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1951-03-14 第10回国会 参議院 大蔵委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十四日(水曜日)    午後一時四十六分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○資金運用部資金法案内閣送付) ○資金運用部特別会計法案(内閣送  付) ○資金運用部資金法施行に伴う関係  法律整理に関する法律案(内閣送  付) ○保税倉庫法及び保税工場法の一部を  改正する法律案内閣送付) ○企業再建整備法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○外国為替資金特別会計法案(内閣送  付) ○国民金融公庫法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○鉱工品貿易公団損失金補てんのた  めの交付金に関する法律案(内閣送  付)   —————————————
  2. 小串清一

    委員長小串清一君) これより第二十一回の大蔵委員会を開会いたします。  先ず資金運用部資金法案資金運用部特別会計法案資金運用部資金法施行に伴う関係法律整理に関する法律案保税倉庫法及び保税工場法の一部を改正する法律案、右四案の政府提出予備審査を始めますから、先ず以て政府より提案理由の御説明を求めます。
  3. 西川甚五郎

    政府委員西川甚五郎君) 只今議題となりました資金運用部資金法案ほか三法律案提出理由を御説明申上げます。  今回政府におきましては、国の会計に属する積立金及び余裕金等政府資金及び政府に準ずるものの資金統合管理の実を挙げるため、預金部預金法を廃止し、新たに、資金運用部資金法を制定し、その統合した資金を確実且つ有利な方法運用することにより、公共の利益の増進に寄與せしめることといたしたいと存じまして、この法律案提出した次第であります。  この法律案の要旨を申し述べますと、次の通りであります。  一、郵便貯金及び郵便振替貯金のうち、常時の拂いもどし資金以外のものは、資金運用部預託すべきものとすること。  一、簡易生命保險及び郵便年金特別会計契約者貸付金を除いた政府特別会計歳入歳出決算上の剰余から生じた積立金は、すべて資金運用部預託すべきものとすること。  一、国庫余裕金は、資金運用部預託し得るものとし、米国対日援助見返資金特別会計以外の政府特別会計余裕金は、資金運用部への預託方法による以外に運用してはならないものとすること。但し、国債整理基金特別会計における国債保有を除くこと。  一、資金運用部は、他の法律又は政令によつて資金運用部預託される資金をも受け入れるものとすること。  一、資金運用部預託金は、定期預託金のみとすること。  一、預託金條件は、三月以上とし、それぞれの約定期間に応じて利率は四段階に分け、最低年三分五厘から最高年五分五厘まで五厘きざみとし、法定すること。  一、資金運用部資金運用の対象は、国、地方公共団体、国又は地方公共団体に準ずる法人及び金融債に限定することとし、特に、金融債に対する軍用については、資金運用部資金総額の三分の一、一の金融機関の発行する金融債の五割、一の金融機関の一回に発行する金融債の六割を超えてはならないこととすること。  一、資金運用部資金運用審議会を設置し、その組織及び権限について規定すること。  一、各特別会計積立金で、現に預金部預金以外の方法運用されているものについては、この法律施行の際、資金運用部にその資産を引き継ぎ、その資金は、資金運用部預託されるものとすること。但し、簡易生命保險及郵便年金特別会計積立金のうち預金部預金及び契約者貸付金となつているもの以外の運用資産は、それが償還される都度資金運用部預託金に受け入れることとし、当分の間は、同特別会計積立金に属する運用資産として保有せしめること。  一、債券收入金預金は、四月一日に全部日本勧業銀行拂いもどし、同銀行に管理させること。  一、簡易生命保險及び郵便年金の支拂は、政府が保証する旨法制化すること。以上であります。  何とぞ、御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願い申しあげます。  次に貸金運用部特別会計法案提出理由を御説明申上げます。  今回政府におきましては、政府資金統合管理目的を以ちまして、別途今国会資金運用部資金法提出いたし、御審議を願つているのでありますか、この資金運用部資金法を実施いたことになりました場合には、資金運用部資金運用に伴う歳入歳出一般会計と区分してその経理状況を明確にいたしますため、資金運用部特別会計を設けて経理することが適当と考えられますので、この法律案提出した次第であります。  その内容要点を御説明申上げますと、第一点は、この会計大蔵大臣が、管理することといたし、その歳入歳出につきましては、資金運用部資金運用利殖金一般会計からの繰入金及び附属雑收入をもつてその歳入とし、資金運用部預託金の利子、資金運用部資金運用損失金運用手数料事務取扱費繰越損失補てん金、繰替使用金償還金及び附属諸費を以てその歳出とすることといたそうとする点であります。  第二点は、資金運用部資金運用資産保全を図りますために、運用資産に価額の減損を生じた場合には、この会計決算上生じた剰余を以て償却し、それを以て償却できないときは、積立金を以て償却し、なお、償却できばいときは、これを翌年度に繰り越し整理し、一般会計から予算の定めるところにより必要な金額を繰り入れて補てんすることといたそうとする点であります。  第三点は、この会計決算剰余を生じた場合に、原則としては、その二分の一を積立て、残余を一般会計へ繰入れることといたしますが、当分の間は積立を行わずに剰余の全額を一般会計へ繰り入れることといたそうとする点であります。  第四点は、決算不足を生じた場合には、積立金から補足することとし、はお不足する金額一般会計から補足することといたしまして、第二点と併せ資金運用部資金運用資産保全に資せしめようとするものであります。  第五点は、この会計において、支拂上現金不足があるときは、資金運用部資金を繰替使用することができるようにいたそうとする点であります。  第六点は、その他予算及び決算の作成及び提出に関する手続等特別会計に必要な規定を設けることといたそうとする点であります。  以上の理由によりましてこの法律案提出いたしました次第であります。  次に資金運用部資金法施行に伴う関係法律整理に関する法律案提出理由を御説明申上げます。  今回政府におきましては、別途今国会資金運用部資金法提出いたしまして御審議を願つているのでありますが、この資金運用部資金法を実施いたすことになりました場合には、各特別会計法その他の関係法律規定整理する必要がありますので、この法律案提出した次第であります。  即ち各特別会計法公債金特別会計法ほか四法律廃止等に関する法律災害救助法国民金融公庫法総理府設置法大蔵省設置法住宅金融公庫法及び日本輸出銀行法の一部を改正して、「大蔵省預金部」とあるのは「資金運用部」に改める等所要整理を行おうとするものであります。  次に保税倉庫法及び保税工場法の一部を改正する法律案につきまして、その提出理由を御説明いたします。  今回、これらの法律案目的は、近時の保税倉庫及び保税工場運用状況に鑑みまして、これらの正規の利用を助長し、我が国貿易の発展に資せしめるため、保税倉庫法及び保税工場法の一部に所要改正をいたそうとするものであります。  改正の主要な点は次の三点であります。  先ず第一の点は、現行法によりますと私設保税倉庫庫主は、その保管貨物輸入税について一切の責任を負うことになつておりますのを、災害によつて滅失した貨物又は税関長承認を経て滅却せられた貨物については、責任を免除することとするとともに、庫主が供託する保管貨物輸入税の担保の種類を従来の金銭又は国債証券の外、税関長の確実と認める社債にまで拡張することといたしました。  第二の点は、従来、勅令規定されておりました保税倉庫及び保税工場特許手数料の徴収に関する根拠を、財政法規定趣旨に鑑み、法律規定するとともに、加工貿易振興のため特に必要があるときは、特許手数料を低減又は免除できることとして、加工貿易の助長に資することといたしました。  第三の点は、以上のような、保税倉庫及び保税工場正規の営業を助長することといたしました反面、制定以来改正を見ずに今日に至つたため、いちぢるしく他の法規に比べて均衡を失している罰則規定整備して、これらの制度に伴う違反行為の取締の確実を図ることといたしました。  以上が、本法律案提出いたしました理由であります。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛成あらんことをお願い申上げます。   —————————————
  4. 小串清一

    委員長小串清一君) 今日先議になつております企業再建整備法の一部を改正する法律案について質疑を開始いたします。  一応政府のほうから企業再建整備法の一部を改正する法律案について、これは他の案にも関係があるようですからこの内容について御説明を願います。
  5. 吉田信邦

    説明員吉田信邦君) 企業再建整備法につきましては、この整備法に該当いたします。特経会社が四千七百六十二社ございます。これらの会社につきましてそれぞれ再建整備計画を樹立させまして、そうして政府認可を得て実行に移るという経過になつております。これらの四千七百六十二社のうちで殆んどすべては認可が終りまして、現在まだ認可になつておらないのは八社に過ぎません。この意味におきまして認可は殆んど全部完了したと言つてよろしい次第でございます。  併しながらこの認可されました会社の中でその計画通り実行が完了しておらない会社がずいぶんございます。現在までのところ完了いたしましたのが三千百五十一社でございまして、未完了のものが千六百三社ございます。これはどういう原因かと申しますと、この整備計画といたしまして増資をするとか、或いは第二会社株式処分するとか、又不要になつ資産処分するとかいうことがそれぞれの計画になつておるわけでございますが、これらの事項が完結しないために実行が未了になつておる状況でございます。即ち増資につきましては全体として約五百億円余り増資計画されておつたのでございますが、このうちで七十三億円がまだ未実行でございます。会社の数といたしまして二千六百九十一社のうちで六百十五社がまだ増資実行しておりません。又第二会社を設立いたしました場合には従来の特経会社が第二会社現物出資をいたしまして、それに応ずる株式を取得し、その株式一般に分けることになつておるのでございますが、これらの第二会社株式につきましては約百八十億円でございますが、このうち百億円はまだ処分ができないで特別経理会社が持つたままになつておる次第でございます。又資産処分につきましてもまだ九百八十九社が完了しておらないというような状況でございまして、整備計画そのものは出たけれども、実行がなかなか困難だというところに問題が残つておるのでございます。これらの点につきまして、経済事情等によつてなかなか計画通り実行できないという点に帰着することはございますが、同時に又現在の状況といたしまして、特経会社としてそういつまでも細かい点にまで監督をして行く必要があるかどうかという点については非常に疑問になつて参ります。その意味で先ず資本増加につきまして、今度の商法改正に伴いまして、便法を認めようというのがこの提案の一つの要点でございます。それは御承知のように商法改正によりまして授権資本制というのが採用されることになりますが、今までの増資は現実に拂込みのある増谷でなければならないということでございましたが、この授権資本制によつて応授権資本を拡張するということになりますれば、それを以て一応増資が完今したものと見て特別経理会社を解除するというような措置を講じて行きたいということが第一点でございます。  それから第二点といたしましては、第二会社株式処分は、証券市場状況簿でなかなか困難な場合がございます。殊に重工業関係等では株価が五十円に引上つて来ない理由でなかなか処分が困難な場合が多いのでございますが、他の整備計画事項がすべて実行完了しておつて、この株式処分だけができないというような場合につきましては、やはり従来通り特別経理会社としての監督をむしろ必要としないのではなかろうかというような観点からして、この場合には特別経理会社を解除するということにいたしております。ただこの第二会社株式につきましては一会社が第二会社の株の五〇%も八〇%も支配しておるという状況余り芳しくない点でございますので、これらにつきましては、特別経理会社解除後もその議決通り行使については主務大臣監督を受けるという、従来やつて来ておる措置を残して行きたいと思つております。  次に資産処分の問題でございますが、整備計画で不要になつ資産を幾らで売却するというような計画がいろいろ載つておりますが、これも経済事情変動、物価の変動等によりまして、なかなか思わしい処分ができない場合が多うございます。でその場合には一々政府認可を得て変更申請という形の申請書を出して、その認可を得て初めて当初の計画違つた処分をするという実情でございますが、それは余りにも煩瑣に堪えない点が多いと思われます。従つて債権者代表及び会社代表から構成いたします特別管理人が全員で同意する場合には、特別経理会社から外しまして、会社の任意の処分に委ね得るようにいたしたいと思つております。  要するにそれらの増資、第二会社株式処分、それから資産処分、この三点が従来の整備計画実行上非常な支障を来しておりますので、これらについてなるべく会社の自治的な判断によつて債権者さえ不満がなければ、満足できるものなら、簡易実行を促進させて行きたいというのがこの改正の主たる狙いでございます。  なお改正商法によりますと、商法上のいろいろな諸制度、殊に資本問題等が変つて来ておりますので、再建整備法の中にこういう関係條文が非常に多うございますので、商法改正に伴う字句の改正條交整理等を行なつている次第であります。
  6. 黒田英雄

