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1951-03-29 第10回国会 参議院 大蔵委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十九日(木曜日)    午前十一時二十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件鉱工品貿易公団損失金補てんのた  めの交付金に関する法律案内閣提  出・衆議院送付) ○国税徴收法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○たばこ專売法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○復興金融金庫に対する政府出資等に  関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○農林中央金庫法の一部を改正する法  律案衆議院送付) ○日本開発銀行法案内閣送付) ○関税定率法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 小串清一

    委員長小串清一君) これより大蔵委員会の第二十九回を開会いたします。  鉱工品公団損失金補てんのための交付金に関する法律案について御審議を願います。
  3. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 大臣がお見えになつておりますから、一点お尋ねいたしたいと思いますが、鉱工品公団のいわゆる損失が約十七億出ているんです。そうしてこれは解散の運命になつておるんでありますが、今日本経済界におきまして、殊に非鉄金属関係等品物が拂底して自由に野放しにして置くと、そのほうの関係からいつて生産状況というものが、相当大きな影響があると思うのです。これに対しまして将来こういう公団損失をするというようなことから関連して、やはり政府機関というようなものは設ける必要がないというふうに大臣はお考えになるか、或いは場合によつては再統制又は政府機関を通じてこういう重要資材の取扱をするというようなお考えがあるか、この際ちよつとお聞きしたいと思います。
  4. 横尾龍

    国務大臣横尾龍君) 只今の御質問に対してお答え申上げます。再統制は極力避けるつもりであります。鉱工品公団がなくなりましても、それに公団が持つておりますものは直接に使用者に売り渡すつもりであります。  この際お許しを得ますれば、一つお詫びをいたしたいと思います。鉱工品公団の問題は御存じ通り新聞紙上を賑わしておるのでありまして、所管しておる通産省といたしましては、国民に多大の損失を與えておることに対しましては、衷心から遺憾に存じておる次第であります。これに対しましては、貸倒れのものは極力回収をいたし、又早船事件に対しましてもできるだけ損失を少くするように取立てに努力いたしまして、そうして幾分なりとも在来の失策を取戻すということに努力したいと考えます。これを御了承願いまして、御審議を進めて頂きたいと思います。
  5. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 只今お話で、統制は絶対しないと申されておるんですが、例えば鉱工品公団手持非鉄金属等の場合におきまして見ましても、時価と、いわゆる政府側の処分の価格というものとは相当違うのですね。そういうことによつて国家財政の上においては将来大きな含みがあるということも考えられるのですが、時価よりも特に相当安値で処分するということ自体が我々ちよつと納得がつかないのです。一方においては鉱工品公団の十七億というものを一般会計から繰入して赤字を補填するというし、その鉱工品公団手持品処理は、これは会計が違つて来る。貿特会計になつてもやはり通産大臣所管の中に入ると思うのですが、処理方法によつてはこれらの赤字というものは、もつと楽に埋まつておるということは言われるのです。そういう点がどうもちよつと納得がつかないんですが、統制がないと言つて入札売買というような際におけるやり方というものについてはもう時価と勘案して、いわゆる政府財政の上にいい影響を及ぼす方策をとられるのが当然じやないかと思います。それとも又大臣としてはいわゆる国策産業というようなものの将来の見地からかような措置をとられるのであるか、その点を明瞭にしておいて頂きたいと思います。
  6. 横尾龍

    国務大臣横尾龍君) 最近に錫、鉛その他の金属が非常に逼迫していることは、これは事実御存じ通りであります。公団の持つているものを拂下げますものはそういう時価を勘案いたしまして、それによつて入札いたしておるのであります。高くなることは非常に恐れますけれども、併し時価によつて損失のほうの勘定科目は違いましても補なうことができると考えます。
  7. 清澤俊英

    清澤俊英君 只今の御質問に関連してでございます。最近の新聞など見ると、今油井君が御質問しました通り、何かこういう申合せ値段のようなかつこうで拂下げが行われているようなふうに聞いておりますが、大体それは随意契約でやつておられるのですか、そこに中間価格というものが出るわけではないのでありますが、それらの点はどういうふうになつているんですか、それをお伺いしたいと思います。
  8. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 事務的なことでございますので私からお答え申上げます。錫、鉛の拂下げにつきましては先般も当席上で御説明申上げました通り、現在いわゆる市場価格として唱えられている値段には錫三十万円、二十五万円という値段もございます。又錫は三百五十万円、三百七十万円というふうにも呼ばれているのでありますが、これはこの二十日までは実は実際に取引はなかつたわけであります。と申しますのは、現物がないというので、ただそういう唱えがあつただけでございます。鉛について申上げますと三月の二十日に一番大きな鉛の山でございます神岡鉱業というような生産者が二十万円という建値を発表いたしまして、これで一般に売出すことに相成りました。私どもの売値もこれらの価格を勘案いたしまして二十万円という値段を以ちまして、鉛の消費者であればどなたからでも申込に応ずるということにいたして売つているわけでございます。従いまして途中の仲介業者でありますとか、或いは商売人というものには売りませんが、鉛管に使う、或いは水道工事に使うというような直接商品でありますればその二十万円の価格を以てどなたにも無差別にお売りするという態度をとつているわけでございます。錫について申上げますと、これは先頃来米政府備蓄買上げを中止いたしましたニユーヨーク相場、或いはシンガポール相場は非常に下つております。従いまして為替の許可制その他が自由でございまして、且つ原料国際割当というものが自由にとられますれば、大体百四、五十万円の値段で入つて参るわけであります。その辺を考え併せまして、政府が現在持つておりますけれども、別にこれは専売という形式で持つておるわけじやございません。たまたま政府が持つておつたということだけでございますから、これを非常に釣上げまして、二百七十万円、二百八十万円で売るということは産業を主管しております官庁といたしましては適当でないと考えまして、これを海外相場と睨み合せて百五十万円というもので、これ又錫はメツキに使うとか、或いは合金に使うというような需要者でございますれば、どなたでも広く公開して売る、無差別に売るという態度を以て売つておるわけであります。従いましてこの辺については公告をいたしまして、こういう條件を備えておる者は申込んで参れ、そうすればすぐ売る、こういう形をとつておるわけでございます。
  9. 清澤俊英

    清澤俊英君 結局そうすれば、申込従つて随意契約でお売りになつておる、こういう結論になりますか。
  10. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) お説の通りでございます。
  11. 清澤俊英

    清澤俊英君 そこで巷間に伝わつておることでありますが、今まで鉱工品拂下げについては非常に詐術が行われた。こういうことで業者間に盛んに言われておるのですが、そういうような点に対して、今までにそういうものがあつた、そういう疑いのあるようなことがあつたと思つておられるかどうか。例えて見ますれば、一つの山の中に非鉄金属が相当ある、それを大体屑鉄だというようなことで拂下げられているという形式がとられている。こういうことを盛んに業者などが言うておるのですが、そういう点まではあなたがたがタツチしておられるとは考えられないが、そういうような疑いのあるものが今まで気付かれていたかどうか。
  12. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) これ又事務的なお話のように伺いますのでお答え申上げます。鉱工品貿易公団において持つております錫、鉛等をめぐりましてそういうような詐術が行われたやの由は我々の耳にも頻々として入つております。従いまして今回の売渡しにつきましても、そのような誤解或いは不当な損害を受けられるかたがあつては困ると思いまして、通商産業省の公報に公告いたしまして、又新聞にも公告いたす考えでございますが、こういう條件申込んで来ればいかがわしきブローカー等を使わなくても買えるのだ、ということを一般に公示いたしまして、それによつて公正な売渡しが行われるようにいたしたいと考えております。  それから御指摘の第二点でございました、相当の非鉄金属等合金屑鉄値段その他で拂下げておるというようなことでありますが、他のところは存じませんが、貿易公団に関する限りはそういうようなものもございませんし、又事実もございません。
  13. 清澤俊英

    清澤俊英君 先日故銑の随意契約を一部業者のほうでしてもらいたい、こういう請願も出ておるのでありますが、それらのものに対してその実際使う故銑業者の一部随意契約というものはどうも取扱いかねるから、どうしても公入札で行くのだ、こういうような御答弁があつたと思うのですが、これは請願小委員会の際にそういう御答弁があつたと思うのです。そうして見ますならば、全部をやはり公入札形式でやるのが本当じやないかと、こう考えておるのですが、それを一部のものは最低価格行なつたか、妥当価格とまでは行かんが、とにかく価格を定めてそれで随意契約が出しておる。一部のものはどうしても公入札方式をとつて行くというような形をとられるのはそれはどういうわけですか。
  14. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 故銑についてのお話ですが、これは私ども所管ではございませんで、恐らくは産業復興公団又は特別調達庁等にかかる問題じやなかろかと思うのでございますが、これについては実際の需要家から随意契約による買入申込に対しては全部これを公入札にしておる。ところが錫、鉛のごときはこれを随意契約一定価格で無差別で売るというのは方針として食い違うのではないかということでありますが、故銑のほうをどうして入札にいたしたのかは私ども直接存じていないことでございますが、ただ我々と同じような場合にぶつかつたといたしまして考えられますことは、錫、鉛のごときはすべて品位が一定いたしまして、例えば鉛九九・九五%、錫九〇何%という製品でございます。従つて国際相場その他でいわゆる正しい時価というものをつかみますのでございますが、故銑のごときは銑鉄の含有量でございますとか、或いはその他の他の金属類含有量と言えば紙屑と同じようでありまして、パルプのような製品でありますれば値段が一定しておりますが、紙屑になりますと、なかなか値段がつかめないというような問題もございますので、その辺についての疑惑或いは不公正ということを避けるために大勢の眼で見積らして売るという制度、即ち公入札によつているのではないかと私は会計の衝に立つている者の解釈といたしましては解釈されるわけであります。
  15. 清澤俊英

    清澤俊英君 今のはあなたの所管とは違うということですが、それから又所管も違つておりますが、最近飼料公団等の持つております大豆の拂下げ等に対しまして非常な高い価格をきめて公入札をやつておられる。それから市場事情等を中心にして手持品が非常に高く見積られているのであるからというので、随意契約方式をとつてもらいたいという話をしておりますけれども会計検査院のほうはそういう契約の仕方は非常に間違いがある、こういうふうに非常にやかましく言われるので、大体公入札でやつているのだ、こういうふうに聞いているのでありますが、まあ大した間違いはないと思いますが、世間的に公平に見られるならば、やはり公入札形式をとられるのが妥当じやないか。殊に先日の新聞のごとく中間値段というようなものが新聞に発表せられますと、御事情を聞けば尤もだとは思いますけれども、何か妥協して安い値段随意契約で出しているのではないか、こういう国民的な疑惑を持つと思いますので、全部公入札でやるならやるという方法考えられんかどうか。
  16. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 錫、鉛の拂下げにつきましては、随意契約によりますためには大蔵大臣と協議し、又会計検査院に通知いたしまして、会計法  の認めております原則に則つていたしておるわけでありまして、会計検査院その他とも打合済みでございます。これを一般入札によりませんで随意契約にいたしました原因は、錫、鉛が非常に貴重な物件であり、それから大部分を輸入に依存しなければならない。而もこれについては海外からの原料割当その他の制約をこうむつており、又工業原料等にいずれも使われる物であり、且つこれはその筋から指令が参つておりまして、直接の需要者以外に売るなという制約を受けておるわけでございます。そのようなことを考え併せますると、直接の需要者に売るためには随意契約のほかはございません。その場合の値段はどうするかということになりますれば、先ほど申上げましたけれども海外相場、国内の相場を見、且つ実際に品物がないにもかかわらず空で立つているような相場であれば、若し実際に何千トン、何百トンと売出されたならば、恐らく下つて来るだろう、この辺の相場を勘案いたしまして作つたものが鉛二十万円、錫百五十万円という値段なのであります。従いまして売り方といたしましては、実際の直接消費者でございますれば、細かく売るというふうに希望しておるわけでございますから、特別の何社だけに対しましてどうというわけではございませんので、この点はお話のような不当に考えるという面はないのであります。
  17. 清澤俊英

    清澤俊英君 私の申上げておるのは、不当の値段随意契約をしておられるということでなくて、まああなたがたのやつておられることだから、妥当な値段契約をしておられると考えるが、これをああいう新聞なんかに出ますれば、一般国民から見れば何か随意契約で一部のものに特別に安い値段でやつているのではないかというように考えられると同時に、あなた、先ほどから相場々々と言われております。が、まあ殊に鉛などの上りました相場高騰情勢というものは一日追われになつておりまして、儲けることの非常に気早の人になりますれば、ほんの十日か十五日ぐらいのうちに倍ぐらい儲けている。こういう値上りを恐らくしているのではないかと思いますので、従つてあなたがたの言う相場というものが果して妥当なもので現実言つているか言つていないかということは私は非常に疑問があるので、そういう国民的な疑問を避けるために公入札方式でおやりになる意思があるのかどうか、こういうことをお伺いしているのであります。
  18. 横尾龍

