味におきまして、私は相当課税標準上つて来でおると思います。そうして税率といたしましては、そのまま据え置きにしております。でございますから、税率据え置きにして経済活動が盛んになつている。そうしてそれに対して自然増相当見込まれる、こういう見当で言つておるわけであります。
  17. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 遊興飲食税だけでなく、今度の地方税全般について私はお尋ねしたのですが、経済状況全般と言われると、中には特殊の特需景気というふうなものもあるけれども、これは市町村住民税においても、端的に現われておつて、大体これはせいぜい五割くらいしか坂つていない所が多いのであつて、非常に国民側の懐も逼迫しておるのですが、漠然と経済情勢等と言われるけれども、そういうふうな簡単な理由増收見込むことは、私は非常に、地方税の問題のときにも非常に国会で論議になつたように、相当重い地方税をかけておるのですが、それに今言われたような、極めて漠然とした根拠に基いて自然増收的なものがあるのだという見方は非常に雑駁な、粗雑な考え方じやないかと思うのですが、その点は如何ですか。
  18. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 私どもといたしましては、御承知通りに本年度は千九百八億という税收見込んでおるわけであります。まだ十分なる統計もとれておりませんけれども、八月一日から新税法が実施になりまして、その後、非常に無理な地方税であるにかかわらず、その徴收されておる結果を見ますというと、案外成績がいいような感じがいたします。そういたしますというと、この千九百八億というものが今年の五月末日までには当然とれる。こういう見込を付けております。そういたしますというと漠然とではございましようが、一般景気といたしましては非常に上昇しておる。それについて今年の税額は御承知通りに二千八十七億でございますから、百七十九億というものはその一割にも足りないということでありまして、その一割程度のものは自然増收があると、こういうような考えでやつておるわけです。詳しい数字上のことは政府委員から答弁させます。
  19. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 大臣は余り時間がないように伺つておりますから、政府委員説明あとにして、もう一点伺います。非常に経済情勢がよくなつておると思うと言われますけれども、これは入る金額は例えば殖えても、現在予算委員会における審議御覧になつても、政府の出される資料によつても、物的面において物価総体が非常に上りつつある今日、なおこの予算見込まれた時よりも実施する段階になつて来、且つ本年の後半になると、今日の情勢では物価は非常に上つて来るのではないか、非常にというと語弊があるかもわかりませんが、だんだん上りつつある。国民生活もだんだんそういう点では出る面が大きくなつて来るので、入つたものだけを見るわけには行かんと私は思う。今年の地方税徴收も私はそういう意味から、国民の実際の生活面から見て決して楽でないと思うのですが、今の大臣の御説明では一般情勢だけを御覧になつて物価上昇、そういうような点は全然考えておらないように受けとれるのですが、その点はどうなんですか。
  20. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。成るほど勤労階級物価に追随して賃金が十分上らんということは、終戦後過去の実際上お仰せの通りでございます。併しながら私が先ほど申上げましたのは、昨年の六月に始りました朝鮮事変以来の物価上昇は、これは今西郷委員のお説の通り非常に上つて来ております。でございますから、西郷委員の御見込通り政府といたしましても物価が余り上昇してそして一般庶民生活が苦しくなるというようなことは是非避けたいと思つて、あらゆる手段で物価抑制の策を講じつつありますが、併し何と申しましても、世界の情勢といたしまして日本が受ける影響として、御見込通りに将来物価上つて来るとこう思つております。物価が上るというと勤労階級税金を払うについて賃金がそれに相応しないで苦しむということは一面の真理でございます。併しこの事業税でございますとか、入場税でございますとか、遊興飲食税でございますとか、又住民税にいたしましても、所得割方面におきましてはやはり大体物価上つて仕事が多くなるとすれば、先ほど申上げましたように経済活動が殖えるわけでございますから、それが非常に税金徴收するのに、増收見込める原因になりはせんかと私は考えております。
  21. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今回政府では百七十八億余万円の増收見込んでおられるけれども平衡交付金その他地方起債においても内閣側金額とは大分違つて大削減をしておられるようでありますが、予算審議の結果どうなるかわかりませんが、予算増加ができなかつた場合地方起債の分、平衡交付金不足分、そういう点については地方財政は一体どうなるであろう、それについて増加されなかつた場合には、岡野さんとしてはどういうように地方財政全般について、不足分はどういうふうなことになるであろうとお考えになつておりますか。それに対してどういうような手を打とうとしておられるか、対策があれば伺いたいと思います。
  22. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。平衡交付金を千百億ぐらいにきめられる。即ち財政委員会が要求いたしました千二百億から百九億減つておるということはこれは遺憾の点でありますが、どういう財政の点からもそうせざるを得なかつたような情勢でございます。又起債の枠といたしましても、全国の財政金融政策の上から四百億という枠をはめられまして、財政委員会意見書を見ますと、六百十五億くらいの起債が要るということになつておるわけでございますから、先ず一般予算があれで決定をして頂くということになりますれば、財政委員会の申出ましたところの点におきましても、平衡交付金は百九億というものさえ足りない、起債といたしましては二百十一億足りない、こういうことは事実であります。併しながらこれは全般的な立場からそうせざるを得なかつた点もありますが、やはり地方におきましても、今後相当不用、不急の事業は圧縮もしなければなりませんし、又行政機構の点においても相当検討をしなければならないし、又節約するところは節約しなければならない。私自身只今考えといたしましては、若し衆議院で通りましたような予算措置で、そうして参議院のほうでおきまりになるということになりますれば、地方財政といたしましては地方事務をいわゆるやりくりをしまして、量も重要なる仕事を優先しまして、そうして余り急がないとか、不用とは申しませんけれども、今切実に必要が起つていないというような事業はこれを繰延べるとか、差控えるとかいうことでつじつまを合わせて行きたいと考えております。
  23. 竹中七郎

    竹中七郎君 小さい問題でございますが、入場税の問題でございますが、この問題は我々も研究いたしましたが、現在の大衆娯楽といたしまして、先般十五割から十割になつたのでございますが、これを五割くらいの程度にやることが今後の映画その他の振興のことも考えて、大衆娯楽として一番必要ではないかとかように考えますが、相当の額でありますので、これが六割或いは四割に縮めればどうだというようなことを自治庁のほうにおきましては御研究になつておるかどうか、そうしてそういうときには入場者が二割なり三割殖えて来る、その予算措置或いはそのほかの措置におきまして、或いは今の現在の県の收入というものは何と申しますか、不健全な財政であるという点から見ますれば、何とかこれに対して健全なる財源をうえるような考え方をおやりになつたことがあるかどうか、この点について伺いたいと思います。
  24. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。今入場税は十割ということになつておりまして、私ども自身も十割の税を取るということに対しては余り賛成すべきじやないと思いますが、併し御承知通りについ先般十五割を十割に落した次第でございます。だんだんとこれは減じて行かなければならんとは思つておりますが、併し昨年税制を改革いたしまして、附加価値税入場税遊興飲食税というものは府県税といたしまして最も重要なる税源として与えられたものでございますので、我々といたしましては、何か最も適当な税收を確保するところの税源が発見できますならば、お説の通りにすることに同感でございますので、いろいろ検討いたしましたけれども、まだこれに代るべき税收を得る税源が発見できません。又府県が非常に只今のところは財政が窮迫しておるという点におきまして、又かたがた先般十割に落したわけでございますから、来年度はこの程度一つつて行きたい、こう考えております。いろいろ陳情なんかありまして、お話を聞いて見ますると御尤もな点もございまして、いろいろ考うべき点もありますが、一応来年度はこれでやつて行きたい、こう考えておる次第であります。
  25. 竹中七郎