    黒田英雄君 只今の御説明でまだ認可にならないものが相当あるようですが、これなどはどういう理由認可がそんなに遅れているのか、それともその中で認可しない、不認可になるようなものもある見込みなんですかどうですか。
  7. 吉田信邦

    説明員吉田信邦君) 今未認可のものは八社でございますが、これらは例えて申しますと、会社の主体になる人がなかなか書類を出して来ないとか、或いは借金が多過ぎて、何とか存続さしたいのだけれども、なかなか計画が立たないとかというような非常に個別的な理由で、いわば書類提出できないというような状況でございます。そんなものもかなりたくさん今までもあつたのでございますが、はつきりこれはとても駄目だというものにつきましては、解散を命じたものが約二十件ほどございます。今残つておる八社は、何とかなりそうだという見込みと、とても計画も立ちそうもないという見込みが相半ばしておるというような状況で遅れ遅れになつておる次第でございます。
  8. 岡崎真一

    岡崎真一君 今までの御説明の中に、授権資本のことがあるのですけれども、これは改正商法関係があるのですが、これはいろいろ問題の泉あるのですが、商法との関係はどうなるのですか。施行の日は八月ですか、七月ですか、その点はどうなりますか。
  9. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) この法律附則の第一項に、「この法律は、商法の一部を改正する法律施行の日から施行する」というのがございまして、商法のほうが延びればこれも延びるということになります。
  10. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この企業再建整備法によつて罰則規定によつて処分されたというような例はあるのですか。あるとすればその件数、原因等についでちよつと御説明願います。
  11. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) その罰則規定の適用を受けて罰されたものはございません。
  12. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この旧会社が第二会社を独占的に支配することを防止するという條項もあるのですが、これは実際的においてこういう事例がないのですか。それとも情勢変化伴つて或る程度はまあ認めて置くというか、黙認するというようなことがあるかないか、そういう点はどうですか。
  13. 吉田信邦

    説明員吉田信邦君) その点につきましては現在までの本来の立場としましては、六カ月以内に第二会社株式は全部処分せよ、又処分するという計画で進めて来ておつたわけであります。併し御承知のような証券市場状況でございまして、株価が悪いものは何としても処分ができないということで半年ごとに延ばし延ばしで現在まで来ておるものがかなり多い。これらにつきましては一応当初は半年内に処分するという計画でございましたから、格別に何らの措置もしておらなかつたわけでございますが、そういつた長引くものが非常に出て参りましたので、昨年来この整備法規定による省令で以て、議決権行使については、主務大臣承認を受けるということを命じて参つておるわけでございます。まあ重大な問題でもございますので今回法文の上に掲げることにいたしたような次第でございます。
  14. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 資産評価とこの法律は全然関連がないのですか。
  15. 吉田信邦

    説明員吉田信邦君) 直接には関連はございませんが、再建整備認可を受けて新旧勘定合併ができるまでは再評価をしてはならないという規定が再評価法のほうにございます。併しながら先ほど申上げましたように大部分認可を完了しておりますので、大部分会社については大体現在では再評価をし得る立場にあり、再評価をするものはしておると存ずる次第でございます。
  16. 岡崎真一

    岡崎真一君 私先ほど伺いました商法とのことなんですが、資本増加の件で、これはこの附則には施行の日から施行すると書いてあるのですから、そうすると資本増加の点はこれでいいでしようが、先ほど御説明の二、三の点については折角ここで改正を企図せられても、この附則からいつてできないことになりませんか。
  17. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 仰せ通りこの法律全体が商法の一部改正法律施行の日からなされることになりますので、只今お話のように資産処分の点、或いは第二会社株式処分の点も商法施行されるまでは同時にこの法律施行されないという恰好になると思うのです。
  18. 岡崎真一

    岡崎真一君 そうするとこれを今ここで折角大体この方針で今後のことをスムースに何して行こうという趣旨ちよつと遅れるですね。これはそれでいいですか、それなら何も急いでそうやらんでも……。
  19. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 仰せ通りでございますが、ただ現在残つております会社について主たる問題は、やはり増資ができないということが一番の問題でございます。この法律の殆んど大部分改正商法に伴う條文整備でございますので、主たる点が商法改正と同時でなければできないということでありますから、止むを得ないものと思つておるのでございます。
  20. 岡崎真一

    岡崎眞君 そうすると今の大体一年か一年余り延びるだろうというようないろいろな見通しもあるのですが、そうなるとむしろ今の精神で行けば、私の伺うところはそこにあるのですが、それを離してスムースにするように考えられるほうがいいんじやないんですかな。その点はどうなんですか。
  21. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) その辺の模様が私どもまだ今まではつきりいたしておりませんので、若しも改正商法施行が非常に延びるということでありますれば、その関係のない部分だけでも又改めてそういう措置をきめることになるかと存じますが、今のところ改正商法が一応は今年の七月から施行される、という前提に立つてこの法律提案いたした次第でございます。
  22. 岡崎真一

    岡崎真一君 情勢変化によつては変えなければならん、こういうことですか。
  23. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) はあ。
  24. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 過度経済力集中排除法、この規定で以て指定された会社でまだ整備を完了していないのがあるのですか。
  25. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 只今まであの法律で指定されまして本来整備計画を出された会社で未認可になつておるのは電力会社だけであります。
  26. 小串清一

    委員長小串清一君) それではちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  27. 小串清一

    委員長小串清一君) 速記を始めて下さい。  それでは企業再建整備法の一部を改正する法律案質疑を続行いたします。  別に御意見もないようでありますから、質疑打切つて討論に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議なしと認めます。それでは討論に入ります。  別段御意見もないようでありますから、討論は終結したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議なしと認めます。それではこれより採決をいたします。  企業再建整備法の一部を政正する法律案に御賛成の諸君の挙手を願います。    〔総員挙手
  30. 小串清一

    委員長小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は成立いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容について、本院規則第百四條によりあらかじめ御承認を願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議なしと認めます。  それから委員長が議院に提出する報告書に附する多数意見者の御署名をお願いいたします。  多数意見者署名    小宮山常吉   松永 義雄    杉山 昌作   佐多 忠隆    木内 四郎   油井賢太郎    黒田 英雄   岡崎 真一    愛知 揆一   小林 政夫    大矢半次郎   —————————————
  32. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは外国為替資金特別会計法案質疑をこれより開始いたします。
  33. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 昨日私が外国為替管理委員会のほうへ要求した資料を若し今日持つて来られたら、配付を願いたいと思います。
  34. 大久保太三郎

    政府委員大久保太三郎君) 資料を用意いたしましたのですけれども、まだ印刷してお配りする用意が間に合つておりません。ただタイプだけとりあえずいたしまして持つて上りました。
  35. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 では資料は、あとからもらうといたしまして、大体今日までの、殊に昭和二十五年度に入りましてからの、ドル資金動きというものを毎月ごとに先ず御説明願いたいと思います。
  36. 大久保太三郎

    政府委員大久保太三郎君) ドル資金動きでございますが、毎月のものにつきましては準備いたしませんので、名四半期末毎のドル資金動き、これを申上げます。外国為替管理委員会勘定と総司令部勘定とを合計いたしまして米ドルの資金残高は、昭和二十四年十二月末におきまして一億八千八百万ドル、昭和二十五年の三月末に二億二千百万ドル、六月末に二億七千八百万ドル、九月末に三億五千四百万ドル、十二月末に四億六千四百万ドル、こういうふうに昭和二十五年の各四半期ごとに相当の増加を示して参りましたのですが、極く最近の昭和二十六年の二月末を申上げますと、四億三千三百万ドル、十二月末に比べまして約三千百万ドルぐらいな減少になつております。
  37. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この金額基礎は、例えば輸出の場合にあつて輸出ビルを買取つたときから算定するとか、或いは輸入の場合はLCによつてすぐ計算したか、或いは実際に契約された品物が引取られた際の数字であるとか、いろいろ段階によつて違うと思うのですが、どれを基礎にされておるか明確に願いたいと思います。
  38. 大久保太三郎

    政府委員大久保太三郎君) これは勘定残高でございまして、輸出の場合を申上げますと、こちらで輸出ビル為替銀行が買取りますと、これを外為勘定保有銀行、これに再割或いは売却いたしまして、すぐに大して期間置かずに勘定にクレジツトされるわけでございます。  それから輸入の場合におきましては、あちらでこの輸出ビルを、買取りまして、同時に勘定がデビツトされる、原則としてこういうことになつております。
  39. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうしますと、その輸入為替日本に来てから買取る、それを買取るといいますか、今の説明ちよつとよくわからないのだが、LCを発行されたときでなしに、ビルを中心として行くのですか、輸入の場合には……。
  40. 大久保太三郎