    国務大臣横尾龍君) 今のお話御尤もなお話と存じまするが、今錫、鉛、それからニツケルなどは、今申上げましたように非常に少いのです。そうして直接需要者が欲しい。仲介を入れないで、実はどこを何トン、どこを何トンと細かく区分いたしまして、そうしてこれだけ大体要るだろうという想定の下にそこに許可をして拂下げしているのです。それは通産省公報にずつと載つているのでございます。ですからそれでやることが今お話のような相場が変動するから、相場が変動したときに適当な相場でやつたほうがいいのではないかということも考えられますが、余りそういうようなものが高くなりますということは、公団手持を……、公団としては利益になりますけれども一般から見まして好ましくないじやないか、そういう考え方もかなりございまして、そうして本当にそういう業者が要るだけの量を拂下げをする、こういう方針行つているのでございます。
  19. 愛知揆一

    愛知揆一君 議事進行について……。鉱工品貿易会団損失補填金の問題につきましては、先ほど通産大臣からもお話がございましたような関係もありまして、大体この辺で直接関係する質疑は終了したものとして採決を行われんことの動議を提出いたします。
  20. 小串清一

    委員長小串清一君) 如何ですか、今の動議について賛否を決しますか……。
  21. 松永義雄

    松永義雄君 これは先に延ばして、五月に延ばすというような私のほうではないが、よそから出ておるくらいであつて、それを急に今日採決をするというのは……今日くらいはせいぜい質疑をするということで……。
  22. 小串清一

    委員長小串清一君) それではあと二十分ないのですから、議場に入らなければなりませんが、これはきめないほうがいいというお話ですが、今動議が出ておるのですから賛否を明らかにして下さい。
  23. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私はこの法案についての審議というものはまだちよつとしかやつていない。もう少しこれは検討していいと思いますね。
  24. 清澤俊英

    清澤俊英君 私は油井君と同じで、この議事進行状態なるものをもつと見なければならんし、これは今すぐどうしても通さなければどうという法案でもなさそうなので、一カ月くらい延びたつてどうという重要性がないと思いますから、そう急いでやらんでいいと思います。
  25. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の件については私は一カ月くらい延ばすとか、延ばさないということではなくして、もう少し検討したらどうかということを申上げたのであつて、この三十一日閉会まで間に合わなかつた場合にどういう措置をとるのか、専門のほうの当局から御説明を伺いたい。
  26. 小串清一

    委員長小串清一君) 当局の御見解はどうですか、どういう不安がありますか。
  27. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) これは專ら会計技術の問題になるのでございますが、御審議願つております十六億幾ら損失補填金の中に四千四百万円という公団経費の問題が入つております。公団清算に入つておりますから清算法人として存続いたしておるわけでございまして、四月一日以降約百五十人という人間を以て、債務の取立て、或いは訴訟の継続などといろいろなことをやつて行くわけでございます。この法律通りませんと、四月一日から直ちに経費を補給する途がなくなるわけでございまして、その点について大きな困難になる、こういう点があるわけでございます。以上の損失を補填する、これは形式的な問題に相成るわけでございますけれども会計原則から申しますれば、二十六年度予算に一応は見込まれておる案件でございますので、会計年度の開始と同時に施行し得る法律的基礎が作られるべき問題と考えます。
  28. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今のお話の四千四百万円というものは九月の三十日までの費用なんです。それから收入のほうを見ますと、保管品売拂代とか、什器備品売拂代というのが三千万円くらい、雑收入もありまして……保管品は十七億四千万円ですが……、それから備品とか雑收入を合せて三千万円くらいあるのです。そうすると四千四百万円プラス、三千万円という費用というものは、そんなに必要はないのではないか、これで間に合うのではないかと思いますが……。
  29. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 先ず保管品売拂代でございますが、これは公団が私に使うことができないものでありまして、そのまま一般会計公団等整理收入のほうに入つて来るのであります。備品什器売拂代基本財産に属するものでありまして、これは売ると同時に一般会計に入れなければならん基本金の返還になるのであります。従いまして公団といたしましては責任支出のような形を以て経理をしなければならんわけでございますが、保管品売拂代は別に国庫に納め、基本金は別に納付するとしますと、公団といたしましては所要の経費責任支出するベースとなる收入がない、こういうことに相成るわけでございまして、どうしても四月一日の会計年度の発足と同時にこの法律案によつて補填を願わなければならん分があるわけでございます。
  30. 小林政夫

    小林政夫君 今の油井さんの御意見は私もあるわけですが、緑風会としては重大な関税定率についての法案を通したいわけです。それはあちらでも〇Kをとる関係もあつて、今度のこれは今ちよつと審議休憩してもらつて関税定率法審議を願いたいと思います。
  31. 吉田法晴

    吉田法晴君 現在食管法の問題が本会議で討論されておりますが、あともう幾らもないと思うのです。採決に入りますし、質疑を続行することを止めて、本会議に出て食管法採決をして、然る後に一つつてもらいたいと思います。食管法の討論にしましても、私どもの党も展開しておるし、時間がありませんから、ここで委員会休憩して、本会議に入ることをお願いします。
  32. 小串清一

    委員長小串清一君) 只今お話は、十二時まではよいという向うから通知がありまして、まだ十分あります。ですから如何ですか。小林君のように関税定率法についてまだ公式に会議はしませんけれども、これをOKをとる関係上、これをやるか。これを〇Kをとつてきめるというなら急がなければならんと思うのですが、このほうに廻しても十分しかないから(「済みますか」と呼ぶ者あり)済むか済まないかやつて見なければわかりませんが、御説明を願つたらどうですか。ちよつとこの案の審議は一時中止します。
  33. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 さつき、実はこの法案を、通産大臣が来て、それで一応挨拶をするということで、成るべくなら早く上げてもらいたいという申入れがあつて大臣わざわざ来てもらつたのですが、それで大臣に対する質問がないなら、あと事務的なことですから、その点だけは明確にして、大臣も忙しいのですから……。
  34. 小串清一

    委員長小串清一君) 大臣がお忙しいので無理に来てもらつたのですから、そう長くおとめすることはちよつと困ると思いますが、ですけれどもそれをやつておると、今関税の問題をこれを早くきめないと今OKをとりに行かなければならんから……。
  35. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 あと関税定率法のやつは十分で済みますか。済むならば今すぐ済ましてやつて然るべきだと思いますが……。
  36. 小串清一

    委員長小串清一君) それじやこの法案はこれでやめますが、よろしうございますか。  それじや関税定率法説明をお願いします。
  37. 杉山昌作

    杉山昌作君 御説明申上げますが、昨日ここでも話が出ました、すべての産業近代化に要する機械輸入を一年間無税にしようという法案でありまして、昨日もお話が出ました通りに、時間一ぱい上げるまでに一生懸命やろうじやないかということで、通産省大蔵省のがたがたと相談いたしまして、案文を作つたわけであります。一応読んで見まするならば、  6 関税定率法別表輸入税表第十六類に掲げる機械類のうち左に掲げる要件をそなえるもので、政令で定めるものの輸入税は、政令の定めるところにより、昭和二十七年三月三十一日までの輸入については、これを免除する。   一 新式又は高性能の産業用機械類で、わが国において製作が困難であること。   二 わが国経済自立達成に資する産業の用に供する機械類であること。  7 前項の規定による輸入税の免除を受けた機械類輸入した者が当該機械類をその事業の用以外の用に供した場合には、政府は、その者から国税徴収の例に依り輸入税を追徴する。  8 第六項の場合には、関税法(明治三十二年法律第六十一号)第百一條ノ二第三項の規定を準用する。  この8項は今入れたのですが、これはその機械類を設備し、使つているところへ税関吏あとから行つて、事実使つているか、使つていないかの検査をするという條文なんです。検査をすることができるという問題……。
  38. 小串清一

    委員長小串清一君) ちよつとお諮りしますが、もう或んど時間がありませんが、この前これはこの間の非公式の相談では、政府意見が違つているのではそれはしようがない。併し大蔵省通産省会議の上で日本経済発展のために特別のそういう機械はむしろ無税でも入れたいのだから、一カ年だけでもやるということの御相談ができるならそうしようというお話を、この間散会のときにお話合つたので、それで今日双方の御意見もきまつたというので、只今杉山委員の御説明があつたのですから、これだけは取入れたらどうですか。……じやこれはきめないで置きますか。  それではこれを以て休憩いたします。    午後十一時五十四分休憩    ——————————    午後零時十八分開会
  39. 小串清一

    委員長小串清一君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。先刻杉山委員より御説明になりました関税定率法の一部を改正する法律案の一部を更に修正するという意見は大体皆さんにおわかりになつたと思いますが、なお不明な点は提案者にお聞きになつて、そうしてこれを成るべく早くきめて頂きたいと思います。
  40. 吉田法晴

    吉田法晴君 この重要機械何とか法案というのを向うで考えられておつたけれども、それが流れそうになつたので、成立困難なので、税金について免除の措置をとつてもらいたいという御意見が出て来たと思うのです。その点については我々も事情がそういうことになりますならば、賛成をしたいと思うのですが、二遍これは前に申上げたことですけれども、精製油の関税問題についてももう一度一つ考え直して入れて頂きたいと思うのです。と申しますのは、これは国内産業としての新潟、秋田その他の原油採取業なりこれらの関係者にしましても、勿論精製油との関連性において、今後向うのほうから或いは原油が入つて来、或いは精製するもののみが儲ける、こういうことになりますならば、国内産業としての採油業者は立つて行かなくなるという点もあります。  それからもう一つ、それでは精製だけをやつておる、こういうものについて聞いて見ましても、この精製油に二割の関税をかけることによつて、利用します者は殆んど外国資本の入つております会社だけに限られて、国内資本でやつております者についてもこれは同様かと思つたら、そうではないようであります。それで何と言つても、関税の場合一番問題になるのは国内産業という点が問題になると考えますので、国内精製油の免税の問題につきましても更に一つ加えて頂くことを提案したいと思います。御賛成を頂くように一つお願いいたします。
  41. 小串清一

    委員長小串清一君) 只今吉田君の御意見は、そういうような御意見が大分でありまして、結局は併し精製油は一割と二割、それから原油は無税、大分議論があつたのですが、そういうような方針がきまつたことにして、今あちらへそのOKをとりに行つているのです。それですから、OKの途中から又直して行くということはちよつと困難じやないか。今関税の問題もこの一つが若し引つかかつちまつて関税法が通らないと、四月一日からの日本政府の歳入に重大な関係があると思いまして、昨日もちよつと私から非公式に御相談を申上げましたが、あれだけは別にして先ずOKをとる、なおこれが今日きまれば大急ぎで先ずこれも附加えてもらう。今吉田さんの話も御尤もですが、それらの処置は今申すような内容がありますが、如何でございましようか。
  42. 清澤俊英

    清澤俊英君 吉田さんの御意見に追加します。それは、精製油の問題はあの税率でよろしい。税率でよろしいが、やはりこれと同じ取扱で一年間無税の取扱を願いたい。
  43. 小串清一

    委員長小串清一君) 清澤さんのその説は、すでに一年間の取扱なんです、一割と二割というのは。政府の原案は二割三割で、関係方面の了解を得て、そして一割二割で一年間ということにあれができておるわけです。ですから又それを今すぐにあとから追つかけてOKを受けに行くということはちよつと困難じやないかと思います。
  44. 吉田法晴

    吉田法晴君 それで一応この間お話がまとまつたわけでありますが、ここにとにかくいずれにしましても附加えるものが出て来て、附加えるものを持つてOKをとりに行こう、こういうお話ですから、この前のときは私どもも十分実情を知らなかつたが、その後調べて見ると、国内産業についてはひとしく精油をやつておる者は反対であるというのだから、そういうものを附加えられるものならば、これを持つて行くのと一緒に委員長に持つて行つてもらいたい、こういう希望なんです。
  45. 愛知揆一

    愛知揆一君 今議題は杉山君からの議案が議題になつているわけなんでありますが、先ずこの取扱をきめて頂いてから、吉田君の別な提案のことを審議するようにしたほうがいいと思います。それからなお附加えて申上げて置きますが、今の油の問題につきましては、実は我々のほうでも実に愼重な審議をいたしまして、いろいろ国内の採油の問題等につきましても、随分いろいろの角度から検討したのでありますが、その結果一昨日のこちらでの懇談会のときに意見を申上げましたような結論に到着した次第であります。十分考慮をいたし、研究をした結果が、いろいろ不満の点もありますが、一昨日の結論になつたような次第でありますので、若し吉田君の御提案をここで取上げられることになりますれば、我我としても改めて党に帰つて相談をしなければならん、こういうことになりまするし、又十分いろいろの角度から検討したものでありますから、一昨日の結論にその結果もなるものと私としては想像するわけであります。
  46. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私も大体愛知委員の説に賛成です。これは通産省並びに大蔵省で協議して、こういうふうに是非してもらいたいという先ほどの提案理由の説明であつたようですから、この点については私のほうも党議で今諮つたのですが、これはもう提出することを賛成するという話です。それから今の吉田君のお話も、誠に尤もですけれども、もう、一遍きまつたことですから、それを引つくり返すならば、私のほうでも前の皆さんによつて否決されたのをもう一遍出したいということになりますから、そうなると切りがありませんから、一応これだけにとどめて置かれたら如何かと思います。
  47. 清澤俊英

