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1951-03-12 第10回国会 参議院 大蔵委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十二日(月曜日)    午後一時四十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件在外公館等借入金返済準備に関  する法律案内閣送付) ○旧軍用財産の貸付及び讓渡特例等  に関する法律の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○不正保有物資等特別措置特別会計法  等を廃止する法律案内閣提出、衆  議院送付) ○食糧配給公団清算経費の財源に充  てるための剩余金の使用に関する法  律案内閣送付) ○食糧管理特別会計歳入不足を補て  んするための一般会計からする繰入  金に関する法律案内閣送付)   —————————————
  2. 小串清一

    委員長(小串清一君) これより大蔵委員会を開会いたします。  先ず在外公館等借入金返済準備に関する法律案予備審査開始いたします。在外特別委員長が特に出席して発言を求められておりますから、これを許します。
  3. 千田正

    委員外議員千田正君) 在外同胞引揚問題に関する特別委員長から一言この問題について政府お尋ねいたしますと同時に、大蔵委員の各位の十分なる御審査を願いたいと思うのであります。この議題になつておりますところの法律案は、すでに政府側からお手許提出されてあると思いまするが、この問題は終戰と同時に外地におるところの居留民日本引揚げるために、奥地から続々とその集結地参つたのでありますが、その当時いわゆる終戰と同時に日本在外公館であるところの外務省関係におきましては、すべて一切の資産が封ぜられると同時に、又その他の政府諸機関も同時に一切の資産が封ぜられてしまつたために、奥地から引揚げて来るところの居留民に対しまして、内地引揚げる何らの方途も講ずることができ得なかつた。そういう状況下におきまして止むを得ずに、当時の外務大臣容あるところの現在の吉田総理大臣外地の各公館に対しまして訓令を発して、居留民から金を借上げて、そうしてこの不幸な人たちを一日も早く日本内地に帰還せしめるようにという訓令に基きまして、在外公館は当時の居留民から金を借入れたのであります。それが内地帰つたならば直ちにお支払いするという條件の下に借入れた金でありまするが、内地引揚げ人たちはそれによつて引揚開始し、同時に又在外公館に金を融通した人たちも裸一貫で帰つて来ました当時におきましては、せめて政府が金を約束に基いて支払つてくれるであろうと今日まで待つてつたにもかかわらず、五ヵ年を経過しましても、未だ一文だに政府から支払われておらない。そこで政府に対しまして、この借入金請求を先般来各引揚人たちが要求されておるのであります。中にはこのために訴えられておるところの領事或いはその他の官憲もおられます。又引揚げて来て折角払つてもらえるだろうという金を目当てにして帰つて来た引揚者の人の中には、到頭一文も払われないために借財は嵩んで自殺する者も出て来ておる。本日の九州からの新聞によりますると、やはり在外公館のこれを当てにして帰つて来たけれども、払われないで親子四人心中という悲惨な事件も起きておる状況であります。この中に立ちまして、当時の領事責任者である人たちが、引揚者からは請求をされ、政府は払つてくれないで、中に立つて立場を苦にして、そうして自殺した領事もおります。こういうような悲惨な状況下にありまして、この支払に関しては遅々としてその業務が進んでおらなかつたのであります。幸いにして最近この確認の問題が外務省管轄下において行われまして、二十一万件の請求に対して大体三万件に近いものが、確認証当人に渡されております。で、我々引揚委員会といたしましては、とにかくこの確認証を渡された人間に対しては至急支払つて欲しい。同時に、只今審査中の確認に対して、併行して政府支払準備をするべきであるということは、我々しばしば政府に向つてこの問題を申入れておるのでありますが、このたび大蔵省が立案しましたこの法案は、今度二十六年度中に支払開始する、開始するが、その最初に、この国会の次の一番先に開かれるところの国会において支払準備をする、そのための準備会法であるというのであります。そこで私はここに改めて大蔵当局お尋ねをいたしますのは、二十六年度中に開始するといいまするというと、大体我々としましても、国民の多くの人たちも信じておると思いますのは、講和会議が間もなく行われて、そしてその講和会議内容においては、いわゆる在外資産と称する賠償に関する問題の資産評価の問題も起きて来るであろうと思います。ここにはつきり申上げたいのは、在外公館借入金というのは在外資産とは明確に別個のものである。政府終戰時において当時の居留民の帰還を全うするために、いわゆる政府自体が借りた借入金であるが故に在外資産とは明確に別個のものであるが故に、講和会議以前にこの問題は解決すべき問題である、かように我々は考えておりますし、又引揚の諸君もこういうふうに要求しておるのでありまするが、大蔵省におきましては、この点如何に考えておられるかどうか。この内容を拝見しますというと、いわゆる在外公館等借入金評価審議会なるものが掲げてあります。この内容は御承知通り、当時の訓令に基きまして、その現地における通貨によつて借入れておるのでありまするから、或いは評価審議会を作りまして、嚴格なる査定の下にこれは支払われるものと思うのでありまするが、当時の訓令の中にも、その現地通貨に対しては一応のレートを示しておる訓令もあつたはずと思いますので、この点はいわゆる当時の訓令通りにそれを支払意思があるかどうか。その点と、支払は至急開始してもらわなければいわゆる在外資産と混同する慮れがある。この明確なる線を果して大蔵省は堅持するつもりかどうか。それならばいわゆる講和会議以前にこの問題は解決しなければならないと思うので、支払開始は最も早い機会において、これを徹底してもらいたい。言い換えれば予算措置は、準備審査会からこの法案が通過したならば次の国会において支払に関する法律案を至急上程してもらうと同時に、その裏付けであるところの予算化を、この補正予算その他においてなされる意思があるかどうか。この三つの点について大蔵当局お尋ねいたす次第であります。
  4. 西川甚五郎

    政府委員西川甚五郎君) この在外公館借入金につきましては、今千田議員のおつしやる通りに当然政府責任であり、又債権者も困つておられるということはよく存じ上げておりますが、諸般の事情によりまして今日まで延びて参りまして、政府といたしましてはできるだきるだけ早く返済をいたしたいと思つてつたのでありまするが、外務省における審議会の確定を見ますと、二十一万のうち三万というような調子でありまして、又これに関しましては、一番の問題はやはりその借入金換算率レートです。その換算率がどういうようにきめたらいいかというので、相当今日まで延びて参つたのであります。政府といたしましては、次に召集されまするところの国会において、この準備会をそれまでにうまく運営いたしまして、そうして補正予算を組み、殊に講和会議とは全然別といたしまして、在外資産等はやはり講和会議関係もございまするから、この問題だけは別途に取扱いまして、そうしてできるだけ早くお支払できるようにいたしたい。こういろように考えておる次第であります。
  5. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 只今政務次官からお話がございましたように、この問題は切り離して進むわけであります。殊に法律的に申上げますと、今回提案いたしましたこの法律案で、御覧のように第一條におきまして、必ずこの法律施行最初に召集される国会提出を保証する、又御質問の第三点であります返済開始するために必要な措置をとるということを法律に謳つておりますので、この法律は或る意味からいいますと、非常に異例な法律でございまして、国会においてこれを通して頂きますれば、政府がこれによつて必ず次の国会に必要な法律を出し、且つ必要なる予算的の措置を講じなければならないということに相成るわけであります。法律的にもできるだけ早くやるということが政府の義務になるわけでございます。それからレートの問題についてお話がございましたが、この問題はこの法律の第三條にございます在外公館等借入金評価審議会におきまして十分に検討いたしまして、各方面とも御異論のないように取扱いたい、こういうふうに考えております。
  6. 千田正

    委員外議員千田正君) もう一つ私は希望を述べまして、特にお尋ねいたしたいと思うのは、この評価審議会には大蔵大臣が任命するところの、「外務省及び大蔵省の職員のうちから任命する委員の数は、三人以内」ということであります。八人のうち三人は大蔵省或いは外務省から任命されると思いまするが、あとの五名、この人たちはどういう所から選ばれるかという点をお尋ねしたいのであります。と同時に希望といたしましては、これは少くとも、二十一万件或いは全部でなくとも、その半数が必ずこの支払の該当になると思いますが、少くとも、数十万の生命を殆んどこれによつて復活するか、或いは抹殺されるか、その岐路に立つ審議会であると私は考えますので、この点におきましては、十分なる選び方をして頂きたい。慎重を期してこの問題の解決を一日も速かに運んで頂きたいと思う点から、どういうふうにこの残りの五人の委員をお選びになる御意向であるかといろ点を重ねてお尋ねしたいのであります。
  7. 西川甚五郎