    政府委員大久保太三郎君) あちらで、こちらが発行しましたLCに引つかかつて向りの輸出ビルが振出されて、そのビルがあちらで買取られますと、すぐに勘定は落ちてしまうわけです。そうしてこちらに船積書類その他が到着する。で原則としては船積書類到着と同時にこちらで対価である円を為替委員会に納める、ユーザンスがついておりますと、なお買取り後三カ月或いは四カ月後にその対価の円が入る、そういう関係でございます。
  41. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 幸い木内委員長が見えていられますが、今までのユーザンス方式と今度方式を変えるというのですが、その変えることの利害得失ですね、それを一つこの機会に伺いたいと思います。
  42. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) 従来やつておりますユーザンス方式を今度変えて欲しいということを私日本銀行のほうに提案して今御研究中であります。その利害得失でありますが、それを御説明いたします前に、普通俗にポンド・ユーザンス及びドルユーザンスというものをちよつと御説明申上げたほうがいいかと思いますから、そのことを申上げます。  元来ユーザンスというものは、輸入者が荷物が到着してから暫くの間売捌きの期間金融をつけてやるという方式でありますが、そういうことを日本における為替銀行がなし得る基礎は誰がくれるのかと申しますと、元来外銀買取銀行である、ニユーヨークならニユーヨーク、ロンドンならロンドンの銀行、その銀行が、自分は金を拂つたが、対価を、何といいますか、リバースという言葉を使いますが、回復と申しますか、その回復を受けるのは四カ月先でもいいということに外銀がしてくれるのがユーザンスの本体であります。それは一時そういうユーザンスを使つたこともあつたのでありますが、昨年の初め、只今も答弁にもありましたように、外貨がどんどん殖える状態になりましたが、外貨が殖えるにかかわらず金を借りる必要がない。金を借りれば利息を拂わなければなりませんから、不必要な利息は拂う必要がないということに考えられましたので、一応差止めたわけです。ところが最近になりまして、ポンドは大分前から不足いたしまして、たしか一月の末項からポンドは外銀のユーザンスを使うということになつたわけであります。それに引続いて最近は輸入が非常に捗りまして、外貨は大体今申上げました通り減少態勢に入りましたし、輸入の必要のあるものはどんどんしたほうがいいと考えられておりますところから、ドルにしても短期ではありますが借金をして、その分だけ余計に輸入ができるようにしようということになつております。これがドル、ポンドを合わせました外銀ユーザンスと呼ばれて、外銀が金を貸してくれるからポンドのユーザンスが與え得るという仕組であります。そこでそれらは常道であるので、そういうことになるはずでありましたが、一時先にも申しました余計な利息を拂うまいという観点からそれをやらないということになりますと、代りのものを出さなければ困る。現在のやり方で申しますと、日本銀行が仲に立ちまして、先方ではユーザンスをくれないのですから、船積証明が来ましたときに、私どもの外貨が落ちるわけであります。落ちたときに為替銀行からその外貨を取立てる。為替銀行は外貨を持つておりませんから、円を取立てて外貨を売つた形式にして、それを始末するということをやる代りに、日本銀行に私どもは外貨を売りまして、日本銀行がその外貨を為替銀行に貸してやつて、貸した外貨を私どもに預け込んで、所要の期間にその外貨を落すという恰好にして、先方の、伺う側のほうは始末をつけまして、日本銀行はその外貨を最高四カ月まで貸しますから、その期日が来たときに、今度は輸入業者から円を取立てまして、その円で以て私どものほうの会計から外貨を為替銀行が買いまして、その買つた外貨で以つて先に日本銀行から借りたところの外貨の債務というものを返済する。こういう仕組になつておるのが現在の日銀ユーザンスと呼ぶものであります。その仕組によつて外銀から借りなとも、日銀から借りたことによつてその基礎をもらつて、その基礎の上に業者に対してユーザンスを與えるということになつておるのであります。これが現在のやり方なんであります。これは甚だ複雑でありまして、私どもが外貨を日銀に売る、日銀がそれを為替銀行に貸す、為替銀行がそれを私どもに預け入れる、預け入れたもので向うの決済をする、それが最初の三角形の取引であります。それが四カ月先になりまして、丁度その逆のようなことを三角形で行うということで、まあそういう形で行きますから非常に結構なことであつて、そういう制度を起しましたことが、幸いにして最近になつて明らかにたりましたように、輸入が相当捗つたという事実を作つた上には功績は大いに大きなものがあつたと思うのであります。  然るにそれをなぜ変更したいかと申しますのは、いろいろなことがありますが、換言して申しますれば、その三角形を二度やるということは非常に面倒な余計な手数であるのみならず、日本には外国銀行の支店もありまして、その支店が日本銀行と同じ立場で仕事をしたいという希望を持つておるのがイギリス系の銀行であります。イギリス系の銀行は、これはイギリスは為替管理が布いてありますから、イギリスの為替管理から言えば、イギリスの銀行日本における支店というものはイギリスの為替管理法から見ての外国人、日本の為替管理法から見ますと為替内国人、エクスチエンジ、レジデントという言葉ですが、従つてイギリス側にそういう関係もございまして、日本為替銀行と同じ立場で仕事をしたいという気分が強いのであります。最近はポンドのユーザンスが始まりましてから問題は非常に変りましたけれども、自分たち自身のお客さんに対して、日本側の銀行がやると同じことをしたいと思いますと、今の日銀ユーザンスシステムに彼らが乗りたいという場合が出て来るわけです。彼らも日銀ユーザンス・システムに乗つて仕事をしたいと思う場合には、今の日銀から外貨を借りますから、借りるために為替銀行は日銀に約束手形をやる、これは外貨表示であります。外貨表示の約束手形を入れるというのが今の制度でありますが、彼らはそのシステムに乗つて仕事をするためには外貨の約束手形を書かなければならないという必要に迫られる。その約手の書くということはイギリスの慣習から申しますと約束手形というものは大体破産する一歩手前に書くものであつて、めつたに書かないものである。自分の銀行が約束手形を書くということは非常に恥になる。のみならず外資関係においてイギリスの為替管理法から見れば外国人でありますから、それがポンドの債務を負うということはイギリスの為替管理法にも抵触することになるので、今の制度では彼らは乗れない。それで非常に揉めていたのです。たまたまポンド・ユーザンスを始めたりしまして、彼らからもらつております信用限度、クレジツト・ラインという言葉を使つておりますが、その信用限度を拡張する必要がありまして、その交渉は何回となくやつているのでありますが、その交渉にも支障を生じて来たというような状態でありましたこと、ほかに理由がありますが、それらのことがこのややこしい制度をやめて、そういう煩いのない普通の制度にして欲しいということを私ども考えました理由であります。  なおもう一つ申しますと、現在は、細かくなりますが、信用状発行の際に信用全額について今の外貨貸付をするのであります。それを日銀が外貨を貸付するのでありますが、そのために私どもは外貨を日銀に売らなければならないのでありますが、輸入が非常に増大した結果としまして、信用状の残高は非常に殖えて、従つて私どもは日銀に売るべき外貨に不足を来しておるという状態も目に見えて参りました。それらの事情も含めて、とにかくこれを普通のややつこしくない制度にしたいと思つたのが改革案の理由であります。  どういうふうに改革したいかと申しますと、要するに信用状を発行いたしますときに、そのためのマージン・マネーというものを積みますが、そのマージン・マネーを積むこと、及び向う側において船積書類ができまして私どもの外貨が落ちるとき、即ち外貨を所要するときに、為替銀行が自分の金で以て円を特に拂込んで外貨を買つてくれさへすれば、当り前のことなのですが、それで済むことであります。為替銀行の業務としますれば、自分の円資金を以て外貨を調達するのは当り前のことでありますから、そういう体裁に変えよう。そうすればああいう外貨貸付という三角形を二度やるという煩いはすべて除くことができます。そういうことにしようというわけなのであります。ということにいたしまして、私希望いたしましたことは、日本銀行の最低日歩でありますところの一銭四厘を以て、その外貨を買うための円資金為替銀行に貸してやることはできないでありましようかということを申しておる。それが許されるならばその点は非常に單純化いたしますので結構なことだろうと思います。大体まあ利害得失と申しますとそのくらいのことでございます。
  43. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その他現在かかつております外国為替資金特別会計のいわゆるインベントリー・ファイナンスの五百億の問題と関連するのですが、日銀ユーザンスの方式と、今度はあなたのお考えになつておられる普通のユーザンス方式と変えた場合、この資金特別会計法による五百億というものがどういう役割を果すかということを一応具体的に御説明願いたいことと、この五百億を使わなくても他に決済の方法があるかどうかという利害得失を、エキスパートであるあなたからちよつと御説明願いたいのです。
  44. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) インベントリー・ファイナンスの五百億というものは、私どもの外貨の金繰り、それに伴つて起る円の金繰りというものを想定してつけられたものであります。ところが今申しましたように、今の日銀ユーザンスというものを変えます、若しくはその前にドル・ユーザンス、ポンドのユーザンスを初め外銀のユーザンス、それらのことを始めるということは、すべてその基礎を狂わせる行為であります。従つて性質は大分変わるのであります。これは何もユーザンス問題ばかりではないので、輸出の総量、輸入の総量というものもこれを狂わすのであります。全部がそれに影響して来るわけではありますが、併し結論といたしまして、今の私が希望しておりますようなことに若しなりますならば、少くとも五〇%は信用状発行のときに私どもに円がすぐには入らない、決済のときに入るというずれが出ます。場合によりその五〇%についても多少のなお少しく更に改善する余地がありはしないかということを最近気がつきまして、一月に出しました原案を今必ずしも固執していないのでありますが、要するに私どもの円の受取りというものが非常に変つて来るということは事実であります。事実ではありますが、従つて私どもの円は不足して来る。予定に比して不足して来るということになるのでありますが、併し別途輸入を増大するためにユーザンスを使つてまで、外銀に借金をしてまで輸入をするということは、かなり当初予定していた以上の輸入量ができて来るわけなんであります。そのためから言いますと、そこに輸入量が全体として多いために入つて来る金が出て参ります。これはまあ緩和されておるような状態であります。ところがそうなつたらそれでは今度は金が余りはしないか、或いは要らなくなりはしないか、五百億は要らなくなりはしないかという議論も出て来ないわけではないのであります。ところが又これは別途考えることがありますので、輸入は、今外国貿易は幸いにして非常に増大いたしました。これはまあ値上りのためもありますが、値上りのための増加を割引しなければなりませんが、とにかく相当増大いたしましたので、この増大した取引量及び次第に日本に対して自主性が與えられるというようなことを考えますと、私どもの外貨の手持ちというものは今減りかけになつて来ましたが、多少これを殖やすほうがいいのではないか、こういうことも考えられます。これは外貨の手持ちを殖やしましても、ユーザンスを使うこと等によつて輸入のほうが、輸入依存であるという輸出円のほうも買うことは買うのだが、借金して買うのだが、手持ちとしては多少殖えるというふうに運ぶべきものと思つております。それらのこともなかなか複雑になりまして、ちよつと数字で以て私どもも出すことができないのでありますが、それらのことを勘案して見ますとやはり同じようなことになる。これは偶然と申せば偶然かも知れません。状況が変つたけれどもやはり五百億といつたインベントリー・ファイナンスがある。丁度今考えておりましたあの方式、予定を是非あの通り運んで頂きたいと考えております。
  45. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今のお話のうち、前の日銀ユーザンスの方式であればLC発行のとき一〇〇%を、いわゆるあなたのほうへ資金が入るにかかわらず今度はマージン・マネーとして五〇%しか入らない。併しこれは五〇%と限らなければならないわけですか。それはもつとパーセンテージを上げるということはできないのですか。そこの点です。
  46. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) それでできないことはございません。又それを一応立替えて置くとか、現金で即時に取るとか、そこらの点もいろいろやり方はあると思います。それらの点は如何にすれば一番合理的な状態に近くなつて、且つ外銀とこれはぐるになつて、外銀側と日本銀行とが協同して仕事をする。そういう協同操作をしてできるだけ円滑に上手にしようというようなことを目安にして考えたいと思います。同時に私どもの円資金の効力ということもゆるがせにできませんので、與えられたインベントリー・ファイナンス五百億、借入金の五百億というものの範囲で処理できないようなやり方はとらないつもりでございますが、およそ希望するようなやり方をとつてその中で処理できだろう、こういう見当をつけておるのであります。
  47. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この今度の新らしい特別会計、この前の外国為替特別会計から繰越されるのが約一千百億かと思いましたが、それとも今度の今のお話のように五百億のインベントリー・ファイナンスとそれから五百億の借入金と合して二千億限度になるのですが、それは前の繰越しの一千百億程度ではどうしても賄い切れないという何かそこに原因があるか、それともそれだけでも賄う方法があるかという点はどうでしよう、
  48. 大久保太三郎