    清澤俊英君 ちよつと違うのじやないと思うのです。あのときは、大体の意見がそういうようであるから一つ懇談会でやろう、なおこの上で懇談会を中心にして、意見をまとめようというお話なつたと思うが、それが決定だというお話はまだはつきり聞いておらんのですから……。
  48. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 さつき愛知委員から提案したように、先ず問題をこんがらかさないで、これから先に取上げてきめましよう、その上であとの問題は……。
  49. 小串清一

    委員長小串清一君) 今佐多委員の御意見もありますが、今問題になつておりますこの問題を一つ取上げて、早速関係方面の了解を求めることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 松永義雄

    松永義雄君 そこで註文があるのですがね。自立経済とかむずかしいことを言われておるのですが、一体今の経済はどうなつているかということを一遍通産省から大まかでいいですから、説明をしてもらいたいと思うのですが。何もむずかしいことでなくて、速記なんかなしでいいですから、そういうことを……。(「別の機会に」と呼ぶ者あり)今じやないです。
  51. 小串清一

    委員長小串清一君) 只今の御意見は又後刻そういう処置をとりまして、これだけはそれでは関係方面のOKをとりに……。
  52. 愛知揆一

    愛知揆一君 それに関連して、私は引き延ばす意味は毛頭ないのですが、ちよつと発言さして頂きたいのですが、政令の定めるところによりというような規定もございますから、一応議事録にとどめる意味から申しましても、大体どういう機械類が現在予想されておるか、又これを免税することによつて大体どの程度の減税になるかというぐらいのことは正式にやはり伺つて置きたいと思うのです。(「賛成」「その通り」と呼ぶ者あり)
  53. 小串清一

    委員長小串清一君) 只今愛知委員の御発言は、通産省のかた、関税部長も聞いておられたのですが、それに対して御説明を願いたいと思います。
  54. 首藤新八

    政府委員(首藤新八君) 只今愛知委員の御発言の問題でありまするが、詳細はあと大蔵省と愼重に打合せいたしまして、最終的な決定をいたしたいと思つておりますが、大体におきましてこれに該当をいたすと考えておりまする例を挙げますると、  一 当該業種における既存の生産方式に革新的変化を與えるもの、例えば特殊捺染機、連続式石鹸製造装置、油脂分解装置。  二 当該業種において全く新らしい製品又は品質の均一化等により既存のものより著しく優良な製品を製造し得るもの、例えば石油分解ガス化装置、ポリエチレン電線製造設備、螢光燈自動製造機、真空プレス成型機、各種選鉱選炭設備。  三 作業を連続的又は高速度に行い、生産能率を著しく増大せしめるもの、例えば連続式精錬漂白機、連続式石鹸仕上装置、自動式連続マツチ製造機械及び箱詰機械。  四 生産工程又は作業工程を著しく集約化し、又は簡略化し得るもの、例えば心無ねじ、研磨盤、連続紡糸精練装置。  五 手動又は半手動操作を機械的自動操作に改めるもの、例えば自動作動式ダイキヤスト機、自動秤量包装機、自動積込機。  六 圧力、温度、濃度、濕度、重量、長さ等作業中常に変動する要素を所定の條件に保持し得るように自動的に調整し得るもの、例えば自動旋盤、琺瑯鉄器自動燒成炉、(蒸解自動調節装置)  七 原材料の所要量を著しく節約し、原単位を著しく引下げ得るもの、例えば密閉式硝化装置、コーテング自動塗布機、石綿用流線機。  八 生産上発生する副産物又は廃物(ガス、熱、蒸気、液等)を同時に有効に回收し得るもの、例えばコークス炉ガス中より硫化水素回收装置及び附属硫酸製造装置、密閉式電気炉廃液回收装置。  かように、企業の合理化を促進する上におきまして、著しい効果のあるものと、かようなものを大体対象といたしまして輸入を促進し、そうしてそれに対して無税といたしたい、かように考えておるのであります。
  55. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今のお話を聞きますと、実は非常に広汎な多岐なものであつてちよつとこう考えさせられるのですが、成るほど今お挙げになつたような機械を入れる、その特定の企業は企業の合理化ができるかも知れないけれども、その他の企業については同種の産業についても非常に大きな影響を與えるのじやないかと、そういう点が一点と、もう一つは、製作が国内で困難なものであることがはつきりしていればいいが、二に挙げたように、非常に漠然とした規定で、それに該当するものだとして相当広汎にそういうことをやられると、それを使う業種、企業はいいかも知れないが、それを製作する日本機械製作業に対する産業政策としてそれでいいのかどうかというような問題が生じて来て、非常に大きな問題だと思うのですが、それらの点は通産省でどういうふうに御検討になつたのですか。
  56. 首藤新八

    政府委員(首藤新八君) 通産省といたしましては、別個に近代化法案というものを現在議員提出で用意しておりまするが、この法案が若し通過いたしますれば、大体課税面におきまして相当償却が可能な方法がとられて行くのでありまして、必ずしも大きい事業体のみが恩典に浴するということのないような措置も実は考えておるのであります。同時に又只今佐多委員の御発言がありましたが、成るべく国内の機械業者影響を與えないということも考慮いたしまして、おのおの技術庁を通しましてかような有効な機械輸入いたしまして国内でテストいたす。同時にそれが有効でありまするならば、それをサンプルとして国内の機械業者に早く、成るべく全般的に作らして国内に普及させたいということも、対策として現在考慮いたしておるのであります。
  57. 松永義雄

    松永義雄君 それは特許権のあるようなものでないのですか、どうなんですか。
  58. 首藤新八

    政府委員(首藤新八君) 特許権のあるものに対しましては、全部が政府輸入ということには参りかねるかと思いまするが、こういう場合には、只今佐多委員の御発言のような嫌いもできるかとも考えますが、併し成るべくそういう一方における弊害は除去いたすような措置も講じて参りたいと考えております。
  59. 松永義雄

    松永義雄君 速記を止めて下さい……。
  60. 小串清一

    委員長小串清一君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  61. 小串清一

    委員長小串清一君) 先刻来関税定率法の一部を改正する法律案の文章のうちで、「一 新式又は高性能の産業用機械類で、わが国において製作が困難であること。二 わが国経済自立達成に資する産業の用に供する機械類であること。」この二つの意味を備えた即ち「前項の規定による輸入税の免除を受けた機械類輸入した者が当該機械類をその事業の用以上の用に供した場合には、政府は、その者から国税徴收の例により輸入税を追徴する。」この二つのものは一つの要件ということに見て頂きたい。
  62. 清澤俊英

    清澤俊英君 「事業の用以外の用に供した」という場合に、一応事業の用のために輸入して置いて、その一応がどういう期限を持つか、例えば半年使つた、そうしてあと入用がなくなつて不要になつたから他に廻す、こうした場合その期限をどう取扱いますか。
  63. 首藤新八

    政府委員(首藤新八君) ここで事業の用以外の用に供したということの意味は輸入しながら他に転売した、自分で使われておるのでなく、他に転売したという場合をきめてあるのでありまして、自分が使つておるということになりますれば、これは適用されないと考えております。
  64. 清澤俊英

    清澤俊英君 一応の期限が何か附されておるですか、一応の期限。
  65. 石田正

    政府委員(石田正君) これは法制局のほうでお作りになつたのでありまするが、私が申上げるのはどうかと思うのでありますが、前項のほうに「関税定率法別表」というふうにありますが、「要件をそなえるもので、政令で定めるもの」と書いてありますから、政令で適当な期限等は定められるのは可能ではないかと思つております。
  66. 小串清一

    委員長小串清一君) 如何ですか。これは一つこの程度で先刻皆さんの御意見も一致したのですから、渉外課にすぐ廻して、関係方面のOKをとろうと思います。
  67. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 ちよつと申上げたいのですが、この冒頭の第六項、七項とか、八項というのは、ここで三項が殖えていますから、法文の整理は適当に計らつて頂きたい。
  68. 小串清一

    委員長小串清一君) ではどうぞお願いします、当局のほうで。それではこの法案は、早速OKをとる方法、順序を履みます。それで本日の会議はまだ大分ありますので、これで午餐のために休憩いたしまして、午後二時に再開をいたします。    午後零時四十六分休憩   —————————————    午後二時二十九分開会
  69. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは午前に引続きまして委員会開会いたします。  国税徴收法の一部を改正する法律案について御審議を願います。  本案につきましては別に御発言もないようですから、質疑は盡きたものと認めて、討論に入ることにして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  国税徴收法の一部を改正する法律案衆議院送付の原案通り可決することに御賛成のかたの挙手を願います。    〔総員挙手〕
  72. 小串清一

    委員長小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決すべきものと決定されました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容については、参議院規則第百四條により、あらかじめ御了承願うことにして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それでは委員長が議院に提出する報告書に対する多数意見者の御署名を願います。  多数意見者署名    小林 政夫   松永 義雄    清澤 俊英   大矢半次郎    木内 四郎   愛知 揆一    油井賢太郎   森 八三一    佐多 忠隆   高橋龍太郎    杉山 昌作   岡崎 真一    山崎  恒
  74. 小串清一

    委員長小串清一君) 次はたばこ專売法の一部を改正する法律案を議題にいたします。速記を止めて……。    〔速記中止〕
  75. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは速記を始めて下さい。
  76. 杉山昌作

    杉山昌作君 たばこ專売法の改正の問題は、これは硫酸ニコチンの原料にする特殊なたばこを植えて、そうしてそれは專売公社が買入れなくて、農薬製造業者に直接持つて行くという変更のようなものでありますが、硫酸ニコチンは果樹あたりの殺虫剤として非常に必要なもので、結構な改正だと思うのですが、一体硫酸ニコチンはどのくらい必要があつて、それから日本ではどのくらいできていて、今度こういうことをすることによつて硫酸ニコチンの製造は相当に奬励され発達するものなのかどうなのか、その辺のお見通しを承わりたい。
  77. 井上菅次

    説明員(井上菅次君) それでは今の御質問に対してお答えいたしたいと思いますが、硫酸ニコチンは、以前は百五十トン程度年間需要があつたのでありますが、戦後新らしいDDTとか、或いはRHC等の農薬も入つて参りまして、多少需要量につきましては減つて行く傾向があるのでありますが、大体年によつて、害虫の発生によりまして、はつきりした堅い数字があるわけではございません。大体今のところ推定いたしておりますのは年間需要量として百トンから百二十トンというふうに見積つております。それに対しまして、大体国内産といたしまして二十トンくらいでございます。これは御承知の專売公社におきまするたばこの製造の屑でございます。これの拂下げによりまして加工いたしておりますのが約二十トンでございます。あとの八十トン乃至百トンというものは主としてアメリカから輸入しておるという現状でございます。この硫酸ニコチンにつきましては先ほども申上げましたように新らしい農薬が入つて参りますから、それぞれ特徴がございまして、この程度の需要というものは今後続いて来るのじやないか、そういたしますると、農業生産上硫酸ニコチンの不足分は輸入しなければならんという状況になつておりまして、できますれば国内産でそれが生産され、農家に供給されるようなことにできますれば結構だと、こういうふうに考えておる次第であります。
  78. 杉山昌作

    杉山昌作君 それで大体輸入品と内地の製造品との生産費の比較というか、採算等から行きまして相当見込はあるものですか。
  79. 井上菅次

    説明員(井上菅次君) これも、輸入の硫酸ニコチンも向うのいろいろのコストの関係で不同があるわけでございますが、曾つての実績からいたしますると、国内生産が割高になつておる傾向があつたわけでありますが、これは一つは生産量が極めて少い、そうして屑たばこを使つておりますと、相当の成分的な面、或いはそれらの輸送等に案外経費がかかつて、比較的割高にかかつておる、これが相当計画的にたばこの栽培等からやつて参りますれば、或る程度それがカバーできまして行くのじやないだろうか。勿論量の点もありましようけれども、結局量と、やはりコストの問題という関係が出て来るのじやないか、こういうふうに思われるのです。
  80. 清澤俊英

    清澤俊英君 ちよつと関連してお伺いしますが、この二項かに、「前項の規定による申請の際、その目的及びその收穫した葉たばこを原料として農薬を製造する者を明らかにしなければならない。」こうなつているので、この葉たばこを使つて作る薬品というようなものは、固定したものでないのですか。それとも自家用に、この葉を作つて、自分がこれを使います、こういうので、自家用の、今までたばこの屑など拂下げを受けて使つて、おつたものに代用して使うことができるのか。この申請の場所がですね。特定の会社のようなものがあつて、そこへ耕作した葉たばこを納めるのだ、こういう申請になつた場合に許されるのか、自家用で農薬代用に使うのだという申請で作らして頂けるのかどうか。一つこれを……。
  81. 井上菅次

