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1951-02-02 第10回国会 参議院 大蔵委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二日(金曜日)    午後一時三十八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事辞任及び補欠の件 ○郵政事業特別会計歳入不足を補て  んするための一般会計からする繰入  金に関する法律案内閣送付) ○厚生保險特別会計法の一部を改正す  る法律案内閣送付) ○食糧管理特別会計歳入不足を補て  んするための一般会計からする繰入  金に関する法律案内閣送付) ○食糧配給公団清算経費財源に充  てるための剩余金の使用に関する法  律案内閣送付) ○アルコール專売事業特別会計からす  る一般会計への納付特例に関する  法律の一部を改正する法律案内閣  送付)   —————————————
  2. 小串清一

    委員長小串清一君) それではこれより大蔵委員会を開催いたします。  先ず理事辞任及び補欠互選の件についてお諮りをいたします。かねて佐多理事から都合によつて委員会理事辞任されたい旨のお申出がございますが、これを許可することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議なしと認めます。つきましてはその補欠互選いたさねばなりませんが、互選方法は、成規手続を省略いたしまして、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小串清一

    委員長小串清一君) 御異議なしと認めます。それでは私から佐多君の後任として森下委員理事指名をいたします。   —————————————
  5. 小串清一

    委員長小串清一君) これから先般大体の説明を聴きましたところの郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、次に厚生保險特別会計法の一部を改正する法律案食糧管理特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案食糧配給公団清算経費財源に充てるための剰余金使用に関する法律案、もう一つアルコール専売事業特別会計から一般会計への納付特例に関する法律の一部を改正する法律案、以上五案につきまして只今主計局法規課長佐藤君が見えておりますから御説明を求めます。
  6. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) すでに提案趣旨説明によりまして大体のことがわかつておりますが、なお各省に詳しい御質疑があります前に概略を申上げておきます。  最初にアルコール専売事業特別会計から一般会計への納付特例に関する法律の一部を改正する法律案、これは御承知のように従来アルコール等、他の場合にもそうでございますが、特別会計固定資産等増加いたします場合には、一般会計がその必要な経費を繰入れて参つたのでございます。それは従来はどちらかと申しますと、一般会計から繰入れている場合が多かつたのでございますが、このアルコール特別会計におきましては、最近になりまして資産減少するような状態になつて参つて来たのであります。と申しますのは、御承知のように原料事情が緩和されまして、その統制が外されました。その結果、従来甘藷手持相当余計にしておらなければならなかつたのがその必要がなくなりまして、従つて固定資産においてはなお少しく増加をみておりますが、手持作業資産が著しく減少して参りました。それで従来資産が殖えた際にその資金の必要なるものを一般会計から繰入れておりました、丁度その逆に、今度は資産減少によりまして、資本に余裕を生じた分は従来と逆に一般会計にお返しをするという必要が起つてつたわけであります。昭和二十五年度においてもその必要がございまして、昨年法律によつてその御審議を願つたわけであります。その際は二十五年度限りというつもりでございましたが、二十六年度におきましても同様の状況が続いて参りますので、ここにその法律の延長をお願いいたしまして、二十六年度にも逆に資産減少額一般会計納付し得るような途を開くということにいたしたわけでございます。御手許にございます昭和二十六年度のこの特別会計の十定損益計算書を御覧になりますとわかるのでありますが、昭和二十六年度におきましては固定資産におきまして二千四百万円の増加がございますが、逆に只今申上げましたような事情から作業資産価格におきまして一億九千二百万円の減少になりまして、差引一億六千万円余りというものはこの法律に基きまして只今のところでは一般会計納付する予定に相成つておるわけであります。これがアルコール特別会計から一般会計納付する特例に関する法律の一部改正の要点でございます。それから厚生保險について簡單に申上げます。厚生保險特別会計におきましては、事業の性質上、療養施設その他につきまして純粋の保險以外にそういう福稲施設資金を支出する途がすでに開かれておるわけでございますか、最近結核対策を拡充いたしますにつきまして、従来この保險関係療養施設というものは、いわば副業的というか、そういうような見地からなされておりましたために、必ずしも一般の水準に照して十分でございません。国の経営いたしております病院があまり貧弱ではというような点もございますし、併せて結核病床増加を図る意味から、この保險といたしまして福祉施設費から支出をいたそうということになりました。それで直接組合管掌によりまして三千床、それから本特別会計福祉施設によりまして四千床の増加を図る。独立のこのための療養所を設置するということになりますと予算関係相当経費を要しますので、差当りまして大部分は既設の病院等に附設をいたしまして、四千床の増加を図ろう。その四千床の増加のために約六億の経費が必要でございまして、このうち三分の二の四億は健康保險勘定が持ちまして、三分の一の二億というものを一般会計からこの会計に補助的にいわば繰入れるわけでございます。それから次に食糧管理特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、これは毎国会、実は金額は違いますが、同じような法律を御審議願つておるわけでございまして、すでに皆さんもこの事情ついては御了承願つておるわけでありますが、御承知のように米麦等のペリテイが上つて参りますにつきまして、保險の反当共済金額というものもおのずから上つて来るわけであります。それに伴いまして共済掛金もおのずから上つて来る。併しながらこの共済掛金は当然本来であつたならば消費者負担になるという建前になるのでございますが、只今のような価格政策状況におきましては、それを直ちに消費者に転嫁するということが不適当でございますので、昭和二十二年頃でしたか、それ以来ずつとそれを一般会計消費者に代つて負担をし得るような法律的な措置を講じて参つております。その結果といたしまして、消費者が当然負担する予定なつておつたところの共済掛金上つた分一般会計からこの会計に繰入れるということになつております。昭和二十六年度におきましては、昭和二十五年度において水稻共済金額を反当三千五百円と見ておりましたのを、二十六年度においては五千三百円というふうに上げる予定なつております。陸稻におきましても同様でございます。麦におきましては、パリテイは上りましたが対米価比率が下りますために、二十五年度同様に二千百円ということで、変つておりません。そういうように反当共済金上つております。これは昭和二十五年度の平均パリテイを一五六としたのに対しまして、昭和二十六年度におきましてはパリテイを一九五と、大体本年の九月のパリテイをそう予想いたしまして、その結果としてこれだけの反当共済金額引上げが行われる、そのために必要といたします四十一億何がしの金額を本会計一般会計から繰入れるいとうための法律でございます。  それから第四番目は、食糧配給公団清算経費財源に充てるための剰余金使用に関する法律でございます。御承知のように、食糧配給公団昭和二十六年四月に解散いたしまして清算事務に入るわけでございます。それで現在までのところ二十五年度における剰余金が約十四億ばかり見込まれるのでございます。これは公団法の規定に基きまして当然一般会計納付すべきものでございますが、昭和二十六年度の清算経費相当にかかりますので、この歳入の一部分と比較しましてこの十四億円を財源の引当にするために、特に国庫にこの際納付いたしませんで、清算経費に充てることができるという措置を構ずるためのものであります。  それから最後の郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律でございますが、これもここのところずつと郵政事業は御承知のように料金が釘付けになつておりまして、そのために一方においてベースアップその他のために相当所要経費増加を見ておりますが、この赤字を一般会計から繰入れる必要がございまして、今般三十五億円の繰入れを予算に計上いたしております。そのための繰入れの権限を法律によつて與えるための法律でございます。昨年は十二億八千万円の繰入れがございましたが、二十六年度におきましては、ベースアップの結果三十五億八千万円、二十億以上の増加が見込まれております。大体旧ベースによりますと、この三十五億円のうち、旧ベースに、即ち昨年度の同じベースで考えますときは十五億円でよろしうございますが、先般のベース引上げによりまして、なお一般給與としまして十六億円、それから例の年末手当といたしまして約四億円というものを追加する必要が生じまして、その結果三十五億円という金額なつたわけでございます。大体簡單でございますが、提出法案概略説明を終ります。
  7. 小串清一

