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1951-02-14 第10回国会 参議院 大蔵委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十四日(水曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○アルコール專売事業特別会計から一  般会計への納付特例に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○郵政事業特別会計歳入不足を補て  んするための一般会計からする繰入  金に関する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○厚生保險特別会計法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 小串清一

    委員長小串清一君) これより大蔵委員会を開会いたします。  議事日程の順序から申しますと何ですが、政府委員都合がありますから、先ず日程の第四のアルコール専売事業特別会計から一般会計への納付特例に関する法律の一部を改正する法律案議題として御審議を願います。
  3. 小林政夫

    小林政夫君 二十六年度予定されるこの法律を改正して一般会計へ繰入れる数字ですね、これを説明して下さい。この法案を改正してやろうという具体的な数字ですね。
  4. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これは、予算書アルコール専売事業特別会計の中の参考に貸借対照表が付いてございまして、それを御覧願いますとわかるのでございますが、大体一億六千万円というものを現在のところでは予定しております。と申しますのは昭和二十六年度アルコール専売事業特別会計損益計算書を見ますと、作業資産におきまして一億九千二百万円の減がございますが、固定資産におきましては二千四百万円の増ががございます。そこで一億九千二百万円から二千四百万円を引きました一億六千七百万円ばかりのものが予定されております。
  5. 小林政夫

    小林政夫君 その数字はわかるのですが、固定資産価格の増の二千四百三十七万円というこれはどうして生れて来たのですか。それから作業資産価格の減一億九千二百万円というのはどういう基礎によつて減つて来たのですか。
  6. 井上猛

    説明員井上猛君) 御説明申上げます。固定資産の前年度から繰越した数字が八千七百万円ばかりございます。それに二十六年において……。
  7. 小林政夫

    小林政夫君 その八千万円というのはどこにありますか。
  8. 井上猛

    説明員井上猛君) これは内訳ですから予算書に載つておりません。二十六年度に、これに固定資産価値の増が四千百万円ばかりございますが、逆に減価償却で減らす価値の減が千六百万円ございますので、結局翌年度に繰越す固定資産の額が一億千万円でございます。従いましてこの翌年度に繰越す一億一千万円から、できた八千七百万円を差引いた二千四百万円というのが、要するに固定資産の純増加額となるわけでございます。
  9. 小林政夫

    小林政夫君 この固定資産価値が増すという四千何万ですか、これはどういうことで出て来たわけですか。例えば郵便事業特別会計等を見ると、資産勘定への振替えの勘定ははつきりしておる。ところがアルコール特別会計においてはそういう振替勘定というものがこの予算書にない。
  10. 井上猛

    説明員井上猛君) 四千百万円の増加額は、結局その間に修理いたしましたり、新らしいものを入れ替えましたりしましたので、当然それだけ価値が殖えたわけです。その額でございます。
  11. 小林政夫

    小林政夫君 大体そういうことは想像できるのですが、そういつたこの振替勘定資産勘定への振替え、或いは資本金勘定への振替えという勘定を実際の特別会計内部に設けてあるのでしようね、振替勘定というものが……。
  12. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これは郵政事業のような大きな特別会計におきましては、非常に経理が複雑でございまして、その関係のことが相当起るのでございます。それで振替勘定を実際上起してやつておるところはございますが、アルコール関係等につきましては、極めて簡單なのでございまして、特別にそういう中間勘定を設けて経理はいたしておりません。只今の二千四百万円の内訳は、一つには例の先日から問題になつておりますアルコール工場拂下げ、それを全然代金は計算に入れておりません。その内訳を大体申上げます。建物ですね、それが六百二十二万円、それから工作物が千八百十四万円。それから僅かですが機械器具類が四百万円、こういうふうな評価になつております。それでこの建物の六百万円と申しますのは、官舎を増設する予定なつております。それとその他の工作物では事業上に必要な各種の工作物考えております。
  13. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると施設のほうで、ずつと支出予定金額というのが上つているわけですが、その中で今の既存の財産を処分して金が入るということでは増加にならんわけですが、増加価値を付與するというために支出する金額というものがこの支出の中にあるわけですが、これがこの項目によつてはつきりしますか。
  14. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これは予算におきましては、この貸借対照表の比較は内訳を細かく見て参りませんと完全に付き合いませんが、この固定資産のほうは歳入歳出予算のいわゆる施設費という項がございます。この施設の中で、アルコールで申しますと、一億五百万円ばかり二十六年度に載つております。その中に含まれております。
  15. 小林政夫

    小林政夫君 一応その資料を……。
  16. 小串清一

    委員長小串清一君) 今郵政大臣が見えましたから、長くかからないのでしたら……。
  17. 小林政夫

    小林政夫君 資料の要求です。これはあとに保留しまして郵政大臣のほうから。   —————————————
  18. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは只今議題を一時保留して、郵政大臣がお見えになりましたから、大臣の、郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について質疑を開始いたします。
  19. 小林政夫

    小林政夫君 大臣に聞くのでなしに事務当局の誤りだと思うのですが、政府提案理由説明の中に、歳出総額が五百七十一億七千七百二十四万五千円ということになつているのですが、この予算書を見るとどうも金額が符合しない。それはどういうわけなんですか。予算書にまると歳出総額は五百七十億六千四百二十四万五千円ということになつております。
  20. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これは誠に申訳ない点でありまして、実は私のほうからここで訂正を申上げようかと思つておりましたのですが、予算の最後の締めくくりの異動等の手落ちからこういうふうなことになりまして、誠に申訳なかつたと思つております。
  21. 小林政夫

    小林政夫君 予算書のほうがいいのですか。
  22. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 予算書のほうが正しいのです。つまりこの提案理由説明のほうが間違つておりまして、予算書のほうにお直しを願いたいと思います。
  23. 松永義雄

    松永義雄君 ちよつと大臣お尋ねいたしたいと思つています。郵便局労務者諸君に対して、二十日間の慰労休暇というものが毎年與えられていることになつておりますが、現在もそうでありましようか。
  24. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君君) さようなことに相成つておると思います。
  25. 松永義雄

    松永義雄君 ところが、事実二十日間の慰労休暇が與えられておらんという事情だということなのですが、その事情について一つ……。
  26. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 政府委員から答弁させます。
  27. 土生滋久

    説明員土生滋久君) 年次休暇ということになつておるのでありまして、これは仕事に差支えない程度に休ますということになつておる関係上、すべての人が一年に二十日間、現在やつておりますかということなりますと、いうことにはなりません。併しこれは次年度に繰越すことができるということになつておりますので、今のところ全然切捨てたということにはなつていないのでありまして、昨年とれなかつた者は、今年度に繰越しになつて行くということでございます。将来これをどこまで繰越するかというようなことにつきましては、目下人事院休暇法を研究しておりまして、それによつて解決されるようになると思います。
  28. 松永義雄

    松永義雄君 繰越される、繰越すというようなことを言つて、事実慰労休暇が與えられておらない実情である。然るに他の官庁においてはそれが実行されておる。ただひとり郵便局に対してのみ、これが繰越されるという名義の下に與えられておらん。我々の承知いたしておる通りに、正月とか或いは暮とかいつたときにおける郵便局員の忙しさというものは、これはけだし想像することができるのであります。そのように非常に忙しくなつて事実休暇を與えない、酷使することによつて、そうしてサービスを上げて行こうとしましても、事実それは結果において人の能力には限度があるのですから、成績の上にも影響して来ることを考えなければならんと思うのです。どうして郵便局員だけは、特別に悪い待遇を與えておかなければならんという事情にあるのですか、お聞きしたい。
  29. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 御尤ものお尋ねでございますが、職務によりまして非常に忙しくて、つい休日も取れないで働いて頂いておるというようなことも、相当多いのであります。併し今のお尋ねのように、非常にそれがために酷使して、能率を低下させているではないかというような懸念につきましては、十分に検討をいたしておりまして、さようなことの起らないように配置その他の点について考えて行くわけであります。併し今日は、申上げるまでもありませんが、余りに余裕というものを持つておりませんから、ついさような実際のときに、部分的にさような問題が全然ないとは言えないのでございますけれども、努めてそういうことのないように努力いたして参つておる次第であります。
  30. 松永義雄

    松永義雄君 よそのお役所には慰労休暇を與えておいて、そうして郵便局だけにはこれを與えないというのは一体どういうわけなんです。そうしてその休暇についての一体手当というようなものはどういうふうになつておりますか。
  31. 土生滋久

    説明員土生滋久君) 郵便局は、特に経営の規模が小さい特定郵便局というようなところにつきましては、非常に差繰りが困難なのでありまして、よその官庁或いはまあ我々のほうでは余りそういうことはないのでありますが、非常に定員の少いところでは、やはり仕事都合上どうしても差繰りがつかないということが事実であります。それはむしろそういつた意味で経営の非常に小さな局にそういう問題があるということ、それから仕事が、御承知通りに定まつておりますから、仕事を休まない以上はやはり休暇を與えることができないというような、いろいろ特殊事情がありまして、そういうことが起り得るのであります。
  32. 松永義雄

    松永義雄君 その慰労休暇のものを、休暇のときに働いた手当というものは、どういうふうになつておりますか。
  33. 土生滋久

    説明員土生滋久君) 手当の問題につきましては、現在慰労休暇の代りに手当を支給するということは給與法でできないということになつておるわけです。そういうわけで、手当を以て代えるというようなことは給與法上できませんので、結局繰越して行く、どうしても與えることができなければ後へ繰越して行く。
  34. 松永義雄

    松永義雄君 そうすると、休暇を與うべきであるにかかわらず與えないで働かせて、而もその働いた時間というか、日に対しては給與を與えておるのですか、いないのですか。
  35. 土生滋久

    説明員土生滋久君) 結局休暇請求権というか、要するに休暇を将来に繰越して行くという考えでありまして、休暇を全然與えないということでなしに、與えることを先に延ばして行くということに現在なつておるわけであります。
  36. 松永義雄

    松永義雄君 そうすると、結論から言うと、翌年々々と繰越して行つて、そうしていつになつたら休憩がもらえるかわからない。いずれ人事院できめるのを待つて決定するのだと、そういうような話ですか。
  37. 土生滋久

    説明員土生滋久君) そうであります。
  38. 松永義雄

    松永義雄君 そうなりますと、どうも委員としましては、ただ郵便局員だけが不法な取扱いを受けておつて、そうしてその他の官庁の人は二十日間の慰労休暇をもらつて休める、不公平だということを認めなければならんのですが、事実はそういうような不公平とお思いになるのですか。お思いにならんのですか。
  39. 土生滋久