    説明員(井上菅次君) 農薬として使います場合には、それをいろいろな価格操作その他によりまして、申請いたしまして作るわけでございまして、やはり製造工場で作るわけであります。それでこれは、私は農林省でございますので、その実際の手続のことはわかりませんですが、恐らくそういうものに限定いたしまして、又それが横に流れないような取締は当然行われるものだ、こういうように考えております。
  82. 小串清一

    委員長小串清一君) 別に御発言もないようですから、質疑は盡きたものと認めて、直ちに討論に移ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  よつてこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  たばこ專売法の一部を改正する法律案衆議院送付法案を原案通り可決することに御賛成のかたの挙手を願います。    〔総員挙手〕
  85. 小串清一

    委員長小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則百四條によつて、あらかじめ多数意見者の御承認を願うことにして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それから委員長の議院に提出する報告書に附する多数意見者の御署名をお願いいたします。  多数意見者署名    高橋龍太郎   森 八三一    小林 政夫   岡崎 真一    油井賢太郎   佐多 忠隆    愛知 揆一   木内 四郎    大矢半次郎   清澤 俊英    杉山 昌作   松永 義雄    山崎  恒
  87. 小串清一

    委員長小串清一君) 次は復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案、この案の内容については、銀行局の総務課長に御説明を願います。
  88. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) 復興金融金庫に対しまする政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、これには四つの意味がございます。  第一といたしましては、復興金融金庫の国庫納付金は、收益勘定からのものと、それから資本勘定からのものと二つあるわけでございまするが、復金の貸付債権の保全のための費用、例えば融資をいたしました金で機械設備或いは不動産等を作りました場合に、これに保険が附いていないというような場合に、復金から貸増しをいたしまして保険を附けさせる、こういう債権保全費用の立替金で、債務者が負担するのが適当だと認められますものにつきましては、資本勘定で整理をいたすようにいたしたいという点が第一点でございます。  第二の点は、復興金融金庫が引受けました農林中央金庫の債券、これは昭和二十三年からやつたわけでございまするが、この償還金につきましては、昭和二十六年度において国庫に納付すればよい、そして納付いたしました額だけ減少いたしたいという点が第二の点でございます。  第三の点は、復興金融金庫が融資をいたしました資金で代物弁済として公社債を受入れました場合には、これが償還金に相当する金額を国庫に納付いたさせたい、これは実例といたしましては、住宅営団が復金から融資を受けまして作りました住宅を、この営団の整理に伴いまして地方団体に売却をいたす、ところが地方団体のほうで現金が十分にないために、地方債で弁済いたしました例がございます。ところがこの地方債を現金に換えたいと思いましても、例えば預金部で買つてもらおうといたしますと、預金部は時価でしか受けないために、損が起つて参りますので、やはり今後償還になりました都度、その現金を国に納めればよいというふうにいたしたいというわけであります。この金額は九百万円程度でございます。  第四の点は、昭和二十五年度分の国庫納付金につきましては、この国庫納付金が予算に上げました金額よりもオーバーしますものは、昭和二十六年度において国に納付いたさせたい、昭和二十五年度中に納めずに、二十六年度において納めればよいというふうにいたしたいのであります。これが第四点でございます。  以上四つの点がこの改正案の趣旨といたすところでございます。
  89. 松永義雄

    松永義雄君 復金の貸金の回收については、随分資料が出ておると思うのですが、回收状況はどうでしようか。
  90. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) 復興金融金庫の二月末におきまする残高は八百八十六億でございます。昭和二十五年度におきましては、去年の四月から今年の二月末までの回收が百九億でございまして、これに前年度、昭和二十四年度から繰越して参りました回收金が相当ございまするので、すでに国に対しまして、昭和二十五年度中に納付すべき元本といたしましては、百二十六億九千万円を予定通り拂いまして、更に三月末までの見込で申しますれば、恐らく三十億見当は予算以上にオーバーをいたすという予定でおるわけであります。
  91. 松永義雄

    松永義雄君 返済期限が済んでもなお且つ支拂しないものの額はどれくらいですか。
  92. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) ちよつと手許に持つておりませんが、大体復金の回收状況を聞いて見ますると、市中の商業銀行の回收状況と比べて、さして悪くないというふうに見られます。普通市中銀行でございますると、貸付総額の百分の二程度が回收不能になるのが平均の実績でございまするが、復金の場合も大体その程度に将来なりはしないか。ただ御承知の通り、復金の融資は長いのは十五年というような融資もございますので、大体年々六、七十億ずつ元本を回收いたしまして、今から十三、四年で大体全部戻るというふうに見ております。
  93. 松永義雄

    松永義雄君 返済期限が来ているのにもかかわらず返済しない金額、返済しないという会社というものがおわかりでありましたら、一つ資料を頂きたいと思います。なお伺いたいのですが、回收不能とみなされるようなものはありますか。その金額がおわかりになつておりますれば……。
  94. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) どういう会社について回收不能になるかというような点は、これは復金といたしましても鋭意検討いたしておるわけでございまして、ただこれを発表いたしますると、やはり債務者のほうの返済の意欲を減殺する虞れがございますので、発表は差控えさして頂きたいと存じますわけでございます。大体全部で千三百億くらいの融資をいたしましたのでございまするから、まあその百分の二と申しますれば大体二十数億程度になるかと思いますけれども、まだ将来のこともございますので、はつきりした数字はちよつと見当つかないと思います。
  95. 松永義雄

    松永義雄君 只今回收不能とみなされるものは、返済意欲がなくなるから発表の限りでないとおつしやつたのですが、経済状況の変化によつて回收不能に陷つておるものがあると思うのですが、そういう点について……。
  96. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) これは融資をやりましたときの事情と、その後の経済状況の変化によりまして、回收のしにくいものは若干ございます。併しながら復金といたしましても、できるだけこの融資の返済には努めておりまして、数年前に回收がこれは困難だと思つておりましたものが、又最近の情勢の変化によりまして、回收できておるものもございます。何分七年とか十年とか、或いは十五年という返済期限の融資でございますから、まだ現在のところどの程度になるか見当が付かないわけでございます。
  97. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この提案理由の第一点として書いてある点が、どうも了解付かないのですが、債権保全費用立替金として資本勘定で経理するのが適当であるというのは、債権保全費用というと、やはり経費勘定のような気もしますが、それを資本勘定で経理するというのは、その意味をもつと詳しく説明してもらいたいと思います。
  98. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) 先ほどちよつと実例を申上げましたが、例えば復金がすでに融資をいたしておりまして、それによつて不動産を取得いたす、ところが十分な金もないままに保険も附けずに置いておつたといたしますると、元来ならばこの費用は当然債務者の負担となるべきものでございます。併しながら復金といたしましては、その不動産が燒けてしまつて、債権が取れなくなるということでは困りまするので、新らしく貸増しをいたしまして、そうして保険を附けてもらう、こういう場合がございます。その場合には新規の融資というかつこうで整理されますので、これは復金が普通ならば新規融資をしないのが建前でございまするが、特に政令で認められましたこういうような費用だけは新規融資という整理をいたしております。昭和二十五年度においても、この額が五億六千万円ぐらいに上つておるかと思いますが、こういうものは新らしい債権でございます。債権と申しますか、元本でございますので、これは資本勘定に立てるほうがいい、むしろ收益として経費に落してしまうのは不適当であるという意味でございます。
  99. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の五億何千万というのは、相当大きな金額ですが、立替費用はそうなるのですか。
  100. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) さようでございます。
  101. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 立替費用が五億何千万ということになると、その元本というものは又莫大なものになると思うのですが……。
  102. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) 立替費用と申す言葉が若干悪いと思いますが、立替えてやはりかつこうは融資のかつこうでございます。一度そういう不動産を取得しておる債務者に対して、前に元本を貸しておるわけでございます。附保する等のために費用を貸付ける、貸付けた金で附保しておる、こういうことでございます。
  103. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その金額が少なければ大したことはないのですが、相当大きい金額になつているのですが、それほど復金から融資を受けた債務者というものの内容が悪いのですが。
  104. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) 例えば炭鉱住宅、炭住というようなものにつきましては、当時の閣議決定で融資をいたしたわけでございます。一定の條件にはまるものは、すべて融資を受けられるようなかつこうで炭住をやつたわけであります。その後炭鉱によりましては、状況が余り思わしくないので、保険も附けないままに放置しておりました。そうしたものにつきましては、皆火事で燒けたといたしますると、回收ができなくなつてしまう。どうしても保険を附ける必要があるというので、金額が相当嵩んでおります。
  105. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そのいわゆる元本になる債権額はどのくらいあるのですか、そういつた條件の下にあるものが……。
  106. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) 今はつきりここに資料を持つておりませんので、明確な数字は申上げかねまするが、目下昨年以来個々に案件を洗いまして、まだ全部整理し終らない状況でございます。大体今のところで必要なものは殆んど洗い切つたと思つております。詳しい点は御必要であれば後ほど……。
  107. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これは大きな債権、いわゆる六百八十八億も残高があるというのですから、やはり資料を提出してもらいたい。復金のいわゆる貸借対照表の明細ですね、説明、そういつたようなものを一応出してもらいたい。
  108. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) 二月末の融資残高の表は用意しておりますので、至急お出しいたすようにいたしたいと思いますが、概略申上げますと、八百八十六億五千六百万円が二月末の残高でございまして、そのうち設備資金が七百八十億八千八百万円、運転資金が百五億六千七百万円でございます。このうち業種から申上げまして大きいほうから申して見ますると、一番大きいのが鉱業でございまして、三百七十億、そのうち特に石炭が大部分でございまして、石炭が三百四十五億、それから次に大きいのが電気でございまして、電気は百七十五億円、それから次に大きいのが化学工業、これが九十二億円で、その三分の二になりまするところの六十億は肥料工業でございます。それからその次に大きいのは機械器具工業でございまして、これは五十八億になつております。その次が四十億台のものが三つございまして、水産業が四十三億、交通業が四十三億、それから繊維工業が四十二億、それから三十億台は金属工業、そのうち製鉄が二十七億でございます。大体そんなような状況でございます。
  109. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の点は表でわかりましたが、先ほどお話なつたいわゆる不良貸付ですね。こげつきの金額は百分の二とおつしやつたが、その大部分はどこに該当するのてすか、一番大きなところは……。
  110. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) これは百分の二と申上げましたのは、将来の見通しでございまして、現在百分の二という数字が出ているわけではございません。まだ融資をいたしましてから数年を経過しておるに過ぎませんので、将来最後の月がそのくらいになるかという見通しを申上げた程度であります。大体そのようなことでございます。
  111. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 次に八百八十六億というのは、これから十年なり十五年なりで返済を受けるとしても、その勘定で以てずつとやつて行くような予定なんですか。それとも或いは新たな機関のほうに、例えば日本開発銀行といつたようなものに移すような気持があるのですか。
  112. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) これは追つて審議をお願いいたしまするところの日本開発銀行法に規定がございまするが、復興金融金庫は明年の三月三十一日までの間で政令の指定する日に解散をいたしまして、一切の権利義務を開発銀行が承継いたすということになります。その場合に債権のほうはそのまま新銀行に移しまして、債務といたしまして、政府から復金に対する出資のほうのものは、この承継の日に政府からの借入金に替える、そういたしまして二十七年度からは大蔵大臣の定める一定の利率を以て借入れる、こういう予定でございます。そうしてこの財源のほうは従来復金できめておりましたところの條件、期限及び金利によりまして今後回收する。又場合によりましては復金から融資を受けている企業に対しまして、開発銀行から新らしい融資が行われるということもあるわけでございます。現在のように全然貸さずに取りつ放しという形でなしに、場合によりましては新規の融資が出るということによりまして回收が又容易になつて来るという事態が想定されるわけでございます。
  113. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 いずれ開発銀行のときはお聞きしなくちやならんと思うのですが、今のお話によると復金と開発銀行とのスケールが今のところで見ると、復金のほうが遥かに大きいですね。そうなつて来ると開発銀行という名前でこれを引継ぐというのは本来から言うと名前だけ変えたようなくらいにしか見受けられないですが、どういうことになるのでしようか。
  114. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) 差当り開発銀行の資本金が百億円でございますが、今後復金の回收金が出て参りますれば、昭和二十六年度だけはその回收金を復金に納める予定でございますが、その予定額をオーバーしたものは、すべて回收になつた場合に一度政府からの借入金を返しまして、そして又同額が政府から出資になつたという形にいたします。この額は年々七十億円見当になるかと思います。そういたしますると年々回收が起つて行くたびに新銀行のほうにそれだけ増資になつて参ります。又将来場合によりましては見返資金から新らしい増資ということも考えられるかも知れません。新銀行の資本金がだんだんだんだん大きくなつて参ります、次第にウエイトがそちらが大きくなつて来るというわけでございます。
  115. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 若し予定金額に達しないような回收の状況になつたときは、どんなことになるのです。
  116. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) 私どものほうの想定では復金の回收は相当順調に参るというふうに想定いたしております。これは過去数カ年の経験に徴しましても大体そういうことになつておりますし、今後普通の経済状勢で推移いたしますならば、回收にはそう大きな懸念を持つていない。この回收がまるで駄目になるということをまだ想定していないわけでございます。
  117. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 復金に関するいわゆる事業を現在運営している人員とか役員とかというものは、開発銀行にどの程度引継ぐことになるんですか。
  118. 杉山知五郎

