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1951-05-18 第10回国会 参議院 大蔵委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月十八日(金曜日)    午前十一時五十三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○保險業法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○外国保險業者に関する法律の一部を  改正する法律案内閣提出) ○船主相互保險組合法の一部を改正す  る法律案内閣提出) ○信用倉庫法案内閣提出、衆議院送  付) ○信用倉庫法施行法案内閣提出、衆  議院送付)   —————————————
  2. 小串清一

    委員長小串清一君) これより大蔵委員会開会いたします。  まず本日の日程のうち保險業法の一部を改正する法律案外国保險事業者に関する法律の一部を改正する法律案及び船主相互保險組合法の一部を改正する法律案、右三法案について政府提案理由説明を求めることにいたします。
  3. 西川甚五郎

    政府委員西川甚五郎君) 只今議題となりました保險業法の一部を改正する法律案ほか二法律案につきましてその提案理由を御説明申上げます。  先ず保險業法の一部を改正する法律案について御説明申上げます。保險業法改正点の第一は、いわゆる保証保險事業保險業法上の保險事業として認めようとするものであります。保証保險事業は現に諸外国において保險会社によつて行われており、今日わが国においても一般から要望されているのでありまして、保險会社物品納入者、被用者又は工事請負人等一般契約上の債務者から保險料を受入れ、物品注文者使用者又は工事発注者等債権者契約の履行に関して蒙る損害を補てんする事業であります。本来保險事業は、偶然の事故を契約成立の要素とし、保險契約者の故意による場合にはこれを担保しないのでありますから、この点保証保險事業は本来の意味保險事業とは申しがたいのであります。併しながらこの事業損害保險事業に類似し、損害保險会社に行わせることが適当であると認められますので、今回右のいわゆる保証保險事業保險業法上の保險事業に含ましめることに改正いたそうとするものであります。  改正点の第二は商法改正に伴うものであります。即ち保險業法保險相互会社について商法株式会社に関する規定を全面的に準用しておりますので、改正商法従つて相互会社特殊性を考慮しつ準用規定所要改正を加えるものであります。又保險株式会社につきましては改正商法規定適用されるのは当然でありますが、保險株式会社に無額面株式の発行を認めることはその資本の金額を不確定にするものでありまして、他の金融機関における場合と同様不適当でありますので、保險株式会社には無額面株式に関する商法規定適用を排除することといたしました。又資産の評価純益資本準備金として積立てるべきものとする改正商法規定については、すでに保險業法に財産の評価及び売却純益特別準備金として積立てることを強制している特別規定がありますので、保險会社についてはその適用を排除することとしたのであります。  以上の諸点が保險業法改正の要点でありますが、このほか現行法罰則実情に即しないのでこれを相当程度強化することといたしております。  次に外国保險事業者に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。商法改正に伴いこの法律の中で商法規定を準用している部分について規定を整備する必要がありますので、このため所要改正を加えると共に、保險業法におけると同様に外国保險事業者につきましても、新たにいわゆる保証保險事業日本において営むことを認め、このほか罰則の強化を図ることといたしました。  最後船主相互保險組合法に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申上げます。  船主相互保險組合については商法株式会社に関する規定が多数準用されておりますので、今回の商法改正に伴い、船主相互保險組合特殊性を考慮しつつ所要改正を加えようとするものであります。  以上三法律案につきましてその提案の理及び概要を御説明申上げましたが、何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願いいたします。
  4. 小串清一

    委員長小串清一君) それではこれにて休憩をいたします。質疑は午後続行することにいたします。    午前十一時五十九分休憩    ——————————    午後二時十二分開会
  5. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) 午前に引続きまして会議を開きます。  信用金庫法案信用金庫法施行法案質疑を続行いたします。
  6. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 提案者がお見えになりましたから御質問申上げたいのですが、若干字句についてちよつとわからないところがあるのですがこの施行法の方なんです。この免許認可に改める、第一條です。「協同組合による金融事業に関する法律昭和二十四年法律第百八十三号)の一部を次のように改正する。」そこで免許認可に改める、実質的にこの免許認可になるとどういう相違が出て来るのですか。
  7. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 今三浦部長来るのですがね、余り提案者は詳しくないので、(笑声)……今の御質問ですが、実質的には変りございません。
  8. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 まあ提案者はそう詳しくないと御謙遜なお言葉があつたのですが、(笑声)実はこういう法案が提出されるときに余り御謙遜なさらないように、我々実際のことがわかりませんと、無責任に提出されたような疑いを起されることは国会の権威に関すると思いますので、そういう点にも御注意願いたいと思います。併し実質的に変りないのにここに読替をすることになつておるのですがこの点は私はおかしいと思うのです。ですから今すぐ御答弁願わなくてもよろしいのですが、あとでよく御調査の上で実質的な相違をお示し願いたいと思うのです。
  9. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) それじやわかる範囲でお答えをします。
  10. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 実はこの信用金庫の問題は、協同組合金融事業をやる場合、この免許の問題は一番重要な問題だと思うのです。この前の第九国会において協同組合金融事業をやる場合に、その免許の問題についてこれが法規裁量による問題が起つたわけですが、従つてこの免許の問題は非常に重要なのでありますので、免許認可になるについては何かそこに実質的に相違があるのではないかと思つてまあ御質問申上げておるわけです。
  11. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 先ず国民が各種の事業を行うということは憲法精神からしてもその基本的権利から派生した権利というべきものでありますが、憲法国民権利行使公共福祉に反しないことを要する旨を謳つており、又、民法第一條が私権は公共福祉に従うと規定しておる趣旨からしまして事業を行うことも公共福祉に従うべきことは当然であります。従つて公共福祉に関するところ甚だ大きい事業については、先ず一般的にこれを行うことを禁止したのちに特定の者に対してその禁止解除してこれを行わせるということが大体憲法精神でございます。現在の憲法下においては免許認可両方とも同じように禁止解除という行政行為を指すのでありまして、これによつて或る権能を付與するという別に形成的効果をもたらすものではありません。けれども免許を旧憲法下においては形成的行為と解していた向きもございますので、現在においても免許の方が認可というよりも幾分重い感じを與えておることは事実でございます。信用金庫とならない信用協同組合事業は、今度は都道府県知事一般的禁止解除という点が従来の信用協同組合と違うのでございまして、従つて監督権限もそこで緩和されるというような点から免許を軽い意味認可に改めるというだけのものでございまして、実質的には特別の変化というものはない。いずれにしろ字が免許の方が重過ぎる、今までの憲法下の用語として重過ぎる、重過ぎる感じがするので認可に直した方がいいという程度理由で直したわけでございます。
  12. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと今度信用金庫の方は免許になるわけですね。それで信用協同組合の方が認可になる。そうしますと信用金庫の方がまあ今の御説明ではいわゆる重い、許可の場合重くなると、こういうふうに理解していいわけですね。
  13. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 大体そういう意味にとつてよろしいと思います。
  14. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうですか。それからこの信用金庫法の第五條の二の信用金庫連合会でございますが、全国信用組合連合会はこの金庫にそのまま引継がれるのでございますか。この連合会信用金庫連合会にそのまま引継がれるのかどうか。
  15. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 免許を受けて引継がれる。政府のやはり連合会の新らしい免許を受ければ従来のやつを引継ぐことができるとこういうふうになつております
  16. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうすると実質的には引継がれると解してよろしいわけですか。
  17. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) そうです。
  18. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、この全国信用組合連合会創立以来の実績が知りたいのですが、これは特殊金融課長にでも後で伺いたいのですが、若し御提案者において実情をおわかりであつたら簡単でよろしいのですが、これは成績がよかつたのか悪かつたのか、詳しいことは後で特金課長に伺いたいと思いますが、その点についてはどういうふうに御覧になつておりますか、提案者のほうで。
  19. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) 特殊金融課長に出席かた要求しております。
  20. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それじや後で特殊金融課長に……。
  21. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 直ぐわかります。現在の連合会会員が二百五十、出資が一億一千万円、預り金が七億円、預け金が四億円、貸出金が九千万円というような状況になつておりまして、前年度の余剰金も約五百万円あつて四分の配当をするというようなことでございまして、大体においてこの成績は非常にいいというふうになつております。
  22. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この全国信用組合連合会ですね。これは成績がいいというふうにお考えですが、出資金とか、預金高貸付高等から見ますればこれは決していいとは言えないんですが、全国信用組合連合会がこういう状態であるとですね、これがいいというのはどういう点でよろしいと言われるのですか。成績は私はよくないと思うのですけれども。
  23. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) これは確かにそういうことも一応言えるかも知れませんが、これを開業しましたのは二十五年の六月一日でまだ一年たたないという程度のものでございますからして、業績がもつと改善されるというのはこれからのことでございまして、まだ一年たたないというところから見ましたら大体この程度なら非常にいいんじやないかと考えられます。
  24. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはその創立の年限が浅いということもあるかも知れませんが、それ以外にやはり何か制度的に欠陥があるのではないかと思うのです。そういう場合にこの信用金庫が又それと同じような欠陷を引継ぐということになると弊害が出て来ますので御質問しておるのですが、結局預金余りつて来ない。そういうようなのは全国的にやはり一つ組合作つたというところに一つの無理があるのじやないかと思うのです。やはり連合会地区ブロツク別にするとか、そういうようにすればそういう弊害は是正されるのじやないかと思うのですが、そういうやはり制度的にも一つ欠陷があるというふうにお考えになりませんですか。
  25. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) この地域に分けるということはこれは非常に問題でしてそうやつたらこの連合会はうまく行かない。どうしてもこれは全国地区連合会を作らなければいかんと思つておるのですが、制度的にと言いましたら欠点は、農協にしましてもどこにしましても皆最後は親銀行というようなものを持つておるのですが、この信用組合は現在持たない、この連合会日銀と直結させる方法を講ずればすつかり改善される。問題はそこにあるのじやないかと思つておりますが、今度の信用金庫法ができて新らしい連合会ができるというようなときには日銀と直結する方法大蔵省で講ずる。大体そういう見通しになつておりますので、そうすれば制度的には改善されるのじやないかと考えております。
