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1951-03-26 第10回国会 参議院 水産委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十六日(月曜日)    午後一時四十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○船舶職員法案に関し政府に対する申  入れに関する件 ○漁船法の一部を改正する法律案(秋  山俊一郎君外三名発議) ○漁業法等の一部を改正する法律案  (衆議院送付)   —————————————
  2. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。  最初にお諮りいたします。先日船舶法審議を本委員会でやりました際、その改正案によりますと、今後多数の漁船船員養成しなければならんという事態に鑑みまして、本委員会としてこういう決定事項を決議して、そうして農林大臣及び運輸大臣に提示いたしたいと思います。先ずその決定事項を朗読いたします。  船舶職員法に関する件   昭和二十六年三月、十六日水産委員会において船舶職員法改正案審議した結果、次のごとく政府に要することに決定した。  決定事項   船舶職員法における乗組職員資格に関する画期的な改正により漁船職員となるべき船員養成は最も急を要するに鑑み政府においては速かに予算的措置を講じ最善の対策を樹立するよう希望する。  右申入れる。  こういう決定事項にいたしまして農林大臣運輸大臣に提示いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  3. 松浦清一

    松浦清一君 異議はございませんですが、その養成水産庁でやろうというのですか。
  4. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 水産庁でもやりましようし、或いは運輸省でもやるかもしれません。
  5. 松浦清一

    松浦清一君 そうすると、この委員会としては水産庁でやろうと運輸省でやろうと、いずれの役所でやつてもいいが、とにかく漁船船員養成所、再教育養成をやつてくれ、そういう趣旨なんでございますね。
  6. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) さようでございます。
  7. 松浦清一

    松浦清一君 結構ですね。
  8. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 現在は、小型船員養成は農林省のほうでやつておりましたが、運輸省でもやつておるのであります。
  9. 松浦清一

    松浦清一君 その予算措置を講じてもらう際に気を付けてもらわなければならん点は、今の大型船員の再教育を神戸の海技專門学院でやつておるのですが、そこで養成されて再教育を受けておる者は、全部船主との雇用関係が存続しておつて船主給料を払つておるのです。漁船船員の再教育をやろうということになれば、これは当然世帶持ちが多いので、講習を受ける間給料がもらえないということになつては困るので、今のそのような小型漁船を持つておる船主給料払つて講習をせしめ得るとは思えないのですね、やはり相当額の手当を支給しながら講習を受けられるような予算的措置を講じてもらいたいということを内容として考えて置いて欲しいですがね。
  10. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 大体船舶に乗つておる人が受講をする場合においては、二十トン以上の漁船大概船主がおりまして、船主の負担になつておりましたけれども、今度の改正によりまして、二十トン以下五トン以上になると、今松浦委員の言われたようなことが非常に起るだろうと思います。
  11. 松浦清一

    松浦清一君 ですから、どうせ水産庁のほうで予算を考えるでしようが、その場合にただ講習を受ける講習所設備費とか経営費とかいうものだけでなしに、やはり生活の保障というものを考慮に入れて予算的措置を講ぜられないというと、折角講習所を設けてもなかなか生活問題で講習に来れないという結果になりますから、お膳を据えてあつても飯を食いに来れない結果になるので、その点を配慮して予算的措置を講じてもらいたいという希望を入れて置いて頂ければ結構だと思うのですがね。
  12. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今松浦委員の言われたような希望の下に、この決定事項を決定することに御異議ございませんか。……別に御異議はないと認めますのでさよう決定いたします。   —————————————
  13. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 次に漁船法の一部を改正する法律案議題に供します。前回の委員会におきまして提案者から詳しく提案理由説明がございましたが、別に御意見なり御質疑がなければ、直ちに討論に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「質問打切り討論」と呼ぶ者あり〕
  14. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは質問は終了いたしたと認めまして、これから討論に入ります。別に御発言もなければ、討論は盡きたものといたしましてこれから採決に移ります。  本案全部を問題に供します。本案賛成の諸君の挙手を願います。    〔総員挙手
  15. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 総員賛成と認めます。よつて本案は満場一致可決されました。  なお本院規則によりまして、委員長が本会議において、この法案審議内容について経過報告をいたさなければなりませんが、その内容質疑応答及びその他の問題については、委員長に御一任下さることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めます。  なお本院規則によりまして賛成者の御署名をいたすことになつておりますから、順次御署名を願います。   多数意見者署名     秋山俊一郎  松浦 清一     青山 正一  入交 太藏     千田  正  櫻内 義雄   —————————————
  17. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 次に、漁業法等の一部を改正する法律案議題に供します。提案者から提案理由の御説明を求めます。
  18. 永田節

