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1951-06-02 第10回国会 参議院 大蔵委員会 第47号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年六月二日(土曜日)    午前十一時十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件租税特別措置法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○継続審査承認要求の件 ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 小串清一

    委員長小串清一君) これより大蔵委員会開会いたします。租税特別措置法の一部を改正する法律案について質疑を開始いたします。
  3. 小林政夫

    小林政夫君 この法案については、特に漁業権に対する補償に対する課税の問題についていろいろ研究をすべき点もございますし、又実地に調査を要する問題もあるので、又漁業権或いは産業に関連した一連の財政措置についても確定しておらない面もございますので、一応継続審査にして引続いて研究をすることにいたしたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  4. 小串清一

    委員長小串清一君) 皆さん別に御意見ありませんか。……これについて政府側のほうから弁明があれば……。
  5. 原純夫

    政府委員原純夫君) いろいろ御討議がありまして、只今小林委員からおつしやつたような点で御研究をなさるということでございますが、我々この際若干懸念のあります点もございますのでそれを申上げて置きたいと思います。  第一は、土地収用の面におきましては随時土地収用が行われております。個人の場合は一月一日に遡つて、而も課税は来年の二月になりますから、差支ないと言うこともできるのでございますが、法人の場合はこれが通りません間は事業というか、どんどん終つて参ります、それで課税なつてしまいます。その辺に問題が一つあろうというふうに思われます。  第二点といたしましては、この通過が遅れますと再評価手続というものが時間的に相当窮屈になる。又場合によつて漁業権が消滅してしまつた後で再評価をする、そうすると何もないものを再評価するというために、かなり立法技術がうるさくなりやせんかという問題があろうと思います。委員長、恐れ入りますが、これから先は速記をとめて頂きたいのですが。
  6. 小串清一

    委員長小串清一君) ちよつと速記を停止して下さい。    〔速記中止
  7. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは速記を始めて下さい。小林委員より本案は重大であるから継続審査に移して更に研究をしたいという御意見があり、多数の賛成があつたようでありますが、その通りにきめて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 小串清一

    委員長小串清一君) 然らば本案継続審議をすることにいたします。この法案については特に少数の方に御依属して、更に研究を願いたいと思いますが、如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは特に大矢さん、小林さん、油井さん、佐多さんに御苦労ですが、この休会中に資材を取るなり或いは現場を見るなりして更に研究を続けて頂くように願います。   —————————————
  10. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは更に油井委員から政府委員に対して御質問があるそうですから。
  11. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 国税当局が見えたのですが、昨日大蔵大臣がこの委員会に來まして、今朝の新聞にも出ておりますが、繊維製品の暴落に際して三月決算或いは二月決算あたり会社租税に対して、何か特別の措置をとるという言明をされたのです。併しそういうような特別の措置は具体的にこれはどういう方法でやるのか、又どういう方策をおとりになるかということを一応御説明願いたいと思います。
  12. 原純夫

    政府委員原純夫君) 問題は繊維類、特に羊毛関係のものが最近非常に値が下つている、大体繊維関係会社決算が三月末乃至四月末ということになつておりますが、期末決算されたときよりも更にその後値が下るという場合には、非常にその後の損というものが出て参るので困るから何とかして欲しいという要望があるわけでございます。これにつきましては方法として二つの救済の手段があろう、一つ期末決算棚卸評価をいたします場合に、決算期後申告時期までに更に下つたという場合には、その下つた値段でやられるかどうかという問題、もう一つは爾後そういう値下りがあつた場合には納税力というものが少くなるのだから、徴収猶予をするかどうかという問題でございます。そこで我々といたしましては、前のやり方、つまり期末棚卸を爾後の価格の変動によつて調整するということはいたしたくないと思つております。これをいたした場合にはあらゆる会社決算について非常に面到なことになつて参りますので、事業年度所得計算を切るということは乱れて参りますのでこれをやりたくない。従いまして第二の徴収猶予という方法でできるだけのかたは付けて参りたい。少くとも先般お願いいたしました徴収法改正によりまして、事業失敗によつて納税力が弱くなつた場合には徴収猶予ができる、こういう際には利子税もとらないでよろしいということがございますので、具体的に当りましてそれに当てはまるものはそういう措置をとつて参りたいと考えております。
  13. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の点で了解しましたが、ひとり羊毛ばかりでなく他の繊維品も最近例えば人絹が約二カ月間に半値になつた、或いは生糸が三分の二になつたとかいう例がたくさんあるのです。そういうのに対しましてもやはり同様の措置をおとりになるお気持がありますか、そういうふうな又もくろみがあるかどうかということをお聞かせ願います。
  14. 原純夫