    説明員土生滋久君) 今度の人事院で作られますところの休暇法というものの内容によりますが、これは勧告案が出ませんから内容については言えませんけれども、要するにそういつたような場合については、例えばずつと繰越して行きまして、或る一定の限界まで来ますと、或るいは給與とするなり、或いは又退職の際に一括して支給するというような、いろいろな方法が研究されている模様であります。いずれにしましてももらえなかつたからといつて、絶対その人が損失をしたというようなことにはならないだろうというふうに、私どもは予測しております。
  40. 松永義雄

    松永義雄君 大臣にもちよつと伺いたいと思います。
  41. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 今のお話でありますが、これは郵政省の中にそういうものが多いじやないかということは、或いはそうかも存じませんと思いますが、よその役所にいたしましても、随分その係によつて休暇も取れないでやつている人も実際相当多い感がありますが、そういう不公平がいつまでも続くということは不本意なことでございますから、人事院でもそういう勧告をしたいと思つておられるだろうと思いますが、全般の問題に関係いたしてお答えいたしますと、私どもといたしましてはできるだけそういう不公平のないように一日も早く改正するように努力したいと、かように考えております。
  42. 松永義雄

    松永義雄君 別のことをちよつとお尋ねしたいのですが、郵便貯金なり、或いは簡易保険募集について割当額というものはあるのですが、各郵便局ごとに。
  43. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 正確にはつきりした割当額で、それだけは必ず盡さなければならんというようなふうにはなつておりませんが、大体の目標を與えてやつております。
  44. 松永義雄

    松永義雄君 ところでその割当額が当、不当であるという問題が起きて来るのであります。例えば東京都内のような人口の稠密な所では比較的募集しやすい。ところが農村山間地になると隣から隣に一里の、極端な場合には二里もある。そこを廻つて、そうして割当てられた額を募集して来なければならない。結果において数字的にはそうした山間地は非常に募集額が少いようには見えるのですけれども、併しその労力の点については稠密した都市地域より非常に困難である。これに対して割当額郵便局によつて非常にそうした面から見て当、不当がある。なお且つ金額の点についても同様でありまして、都会地方に比較的金が集まつている。然るに農村及び山間地帯は金詰りを越えて、金がどんどん減つている。そういつた地域に対する簡易保險なり、貯金募集というものが非常に困難である。で、割当額というものが強制的でないにしましても、郵便局員のほうから申しますと、任意であつてもそれが強制的な感じを持つて一生懸命にやる。併しなかなかその成績を事実上げることができない。非常に骨折つているにもかかわらず、その労に報いるだけの結果を生むことができないといつたようなわけで、このいわゆる資本蓄積というものが、大きく見ればそういう点にも関係があるのです。とにかく一生懸命にやつておるけれども成績が上らないということは、結局集まる所に力を添えないで、そうして金のない所に過当な割当をして、そうして成績の上らないことを承知しておられるかどうか知らないけれども、とにかく過当な割当額募集せしめる、そういう感があるのであります。郵政省というものはころいう割当額というものに対してどういうようにお考えなつておるのか。お開きして置きたい。
  45. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 御尤ものお尋ねでございますが、今の目標額をきめます場合において、必ずしもその額がいわゆる人間努力を買うのだ。こういう点を参酌して目標をきめて行く。こういうお話のようでありまして、至極御尤もでございまして、私どももそういうつもりでやつておるのでありますが、或いは末端において必ずしも公平に行つていないというような場合もあり得ると考えますが、今後ともそういう点につきましては、できるだけその人の努力買つて、それを標準にして目標額をきめるというようなことによつてつて参りたいというつもりで現在やつておりますし、今後とも努めて参りたい。こう考えております。
  46. 松永義雄

    松永義雄君 大臣の御答弁は、まあそういうことになろうかと思うのでありますが、ところが事実上県庁なり、或いは郵便局なり、銀行なり、貯蓄達成のためにその努力をせられておることを認めるのでありますが、然しその認識において非常に欠けるものがある。もう一つ具体的に卑近な例を以て言えば、先ほど申上げましたように、山間地帶において貯金募集して歩くのに郵便局員は一軒々々歩いて行くのに、一里も二里も歩いて行かなければならん。ところがそういう局員に対する取扱というものが、ただ成績の結果から見てその人の力を判断して、その事情の困難なることを忘れておるという傾きがあるのでありますが、そういつた真に、本当に努力して山の中を駆けずり歩いて、そうして保險料を集めて歩くところの局員に対して、私はその取扱相当考えなければならないと思うのですが、一つ大臣の御意見を承わりたい。
  47. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 先刻申上げましたように、その人の努力を或る程度の秤としてそらして目標額をきめるということが当然行わるべきだと私も考えまして、お説には全く同感であります。ただ今御指摘になりましたように山間部等においては、非常に努力しておるにもかかわらず目標額が上らない。そのような場合に目標額を多く課せられても上らんということは当然あり得ることであります。その辺の点は十分参酌しておるつもりでありますが、或いは末端等においてそういう点において行届かん点があるということは御指摘通りだと思いますが、十分そういう点につきまして今後とも努力をいたしまして、公平に行くように努力いたしたいと考えております。
  48. 松永義雄