    衆議院議員永田節君) 提案理由の御説明を申上げます。  昨年三月十四日施行をみた新漁業法においては、漁民による漁業秩序の再建を意図し、旧法に基き免許された漁業権の再編成を行うと共に、許可漁業についてもそれぞれ漁業民主化という見地から再検討を加えるごととしたのであるが、このいわゆる漁業制度改革は、現在断々乎として進行の過程にあります。ところで今ここに新漁業法について一部改正を行う法律案提案するゆえんのものは、この一年間における実績に基き制度改革をより円滑に実施するために外ならないのであります。以下法律案において取上げました重要事項について説明申上げます。  さてこの改正案は、漁業法漁業法施行法両法の一部をそれぞれ改正する内容になつておりますが、先ず漁業法関係について説明します。   第一は、瀬戸内海におけるます網漁業は、現行法において定置漁業に該当しておりますものについてもすべて共同漁業にいたす法第六条関係改正でございますが、これは、ます網漁業経営規模がさして大きなものでないことと、瀬戸内海における該漁業経営は、現在その大部が輪番制による行使を行なつている実情にあります。従いまして、若し身網設置場所が二十七米であるます網漁業定置漁業としての取扱を受けることとなるといたしますと、定置漁業免許優先順位関係で現在の輪番制による理想的な経営の一角が崩れることにも相成るわけでございまして、この際協同組合のみが免許適格性を持つております共同漁業権内容に組入れることにより、組合管理の下に該漁業を輪番経営させることが最も適切な漁業調整のあり方ではないかと考える次第でございます。  第二は、入漁権享有者協同組合又は同連合会に限定することでございます。現行規定によりますと、若干個人入漁権取得できることを認めている節もあるのでございますが、入漁権の対象となり得る漁業権組合にのみ免許される共同漁業と、組合が自営しない場合にあつても最優先的に免許が保証されております一部の区画漁業権に限定されております。これはその漁業実態組合管理の下に調整されることが最も適切であると考えられるからであつて、こうした内容漁業を入り会つて操業いたす権利である入漁権個人が享有できることはいささか妥当を欠くものではないかと考えるわけであります。従つて今回第四十二条の二の新しい規定を加えまして入漁権取得できるものを協同組合と同連合会に限定することを明確にいたした次第であります。  第三は、現在漁業取締に関しては、農林大臣及び知事命令で以て規定した事項が多々あるわけでございますが、これら省令規則に定められております懲役、罰金、拘留及び科料罰則は、互に併科できるようになつておりますが、この点漁業法自体命令への委任の内容が不分明でございますのでこの際明確にいたしたのが第六十五条第三項の改正であります。  第四は、小型底曳網漁業関係でございますが、この漁業は、現在機船底曳網漁業取締規則第二十六条ノ二によつて規律され、以東底曳網漁業とは取扱を異にし、知事許可に委ねられております。ところでこの小型底曳は、戰時戰後を通じ、我が国の食糧危機の緩和に頗る貢献いたした漁業であつたのでありますが、その漁獲能率のよいことと沿岸到る所で操業され、あまつさえ法規律の紊乱は、現在沿岸漁業秩序維持に由々しき事態を惹起している現況にあります。これが進行中の漁業制度改革に与える影響は今や看過できない段階に達しているものと考えられます。今回法律改正する機会にこの漁業の処理についての方針を確立し、制度改革を更に強力に推進する法的根拠規定いたしたいものと考え、新らしく第六十六条の二の規定を制定するものであります。  第五は、有毒物を使用して水産動植物を採捕する禁止の一部解除の点でございますが、これは現在内水面漁業にかかる免許の際に要する増殖、養殖の基準を作成する必要に迫られているわけでございまして、その際局部内に増殖実績について悉皆調査をする必要があるため、この場合には例外的に有毒物使用を認めようとするものでありまして第六十九条に法律案通り但書を加えた次第であります。  第六は、第七十八条から第八十条までの免許料許可料徴収に関する一連の改正でありますが、これは昨年第七国会におきまして、国税徴収法の一部改正が行われた際、当然に改正する必要があつた事項でありますが、実際には、これらの規定が未だ適用の段階になかつたため、今日までそのままになつていたのを今回正確な内容改正いたしたものであります。内容は全く従前通りでございます。  第七は、第八十九条の改正でございますが、これは海区漁業調整委員会委員選挙人名簿調製期日現行の二月一日から九月十五日に改めまして、公職選挙法による名簿調製期日を一致させ事務簡捷化図つた次第であります。  第八は、第九十四条及び第九十七条関係改正でございますが、これは昨年第七国会において成立制定された公職選挙法に関連いたしまして、これらの規定が大幅に修正されたのでありますが、若干法律的に不備な点がありますので法案通り改正いたすものであります。  第九は、漁業法規定によりますと、知事が具体的に漁業調整につき処分を行うに際し、多くの場合海漁業調整委員会意見を聞くことを要件といたしておるのでありますが、委員会が解散されるとか委員が不足したために委員会が成立し得ないことがあるわけでありまして、そうした場合可及的速かに補欠選挙を執行いたしますことは当然の理としましても、なお不測の緊急を要する事態が予想され、そうした際、委員会意見を聞かずして知事措置できるよう、第百四条の二の規定を新らしく制定いたしたいと考えるのであります。  第十は、内水面漁場管理委員会都道府県の議会の議員の兼職の禁止をいたす点でございますが、これはこの委員会が、海区漁業調整委員会と大体同一の法的性格を持つものであることから海区漁業調整委員会と同様の取扱をいたすのが当然と考えられますので第百三十二条を然るべく改正いたした次第であります。  以上が漁業法関係改正点の概要でありますが、漁業法施行法関係といたしましては次の二点でございます。  第一点は、旧漁業法に基く漁業権消滅時期を指定する手続についてでございますが、現行法によりますと、政令によりまして一括地区ごと漁業権ごと指定を考えているのでありますが、漁業法によつて現在樹立されております漁場計画進行状況を考えまするに、画一的に消滅時期を指定いたすことは、いささか困難の模様であります。従いまして、この際、漁場計画の作成により密接な位置にある知事をして指定事務を行わせることが、より適切だと考え第一条第二項を然るべく改正いたしました。  第二点としまして、補償事務開始の時期でありますが、現行規定から見ますと漁業権消滅後に手続が開始されるようになつておるのでありますが、漁業権補償が、むしろ沿岸沖合漁業協同化のための生産資金に活用される希望が頗る多く、且つ、又かくすることが、制度改革をして有終の美を完うさせるゆえんでもありますので、できる限り早く補償額を確定し証券交付時期を繰上げることが望ましく考えます。第十条第五項を法案のごとく改正いたしますのは、如上の意味からでございまして、権利消滅前にも補償計画手続を開始し得るよう措置したわけであります。  以上が本法律案提案いたす事由でございますが愼重審議の上賛同あらんことをお願いする次第であります。
  19. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今提案理由の御説明がありましたが、この提案理由について何か御質問がありましたらお願いいたします。理由について別に御質問なければ、法案内容について御説明願います。
  20. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 漁業法等の一部を改正する法律内容につきまして御説明申上げます。改正趣旨につきましては、只今提条者が御説明になりましたので、それと多少重複いたしますが、簡單に申上げますると、第一条関係といたしまして、「第六条第三項第一号中「二十七メートル以上であるもの」の下に「(瀬戸内海(第百九条第二項に規定する海面)に曲げるます網漁業を除く。)」を加える。」という改正と、それから「第二十八条の見出し及び同条第一項中「相続」り下に「又は法人合併」を加える。」という関係がございますが、これは瀬戸内海におけるます網漁業につきまして水深三十七メートル以上の場合におきましては、現行法定置漁業として取扱われざるを得ないというような関係りものを、定置漁業定義から除きまして、共同漁業権の中に入れるという以正でございまして、特に瀬戸内海におけるます網漁業を除くというふうに括弧を加えたのでございます。それから「第二十八条の見出し及び同条第一項中「相続」の下に「又は法人合併」を加える。」と申しますのは、定置区画関係現行法は單に相続によつて取得した定置漁業権又は区画漁業権といつたような規定の仕方になつておりますのを、法文上の不備を修正するという意味におきまして、「又は法人合併」という字句を加えたのでございます。  それからなお第一条関係の次といたしまして、「第四十二条の次に次の一条を加える。」ということにいたしまして、「入漁権取得適格性」という見出しで、四十二条の二といたしまして、「漁業協同組合及び漁業協同組合連合会以外の者は、入漁権取得することができない。」ということと、「第四十三条第二項中「相続及び譲渡」を「譲渡又は法人合併による取得」に改める。」という改正を行うことになつておるのであります。これは先ほどの御説明の中にありました、入漁権享有者というものを協同組合連合会とに限定するという趣旨でございまして、それに関連いたしまして、四十三条二項中に「相続」という字句が非常にふさわしくないというようなことになりますので、「相続」という字句を省きましたのと、「法人合併による取得」という字句を追加いたしまして、法の整備を図つて参ろうということでございます。  それから「第六十五条第三項中「又は科料」を「若しくは科料又はこれらの併科」に改め、同条第七項を次のように改める。」といたしまして、第七項といたしまして「都道府県知事は、第一項の規則を定めようとするときは、第八十四条第一項に規定する海面に係るものにあつて当該都道府県区域に沿う海面につき定められたすべての海区の区域を合した海区に設置した連合海漁業調整委員会当該都道府県区域に沿う海面につき定められた海区の数が一である場合にあつては当該海区漁業調整委員会)の意見を、第百二十七条に規定する内水面に係るものにあつては内水面漁業管理委員会意見をきかなければならない。」というふうに改正したのでございますが、これは先ほどの御説明の中にありました漁業取締につきまして、現行法によりまするといろいろの罰則関係併科できるかどうかというようなことに疑問が起つて参りますので、これらの併科という字句を特に追加いたしまして、法律的にそれを明確にしたということでございます。それから只今読みました七項の問題につきましてはこれは規則を定める場合につきまして、関係する海区漁業調整委員会意見を聞き得るような態勢にする意味の訂正でございまして、現行法を整備するという意味でございます。  その次の「第六十六条の次に次の一条を加える。」