    委員長小串清一君) 今の説明のありました点についてそれぞれ事務当局の人が見えておりますから、御質問をやつて頂きたいと思います。皆さんのお選びになつたどれでもようございます。どれでも御質問してよろしうございます。
  8. 黒田英雄

    黒田英雄君 アルコール専売の問題につきましては、これは先年民間拂下げるとかいう問題が起つておるのですが、今ここに書いてあるのを見ますというと、工業用に良質のアルコールを供給しなければならんということが書いてあるのですが、あれはもう拂下げというようなことは取りやめになつたのですか。それともまだ幾分拂下げようという計画はあるのですかどうですか。その点をお伺いいたします。
  9. 井上猛

    説明員井上猛君) 今の問題につきましては、一応政府方針といたしましては、なお一部残して拂下げを続行するという方針なつております。従いまして、今年の初めに北海道の二工場につきましては、そういうふうに拂下げ決定いたしまして、一般競争入札ですでに拂下げ買受人決定しておる次第でございます。  それから二十六年度におきまして、どういうふうにして行くかという具体的な問題につきましては、まだ決定いたしておりません。ただ拂下げを実行するという方針だけははつきりしておる状況でございます。
  10. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今の問題に関連して、拂下げ方針といいますか、どういうものを拂下げて、どういうものを残すというようなおつもりなんですか。その点をもう少し……。
  11. 井上猛

    説明員井上猛君) どういうものを拂下げいたしまして、どういうものを残すかという問題になりますと、相当具体的な問題でございますが、一応我々の方で考えておりますのは、できるだけ地理的に、或いは能力乃至能率のいい工場というものを一応残しまして、それ以外のものを順次拂下げて行こう、こういうような方針であります。従つてどの工場がそれに該当するかは今のところまだしつかりと決定はいたしておりませんが、そういう方針でおります。
  12. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうしますと、高能率のものは残されるでしようが、低能率のものを拂下げて、それをアルコール工場自体として民間採算がとれる見込みがあるのか。或いはアルコール工場自体としてはないが、それをもつと、より総合的な経営にほかの商品工業その他をくつけて始めて採算がとれるようになつて、そういう形で民間拂下げを要請しようとしておるのか。それらの事情はどうなんですか。
  13. 井上猛

    説明員井上猛君) その問題は結局総合的に経営しなければ、恐らく民間工場としては採算上不利になるのではないかと考えておりますので、結局そういつたような恰好で民間の方は経営するように持つて行くと思われます。
  14. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 アルコール工場の内容を拝見しますと、同じような人間がいて大変生産額が多い所と少ない所とあるのですね。これは一体どういう関係なんです。
  15. 井上猛