    政府委員原純夫君) この値下りの程度によつて必らずし羊毛に限るものではあけません。ただ只今のところ大体羊毛関係が一番大きいように見受けております。同時に附言しておきたいことはメーカでございますね、紡績関係会社受入とそれの製品販売について、大体ロスの出ないように先売りもやつております。実際にこういう関係で特に値が上つておりますのは、事変かなりに思惑をやられた、それの影響が多いわけでありまして、そのような者が他の債権者から実は取付けに合つておるわけでありますが、従いまして、その辺との競合の関係をどう処理して行くかというようなことを見ながらやつて行かなければならんというように思つておることを付け加えて申上げておきます。
  15. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 原さんのお話によると何か見込が相当あるというようなことですが、最近新聞でも御承知のように、海外取引値下り伴つてキヤンセルを喰つているものが相当あるのですね。これは見込じやない、全く天災町の事件だと言つてもいいと思うのです。そういう点に対しては一つ思いやりのある方策をお取りになつて頂きたいと思うのです。それは十分そういうふうなお気持はあるわけですね。そう了解していいわけですね。
  16. 原純夫

    政府委員原純夫君) 只今申上げましたのはシヤンとしたメーカーが、これは原料の受入販売とをかなりにつないでおりますために余り損は起きない。又前期の決算で御承知通り紡績関係は東洋紡の七十億を初といたしまして、半期で数十億の利益を挙げてかなり流動資産を持つております。問題は卸しのかたがたで、そういう場合には只今申しました徴収法改正後の七條一項に当ります事業失敗というふうに見える場合が出て来よう、そういう場合には仰せの通りできるだけの扱いをいたしたいというふうに考えております。
  17. 野溝勝

    野溝勝君 関連して原さんに伺いますが、今の油井委員質問に対しての回答がどうもかゆい所に手が届かんように思うのですが、というのは昨日の新聞を見ると一万田さんは、こういうものは部分的な損失であるから、こういうものに対する補償などは考えておらん、こういう日銀の意見ですが、結局今の油井君の質問に対しては大体キヤンセルにあつたような場合は同情すべきものであるから、そういう点は考えたらどうかという御意見を聞いたのであります。そうしてそれに対してあなたの方では、何だかやるようなやらんような、はつきりした意見がないのですが、一体一万田さんの見解とあなたの見解と少し違うように思うのですが、そういう点についてはつきりしておいてもらわんと、我々もそういうことを業者から聞かれた場合に対する回答上困るのですから、そういう点をはつきりしてもらいたい。
  18. 原純夫

    政府委員原純夫君) 只今お話のありました輸出関係取引というものは、恐らく先ほど油井委員にお答えしましたもののうち、シヤンとした製造会社乃至それにつながる輸出商というものであろうと思います。そういう部面については私が申しましたことは、全体の利益かなり厖大なものであります、紡績全体が非常な利益を上げております、そうして資産構成かなりに流動的になつております、従つて特に特別な措置をとる必要はなかろうかと思つております。問題は卸屋さんが事変後それというので買込みをされた、で非常に高値になつた、それが崩れてしまつたというような部面でありますが、こういう部面で卒直に申しますと、あらゆる債権者卸屋さんに取付けておるわけであります。そこで事業失敗で苦しくなつておるということで、徴収法七條一項を働かせねばならぬ場合が多いと思いますが、ただそれであるからもう国税関係は他の債権者より完全に遅れてやるのだというところまでは申し切れないということを申上げたわけであります。
  19. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 なお念のために伺つておきたいのですが、これはあらゆる業界に対してそういう措置がとれるのですか。若しその措置が、手続が非常に煩瑣でまあ大体は窓口ではねつけるということになれば、折角今あなたのおつしやつた七條の一項ですか、それの発動というものは殆んどないことになつては無駄になるのですね。その点今までは相当活用されておりますか。
  20. 原純夫