    竹中七郎君 実際我々ときどき映画なんかを見ますが、現在は西洋映画アメリカ映画などが非常に盛んになりまして、何か日本映画というものは駄目になつておる、そういたしますと結局入場料金というものは皆よそに参りまして、日本一つの産業として立ち行かないことになるんじやないか、そういうところにおきましても、この入場税があるためだということも一つ考え方でございますので、その点は自治庁長官とせられまして大いに考えて行かなければならんじやないかとこう思いますので、特にこの点は御研究になつて頂きたい。我々のほうの委員会でも非常にやつておりますが、財源の問題が一番問題でございますので、又あと事務当局からいろいろお伺いをすることにいたします。
  26. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 もう一つ先ほどの事業税のことで伺つて置きます。この増加分金額は本年度附加価値税と括弧してありますが、これは来年の一月から附加価値税として今の税法だと変ることになつております。附加価値税として昭和二十七年一月以降に実施されるというお見込みの数字なんですか、その点はどうですか。
  27. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) お話通り現在の法律通り実施されるといたします場合の数字見込んでおるわけであります。
  28. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 地方税法国会を通過する際にも、賛成した側も全面的に今後これを検討するということをいずれも意見としてあつたんですが、今度の地方税改革のほかに、今後とも地方税に対して改廃を行われる考えがあるかどうか。今度のが最終的なんですか、その点伺つて置きます。
  29. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。この前の地方税法を御審議願いますときに、いろいろ御高説を承わりまして、考えなければならんという点もたくさんあつたのでございます。で、若しできますならば、この税法に対してもう少し十分なる、又大きな根本的の改正考えて見たいと思つて、手を付けて見たのでございますが、併しながら、とにかく非常な画期的な税法なのでございますから、全くどれもこれも新らしいものであるということにおいて全部検討しなければならん。こういうことになりまして、その検討がなかなか問に合いません。と申しますことは、いろいろ国家財政方面関係がありますし、シヤウプ勧告もありますし、又財政委員会におけるいろいろ意見もございまして、そんなことを兼ね合せますというとなかなか大きな事業になりまして、そして簡単にこれができないということ、それが一つ。それからもう一つは、折角通して頂きました新地方税法が僅か平年ぐらいの間に、そう十分な、いい悪いの結果も事実を突きとめることもできません。これが一つ。それからもう一つ行政調査委員会議のほうで非常な画期的な地方公共団体事務の再配分ということの勧告が出ております。これはどうしても自治確立の上から申しまして、これは実行に移したいと我々は考えておる。そういたしますと、今度は又今の税法のよしあしにかかわらず、財源措置といたしましては相当大幅な検討をしなければならん。こういうような三つの事情がございますので、それでは行政調査委員会議事務配分もでき、同時に新地方税法も多少の時間をかけて実際上徴收して見た結果の事実も認め、そうしてその上で相当改革をしよう、こういうつもりを持つておりますものでございますから、この際はただこの前の税法の仕直しをする、こういう意味のことだけで改正案を出しております。でございますから私の考えといたしましては、あの新地方税法に対しては相当又画期的な改正をしなければならんということを覚悟しておるわけでございます。
  30. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 大臣に重ねてもう一度伺つて置きますが、二十六年度地方財政需要増加、この表なんですが、これに対して前回もそうですが、今回も地財委の案と大蔵省との比較増減が出ておるのですが、大蔵省側には地方財政に対する非難の一つとしてこの表を見てもわかるがごとく、地方財政増加分だけをここに出しておつて、その根底は二十五年度総額を全くそのままに鵜呑みにして、それに増加する分だけをここに書き出しておる。であるから二十五年度基礎としておるのだから、それには当然二十六年度においては増減があるべきなんだ、然るにそれをせずして二十五年度予算総額増加分だけをくつ付けておるのでございますから、基礎とする数字に非常に重複すべき数字もあり、又減少せしむべき数字もあるはずだというふうなことを非難する一つ理由としておるようですが、そういう点について大臣はどういうふうにお考えになつておりますか。
  31. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。二十五年度の現況と申しますものは、これは私の聞いておりますところによりますというと非常に苦難な年である。そうして一方地方自治団体仕事がどういうふうに進んでおるかと申しますと、国の施設が殖えるばかりでなく、災害が起きるとか、又いういろいろ薪自治に対するいろいろな諸制度が完備しつつある次第でございますから、むしろ過渡的、即ち財政需要としては上り気味の方向に向つておる次第でございます。でございますから二十五年度の必要な仕事というものは、むしろ推計いたしました当時よりは実質的には殖えているかも知れない。殖えておるかも知れませんが、併しほかに頼るべき数字がございませんから二十五年度の分をそのまま鵜呑みにして、と、いうことになつた次第であります。でございますから鵜呑みにするということは、むしろ非常に増加しておるだろうという漠然たる考えがあるにかかわらず、先ず差控えましてそうして二十五年度基礎にした、こういうふうに御理解下さるといいと存じます。でございますからその点におきましては私は詳しい点はよくわかりませんが、大体二十五年度基礎にして置きまして、そうして殖えた分だけを加えるということが適当ではないかと思つております。
  32. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の意見大蔵省がそういうふうに考えているのですが、なお且つ地財のかたもこの間御列席になつたと思うのですが、予算委員会で二十六年度のいろいろの数字の、大蔵省地財委との差の説明を両者がやつたのですが、大蔵省は二十四年度決算見込額その他の数字によつて、推計表によつてその差額を説明しましたのですが、今のように大蔵省は今でも、さつき申上げた質問でも、大蔵省がそういうふうに考えているのですが、この予算説明についても大蔵省のその推計表によると、歳入のところに繰越金とか、雑收入とか、使用料、手数料、そういうふうなものに莫大な金額を二十四年度からずつと掲げておつて二十六年度数字を出しておる。なお歳出においては、歳入超過というものが二十四年度以降莫大な数字がある。二十六年度の歳入超過は三百八十九億というふうなことが書いてあり、なお且つ二十六年度については予備費を百億計上しておるのです。であるからそういうことから言いますと、地方財政を叩かんとするならば、大蔵省の推計を見ると予備費の百億、歳入超過の三百九十億、約五百億の余裕があるようにここに見え勝ちなんです。こういう資料大蔵省地方起債平衡交付金を出しておるのですが、そこに重要なる私は誤りがあると思うので、この誤りについては、この間財政部長の小野政務次官に質疑しまして、地財委自治庁としてはこういうことは実際誤りの数字であるということを伺つたのですが、大臣はこういう数字に基いて大蔵省が出しておられるということを御存じであるのかどうか、御存じであるならば、閣議等においてもこういうことを徹底的に大蔵大臣に追及されて、こういう誤れる推計表に基いて今後地方財政考えることのなきように嚴格にされないと今後何年たつても非常な食い違いが出て来ると思う。そういう点を御承知であるかどうか、御承知であるならば、こういう点を嚴重に大蔵大臣にかけ合う必要があると思う。これを改めないと今後何年やつても食い違つて来てけんかになると思うのですが。根本的にこの数字は誤りであると思うし、こういう考え方は私は非常に根底において食い違う原因をなしておるものと思うが、そういう点について大臣はどういうふうにお考えになるか伺いたい。
  33. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。その点は事務当局間としていろいろやつたことでありまして、曾つて大蔵大臣に何か両方の数字を突合せて検討し合つているが、いや、ああいうことは事務当局に任じておいて我々は知らんことなんですから……、こういうお話がありましたものですから、私は余り関心を持つておりませんのです。ただ先般、資料として差上げたそうでございますから、そうすればこれは甚だどうも我々として知らんということは申せませんけれども、私自身としましては、やはりあの数字に対しては私はこちらの財政委員会事務当局考えていることを信じて頂かなければならんと、こう考えております。
  34. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の大臣の答弁は非常に遺憾だと思うのです。事務当局数字のかけ合いはやるわけです。併しそれは同じ資料に基いて数字をこね廻すならこんな大きな違いはないのだから、今大臣が答弁されたのを聞くと、大蔵省の推計表をあなたは見ておられない。あなたは見ておらないのだからこういうような答弁をされたが、これを一度御覧になると、こういう馬鹿げた推計表によると今後非常な誤りが出るわけです。それを今私が言つたので、あなたはよくあと研究されることが必要だ。予備費百億を立てて見たら、二十六年度に二十四年度の決算見込みのところから歳出の面においてずつと莫大な何百億の金額が載つておるので、そういうようなことでは私は誠にいかんと思うのです。数字の突合せはやつておるのでしようが、突合す根本の大蔵省の基の表というものは、こういう推計表から出ておるのですから、これを根本的に誤つておるということを申上げておるので、大臣はもう少し大蔵省数字も一応目を通されて、こういうことは誤りである、自分のほうの地方財政委員会資料はこういうものだから、こういう確かな、全国の集計したところの金額に基いて研究してくれということをされないと、今後とも誤まると思うので、私が今申上げたのですが、大臣は恐らく見ておられないと思うのですが、こういう点を御注意願いたいと思うのです。
  35. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 事実私見ておりませんから、よく見まして研究いたします。
  36. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 政府委員に御質問願います。なお地方財政委員会から菊山委員が見えております。  菊山委員に御質問いたしますが、府県側から二十六年度予算を組むに当つて給与費、給料が非常に高くて、人件費が非常に高くなつたので予算が組めない、それで参議院の地方行政委員会から府県の実態調査をしてもらいたい、如何に府県がこの財政に困つておるか、二十六年度予算を組むのに困難をしておるかということをよく実態を把握して頂きたいというお申出がありましたのは御承知通りでありますが、それで当委員会といたしましては、東のほうで茨城県と福島県、中部では愛知県と富山県の実態調査を、委員を派遣いたしましていたしたのであります。そこで私は茨城県と福島県へ参つたのでありますが、確かに人件費が非常に多くなつておる、このままで行くと県の財政というものは、県税收入は御承知通り事業税入場税遊興飲食税、今各委員からお話がありましたように入場税遊興飲食税はこれは税を引下げなければならん、而も府県の負担しておる人件費というもの、特に教育職員の人件費も皆府県が負担しておるのでありますが、そういうものは上る一方である。こういうことになりますと府県財政は破綻せざるを得ない。こういうふうに考えるのであります。これに対して地方財政委員会はどういうふうにお考えになつておりますか、その点を伺つて置きたいと思います。
  37. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) 只今委員長からの御質問でございまするが、これらの点につきましては地方財政委員会といたしましても非常に心配をいたしております。過般の地方税制の改革は誠に立派なる理由の下に行われたのでありまするけれども、不幸にして府県側に対してその府県の行うべき事業と、それからこれを裏付いたしまする税制との間に多少の将来研究をいたさなければならん余地が残されているように考えられるのであります。で、地方財政委員会といたしましては、目下この府県事業等についてはいわゆる神戸委員会研究をせられ、これを政府並びに両院においていろいろ御決定に相成ることもあろうかと考えられまするので、それと調子を合せまして、府県の将来の財源を与えるということにつきましては、相当研究をいたさなければならんと考えております。ただ来年度のことにつきましては、従来きまつておりまする範囲でやつて行くより仕方がございませんので、それらのことは将来の研究に待ちたいと考えております。
  38. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 菊山委員に伺いますが、地方税をちよつと離れますけれども平衡交付金制度の問題なんですが、府県によりますと、例えば特別交付金の問題を、これは災害その他そういうふうな事故のあつた県に大体配分せられて、例えば災害が二十五年度になかつた、そういうふうな所に対しては普通ならもらえるはずのものがもらえないで、災害費やその他に全部取られてしまう。全然特別交付金に対する希望が持てないのだというふうなこともあり、その他いろいろのことから折角平衡交付金制度を布いてくれたけれども、この制度よりは昔の配付税制度のほうが機械的にぴちつと数字が出て来るので、そのほうがいいのだ、平衡交付金の現状のような配分ならばこれはもうやめてもらいたい、昔のほうがよかつたというような意見を言う県もあるのですが、それは要するに配分の方法その他の問題、又総額地財委の思つた通りもらえないで、大蔵省側が大幅に組みますから、配分方法に非常に窮屈な面が出るからそういうふうな意見が出るかとも思いますけれども、そういうふうな制度全般について菊山委員はどういうふうにお考えですか。実情をよく御存知だと思うので御意見を承わりたい。
  39. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) 平衡交付金のことにつきましては、何分制度創始の早々のときでございまするので、各方面にいろいろな不平もあり、希望もあり、又委員会といたしましても研究の至らないところもあるかと存ぜられるのであります。併しながら平衡交付金の本来の目的でありまする、いわゆる負担力の均衡を得ない所を財政力の均衡を得せしめるという点から申しますと、大体においてその目的を達しつつあるのではなかろうか。殊にこのいろいろ不平はございまするけれども、併しながら大部分は財源が比較的貧弱であつて仕事の多いという、簡單に申しますれば貧弱団体の数が非常に多いのであります。その数の多い貧弱団体等におきましては、平衡交付金制度の布かれておりますことに対して、その趣旨においては、又その精神においては満足をいたしつつあるやに窺われるのであります。ただ従来の配付税の制度に帰るほうが却つてはつきりしていいのじやないかという御議論でございますが、これはそういう説も一部にあることは確かでございます。殊にその平衡交付金の配付の標準、或いは配付のやり方等につきましては甚だ微妙な点がございまして、まだ馴れない所もございまして、これを受ける側からいろいろの不信が生じ、或いは不平の生ずるということは免れがたい情勢であるのであります。併しながらもう少し馴れて参りますれば、これらの不平も解消するのではなかろうか。又配付の方法等につきまして、本年等の経験に鑑みて改善を行なつて行く余地もあろうかと思われまするが、それらのことを研究すれば、平衡交付金のこの制度のほうがいいのではなかろうかと考えられます。
  40. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 重ねて伺いますが、そういうふうな議論が出るゆえんは、地方財政委員会平衡交付金総額を見積るだけであつて、最後の決定は大蔵省にあるというところに最大の欠点があると思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか。
  41. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) 私どものほうの事務を取扱つておりまして考えますことは、この総額が決定せられておりまする範囲内で、多くの団体がこれを自分の各自の団体に有利に獲得しようと考えるところに非常にむずかしい点があるのではなかろうか。言い換えますと、平衡交付金の取合いをやるという傾向を免かれがたいのであります。なお一般の人たちの評判によりますると、上手にやれば多くもらえる。下手をやつていると少いというような点があるかのごとき邪推がございましていろいろの風説を生むのではなかろうかと考えられるのであります。併しながら私どもは与えられましたる総額の範囲内において、極めて公正なる標準を以ちましてこれを配付いたすのでございまするので、将来といえどもこの点については、この配付の基準を極めてわかり易く、又不公正の行われがたいものにだんだん固めて行けば、その弊害は除かれて行くと考えているのでございます。ただその総額が甚だ不十分であるという点につきましては、これは国会の御審議に待たなくちやならんのでありまするけれども、全国到る所の自治団体におきまして、総額を殖やしてもらわなければ、到底我我は立ち行かないという声のあることは事実でございます。併しながら、この総額を無限に殖やすというわけには行かないのでありまするから、そこの調整につきましては、地方財政委員会としても大いに研究をいたし考慮をいたしておりまするが、何とぞ公正なる御研究の下に然るべき御決定を得たいと考えております。
  42. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 地方財政委員会制度としてはいいのですが、どうもその地方財政、行政全面に対して一番権限を持つている財政委員会は歴史も浅いし、その他のこともあつて非常に何かその折角の機関であるが、大蔵省その他に対しても弱い。だんだん見ていると、どうも超然たる機関であるから、何もその政府に直属してその指揮監督を受けるようなものではないのですが、何かそうでなくなつて来て、だんだん腰が弱くなつて地方財政平衡交付金の問題でも、いろいろ勧告なんかをなされるけれども、弱々しいような感じを受けるのです。委員長がその点は大臣でもないので閣議にも列席しませんから、その点非常にお気の毒に思うのですが、もう少しこれは積極的に馬力をかけて行かないと、この委員会制度というものは戰後の新らしい制度でもあり、その、非常に微弱なものとなる虞れがありますので、そういう点を我々非常に憂慮いたしておるのですが、この財政委員会の問題なんかもそういう点において委員諸君はもう少し根本的にこういうようなものも何か改革したらいいのじやないか、平衡交付金総額の決定権が独断的に大蔵省のきめるようになつておる点も、何とかお考えにならなければいかんのじやないか、そういうふうな感が深いのですが、そういうような点についてはどうお考えですか。
  43. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) 御承知のように現在の法律の下におきましては、地方財政委員会が独自の研究に基きまして、これを政府を通じて国会意見を出し、勧告を出すという程度以上に出るわけには行かないのであります。でその意見なり勧告なりが如何に決定されるかということにつきましては、政府並びに国会のかたがたの御審議に待たなければならんという制度になつておりますることは御承知通りでございます。ただ併しながら委員会といたしまして、いやしくも意見を立てました以上、これを実現せしむべく努力をいたしますることは勿論でありまするし、又その実現を望まなければならん立場でありまするので、成るべく強力なるものになつて行かなければならんということは、西郷委員のお考え通りでございまして、私どもも大いに努めて行きたいと思つておりまするが、何分今の制度の上におきましては、その点もう少しく研究をいたさなければならんところが残されておるのではなかろうかと考えております。
  44. 竹中七郎