    松永義雄君 例えば東京都内において割当額以上に保險募集して来る。ところが山間地帯ではなかなか割当額に達しない。この割当額とその結果とを比較して、そうして比較的容易な都会地帯郵便局員を尊重して、却つて  一生懸命に努力して、而も事実上その事情のために成績の上らない農村地帯局員に対しては、お前は成績が上らんといつたよらな取扱をしておる。これは大したことはないのですが、募集額の如何によつては、何と言いますか、表彰するというようなことが行われておるようですが、実際に困難な所で一生懸命にやつて、そうして割当額が過当なために成績が結果において上つておらんという数字になる。そのほうは蔑視されて、そうして都会の容易な所では、金がたくさんあるところから募集ができた。そのほうだけを表彰するといつたようなことで、実際の労力に比例した表彰というものは行われておらない。これは小さいようでありますが、これもなかなかやかましく、資本蓄積だとか貯蓄奨励だとか言つておるのでありますから、我々から言えば隅つこのほうの苦労している者が軽く扱われ、そうして割合に容易なところが尊重されるということになる。そういう点は私どもはいかんと思うのですが、それは根本において割当のときの計数が誤つているのではないかという点と、そうした苦労している職員に対して相当好遇する必要があるのではないか。その点大臣一つ……。
  49. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 全くその点は同感でありますので、できるだけそういうふうにいたしますように、保險貯金局ともになお注意をいたさせるようにいたしたいと考えております。
  50. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 歳入不足補填金額、二十六年度三十五億八千三百万円、二十五年度十二億八千三百万円という数字が出ておりますが、終戰後のそれ以前の年度不足補填はどういうふうになつておるのですか。
  51. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) 二十六年の三月末でございますから、予算としましては二十五年度の、今年の補正予算を入れまして百億になつております。
  52. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 ちよつと、今の三十五億八千三百万円に対応する、二十五年度は十二億八千三百万円ですね、それに対応する終戰後の各年度数字が知りたいのです。
  53. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) 二十五年度の十二億を除いて申しますと、八十七億になつておりますが、これの年度別内訳は今手元に持つて来ておりません。全部集計いたしますと八十七億になつておりましす。
  54. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうでなく、二十二年、三年、四年というように、ずつと各年度に何かそういう不足補填をやられたのだろうと思いますが、その数字、二十六年度は三十五億、二十五年度十二億、二十四年度、三年度、二年度と遡つて、どういうふうになつておるかという数字です。
  55. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) 先ほど申上げましたように各年度のやつは、ここに持つておりませんから、すぐ調べまして、あとで御報告申上げます。
  56. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 では至急に書類にして御提出願いたいと思う。それを聞きますゆえんは、提案理由説明してありますように、この会計独立採算制建前であるというふうになつていて、すでに数年前から独立採算制を確立することを非常にやかましく論ぜられていると思うのですが、にもかかわらず実績は逆行して来ている、そういう状態ではないかと思う。そこでなぜこういうふうな不足が出るのかという問題を、もう少し具体的にお示しを願いたい。そうして一体方針としてはどういう方針で運営されているのかという問題を大臣にお聞きしたい。更に後日この会計財政状態が健全な状態なつたときは、繰入金相当する金額を戻すというようなことを語つておられますが、それは一体いつから独立採算制が確立するとお考えなつているのか。従つていつからそういう金を返せるという計画をお考えなつておるか、これらの点を大臣にお答え願いたいと思います。
  57. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 大体終戰後におきまして、郵政会計相当に大きな赤字を出すということの一番大きな原因は、無論従来におきましては郵政電通両省が合併いたしておりましたので、そういう勘定のやり取りの不明瞭な点もあつたりいたしたのでありますことも、一つ原因でありまするが、一番大きな原因といたしましては郵便物が大体戦争前の半分に減つておる。で、これが回復いたしますことを念願して、なお又独立採算建前からいたしまして、できるだけ郵便物の早く回復するように営業的に努力もいたして参つたのであります。併し何分半分に減つておりますような現在の状況でありますので、現行の料金を以ていたしまして、独立採算を十分にとるということは困難な実情にあるのでありまして、従いまして或る程度まで郵便料値上げということも当面当然考えられるのであります。そんなことも事務局において考えたのであります。御承知のように郵便封書に対しましては八円が現在の料金であります。戰争前に比べますと二百倍以上になつております。はがきにいたしまして大体戰争前の百三十三倍になつておる、こういう状況でありますので、殊にこれが利用者が小さい階級において多く利用されているという理由で、はがきの二円は安いけれども暫らく据置かざるを得ない、こういうことではがき値上げもいたしませんでおるのであります。さような状況下にありますが、御承知のように郵便の原価と申しますものは大部分は人間であります。機械の応用というものが非常に少いのであります。やはり相当の人員というものは、量が減つても何でもおかなければならないというような関係もありますので、なかなかこれが経費の切詰め等も困難な実情にありますのと、一面独立採算ではあるが、郵便事業というものが国民の文化、経済全般に及ぼす影響が非常に大きい点を考えまして、今日の状況においては今暫らく一般会計から繰入れをお願いいたさざるを得ない、こういうようなことで今回一般会計から繰入れをお願いすることになつたわけであります。然らば将来何年たつたら今の独立が立派にできて、而も余裕金を以て国庫に返すことができるかというお尋ねでありますが、今の郵便料値上げすることも一つ方法であり、又郵便量自体が非常に殖えるということも考えられるところでありますが、併しこれが、果して何年の後に繰入金を返すかということに対して計画は立つておりません。さよう御了承願いたいと思います。
  58. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 計画が立つていないとおつしやるのですが、ここにはちやんと、後日この会計財政状況が健全な状態になりました曉には云々という約束をしておられる、これは單に計画はないのだけれどもいい加減なことを言つておくというようなお考えなのかもつとこの点は正確に長期計画をお立てになつ考えるべきじやないか、殊に国家全体として、自立経済を打立てるためにはどうするかという非常に困難な問題を、具体的に考えなければならない時期になつておるのに、たつた一つ特別会計のもといつては失礼かも知れないが、独立採算制の長期計画が立たないというようなことは、実に我我として了解に苦しむところなんですが、その点を大臣はどういうふうにお考えになりますか。
  59. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 今予算書に書きましたように、将来余裕を生じましたときに返すということは間違いないのでありまするが、今おつしやるような計画を立つて、何年の後にはこの金が返せるというところまでなぜ立てないかというお話でありますが、今申したように、郵便量の増加及び料金の改善問題等のものは、今日の事態におきましてできるだけ料金値上げは避けられれば避けて行かなければならない情勢にもありまするので、こういう点を考えまして、何年の後に幾ら殖えて、幾り返すというような数字を立ててお目にかけるというまでに至つておりませんことは誠に遺憾でございまするけれども、御了承を頂かなければならんと考えております。
  60. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 どうも了承ができないのですが、今おつしやるように、或いは庶民大衆のそういうものに対する負担を減らすとか、或いは文化的な意味で今の印刷物の郵邊料金等については、單なる採算制の立場から見れば、非常に不合理なものがあるのじやないかと思いますが、それらを、併し文化的な、文化向上の立場からあえて国家を損失を補填してもいいんだというようなふうのお考えで、それをやつておられるのならば、ここで一つ潔よく独立採算制を放棄して、明確にして一つ出すべき問題です。そういう根本的な問題もきめなければならないし、或いは大臣言つておられるように、成るべく料金を上げないというような方針を貫かれるのならば、それでどういう対策が、どういう計数的な予測から上げないで済むんだというようなことが、もう少し具体的に計画的にきめられて、政策が立てられて然るべきだと思うのですが、重ねてその点を至急に、この長期計画その他をお立てになる用意があるかどうか、お聞きしたいと思います。
  61. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 今のお話の中にもございましたように、一体郵便というものが独立採算で必ずやるべきものだ、或いは文化、経済全般に対する或る程度の国家の補給があつても然るべきものだと、こういうような点に関しては、私議論もあると考えておりますが、現在では私ども実際山の中でたつた一軒家に新聞を配達しますのに八十銭、こういうようなことは原価の上から言つて独立採算を堅持する上から言つても、到底できないことでありまするが、併しこれは考えて見ると文化に及ぼす影響があるから、そう高いものにすることはできない。こういうような意味からいたしまして、若干のそこに独立採算と言いながらそういう点も考えるべき点があると、こういうようなふうに考えますので、然らばその程度、限度は如何ということになると、なかなかそう簡單に結論を得ない点もありまするので、現在のところでは将来はがきの値段、封書の値段等をきめる場合、大体世間的な物価の程度に準じてやはり上げるなら上げる、下げるなら下げる。絶対に値を上げないという方針では無論ないのであります。ないのでありまするが、いま暫らくの間これに対する長期計画をはつきりするということが困難の実情にあるということを申上げたいのであります、
  62. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 どうもその長期計画を立てることの困難がよくわからないのですが、計画をお立てにならないから、今の独立採算制でやつて行けるものであるかどうか、独立採算制にするならばどれくらいの料金の調整をしなければならんのかということが具体的に出ないので、むしろこの原因計画をお立てにならないことにあるので、それを国家としてお考えにならんというのはおかしいじやないか。そういうふうに考えるのですが。
  63. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 昨年はがき値上げをしようかという事務局の案ができましたときは、大よそ二十五、六億円の收入増を見越しまして、それによつて独立採算がややできるかと、こういう点から一応立案されたのであります。ところが御承知のように年末の問題、ベース・アツプの問題、それが出て参りましたために、大体三十五六億円の不足が出る。仮にはがきを二円のものを四円に上げてもなお十何億の不足が出る。こういうふうな実情にあります。で政府へいろいろ相談した結果、これは一般会計から出そうということで、諸物価との釣合いもあつて、現在のところはがき値上げをしないほうがいいというところに結論を得ましたので、やつて参りましたのであります。
  64. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それならばどうも現在むずかしいという問題でなくつて、性質として独立採算制が不可能なんじやないかという結論になるので、先ほど申しましたような健全な状態なつた曉にはというような気休めはむしろやめて、もつとこういう計数的な理由からして、とこ数年は、少くともここ二、三年はその可能性がないから、ここは独立採算制をはつきりと棄てて、併しそれは例えば庶民大衆の負担を上げないためだとか、或いは文化政策の立場とかいろいろな事情を勘案して、その点をむしろもつとはつきりする必要があるのではないか。その点についてはさつき申しましたように、国が全体の自立計画ですら、あの複雑な困難な問題を少くとも三カ年くらいの先を見通して長期計画を立てた。特に鉄道会計その他においてもそういう貨物輸送その他をば全部計画的に運んで行こうとしておられる時期であるので、是非その点は一つ郵政事業においてもしかく計画が立てられるべきだと思うのですが、その点を大臣は早急にお立てになる意向はないのかどうか。
  65. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 今一例を昨年の夏の料金値上げの場合を引きまして申したのでありますが、今のように、実は二十五億とれると思つたのが去年十九億というベース・アップがあつて、誠に郵便行政が変転極まりないような情勢下にございますので、仮にできる数字を作りましても、恐らくは忽ちできないようなものに、半年たたないうちにそれがなるというような、私どもの過去の経験がなつておるのであります。そういうような状態でございますので、これを正確にプランを立てて、皆さんの御納得の行く数字を出すということは私は困難ではないかと考えておるのでありますが、併し今のお話のありました郵便事業自体の性質から考えまして、公共的性質を多分に持つているから必ず独立採算できちつよ行くべきである、或いはそうせないでもいいのだ……、確かにそれは議論があるところだと思います。甚だ安易な考えでありますけれども、幸に郵便物の量が仮に倍になります。そうする、と忽ち四十億、五十億の増收になるということになるのでありますが、その辺のことは予定がつきませんので、或いはそういう公共的の性質を持ちながら、現在の料金程度を以てずつとやつて行けるようになるか、或いはどうしても見込みが立たない。立たないからこれは金を返すことはできないとして、公共事業として国家の補給をするというように考え直すか、暫らく私は検討さして頂きたいと、こう考えておりますが、併し御趣旨のようなことは私ども常に考えております問題で、できるだけ早く安定する数字を出したいと考えておる次第であります。
  66. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 その点は、そういう方向に進めて頂くことにお願いをしまして、次にお尋ねしたいことは、郵政事業予算定員は二十六年度四月には二十五万九千人に、二十五年度末は二十六万というふうになつているのですが、従つて大体現員通り殆んど増減なし、若干減少するということになつておるのですが、人員はこれでとめる、或いは自然減その他を待つというお考えなんでしようか。郵便事業事業量はどれくらい殖えるのか。従つてその殖える事業分量をそれだけの現員でおやりになるとすれば、必ず労働強化その他になるのじやないかと思うのですが、その点どういうふうにお考になつておるのかという点を一つお聞きしたい。
  67. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 今の若干、七百六十人減つておりますが、若干減つておりますが、併しこれは決して必ず労働強化になるということは絶対にないのであります。なお、その研究いたしました詳細につきましては、給與課長のほうから説明いたさせます。
  68. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 事業分量がそのままであれば、労働強化にならんと思うのですが、恐らく收入その他から見ると事業分量は相当殖えるのじやないか。事業分量が殖えたにかかわらず現員のままであれば労働強化にならないじやないかという点を特に御説明願います。
  69. 土生滋久

    説明員土生滋久君) 事業分量につきましては、二十五年の予算では百五十六億の收入見積りを立てておりますが、二十六年では百六十億というふうに計算をしております。二十四年の実績に対しましては、大体三%ぐらいずつ殖えて行くだろうという計画を持つております。それからなお定員が減りましたのは、これは特定局の電気通信業務の委託を受けておるわけでございますが、その特定局の一部を電気通信省が直轄するという問題があるために移りますので、こつちの仕事が当然減りまして、その分が電気通信省へ引継ぐという問題であります。実際上の定員としましては、事業全体を通じまして従来と同じ定員でやつて行くということになつております。
  70. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、事業分量は殆んど殖えないというふうに了解していいのですか。
  71. 土生滋久

    説明員土生滋久君) 実際問題としましては、実際上全体的な量は殖えて行つております。ところが料金面に出て参りませんのは、二十五年の五月から料金値上げいたしましたときに、大体今までは封書とはがきの比率は二対一ということでありましたので、そのはがきだけ据え置きいたしましたので、その後の傾向は皆はがきなつておりまして、はがきはどんどん殖えて、封書のほうは少し落ちて行くというかつこうで、事務量全体としましては、量は殖えておりますけれども、收入はそれだけ出て来ないというかつこうになつております。
  72. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうしますと、事務分量は殖えておるにかかわらず收入が殖えていない。收入が殖えていないが、事務分量が殖えているということになれば、事務分量が殖えて来れば当然に労働は殖えて来るわけになる。それらの点を單に労働を強化することによつて補充しようとお考えなつているのか。それともこれは次にお尋ねしたいのですが、給與べースその他をもう少し見てやることによつて、それを補つてやろうとしておるのであるか、その辺をお聞きしたい。
  73. 土生滋久

    説明員土生滋久君) 実は定員を配置いたしますときに、特に郵便の場合におきますと、局によりまして一日二回或いは三回鉄道便がきまつておりますので、その間に処理いたしますためにも細かい計算をやつておるわけであります。これぐらいの事務量の増加は、現在の定員でやつて行けるだろう、或る程度開きが出て来ますけれども、その範囲内でやつて行けるだろうと考えております。
  74. 松永義雄

