○
説明員(
佐橋滋君) 綿の
全般の
状況についての
統制問題を簡単に御
説明したいと思います。
青山委員から御質疑がありましたように、私たちのほうは先の
見通しはちよつとわかり兼ねますが、現在まで見通せております
状況下においては
統制を外せる、こういうふうに確信しておるものでありまして、今後
状況の
急変がありますれば、現在までの
戦争中の
統制の
残滓は一掃いたしまして、新らしい
角度においての
統制方式というものを
考えたい。御
承知のように現在まで残
つております
綿統制品は、
戦時中に
外国から一切の
綿花が入
つて来ない。これを食い延すために
一般消費者の
消費を制限するという
角度で始ま
つた統制でありまして、今後我々が見通せる
状況というのは、そういう何と言いますか、
戦争が始まる、前に持
つてお
つた綿花を食い潰す、できるだけ長くしようとかいうような問題とは違
つて来まして、今後もいずれのほうからでも量の問題はありましようけれども、入
つて来ることは間違いがありませんので、今後新らしい
角度で
統制するということになりますれば、むしろ
一般消費者を
対象にしないで、必要な面に積極的な
確保策を
請ずるというような
統制方式にしたい。こういうふうに
考えて、現在の
戦時中の
残滓であります
統制経済の
綿統制の問題は解こう、こういうふうに
考えておるものであります。現在の
見通しを申上げますと、この前当
委員会において
説明しましたように、我々のほうは本
年度百六十九万梱の
綿糸の
生産をする。そういたしまして約十四億ヤードの綿布の輸出をいたしまして特需その他の緊急な
需要に月約八千梱を留保し、なお且つ
国内に月々五千梱の
綿糸の
供給ができる、こういう
見通しに立
つて進んで来たのであります。現在までのところ
紡績の
設備の
増錘の
状況も極めて順調に進んでおりまして、現在約四百五十万錘が稼働をいたしておりまして、現在の
生産は
年ベース百六十九万梱、一月に直しますと十四万三千くらいになると思いますが、この四月におきましてはこの
生産を挙げておるわけであります。この前この
委員会で申しましたように、月五万五千梱の
数量を出し、且つ現在までの、その前の八万一千円の
値段が十四万円になる。量が殖えるということと、
値段が上るという二つの前提に立ちますと、
国内の
消費はそこまで到底ついて来れない、こういうふうに
考えてお
つたのでありますが、
現状は果してその
通りでありまして、御
承知のようにこの三月の初め闇値で約二十五万円ほとしておりました
綿糸一梱が、現在では十六万円を割りつつある
状況であります。この四—六の計画は月五千梱、ただ一—三月度においての
追加が、四——六へ入
つてから一万五千梱の
追加がありましたので、
現実においてはすでに月五万五千
ベースにな
つておるわけであります。この第一次の
発券が、約十一万七千五百梱ばかりのものをすでにもう全部
発券済みでありますが、現在までのところ何と言いますか、このほうのデリバリーは、
消費者が切符をもら
つても金融の
状況、或いは
綿糸が更に右を割るのではないかというような先安の
見通しで、ながなが
紡績のほうでは糸を作らせて持
つておるにもかかわらず、
買いに来ないというのが
現状であるわけであります。我々のほうとしては、現在、残しておりまする
統制というのは
綿糸の
配給、
統制と、それから
綿糸の
価格と、
織物の
価格と、
綿製品の
価格、これだけが残
つておりまして、
綿織物等についての
配給規則は全部廃止をいたしました。現在残
つておりますのは今申しました
配給規則の
関係では
綿糸、それから
水産庁関係の
漁業資材の
配給規則、それから今の
値段だけであります。今の
状況から行きまして早急にこの一切の
統制を外さないと、
却つて糸の
消費者その他で、十四万の糸を買
つて持
つておられるかたが痛手を受けることもあり得るということは、今までの
統制を、
繊維については絹、麻、人絹、
スフ等について逐次外して来ましたが、そのときに必ず外した途端には、同時に市価よりも遥かに一遍
落込むのが常識でありまして現在十五万円台にな
つております
綿糸が、外したら恐らく十四万円を一回は割るのではないか、こういうふうに
考えますので、今言いましたように
紡績が糸を持
つていてもなお
買いに来ないというような
状況とも睨み合せまして、早急に
統制を外したいということで、現在
安本、
物価庁とも相談をし、
政党側のほうの御
意見も承わ
つて慎重にあれを進めておりますが、できるだけ今月一ばいぐらいに
成案を得てこれを実施に移したい、こういうふうに
考えておるわけであります。
あとで又御
質問があれば補足したいと思います。