    政府委員原純夫君) 只今申しております七條の一項、これは先般休会前の国会で御決議頂きまして四月一日以降発効だと思います。従つて具体的通用只今やつと始まる時期だと言い得るのでございますので、従来の事例を申上げるわけに参りません。同時に滞納関係処理全般について只今我々が立てております方式はすぐに差押だ、競売だということをせずに、一々納税者別滞納の税額を調査しまして、税務署にお越し願つてこれだけあなたは滞納がある、ついては納めてもらいたい、すぐには納まらんだろうからどういうふうな計画でおやりになるか、御相談したいという筋道で只今全国ずうつとやつております。従いましてその場合事業失敗してどうにもならんという事情がございますれば、他の業種でありましても七條の一項は勿論発動ずるということになります。   —————————————
  21. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 先ほど小委員指名で私指名されたのでございますが、私より野溝さんの方がより適任だと思いますし、私個人都合からいいましてもお代り願つた方がいいと思います。そういうふうにお変え願いたいと思います。
  22. 小串清一

    委員長小串清一君) つまり固くそうきめたのではないので、お話合でほかの指名を頂かない方と代つて頂いても一向差支えありません。さよう御了承願います。   —————————————
  23. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それから先日参議院として退職金並び退職積立金課税減免に関する決議をいたしたのであります。これに対して政府事務当局としてはあれをどう扱うというつもりですか。従来決議案が出ましても決議し放しでなかなかすぐに本当に積極的に取上げられないという場合も多々ありましたが、この問題は各会派こぞつて非常に熾烈な希望でございます。事務当局としてどういうふうにお考えなつておりますか。
  24. 原純夫

    政府委員原純夫君) 御決議は十分尊重してやつて参りたいと思つております。事務当局としても同様な方向でそれを考えております。   —————————————
  25. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 北海道開発法案について大蔵委員会としても合同審査申込みましてその申込によつて合同審査を昨日までやつて参つたのでございますが、大蔵委員会としては私と木村禧八郎君が質疑に立つことになつておりまして、私が若干やりましたが、まだ冒頭の序論的な部面だけの質疑で昨日一応終つたのでありますが、更に私の本論が残つておりますし、木村君はまだ一つも発言をいたしておりません。更に合同審査を継続することを本委員会から申込んで頂きたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  26. 小串清一

    委員長小串清一君) それではさように……
  27. 木内四郎

    木内四郎君 合同審査のことは、時間の都合上、こちらではすでに申込んだから合同委員会都合できめるべきで、こつちは重ねて申込む筋合はないのではないですか。
  28. 小串清一

    委員長小串清一君) その通りです。こつちはすでに申込んだんですから。
  29. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 申込みまして今のような状態において一応昨日で打切られたのです。併し今私が申しましたように、大蔵委員会関係でまだ済んでおりませんし、更にのちには人事委員会からの申込、予算のほうからの申込の方々が、まだ少しも質疑をやつておられません、更に問題になりましたのは、問題が重要であるから総理大臣出席を求めてこれに対する質疑をやるということになつておりますが、総理大臣はまだお見えになつておらない、これは合同審査で更に出席を求めてやりたいというようなことが残つておるにかかわらず一応昨日で打切られれて、今後どうするかということは本日の内閣委員会においてこれをきめるというようなことになつておりますので、我々としては合同審査がまだ済んでいないから是非継続をしてもらいたいという申込をして頂きたい、こういうことでございます。
  30. 小串清一