    説明員井上猛君) 大体、政府アルコール工場は規模も同じような條件でございますけれども、問題は原料の、大体産地の県に一応作られております。ただ我々の方として考えなければいけない問題は、更に需要地との関係がございまして、大体生産計画は、そういう原料の手に入り易い所と、需要地に対する回送の便のいい所、それにコストの或る程度有利な所、こういつたものを選びまして今のところ生産計画をそういう立地條件なり種々の観点からみて優秀な工場に成るべく多く作らしておる。こういう関係なつております。従つて政府工場におきましては生産計画におきまして或る程度そういうような差がついておる次第でございます。
  16. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その場合コストはどういうふうに変つて来るのです。例えば一例を挙げると、磐田大変能率上つて帯広あたりはこの十分の一しかとれない。而も人数においては帯広磐田と比べてみても余り違いがないという形になつておるんです。
  17. 井上猛

    説明員井上猛君) その問題は一応資料は作つておりますが、今日間に合いませんので、明日お届けいたしたいと思います。
  18. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これはあなたの方から配付になつ従業員の数の調べと、それから生産実績調べとみれば明白になるんです。こんなに十分の一近くも能率が上らない所があるというのはどう考えても常識上おかしいのじやないかと思うのですが……。
  19. 井上猛

    説明員井上猛君) コストの点については資料を作つておりますが、丁度持合せがありませんので、コストの各工場別状況は後ほどお手許に配付したいと思います。
  20. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 実績単位は何ですか。
  21. 井上猛

    説明員井上猛君) キロリッターです。
  22. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これは何ですか。数量がこういうふうに違うということは、品質のいいのと、それから余りまくないものとを表わすのですか。それともアルコールというものはすべて同じ基準製品を出してありますか。
  23. 井上猛

    説明員井上猛君) 大体製品は同じ品質のものでございますが、特に薄いものを作るような場合には或る限られた工場しかできないような場合もありますので、その工場だけに作らしておる場合もございます。それから糖蜜生産設備も、全部が糖蜜生産をするという設備を持つておりませんので、そういう場合には糖蜜設備を持つておる工場だけに作らす、こういうふうな状況なつております。
  24. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 さつき黒田さんから質問がありましたが、アルコール専売事業民営移管というのは、もう既定の事由になつていて着々進行しつつあるのですか。
  25. 井上猛

    説明員井上猛君) 先ほど申上げましたように、北海道の北見、帯広の両工場につきましては、すでに拂下を実施いたしました。その他の工場につきましてはまだ具体的に今度はどの工場をやるかということは決定いたしておりません。
  26. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そういう際は余ほど国有財産としてのいわゆる評価と実際売上との間には開きがあると思うのですが、大体で結構ですが、どのくらいで売却なさるのですか。
  27. 井上猛

    説明員井上猛君) 売上というと、どういう意味でございますか。
  28. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 工場拂下をするでしよう。拂下をするのですから、当然売上代金、つまり工場売却代金が入るのです。そうすると国有財産としての評価と、それから実際に拂下をした価格との差というのはどのくらいの……。
  29. 井上猛

    説明員井上猛君) 売抑評価の問題でございますが、御承知のように国有財産につきましては再評価しておりませんので、帳簿価格は非常に安いものでございます。これを現在の時価で如何に評価するかという問題につきましては、値下げ後のいろいろな点を考慮しなければならないと思いますので、必ずしも物件価格評価額そのままでは行かないだろうと存ぜられます。従いまして今度の北海道の二工場の例を取りますというと、大体私どもで評価いたしましたのが七千五百万円見当でございます。一般競争入札で落札したものが八千百五十万円でございまして、結局六百万円ぐらいの差になつております。
  30. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 細かいことを聞くようですが、こういう拂下げた代金收入の部ですね。ちよつと予算のほうのどういう所へ入つて来るのですか。
  31. 井上猛

    説明員井上猛君) それはまだ予算には入つておりません。実は北海道拂下が実現いたしましたというか、入札いたしました日が一月の十三日でございまして、これが果してその日に落札するかどうかということも予想しておりませんし、そういう関係予算の方には未だ入つておりません。
  32. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 いや二十六年度の予算には当然入るのじやないですか。
  33. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これは私の直接のあれじやありませんが、こういうことなんですね。アルコール売佛についてはすでに昨年閣議決定もございまして、できるだけそのためにいろいろな方法を講じてその促進を図るという方針政府決定したわけであります。ところが、これについては勿論評価の問題もございますし、それからその従業員をどうするかという問題もございますし、実際又個々処分に当りますと、非常に高能率の所には註文が殺到する、低能率のところは見向きもされない、これを有効適切に処分するについては通産省としては相当頭を悩ましておられるようであります。それで、まあその結果として、一体方針としてはさまつたが、どの程度のものを一体処分できるか、又その実際評価というふうなものもあらかじめ存しているわけではございませんので、個々工場問題ごとに取上げて評価をして行く。帳簿価格によつて考えるわけ  に勿論行きません。そういうようなことから、まあ今後逐次これをできるだけやつて行くということなので、いわば完全な意味予定がまだ立つておらないわけであります。それで一応二十六年度の予算にはそういう意味合いから、予算としては計上しておらないということになつております。今後この売佛いの代金は、当然只今北海道の場合には、二十五年度の収入に入る。今後具体化するに従つて上十六年度に入つて来るから、予算には載つておらないのです。
  34. 黒田英雄

