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1951-03-26 第10回国会 参議院 大蔵委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十六日(月曜日)    午後零時五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○旧令による共済組合等からの年金受  給者のための特別措置法の一部を改  正する法律案衆議院提出) ○農業共済保險特別会計法の一部を  改正する法律案内閣提出衆議院  送付) ○外国為替資金特別会計法案内閣提  出、衆議院送付) ○緊要物資輸入基金特別会計法案(内  閣提出、衆議院送付)   —————————————
  2. 小串清一

    委員長小串清一君) これより開会いたしますが、都合によりまして午後一時再開することにしてそれまで休憩いたします。    午後零時六分休憩    ——————————    午後二時四分開会
  3. 小串清一

    委員長小串清一君) これより第二十六回の大蔵委員会開会いたします。  先ず旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の一部を改正する法律案議題に供します。
  4. 愛知揆一

    愛知揆一君 只今議題となりました旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法につきましては、昨年の暮この法律ができましたときに、私どもといたしましては、附帶的な、決議的な意見を申上げて賛成したようなこともございますので、今回も衆議院のほうからその当時の我々の主張を法律案とされて、衆議院でこれを議決してこちらに回付せられたことについては、私どもとしても全く御同慶に堪えないところと考えておる次第でございます。その当時すでに論議は十分盡されたものでありますから、この際速かに採決をされるように希望いたしたいと思います。
  5. 小串清一

    委員長小串清一君) 別段御発言もないようでありますから、質疑は盡きたものと認めて直ちに討論に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。それでは御意見のある方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べ願います。……他に御発言もないようでございますから討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに御賛成の方の挙手を願います。    〔総員挙手
  8. 小串清一

    委員長小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四条によりまして、あらかじめ多数意見者承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案内容、本委員会における質疑応答要旨討論要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それから本院規則第七十二条によりまして、委員長議院に提出する報告書につき多数意見者署名を附することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     山崎  恒  小宮山常吉     山本 米治  黒田 英雄     吉田 法晴  油井賢太郎     小林 政夫  愛知 揆一     木内 四郎  松永 義雄     大矢半次郎  杉山 昌作     森 八三一   —————————————
  10. 小串清一

    委員長小串清一君) 次は農業共済保険特別会計法の一部を改正する法律案について質疑を開始いたします。
  11. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 農業共済保険というのは相当農村では期待を以て見ているのですが、もつと共済保險の運営を円滑にそれから又拡充強化してもらいたいという意見があるのですが、それについて簡單でいいのですが、最近の状況数字についてお知らせを願いたい。
  12. 鵜川益男

    説明員鵜川益男君) 只今隣農林委員会の方で農業委員会関係の質問が出ておりますので農政局長が直ぐ参りますが、代りまして私から申上げます。農業保險課長でございます。  只今発言のことにつきましては誠にその通りでございまして、農業災害補償制度農民個々のために、従来の農業保険法を新しい農地改革締めくくりとして発足いたしましてから丁度四年になりますが、農業改革と申しますか、この制度はそういつた意味締めくくりとしても従来の地主に代るような立場まで政府が引受けて補償をやるというような線で再発足したわけであります。従来の農業保險といたしましてやつておりましたほかに水稻、そのほかに陸稻、これにつきましては全国の県がやつておるわけではないのでありますが、水稻につきましては全国つておるわけであります。それから麦も全国でやつておるわけであります。それだけが農作物関係でございます。ほかに農業関係では蚕繭についても実施しておるわけであります。これは養蚕をやつております全国各県でやつておるわけであります。陸稻を除きましてはこれは非常に強制的と申しますか、農民であり一定の資格のあるものは必ず組合に入る。それから又組合につきましても、この組合設立の強制もできる、命令ができるというような法律の建前でございます。全国一万一千に近い町村のうち九九・何%という設立状況なつております。それからほかに家畜共済をやつておるわけでありまして、これも第七国会以後非常に全頭加入というものを決議いたしまして、これは加入の義務を生ずるというような形で進めて参つております。特に牛馬についてはこれを非常な勢いで進めておりまして、約牛馬併せて二百万頭以上の加入を見ておるわけであります。只今根本的な改善という面が非常に問題になつております。この点につきましては実は最近たびたび国会でも赤字政府段階でも出しておりまして、殆んど毎国会不足金政府段階処理の問題をお願いしておるわけでありますが、連合会段階はやはりこれは保險事業をやつておるわけであります。その上に政府特別会計が再保険仕事をやつておるわけでありますが、連合会段階保険仕事がやはり赤字出しておりまして、約二十億に近い金額赤字出したわけでありまして、農作物で約十六億それから家畜で三億というような赤字出しました次第であります。大体陸稻蚕繭はとんとんでやつておりますが、只今支払をしております水稻につきまして今までは約十一億、麦が非常にやはり赤字出したわけであります。それこれ併せまして約二十億近くの赤字連合会段階でやつておるわけであります。この原因につきましていろいろ大蔵当局と協議いたしまして一応二十三日に閣議決定が行われたわけであります。そうして最初財政措置をお願いしようということでいろいろやつて見ましたが、関係方面の了解を得ることができせんでした。  そこで融資措置をいたすということがこれが閣議決定に相成つたわけであります。その際に制度の根本的の改善をやらなければならないということで、一応制度の基本的の改善の方法をきめたわけであります。その一つは、連合会段階にも一つ基金的のものを作ろうということで、それからこういつた赤字が出ることについては掛金の率、即ち料率がなお適当でないのではないかというような点について簡單に申しますと、安全率を見るような線で今後検討を加え、丁度麦等につきましては現在非常に災害も続いたものでありますから、現在出かけております麦から相当大幅の引上げをやりたい。それから家畜については今年度から丁度料率改訂の時期でありますから目下計数整理しておる次第であります。それから水稻が問題になりましたが、これも全国一万一千に近い組合末端が本当に改訂をいたすということは非常に手続がかかりますので、事務的に二十六年産の水稻からやるわけには行かないということで、やはり特別積立という暫定措置をいたすことに特に被害の多い県においては考えた次第であります。それから損害評価、実際の損害が出たときに評価をいたすわけであります。これは現在末端の村におきまして二十名の損害評価員がおつて一筆ごとにやつておるわけであります。この問題について今後適正を計りたい、その他現在の一筆單位農家單位とすることを考えて見る。実は現在水稻等農作物は五年ごと改訂をいたすことになつておりますが、これについて、こういうふうに災害が多く赤字の出るときにはなんとかこれを五年以内でやつて見てはどうか、こういう大蔵当局意見もありましたので一つ研究して見ようと思います。それから蚕繭についての国庫負担農作物とバランスをとるように考えてはどうか、又赤字が出てくることに関連いたしまして、責任の関係について末端組合連合会、こういつたものについても更に研究をいたす、かようなことで今後の基本的な線として考えた次第でございます。
  13. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この会計は二十五億出しているのですね。これは結局いずれは実際の損害よりも相当多いだろうという予想の下に毎年今後も出すようになるのですか。
  14. 鵜川益男