    政府委員西川甚五郎君) この審議会委員の八名のらち、五名だけを学識経験のある者から選ぶというのでありますが、やはりこの五人もでき得るだけ朝鮮とか、満洲或いは河北関係或いは南方、この方面におられたかたで、そうして、最も公正なる学識経験のある者、その中から選定いたしたい、こういうことでございます。
  8. 愛知揆一

    愛知揆一君 ちよつと関連して、念のために伺つて置きたいのでありますが、第一條の後段の「昭和二十六年度中に借入金返済開始するため必要な措置を」云々とありますが、借入金返済開始するのが二十六年度中でありますか。必要な措置をとるのが二十六年度中でありますか。念のためにこの点に伺つて置きたいと思います。
  9. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) これは借入金返済を二十六年度中に開始をするという意味でありまして、勿論必要なる措置は、次の予算を新たに提出しなければならないといたしましたら、次の最初に召集される国会法律案と共に提出いたします。予備金措置で済めば、同時に予備金措置をいたしたいと思います。なお「開始する」とございますが、政府考えではできるだけ早くこういうことは処置をいたしたいのでありまするが、法律的には開始ということを義務付けてありまするけれども、先ほど政務次官からお話がありましたように、できるだけ早く一度に予算的な措置を講じまして、居留民かたがたの御苦心に応えたいと、こういうふうに考えます。
  10. 千田正

    委員外議員千田正君) 只今愛知議員の御質問に対するお答は、これは一度に返す、二十六年度中に一度にお返しするという政府のお考えのようでありまするが、それも結構でありまするが、一度にということになると、大変或いは二十六年度の最終末期になる虞れがありますので、私からお願いするのは、確認証がすでに当人手許に届いたならば、その確認証に基きまして支払開始したらいいではないだろうか。すでに確認証の数は三万数千件、更に外務省当局の言によるというと、或いは過半数は、本年の五月乃至六月までには十三万件を終了する予定であるというのでありますから、でき得れば順次開始してもよろしいではないかと思うのでありまして、国民の要望するのは、一日も速かに確認証を得た者には払つてもらいたい、これが国民の声でありますので、この点について大蔵省の御所存を承わりたいのであります。
  11. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 只今私の申上げました一度にという言葉に対して、多少不十分でありましたから、補足して申上げます。大体の考え方といたしましては、縷々御説明申上げましたように、こういう仕事につきましては、できるだけ早く開始をし、又できるだけ早く皆さんの御満足を得たいと、こう考えておるのでありまして、法律案並びに若し必要とすれば予算案につきましては、次の国会に出すその予算について、半分ずつ出すとかいうことがないように、できれば一度に予算に盛りたいというのが現在の考え方でございます。なおその開始をいたします方法につきましては、今度次の国会に出ます法律案によつてきまるわけでございますが、只今の御趣旨もございまするので、済んだものから順にお支払をして行くということになると、こう考えております。
  12. 千田正

    委員外議員千田正君) 大変有難うございました。引揚に関する特別委員会といたしましては、私が只今申上げたことにおいて大綱は申上げたつもりであります。大蔵委員かたがたも何とぞ、この背後には数十万の引揚者が一日も早くこの問題を解決してもらうことを望んでいるのでありまして、不幸なるこうした人たちのために特段の御審議をお願いいたしまして、一日も速かにこの問題を解決して頂けるようにお願いする次第であります。有難うございました。
  13. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 その法案にあります「この法律施行最初に召集される国会提出する」云々ということでありますが、そうするとこの返済昭和二十六年度中に開始するということは、臨時国会予定しなければできない問題じやないかと思うのですが、その点はどういうふうにお考えになつておりますか。
  14. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) さようでございます。臨時国会という名前になりますか、次に最初に召集される国会提出する、こういう考えでございます。
  15. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると今大蔵大臣その他の御説明によると、臨時国会を召集するかどうかは今のところわからないというようなお話なんですが、その点はすでに予定しておられるのか、予定しておられるとすれば、大体いつ頃になるのかという問題なんです。と言うのは、若し非常に遅れるとか、臨時国会の見込みがないとかいうことであれば、さつき千田さんのお話もありまして、非常に急ぐ問題なんで、むしろ問題は本来のあれからすれば、今度の国会でおきめ願うべき筋合いのもののように思うのですが、その点どういうふうにお考えですか。
  16. 西川甚五郎

    政府委員西川甚五郎君) 次の国会と申しますと、先ず想像されますのは臨時国会でございます。これはまあ召集されるかされないかということは、政府として今のところはつきりは申上げられないのでございますが、召集されるという想像と、それから若しもできない場合どうするかという問題は、即ち次の通常国会最初にでも提案するより仕方がないのではないかと、こういうふうに考えております。それからこの国会とおつしやいますが、なかなか審議会を開きましても、換算率問題等について相当ここ一月くらいでは困難かと思いまするから、その点で次の国会というふうにいたした次第であります。
  17. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それらの準備意味ならば、在外公館等借入金整理準備審査会法があつて、すでにその点一応の準備はできておるのではないのですか。
  18. 西川甚五郎

    政府委員西川甚五郎君) この外務省にありますのは、実は確認をするというのが目的でありまして、現在確認はやつております。それが三万件ほどでき上つておるわけであります。
  19. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 私がお尋ねしたいのは、その程度確認があれば、それは全額にたるかどうかは知らんが、取急ぎ確認したものだけでも若干の内払いというような形で、今度の予算なり、追加予算でも何でもよいから、きめてお出しになることが然るべきではないかということを言つておるわけです。
  20. 西川甚五郎

    政府委員西川甚五郎君) 実は大蔵省にこの審議会を設けました目的は、外務省審査会がありまして、確認しておるのでありますが、このレート等までいろいろ問題がありまして、なかなか大蔵省との関係において置かれておりまする関係上、なかなかレートをきめることも早急にできなかつた。それで大蔵省に作りまして、一日も早くこの問題を解決したいというのが、この大蔵省審議会を作つたわけでございます。それでありまするから、確認はされておりまするが、このレートの問題につきましては、今これから検討するのでありまして、三万件できたからすぐにレートをきめようということで、この国会に出すということは到底むずかしいと思いますから、次の国会ということにお願いしておる次第でございます。
  21. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それはレートが、現地通貨評価がまだはつきりしていないので、そのために従つて又返す金額もわからないから今は払えないのだというようなお考えなんですか。
  22. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 只今外務省にございます在外公館等匿入金整理準備審議会でありますが、これは第一條にありますように、現地通貨で表示された借入金を将来返済すべき国の債務として承認するという仕事をいたしておりまして、この承認は御存じの通り、儲備券で幾らとか、或いは連銀券幾ら法幣幾らというような現地通貨建債務確認いたしておるわけであります。これを支払う段取になりますと、一体その当時のその現地通貨建債務幾らであるかということを、レートという言葉は悪いのでありますが、評価をする必要がございまするので、その評価のための審議会が今度の法律の第三條で示されました審議会であります。これによつてこれはまあ客観的の事実を審議いたす審議会でありますが、この客観的な事実を審議いたしまして、それと併行いたしまして、第一條、第二條に基きまして現実幾ら、如何なる方法でお支払をするかということを、次の国会に具体的な法律案を出す、こういう運びになると思います。
  23. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 只今までの経過お話を承わつておりましたが、二十四年度にこの準備審査会というものは設置されているんですから相当期間があるのですね。勿論払うためにこういうことを検討しておられたとすれば、一日も早く払うべき方策を立てるのが当然じやないかと思うのです。今日まで恐らく政府当局においても、そういう趣旨でやつておられたとすれば、この国会に出すだけの準備ぐらいはもうされていたんじやないかと思うのですが、その辺の大体の経過はどういうふりになつておりますか。
  24. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 只今お尋ね在外公館借入金確認法律は二十四年の六月に出た法律でありまして、これに基きまして実は今日まで受付けました件数は、二十万八千七百九十件の申請を受付けております。これの審査が御承知のように一つ一つが非常にその個人々々にとつて大事なことでありまするので、愼重に審査をいたしておるわけでありますが、只今まで確認をいたしましたものが四万四千百八十件、そのうち確認証を出しましたものが一万九千八十四件、三月下旬に確認証を出す予定のものが約一万七千、こういうことになつておりまするので、こちらの仕事もできるだけ処理を早めまして借入金現地通貨による確認事務を進めますと同時に、片一方の現実支払に要する法律並びに予算は次の国会に出したい。こういうわけであります。
  25. 森八三一