    黒田英雄君 関連して……拂下げされるときの手続ですが、通産省で、アルコール工場としてもうそれは必要でない、拂い下げをしようということを決定されたらば、それは大蔵省管財局の方に移るのですか。それとも国有財産として移して、そうして管財局がこれを売却するのが順序のように思うのですが、やはり通産省で直接拂い下げ措置を取るのですか。
  35. 井上猛

    説明員井上猛君) 只今国有財産法では通産省でずつとやつております。管財局には移さないことになつております。
  36. 黒田英雄

    黒田英雄君 拂い下げると言えば、専売では不用の財産なつて来るのだから、これは雑種財産として大蔵省管財局に移るのは当然のように思うのですが。
  37. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 国有財産法によりまして、そういう企業財産につきましては特別会計に特別の例を認めておるのです。そういう場合に、特別会計が従来のいきさつが十分分つておるし、将来のことも併せ考えるという意味で、特別会計自体がその処分をし得るようになつております。
  38. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 次にお伺いしたいのですが、アルコールは大体日本の化学工業基礎資材として非常に必要なのです。そういう点からいうと、専売事業ではなく、民間に渡されるということもまあ結構だと思うのですけれども、民間では専売関係なしにどんどん作つて行くということもできる制度になつているのですか。
  39. 井上猛

    説明員井上猛君) アルコール分九十度以上のものにつきましては一切専売でございますので、それにつきましてはどんどん作るというわけには参りません。
  40. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そこで非常に重要な物資として何故それでは作らせないか。
  41. 井上猛

    説明員井上猛君) 現在のところではなお需給関係から申しますというと、需要に比べまして能力が遥かにオーバーしている。従いまして、その表にもありまするように、大体操業率が半分以下というような状況でございますので、現在すでに民間に対しましては大体九工場委託生産をやらしておるわけでございますが、それ以上殖やすということも合理化の点から考えましてもどうかと考えられますので、現在のところはなお民間にやらして行くということは考えておりません。
  42. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 もう一点、九十度までの分の生産というのも相当あると思うのですね。それはどんな比率なつておりますか。
  43. 井上猛

    説明員井上猛君) これはむしろ九十度以下の分につきましては、酒の方に関係がございまして、実は私のところに詳しい資料がないので申上げかねるのでございます。御了承願います。
  44. 山崎恒

    山崎恒君 二十四年度、二十五年度の実績から見て、無論各工場とも、原料甘藷馬鈴薯の地帯にあるようでありますが、最近の甘藷事情が非常に統制が解かれても、予想以上に高く売買されているというような関係で、各工場とも甘藷馬鈴薯が殆んど入らずに、糖蜜によつて生産されているというようなことを聞くのでありますが、その現状の場合においてバランス関係はどうなるか。その点を一つお聞きしたい。
  45. 井上猛

    説明員井上猛君) 全体の三割が糖蜜でございます。
  46. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 全体の三〇%糖蜜があるというのですが、馬鈴薯甘藷とどういう比率なつておりますか。その比率と絶対数量がわかればそれを一つ教えて頂きたい。
  47. 井上猛

    説明員井上猛君) 馬鈴薯は現在使つておりません。これは北海道の二工場で使う予定なつておりますが、北海道の二工場生産を止めておりますので、馬鈴薯は現在ございません。
  48. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 北海道が拂い下げで問題になつているのですが、二十四年度、二十五年度が非常に少いのですが、これはどういうのですか。初め工場をお造りになるときは、あそこで相当有利に原料手当の問題から見ても大体のお見込みがあつて造りなつたものだと思うのですが、特に二十四年度、二十五年度あたりこういうふうに非常に少くなつている理由はどういうところにあるのですか。
  49. 井上猛

    説明員井上猛君) 北海道に二工場を作りますときは丁度戦時中でありまして、とにかく量を確保しなければいかん、こういう状況で、馬鈴薯原料といたします関係から北海道に一応二工場を造つたわけでありますが、終戦後燃料アルコールがなくなりまして、要するに需要がずつと減つたわけであります。従いまして、ほかに最近合理化の点でできるだけコスト下げろということになつた次第でありますが、馬鈴薯原料にしますというとどうしてもコストが高くつくわけでありまして、従つて工場を使わすことによつてコストが上る、こういう関係もございます。又拂い下げの問題もぼちぼちその頃から出ておりますので、私のほうといたしましては、両工場をとにかく馬鈴薯で作らせないということで一応生産を押えたわけでございまして、ここに僅かに残つておりますのは、例の澱粉滓が多少安く入りまして、それで作らした分でございます。
  50. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 全体の三〇%の糖蜜というのはどこから輸入されておられるのかという点と、糖蜜原料にして作つた場合と、甘藷原料にして作つた場合のコストの差はどのくらいになりますか。
  51. 井上猛

