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政府委員(
安孫子藤吉君) 当時問題にいたしました点は、はつきり覚えておりませんので何ですが、供出に
相当影響がありはしないかといううことは恐れた点であります。それは委託釀造であるからそんなことはないということもありますが、供出の面に
相当悪い影響を及ぼすのじやないか、それからいろいろなやり方がありますけれ
ども、交換形式でありますか、売買の形式でありますかという点についての問題もあります。結局現在の供出
制度の建前から申しますならば、生産されたもののうち自家保有量というもの、これは一人
当り大体四合、それに味噌用とか種子用が若干加わりますけれ
ども、この自家用を除きました残りのものを全部供出する、こういう建前にな
つております。そうしますと委託釀造に廻りましたものは自家用を割いて出しておるという理窟になるのであります。四合を割いて出す、ところが現在でも御
承知のように自家保有量四合というものは、これは農家の重労働をやりまする農作業にと
つて甚だ少いものなのです。もつと殖やせという議論がいろいろ強いし、私尤もだと思
つております。この自家用を殖やしますれば結局供出量は減
つて来る。供出量が減
つて参りますことは、都市生活者等に対して二合七勺の
配給ができん。例えば米だけにしても米食率が
相当減るという、都市生活者は米食率が減るということが、家計費に非常に大きな影響を持
つているのが現状であります。二合七勺の
配給があるかないかということよりも、二合七勺の中に含まれる米の率が
幾らかということが家計費に非常に大きな影響がある。これは御
承知の
通りであります。それでどうしても米のほうは大量に
一つ出して頂きたいというのが建前であります。そこの仕組の中に委託釀造というものを入れて参りますことは非常に困難な実情にあります。その辺の
見通しなり、或いは見当がつきますれば私
ども賛成することに決してやぶさかではないと思います。