    説明員鵜川益男君) 実はこの二十五億の点でございますが、これは今までにいろいろ不足の出た計数からいたしまして、又昨年あたり出ております不足金というようなものもいろいろ実績を考えまして、当初二十億となつていましたが結局二十五億ということに一応繰入の額はなつたわけであります。来年度どうなりますか、何と申しますか基金についての目標額というものはこの場合において話がつかなかつたわけであります。例えば百何十億が適当であるとか或いは七、八十億が適当であるというような議論は、予算審議の経過におきましてはいろいろ議論いたしたわけでありますが、取りあえず二十六年度において二十五億を一般会計から繰入れるということだけがきまつたわけでございます。まあこの額は大体において今年度普通のケース、最近の状況を考えますと適当な額であろうということであります。(「進行」「進行」と呼ぶ者あり)
  15. 小串清一

    委員長小串清一君) 別に御質疑もないようでありますから、質疑は盡きたものと認め、討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは討論に入ります。御意見のあるお方は賛否を明らかにして御発言願います。……別に御意見がないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。農業共済保險特別会計法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに御賛成の方の御挙手を願います。    〔総員挙手
  18. 小串清一

    委員長小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は案通り可決す原べきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容については、本院規則第百四条によりあらかじめ御承認を願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それから委員長議院に提出する報告書に附する多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     山崎  恒  松永 義雄     大矢半次郎  木内 四郎     愛知 揆一  油井賢太郎     吉田 法晴  黒田 英雄     山本 米治  杉山 昌作     森 八三一  小宮山常吉     小林 政天   —————————————
  20. 小串清一

    委員長小串清一君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  21. 小串清一

    委員長小串清一君) 速記を始めて下さい。  外国為替資金特別会計法案質疑を開始いたします。
  22. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この前ドル予算関係について大久保委員からいろいろ御説明を承わつたのですが、どうも皮肉にもその次の新聞にはもつと明細な出入りが日本産業経済に載つているのですね。この外貨関係のことについては、非常に愼重を要するようなあなたのお話があつたのですけれども新聞には堂々と載つているのですが、国会において非常に愼重にされていて一般の方ではどんどん発表されているという点を私は不審に思うのですが、あれはどういういきさつですか。
  23. 大久保太三郎