  26. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私は実際を信用組合のかたなんかに聞いて見ますと、やはり必ずしも今提案者の御提案なつたようなことばかりじやないように伺つております。従いましてその点は議論になりますからやめます。  次にお伺いいたしたいのですが、これは一番重要だと思うのですがこの信用金庫の制度です。これは一体銀行であるのか、いや銀行協同組合精神を取入れたものである、両方相待つてですね実現して行くのだ、こういうお話ですが、併し実際においてどつちのウエイトが重くなるのか、銀行であるのか、或いは協同組合であるのか、そのウエイトはどつちの方にあるのか伺いたい。
  27. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) まあ政府としましては、依然として協同組合主義という方にウエイトが重くなつておると思いますが、ただ提案理由にもございましたように、金融機関であるこの信用協同組合が今一般事業組合と同じに一つ法律に律せられておるというところにいろいろな問題がありまして、取りあえずその信用機関だけを單行法にして律することがいいのだという直接の必要から出て来ました問題で、性格としてははつきり銀行じやなくて組合であります。
  28. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、これは非常におかしいのですがね。この信用金庫になりまして事業が殖えるわけです。例えば手形割引内国為替取引、それからまあ有価証券、貴金属、その他の物品の保護預り、それから会員のためにするという見出しがついております。御承知のように銀行法を見ますと預金手形預金及びその貸付、更に手形割引を行うものを銀行とみなすということになつておりますね、この信用金庫事業を見ますと何故銀行法適用を受けないのか不思議なんです。事業内容銀行です、明らかに。従いましてその信用協同組合の場合にはこういう事業がなかつたわけなんです。手形割引とか内国為替とか、これを加えるごとによつて金融業としてのウエイト銀行としてのウエイトが強くなる、こう解すべきであつて、これは逆だと思うのです、今の御答弁と。これは事業内容からいつてはつきりそうなんです。それで政府のほうから我我に配付して下さつた信用協同組合事業信用金庫事業との相異の内容がありますが、それを見ましてもはつきりそれが出ておるわけです。私はどうしてその銀行法適用を受けないのか不思議なのです。銀行法にははつきりそう書いてあります。そうしますとむしろこれは銀行法適用を受けるべきものであつて金庫というよりも、金庫ということについても疑問があるのですけれども、最初伝えられるところによるとアソシエイト・バンクとこういう名前をつけられたということですが、私はそのアソシエイト・バンクという英語の名前は非常に明らかにわかると思うのです。この事業内容からいえば銀行法による銀行であります。預金の受入及び貸付更に手形割引を行うのは銀行とすということになつているのですから、今の私は御答弁と事実が違うと思うのです。又実質も違うと思います。これを実行しましたならばむしろ協同組合精神がだんだん失われて行くと思います。実際問題としては私はその御答弁では満足できません、逆ですもの。前に小林委員からもそういう御質問があつたときに協同組合精神がだんだん強まつて行くのだ、こういう御答弁なので、私は非常にそれは奇妙に感じたのですが如何ですか。
  29. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) それは金融機関である以上は、この金融機関としての機能を発揮するために銀行的な業務をやらせるということは必要でございまして、そういう点から見たら銀行と同じような仕事をするということが言えるのですが、銀行はつきり違う点は御承知のように株式組織ではないし、依然として出資組織、そうして法律性格組合ということにして非常にぬえ的なものになつておるような形になつておりますが、これは結局信用組合というものが日本でどう発達して来たかという今までの歴史的なものから来たことであつて、すぐに銀行法銀行作つてもいいのですが、そうでなくて現実に組合で発達したこういう金融機関があるのですから、それを土台としてそうしてその法律的な性格はそのままおいて、而も金融機関としての機能をもう一歩はつきりさせるためにいろいろ銀行的な業務を加えたというだけでありまして、銀行じやないことははつきりしています。そうかといつで銀行的なことをさせなければ金融機関としての機能が発揮できないというのでできたのですが、これはもう今までのここへ来るまでの組合の歴史的な問題であつて、まだ日本にやはり今の段階としてそういう機関も必要だというところに、日本のいろいろな産業の特殊性もあるというふうにまあ御認識して頂くよりほかに仕方ないと思います。
  30. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 どうも私その説明では納得行かないのですが、金融機関でないということがはつきりしておるというところがおかしい、むしろこの事業を見れば金融機関であることが非常にはつきりしたわけです。今までの信用協同組合ならば手形割引内国為替こういうものの取引をやらないのですから、それは銀行じやないことははつきりするのですけれども、銀行法によつてはつきりと規定されておるのです、預金貸付手形割引、これを併せて行うものは銀行である。これは両方併せて行うのですから、それは銀行じやないことがはつきりしておるということは逆であつて、それは何か非常に強弁されるように解されるのですが、この性格はつきりしませんとこれは非常に重大な問題であつて協同組合主義というものは失われて行くわけなんです。失われて行くか、行かないかは重要な問題であつてただ形式の問題ではない、而もこれは信用協同組合をやつておるかたがそれを憂えておるのです。で形式的な議論ではなく、むしろ相当大きな信用協同組合の人も、この信用金庫なつたならば協同組合精神が薄れて行くのではないかというので、従いまして全部の信用協同組合業者がこれに賛成なのではないのです。反対の人もおるのです。反対の人の意見を聞きますと協同組合精神が薄れて行くと、それを憂慮しておるので、これを何を救済する方法が別途講ぜられておるかどうか。それは今の御答弁ではむしろ逆なのです。この信用金庫法をむしろ我々の考えと逆の方に解釈されている、これが信用金庫になると協両組合精神がむしろ生きて来るのだと、そして又銀行ではないのだと、こういつておるのですから。事実は銀行に一歩近ずくことになる、そのことによつて協同組合主義がだんだん薄れて行くと、従つてその救済方法が問題になつたはずなんで、この点についてはこれを御提案になるときに十分検討されたかどうかです。
  31. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) その点は十分立案のときに検討されました問題で、今おつしやられておる点は、現在預金又は定期積金の受人とか、資金の貸付けとか、それから会員のためにする手形割引というのは、現在の信用組合でやつていることをそのままこの金庫仕事にしただけでありまして、依然としてその組合主義の枠内の活動で会員を重点にしてこの金融をやるという建前に今度の金庫法はなつております。で、一番最初はもう少しそれから離れて今木村さんがおつしやつたように、一般銀行のやつているようなところに近付こうというようなところの意見もございましたが、それは今丁度木村さんのいわれるような点を憂えまして全部取つてしまいまして、実際的にはこの金庫法になるために業務銀行に近付けたようなことはやつていないはずであります。会員外の場合無制限にどんどん貸付けるということだつた銀行と同じだということはいえるかも知れませんが、今度の法案ではそういうふうになつておりません。
  32. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 内国為替取引もそうですが、現在できるのですか。
  33. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) それで四項目の会員に対する取引、これだけは新らしく入つた新らしい権限であります。併しこれは全部の金庫に許すということでなくてこれは大蔵大臣認可を受けなければやれない、無制限にどの金庫にも、為替取引をさせるということになつておりませんので業務範囲は前と変つておりません。
  34. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この信用金庫法案が問題になついきさつ考えますれば明らかでおろうと思うのです。大体市街地信用組合ですか、あれが廃止された、それでその協同組合信用金庫ですか、そういうものになつて来た。それで何とかしてこの市街地信用組合的なもの、これは御承知のように前から問題になつているわけでありまして、信用組合といわゆる商工中金ですか、ああいう系統の協同組合、このいつも対立がこれまであつたのでありますが、市街地信用組合が終戦後廃止されて信用協同組合の方になつた、この方は明らかに市街地信用組合の復活だと思う。或いはそれよりも更に市街地信用組合を強化するものである。従つて私は、これはむしろ協同組合主義よりも金融の方に近付いて行くのだ、こういうふうに考えなければならない。ですからこれには私はいろいろ疑問がありますけれども、もしこういうものをお作りになるならば他方において協同組合主義を活かすような救済策が行われなければ私は片手落ちだと思う。そればかりでなく本来ならばこの信用金庫にしても或いは相互保險にしても、新らしく銀行法を作る上から総合的に、これは考えることになつてつた。ところが、それを部分的に相互銀行というものが出て来た、或いは又信用金庫がここに出て来る、我々はそういうことに非常に疑問を持つておる。もつと総合的に殊に金融機関の問題については考えなければならない点がたくさんあるのでありますがそういうのが法律案として出て来ておる。なぜ今これをこういうふうにして出さなければならないか。どうしても出さなければならないならば協同組合主義を殺さないようにしたければならぬ。水田さんは御承知と思いますが問題になつたわけなんです。中小企業庁でもこの点は総司令部に折衝したはずであります。救済の案についてそういう経過がある。従いまして、この信用金庫法が実施されると協同組合主義はむしろ強化されるという御議論もございますが、私は逆であつてむしろこの救済策は必要だと思うのです。その点この法案が問題になついきさつに鑑みて明らかであると思うのですが如何ですか。
  35. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) ですからその点はどの業務を見ても会員のためにするという制限が皆ついておるのを見ても明らかのように、この協同組合主義を守るために全部会員のためにする業務に主力を置いて、会員以外の者にもし金を貸すというような場合も、会員外の人はその預金とか積立金を担保とする場合でなければ貸さんというように非常に業務のきつい限定をやつておりますので、そういう点で協同組合主義というものが立派に守られているのではないかと考えます。
  36. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 議論になると思いますが、立派な例えば芝信用組合、そういう相当大きなところの実際の業者のかたがこれを行えば、協同組合主義がだんだん破壊されて行くのではないかと憂慮しておる。私たちは実際担当者でないからそういう実際家の意見を尊重するよりしようがないのですが、そういうふうに憂慮されているのであります。併しこれは大議論のあつたところです。信用協同組合業者の間に賛否の両論でつかみ合いも始まらんばかりの大きな激論を鬪わされた問題であります。これは従つてそう簡單にその協同組合主義はこれによつて抹殺されない、むしろ強化されるということは、提案者としては認識不足だと思う。むしろ救済策こそ必要であるのでありまして、もしそういうような御議論ならば、この信用金庫法案性格提案者自身が御存じないと言わざるを得ない。
  37. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 最初この法案立案に当つていろいろ誤解がありまして、業者の中にはこれを作つた大蔵省は二十か三十か大きいところを許可してあとはしない方針だろうとかいろいろそういうデマが飛んだりしましたために、今御指摘の芝信用組合というものは反対の猛烈な組合でなんとか言つて各党へ陳情したのでありますが、最近になつてこ金庫法は是非急速に通して貰いたいと陳情する方にみな変つて、その問題についての今この異論というのは信用組合内に余りないように我々は聞いておりますが、一番最初に確かにそういう問題はあつたかと思いますが、それも最近では誤解が解けていると思います。会員の資格の問題にしましてもこの従業員百人以上のものは入れないとかそういう限定もありますし、完全に中小工業組合への金融機関だという性格も全体を通じてはつきりしておりますので、最近そういう特別な異論はないように聞いております。
  38. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私は、この問題については業者だけでなく各方面におきましても、大蔵省だけでなく他の意見も徴しまして、それでこれは先ほど水田さん言われました通りに利害輻輳しておりまして、そうして反対論者も陳情しておるかも知れませんが賛成論者も猛烈にあの手、この手で陳情して来ておるように聞いております、デマかも知れませんが、いろいろな問題を聞いております。そういうようか反対陳情を出した、賛成陳情を出した、或いは誰がどう言つたとかいろいろなこの議席で私は言うに堪えないことを聞いております。そういう誤解を払拭する意味におきましても、我々は純理論的に又純客観的に見て本当にこれが日本の中小業者救済する金融の遂になるのかどうか、或いは又折角その協同組合主義というものをこれから育成して行こうというそういうこの民主主義の時代になつたときに、この協同組合主義をだんだんに衰微させ、或いは破壊して衝くような方向に向つてはいけない、こういう観点からいろいろ御質問し、検討をしているわけなのです。従いましで、先ほど芝信用組合の人がどういういきさつから今度は賛成論者になつたか知りませんが、私は純理論的に行きまして、この信用金庫法が問題になつたときに、協同組合主義がだんだん薄らいで行くから、実は若しこの信用金庫国会を通つてしまいできてしまうのならば、救済策として事業協同組合が信用事業ができるようにしなければ片手落ちである。それは確かに私は実際問題としてそうだと思うのです。従つて若しこれをどうしてもお出しになる、どうしても通そうとするのならば、片方において協同組合主義を殺さないように、事業協同組合が信用事業をできるような法案を同時にお出しになるならば公平だと私は思うのです。又我々議員としても、これがそういう形で出て来るならば公平な見地から協同組合主義も殺さない、又この信用金庫も活きて来る、こう思うのですが、このままの法案では協同組合主義が抹殺されます。実際上これが実施された場合の結果を考えれば私はそうなつて行くと思うのです。その点を我々は憂えるわけなのです。それで私はどういう根拠で協同組合主義が薄れて行かないとお考えになるのか、そこのところがどうしてもわからない。これは公平に見て誰が見ても協同組合主義よりも金融事業の方のウエイトが大きくなつて来ているのですから、協同組合主義を殺さないような救済策がなければならないと思うのです。この何か救済策について御検討になつたかどうか伺いたい。