    説明員井上猛君) 糖蜜は大体フイリツピンが主でございます。そのほかに台湾から多少入つております。それからコストの点でございますが、これは糖蜜価格が最近急騰しておりますので、現在の値では比較できませんので、二十五年度の実績から申しますというと、その頃、糖蜜が大体十七ドルから八ドルくらいで入つた糖蜜で作りまして、大体コストが六万円台でございます。甘藷で作りましても、これも今年の「いも」の事情は非常に変調を来たしておりますので、これは基準に置くわけに参りませんが、大体二十五年度の実績から見ますと七万四、五千円台で作つていると思います。従つて大体一万円内外というものが、そういう原料価格基準にいたしまして違つている。こういう状態になつております。
  52. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 アルコール原料としての甘藷の買入価格はどれくらいなんですか。
  53. 井上猛

    説明員井上猛君) これは今期の生「いも」の買入状況は非常に日々急騰しておるような状況でありまして、最近では貫当り三十五円内外でなければ入らんそうでございます。
  54. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 三十五円くらいで買入れてコストはやはり七万五千円くらいであがりますか。
  55. 井上猛

    説明員井上猛君) いささか自信はないのですが、どうにかやつて行けるか行けないかという境目くらいだと思います。
  56. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 アルコール専売相当益金があがるのですね。それで、そういうふうに益金のあがるのを民間に更に工場を移譲しなければならないという根拠はどういうことになつておるのですか。
  57. 井上猛

    説明員井上猛君) その問題は政府の方の問題も入りますので、一応我々としましては、方針が決りますれば、それでやつて行くわけでありますが、事務当局といたしましては、現在のところ、なお工場能力が余つておるので差支えないという、こういう見地で一応やつておるわけであります。
  58. 山崎恒

    山崎恒君 今年度の原料甘藷としての買入れた数量はどのくらいであるか。又この問題は一般食糧の問題との関連性も多いことであります。同時に甘藷馬鈴薯統制撤廃の問題とも相関連して、今後の食糧事情との勘案も相当研究しなければならんというような点もあるのですが、今年度の買入れた数量と、同時に甘藷原料とした場合に政府工場として最高何ぼくらいまで買上げられるかというような、採算の見当から、今年度どのくらいの見当をつけて買上げたか。その点を一つお聞かせ願いたい。
  59. 井上猛

    説明員井上猛君) 詳しい資料は今手許にございませんので、後ほどお届けいたしたいと思いますが、大体今のところ生甘藷が入る見込が二百万貫から三百万貫見当ではないかと思われます。価格の点は、できるだけコスト下げるという意味から、相当最初の頃は抑えておつたわけでありますが、最近では、先ほど申しましたように、貫当り三十五円でなければ入らない。それよりも多少我々のほうとしては下迴つた価格で買つておりますが、これも買入の時期によつてまちまちなので、平均の点はあとで計算してみなければ、ここで申上げられないと思います。
  60. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 昭和二十五年度、二十六年度の需給の関係ですね、それはおわかりになりますか。と同時に、二十六年度以降どれくらいあれば需要を満たし得るとお考えになつておるのか。それから今度の動乱その他の結果としてアルコール事業に対していろいろ根本的に再検討をしなければならない問題が出て来ておるのじやないか。特に拂下げの問題に関連して、この間お決めになつたような拂下げ方針で行つて、一体需給状況その他から見ていいのかどうか。その辺をお聞きしたいので、今の資料を数字的に一つお示し願いたいと思います。
  61. 井上猛

    説明員井上猛君) アルコールの供給能力の点は大体七万キロぐらいの能力でございます。それに対しまして需要の方は二十四年度の実績が大体二万五千キロでございます。従いまして能力の点は非常に過剰になつておる。こういうふうな状況でございます。  それから朝鮮動乱による影響でございますが、最近のアメリカにおきまするアルコール事情は、合成。コム工業の復活とともに非常に需給のバランスが崩れておる、需要が非常に多くなつておるという関係で、相当外国からも買入れるような態勢になると思いますが、現在のところアメリカの価格と日本のアルコール価格と比較いたしますと、まだ日本のアルコールをアメリカに持つてつて引き合うとこういうふうな関係にはなつておりません。従いまして今すぐ、アメリカのアルコールが逼迫しておるから日本から買入れると、こういうような恰好には現在のところなつておりません。従いまして、ここで合理化なり何なりを推進いたしまして価格を今少し切り下げるということになりますと、相当厖大なアルコールの輸出というものが実現するかも知れませんが、その場合には相当アルコールが出ると考えられますので、この余つておる過剰の能力がフルに運転する、こういう恰好になると思います。ただ先程申しましたように、具体的に現在のところでは価格の点でそういう情勢になつておりませんので、今のところまだ過剰の状態が続くのじやないかと、こういうふうに考えます。
  62. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 国内の需要増加しないのかどうか。従つて二十六年度の需給は数字的にどれくらいとお考えになりますか。
  63. 井上猛

    説明員井上猛君) 国内の需要がふえるかどうかということも非常に微妙な点でございまして、アルコールを使う、例えばエーテルその他の産業がこの際発展するかどうかという問題にも当然からんで来る次第でございますが、一応、急激にそういつた国内需要が殖えるとかいうことは我々は考えておりません。従いまして二十六年度は、少くとも上年期ぐらいは二十四年度の実績二万五六千、場合によつては三万キロまでは行くと思つておりますが、それ以上になるとは現在のところまだ考えておりません。
  64. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 二十五年度は、一万三千という数字はこれはどうなんですか。月別を集計した年度計で一万三千といつていますが。
  65. 井上猛