    松永義雄君 ちよつと関連して……。今度休日配達をおやめになるという噂が飛んでいるのですが、その事実はどうですか。
  75. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 日曜日、祭日におきまして特殊の配達は、これは別でありますが、一般の郵便の配達はやめてはどうか、こういうことにつきまして、それについてどのくらいの人が節約できるかということで概算いたしましたところが、数字の面から言いますというと、約三千人ばかりの人が浮くことになる。こういうようなことがありまするのと、欧米でも大部分の国は日曜には一般郵便物は配達しておりません。こういうこともありまするから、一遍この点は一つ真劍に検討して見たい、こう考えましたので、全国にございます郵便局の中からいろいろモデル的なところをとりまして、二百局ばかりに対して日曜配電をやめることの線に従つて一月の中旬から試験的にやつております。その結果まだ数字も出て参りませんので、最後の結論を得るまでには至つておりませんのでありまするが、例えば月曜日になると非常に仕事の分量が殖えて来る。こういう場合には補充をしなければならんというような点もあるから、今の人員の問題はそう多く期待することは困難かも知れませんが、一応は経費の節約、特に欧米における慣行に従いまして、日曜日にやめることについての検討をやつております。この結果三月までいたしまして、その上で決定したい、こう考えておる実情であります。
  76. 松永義雄

    松永義雄君 私は絶対反対です。先ほどあなたは慰労休暇の点について考慮するということを言われて、従業者の利益、生活、仕事の上のために非常に御親切なお言葉があつた。ところが只今お話によると、休日配達を廃止して、そうして先ほど来御質問があつた独立採算性を図る、その点で経費を節約されて、そうしてあなたは三千人とおつしやつたが、約四千人の失業者が出るというので、逓信従業員は非常に心配いたしておるのであります。すでに物価の騰貴でそのベースすらやり切れんこの際、失業者を出して、そうして経費節減を図ろうというのは以ての外である。現にもうすでにモデルとして所々でこれを試験しておる。実際やつておられるのですが、一体大臣はこうした苦しい生活のときに、仕事がたくさんあつて、そうして慰労休暇も與えることができん。よその官庁に比較して與えるものも與えないで気の毒だと言つたあなたは、その口の先で、そうして失業者を三千なら三千、四千を出そう、あなたの言うことは全く矛盾しておる。人の生活というものを全く考えておらんということになるのですが、これはどういうことなんですか。
  77. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 先刻の慰労休暇の問題と、今の問題とは抵触しない考えを持つておるのであります。と申しますのは、今三千人四千人の人をすぐやめさしてしまうつもりかという、こういう意味でありまするが、幸いに今のトライアルの結果がよくて、これは一つ皆様の御不自由は若干あるけれども、その程度はお忍び頂けるということでありますれば、それを実行するについては現在の人を解職するという考えは全然持つていないのであります。と申しまするのは、今まで若干労働の重い点もあるだろうし、慰労休暇も十分やれない、そういうような点もありますから、多少その方面のほうの補いにもなり、又自然にやめるかたがありましても、若干の人は今の現員で補いがつく、こういうような考え方を持つておりますので、仮に実行いたしますといたしましても、今の解職するというようなことは考えておりませんのであります。
  78. 松永義雄

    松永義雄君 先ほども大臣はおつしやつたのですが、日曜配達を中止いたしますと、月曜日に掩いかぶさつて非常に忙くなる。そうでなくても慰労休暇を與えないで仕事をさして、漸く凌いでいるところへ、更に月曜日へ掩いかぶさつたひには、従業員の労苦も察するに余りあるのであります。問題は従業員の立場を考えて頂くことは結構だが、併し従業員が日曜配達をやめて、仕事が掩いかぶさる。而も解職者を出さんというお話ですが、併し従業員のほうから言うと、モデル、一つの模型を作つて、そうして実行して、四千人の失業者が出るだろうということを恐れております。実際にあなたは、失業者は一人も出さないということを言明せられますか。
  79. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 若しこれを実行いたしますにいたしましても、失業者は絶対に出さない。
  80. 森下政一

    ○森下政一君 今のに関連して一つお尋ねしたいのですが、二百ほどの局を選んでモデルとして休日配達をやめるというトライアルをやつておるとおつしやるが、その結果が若しよければそれを全体に普及して行かれるお考えのようですが、その結果がよいというのは一体どういう場合が出て来たらよいというのですか。
  81. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 甚だ抽象的な言葉でございましたが、需要者といいますか、これを利用されるかたに不便がなければ……、あるよりはないということが確かに不便に違いない。併しまあ大したことでなしに行けるという、いわゆる需要者の声を伺い、又実際にこれを行いました場合に、翌日の労務、人の振替え等につきまして非常に重荷がかかるか、かからないかというような点を実は試験いたしておりまするので、局自体の都合と、それからもう一つは利用されるかたのお考え等も伺いまして、そして決定して参りたいと、こう考えております。
  82. 森下政一

    ○森下政一君 大体それはいつ頃からお始めになつておつて、いつ頃までの間の成績を見よう、どれくらいの期間に亘つて実施して見て、その成績の判定をしようというお考えなんですか。
  83. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 現在のところでは三月一杯までやつて見たい。
  84. 森下政一

    ○森下政一君 いつからお始めになつておりますか。
  85. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 一月十五日からです。
  86. 森下政一

    ○森下政一君 それは全国的に……。
  87. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 全国的に選びまして、関係の各種の方面を物色してやつたのであります。
  88. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 関連して伺いたいのですが、実はその二百のモデルのある局に行つて話を聞いてみたんですが、休日を今までのようなばらばらでなしに、日曜に統一されたために、次の日が非常に事務分担の数量が殖えて、やつぱり超過勤務手当というようなことも、まあ自分らとしても考えていたところが、さつぱり居残りになつても超勤手当も満足にもらえない状態である。これでは今までのほうがよつぽどいいというようなことを従業員のほうでも言つているのですね。それで常識的に考えて見ましても、ほかの事業と違つて、こういう郵便事業等は毎日平均的にまあ仕事が出ているのですね。それに対して一週間のうち、或る特定日を休日にしますというと、どうしてもその次の日は多忙になるのは当然です。若しその多忙な日が今までの定員で以て完全に支障なく仕事ができるとすれば、これはまあ人間を一日置きにさえ使つておればいいというようなことにもなるのですね。そういう点から言つてもどうも多少不合理じやないかと思うのですが、今の超過勤務手当に関連して、或いは人数の点についての当局の御方針はどういうふうにお考えなつているか、御発表願いたいのですが。
  89. 前田嘉壽夫

    説明員(前田嘉壽夫君) 只今の御質問に対しまして、超過勤務手当につきましては十分配算をいたしておりますので、日曜日の出勤をやめましたために、勤務時間が延伸いたしまして、それがために超過勤務手当を拂わないというような事態は全然ないはずでございます。それから又月曜におきまする物量が殖えたがために、相当その勤務時間が長くなることを恐れまして、それを防ぎまするがために日曜日に休暇を取りました者が道順組立に応援いたしまして、これを行なつておりまする関係上、実施当初の一月十五日の月曜日の一号配達の場合は、相当時間がかかりましたが、二十二日の月曜日の配達のときには、比較的楽に平素の集配時間より約三十分程度延伸する程度で、配達量が完了したというふうな場合が比較的多いのであります。なおこの点につきましいは、今後検討いたしたいと思います。
  90. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 つまり仕事が倍加しても、三十分ぐらいの程度で以て、事務は澁淵なくできるということは、これは逆に考えますと、人数が半分でもやれるのじやないかというふうにも聞えて来るのですね。要するに経費がこうやつて、赤字補填のために相当一般会計から繰入れをしてもらいたいというようなときにおいて、もつと能率を上げることが十分にできるというようなことになると、今回出された赤字補填の要求というものが矛盾を来たして来るということになるのですね。こういう点についてはどうお考えですか。
  91. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 今御説明いたしましたように、これを試験的にやつております。殊にさつき申上げたようにいわゆる利用者のほうのいろいろそういつたような問題もございます。例えば現在、日曜は休んでもよいが、月曜日の朝九時までに郵便物を届けてもらえば、却つてそのほうがよい。現在はどうしても一号便が十時半、十一時ぐらいまでかかつておる。それをもつと早く届けてもらえば、これは日曜はやめてもよいというようなあれもあるのであります。今お話、の一体普段人間が余つておるから、そういうことになるのじやないかということでありますが、やはり日曜を休んだあと月曜日なら月曜日は或る程度気分も違うから、それで以て平常の勤務に堪え得る量であるということは、常識的に無理じやないかと、こう考えます。決して余分の人があるから、そういうことができるのだということではないのであります。
  92. 小林政夫

    小林政夫君 大臣でなくてもよいのですが、業務收入の見積りの基礎ですね。どういうことでこれだけの見積りができたかということを伺いたい。
  93. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) これは二十五年度の一月から五月まででございます。一月から五月までの実際の收入をつかみまして、それから二十五年の六月から十二月までは、戦時中におけるところの三カ年間の平均の指数がございます。例えば一月から五月までが五で、六月から十二月までが七というような推計をして、それを合計しまして、そうして三%の部数増加があるというような計算をいたしております。それにプラスの年賀便三億枚、それから海外定期送料が入つたので、それを二億加える。そういうことであります。
  94. 小林政夫

    小林政夫君 外国郵便運送料というのが二億一千万円、今言われたこの外国郵便というのが具体的にどうなつて、その料金区分はどうなつておるか、お知らせ願いたい。
  95. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) 海外逓送料は二十六年度において收入を二億と見まして、支出を一応三億と計算しております。これは推定でございますので、相当まだ動くかと思いますが、主として外国に対する航空の郵便の航空会社、それから船会社に拂うもの、又直接国内の收入として取りますのが一般の郵便料に入つてしまつているので、直接外国に佛う分と、外国からもらう分だけをここに海外逓送料として收支ともに挙げているということになります。
  96. 小林政夫