  39. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 信用金庫にならないで金融事業をやる協同組合の設立というのは、これからいくらでもできることでして、お互い会員同士が信用組合を作ればいつでもこの純然たる協同組合主義信用組合というものは作れるようになつているのですが、ただその場合に第三者一般からの預金を取るということになりますというと、これはその金融機関が非常に公共性を持つて来るので、それを今度は取締る、十分監督をするという必要が出て来ますので、現在までに行なつている信用組合についてはその監督を十分しなければならない時期に来ておりますので、これは金庫としてはつきりそういう点を規定して預金者を保護するというような点に努めます代りに、純会員同士で預けたり借りたりするというような組合はこれからたくさん出て来るでしようが、そういうものについてはできるだけこの監督を厳重にしないで自由にそれをやらせるというところで、この金庫金庫にならない組合との区別がつくので、そういう点から考えますというと、あとからたくさんできて来るでしようこの組合主義による金融機関というものについては、この員外預金の問題を無制限にさせるかどうかというのが問題になつて来まして、それがまあ衆議院側としましては、そこの点の区切りをつけなかつたのが我々としては非常に手落だつた思つておりますので、そういう点も一つ是非参議院において十分御検討願いたいと考えております。
  40. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この法律でできても、信用協同組合は今度は地方庁の認可になるわけですがそうなつて自由にどんどんできるようになるから、それで信用協同組合も別に殺すわけではないと、こういうふうに言われるのですが、いろいろの点から検討しますと必ずしも私は実際問題としてそう言えないのだと思うのです。そこでお伺いしたいのですが、この信用金庫法施行法の第二條でございますが、「この法律施行の際現に存する信用協同組合及び中小企業等協同組合法第七十七條第一項第一号の事業を行う協同組合連合会については、改正前の協同組合による金融事業に関する法律規定は、この法律施行の日から起算して一年間は、なおその効果を有する。」とありますが、一年間たつたあとにおいてはどういうふうになるわけですか。
  41. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 一年たつて金庫になれるものは金庫になる、金庫にならんものは元の改正前の協同組合による金融事業に関する法律、この規定によつた業務をすればよいということになります。
  42. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これを卒直に読みますと、現在あるところの信用協同組合については、一年間協同組合による金融事業に関する法律規定は有効であつて、一年後においては有効でないようにこれでは取れると思うのです。若しそうであれば信用協同組合金融事業を行うところの根拠法というものはなくなつてしまうように解される、この法律の書き方ではですね。
  43. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 一年たてば改正前のではなくて、この改正後の協同組合による金融事業に関する法律規定によるのでありまして、根拠法というのはこの中小企業等協同組合という法律がございますので、これによるということで差支ないと思います。
  44. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは確かですか。差支ないとしてもこの文章ではそうとれますですがね。で、我々危惧するところは、それでは改正後にこの認可申請したような場合、新らしくできる信用協同組合については、金融事業に関する法律規定は当はめられるかも知れませんけれども、現在ある信用協同組合は、一年間たつとこの金融事業に関する法律規定適用されなくなる、こういうふうにこれではどうしても読めるのです。若し今提案者の言うような意味ならば、何かこれをはつきり書換えられなければ私はそういうふうにならないと思うのです。
  45. 三輪力

    ○衆議院法制局参事(三輪力君) 私が代つて説明いたします。大体この協同組合による金融事業に関する法律というものを今度こうして改正したいというわけでありますが、若し改正ができたとしますと、その改正法というものは原則としてはその公布施行の日から直ぐそのまま適用されるわけでありますが、この場合におきましては、特に改正前の協同組合による金融事業に関する法律というものを一年間だけなお有効としまして、一年たつたらその改正された協同組合による金融事業に関する法律で行くのだということを、特にこの第二條ではつきりと語つているわけであります。
  46. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはわかりましたが、それでは改正というのはこれから予定される改正ですか。
  47. 三輪力

    ○衆議院法制局参事(三輪力君) つまり今御審議を願つておりますこの改正のことであります。
  48. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 ちよつと関連して伺いたいのですが、この施行法の第二條をまともに読みますと、「この法律施行の際現に存する信用協同組合及び中小企業等協同組合法第七十七條第一項第一号の事業を行う協同組合連合会については、改正前の協同組合による金融事業に関する法律規定は、この法律施行の日から起算して一年間は、なおその効力を有する。」というのだから、一年間たつたらその法律の効力がなくなると読めるので、この法文そのまま読んで行くと、改正前の協同組合による金融事業に関するところの規定は一年後には効力がなくなるというように読めるのですが、そうじやないですか。
  49. 三輪力

    ○衆議院法制局参事(三輪力君) 改正前の規定はこの法律施行の日から起算して一年間はなおその効力を有すると、改正前の規定は一年間効力を有し、一年間たちますと改正後の規定で行くということになつておるわけでございます。
  50. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) ちよつと関連して私からも質問いたしますが、そうすると一年間改正前の規定適用される場合と、それから一年間たつて改正後の規定適用される場合と、例を挙げればどういう点が違つて来るのですか。
  51. 三輪力

    ○衆議院法制局参事(三輪力君) それは如何に改正されるかということは、第一條以下に詳しく規定してあります。
  52. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) それはそうだが一、二具体的にこういう点が変つて来るのだということを……。
  53. 三輪力

    ○衆議院法制局参事(三輪力君) 例えば監督官庁は従来は大蔵大臣でありましたが、これをこの第一條で例えば大蔵大臣とあつたものを行政庁に改めるというようなふうに謳つておりますように、そのほかにも第一條でいろいろ言つておりますが、主として監督官庁を大蔵大臣から行政庁に改めるというような点であります。
  54. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから信用金庫法施行法の第一條に「第三号を削る。」とありますがこの第三号というのは……。
  55. 三輪力

    ○衆議院法制局参事(三輪力君) 今の御質問は、この第三号を削ると、こういう点でありましようか。
  56. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうです。第三号というのは何を削るのか。
  57. 三輪力

    ○衆議院法制局参事(三輪力君) 従来現行の協同組合による金融事業に関する法律の第四條の第二号で、「大蔵省預金部への預金又は郵便貯金」ということがありますが、この大蔵省預金部への預金というのを廃しまして、そうしてあとの郵便貯金というのを一号の方にぶち込みましたので、従来の三号を二号に繰上げましたので、第三号というものがなくなつたわけであります。ただ繰上げただけであります。
  58. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから実際問題としまして、信用金庫法ができましたときに今の信用協同組合が移つて行くのでありますが、そのときに大きい所は支障がないかも知れませんが小さい所に対して支障が出て来るのではないか。この点はまあ非常に重要な問題になつて来るわけでございますが、この点について実際問題としてさつき議論したのですが、信用協同組合主義がだんだん薄れて行つてしまう。それで結局においてはこの法律案は前の市街地信用組合を復活しようという一つの意図から出て来ておるのであつて、そうして協同組合主義による信用協同組合、こういうものに対しての圧迫になる、こういうふうな懸念があるのですが、それはどうなんですか。
  59. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 圧迫になるということはなくて、従来の市街地信用組合それから産業組合から来た信用組合も、員外貯金を取扱つておる限りの信用組合は殆んど全部、この経過期間中には自己資本を増してこの金庫に皆なれるだろうとそう予想しておりますので、市街地信用組合以外のほかの信用組合を圧迫するというような事実は全然起らんのではないかと思つております。
  60. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それがスムーズに移行できるということは、どういう点で予想されるのですか。
  61. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) すでに今まで資本金が非常に少かつた組合もここで少しでも増そうという努力をやつておるのですが、もうこの一カ月間に六百の組合の中で百以上どんどん百万も資本金を増したというのが出て来ておりますし、この調子で行つたらここに書いてある三百万というところに達するということもそう骨ではないだろうと、而も更にこれを若しも、今参議院のほうでいろいろお話があるそうですが、二百万程度に経過規定を直そうというようなお考えがあるようなことでしたら、殆んど全部がこの一年半ぐらいの間にはそれくらいの資本を持てるというところに行くのではないか。最近の一、二カ月の実績から見ましても、努力しておるところは一カ月に二百万も二百万もこの出資を殖やせるという状態になつておりますので、その点の心配はないと思つております。
  62. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは殖やせるところはそうかも知れませんが、金融機関再建整備というものによつて一応ちよん切られて、又新らしく増すのが困難な所もあるわけなんです。全部が全部ではないと思うのです。そういたしまして、全部が移行できるということになるとこの信用協同組合信用金庫というものに振替るわけですな。全体としてはそういうふうに振替え得る、こういうお見通しなんですか。
  63. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 大体今組合の現状を見ますと組合の総数が六百十一ございまして、もう今年の三月末現在にこの金庫法になり得る適格の組合が五百三十六、四月末に増加する見込のものが三十六、そうすると五百七十二というものは金庫法になり得る組合ということになりましてあと三十九しか残らんということですが、これは現在もう員外貯金も取扱つていない組合でありまして、大体みんな金庫になり得る組合だという情勢になつております。
  64. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと大体大部分これになつて行く。まあなり得ないのもあるかも知れませんが、併しそれはそういうふうに該当するものがそれだけあるということですね。
  65. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) そうです。
  66. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 あとは先ほど御質問したのですが、認可よりももつときついところの免許を受けたことになるのですね。従つて認可よりもきつい免許を受ける場合、それがスムーズに移行するということはどういう点で予想されるわけですか。もつと認可よりもきつくなるはずじやないですか。もつと免許になるときつくなつて信用協同組合の方は認可に緩和して信用金庫の方は免許にするということはもつときつくなるのです。今お話のようにそれがそのまま信用金庫に移行する、これはそういうふうに私は解せないと思うのです。それでなければ大蔵大臣免許を受けなければならん、認可よりもきつい免許というものを謳う必要はないですが、その点はどうですか。
  67. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) これは大体免許にしましても一定の基準がありまして、資本金がどうとか何がどうとかということで、それに適合したら大蔵大臣は大体免許するのが原則でありますが、ただ出資金が何百万に達しておつても、その金融機関が内部にいろいろな問題があつて、不健全な要素が非常に多いというようなときは、一応役所の指導を待つてそうして適当な時期に免許するというようなことはあると思いますが、大体において健全な組合であり法定の要件を備えておつたらこれは大蔵省として当然免許すると思われますので、その点に支障はないと思つております。