    竹中七郎君 私もちよつとお伺いしたいのですが、地財の案と大蔵省の案とが相当の開きがある、その点につきまして地財のほうにおいてまだ年限が浅いからですが、各地方自治体の本当の資料が十分に集まつておれば、私は大蔵省の官僚というものもそれが本当であるというならばどんどんそれが認められるのじやないか。かように考えますが、大蔵省の今の考え方がいろいろあなたがたのほうの非難事項があると同じように、考え方が違つて来ておる。こういうことにおきまして、あなたがたのほうでも実際の資料というものがはつきりしたものができておられるかどうか、各自治体のそういう点につきましては大体大ざつぱで、去年のものでこういうふうだつたというお考えでおやりになるから、大蔵省に負けるのだと思いますが、そういうことが起きるのだと思うが、その点どうですか。
  45. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) 資料を集めまする上におきまして大蔵省のほうが便宜を持つておるか、或いは地方財政委員会のほうが便宜が多いかという点に相成りますと、これはどちらも相当研究をいたして集めるのでありますから、私どもといたしましては地方財政委員会の材料が確かであると考えるのでありますが、その点は見るかたがたによつて、その材料をお扱いになります側において御判断を願わねばならんかと存ずるのであります。ただ、今日の制度の上におきまして、二十五年の結果を集めて、これを御審議の材料に供給いたしますることが、事実できないことになつておりますので、その点は御了承を得たいと思う次第であります。
  46. 竹中七郎