    政府委員大久保太三郎君) 二十六年度の外国為替資金特別会計の予定貸借対照表、これはお手許にお上げ申上げてあると存じますが、これは二十六年度末にこの資金特別会計のバランス・シートがどうなるかということの予想を示しましたものでございます。その中に資本金として掲げましたのが千六百六十二億千六百万円というものがございますが、これは一方借方のほうで御覽願いますように、そのうち円といたしましては、円貨の預け金といたしましては六十六億でございます。ですから大体においてこの資本金というのはこの二十六年度末におきましては外貨で持つ、つまり資産といたしましてはここに借方に掲げましたように外貨の預け金、先ほど申上げました外為勘定のドル、ポンドの預け金、これでございます。  それからもう一つは交互計算債権、これは借方のほうの交互計算債務と見合いになるものでございますが、これはオープン・アカウントの貸越しになつておるのが借方、それから拂い越になつておりますのが貸方、これを差引きまして若干の貸し越しになるわけでございます。只今申上げましたように、資本金といたしましては千六百六十二億ございますけれども、大部分がもう外貨でございます。円の資本といたしましては年度末に六十六億円しかない。そういう状態になるわけであります。
  49. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そこで二十六年度末の外貨の手持を約三分の二にすれば、今の見返りになるところの資本というものは、五百億増大させなくてもバランスが合うようになるわけなんですね。それは期末ですが、その期末に行く途中の間の変化というものは相当あると思いますけれども、その途中の変化はいわゆる五百億というものを入れないでも行ない得る方法があつて、それはどんな方法で行くかということを先ず御説明願いたいと思います。
  50. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) さつき私申上げましたように、いろいろべースは変つて来たけれども、結局のところあの五百億を頂いて丁度いいように考えて申しましたが、頂いて丁度いいというのは少し言葉が足りなかつたので、頂かないと困るだろうと思います。と申しますのはドルのユーザンスを始めますれば、一応それで金が整備できる。五〇%は積んでおりますが、五〇%は余り勘定だと申しましても、五〇%はなければならんし、又それを繰廻して行くためにはそうきちきちではなりませんし、こちらの銀行の数も多いのですが、あちらの銀行の数も多いし、ポンドとドルの関係もありますし、いろいろな関係で相当余裕を持つていなければならん。なかなか五〇%きちきちではいけない。殊に信用度を高めて行くためには八〇%、九〇%の金を持つていなければならない。ドル資金は要するに日本の対外取引の終極的のリザーブでありますから、そういう意味で多少遊んだ金もなければならん。全部マージン・マネーに使つて行くということはできないというようなことを考え合せますと、さつきもちよつと申しましたように、貿易量増大の結果として四億ドルというようなものでは少し足りない。五億以上欲しいということは考えられます。この間も或る席で、実はそれは五億でも少し少いではないかというアメリカ人側の感想ですね、見方というものの披瀝されているような次第でありまして、五億数千万というものは是非欲しいと思います。そうしますと、私さつきちよつと失礼しましたが、二十六年度末の数字を二十五年度末と思つたものですから一千百億がわからなかつたのですが、これですと丁度五億をちよつと越すバランスが持てるような関係になつております。その辺のところが丁度いいのではないか。若しこれを切つたならば意外な困難を来して、折角のドル・ユーザンスも思うように使えないということになりはしないかと思います。
  51. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そこでこの前の補正予算のときにもインベントリー百億を一般会計から入れることについて論議があつたわけですが、その当時大蔵大臣といたしまして、初めはこういうインベントリー・ファイナンスということは考えてなかつたらしいというようなことを質問した議員もあつたのです。大蔵大臣はいやそんなことはないというふうに言われておりましたけれども、管理委員会のほうは二つの考えがおありになつたのですか。それとも初めからもうどうしてもこういう方式でなくちやいかんというふうに決定的にお考えになられたのですか
  52. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) その点はおつしやる通り二つの考えがございました。と申しますのは、今の仕組は私どもの管理委員会が外貨を保有しております。これは政府政府の所有物として保有しておるのでありますが、もう一つの考えかたは、中央銀行保有するという考えかたであります。従つて別個の理由から外国為替管理委員会がこれを保有するとしましても、その保有する資金というものは、保有のための円資金というものは日本銀行から随時自由に借入れることができると仮定しますれば、それは中央銀行が持つという考えかたと政府が持つ考えかたの丁度その中間を行くようなものであつて、それでもいいのではないか。インベントリー・ファイナンスは言うまでもなく何と申しますか、例えば出超があつた場合にそれがインフレになつては困るという考えもそのうちの一つだと思います。そういう考えかたがあるならば、その出超のエフェクトというものを調和するのは中央銀行の別個の部面でやつてもいい、その他いろいろ方法がありますが、或いは他の手段によつてこれをやつてもいい、そうすれば、他の手段に訴えることができるならば、私どもの必要な円資金というものは中央銀行から制限付き若しくは無制限に借りることにしてもよかろということを考えておりました時代もございました。
  53. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 次にちよつと話題を別にしまして、外銀とそれから日本の付替銀行との取引に対するところの操作の比率は最近どの程度ですか。
  54. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) これはちよつとお答えがむずかしいのでありまして、外銀の支店というものと日本側の為替銀行というものが国内には併立しておりますが、外銀はドルのお得意だけをやつておる。日本為替銀行はここに来ておる外銀にお世話にならずにやつておるという状態にはないのでありまして、大体ここに来ておる外国為替銀行を通じて仕事をしておるのです。ですから日本側の為替銀行の取扱つたビジネスは向うに取引先というものがありますから、向うと直接にやるということもないではないのですが、種々の点からそれは意外にも遺憾なことには甚だ少くて、こちらに来ておる銀行を通してやることが非常に多い。従つて結論的に申せば、ここに来ておる外国銀行日本銀行を助ける存在として来ておるので、競争相手としてその範囲内では来ておるのではないという、そういう状態におります。従つて日本側の銀行の取扱つておるものは、一応非常に大きな部分日本に支店を持つておる外銀を通じて行われておるというような実情であります。若しその部分を除いてしまつても、外銀が日本においてその自己の固有のお得意、これは外人商社が多いのですが、その外人商社のごときものと取引をしておる分と日本側の為替銀行がやつておる金額を比較しますならば、これは日本側の為替銀行がやつておるものが圧倒的に多い。比率はちよつと私覚えませんが、圧倒的に多いのです。
  55. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そこで話題を、これはあなたのほうでは御回答はどうかと思うのですが、日本銀行が以前のように海外に支店を持つて、外銀の世話にならなくてもやつて行けるような状態にまでにはまだ参つておらないのですか。それとも若し日本為替銀行が外国に支店があれば、外銀のお世話にならなくてもやつて行けるということになるのですか。
  56. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) それでは、まだその事態が来ることは相当遠いのではないかと思います。
  57. 松永義雄

    ○松永義雄君 今度の法案及び提案理由を見ますと、外貨の売買もできるということになつておるのですが、どの程度に売買できるのですか。如何なる場合においてもできるのですか。
  58. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) 為替管理委員会が外貨の売買をするということは、相手方は限られているのです。為替銀行若しくは外国銀行に限られておりますが、金額については制限はございません。
  59. 松永義雄

    ○松永義雄君 この頃無為替の貿易が行われているというのですが、そういうことは事実はあるのですか、ありましたらその状態を……。
  60. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) 無為替の貿易というものは例外でありまして、一一許可を要するということになつております。多少ございます。多少ございますが、そう大きなものはないと思つております。
  61. 松永義雄

    ○松永義雄君 その許可は大蔵省がなさるのですか。どこがなさるのですか。
  62. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) 許可官庁は通産省でやつて、これは例外というので為替管理委員会の同意を要するということになつております。
  63. 松永義雄

    ○松永義雄君 その状態のお話を願えましようか。
  64. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) 私どもの委員会は非常に多忙でありまして、委員が四人おるのでありまして、大体分担をきめてやつております。私そのほうは自分で見ないものですのではつきり存じませんが、若しなんでありましたら、担当委員に出席させましてお答えいたします。   —————————————
  65. 小串清一

    委員長小串清一君) ちよつと一時休みましてこの際去る十日に質疑が終了しております国民金融公庫法の一部を改正する法律案について討論採決を行いたいと思います。
  66. 松永義雄

    ○松永義雄君 預金部の関係者……。
  67. 小串清一

    委員長小串清一君) 佐藤さんがおります。
  68. 松永義雄

    ○松永義雄君 それでは一点お尋ねいたしたいのですが、急にこう言われたので、條文を見なければならんのですが、今度預金部が金融債券を引受けるという規定がございます。それに対して国民金融公庫は今度出ました法律案によつて、預金部に引受けてもらう金融債券は、発行する権限をきめているという方向になつておるかという点……。
  69. 佐藤一郎

    政府委員(佐藤一郎君) 国民金融金庫につきましては、只今のところそういう規定はございません。
  70. 小串清一

    委員長小串清一君) いいですか。
  71. 松永義雄

    ○松永義雄君 それでいいです。
  72. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは別に御発言がないようでありますから、本案の討論に入ろうと思います。別段御発言もないようでありますから討論に入ります。
  73. 松永義雄

    ○松永義雄君 私は社会党としまして本案について賛成をするものであります。ただ希望といたしましてこのたびの改正案によつて果して実際の需要額に達するか、需要額を満たし得るかどうかについては疑わしいものがあるのであります。それは実際の需要額は二百億円ぐらいに達するであろうと思うのです。現在の国民金融公庫の組織を以てして、即ち事務所の現在の数を以てしてでは、実際の需要者があつてもそれに接触するだけの力を持つておらない。若し今の事務所が、今度の法案によつてできる事務所の数を殖やしてみたところで、実際の需要者に接するだけの能力を持たない、全国的に見まして小企業者と申しますか、それ以下の階級のかたがたの需要金額の量は、相当量に達するのでありまして、現在の法案の改正案だけではそれを満たすに足りないということは、数字の上ではつきり言い得るのであります。従つて我々としましては、少なくともこの需要を満たすだけの金額としまして、は、百五十億円ぐらいまでにはそれは上ぼして行かなければならんと思うのであります。ただきめないよりかきめたほうがいいという意味で、私は只今の議題になつております本案に賛成するものでございます。本案の通過によつて、決して私は満足するものではない、その意味において本案に賛成し、希望を付するものでございます。
  74. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 国民民主党といたしまして、この法案に賛成をするものであります。併しながら質疑応答中にいろいろ伺いますというと、最近の回収の方法がよろしいというか、或いは貸出の際の資格審査等がよかつたというか、非常に回收率がよろしいのです。その反面におきましては、借りるほうから言えば、非常にまあ借入れ條件がむずかしいということも一面言われるのであります。而も先ほど松永委員からもお話がありましたように、希望者がやはり何倍というふうな数に上つておるのでありまして、到底このような金額で以てしては要望に応ずるということはできないのが実情であります。従つて成るべく広範囲に亘つて要望するところのものを受入れるような態勢を整えるために、できるだけ政府におきましても、この資金のもう一段増強、或いは設置個所の増加ということを計画されることを、将来において希望いたしまして賛成するものであります。
  75. 小串清一

    委員長小串清一君) ほかに御意見がおありにならんようでありますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。本案に御賛成のかたがたの挙手を願います。    〔総員挙手
  77. 小串清一

    委員長小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決せられました。  なお本会議における委員長口頭報告内容については、本院規則第百四際により、あらかじめ御承認を願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議ないと認めます。  それから委員長が議院に提出する報告書に付する多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名    愛知 揆一   小宮山常吉    松永 義雄   杉山 昌作    小林 政夫   大矢半次郎    黒田 英雄   清澤 俊英    油井賢太郎   九鬼紋十郎   —————————————
  79. 小串清一