  68. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでしたら前の協同組合金融事業を行い得る規定、あれは法規裁量に変えたわけです、あの規定をなぜここへ適用されないのですか。実質は信用協同組合が大体において信用金庫に振替わるというお話です。そんならば前に国会議員の提出案になつて、国会議員が提出した議員提出法案としてあの信用協同組合免許については法規裁量に変えたわけです。その精神をここに活かす必要があると思うのです。そうでなければむしろあの法規裁量を逆に殺してしまうと思う。私はこれは国会議員として前にあの提案をされたかたはここに出ておりますが、私は自殺行為だと思うのです。前に多数意見者署名で出ておりますが、皆さん署名されておるわけです。大矢さんも木内さんも愛知さんも黒田さんも松永さんも油井さんも、皆さん署名されております。そうして折角法規裁量にしたものが実質においてこれによつては逆転してしまうと思う。これは私は矛盾していると思う。今のお話では信用協同組合が実質は信用金庫になるのだ、こういうお話でした。それで実質はなるのだといいながら、折角我々が前に努力して法規裁量したのが今度はそうでなくなつてしまう。これは矛盾しておりますし、矛盾するばかりでなく、若しこういうことが行われたら私は国会の権威に関すると思います。これはやつてから何カ月たつているか、一年もたたない。これは非常に矛盾だと思うのですがこの点は如何ですか。
  69. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 法規裁量を十分に活かすというのは、これからできる組合というものについてはこれはもう法規裁量を活かすということで行くでしようが、今度は金庫になろうという一般からの員外預金を皆持つて非常に公共性の強い金融機関となつて来るものについては、法規裁量ということは非常に無理でございまして、やはりこれは免許主義で行つた方がいいと思つておりますが、国会できめたこの法律は残つておりますし、これから組合主義によつてどんどん設立される組合にはこれが適用される、そこで活かせばいいのじやないかと我々は考えておるのです。
  70. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはちよつと詭弁だと思うのです。まだ特金課長が見えておりませんが……。
  71. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 見えております。
  72. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 お聞きしたいこともありますが、この金庫ということで今まで民間の営利事業に使つたことのない言葉を使つて昨日御答弁がありましたが、私はこれについてもまだ疑問があるのですが、そういうものを使い、そうして従来の信用協同組合をだんだん名前だけでも私は非常に弱体化されると思うのです。それは金庫の方が名前は立派ですから、今まで商工中金とか農林中金とかいつたのが今後は信用金庫なつたら何だか政府の補償或いは出資でもあるような考えを抱きますよ、一般の低い人は。これは諸外国においても金庫ということはそうだと思います。今後は従来と商工中金も農林中金も変つたと思いますけれども、第七回国会を通過した銀行等債券発行に関するあれで見返資金が優先株を持つてもいいし、債券発行もできるのですから、これとちつとも違わないのです。昨日の御答弁は我々を何ですか騙したような答弁で、甚だ不満なんです。そうしまして、今度は信用組合が地方庁の認可になりました。そうすると大蔵省免許というものと、大蔵省認可ということと地方庁認可というのと、私は非常に心理的には違うと思います。大衆というものはそういうものです。成るほど地方庁ではどんどん認可できるとはいうものの、認可しろと言えば、皆やはり信用金庫の方がそれは非常に信用があると思い、又組織も大きいのでしようから、結局において認可できることにはなつておりますけれども弱体化して来るのは明らかだと思います。例えば員外預金でも信用金庫の方が集まる、私はそう思います、それは明らかだと思います。大体の最初のスタートの考え方が市街地信用組合の復活を目指しておるからそうなるのです。そのそもそもの起りがそうなんです。市街地信用組合を解散させられたのを、連合会を作ろうとして司令部から叱られたわけです。叱られてこういう協同組合のものができないから復活を図ろうとしたのですから、それで信用協同組合の方へいつか又そういう復活を図ろうとしたのですからそれで信用協同組合なつたんで、いつか又そういう復活を図ろうというのでこういう信用金庫という形で出て来たと私は理解している。ですから信用協同組合と違つている。それで何とかして、前は折角国会法規裁量大蔵省の役人が国会に一杯食わされたから、何とかして今度はこれをひつくり返そう、まあそういう意図はないかも知れませんが、議員提出法案でありますから。併し質問してみますと提案者はよくおわかりにならないで、特金課長のほうがよく御存じでよく答弁されておる。それが実際には政府提案のような形になつている。いろいろそういう点で我々にははつきりしない点もあるのです。ですから今の御説明では、それは地方庁がどんどんこれから認可できるのだからそんな心配はないと言つておりますけれども、実際の問題として私は圧迫されておると思うのです。ですから救済策を講ずべきじやないかと思う。私は若しこの法案をどうしてもお通しになるというのならば、それはそれとして一歩を讓つてもいいと思うのです。その場合には協同組合主義を抹殺しないように、事業協同組合が信用事業を行えるようなそういう考慮をなぜ払わなかつたか。一方的にこれだけぽつと出して来て、更に又総合的に金融制度の改革を考えなきやならんそのときに、この信用金庫の問題も相互保險会社の問題も併せて総合的に日本金融制度の改革として考えるべきはずであつたのです。それが相互金庫というだけでほかに総合的関連を考えずにぽこつと出て来た。或いは信用金庫としてぽこつと出て来た。これでは総合性がちつとも考えられていない。これによつてプラスになる面もあるかも知れませんがマイナスになる面もあるのですから、協同組合主義が弱体化されるのですから、なぜそういう法律案或いはそういう考慮を払われなかつたのか。弱体化されることは明らかだと思うのです。その点如何ですか。
  73. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 木村委員は先ほどからこの事業組合金融できるように救済策として考えるべきだというのですが、信用組合も作ろうといえば組合員が信用組合を作ればいつでもできるということになります。ので、ちつとも事業組合金融禁止してあるわけじやございませんので、これは組合員が作ろうというのなら、今言つた今度法規裁量がものを言つてもいつでも作れるということになりますので、ちつともその点は圧迫とか何とかにはならんと思います。
  74. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういう理窟でなく実際問題として先ほどお話を伺いますと、幾つですか六百十一ですかこの信用協同組合が大体において信用金庫になつて行くとこういうお話がまああつたわけでありますが、それなら今までの法規裁量があつたのでありますから、それをここに持つて来て悪いという法はないと思うのです。手続が折角法規裁量のあれを努力して作つたのに、又ここではその認可よりもつときつい免許にして法規裁量ということが逆転されておるのです。こういうことは私は非常に無責任だと思うのです、そういう点では。
  75. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 只今のお話の点でございますが、これは御承知の通り信用協同組合事業免許基準令というのが昭和二十六年の政令三号で出ておりまして、今の協同組合による金融事業に関する法律の第二條の三項にありますいわゆる法規裁量による基準令というものを出しておるわけでございます。で、この政令は全体が五條から成つておりますが、その一條は、この政令の定めるところによつて基準をきめるということになつておりまして、それから第二條は事業を行おうとする地区の基準でありまして、例えば農業協同組合とかほかの組合の分布状況から見てされなきやならん、こういうことが第二條であります。それから第三條は役員の基準でありまして、これは金融業務に対して十分な経験及び識見を有する信頼するに足る人格を有する者でなければならない、これが第三條であります。第四條は出資の基準でありまして、これは東京都の特別区の存する所とか、そうでない所は人口何万以上のものについては出資金は幾ら以上、五百万円或いは三百万円要る、こういうことが書いてある。それから第五條は事業方法及び計画の基準でありまして、これは事業計画その他の基準を定めてできるだけ出資者の利益の保護に資するものと認められるものでなければ免許してはいけない、こういうことであります。結局具体的な問題といたしまして、今お話のこの法規裁量の問題を検討いたしますれば、このうちで特に問題となるのは出資の基準の四條のところであろうと思いますが、これはこの信用金庫法の第五條のところで大体の基準が一号、二号に分けまして書いてございまして、それと殆んど実質的には額は分つておりますが変りはない。あとは要するに免許する場合の心がまえと申しますか訓令的な意味を持つておるのが大部分であります。従いまして具体的に只今の協同組合による金融事業に関する法律の第二條に規定してございまする法規裁量のことを敷衍いたしますれば、結局この信用金庫法に取上げてある、今五條等に入つておるようなことと余り違わないことになりはしないかと思つておるのでございまして、急にこの信用金庫法ができましたことによりまして法規裁量のあれが非常に変るというようなことは具体問題としてはあり得ないのじやないか。ただ将来免許いたしまするその場合百におきまして、御指摘の点は御尤もなことでありますが、法規運用の上においてそういうお話の点を十分に大蔵当局なり関係当局においてその趣旨を汲んで、免許の事柄を行なつて行くということは望ましいことかと考えます。
  76. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今のお話はこの前の第九国会の時問題になりましたので私も大体了承しております。で、あのとき実は問題になつたのでありまして、この法規裁量の場合免許基準についてやはりこれを具体的にこういうふうに出すか出さないかで問題になつたのです。大体最初予想されたよりも実質的には法規裁量の効果は薄らいだとこういう結果にはなつたのです。それは大蔵省側の意見もあつたのでそういうまあいきさつもあつたわけです。ですから実は免許基準をこういうふうに入れるか入れないか揉んだわけです。従つて我々としてはあの当時こういう免許基準を作つてこういうふうにしない方がいいという考えであつたのですが、こういうことになつたのです。で、法規裁量の原則は我々としては貫きたいとこういうふうに考えておる。一応原則は貫かれたわけです、一〇〇%の効果はなかつたとしても。そういう意味で私はこの信用金庫についても今お話のように実際の法規の運用によつて行われたら差支ないだろうというお話でありますけれども、そんならば前にこの法規裁量のことが問題になるはずはないのですよ。前においてその運用ではいけないからあの法規裁量が問題になつたのです。従つてこの場合にも実質的には信用協同組合金庫に移るというのなら、さつきのお話ではこの法規裁量がここで抹殺されるのじやないか、精神がですね。こういう質問になるわけです。
  77. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) お話の点御尤もだと思いますが、この協同組合による金融事業に関する法律の二條の三項が追加されましてから、初めて法規裁量による免許というのが起つて来るわけでございまして、もうすでにこれができまする前におきましてたくさん免許されております協同組合が勿論いろいろあるわけです。ところが協同組合の実況等を見ますと非常に細かいものがいろいろありましたり、或いは本当はいろいろ申請しておつてなかなかいろいろな関係で免許しないで抑えてあるというようなことから当然二條の三という規定が出て来たと私も承知いたしておりますが、今度金庫になりますとその点が非常に協同組合から本質的には銀行的な要素といいますか、そういうものが非常に強く全面に押寄せて参りまして、特に五條に書いてございますように一千万円なり五百万円というような出資金額でなければいけないというような今まで以上の免許の制限を受けるということになりますと、やはり金融の面からみまして信用の保持、出資者、会員等の保護という見地からみますれば、法規裁量の建前にはよりながらもなお多少の別箇の観点からみて行かなければならんじやないかというような点もやはり一応理窟があるんじやないかとかように私私どもも考えておりまして、従いましてこれを私ども考えまする場合におきましても、信用協同組合事業免許基準或いはそれができました沿革等も承知いたしておりますのでそれらの点も併せ考えましたけれども、又今申しましたような意味から特にそれを取入れなかつたわけでございまするので、御指摘の点は私御尤もだと思いますから、これは大蔵省のかたがおられればその点も十分汲んで頂いて誤りのないようにして頂くことが望ましいことだと考えております。
  78. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今法規裁量をこれに語わなかつたことはやはり預金者保護だと、こういう点からそれは銀行性格が強くなるというこういうお話です。そうしますと先ほど我々問題にしたんですが、御提案者の我々に対する説明は矛盾していると思う。協同組合主義的の性格が強くなる、こういうことを言つておるのです。そんならば法規裁量のことが問題になるのです。法規裁量でもいいわけです。ところが銀行性格が強くなる、こういうことでやはり法規裁量が問題になる、これは御尤もだと思う。当然やはりそうあるべきだと思うのですね、銀行法その他を考えますれば。そこで矛盾しているわけです。そうしますと提案者は昨日か森委員に対する御説明も私に対する御説明も矛盾しているんです。協同組合主義性格が強くなるとこう言うんですが我々はこれは理解できないのです。実際が金融的な銀行的な性格が強くなる。そのために法規裁量というものにいかない。信用協同組合と異ならしめたとここにはつきりして来たわけですよ。ですから先ほど根本的な性格を私はお聞きしたわけです。一体その金融事業と、協同組合事業とどつちにウエイトを置くのか。そうしたら協同組合的な性格が強くなる、こういうお話だつたんです。これじや全く矛盾していると思う。私はおかしいと思う。非常に無責任である。