    ○森八三一君 この法律案によりますると、借入金返済に関しまする必要な事項を、この次に召集される国会に提案をするということと、更に二十六年度中に返済事務開始するということと明記されておりまするので、一応臨時国会が年度中に約束ぜられておるようにも考えるのでありますが、特別委員長からお話がありましたように、この問題を中心にいたしましていろいろの問題が捲き起つておりますることでもあり、問題の性質上極めて急速に処理をすべき内容もあると思いまするし、双方考えまする場合に、すでに昭和二十四年度に法律が制定せられまして、数万件の審査も完了しておるというような事実を考えまする場合に、この国会会期終了までには相当の日数もあることでありますので、今国会中にも借入金返済事務開始に関するいろいろな手続が進行できるような措置を講ずることが妥当なように思います。こういうような点につきまして御所見を伺いたいと思います。
  26. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 只今お話のございましたように、政府といたしましてもこの問題は居留民利害関係に関することが非常に大きい問題でありますので、何とかして早く処理をいたしたいということにつきましては、全く御同感でありまして、いろいろと研究をいたしたのでありますが、何分にも只今申上げましたように確認処理状況といたしまして、二十万八千件のうち、最近におきまして四万四千件の審査が終りました次第でもありまするので、全体の全貌を見まして、又且つ現地通貨建のものを幾らに現在の貨幣価値におきまして評価をするかということも重大な要素でございますので、こういう点を睨み合せまして、かたがたできるだけ早い機会に具体的に法律処理をしたい、こういうことに考えております。誠意を盡してここまでやつて参つたのでありますが、何分にも只今も申上げましたように、片一方できるだけ確認証審査を急ぎますると同時に、併行して現地通貨建債務円建では幾らになるかという評価をいたしませんと、予算幾ら組んでよいかわからない、なかなかむずかしい問題になりますので、この次の一等初めの国会に具体的の法律案をお出しするという考えで進んでおるわけであります。
  27. 森八三一

    ○森八三一君 お話は一応よく了承いたしまするが、昭和二十四年に制定せられました法律に基いて審査を今日まで進めて来られまして、二十数万件のうち四万件というものが審査が完了したというような程度でありますので、その二十数万件の全貌を一応把握してからということになりますると、この法律約束せられまする二十六年度中に、具体的な返済事務開始すると申しましても、非常にこれは時間的に最後の時まで延びて行くのではないかというような心配も持てるのでありまして、そうなりますると、いろいろもう問題が次から次へと発生して来るように思いますので、すでに審査結了のものが数万件ありといたしますれば、この際速かに措置をすることが妥当のように思うのでありまするが、通貨建レート問題等は非常に重要な問題ではありまするが、これは十分に取り急いで参りますれば、そんなに長時間を要する問題でもないと思いますので、でき得るといたしますれば、今国会中まだ相当期間もありますので、手続を進めて頂きたいというように考えるのでありますが、再度一つ質問をいたします。
  28. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 只今申上げましたように、政府考えといたしましては、在外公館借入金確認審査は二十万件のうち四万四千件と申上げましたのも、このほうの事務をできるだけ取り急いでおります……、この事務が全部終らなければ次の法律を出さないというわけでは全然ございませんので、ここの準備会法にもございますように、一方現地通貨幾ら評価するかということの委員会で各方面の御意見を伺つて、できるだけ各方面が納得せられますような評価の基準と言いますか、いわゆるレートというふうなものを発見いたしまして、それによつて予算を作り、それから又法律案を作つて行こう。皆終りまで何もしないというふうなことは全然ございませんので、全部併行してできるだけ早く終りたい。こういうのが本当の真意でございます。
  29. 山崎恒

    山崎恒君 事務当局のできるだけ早く処理して、この法律を出したいという誠意のほどはよくわかるのですが、若し臨時国会が開かれない場合ということも考えなければならんと、同時に政府は二十数万件のうち現在四万余件のものは確認証を出してあると、こういうような御説明でありまするが、予算的措置が裏付けられるものであるので、政府只今レートの問題との勘案があるので愼重審議をするということは十分了承するのでありますが、二十数万件のものを一応全部これを換算して、然る後に把握して確認証を出した後に予算的措置を講じ、而も法律で出すということに出るのか。或いは一部確認証の出たものから、逐次この確認証を出されたものから支払うように、この次の国会で出すように方法を講ずるのか、その点を一つはつきりと願いたい。同時に若し臨時国会が開かれなかつた場合の措置はどうするか、その点を一つお伺いしたいと思います。
  30. 酒井俊彦

    政府委員(酒井俊彦君) 大体こういう点になるかと思うのでありまするが、只今、くどいようでありまるすが、外務省を中心にしました在外公館等借入金審査会がございまして確認を進めておりまして、只今までに四万四千百八十件の確認をいたしました。あと残つておりますのが、残つたやつを振り分けて見ますとですね、到底確認をし難い、借入金として確認し難い、つまり借入金でないものというふうなことがはつきりしたものが約一万四千件ございます。それから確認すべきや確認すべからざるやということがまだはつきりしないものが五万八千件、残りの十三万七千件というものが、今後なお確認を要すると認められるものなのであります。で、この仕事を、急いで確認をし(且つ確認証を出して行くという仕事を、現在あります公館借入金審査会で進めます一方、片方におきまして、只今提案いたしております法律案をお通し願えれば、それに基きまして、名前はよく似ておりませが公館借入金評価審議会というものを開きまして、各方面の、各地域において各地域ことによく現地の事情を知つておられるかたに委員になつて頂き、又相当数の専門委員等も置きまして、この法律を通して頂けばすぐに現地通貨で出しておりますこの国の借入金を、どういうふうに評価するか、円として評価するかということの方針を立てる。例えばこれが公定レートであるということであればごく簡單でありますが、調整料込みのレートとか、物価の変動とかいうことを考えますと、しかく簡單ではございません。そうでなくて現地の物価事情に応じてその借入金を円に換算して行くということもお考えられます。いろいろな考え方がございまするので、客観的の事実として各方面が最も納得の行くように、衆智を集めましてこの現地通貨建ての債務を円に換えたら幾らかということの審査を、法律を通して頂いたらすぐに始める。一方次の国会に出すべき法律案内容は、第一條第二條で精神が語つてございまするが、如何なる方法で如何なる限度等においてお支払をするかという極めて具体的な法律案、それから要すれば予算予算が要らなければ予備金で行くかも知れません。その辺の、要するにそれをお返しするに必要な経費を支弁するに足る処置というものを、併せて次の国会にお諮りをする。そうして現実支払の順になりますと、恐らくやはり只今御議論がありましたように、現実にその確認の済んだものからどんどんお支払をして行く、こういうことになると思います。ですから各方面併行いたしまして進む、こういう考えでございます。それからなお臨時国会がなければどうするかというお話でありますが、臨時国会を開くや否やということにつきましては、私どもも事務的にはわかりませんことであります。政府並びに国会におかれまして臨時国会をお開きになれば、一番早い機会に、どうしても開かれないということになれば、この法律の文言によればこの十二月に始まります通常国会の傍題において、こういう措置があります。これはただ法律的の申上げ方であります。
  31. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 現地通貨評価の問題は、そうすると今のお見通しではいつ頃きめられるというようなお見込ですか。
  32. 酒井俊彦