    政府委員大久保太三郎君) お尋ねの産経の記事というのはどういう記事でございましたかちよつと記憶がございませんですが。
  24. 小串清一

    委員長小串清一君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  25. 小串清一

    委員長小串清一君) 速記を開始して下さい。   —————————————
  26. 小串清一

    委員長小串清一君) これより緊要物資輸入基金特別会計法案について質疑を開始いたします。御質疑ありませんか。
  27. 木内四郎

    木内四郎君 緊要物資で予定しているものはどんなものを予定していますか。
  28. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 詳細は通産省のほうからお答えをいたしたほうがよろしいと思いますが、大体この会計の成立ちの際に考えておりましたところは、御承知のように国際割当物資というものがございまして、おのおの国際間の割当がございまして、それに基いて輸入がせられるというものがあるわけであります。そういうようなものにつきまして、こういう政府輸入をしてそれから民間の業者に渡すという仕組が必要になるのではないかというように考えております。このうちで金額から申しまして大きくなり得るのは綿花でございまするが、果してそういうようなものを扱うかどうかということにつきましては将來の問題であります。なお将来関係方面とも相談をいたしまして具体的に内容というものがきまる。最近ニツケルが入るはずでありますが、ニツケルをこの会計で取扱うことになりするかどうか疑問でありまするが、若し扱うことになりますればそれが最初のものだと思います。
  29. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 緊要物資政府でなければ輸入できないというふうに趣意書には書いてあるのですが、一体政府でなくて輸入できない緊要物資という定説ですね、これはどういうことになるのですか。
  30. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 政府でなければ輸入できないと申しまするのは、その取引の性質或いは物によりまして、こういう物は必ずしも政府でなければ、政府以外では輸入できないという意味ではございません。従いまして例えばニツケルはすべて政府でなければ扱えないという趣旨ではないのでございまして、この法律趣旨でございますようにいわゆる特需というようなものに向きまする原材料で、今申上げましたような国際割当というようなものが存する場合におきましては、その物資の流れる筋道を明らかにいたすというような意味、或いはそれ以外の一般の商業上に基きまするものと別にそういうものにいろいろな資金、或いは割当等負担がかぶらないように、その意味におきまして、物資の流れを明らかにするというような場合におきまして、政府が扱うということに相成ります。従いまして何か頭からこういうものは政府でなければ扱えないということに最初からきまつておるというわけではありませんので、今後現実にこういうような取引進行するに伴いましてきめられて参るというように御承知願いたいと思います。
  31. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今までの貿易特別会計法廃止されるのですが、この貿特の関連性はどういうことになりますか。
  32. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 貿易特別会計は三月末を以て廃止をせられるわけでありまして、先般も或いは御説明したかと思うのでありまするが、残りまする債権或いは債務一般会計におきまして引継がれるわけであります。従いまして来年度におきまして、官業及び官有財産収入の中に、この貿易特別会計廃止に伴いまして、一般会計において収入をしまするところの金が六十五億でありますが、この内訳は先般油井委員から御要求がありましてお出しをしたかと思いますが、若しお出ししてなければ今用意してございますので至急お出しをいたします。歳出の方におきましても、これは通商産業省の通商振興局予算の中に金額にしまして三十億と思いますが出ておりまして、それによりまして三月三十一日までにできましたところの債権或いは債務というものの結了をいたすということに相成ります。貿易特別会計従つて系統一般会計において整理をされるのでありまして、この会計におきましてはそういうような引継はない。ただ先般の臨時議会におきまして議決を得ました予算外契約十億の、この会計の成立を前提といたしましてできました予算外契約は、新らしい緊要物資輸入特別会計に引継がれますが、従来の貿易特別会計に属しまする仕事締めくくり一般会計においてされるということに御承知願いたいと思います。
  33. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これは関連するのですけれども公団等整理収入が二十六年度では九十一億七千二百万というのが載つておるのですが、それでこれの収入貿易特別会計によつてなされるようなことのようでしたが、その点の関連をもう一遍ちよつと御説明願いたい。
  34. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 予算説明ですか。
  35. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これは鉱工品貿易公団手持品処理する場合、その売上代価貿易特別会計に入る、こういうことになつておるのですね。ところが貿易特別会計は三月三十一日で廃止される、その後の収入公団等整理収入に入つておるのか、或いはこの緊要物資会計のほうと関連があるのか、その辺の点がどうもはつきりわからないのですが。