    竹中七郎君 この資料によりまして、給与ベース改訂とか年末資金こういうような問題があなたのほうの勧告のものと大蔵省相当違うわけになりますが、その点などは各省におきまして、大蔵省との折衝というものに相当骨を折られまして予算獲得をやつておる、あなたのほうでも給与ベースにつき、これだけ違つておる問題、年末資金の問題とか、その他の問題が変つておりました場合においては、これを大蔵省と御折衝になつてお出しになつたかどうか、これは別々にやつたと、こういうふうにお考えになつておるか、私はその点を伺いたいと思います。
  47. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) 大蔵省との間にはいろいろ折衝をいたして、成べくこの意見を一致せしめたいということで努力はいたしておるのでありますが、併しながら、大蔵省大蔵省の見るところを以てし、地方財政委員会はその又独自の考えを持つてやるものでありますから、不幸にしてこの度は食い違つた意見が出るということに相成りましたことは、御了承を得たいと思います。
  48. 竹中七郎

    竹中七郎君 まあ一つの例で言いますと、厚生施設費の補助その他が約十七億ばかり違うのですが、これは地方負担というものは違うわけはないと思いますが、どういうわけで違つて来たが、この問題につきまして事務当局でもいいですから伺いたい。
  49. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) その違つておりますというのは、従来国庫負担金で賄つてつた行政系統の経費の食い違いでありますけれども、その後各省でいろいろと法令を作りまして、例えば社会福祉主事の員数にいたしましても、或いは衛生関係の監視員の員数にいたしましても、標準的なものを示しまして、これによつて相当増加を来たしているわけでありまするけれども大蔵省の示しておりまする数字におきましては、そういうものは全然認めないという考え方を持つておりますものが相当ございますので、そういうものについては大蔵省側数字にも入つていないわけです。併しながら地方といたしましては、大蔵省が好むと好まざるとにかかわらず、各省の要請に基きまして相当の員数を設置しなければならないような恰好になつておりますために、あるべき地方財政需要というふうなものの測定になつて参りますと、この標準的なものを基礎に計算をして参らなければならんというふうな関係にありますので、そこに食い違いの因が起つて来るわけであります。国自身が行うものでありましたならば、それだけのものを予算に組まなければ自然仕事は行われないわけであります。併しながら都道府県市町村が実施するということになりますと、財源見込もうと、見込まないでおきましようと、法令の定めるところ、或いは各省の要請するところに従つてそれだけの仕事をやらなければならない立場に追込まれるのが普通であります。そういたしますと、それだけのものを好むと好まざるとにかかわらず計算に入れて行かなければならないのじやないか、こういうふうな考え方が、我々が地方財政需要を測定いたします際の立場であります。
  50. 竹中七郎

    竹中七郎君 そういたしますと、好むと好まざるとにかかわらず必要なものを、大蔵省事務当局は何故にはつきりやらなかつたか。どうしても要る金を出させる。これはいわゆるほかの事務の節約とか、そういうものでやれというのですか。その点あなたがたの努力は足らんじやないか、こういうことです。必ず必要のものを何で大蔵省が切るか、そういう馬鹿なことはないわけです。
  51. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) これはそれらの行政についての見方の相違ということになるのじやないだろうかと思います。例えば厚生省の関係仕事でありましたならば、厚生省は恐らく地方財政委員会が見ている以上に財源が要るという見方をするかも知れません。我々はそれを、厚生省の希望じやございませんで、厚生省の関係で出ておりますところの法令を元にいたしまして、大体基準的なものをこの頃は示すようなことになつておりますので、そういうものを基礎にして財源を査定いたして参つているわけであります。大蔵省の立場になりますと、更に自分がやるとすればこの程度仕事しかやりたくないということかも知れません。地方仕事に定められてしまつているものですから、大蔵省としてはその見方を非常にきつく査定するということになりましようが、我々としてはやはり一応あるべき姿のままで測定して行かなければならないのじやないかというふうな考え方を持つているわけであります。
  52. 竹中七郎

    竹中七郎君 私、神奈川県の資料をずつと見まして、非常に足らない。実際正確な資料、それは水増しはないという観点から見ますと、さように感じるのであります。そういたしますと、あなたのほうで大蔵省はなんでも切ると言うのだけれども、もう少し御努力にならなければ、地方財政は本当にまあ何と申しますか、貧乏していると言うと、少し恐縮でありますが、伸びて行く県或いは市町村というものは全然ない。実際今の日本のいろいろの何と申しますか、資金の拡充をやるとかいろいろ財政計画を積極的にやろうというときに、自然大きくなつたやつを押えてしまつてどうにもならん、こういう政策はどうかと思いますが、その点につきまして財政委員会もよほどお考えになつてつて頂かないと、もう少し大蔵省に御努力にならんと、二つの、あなたがたはあなたがたの考え方でやる大蔵省はどういうふうに考えても、というようなふうでは政治というものはうまく行かない。私はそういうことを考えまして、もう少し大蔵省に御努力になることが必要である。ここへ出て参りましてやるというと、あなたがたは国会勧告して国会政府がやつてくれるのだ、我々はこういう研究をするだけだ。それでは何にもならんわけでありまして、その点を強く要望いたしまして、私、今日はやめて置きます。
  53. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 竹中さんの御意見誠に御尤もでありまして、更に一層努力して行かなければならんと思います。併し事務的に大蔵省数字を見て参りますと、地方財源をどこまで持つて行くかというふうなことが先に頭に入つて来て、こういう数字が作られて行くのじやないだろうか、というふうに思わざるを得ないのであります。例えて見れば、急に税外收入が百数十億円殖える。それが全地方団体の給与の財源に充てられたり、或いは生活保護の財源に充てられたりするということはちよつと考えられないのじやないだろうかというふうに私は思うのであります。更に又二十四年度、二十五年度、二十六年度として毎年度財政需要というものを出しておる数字がございます。これにいたしましても、二十四年度基礎にすることは私は何にも異論を唱えませんけれども、二十四年度のものをそのまま二十五年度に持つて来られる、西郷さんもおつしやつておるように、それでは国庫財政はどういうふうになるだろうということを考えますと、公共事業一つとりますと、二十四年度は五百億円内外の公共事業費になつております。二十五年度は千億内外になつております。二十六年度は更にそれが増額になつております。地方財政需要だけは二十四年度の姿をそのまま二十五年度に持つて行つていいはずはないわけであります。世の中もいろいろ変つて来ておりますし、仕事の分量も殖えております。殊に二十四年度地方配付税が一挙に半減され、政治的な問題が起きた時であります。シヤウプ勧告は千億円の地方財政を殖やすというようなことも行われておつた年であります。それを二十四年度をそのまま二十五年度に持つて来る。而も二十五年度も節約が立てられて行く。二十六年度においても節約を立てられて行く。節約を立てれば予備費は幾らでも設けられるわけであります。併しこういう考え方でいけないというわけじやありませんけれども、やはり根本には地方の自治財政というものをどう持つて行くかという考え方の相違が一つあるのじやないだろうかというふうに思つておるのでありまして、もとより我々の努力の足りないところは大蔵省に十分説明して行かなければならないということはよくわかつております。わかつておりますけれども、根本に問題のあることだけはよく御了解を願つて置きたいと思います。
  54. 竹中七郎