    説明員(杉山知五郎君) 新銀行の職員は、この総裁の任命するところに待つわけでございます。役員のほうは、総裁と副総裁と監事は内閣総理大臣の任命、理事は総裁の任命になつております。従いましてこの法律通りまして、総裁がきまりましたときにその総裁の御意思によつておきめになることと思いますが、一応予算におきましては新銀行は百七十五人の職員を予定しております。復金のほうは現在人員が五百九十一人、定員は六百十人でございますが、現在五百九十一人おります。この復金の人をそのまま承継するかどうかということは新総裁の方針によるところでございますが、まあ常識的に考えまするならば、特に悪い人がおれば別ですが、そうでなければそのまま承継されるというふうに考えております。
  119. 小串清一

    委員長小串清一君) この問題は日本開発銀行法に大分関係がありますが、この問題についての御質問はこの程度で打切りにいたして、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  よつて直ちに討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います……。別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  よつてこれより採決に入ります。復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案衆議院送付の本案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔総員挙手〕
  122. 小串清一

    委員長小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりあらかじめ多数意見者の御承認を願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それから委員長が議院に提出する報告書に附する多数意見者の御署名をお願いいたします。  多数意見者署名    森 八三一   小林 政夫    杉山 昌作   清澤 俊英    大矢半次郎   木内 四郎    愛知 揆一   佐多 忠隆    岡崎 真一   松永 義雄    油井賢太郎   山崎  恒   —————————————
  124. 小串清一

    委員長小串清一君) 次は鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案の御審議を願います……。別段御発言がありませんから、質疑は終了したものと認めて、直ちに討論に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  126. 松永義雄

    松永義雄君 私は社会党を代表しまして遺憾ながら本案に反対の意を表するものであります。とにかくその当時の責任者がたとえその席を去つたにしましてもその結果はやはり我々国民の負担になるのであります。而も軽々の犯罪ならとにかく、このような深刻な犯罪を起して、而もなおそれに長い間気が付かないで経過して来たということは、ひとりこれはお役人の権威に関する問題ではないのであります。お役人の諸君が曾つて官僚主義旺盛なりし時代は、ともかくそのまじめさを買われて来た、ところが今日に至つてそのまじめさも失うばかりか、こうした大それたことが惹起されて、而も上に立つ人がこれに気が付かなかつた。それは道義の頽廃という言葉で説明されているのでありますけれども、それはひとり公団だけの道義の頽廃にとどまつているならばよろしいけれども、こうした事例はその大小はともかくとしまして至るところの役所に頻発いたしているのであります。このことはただ単に感情的に申すのではないのでありまして、パブリツク・サービスというものはもう少し自覚して頂かなければならんと思うのであります。我々はその点からしましてこの法案に対して断乎として反対するものであります。
  127. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私は次の意見を附加えてこの法案に賛成するものであります。この法案は十六億九千万円余を一般会計から繰入れする法案でありますが、その内容を検討いたして見ますると、今日までにおけるところの商品売買差損の十四億九千百万余と、それから被害の未收金として、いわゆる早船事件というような、ああいうような未收金として五千五百万円余、そういつたようなものと、二十六年度の清算費に要する費用と、この三通りのものが大体含まれているのであります。従つて我々審議するに当りましては、商品売買差損の起きた原因であるとか、或いはその被害の状況であるとかいうことは、十分に検討して見なくてはならないのであります。而も二十六年度の清算経費というのは、当然これは一刻も早く新年度にやります前に処理、我々において処理しなくてはならないということは申すまでもないのであります。そうしますと、この十六億九千万というものを一遍に出される会計的技術についての出され方について、我我はいささか不満を感ずるものであります。将来こういう点は何とか改善或いは改良することが必要かと思われます。而も先ほど松永委員からも意見がありましたが、いわゆる公団の公務員が世間的に大きな衝動を與えた事件、而もその加害者の人間が今は恬然として何事もなかつたかのような生活をしておるばかりでなしに、新聞等の伝えるところによりますというと、不正事件をしながら、却つて豪奢な生活をしておるというような、そういうことが現われておるのであります。これは将来において我が国の思想界に及ぼす影響も重大なものがあると思うのであります。こういう点につきましても、政府並びに検察当局等においての処理方法というのを改める必要も見受けられると思うのであります。  以上意見を申述べまして、この会計自体は本日認めて置いたほうが、止むを得ないという考えで以て賛成するものであります。
  128. 小串清一

    委員長小串清一君) ほかに御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議なしと認めます。  それではこれより採決に入ります。  鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案衆議院送付法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  130. 小串清一

    委員長小串清一君) 過半数と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容については、本院規則第百四條により、あらかじめ御承認願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それから委員長が議院に提出する報告書に附する多数意見者の御署名をお願いいたします。  多数意見者署名    森 八三一   小林 政夫    岡崎 真一   油井賢太郎    杉山 昌作   大矢半次郎    木内 四郎   愛知 揆一    山崎  恒   —————————————
  132. 小串清一

    委員長小串清一君) 次にお諮りいたしますのは、農林中央金庫法の一部を改正する法律案、議員提出、衆議院のほうの議員提出の法案で、まだ衆議院のほうでも案は決定しておりませんが、提出者からの、この法案の提案理由の御説明をしたいということでありますから、この際これを許します。
  133. 内藤友明

    ○衆議院議員(内藤友明君) 只今上程になりました農林中央金庫法の一部を改正する法律につきまして、その提案理由を御説明申上げます。  農林中央金庫法については、政府出資が二十三年四月から消滅したにもかかわらず、法文上政府出資の規定が残つている等、実情に副わない点が相当出て参りましたので、今回これを改正して実情に即するものとすると共に、新たに必要とする業務はこれを拡張し、又かねて懸案であつた役員民主化を実現して時代の要求に合致せしめんとするものであります。以下改正の要点を簡単に申上げます。  第一は、資本金の増額でありまして、農林中央金庫の所属団体の出資金は現在八億円となつておりますので、資本金に関する規定を実情に即するごとく改正せんとするのであります。  第二は、政府出資に関する規定を削除した点でありまして、農林中央金庫の政府出資は、同金庫の再建整備の際全額損失補填に充当せられ、現在は零となつているからであります。  第三は、業務の拡張でありまして、所属団体のために新たに保証業務を認め、又他の法人のために金銭の出納又は有価証券の保護預り、若しくは委託売買の業務を認めんとする点でありますが、これは最近の金融事情よりして、右業務が農林中央金庫の使命達成上特にその必要を痛感されているからであります。  第四は、役員の選任方法を民主化すると共に、常勤役員の兼職を禁止し、又役員が不正行為をなした場合に役員の改選を命じ得ることとした点でありまして、従来は、役員はすべて主務大臣が任命することになつていたのでありますが、今回役員は定款の定めるところにより出資者総会において選任し、主務大臣の認可を受けることといたしたわけであります。  第五は、理事長、副理事長、理事の任期五年を四年にしたことでありまして、従来の任期五年はやや長過ぎると考えられるからであります。  なお現行法第四章の農林債券に関する各規定は実情に副いませんが、これはすでに実施されておりまする銀行等の債権発行等に関する法律規定してありますので、従つて今回はこれをそのままにいたしてあることを申添えて置きます。  以上がこの法律案を提案いたしました趣旨並びに改正内容の大要でありますが、何とぞ愼重御審議の上速かに御可決あらんことをお願い申上げる次第であります。
  134. 小串清一

    委員長小串清一君) 本案は提案の御説明を願つて置きまして、いずれ議案が参りましてから、更に御審議を願います。   —————————————
  135. 小串清一

    委員長小串清一君) この際日本開発銀行法案の御審議を願いたいと思いますが、本案につきましては、大蔵大臣の出席を求めておりますが、大臣は衆議院の予算委員会の討論採決に立会つておるために、出席の時間は未定であるということでありますから、舟山政府委員、その他の御説明を以て質疑を開始したいと思います。
  136. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今度できますこの法案によりますと、相当の出資が政府からされるのでありますが、大体その出資に対しては、いわゆる紐付きと申しますか、方針が定つておるのですか、その点も全然新たに発足する役員によつてきめられるのですか。
  137. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) 開発銀行の仕組みの運用につきましては、先にございました復金におきましては審議会を設けておつたのでありますが、今回はそういうものを設けませんで、開発銀行の役員の責任の下に、融資を決定する建前でございます。
  138. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 併しこれはもうこの法案を作られるに当つては、或る程度の政府方針というものもきまつていると思うのです。現在の日本経済界は、どういうふうなところへ重点を置いて、いわゆるこの名前の通り開発をすべきであるかということを当局は検討してあると思うのですが、その点はどうですか。
  139. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) この開発銀行の狙いどころは、現在経済界で不足を伝えられております長期の設備資金を供給することであります。どの方面で長期の設備資金が不足しているかということにつきましては、世上十分論議のあるところでございます。大体いわゆる基幹産業と称せられておりますもの、その他につきまして、この銀行が真先きに融資というものを研究して参ると思うのでございますが、併しどの産業にどの程度出すかということにつきましては、銀行の健全なる判断に任したい。もとよりこの銀行を運用して参りますことにつきましては、役員の中に給與という制度を設けております。これは大体産業界から人を迎えまして、総裁の諮問機関といたしたいのでございますが、更に又実際問題といたしまして、開発銀行の経営者が、政府各方面の意向を十分尊重いたしまして、貸出を決定して行くことと存じます。
  140. 小林政夫

