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説明員(水野榮君) 最近の、先ず重油の
状況から申上げたいと思います。
重油の問題につきましては、御
承知のように昨年の暮に価格の値上りがありましたが、それに引き続いて又最近朝鮮動乱の
影響を受けまして、この重油の現物化が非常に窮屈にな
つておりまして、特に九州
地区におきましては、その操業にも事欠くというふうな
状況が出て参つのであります。この一—三月の石油製品の総額は約十一万トンでございますが、この一—三月のうち一月の見通しでありますが、先ず重油について申上げますと、一—三月の、特に一月でございますが、まだ二月、三月につきましては十分な見通しを立てておらないのでありますが、先ず一月の重油についての見通しを申上げて見たいと思うのであります。先ず一月分の、国内から供給をされますもの、それから製品として輸入されるもの、これを合せますと、五万七十三十キロ・リットルとな
つております。それからそのほかに軍の放出といたしまして二千三百キロリットル、合せまして五万九千三百三十キロ・リツトル、こういうものが重油の全体の供給量でございます。そのほか軽油につきまして申上げますと、国内の原油から製するもの、輸入によ
つて賄うもの、合せまして供給が一万七千百五十キロ・リットルあるのであります。それに軍からの特別の放出の一万五千を加えまして、三万二千百五十キロ供給力があるのであります。併しながらこの軽油につきましては、外航船に使うものを差引きまして、結局一万一千百五十キロというのが軽油の供給力であります。従いまして主燃料の軽油、重油について申しますと、これが先ほど申しました重油の五万九千三百三十キロ・リットルと、それから軽油の一万一千百五十キロが、この供給力にな
つて、おるのでありますが、更にこういうことではとても一月は切り抜けられないというので、重油船一万五千トンを民需のほうに振向けてもらいまして、結局この一万五千を加えますと八万四千百五十キロが一月分の総供給力になるのであります。一方需要のほうはどうな
つておるかと申しますと、一—三月の枠が、安本の枠でありますが、これが
漁業全部含めまして三十万キロ・リットル、
従つてこれを一ヵ月分にしますと十万キロ・リットル要るのであります。そうしますとこの十万キロ・リットル要るところに、供給力としては八万四千百五十キロしかないということになりますと、約一万五六千の
不足ができて来るのでありますが、これは十二月からの繰越、先月からの繰越が約二万九千キロ・リットルあるのであります。これらは元売の基地からの報告であ
つて、これを加えますと一月は何とか切拔け得るということにな
つております。勿論これは軽油をまぜて使うということに相成るのであります。尤も冬期、冬分は北海道方面におきましては軽油をまぜて使
つてお
つたのでありますが、今度は北海道や東北方面、寒い
地方でなくして全国にやはり軽油をまぜて使
つてもらわなければいけないという問題が起
つて来ておるのでありまして、現に一月分につきましては、軽油をまぜて売るようにということが通産省から出ておるのであります。大体価格にいたしまして二割方高いということにな
つております。それでは一月分はそれでいいのでありますが、二月、三月ということになればどういうことになるだろうかと申しますと、これは私どもまだ十分な情報を得ておりませんが、
資源庁なり安本なりからの
説明によりますと、一万五千トン級の船を二杯ほど、これは重油でありますが、二月分は民需のほうへ向けてやるとこういうことでありますが、一万五千が二杯で三万トンになるのであります。そのほか国内産の原油が約六万トン期待できるのでありますが、結局九万トン、九万トンということになりますと、やはり一月分には、一月まあ十万トンといたしますと、これもなかなか窮屈なことになるのじやないかというふうに思
つております。この点もやはり軽油をまぜて使
つて行かなければ到底乗り切
つて行けないのじやないかというふうな見通しであります。二月、三月も大体そういうふうな見通しでございます。なおこの重油につきましては、昨年末値段が上りましたが、更に最近関税の問題が起
つておるのであります。石油類について関税をかける、厚油が一〇%それから重油、軽油等について一〇%かけるという問題が起
つておるのでありますが、この問題は、すでに重油に税をかけるという点につきましては、司令部のほうの
関係も大体内諾を受けておるようでありますが、我々といたしましては、この上重油の値上りを来たすことは
漁業経営に非常な圧迫を加えるという
関係からいたしまして、
只今この関税の免除ということにつきまして、いろいろと手を打
つておるのでありまして、明日関税審議会が開かれるのでありますが、その席上で、この
漁業の現在直面しておる経営上の問題から、どうしてもこれは免税にしてもらわなければいけないということを強く
主張してもらうために、
委員でありますところの次官に
只今お願いをしておる次第であります。
次に、この綿糸の需給の
お話をいたしたいと思います。
綿糸は、大体年間二千万ポンド、二百万玉要るのでありますが、第三四半期は、輸出のほうに非常に伸びましたために内需がだんだんと遅れて行きまして、結局三十万玉三百万ポンドしか割当がなか
つたのでありますが、第四四半期におきましては、六百万ポンドを割当てることにな
つたのであります。これを初め五百万ポンドということであつたんでありますが、NRSのほうからESSに対して非常に強い折衝がありまして六百万ポンドに殖やして頂いたのでありまして、すでに第一次割当といたしまして四十八乃玉配給の手順を完了いたしました。後の十二万玉は、第二次分として次に割当てたいと思
つております。なぜこういうふうな割当をしたかと申しますと、昨年の十月から、この原綿の輸入は
民間貿易に委ねられたのでありまして、現在
政府で手持をしておるものが九万三千梱、それから
民間輸入で入れられるものが一万九千五百梱、結局割合にしますと、
政府拂下のものが八二・五%、それから民貿によるものが一七・%ということにな
つておるので、我々といたしましては、この
漁業に全部、その民貿でなくして安い
政府拂下の綿糸をもらいたいということを交渉したのでありますが、
漁業だけにそういう取扱ができないというので、結局六十万玉のうちの八〇%
政府拂下のものをやろう、
あとの二〇%を
民間貿易のもので取
つてもらいたい。こういう交渉が成立いたしましたので、差当り安い物四十八万玉の配給をすることにいたしたのであります。綿糸の需給については、これは全く変りませんが、大体年間二千万ポンド程度の需要を賄うことはできるのじやないかと思うのであります。ところが漁網になる綿糸でありますが、これで最も困ることは、切符は行
つても現物化がなかなかできないという問題があるのであります。これはこの前にも、この席で問題に
なつたと思いますが、輸出に向けたほうが非常に有利だというので、紡織業者は内需、特に
漁業のほうに向けることを好まない。こういう点と、それから輸出乃至内需のほうでも繊維製品というものになりますと、先拂を以
つて綿糸を引取るような取引をや
つているのに、
漁業のほうでは、とかく金が後拂になるというふうなことで、非常にこれの入手に專門業者も困難をしているようでありますので、我々といたしましては、できるだけこの現物化という問題に注意をして、資金の手当をよくするように注意いたしますと共に、その配給をする場合に、これが必ず現物化するようなところへ配給をするようなに指導をしておるのであります。
大体石油製品並びに綿糸についての、最近の需給
状況の
説明を以上を以て終ります。