ということで、「(許可を受けない小型機船底びき網漁業禁止)」という標題で「第六十六条の二」といたしまして、「小型機船底びき網漁業は、船舶ごと都道府県知事許可を受けなければ、営んではならない。」それから二項に「「小型機船底びき網漁業」とは、総トン数十五トン未満のスクリユーを備える船舶により底びき網を使用して行う漁業をいう。」三項は「主務大臣が定める海域において、総トン数十五トン以上で主務大臣の定めるトン数に達しないスクリユーを備える船舶により、底びき網を使用し、主務大臣の定める漁法によつて行う漁業は、小型機船底びき網漁業とみなす。」というふうに追加をいたしまして、先ほど御説明がございました小型機船底曳網漁業というものの定義を明確にいたしまして、都道府県知事許可を受ける漁業として漁業法上明らかにいたしまして、地方自治法との関係を明確にするという趣旨でございます。実体的の問題につきましては、先ほど御説明がありました通りでございますので省略いたします。それから今の四項に更に「第一項の許可に関し必要な事項は、省令で定める。」という規定があるのでございましてこれによりまして、省令によりまして小型機船底曳網漁業というものの取扱を規制して参るという根拠を与えておるわけでございます。  それから次の改正は「第六十九条に次の但書を加える。」、即ち「但し、主務大臣許可を受けて調査研究のため第百二十七条に規定する内水面において採捕する場合は、この限りでない。」これは先ほど御説明のありました「有毒物を使用して水産動植物を採捕してはならない。」というこの禁止規定の一部解除を、特に調査研究の部面に開いて参るということで但書を付けたのでございます。  それから「第七十八条第一項中「これを督促し、督促手数料及び延滯金を徴収する。」を「督促状により期限指定してこれを督促しなければならない。」に改め、同条第三項を第五項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。」という改正と、それに関連しまして二項、三項を入れまして二項としまして「前項規定により督促をした場合は手数料として十円を徴収する。」、第三項は「第一項の規定により督促をした場合において督促状指定期限までに免許料又は許可料を完納しないときは、督促状指定期限の翌日から免許料又は許可料納付の日までの日数に応じ、滯納免許料額又は滯納許可料額百円につき一日四銭の割合を乗じて計算した金額を延滯金として徴収する。」それに関連しまして「第七十九条中「国税並びにその督促手数料延滯金及び滯納処分費」を「国税及び地方税」に改める。」ということ、それから第八十条中の各種のそれと同様の読み替えなり改正というのがあるのでございます。この問題は先ほどの御説明にもございましたように、国税徴収法というものが改正されました際に当然改正すべきものでございましたのを、今度の改正機会にそれに併せて改正して参るということでございまして、法律の体裁を合せ整えるという意味合い以外には意味がないわけでございます。  それから次の改正といたしまして「第八十九条第一項中「毎年二月一日」を「毎年九月十五日」に改め、同条第五項後段及び同項の表を削る。」という改正につきましては、これは先ほどの御説明に、ございましたように、海区漁業調整委員会委員選挙人名簿調製期日が、現行規定によりますると「二月一日」になつておりますのを、一般の公職選挙法による名簿調製期日と一致させて「九月十五日」というふうに改めたに過ぎないのでございます。  それから次の改正点は第九十四条から、第九十七条の関係でございまして、これを読みますと、「第九十四条中「公職選挙法」の下に「第八条(特定地域に関する特例)、」を、「第三十八条第四項」の下に「第四十条」を加え、「第十項但書、第十二項」を「第十項但書」に、「第二百十条及び第二百十二条」を「第二百十条、第二百十二条及び第二百十六条」に、「及び第十大章」を「、第十六章」に、「第二百三十五条」を「第二百三十五条第二項」に、「規定を除く。)の規定は、」を「規定を除く。)及び第二百七十二条(施行に関する命令等)並びに附則第四項及び第五項の規定は、」に改める。」それから「第九十七条第一項中「公職選挙法第十一条又は同法第二百五十二条」を「第八十七条第一項第二号又は第九十四条において準用する公職選挙法第二百五十二条」に改める。」というふうに改正をいたしまして、全体の趣旨につきましては、公職選挙法に関連しまして、それに合せ、又は漁業法を独自の点等もございますので、法の不備補つたということでございまして、具体的に若干の内容を申上げますと、投票時間の問題等につきまして、現行法で参りますと、公職選挙法の第四十条によることになりまして、午前七時から午後六時まで投票所を開いて置くことになつておるのでございますが、漁民選挙資格者が極めて少い町村等につきましては、そういう町村も相当ございますので、短時間に一〇〇%投票を終了するという場合もあるのでございますので、午前七時から午後六時まで十一時間といつたような長い時間投票所を開いて置く必要がないというような実態もございますので、公職選挙法の四十条の準用をやめることにいたしまして、実情に即するように政令規定するというような点でございまするとか、或いは現行法によりますると、開票立会人というものが自由にその任を離れ得るような関係になつておりますが、これでは困りますので、選挙立会人でございますとか、或いは投票立会人というかたがたと同様に、正当の理由がなければその職を辞することができないようにするというような改正でございまするとか、それから漁業法におきまする選挙関係につきましては、漁業法第百三十五条によりまして、訴願は一切認めないようになつておるのでございますが、公職選挙法を準用する場合につきまして、この点の考慮が十分払われておらなかつたために、訴願関係規定を準用してございましたので、そういつた不備を訂正するというような内容を含んでおるのでございます。  それから次の「第四条の次に次の一条を加える。」ということにいたしまして、「(開会不能の場合の特例)」という見出しで「第百四条の二」といたしまして、「海区漁業調整委員会がその委員の定員の過半数以上を欠いている場合において、この法律又はこれに基く命令規定によりその意見をきかなければならないとされている事項を処理する緊急の必要があるときは、都道府県知事は、当該海区漁業調整委員会意見をきかないで当該事項を処理することができる。」というふうに追加するということでございまして、これは先ほどの御説明にもございましたように、現在海区漁業調整委員会不成立といつたようなことを予定しておりませんので、万一不成立の場合があるということを考えて見ました場合において救済規定というものがございませんので、不成立の場合にいろいろと仕事を進行させる必要もございますので、その救済規定をこの際附加えるという意味でございます。  それからその次の改正は「第百二十二条中「第九十六条(委員の辞職の制限)」を「第九十五条(兼職の禁止)、」それから「第九十大条(委員の辞職の制限)」に改める。」というふうにいたしたのは、先ほど御説明のございました第十の関係で内水面漁業管理委員会都道府県の議会の議員の兼職の禁止を沿岸の場合と合せまして同様に取扱うよに規定するという意味でございます。  それからその次の「第百三十八条中第六号を第七号とし、第六号として次のように加える。」「六第六十六条の二第一項の規定に違反した者」は、先ほどの「(許可を受けない小型機船底びき網漁業禁止)」という表題で船舶ごとに、小型機船底曳網漁業につきましては、「都道府県知事許可を受けなければ、営んではならない。」というふうに書いてございますので、必要な罰則規定を附加えるという意味でございます。  それから一部改正法の法案の第二条といたしまして、「漁業法施行法昭和二十四年法律第二百六十八号)の一部を次のように改正する。」ということにいたしまして、「第一条第二項中「漁業権について政令で地区及び漁業権の種類を定めて期日指定したときは、」を「都道府県知事が、政令の定めるところにより、漁業権を定めてその消滅の時期を指定したときは、」に改める。」それから二項といたしまして、「第十条第五項中「前条に規定する者」を「第九条に規定する者(漁業権消滅前に公告した場合にあつて補償すべき漁業権等を有する者。以下同じ。)」に改める。」の改正でございますが、この改正の第一項漁業法施行法の「第一条第二項中」の改正につきましては先ほど御説明がございましたように、現行法によりますと、政令によつて一括して地区ごと或いは漁業権ごとといつたようなふうに指定をやりまして、漁業権消滅を考えておるのでございまするが、現在漁場計画進行して参りまして、実際にやつて参る場合を考えて見ますると、手続がそれではなかなかむずかしい、農林大臣といたしまして地方の一つ一つの漁業権をつかまえて指定して参るというようなことは困難であるというような事情がございますので、知事にその指定事務を行わせるというような建前の下に漁業権ごとに知事消滅の時期を指定するというふうなことに改正いたすという趣旨でございます。  それから次の、「第十条第五項中」の改正につきましては、これは先ほどの御説明にございましたように、補償事務の開始の時期を早くいたしまして、消滅漁業権の切替時期と成るべく一致させるということにいたしますために、現行法ではその関係考慮されてなくて、切替えた後から補償事務が発足するような規定になつておりますのを改正する趣旨でございます。そこで現在の現行法によりますると、十条の五項につきましては、「前条に規定する者」ということになつておりまして、前条である第九条によりますると、漁業権消滅の時に有しておる者というふうな規定になつておりますので、そういういろいろの手続関係が迅速にできないというようなことになりますので、それを改正いたしまして、「漁業権消滅前に公告した場合にあつて補償すべき漁業権等を有する者」というふうにして措置するということにしたいという趣旨でございます。  それから附則につきましては、この四月一日からこの法律施行するということに予定をいたしまして、小型機船底曳網漁業関係の問題につきましては、いろいろの実施準備等の関係もございますので、公布の日から六カ月間以内に別に政令で定めるというふうに考えておるのでございます。なお附則の二項、三項につきましては、小型底曳網漁業をこの改正法案によりまして、第六十六条の二として、知事許可を受けるような形で明確に規定して参るようなことになりますると、経過的ないろいろの問題が出て参りますので、この救済を行うための経過処置を規定しているのでございます。即ち二項につきましては、現在知事許可であつて、この法律改正規定施行の際にその許可が効力を有するものの取扱をどうするかということでございまするし、それから小型底曳が十五トン未満というふうに規定してございますので、現行の機船底曳網取締規則との関係をどう調整するかということを規定したのが第三項でございます。以上が改正案内容でございます。
  21. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 何か御質問ありませんか。
  22. 青山正一