    政府委員(酒井俊彦君) 正直に申上げまして、いつ頃ということにつきましてはなかなかむずかしい問題で、この法律を実は通して頂けるものと予想してできるだけ早く準備にかかりたい、こう考えておりまして、次の臨時国会が開かれるとすれば、早く開かれたような場合にも、この法律によつて政府としましては提案をいたす義務を負つておりますので、事務的には何としても早くやらなければいかん、こう考えております。ただ各方面が御納得の行くような資料を十分に揃えたいと考えておりますので、早く且つ十分にということで、できるだけ早くやりたいと思います。
  33. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 私はその評価の時期を、きめられる時期をお尋ねするのは、予算との関連において問題を考えて見ると、仮に評価はきまつて予算のほうが、今の臨時国会の時期、或いはそれができなければ通常国会ということで、非常に遅くなることが考えられるので、若し通貨評価をば予算との関連なしに一応きめられるのならば、早くきめて頂いて、そうして予算の問題としては、例えば同胞引揚費三十六億という金が、二十五年度も二十六年度もあるようですが、二十五年度は、この間予算説明を聞きますと、三十六万人も予定していたのに、実績としては三千七百人しか帰つていない。従つて相当な不用残が立つはずだということであります。二十六年度でもまあ三十六万を予定しておられると思いますけれども、今のいろいろなお話を聞くと、とてもそんなにも帰つて来ないのじやないか、そこにも相当の不用額が立つのではないかと思いますので、そういうものを使えるのかどうか。使えるとすれば必ずしも予算を別途組まなくても評価さえきまれば、これで早い機会措置するということもできるのじやないか。その辺を政府はどういうふうにお考えになるか。
  34. 酒井俊彦

    政府委員(酒井俊彦君) 只今お話のように考えておりまして、この評価、いわゆる評価につきましては、予算関係なくというとおかしいですが、技術的にはこのほうが早く先にしてしまうべき問題と、こう考えてできるだけ早くやつて行く。これの返済に要する必要なる措置と、こう書いてございますのは、新たなる予算が必要であればその予算、それから予備金等によるとか、それから今の予算的のいろいろな技術がございましようが、要するに必要な経費は経費を出す、こういう意味考えておるわけです。
  35. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 二十数万件のうち十三万七千件はまだ殆んど手が付いていないというお話でございますが、これは大体いつ頃全部確認ができるお見込なんでしようか。
  36. 吉田信邦

    説明員(吉田信邦君) 只今の十三万七千件につきましては、これは外務省で非常に一生懸命今やつておるのでありますが、まあできれば十月頃までに終らせたいという気持で努力しておるつもりであります。
  37. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 先ほど理財局長のお言葉の中に、支払方法及び支払の限度というお話がありましたが、或いは総体の金額が多額のものになれば、最高限を或る程度で切つて支払うというようなこともお考えになつておるのでございますか。
  38. 酒井俊彦

    政府委員(酒井俊彦君) 只今お話のありました限度という問題でありますが、次の国会におきまして出します法律において、その借入金返済方法をきめる、返済方法は、これはやつて見て、次に法律においてきまることでありまするけれども、場合によりましてとこに第二條にございます「国民負担の衡平の見地から、公正且つ妥当な基準に基いて定められなければならない」。ということでございますので、非常な多額なものにつきまして限度を置くというようなことも考慮すべき事項の一つになるかとも思います。ただ果してどういうふうな法律になるかということにつきましては、この国会の御審議を通じまして御意見をよく承わり、且つ予算の許す範囲等も考えました上で、次の法律できまつて行くと、こう存じております。
  39. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 現地通貨評価基準をきめるのはなかなかむずかしい問題ではありまするが、これを一応きめたといたしましても、現にいま手が着かずにおる十三万七千件を一通り審査終了をした上でなければ総体の金額もわからん。従つて今の限度を如何にするかということも、なかなかきめにくいことになるのではなかろうか。そういうような状況でありますれば、果して本年度内に支払を必ず開始するということは言い切ることができるかどうか、多少疑いがあるようでありまするが、その点は如何でしよう。
  40. 酒井俊彦

    政府委員(酒井俊彦君) お示しのように非常にむずかしい問題であるとは思いまするが、全部の細かい審査が終れば全貌がわからないというわけではございませんので、各外貨、儲備券であるとか、連銀券であるとか、法幣であるとか、こういうような外貨別に大体の評価ということがわかれば一大きなめどが立つわけでございますので、それからこの法律が制定になりますれば政府といたしましては何としても二十六年度中に開始すべき義務を負うわけでございますので、その意味でこの法律は非常に異例な、或る意味政府は二十六年度中に法律も出し必要なる予算的措置をも講じて二十六年度中に払え、こういう政府に対する義務を課した異例の法律であると思いますので、その点は御懸念がないと、こう考えております。
  41. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 評価基準がきまれば機械的に外務省確認したものに当てはめて支払うならば問題はないのでありますけれども、公正且つ妥当な基準に基いて云々といたしまして、この限度をきめるということになると、なかなか実行困難ではなかろうかと思いますが、それが支障なく行われるお見通しでございますか、重ねてその点特にお伺いいたして置きたい。
  42. 酒井俊彦

    政府委員(酒井俊彦君) 次の法律におきまして、具体的にその法律を当てはめればすぐ金額が出るように、それに要する処置ができることになりますので、支障はないと確信をいたしております。
  43. 小串清一

    委員長(小串清一君) 本案はまだ予備審査でありますが、大体御質疑はこの辺で終つたものと認めまして御異議ありませんか。    〔「異議な」しと呼ぶ者あり〕
  44. 小串清一

    委員長(小串清一君) それでは御異議なければ質疑はこれを以て打切ります。   —————————————
  45. 小串清一

    委員長(小串清一君) それでは次の議案に移ります。旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を開始いたします。
  46. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この旧軍用財産というものは現在のあれですか、いわゆる進駐軍のも含まれるのですか。それとも終戦前の日本の軍隊というふうに解釈するのですか、その点を……。
  47. 吉田晴二

    政府委員(吉田晴二君) それはこの法律の中に規定してございますように、旧陸軍省、海軍省及び軍需省の所管に属していた普通財産ということに規定してございます。この旧軍用財産というのはこの法律の件名として一応常識的に書いてありますが、一々の條文の中に、先ほど申上げましたように、旧陸軍省、海軍省及び軍需省の所管に属していた普通財産ということになります。従つて新たに現在の進駐軍が造つたというようなものはこの中に入つておりません。
  48. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そこで元のいわゆる日本軍が持つていた国有財産で、その後進駐軍に接収されたものも、このうちには含むと了解していいですね。
  49. 吉田晴二

    政府委員(吉田晴二君) その通りでございます。
  50. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そこでですね、最近そういう物件の返還されるのがときどきあるようなんですが、或る方面で、そういう物件の返還されたものの中に、いわゆる工作物、例えばボイラーであるとか、煙突であるとか、そういつた工作物の返還を受けることになつた際、そういう際においてですね、やはり国有財産として或る一定の基準の価格がそれにあつて、その価格で返済をしなければ、金を払わなければ戻らないということになつておるようなんです、ところが工作物というのは、御承知のようにもう使い物にならない物なんかが大分多いばかりでなく、物によつてはあつて邪魔になるものもあるのですが、そのあつて邪魔になるものに対しても、やはりり国家で以て国有財産の資産として評価した額を払わなければならんという形になると、これは大変な矛盾を来たすんじやないかと思うのでございますが、そういう際の措置はどうなさるのですか。
  51. 吉田晴二

    政府委員(吉田晴二君) 只今お尋の点は多分進駐軍が接収いたしました家屋等に、その接収中にいろいろな工事をする。それが今度は返還になつて個人のものになる。そういう場合の何と申しますか、家屋の附属物というようなものの返還という問題ではないかと思つておりますが、大体の取扱といたしましては只今のところ、独立にその建物が別の工作物として造られたというようなものは、これは別途に新らしい国有財産ができたとして、国有財産としての引継ぎの措置をいたしておりますが、只今ちよつとお話の出ました例えば煙突がそこへ新らしくできたとか、或いは部屋の中を改造したとか、こういうようなものはそういう終戰処理費で、特別調達庁のほうで支出したものでありまして、そのままの接収物として取扱いまして、特に国有財産としてそれを取扱うということはいたしておりません。その代りに具体的のものとして、そういう何といいますか、終戰処理費で支出したものを民間に返還された場合に、民間の人からその金額で以て返すが、或いは逆にいえばこれが原状回復というような問題も起つて来るかと思いますが、その点々ついては一応特別調達庁の中で取扱つておるように思います。
  52. 松永義雄