    小林政夫君 非常に重要な法案でありますが、いろいろ法案の山積しておるときに出されたので、我々としても十分研究する暇がないので、甚だ恐縮ですが、提案理由だけでは十分にわからん点もありまするので、大体この條文に則つて一応銀行局長から説明をしてもらいたい、その上で質疑応答をいたしたいと思います。
  141. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) では御指示によりまして、大体逐條的に主要点を御説明申上げたいと思います。  逐條に入りますまでにこの銀行の仕組み全体について一言申上げますと、従来政府公庫等と称せられました政府機関でありますところの金融機関に比べまして、この開発銀行はもつとその活動力を自由にしよう、政府からの規制をゆるやかにしようというのが大きな狙いになつております。その意味におきまして、先般成立いたしました日本輸出銀行の例に則つておるところが非常に多いのでございます。  先ず第一條の目的でありますが、「日本開発銀行は、長期資金の供給を行うことにより経済の再建及び産業の開発を促進するため、一般の金融機関が行う金融を補完し、又は奬励することを目的とする。」とございまして、これに基きまして、業務の内容は十八條に出て参るのでございますが、これは政府の特殊機関として飽くまで市中金融機関の長期資金の供給を補完し、又はこれを奨励するというところを狙つていることを明らかにしたのでございます。  第二條の法人格等は、特に御説明申上げるところはないかと存じます。第三條の事務所につきましては、先ず本店は東京都に置きまする。この銀行の業務の量が多いことが予想せられますので、大阪、名古屋、福岡等には従たる事務所を設けたい。その他必要に応じてそれを増して参りたいと考えておるのであります。大体におきまして、この開発銀行は、開発銀行みずから直轄の人員によつて相当の融資をすることを建前といたしたい。勿論地域或いは業務の分量等によりましては、後に出て参りますように、他の銀行に業務を委託するのでありますけれども、相当直営的な業務というものに重点を置いて行きたいと考えておるのでございます。その点は別途御審議を願いまする予算等にもその気持が現われて参つておるわけでございます。  資本金は見返資金から、第四條にございますように百億出しますけれどもあとでなお出て参りますように、一言にわかりやすく申上げますれば、復興金融金庫が貸出しをしておりますその貸出しの回收金は、回收される都度自動的にこの開発銀行の資本金になつて行くという仕組みをとろうとしておるのでございます。但し昭和二十六年度は、あとで申上げますように、特例がございます。現在復金の貸出金は八百八十億ございまするので、それらの大部分が将来開発銀行の資本金に順次なつて行く建前でございます。四條の三項に「必要があるときは、大蔵大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。」旨を謳つております。この法律を通じまして、大蔵大臣の認可を受けます事項は、殆んどこれだけでございまして、その他の営業方針とか、或いは定款等につきましては、一般の銀行の例にはよりませんで、この銀行が自主的に定められる建前をとつております。それから第五項には、日本開発銀行の出資者は政府だけに限るとの趣旨を明らかにしております。第五條の定款等、第六條の登記、第七條の名称の使用制限等は類似の法文に出て参ります規定で特に御説明申上げることはないかと存じます。  第八條の解散につきましては、先ほども申上げましたように、この解散時を想像いたしますと、見返資金による資本金、それから復金等の回收金が一般会計からの出資金とみなされて存在いたします出資金と二種類の出資金が併存するわけでありますが、それらについて残余財産の分配をどうするかというような問題は起つて来ると思うのでありますが、それは解散のときにおける法律で定めるということを明らかにいたしたのであります。  第二章の役員及び職員の部分に入りますが、第十條に役員として、総裁一人、副総裁一人、理事七人以内、監事二人以内及び参與五人以内を置くということになつております。理事も輸出銀行の場合に比べて多くなつております。参與は、先ほど言いたしました五項におきまして、その職務権限を明らかにいたしまして、産業人をこれに当てまして、適切なる意見を具申する機関といたしたい考えであります。  第十二條は「総裁、副総裁及び監事は、内閣総理大臣が任命する。」と謳つておりますが、理事及び参與は爾後において総裁が任命するのでございます。言い換えれば、総裁、副総裁に、その経営陣の構成は一任する、そうしてこの責任を持つてもらうという趣旨の下に掲げたものでございます。  十三條は任期の規定でございますが、これは最近の他の法令にもございますように、それにおきまして一部分は、この最初の任期はこの目的に規定してあります任期の半分といたしまして、全員が一時に改選されることのないようにいたしております。それから十四條の代表権の制限、十五條の代理人の選任、第十六條の職員の任命、第十七條の役員及び職員の地位等につきましては、特段に御説明を加える必要はないかと存じます。  第三章業務でございます。第十八條に第一條の目的を受けまして、業務として三項目を掲げてございます。即ち経済再建及び産業の開発に寄與する設備費、ここには船舶及び車輌を含むことといたしまして、その取得、改良又は補修に必要な資金でありまして、市中の銀行その他の金融機関から供給を受けることの困難なものに貸付ける。但し、その貸付にかかる貸付金の償還期限は一年未満のものであつてはならないと規定してございます。この市中で金融を受けがたいということと、一年未満のものを除くということは二号三号にも共通な規定でございまして、ここにおいてこの銀行といたしましては、長期産業設備資金でこの市中で調達が困難なものを專ら担当するという趣旨をはつきりいたしまして、市中金融機関との業務の分野を確定いたしたのであります。第二号は開発資金の調達のために発行される社債、それには特別の法人債も含むのでございますが、これが証券業者等が応募又は引受をすることが困難なものに応募することとなつておるのであります。この社債の引受につきましては、銀行業務と証券業務と分離するという最近の考え方に基きまして引受は落してございます。それから第三号は、俗にいう肩替りでございまして、銀行その他の金融機関が貸付けているこれらの資金の返済に必要な資金を貸付け、又は返済資金を調達するために発行される社債に対して応募するという業務を謳つておるのでございます。それから第二項に参りまして、第一項の規定を読みますと、市中で調達が困難な融資を担当するとありますが、その意味は決して救済的な金融をするのではない、飽くまでぺーイング・ベースにのつたものでなければならないということを明らかにいたしますために特に第二項の規定があるのでございます。この資金の償還又は社債の償還が確実であると認められる場合に限つてこの銀行は叙上の融資をすることができるということをはつきりさせたものでございます。十九條の貸付利率は、やや抽象的な字句でございますが、これに盛られました思想は、決して市場金利に比べまして不当に低い利率を出してはならないということでございまして、即ちこの銀行の收得いたします貸付金利息等がこの事務費等を十分に賄えるに足るようにされなければならない、且つ市中の銀行の貸付利率も参酌してきめなければならないということを謳つております。この利率を実際問題として具体的にどの程度にきめるかということはまだ成案を得ておらないのでございます。実際問題といたしましては復金が現に有しておるような利率、これらは大きな参考になろうと考えておるのであります。第二項のほうは、これは特定の借入先に対して利率を変えてはいけないということを謳つたものでございます。第二十條の業務方法書は特に申上げることはございませんが、先ほども申上げましたように、銀行が自主的にきめることになつておるのであります。二十一條の業務の委託は銀行以外のものに対しては委託を禁止しております。  それから第四章の会計のところに移りますが、これは輸出銀行の例と大体同じでございまして、特に申上げることはなく、手続的な規定が多いのでございます。第二十四條におきましては、この開発銀行のこしらえます予算は、いわゆる経費予算に限りまして、その他の事業予算は、これは組まないでよろしいということにいたしたのでございまして、その自由なる行動を妨げないようにしている次第でございます。以下予備費、予算の議決、予算の通知、追加予算及び予算の修正、暫定予算、予算の執行等につきましては特に申上げることもないかと存じます。  それから以下大分進みまして、三十六條の利益金の処分でございます。開発銀行は毎事業年度の損益計算上利益金を生じたときはこれを国庫に納付することをいたしませんで、準備金として積立てて行くということを明らかにしたのでございます。この準備金は損失の補填に充てるのでございます。それから三十七條資金の借入の制限につきましては、実体的にいろいろな議論もある点かとも存じます。即ち開発銀行は資金の借入を一切禁止せられておるのであります。或いは資金の借入を認め、或いは金融債の発行を認めてはどうかというようなことにつきまして論議もございました。当局といたしましても、そのことについては研究もいたしたのでございますが、結局この発足に当りましては、この規定で参りたいという考えに落ちついた次第でございます。第三十八條の余裕金の運用は、輸出銀行の場合もそうでございましたが、相当限局されております。市中への余裕金の預託等は認めておらないのでございます。  第五章の監督に参ります。第四十條に、日本開発銀行は、大蔵大臣が專管であることも明らかにいたしております。役員の解任につきましても特に申上げることはないかと存じます。  第六章の補則に参りまして、復興金融金庫との関連をいろいろと規定しております。実は日本開発銀行の発足に当りましては、発足と同時に復興金融金庫をこれに吸收するという考え方も別途あり得るのでございますが、本法案におきましてはその考え方をとりませんで、取りあえず開発銀行は開発銀行として発足せしめる、そうして復興金融金庫はこれと併存せしめまして、併し昭和二十七年三月三十一日、即ち二十六年度一ぱいの間において政令で定める日に解散して、その権利義務を開発銀行に承継せしめるという建前をとつたものでございます。そこで第四十四條におきましては、日本開発銀行の業務がいろいろ制限されておりますが、承継されました債権、債務については大体従前通りの業務を行なうという規定を設けたのでございます。それから復興金融金庫の解散時の資本金の額、四十五條でございますが、これは九百五十四億でございますが、実はこれを全部政府の貸付金として引継ぎますには、若干の補正を要するのであります。二十五年度末の資本金の額は確定いたしておりますけれども、その他に昭和二十五年度分の復興金融金庫の国庫納付金の納付額のうち、復興金融金庫法第三條但書の規定によつて切捨てられた額、これはどういうことであるかと申しますと、復金の時代におきまして、国庫納付がある、それに応じて復金の資本金は減少さして行くのでありますけれども、但し納付金に一億未満の端数がありますと計算の便宜上出資から切捨てて行かないのであります。そこで国庫に納付されたが、まだ資本金として切捨てられないものがある、これらにつきましては二十五年度末の資本金の額から控除しなければならない、これが第一の項目であります。  それからその次の昭和二十六年度において復興金融金庫が解散の時までにこれこれの法律に基きまして国庫に納付した金額、これも元来繰入れらるべき金額であります。それでありますから、これも二十五年度末の資本金の額から控除いたすのであります。  それから最後の末尾にあります「未拂込資本金額の合計額」、これも控除いたすのであります。これが解散の時における復金の正確に計算したと申しますか最終的な資本金の金額であります。これを解散の時における資本金の額と見るという規定でございます。  それから四十六條に参りまして、復金の解散の時における政府復興金融金庫に対する出資金というものは、今のようにして計算するのでありますが、これを日本開発銀行の成立の時に政府日本開発銀行に対する貸付金となつたものといたすのでございます。そしてつまり復金に対する出資金というものが爾後開発銀行に対する貸付金の形で整理せられるのでございます。結局政府に返さなければならない、戻さなければならん関係は同じでありますけれども、出資金を貸付金に振替えるわけでございます。そうなりますと第二項の規定によりまして、この政府の貸付金に対して一定の利子を拂う、この利子は年五分五厘を予定いたしております。  それから次の(法定出資)と書いてあります第四十七條の規定でございますが、これの細目に入ります前に一言に申上げますと、復金の貸付金が返つて参りましたものが、これらの規定によりまして、日本開発銀行の資本金に自動的に組替えられて行くということであります。但しこの四十七條の前四半期の下に(昭和二十六年度の毎四半期を除く。)とございますように、昭和二十六年度につきましては第二項に特例が書いてございます。  先ず二十七年度以降の分について、即ち第一項について申上げます。「日本開発銀行が復興金融金庫から承継した権利のうち、その融通した資金に係る債権」、貸付金と簡単に申してよかろうと思います。それから保証債務の肩替りによりまして取得した貸付金、それからそれらの貸付金を保全するため必要な経費、例えば立替えてありますような保険料のようなものであります。こういうようなもので、結局貸付金に振替えたもの、これらのすべての貸付金のうち、回收したものができましたならば、この四半期ごとに、本来ならばこれが一度政府に返還せられまして、そうして政府は更に開発銀行に対する出資としてこれを出すわけでありますが、その間自動的に回収金が四半期ごとに開発銀行の出資になるものとみなされる、こういう趣旨でございます。これこれを生じたときは、当該四半期末において、当該復興金融金庫関係回收金の額に相当する額の第四十六條第一項に規定する政府の貸付金が返済されたものとみなし、その返済されたものとみなされた政府の貸付金の額に相当する金額が、同じ四半期末におきまして、一般会計から出資されたものとみなす。こういうことでございます。ただ第二項に参りまして、二十六年につきまして実は一般会計の予算におきまして復金の納付金が一定額もうきめられております。これだけは復金が関発銀行に乗り移りましても、一応納付して歳入を埋めて行かなければなりませんので、その関係規定したのでございますが、一言に申しますと、七十六億の復金納付金の予算、これだけは先ず納めてもらわなければいかん。その後余剰ができましたならば、これは関発銀行に属せしめるという趣旨でございますが、字句によりますれば、「日本関発銀行は、昭和二十六年度に限り、前條第一項に規定する政府の貸付金の返済に充てるため、第四十三條第一項の規定により承継したもののうち一号から三号まで」というのがこの末尾に出て参りますが、今度御審議願いました法律によりまして二十五年度において回收はしたが、二十六年度に繰越して納付することになつておるものというのが第一号の規定であります。それから同じく第二号はやはり農林債券の償還金が二十五年度中にございましたら、これは二十六年度になつてから納付するということに法律が今度できておりますが、その金額でございます。大体二十億九千万円になつているのであります。それから第三号は復金で二十六年度に予想せられておりました回收金でありますが、五十五億二千九百万円であります。この二号と三号合せましたものが七十六億一千九百万円になるのでありまして、これを限度といたしまして、これだけは当然予算に計上されており、復金から納付しなければならないことになつたものですから、これは優先して納付せしめるということを謳つたものでございます。そこでこれ以上にオーバーした分につきましては、第三項に規定があるのでございまして、超過額の政府貸付金が来年度末昭和二十七年三月三十一日において返済されたものとみなされまして、その金額が同日において即ち二十六年度末において政府一般会計から日本開発銀行に対し出資されたものとみなされるのでございます。大体現在の計算ではこの金額は二十七八億見当かと考えております。  それから以下の條文につきましては、手続的な規定が多いのでございますが、特に第七章罰則では申上げることもございません。  それから附則に参りましても手続的な規定が多いのでありますが、第三項におままして、「大蔵大臣は、設立委員を命じて、日本開発銀行の設立に関する事務を処理させる。」ことになつております。それから第八項におきまして、「日本開発銀行は、設立の登記をすることに因り成立する。」ということになつております。それから第十項におきまして、先ほど第四十七條に申上げましたのは、復金の元本の回收に関する規定でございましたが、この十項におきましては、いわゆる利益金に属する規定で、やはり一般会計に二十六年度の復金の予算で納付しなければならないことになつております額は、優先国庫に納付してもらう趣旨を謳つたものでございます。即ち開発銀行は、昭和二十六年度に限り、左の各号に掲げるものを、四十五億三千二百八十万二千円を限度といたしまして、来年度一ぱいに国庫に納付するというのでございます。納付の順序といたしましては、ここにございますように、この復興金融金庫の権利義務の承継にまり、日本開発銀行の成立の時における貸借対照表に利益金として計上すべき金額、それから第二号は、昭和二十六年度の開発銀行としての損益計算上の利益金、これはわかりやすく申上げますれば、復金と開発銀行とを二十六年度中には一つに見まして、その利益金というものがこの四十五億三千二百万円ほどになりまして、優先国庫に納付するということに相成るのでございます。その他の利益が入りますれば、これは開発銀行の準備金になるのであります。  それからこれらの事項に関連いたしまして、税の問題がいろいろ起つて参ります。それはこれを各項目ごとに申上げますと細かくなりますので、概括的に申上げますと、昭和二十六年度の利益につきましては、これは法人税、所得税を課せない。何となればこれを課しますると、開発銀行の二十六年度の利益からは、二十六年度の予算に定められただけの納付金ができないからであります。二十七年度からは普通に所得税、法人税が課せられるわけでございます。地方税につきましても二十六年度はこれを課し得ないことになつております。  それから復金からいろいろ債権債務の譲渡があるのでございますが、それについて登録税法による課税の問題が生じますが、これは移転登録といたしますと税額が非常に大きくなる。そこで変更登記の率でこれを徴收するということを十七項に謳つております。その他細目がございますが、なお御質問によりましてお答え申上げることにいたしたいと思います。
  142. 愛知揆一