    ○青山正一君 この法案に小型磯船底曳網漁業の整備の問題を載せてあるようでありますが、この問題を吟味するには只今お話のあるようにいろいろな時期をどうするかと、この法律には大体二年というふうに載せてありますけれども、三年後になるか、或いは五年後になるかという問題も出て来ようし、それから補償の問題も以西底曳同様どういうふうに取扱つたらいいだろうかという問題が出て来るし、それから転業先をどうするかというような問題もこれは付いて廻ろうと思うのであります。それから先ほど御説明の中にあつたようにこの政令に定めると規定してあるのですが、この定めるべき具体的なものは農林省にできているのですか、どうなんですか。その点を一つ承わりたいのであります。何だかこの補償の問題とかその他部分的に小型底曳の問題は全然目鼻が付いていないという理由で、衆議院のほうでもこの問題だけを切離して、それであとの部分を出して行こうというようなふうな含みもあるように承わつておるのですが、この点に関して衆議院の進み方は一体どういうふうに進めているか、その点も承わりたいのであります。  それからこの修正案全般に対して今OKを受けられたのですか、どうですか。その点を承わりたい。以上三点について承わりたいと思います。
  23. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) この改正法案の提出につきましては、衆議院の永田代議士が提案者になつているのでございますが、GSの関係はこれは一応OKになつているのであります。それから先ほどお話のございました小型底曳の問題、及び提案説明の中の第九の場合の知事が海区漁業調整委員会意見を聞くということを規定している場合に、委員会の成立しない場合には委員会意見を聞かなくてもできるという規定につきまして、衆議院の水産委員会でいろいろと具体的に問題にいたしまして、例えば小型機船底曳網の関係につきましては、非常に現在の現状から申しまして関係隻数が多いことと、それから関係漁民が多いことを具体的にこの法律審議するという際におきましては、漁船の始末の問題或いは漁業者の世話の問題というような見通しが立てられるようにならなければ、こういう改正案を持つて来ることはなかなか無理であろうと、審議することもむずかしいのではなかろうかというような御意見がございまして、これに関しましては、数度打合せなり協議があり御説明を申上げたのでございまするが、いずれにしましても、次の最も近い機会にやつたらどうかということを委員会では申しておられたのでございます。  それから第二番目の知事が調整委員会に代つて意見を聞かなくてやれるというような規定につきましては、これは本来から申しましてあり得べきことではないし、又今度の公職選挙法施行令の改正によりまして、市町村長なり、市町村議会の議員が兼ねることができるように改正になりましたので、その意味が失われたからして、この関係規定は追加する必要はなかろうという御意見があつたわけでございます。以上の二点が修正意見として衆議院の水産委員会では持ち出されたわけでございまして、この修正案を衆議院のほうの水産委員会としてお作りになつて目下関係方面に伺うなり、協議をされておるという段階になつておるのでございます。
  24. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 内容についてちよつとお尋ねいたしたいのですが、六十六条の二の第三項「主務大臣が定める海域において、総トン数十五トン以上で」云々とありますが、これはどういう場合になりますか。実際にこういうのはどういう場合を言うのですか、小型船の……。
  25. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 六十六条の二の三項は、これは二項によりまして十五トン未満のスクリユーを持ちました小型機船底曳網漁業というふうに定義付けをいたしまして、沿岸漁業といつたような性格をはつきりさして規制をして参る一つの目安にしておるわけでございまして、十五トン以上のものが従いまして現在の以東底曳網漁業といつたような沖合漁業のような性格を以ちまして規制されるという区別の体制になつておるのでございまするが、三項はいろいろ複雑した海区、即ち例えて申しますと、伊勢湾のような所におきましては、現在の操業状態から申しまして、沖合漁業として出て参るというような性格でないものも十五トン以上で操業されておるような漁業もございますので、そういうものは單に十五トンといつたような区分で分けて取扱つて参るということになりますと、いろいろと問題もございまするし、この改正案趣旨といたしまして、沖合漁業というものと沿岸漁業というものに区別した趣旨にも副わないような点もございますので、特にこういつた三項の規定を入れまして、十五トン以上のものでございましても「主務大臣の定めるトン数に達しないスクリユーを備える船舶により、底びき網を使用し、主務大臣の定める漁法によつて行う漁業は、小型機船底びき網漁業」とみなして取扱つて参りたいとかような意味でございます。従いましてこの小型機船底曳網漁業の現在の実数というものが、調査によりますると、三万六千隻程度にも達しておりまするし、そのうち許可を受けておるものが、僅かに三分の一に過ぎないという現状でもございますので、一応は沿岸漁業というものと沖合漁業というものを区別してその取扱処置を講ずるという半面、御承知の通り、五ポイント計画というような司令部からの勧告の線もございまして、積極的に沿岸漁業に与える影響を縮める、即ちそういう無秩序な漁業関係を秩序あらしめるようなところまで整理をして持つて参るというようなことになりましたので、そういうふうな意図も考慮の上こういつた問題を取扱うように考えております。  それから先ほど青山委員からの御質問で落したものがございますが、それは漁業に関して必要な事項省令で定めるということになつておりまして、実は水産庁におきましていろいろその案を立てておるのでございまして、実は原案もでき上つておるのでございますが、併しこれは関係海区の漁民のかたがたの意向を一応聞いた上で、まとめて行かなければいかん問題であるというような意味合から申しまして、関係海区漁業調整委員会といつたような、県を通じまして、そういつた方面の意向を承わりまして、それによつて現在規則の検討を加えておるというような状態になつておるのでございます。
  26. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そういたしますと、この三項は海区を主務大臣が特に指定するということにすると、そうしてその海区に対する底曳漁船のトン数というものの限度をきめる、こういう二つの条項をこれに規定するわけですか、別途に……。
  27. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) さようでございます。規則の中にそういつた点を具体的に織込んで参るということを考えておるのでございます。
  28. 松浦清一