  79. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 協同組合主義的な性格が強くなるという説明は別にいたしません。この性格は何かというので本質は協同組合だと言つたんですが、ただ金融機関であるけれども銀行的な性格を持たせるのはこれは止むを得ないことであつて、(「違うぞ、さつきの答弁とは」と呼ぶ者あり)そういう面はたくさんあつたにしても本質は協同組合主義だと言つただけでございまして、この金庫法ができたために協同組合主義性格がより強くなつたんだということは別に言つておりませんので、木村さんの今のお話とはちよつと私の説明は違つております。
  80. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは森さんがお隣にいらつしやいますから何か御意見があるかも知れませんが、そのウエイトがどつちに強くなるかということなんです。ですから極端に言つたわけではないので、ですからどつちの方向に向くのかと言えばやはり銀行的な性格が強いんだということはやはり法規裁量の問題になにしても明らかなんです。それは明白なんです。又そうでなくちやならない。それでは御答弁は違つておるんです。ですから実際何を狙つてそういう性格のものとしてこれをやつて行くのか。銀行的なものでもない、協同組合としても何か中途半端な或いは規定から言えばこれは銀行規定を受けなければならない。預金者保護についてはまだこれでも中途半端ですから銀行なら銀行で、銀行適用を受けなければならないのに銀行でもない。じや金庫だと、この金庫は農林中央金庫とか或いは商工中央金庫があるが、それは昔と性格が変つたから今の信用金庫と同じような解釈をしていいというような説明はできない。実質上は違うのです。それから金庫という言葉自体もこれを使うことも問題です。不用意に営利会社に対して金庫と使うのは初めてだ。こういう重要なことになると金融機関制度の上から不用意です。規定の仕方も不用意、性格もあいまい。どうしてこういうことを特にぽかつとこういう信用金庫をこの際作らなければならないか、了解に苦しむのです。
  81. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 信用金庫法の第一條に書いてございますけれども、この前もちよつと申上げたつもりでございましたが、第一條に「協同組織による信用金庫の制度を確立し、金融業務公共性にかんがみ、その監督の適正を期するとともに信用の維持と預金者等の保護に資することを目的とする。」と書いてございますように、それはざつくばらんに申上げますれば、協同組合組織というようなその精神によりまする協同組織というものをその中核といたしまして、そうしてその中核の上に例えば金融的な性質を加味して行く、こういうことがこの金庫の狙いであろうかと考えます。従いまして純然たる意味銀行でもないし、又純然たる意味協同組合でもないと或いは申上げた方がいいかも知れないと思いますが、そういうような両方の要素を持つておるのでありまして、根本的にはどこまでも協同組合組織を中核としまして金融的な性質を加味して行く。従いましてその公共金融的な機関公共性に鑑みまして、特に監督の適正を期する云々というようなことを目的にしておるのだということを一條規定したわけでございます。従つてここでどちらの性格かということをはつきりしろ、いずれかに決然とはつきりときめることはちよつとむずかしいかと考えておりますが、これも一つの将来の金融制度における過渡的な現象かも知れないと思われますが、今のような性質を持つておると私どもは考えておるわけでございます。
  82. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは御説明はわかつておるわけです。それは前の市街地信用組合はそういうものであつた市街地信用組合はそれで問題になつたわけですね。ですから私は今お話のようですとこれは市街地信用組合そつくりなんです。むしろそれを強化するという形になるわけです。まあ今までの経過から言いましてそういうあいまいなもの、何だかわからないようなものはいけないというので、信用協同組合の方向へ変つて来たんでそれが又逆転するという意味なんです。そういう意味で今の御説明は御説明としてよくわかるのです。ですからどつちにウエイトが強くなるかということは法規上よりも実際問題として考えなければならんと思います。実際問題としては明らかに市街地信用組合の近代版で、もう一つの又強化するというような形に理解されるわけです。ですから私は協同組合主義の方が弱くなつて来る、これは当然だと思う、市街地信用組合の復活なんですから。  そこで私は今度政府のほうにお聞きしたいのですよ、政府側の特殊金融課長にちよつとお伺いしたいのです。政府のほうは大体中小業者の育成とか、或いは中小業者金融ということにつきまして、従来からいろいろ問題があるところなんですが、大体市街地信用組合を復活させるという方向にこれから持つて行くのかどうか、そういう構想なんですか、どうか。
  83. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 中小金融対策として政府市街地信用組合の復活というものをいいと思つておるかどうか、というふうな或いはお尋ねだと思います。私どもといたしましては、中小企業金融対策として、一方に政府資金、その他特殊資金的なものの導入ということに努めまするほかに、民間の金融機関であるところの中小金融専門の金融機関の育成強化を図つて参るということが極めて大事であるのみならず、むしろ推進をなすべきものであるというふうに考えておるのでございます。民間における中小企業専門家と申しますと、現在無盡会社或いは信用協同組合がこれに当るわけでございますが、その無盡会社や市街地信用組合信用協同組合というものに対しまして、専門の金融機関としての基礎を強固にするという意味から一方に相互銀行或いは今回の信用金庫法というものができますことは、中小金融の専門機関を育成強化するという線に非常に寄與するところがあると存ずるのでありまして、あえて市街地信用組合の復活という問題ではなくして、協同組合組織による金融機関の強固な基礎ができ上るという意味で非常に好ましい方向と考えております。
  84. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、純然たる民間金融機関を以て、中小金融の中心にして行こうという考えですね、それは実情にそぐわないのじやないかと思うのです。大体中小金融というのは農村金融と同じように、やはりこれは預金を集めて貸出すということは困難だ。これが日本の中小企業或いは農林、漁業の特殊性であります。どうしてもそこに農業ならば農林中金というものがあつて、そうして各県には県信連というものがあつて、そうして最後の尻はやはり農林中金で政府がこれをカバーしてやる、こういう方向にあるのが農林金融の実態だと思うのですが、私は中小企業についてもそうだと思うのです。どつちにウエイトを置いて行くかと言えば、やはり商工中金的なもの、協同組合的なもの、こういう方向に、これを全部一つにしてしまえというわけじやありませんが、ウエイトをそつちの方にだんだんおいて行かなければならないと思う。それこそが日本の中小金融に対する特殊金融機関作つて行く方向じやなければならないと思う。今のお話ですと、民間金融をだんだん強化してそつちの方に中小金融の方の役割を多く持たせて行こうという構想、私はこれは逆だと思う。それでは本当の中小金融にならないと思う。この点は根本の問題ですから、その点はどつちが一つでなければならんというのじやない。私も民間の金融機関として中小金融機関があることは、これは必要であると思うのですけれども、ウエイトの置き方です、根本の今後の中小金融というものの考え方です。今の特殊金融課長考えがそうであるとすれば私は逆行するものだと思う、実情にそぐわない。これは非常に重大なことでありますから、この点よくお考えをもう一遍聞いておきたいと思う。
  85. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 先ほど一方に政府資金或いは日銀の別枠融資的な特別資金というものの導入に努めるほか、民間の中小金融の専門機関の育成を図つて参りたい、それがむしろ中心になると申上げた、中心というのが強く響き過ぎたと思います。すでに御承知のように、例えば預金部資金を中小金融の方面に役立たせたいという場合に、如何なる方法をとりましたかと申しますと、結局一般銀行或いは無盡会社、信用組合、いわゆる中小専門機関というものに預託をいたしましてその実効を挙げることを図つたわけでございます。一般銀行に対する預金部資金の預託というものは果してその目的通り中小金融に役立つたかどうか、その効果に関して若干の疑問を持たれておるわけでありますが、無盡会社、信用組合に対しての信用というその効果が一〇〇%に上つたというふうに考えております。即ち政府資金的なものを導入する、或いは日銀の中小企業別枠資金というものに関しましても、その運営に当るものは結局金融の専門の機関であつて政府が直接やる例えば国民金融公庫というふうなものは非常に限られたパーセンテージしか占めないわけであります。結局中小金融の専門機関を育成強化するということが基礎になるという意味合で申上げたのであります。その中には従いまして、政府資金をこれに導入するにいたしましても、又広く民間の零細な蓄積資金を集めるにいたしましても、専門の銀行以外の金融機関の育成強化が必要である、かように申上げたつもりであつたのであります。
  86. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 銀行以外と言いますけれどもこれはやはり銀行じやないのですか、主格として。これをどうして今統一されないか、先ほどのお話では二本建なんです、信用協同組合的なものと信用組合的なものと、これはまあ信用金庫がそういう系統になつて来ると思うのですが、これをどうして二本建にしておるか、これをもつと統一して行く必要があると思う。将来大きな方向としてはやはり商工中金的な方向にだんだんと統一して行くのが狙いとしては正しいと思うのです。ところが大きな意味でそういう方向から言うとこれは逆なんです。この信用金庫法は逆なんです。そこで私はどうしてこういうものが出て来たかをどうも了解に苦しむ点なんであります。大きな今後の中小金融対策としてコンマーシヤル・ペースによる中小企業金融というものは駄目であることは明らかであります。普通の銀行じや駄目だということはまあはつきりして来た、それが銀行的な色彩をだんだん持つて行けばそういうようなことになつて来ると思う。日本の中小企業というものはそういうものだからそういう特殊性考え協同組合的な方向に持つて行くのが大きな今後の狙いであるはずなのに、これは大勢としては私は逆であると、こう思う。この点についてはどういうふうにお考えになつておりますか。
  87. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 木村委員の御質問銀行というものに対立させて協同組合というふうに組立てておられるかの感を受けたのでございますが、協同組合に対立させるとしますと、法律上の組織でありますので株式会社というものに対立して見るべきものではなかろうか、かようにいたしまして、株式会社組織による営利機関であるところの銀行というものが出て来るわけなんであります。それに対立した協同組合による組織によりながら金融業務を営むという組織が、強力に育成されて然るべしと存ずるのでございます。従来から信用協同組合協同組合法による中小企業金融という制度が現に存しておるのでございます。その業務内容は御承知のように組合員に対する業務、今度の信用金庫法では会員に対する業務として、銀行はつきり違つたいわゆる協同組織というものをとつておるのでございます、協同組合組織によるという意味はつきりと銀行と区別が付けられるのではないかというふうに考えております。従いまして協同組織による以上銀行と同一ではないのでありまして、單に消極的に同一でないというのではなく、むしろ協同組織による金融機関として、従来銀行のやつておりました分野に協同組合主義が拡がつて行く姿であるというふうに考えるのが妥当であろう、かように存じております。
  88. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは一応の理窟であつて私は実際からいえばこれは銀行のならないのがおかしいと思うのです。おかしいくらいです。その事業内容その他からいつてそれは私は無理にそういうふうにただ規定付けられているように思うのです。実際を見ると今に御説明とは私は逆だと思うのです。そこでこの間の金庫の問題ですが、この間金庫の御説明がありましたが、私はあとで調べて見ましたが、農林中金とそれから商工中金は法律改正によつて従来の性格変つて政治的なものでなくなつたから、ここにいう信用金庫というものの意味とそう違わない、こういうお話がありましたが、第一に債券が発行できるし、第七国会を通過したあの債券発行に関する法律によつて優先株を発行できて、見返資金でこれを持つているわけなんです。明らかに性格が違うのです。実質において違つております。ですからこういう文字を用いると非常にそこにまぎらわしさが出て来ると思う、これは初めて使うというのですから、よほどこれは愼重にしなければならないので、アソシエート・バンクと最初呼ばれ、或いはクレジツト・コーポレーシヨンですかこういうふうに最初呼ばれたというのですが、こういう方が性格を現わしておるのです。その金庫という文字にこだわるようですが、これは初めてこういう文字を営利機関に使うのですから、もう少し厳密に規定をお伺いしておきたいと思うのです。