    ○松永義雄君 ここに表を頂いておりますね、旧軍用財産の現況調ですが、これについて簡單に御説明を願いたい。
  53. 吉田晴二

    政府委員(吉田晴二君) この旧軍用財産の現況調でございますが、これの区分の立竹木、建物、工作物、機械器具、船舶、これは大体その通りでございますが、その上の欄についてちよつと御説明申上げます。最初にありますのは連合軍の使用中のものでございまして、これは現在連合軍が実際に使用しておるものでございます。それから次に未返還でございますが、これはとにかくこの旧軍用財用というものは一応は進駐軍によつて占領された、従つて向うが全部網をかけております。そのうち特に向うから返還がありませんというと向うが使用しておりませんでも、とにかくこれは未返還ということで、こちらの自由にはならないのでございます。更にその中には、いわゆる賠償指定になつておるものと、なつておらないものとがございますが、とにかくそういうふうにして向うがまだこちらへ返還しておりませんものがあるわけでございます。併しその返還という意味は、つまり法律上の返還未返還という意味でありまして、実際上はそのうちの一部については、これをこちらのほうで使用することは認めておるというものがございます。現実にはこちらがそれを使用しておるというのがございます。それがこの一時使用という欄に、未返還の中の一時使用の欄に挙がつておるわけでありまして、その残りの分が未使用というわけでありまして、この分については使用が許されておらまいものがあります。  次に返還済の欄でありますが、返還済の中で、最初の欄は売払済でございます。これは全部民間のほうに売払われたものでございます。  その次は所管換済でありますが、これは他の各省の所管のほうに移しまして、その所管のほうで行政処分として使う。或いは農地等について売払つたというものが多いわけでございます。というものがあるわけでありまして、この土地の欄で御覧頂きましてもわかりますように、土地が多いのでありますが、これは大体今の農地所管換といろものが多い関係でございます。  それからその次は貸付でございますが、これも売払とやや同様なものでありまして、正式な貸付手続を済ませまして民間に貸付を了したものでございます。  次の一時使用と申しますのは、これは正式な貸付又は売払に至るまでの間において行政処分としての一時使用を認めておるものでございます。  次の未利用は返還になつたものの中から売払、所管換が、一時使用の過程に入つておらない、全然まだ使用されておらないものでございます。それがそれであります。従つて全部の合計というものは、この旧軍用財産現況調というものを全部足しますというと、これがいわゆる旧軍用財産として所管換を受けました、引継ぎを受けました国有財産の全部というふうになつております。
  54. 松永義雄

    ○松永義雄君 この売払はどこの所管になつておるんですか。
  55. 吉田晴二

    政府委員(吉田晴二君) これは大蔵省ですでに全部今までのところ売払つてしまつたものでございます。  なおここでちよつと先ほど御説明を漏らしましたが、ここに書いてあります金額は、向うにございますように台帳価格によるものでありまして、売払済のところも、これはこの価格というものは台帳価格で記載しております。実際に売払つた金額はこの金額ではないわけでございます。
  56. 松永義雄

    ○松永義雄君 これはあれですか、税務署なんかでよくやつておるようなこと、それはやはりこのような問題を意味しておるんですか。
  57. 吉田晴二

    政府委員(吉田晴二君) 只今の御質問の点ちよつとはつきりいたしませんが、前に、この終戦後暫くの間は、これは国有財産部、或いは国有財産局というものがございまして、その下部機関としては当時の財務局、或いはその下の税務署というものが所管しておりましたのでございますが、昭和二十四年六月の機構改革で、そのときに従来の財務局と二つに分れまして、そうして国税局は税だけを扱いまして、財務局のほうがこの国有財産を所管する、その下に府県に財務部がございます。なおそのほかに出張所というものができております。そこで扱つておりますので、只今のところは税務署は全然関係がないわけでございます。
  58. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この表の、今の表の中でしまいから三段目ですね。この「総計」という、Gと書いてある所の「一プラス二プラスBプラスF」とあるんです。BとFというのはダブリはしないんですか、Fの中にBが入つて合計になつているんですが、これをちよつと説明して下さい。
  59. 小林政夫

    ○小林政夫君 それは先だつて聞いたら二の間違いだそうです……。さつきの説明でちよつと聞き漏らしたのですが、連合軍使用中のものと未返還の分で、今一時使用しているものですね、これは一時使用をしてまだ返してもらつておらないが、日本側が一時使用しているもの、それから未利用というのは、連合軍も使つておらないし、まだ返してもらつてない、こういうことですか、
  60. 吉田晴二

    政府委員(吉田晴二君) その通りでございます。
  61. 小串清一

    委員長(小串清一君) 別に御発言もないようでありますが、質疑は盡きたものと認め、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 小串清一

    委員長(小串清一君) 御異議なしと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにして御発言を願います。
  63. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私はこの法案に賛成いたすものであります。併しながらもう終戰後すでに六年になります今日、旧軍用財産が未だに全国に亘つて累々としてその残骸を現わしておつたり、或いは折角国力の充実に必要となるところの立派な施設、或いは機械器具等がそのままになつておるということは、国のため甚だ遺憾に堪えないのであります。これは質疑応答等にもありましたように、政府当局におきましての目的は、一日も速かにこれを処分するというのが目的であると言われる以上、この法律によりまして十分政府はこの処理を速かにされんことを特に希望いしまして賛成する次第であります。
  64. 松永義雄

    ○松永義雄君 私は原案に賛成いたします。但し譲渡及び貸付の点につきまして、適切に運用されるように切に希望いたします。
  65. 小串清一

    委員長(小串清一君) 別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 小串清一

    委員君(小串清一君) 御異議ないと認めます。それでは採決に入ります。本案に御賛成の諸君の挙手を願います。    〔総員挙手〕
  67. 小串清一

    委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は衆議院送付原案通り可決せられました。  なお本会議における委員長の口答報告の内容については、本院規則第百四條によりあらかじめ御承認を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 小串清一

    委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。  それから委員長の議院に提出する報告書に附する多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     森 八三一  黒田 英雄     山崎  恒  高橋龍太郎     小宮山常吉  岡崎 真一     小林 政夫  大矢半次郎     愛知 揆一  油井賢太郎     松永 義雄
  69. 小串清一

    委員長(小串清一君) 御署名漏れはございませんか……。御署名漏れないと認めます。   —————————————
  70. 小串清一

    委員長(小串清一君) 次は不正保有物資等特別措置特別会計法等を廃止する法律案の御審議を願います。    〔「進行々々」と呼ぶ者あり〕
  71. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 通産政務次官が来ておりますからお伺いますが、この不正保有物資は、恐らく今まで通産省において管理されたり処理をされたりしておつたと思いますが、もうこういう物資はすつかり処理されてしまつて、現在では残高というようなものは殆どないのですか。
  72. 首藤新八

    政府委員(首藤新八君) 大体今日まで八割五分くらいは処分されまして、残りは一割か一割五分くらいであると思います。早急に残品も処理できると考えております。
  73. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この法律がきまりますれば、その残つた一割五分なり二割の処理方法は、どういうふうなことになさるのですか。
  74. 首藤新八

    政府委員(首藤新八君) 大体今月末までには全部処理できる見通しを持つております。
  75. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それは何ですか、入札等によつて一挙に片付けるという御趣旨ですか。
  76. 首藤新八

    政府委員(首藤新八君) その通りであります。一応入札いたしまするし、又入札が不可能の場合には、随意契約その他の適当な方法で処分いたしたいと、かように考えております。
  77. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 まあ幸いこの法案が大した問題なくこの委員会で若し通過すれば、相当まだ期間がありますから、そういうことはできますが、若しこれに関してまだ質疑応答等が続いておつて、今月末までこの法案が通らなかつたというような場合は予想されておらなかつたのですか。
  78. 首藤新八

    政府委員(首藤新八君) 大体まあ今月末までに、法案の如何にかかわらず、現在の在庫は処分いたしたいという方針の下に進んで参つているわけであります。
  79. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 了承しました。
  80. 小串清一

    委員長(小串清一君) 別に御質疑もないようでありますから、質疑は盡きたものと認めて、直ちに討論に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 小串清一

    委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のおありのおかたはそれぞれ賛否を明らかにして御発言を願います。別に御意見もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 小串清一

    委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それでは採決に入ります。本案原案に賛成の諸君の御挙手を願います。    〔総員挙手〕
  83. 小串清一

    委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決確定せられました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容については本院規則第百四條によりあらかじめ御承認を願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 小串清一