    松浦清一君 私は現行法規を手許に持つておらないので、この改正点とちよつと的が外れるかも知れませんが、漁業法というのは何ですか、日本の沿岸漁業の一切を取締る、又これを保護するという法律案ですね、漁業法というのは……。
  29. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 漁業法沿岸漁業のみならず、許可漁業をも一応法の対象にしておりまして、なお更に遠洋漁業というものにつきましても規定をしておるのでございます。即ち漁業法につきましては、御承知の通り漁場計画というものが、もつぱら漁業権を主体にして切替えを行うようなことを規定してございまして、その海区の漁場計画の中には沿岸の許可漁業、並びに一部沖合漁業までも規制して参るというような体制になつておるのでございます。遠洋漁業につきましては、これは特に指定遠洋漁業というのがございまして、「かつお」「まぐろ」でございますとか、以西の底曳網漁業、捕鯨漁業といつたようなものでありますが、規定されてあるのでございます。
  30. 松浦清一

    松浦清一君 そうしますと、この漁業法瀬戸内海漁業取締規則との関係はどうなつておりますか。
  31. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 漁業法の六十五条によりまして主務大臣又は知事が漁法の制限でございますとか、或いは漁具、漁船の制限でございますとか、漁業者に関する制限でございまするとか、いろいろの事項に亘りまして、漁業調整上その他公益上必要なる場合には省令なり規則が出せるというふうな建前になつておるのでございます。従いまして瀬戸内海漁業取締規則というものは明治以来続けて参つた規則でございまするが、省令として規定された事項でございまするが、新漁業法施行となると同時にその条文の根拠を切替えたというような関係になつておるのでございます。
  32. 松浦清一