    小林政夫君 いろいろ細かい経理上のことを私は勉強したいと思つておるのです。あとで結構なんですが専門員なり、成るべく経理のほうの専門の人に来てもらつて細かい経理内容について聞きたいと思うのですけれども
  97. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 もう一点伺いたいのですが、先般私本会議で以て実は電信電話の民営の問題について時間がなかつたので極めて簡單な質問をいたしたのですが、それに対して大臣からいずれこれは民営に移されるようなお話ぶりに承わつたのです。それで首相からも、たばこと共にこの電信電話というものは或る程度民営にするといつたような意見も承わつたのですが、これは現在のいわゆる郵政或いは電通あたりの機構では到底国内の今日の通信事業等についての万全な対策が講じられないというふうなために、民間に移したほうがいいというふうな点なのですか、それとも又経費がありさえすれば今の機構でももつと十分な方策が立てられるというような点なんですか、これを明確にされたいのです。そこでこの特別会計に計上されております金額等を見ましても、いつでも收入と支出とはバランスがとれるようになつていて、而も年度末になるというと、赤字が出て一般会計から補填してもらいたいというふうになるのですが、そういう点に関連して大臣に今後の御抱負をこの際御発表願いたいと思います。
  98. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 先日本会議で御答弁申上げました意味は、油井さんのほうでは何かもう民営というものを或る程度きめてかかつて調査しているようなふうのお言葉にもとれるのでありますが、そういう意味ではありませんので、電話の先般国会においても、公共企業体に直したらどういうか、こういう御決議も頂いております。その後関係方面とも折衝いたしておりましたところが、どういう都合か昨年の夏になりまして公共企業体の考えは暫らくストップして欲しいと、こういう占領政策の上からの御指示がありました。それで公共企業体の問題はかなりに進んでおつたのでありますけれども、そういうことで一時中止いたしました。そこで併し電話の状況が非常に皆様に御迷惑をかけているということはよくわかつておるので、何とかしてこれを早く復興するという手がないかということについていろいろ考えておる。方法としてどうも官のほうでは能率が上らないのだから、一つ民営にしてしまつたらどうかという、こういう御意見もございます。又総理からも民営にすることについての一遍一つ基礎研究をやつて見たらどうかと、こういうお話もあつたのです。それでありましたが今公共企業体はそういうようなことで暫らくストップということであります。ということは現在の企業形態をすぐ変えるということについてはGHQのほうの御了解も困難だという建前にあると思いまして……、併しそれは或る期間の特殊の理由でありますかどうか、そういう点もありますので、私のほうとすれば民営でやることがいいか、或いは公営企業に残して置くならばどういう方法を用いるべきかというふうなことを目下頻りに研究いたしておるのであります。今差当つては現在国家企業でやつております関係上、国家企業であつてもできるだけ民営の長所を取入れなければいかん。現在資金は全部国の資金によつてつておるわけですが、もう少し民の力を借りるような方法をとるべきじやないかというようなことも考えられるわけでございますので、折角その点につきましてGHQのほうの御了解も得るように努力いたしましたのでありますが、若干そういう点についての了解も得ましたので、例えばP・B・Xと申します屋内の電話でございますね、そういうようなものはその増設をなさるかたが金を出す、それは政府に一時借入金のような形でするというようなことも大体お話合いがつきまして、従来はあちらさんのお考えとして国がやるならばやるとして、徹底的に国がやるべきで、なまなかな個人の企業が中に入るということは却つていかんというような点がありましたので、いわゆる民の力を借りることが相当困難な実情にあつたのであります。併しそういうふうにだんだん了解されて参つておりますので、もう少し政府と民の力を利用する方法を、逐次現在においてもやつて行こうと、こういうふうに心掛けてはおります。併し民営、或いは官営、公共企業体の根本的な問題についてはなお部分的ないろいろの問題に亘りまして、検討をやつております次第であります。
  99. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 最近新聞でよくあの私設郵便局というようなかつこうで以て東京、大阪間を引受けて大変な利益を得でいるものがあるとか、或いは電話の施設に当つて、電話の引かれるまでに非常に遅れる、例えば東京都内あたりは申込んで三年間もたたなければ恐らく架設されないとか、そういつたようなことでその間に乗じて特別施設をやるとかいうので五万円とか七万円とか、これは通り相場ですが、恐らく大臣もこういうことは御存じだと思うが、事実まあその通り引かれるか引かれないかは別として、これの運動をしてあるとか、まあ当然引かれる地域にあつた電話が特別な運動のため引かれた顔を装つて五万円だ、七万円だという金を取つたという、そういう例が多いのですね。そういう收入が国庫のほうに入つておればまあ国家財政上にも、相当大きな影響を来たしておると思うが、そういうようなことを見逃されておるような状態というものは、結局現在の施設ではサービスが悪いという結果だと思うのです。こういう点についてはやはり当局としては予算を十分獲得し、拡充すべき施設は十分拡充して、そういつたような忌まわしい事件が起らないくらいまでに配慮されるのが当然じやないかと思うのです。そういう点から見てやはり官営、今の国家でやつておる事業というものはとかく能率が上らないとか、或いはその裏に忌まわしい風聞が出るとかいうので、民営に移したほうがいい、こういうような輿論も出るのです。これに対しては大臣も十分民間の状況を御察知になつて、極力サービス本位のこの事業に対しての予算の獲得を図られるのが当然じやないかと思う。この点が少し弱くはないかと思うのですが、予算のいわゆる分捕り主義といいますか、そういつたようなことについて御努力程度についても、今までの経過をお話願いたいと思います。
  100. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 先刻ちよつと私設郵便お話がありましたので、これを申上げますが、私設郵便は戦後から交通が非常に不便になりましたので、まあ初めの内は会社がみずから本支店の間に人を走らすというようなことをやつておつたが、これがだんだん職業的になりまして、ではここの会社が引受けようというようなことがだんだんひどくなつて参つた。併し御承知のように郵便はだんだん状態が戦争前の状態に近いまで今日配達期間が短縮しておる。そういうような関係でだんだん減る傾向になつたが、一度やつたものがずつと相当に繁昌してやつて行けるというようなことは、こちらの施設状態がよくなつて来ておるにもかかわらず、それが残つておるということはいつまでも許すべきでないということから、先般検挙いたしました。併し一面には官のほうの郵便事業自体にも不完全なところがあるからそういう商売が成立つのだと、こういう点に反省をいたしまして、例えば夕方出した郵便を朝までに届けるというようなことにサービスをいたすべくそのほうの努力をしておるわけであります。  それから今の電話のスキャンダルにつきましては、私もちよちよいそういう報告を受けておるのでありまして、誠に遺憾なことでありますので、こういうことをなくするようにいたしたいのでありまするが、現在来年度においてすでに申込まれておる数が累計およそ七十万個と考えられます。なお隠れた需要というものもまだ百万や百五十万あるのではないか。この国民の満足をするような投資をするということになれば、少くともこの一両年の間に千五百億くらいの金を入れませんとできないのでありまして、そういう金を全部政府で以て出してやるというようなことも事実できない状態でもありまするし、財政の状態等を睨み合せまして、今年は百三十五億の預金部資金のほかに、みずからの償却費によつて得ました八十億を加えました二百二十億で今年度の建設勘定はいたすということになつておるのでありますが、なおそれだけでは行けませんので、さつき申しましたように、もう少し需要家の利益する人が或る程度金を出すというようなことを考えるのが実は一番手取早いのであります。と申しますのは、戦争前には、電話は高いときには一月二千円くらいの負担金を拂つたのであります。まあ少いときでも五百円くらいの負担金は出したのであります。そういたしますと、今日この物価の倍数で申しますると、十万円とか、或いは多い場合には七、八十万円の金に該当するのであります。だから、昔はそういう金でやつたのであります。今はそうでなくて何もかも国家でやるということになつておりますことは、如何にまあ予算の獲得が技術的に上手であつても、これは到底私はいかんと思いまするので、一面において工事のやり方についても、できるだけ経済的なやり方をするということが一つと、もう一つは、もう少し民間の資金を入れる方法についてあちら方面の御了解を得たいと思つて努力いたしておりましたが、先刻お話のありました、二年も三年も引かれないというような電話は、いわゆる不可能地域として、全然電話の線がその近所に行つていないところは、一個や二個の電話のために莫大な費用をかけるわけには行かないから、不可能地域として置いたのでありますが、今度これに対してあちら側の了解を得て、これに対しては特別な経費を負担してやるということになりまして、それはすぐ実行に移したいと思つております。そういうようないわゆる政府の企業としてやる場合には、徹底的に、或いは民間の金を借りたりしないで、全部国家の資本でやるべきであるというような在来のGHQの御方針があつたのでありますか、まあ日本の現在の実情から言うと、そうばかりにはとても行かんというよなことから、今のような方法を次から次と了解を得て進んでおるわけであります。まあ今後も各方面について、そういうようないわゆる受益者のかたがたから或る程度負担してもらうというような方針で進んで行きたいと、こう考えております。
  101. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 電話公債はこの前廃止になつたのですが、この前は高過ぎるように我々も考えたのですが、あれを或る程度の電話公債を出して、そういう解決を図られるような意思はないのですか。
  102. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 一番先に私ども考えたのですが、一昨年ですか、ドツジざんのあれから、もうこういうふうなことはいかんということになりまして、やめたのであります。やめたのでありまするが、受益者から御負担を願うという場合に、一番手取早い方法は電話公債の方法だと思います。思いまするが、その方法なり、或いは負担金の方法なり、或いは單純な借入れの形なり、こういうようなものについて目下検討いたしております。
  103. 松永義雄

    松永義雄君 只今不可能地域とおつしやつたのですが、不可能地域というのはどういうものですか。
  104. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) これは省内の都合によつてきめておる用語でありまして、どうも一般的に通る言葉ではないのでありまするが、先ほど例を申上げましたけれども、或るところにケーブルが通つていると、それから一里も二里も離れているところで、全然その近所に電話線が行つておらない、そこにやるには、新たに電線の基礎設備から全部やつて行かなければならんところは、一応不可能地域ということで、省内できめている用語であります。
  105. 松永義雄

    松永義雄君 都市の真中のごときはどうなんですか。
  106. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) それは都市の真中にはそういうようなところは余りないと思います。先だ技術問題としては、線が一ぱいで、交換台が一ぱいで、これ以上は一個も殖やせんというような状態にあるところがあります。こういうようなところは、不可能地域とは申しませんが、そうしたところはあります。
  107. 松永義雄

    松永義雄君 スキャンダルということがあつたのでちよつと連想いたすのですが、どうもそういう傾向が強いということを耳にするのです。まじめに正直に願出ている者はいつまでたつたつて引いてもらえないのです。而もそれが極めて繁華街の地域にある。如何ですか。
  108. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 今のスキヤンダルにつきましては、そういうことのないように徹底的に取締を嚴にいたしますと同時に、一方においてはもう少し電話の引かれやすいように、資金の面におきましても、実際の作業の面におきましても、なるように努力をいたして参るつもりでやつております。
  109. 松永義雄