    愛知揆一君 この日本開発銀行法案は極めて重大な法律案であるのでありますが、審議会の期間もだんだん切迫しておりますので、今日私といたしましては、極めて総括的なものでありますが、全体に通じての数点の質問をいたしたいと思うのであります。その質問に入ります前に第一にお願いしたいと思いまするのは、総合的な二十六年度、或いはそれ以降がわかれば更によろしいのでありますが、総合的な資金計画を政府としてどういうふうな御計画を持つておられるか。その全貌のお示しを頂きたい、資料も頂戴いたしたいと思うのであります。と申しまするのは、二十六年度の予算案の審議に際しましても、いわゆる国庫收支の計画というようなものについては或る程度御説明があつたようでありますけれども、この会期におきましても、例えば農林漁業資金融通特別会計法案が提出されておる。又更に先般は輸出銀行が設立されたわけでありますが、又資金運用部資金特別会計法案も提出をされておるようなわけであります。それら特殊の機関として新たに発足し、若しくは発足せんとしておるもの及び既存の従来の金融機関についても金融債の発行問題等相当大きな問題が最近起つておるわけでありまするが、それらの公私各般の金融機関を総合し、且つ予算、物価、その他との関連から言つても、総合的な資金の需給関係が一体どういうふうになるのであろうかというようなことについての、全貌についての御説明を伺いたいと思うわけであります。  それから第二点といたしましては、この開発銀行はいつから発足を予想されるのであるか。この法律案を拝見いたしますると、設立委員が任命されて、それから開業準備にかかるようでありまするが、できるだけ早くを予想されておることは勿論であると思いまするが、具体的にいつから設立され、いつから業務を開始するのか。それについての政府のお考えを伺いたいと思います。  それから第三点は既存の金融機関、主として銀行との関連を伺いたいのであります。これについても伺いたいことはたくさんあるのでありますが、単に一、二の例をとりましても、第十八條におきましてこの開発銀行の貸付金の範囲としては、償還の期限が一年未満のものであつてはならないというような規定もございますが、これはこういうふうの種類の規定としては非常に異例の規定の仕方ではなかろうかと思うのでありますが、こういつたようなことで既存の銀行との間の業務の分界がはつきりするものであるかどうか。同時に第二十一條におきましては、銀行とその他の金融機関と競争してはならないという規定がありますけれども、この規定は道義的な規定であるのか。これに違反したと思われるものは誰がこれを判定するのか。又そういつた判定があつた場合に、どういうふうな措置がとられるのであるかというようなことも問題であると思うのであります。要は実質的に金融機関との業務分界が明確にさえなつておれば、客観的にこの判定もよいかと思うのでありますが、それらの点についてどういうふうにお考えになつておるのか伺いたいのであります。  それから第四点は貸付金利の問題でありますが、この金利の点については別途審議中であります。農林漁業資金融通法におきましては、相当詳細な、具体的な金利の規定法律にされておるわけでありますが、それに反して、こちらの開発銀行法案のほうではかなり抽象的な規定になつております。併しながらこの金利のきめ方については相当の考え方がこの法律案の中に示されておるのでありますが、この考え方によりますると、これ又既存の銀行との関係の問題になるのでありましようが、金利の調整ということについては政府でも非常に御苦心の点であろうかと思うのでありますが、一方において今後の金利政策を、一般の金利政策をどう持つて行かれるのか、それとこの法律案規定されておるところの金利の問題との関係、並びに先ほど申上げたように、他の法律において金利を具体的にきめておられるが、これについてはきめられていないというようなことについて、金利政策との関連において御意見を伺いたい。  それからその次の点は政府の監督という問題であります。で先ほど御説明のありましたように、この法律案では資本金の決定、増資についてだけ大蔵大臣の認可が必要であるということになつておりまするが、そのほかの点についてもやはり全体の金融政策の中の総合調整というようなことは、金融政策として非常に重大なことだと思うのでありますが、その監督はここに規定されておる程度のことで以てもう十分であるのか、又監督の内容というものがかなり不明確ではなかろうかという点であります。  それから第六点は復興金融金庫との関係でございます。先ほど御説明にもございましたが、例えばこの際復興金融金庫をきれいに消滅をさせて、そうしてこの際この法律の施行と同時に復金を廃止する、復金というものを全部吸収してしまうということのほうが極めてクリアーで結構なのではなかろうかと思うのでありますが、これは先ほどの御説明に、或いは二十六年度予算の中の歳入が、復興金融金庫の納付金ということで、きまつておるからというふうにも受取れたのでありますが、若しさようなことであるならば、これは別途予算も出ておることでありますから、そのほうで直すことはできなかつたのだろうかどうか、復金との関係を、これは僅かの期間の間のことではありますが、いま少し明確にされたほうがよかつたのではなかろうかと思うのでありますが、その点についての御意見を伺いたいわけであります。  更にそうかと思えば附則の第二項に、「左に掲げる法律は、廃止する。」と言つて復興金融金庫法をここで廃止しておつて、更にその後においてその施行の期日は将来に延ばすというような、非常にこの点をとつて見ましても、この法律を読んでも、極めて難解である。なぜこういうふうな入組んだような構想にならざるを得なかつたのであろうかということが疑問に思われる点ありまして、この点も御意見を伺いたいと思うのであります。  最後に第七点として、これは新聞等にもいろいろ伝えられておりますけれども、この開発銀行には債券の発行ということを当初政府としてはお考えであつたように思うのでありますが、この法律案にはその規定が落ちておりますが、この点についてはどういう経緯になつておつたのか。又それに対する大蔵省としての考えはどうかということを向いたいと思うのであります。  先ほどお断りいたしましたように、いろいろとそのほかに伺いたいこともありますが、審議の都合上以上七点につきまして大体の御意見を伺いたいと思います。
  143. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 議事進行について……。
  144. 小串清一

    委員長小串清一君) 佐多君。
  145. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 非常に広汎多岐の御質問でありますし、それから特に最初のいろいろの問題については相当資料も頂かなければならないし、それを見ながら御説明を聞くということが必要かと思いますので、今日はこれだけで一応打切つて頂くようにお願いしたいのであります。
  146. 小串清一

    委員長小串清一君) 佐多君の動議に御異議ございませんか。
  147. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) ちよつと、佐多委員の御提案もございますのですが、実は愛知委員から御請求になりました資金計画ということにつきまして、政府産業資金について作つております計画は、この議会中安定本部あたりからいろいろ御説明申上げておると思いますが、それ以上に出たものは現在のところ持つておらないのであります。将来国際情勢の推移に照らしまして、いろいろ改訂しなければならんじやないかというような御疑問もおありになると思うのでありますが、それについて我々もその新規計画を改訂して行かなければならんという必要は感ぜられるのでありますが、実はまだでき上つておりません。それから、この開発銀行の融資計画につきましては、これはこの銀行ができましたならば、その経営者に具体的な融資計画を立てて頂くという建前になつておるのでありまして、産業別、或いは個別には勿論のこと、現在といたしましてはその計画を立つておらないのであります。こんなようなことで、只今資料を御要求になりましても、私どもといたしましては早急にはこれを調製いたすことが不可能な状況でございますので、その資料のできますのをお待ち下さるということになりますと、これはいつのことになるかわからんと、遺憾ながらそういうことを申上げざるを得ないのでございます。その点を御考慮下さいまして御審議願いたいと思います。
  148. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 我々が今までに示されておる資金計画は、さつき愛知委員のおつしやつたように、国庫の收支の問題と、それから産業資金の問題は単に設備資金で幾ら、或いは運転資金で幾らというような、それの調達の方法を、大ざつぱに株式でどう、社債でどうというようなものであつて、それでは産業別その他の計画がわかりませんので、産業別その他の計画がわかつて、そうして社債なり、株式で調達が不可能であり、或いは更に事業別から見て市中銀行の貸出、或いは長期貸出では賄えないのだというようなことがもう少し数学的にはつきりしなければ、先ず第一点のこういう機関を設けることの必要ということすらも明確に呑み込みができないのじやないかというふうにも考えますし、この問題は今始まつたのでなくて、すでに去年から構想としてお持ちになつていたんだし、そういう点の理由付けの資料は十分にあるはずでありますし、あるからこそこういうものに具体化して来たのだと思いますので、そういう点は一つ十分納得の行くように資料その他を整備して御説明を願いたいと思います。特に愛知委員から冒頭に指摘されたように、非常に重要な法案でありますし、殊に今後の金融制度の再編成の問題等々にも直接関連するような非常に大きな問題であると思いますので、成るべくそういう問題も十分に糾明した上で決定のできるような資料の御提出を是非ともお願いしたい。それを要求したいと思います。
  149. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 さつき愛知委員から申されました広汎な要求は尤もだと思うのですが、一体この開発銀行はいつまでに設立する政府のほうの意図であるか、それによつてこの法案審議というものをどういうふうに運営するかということが根本問題になると思います。それを先ず打合せを願いたいと思います。
  150. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) この開発銀行の構想がまとまりました以上は、私のほうとしてはできるだけ早く発足してもらいたいと思いますが、四月に法律案が通過いたしますれば、四月中旬から下旬にかけて発足せしめたいと思うのであります。その一つの理由といたしましては、見返資金から二十六年度にその他産業として予定せられておりました金額も、実質上この開発銀行に吸收せられたのでございます。それでそれらの産業におきまして資金を待つておりますので、その意味からもできるだけ早く開業させたいと考えております。
  151. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この法案が若し審議未了に終るようなことがあつた場合には、政府の対策はどうですか。これを一つ聞いて置きます。
  152. 舟山正吉

    政府委員(舟山正吉君) 是非とも御協賛を得たいと、お骨折り願いたいと存じます。
  153. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 この法案は非常に重要なる件でありまするが、本件につきましては明日是非大蔵大臣に来て頂いて、理由の御説明をして、どうしても三月一ぱいに上げなければならんなら、その趣旨のこともよく御説明つて審議の促進を図つて頂きたいと思います。
  154. 小串清一

    委員長小串清一君) その通り取計らいます。
  155. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 その大蔵大臣からそういう政治的な御説明を願うことも非常に必要ですが、同時にさつき言いましたような問題も併せて一つ詳細に御説明つて、その上で審議を更に続けたいと思いますので、その点も併せて是非要求して頂きたいと思います。
  156. 小串清一

    委員長小串清一君) 諸君の御希望の通りに計らいます。それでは本日はこれを以て……。
  157. 愛知揆一

    愛知揆一君 議事進行について……今の開発銀行法案の取扱はそれで了承いたしましたが、今関税定率法の修正案について関係方面から回答があつたようでありますが、場合によりましてはそれを御報告を願つて、私の希望としては採決をして頂きたいと思います。
  158. 小串清一

    委員長小串清一君) 今日ですか。
  159. 愛知揆一

    愛知揆一君 はい。
  160. 小串清一

    委員長小串清一君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  161. 小串清一

    委員長小串清一君) 速記を始めて……。引続きまして質疑をお願いいたします、関税定率法について。
  162. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この際政府に一点お伺いして置きたいのですが、還元乳製品の原材料がいわゆる無機分の粉と、それからいろいろの有機分と別々にして輸入されているというのが現状です。その場合、粉のほうはコンデンスミルクの三〇%を適用するのだか、或いは片一方の有機分のほうは人造バターなどと同様に三五%を適用するかというような問題になるのですが、これは全然性質が違うのですね。そういう際において、又別に飲食物として三百四十一号に、砂糖を加えないものでその他の飲食物として二五%というようなこともあるのです。一体どれを適用するかということを明確にして頂きたいと思います。
  163. 平田敬一郎

    政府委員(平田敬一郎君) お話品物につきましては、大蔵省としましては三百四十一号の二のその他二五%の適用を受けるものとしまして解釈して参りたいと存ずる次第であります。
  164. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それは、明確になればその点は了承しました。  もう一つ、パルプの件なんですが、パルプは御承知のようにたしか五%だと思いました。これが一体五%の課税をするのは適当かどうかということが、相当各方面で論議されているのですが、もう期間は過ぎちやつて、今からでは間に合わないと思うのですが、  この点についての当局の見解だけを承わつて置きたい。
  165. 平田敬一郎