    松浦清一君 そうしますと、第六十六条の二の「小型機船底びき網漁業は、船舶ごと都道府県知事許可を受けなければ営んではならない。」こうありすが、これを逆に言うと、許可を受ければやつてよいと、こう解釈される条文なんですね。そうすると、今までの瀬戸内海漁業取締規則では動力船による底曳をやつてはいけないというようになつておつたのだが、この法律が適用されてこの瀬戸内海取締規則との調整ができれば、十五トン以下の許可が得られれば漁業をやつてもいいということになるわけですか。
  33. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 説明を落しましたが、瀬戸内海漁業取締規則というもののほかに小型機船底曳網漁業取締規則といつたような別個の省令を以て規正して参る。こういうふうに実は考えておるのでございまして、お話の通り現在瀬戸内海小型底曳といつたようなものにつきましては、瀬戸内海漁業取締規則によりまして許されておらないというような、法規上の建前になつておるのでございまするが、先ほども提案者からお話がございましたように、いろいろ戰時中食糧増産等の線に副いまして、地方庁も奨励したり、或いは黙認したりしたようなことになつておりますし、又現在におきまして、終戰後現在に至りましても、その関係が非常にはつきりしなくて、やつておられる漁業者のほうも非常に迷惑をされておる。且つ、瀬戸内海全体の秩序保持といつたような点からいたしましても非常に憂慮すべき問題であるというようなことが考えられますので、現在正式には許されておらないけれども、そういうふうな過去の歴史的な関係によりまして黙認されてやつておつたような漁船につきましては、一応考え方といたしましては漸次減少さして行くというような方針の下に、農林大臣が府県別に枠をきめまして、その枠の中で知事許可して参るというふうな建前をとつて参りたい。それによりまして、年々そういう漁業漁船を整理して参りたいというふうに実は考えておるのでございます。
  34. 松浦清一

    松浦清一君 そうしますと、農林大臣がその枠をきめるというきめ方は、ここのこの表で出ておりますが、その枠に出ておるのが調査の対象だと思いますが、これには許可してもいいというお考えなんでございますか。
  35. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) お手許にございまする表がどういう表か存じませんが……。
  36. 松浦清一

    松浦清一君 若しこの表が違うのならば取消しますが……。
  37. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) この表につきましては、漁業権の先ほどの瀬戸内のます網漁業共同漁業権に入れるという点についての資料だと思います。
  38. 松浦清一

    松浦清一君 それでは結構です。もうちよつと確認したいと思いますが、瀬戸内海の、今あなたがおつしやるように、戰争中に由良なんかで海軍なんかが随分漁船を使つてまあ魚を獲つておつたのでありますが、海軍の腕に及ばなくなつて、あの附近の業者を集めて、君たちが一つやつてくれないかということの委譲を受けて、大きく言えば食糧増産のために由良の動力船の諸君が相当の投資をしてやり始めたのでありますが、終戰になつてから、例の瀬戸内漁業取締規則が発動されて、それで海上保安庁の船に追つかけ廻されながら、黙認されておるとは言いながら実際やれないということになつて、極めて困難な事情に逢着して、それで一本釣りの諸君と底曳の諸君とが由良の小さな町で相対立して長い間悶着を起しておるのであります。僕も行つて事情を調べて見ましたが、一本釣りの諸君も或る程度のトン数を制限してやつてくれるのならばこれはどうもしようがないし、併し今の状態でそのままやられることは一本釣りの諸君の生活に関する問題で困るというような見解であるし、底曳をやつている諸君も、このままで追つかけ廻されながら不安に怯つつやるということはこれはもう到底継続ができないので、或る程度制限されるとしても止むを得ないから正式に一つ許してもらえるようにならんだろうかということが、これは年来の宿望なんですが、これは希望になるかも知れませんけれども……だからこの法律をその条文のまま読み取ると、瀬戸内漁業取締規則というものが、あの古いままで嚴として活きておらない限り、そういう調整を若しやつて行こうとするならばこのまま適用されるものと、こう了解できるわけですか。
  39. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 現状におきましては、お話の通り瀬戸内海漁業取締規則というものが適用になつておりまして、やつておられるかたは違法にやつているという状態になつているわけであります。併しながら行政的に見ますると、そういうふうな違法状態にある漁業というものをいつまでも存続させるべきではございませんし、又他の漁業に影響があるとしますれば、これを一時的にても全部なくすような法律を考えなければいかんというようなことになるわけでございまするが、そういうような段階で考えて見ますると、非常に歴史的な、先ほど申上げました、又お話がございましたような関係でできている漁業につきまして、單に一片の法律違反であるから全部やめるようにというようなことを申しますると、非常に関係する漁民のかたがたの生活問題なり、或いは漁業実態といたしましてもそぐわない点がございますし、又実際不可能であるというようなことが考えられますので、これを漸次整理して参つて行くというような方向の下に、現在やつておりまするまあ未許可でやつているような違法な漁業でございまするが、整理の一つの方向といたしまして、先ほど申しましたような枠の範囲内で或る程度適当数の許可を認めて行つたらどうかというようなことを考えているのでございます。なお漁業の種類なり、漁法によりましては非常に資源をそのままにして傷め付けるというような漁法もございますので、そういう漁法につきましては禁止をするというような措置も講じて参りたいということを考えているわけでございまして、そういうような方針の下にこの小型底曳網漁業というものを取扱つて参りますためには、どうしても主務大臣省令の規制によりまして知事がこれを許可して参るという体制を作りませんとむずかしいのではないかというようなわけでこの改正法が立案されたような次第であります。
  40. 松浦清一