    竹中七郎君 奥野さんには甚だ気の毒なことを申上げましたが、私もそうです。雑收入、その他の問題は必ずしも横に使うのでなくて、それに関連したことに使うということはわかつている。それを大蔵省がそういうことをやるということに対して、今の大蔵当局の頭の如何ということも考えられますが、あなたがたもこの点をもう少し強調して一つつて頂きたい。これは地方の自治体を愛護するゆえというわけで、今実際苦しんでおるからやつて頂きたい。こういうことを、今の日本の実際の政治というものを私は不可解に感じますが、事務当局でやつたものをここに持つて来て、そうして我々がただ議論するだけの状態にあるということが非常にいかん。これは講和条約をすることになりますれば、もう少し自主的になりまするが、非常に遺憾な点だと思いますが、あなたのほうで努力して頂くことが現実の面においていいということを一つお願いするわけです。
  55. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 先ほど委員長からのお話でありましたが、都道府県で、事業税にしても入場税にしても、遊興飲食税にしましても、三大税がいずれも経済的な浮動性のあるものであり、常に経済事情に左右され、なお且つ、入場税のごときものは世界一高いと言われているくらいのものですから、国会におきましてもどんどんこの率を下げる努力を必要とするのでありますが、そのようなことになつて参りますと、遊興飲食税徴收することがなかなか困難である。だんだん税源が薄弱になるので、何とか都道府県においてはこれに代るべき地方税を欲しいという要望が強いのですが、前に一回やつたことがあると思うのですが、その代り財源として、例えば酒であるとか、たばこであるとか、そういうものについて極く僅かなパーセンテージで私はいいと思うのですが、そういうようなものを都道府県等に与えるようなお考え地方財政委員会におありかどうか。なお且つ法案を提案されるのは自治庁ですから、自治庁においてもそういうふうなことをお考えになつておるのかどうか。又酒、たばこの附加税というものは根本的に反対なのか。そういうふうなことを双方からお伺いしたい。
  56. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) 只今、西郷さんのお尋ねでございまするが、新たに府県に有力なる税種を設けることにつきましては、地方財政委員会としても研究をいたしたいと考えております。又酒、たばこの税を設けるということにつきましては、これは国税との関係を主として考慮に置きまして研究をいたし、それらの点に異存がなければ、成るべくそういうふうの方向にこの府県税を持つて行くのがよくはなかろうかという考を以ちまして、目下研究中でございます。
  57. 小野哲

    政府委員(小野哲君) 府県財政の問題につきまして、先ほど来種々御質問があり、菊山政府委員からお答えがあつたのでありますが、例えばその場合において酒とか或いはたばこの国税分を地方に分けるというふうな考え方は、実は一両年前においても研究したことがあつたわけでございまして、できるだけ普遍的な税源を与えることが妥当ではないか、こういうことが研究の対象になつたのでありますが、御承知のようにシヤウプの税制報告書に基きまして、全面的な改革を行いました現行の地方税制の建前といたしましては、先ほどお話なつたような三税を主体とする府県税源を培つて行くということになつたわけでありまして、この問題は菊山さんからもお話がございましたように、根本的な財政、税制の両面に亙る改革も将来考えなければならない時期が来るのではないか、かように思つておりまするので、さような際に、只今意見のありましたような点につきましても、地方自治庁においても地財委とともどもに十分に研究いたしたいと考えております。
  58. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 もう一点伺いますが、市町村民税ですが、今回新たにこういうものをやつてみると、地方では非常に困難を来している点は、御承知のごとく均等割のほかに所得税に関する部分があるので、どうしても国の国税庁とか税務署によつてその数字を調べなければいかんのであるが、それがなかなかきまらない、最後になつて来ると、税務署のほうでは調定減々々々というのでどんどんやつてしまう、そしていい加減な数字を国税庁のほうには報告するが、地方公共団体側がその基礎数字を尋ねに行くと、なかなか教えもしないし、実際にははつきりした数字がないように思われる、こういう点で非常に困難を来すというふうな気な毒な状況があるのですが、こういう点につきまして財政委員会のほうはどういうふうにお考えなのか、こういう点を十分御認識かどうかということを伺いたい。
  59. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) 只今の税務署との連絡でございまするが、市町村側におきましても、この連絡に非常に努力をいたしているのであります。併しながらお話のような調定減でありまするとか、或いは更正決定でありまするとかというふうの関係がございまして、それを正確に適時に入手をいたすことが困難の実情なのでございます。併しながらそれらにつきましても、なお目下国税庁その他とも打合せているのでありまするが、一層この連絡を密にいたしまして、成るべく不都合を少なからしめるように努力いたしたいと考えております。
  60. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 そういう点ですね、地方公共団体は非常に困つているのですが、そういうふうな資料は国税庁あたり、或いは税務署が地方公共団体に報告する義務等でも、法律によらずとも方法もあると思うのですが、そういうことを義務付けたらやらざるを得ない責任があるので、一々地方公共団体が非常な苦心をして頭を下げて税務署からとる必要もないし、国税庁からとる必要もなくなつて来ると思うのですが、そういう実際の困難があるのですから、そういう点について何らかの実際的な処置をとるお考えがないのですか。
  61. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) お説の通り、そういう点について非常に困難をいたしておりまするので、何か実際上の適切なる案があればこれを実行いたしたいというので目下研究中でございます。
  62. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 と申しますのは、いろいろ地方を歩きますと、地方公共団体なんかも市町村民税をとる関係で、今回初めてそういう数字を知る必要が生じたので、いろいろやつて見ると、実際国税庁側の数字というものがめちやくちやであつて、なかなかきまらない。而もそういうことを聞かしてやる向うに義務があるわけでもないので、低頭平身その数字がわかればいいが、わからないときはそれまでなんですね。それで非常に実際上気の毒だと私は思うので、その点は何らか処置しないと、今後とも非常に私は気の毒だと思うので、そういう点は実際的な徴税上のことなのですから、国税庁、国の側としても、積極的に地方財源を一〇〇%徴收でき得る点から考えても協力すべき問題であると私は思うので、そういう点は自治庁等においても積極的に研究されて、何らか処置して、地方の税が取り易いようにしてやるべきだと私は思う。相手が国税庁側ですから、そういう点を早急に何らか手を打たれないと、ただ研究中々々々だとそのままになる虞れがあるので、そういう点を御高配を願いたいと思います。
  63. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今の問題に関連して私も伺つて置きたいのですが事業税市町村民税とどちらにも関係する問題であります。事業税課税基礎といいますか、それは所得税である、それから市町村民税基礎も前年度所得税である。こういうことであります。そこで事業税について言いますと、これは又都道府県政府からもらう平衡交付金関係がある。入場税でも遊興飲食税でも同じでありますが、事業税は特に大きいから関係があるのですが、この事業税が、その基礎をなす所得税が各府県間均衡がとれていることを前提として、標準財政收入なり何なりがきまるのでありますが、つまり事業税がきめられるのでありますが、どうも各府県によつて所得税が国税局の関係で余り公平でないようなことが言われておるのです。或る府県においては税務署の関係所得税の取り方が非常にきつい、或る隣りの府県では税務署の関係で税の徴收がゆるい、そうしますと、それを基礎とした事業税ですから、事業税收入が少くなつて來る、そうすると平衡交付金が多くもらえる、併し事実取つてみるともつと多く取れておつたという非常におかしなことになる。それから市町村民税につきましては、前提にやはり各人の前年度所得税というものが非常に公平であることを前提としてやつておる。併し必ずしもそれがうまく行つていない。小さな町や村なんかにおきますと非常におかしい。又市町村民税で非常に不公平が起つて來る。新たな地方税法はそれを予定して、七百何条でありましたか、救済規定があります。市町村地方財政委員会に申出て、認可を受けて、独自の見解で市町村民税所得税の如何によらず取るようになつております。併しこれはなかなか認可を受けられないというので、止むを得ず所得税によつてつておる、こういうことなんです。で問題は、そういうふうに地方財政委員会は私が今言つたようなことをお感じになつておるのか、お感じになつていないのか、又この市町村民税について地方財政委員会に認可の申請をして来て認可をお与えになつ市町村がどのくらいあるか。そういうようなことについてお話を願いたいと思います。
  64. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) 只今お話のようなことは、地方財政委員会といたしましてもよくそういう説を聞いておりまするし、又実際所得税その他の国税との関係が不明であつたり、或いは報告が遅延するような関係で困難を極めておるということを聞いているのであります。併しながら現在といたしましては、殊に本年は早々のときでもございまするし、他に方法がございませんので、要するに税務署、国税庁等々の連絡を密にし、わからんところはよく地方財政委員会もこの中に参加をいたしまして、特に地方のために便宜を図るような手段をとりまして、連絡を密にしてやつて行くということ以上に出ることができなかつたことを遺憾といたしております。併しながらこれは将来相当に問題が多いということを考えまするので、なお適当な方策を発見いたしたいと努力をいたしております。  それから市町村民税の特別税の認可でありまするが、二つ今までに出ておりまして、許可の手続をとりつつある状況であります。
  65. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今のに関連しますが、この事業税ですが、御承知通り、例えば支店が名古屋にあつても本店が東京にあるような場合は、この総額は本店の所在地において決定することになつておるので、東京側で決定しない限りは愛知県で如何に取ろうと思つても取れない。総額が決定しないから非常に困難を来たしておるが、東京は本店も多いので事務錯綜のためなかなかやれない。そのうちで今年の何用かになると最初事業税は時効にかかる分があるので、それを非常に焦つておるというが、何ともいたし方がないというふうな実情もあるのですが、そういう点をどういうふうにお考えになつておるか。又そういう点に対しては今後どういう対策を持つておられるのか、併せてお伺いしたい。
  66. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 只今の問題はお話のような欠陷もございますので、只今提案いたしております改正法案におきましては、主たる事務所又は事業所在地の都道府県知事が決定をいたしません場合には、主たる事務所又は事業所所在地の都道府県を通じまして、関係の都道府県知事から地方財政委員会に指示を求めて来ることができるような方針をとつております。遅れると思いますものにつきましては、地方財政委員会が主たる事務所又は事業所所在地の都道府県知事に対しまして決定をするように、然るべき指示がなされるというふうに方針をとることに相成つておりますので、自然主たる事務所又は事業所所在地の都道府県知事は、従来のように自分の立場だけで必要なものについてのみ事務を急ぐということではなしに、全都道府県知事の立場にももつと重点を置くようになつて行くのではなかろうかと考えているわけであります。
  67. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 この点重ねて伺つて置きますが、時効にかかる分があるというのですが、こういう点を支店所在地の都道府県は時効にかかることはわかつているのに、それが決定しないでみすみすそれを何しなければならんのか。その場合には応急措置としてその支店の所在地なる都道府県では、何か法律的な手段がとれるのかどうか。その点を一つ
  68. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) それぞれの関係で、都道府県知事は個々の企業に対しまして課税処分をするわけであります。その課税処分をすることは、別段無効になるわけではございませんので、みずから自分の県の分がこれだけだと考えまして差当り課税処分するということは可能であるわけです。ただ手続といたしましては、そのように各県がばらばらに課税いたして参りますと、企業として不満であります際には、個々の関係府県知事を相手取りまして、争いをしておつたのでは非常に手数がかかるわけでございますので、主たる事務所又は事業所の所在地の都道府県知事が、それぞれの関係の都道府県の分の分割の仕事をやるだけのことであります。それが現に非常に遅れでいるわけでありまするけれども、それを待たないで課税をしたからといつて、その課税自体が無効になるわけじやございません。
  69. 竹中七郎