    松永義雄君 努力々々とおつしやつるが、本当に努力してもらわなければ困ります。
  110. 森下政一

    ○森下政一君 又問題は変つて郵政事業の本質的な問題になるのですが、先刻佐多君から、可なり独立採算制の問題について突つ込んだ御質問がありましたが、いろいろ大臣の御答弁を聞いておりまして、いつの日か独立採算制が確立されるときがあるかということについては、ちよつと見通しがつきかねるというふうに思うのです。そうしてこの收支のバランスを得るためには、郵便料金の値上げをして増收を図る以外に増收の途がなさそうに響くのですが、これは何かほかに料金値上げ以外に郵政事業の上から考えられる増收の途というものはないものなんでしようか。欧米各国の郵政事業においては、何か郵便料金のみによらざる收入を上げておる。例えば今日のはがきの表にちよつとした広告を印刷するとか何とかいうふうなことができるものとするならば、これは相当増牧の途があるのではないかというふうに思いますが、そういうふうなことに御研究があつたのではないかと思うのですが、諸外国の例等も若し御承知でしたらこの際に、折角大臣がお見えになつているときに伺つて置きたいと思うのです。
  111. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 郵政省自体といたしますと、郵便事業のほかに、貯金事業、保険事業等がございますが、これは会計が別になつておりますので、今の三十六億の繰入は郵便事業プロパーのものに対するものであります。そこで、お前たちは郵便事業自体の独立採算ができるだけ堅持して行ければ結構なんだが、その意味において單なる料金値上げだけでなしにほかに何かないかということであります。例えばはがきに広告をするとかいうことでありまするが、御尤もなことでありまして、実はもう事務当局においては、あらゆる考案が次から次に出て参るのであります。併し今のはがきの広告のようなものは、結構だが、どらも政府の行う公営事業として、余りにこれが露骨になり過ぎるような広告になつては困ると、却つて利用者に不決の感を與えるようなことがあつては困ると、例えば自分の商売敵の人のはがきが来ると、そうすると受ける人のほうも気分も悪い。外で一般に見られる電柱の広告のようなものならいいのだが、余り個人のところに来るものに自分の快しとしない人のはがきが来るということは、非常にその人を不快にさせるということもありますので、この間ちよつとやつたんでありますが、まあそれは少しやめたほうがいいんじやないかということで、一時中止を命じたというような次第なんでありますけれども、まあいろいろその他にもポストに広告をとるとか、郵便局に広告をとるとか郵便局内には可なりポスターを貼つておるところもありますが、これは一向差支えないと思います。ポストの上に屋根をかげるとかいうような問題、余りそうかといつて下品になり過ぎるということも困るということで、それはその辺を非常に斟酌しておりますが、事務当局といたしましてはいろいろなことを考えてやつております。なお又御名案等がございましたらこの席でなくてもお教え願えれば結構だと思つております。同時に一方においてこれは誤解を受けるといけませんから申上げますが、やはり企業の合理化、これは国家自体から申しまして、ウエイストを、無駄をなくするということは考えて行かなければならんから、單に收入を殖やすということだけでなくして、経費の面もやはりできるだけ合理化するということは考えて行くべきであるということで、その辺も注意いたしておるわけであります。
  112. 森下政一

    ○森下政一君 御尤もなことで、経費を節約して事業自体の合理化を図つて行く、これは当然何よりも先になされなければならんことだと思つておりますが、併し現在の情勢で、先刻来いろいろ御説明があつたように、郵便料金を例え値上げをしても、そのときはそれで大体採算がとれると思つておつたのが、半年たてば又赤字になつてしまうというような変動がないとも限らんというお話でありますが、これも又憂慮されるのは御尤もだと思いますが、そこでひとり料金收入の増加を図るだけでなく、郵便事業についても私は單なる思いつきを言うたに過ぎないけれどもはがきの広告をとる、但しその広告も、おつしやるように商売敵の人の広告が印刷に出て来るということはどうかと思う。これはそうで、やたらに薬の広告をとつたり、化粧品の広告をとつたりしたんでは、それはそうだと思いますが、これは少し智慧を出したら、一般国民が知りたいと思つておる点を知らしめるような手も恐らくあると思う。例えば今日放送局が、放送事業について何か知らせたいと思つておることを或る期間を区切つてはがきに印刷をするというようなことであるならば、これは誰も不快に思う者はない。それは薬や化粧品や、石鹸の広告とは訳が違う。これは頭の働かし方によつて案外増收が得られると思う。専売公社でもときによつてはたばこの宣伝をせんとも限らない。これはそう大して誰もが不快に思う者はないと思う。尤も禁煙を提唱しておる人のととろへ公社の広告を刷つたものが、はがきが行つたのじやまずいかもわかりませんが、少し考え方によつて途があると思いますが、これは十分お考えなつていることとは思いますが、独立採算制というものを確立して、絶えず余裕ができたときにはこの会計から一般会計へ編入するのだということを考えて、ただ漫然とそういう時期を期待されておるということではいささか私は了承しかねると思うのです。
  113. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 至極御尤もなお考えでありまして、そういう点につきましてもなお今後もできるだけ一つ研究して、收入を図ることについては努力して参りたいと考えております。何分今のような、誠に財界の情勢が変転極まりないような情勢でありますので、いつ掲載するというようなことについて具体的な案を申上げられないのは誠に遺憾でありまするけれども、今日の実情として御諒察を頂きたいと思います。
  114. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 最後に一点伺いたいのですが、郵政と電通が分かれまして、各都市においても郵便局と電信電話局というものは別になつている。ああいうことによつて併し民衆の受ける感じは何かセクシヨナリズムのような感じがし、郵便を出そうとして、ついでに電報を出そうと思つても今度別の建物のところに行かなければならん。非常に不便を感じている。恐らく経費もこれに連れて相当殖えていると思う。そういう点は却つてむしろ統合したほうが便利でもあり、経費も少くて済むのではないかと思うのですが、将来ともやはりああいう方針で進まれるのかどうかという点と、もう一つ特定郵便局が全国でたしか一万三千くらいあると思いますが、そういうところに今までの特定局の経営方針を全然変えて本当の官吏というふうな立場で以つて取扱つているようですが、そのために民衆の受ける不便というものは相当大きい。例えば時間を過ぎますと切手も売らない。はがきも売らないというようなことであつて、みすみす收入されるべきものも減收になるということも当然出ると思います。そういう点などもやはり昔のいい点はそのまま蹈襲されるとか、復活されるというような方策もあつて然るべきだと思いますが、それらの点についてお考えを承わりたい。
  115. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 今の郵政電通が省が分かれたということのために実際の民衆に接する面がセクシヨナリズムであつて不便を與えている、そうした実例はちよちよいあるのであります。私は両方の大臣をやつております関係上、できるだけそういうことのないように調整をとつてつておるつもりでございます。郵政電通二つに分けたことを一体戻すか戻さんかということは、これは先般折角きまりましたものでありまして、現在においてはそういうことを考えておりません。運用の点につきましてはできるだけ今御注意になりましたように注意して参りたいと考えております。
  116. 小串清一

    委員長小串清一君) 大体午前の会議はこの辺でなにしようと思いますが、午後なお大臣の答弁を必要のおかたがおありになりますか……それでは別に御意見がありませんからこれを以て午前中の会議を打切りまして、午後一時半から本案並びに先刻保留いたしました案について大体本会議のちよつと前くらいまで続けたいと思いますが、御意見何如ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 事務当局のほうは……。
  118. 小串清一

    委員長小串清一君) 事務当局は来てもらいます。今のアルコール専売問題並びに只今の続きについて委員の御質問を願いますから、やはり政府のほうでもその御用意を願いたいと思います。大臣は御苦労でございました。  それではこれを以て休憩いたします。    午後零時十八分休憩    —————・—————     午後一時五十七分開会
  119. 小串清一

    委員長小串清一君) と午前に続きましてこれより会議を開きます。議題は午前に継続しておる郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案厚生保險特別会計法の一部を改正する法律案アルコール専売事業特別会計から一般会計への納付特例に関する法律の一部を改正する法律案、この三案を一括して質疑を続行いたします。
  120. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 この際政府委員ちよつとお伺いしたいのですが、郵政事業のほうで相当保險年金貯金なんというものの全国的に預け入があるのですね。それを今までは郵政関係のほうで地方の状況と睨み合していわゆる預金部資金の運営にも力になつていたのですが、最近その制度は多少変つていると思うのですけれども、それに対する郵政関係のほうの見解をこの際ちよつとお知らせ願いたい。
  121. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) 今丁度預金部の資産運用会計の問題が大蔵省と事務的にいろいろ話合いをやつておりますので、まだ事務的な面で私ここで申上げることは何といいますか、資料を持つておりませんが、政策の問題ございますから、大臣か何かのかたでないとちよつと申上げることはできないのですけれども……。
  122. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 じや、別の機会に……、若し何でしたら今やつておる間に責任者、次官とかどなたか見えられるように御配慮願いたいのですが……。何かこれに対する特別な法案が作られるそうですから、この質疑は私は一応打切ります。
  123. 小林政夫

    小林政夫君 アルコールの質問を続けます。ちよつと今休憩中にいろいろ承わつたので、大体もうわかつたのですが、この予定損益計算書の売上高と、それから最初の事業收入、歳入のほうの事業收入との売上高二十六年度予定額との数字の違いの点を御説明願います。
  124. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 詳しい説明は改めて通産省からあると思いますが、建前といたしまして、事業特別会計経理のやり方が損益を出しますときにはいわゆる未收未拂等を頭に入れました発生的な経理をいたしておるのでございます。ところがこの予算のほうは純粋の歳入歳出の現金の出入りということになつておりまして、そういう方面の食い違いも起り得るわけであります。数学的に若しお入用でしたら詳しく改めて説明しますけれども……。
  125. 井上猛

    説明員井上猛君) 数字的に御説明申上げますというと、二十六年度に販売いたします数量が三万二千キロで、この金額が三十八億八千万円ございます。そのほかに前年度の売拂いのもので現金が入つて来ておらないものと、それから今年度売りましても現金が入らないもの、従つて年度に売つて現金が入らないものは二十六年度に入るわけでございます。それから二十六年度に売りましても、現金の入らないものは二十七年に入ることになります。その差引の金額が三十八億九千九百万円から三十八億八千万円、さつき言つた数字になるわけでございます。その点が食い違つております。
  126. 小林政夫