    松浦清一君 それで今度は希望になるかも知れませんが、結局このまま通り法律を出されても、瀬戸内の漁業取締規則が嚴として活きている以上は、動力船はやはり使えないというこの事実に変りはないわけですね。実際問題としてそのままに……。
  41. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) その点説明を落しましたが現在の瀬戸内海取締規則もこの小型機船底曳網漁業に関する省令が出ます場合に並行して改正して参るということを考えているのでございます。瀬戸内海取締規則の中で規定しておりまする小型機船底曳網漁業に関する規定はこちらのほうの省令に移して参るというようなことになつたのであります。両建で今度は取締をやるということを考えているわけであります。
  42. 松浦清一

    松浦清一君 そうやつて頂きたいのだ。そういう言葉を聞きたいために何遍も繰り返しておつたのですが、取締規則が県のほうと、こちらで命令されるのか、指令されるのか知りませんが、そういう調子で行きませんと、この法律ができても漁業のほうが取締をやつておつたのでは瀬戸内に関する限り何にもならないと思いますから、その点早急に善処を願いたいと思います。
  43. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 この漁業法改正の六十六条の二の第三が、こういうふうなものができて来たのですが、只今提案しておりまする漁船法との関係、これによつて漁船法の三条の一号、二号、三号の中に、「長さ十五メートル以上の動力漁船」は農林大臣許可をする、それから「長さ一五メートル未満の動力漁船漁業法第六十五条の規定に基く命令によつて農林大臣許可を要する漁業に従事するもの」もこれも農林大臣許可をする、そうして前二号に掲げるもの以外の動力漁船知事許可をする、こういうふうな規定になつておりますが、この第三項の「総トン数十五トン以上の船で主務大臣の定めるトン数に達しないスクリユーを備える船」は、これは農林大臣許可をすることになるわけでありますか。ちよつとピントが外れますけれども、関連しておりますからお伺いしておきます。
  44. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 漁船法漁業法との調整の問題でございまするが、漁船法改正でお考えになられましたように、漁業許可漁船建造の許可関係を合せて参る、即ち地方で知事許可した漁業については成るべく知事漁船建造の許可をやるような建前にするというようなことも考えておられたように承わつておつたのでございますが、現在の漁船法の今日御審議になりました通りのきめ方で考えて見ますると、この六十六条の二の三項の場合につきましては、これは漁業許可知事許可することになつております。併し漁船の建造許可なりにつきましては、農林大臣がやつて参ることになると思うのでございまして、この点はこの漁船法の現在の規定と、現行法改正される場合につきまして、一応割切られておられるようなお話も聞いておるのでございまするが、そういつた状態でございますので、知事漁業許可をして、漁船の建造につきましては大臣が許可をするというような建前になるわけでございます。
  45. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 少し矛盾があるように思いますが、本来今お話のように知事許可をする漁業についてはこの漁船知事許可をするように大体やつて頂きたい。それから大臣が許可をする漁船については、ここの第二号にありますように十五メートル未満のものであつても大臣が許可をする。現在知事許可をしておる漁業であつて、将来農林大臣許可に移そうとする漁業もあるようでありますが、その漁業については農林大臣許可をすることにするために、漁船法のこの規定をそういうふうに改めるということになつておるのであります。そうしますと、ここに第一項第三号、これは漁船法でありますが、「前二号に掲げるもの以外の動力漁船」とこうあります。この前二号に掲げる以外の動漁船ということになりますと、十五メートル未満であつて知事許可する漁船だ、こういうことに一応考えられるのでありますが、今度の漁業法改正によりまして十五メートル以上の船であつて、そうして農林大臣指定する海域、海区及び指定するトン数というものに合うものは知事許可をする。こうなつておりますと、これはどうも割切れないところがあるように思うのです。今審議途上にあります。今日は漁船法をここで決定いたしましたが、漁業法改正のときに、その点が御考慮になつておつたかどうか、この第三号に入るといたしましても少しおかしいと思いますが、書き方をその点はどういうふうにお考えになつておりますか。
  46. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 御指摘のような点があるのでございまして、漁船法の建造許可をやります場合と、漁業法に基く漁業許可をやります場合と成るべく一致させるということが望ましいことではございまするが、実情を検討して参りますと、必ずしもそれに合わない部分が出て参るというようなこともございまして、今度の漁業法改正の六十六条の二の三項で考えられますことは、例えば打瀬網といつたような船の構造を考えて見ますというと、縦曳きの場合と比べましてどうしても長さが大きくならざるを得ないというふうな、これは漁業の種類の性格にもなつて参るのでございまするが、そういつた場合につきまして、漁業許可につきまして、一方は知事許可にし、一方は農林大臣許可にするということも如何かというふうに考えられますので、むしろ漁業許可といつたような一つの体制につきましては、小型機船底曳といつたような範疇で以て割切つて知事許可制度に考えまして、漁船の建造その他の許可の面につきましては別途考慮を払つて参るというふうな必要があるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございまして、私水産庁といたしましても、そういつた点につきまして将来どういうふうにすつきりと規定して参るかということにつきまして研究をいたしておる、かように存じておる次第でございます。
  47. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 この問題は私は今ここで御指摘いたしましたが、果してこの漁業法改正漁船法改正の際に、関係者課でその点を討議されたものであるかどうか、たまたまここにその問題が起つて、さような御説明をなさるのであるか、これはその時にもう了解済みであつて、今のお話のような処置をとるということにきまつておつたものであるかどうか。そうしませんと、私は漁船法改正提案者であります。説明をした内容と食い違いが生ずる慮れがあります。それは或る種の漁業については数府県に跨つて漁業をする、従つてさようなものは一県の知事許可では工合が惡いから、将来これは中央の許可にするつもりであるから、さような漁船は中央において建造の許受をする必要があると、かような説明をいたしておるのであります。従つてこの問題がさようなことに了解ができておつたものであるかどうか、若しできておらんとすれば、一つ今日でも早急に関係者で御研究下さいまして、この漁船許可及び漁業許可を如何にするかということをはつきりして頂きたい。そうしませんと、ここにこの両法案が確定いたしました後に問題が残る、それでこの問題は今お話のように伊勢湾のごときになりますと、三重県も或いは愛知県も関係をする県があると思います。そうするとどの県が許可しましても、そこに漁船の建造調整という面に関連を持つて参ります。それでこの県に限りまして、漁船法の第三条の第一項第三号に規定してある「前二号に掲げるもの以外の動力漁船」にそれが入るのであるかどうか。入るとすれば入るという解釈をはつきりして頂きたい。入らないで今お説のように漁業許可知事がやるが、漁船許可は大臣がやるのだということになりますと、非常におかしなものができて来やせんかと思う。この点一つよくお打合せ下さいまして、早急にお返事頂きたい。そうしませんと両法案とも目下非常なスピードで進んでおりますからその点を……。
  48. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それから私から一言質問しますが、この第百四条の二というのは、これは頗る重要なる条項であると思います。それにその委員の定員の過半数以上を欠いておる場合においては、都道府県知事は調整委員会意見を聞かんでもよろしい、こうなつておりますが、この欠いておるということは、委員の定員数が欠員であるという意味であろうと思いますけれども、欠席した場合も欠いておるということも言えますが、これが非常にあいまいであつて、そこに何らかのはつきりしたことがなくちや、定員数はずつとあるけれども、たまたま欠席しておるというような場合もとれる、この解釈を一つはつきりして頂きたい。
  49. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) お話になりましたように、委員の定員の過半数以上を欠いていると申しますのは、現実に委員の定員の過半数以上がない場合でございまして、そういう場合につきしては、委員が一人でも二人でも欠けますればすぐ補充選挙をするという建前になつておるのでございますし、又若し当初の選挙当時に委員定員以上に立候補されまして次点者になつておられるというようなかたがありますれば、繰り上げて委員になられるというような処置も講じ得るのでございまするが、ここに掲げてございますのは、さような補充ができるまでの間、即ち委員が現実にいなくて、選挙され或いは任命されたような委員が現実にいなくて委員会が成立しないというような場合を指しているのでございます。
  50. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それから本法案に対する予算的措置はどういうふうになつておりますか、一言お述べ願いたい。
  51. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 予算的措置につきましては、実は当初この漁業法等の一部を改正する法律をいろいろと内部で相談いたしました際におきましては、この改正条項の中で予算を伴うものはなかろうというような見通しの下にやつて参つたのでございます。即ち特に予算を予想されますのは、第六十六条の二の小型機船底曳網漁業の問題でございますが、こういつた問題につきましても初めは沿岸と沖合漁業とに一つの線を引いて調整して、その内部において調整して参るというだけの地ならし工作だけでありましたので、予算は次年度或いは再来年度といつたような、二十六年度におきましては必要はないだろうというくらいに考えておつたのでございまするが、先ほど御説明いたしました通り、五ポイント計画というような勧告が出まして、とにかくそういう濫獲漁業に属するような漁船は積極的な年次計画を以て厳選整理しなければいかんというような建前になりましたので、どうしてもここに予算を必要とするに至つたのでございます。そこで目下予算的な予算計画、予算案を実は作りまして、関係官庁方面に説明をいたしておるのでございまして、できまするならば、この法案によりまして具体的な予算が裏打されて、円滑な実施が図れますように希望しておるのでございます。
  52. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 本法案質疑は次回に延期したいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  54. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ちよつと御報告いたします。船舶職員法の二十トン未満の漁船職員で現在船長をしている者に対しては無試験で資格を与えるという本委員会の修正は、司令部においてOKされたそうであります。  次に、先ほど御決定を見ました船舶職員法改正に伴う小型漁船職員養成機構の充実に関する本委員会の決議を農林大臣運輸大臣に提出することに決定いたしておりましたが、これを更に大蔵大臣にまで提出いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めます。  それから松浦委員から農林大臣に対して強い希望が出ております。これは小型船員が受験の場合に、零細漁民でありますので、費用もない、又その間休まなければならんというような場合においては、その実費を支給するような、予算的措置を講じようというような強い希望であります。これは本委員会希望として農林省に特に要望いたします。水産庁長官はこの点について十分御考慮願いたいと思います。何かありますか。
  56. 松浦清一