    委員長小串清一君) 昨日の朝この連合審査会委員長と協議を遂げまして、実は合同審査は昨日中に終るということに一応きまりましたのです。それから今又あなたの御要求が、皆さんもよかろうというようなわけですから一応言いますが、昨日私どもはこれで打切りということには賛成して参つたのです。それだけお断りしておきます。それではこれで一応……。(「結論を出してくれ」と呼ぶものあり)
  31. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 今の件につきましては、私は昨晩七時頃の連合委員会でありますけれども、委員長の打合会委員長代理として出て参つたのでありまするがその場合におきまして、この連合委員会は昨日の話で今日で打切るか、或いは更にやるかといろいろ御相談があつたのでありまするが、内閣委員長お話といたしましては、どうしても会期が六月の二日で終了するからして最後の一日は内閣委員会のために留保しておきたい、それで四角ばつて申上げますれば、連合委員会の開催の申込も、内閣委員会において或いはお断りすることもできるというようになつておりまして、従つてこれも是非お諮りしてきめなくなくても内閣委員会での考えでやり得ることでありますけれども、できるだけそういうことなしに円満にお話合をしてそれを解決いたしたい。それでいろいろお話をしたわけでありまして、結局最後にはできるだけそういう趣旨でお互いに努力をし  てみようということにして別れたわけであります。従いまして、私は大蔵委員会として、更に今日以後継続してやるかどうかということは申込む必要はない、それは内閣委員会或いは又議院運営委員会において適当にその辺はおきめ下さるべきでありまして、こちらといたしましては連合審査申込んでおる、そのことで足りるのではないか、こう考えます。
  32. 野溝勝

    野溝勝君 大蔵委員会としてはとにかく質疑通告を二人承認したわけです。佐多君と木村君と、それで連合委員会申込んだのでしよう。一方一人は本論に入つておらんし、一人はまだ何も発言しておらないというようなときに、君が委員長代理として出て、さようなことで一人で独善的に承認するということはおかしいでしよう。
  33. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 私は昨日で打切るということを承認したというふうに申してはおりません。先ほど申した通り委員長皆様方お話合いをしまして、余り四角ばらないで、できるだけそういう趣旨努力をしようということで別れて来た、こういうことでありまして、その後今日継続してやるのかどうかということは、やはり委員長の打合会を更に開くなり、或いは議院運営委員会できめるなり、内閣委員会独自の考えできめるなり、そういうふうにしてやつて行かれるものかと思います。
  34. 野溝勝

    野溝勝君 どうです。そういうふうな一応まあこの連合委員会ですから、独自の大蔵委員会なら話合もできますが、連合委員会ですから、そこで折角そういう意思もあるのですから、一応連合委員会委員長からまだ質疑の未  了があるから、一つもう一回連合委員会を開こうということを要求して善処をして頂くということに……。
  35. 小串清一

    委員長小串清一君) それは先刻申上げております。昨日の朝の相談のときに今日一日で連合委員会をやめるという申合せができておりますから、やめようということはきまつておるのでありまするから、もう一遍やりたい、こういうことを私から要求いたしますけれども、昨日の午前十時の委員長相談会においてそういう相談なつておつたのです。そういうことだけ言つておきます。
  36. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 あの申合せのときは今の委員長のおつしやつた通りですね。そのときには各委員審議を盡させるし、又総理にも是非出てもろう、それを條件のようにして今日で打切るということになつておつたのですが、その後の事情はさつき申しましたように、委員審議も盡されていないし、更に総理出席総理都合で出ておりませんので、そういうふうな事情の変更がございましたので、それらのことを勘案しながら今の強い希望是非お伝えを願いたい、こう思います。
  37. 小串清一

    委員長小串清一君) 内閣委員長に私から是非要求いたします。  それではこれにて一応休憩をいたしまして、なお委員会を開く必要があつたときには別ですが、若し委員会を開く必要がなければ大蔵委員会はこのまま自然解散にするつもりであります。ではこれにて散会いたします。    午前十一時五十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     小串 清一君    理事            大矢半次郎君            清澤 俊英君            杉山 昌作君            木内 四郎君    委員            岡崎 眞一君            黒田 英雄君            九鬼紋十郎君            佐多 忠隆君            野溝  勝君            松永 義雄君            小宮山常吉君            小林 政夫君            高橋龍太郎君            山崎  恒君            油井賢太郎君            森 八三一君   政府委員    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省主税局税    制課長     原  純夫君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常太郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君