  36. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 先般資料を差上げたと思いますが、この九十一億という公団等整理収入予算説明の二十頁に出ております数字のうち今問題にいたしておりまする貿易特別会計残務関係は六十五億でありまして、それ以外に配炭公団それから薪炭需給が若干残つております。整理をいたしました配炭公団などでは、まだ公団清算終了の際におきまして債権として残つておるというものを引続き取立てる分、薪炭需給関係が若干あつたかと思つておりますが、そういうものが六十五億との差額でありまして、九十一億のうち六十五億は、今申上げた貿易特別会計、今お話鉱工品公団手持に属しまするものでありまして、輸入して入つて参りましたものは、おつしやいますように貿易特別会計のものであります。従いまして特別の処分収入は、この六十五億の中に入るわけであります。附加えて申上げまするが、先般昨年の何月頃でありましたか、秋頃でありましたか、司令部から覚書が出ておりまして、三月末を以ちまして公団などで整理を完了いたしません物資につきましては、これは産業復興公団において処理をしろという話がございまするので、現物の中で三月末までに処理を完了し得ないものにつきましては産業復興公団のほうに現物処理だけは委託される形になります。併しながら現実収入そのものはこの公団等整理収入の中に入る一般会計仕事であります。ただ物の処分業務自身産業復興公団に委託せられることがあり得るわけであります。予算説明のときに申上げましたように、全部三月末までに処理いたしますればそういうことになりますが、若干そういう関係のものが残るかと思います。ちよつとその点は一つ産業復興公団という新らしいものが入つて参りまして説明が若干困難かと思いますが、いずれにいたしましても六十五億はそういう鉱工品公団輸入して持つておつた、政府のために持つておりまする物の処分収入であります。
  37. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 関連して聞くのですが、石井経理部長が見えておるのでありますが関連条項を御説明願いたいのですけれども、私はこの前九十一億の今の公団整理によつて収入内訳をお伺いしたときに、結局錫や鉛が非常に安いものがあるというお話があつたのですが、丁度昨日ですか一昨日ですか、新聞に錫、鉛の処理が出ているのですね。それでこの処理値段を見ますというと大分市価とかけ離れた安い値段処理されているのです。この新聞では例えば鉛が八万円のものが三十三万円にもはね上つている、それに対して売渡価格が二十万円、三十三万円のものを二十万円で払下げをしているというよなうことなんです。こういつたようなことは相当これは世間に妙な眼で見られる原因になると思うのですが、このいきさつをできるだけ一つ御発表願いたい。
  38. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 只今お尋ねのございました錫千三百トン、鉛七千トンを保有いたして目下その処分を急いでいるわけでございまするが、取得価格は御指摘のごとく錫におきまして七十数万円、鉛におきましては八万円余りございます。この払下げにつきましては最終需要者、実際の需要者手許に渡すようにというメモが参つておりまする関係もありまするし、又現在のこれら物資需給状態から考えますれば、まさにさようせねばならないと考える関係随意契約を以て払下げをいたすつもりでございます。随意契約と相成りまするとその値段を幾許にすべきやにつきましては、もつと公正妥当な値段を設定いたしまして、不公平のないようにやらねばならんわけでございまするが、この品物は元来輸入品でございまして先ず国際相場並びに国内相場の両者から割出しまして、適正な値段を作らなければならんのでございます。鉛の値段につきましては現在市中呼値は或いは二十数万円、三十数万円というような話もあることを承わつておりますが、これは神岡鉱業その他有力な鉱山層におきまして暫く鉛の出廻りを抑えておりまして、いわば市中にありまするいわゆる呼値というものは空の値段なんでございます。然るところこの二十日に鉛の鉱山におきましても新らしい建値を発表いたしまして、二十万円で一般に売出すということをいたしておるわけであります。これらの措置が講ぜられますと、果して今まで三十万円と唱えられておりました値段がそれで受けるものやらどうやら一応考えて見ねぱなりませんし、又政府物資払下げいたします場合に、ブローカー或いは中間事業者に渡るならともかく実際の事業家に渡ります場合には、先ずこれらの鉱山層問題等放出価格をも考えまして適正な値段をきめなければならんと思いまして二十万円といたしたわけであります。錫につきましては、これは国内生産がいうに足りません関係上主として海外相場を睨んで値段をつけねばならんわけであります。錫は先頃米国の備蓄買上が抑えられまして海外相場は下落しておるようでございます。国内における呼値は二百万或いは二百何十万というような値段を唱えておりますが、これも実はいわば空値でございまして、実際の需要品物が出ました場合にこの値に追付いて来るや否やも実は捕捉しがたいのであります。現在の海外相場から逆算いたしますと、錫の値段は百五十万円程度と相成ると思うのでございます。併し百五十万円で直ちに輸入その他ができるかと申しますれば、これにも若干各国が戰略物資といたしまして割当等をいたしております関係上疑問もございますが、まずまずこの辺のところを抑えまして放出いたしましたならば、一方では事業者手許にそう無理でなく国際相場にもマッチし、同時に政府財政法の規定に基きまして適正な値段を、市価で放出することになるかと考えましてさような値段を設定しようといたしておるわけでございます。
  39. 小串清一