    竹中七郎君 二十五年度平衡交付金の問題でございますが、これは御承知通り、その配付せられたときが時期が遅れている、そうして二十五年度はもう市町村或いは都道府県では事業計画は立つてしまつている。そのために、初め暫定的に交付せられました交付金を返還しなければならないような状態になる、併し事業は済んだために返還に非常な困難を感じている都道府県並びに市町村というものはたくさんあると思いますが、この交付金の返還に対しまするあなたがたの御意見、そうしてこれを如何に処分せられるかということを先ず第一にお聞きしたい。
  70. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) 二十五年度平衡交付金は、法律その他の関係で止むを得ず仮交付といいますか、という処分をいたしたのであります。その条件としまして、将来法律関係がはつきりいたし、手続がはつきりいたしましたときには、超過分は還付を命じ、足りない所はこれを補つてやるという建前で来ているのであります。従いまして、これを交付いたしましたときからそういうふうにあとで是正されるということは、受けた団体においてもよく承知いたしているところなのであります。併しながら実情といたしましては、仮決定で交付を受けましたものは大体そのくらいは使えるものだとして御説のような計画を立てている所もあるのでありまして、これを年度内に一時に返さしめるということは相当困難な事情もあるかと考えますので、これは法律の許す範囲におきまして、成るべく返すものの苦痛の少なき処置をとりたいと考えております。併しながらこの還付が完了をいたしませんければ、新たに増加交付を受けまする他の弱小団体が困る事情になりますので、その金を取返して、それを他の団体に交付することになりますので、還付の条件を緩和いたしましても、是非とも還付は受けなければならんということで、それぞれ目下考究中でございます。
  71. 竹中七郎

    竹中七郎君 今の問題は、仮交付を受けたけれども、それは返さなければならないことを大体知つておると申されますが、そうではなくて仮交付を受けてこれよりかたくさんくれるだろうといつて、各事業をやつたというのが現状であると思います。そのためにあなたがたのほうにどんどんと陳情が来ておると思いますが、この問題は初めの仮交付に対しまする問題がありますので、特別平衡交付金は災害その他のもので大体きまつておりますが、本年度だけは特殊事情であるということを考えますならば、何とか法律上でこの点を是正することができるかどうか、この点をお伺いいたします。
  72. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) これは全くお説の通り、本年度の本当の特殊事情であつたのであります。法律その他の決定が遅れましたために、いつまでも遅らしておりますると地方団体の財政のやり繰りが付かなくなる。それでとにかく仮交付で仮に交付しようじやないか、こういうことで交付をいたしましたのでありまするから、本年度限りの特殊事情なのであります。でありまするから、いろいろの事情を考えまして、還付すべき団体が成るべく円滑にこれを還付し得るような方法は極力講じたいと考えております。併しそれを還付しなくてもよろしいという、或いはこれを多少でも減額するというような処分は今のところ不可能であります。それを還付しなくてもよろしいとか、一部分還付しなくてもよろしいということをやりますと、他の団体が受けるべき金がそれだけ減るということになりまするので、還付は是非とも返さなければならんと考えまするが、還付の方法につきましては相当考慮いたしたいと考えております。
  73. 竹中七郎

    竹中七郎君 大体還付の金額はどれくらいですか。
  74. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 御承知のように平衡交付金を昨年の秋に仮決定をいたしました。只今又本決定をいたしております。で、府県数字は本決定でまとまつたのですけれども市町村数字は今日、明日にまとまるような状態です。で、仮決定の際には還付すべき額が府県で三十億円、市町村で七十億円、合計いたしまして百億円であります。百億円の概算交付の超過交付額はやはり非常に大きなものでありますので、概算でよろしいということには数字的にも参らないと思います。併し本決定の結果は市町村の分も府県の分も非常に減つて参りまして、恐らく半分くらいになるのじやないかという見通しを持つております。
  75. 竹中七郎

    竹中七郎君 百億はなかなか大きい。私は五十億ぐらいだと思つた。半分くらいなら特殊事情で府県のほうで何とかできるのじやないか、こう思つたのですが、百億じやできない。この問題も特殊事情でございますけれども、全部返すということは、殆んど町村へ参りますととてもできないのですが、どうしてもいけませんですか、財政上……いま一遍返事して下さい、奥野さん。
  76. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 竹中さんの今のお話を少し細かく申上げさして頂きます。菊山さんのおつしやつた通りでありますけれども事務的に御説明さして頂きます。この問題は二つあるわけでございまして、昨年四月に新らしい地方税法の発足を考えておつたわけでありますけれども、不幸にして成立を見ませんで、当時の地方税法の適用は停止されたような恰好で、而も地方税法は八月になつてようやく誕生したわけであります。その間に地方団体としては收入が入りませんので、金融の上に非常に困つてしまつたわけであります。そうして各地方団体からは新らしい地方税法を予定して地方財政平衡交付金配分考えることは穏当ではないのじやないか、とにかく地方財政平衡交付金というものを概算でよろしいから交付して、今日の困難の打開に資してもらいたい、こういう話になつて来たわけであります。そこで当時の地方財政委員会ではいろいろ考えました結果、差当り前年度地方配付税の交付額を基礎にいたしまして、概算して地方財政平衡交付金を交付しよう。併しながらこれは飽くまでも、例えば預金部の資金を一時融通すると同じように、無利子の地方財政平衡交付金を一時融通するのだから、その後において税制が変つた場合には新らしい地方財政平衡交付金の交付額が決定するのだから、それによつて返すものは返してもらいたいということをよくお話して参つたわけであります。従いまして、この当時交付をしましたものは、交付を受けたものではなくて一時融通してもらつたので、返すという考え方についてはこれは地方団体においても十分了解していると思います。この概算いたしました金額というものは、その後に地方財政平衡交付金の決定額を上廻つている部分、これが一つでございます。もう一つの問題は、昨年の秋に仮決定いたしまして、更に最近本決定いたしたわけであります。仮決定のときの不合理な点を是正するわけでありますけれども、本決定の結果、仮決定の額より下つて参る所があります。仮決定の九〇%の額まではすでに交付いたしておるわけであります。本決定の際に仮決定の九〇%以下に下つて参りますと、又還付しなければならないという団体が生じて参つて来ておる。二つあるわけでありまして、あとの部分につきましては少くとも仮決定はしたのでありますけれども、それを一応財政運営の目安にして参りますことは、これは止むを得ないところだと思います。従つてできる限り仮決定の額に近い数字までは仮に下りましても、交付しなければならないという問題があるのではないかというふうに考えておるわけでありまして、一応財政委員会で仮決定の九〇%まで保証するか、どの程度まで保証するかということはまだ確定いたしておりませんけれども、これは最大限度見なければならんということは委員会としての考え方でありまして、ただ本決定の結果、どれだけ仮決定よりも下つた団体があり、その総額が幾らであるかという数字は今日、明日にまとまるというような段階にありますので、決定を見ていないわけであります。併しながら概算交付を受けた部分につきましては、先ほど申上げましたように一時融通した金であります。その点は或る程度わかつてもらつておると思います。又地方税法が根本的に変つたわけでありますから、二十四年度においては地方税收入は少ながつたけれども、二十五年度一躍大きな收入を得て来たような団体がどうしてもあるわけであります。例えて申しますとたまたまダムがある、発電施設があると、固定資産税の收入といたしまして、その団体の財政需要をカバーして余りあるような收入がそれ自体から得られるような団体があるわけでありますが、余り多過ぎるというようなものについては関係市町村配分するというような方式をとつておるわけでありますけれども、従来は全くの貧弱な町村で、それが一躍して非常に富裕な税收入を得られるようになつた団体も相当の数に上るわけであります。こういう団体につきましては、概算交付が行き過ぎていた、併しそれば概算でよろしいのだというわけには参らないだろうと思うのでありまして、こういう関係にありますので、個々の団体につきまして実情をよく検討して参らなければならないだろうと思います。併しながら地方団体は必ずしも財政が豊かでございませんので、返すことにつきましても、菊山さんがおつしやいましたように円滑な手段をとつて行かなければならないと思います。そこで考えております方法は、成るたけ三月中に返して頂きたいと思いますけれども、どうしても返せない団体につきましては、四月早々にでも二十六年度地方財政平衡交付金の概算交付をやりたい。四月早々に受けた金で以て返す。従つて増加交付を受ける団体は四月早々まで待つてもらわなければならないというようなことも生じて参るわけでありますけれども、その程度のことは忍んでもらわなければならないのじやないか。そういうふうにしながら、成るたけこの問題を円滑に処理するように持つて参りたいというふうに考えておるわけであります。
  77. 竹中七郎