    委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。  それから委員長の議院に提出する報告書に附する多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     森 八三一  黒田 英雄     山崎  恒  高橋龍太郎     小宮山常吉  岡崎 真一     小林 政夫  大矢半次郎     愛知 揆一  油井賢太郎     松永 義雄   —————————————
  85. 小串清一

    委員長(小串清一君) 次に食糧配給公団清算経費の財源に充てるための剰余金の使用に関する法律案について予備審査を願いたいと思います。食糧配給公団の経理局長並びに経理第一部長が見えていますから、それぞれ説明を求められんことを願います。これは政府委員のかたから提案理由を伺つたようですけれども、まだ予備審査でありますが、この法案内容をちよつと御説明願いたいと思います。
  86. 佐藤一郎

    政府委員(佐藤一郎君) 食糧配給公団清算経費の財源に充てるための剰余金の使用に関する法律案を提案した大体の理由を申上げますと、御承知のように食糧配給公団昭和二十六年の四月一日に解散をいたすことになつております。そうしまして大体昭和二十六年の九月頃までその清算事務を続行いたすことになつておりますので、それに伴います必要なる経費は、すでに予算において御審議を願つておるわけでありますが、その予算を編成いたします際の収入の一つといたしまして、本来でありますれば、昭和二十五年度に生じましたところの剰余金の約十四億円というものを法律の規定に基きまして当然一般会計に一度納付すべき筋合のものでございますが、只今申上げましたような清算経費の財源といたしまして、どうしてもそれだけのものが必要となつておりますので、一般会計にわざわざ入れる方法を避けまして、直接この剰余金を昭和二十六年度の清算事務の経費のための財源に充てるという特別の規定を設げたい。こういう意味でこれを提案いたしたわけであります。
  87. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 従来の食糧配給公団の剰余金の処理ですね、それが各年度年度によつてまちまちになつて、何回にも分割して繰入れを行なつたりしていますが、どうしてこうなふうにしているのですか。決算が済んだならば一遍に処理してよさそうに思われますが。
  88. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 当時の資金繰りの都合で、政府の御了解を得て分割納入をやつていたのであります。
  89. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この配給公団の清算は大体いつ頃までかかる予定になつているのですか。大体清算というのは非常に各方面とも長くて、経費を軍に使うためにやつているようにしか見えないようなところも多いのでありますが、この公団に関してはどういう方針で進んでおりますか。
  90. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 御承知のように四月一日に解散をすることになつておりますが、大体清算は九月末日までは完了するような予定になつております。
  91. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この予算の十四億五百八十一方九千円というのは、九月末までに完了するものとしての予算なのですね。若しそれ以降になる場合にはどういうふうな措置をとられるのですか。
  92. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 十四億何がしかの繰越予定の金額骨、九月末までの清算経費の一部でございます。
  93. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうしますと、清算費用、全額幾らになるのですか。
  94. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 二十六年度の予算の支出総額は五十六億余万円になうておりますが、そのうち借入円の返済等もありますから、純清算経費は二十三億八千四百余万円であります。
  95. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 清算事務に携わる職員は、どの程度予定ですか。
  96. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 四月から九月までの延で四万一千人、これを仮に月に平均して見ますると約七千人足らず、こういうことであります。
  97. 小串清一

    委員長(小串清一君) 御質問ありません。
  98. 小林政夫

    ○小林政夫君 この二十五年度の剰余金が十四億五百八十一万九千円で、それで二十六年度中の損益、二十六年四月一日から九月三十日までの分が同額なんですね。これは丁度その二十五年度の剰余金を完全に清算費に充てるということで、それだけの剰余金があるから、全部清算経費に使つてしまおうと、こういうふうにも見えるのですが、その剰余金に合わせた清算経費じやないかというふうにも思えるのですが、その点どうですか。
  99. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 只今の御質問の点でありますが、清算経費は二十三億余万円要するわけでありますが、そのうちの財源の一部分として十四億余万円を充当する。こういう案でございます。
  100. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 相当の剰余金、例えば十四億余万円の剰余金を繰入れるということを決定していて、先ほどのお話借入金があるというのですね、一方において剰余金があつて、一方において借入金があるというのは、この返済というものは、二十六年度の予算でなくて、もうすでにできてなくちやならないんじやないかと思うのですが、その辺のところはどういうふうになつておりますか。
  101. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 御承知のように借入金は主として、例えば私のほうで申しますと、袋類とかそういつたものの購入費に充てておるわけであります。清算に入りまして、これを処分して財源を作つて返済をする、こういう計画になります。只今まだ事業が動いておりますものですから、そういたすわけに参りませんので、こういうことになつたわけであります。
  102. 小林政夫

    ○小林政夫君 さつきの質問に対する答弁ですが——清算経費が二十三億八千四百余万円ということはわかるのでありますが、事業収入とか或いは事業外収入というようなものについて一応予算を見積つておりますけれども、ともかく結論として、十四億五百八十一万で以て丁度とんとんになるという数字になつておるので、この十四億五百八十一万というのは勿論動かない数字でありますが、事業収入とか或いは事業外収入とかいうことについて、丁度数字をうまく合わせるような予算になつておるのではないですか。
  103. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 実はこの予算を作る場合の内容でありますが、私どものほうで只今つておりますもののうちで麻袋類が、清算の段階に入つてからのその処分が、その収入としては大きな部分を占めるのでありますが、その麻袋類は食糧事情の方面から見まして、これを一般に売却するということは適当でないというような政府の方針でございまして、これを今の予定では、政府のほうへお引取りを願うと、こういう計画になつております。そのお引取りを願う單価の算定にもかかつて参るわけでありますが、若しこれを仮に今の情勢の下におきまして市中へ放出いたしますれば、只今予定いたしておりまする政府引取価格以上の処分ができ得るかと思うのでありますが、政府引取りの関係もありまするので、結論から見ますると、御指摘のごとく相成るわけでありますが、そこで辻棲を合わして予算の収支がとんとんになるようなふうに立てたのであります。そういうような事情がありますことを御了承願いたいと思います。
  104. 小林政夫

    ○小林政夫君 今の政府へ空袋を引取るように交渉しておるということでありますが、政府というのはどこですか。
  105. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 食糧用の袋でございますので、食管特別会計のほうで引取る予定になつております。
  106. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この公団の清算に際して月大体七千人という先ほどのあれですね。従業員の整理等についての見通しをちよつとお聞かせ願いたいと思います。どんな方針で進んでおられるか。いわゆる公団に現在従事しておるところの職員の身の振りかた、それをどういうふうにされるつもりか。
  107. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 御承知のように公団が末端の配給まで相当いたしておりました昨年の九月までは、食糧配給公団の総従業員は約八万五千人ございました。その中の六万人ちよつとは、昨年の九月に末端配給機構の民営化に伴いまして小売のほうに移りまして、公団とは身分の関係が切れたわけであります。でありますから只今大体二万二、三千人の職員が現在あるわけでありまするが、その大部分は、恐らくこの四月から発足をいたしまする民営の卸売のほうに吸収せられるのではないかという予想であります。併しながら何分にも民営になりまする関係で、民営としての採算関係を重視しておられまするので、一部分は或いは他に転出を余儀なくされるものが生ずるのではないかというふうにも感ぜられるわけであります。
  108. 小林政夫