    委員長小串清一君) 大蔵大臣が見えておりますから如何でしようか、そうするとこの緊要物資についてはまだ御質問ありますか。
  40. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 保留いたします。
  41. 小串清一

    委員長小串清一君) それではこれは保留いたします。   —————————————
  42. 小串清一

    委員長小串清一君) 次に外国為替資金特別会計法案質疑に入ります。
  43. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 先般来この外国為替資金特別会計法のいろいろ外為委員会等お話を聞いたのですけれども、結論は五百億をインベントリー・ファイナンスとして出したというのはインフレを抑えるという大乗的な見地の問題だというふうな、まあ委員会の究極したところを御説明なつたのです。併し五百億のあの会計一般会計から繰入れることによつてそれほどインフレを阻止したり、或いは国家財政見地からいつて是非そうしなくてはならないのかという点になると我々はいささかまだ疑問があるのですが、これについて大臣としてのお考えを一応お聞かせ願いたいと思います。
  44. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) 輸出入の状況から申しまして、單にこれを日銀からの借入金等によつて賄いますことは、お話インフレ防止の点から申しまして懸念すべきいやな事柄でありますので、私は通常のやり方をとりまして一般会計より繰入れることにいたしておるのであります。経済安定並びに自立に対しましては是非ともこの施策は最小限度必要であるという信念の下に措置いたそうと思つておるのであります。
  45. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 最近の物価指数は、予算委員会或いはこの大蔵委員会等で大臣お話を承わつていると、一応昨年の春あたりから比べて余り変つていないというような話をされているのです。昨年の春と申すのは或いは違つたかも知れませんが、いわゆる昭和二十四年あたりの最高潮時代から大分物価指数が下つて、それから又改めていわゆる朝鮮事変以来の引上り方がひどかつたのですが、それが大体同じ大準に来たというのは大臣もおつしやつておられる。そうしますとインフレというものの根本問題がどの程度のものを以てインフレと称するのか、ということが根本のお考えを聞いておかないと見当がつかなくなるのですが、大臣はどういうふうにお考えになるか。
  46. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) 御質問の点がはつきり受取れないのですが、どれがインフレかどれがデフレか、これがディスインプレーかということになりますとなかなかこれは程度の問題、見方の問題、感覚の問題が入ります。併し非常にデフレ予算とかデフレ傾向になると言われますと、昭和二十五年度は二十四年度に比べますとよほど詰つている。そして三十五年の秋頃からだんだん物価が上るようになつた。而も横這いであつた通貨が昨年の十月頃から相当伸びて来て、只今状況では昨年の今頃に比べまして七、八百億円の増加になつている。そういうことに原因もあります。而して物価が世界の影響を受けて日本も上つて来る。船賃の関係で外国以上になつて来る。こういうことになつて参りますると、或る程度物価を抑制しただけでとまるものじやございません。いろいろな手を打つ必要がある。殊に輸出が相当伸びて行く、そうしてそのためには資金を相当増して行かなければならない。こういう情勢になつて来ますと油断をしているといけないという状況であるのでありまし、従いまして油断をせずにこういうインフレ対策を克明にやつて行かなければならない、こういう考えのもとに繰入をいたしているのであります。只今インフレの状態だとは申しませんが相当物価が上る傾向がある。通貨もかなり殖えて来ている、こういうことを土台にし、又将来も相当輸出が伸びる、勿論輸入も伸びて参りますが、輸出が相当伸びるということから考えまして、この程度のいわゆる何と申しますか補完作用と申しますか、バルブを設ける必要があると考えているのであります。
  47. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この特別会計法に、第四条或いは第三条等によつて一般会計から予算で五百億、それから予算の総則で以て別に借入金等五百億ということで、一千億を見ているわけですね。ところが繰越金額特別会計に約一千百億あつて、結局一般会計からの五百億を入れると一千六百億、それになお且つもう五百億の一時借入金を入れますと、二千百億に、回転資金と申しますか資金になるわけなんですが、そういう厖大な資金をこの会計だけで賄つて行くという事態が、国のいわゆる国家の運営上においての重要な使途でもあると思うのですが、この会計だけにそれほどのウエイトを置くという点が我々にとつては少し行き過ぎはしないかと思うのですが、大体五百億の借入金というものが予算総則で認められたとすれば、前の一般会計から繰入の五百億というのはなくてもいいのじやないか、こうさえ思われるのですが、その点大臣はどうお考えですか。
  48. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) 総則で認めました五百億円の借入というのは、やはり時間的に申しまして、先ず一般会計からの繰入をいたしましても、ピークその他で借入をしなければならんようなことが起るかもわからんというので一応やつているのでございます。借入金が先になるのではありません、下積みはやはり下積みになるのであります。
  49. 小串清一

    委員長小串清一君) 別段御意見がありませんが、この辺を以て質疑を終了したものと認め、直ちに討論に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議なしと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにして御発言を願います。
  51. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私はこの外国為替資金特別会計法案そのものに対しては賛成をいたすものであります。それはなぜかというと、漠然として法律では金額を現わしていない、情勢に応じて予算措置をとるということになるわけです。そういう点からすると反対すべき点はなくなつてしまうのでありますが、この運営に対しては相当政府当局においても十分なる御考慮を払われて頂きたいのであります。今年度において先ほど来申しました通り、一般会計から五百億の繰入れをこの資金に入れておりますけれども、我々といたしましては、今日本の国情から申しまして例えば地方行政の措置に対するところの大きな問題である例の百九億の不足の点というものであるとか、或いはその他税の負担の軽減という問題も出ましようし、更に又我々民主党から要求しておきました各種の予算措置というようなものもありますし、そういう点のウエイトとこの特別会計への繰入というもののウエイトを比べまして、いずれが重いかということを勘案しまするときにおいて、今回の運営のやりかたにいささか不満を持つものであります。殊にインフレ措置というのが第一の条件というふうに承わつておりますけれども、最近の日本のインフレというものは、一応まあ大臣はデイスインフレと言われましたが、昭和二十四年から二十五年にかけては大きなデフレ傾向を帶びたものであります。特需というような問題、朝鮮動乱によるところの貿易の増進というようなことによつてそのデフレがとまつて、漸く元の姿に返つた程度に現在なつているということは大臣もCPIの説明等によつて言われている。そういう点から申しますというと、今五百億もの大きな資金をインベントリー・ファイナンスとして一般会計から繰入れたという点に対して多大の我々は疑問を持つものであります。将来においてもこの運営に当つては実に重大な問題でありますから、篤と御検討をせられて十分国情に合うようなこの法案の運営の仕方をなすべきが至当でないかと思うのであります。  以上希望を付けましてこの案に賛成するものであります。
  52. 吉田法晴

    吉田法晴君 社会党といたしましては、この外国為替資金特別会計法案に反対をせざるを得ないのでありますが、これはインベントリー・ファイナンスと呼ばれますものの本質に鑑みまして、我々としてはこれを一般会計から、言換えますと国民の税金の中から支出するということについて、それが勤労者に大きな圧迫を加えるという意味において反対せざるを得ないのであります。このインフレを防止するためにとられて参りました措置は、従来二十四年度、二十五年度と一千億に上ります債務償還費でやられて参りましたのでありますが、これと全く同じ役割を果す結果になる点に私ども反対をせざるを得ない理由があるわけであります。デイスインフレ政策といわれながらインフレ政策が大資本、金融資本その他にとられまして労働者、農民或いは中小商工業者に対してはデフレ政策がとられて参つておる。同じインフレ政策の中に二つの面を持つておりますが、その犠牲の方は勤労者が負担しそうして利益の方は大資本がこれを享受する、こういう実相を持つて参つたと思うのであります。私どもといたしましては、この五百億の一般会計からの外為特別会計への繰入をとりやめて、給与を上げることが、或いは農地改良その他に繰入れることが、或いは苦しんでおります中小商工業者に資金を廻してやることのほうが先である。インフレ防止の方法につきましては、自由党さえも只今の御議論の中にありますように、他の方法を以てやるということを言われておる。すでにインフレの徴候もございますけれどもその対策が別にとり得るわけで、この一般会計からの外為特別資金への繰入という方法を以てしては、今までと同じように今までの債務償還による勤労者へ苦しみというものを押付け、そうして他方においては、大資本に貢献をいたして行くという結果に私どもは反対をせざるを得ない理由があることを明らかにして、反対の態度を表明いたしたいと思います。
  53. 小串清一