    政府委員(平田敬一郎君) パルプにつきましては、御指摘のように、案を作りますまでにおきましても相当論議を重ねた品目の一つでございまして、基本的には、やはり日本のパルプ産業はまだ関税によりまして保護育成を図る必要がある、そうしましてできる限りパルプ産業の自給態勢を進めて行くということ、殊に……まあ極く最近の実情は必ずしもそうではございませんが、産業自体におきましては、日本のパルプ産業はカナダその他の世界のパルプ産業の上におきまして相当強い影響を受ける虞れ等もございますが、関税政策といたしましてはやはり保護すべきものの一つである、こういう見地に立つているわけでございます。ただ関税率といたしましては、現在のところ相当国内のパルプ産業も盛んにやつておりますし、非常に高い関税率を設けてこの際やるほどのことも必要なかろう。基本的にパルプ産業の保護という点を予想しまして、この際としてはその他の産業に及ぶ影響考えて、関税率の最低五%と、この税率で課税するのが妥当である。こういう結論に到達いたしまして、原案を作成いたしたようなわけでございます。
  166. 杉山昌作

    杉山昌作君 関税率の定率法の適用についてもう一点お伺いいたして置きたいのですが、最近アメリカから大豆の油の搾り粕が輸入されておりますが、これは満洲あたりの搾り粕のような豆板になつておりませんが、荒い粉状を呈しております。併しながらこれの用途等は豆粕と同じようなものであります。ところが実際はちよつと見たところはきれいだし、ということで、これを二百十二号の穀粉というようなことで当てはめるやの話も聞いておりますが、実際から申しますと、やはり千七百四十七号の油粕が本当かと思いますが、その点如何でございましようか。
  167. 石田正

    政府委員(石田正君) お話のありました大豆粕でございますが、これは満洲から参りますものは、何と申しますか、割合に板になつておりましたり、それからばらになつておりましても相当目の荒いものが多かつたわけであります。併し満洲から来ましたものでも、必ずしも荒いものばかりでありませんで、或る程度細かくなつたものもございます。こういうものは、従来の慣行から申しましても油粕というふうに処理しているわけであります。なお最近大豆粕が満洲方面から入りませんで、アメリカ方面から入つて来るのでありまして、この場合といたしましては、満洲から参りましたものよりも細かくなつているというふうな工合に見られるのであります。併しながらこれは小麦粉やそれから本当の大豆を引きました「きなこ」というようなものとは、見ましても大分違つておりまして、そういう点から申しまして、従来の慣行の通りこれは油粕に処理するのが適当ではないか、かように考えている次第であります。
  168. 吉田法晴

    吉田法晴君 一点だけお尋ねしたいのですが、修正に当りまして原油、重油等は関税がなくなる。そうしますと原油、重油等で外国から入りまして、そうして国内で精製しておられる、その国内で精製する施設につきましても、国内産業以外の産業が相当ある実情でありますので、国内産業としての石油採取業の整理統合と申しますか、安い外国の油に日本の国内産業が圧倒せられはせんかという心配があり、なお又精製業者にしましても殆んど外国出資の入つておりますものに譲るのではないか、こういう心配をしているわけであります。今後これは税率の問題だけでなしに、産業政策の問題として大きな問題だと思いますから、問題があとに残ると思うのでありますが、これらの将来につきまして一応この参議院の修正案が通るといたしましてどういう影響が国内産業にあるか、今の心配の点について一つお尋ねをいたして置きます。
  169. 平田敬一郎

    政府委員(平田敬一郎君) お尋ねの趣旨は、原案におきましては原油、重油に対しまして一〇%の案でございますのを、ゼロにした場合におきまして国内の採油業に対してどういう影響があるか、こういう御趣旨かと思いますが、そういう問題でございますれば、これは私ども国内の原油の保護育成を図るということは緊急であるというふうに考えまして、原案を作成いたしたような次第でございますが、ただ衆議院の修正いたしましたのは、一面におい現在の関税率はもともと定まりましたときにおきましては、重油が大体一割五分から二割の関税率であつたのでありますが、従量税でありましたために殆んどゼロに近い状態に現在なつております。併し私どもは、そういう関税率をこの際改めるのが適当であろうと考えたのでございますが、他方におきましては、漁業用の油に及ぼす影響、その他一般消費者に及ぼす影響等が考慮されまして、衆議院で無税ということで修正に相成つたのでございます。そうしまして極く最近の事情等から申しますと、運送費等が大分高くなつておりまして、国内の原油と外国の原油との間にむしろ若干外国の原油のほうが高いといつたような極く最近の事情等もございますので、かような修正に相成つたものと考えている次第でございます。政府としましては、この免税の期間は一年という限定がついておりますし、その期間におきましても若しも重要な事情の変化がありますれば、これは又改訂いたす必要があろうかと思う次第でございますけれども、基本的には将来は原油に対しましては原案通り課税して行くという方向に持つて行くべきものではないか。併し差当りといたしましては、衆議院の修正に相成りましたのも現状と比べますと大きな変更ではございませんので、先ずどうしても承服いたしかねるというところまでは申上げる必要はなかろうかと、かように考えておる次第でございます。
  170. 小串清一

    委員長小串清一君) 質疑はもうありませんか。……別段御発言がありませんから、質疑は終了したものと認めまして、これより討論に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  171. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  よつて討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  172. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 私は衆議院送付の案に対しまして修正の動議を提出いたします。  その第一は、こうりやんについてでありまして、農業の振興は、畜産の普及に待たなければなりません。畜産の普及は、飼料の供給に依存しているのであります。従つて飼料の確保は、食糧と共に経済自立の根本要件と言うべきであるのであります。こうりやんは、とうもろこしと共に極めて重要な飼料でありますが、その供給は、大部分国外からの輸入に待たなければならない現状にあるのであります。而も、輸入こうりやんの価格は、国内産のものに比して相当高価でありまして、輸入関税を設けなくても国内産業の圧迫を来たす虞れがないのであります。かかる現状におきまして、関税を課することは、徒らに飼料の価格を高騰させ、畜産業に重大な脅威を與えることとなるのであります。よつてこうりやんに対しましては、とうもろこしと同様に差当り一年間輸入税を課さないこととする必要があるのであります。  次に菜種及びからし菜の種についてであります。菜種及びからし菜の種は、国民栄養の基盤たる食用油の原料であり、その供給の大部分は、海外からの輸入に待たねばならない実情にあるのであります。従つて国内における菜種の増産に努めることは、刻下の急務であり、これがための保護政策として輸入税を課することは、当然肯定されるべきところでありますが、その輸入品の価格が国内品より甚だしく上廻つております現在、輸入税を課することは、輸入難に一層拍車をかける結果となりますばかりでなく、待ちに食用油の価格の高騰を来たし、国民生活に重大な脅威を與えることとなるのであります。よつて差当り一年間、暫定的措置として大豆及び落花生と同様輸入税を免除する必要があるのであります。  次に建染染料についてであります。建染染料工業は、終戰後GHQの熱心な指導と研究奨励金の交付或いは国家資金の融資など国の保護育成とによつて着々と改善発達を遂げまして、ここ数年にして工業化の宗成が期待されるような域に達するに至つたのであります。昭和二十六年度第一四半期の染料生産計画におきましては、建染染料の銘柄二十八品種中国産十八品種、近く国産化を予定されますものは三品種でありまして、これら品種の生産数量は、全消費量の八割に上る状況であります。若し建染染料に対する税率を一割五分に低減いたしますときは、漸く国産化完成の途上にあります建染染料工業は、外国品の脅威を受けまして、危殆に瀕する結果となることは必然であるのであります。建染染料の関税率は、「重要産業等に対して適当な保護関税を設ける」という今回の関税率の改正方針に照らしましても、定率法別表に定める通り二割五分とすべきであります。なお、建染染料以外の染料のうち国産化されていないものは百四十九品種もあり、これらのものの関税率よりも建染染料の関税率を低減する合理的な理由は認められないのであります。従いまして私は以上三品目について、お手許に配付してありますような修正案を動議として提出いたします。修正案を読み上げます。
  173. 杉山昌作

    杉山昌作君 只今の大矢委員の修正動議のほかに、更に私は衆議院から廻つて参りました案に対しまして修正の動議を提出するものであります。これは御承知のように、産業設備は今日これを更新し、その近代化を急速に図らなければ、経済の自立達成もむずかしいかと思うのであります。この産業設備の更新、近代化を実現させるために、国内において製造することの困離な外国機械類輸入税を免除し、その輸入を促進させる必要があるという意味で、修正の動議を提出するものでありますが、その修正案は次のようなものでございます。   附則第六項を第九項とし、第七項を第十項とし、第五項の次に次の三項を加える。  6 関税定準法別表輸入税表第十六類に掲げる機械類のうち左に掲げる要件をそなえるもので、政令で定めるものの輸入税は、政令の定めるところにより、昭和二十七年三月三十一日までの輸入については、これを免除する。   一 新式又は高性能の産業用機械類で、わが国において製作が困難であること。   二 わが国経済自立達成に資する産業の用に供する機械類であること。  7 前項の規定による輸入税の免除を受けた機械類輸入した者が当該機械類をその事業の用以外の用に供した場合には、政府は、その者から国税徴収の例により輸入税を追徴する。  8 第六項の場合には、関税法(明治三十二年法律第六十一号)第百一條ノ二第三項の規定を準用する。  以上であります。
  174. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私は只今大矢委員並びに杉山委員から提出されました修正案に賛成をいたします。
  175. 小串清一

    委員長小串清一君) 吉田君。
  176. 吉田法晴

    吉田法晴君 社会党といたしまして、先ほど衆議院送付の原案に対しまして修正意見が述べられたのでありますが、なおそのうちの菜種、からし菜の種につきまして、こうりやん、とうもろこし等はこれは国内産の生産量も大して言うべきものもございませんし、免税することに賛成をするのでありますが、次の菜種につきましては、これは現状においてはとにかく、今後において相当国内産の菜種等の圧迫を受ける心配等もございますし、社会党としましては賛成をいたしかねるところでありますし、なお又この五一九の一におきまして、原油、重油、及び粗油が免税せられる結果になりますと、これとの関係において二の甲及び乙を十、三十と存じますことは、国内の石油産業を今後圧迫し、或いはただ利潤を得させますのは、外国の石油を輸入いたしまして精製いたします、而も国内産業でなくて、その他の外国資本等にのみ利するというような結果に相成りまするならば、この点について問題が生ずると思いますので、修正をすべきだという意見と共に免税をすべきだという意見を持つておりますが、この問題につきます当委員会での審議に関連いたしまして、不満でございますが修正に賛成をせざるを得ない。こういう意見を述べて置きたいと思うのであります。
  177. 小串清一

    委員長小串清一君) ほかに御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  178. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。関税定率法の一部を改正する法律案について先ず大矢委員より提出されました修正案を議題に供します。この修正案に御賛成のかたの挙手をお願いいたします。    〔総員挙手〕
  179. 小串清一

    委員長小串清一君) 全会一致と認めます。よつて大矢委員の修正案は可決決定せられました。  次に杉山委員の修正案を議題といたします。この修正案に賛成のかたの挙手を願います。    〔総員挙手〕
  180. 小串清一

    委員長小串清一君) 全会一致と認めます。よつて両修正案は可決決定せられました。  次に只今採決をいたしました修正案にかかる部分を除いて、衆議院修正送付の原案全部を問題に供します。修正部分を除く原案に賛成のかたの御挙手を願います。    〔総員挙手〕
  181. 小串清一

    委員長小串清一君) 全会一致と認めます。よつてこの法律案は全会一致修正可決せられました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容については、本院規則第百四條により、あらかじめ御承認を願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  182. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に附する多数意見者の署名をお願いいたします。  多数意見者署名    山本 米治   森 八三一    山崎  恒   小林 政夫    杉山 昌作   油井賢太郎    佐多 忠隆   吉田 法晴    岡崎 真一   愛知 揆一    大矢半次郎
  183. 小串清一

    委員長小串清一君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     小串 清一君    理事            大矢半次郎君            清澤 俊英君            杉山 昌作君            木内 四郎君    委員            愛知 揆一君            岡崎 真一君            黒田 英雄君            山本 米治君            吉田 法晴君            佐多 忠隆君            野溝  勝君            松永 義雄君            小宮山常吉君            小林 政夫君            高橋龍太郎君            山崎  恒君            油井賢太郎君            森 八三一君   衆議院議員    内藤 友明君   国務大臣    通商産業大臣  横尾  龍君   政府委員    大蔵政務次官  西川甚五郎君    日本專売公社監    理官      久米 武文君    大蔵省主計局法    規課長     佐藤 一郎君    大蔵省主税局長 平田敬一郎君    大蔵省主税局税    関部長     石田  正君    大蔵省銀行局長 舟山 正吉君    通商産業政務次    官       首藤 新八君   事務局側    常任委員会專門    員       木村常次郎君    常任委員会專門    員       小田 正義君   説明員    大蔵省銀行局総    務課長     杉山知五郎君    通商産業省通商   振興局経理部長  石井由太郎君    農林省農政局植    物防疫課勤務  井上 菅次君