  89. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 昨日私が申上げた説明でもうすでに申上げておつたと思うのでありますが、従来農林中金或いは商工中金において政府出資というものがありまして、それが或いは従来の金庫政府機関的な、或いは特殊機関的な性格を現わすことになつてつたかと思うわけであります。従いまして、木村委員からも金庫は特殊機関を指す名称にふさわしいものであるというお尋ねがあつたのであります。その際、一般会計による政府出資というものはすでになくなつてつて、その点においては、特殊の政府機関である色彩はなくなつておるというお話を申上げたのであります。その際にもちよつと申上げておきましたが、銀行等の債券発行等に関する法律によりまして優先出資がある、併しこれは純然たる民間の海人であるところの一般銀行におきまして債券を発行し、或いは優先出資を受ける途を開いた法律であるのでありまして、金庫のみにこの途を開いたのではないのであつて、その意味においてこれは政府機関的な色彩を現わすものではないのでありますから、その意味における出資なり債券発行というものは今の問題になつておる区別を現わすものではない、従つて金庫というものはそういう要素がなくなつてつて、むしろ協同組合的な金融機関性格を現わすのにふさわしいものになつておる、かように申上げたのであります。
  90. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは御意見は御意見として承わつておきますが、併しそれだからといつて今の説明は屁理屈で実質から言つたら違うので、そういう屁理屈で金庫という文字を軽率に使うべきじやないと思う。クレジツト・コーポレーシヨンとか、最初バンクという言葉が使われておつたと思うが、その飜訳にいろいろ苦心されて金庫というあれを使われたと思うのですけれどもそれにしても私は不用意と思う。これは実は政府委員に聞くのはおかしいので、提案者のほうから一つの御説明を聞くのが当然なんですが、政府委員のほうが詳しいものですから、(笑声)お聞きしたわけなんですが。
  91. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) この問題は昨日以来質疑をされましてほぼ要領は盡しております。あとは大部分御意見に亘るように思うのですが、この程度でこの問題は……。
  92. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この問題はそれではあれして、次に先ほど提案者のほうにお伺いしたのですが、全国信用組合連合会創立以来の成績ですね、一応お伺いしたいのです。金融課長のほうからも一応お伺いしたいのですが、先ほどこの出資金とか預金高貸付高等を伺つて成績はよろしいとこういうお話しなんですが、金融課長はどういうお考えですか。全国信用協同組合連合会ですね、但しまだ創立の期間は浅いから一〇〇%成功とは言えないけれども成績はよろしいのだと、こういうお話でしたが金融課長どうですか。
  93. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 件数等につきましてはすでにお話があつたと思いますので省略いたしまして、現在の成績は、創立以来まだ一年に満たない、具体的に申しまして例えば店舗網が整備されておらないとかいろいろの関係その他からいいましていろいろな制約があるにかかわらず、現在の成績を挙げておるということは順調な発展振りというふうに見ております。
  94. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この全国信用組合連合会というのはどのくらいの組合作つて参加しておるのですか。
  95. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 現在会員数二百五十余でございます。
  96. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 全国信用組合連合会としてこれは成功だというのですか。
  97. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 設立の基礎は固まりましてほぼ安定した状態に達するまでには、例えば会員数から申しましても約全組合の半数程度でございましてまだその過渡期にあるという状態であります。まだ設立の後の現在までの短時日における進展ぶりその他から見て、今後更に会員の増加、資金量の増加、そういうものを見込みます場合におきましては順調と申上げたのであります。現状のままでとどまつた場合にそれは多分に不足なものがある、併しそれは設立から今までの経過その他から見て現状においてこの程度であるならば、将来会員の増加、出資の増加、資金量の増加その他から見まして十分所期の目的を達し得る状態にある、そういうことをいえると思います。
  98. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私は反対のことを聞いておるのですが、創立以来成績がよくない、それで預金余り集まらない、運営は行詰りの状態にある。その原因がどこにあるかは検討しなければならないと思うのですが、その認識について根本的に違うものですから私ももつとこれについて検討してみたいと思うのです。金融課長は成績がよろしいと言われるのですが……私はよろしいと聞いておらないのです。それで行詰り状態にあるというのです。まるで反対なわけです。その原因としては創立後日が浅いとか、又先ほど金融課長が言われたような点もあると思うのですが、私どもの聞いているところでは全国一本であるというところに相当問題があるのじやないか、ですからブロツク別に、これを行政ブロツクというふうに分けたらいいのじやないかという意見も我々聞いておるわけなのです。従つてこの点は根本認識が違いますから、私は成績がいいか悪いかをもつと根本的に調査してみます。そうして又御質問をしたいと思います。
  99. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 ちよつと関連して、今木村委員のお話の連合会が一本でなければならないような工合に私は解釈してないのですが、これは複数になつてもかまわないでしよう。
  100. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 法律的には複数の連合会の設立も可能でございます。
  101. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 関連しまして、法律的には可能だという御答弁でございますが、これを協同組合式に全国的にまとめ上げ或いは助長して行くか、或いはそうでない方法をとるかということにおいて違うと思うのでありますが、方針或いは望ましい方向としてはどういう工合に考えられるのでありますか。例えば農業協同組合とかその他協同組合の他の例を考えますならば、全国に一つ連合会があつてあと各地の協同組合が直結するというよりも、むしろたとえば各県内にしましてもたくさんの協同組合ができて行つて、そうしてそれが県においてまとまり、或いは全国においてまとまるということの方が強くなるのではないかと考えられるし、そういう意味において府県別というか或いはブロツク別というか、できる方が望ましいのではないかということを考えるのですがその点は如何でしようか。
  102. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) その点は二つに分けて考えて見なければならないと存ずるのであります。現在の状態におきまして全国で組合数約六百ございまして、各県ごと或いはブロツクごとにこの分布状態を見ました場合には、そのブロツク或いは県内に存在する組合というものは非常に数が限られておるのでございます。御承知のように農業協同組合におきましては県ごとに連合会が置かれておるのでありますが、全国の組合数は信用事業を営むものが約一万三千ございまして、従いまして各県における組合数も相当な多数に上つておるのでございます。これが県ごとにブロツクを作りそれが全国的にまとまるという態勢をとつておることは御承知の通りでございます。それから信用組合の場合におきましては、丁度農業協同組合の一乃至二県分に相当する程度組合数が全国に現在あるのでございます。これがブロツクごとに連合会を結成するということは、その連合会自身が健全なる運営を行なつて行く基礎を未だ欠くものというふうに考えておるのでございます。むしろ地方的な差というよりもこれを全国一本にまとめて強力な中央機関を作り基礎を強固にする、或いは日本銀行と直結する、又はその他の方途をとるのが現状においては最善の考え方ではなかろうかと思つております。  御質問を二つに分けまして、第二番目の問題として、仮に然らば信用協同組合が全国に数千或いは万という單位の組合ができました場合を予想いたしますと、この状態におきましては、或いは或るブロツク或いは小さくして県というものの連合会、或いはその中央機関、更に全国的中央機関という組織もむしろ望ましい状況も起つて来ると思います。現状及び今後協同組合的なものがどういうふうな数になり、どういう発展を示すかということによつておのずから結論は還つて参ると思いますが、取りあえず現状について申上げますならば、六百の組合という場合における連合会は、先ほど申上げましたような意味から全国一本の形が望ましい、かように存ずるのであります。
  103. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 そうしますと、現状においては全国一本統合し、そうして設立資金と申しますか中央から資金的な結び付きを作ることが発展上望ましいのだということで、その点についての金庫連合会の構想は承認ができるのでありますが、例えばこの信用金庫法案のように或る一定水準以上の資格を持つておるものは金庫に直す、併しそうでないものは地方庁の認可に委せてむしろその存立の基礎が弱くなる、或いは発展が阻止されるのではないかと考えられるのでありますが、上からの方の強化という点は納得が行くとしても、こういう二つに切つて而も中央からの連絡もなくして放り出される地方の信用協同組合というものの弱体化を考えるならば、全国的な信用協同組合の発展ということについてはむしろ逆に行くのではないかということが考えられますが、当局としてどういう工合に考えられますか。お伺いをしたいと思います。
  104. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 信用金庫にしたい信用協同組合の将来がどうなる見込であるか、かようなお尋ねと拝承しますが……。
  105. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 信用協同組合だけでなしに協同組合によるこうした信用機関金融機関というものを育てるという点から考えるならば、金庫なつたもの、そしてそれが連合会作つて中央に結ぶというその点は強くなるかも知れませんけれど、今後残された信用協同組合というものはむしろ発展の方向が阻止されるのではないか。そうすると全体からいうならば、今お話のような全国的な規模において信用協同機関が発展するという点からいうとむしろ逆に行くのではないか、金庫なつたものは強固になり、或いはそういう意味において発展するかも知れませんけれども、全体の中小企業の金融機関としての信用協同組合運動というものは発展が阻止されはせんか、こういう点についてのお見通しを伺いたい。
  106. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 先ほど水田代議士から木村委員にお答えがあつたようでございますが、事業者その他の団体の構成員その他が自主的な判断並びに組織によりまして信用協同組合を結成するという機運は、ますます高まり且つ発展すると思われるのでありまして、信用協同組合の設立ということによりまして、実質上先ほど木村委員のお話の事業協同組合の信用事業兼営と同じ効果が発せられるという見地等から考えまして、非常に発達が期待されると思うのであります。而もこの運営は自主的であるという面から、協同組合の本来の姿がますますその形態によつて伸びて行くということが考えられるのでございます。ただ将來どこまで発展するかは中小企業者みずからの努力によるのでございまして、その努力がいたされますならば非常に好結果が期待されるというふうに存じております。なお全国的なそれの結集その他についてやはり連合会のことを御質問になつておるものと思うのでありますが、この点につきましては今後予想せられる信用協同組合の基礎となる基盤その他についていろいろなタイプがあろうと思うのであります。現に各地にその発生の機運にありますいわゆる俗称労働金庫というような労働組合を中心としてまとまつておりますところの信用組合、そういうものはそういうふうなタイプによりまして或いは全国的にまとまることもありましようし、或いはそういう全国的に縦にまとまるということではなくで、むしろ横にいろいろの異種の協同組合が県ごとに連合会を作るというタイプもありましようし、いろいろのタイプが予想されるのでありますが、そういう形によりましてやはりその協同組合としての力をまとめるという途は協同組合による連合会ということによつて十分に行い得る、かように考えております。
  107. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 今の答弁の中の労働金庫の問題は、問題が別になると思いますし、これと関連して論議すことは本質的に違うと思うのですが、金庫に直り信用協同組合の中からいわば二定の基準で以てふるい分けて、いいものだけ或いは大きな資金を持つているものだけ金庫にする、而もそれが連合会作つてそれについては政府資金なり或いは日銀の別枠も考慮するということになりますならば、それが強化され発展するということはわかるのでありますが、その他の金庫にならなかつた或いはなり得なかつた信用協同組合というものは、いわばそういう強みというものがなくなつて、今後の運命というものが相当これは弱体化され、発展の余地というものがなくなるのではないか、それは成るほど法上においては勝手に作り得ると、こういうことになりますけれども、先ほどは金庫という名前、或いは大蔵大臣免許、それから知事等の認可ということで一般大衆に與える影響の違いというものはあろうというお話も出ておりましたが、そのほかに全国的な繋がり、或いは政府資金或いは日銀別枠に繋がらないで放り出された協同組合というものは、これはその発展が事実上は阻止されるのではないか、そうして全体として信用協同組合の発展についてはその面からするマイナスが出て来るのではないかということを想像するのですが、その点がどうかということが多少お見込と私どもの心配しております点とは違つておるようですが、金庫にならなかつたものにしてもどういう点の強みがあつて発展するだろうと考えられるのか、その点承わりたいと思います。