    委員長小串清一君) 別に御意見もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。よつてこれより採決に入ります。外国為替資金特別会計法案衆議院送付を原案通り可決することに御賛成の方の御挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  55. 小串清一

    委員長小串清一君) 過半数と認めます。よつて本案衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたします。  なお本会議における委員長口頭報告内容については、本院規則第百四条によつてあらかじめ御承認を願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議なしと認めます。それから委員長議院に提出する報告書に付する多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     森 八三一  山崎  恒     小宮山常吉  小林 政夫     杉山 昌作  大矢半次郎     木内 四郎  愛知 揆一     黒田 英雄  山本 米治     油井賢太郎   —————————————
  57. 小串清一

    委員長小串清一君) 次に緊要物資輸入基金特別会計法案に戻つて更に御審議を開始いたします。
  58. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 ちよつとその前に大臣が見えておるのですから、今朝の新聞に出ていた点をちよつと伺いたいと思います。実は見返資金のうちから五百億を今年度債務償還に充てるということを発表されておるようですが、あれは確定したのですか。
  59. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) そんなことは存じません。
  60. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうするとあれは單なる新聞報道とだけ受取つておいてよろしいのですか。
  61. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) どうもこの頃いろいろなことが私の知らん間に新聞に出てしまりて困るのであります。私は前から申上げましたように、今年度内において当初債務償還に当てるはずであつた見返資金の五百億円は今年度内に債務償還はしない、これはもう前々から言つておることであり、それはあのような新聞に出るということはどういうことかちよつとわからんのでありますが、どういうものか先走つて新聞に出まして人をまどわすということはありませんが、きまつてから出すのはいいが、かようなことは心外に思つております。  殊に最近こういう例が多いのでありますが、私はそれを否定するのもどうかと思いましてそのまま放つておいたのでありますが今年度内の債務償還はいたしません。来年度においてどうするかという問題は情勢によつて考えます。
  62. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今年度内というのは、ちようど二十五年度と二十六年度と明確にならないのですが、あれは二十六年度の予算の七百四十億、そこの中から五百億を債務償還するというふうな報道じやなかつたのですか。若しそうだとすれば、いわゆる二十六年度の予算の見返資金の中からは五百億は債務償還に当てるというふうになるのですか、それともそれはまだ決定しないのですか、或いはどういう方向に見返資金を使うのでありますか。
  63. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) 今年度とは二十五年度を私は言つております。二十六年度のことは言つていないのであります。二十六年度におきましてどういうふうにするかということは、一応経済再建費として七百五十億をこれに入れておるのでございます。昭和二十六年度においてどうこうするとかいうことは今はつきり申上げられませんが、私はあなたの質問が今年度、即ち昭和二十五年に債務償還する。こう新聞に載つておつたというので御質問があつたと心得ておるのでそう言つたのであります。二十六年度においてはやるかもわかりません。
  64. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これはあらかじめ承わつておきたいのですが、若し債務償還をなさるとすれば、五百億を例えば日銀の手持の公債を償還されるか、或いは市中銀行その他の一般の方に手持ちされているものを償還されるかということによつて非常な大きな影響を与えると思うのですが、大臣としてはどういうふうな御見解をもつておられますか。
  65. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) そういう問題はそのときの情勢によらなければいけないと思います。例えば今日債務償還をするという場合において、日銀の国債を潰すか市中銀行の方を潰すかということになれば、一も二もなく日銀の方を潰すことになりましよう。今後又経済界の情勢によりまして社債を相当発行されて、そうして市中銀行は国債、多額の社債をもつておる、而も社債が日銀の担保になり得る、こういう場合においてはどちらの公債を潰すかということになるとこれは問題があると思います。銀行の方では今有価証券が非常に手持が少なうございますから、今は嫌がるけれども七分とか八分とか九分の社債の発行ができて、而も金が要るということで、而も社債が日本銀行にどんどん担保で入れてくれるということになると、相当部分が国債の償還を希望する向があると想像するのであります。そういう問題はそのときどぎの情勢によらなければ、ここで私から申上げることはできかねると思うのであります。
  66. 吉田法晴