    説明員井上猛君) これは政府工場だけの実績でございます。この外に民間の九工場の委託の生産もございます。従いまして数字といたしましては二万五千キロ見当になります。
  66. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 官営のこのアルコール工場で七万キロも能力があるのに、どういうわけで民間にまで委託をされなければならないのですか。
  67. 井上猛

    説明員井上猛君) 七万キロの能力民間、官営両方合せた能力でございます。従いまして官営工場だけですと、北海道の二工場が落ちますと大体三万五千キロ見当になります。
  68. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それでも需要をオーバーしておりますね。
  69. 井上猛

    説明員井上猛君) この民間委託の問題につきましては、戦時中からのいろいろな経緯もございまして、これを止めるというわけには行きかねる事情もございますので、その点については今いろいろと考慮している次第でございますが、尚どういうふうにするかという方針はまだ現在のところ決つておりません。
  70. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 もう一つ伺いたいのは、これは酒類の方にも相当需要があるのですね。併しさつきのお話によると、九〇%以内のものは別に専売でなくてやつている。その間のは、我々素人から考えると納得が行かないのですがね。九〇%以上のものも酒を作るし、九〇%以下のものは専売でなくてどんどん作つてもいいということになると、酒類の方と睨み合して、酒類の方にはどの程度これは使われているものか。工業用だけにはどの程度使われるか。その辺のところをちよつと説明して頂いたら……。
  71. 井上猛

    説明員井上猛君) 現在の専売法では、先程申上げましたように、一応九十度以上のアルコールは全部専売なつておりまして、政府、又は政府の免許工場、或いは委託工場でなければこれは作ることができないことになつておりますが、そのほかに酒の酒造業者が作る場合には一応除外されております。従つて酒用に酒の業者が作るアルコールは、たとえ九十度であつて専売法にはかからない、こういうふうになつております。従つて酒の業者が一応焼酎なり、合成酒なり、或いは清酒のもろみ添加に使うアルコールにつきましては、一応専売法から除外されて、我々の関係ではないということになります。それから専売アルコール、即ち我々の官営工場、或いは民間工場で作りますアルコールも、これは酒のもろ添用に一応遇しております。その数字は二十四年度の実績では大体六千八百キロばかり行つておりましたが、二十五年はこれはいろいろな経緯がございまして、今のところ六千八百キロから大体千五六百キロくらいまで落ちることになると思います。
  72. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 すると結局何ですか。この一般会計繰入金額というのは、さつきの説明の七千五百万円程度なんですか。さつき北海道の二工場を取上げて……、そういう意味なんですか。
  73. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 売拂い代が七千五百万円です。
  74. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それだけですか。
  75. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) いや、七千五百万円の予定でしたが、八千百万円で実際落したのです。
  76. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それだけですか。今回出された法案というのは……。
  77. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) いや、全然それに関係がないのです。ちよつと……或いは御説明のときにお出でにならなかつたかも知れませんがですね。
  78. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 ちよつと私も聞き違いましたが、利益金とこれと合せたものですか。
  79. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) ちよつと御説明しますと、つまりこの特別会計固定資産作業資産を合せまして二十六年度の場合ですと、固定資産は殖えるのです。二千万円ばかり……。作業資産の方は二億円ばかり減るわけです。そうしますと差引き結局一億何千万というものが資産の減になるわけですから、資産減に……。そうすると、資本の上から行きますと、それだけキヤツシュとして余裕が出て来るわけです。で、この特別会計としましては、従来固定資産を拡張いたしますときには、一般会計から金を入れてやつていたわけなんです。ですから、今度逆に資産処分いたしまして、余裕ができたときには、当然一般会計納付してやる。つまり利益金の形として当然それは出て来るわけですから、当然これを納付する、こういうための法律なんです。それで従来は減少ということは起らずに、むしろ増加で、一般会計で面倒を見てやる方が多かつたのが、昨年度から作業資産、これが甘藷手持ち等が減りまして、逆に特別会計からお返しをする時期に変つて来た。こういうことで、昨年限りの法律のつもりであつたのを一年間延ばすという法律でございます。
  80. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 分りました。
  81. 山崎恒

    山崎恒君 いま一つ政府は国内産の甘藷を全面的にこれを利用するという意思があるかどうか。同時に意思があるとするならば、やはり全国の農民より結成されておるところの協同組合等との特殊の契約等を結んで、干甘藷等の製造をやらして、藷の腐敗を防ぐなり、或いは原料の確保を図るというような方法があるかどうか。その点を一つお聞きして置きたい。
  82. 井上猛

    説明員井上猛君) 国内の資源を利用することについては、私の方といたしましても考えております。ただ農業関係の特殊な組合関係と契約を結ぶことができるかどうかは、会計法上できるかどうかという問題がございまして、原則といたしましては、一般競争入札でやるという原則でございまして、初めから或る特殊の人間なり団体と随意契約でやつて行くということは、ちよつと今のところ会計法上疑義がございますので、その点を解決しなければちよつとここで御返答申上げかねる次第でございます。
  83. 山崎恒