    小林政夫君 官庁経理というのはよくわからないのですが、民間から言うと未收金の額はそういうはずはないのだけれども、大体そういうことでやるのですか、それとも……そういう慣例なすですね。
  127. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) ちよつと御参考のために申上げて置きますと、御承知のように従来国の一般会計のほうは勿論純粋に現金の当該年度中の受拂いというもので立つておるわけであります。それで我が国の会計制度はずつとこの原則に立つておりまして、従つて特別会計におきましても、一般会計と同様の経理をして参つたわけであります。その後事業的な性格の特別会計がだんだん殖えて参りまして、その結果といたしましてまあどちらを以て押えるかということは常に議論になるのでありますが、まあ一般会計との関連等もありまして、例えば会計間の繰入れをお互いに取りあうということになりますと、片一方は現金的であり、片一方はいわゆる純粋の会計学的の支拂をすると食い違いも出て来るし、各種の不便もございますので、現在のところでは事業会計におきましても大体現金主義の原則をとつておるのでございますが、併しながらその経理の実際に合わない点も起つて参りますので、あえて発生主義的な経理もいたすと、そこで予算の建て方のほうは現金的であるけれども事業経理の実際と並びにそれを現わしている貸借対照表損益計算書のほうは、近代的な経理の方式でやつておるのでありまして、この実際の経理予算の科目の建て方ということで多少食い違いがありまして、これはまあできるだけ調整して行きたい。従来の考えといたしましては予算そのものの事業的なものにつきましては、会計学的な予算の組み方をしたらどうか、ただこれは非常に大きな変革でございまして、一遍にちよつとやりかねる問題でありますから、目下のところはその是非についてやはり研究いたしております。
  128. 小林政夫

    小林政夫君 私は是非その会計学的な、少くとも企業に関する特別会計はそうやるべきだと思うのですね。独立経営というようなことができないのですね。
  129. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) できるだけそういたします。
  130. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 私は前田の作業資産の減になるという理由お尋ねしましたが、なおあとで調べて答えをするということでございました。この際お伺いいたしたい。
  131. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) ちよつと前回の説明が不十分で申訳がありませんが、この前の大矢委員の御質問もございましたが、やはりこの従来の統制時代には、毎月々々一定の割当がございまして、まあその度ごとにそのときとしては要らない原料でもやはり買持をしなければならないというような事情が実際上存じておつたわけであります。それで二十六年度予算考えます丁度その時期、即ち昨年の秋でしたか統制が撤廃になりまして、一応原則的に言えば、これは随時に入手することができるという見込を立てまして、ここにありますように随時に入手できるのだから、何も寝かして置く必要がないということで、一応手持を減らすという建前で組んであります。これは勿論この特別会計の資金繰り等と関係いたすわけですが、企業の経営に無理のない程度の原料だけを持てばいいとこういうふうに組んだ結果が多少原料は減少するというふうに現われて参つたわけであります。同様の見地から製品につきましても、そうたくさんの製品の手持をする必要がないということで、併せて製品も減少をしたわけであります。
  132. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 今の説明によりますと、統制が解除になつた過渡期の年度においてはその必要がありましようが、将来更に同様のことを繰返す必要はないように思われますが、その点は如何ですか。
  133. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 同様のことを繰返すとおつしやいますと……。
  134. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 統制が解除に……統制がある場合には、諸般の関係から手持を余計持たなければならん。併し統制が解除になつたら、そういうことは要らない。自然のままに任していいから手持を少くしていいのだとこういうことになりますと、将来は再び一般会計に繰入れるということは必要が起つて来ないと思われますが、その点をお伺いいたします。
  135. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) わかりました。結局まあこの法律自体、こういうやり方自体はもう必要がなくなるのじやないかというお話のように見受けられますが……。
  136. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 さようです。
  137. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) まあ私どもといたしましては、従来インベントリー・ファイナンスを一般会計から見ておつたという、まあ逆の場合を考えてこういうようなことをやるので、まあ事業会計の原則からいいますと、この方法が必らずしもいいということは考えておりません。過渡的な措置、こういうつもりでありますので、更に次の年度におきましては十分検討したいとこう思います。
  138. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 数字の点でありまするが、この予定貸借対照表によりますというと、今問題になつております作業資産二十六年度末は三億三千八百、二十五年度末は六億五百万で、その差額は二億以上になつておるにかかわらず減少額がそれほどになつていないと、数字が少し合わんように思われますが、如何でございますか。
  139. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これは先ほどの一億六千万ですか、申上げましたのは、これは固定資産作業資産も一切入れまして、そうして比較しておるわけです。
  140. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 それでは作業資産からの価格減というのは一億九千二百万となつておるのでございますね。先ほど申上げました二億一千幾らと多少二千万円くらいの食い違いがあるように思うのです。
  141. 小林政夫

    小林政夫君 数字の食い違いの点では、まだこの二十四年度の財産目録の固定資産額と、それから貸借対照表固定資産額とも違うのですね。
  142. 井上猛

    説明員井上猛君) 最初の問題ですが、これは作業資産の一億九千二百万円、これは作業資産の減でございます。それから先ほど申上げた一億六千七百万円は作業資産の減から固定資産の増の二千四百万円を差引いた数字、これを申上げたのでございます。
  143. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 私の申上げましたのは、二十五年度予定貸借対照表作業資産は六億五百万になつておる。それから二十六年度作業資産の価格は三億八千八百万、従つてその減は二億以上になつておつたにかかわらず、二十六年度予定損益計算書においては、作業資産価格の減は一億九千二百万で数字は合わんように思われる。どうしてそうなつておるかという質問なんです。
  144. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) それではちよつと説明員から数字説明をいたします。
  145. 阪東晴雄

    説明員(阪東晴雄君) これは現実の問題といたしまして、二十五年度予算通りに二十五年度の実行がその通り行われるかどうかというところに原因があるのでございますが、二十五年度予算通りに二十五年度は行かない。それではどの程度まで行くかというところで計数を弾いたものが別にございます。その計数を弾いたところによりますと、二十五年度計算された予算総額の範囲内において実行なし得るという見通しが明らかになつたために、二十五年度補正予算を組むという手続をとらないで、実行上越し得る資産、そういうものを一応予定いたしまして、その越し得る資産を二十六年度に越して、そうしてそこから二十六年度の新らしい予算を編成するというふうな二段の段階をとつたのであります。その二十五年度の成立予算に対する実行計画資料がここについておらないためにかような食い違いが生じたことでございますから、その資料を別に調製いたしまして、その間の計数の細かい説明をしたいと思います。
  146. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 その資料の提出を願います。
  147. 小林政夫

    小林政夫君 すると今の説明だと、この二十五年度予定貸借対照表というのは、二十五年度予算のときに添付された予定貸借対照表なんですか。
  148. 阪東晴雄

    説明員(阪東晴雄君) さようでございます。
  149. 小林政夫

    小林政夫君 それじや意味がないじやないか。(「それじや審議できないじやないか」と呼ぶ者あり)
  150. 小林政夫

    小林政夫君 資料不十分ですね。それからもう一つその資料不十分という点については、非常にこの資料の観念が困ると思うのですが、我々が別にもらつておるプリントでも、アルコールの需給計画という資料がございますが、二十六年度予算、これが前年度の繰越という数字が違つている。勿論これが違つているということは御承知でここに書いてあるわけなんですが、二十六年度四月に作成された需給計画予算書をもらつているのですが、その後において非常に情勢が変つている。最近もらう資料ですから、もつと新らしい資料をもらわなければ意味がないと思うな。
  151. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 私のほうも申訳なかつたのですが、これは特別会計によりまして新らしい資料のあれで出ているところもあるのです。たまたまこの会計では古い資料が出ておりましたが、今後はできるだけこの損益、並びに予定貸借対照表を出します際に、最も近い実情のわかるものを出すように大蔵省からも各省とよくお話合いをいたして出すことにいたします。
  152. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 その予定貸借対照表には減価償却引当金という科目がありますが、これの性質を御説明願いたいと思います。
  153. 阪東晴雄

    説明員(阪東晴雄君) 減価償却引当金は、これはその年度までに減価償却されたものの総額を計上したのでございます。それでこれはどういうような効果がありますかと申上げますと、固定資産に計上されている金額自体が、この減価償却をしない額が計上されておるわけでございます。これは私のほうの特別会計法にそういうことが載つておるわけでございますが、それで純資産は固定資産に計上してあるものから減価償却を、引当金を差引かないと出て来ない。ただそのくらいの効果しかないものでございますが、純資産を差引きする場合において、この今までどのくらい償却されたものがあるかということを知るための、それだけの役割を果しているわけであります。
  154. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 さようにいたしますというと、二十五年度末と二十六年度末の固定資産の価格の増減は、これだけの資料ではやはりわかりませんね。前年度末において実際この減価償却した場合の固定資産は幾らになるか、今年度末にはそれが幾らになるかというものを見なければ増減がわからんと思いますからして、その資料も併せて提出願いたい。
  155. 小林政夫

    小林政夫君 さつき二十四年度の財産目録と貸借対照表と、これは確定だと思うのですが、この固定資産金額が合わない点はどうですか。財産目録の金額と、それから貸借対照表固定資産が。
  156. 阪東晴雄

    説明員(阪東晴雄君) 只今申上げましたと同じことでございますが、財産目録には固定資産の純資産を計上いたしまして、貸借対照表には法令によりまして、固定資産減価償却の引当金を加えたものを計上するのでございます。それを差引きますと、仰せの通りでございます。
  157. 小林政夫

    小林政夫君 ほほうなかなかむずかしい……。
  158. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 このアルコール専売事業では、大体今年はどのくらいの利益を挙げるという目標を立ててやつているようですが、需要が殖えれば勿論それが殖えるわけですね、それはあれですか、安くして需要を満たすということと、それから成るべく品物を余計出さない、利益を相当挙げたいということとの政府方針はどうなつておるのですか。
  159. 井上猛

    説明員井上猛君) 勿論我々といたしましては、一而事業を運営するという建前と同時に、工業用原料を供給すると、こういう二つの使命を持つておるわけでございまして、結局現在の方針では、できるだけ値を安くして、工業的の原料を安く供給すると、こういう目的で以て行きたいと存じております。従いまして利益を挙げるために売らないという方針ではなくて、むしろ値を下げてできるだけ低価に供給すると、こういう方針で進んで行きたいと思つております。
  160. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 その需給のバランス、或いは方針なんかどこで調査したり、立てたりするのですか。需給の状況に応じて毎月同じじやないでしよう。それをどういうふうに調整して行くかということをですね。これは通産省でおやりになつているのですか。
  161. 井上猛