    ○小林政夫君 予定貸借対照表によると、この期中増の役職員の立替金が七千四百八万六千円、まあ金額として大したものではないとしても寸期首に二万一千だつたものが七千四百八万六千円というように期中に殖えて、丁度九月三十日にびしやつと清算が付くということになりておるのですが、これはどういうことでそういうことになるのですか。
  109. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 役職員立替金と言いまするものは、旅費のごとき性質のものでありまして、これは一応立替えいたしますけれども、本式に支払われますれば、それが収縮して参りまするので、九月の清算結了の際には零に相成ると思います。
  110. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そこで先ほどの質問をもう少し続けるのですが、退職手当は、公団においてはどんなふうな基準で以てされる予定ですか。
  111. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 退職手当は、公務員の退職手当の法律がございますので、それに準拠して支払うことに相成るわけでありまして、大体現在あたりで退職する者であつて、而も公団発足当時からおつた者で三カ月くらいが基準になると思います。
  112. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それは職員ばかりでなしに、役員も大体同じような基準ですか。
  113. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) その法律の職員という場合は、この場合役員も含まれることになつております。同一でございます。
  114. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それから訴訟費というのは、今度は清算に伴つて、今までなかつたのが七百万円も出るのですけれども、何かこの清算に附随していろいろ問題が残つておるか。
  115. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 訴訟費の主なるものはと申しますか、訴訟費の大部分は、売掛金の整理のための訴訟にかかるものもあろうということを予想して計上したものでございます。この公団におきましては、現在においても売掛金の収縮には懸命の努力をいたしておるわけでありまして、これを普通の訴訟等の手続によるといたしますると、相当経費も要しまするので、昨年の秋頃から実は法務庁のほうへ御協力をお願いいたしまして、その御協力の下に経費を極めて節減をして実効を挙げて参りたい、着々その方法によつてつておるのでありますけれども、清算の段階に入りまして、相当こじれた問題と申しますか、そういうものが残つて参りますると、或る場合には訴訟にかかるものもあるであろうということを予想せざるを得ないのであります。そのために訴訟費として七百万円ですか、計上いたしておる次第であります。
  116. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それはほかの事業と違いまして、食糧配給公団の傘下のいわゆる売り先というのは、一定の資格があり、又指定された者以外にはやつていたいはずだと思うのですが、そういうところに対して、今まだ三月の半ばですが、三月末までには引続きやはり配給する物資もあるはずなんです。そういうものの処理方法で、何とでもなると思うのですが、今お話によると、売掛金が相当あるということになれば、いわゆる三月末までに配給する代金以上に貸越しになつているとしか見受けられないのであけますが、さよう解釈してよろしいのですか。
  117. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 売掛金のできました主なものは、実はいもの部門でございます。御承知のごとくいもは腐敗性のものでありまして、特に一両年前にいもの一時的な大量出荷を見て、いもは当時の扱いといたしますると、政府買上げ、公団に払下げを受けることでありまして、これを放置するわけに参りませんので、配給と申しましても、消費者に対する配給ではなくて、アルコール用、工業用、或いは澱粉原料用としての配給をいたします。そういうような関係で止むを得ず売掛が発生したものがあるのであります。これは昨年いもが自由になりました関係上、現在ではその方面へ原料を供給することをいたしておりません関係上、三月までにそういうものとの一種の相殺と申しますか、或いはそういうものに件つての整理ということが、この際は困難な事情にあるものが相当あると存じております。
  118. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その見込金額はどのくらいでありますか。
  119. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 最近の調査はまだまとまつておりませんが、去年の十二月末の調査で御了承願いたいと存じますが、総額で十号億四千七百余万円に上つております。
  120. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 つまり十三億四千七百余万円、この金額は滞りに現在もなつて、将来も残るという予定なんですか。そのうちに相当取立てることができるのですか。
  121. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 売掛金は現在も強力に回収に努めておりまするので、その後月々収縮をして参つております。従来の実績等から勘案いたしまして、一応の予想は、二十六年の三月末には五億四、五千万円に収縮するであろう、これが清算段階にそのまま引移されるであろう、こういう予想を立てております。
  122. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 結局昭和二十六年九月三十日現在の予定貸借対照表の売掛金残高と少しもこれは変らんということになるわけですね。それがこの表では五億四千八百八十八万五千円となつておるわけです。そうすると六カ月間のうちにもう全然取立てる見込がないということになれば、いわゆるもう切捨てなければならない売掛金と見てよろしいのですか。
  123. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 只今の御指摘の表は、恐らく、この資掛金の欄の期首のほうを御覧になつておるのじやないかと思いますが、期末においてはそれがでになるべく努力いたすわけであります。
  124. 小林政夫

    ○小林政夫君 先ほど私がお尋ねした役職員の立替金については、これは旅費等の立替が発生するのだということでしたが、旅費だつたら、一応概算払いで渡すという方法もできるのではないかというふうに考えるのですが、昭和二十四年度の会計検査院の指摘の決算検査報告によると、職員の不正行為により公団に損害を与えたものとありますが、食糧配給公団昭和二十三年二月から二十五年五月までの間に、関係職員により商品代金等をほしいままに領得されたものが、一事項三十万円以上のものだけでも左の通り十五件、計四千八百四十七万八千二十七円であると、そのうち二十五年十月末現在補填されたものは二千六百三万九千六百十一円、差引二千万円ぐらいは三十万円以上のものだけでもあるわけです。そういうものが一応予定貸借対照表の面を合わせる、或いは二十五年の九月末において、この役職員の立替えというような項目でこれが処理されておるとすれば、決算時には二万一千円ぐらいにして置いて、会計操作、よく民間でもそういうことはあるわけです。そういうような操作がこれについて行なわれておるのではないかというふうにも疑われるのです。そういうことがなければ結構ですが。
  125. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) そういうことはございません。今の御指摘の職員の使い込み、誠に恐縮でございますけれども、数多い中には不心得者があるので、そういう事犯が出て参りまして恐縮に堪えないところでありますが、それは極力本人から弁償させる方針をとつて、強力に進めて参つております。若しそういうものの残りがありますれば、この表の上では未収金関係等のほうに入つて参るのでございまして、役職員立替金の科目にはそういうものは含んでおらないわけであります。
  126. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この提案理由の説明の金額……、いわゆる十四億五百八十一万九千円というのは剰余金ですね、この剰余金と、二十六年度の九月三十日末現在の見込損失金とがぴつたり合つているとい与のもちよつとおかしいと思うのですが、こういうことになるのですか。
  127. 河野俊郎

    説明員(河野俊郎君) お答えいたします。御質問の二十六年度予定貸借対照表の借方のほうで、二十六年度としての損失が十四億五百万円でございまして、次の頁に行きまして、その損失には前年度の剰余金十四億五百万円を引き入れて、結局二十六年度末におきましては差引零となる。こういうような計算に相成つております。
  128. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 ですからこの九月三十日までの半年間のいわゆる予定損失と二十五年度中の剰余金とがぴつたり合つているという点です。
  129. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 先ほども御説明をいたしましたことと関連するのでありますが、予算を作る一種の方針から申しまして、それが合うようなふうに食糧庁の引取りの麻袋価格のほうで調整をしておる。こういうふうに御了解願いたいと思います。
  130. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今のその調整をする価格はどういうふうにされるのです。それを具体的にちよつと説明をして下さい。
  131. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 今御覧になつております百二十七頁の前のところをちよつと御覧を願いたいと思いますが、そこで上のほうから半分目ぐらいの所に、包装部門として麻袋、これが売払代金になるのでありますが、單価といたしまして四十円を計上してございます。これは現在の情勢から申しますと、恐らく相当低い価格についておるのであります。
  132. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そこでこれはあれですか、四十円というのを適当な操作で以て、もつと高く売渡して調整をする、こういう意味なんですか。そうすればその調整の価格はどの辺にするわけですか。
  133. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 調整をした結果が四十円であります。若し仮に現在の情勢のごとくでそのままにこれを売り払えば、今の剰余金のほうが、十四億円が十五億円になるか、十七億円になるか知りませんが、そういうように膨らんで来て、結局清算の結果が両方がとんとんにならずに、余りが出て来る、こういう受取りになるわけでございます。
  134. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうしますと、四十円で売り渡される先はどこになるんですか。
  135. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) 食糧庁であります。農林省の食管特別会計のほうへ入つてしまうことになつております。
  136. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その食管特別会計で皆引取つてしまうんですね。
  137. 後藤駒吉

    説明員(後藤駒吉君) そうでございます。
  138. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 紙袋も布袋も……。   —————————————
  139. 小串清一

    委員長(小串清一君) 本法案はこの程度にして置きまして、もう一つ食糧管理特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について質疑を開始したいと思います。この法案について政府委員のかたがお見えになつておるようですから、一応説明を願いたい。
  140. 佐藤一郎