    山崎恒君 只今の御答弁でよく基本方針は分るのですが、国際情勢の現状から鑑みて、果してその糖蜜等が従来通り円滑に輸入されるかどうかということが疑問視される場合なんですが、一方アルコール需要関係相当進んでいる、向上して来るというような関連性から鑑みて、只今の国内産の資源は当局においても極力利用したいという場合に、例えば現状の国際情勢等の推移から鑑みて、やはり甘藷等の生産に入る前に、まず予約栽培的な方法をとるのが最も安全であり、又農民等の栽培意欲を増す上においても非常に好ましいじやなかろうかと、こう思われるのですが、そうした点についていま一歩前進して、政府の国策としてそうした点を基本的に取上げる要がありはせんかという点を考えるのですが……。
  84. 井上猛

    説明員井上猛君) 今の問題は、実は今年から統制が外れましたので、我我としても関心を持つておりまして、実はそういう方法も目下研究中でございます。ただ、まあ統制が続きましたので、どういうような具体的な方法でそれを実施して行くかという問題につきましては、相当いろいろな資料を集め、或いは研究するなりしませんと、はつきりした点が出て参りませんので、その問題については、非常に関心を持つて、一応研究はしているということだけお答え申上げます。
  85. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 今後の措置は、甘藷統制が解除になつた、従つて手持品を減らしてもよいからというお話のようですが、甘藷統制がある場合には、手持品を多く持たなければならんという事情はよく分り兼ねます。却つて統制が解除になつた曉においては、むしろ情勢如何によつては、手持を多くするという必要が起つて来るのではないかと考えられますので、その点はどういうふうになつておりますか。
  86. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これはそういう面もあるのですが、只今の考え方といたしましては、最近の情勢といたしまして、甘藷以外の、今話に出ております糖蜜ですね、そういうような原材料も相当統制の撤廃と併せて持つように実際なつておるのです。その結果、自由になつておるので、一応資産手持ちしないで済む、こういうような通産省の見解であります。
  87. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 二十四年、二十五年度の特殊事情によつて、この手持を沢山持つたということがあるのじやありませんか。
  88. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 特別にないようであります。
  89. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 どうも甘藷の代りに糖蜜が入つて来るから資金が少くて済むというのは、私らどうしても納得できませんが、その点、尚、詳しく御説明願いたい。
  90. 井上猛

    説明員井上猛君) 現在の問題につきましては、一応資金の回転をできるだけ早くいたしまして、資金の面に一応支障のないようにいたしたいという考えでございますので、別にその問題については問題はないと考えられます。
  91. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今の問題は一度よくお調べなつて、改めてお答えを願いたいと思います。
  92. 小串清一

    委員長小串清一君) 資料を要求します。
  93. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 さつきのお話によりますと、官営で三万五千キロあるのですが、能力としてそれだけあるのですが、官営自体にそれだけの能力があるにも拘らず、民営に委託してやつておられるというお話なんですが、一体委託しているものの方が官営よりコストが安いとか、その他有利な事情があるのかどうかという一点をお聞きしたいのです。と申上げますのは、私の出身の鹿児島県ですが、出水の工場と鹿屋の工場と両方工場が出ておりますが、その表にもありますように実績が非常に違つておる。鹿屋の方は殆んど運転していないというような状態なんです。ところが鹿屋の工場でよく事情を聞きますと、原料手当その他は非常に有利にできるつもりだし、それから民間でやつておるものに比べても決してコストが高いわけじやない、むしろ有利にできると思うにもかかわらず、どうも原料の買付その他に御支持がないので、できないで、こういうふうに遊休状態になつておる。どうも自分達としては非常に心苦しいということを言つておるのでありますが、先程も何か特別な事情があるので、民間に、今までやつていたのをそのまま継続しておるというようなお話であつたので、その点をもう少しはつきり御説明を願いたいと思います。
  94. 井上猛

    説明員井上猛君) 民間工場に委託しておる事業も、いろいろ細かいことを申上げますと事情が違います。現在民間に委託しておりますのは六社工場でございますが、その中、国策パルプと王子醗酵、これは御承知のようにパルプ廃液で一応アルコールを作つております。これは非常にコストが安く付いておる次第でございます。それから協和醗酵で一応糖蜜を委託しておりますが、これは防府に工場がございまして、糖蜜の輸送の関係から非常に経費が軽減されまして、これもコストが官営工場よりも多少いいと、こういう関係なつております。あと三楽、宝、それから常磐醗酵、この三工場につきましては、三楽の分はこれは専売法ができる前からやつておりまして、一応特許工場なつております。従いまして特許工場なつておる関係で、これは現在のところどうしても或る程度やらせてか竹かなければならん、こういう恰好になつております。それからあとの二工場につきましては、大体コストの点で一応官営、民営まあとんとんぐらいに、同じくらいに行つておると思うのであります。ただ長年こういうふうにやつておりますので、先程も申上げましたようにこれを一挙にやめさすということになりましては、いろいろ問題が絡んで来るので、その点につきまして、なおどういうふうに今後するかということは考究中でございますが、今のところその方針はまだ決定してない。それについては非常に関心を持つておりますが、まだ如何にこれを解決するかということは決つておらない。かような状況でございます。
  95. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 他の二工場の問題ですが、その辺り長年やらしておるのでというお話もありますが、官営の自分自身の工場は殆んど遊休状態に置いておいて、そこにはもつと不合理が行われておると思うのですが、そういう不合理をあえてしながら、そういうものを長年の堕性で、ただ或る意味では救済というか、何ですか、そういう形でそれを便々と続けていることは、合理化なのかどうか。その辺はもう少し根本的に一つ御検討を願いたいのであります。
  96. 井上猛