    説明員井上猛君) 通産省で勿論やつております。従つてこの需給の立て方でございますが、一応過去の実績、それから将来の見通し、こういうものを一応参考にいたしまして、需給のバランスを立てるわけでございます。
  162. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 次に酒類用の、相当予算には計画されておるのですが、これは、一般の酒との関係上は、どんな状況なつておるのですか。例えば一般の酒のほうの税金と、このアルコールの、いわゆる専売益金との関係ですね、それはどんなことになつているのですか。
  163. 井上猛

    説明員井上猛君) 専売アルコールから酒のほうに廻しますアルコールは、清酒のもろみ添加用のアルコールでございます。従つてもろみ酒の業者は、もろみ添加用に使うところのアルコールの税金のほうは、それで作つた酒のほうにかかるのでございます。従いまして専売アルコールを供給いたしますとき、その税金を差引いた額、それで工業用のアルコールと同じような価格で売つているのです。従つて益金のほうは勿論税込みでございませんので、それだけ減つて来るということでございます。
  164. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 その次、一般薬屋等において、アルコールを売つていますね。医薬用と申しますか、あれはあれですか、相当利益が酒なんかと比較してバランスがとれているのですか、それとも特別に安く売つているのですか。
  165. 井上猛

    説明員井上猛君) 一般薬局で売つております局方アルコールについては、医薬用に使われますので、変性ができません。又取締も非常に問題でございますので、これは税金相当額を含んだ価格で売つております。嚴密に申上げますと、具体的に申上げますと、大体工業用に廻すものは政府売渡価格が一キロリットル当り九万五百四十四円ですが、局方で売る場合には、政府売渡価格が一キロリットル当り五十二万であります。その差額が税金相当額、かようなわけになつております。
  166. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 その場合医薬用のアルコールを薄めて、一般の酒の代用に飲んでいる向きもあるようですけれども、酒とのバランスはそれで十分とれているんですね。
  167. 井上猛

    説明員井上猛君) 値段の点ではとれております。
  168. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 工業用の酒精は大部分酒のほうに流用されておる、密造用と申しますか、そういうことがよく言われるのでございますが、これに対して通産省ではどういうふうな取締方法をやつておられますか。
  169. 井上猛

    説明員井上猛君) 盛んにそういう噂が飛んでおるのでございまして、まあ全然ないとも申上げかねるのでございますが、一応その取締の面につきましては、先ず工業用に向けられるものは全部変性をするという建前でございます。メタノールの変性、或いはベンゾールの変性をやる、そうして売る場合には、一応変性のときには専売官吏が立会をする、それからそれが果して工業用に使われたという点もあとで使用済みを確認いたしまして、若し使用されていないということになりますと、それだけの、差額のいわゆる税金相当額を徴收する、こういう面でやつております。なお最近そういう事例があるということでございますので、特に国税庁のほうと協力いたしまして、現在我々のほうの人間では取締の点も不完全な点もございますので、特に国税庁の收税官吏千名ばかりの応援を頂きまして、共同でそういう取締をやる、かようなふうに取運んでおります。
  170. 松永義雄

    松永義雄君 アルコールの中にメチールというのは何パーセントぐらい入つておりますか。お答えできなかつたらあとでもいいのですが、別にあなたのほうの所管のことを聞いておるわけじやないんですけれども説明を願いたいと思います。アルコールを利用して、密造して、酒を造つて、そうしてそれを買つて飲んで死んだ人がいて、通産省令かなんか出ておる法律で、裁判沙汰で非常に重い刑を科せられておる。これは法務庁の問題ですから、お答えなさらなくてもいいですけれども、そういうことを心配しておるので一つ……。
  171. 小串清一

    委員長小串清一君) 只今の質問は何ミリグラムとかいう制限はあるんでしよう。それをあなたのほうの管轄じやないけれども、それを尋ねておられるんだが。
  172. 井上猛

    説明員井上猛君) アルコールの中に入つておるメチールの量は、資料をここに持合せておりませんので、計数的に申上げかねますが、生産いたしますときには極力メチールを抜くことにいたしております。ただ工業用に廻す場合は、これも工業用に使われる商品によりましてメチールが入つてつて非常に工合が悪い場合もございますし、そういう用途によつて、いろいろ変性法がメチール変性、或いはベンゾール変性と、こういうふうに分けておりますが、メチール変性をいたしましても、今のところすぐそれを飲んで人畜に被害をこうむる量までも入つておらないと私は記憶いたしておりますが、計数的なことは調べまして、後ほど御説明をいたします。
  173. 松永義雄

    松永義雄君 私の聞きたいのは、一ミリグラム以上か以下かということです。
  174. 小串清一

    委員長小串清一君) それではアルコールの問題についての質疑は御発言がないようですが、この辺で質疑を打切つて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  175. 小串清一

    委員長小串清一君) それでは質問なしと認めて打切ります。   —————————————
  176. 小串清一

    委員長小串清一君) その次の郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について質疑を開始いたします。なお厚生保險についての御質問があつたらそれでも結構です。
  177. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 厚生省関係の人いますね。
  178. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 今来ておりませんが、至急連絡をとりますが、呼んではあるのです。
  179. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 大蔵省関係でもおわかりになるのじやないかと思うのですが、厚生保險の收入は相当大きな金額なつておるのですが、この歳入と歳出のバランスですね、時期的ズレはなくてスムースに行つておるのですか。
  180. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 歳入歳出のバランスですか。
  181. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 ええ。
  182. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) つまり健康保險のような問題……。
  183. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 歳入と歳出の……これもバランスがズレがなく行つておるのですか。それとも歳入のほうが遅れ勝ちだとか、或いは歳出がとかく澁滞して健康保險医が非常に困つているとか、そういつたような状況は最近どうですか。
  184. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 健康保險といたしましては非常に澁滞しておるわけです。事実上それでそのための料率のほうの引上げとか、どういうふうにして赤字を是正するかという問題がございますが、厚生保險全体としましては健康保險のようなことと状況が全く同じであるかどうか、ちよつと私もつまびらかにしませんので、係官が来ましたら御説明することにいたします。
  185. 小林政夫

    小林政夫君 細かい問題ですが、厚生省が見えるまで、郵政省のほう……二十六年度郵政事務特別会計予定貸借対照表によると、預金が七十二億と、それから預託金のところがいろいろあるわけですが、これだけ金があるならば借入金なんかは要らんように思う。十六億の借入金ですね、その点これは最後の三月三十一日がこうなると、こういうことなんでしようけれども、この点どうですか。
  186. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) 実はこつちのほうのなには予算に現われておりますけれども郵政省の扱つておりますのは、いわゆる税金であるとか、厚生保險、失業保険、いろいろな他会計からの受入も非常に出ておるわけです。この金は郵政事業が直ちに使える金じやないわけです。片一方の借入金のほうは終戦後におきまして、郵政事業のために借入れた金でございますので、一時的な現象として預金がありますけれども、すぐ両方の請求が来ましたら拂わなくちやいかんということになつております。
  187. 小林政夫

    小林政夫君 外国為替差金とか、為替貯金雑收というのがありますね、これはどういう……收入のほうですがね、二百七十二頁の……。
  188. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) ここにございます外国為替の、上の手数料と下の差金というのは、外国為替を始めますと起つて来ますが、これは皆先方からこつち外国為替を送つて参ります、そうしますと郵便局では先ず為替を宛名の人に拂うわけでございます、日本金で。併し実際のドルなどはあとで来るわけでございます。それでその際に郵政省のほうで一応銀行じやござませんけれども、銀行並みの取扱を為替管理委員会のほうで認めてもらつております。それはもう規則にきまつております。そうしてその場合に何と言いますか、公定の三百五十何円かを渡して参りますと差額がそこに出て来るわけでございます。その差額が外国為替差金でございます。外国為替手数料は私どものほうでそういうふうな業務をやつておりますので、外国の郵政庁から私のほうの郵政省に対しましてこれの手数料が来ると、こういうことになつております。
  189. 小林政夫

    小林政夫君 他会計からの受入の算出の基礎ですね。これはどういう標準で計算したのですか。
  190. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) 私のほうの仕事郵便貯金保險と特定局におきますところの電気通信業務、この四つが大きな仕事でございます。このうち郵便業務は郵政省の自前でやつておりますけれども、ほかの貯金保險、電気通信業務は皆他会計からの受入れということでやつております。先ず第一にあとのほうに出ておりまするが、今の二百七十五頁の上から御覧になるとわかりますが、総係、その次が郵便業務、為替貯金業務、保險年金業務、それから電気通信の委託業務ということになつております。これは皆郵便局におきますところの現業の人件費、物件費をそれぞれ算出するわけであります。その定員によりまして総係費を分担する。それから直接の貯金につきましては、郵便局におきますところの貯金の従事員の人件費と物件費は主として定員を基礎にしております。保險も各郵便局で分担するわけでありますので、その実費をもらうということになつて算出しておるわけであります。
  191. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 これは委員長に要求するのですが、健康保險の、先ほどちよつと私が質問したいわゆる歳入歳出の毎月の何と言いますか、移り変つて行く状況数字的によく検討する必要があるわけであります。その関係資料を厚生省に要求して頂きたいと思います。
  192. 小串清一

    委員長小串清一君) 承知いたしました。  それでは本日はこれを以つて散会いたします。なお明日はやはり午前十時から会議を続行いたします。    午後二時三十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     小串 清一君    理事            大矢半次郎君            森下 政一君    委員            愛知 揆一君            岡崎 真一君            黒田 英雄君            佐多 忠隆君            松永 義雄君            小宮山常吉君            小林 政夫君            山崎  恒君            油井賢太郎君            森 八三一君   国務大臣    郵政大臣電気通    信大臣     田村 文吉君   政府委員    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省主計局法    規課長     佐藤 一郎君    厚生省保險局長 安田  巖君    通商産業省通商    化学局長    長村 貞一君    郵政省経理局主    計課長     佐方 信博君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    通商産業省通商    化学局アルコー    ル課長     井上  猛君    通商産業省通商    化学局アルコー    ル課勤務    阪東 晴雄君    郵政省郵務局次    長       前田嘉壽夫君    郵政省大臣官房   人事部給與課長  土生 滋久君