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専門員(
福永與一郎君) 簡單に申上げます。
先ず最初に、第
二條に第二項を加えるという案でございますが、それは
御覧の
通り、
弁護士となる
資格を有する者、
弁理士となる
資格を有する者、
公認会計士となる
資格を有する者、これは
法律によ
つてそういう
資格が認められておりますから、いわば当然のことではございますけれ
ども、こういう人が
弁護士とか
弁理士とかをやめても
弁護士或いは
弁理士たる
資格を持
つておることには変りないのでありますから、こういう人には
弁護士とか
弁理士とかの
業務をやめましても、
行政書士となる
資格は與えたいということを
はつきりさせる
意味で、かような案を考えたのであります。それからその四号に挙げられております国又は
地方公共団体の
公務員として
行政事務を担当した
期間がこれを通算して八年以上、……次條、即ち第三條の第一号に該当する者と申しますのは、
高等学校の
卒業者でありますが、そういう学歴の比較的高い者については五年でよろしい。もう一度繰返しますが、国又は
地方公共団体の
公務員として
行政事務を担当した
経験を持
つておる人で、その
期間が八年以上になる者は
無試験で、どの
府県においも
行政書士どなることができるということにしたいというのが、この第
二條第二項の案でございます。
その次は、第六條の第四項中云々と申しますのは、
只今申上げましたように、第
二條は、
原案は第一項だけしかございませんが、
只今の
修正案で第二項ができましたので、それを受けての字句の
修正でございます。それからその六條の末段に、第三項として次の一項を加えるというところがございます。それは、一の
都道府県において
行政書士の
登録を受けておる者は、重ねて、他の
都道府県において、
行政書士の
登録を受けることができない。これも大体
はつきりしておりますけれ
ども、初めに申上げました
法案でも、大体の
趣旨はこの
通りに現われておりますけれ
ども、先ほど申上げました第
二條の
修正によ
つて、どの
府県でも
無試験で
行政書士の
資格を得ることができるという横道と申しますか、大きな
一つの途が開かれましたので、その
関係でこの点をなお
はつきりさせるという
意味で、このような一項を設けた次第でございます。
その次の第
七條は、罰則でございます。
只今のように、一方の
府県で
登録を受けて、又他の
府県で
登録を受けるというような、いわば
もぐりと申しますか、
法律に違反して二重にも三重にも
登録を受けて方々で業を行うというような下心得の者も生ずることを慮りまして、そういう場合に対する制裁として、そのことを加えたわけであります。その次は、十
七條の第二項の
修正でございますが、これは
先ほど提案者側の御
説明にもありましたように、
原法案も必ずしも
行政書士会の
加入、
脱退を強制するという
意味ではないことは私
どももよくわかるのでありますが、いわば念のためにこの点を、
会員の
加入及び
脱退は、自由とするという一項を設けることによ
つて、一層
はつきりさせたいという
趣旨でございます。
その次、第十九條第一項は、現在
行政書士でない者は、
報酬を得る目的で
行政書士の
業務を行うことができないということに相成
つております。けれ
どもこれを余りに厳格に
適用されますと、実際
田舎あたりで、いわば片手間に、土地の必要に応じて、
地方では
地方民が非常に
便宜をそのために受けているというような、いわば本格的な
行政書士でない人まで
取締を受けるというようなことも考えられますので、それは
原案の
趣旨ももとよりそこにはあるまいということを考えまして、ここの
規定の
適用を受ける者は、この
修正案にありますように、それを業としておる者だけに
適用されるように、その点を明瞭にいたしたいということで、かように
修正の文句を考えて見たわけであります。
その次の、
附則の第二項中、引続き一年以上とございますのは、この
法律施行の際、現に
行政書士の
業務を
行なつている人で、引続き一年以上や
つており、且つ通算して三年以上の人は、その
附則にありますように、この
法律の
規定による
行政書士とみなされるという
経過規定でございますが、これは先ほど申上げました一方において
一定年限の
行政事務担当の
経験を有する者は、
無試験でその
資格が認められ、極端な場合には、今日やめた人でも、過去においてそういう
経験を持
つておる人は明日からでも開業ができるということになりますので、今度新たに
無試験で
資格を認められる人との均衡上、引続き一年という
條件を削りたいというのがこの
趣旨でございます。
その次の
建築代理士の
規定は、少し面倒でございますが、面倒と申しますか、ややつこしいのでございますが、
内容は、現在
建築代理士というものが、
建築に関して
官公署に出します
書類の
作成に当
つているのでございますが、これは技術的な部面が非常に多いのであります。併し又一面今度の
行政書士の
仕事とかち合う部分もないではないのであります。又一面
建築代理士の現在の
取扱方は、多数の
府県において
條例を以てその
業務を
規定しておるのであります。そこで、そういう
実情でありますのに、今度
行政書士法が成立いたしますと、
行政書士法には
御覧のように、第
一條第二項を以て、
行政書士は、
前項の
書類の
作成であ
つても、その
業務を行うことが他の
法律において制限されているものについては、
業務を行うことができない。と相成
つておりますので、
法律で制限されておるものは、
行政書士であ
つても、これこれの
書類の
作成をや
つてはいけないということに相成
つております。
建築代理士については、先ほど申上げましたように、
條例でそのことが制限されておりますために、
法律の
條文そのまま読みますと、
行政書士は、幾らでも
建築代理士の
仕事に踏込んで
行つて、その
仕事を
行政書士が当然やれるというような結果に相成りまして、
建築代理士のほうの
立場から申しますと、いわば生活上、
業務上、脅威を感ずる、不安を感ずるというような声もございまして、何とかして頂きたいという陳情が、先般来しばしば行われておる
実情でございます。そこでその
実情を察しまして、その
関係を如何に調節すればよろしいかということをいろいろ考えました結果、なお
建築士法というものがすでに過般成立いたしまして、この七月から
施行されることに相成
つておりますので、そのほうで本来は取上げらるべき問題だという感もいたしますが、今何しろ七月まで待てない状態にございますので、その間をかれこれ勘案いたしまして、ここに掲げてあります第十項のような
規定によ
つて、その
関係を調整しり、その
関係を救済して、一時を救
つて行こうというのが、この
規定案の
趣旨でございます。即ち
建築代理士に関しては、この
法律施行後でも、当分の間、
條例の定めるところによるものとし、その
條例は、第
一條第二項及び第十九條第一項但書の
規定の
適用については、
法律とみなす、
條例できま
つておりますことを、
建築代理吉に関しては、
法律とみなすというのがこの
趣旨でございます。
最後の
地方自治庁設置法の一部の改正は、これは全く技術的な点でございまして、実質的には殆んど
意味は少いのでございますが、
法律技術的にこのほうがより適当であろうと存じまして、特にこの点を附け加えた次第でございます。