    委員長小串清一君) 先刻来御審議を願つております外国為替資金特別会計法案を引続いて質疑を継続いたします。
  80. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 更に二、三点伺いたいのですが、最近の新聞を見ますと、アメリカの金の価格が大分闇価格が高騰しておるということが出ておるんですね。それでアメリカの金がどんどん海外に流出されるということが出ておるんですが、あの事実を以てしますというと、日本がドルを蓄積しておるということは、将来ドルの切下げというようなことが若しあつたとするならば、大変な損失じやないかと思うんですが、フランスあたりでは大分政府がアメリカあたりから金をどんどん買取つておるというので、為替関係でなしに金を以ていわゆる外国為替の経理の基本とするような傾向を示しておるようですが、そういう点は木内さんあたり御検討なすつておりますか、どうですか。
  81. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) 近頃はアメリカの金は大分流出するようでありますし、殊に諸所方々において闇相場がございます。それは相当高いものであるということは一つの注目すべき事実だと思います。思いますが、これはおおむね個人が何か第三次大戰であるとかその他のことに備えて貯めているということを原因とするものだと解釈しております。国家がそのリザーブであるところのものを金にするという意味では余りないのではないかと思います。日本の場合といたしますと、これを金に換えて取る、而もそれは金価格の変更ということを考えての措置でそういうことをするということは、先ず日本の場合にはしないほうがいい、たとえそれができることでありましても、しないほうがいいと私は解釈しております。
  82. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その次に最近のOSS関係の物資が非常に街に氾濫しておつて、先ほど話がありましたが、いわゆる無為替輸入の裏付けみたいなことになつておるのですが、これに対しましては外国為替管理の方面から見てもつと明朗にするような方策はないのですか。
  83. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) OSS物資のみならずスペツシヤリ・テイ・シヨツプというものがありまして、それがいろいろなものを輸入することが許されております。これは無為替輸入というわけにはいかないので、予算には組まないが、彼らは外貨を持つているためにそれで輸入するわけであります。そういうシステムがありまして、それが私どもの頭痛の種であります。その物資があのように世間に氾濫するということは、言うまでもなくそこに不正が行われておる証拠でありまして、大変に遺憾に思うのですが、これを直すことに頭をしぼつておりますけれども、なかなか名案がありませんで、目下研究中でありますが、その事実は確かにありますし、これは遺憾なことだと思つて、何とかしたいと思つております。それについて一つ申上げて置きたいことは、例のコンヴアーテイブル円、交換性を持つた円という勘定を作りまして、それで以て或る種の人々がそういう物資を買うことを許されておるのでありますが、その制度に結局拔道が多いということがこういうことが行われる理由の最大なるものだと思います。あの制度を作りますときにいろいろ議論がありましたのですが、今の日本といたしまして日本国内に進駐軍がおりまして、それがMPCと称する軍票、それを以て彼らは生活をする、これは所定の場所で以て買うためのものでありますが、それを利用しますといろいろなことが行える。そこに斧鉞が加えられないような立場にあるということがこの問題を非常にむずかしくするゆえんである、いろいろ苦心しておりますが、目下討議中と御了解願いたいと思います。
  84. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 推定で結構ですが、一年間どのぐらいのドルに上るものですか。
  85. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) 遺憾ながらそのはつきりした推定を持たないのです。尤もOSS物資、SS、スペツシヤリテイ・シヨツプといつても、いろいろ範囲がありまして、例えばたばこです。たばこだけでもなかなか厖大なものになつております。次に大きなのは砂糖だと思いますが、それらも随分多い。或る種の推定が個々にはあると思いますけれども、全体に推定をしたことはないだろうと思います。或いは通産のほうのその部局を担当しているかたが私よりは知識をお持ちかと思いますが、これよりほかに私は持ち合わしておりません。
  86. 小串清一

    委員長小串清一君) 御質問ありませんか。
  87. 小林政夫

    ○小林政夫君 外資導入の状態についてちよつとお話を願います。
  88. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) 外資導入は、私は外国為替委員会を代表いたしまして外資委員会の委員の一人でありますが、その資格を以てお答えすることになるだろうと思いますが、実はその御質問がありまするのでしたら、外資委員会で作りました昨年中の業績報告というものが最近出まして、私の机上にあるのでございますが、それを持つて来なかつたのは非常に残念でありますが、概見して私うろ覚えに覚えているところを申上げますと、相当の件数の外資、一口に外資導入と申しましても、いろいろなことがありまして、外資委員会の許可事項になつておるものに、例えば土地を買う、住宅を買うといつたようなものも一応はその許可事項になつております。それらのものは外資導入と一応考えたい、事業のために入つて来るものというふうに考えまして、而も外人が日本へ来てみずから事業を起すというものは除きまして、その意味で外国銀行の支店が日本にあるのも一種の外資導入だというふうに考えられる。それは航空会社あり、保險会社ありでたくさんあるのですが、それらのものを除いてしまつて日本で今やつておる仕事に対して向うからの援助が来るのだけを外資と考えますと、一番多いのは技術援助であります。この技術援助は、数字を申さんほうがいいかと思いますが、外資委員会が許可いたしまして司令部の許可も全部取つたというものが、昨年末に九件、外資委員会だけ通つて司令部がまだだというのが四十四件、審議中のものも相当ありまして、全体の件数がかなり多いのであります。技術導入としてはかなりのものが約束された。それが一体金にしてどのくらいな価値があるものかということを判定したいと思いまして、こういう作業をしてもらつたのであります。それは技術を導入します大体普通の形式が、売上げの三%であるとか、五%であるとかいうものを拂つて行く、ロイヤリテイーとして拂つて行く。技術援助の対価として拂つて行くというのが多い形式であります。それを初年度でなくて、二、三年先を考えて、それを標準年度と考える。そうすると、一件ごとに標準年度でいくら拂うのだということにしまして数字を取りましたところが、例えば昨年末ですか、一応の計算によると、四百何十万ドルという数字が出たと思います。ロイヤリテイーとしてそれだけ拂う。ということは、四百万ドル一年に拂うということは、仮に五分の金利で以て金を借りたとすると、八千万ドル借りますと、丁度四百万ドルの金利負担になる。五分の金利で八千万ドル借りたと等しい援助をもらつたと見て見られないことはない。これは一つの目安として或る種の価値のある見方だと思いまして、その計算をしようではないかということをしまして、多分昨年末で締切りましたのが、さつき最近もらつて机上にあると申しましたレポートに書いてあると思います。その後殖えたと思いますから、或いは五百万ドル、そうすると若し五分の金利とするならば、一億ドルに等しいものが入つた、技術援助として入つたと言えば言える。そんなような状況であります。それに附随しまして事業参加として株を買つたのもありますし、多少の金を貸したのもあるかと思います。それらはまだ微々たるものでありまして、大体は技術援助の対価を拂つた、技術援助を受けてその対価を支拂つたという形式が一番多いのであります。大体そんなような状況であります。
  89. 小林政夫

    ○小林政夫君 物の面で来る事例はないんですか、技術でなしに機械とか……。
  90. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) それもないことはございません。例えば石油ですと、原油をもらつて、その対価として工場の敷地を提供しようといつたようなのもありますし、そのほかのものもありますが、これはその後余りに多くは伸びないようであります。物をもらつてというのは、技術提携の場合に機械をもらう、それも借金の形として残つて行くというのも少しあつたかと思いますが、大した金額はないと思います。その表を持つて来るとよかつたのですが、今持つておりません。   —————————————
  91. 小串清一

    委員長小串清一君) 本案についての質疑はこの程度にとどめまして、これから鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案、これについて質疑を開始いたしたいと思います。
  92. 松永義雄

    ○松永義雄君 議事進行について。かねて請求しておいた検察庁に関する書類、至急御提出を進めて頂きたい。
  93. 小串清一

    委員長小串清一君) まだ検察庁から参つていないそうであります。なお催促いたしましようか。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  94. 小串清一

