○
森下政一君
本案について
日本社会党は
反対いたします。
前
国会においても、本
委員会で
反対意見を表明したわけでありまするが、金くその理由は、それと同一なのであります。元来
借入金を以て操作し得るはずの
会計でありまして、それを
一般会計から繰入れを行うということは、不必要に
国民の負担を過重ならしめるというそしりを
免かれんと思います。而も
政府自体も、そのことは初めからよく
承知しておられて、当初二十五年度の
補正予算の編成される時には、かような
一般会計からの繰入れは行わないということを取りきめておられると思うのでありまして、その間の
事情は、
新聞発表等にもいつ早く報ぜられたことで、
曾つて食管特別会計へ
一般会計から繰入れを現
内閣が行いました時に、私
どもは厳しくこれを非難したのでありますが、その非難に耳を傾けられたせいか、今回はそういうことをせられないということが
はつきりして、私
どもはひそかに喜んでお
つたわけであり事。
ところがいよいよ
補正予算が本ぎまりになりまして、突如として
方針を変えて、百億の繰入れをするということが明らかにな
つた時、
大蔵大臣は本
委員会において
委員の
質問に答えて、かようなことをしなければならん
事情にな
つたということは、一にかか
つて朝鮮事変の
影響の然らしむる
ところである、当初
政府の
考えてお
つた時には、
朝鮮事変というものを
考慮の中に入れていなか
つた、全然
考慮の外にあ
つたわけで、思いがけないことが突発したために、そのことが
インフレ要因を示すに至
つたので、
インフレを抑制するという
建前から、
止むなくかような措置を講ぜざるを得ないのだということを弁明されたのであります。併しながら若し今日この
我が国に
インフレの
要因があるとするならば、それは
相当広汎なこの
原因を探求して行かなければならんと思う。特にこの国際的な
経済情勢が然らしむる
ところがあると思うのと、
海外市場をおしなべての物価高というふうなことの
影響ということが
考えられなければならん。同時に又
輸出が
相当高進したにかかわらず、これに見合う
ところの
輸入というものが一向伸び悩んでおるというのが今日の
状態でありまして、これでは
我が国の
経済というものが安定する道理がないのでありまして、単なるかような金融上の操作で
我が国の
インフレが抑えられるというものではないということを
考えられてもつと、その具体的な
輸入に対する
ところの
方策をきめ、そうしてその促進を試みるということでない限りにおいては、
インフレの
要因そいうものは解消しないのだということを
考えますると、
政府の断固としてこの際行わなければならん
ところの
施策というものは、かようなことではなくして、もつとほかにある、そうして
インフレを抑えるということでなければならん、こう私
どもは痛切に
考えるわけなのであります。而もかようなことを突如としてやろうということのために、例えば当初
新聞発表において
政府が予期しておりました税の
自然増収のごときも、二十五億から忽ちにして四十三億もこれを増額いたして六十八億を計上しなければならんというふうなことにな
つた。こういうことは
世間では恐らく誠に不合理な
水増しであるという
印象しか受けていない。
大蔵当局は実績によ
つたものでありて、単なる
水増しではないということをいろいろ陳弁しておられますけれ
ども、
世間に与える
ところの
印象というものは、必ずしもそうではないということを私は甚だ遺憾に思う。同時に
自然増収というものがそう簡単に突如として四十三億も
増加し得るというふうなことは、如何にも今日のこの徴税の実態に比較いたしまして、
飴細工のように自由自在に税収というものがなるものだというような
印象を
考えまして、私は税に対する
国民の協力を甚だしく拒むものだというふうな点から
考えて見まして、かような
措置をしなか
つたならば、この
一般会計から外為へ繰入れるというようなことをしなか
つたならば、税に関しても
自然増収を
水増しというふうな
印象を与える
措置の必要は全然なか
つたのだということを
考えて見ると、なを更これは取りやめるべきものであるというふうに強く
考えまするので、かような観点に立
つて私
どもはこれを阻止したいということを強く
考える次第なのであります。
誰が
考えて見ましても、これは
借入金で容易に賄うことができる、而も辻褄を合わすことができる、何を苦んで
一般会計からかような繰入れをするのだということを
考えますと、以上申し述べまするような
見地において
日本社会党は
本案に
反対するものでありま