    政府委員(佐藤一郎君) 只今法律案につきまして、大体の御説明を申上げます。  こういう法律案は、毎国会実は御審議を願つてつて恐縮でございますが、御承知のように、農業共済保険を実施しておるわけでございますが、その際に毎年この食糧の価格がパリテイ指数と共に上つて来るわけでございます。それと共に当然農民並びに消費者が負担いたしますところの共済掛金額も上つて来るわけでございます。然るに現在食糧価格、消費者価格というものはできるだけこれを上げないという方針をとつておりますために、昭和二十二年度以来ずつと、本来消費者が負担をし、従つて当然消費者価格に加算されて上つて来べきはずの共済掛金の増加分というものを、すべて一般会計が負担して来て参つておるわけであります。和昭二十六年度におきましても、パリテイが大体昭和二十六年の九月に百九十五になるような想定の下に、共済掛金に、これは水稲につきましては反五千三百円、陸稻につきましては三千百円、麦につきましては二千百円というような共済掛金を予算編成のときに想定いたしまして、それに伴なつて当然上つて参りますところの共済掛金の総金額が約四十一億円になるわけでございます。即ち只今も申上げましたような反当の共済掛金から算出いたしますと、水稲で三十二億円、陸稲で一億六千万円、麦で七億二千万円、計四十一億六千百万円、こういうものが上つて参るのでありまして、この分を繰入金といたしまして一般会計から補填をしてやろうと、こういうことになつております。なお昭和二十二年度以来、本来消費者が負担すべきものを一般会計が負担するための特別の法律を引績いて別途農林委員会で常に御審議を願いまして通つて来ておるわけであります。
  141. 小串清一

    委員長(小串清一君) 本案は非常に單純のようですが、なお質疑をおやりになりますか。
  142. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この会計でですね。買入れたいわゆる主食を売払う方法は、今後どういう方針でやられるのですか。今までの食糧公団がなくなつて、その代り、それと併ぜて代金決済の方法、食糧公団では大分貸しができて、その代金回収にも七百万なんぼかけるようなことになつておるのですが、食糧公団がなくなつて、食糧庁のほうで直接やるというふうになつて、そういうふうな懸念はないですか。併せて御説明を願います。
  143. 昌谷孝

    説明員(昌谷孝君) 只今の御質問でありますが、公団が三月三十一日を以ちまして機能、業務を停止いたしました後は、先般来登録選挙を行いました卸売販売業者へ割当購入通帳によりまして販売いたします。その場合の代金支払のことでありますが、公団は広い意味政府機関という意味におきまして、延納期間も二十日乃至それ以上というかなり長めに認められておつたのであります。今度は一般の民間の卸売業者ということに相成りまするので、勿論登録立候補の際の資格要件といたしまして、相当の金融機関が支払の保証をするといつたような金融能力についての証明は、登録の面で要件として取付けてございますけれども、併し一般の政府機関と違いますので、延納は従来よりも日数を短縮いたしますと同時に、條件も非常にむずかしくいたしております。つまり大体私どものほうで先般来関係各省と相談いたしまして閣議で御決定を得ました代金の決済方法は、一応全国で平均いたして考えまして、食糧を食糧庁から卸売業者が買取りましてそれを小売に売る、消費者に売る。その消費者に売つた代金が回転して参るというのに平均十六日を要すると踏まれております。従いましてその十六日間の回転期間に対しまして、政府といたしましてはその半分に当ります八日程度の延納を認める。残りの八日につきましては、それぞれの卸売業者におきまして自己資金又は自己の責任による市中金融によつてカバーして行く。従つて政府が延納を認めます期間は、平均いたしまして一応約八日と押えております。その八日も全国一律に各卸売人に八日を当てがうのではございませんので、最小限と申しますか、北海道の奥地のほうとか、その他いろいろ交通の便、不便によりまして、全国八日が伸びたり縮んだりいたすわけでございます。大体大都市等の交通至便の所は四日乃至五日もあれば十分ではないかということにいたしまして、それ以上五日なり何なりではどうしても賄いのつかない卸業者に対しましては、個々にそれぞれ延納の、期間延長の申請書を提出いたさせまして、それぞれ愼重に認めて参る。その全部の平均が一応八日となると思います。  それから延納を認めます場合の担保でございますが、これも国債とか、優秀なる社債でございますとか、或いは約束手形でございますとか、そういつた有価証券等の担保を具体的に要求いたしております。或いは協同組合連合会による共同支払保証、一種の信用保険のようなものも加えられるかも知れませんが、いずれにいたしましても、こちらで関係者が集まりまして、十分の担保価値を有するという担保を提供したかたに限つて只今申しましたような延納を認めて参ると、そういう方針にいたしております。
  144. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 卸売業者に対するランニングストツクは大体どのくらいにお認めになりますか。
  145. 昌谷孝

    説明員(昌谷孝君) これは実際問題といたしまして、業務を開始いたして見ませんというと、こういつた複数の卸業者を通して配給した経験を持ちませんので、確たる見当もつきかねるわけでございますが、取りあえず四月一日にスタートをして参る。先ずその準備としての手持は、ほぼ十日見当と見込んでおります。公団当時は、末端までを通じまして、公団でございますから、卸と小売を含んだものでございますが、公団当時は常識的に申しまして約一月分いうふうに私どもは考えております。
  146. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 天災地変等があつた際に、十日ぐらいのいわゆるランニングストツクで不安な状態が起きることも予想されるのですが、その点はどういうふうに考えておりますか。
  147. 昌谷孝

    説明員(昌谷孝君) 只今十日と申しましたのも取りあえず切替えのスタートのときで、各卸売業者にもまだ十分の資金なりその他についての手配もおつきになつていないときでありますから、これは将来それぞれの実情に応じまして、又調整をいたすつもりでおります。なお御指摘の事故の起つた場合の措置ということにつきましては、私どむといたしましては、卸売業者のストツクを十分持つということも勿論必要かも存じませんが、御承知のように卸売、私どもが売つて参ります場所は、それぞれの府県の一応いわゆる主要集散駅と申しておりますが、従来公団に対して政府が売つておりました場所よりも若干何と申しますか、前進をいたすわけでございます。一例を挙げて申しますと、神奈川県下に配給いたしますべきものを、従来といたしますと、公団がプールをいたしておりました関係上、港倉庫で一括公団に売払つておりました。ところが今度の卸売業者に対しましては、それを更に政府責任におきまして、藤沢なり小田原なり、いわゆる主要集散駅まで運送いたしまして、分荷を、要するに荷さばきを細分化いたして、その後の諸経費を平準化するという方向に考えておりますので、強いて卸売業者の手持を殖しませんでも、いずれにいたしましても、卸売業者に来るのは当座の分だけで、そういつた緊急事態の分といたしましては、政府倉庫がそれぞれ現在の主要集散駅に次々と、何と申しますか、政府の手で累積せられるわけでありますので、そこで卸売業者がランニングストツクに関連を持ちませんでも、解決はつくように考えております。
  148. 小串清一

    委員長(小串清一君) 別にありませんか……。本案は御質疑ないと認めて質疑を打切つてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 小串清一

    委員長(小串清一君) 異議ないと認めまして、然らば質疑を打切ります。  それからお諮りいたしますが、明日の午前十時から国税定率法の改正に関する連合審査会を開くことになつておりますが、農林、通産、大蔵各大臣の出席を要求してございます。それで通産委員会から高瀬委員、水産委員会から秋山委員、千田委員質問の通告がありますが、当委員会からも御質問の通告を願つておいたほうがいいのじやないかと思いますが……、
  150. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 連合審査なら、他の委員会委員の発言によつて、我々の聞かんとするところが或る程度わかれば、やはりその補佐的にあとで質疑するということで、通告までも要らないのじやないですか。
  151. 小串清一

    委員長(小串清一君) ではさように取計らいます。それでは本日はこれを以て委員会を散会いたします。    午後三時四十二分散会  出席者は左の通り    委員長     小串 清一君    理事            大矢半次郎君    委員            愛知 揆一君            岡崎 真一君            黒田 英雄君            佐多 忠隆君            松永 義雄君            小宮山常吉君            小林 政夫君            高橋龍太郎君            山崎  恒君            油井賢太郎君            森 八三一君   委員外議員    在外同胞引揚問    題に関する特別    委員長     千田  正君   政府委員    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省主計局法    規課長     佐藤 一郎君    大蔵省理財局長 伊原  隆君    大蔵省理財局次    長       酒井 俊彦君    大蔵省管財局長 吉田 晴二君    通商産業政務次    官       首藤 新八君    通商産業大臣官    房会計課長   伊藤 繁樹君   事務局側    常任委員会專門    員       木村常次郎君    常任委員会專門    員       小田 正義君   説明員    大蔵省理財局経    済課長     吉田 信邦君    食糧庁主計課長 昌谷  孝君    食糧配給公団経    理局長     後藤 駒吉君    食糧配給公団経    理第一部長   河野 俊郎君