    委員長小串清一君) 速記を始めて下さい。  御質疑はありませんか。
  95. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 資料について先ず伺いたいのですが、資料の2の3にあります輸入物資が二月一日現在でまだ二十三億六千二百万円残つていますが、これはどういつたようなものですか。
  96. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 現在残つておりまする輸入物資は、錫約十二億、鉛約六億、そのほかタンニン材料でございまするとか、或いはガタパルチヤーと申しまして、これは海底電線の被覆に使いまする特殊な物資でございまするが、そのようなもの、若干の薬品類、そのようなものを合せまして二十三億余の在庫がニ月一日現在で残つております。
  97. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 なかなか貴重な物資がたくさん残つておるのですが、これはもうすでに処分する金額と申しますか、価格というものは大体予定されておるのですか。それとも只今では闇の値段等が非常に高いのですけれども、そういうものと睨合せて、マル公の改訂とかそういうものがあつた際に処理されることになるのですか。
  98. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 在庫の処理につきましては、すべて時価をもつて処分いたすことにいたしております。大よその物資はマル公は外れておるわけでございますが、なお二、三の物資につきましてはマル公のあるものもあります。併しながらこの廃止或いは改訂というものが真近かであるという場合には努めてこれを避けまして、公正に改訂マル公或いはマル公の外れました後の入札制によつて販売することにしております。
  99. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 錫とか鉛などの価格は時価の価格で以つて表示されておるわけなんですか。
  100. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) これは輸入当時の取得価格、帳簿価格でございます。
  101. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうしますと、これはどの程度の価格で時価なら処分される予定になりますか。
  102. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 入札にいたすかもわかりませんので、予定価格の発表のような形に相成るわけでございますが、現在錫、鉛等は司令部から凍結のような形になつておりまして、最終需要者に入札せよということになりますので、恐らくは随意契約にもつて行くように相成るかと思います。その価格りつきましては目下検討いたしておりますが、国際価格といたしましては、錫のごときはニユーヨーク、シンガポール等の建値があるわけでありますが、これらも参照し、又国内におけるそれぞれの山乃至取引市場の価格等も勘案いたしまして、財政法第八條に触れないようにという見地と同時に、できるだけ輸入品の損失を少くするという見地からいたすことになつております。
  103. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 二十三億という残高、これが時価で以つて若し処分されるとすれば今度政府で出された十七億見当の損失金くらいは浮いてしまうんじやないのですかな。
  104. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) この輸入品の価格の差増、差減と申しましたのは、貿易特別会計それ自身の損失或いは利益となるわけでありますが、独立の法人であります公団の利益には相成らないのであります。従いまして公団におきまして輸出品を安く拂い下げまして起りました損失でありますとか、或いは売掛金の回收不能によつて生じます損、こういつたものをこれでカバーいたすというわけには参らないわけであります。
  105. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の最初のほうがよくどうもわからないのでありますが、この会計は帳簿価格で以て売渡してその損失というものは他の会計に移るとこういうわけなんですか。
  106. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) この帳簿組織といたしましては貿易公団の保有しておりまする資材、物品というものと貿易公団が預つておるものとの二つになつておりまして、輸入品のほうは保管品の預り品として整理いたしたのであります。従いましてそれの利益が出ましても、それを公団側といたしましても自己の利益を見るわけにいかん、こうなつておるのであります。
  107. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それは公団でどこから預つておるのですか
  108. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) バランス・シート上では輸入保管品、保管品という勘定を借方に立てまして、保管品見返りといたしまして、その等額をあげておるという形になつておりますので、若し十億円のものが十五億円に売れるということがございますれば、当然保管品の見返りの金額をそれだけ殖やすということになりまして、公団は通り拔けであるわけでございます。なおその差益は貿易特別会計それ自身の利益になつている。こういうことになるわけでございます。
  109. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それで伺つて置きたいのですが、こういうあれですか輸入品等は貿易特別会計でいわゆる売買を一切するんですか。
  110. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 公団はその管理差配をいたしておるわけでございまして、価格の決定、売渡先の決定等は、すべて貿易特別会計それ自身が公団を指団をして実務を行なつておるわけでございます。
  111. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それはこの鉱工品貿易公団ではいつでもそういうふうに初めからしていたわけですか。それともそういうのもあると、こういうわけですか。
  112. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) これは鉱工品貿易公団のみならず、繊維貿易公団におきましても、輸入品につきましてはすべてこれは国直接の所有でございまして、公団はこれを保管しておるだけである。従つて国の出納命令に従つてこれを出納し、契約し、代金の徴収等を行う。こういうことに相成つてつたわけでございまして、これは公団発足以来変らない建前でございます。
  113. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 もう貿易特別会計というのは予算も組んでないんですね。今度は……。
  114. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 貿易特別会計は、二十六年度は予算が組んでございません。特別会計として組んでございませんで、一般会計の通商産業省所管の部に貿易会計整理費という支出費目と、歳入といたしましては公団等の整理收入という二つの点で組んでおるわけでございます。
  115. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 続いてお尋ねいたしますが、その貿易特別会計がないので、一般会計のほうで整理されると言つておりますが、その一般会計のほうでは当然只今あなたが説明されたような数量のものの売上代金の利益というものは計上されることになると思うのでありますが、それは予算にはどのくらい載つておるのでありますか。
  116. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 本年度内に全部処分を完了いたすという見通しを以て一般会計歳入として組んでおります。従いまして物で持越すということは予定いたさなかつたのであります。若干の変動は実際においては起つて来るかも知れませんが、利益という数字を挙げるのではございませんで、全部の金額を挙げた、つまり十億のものが出て債権として四月、五月に入つて参りますのは、その金額歳入に見込んである、こう御了承願います。
  117. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 まだ値段のつまりきまつてないものの差益はどれくらい公団としての一般会計に繰入れるのですか。
  118. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 公団等の整理收入といたしまして、歳入見込みましたものは繊維公団から入つて参ります約二十八億余の剰余金でございます。それから鉱工品公団から入つで参りまする貸付金の返済十六億余、それから売上げ、鉱工品公団で債権として年度を越すであろうと見込みました売上收入、つまり十七億余と、それから輸出品の対価がドルとして入りますもの約三億と見込みました金額、しめて六十五億余が公団整理收入として見込まれております。
  119. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 ちよつと今のあれではわかりませんが、昭和二十六年度予算説明では……。
  120. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 二十六年度一般会計予算の第十ページに通商産業省所管の公団等整理收入として六十五億二千九百万円計上してございます。同時にこれの細目は、ちよつと今数字を整理しております。
  121. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この件は私どものほうでももう少し検討して、この次の機会に質問いたすことにいたしたいと思います。  次にこの公団職員によるところの損失というようなものですね。これはよく新聞なんかに出た問題だつたのですが、或いは、この委員会でもう御説明済みなら重ねて聞きませんけれども、若しまだこの委員会として説明されてないのなら、どういうわけでこういつたようなことができたか、あらましで結構ですが……。
  122. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 鉱工品貿易公団におきまして、鉱産部その他二、三の部におきまして、職員が不心得を働きまして、国庫金を流用した、或いは公団の所有金を流用いたしまして、これが最近回收不能に陷つておるということの事態につきましては、誠に申訳ないと存ずるのでありますが、その概要は配付いたしてございます資料の十二の一乃至十二の三、四、五の表に詳しく書いてございますが、ここに挙げました事案は公団の事件におきましては、早船某以下数名の職員が、公団に拂込まれました金、或いは公団から支拂うべき金を自己のほしいままに或いは取得し、或いは引かき廻してこれを浮貸しいたしておつたという事案なんでございます。本件は関係者が手を触れました総金額三億五千二百万円余の大きな金額に上つたのでございますが、二億四千八百万円余は事件発覚までの間に返済をしたしております。発覚当時一億四百万円の損害があつたのでございますが、その後犯人等の持つておりまする財産を差押え、或いは預金等の残高のありましたのを返済させ、更に浮貸先から回收いたすという等の措置を講じまして、二十六年の一月末現在までに約一千万円の金額を返済いたしております。九千四百万円の金額が現在国庫の被害となつておるわけでございますが、目下これに対しましては刑事上の訴訟並びに民事上の訴訟をいたして、犯人並びにその浮貸先から追及をいたしております。なお浮貸先等の中には、担保を出すとか、或いは返済の手形を書くとかいうようなことをいたしておるのもございまして、極力これを追及いたすつもりでございます。ただ公団は九月三十日を以て清算を結了いたすことになつておりますので、それまでには全部これが返るということは予定いたされませんので、九月までに返ると見込まれまする四千百万円を除きました五千二百万円は一応解散時におきまして、清算結了時におきまして回收不能になることに相成るわけでございます。これは公団が貿易特別会計から借入れました金で整理をいたしておりますので、この損失を補填いたしてやりませんと、貿易特別会計からの借入金が返済できない。従つて清算の事務が結了できないということになりますので、この金額を損失補填の金額に一応切換えたわけでございます。勿論公団が解散いたしましたあとには、或いは犯人に対する債権、このようなものは国家の直接債権に相成りまするので、この債権に対しまして回收に努める考えでございます。  農水産部事件と申しますのも大体同様な事件でございまして、燐鉱石等の代金を横領いたした事件でございます。物資処理事件と申しますものも大体同様な事件でございます。横浜支部事件と申しますのは約百万円の金額を拐帶逃亡した事件でございまして、これらの職員に対する監督に非常に遺憾な点があつたということは我々も深く自省いたしておるところでございまして、公団の総裁、その他関係者につきましては深くその監督上の責任を責めておる次第でございます。被害の種類その他細かいことにつきましては、資料を以て大体明らかにしてあるつもりでございますので、それによつて御覽願いたいと思います。
  123. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私はこの委員会では詳しく内部をどうのこうのという問題よりも、被害を蒙つた金の回收方法が一番の問題だと思うのです。まあその他の問題については他の委員会で当然やるべきことだと思うのですが、まあ大ざつぱに見ましても、発覚当時の被害は、例えば早船事件は一億円にも上つておる。その一億というのは使われたのじやなくして運用されたとすれば、これは相当利益を上げていたものと推定されるのですが、それにもかかわらず回收不能がなお五千万円以上もあるというのがどうも腑に落ちないのです。その点は、どうでしようか。
  124. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 実は現在まででは九千四百万円の被害額が割れまして八千万円台に台割れをいたしておるわけでございますが、浮貸し先も最近経済的に活動できるというようになりましたところでは、これを任意返済いたしております。この大きな金額資料の十二の四というのにございまして、大きいもの、小さいものがございますが、なかんずく大きなのは協和銀行の引受けております為替手形の問題がございます。これにつきましては為替手形訴訟を行いまして、九月までには少くとも第一審の判決は得られまして、仮執行その他ができる段階まで行けるだろうという見通しで、四千万円余が回收できるだろうという表になつておるわけでございます。残りの金額につきましても浮貸しその他を鋭意追及いたしまして回收する所存でございます。ただ相当時間を要しまして九月末までにすつかり完了というところまでにはなかなか行きかねるというように考えられますので、一応損失補填金額に計上することをお願いしたわけであります。
  125. 松永義雄

    ○松永義雄君 只今今後回收見込額四千万円、それは九月までに見通しがついておるというのですが、その理由、事情を一つお話願いたいと思います。
  126. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 四千万円の回收の予定のうち……、四千万円は相手が銀行でございますので、これとすつたもんだやらなければならんわけでございますが、訴訟も現在相当のスピードを以て進行いたしております。現在までの調子では少くとも第一審では九月になる前に結論が出るという見通しを持つておるわけでございます。第一審では勿論勝つもりでおりますので、この金額を掲げておるわけでございます。残りの金額はそれぞれの浮貸先、或いは犯人などから支拂い契約をいたさしておりますので、その線に沿うての見積り額を掲げたものでございます。
  127. 松永義雄

    ○松永義雄君 それだけではどうもはつきりわからないので、銀行との関係というのは実はどういうことなんですか、ちよつとお聞きしたい。
  128. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 犯人らが浮貸をいたしました先から、銀行の引受けております為替手形を担保として公団が取得いたしておるのでございます。そこでそれの実行を、支拂いを求めておるわけでございまして、任意支拂に応じませんので、これを訴訟を以て争う、こういう関係でございますので、裁判の判決がありますれば、それぞれの判決において執行できる、こう存じておるわけであります。
  129. 松永義雄

    ○松永義雄君 よくわかりました。そういうことだと、銀行がこちらの主張のように真に引受けているとすれば、すぐ支拂わなければならんわけですが、それに対して銀行がごたごたしておるというのは、どういう理由ですか。
  130. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) その点は現在訴訟でございまして、いろいろなことを申しておるのでございますので、あまり訴訟の内容に立入るほどのことは申上げたくないと思うのでございますが、或いは手形が権限のないものによつて判を押されておるとか、或いはその手形に特約がついておるとか、つまり支拂期日が来ましても整理しないという特約がついておつたとかいうようなことを申しておるようでございます。
  131. 松永義雄

    ○松永義雄君 その銀行の名前を今おつしやつたようですが、何という銀行ですか。
  132. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 株式会社協和銀行でございます。
  133. 松永義雄

    ○松永義雄君 少し專門的になるのですが、答弁書が出ておるわけですから、その答弁書の提出を求めます。
  134. 小串清一

    委員長小串清一君) 答弁書の提出を求めるということですが……。
  135. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 答弁書と申しますと、何の答弁書でございましようか。
  136. 松永義雄

    ○松永義雄君 銀行のほうの側から恐らく答弁書というものが出ておると思いますが、若し出ておらなければ、それは調書に載つておるわけですから、ぞの調書の写しというものが提出できる、これは確実に提出できます。是非提出を願いたい。
  137. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) これは訴訟上の書類でございますので、まだ調書もできておらないらしいのでございますが、先方の弁護士とも相談いたしまして、取寄せられ、且つ提出できるものでありますれば、提出いたします。
  138. 小宮山常吉