    松浦清一君 今の講習会の問題ですね、それを一つ運輸委員会のほうにこういうことをきめたがということを通知といいますか、参考資料として一つ廻しておいて頂きたいのですがね。
  57. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) どこの委員会ですか。
  58. 松浦清一

    松浦清一君 運輸委員会です。そうしますと、受験とか講習とかという問題は海上保安庁関係になつて、例えば水産庁養成をやるとしても、運輸省でやるとしても、受験に関しては海上保安庁がこの試験をする、こういうことになるので、水産委員会でこの問題を取扱つているということが向うに周知されることが好ましいわけです。
  59. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 承知しました。水産委員会として運輸委員会にもその旨御通知いたします。  それから現在司令部にOKを取りに行つております本委員会においていろいろ予備的に御協議いたしました漁船保険法の一部改正法律案ですが、これは多分今明日中にはOKが来るだろうと存じております。これは非常に至急を要する法案でありますので、自然休会前、今月一ぱいに衆議院も参議院も通過いたさせたいとかように存じておりますので、明日は委員会の日でありませんけれども、明日の午後一時から委員会を開くことにいたしたいと思います。さよう御承知願いたいと思います。  本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午後三時二十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事            青山 正一君            千田  正君    委員            秋山俊一郎君            入交 太藏君            松浦 清一君            櫻内 義雄君   衆議院議員            永田  節君   政府委員    水産庁長官   家坂 孝平君   事務局側    常任委員会專門    員       岡  尊信君    常任委員会專門    員       林  達磨君   説明員    水産庁漁政部長           松任谷健太郎