    説明員井上猛君) その問題につきましては、丁度合理化の問題に鑑みまして検討しておるわけでございます。如何にしてこれを持つて行くかは先程申上げたようにまだ決定してないということでございます。
  97. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 アルコール専売事業特別会計は現在のところ政府のいわゆる出資の残というのはどの程度になるのですか。
  98. 井上猛

    説明員井上猛君) 出資の残というのはどういう意味ですか。
  99. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 特別会計ですね、現在まで一般会計からどんどん出しておるでしよう。そのいわゆる累積ですね。
  100. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) おつしやる意味は多分こういう意味だろうと思いますが、昭和二十五年度の一般予定貸借対照表を御覧願うと分りますが、自己資本として……。
  101. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その資料はあるのですか。
  102. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 予算書を皆さんお持ちであれば、この予算書にございます二十五年度特別会計予算というものを各議員にお配りしてあるわけでございます。そこの二百七ページを御覧願いますと、昭和二十五年度の予定貸借対照表によりますと、自己貿本が六億一千四百万円になります。その中、固有資本五億八千万円、借入れ等もそこに出ております。その点を御質問なんですか。
  103. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 ええ、そうです。これで毎年必ず今後一般会計の方へアルコール特別会計からは繰入れられることになるのですか。今度の法律ではそういうふうなようですが、そういう予定なんですか。
  104. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 二十五年度だけそれを予定しておりましたのが、同じくそこのところを見て頂くと分りますが、結局同様な状況が続くものですから、二十六年度にもそうしたい。それで、まあ結局今後一応でき得るような形にしてございます。で、まあ又情勢によりまして適当に法律は変えて行く、こういうつもりでおります。
  105. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 購入原料が非常に値上りした場合はこれと反対の場合が出ることが想像されますね。そういう場合にはどういうふうに処理しますか。
  106. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) おつしやる通りでございます。逆に一般会計からその場合に繰入れるというような法律もございます。
  107. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 両方あるのですか。
  108. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) そうです。ですから、従来から繰入れられておる方が多いわけです。この予定貸借対照表の見込によると、作業資産が減つて行くということになつて来ますから逆に繰入れております。
  109. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 この工場拂下げの問題、先程企業としてやるから大蔵省所管に移さないで拂下げするのだというお話でしたが、能力の点から言つて相当オーバーしております。従つて企業としてでなく、もう工場として廃止して拂下げするというようなお考えはないのでございますか。
  110. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これはまあ工場拂下げますときに一定の條件を付けておるわけです。従来の従業員を引取るということと、なお酒の免許を併せて獲得できる見込でなければいかん、そういうことによつて従来もその工場をできるだけ生かして行こうという趣旨の下に拂下げを現在行なつておるわけなんです。そして現在の法律から見ますと、国有財産法におきまして、企業財産は行政財産の一種とされておりまして、その行政財産処分につきましては、特に法令で謳つておる約十幾つの特別会計につきましては、従来の特別会計の所管大臣が処分をなし得るようになつております。この特別会計会計の中に本アルコール会計も入つておるのであります。まあこれは勿論法律を直してやれないことはないではないかということも言えるわけでありますが、他の特別会計等もそういう方針で今までやつております。
  111. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 今のお話は、専売法によるアルコールの仕事をやる場合には当て嵌るけれども、酒税の適用を受けるアルコールの製造については当て篏らんではなかろうかという気持がいたしますが、その点は如何でしようか。
  112. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これはまあ考え方かと思いますが、現在のところは現行法の通りやつて、特にそれを変える特殊の理由もないということで、従来の法令通りに特別会計についても所管大臣にやらせる、こういうことで臨んでおります。
  113. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 私は考え方というのじやなく、法律の解釈の問題として、果して専売アルコールの仕事をやめて酒造業の免許を受ける仕事をやらせる場合にもそういうふうな手続でやつて行けるかということを伺つておるのです。
  114. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) この点は実は国有財産法ではつきりしております。それで従来の所管大臣がやるようにはつきり規定がなつております。
  115. 小串清一

    委員長小串清一君) 如何ですか。今日は、皆さん、当局者に資料を御要求になつて、そして更に御研究になつてからにして、この辺で止めたらどうですか。
  116. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 さつきちよつと申上げました二十五年度のアルコールの需給実績、これを官営分と民営分について、それから二十六年度の需給の見込、それから原料の買入数量、それの価格、それから精密、甘藷両方に亘つてお願いいたします。
  117. 小串清一

    委員長小串清一君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  118. 小串清一

    委員長小串清一君) 速記を始めて下さい。  本日はこの程度におきまして散会いたします。    午後二時五十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     小串 清一君    理事            大矢半次郎君            森下 政一君            山崎  恒君    委員            黒田 英雄君            佐多 忠隆君            小宮山常吉君            小林 政夫君            油井賢太郎君            森 八三一君   政府委員    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省主計局法    規課長     佐藤 一郎君    郵政省経理局主    計課長     佐方 信博君   説明員    通商産業省通商    化学局アルコー    ル課長     井上  猛君