  108. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) その点につきましてはむしろそういう形の組合の現状を申上げた方がよろしいかと思いますので申上げます。現在同じく信用協同組合という制度で成立つております組合の中で、例えば職域の組合、同一職場に基礎を置く勤労者の組合でありますが、そういう組合は現在におきましても組合員のみの預金の受入をやつておるのであります。即ち一般大衆からの預金は現在でもやつておらないのでありますが非常に成績を挙げておる組合がすでにございます。かような組合はそのまま信用協同組合として今後も同じような歩みを続けることができると思います。又同業者即ち魚市場とか或いはその他の同一なる業種によりまして組合を結成しておるという形のものがありまして、これも組合員の預金を中心に金融を営んでおるのでございますが、勿論非常に大きな発展は望めませんが中規模の健全な組合として現在においても存立しておるのでございます。かような意味合におきましても、同業者の強み、或いに同一職場に勤務するという強み、そういう組織的な力による強みというものはむしろ信用協同組合の組織によつて十分発揮できるのであります。強みはどういうところにあるかというお尋ねだとしますと、むしろそういう強みは現在においてもあり十分存置しておるのでありますから、今後その力というものがますます伸びるということによつて決して将来悲観すべきものであるというふうな見通しは持つておりません。
  109. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 そうしますと、今の従来の信用協町組合の中の性質的な分類として、職域によるもの、同業者によるもの、それからその他は地域ということになると思うのですが、職域にありますものについては先ほどの労働金庫等の構想も別にあるかと思うので、これについては別に伺わなければならんと思うのですが、或いは同業者の場合にそれが同業者によつて構成せられるが故に強みを持つておる、その組織上の強みは認めるのでありますが、それが全目的に繋がつて或いは政府資金その他との繋ぎというものがないならば、これについての弱点を残すということは考えられるのですが、そういう組織の面ではなくて、或いは運用と申しますか、政府資金その他に繋がります強みをつけて参る方法についで、それから今の御答弁によりますと地域につくられた信用協同組合については、これは殆んど信用金庫に変るだろうというお言葉のように察するのでありますが、実際の地域にあります協同組合が殆んど全部金庫に変り得る実情にありますかどうか、その点をお伺いしたい。
  110. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 現在あります信用協同組合信用金庫に変る可能性について、特に出資金による適合の状態について水田代議士からすでにお話があつたのでありますが、殆んど現存の信用協同組合は、特に地域によりますものは、出資金の状態におきまして転換の十分な可能性を持つておると存じております。従いまして地域によりまして而も信用金庫になり得ないという組合、勿論これは非常に内容の悪いというものは別でありますけれども、健全経営を営んでおる組合につきましては出資金の額からいいましても十分な適合性を備えておりる状態であります。
  111. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 先ほど水田代議士のお話によりますと百乃至三百という数字まではお示しになつたのでありますが、頂きました資料によると五百七十二という数字が挙げられておりまして、それが四月末まで云々ということで大体金庫に移るだろうというお話でありましたが、この実際に資金の足りませんものについてどういう調達方法をとつておるのかわかりませんが、その五百七十二の大部分が心配なしに金庫に移るだろう、こういう御答弁のように思うでありますが、この頂いた表によりましても三十九だけは残つております。その三十九は職域或いは業種別のものであつて心配すべきものではない、こういう只今の御答弁になるかと思うのでありますが、その辺についてはこれはそう無理をしないでも殆んど心配なしに全部移るものと了解していいのでありますか、重ねて伺います。
  112. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 無理という意味がよくわからないのでありますが、努力をすれば、いわゆる無理というのがどういう意味かわかりませんが、努力をすればという意味であるとすれば若干の努力によつて十分その点に到達できるというふうに思つております。
  113. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 そうすると、若干の無理と申しましたのは結局出資金による点がまあ一番問題になつておるわけですが、自己資金によつて出資金を増加させ、そうしてすべてのものが全部金庫に移り得るという実情にあるかどうかということです。
  114. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 出資金の増加につきましては、従来とかく信用協同組合におきまして、従来から努力が割合に欠けておつた面なのでございまして、曾て申上げましたが昭和九年、十年、十一年あたりの平均をとつてみますと、市街地信用組合におきまして十六万三千円の出資金を保有しておつたのでございます、一組合平均でありますが。かようにいたしますと、現状の物価に合せますと約五千万という自己資金を持つてつたという状況になるのでございます。これが組合の若し同じ状態とすれば現在それぐらい持たなければならない平均であろうと存ずるのでございます。いろいろの経済情勢その他の変動を考えてみますると、かような平均の基準まで最低限を規定するということは勿論困難なことであるのであります。信用金庫法の本文にありまする一千万、五百万、或いは経過規定にあります数字というものは、かような意味合においていやしくも健全に金融事業を営む上においても、最低限度の基礎をなすものと考えるのでありますし、一方先ほど申上げましたような意味合から努力によつて十分に到達し得る限度であろうと、かように存じておるのであります。
  115. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 提案者にお尋ねをいたしたいのでありますが、提案者木村さんとの応答を聞いておりますと、先ほど金庫の本質について協同組合的なものが本質であるか、或いは銀行的なものが本質であるかといつたような点について、御答弁の前後矛盾をしておるような点もあつたように私ども聞いたのでありますが、説明者の言われますように本質において協同組合の本質を失うものではないのだということになりますと、免許基準を設けて法規裁量に直した過去の国会の決議というものがどうして今度の金庫法に入れられなかつたかということについては、私ども納得の行かん点なんであります。成るほど運営の面においてそういう点十分円滑を期したいというお話でございましたが、これは提案者としてはそういう今後の運営に待つということでは済まされないと思うのであります。信用協同組合の場合には免許基準というものが生きるわけでありますが、金庫の場合には出資金の問題のほかについては結局大蔵省の自由裁量に任せられる、恐らくこういうものであろうという程度にとどまりましてその間に恣意或いは専恣の行われ得る余地もあるわけです。そういう免許基準をこしらえて法規裁量にしなかつた理由、それからこの点について改正の意図ありや否やということについてお尋ねをいたしたい。
  116. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) そこで最初提案者の意図についてちよつと申上げたいと思いますが、今まで信用協同組合を作ろうとしてなかなか政府が許可しなかつた、こういう問題が出てどうしてもここで信用協同組合の設立はもつと活発にやらせる方が中小企業金融にはいいんだということから、私どもは前に法規裁量規定を実際に作つたわけでございますが、ここにやはり問題が出て参りまして、純然たる協同組合主義による金融機関というのには、お互いの預金を取つてお互いの困るときに貸し合う、こういう精神で貫くのならこれは本当に一定の基準を置けばあと法規裁量でかまわんと思うのですが、そうじやなくて員外貯金を取扱う、そうして員外貸付もするということになりますというと問題が変つて来まして、第三者からどんどん貯金の金を預りている以上は、それをでたらめに貸付けて内容を悪くするということは最後には預金者に迷惑をかけることであつて、これは相当銀行を監督するのと同じ程度の監督をやらなければいけない。たまたまそこに現存の信用組合の中にもたまたま問題が起つて来まして預金者にたくさん迷惑をかけた組合がすでに出て来ておる。一つ組合の取付けというようなことによつて全国のいろいろな金融機関に波及する問題も考えられるような状態が最近随分出て来ましたために、一般預金をとつてやるという組合について、そう簡單に資本金いくら、それだけ備えて来たらまあ許可せいということで政府がぽんぽん許可してしまうということについては、やはり非常に我々としては考えなきやならんという問題が最近出ておりますので、ちよつとこの機会に、今いつたように成るたけ員外というものについて考慮するとすれば、あとからできる組合についてはあの国会できめた法規裁量精神をどんどん活かして、発展させて、監督を自由にする代りに、員外貯金を扱つている金融機関となる信用金庫につきましては、これはやはり運用の面でこの国会のきめた精神は十分汲んでやつて頂く。まあこれは無條件でなくてもいい。相当内容の悪い点を大蔵省あと一年半も経過期間がありますからその間に指導して、健全な金庫にしてやる方がいいのだというような考えを我々は持つようになりましたので、これについては免許という形で行つてもいいのだ、そうかと言つて五つか、六つ免許してあとは皆しないというのじやなくて、大体において指導すれば全部生きるという見通しを持つておりましたので、この点にはこだわらないでこの法案作つたというわけでございますので、実際的にはそれで差支ないと思います。
  117. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 今の御答弁は、先ほどの政府委員のかたの、実際には出資金のほかは殆んど問題にしないで法規裁量と国じように運営をして行くだろう、或いはそうして行きたいという御答弁とは話が違つておりますし、それから先ほどからの信用協同組合と本質は違わんのだ、こういう御答弁とは違つて免許にすることによつて信用協同組合とは員外貸付という問題をめぐつて本質的に違つたものをこしらえ上げて、違つたものを免許するのだという御精神のように承わるので、その辺は今までの御説明と違つておるように思うのですが、そういう工合に了解してかまいませんか。
  118. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 今話しましたことが大体この信用金庫を作るときの我々の考えでございましたが、これが実際にやり出してみますというと員外貯金の問題で衆議院の中ではいろいろ問題がございまして、あとからできる組合についても無制限に員外貯金ができるのだということにしてこの金庫法を作りましたので、そうなつて来ますと金庫法作つた意味というものが、最初にこの衆議院の方で立案したときと大分変つて来ましてこの点では非常に申訳ないのですが、衆議院としては不徹底な案をきめてこちらの審議をお願いするということになつたのでございますので、私としましては信用金庫はそういうふうに行くが、将来できる協同組合による金融機関というものについてはここでやはり法律上の区別をして、そうして組合信用金庫はつきり法律上分けて頂きたい、こういう考えでおる次第でございます。併しいずれにしろ信用金庫協同組合という性格においては間違いございませんが、この性格を区別する、としたら、一般預金を取扱つて一般に貸せるという金融機関であるので、非常にそこに公共性の問題が強く出て来ますので、これに即応した取締その他をやる必要がある。そういう意味金庫を作る理由というものが実際にあるのですが、そうでない信用協同組合についてはこれはもう協同組合主義の本質から見まして、政府がもう干渉したり強い監督をしたりするのではなくして自主的にやらすべき組合だと思つておりますので、そこで一つはつきり区別するのが本当だと思つておりますが、我々の方で区別しない不完全な法案をきめてしまつたというふうに考えております。
  119. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 衆議院から出て参りました案と、それからその中に貫いておる精神と、それから水田個人というような御意見が出て参つておられまして戸惑うわけでありますが、少くとも衆議院案として出て参りましたものについては、この金庫以外の信用協同組合について、員外預金も取扱うことについて問題にすべきことだ、こういうお話、暗示はこれは出ております。提案の中には含まれない御意見だと思うのですがそれはとにかくとしまして、信用協同組合とそれから金庫との間における差というものが、少くとも水田さんの御説明では相当違つたものになつておる、相当差のついたものになつておることは明らかでありますが、例えば今後一年半たつてから新らしく信用協同組合であるものが信用金庫になりたいというときにはどういう途が開かれておるか、その点については何らの規定がないわけでありますが、どういう工合に考えられているか。
  120. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) これは規定がなくはございませんで、あとからできる組合は従来の法律でできるということになつております。
  121. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 あとからできるものが協同組合として作り得るとは書いてあります。ところが一年半たつてから協同組合であるものが金庫に変る規定というものはないように考えますが、その点はどういう工合に考えられておりますか。