    小宮山常吉君 公団の事件は社会に非常な問題になつたのでありますから、はつきりしたものをいろいろもつと国会提出して頂きたい。我々やはり一般に聞かれたときにもいろいろの話の出るようなはつきりしたものを出して頂きたいと思います。特に在庫は、今お話を聞きますれば、公団のものでないものが多い、在庫なんかも帳簿価格、今日の価格だというと相当な相異があるので、これが公団のものとして売りますれば、僅かな十何億の補填だが、その公団の売上げでできるではないかというようなことも業者から話があつたのであります。こういうものははつきりしたものを出してもらいたいといういろいろな声もありましたので、只今こちらから言つた通りいろいろ聞いてはつきりしたものを出して頂きたい。
  139. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) この事件につきましては、お言葉の通り非常に社会に対する影響力も問題でございまするし、我々といたしましても、できるだけ事実をはつきりいたしまして、お叱りを蒙るべきところはお叱りを蒙むるし、又下に咎めるべきものは咎めておるという状況でございますが、大体の資料は相当浩翰なものを用意いたしまして、先ほど御要求もございましたので提出してあるわけでございます。大体のものは盡しておると思うのでございますが、御要求によりましてはできるだけの資料提出いたします。
  140. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 大体御質問もあつたようでありますが、この売買損益金というものですね、これはやはり手持の品物を売拂つたその際の損益であるか、大体そうであろうと思うのですが、売買損益金というか、多額のそういうものが、どういうわけでこういう損益が出たのかということをお伺いすると同時に、その売り方が、拂下げでもする際の方法がいろいろとられたかも知れませんが、そのうちで大体標準的にとつておられた方法をお聞かせ願いたいと思うのです。
  141. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) お話の通り公団の損失補填の大きな部門を占めておりますものは、輸出品のいわゆる滯貨が国内に安く処分されたということによる損失でございます。公団は二十二年の四月発足以来約四百億円余の品物、四百二十億円ばかりのものを輸出用として扱つたわけであります。うち三百六十億余を輸出いたしまして、六十億余のものが滯貨として残つたわけでございます。これを処分いたしましたものが、四十五億程度でございまして、差引十五億ばかりの赤字を生じたというのが、大体の実相なのでございます。公団が四百余億の品物を買入れました状況、並びにその輸出状況は、これも資料を以てお配りしてありまする通りでございますが、大体当時は輸出に使いまするものは先ず資材が凍結されておつた。勝手に輸出の生産に着手するわけには行かない。本来から申しますと、外国からそれぞれの註文なり、又司令部の特別の命令がありまして、生産に着手し、先方から確実にこの代価が拂える、契約が実行し得るという確証を握つてから製造に着手して参れば、こういう間違いはなかつたと思うのでありますが、それでは、消費に間に合わない。そこで政府計画による生産、いわゆる見込生産というものが相当量行われたわけでございます。勿論見込生産なり、計画生産なりをいたすにつきましては、当時の状況上誠に不十分ではございましたけれども、できるだけ海外の市況を捉え、又従来の取引先等をも辿りまして、的確な註文を、情勢を把握することに努めたのでございますが、これが往々にして見当外れである、曾ては売れたのでございますが、五年余のブランクの時代にすつかり時期が遅れてしまつたということもたくさんありました。  又立派な註文が来ておるのでございますが、当時参つておりましたハイヤーは余り素姓のよろしくないものもございまして、これが一方的にキヤンセルして参つた。そのキヤンセルして参つた分に対しまして、こちらから損害賠償の請求をいたすことが十分に参らない。勿論中にはキャンセルによりまして、取つてありました保証金を沒收したというものもたくさんございますが、全部についてこれを行い得ないような日本の国際的地位であつた。  それから三番目にはそのような関係のほかに、だんだんにマーケツトが下つて参りまして、殊に一本レートが設定されますと、従来の非常に割高につきましたものでは、相当値引をしないことには輸出もできないというような関係もあつたわけでございます。これが輸出滯貨を生じた主な原因でございますが、然らば仕入が高過ぎたのではないかという問題になるわけでございますが、これは当時公マルがございまして、法律百七十一号という不正支拂防止法に基いて非常に細かく計算して、当時の時価で出しておつたのでございまして、この点につきましては会計検査院その他から嚴重なる審査を受けておるのでございますので、買上げそれ自身は適切なものだと思うのでございます。  第四の理由は先ず滯貨になりましたものの国内拂下が非常に悪かつたのではないか、安く放出したので起つた問題ではないかというのでございますが、これにつきましては非常に困りました問題が二、三あるのでございます。第一にこれを放出いたしました時期にはすでに経済情勢が大分変つて参りまして、物価はどんどん下つておるという情勢一般的にありましたのでございます。例えば機械類等のごときは、輸出するときには非常に高かつたのでございますが、輸出が不能になつたために、非常に安く売らなければならん、売らなければならん理由は同一品が国内で安く生産されるように合理化その他が進んで参つたのでございまして、こういう点から相当に損をしなければ売り捌けない。更にもともと鉱工品公団関係輸出品は一本レートになります前に、四百円から六百円、甚だしきは九百二、三十円くらいまでの交換率で買上げられておつたものもあるのであります。これが三百六十円レート一本で輸出しておるものと競争で国内で売られるわけでございますから、相当の欠損が公団に肯負い込みになつてつたということもあるのでございます。更に終戦直後の製造でございました関係上、資材不足その他による品質上の粗悪も相当ございました。文物によりましては、どうしても国内に市場のないものもあるわけでございます。犬の首輪でございますとか、問題になりました釣竿でございますとか、クリスマスの電球でございますとかいうものは、如何ように売り捌こうといたしましても、これは売り捌けないのでございまして、買上値段に比べて二定三文で拂下げられたという状況でございます。この点につきましては衆議院におきましても非常に怪訝ではないかというのでいろいろ御指摘があつたのでございますが、サツカリンのごときは国内の市場を見付けるのに骨が折れるということでございまして我々といたしましては、入札その他の方法によつてできるだけ広く市場を求めまして売り捌いたのでございますが、結局相当の大幅な損失を出したという状況でございます。
  142. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 只今鉱工品貿易公団の損失を生じた原因をお伺いしたのですが、これは第一は政府の政策にも非常に原因があるのですが、結局そのために二十五年度の補正予算ですね、外為のほうへ百億円のインベントリー・ファイナンスもせざるを得ない大きな原因になつておるのです。あれが貿易特別会計へちやんと入つて来れば、インベントリー・ファイナンス百億やらなくて済んだことになつてつたのです。只今のお話伺いますと、これは非常に大きな政策上から来た一つの損失だと思うのです。それでお伺いしたいのですが、この損失が生じた場合、責任の所在はどこにあるのですか、責任の所在です。
  143. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 責任の所在と申しまする点は、先ほど御説明申上げましたように、先ず計画生産、見込生産をいたすことについて発註をいたした公団は……、政府がこれはいたしたわけでございます。これは貿易等臨時措置令が当時ございまして、政府自身がそういう全部の国家貿易をやつてつたわけでございますから、これをやり得たわけでございます。これに基きまして当時の市況を判断し、或いは需要を捉えまして或いは価格を変えるというようなことをいたして、計画生産、見込生産等をいたしたわけでございます。でありますからこれは政府責任があるわけでございます。従いまして全然売れないことがわかつておるのにもかかわらず、発註をいたして作らしておる。それが案の定滞貨になつてしまつたということでありますれば、それは発註いたしたものの責任でございますが、その点につきましては我々会計検査院からそれぞれの審判を受けておるわけでございます。発註をいたしましたものを公団が買上げたのが、非常に高かつたということでございますれば、これ又会計検査院の追究を受けるところでございまして、それぞれの担当者、或いは政府機関が責任を追究されておるわけでございます。滞貨になつた間の管理の状況が悪かつたということでございますれば、これは又他の物品関係についての一般会計検査によつて会計検査院から我々追究されておるわけでございます。更にこれを国内に売る場合に財政法規、会計法規に違反して特に安く売佛つたというようなことになると、これは国の損失を招くというような関係になりますれば、それによつて責任を追究される、こういう関係になるわけでございまして、それらの個々の責任が、一つ一つの責任が全部適正であるというにもかかわらず、なお損失が生ずるということでありますれば、これはいわゆる合法的な行為によつて損失を生じたということになるだろうと思うのであります。
  144. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 大体それでわかりましたが、この損失を生ぜしめた一番大きな基本的な原因は見込生産ですね。そこにあつた、それであの当時、稻垣さんですか、通産大臣は……、あの頃とにかく輸出を非常に殖やさなければいけないというので、あの点については国会でも非常に問題になつたのです。いわゆる盲貿易と盲生産、こういうことをしてはいけないということを、非常に国会でも野党側から強く衝かれたわけなんです。それから貿易政策についても、ポンドが三割切下げられた、ポンドが三割切上げられたので、その影響で売れなくなつたことも一つの原因です。中共政権ができたということも一つの原因ではありましようが、このポンド切下げ、これも大きな原因です。当時野党側では、我々としては、政府がああいう政策をとつていたのでは、即ち盲貿易、はつきりした註文がないのに一応予想して、盲生産をやつていたのでは、これは危険であるということを何回も国会でも問題になつたのです。それからポンド切下げに対応する政策としては、やはり為替の調節ということも問題にされたわけなんです。それは政府がそういうことについては、政府の方針通りつて、批判を受入れずにやつて来たのだから、政府責任です。それで今伺いますと、直接の責任は、見込生産のための発註を行なつたのは通産省である、通産省では誰がこの責任をとられたのですか。
  145. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 通産省の責任と申しますのは、例えばクリスマスの電球を調弁する、国家が調弁したわけでありますが、調弁について資料を出したところのものは通産省であるというところの責任でございます。これらは政府の調弁行為の前提段階の行為でありまして、会計検査院からそれぞれ追究を受けておるわけでございます。若しそれに責任にもとるようなことがございますれば、会計検査院のほうの定めるところによつて、それぞれの処分を受けておるということになるわけでございますが、現在までのところ、我々が発註し、或いは見込生産、計画生産をしていたということにつきましては、当時の情勢上止むを得なかつたところという判断をいたしておるわけでありまして、まだ具体的にこれあるが故に懲戒その他の処分を受けておるものはございません。
  146. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 私は直接の担当者、そういう人には答弁を求めるのは、これは無理だと思います。問題は、政治的な責任の問題になりますから、ここであなたに御質問しても仕方がないのです。これは大臣に、又政府にこれはその責任を我々は追究しなければ、そういう政策の間違いによつて生じた損失を国民に簡単に転嫁させることはできないと思うのです。  それからもう一つお伺いいたしたいのは、先ほどお話がありましたが、いわゆる浮貸等によつて生じた損失、九月までに整理して、その残りあと五千何百万円ですか、この金額は九月を過ぎれば、九月以後に回収、或いは整理しようとしても、九月以後になりますので、一応ここで損失として計上して置いて、その以後においても、今度は国の債権、そういう形になつて国が飽くまでもこれを回収に努める、こういうお話があつたのでありますが、その見込、それを具体的に聞きませんと、もう損失になることがはつきりして、五千何百万円も国民が負担しなければならないということがわかつているが、一応そういう形にしないとまずいから……。そういうので我々から見ると、非常に責任逃れのためにそういうような形にしたのではないかと、一応我々はそういうように考えて、そうして五千何百万円の回収の見込は具体的にどうなのか、こういうことをはつきり我々は知つて置きませんと、国民に負担させるのですから、そういうところをはつきりお伺いして置きたいのです、具体的に……。
  147. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) お言葉にございます内閣としての政治的責任というお話でございましたが、これは資料の七の二を木村委員よく御覧願いたいと思うのです。保有物資約四百億余りのものを輸出いたしまして、今度起つて参りまする損失は、全体から見れば三%五なのでございます。見込生産をやる、或いは計画生産をやるということをいたしますれば、この中に若干の損が出て参る、或いは利益が出て参るということは、これは商売といたしまして考えましても、まあ止むを得ないところでございまして、一面におきましては、繊維のごとく三十億に近い利益を出しておる。又この会計が一部輸出補助金的な意味を持たせておつたのだということも併せ考えられまして、我々は会計検査院その他の審決があるものだと考えておりますので、この点は私どもに答弁を要求なさつたのではないと思いますが、御参考のために申上げて置きたいと思います。  それから浮貸先その他からの回収は、一応九月までに回収不能だから、その回収できるものを除きました額は損としてという問題でございますが、これはそれぞれこれも参考資料にございますが、浮貸先とまだどんどん折衝いたしておるものでございます。或いは年賦佛、月賦佛、その他の措置をそれぞれ講ずる目途がついておりまして、四千余万円というものは年内に、九月までに入つて参る、爾余のものは飽くまでも国家の損失といたしまして、債権といたしましてこれを取立てなければならん取立てる方法といたしましては、結論的に申上げますれば、破産というようなところまで行かなければ、我々といたしましては回収する義務が免除されないわけでございまして、その点まで追究いたす考えでございます。この回収につきましては、定期貸或いは据置貸といつたような制度を併せ用いまして、どこまでも追究いたして参りたい。結局浮貸先等が更に適法に債務を免がれることができるようになるまでは、どこまでも追究しなければならんような関係になつております。
  148. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 もう一つお伺いしたいのですが、進駐軍の放出物資ですね、あのほうには損失は出ておらないのですか。
  149. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 進駐軍の放出物資という意味でございますが、これは御質問の趣旨が、進駐軍の放出物資というのはいろいろございまして、援助で参つておるガリオア資金、イロア資金で参るもの、これについては援助物資等処理特別会計で処理いたしておるのでございますが、現在のところ、そう巨大な損失はない見込みでございます。一時非常に大きく損失が見込まれた時代もあつたのでございますが、現在のところで我々の聞いておる範囲では、余り多くの損失は出ない。いわゆる大体とんとんというように聞いております。又拂下物資と申しまして、港頭等にありまする廃品、それに近いものというものを拂下げるわけでございますが、これは最近韓国事変等によりまして一部を返還いたしております。返還いたしてその代価をもらつておるわけでございまして、これからも差損が出るという事実は、今のところありません。
  150. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 大体わかりましたが、前の国会で、外為のほうの百億のインベントリー・ファイナンスをやらざるを得なくなつ原因について、大蔵省の主計局のほうから、結局まあ貿易特別会計の損失が多くなつたため、そうして外為のほうへ繰入れざるを得なくなつたその原因として、今の放出というのですか、進駐軍の放出物資、それがあの当時、金額でやはり我々に示されたのですが、それは解消した、こういうふうに了解してよろしいのですか。
  151. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 二十五年度補正予算におきまして、一般会計から外国為替特別会計に百億の繰入れを行いました理由につきましては、先般の補正予算の機会に御説明申上げたのであります。木村委員御指摘のように、当初におきましては五百億程度の貿易会計におきまする余裕金がある。実は予備を見まして六百億、それで外国為替の特別会計に繰入れをいたす、従つて一般会計としては、いわゆるインベントリー・フアイナンスに当りまする繰入れは要らない。こういうことを申上げておつたのであります。ところが実行上、この前の追加予算の機会に申上げましたように、大体二百六十億円程度の余裕に相成る、従つて二百六十億しかもらわないからと申しまするが、それ以外のいろいろなフアクターもあるわけでありますが、五百億が二百六十億に減りましたことが、一つの百億を入れまする理由であつたことも、これは事実であります。ただ五百億が二百六十億に減りました理由につきましては、その当時たしか資料を以て御説明申上げたかと思つておりますが、それは今御指摘のような資産の価格が安く売れたという問題じやないのでありまして、その主たる理由は、御承知のように二十四年の十一月の末を以ちまして、一本レートを作つたわけです。従いまして、貿易会計におきましては、こういう前提でものを考えた。即ち一本レートが作られまする前と後で、どういう違いがあるかと申しますると、レート設定の後におきましては、政府貿易といえども、外国為替の売買を外国為替資金のほうとの間にいたすわけでありますが、レートのできまする前、従つて為替の売買をいたしまする前におきましては、政府貿易というのは、輸入がぽかつと入つて参りまして、その売上げがその会計に溜るという仕組であります。レートができましてからは、輸入が行われますと、貿易会計としましては、輸入為替を外為から買いまして、それだけの損失が立ちまして、それの見合いとしまして物が入つて来る。それを売つて現金の収入に相成る。従いまして貿易会計に生じまする剰余金の見方は、レート設定前におきまして、どの程度の輸入があるということの見込にかかる。今正確な数字は記憶はないのでありますが、五百億が二百六十億に減りました主たる理由は、御承知のように二十四年の十一月頃まで非常に輸入貿易の状況が悪かつた。従いましてその当時考えましたような輸入ができませんで、若干十月あたりから輸入が殖えている、十一月、十二月頃からだんだん殖えておる、従いまして代価を支拂うことなくしてこの貿易会計が取得するというふうに考えられましたところの輸入が減少いたしました。そのために剰余金が減つたということが、これが余裕金が減りました主たる理由であります。
  152. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それは、百億のインベントリー・ファイナンスをやらざるを得なくなつたという主たる理由としての御説明でございますか。
  153. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 五百億が二百六十億に減りました理由は、私の記憶しますところでは、殆んどそれが大部分理由である。それ以外におきまして御承知のように、昨年の上半期におきましては、物の売れまするのが相当市場の情勢が悪うございますから、当時におきまして若干売れ方の悪かつたものもございます。併しながら御承知のように、その後におきまして状況がよくなりましたから、今正確な数は記憶しておりませんが、大体の違いは、今申上げた十一月初旬におけるところの輸入が少かつたということになつております。
  154. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それでは前に我々説明を聞いたときと違うのです。それは速記に残つておりますから、御覧になればわかるのです。やはり約六百億、これが二百六十億に減つたことは減つても、まだインベントリー・ファイナンスをやらなくても済んだと思うのです。その上にそういういろいろな損失ですか、そういうものがあつたから……、若しかその損失がなければ、インベントリー・ファイナンスをやらなくてもよかつたろうと、こういうあのとき河野主計局長の説明つたのですよ。ですから私はさつき、進駐軍のほうの拂下げというのですか、放出というのですか、あのほうの損失も若干これこれあり、それから情勢が変つて安く売つたために、いわゆる輸出滞貨ですか、輸出滞貨を安く売つたために生じた損失がこれこれ七十億とか、そういう御説明があつたのですよ。そういうことに承知しておつたのですが、只今の御説明ですと、非常に御説明が違うので、それで今念のためにお伺いしたのですが、それは食い違いはないかも知れませんが、主たる理由という今のお話もありましたので、河野さんの前の主計局長の説明と違うので、それで我我としては、これが何も責任をどうこうというのじやないので、事実をはつきり知つて置きたいために御質問しているわけなんでして、それで今石原次長の言われることが、これが正確なんですか。
  155. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 詳しくは数字を以ちましてお答え申上げたらいいと思いますが、さつき申し遅れておりますことが一つございます。それを申上げます。それは先ほど通産省から申上げましたように、来年度の一般会計予算において六十五億の収入を見込んでおります。それは処分が遅れ、入金が遅れる関係、その関係のために六十五億というのを来年度の予算に見込んでおるのでございます。二十五年当時におきましては、インベントリー・ファイナンスを全部処分をいたし、その代価が全部入るという予想で、六百億というのを見たのであります。その関係で六十億ほど繰越しに相成つておるのでございす。そのおのおのがどういう割合かということにつきましては、数字を以て申上げたらいいと思いますから、それで御覧願いたいと思います。
  156. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この際資料を要求して置きたいのですが、先ほど政府委員からの御説明の中で、貿易特別会計のいわゆる整理は、公団等整理収入というところに入つている、それは九十一億七千二百七十九万八千円となつているのですけれども、その内訳は手持商品の数量とか、それから帳簿価格の単価とか、そういうのと、あとできましたら時価を入れて、これを処分したらばどういうふうになるということを併せて資料を出して頂きたいと思います。
  157. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 只今のあれは、貿易公団だけの分の御要求でございましようか。それとも全部の公団についてのお話でございましようか、お伺いいたします。
  158. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 大蔵当局のほうから、これは全体を一つ御調査を願つて出して頂きたいと思います。
  159. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 作りますでございますが、ちよつとおつしやつた数字が私はわかりませんのですが、実は歳入に見ております公団等の整理収入は六十五億二千九百万円、予算書の十頁にございます。この六十五億の分ですね。
  160. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私が言うのは、二十六年度の予算説明の十九頁のいわゆる官業及び官有財産収入の一番最後のほうにあります公団等整理収入、二十一頁の上の左のほうです。
  161. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 ちよつと主計局次長がおられますから、この問題について関係がないのですが、資料の点でちよつとお願いしたいのですが、我々に提出されました財政法二十八條ですか、あれに基く国庫の収支計算がありますね。あれはあれで正確なんですか。
  162. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) あとでちよつとそれを拝見いたしまして……。
  163. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 只今の木村委員のお話は、予算の参考書類といたしまして、二十八條に基く書類の中の、昭和二十五年度の収支の見込が、最近のあれから考えて、あれでもいいか、こういうお尋ねと拝聴いたしましたのですが、実は私どもいろいろ検討いたしておりますが、その後相当数字に入りくりが出ました。それであの書類を作成いたしました当時におきましては、まああの程度の数字がほぼ正確を得ておるだろうということで、御参考までに御覧を頂いたのでありまするが、その後いろいろやはり事情の変化がございまして、あの数字は信憑力が薄うございますから、そのつもりでお取扱い頂きたいと思います。
  164. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 何かうんと正確というのじやなくてもいいのですが、あれでは相当違つて来ておるようですから、大体我々の参考にして差支えない程度の数字に直して、正誤表みたいでかまわないのですが、そういう数字を御提出願えますか。
  165. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 歳入にいたしましても、歳出にいたしましても、実は特に歳出の面は、関係各省といろいろ協力いたしまして、あの数字のチエツクを今やつておりますが、率直に申上げまして、関係各省では余りどうも費用の見込が立たん。我々のほうで見てみると、どうもそんなものではない、例年の例に徴すれば、もう少し出るのじやないかということを、政府部内におきまして相互に検討を重ねて、なかなか意見の到達を見ないというような点が相当ございますので、実は財政法の命ずるところに従いましてあの数字を申上げたわけでありますが、更にあれを見直してもう少しこれより正確度が高しというものを御所望の時期にお手許に差上げられるかどうか、ちよつと只今のところ確答しかねますが、御要望の趣旨に副うようにできるだけいたすつもりでございます。
  166. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それは私個人はそれでいいのですが、あれは紙に印刷してみんな国会議員に配付しておるのです。それに対してあれでいいと思つておるかも知れませんから、これは何とかあれしませんと、ちよつと困るのじやないかと思うのです。ですからその点は正誤表のようなものでも構わないと思いますが、恰好をつけて頂きたいと思います。
  167. 小宮山常吉