    吉田法晴君 緊要物資輸入基金特別会計法案の問題ですが、「特殊需要に応ずるため緊急に取得することを必要とする外国で生産された物資云々ということで特殊事情に応ずる緊要の物資で外国で生産されるものというのは具体的にはその内容が先ほどからよく御説明願えなかつたのでありますが、世界的に見ますならばいわゆる戰略物資その他に関連して参ると思うのですが、特定のこういう機械であるとかいつたようなことは御説明困難かと思いますが、もう少し項目的にでも具体的に御説明を頂ければお願いいたします。
  67. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) これは特殊緊要物資輸入のための回転資金でございまして、それじや特殊の緊要物資というのは何かと申しますると、具体的には今はつきり申上げられないがいろいろなものがあると思うのであります。ただ緊要物資であつても民間で十分輸入のできるようなものはあえてこれは動きませんが、民間でもむずかしい、又政府輸入のほうが適当であるというようなものにつきましては、あらかじめこういう会計を設けておいて、そうして円滑に適時適当な数量を入れようといたしておるのであります。今この品物あの品物とはつきり申し上げかねるのであります。
  68. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると今の御説明によると、例えば民間で輸入が困難だということになりますと、採算といいますか、価格といいますか、そういう点で民間で困難だというのでありますか。それとも物の性質が民間で困難であるからという点になるのでしようか。
  69. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) 物の性質と申しましても品物自体の性質でなしに、経済的に、例えば政府輸入した方が輸入し易い、こういうものでございます。今巷間伝えられるところによりますように、国際的の割当物資というものはおおむね全部ではありませんがこれで賄つて行くようになるのではないかと思います。
  70. 吉田法晴

    吉田法晴君 国際的には割当物資でありましても繊維等のごときはその中に恐らく今のところは入らんのではないかということが考えられるのでありまして、従いまして実は戰略物資にしましても、その特殊事情というのは或いは朝鮮事変その他に現在においては関連し、将来においてそれがどういうことになるかということはわかりませんけれども、実際はそういう基金の必要性があり、或いは基金を設けるについて実質的な必要が起つて来るから、基金の設定が行われると考えられますが、抽象的な御説明しか願われませんと直接戰略物資といいますか、或いは戰争物資といいますか、こういつた感じがするのでありますが、それらの点をもう少し解明願いたい。
  71. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) これは品物でどうこうということはちよつと言えないかと思います。嚴格な意味において、例えば今お話のような綿花でございましようが、コマーシヤル・ベースで内需の商事或いは普通の輸出というものは飽くまでもこれは動かないでよろしいでございましようが、特需の関係については或いは綿花につきましては、そういうことが起るかも知れないという気持を持つておるのであります。従いましてどういう品物と限定するよりもやはり特殊の用途に向け、特殊の品物という両方から考えて行つたほうがいいのじやないかと考えております。然らば今どういう品物を期待しておるかと申しますと、これもやはりはつきりいたしませんが、まあ非鉄金属特に重要なニツケル等がこれは動くのではないか、これは来年度からでございましようが、そういうものが期待し得るわけであります。
  72. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 若しこの基金によつて輸入された物資はいわゆる今後も相当相場の変動が激しいと思うのですが、その際にどういう関係を基準にして一般に払下をする予定になつておるのですか。さつきこの点を聞きたいというのは、先ほど政府手持物資払下げたときに、時の相場と大分かけ離れたような安い価格でもつて売渡されておるような点もあるのですが、将来この法案によつていわゆる輸入された物資の払下方針はどんなことになりますか、お聞かせ願いたい。
  73. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) これはなかなか厄介な問題でありますが、輸入する場合におきまして特需向きの中でもいろいろの種類のものがありますが、まああらかじめ値段をきめて輸入した値段で売渡をする、こういうように前以て予定しておるものが相当あると思います。それから又特需並びに一般商品に向けるようなものにつきましても、大体輸入価格を基準としてこれは初めから用途がきまつておるものでございますから、今までのガリオア等で鉱工品公団等で手持しておつたものとはよほど価格の調整は楽に行くと思います。併しこういつた輸入した価格で全部売払うかということになりますと、全部が全部そうというわけには行きますまいと思いますが、大体におきましては今までのような価格差のないようにいわゆる特殊緊要物資でありますが、そういう懸念は少かろうと私は考えております。
  74. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 最近貿易の趨勢はいわゆる自由貿易主義をとつておられるようでありますが、やはり政府が乗り出さなければ獲得できない物資というものは具体的に相当あるのですか。
  75. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) 只今のところではそうございませんが私は早晩国際割当物資というものが起つて来るのではないかと思います。
  76. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 若しおわかりならばちよつとさつき綿花のお話があつたようですが、綿花などは割当が相当前以て決定されてどんどん輸入されておると思います。そのほかの物件でどうしてもこの会計でやらなければならないというものを具体的に御説明を願いたい。
  77. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) 只今綿花というようなことが出ましたから言つたのでありまして、これは国際割当の中に入りますかどうか、アメリカの状況によりまして日本には百何十万梱と、こういうふうになつておりますが、私は綿花など例外的な場合に入るかもわからんということをお答えしただけであります。綿花がこれに当然入るとは思いません。ただ非鉄金属につきましては今後起つて来るのではないかと思いますが、今どの品物が、これに入るかということを申上げる資料を持つておりません。
  78. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 現内閣では経済使節団をアメリカに派遣したいというような意向もあるようですが、この経済使節団の大きな一つの目標はやはりこの基金の運営ということにも関連するのですか。
  79. 池田勇人