  122. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) その点については特別の経過措置を講じてありませんが、それは信用金庫法自体に規定してあります條件を備えておらなければならないと、こういうことであります。従いましてそれを逆の言葉で申上げれば、例えば信用金庫法案の五條の要点を備えておればなれると、こういうわけでございます。
  123. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 この提案理由説明書のしまいの方に、信用協同組合のうち的確なるものについては信用金庫に転換せしめると、こうなつておる。「他方転換しないものの監督について所要改正を加えることが必要となつたのであります」というと、信用組合の方の監督はこれを適用して使うことになるのですか。今の金庫法の取締は、直ちに今まである信用組合の転換しないものにその監督権は同じふうに使う、こういうことなんですか。
  124. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) その点はそういうふうでございませんで、先ほどのお話は金庫になる場合にどうかというお話でございましたから、金庫になるものにつきましては信用金庫法規定が働いておる。併しながら金庫になれなくて組合になつて行くというものにつきましては、従来の中小企業等協同組合法の規定が働く。
  125. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 ちよつと今の残る、この説明がそういうふうになつていますが、これはどこを指したことになるのでしよう。「他方転換しないものの監督について所要改正を加えることが必要となつたのであります」というのが提案理由説明なんです。
  126. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) その点につきましては今度は信用金庫法施行法の第一條に、協同組合による金融事業に関する法律改正をいたしまして、従来大蔵大臣免許をいたしておりましたのを地方庁の認可、こういうことに改めたといたしまして、それを言つておるわけであります。
  127. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 提案者にお尋ねをいたしますが、そうしますと、金庫になる場合の基準については、出資金のほかは実際的に基準というものはありませんが、実際には殆んどない、こういう工合に了解してかまいませんか。
  128. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) これは大体今述べられた通りでございまして、そのほかに先ほど申しましたように、特別な大きい欠損があるとか何とかというものについては相当の指導を待つて、それが健全に立直つてから免許するというような問題があろうかと思いますが、大体今の出資の制限以上に別に基準はございません。
  129. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 これは政府説明員に一応参考に聞きたいのですが、今までの協同組合において組合員外のいわゆる預金というようなものについては、どの程度の金額に上つておるのか、或いはその制限一杯まで来ているものであるか。更に又第二点としては公共団体であるとか、そういつたような方面の預金というものは相当あつたかどうかということをちよつと説明願いたいのです。
  130. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 只今の全国の信用組合の状況を見ますると、員外貯金と組合員の貯金との割合は大体半々という程度でございます。
  131. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それから第二点の公共企業体とか、そういつた方面からの預金はあつたかどうか。
  132. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) その大体五〇%、五〇%に分れるうち、これは推定でございますがその又半分ぐらいが一般の法人的なものでございまして、その更に何%かはちよつと統計上出ておりませんのでございますが、それほどパーセンテージは多くないものと考えます。
  133. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 そうしますと、組合員外の預金というのは、五〇%あるというのは相当大きな問題になるのですね。つまり信用金庫に移行できる方はいいけれども、移行できなかつた方が若し五〇%もの組合員外の預金やなんかがあるとすれば、今度の改正によつてそういうところを皆断らなくてはならないという事態が出ると思うのですが、その点は。
  134. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 今申上げました数字は大体いわゆる大きな組合も、それから小さな組合も併せての数字でございます。大体組合員外の第三者が預金をいたすということは、その組合の信用度が大きければ大きいほど割合が多くなるということはむしろ常識的に推測されるところであります。而もその員外預金のうち、半分以上のものは組合員の家族の預金というものが占めておるのでございまして、組合員の家族以外の純然たる第三者というものは相当パーセンテージは低いわけでございます。即ち組合員外よりの預金の半分よりも低いという程度になつております。従いまして家族預金を仮に認めるといたしますと排除しなければならない員外預金というもののウエイトは非常に低くなつて来る。而も今申上げましたように、基礎の割合に小さな組合というものは、員外預金のパーセンテージが全国平均より更に下るということは当然でございます。従いましてそういう組合に対しまして、いわば今後純然たる組合員外よりの受入というものは恐らく一〇%から二〇%の間、全預金の一割乃至二割程度のものにしか過ぎないとかように見込まれております。
  135. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 では一つ資料を出して頂きたいのですが、今後信用金庫に移行できそうもない見込の組合における員外預金内容、先ほどあなたの説明にあつた家族預金或いはその他の預金、それから組合員の預金、そういつたような工合に分けて御提出を願いたいと思います。
  136. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) 今の油井さんのお話ですが、大体先ほど話しましたように、この出資金の基準如何によつて殆んど金庫になるだろう、なれないだろうと思われる組合は現在員外預金は全然取つていないという状態ですので、その点は……。
  137. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 なければないという資料でいいです。
  138. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) ないという資料ですね。
  139. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 統計がやや資料が古くなるかも知れませんが、及ぶ限りの計数をとりまして御提出いたします。
  140. 森八三一

    ○森八三一君 先刻の提案者の御説明によりまして、当初本法を構想せられたときの意図は十分わかりましたが、ここに具体的に現われておりまする條章から考えまして、既設の信用協同組合施行法の三條の手続をとらなければならんという規定ではなくて、手続をとりますれば信用金庫に移り得るという規定と存じます。その場合は信用金庫に移りました場合と、従前の信用協同組合で現存しておつた場合と、事業上実質的にどういうような変革がございますか、お伺いしたいと思います。
  141. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) これは実際的には余り変りありません。(笑声)この会員のためにする内国為替取引というようなこと、会員のためにする有価証券、貴金属その他の物品の保護取扱というような程度業務がふえるというだけで、実際にはそう大きい変化はないのでございますが、提案理由にも述べましたように、金融機関という特別なものを律するのに、一般事業協同組合を律するのと同じ一つ法律で律するという無理が実際にございますので、そういう点を排除しようというのが一つの目的でございましたのでこの信用金庫法というものを作つたわけでございまして、すぐにこれによつて業務が明日から変るというような何はございません。
  142. 森八三一

    ○森八三一君 業務上の変化はお話のように極く特殊なものについてはございますが、本質的にはないといたしますと施行法の三條の手続をあえてとるというようなことにもならないようにも考えられますが、提案者の御説明をみますると大多数のものが組織を変更いたしまして、金融金庫変つて行くであろうというようなお見通しのような御意見であつたのでありますが、そこには信用金庫に変りました場合には特別の政府の助成とかその他というようなことが特別に考えられるようなことがございましようかございませんでしようか。そんなお見込みはございますか。
  143. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 私は法律上の点をちよつと申上げておきたいと思います。施行法の三際の点に関連いたしましてでございますが、新らしく信用金庫になる場合におきましては、信用金庫法の五條にございますように出資の総額につきましての制限がございます。ところが現在のいわゆる協同組合法によりまするものにつきましては出資金額の制限がございません。先ほど来お話がありましたいわゆる免許いたしまする場合におきまする法規裁量の基準としてあれができました以後の一応の基準を置いたということでございまして、法律上別に一定金額の制限ということはないわけでございます。この点は従来の組合法によります組合と、信用金庫法によつて従来の組合金庫なつたものとの非常な相違相違といえば相違であろうと考えております。その他政府におきますところのいろいろな助成金その他の措置がどうなるかということにつきましては、これは大蔵省側から説明して頂くことにいたします。
  144. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) お諮りをいたします。なお御質疑はあると思いますがそれは月曜日に続行いたすことにいたしまして、本日はこれにて散会したらどうかと思いますが。
  145. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 実は要求があるのですが、この問題は中小金融に重大な影響がありますので、中小企業庁の意見を聞いてみたいのです。ですから中小企業庁のこれに対する意見を聞く動議を私は提出いたしますが、お取計らい願います。(「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり)
  146. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) ではさよう取計らいます。
  147. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 ちよつとこの法案は非常に重要性があると思いますので、過去の法案打切で、決定しまする際に党議などをまとめているうちにぱたぱたやられたことがたくさんありまして非常に困つたことがありますが、この場合に限つて一応理事会に諮つて、そこでこれを通過させるかどうかということをねつてやるくらいの慎重さを一つ委員長において御考慮を願いたいと思うのであります。特に念を入れて取扱方を考慮して頂きたいと思います。これを希望しておきます。
  148. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) 委員長と相談の上善処いたします。
  149. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それから中小企業庁の意見も聞くということでありますが、なお関係者といいますか当業者意見等もできるだけ、一・二でもいいが聞くことができればなお幸いと思います。
  150. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) それでは一つ理事会に諮つて……。
  151. 水田三喜男

    衆議院議員水田三喜男君) ただ御参考までに申述べてみますが、私どもの衆議院側ではこの立案の小委員会も設置いたしまして小委員会で案をねつたのでございますが、その際に中小企業庁、日銀、各関係方面との折衝をやりまして、そういう関係各機関の側からは大体いいというので反対意見がなかつたということだけ参考に申上げておきます。
  152. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後四時五十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     小串 清一君    理事            大矢半次郎君            清澤 俊英君            木内 四郎君    委員            愛知 揆一君            黒田 英雄君            九鬼紋十郎君            吉田 法晴君            松永 義雄君            小宮山常吉君            小林 政夫君            高橋龍太郎君            山崎  恒君            油井賢太郎君            森 八三一君            木村禧八郎君   衆議院議員            水田三喜男君   政府委員    大蔵政務次官  西川甚五郎君   事務局側    常任委員会專門    員       木村常次郎君    常任委員会專門    員       小田 正義君   衆議院法制局側    参     事    (第一部長)  三浦 義男君    参     事    (法制局第一部    第二課勤務)  三輪  力君   説明員    大蔵省銀行局特    殊金融課長   飯田 良一君