    竹中七郎君 只今の問題は非常に精細に御説明下さいまして有難うございましたが、今の、大体非常に財政がよくなつた所もありますが、余りよくならんでどうしても返せない連中もありますから、その実態をよくおつかみ下さいまして、非常に困つておる団体に対しましては、相当考慮を願いたいということと、今の、来年度で返すというような親心はあなたのほうの財政委員会としての非常にいい措置であると考えますので、この点は十分お考えの上やつて頂きたいと思います。
  78. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 先ほど地方税増加額につきまして大臣に伺いましたが、御承知のごとく極めて雑駁な御答弁ではつきりしませんでしたが、事務当局に伺いたいのですが、この百七十八億を算定なさつた基準は二十五年度地方税総額が実際地方徴收されるというようなことで、それの総額に基いてなさつたんではないかと思うのですが、大体総額の何%ぐらい実際年度末までに徴收されるというふうにお考えなつたのか、どういう程度に、どこに百七十八億増加の基準はおかれたのか、それを伺いたい。
  79. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 二十五年度地方税收入見込額を、当初立てました千九百八億のままにいたしております。それは個々の税目を検討いたしましたが、個々の税目につきましては、当初見込んでおりました金額よりも減收になりますものもございますし、或いは逆に増收になつて参るものもあるわけであります。従いまして、その見込みは当初計画いたしましたものとは多少変つて参つておるわけであります。それらの数字は先ほど差上げました昭和二十六年度地方税に関する参考計数資料の所に掲げてあるわけであります。昭和二十六年度見込みを立てますに当りましては、個々の税目につきまして、その調査の仕方は必ずしも同じではございません。例えて申しますと、事業税特別所得税は前年度所得額というものを課税標準に使いますので、前年度所得額の見当につきましては、たまたますでに所得税法人税について課税の実績も出て参つて来ておりますので、これらの実績を基礎にして算定いたして参つております。更に又入場税遊興飲食税につきましては、現実に前月の府県の調定額がわかつておりますので、これらの伸び方を検討しながら、それが二十六年度に持越された場合にはどういう收入になるだろうというふうなことから算定をいたして参つて来ておるわけであります。或いは又自動車税や自転車税のような物件税につきましては、現在ありますところの自動車や自転車の台数を基礎にいたしまして、二十五年度中にどれくらい生産されるであろうかという生産見込額と減耗分とを相殺いたしまして、こういうものを基礎にして推定をいたしておるわけであります。
  80. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 関連して伺いますが、ここに書いてある二十五年度の千九百八億ですね、これは実際に二十五年度内において收入に当てられるもの、即ち徴收のできるものというような答弁でありますが、これは徴税見込額といいますか、それの何%に当つておるのですか、本当のものは……。
  81. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) これは昭和二十五年度分の税收入でありますから、昭和二十六年の五月三十一日までに、現実に府県市町村收入されるであろう額を見込んでおるわけであります。全体の何%になりますか、個々の税目につきましてその見込みを変えておるわけであります。例えば固定資産税のうちの土地や家屋に対します部分につきましては、恐らく九〇%を超えるであろうと思いますし、そういう見込みの仕方になつておるわけであります。半面又事業税特別所得税につきましては、八〇%余りしか收入見込めないのじやないかというふうな考え方をしておるわけであります。これらはいずれも調定額に対する割合を申上げておるわけであります。半面、前年度から繰越されて来る分もあるのでありますが、個々の税目によつてそれらの率は多少違つて参るかと思います。
  82. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) そうするとその残りの額は二十六年度への繰越收入になるわけですか。
  83. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) お話のように、調定額と收入済額との差額は翌年に繰越されるわけであります。翌年に繰越されるわけでありますけれども、その全額が又必ずしも翌年度において徴收されるものとは限りませんので、ものによりましてはその半分くらいしか現実には收入できなくて、あとは免除しなければならないというふうな場合も多分に出るだろうと思います。
  84. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の点ですが、どうも百七十八億という数字ですね、どの程度財政委員会のほうが実態調査があつたか、数字をお調べになつたかわからんが、府県を歩いて見ると非常に成績が悪いのです。入場税にしろ、遊興飲食税にしろ、固定資産税、住民税、みんな成績が悪い。たしかこの前木村委員長代理が言われたのも、市町村民税なんか、十二月なんか四五%の徴收つたというような御答弁があつたかと思うのでありますが、そのくらい悪いのであつて、どの程度実際に收入されるか疑問に思つておるところに、又百七十八億の増收見込まれることは私はどうかと思うので、果してこういうことが可能であるかどうか非常に疑問に思つておるのですが、どうも納得できないのですが、実際に百七十八億とこう考えられたのを、これを或る程度何%ぐらい取れるというお考えですか、まるまる取れるというお考えではないだろうと思いますが、その点を伺いたい。
  85. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 昭和二十五年度地方税徴收状況お話通り地方団体といたしまして非常に困難を嘗めておるわけであります。その一つの原因は税制が根本的に変つて参つた。だから新税制の運営に馴れるまでには相当の時日を要するであろうということが、一つあるだろうと思います。もう一つ問題は、四月から新らしい税制に備えて発足したわけではございませんので、新地方税は遅れまして八月から発足しておるわけであります。従いましてどうしても徴收の時期というものがずれて来ざるを得ないだろうというふうに思われるのであります。併しながら現に地方団体は非常な努力を払つておりますので、二十六年の三月末とは言いませんけれども、五月末までには大体千九百八億内外の收入は上げられるのではないだろうかというふうに我々は見込を立てておるわけであります。従いまして、例えば市町村民税收入見込額を当初五百七十五億と見込んでおつたわけであります。併しながら現実の情勢からいたしまして、五百三十八億ぐらいであろうという見込でやつております。半面にその他の税につきまして、増收が得られるような見込も立てておるわけであります。二十六年度において果してこれだけの大きな税收入が上げられるだろうかということにつきましては、いろいろ問題があるわけでありますけれども、特に大きな事業税特別所得税について申上げますと、現実に法人税所得税におきまして課税所得の一応の把握をいたしておりますので、それらを基礎にして考えて参りますと、やはりこの程度收入は少くとも府県は上げなければならないのではないだろうかというような考えが持たれて参るわけであります。又大きな市町村民税について申上げますと、所得税割は比較的円滑に遂行できるのではないだろうかというふうに思われますので、さほど無理な見込方ではなかろうというふうに思つております。固定資産税につきましては、大体二十五年度において見込んでおりますものと大同小異であります。先ずこの程度は確実に考えていいのではなかろうかというふうに思われるわけであります。大きな三税につきまして、そんな状態でございますので、多少増減はあるだろうけれども、先ずこの程度收入は期待できるだろうし、又期待しなければならないだろうと思つておるわけであります。
  86. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 前に戻つて、今の事業税ですが、それは来年の一月から附加価値税に代るのですが、附加価値税に代つた分と、事業税との総額に対するパーセンテージはどのくらいになりますか。
  87. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 御質問を正確に理解していないかも知れませんけれども、ここに平年度と書いてあるのは、二十七年度ではもとよりございません。将来附加価値税が行われることを仮定しての数字であります。二十七年度附加価値税が実施されましても、二十六年度以前の事業税というものはなお相当部分あると思います。法人の分につきましては、二十六年度の六〇%は二十六年度中に入るものと考えておりますが、二十六年度のうちの法人事業税の四〇%弱のものが二十七年度以降に繰越されて行くということになるわけであります。個人の分につきましては二十六年度分は二十六年度でけりが付く。多少滞納、繰越の分もありますけれども、先ず大きなものはないと考えております。それは四頁の別表の一のところに書いてございますが、その四頁の別表を御覧頂きますと、昭和二十六年度分の法人税課税見込所得額というものがございまして、その下に現年度課税見込額というのがございます。その現年度課税見込額二五%というのは現行通り附加価値税行つて行く場合に二十六年度分のうちに二五%しか課税できないわけであります。併しながら申告納税制度をとりますと、そのうちの六〇%くらいは二十六年度中に收入できるのではないかと考えておるのであります。残りの分が翌年度に繰越されるわけであります。
  88. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) もう一つ伺いますが、今引合に出された二十六年度地方税に関する参考計数資料、その第一に書いてあります、一頁から二頁に亙つて書いてあります昭和二十五年度收入合計額が地方税收入、千九百八億になつておりますね、これはここに地方予算推計概算の地方税のところの千九百八億と合つておるのですが、これは当初の見込でなくて、現在昭和二十六年の五月三十一日までに取り得る額、これを上げたのでありますか。
  89. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) その通りであります。
  90. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) そうすると当初の二十五年度地方税総額は幾らですか。
  91. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 今年度見込額はやはり千九百八億であつて、税目間の額は多少相違はございますが、全体としては大同小異となつております。
  92. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) そこで西郷君や我々の疑問が大いにあるのでありまして、地方を廻つて見ますと、とてもそんなに取れやしないように思う。これは今度の固定資産税でもそうですし、市町村民税でもそうであつて、二十五年度分として二十六年五月三十一日に取り得る額が千九百八億と書いてあるのは、前の予算のときの見積りが千九百八億であつたから、これを上げられた、こういうように考えざるを得ないのですが、その点は大丈夫であるかどうか、その点は地方で不安に思つておる、その点は重大でありますから、はつきり伺つて置きたいと思います。
  93. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) たまたま千九百八億の数字が出ておりますので、いろいろ疑問も出るだろうと思います。例えば府県分でありますと、現在までの調定額がはつきり出ておるわけであります。府県分につきましてここに書いてあります数字にそう大きな差は生じないであろう、こういう具体的な府県の報告を基礎に申上げることができると思います。市町村の分につきましては市町村民税は現になお徴收段階にあるわけでございますので、正確な資料というものはないわけであります。併しながら、これが一応所得税課税所得額というものを基礎にして推計して行かなければなりませんので、その点は推計と言わざるを得ないわけでありますけれども、総体的に見まして先ずこの程度徴收できるのではないかと我々いろいろの数字の面からこういうような結論を出しておるわけであります。併しながらもとより都道府県市町村も、従来の程度の努力では到底この目標を達成することはできないのでありまして、相当の苦労を重ねなければならないだろうと思います。併しそれは必ずしも苛斂誅求をするわけではありませんで、税法を適実に実施するために非常に苦労を重ねなければならないだろう、こう考えておるのであります。
  94. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは今挙げました参考計数資料の二十五年度分のこの見積りと申しますか、計の所にずつと書いてあるのは、これは現在における地方財政委員会の千九百八億の内訳、即ち二十六年の五月三十一日までに取り得ると地方財政委員会で以て見ておられる各税目についての收入見込額と、こういうふうに了解していいのですね。
  95. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) その通りであります。
  96. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 昨年のシヤウプ勧告によりまして、画期的な地方税制の改正がありまして、私はこの度のような部分的な改正ではなかなか地方自治の振興と発展は期しがたいと思うのです。そこでいろいろ山ほど御質問申上げたいことがあるんですが、この資料ではなかなか余り概括的で十分でないので、昨年の地方税改正のときには十分詳しい資料でございまして、各府県別になつてつた。これは全部サマライズしてもつと各府県別に分けて、一つ昨年のようないろいろなことを判断することができるように一つお願いしたいと思うのですが、委員長如何ですか。昨年の七月に頂いたのは非常に各府県別に、遊興飲食税或いは事業税等、ずつと詳細にあつて非常に参考になつたんですが、余り詳しいことを知らせずに、材料をつかませずに肚の中でやろうというわけでもないと思いますが、これではとてもできませんから……。それから一つ昭和二十五年度平衡交付金の本決定がなされたようですが、各府県財政当局はすでに資料を入手しておるようですが、国会のほうにはそれが廻つておりませんので、次の委員会までには私検討して見たいと思いますので、すでに印刷してあると思いますので、一つ会館のほうに今晩中に配つて頂きたい。
  97. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは申上げます。只今中田委員から御要求の平衡交付金の二十五年度の本決定の府県別のものと、それから五大市ぐらいのところ、それを仮決定と対象して出してもらいたい。それからもう一つは、二十六年度税收につきまして、各府県別にサマライズして各税目について、二十五年度において出されたような様式で出してもらいたい。殊に平衡交付金に関する問題はできれば今晩中にお願いしたい。そうしてこういう資料が入つてから審議を願つて頂きたいと思います。
  98. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 私府県で見たんですが、普通平衡交付金のパーセンテージを各府県別に出しておるのですが、それと特別平衡交付金を加えた額を別個に一つお出し願いたい……。府県別に……。
  99. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 今の資料はいつまでにできますか。
  100. 菊山嘉男