    ○国務大臣池田勇人君) 私は経済使節団のことは聞いておりません。
  80. 吉田法晴

    吉田法晴君 先ほどの御答弁では特殊の品物或いは特殊の用途というお言葉がございましたが、特殊の品物、特殊の用途というのは、いわば朝鮮事変との関係で特需ということがいわれますが、現在の世界的な紛争或いは暖い戰争、そういうことにも関係があるのですか。その特殊のという意味についてお聞きしたい。
  81. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 本法で特殊需要と申しておりますのは、一種の内国貿易の形、つまり普通の特別調達庁による調達ではありませんで、内国貿易の形でございます。つまり対価を支払うという形をとつて国連或いは米軍、米政府関係当局から調達されるものでございます。従いまして商品といたしましてはどういうようなものということは一応特定しておるわけではありません。こういう内国貿易の形式を以て、或いは日本管理軍司令部の調達部でありますとか、補給部でありますとか、或いは通信部でありますとか第五空軍でありますとか等から調達されるものを意味するわけであります。
  82. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうしますと、先ほど大臣の答弁のうちにも国際割当物資云々ということを言われておりますが、日米経済協力構想のうちに入ります物資はこういう基金を通じて流れる。こういう構想であるかのように考えますのですがその点は如何ですか。
  83. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) この会計の基礎になりますものは、特需の形で相当大量の物資が我が国、国民経済から吸上げられておると申しますか、供給されておる。これによつて物価関係や或いは物資需給関係に変調が起つて参ることを防ぐという狙いが一つ。それから資材につきましては、国際割当が漸次しげくなるであろうという一般的傾向から、従いまして通常の民間貿易方式ですべての資材を獲得できるということはなかなか保証しがたい。もう一つは、このような国際割当物資の獲得、それから特殊な需要への供給という二つの関係を結び付けて、特定輸入物資につきましてはその輸入しました物資国内的に、少くとも特需その他の用途に適合するがごとく使用されることを確保しなければならん。統制と申しますと言葉は強いかも知れませんがそういうような必要がある。これを若し一般的な統制等の方式を以てしますると、或いは物調法の運用その他、統制法規の運用を以てしなければなりませんのですが、政府会計でこれを輸入いたしまして、物権的に物の所有権に基いて売渡をするということをいたしますると、これらの統制規正といつたものを一般国民経済の運行に影響をしないで運用し得る。この三つの観点から、この制度特別会計として考えておるわけでございますが、只今お言葉にもありました通り日米経済協力というようなことは、これは内容はよくはわかりませんが、直ちにこの会計が動くのかというお話でございますればすぐの結び付きばありません。即ち特需の形で物資が調弁されるというような形式をふみ、更にその必要とする資材が国際割当といつたようなもので入つて来るという事実がなければ、この会計とは全然関係のないことだというふうに事務当局は考えております。
  84. 吉田法晴

    吉田法晴君 今のお言葉のうちにも統制、規正という言葉がございましたが、これは統制必至か或いは自主統制かということは一つの問題であると思いますけれども、これは大蔵大臣のほうが御答弁し易いかと思いますが、こういうものを通じて統制の今後のやり方が自主統制で行くかどうかは問題としましても、統制の第一歩がこの基金を通じて流れて参ります品物について一応、この基金を通るという形を以て実際的な統制が始まると考えるのでありますが、この統制とこの基金を通じて流れて行きます品物との関係について承わりたい。
  85. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) この会計についての考察はいろいろあると存じますが、事務局といたしましては、先ほど説明のときに申しましたように、一般的に統制の必要のないように物権的に物の所有権に基いて売渡すとか讓渡するとか、その他で物がスムースに流れるようにする意味から、統制に持つて行かないようにする手段と事務的に考えております。
  86. 小串清一

    委員長小串清一君) 別に御発言もないようでござざいますから、質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにお述べを願います。……別に御意見もありせんようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。緊要物資輸入基金特別会計法案衆議院送付の原案通り可決することに御賛成の方の挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  89. 小串清一

    委員長小串清一君) 過半数と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容については、本院規則第百四条によつてあらかじめ御承認を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないものと認めます。それから委員長議院に提出する報告書に付する多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     大矢半次郎  杉山 昌作     小林 政夫  小宮山常吉     山崎  恒  森 八三一     山本 米治  黒田 英雄     愛知 揆一  木内 四郎
  91. 小串清一

    委員長小串清一君) ちよつと速記を止めて下さい。    午後三時三十二分速記中止    ——————————    午後四時七分速記開始
  92. 小串清一

    委員長小串清一君) 速記を開始いたします。本日の大蔵委員会はこの程度を以て散会いたします。    午後四時八分散会  出席者は左の通り。    委員長     小串 清一君    理事            大矢半次郎君            杉山 昌作君            木内 四郎君    委員            愛知 揆一君            岡崎 真一君            黒田 英雄君            山本 米治君            吉田 法晴君            松永 義雄君            小宮山常吉君            小林 政夫君            高橋龍太郎君            山崎  恒君            油井賢太郎君            森 八三一君   国務大臣    大 蔵 大 臣 池田 勇人君   政府委員    外国為替管理委    員会委員   大久保太三郎君    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    大蔵省主計局法    規課長     佐藤 一郎君    大蔵省主税局長 平田敬一郎君    大蔵省主税局税    関部長     石田  正君    大蔵省銀行局長 舟山 正吉君    農林省畜産局長 山根 東明君   事務局側    常任委員会專門    員       木村常次郎君    常任委員会專門    員       小田 正義君   説明員    農林省農政局農    業保險課長   鵜川 益男君    通商産業省通商   振興局経理部長  石井由太郎