    小宮山常吉君 手許に頂いたこの在庫表に、この公団の在庫表に残つておるものはどの程度でありますか。これも改めたものを頂きたいのです。公団の在庫として残つておるものはどのくらいあるかということですが……。
  168. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 三月十日現在で約七千万円の保有品が残つております。
  169. 小宮山常吉

    小宮山常吉君 これはたくさんあるのでなかなかわかりませんね。
  170. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) チエツクいたせばわかりますが……。
  171. 小宮山常吉

    小宮山常吉君 一般に一つできるものならば頂きたいのですがね。
  172. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) 日々これが動いておりまして、実は提出いたしましても、この三十日で大体公団保有品が処分を終るという考えでやつております関係上、日々五百から六百万のものが動いているという現状でありまして、御要望ございますれば……。
  173. 小宮山常吉

    小宮山常吉君 次の機会でもいいですから改めて……、お願いいたします。
  174. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは本日はこの程度でやめてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  175. 小串清一

    委員長小串清一君) この際先刻資料を要求せられましたものは成るたけ早くまとめて出して頂きたいと思います。
  176. 清澤俊英

    ○清澤俊英君 ちよつと資料の問題で、できたらお願いしたいのは、そうしますと今配付してあります資料に、手持ち二十三億いくらとありますね。今伺いますと現在八千万ぐらい……。そうすると短期間で約二十二、三億のものが処分せられた、その状況を一つ知らして頂けませんでしようか。資料で……。
  177. 石井由太郎

    説明員(石井由太郎君) これは公団保有品の分でございまして、政府のもの、つまり貿易特別会計のものはそのほかに鉛、錫その他約二十二億ばかりのものがございます。
  178. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後四時三十四分散会  出席者は左の通り    委員長     小串 清一君    理事            大矢半次郎君            杉山 昌作君            木内 四郎君    委員            愛知 揆一君            岡崎 真一君            黒田 英雄君            九鬼紋十郎君            清澤 俊英君            佐多 忠隆君            松永 義雄君            小宮山常吉君            小林 政夫君            油井賢太郎君            森 八三一君            木村禧八郎君   政府委員    外国為替管理委    員会委員長   木内 信胤君    外国為替管理委    員会委員   大久保太三郎君    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君    大蔵省主計局法    規課長     佐藤 一郎君    大蔵省理財局長 伊原  隆君    大蔵省理財局次    長       酒井 俊彦君   事務局側    常任委員会專門    員       木村常次郎君    常任委員会專門    員       小田 正義君   説明員    大蔵省理財局経    済課長     吉田 信邦君    通商産業省通商   振興局経理部長  石井由太郎君