    政府委員(菊山嘉男君) 只今御要求の資料の中で、平衡交付金に関しまするものは、まだ地方財政委員会において決定していないのであります。目下事務当局において資料を取まとめ中でございまして、未定稿なのであります。従いましてこれをここに提出し得るや否やは多少問題があるのでございます。
  101. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 お尋ねします。こういう未定稿のものを各府県財政当局に何故お渡しになつておるのですか、お尋ねします。
  102. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 府県の部分の未決定につきましては、財政委員会できめて頂きまして、一応各府県別の分が出ておるわけでありますが、市町村数字が固つて参りませんと、その基準額の一〇〇%を普通平衡交付金として交付できるかどうか、その辺疑問を持つておるわけであります。併し府県別だけであるならば、すでに委員会としての決定もできておるわけで、ただ交付金の基準額の一〇〇%を普通平衡交付金として行くか、或いはその何分の一が行き、残りは特別交付金として廻つて行くのか、というような問題は、なお未定稿になるわけであります。併し御要求のような資料は出せると思います。特別交付金はきまつておりませんので、それは後日になると思いますが、お出しすることができると思います。
  103. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 一般交付金の、奥野さんが言れたような形でどうしても……、このことを別にどうこう文句を言うわけじやありませんが、大体そういうことをよく知らんと委員会に出てもなかなか質問もできないのですよ。
  104. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) いつ頂けますか……明日の正午ぐらいまでに出してもらいまして、明日の委員会は休みましよう。明日は委員会を休んで明後日開くことにいたします。  それでは今日はこの程度で散会いたします。なお、明後日は午後一時から開会いたします。    午後三時四十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            竹中 七郎君    委員            石村 幸作君            岩沢 忠恭君            安井  謙君           小笠原二三男君            中田 吉雄君            西郷吉之助君            石川 清一君   国務大臣    国 務 大 臣 岡野 清豪君   政府委員    地方財政委員会    委員      菊山 嘉男君    地方自治政務次    官       小野  哲君    地方自治庁次長 鈴木 俊一君    地方自治庁財政    課長      奧野 誠亮君   事務局側    常任委員会專門    員       福永與一郎君    常任委員会專門    員       武井 群嗣君